(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】光学レンズアセンブリ及びヘッドマウント式表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 25/00 20060101AFI20240417BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20240417BHJP
【FI】
G02B25/00
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2020102881
(22)【出願日】2020-06-15
【審査請求日】2022-11-17
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202010155853.8
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】郭 道宏
(72)【発明者】
【氏名】莊 福明
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/117025(WO,A1)
【文献】特開2005-165032(JP,A)
【文献】米国特許第05742434(US,A)
【文献】特開2004-341013(JP,A)
【文献】特開平01-319724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像発生器が提供する画像光束を受ける光学レンズアセンブリであって、
プリズムは前記画像発生器と前記光学レンズアセンブリとの間に位置し、
前記光学レンズアセンブリは、出光側から入光側へ順に配列された第一レンズ、第二レンズ、第三レンズ及び第四レンズを含み、かつ、前記第一レンズ、前記第二レンズ、前記第三レンズ及び前記第四レンズの屈折度が順にそれぞれ正、負、正及び正であり、
前記画像発生器が前記入光側に設置され、
前記画像光束は前記出光側に絞りを形成し、前記絞りは前記画像光束の光束収縮の最小断面積を有し、
前記プリズムは屈折度を有せず、かつ、前記画像発生器からの前記画像光束を前記第四レンズまで導き、前記プリズムからの前記画像光束は前
記第四レンズに直接入射
し、
前記第三レンズが両凸レンズであり、前記第四レンズが凹凸レンズであり、かつ前記入光側に向いた凹面を有することを特徴とする、光学レンズアセンブリ。
【請求項2】
前記光学レンズアセンブリのレンズアセンブリ総長さをBとし、前記光学レンズアセンブリの中の最大レンズの有効開口をDとした場合、前記光学レンズアセンブリがB×D<130mm
2を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項3】
前記絞りと前記光学レンズアセンブリとの光軸における距離をAとし、前記光学レンズアセンブリと前記画像発生器との前記光軸における距離をCとした場合、前記光学レンズアセンブリがA+C<20mmを満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項4】
前記光学レンズアセンブリのレンズアセンブリ総長さをBとし、前記光学レンズアセンブリの中の最大レンズの有効開口をDとし、前記光学レンズアセンブリの視野角をFOVとした場合、前記光学レンズアセンブリがFOV/(B×D)>0.4度/mm
2を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項5】
前記光学レンズアセンブリの視野角をFOVとした場合、前記光学レンズアセンブリがFOV>50度を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項6】
前記第一レンズが両凸レンズであり、前記第二レンズが凸凹レンズであり、かつ前記入光側に向いた凸面を有
することを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項7】
前記第一レンズ、前記第二レンズ、前記第三レンズ及び前記第四レンズがガラス非球面レンズであることを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項8】
前記光学レンズアセンブリのレンズアセンブリ総長さをBとし、前記光学レンズアセンブリの中の最大レンズの有効開口をDとした場合、前記光学レンズアセンブリがB×D<170mm
2を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項9】
前記絞りと前記光学レンズアセンブリとの光軸における距離をAとし、前記光学レンズアセンブリと前記画像発生器との前記光軸における距離をCとした場合、前記光学レンズアセンブリがA+C<25mmを満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項10】
前記光学レンズアセンブリのレンズアセンブリ総長さをBとし、前記光学レンズアセンブリの中の最大レンズの有効開口をDとし、前記光学レンズアセンブリの視野角をFOVとした場合、前記光学レンズアセンブリがFOV/(B×D)>0.2度/mm
2を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項11】
前記光学レンズアセンブリの視野角をFOVとした場合、前記光学レンズアセンブリがFOV>40度を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項12】
前記第一レンズと前記第二レンズがプラスチック非球面レンズであり、前記第三レンズと前記第四レンズがガラス非球面レンズであることを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項13】
前記第二レンズと前記第三レンズがプラスチック非球面レンズであり、前記第一レンズと前記第四レンズがガラス非球面レンズであることを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項14】
前記第二レンズと前記第四レンズがプラスチック非球面レンズであり、前記第一レンズと前記第三レンズがガラス非球面レンズであることを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項15】
前記第一レンズ、前記第二レンズと前記第三レンズがプラスチック非球面レンズであり、前記第四レンズがガラス非球面レンズであることを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項16】
前記光学レンズアセンブリはさらに、前記光学レンズアセンブリと前記絞りとの間に設置された第一プリズムを含み、
前記画像光束は前記光学レンズアセンブリを離れ、前記第一プリズムを通って、かつ前記絞りに集まり、
前記画像光束は前記絞りを通った後に発散することを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項17】
前記絞りは導波素子のカップリング入口に形成され、
前記画像光束は前記絞りを通って、前記カップリング入口から前記導波素子に入り、かつ前記導波素子のカップリング出口まで伝達されて、さらにターゲットまで投射されることを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項18】
前記絞りと前記光学レンズアセンブリとの光軸における距離をAとし、前記光学レンズアセンブリのレンズアセンブリ総長さをBとし、前記光学レンズアセンブリと前記画像発生器との前記光軸における距離をCとし、前記光学レンズアセンブリの中の最大レンズの有効開口をDとし、前記光学レンズアセンブリの視野角をFOVとした場合、
前記光学レンズアセンブリが、B×D<130mm
2、A+C<20mm、FOV/(B×D)>0.4度/mm
2、FOV>50度を満たし、
かつ、前記絞りの形状が円形であることを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項19】
前記絞りと前記光学レンズアセンブリとの光軸における距離をAとし、前記光学レンズアセンブリのレンズアセンブリ総長さをBとし、前記光学レンズアセンブリと前記画像発生器との前記光軸における距離をCとし、前記光学レンズアセンブリの中の最大レンズの有効開口をDとし、前記光学レンズアセンブリの視野角をFOVとした場合、
前記光学レンズアセンブリが、B×D<170mm
2、A+C<25mm、FOV/(B×D)>0.2度/mm
2、FOV>40度を満たし、
かつ、前記絞りの形状が円形であることを特徴とする、請求項1に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項20】
ヘッドマウント式表示装置であって、
前記ヘッドマウント式表示装置は光学レンズアセンブリ、導波素子とプリズムを含み、
前記光学レンズアセンブリが出光側から入光側へ順に配列された第一レンズ、第二レンズ、第三レンズ及び第四レンズを含み、
前記第一レンズ、前記第二レンズ、前記第三レンズ及び前記第四レンズの屈折度が順にそれぞれ正、負、正及び正であり、かつ、前記入光側に画像発生器が設置され、前記光学レンズアセンブリは前記画像発生器が提供した画像光束を受けるものであり、
前記画像光束は前記出光側に絞りを形成し、前記絞りが前記画像光束の光束収縮の最小断面積を有し、
前記絞りが前記導波素子のカップリング入口に形成され、前記画像光束が前記絞りを通って、前記カップリング入口から前記導波素子に入り、かつ前記導波素子のカップリング出口まで伝達されて、さらにターゲットまで投射され、
前記プリズムは前記画像発生器と前記光学レンズアセンブリとの間に位置し、前記プリズムは屈折度を有せず、かつ、前記画像発生器からの前記画像光束を前記第四レンズまで導き、前記プリズムからの前記画像光束は前記第四レンズに直接入射
し、
前記第三レンズが両凸レンズであり、前記第四レンズが凹凸レンズであり、かつ前記入光側に向いた凹面を有することを特徴とする、ヘッドマウント式表示装置。
【請求項21】
前記ヘッドマウント式表示装置はさらに、前記光学レンズアセンブリと前記絞りとの間に設置された第一プリズムを含み、
前記画像光束は前記光学レンズアセンブリを離れ、前記第一プリズムを通って、かつ前記絞りにつまり、
前記画像光束は前記絞りを通った後発散することを特徴とする、請求項20に記載のヘッドマウント式表示装置。
【請求項22】
前記導波素子は、前記カップリング出口のところに設置された光学微構造を含み、
前記光学微構造が前記カップリング出口まで伝達された前記画像光束を前記ターゲットまで投射することを特徴とする、請求項20に記載のヘッドマウント式表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学レンズアセンブリに関し、特にヘッドマウント式表示装置に備えられた光学レンズアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
導波管(waveguide)を有するディスプレイ(導波ディスプレイ)は、その画像ソースの種類によって、自発光パネル構造、透過型パネル構造及び反射型パネル構造に分けることができる。自発光または透過型パネル構造の導波ディスプレイにおいて、前記各種のパネルが提供した画像光束が光学レンズアセンブリを通って、カップリング入口から導波管に入る。続いて、画像光束が導波管中に伝達されてカップリング出口に到達すると、画像光束がさらに人の目の位置まで投射されて、画像を形成する。反射型パネル構造の導波ディスプレイにおいて、その光源が提供した照明光束は照明光学装置に伝達された後、照明プリズムによって反射型パネルに照射され、反射型パネルでこの照明光束が画像光束に変換されるため、反射型パネルが画像光束を光学レンズアセンブリまで伝達し、画像光束が光学レンズアセンブリを通って導波管に導入される。そして、画像光束が導波管中に伝達されてカップリング出口に到達すると、画像光束がさらに人の目の位置まで投射される。光学レンズアセンブリは、画像ソース(パネル)で生成された画像を、一定の距離離れた位置に虚像として形成し、この虚像が人の目によって、網膜上の像として再形成される。光学レンズアセンブリは導波管ディスプレイに応用され、光学レンズアセンブリの寸法の大きさ、重量が考慮すべき重要項目である。
【0003】
「背景技術」は本発明内容の理解を促すことだけを目的とし、そのため、「背景技術」に開示された内容には当業者が把握している従来技術を構成しないものを含まれている可能性もある。「背景技術」に開示された内容は、当該内容または本発明の一つ若しくは複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に当業者に承知または把握されていたことを意味するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、寸法が小さく、重量が軽く、視角が大きくて、かつ解像度が高い光学レンズアセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のその他の目的と利点について、本発明が開示する技術特徴から一層理解を深めることができる。前記一つ、一部または全ての目的及びその他の目的を達成するために、本発明の実施例は光学レンズアセンブリを提供し、この光学レンズアセンブリが出光側から入光側へ順に配列された第一レンズ、第二レンズ、第三レンズ及び第四レンズを含む。第一レンズ、第二レンズ、第三レンズ及び第四レンズの屈折度が順にそれぞれ正、負、正及び正である。画像発生器が入光側に設置される。光学レンズアセンブリは画像発生器が提供した画像光束を受ける。画像光束は出光側に絞り(stop)を形成する。絞りは画像光束の光束収縮の最小光束断面積を有する。
【0006】
前記一つ、一部または全ての目的及びその他の目的を達成するために、本発明の別の実施例は、光学レンズアセンブリと導波素子とを含むヘッドマウント式表示装置を提供する。光学レンズアセンブリは、出光側から入光側へ順に配列された第一レンズ、第二レンズ、第三レンズ及び第四レンズを含む。第一レンズ、第二レンズ、第三レンズ及び第四レンズの屈折度が順にそれぞれ正、負、正及び正である。画像発生器が入光側に設置される。光学レンズアセンブリは画像発生器が提供した画像光束を受ける。画像光束は出光側に絞りを形成する。絞りは画像光束の光束収縮の最小光束断面積を有する。絞りは導波素子のカップリング入口に形成される。画像光束は絞りを通って、カップリング入口から導波素子に入り、かつ導波素子のカップリング出口まで伝達されて、されにターゲットまで投射される。
【0007】
以上により、本発明の実施例は少なくとも以下の一つの利点または効果を有する。本発明で示された実施例において、光学レンズアセンブリの設計が予め設定された基準を満たすようにすることで、光学レンズアセンブリの光学レンズ全体の長さを短くして、ディスプレイの外観体積を小さくすることができる。また、光学レンズアセンブリにおけるすべてのレンズの材料を検討することで、光学レンズアセンブリの重量を軽減し、さらにヘッドマウント式ディスプレイの重量を軽減することができる。その他、導波管の視野角(FOV)の増大を回避しようとすると、光学レンズアセンブリの設計もこれによって複雑になり、ディスプレイの体積と重量も大きくなったり、重たくなったりする問題がある。従って、本発明の光学レンズアセンブリは、寸法が小さく、重量が軽く、視角が大きく、かつ解像度が高いとうメリットを有する。なお、ヘッドマウント式ディスプレイを使用する場合、熱が発生することに起因して光学レンズアセンブリが変形し、画像の質に影響を及ぼすことがあるが、本発明の光学レンズアセンブリの設計を利用することで、熱ドリフト(thermal drift)の問題を有効に解決し、画像質を高めることができる。
【0008】
本発明の前記特徴と利点をより明確に分かりやすく示すため、以下はその好ましい実施例を挙げて、かつ図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図。
【
図2A】
図1の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲図及び歪曲収差図。
【
図2B】
図1の光学レンズアセンブリの横方向色収差図。
【
図2C】
図1の光学レンズアセンブリの変調伝達関数の曲線図。
【
図2D】
図1の光学レンズアセンブリの光路差の図。
【
図3】本発明の第二実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図。
【
図4】本発明の第三実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図。
【
図5A】第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲図及び歪曲収差図。
【
図5B】第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリの横方向色収差図。
【
図5C】第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリの変調伝達関数の曲線図。
【
図5D】第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリの光路差の図。
【
図6】第四ないし第六実施例の表示画像を示す概略図。
【
図7A】第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリが環境温度0℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図7B】第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリが環境温度25℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図7C】第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリが環境温度40℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図8】本発明の第七実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図。
【
図9A】
図8の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲図及び歪曲収差図。
【
図9B】
図8の光学レンズアセンブリの横方向色収差図。
【
図9C】
図8の光学レンズアセンブリの光路差の図。
【
図10A】第七実施例の光学レンズアセンブリが環境温度20℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図10B】第七実施例の光学レンズアセンブリが環境温度0℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図10C】第七実施例の光学レンズアセンブリが環境温度25℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図10D】第七実施例の光学レンズアセンブリが環境温度40℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図11】本発明の第八実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図。
【
図12A】
図11の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲図及び歪曲収差図。
【
図13A】第八実施例の光学レンズアセンブリが環境温度20℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図13B】第八実施例の光学レンズアセンブリが環境温度0℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図13C】第八実施例の光学レンズアセンブリが環境温度25℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図13D】第八実施例の光学レンズアセンブリが環境温度40℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図14】本発明の第九実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図。
【
図15A】
図14の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲図及び歪曲収差図。
【
図16A】第九実施例の光学レンズアセンブリが環境温度20℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図16B】第九実施例の光学レンズアセンブリが環境温度0℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図16C】第九実施例の光学レンズアセンブリが環境温度25℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【
図16D】第九実施例の光学レンズアセンブリが環境温度40℃における熱平衡の変調伝達関数を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の前記及びその他の技術内容、特徴と効果について、以下は図面を参照した好ましい実施例の詳細説明を通して明確に示す。以下の実施例において言及される方向用語、例えば、上、下、左、右、前及び後などは、図面を参照する方向のみである。従って、これらの方向用語は説明目的に用いられるものであり、本発明を制限するものではない。
【0011】
図1は本発明の第一実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図である。
図1を参照すると、本実施例のヘッドマウント式表示装置100は導波素子130を有するが、本発明はこれに限定されない。本実施例において、ヘッドマウント式表示装置100は光学レンズアセンブリ110、伝達プリズム(第二プリズム)120、導波素子130及び画像発生器150を含む。光学レンズアセンブリ110の入光側ISに画像発生器150が設置される。画像発生器150は、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device、DMD)または反射型シリコン基板液晶素子(Liquid crystal on silicon、LCoS)などの画像表示素子であってもよいが、別の実施例において、画像発生器150が透過型の空間光変調器、例えば、透光液晶パネル(Transparent Liquid Crystal Panel)などであってもよい。画像発生器150は有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)、マイクロ有機発光ダイオード(Micro Organic Light-Emitting Diode、Micro OLED)またはマイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、Micro LED )であってもよい。本発明は画像発生器150の形態及びその種類について制限しない。伝達プリズム120は光学レンズアセンブリ110と画像発生器150との間に設置される。画像発生器150が提供した画像光束IMは、伝達プリズム120を通って光学レンズアセンブリ110に入る。光学レンズアセンブリ110は画像光束IMを受けることに適している。本実施例において、画像発生器150の表面に埃が溜まって画像光束IMの伝達を影響し、画像が不明瞭になることを避けるために、画像発生器150と照明プリズム120との間にカバーガラス(cover glass)140が設置される。
【0012】
本実施例において、画像光束IMは光学レンズアセンブリ110を通った後、光学レンズアセンブリ110の出光側ESに絞り(stop)STを形成する。本実施例において、絞りSTは画像光束IMの出光側ESに形成される。絞りSTにおいて、画像光束IMが最小断面積を有する。例を挙げると、本実施例において、X軸とY軸で形成される参考平面に位置し、絞りSTが例えば円形であり、かつX軸方向とY軸方向における直径寸法が一致する。本実施例において、画像光束IMが光学レンズアセンブリ110を通った後に絞りSTを形成し、絞りSTが画像光束IMの最小断面積を有する。従って、画像光束IMが光学レンズアセンブリ110を通った後、絞りSTで縮小され、かつ絞りSTを通過した後に発散する。本実施例において、画像光束IMが導波素子130のカップリング出口まで伝達され、絞りSTが導波素子130のカップリング出口に位置し、さらに予定のターゲットまで投射される。一実施例において、前記予定のターゲットは例えば人の目である。別の実施例において、絞りSTが導波素子130の入光口または出光口の何れに位置してもよく、導波素子130を経由してカップリング出口まで伝達された光束は、さらに予定のターゲットまで投射される。入光側ISは画像光束IMが光学レンズアセンブリ110に入る側であり、出光側ESは画像光束IMが光学レンズアセンブリ110を離れる側である。
【0013】
本実施例において、一つの状況として、光学レンズアセンブリ110はB×D<130を満たし、ここで、Bが光学レンズアセンブリ110のレンズアセンブリ総長さあり、Dが光学レンズアセンブリ110中の最大レンズの有効開口(Clear aperture)であり、本実施例において、例えば第四レンズ118の有効開口である。本実施例において、別の状況として、光学レンズアセンブリ110はA+C<20を満たし、ここで、Aが絞りSTと光学レンズアセンブリ110との光軸OAにおける距離であり、つまり、絞りSTと第一レンズ112の出光面との距離であり、かつ、Cが光学レンズアセンブリ110の表面S8と画像発生器150の表面との光軸OAにおける距離である。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はFOV/(B×D)>0.4を満たし、ここで、FOVが光学レンズアセンブリ110の視野角である。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はFOV>50を満たす。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はB×D<130、A+C<20、FOV/(B×D)>0.4、FOV>50を同時に満たす。パラメータA、B、C、D、FOVの定義は前記と同じとする。本実施において、前記パラメータA、B、C、Dは、例えばそれぞれ5.8ミリメートル(millimeters)、10.85ミリメートル、11.45ミリメートル、11.7ミリメートルである。これらのパラメータの数値は本発明を限定するものではない。本実施例において、光学レンズアセンブリ110の視野角は例えば60度である。
【0014】
なお、A+Cは前方焦点距離に後方焦点距離を足した距離数値を意味し、前方焦点距離は出光側ESにおける光学レンズアセンブリ110の焦点距離であり、後方焦点距離は入光側ISにおける光学レンズアセンブリ110の焦点距離である。本発明はテレセントリック光学レンズアセンブリの設計であるため、A+Cの合計値が20mmより大きくなると、テレセントリック光学レンズアセンブリの設計上、光学レンズアセンブリの広角度(視野角)と両立させることが相当困難である。従って、本発明ではA+Cの数値を20mmより小さくすることで、前記欠点を克服することができる。B×Dは光学レンズアセンブリの断面積を意味する。当業者は、体積の小さい光学レンズアセンブリ程その設計が困難であることがわかる。Bの数値が過大になった場合、光学レンズアセンブリの設計において光学レンズアセンブリの広角度まで配慮することができなくなるため、B×D<130になるようにBの数値を管理する必要がある。本実施例の光学レンズアセンブリの体積が小さく、広角度が大きいという利点を有する。同じように、FOV/(B×D)>0.4は単位断面積の視野角を意味し、FOV>50は視野角を50度以上に維持することを意味する
本実施例において、光学レンズアセンブリ110は、出光側ESから入光側ISへ順に配列された第一レンズ112、第二レンズ114、第三レンズ116、及び第四レンズ118を含む。第一レンズ112、第二レンズ114、第三レンズ116及び第四レンズ118の屈折度が順に正、負、正及び正である。本実施例において、第一レンズ112が両凸レンズであり、第二レンズ114が凸凹レンズであり、かつ入光側ISへ向いた凸面を有し、第三レンズ116が両凸レンズであり、第四レンズ118が凹凸レンズであり、かつ入光側へ向いた凹面を有する。実施例において、第一レンズ112、第二レンズ114、第三レンズ116及び第四レンズ118がガラス非球面レンズである。かつ、凸凹レンズまたは凹凸レンズは、例えばメニスクスレンズ(Meniscus lens)であり、その違いが凸面の向きにある。
【0015】
以下、光学レンズアセンブリ110の一実施例について説明する。なお、以下に取り上げるデータ資料は本発明を限定するものではなく、当業者が本発明を参照したうえで、そのパラメータまたは設定を適宜変更することが可能であり、この変更したものも本発明の範囲に属する。
【0016】
【表1】
図1及び表一を参照すると、表一において各レンズ(第一レンズ112ないし第四レンズ118を含む)の表面が示されている。例を挙げると、表面S1は第一レンズ112の出光側ESに面した表面であり、表面S2は第一レンズ112の入光側ISに面した表面であり、その他のレンズも同じ。また、間隔とは隣接する二つの表面の間の光軸OAにおける直線距離を言う。例を挙げる、表面S1に対応する間隔は、表面S1から表面S2までの光軸OAにおける直線距離を示し、かつ表面S2に対応する間隔は、表面S2から表面S3までの光軸OAにおける直線距離を示し、その他の間隔も同じ。
【0017】
本実施例において、第一レンズ112、第二レンズ114、第三レンズ116及び第四レンズ118が非球面レンズであってもよい。非球面レンズの公式は以下の通りである。
【0018】
【数1】
前記式において、Xが光軸OA方向の移動量(sag)であり、Rが接触球面(osculating sphere)の半径であり、つまり、光軸OAに近接する半径(表一が示す半径逆数)である。kは二次曲面係数(conic)であり、Yは非球面高さであり、即ち、レンズの中心からレンズのエッジまでの高さであり、係数A
2、A
4、A
6、A
8、A
10、A
12は非球面係数(aspheric coefficient)である。本実施例において、係数A
2が0である。以下の表二は各レンズの表面のパラメータ値を示すものである。
【0019】
【表2】
図2Aは
図1の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲(field curvature)図及び歪曲収差図である。
図2Bは
図1の光学レンズアセンブリの横方向色収差図であり、これは波長465ナノメートル(nm)、525ナノメートル、620ナノメートルの光を用いて作成されたシミュレーションデータ図であり、縦軸が像高を示す。
図2Cは
図1の光学レンズアセンブリの変調伝達関数の曲線図であり、横軸が焦点移動量(focus shift)を示し、縦軸が光学伝達関数のモジュラー(modulus of the OTF)を示す。
図2Dは
図1の光学レンズアセンブリの光路差の図である。
図2Aないし
図2Dが示す図形はいずれも標準範囲内にあり、これにより、本実施例の光学レンズアセンブリ110が優れた像形成効果を有することが検証された。また、
図2Dが示すように、画像発生器150のアクティブ表面において、画像光束IMが有するOPDの範囲は -2.0λ<OPD<2.0λであり、ここで、OPDが各視野角の光路差であり、λが各色光の波長であり、かつ、画像光束IMが赤色光、緑色光、青色光を含む。画像発生器150のアクティブ表面は画像光束IMが出射される表面である。さらに説明すると、この光路差の設計において当業者が簡単に分かるのは、光学レンズアセンブリを設計する時に、光学シミュレーション方法を用いることで、物体表面(予め設定されて目標地平面)から画像ソースが提供すべき画像光束の各視野角における光路差を逆推算することができる。本実施例において、設計最適化で視野角FOVが60度に達することができ、比較的に優れた視野範囲が得られる。単位断面積での視野角比率が高く、比率が0.47(度/平方ミリメートル)に達し、光学レンズアセンブリ110の体積が比較的に薄軽短小であり、空間の有効利用率が高い。
図2Bないし
図2Dを参照すると、本実施例において、画像発生器150のアクティブ表面に形成される最大の画像高さが4.29mmであり、かつ、光学レンズアセンブリ110の設計が予め設定した基準を満たし、少なくともの93lp/mmの解像度の画像を解析することが可能であり、光学レンズアセンブリ110は寸法が小さく、重量が軽く、視角が大きくて、かつ高い解像度を有するものである。
【0020】
図3は本発明の第二実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図である。
図3を参照すると、本実施例のヘッドマウント式表示装置200は
図1のヘッドマウント式表示装置100に類似するが、両者の主な相違点は、例えば、ヘッドマウント式表示装置200はさらに転向プリズム260(第一プリズム)及び導波素子230を含むことにある。本実施例において、転向プリズム260は光学レンズアセンブリ110と絞りSTとの間に設置される。画像光束IMは光学レンズアセンブリ110を離れ、転向プリズム260を通った後、伝達方向が変更され、絞りSTに集められる。画像光束IMは絞りSTを通った後に発散する。本実施例において、導波素子230はカップリング入口232及びカップリング出口234を含む。カップリング入口232及びカップリング出口234は、例えば、画像光束が導波素子230に入射する表面領域及び画像光束が導波素子230を離れる表面領域である。絞りSTは導波素子230のカップリング入口232に形成される。画像光束IMは絞りSTを通って、カップリング入口232から導波素子230に入り、かつ導波素子230のカップリング出口234まで伝達され、さらにターゲット900まで投射される。ここで、投射ターゲット900は例えば人の目である。本実施例において、導波素子230は光学微構造(図示せず)を含む。光学微構造はカップリング出口234のところに設置され、かつ、光学微構造は画像光束IMを反射してカップリング出口234まで伝達することで、画像光束IMをターゲット900まで投射する。別の実施例において、光学微構造は導波素子230のカップリング入口232に設置されてもよく、画像光束が光学微構造を通って、カップリング入口232を通過して導波素子230内に伝達された後、カップリング出口234の光学微構造に反射されて導波素子230を離れる。
【0021】
本実施例において、一つの状況として、光学レンズアセンブリ110が B×D<130を満たし、別の状況として、光学レンズアセンブリ110がA+C<20を満たし、光学レンズアセンブリ110が FOV/(B×D)>0.4を満たし、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110が FOV>50を満たす。また別の状況として、光学レンズアセンブリ110が B×D<130、A+C<20、FOV/(B×D)>0.4、FOV>50を同時に満たす。ここで、Aは絞りSTと光学レンズアセンブリ110の表面S1とが光軸OAにおける距離である。本実施例において、Aは第一レンズ112の表面S1と転向プリズム260の表面S9が光軸OAにおける距離、及び転向プリズム260の表面S9と絞りSTが光軸OAにおける距離の合計距離である。本実施例において、前記パラメータA、B、C、Dは、例えば、それぞれ5.8ミリメートル(millimeters)、10.84ミリメートル、11.45ミリメートル、11.7ミリメートルである。これらのパラメータの数値は本発明を限定するものではない。
【0022】
図3を参照し、光学レンズアセンブリ110の一実施例を以下に説明する。なお、以下に挙げるデータ情報は本発明を限定するものではなく、当業者が本発明を参照したうえ、これらのパラメータまたは設定を適宜変更したものも本発明の範囲に属する。
【0023】
【表3】
図4は本発明の第三実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図である。
図4を参照すると、本実施例のヘッドマウント式表示装置300は
図1のヘッドマウント式表示装置100に類似するが、両者の主な相違点は、例えば、導波素子230の設計にある。また、本実施例において、絞りSTと第一レンズ112との間にガラスブロックまたはプリズムがない。画像光束IMが光学レンズアセンブリ110を離れた後、空气中に伝達されて絞りSTに集められる。
【0024】
本実施例において、一つの状況として、光学レンズアセンブリ110が B×D<130を満たし、別の状況として、光学レンズアセンブリ110がA+C<20を満たし、光学レンズアセンブリ110がFOV/(B×D)>0.4を満たし、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110がFOV>50を満たす。また別の状況として、光学レンズアセンブリ110がB×D<130、A+C<20、FOV/(B×D)>0.4、FOV>50を同時に満たす。本実施例において、前記パラメータA、B、C、Dは、例えば、それぞれ3.8ミリメートル(millimeters)、10.85ミリメートル、11.45ミリメートル、11.7ミリメートルである。これらのパラメータの数値は本発明を限定するものではない。
【0025】
以上をまとめると、本発明の第一ないし第三実施例は少なくとも以下の利点と効果の一つを有する。本発明で示された実施例において、光学レンズアセンブリの設計が予め設定された基準を満たすため、光学レンズアセンブリは寸法が小さく、重量が軽く、視角が大きく、かつ解像度が高い。
【0026】
以下は、本発明の第四実施例ないし第六実施例を説明する。
【0027】
本発明の第四ないし第六実施例のヘッドマウント式表示装置の構造は、第一レンズ112、第二レンズ114がプラスチック非球面レンズであり、第三レンズ116及び第四レンズ118がガラス非球面レンズであること以外、
図3及び
図4が示す第一ないし第三実施例のヘッドマウント式表示装置の構造と同じである。また、第四ないし第六実施例のヘッドマウント式表示装置の光学パラメータと第一実施例のヘッドマウント式表示装置の光学パラメータと異なるものであり、以下具体的に説明する。
【0028】
第四ないし第六実施例において、一つの状況として、光学レンズアセンブリ110が B×D<170を満たし、別の状況として、光学レンズアセンブリ110がA+C<25を満たし、光学レンズアセンブリ110がFOV/(B×D)>0.2を満たし、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110がFOV>40を満たす。また別の状況として、光学レンズアセンブリ110がB×D<170、A+C<25、FOV/(B×D)>0.2、FOV>40を同時に満たす。ここで、Aは絞りSTと光学レンズアセンブリ110の表面S1とが光軸OAにおける距離である。第四ないし第六実施例において、Aは例えば第一レンズ112の表面S1と転向プリズム260の表面S9が光軸OAにおける距離、及び転向プリズム260の表面S9と絞りSTが光軸OAにおける距離の合計距離である。第四ないし第六実施例のパラメータは表4と表5が示す通りでる。これらのパラメータの数値は本発明を限定するものではない。
【0029】
【0030】
【表5】
図5Aは第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲(field curvature)図及び歪曲収差図である。
図5Bは第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリの横方向色収差図であり、これは波長465ナノメートル(nm)、525ナノメートル、620ナノメートルの光を用いて作成されたシミュレーションデータ図であり、縦軸が像高を示す。
図5Cは第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリの変調伝達関数の曲線図であり、横軸が焦点移動量(focus shift)を示し、縦軸が光学伝達関数のモジュラー(modulus of the OTF)を示す。
図5Dは第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリの光路差の図である。
図5Aないし
図5Dが示す図形はいずれも標準範囲内にあり、これにより、第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリ110が優れた像形成効果を有することが検証された。また、
図5Dが示すように、画像発生器150のアクティブ表面において、画像光束IMが有するOPDの範囲は -2.0λ<OPD<2.0λであり、ここで、OPDが各視野角の光路差であり、λが各色光の波長であり、かつ、画像光束IMが赤色光、緑色光、青色光を含む。画像発生器150のアクティブ表面は画像光束IMが出射される表面である。さらに説明すると、この光路差の設計において当業者が簡単に分かるのは、光学レンズアセンブリを設計する時に、光学シミュレーション方法を用いることで、物体表面から画像ソースが提供すべき画像光束の各視野角における光路差を逆推算することができる。第四ないし第六実施例において、設計最適化で視野角FOVが47.8度に達することができ、比較的に優れた視野範囲が得られる。単位断面積での視野角比率が高く、比率が0.75(度/平方ミリメートル)に達し、光学レンズアセンブリ110の体積が比較的に薄軽短小であり、空間の有効利用率が高い。
図5Bないし
図5Dを参照すると、本実施例において、画像発生器150のアクティブ表面に形成される最大の画像高さが3.34mmであり、かつ、光学レンズアセンブリ110の設計が予め設定した基準を満たし、少なくともの111lp/mmの解像度の画像を解析することが可能であり、光学レンズアセンブリ110は寸法が小さく、重量が軽く、視角が大きくて、かつ高い解像度を有するものである。
【0031】
第四実施例の光学レンズアセンブリ110の一実施例を以下に説明する。なお、以下に挙げるデータ情報は本発明を限定するものではなく、当業者が本発明を参照したうえ、これらのパラメータまたは設定を適宜変更したものも本発明の範囲に属する。
【0032】
【表6】
図1及び表六を参照すると、表六において各レンズ(第一レンズ112ないし第四レンズ118を含む)の表面が示されている。例を挙げると、表面S1は第一レンズ112の出光側ESに面した表面であり、表面S2は第一レンズ112の入光側ISに面した表面であり、その他のレンズも同じ。また、間隔とは隣接する二つの表面の間の光軸OAにおける直線距離を言う。例を挙げる、表面S1に対応する間隔は、表面S1から表面S2までの光軸OAにおける直線距離を示し、かつ表面S2に対応する間隔は、表面S2から表面S3までの光軸OAにおける直線距離を示し、その他の間隔も同じ。
【0033】
第四実施例において、第一レンズ112、第二レンズ114、第三レンズ116及び第四レンズ118が非球面レンズであってもよい。第一レンズ112、第二レンズ114の材質がプラスチックであり、第三レンズ116及び第四レンズ118の材質がガラスである。非球面レンズの公式は以下の通りである。
【0034】
【数2】
前記式において、Xが光軸OA方向の移動量(sag)であり、Rが接触球面(osculating sphere)の半径であり、つまり、光軸OAに近接する半径(表一が示す半径逆数)である。kは二次曲面係数(conic)であり、Yは非球面高さであり、即ち、レンズの中心からレンズのエッジまでの高さであり、係数A
2、A
4、A
6、A
8、A
10、A
12、A
14、A
16は非球面係数(aspheric coefficient)である。第四実施例において、係数A
2が0である。以下の表七は各レンズの表面のパラメータ値を示すものである。
【0035】
【表7】
第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリの構造は熱ドリフトの問題を低減することができる。これについて以下に説明する。
図6は第四ないし第六実施例の表示画像の概略図である。
図7A、
図7B、
図7Cはそれぞれ第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリが環境温度0℃、25℃、40℃における熱平衡の変調伝達関数(MTF)を示す概略図である。表八は各レンズ(第一レンズ112ないし第四レンズ118を含む)が異なる環境温度におけるレンズ温度を示している。
【0036】
【表8】
図6において、縦軸がMTFであり、横軸がデフォーカス位置(Defocusing Position)である。F1が画像中心であり、F2が画像中心から離れた位置であり、F3が画像の境界位置である。例を挙げると、F1からF3までの距離を1とすると、F1からF2までの距離が0.7になる。
図7A、
図7B、
図7Cにおいて、F2: Tが接線(tangential)方向を意味し、F2: Rがラジアル(Radial)方向を意味する。
図7A、
図7B、
図7Cからわかるように、第四ないし第六実施例の光学レンズアセンブリ構造の後方焦点距離(BFL)の熱ドリフト(thermal drift)が0.015ミリメートルより小さく、熱ドリフトの問題を軽減できる。
【0037】
以下は本発明の第七ないし第九実施例を説明する。
【0038】
図8は本発明の第七ないし第九実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図である。
図8が示すように、本実施例において、第一レンズ112、第二レンズ114、第三レンズ116がプラスチック非球面レンズである。第四レンズ118がガラス非球面レンズである。
【0039】
本実施例において、一つの状況として、光学レンズアセンブリ110はB×D<170を満たし、ここで、Bが光学レンズアセンブリ110のレンズアセンブリ総長さあり、Dが光学レンズアセンブリ110中の最大レンズの有効開口(Clear aperture)であり、本実施例において、例えば第四レンズ118の有効開口である。本実施例において、別の状況として、光学レンズアセンブリ110はA+C<25を満たし、ここで、Aが絞りSTと光学レンズアセンブリ110との光軸OAにおける距離であり、つまり、絞りSTと第一レンズ112の出光面との距離であり、かつ、Cが光学レンズアセンブリ110の表面S8と画像発生器150の表面との光軸OAにおける距離である。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はFOV/(B×D)>0.2を満たし、ここで、FOVが光学レンズアセンブリ110の視野角である。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はFOV>40を満たす。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はB×D<170、A+C<25、FOV/(B×D)>0.2、FOV>40を同時に満たす。パラメータA、B、C、D、FOVの定義は前記と同じとする。本実施において、前記パラメータA、B、C、Dは、例えばそれぞれ5.45ミリメートル(millimeters)、7.7ミリメートル、6.35ミリメートル、8.2ミリメートルである。前記パラメータA+C、B×D、FOV/(B×D)、FOVは、例えばそれぞれ11.8ミリメートル(millimeters)、63.14ミリメートル、0.77ミリメートル、48.73ミリメートルである。これらのパラメータの数値は本発明を限定するものではない。
【0040】
光学レンズアセンブリ110の一実施例を以下に説明する。なお、以下に挙げるデータ情報は本発明を限定するものではなく、当業者が本発明を参照したうえ、これらのパラメータまたは設定を適宜変更したものも本発明の範囲に属する。
【0041】
【表9】
図8及び表九を参照すると、表九において各レンズ(第一レンズ112ないし第四レンズ118を含む)の表面が示されている。例を挙げると、表面S1は第一レンズ112の出光側ESに面した表面であり、表面S2は第一レンズ112の入光側ISに面した表面であり、その他のレンズも同じ。また、間隔とは隣接する二つの表面の間の光軸OAにおける直線距離を言う。例を挙げる、表面S1に対応する間隔は、表面S1から表面S2までの光軸OAにおける直線距離を示し、かつ表面S2に対応する間隔は、表面S2から表面S3までの光軸OAにおける直線距離を示し、その他の間隔も同じ。
【0042】
本実施例において、第一レンズ112、第二レンズ114、第三レンズ116及び第四レンズ118が非球面レンズであってもよい。非球面レンズの公式は以下の通りである。
【0043】
【数3】
前記式において、Xが光軸OA方向の移動量(sag)であり、Rが接触球面(osculating sphere)の半径であり、つまり、光軸OAに近接する半径(表一が示す半径逆数)である。kは二次曲面係数(conic)であり、Yは非球面高さであり、即ち、レンズの中心からレンズのエッジまでの高さであり、係数A
2、A
4、A
6、A
8、A
10、A
12、A
14、A
16は非球面係数(aspheric coefficient)である。本実施例において、係数A
2が0である。以下の表十は各レンズの表面のパラメータ値を示すものである。
【0044】
【表10】
図9Aは
図8の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲(field curvature)図及び歪曲収差図である。
図9Bは
図8の光学レンズアセンブリの横方向色収差図であり、これは波長465ナノメートル(nm)、525ナノメートル、620ナノメートルの光を用いて作成されたシミュレーションデータ図であり、縦軸が像高を示す。
図9Cは
図8の光学レンズアセンブリの光路差の図である。
図9Aないし
図9Cが示す図形はいずれも標準範囲内にあり、これにより、本実施例の光学レンズアセンブリ110が優れた像形成効果を有することが検証された。また、
図9Cからわかるように、画像発生器150のアクティブ表面において、画像光束IMが有するOPDの範囲は -2.0λ<OPD<2.0λであり、ここで、OPDが各視野角の光路差であり、λが各色光の波長であり、かつ、画像光束IMが赤色光、緑色光、青色光を含む。画像発生器150のアクティブ表面は画像光束IMが出射される表面である。さらに説明すると、この光路差の設計において当業者が簡単に分かるのは、光学レンズアセンブリを設計する時に、光学シミュレーション方法を用いることで、物体表面から画像ソースが提供すべき画像光束の各視野角における光路差を逆推算することができる。本実施例において、設計最適化で視野角FOVが48.73度に達することができ、比較的に優れた視野範囲が得られる。単位断面積での視野角比率が高く、比率が0.77(度/平方ミリメートル)に達し、光学レンズアセンブリ110の体積が比較的に薄軽短小であり、空間の有効利用率が高い。
図9Bないし
図9Cを参照すると、本実施例において、画像発生器150のアクティブ表面に形成される最大の画像高さが3.34mmであり、かつ、光学レンズアセンブリ110の設計が予め設定した基準を満たし、少なくともの111lp/mmの解像度の画像を解析することが可能であり、光学レンズアセンブリ110は寸法が小さく、重量が軽く、視角が大きくて、かつ高い解像度を有するものである。
【0045】
第七実施例の光学レンズアセンブリの構造は熱ドリフトの問題を低減することができる。これについて以下に説明する。
図10A、
図10B、
図10C、
図10Dはそれぞれ第七実施例の光学レンズアセンブリが環境温度20℃、0℃、25℃、40℃における熱平衡の変調伝達関数(MTF)を示す概略図である。光学レンズアセンブリ110の各光学パラメータは例えば環境温度20℃を参考に設計したものであり、そのため、
図10Aが示す熱平衡の変調伝達関数(MTF)を光学レンズアセンブリ110に熱ドリフトが発生したか否かの参考値とすることができる。
図10B、
図10C、
図10Dからわかるように、環境温度が0℃から40℃に変化すると、光学レンズアセンブリ110この熱影響(Thermal effect)を受けても、そのMTFが依然として40%より大きい。
【0046】
図11は本発明の第八実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図である。
図11が示すように、本実施例において、第一レンズ112がガラス非球面レンズであり、第二レンズ114、第三レンズ116がプラスチック非球面レンズであり、及び第四レンズ118がガラス非球面レンズである。
【0047】
本実施例において、一つの状況として、光学レンズアセンブリ110はB×D<170を満たし、ここで、Bが光学レンズアセンブリ110のレンズアセンブリ総長さあり、本実施例において、例えば、Bは光軸OAにおける表面S1から表面S8までの距離であり、Dが光学レンズアセンブリ110中の最大レンズの有効開口(Clear aperture)であり、本実施例において、例えば第四レンズ118の有効開口である。本実施例において、別の状況として、光学レンズアセンブリ110はA+C<25を満たし、ここで、Aが絞りSTと光学レンズアセンブリ110との光軸OAにおける距離であり、つまり、絞りSTと第一レンズ112の出光面との距離であり、かつ、Cが光学レンズアセンブリ110の表面S8と画像発生器150の表面との光軸OAにおける距離である。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はFOV/(B×D)>0.2を満たし、ここで、FOVが光学レンズアセンブリ110の視野角である。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はFOV>40を満たす。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はB×D<170、A+C<25、FOV/(B×D)>0.2、FOV>40を同時に満たす。パラメータA、B、C、D、FOVの定義は前記と同じとする。本実施において、前記パラメータA、B、C、Dは、例えばそれぞれ5.45ミリメートル(millimeters)、8.34ミリメートル、5.48ミリメートル、8.1ミリメートルである。前記パラメータA+C、B×D、FOV/(B×D)、FOVは、例えばそれぞれ10.93ミリメートル(millimeters)、67.55ミリメートル、0.77ミリメートル、48.29ミリメートルである。これらのパラメータの数値は本発明を限定するものではない。
【0048】
光学レンズアセンブリ110の一実施例を以下に説明する。なお、以下に挙げるデータ情報は本発明を限定するものではなく、当業者が本発明を参照したうえ、これらのパラメータまたは設定を適宜変更したものも本発明の範囲に属する。
【0049】
【表11】
図11及び表十一を参照すると、表十一において各レンズ(第一レンズ112ないし第四レンズ118を含む)の表面が示されている。例を挙げると、表面S1は第一レンズ112の出光側ESに面した表面であり、表面S2は第一レンズ112の入光側ISに面した表面であり、その他のレンズも同じ。また、間隔とは隣接する二つの表面の間の光軸OAにおける直線距離を言う。例を挙げる、表面S1に対応する間隔は、表面S1から表面S2までの光軸OAにおける直線距離を示し、かつ表面S2に対応する間隔は、表面S2から表面S3までの光軸OAにおける直線距離を示し、その他の間隔も同じ。
【0050】
本実施例において、第一レンズ112、第二レンズ114、第三レンズ116及び第四レンズ118が非球面レンズであってもよい。非球面レンズの公式は以下の通りである。
【0051】
【数4】
前記式において、Xが光軸OA方向の移動量(sag)であり、Rが接触球面(osculating sphere)の半径であり、つまり、光軸OAに近接する半径(表一が示す半径逆数)である。kは二次曲面係数(conic)であり、Yは非球面高さであり、即ち、レンズの中心からレンズのエッジまでの高さであり、係数A
2、A
4、A
6、A
8、A
10、A
12、A
14、A
16は非球面係数(aspheric coefficient)である。本実施例において、係数A
2が0である。以下の表十二は各レンズの表面のパラメータ値を示すものである。
【0052】
【表12】
図12Aは
図11の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲(field curvature)図及び歪曲収差図である。
図12Bは
図11の光学レンズアセンブリの横方向色収差図であり、これは波長465ナノメートル(nm)、525ナノメートル、620ナノメートルの光を用いて作成されたシミュレーションデータ図であり、縦軸が像高を示す。
図12Cは
図11の光学レンズアセンブリの光路差の図である。
図12Aないし
図12Cが示す図形はいずれも標準範囲内にあり、これにより、本実施例の光学レンズアセンブリ110が優れた像形成効果を有することが検証された。また、
図12Cからわかるように、画像発生器150のアクティブ表面において、画像光束IMが有するOPDの範囲は -2.0λ<OPD<2.0λであり、ここで、OPDが各視野角の光路差であり、λが各色光の波長であり、かつ、画像光束IMが赤色光、緑色光、青色光を含む。画像発生器150のアクティブ表面は画像光束IMが出射される表面である。さらに説明すると、この光路差の設計において当業者が簡単に分かるのは、光学レンズアセンブリを設計する時に、光学シミュレーション方法を用いることで、物体表面から画像ソースが提供すべき画像光束の各視野角における光路差を逆推算することができる。本実施例において、設計最適化で視野角FOVが48.29度に達することができ、比較的に優れた視野範囲が得られる。単位断面積での視野角比率が高く、比率が0.71(度/平方ミリメートル)に達し、光学レンズアセンブリ110の体積が比較的に薄軽短小であり、空間の有効利用率が高い。
図12Bないし
図12Cを参照すると、本実施例において、画像発生器150のアクティブ表面に形成される最大の画像高さが3.34mmであり、かつ、光学レンズアセンブリ110の設計が予め設定した基準を満たし、少なくともの111lp/mmの解像度の画像を解析することが可能であり、光学レンズアセンブリ110は寸法が小さく、重量が軽く、視角が大きくて、かつ高い解像度を有するものである。
【0053】
第八実施例の光学レンズアセンブリの構造は熱ドリフトの問題を低減することができる。これについて以下に説明する。
図13A、
図13B、
図13C、
図13Dはそれぞれ第八実施例の光学レンズアセンブリが環境温度20℃、0℃、25℃、40℃における熱平衡の変調伝達関数(MTF)を示す概略図である。光学レンズアセンブリ110の各光学パラメータは例えば環境温度20℃を参考に設計したものであり、そのため、
図13Aが示す熱平衡の変調伝達関数(MTF)を光学レンズアセンブリ110に熱ドリフトが発生したか否かの参考値とすることができる。
図13B、
図13C、
図13Dからわかるように、環境温度が0℃から40℃に変化すると、光学レンズアセンブリ110この熱影響(Thermal effect)を受けても、そのMTFが依然として45%より大きい。
【0054】
表十三は各レンズ(第一レンズ112ないし第四レンズ118を含む)が異なる環境温度におけるレンズ温度を示している。
【0055】
【表13】
図14は本発明の第九実施例のヘッドマウント式表示装置を示す概略図である。
図14が示すように、本実施例において、第一レンズ112がガラス非球面レンズであり、第二レンズ114がプラスチック非球面レンズであり、第三レンズ116がガラス非球面レンズである。第四レンズ118がプラスチック非面レンズである。
【0056】
本実施例において、一つの状況として、光学レンズアセンブリ110はB×D<170を満たし、ここで、Bが光学レンズアセンブリ110のレンズアセンブリ総長さあり、本実施例において、例えば、Bは光軸OAにおける表面S1から表面S8までの距離であり、Dが光学レンズアセンブリ110中の最大レンズの有効開口(Clear aperture)であり、本実施例において、例えば第四レンズ118の有効開口である。本実施例において、別の状況として、光学レンズアセンブリ110はA+C<25を満たし、ここで、Aが絞りSTと光学レンズアセンブリ110との光軸OAにおける距離であり、つまり、絞りSTと第一レンズ112の出光面との距離であり、かつ、Cが光学レンズアセンブリ110の表面S8と画像発生器150の表面との光軸OAにおける距離である。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はFOV/(B×D)>0.2を満たし、ここで、FOVが光学レンズアセンブリ110の視野角である。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はFOV>40を満たす。本実施例において、さらに別の状況として、光学レンズアセンブリ110はB×D<170、A+C<25、FOV/(B×D)>0.2、FOV>40を同時に満たす。パラメータA、B、C、D、FOVの定義は前記と同じとする。本実施において、前記パラメータA、B、C、Dは、例えばそれぞれ5.5ミリメートル(millimeters)、7.95ミリメートル、5.1ミリメートル、8.1ミリメートルである。前記パラメータA+C、B×D、FOV/(B×D)、FOVは、例えばそれぞれ10.6ミリメートル(millimeters)、64.495ミリメートル、0.74ミリメートル、47.7ミリメートルである。これらのパラメータの数値は本発明を限定するものではない。
【0057】
光学レンズアセンブリ110の一実施例を以下に説明する。なお、以下に挙げるデータ情報は本発明を限定するものではなく、当業者が本発明を参照したうえ、これらのパラメータまたは設定を適宜変更したものも本発明の範囲に属する。
【0058】
【表14】
図14及び表十四を参照すると、表十四において各レンズ(第一レンズ112ないし第四レンズ118を含む)の表面が示されている。例を挙げると、表面S1は第一レンズ112の出光側ESに面した表面であり、表面S2は第一レンズ112の入光側ISに面した表面であり、その他のレンズも同じ。また、間隔とは隣接する二つの表面の間の光軸OAにおける直線距離を言う。例を挙げる、表面S1に対応する間隔は、表面S1から表面S2までの光軸OAにおける直線距離を示し、かつ表面S2に対応する間隔は、表面S2から表面S3までの光軸OAにおける直線距離を示し、その他の間隔も同じ。
【0059】
本実施例において、第一レンズ112、第二レンズ114、第三レンズ116及び第四レンズ118が非球面レンズであってもよい。非球面レンズの公式は以下の通りである。
【0060】
【数5】
前記式において、Xが光軸OA方向の移動量(sag)であり、Rが接触球面(osculating sphere)の半径であり、つまり、光軸OAに近接する半径(表一が示す半径逆数)である。kは二次曲面係数(conic)であり、Yは非球面高さであり、即ち、レンズの中心からレンズのエッジまでの高さであり、係数A
2、A
4、A
6、A
8、A
10、A
12、A
14、A
16は非球面係数(aspheric coefficient)である。本実施例において、係数A
2が0である。以下の表十五は各レンズの表面のパラメータ値を示すものである。
【0061】
【表15】
図15Aは
図14の光学レンズアセンブリの非点収差像面湾曲(field curvature)図及び歪曲収差図である。
図15Bは
図14の光学レンズアセンブリの横方向色収差図であり、これは波長465ナノメートル(nm)、525ナノメートル、620ナノメートルの光を用いて作成されたシミュレーションデータ図であり、縦軸が像高を示す。
図15Cは
図14の光学レンズアセンブリの光路差の図である。
図15Aないし
図15Cが示す図形はいずれも標準範囲内にあり、これにより、本実施例の光学レンズアセンブリ110が優れた像形成効果を有することが検証された。また、
図15Cからわかるように、画像発生器150のアクティブ表面において、画像光束IMが有するOPDの範囲は -2.0λ<OPD<2.0λであり、ここで、OPDが各視野角の光路差であり、λが各色光の波長であり、かつ、画像光束IMが赤色光、緑色光、青色光を含む。画像発生器150のアクティブ表面は画像光束IMが出射される表面である。さらに説明すると、この光路差の設計において当業者が簡単に分かるのは、光学レンズアセンブリを設計する時に、光学シミュレーション方法を用いることで、物体表面から画像ソースが提供すべき画像光束の各視野角における光路差を逆推算することができる。本実施例において、設計最適化で視野角FOVが47.7度に達することができ、比較的に優れた視野範囲が得られる。単位断面積での視野角比率が高く、比率が0.71(度/平方ミリメートル)に達し、光学レンズアセンブリ110の体積が比較的に薄軽短小であり、空間の有効利用率が高い。
図15Bないし
図15Cを参照すると、本実施例において、画像発生器150のアクティブ表面に形成される最大の画像高さが3.34mmであり、かつ、光学レンズアセンブリ110の設計が予め設定した基準を満たし、少なくともの111lp/mmの解像度の画像を解析することが可能であり、光学レンズアセンブリ110は寸法が小さく、重量が軽く、視角が大きくて、かつ高い解像度を有するものである。
【0062】
第九実施例の光学レンズアセンブリの構造は熱ドリフトの問題を低減することができる。これについて以下に説明する。
図16A、
図16B、
図16C、
図16Dはそれぞれ第九実施例の光学レンズアセンブリが環境温度20℃、0℃、25℃、40℃における熱平衡の変調伝達関数(MTF)を示す概略図である。光学レンズアセンブリ110の各光学パラメータは例えば環境温度20℃を参考に設計したものであり、そのため、
図16Aが示す熱平衡の変調伝達関数(MTF)を光学レンズアセンブリ110に熱ドリフトが発生したか否かの参考値とすることができる。
図16B、
図16C、
図16Dからわかるように、環境温度が0℃から40℃に変化すると、光学レンズアセンブリ110この熱影響(Thermal effect)を受けても、そのMTFが依然として40%より大きい。
【0063】
表十六は各レンズ(第一レンズ112ないし第四レンズ118を含む)が異なる環境温度におけるレンズ温度を示している。
【0064】
【表16】
以上からわかるように、第七ないし第九実施例の光学レンズアセンブリ構造の後方焦点距離(BFL)の熱ドリフト(thermal drift)が0.015ミリメートルより小さく、熱ドリフトの問題を軽減できる。
【0065】
以上をまとめると、本発明の第四ないし第九実施例は少なくとも以下の利点と効果の一つを有する。本発明で示された実施例において、光学レンズアセンブリの設計が予め設定された基準を満たすため、光学レンズアセンブリは寸法が小さく、重量が軽く、視角が大きく、かつ解像度が高い。
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を制限するものではない。本発明の請求の範囲及び発明内容を基に行われた簡単、等価の変更と修正はすべて本発明の範囲内に属する。また、本発明の任意の実施例または請求項は、必ずしも本発明のすべての目的または利点または特徴を達成するものとは限らない。さらに、要約書と発明の名称は特許検索に利用されるものであり、本発明の権利範囲を制限するものではない。また、請求の範囲で言及される「第一」、「第二」等の用語は素子(element)の名称を示し、または異なる実施例及び範囲を区別するものであり、素子の数の上限または下限を制限するものではない
【符号の説明】
【0066】
100、200、300 ヘッドマウント式表示装置
110、410 光学レンズアセンブリ
112、114、116、118 レンズ
120 伝達プリズム、第二プリズム
130、230 導波素子
150 画像発生器
140 カバーガラス
232 カップリング入口
234 カップリング出口
260 転向プリズム、第一プリズム
900 ターゲット
A、C 距離
B レンズアセンブリ総長さ
D 有効開口
ES 出光側
IM 画像光束
IS 入光側
S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8 表面
ST 絞り
OA 光軸
X、Y、Z 座標軸