(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】遮蔽材制御装置及び遮蔽材制御方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/68 20060101AFI20240417BHJP
E06B 9/264 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E06B9/264 C
(21)【出願番号】P 2020104566
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】野村 誠
(72)【発明者】
【氏名】堀 優樹
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/111374(WO,A1)
【文献】特開2017-34419(JP,A)
【文献】特開2019-114880(JP,A)
【文献】特開2018-53671(JP,A)
【文献】特許第6270898(JP,B2)
【文献】特表2018-531332(JP,A)
【文献】国際公開第2014/129158(WO,A1)
【文献】特開2016-154035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
G06F 3/03-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
居住空間内を開閉可能な遮蔽材を駆動制御する遮蔽材制御装置であって、
前記遮蔽材を操作するための操作用画像を投影機により投影する投影部と、
前記操作用画像に対するユーザの操作に関する操作情報を取得する取得部と、
前記操作情報に基づいて、前記遮蔽材を駆動制御する制御部と
を備え
、
前記取得部は、前記遮蔽材における開閉状態の度合いを示す開閉度を更に取得し、
前記投影部は、開閉度と前記操作用画像の投影輝度とが対応付けられた第1輝度情報を有し、該第1輝度情報に基づいて、取得された開閉度に応じた投影輝度で前記操作用画像を投影する
ことを特徴とする遮蔽材制御装置。
【請求項2】
前記操作情報は、センサにより検出された前記操作用画像に対するユーザの操作指示部位の位置情報であり、
前記制御部は、操作用画像内の位置と前記遮蔽材の制御内容とが対応付けられた制御情報を有し、該制御情報と前記操作情報とに基づいて前記遮蔽材を駆動制御する
ことを特徴とする請求項1記載の遮蔽材制御装置。
【請求項3】
前記操作用画像は、互いに位置が異なる複数の部分画像からなり、
前記制御情報には、前記操作用画像内の部分画像の位置毎に異なる制御内容が対応付けられている
ことを特徴とする請求項2記載の遮蔽材制御装置。
【請求項4】
前記操作用画像は、前記遮蔽材のイメージ画像であり、
前記制御情報において操作用画像内の位置と対応付けられている制御内容は、当該位置まで前記遮蔽材を移動させることである
ことを特徴とする請求項2記載の遮蔽材制御装置。
【請求項5】
前記操作情報は、前記操作用画像に対するユーザの動作を示し、
前記制御部は、前記操作情報に基づくユーザの動作に応じて前記遮蔽材を駆動制御する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の遮蔽材制御装置。
【請求項6】
前記取得部は、操作用画像を含む領域における所定箇所の照度および輝度の少なくとも何れかである明暗度を更に取得し、
前記投影部は、明暗度と前記操作用画像の投影輝度とが対応付けられた第2輝度情報を有し、該第2輝度情報に基づいて、取得された明暗度に応じた投影輝度で前記操作用画像を投影する
ことを特徴とする請求項1~請求項
5のいずれか1項に記載の遮蔽材制御装置。
【請求項7】
前記投影部は、前記遮蔽材の開閉状態に応じて異なる操作用画像を投影する
ことを特徴とする請求項1~請求項
6のいずれか1項に記載の遮蔽材制御装置。
【請求項8】
前記投影部は、前記遮蔽材が全閉状態である場合に前記遮蔽材を開状態へ移行させるための操作用画像を投影し、前記遮蔽材が全開状態である場合に前記遮蔽材を閉状態へ移行させるための操作用画像を投影する
ことを特徴とする請求項
7記載の遮蔽材制御装置。
【請求項9】
前記取得部は、ユーザの位置情報を更に取得し、
前記投影部は、前記位置情報に基づいてユーザの近傍に前記操作用画像を投影する
ことを特徴とする請求項1~請求項
8のいずれか1項に記載の遮蔽材制御装置。
【請求項10】
前記投影部は、前記操作用画像を空間に結像するように投影する
ことを特徴とする請求項1~請求項
9のいずれか1項に記載の遮蔽材制御装置。
【請求項11】
前記居住空間は複数の開口部を備え、それぞれの開口部に対して前記遮蔽材が設けられており、
前記投影部は、前記複数の遮蔽材を個別にまたは所定数同時に操作するための操作用画像を投影する
ことを特徴とする請求項1~請求項
10のいずれか1項に記載の遮蔽材制御装置。
【請求項12】
前記取得部は、前記遮蔽材の所定範囲内にユーザが侵入したことを示す侵入情報を更に取得し、
前記投影部は、前記侵入情報の取得に応じて前記操作用画像を投影する
ことを特徴とする請求項1~請求項
11のいずれか1項に記載の遮蔽材制御装置。
【請求項13】
居住空間内を開閉可能な遮蔽材を駆動制御する遮蔽材制御方法であって、
前記遮蔽材における開閉状態の度合いを示す開閉度を取得し、
前記遮蔽材を操作するための操作用画像を
、開閉度と前記操作用画像の投影輝度とが対応付けられた第1輝度情報に基づいて、取得された開閉度に応じた投影輝度で投影機により投影し、
前記操作用画像に対するユーザの操作に関する操作情報を取得し、
前記操作情報に基づいて、前記遮蔽材を駆動制御する
ことを特徴とする遮蔽材制御方法。
【請求項14】
居住空間内を開閉可能な遮蔽材を駆動制御する遮蔽材制御装置であって、
前記遮蔽材を操作するための操作用画像を投影機により
前記居住空間内に投影する投影部と、
前記居住空間と屋外との間に設けられた窓からの入射光を測定する照度センサと、
前記操作用画像に対するユーザの操作に関する操作情報を取得する取得部と、
前記操作情報に基づいて、前記遮蔽材を駆動制御する制御部と
を備え、
前記投影部は、前記照度センサの測定結果に応じた投影輝度で前記操作用画像を投影する
ことを特徴とする遮蔽材制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に開示される技術は、居住空間内を開閉可能な遮蔽材を駆動制御する遮蔽材制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の制御装置として、下記特許文献1に示されるような遮蔽装置制御システムが知られている。
【0003】
この遮蔽装置制御システムは、電動の遮蔽装置と、前記遮蔽装置との間で通信を行い前記遮蔽装置を制御するコントローラとを備え、前記コントローラが、所定時間内における自己の姿勢又は位置の少なくともいずれかの変化に関する自己動作を検知する検知部と、前記検知部で検知された自己動作に対応する動作信号を前記遮蔽装置に送信する送信部とを有し、前記遮蔽装置が、遮蔽装置本体と、前記コントローラからの前記動作信号を受信する受信部と、前記受信部で受信した動作信号に基づいて前記遮蔽装置本体を制御する制御部とを有することを特徴とするものである。
【0004】
このような遮蔽装置制御システムによれば、スマートフォン等のコントローラの自己動作、例えばコントローラ自体を振る、捻るといった動作を利用して、遮蔽装置を容易に直感的に操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した遮蔽装置制御システムは、遮蔽装置の操作に遠隔操作装置であるコントローラが必須であるため、コントローラが紛失等で手元にない場合、遮蔽装置の操作ができず利便性が悪いという問題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、遮蔽装置を操作するユーザの利便性を向上可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一態様は、居住空間内を開閉可能な遮蔽材を駆動制御する遮蔽材制御装置であって、前記遮蔽材を操作するための操作用画像を投影機により投影する投影部と、前記操作用画像に対するユーザの操作に関する操作情報を取得する取得部と、前記操作情報に基づいて、前記遮蔽材を駆動制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遮蔽装置を操作するユーザの利便性を向上可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係るロールスクリーンを模式的に示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係るロールスクリーンの制御系を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係るロールスクリーンの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係るロールスクリーンの動作を示すフローチャートである。
【
図5】第2の実施形態に係る電動遮蔽装置の制御系を示すブロック図である。
【
図6】第2の実施形態に係る開閉度テーブルを示す図である。
【
図7】第2の実施形態に係るスクリーンが全閉状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略斜視図である。
【
図8】第2の実施形態に係るスクリーンが所定量上昇した開状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略斜視図である。
【
図9】第2の実施形態に係る電動遮蔽装置の動作を示すフローチャートである。
【
図10】第2の実施形態に係る第1調節駆動処理を示すフローチャートである。
【
図11】第2の実施形態の変形例に係る電動遮蔽装置のスラットが全閉状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略側面図である。
【
図12】第2の実施形態の変形例に係る電動遮蔽装置のスラットが水平となった開状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略側面図である。
【
図13】第3の実施形態に係る電動遮蔽装置の制御系を示すブロック図である。
【
図14】第3の実施形態に係る電動遮蔽装置の動作を示すフローチャートである。
【
図15】第4の実施形態に係る電動遮蔽装置の制御系を示すブロック図である。
【
図16】第4の実施形態に係るスクリーンが全閉状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略斜視図である。
【
図17】第4の実施形態に係るスクリーンが所定量上昇した開状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略斜視図である。
【
図18】第4の実施形態に係る電動遮蔽装置の動作を示すフローチャートである。
【
図19】操作用画像の変形例1を説明するための図である。
【
図20】操作用画像の変形例2を説明するための図である。
【
図21】操作用画像の変形例3を説明するための図である。
【
図22】操作用画像の変形例4を説明するための図である。
【
図23】操作用画像の変形例4を説明するための図である。
【
図24】操作用画像の変形例4を説明するための図である。
【
図25】操作用画像の変形例5を説明するための図である。
【
図26】操作用画像の変形例6を説明するための図である。
【
図27】本発明に係る遮蔽材制御装置と電動遮蔽装置のブラインドコントローラとの制御系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態においては、本発明に係る遮蔽材制御装置を組み込んだ電動遮蔽装置を例にとり説明を行う。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
(電動遮蔽装置の構成)
本実施形態に係る電動遮蔽装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る電動遮蔽装置を模式的に示す斜視図であり、
図2はその制御系を示すブロック図である。なお、本実施形態においては、電動遮蔽装置が窓枠に取り付けられた状態において、その室内側を正面、窓側を背面と称し、これらの面垂直方向を前後方向、当該前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と称して以後説明を行う。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る電動遮蔽装置1は、2つのサイドプレート11、セットフレーム12、シート状に形成されたスクリーン13、ウエイトバー14を備える所謂ロールスクリーンである。2つのサイドプレート11は左右方向に離間して配され、これらの間に不図示の巻取パイプを回転可能に支持する。セットフレーム12は、不図示のブラケットを介して開口部である窓Wの窓枠における上縁部正面に取り付けられており、左右方向に延在してその両端部に2つのサイドプレート11がそれぞれ連結されている。スクリーン13は、窓Wからの入射光を遮蔽可能な遮蔽材であり、その上端部が巻取パイプに連結されるとともに、その下端部がウエイトバー14に連結される。
【0014】
巻取パイプ内には、
図2に示されるブラインドコントローラ100と、モータ200とが設けられている。モータ200は、巻取パイプを回転させることにより、スクリーン13の巻き取り及び巻き解きを行う駆動部である。ブラインドコントローラ100は当該モータ200と制御信号を伝達可能に接続されており、モータ200の回転量及び回転方向を制御する。
【0015】
また、本実施形態に係るブラインドコントローラ100は、操作用画像を投影する投影機300と、ユーザの指や手、足等の体の一部である操作指示部位の位置を検出する位置センサ400とに、図示しないI/O回路を介して制御信号や検出信号等の各種信号を入出力可能に接続されている。なお、これらの装置は有線接続、無線接続いずれの接続形態をとってもよい。以下、ブラインドコントローラ100、投影機300、及び位置センサ400について詳細に説明する。
【0016】
(投影機300)
投影機300は、本実施形態においては
図1に示されるように一方のサイドプレート11近傍に位置するように設けられており、予め定められた床面や机の上面、壁面等の投影領域に操作用画像310を投影する。この投影領域は平面であることがユーザの視認性の観点から好ましい。なお、投影機300は、サイドプレート11やセットフレーム12等のロールスクリーン1の構成要素に搭載されていてもよく、本実施形態のようにこれら構成要素とは切り離されて個別に設けられていてもよい。
【0017】
操作用画像310は、
図1に示されるように、開操作部分画像311と、閉操作部分画像312と、開操作部分画像311及び閉操作部分画像312の間に位置する停止操作部分画像313との3つの部分画像から構成されている。これらの部分画像は、ユーザがスクリーン13に対して所望の操作を行いたい場合に、ユーザの操作を受け付けるユーザインターフェースの役割をなしている。具体的には、開操作部分画像311はスクリーン13の開状態への移行操作を受け付けるためのものであり、閉操作部分画像312はスクリーン13の閉状態への移行操作を受け付けるためのものである。停止操作部分画像313はスクリーン13の開状態または閉状態への移行を停止させ、現状態を維持させる操作を受け付けるためのものである。これら画像上に、ユーザの操作指示部位が位置付けられた場合、その画像に対応する操作がスクリーン13になされる。
【0018】
(位置センサ400)
位置センサ400は、操作指示部位が操作用画像310上のどの位置にあるかを検出するものであり、操作指示部位を検出した際には、その位置情報を含む検出信号(操作情報)をブラインドコントローラ100に送出する。したがって、位置センサ400の検出領域は、投影機300の投影領域(操作用画像310の領域)を含むものとなっている。本実施形態においては、操作指示部位がユーザの体の一部であるため、このような操作指示部位を検出するセンサとしては、赤外線センサを用いることができる。その他、レーザセンサ等、位置を検出可能なセンサであればどのようなものを用いてもよい。
【0019】
なお、位置センサ400に代えてカメラを設け、投影領域を撮像して得られる撮像画像内の特徴量から操作指示部位の位置を認識する画像認識を用い、操作指示部位が操作用画像310上のどの位置にあるかを検出するようにしてもよい。位置センサ400により操作指示部位が操作用画像310における何れの画像上に位置しているかを検出することにより、ユーザの所望の操作を認識することができる。
【0020】
位置センサ400は、その検出領域が少なくとも操作用画像310全域を含むような位置且つ操作指示部位と操作用画像310との位置が明確に検出できる位置に予め設置されている。この条件を満足するのであれば、投影機300と同様にサイドプレート11やセットフレーム12等の電動遮蔽装置1の構成要素に搭載されていてもよく、これら構成要素とは切り離されて個別に設けられていてもよい。なお、センサの種類や投影領域の位置に応じて、位置センサ400の設置位置を適宜変更することが好ましい。例えば、赤外線センサを用い、投影領域が電動遮蔽装置1の前後方向前方に位置する床面上である場合、投影領域の左右方向一方側に設けて横から検出するようにすることが好ましく、カメラを用いるのであれば、投影領域の上方に設けて真上から撮影するようにすることが好ましい。
【0021】
(ブラインドコントローラ100)
ブラインドコントローラ100は、スクリーン13の開閉制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)110と、RAM(Random Access Memory)120と、記憶装置130とを備える。CPU110及びRAM120は協働して後述する各種機能を実行し、記憶装置130は各種機能により実行される処理に用いられる各種データを記憶する。本実施形態においては、記憶装置130には制御テーブル131が記憶されている。
【0022】
制御テーブル131は、操作用画像310上の位置情報とモータ200の制御内容とが対応付けられたものであり、上述したように開操作部分画像311の範囲の位置情報に対しては、スクリーン13を開状態へ移行させるようにモータ200を回転させるという制御内容が対応付けられている。同様に、閉操作部分画像312の範囲の位置情報に対しては、スクリーン13を閉状態へ移行させるようにモータ200を逆回転させるという制御内容が対応付けられ、停止操作部分画像313の範囲の位置情報に対しては、スクリーン13の駆動を停止させるという制御内容が対応付けられている。ここでの位置情報とは、位置センサ400の検出領域における位置を示している。したがって、位置センサ400の検出信号に含まれる位置情報と制御テーブル131に含まれる各位置情報とを比較することにより、操作指示部位の位置と共にユーザ所望のスクリーン13の操作内容を認識することが可能となる。
【0023】
次に、
図3を用いて本実施形態に係るブラインドコントローラ100の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係るブラインドコントローラの機能構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、本実施形態に係るブラインドコントローラ100は、位置センサ400からの検出信号等の各種情報を取得する取得部101と、取得された検出信号等に基づく各種判定を行う判定部103と、投影機300を制御する投影制御部102と、モータ200を駆動制御することによりスクリーン13を駆動制御する駆動制御部104とを機能として備える。これら機能については、以下に説明する電動遮蔽装置1の動作の説明において詳述する。
【0024】
(電動遮蔽装置1の動作)
以下、上述した各種機能により実現される電動遮蔽装置1の動作について、
図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係る電動遮蔽装置の動作を示すフローチャートである。本フローは、操作用画像を投影していない状態において位置センサ400が操作指示部位を検出し、検出信号を取得部101が取得したことをトリガとして実行されるものとする。したがって位置センサ400は常に稼働しており、検出領域を監視している状態にある。
【0025】
先ず、投影制御部102は、所定の投影領域に対して操作用画像310を投影機300により投影する(S101)。操作用画像310投影後、判定部103は、操作用画像310投影後の所定時間内に取得部101が位置センサ400から検出信号を取得したか否かを判定する(S102)。なお、検出領域の広さによっては、操作用画像310上でない位置情報を示す検出信号が取得される可能性がある。そのため、操作用画像310投影後に取得された検出信号に示される位置情報が制御テーブル131に含まれているか否かを判定するようにしてもよい。
【0026】
所定時間内に検出信号を取得したと判定された場合(S102,YES)、駆動制御部104は、検出信号と制御テーブル131とに基づいて、操作指示部位が位置する操作用画像に対応する制御内容を選定する(S103)。なお、操作指示部位を意図しない部分画像上に誤って位置付けた後に意図する部分画像上に位置付ける場合もある。そのため、所定時間内に検出信号を取得したとの判定には、一定周期で検出され取得される検出信号に示される位置情報が、所定秒数同じ部分画像上に位置することを条件として含めるようにしてもよい。
【0027】
選定後、駆動制御部104は、選定された制御内容に従ってモータ200を駆動制御する(S104)。駆動制御が継続されている状態において、判定部103は、所定の条件を満たしたか否かを判定する(S105)。ここでの所定の条件は、例えば駆動制御中に取得部101が一定周期で検出信号を取得し、該検出信号に示される位置情報が停止操作部分画像313上であること、または全開状態や全閉状態となったことである。所定の条件を満たさないと判定された場合(S105,NO)、所定時間後に再度ステップS105の判定処理がなされる。一方、所定の条件を満たしたと判定された場合(S105,YES)、本フローは終了となる。なお、ユーザが開操作部分画像311から閉操作部分画像312へ操作指示部位を移動させる、またはその逆の場合も想定される。その場合には移動後の位置に応じた駆動制御がなされればよい。
【0028】
一方、所定時間内に検出信号を取得していないと判定された場合(S102,NO)、投影以前の検出信号は、ユーザが意図せずに位置センサ400に検出されたものと認識し、投影制御部102は、投影機300による操作用画像310の投影を停止させ(S106)、本フローは終了となる。
【0029】
以上に説明した本実施形態によれば、リモートコントローラや壁面スイッチを用いることなく、投影された操作用画像上に手や指、足等の操作指示部位を位置付けるのみで電動遮蔽装置1を容易に操作することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、操作用画像310は、開操作部分画像311、閉操作部分画像312、及び停止操作部分画像313の3つの部分画像よりなるため、ユーザは操作方法をイメージし易く、容易な操作が可能となる。
【0030】
なお、本実施形態においては操作用画像を投影していない状態において位置センサ400が操作指示部位を検出し、検出信号を取得部101が取得したことをトリガとして実行されると説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、常に投影機300と位置センサ400とを稼動させ、操作用画像310を投影した状態を維持するようにしてもよい。この場合、ステップS102の判定処理が一定周期で実行され続ける。つまり検出信号を取得していないと判定された場合、ステップS106の操作用画像310の投影停止をすることなく所定時間後に再度ステップS102の判定処理がなされることとなる。
【0031】
また、電動遮蔽装置1の所定範囲内にユーザが接近したことをトリガとして上記フローが実行されるようにしてもよい。これは、例えば電動遮蔽装置1から所定範囲内へのユーザの侵入を検出する近接センサを設け、当該近接センサが検出したか否かにより操作用画像を投影するか否かを判定する手法や、カメラにより撮像された撮像画像を用いた画像認識によりユーザを認識し、所定範囲内にユーザが接近したか否かを判定することにより、操作用画像を投影するか否かを判定する手法により実現することができる。これによれば、ユーザが電動遮蔽装置1の操作を必要としている場合にのみ、操作用画像を投影することができ、不必要な操作用画像310の投影を抑制することができる。
【0032】
さらに、ユーザの位置を追跡し、ユーザ近傍に操作用画像310を常に投影するようにしてもよい。これは、例えば上述したような、カメラにより撮像された撮像画像を用いた画像認識により、ユーザの位置を認識することで実現可能である。これによれば、ユーザが投影領域にまで移動することなく、電動遮蔽装置1を操作することが可能となるため、更なる利便性の向上を実現できる。
【0033】
なお、本実施形態においては、操作用画像310に停止操作部分画像313を含めたが、これを廃し、ユーザの操作指示部位が開操作部分画像311または閉操作部分画像312上を離れたらモータ200の駆動制御を停止するようにしてもよい。
【0034】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る電動遮蔽装置について説明する。本実施形態に係る電動遮蔽装置は、スクリーン13の昇降状態の度合いを示す開閉度に応じて、投影機300の投影輝度を調節するものである。
図5は、本実施形態に係る電動遮蔽装置の制御系を示すブロック図であり、
図6は開閉度テーブルを示す図である。
図7は、スクリーンが全閉状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略斜視図であり、
図8はスクリーンが所定量上昇した開状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略斜視図である。
【0035】
(電動遮蔽装置1aの制御系)
図5に示されるように、本実施形態に係る電動遮蔽装置1aは、エンコーダ500を備え、記憶装置130に開閉度テーブル132が更に記憶されている点で第1の実施形態に係る電動遮蔽装置1と異なる。
【0036】
エンコーダ500は、巻取パイプ内に設けられ、モータ200の回転方向及び回転位置(回転量)を検出するものであり、その検出結果は記憶装置130に記憶される。この検出結果は開閉度に換算されて記憶されるようにしてもよく、開閉度が必要な状況において検出結果を読み込み、開閉度に換算する演算を行うようにしてもよい。
【0037】
開閉度テーブル132は、
図6に示されるように、遮蔽材であるスクリーン13の開閉度と投影機300の投影輝度の強さの度合いを示す投影輝度レベルとが対応付けられたものである。ここでは、スクリーン13の昇降状態が開閉度として0~100%を区分する11段階で定義されており、それに合わせて投影輝度レベルが0~10の11段階で定義されている。開閉度0%はスクリーン13が最下降位置にある全閉状態を示し、投影輝度レベルは最小値となっている。一方、開閉度100%はスクリーン13が最上昇位置にある全開状態を示し、投影輝度レベルは最大値となっている。即ち、開閉度の増加に比例して投影輝度レベルも増加している。これは、
図7に示されるように、スクリーン13が全閉状態にある場合、窓Wからの入射光はスクリーン13によりほぼ遮蔽され、室内の明るさに関する影響は低いものの、
図8に示されるように、スクリーン13の開閉度が増加するに従い、窓Wからの入射光Lも増加して室内の明るさに徐々に影響を及ぼし、操作用画像310の視認性が徐々に低下するためである。
【0038】
(電動遮蔽装置1aの動作)
以下、電動遮蔽装置1aの動作について、
図9を用いて説明する、
図9は、本実施形態に係る電動遮蔽装置の動作を示すフローチャートである。ここでは、第1の実施形態に係る電動遮蔽装置1の動作と異なるステップS201~S203の処理について説明する。
【0039】
先ず、取得部101は、エンコーダ500により検出された回転位置を開閉度として取得する(S201)。取得後、投影制御部102は、取得された開閉度と開閉度テーブル132とに基づいて、当該開閉度に対応する投影輝度レベルを選定する(S202)。選定後、ステップS101においては、選定された投影輝度レベルに相当する輝度で操作用画像310が投影される。また、ステップS103の制御内容選定の処理後、駆動制御部104は、選定された制御内容に従って第1調節駆動処理を行い(S203)、本フローは終了となる。第1調節駆動処理は、モータ200の駆動制御を行うと共に、その駆動制御に伴い昇降するスクリーン13の開閉度の変動に応じて、投影輝度を適宜調節する処理である。
【0040】
図10は、第1調節駆動処理を示すフローチャートである。
図10に示されるように第1調節駆動処理は、先ず駆動制御部104が、選定された制御内容に従ってモータ200を駆動制御する(S2031)。次に、駆動制御中において、取得部101は、現在の開閉度を取得し(S2032)、判定部103は取得された現在の開閉度と、当該開閉度に対して直前の周期において取得された直前の開閉度とを比較し、現在の開閉度に変動があるか否かを判定する(S2033)。現在の開閉度に変動があると判定された場合(S2033,YES)、投影制御部102は、現在の開閉度と開閉度テーブル132とに基づいて、当該開閉度に対応する投影輝度レベルを選定し(S2034)、選定された投影機度レベルに相当する投影機度で投影機300により操作用画像310を投影する。次に、第1の実施形態と同様のステップS105の所定の条件を満たしたか否かを判定する処理がなされる。所定の条件を満たしたと判定された場合(S105,YES)、本フローは終了となる。
【0041】
一方、所定の条件を満たしていないと判定された場合(S105,NO)、再度ステップS2032へ移行する。また、現在の開閉度に変動がないと判定された場合(S2033,NO)、ステップS105の判定処理へ移行する。
【0042】
以上に説明した本実施形態によれば、スクリーン13の開閉度に応じて投影機300の投影輝度を調節することができるため、開閉度の変動による室内の明るさの変動が生じたとしても操作用画像310の視認性を維持することができる。
【0043】
(第2の実施形態の変形例)
本実施形態においては電動遮蔽装置1aはロールスクリーンであるため、開閉度はスクリーン13の昇降状態の度合いを示すと説明したが、電動遮蔽装置が横型ブラインドである場合は開閉度をスラットの角度の度合いとしてもよい。
図11は、本実施形態の変形例に係る電動遮蔽装置のスラットが全閉状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略側面図であり、
図12は、スラットが水平となった開状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略側面図である。
図11及び
図12に示される符号15は昇降コードを示し、符号16はヘッドボックスを示す。
【0044】
この変形例の場合は、例えば
図11に示されるようにスラット13bが全閉状態である場合を開閉度0%と定義し、
図12に示されるようにスラット13bがスラットが水平となった開状態である場合を開閉度100%と定義し、開閉度テーブル132において、開閉度(スラット角度)の段階的な変動に応じて投影輝度レベルを設定する。このようにすることにより、スラット13bの開閉度に応じて投影機300の投影輝度を調節することができ、電動遮蔽装置1aと同様の効果を得ることができる。当然、横型ブラインドである電動遮蔽装置1bであっても、その昇降状態を開閉度とし、電動遮蔽装置1aと同様の処理を行うようにしてもよい。
【0045】
なお、開閉度はスラット13bの角度の度合いとスラット13bの昇降状態の度合いとの組み合わせたものとしてもよい。この場合は、例えば組み合わせパターン毎の入射光の強さに基づいて開閉度を定義する等することが考えられる。また、電動遮蔽装置が縦型ブラインドである場合は、スラット13bに代わりルーバが垂直となった開状態、又はルーバーを全て畳み込んだときの全開状態を開閉度100%と定義し、全閉状態を開閉度0%と定義してもよい。また、本実施形態及び変形例においては、投影輝度レベルを投影輝度の強さの度合いとしたが、具体的な輝度値[cd/m2]として開閉度に対応付けられていてもよい。
【0046】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る電動遮蔽装置について説明する。本実施形態に係る電動遮蔽装置は、屋外の状況に応じて投影機300の投影輝度を調節するものである。
図13は、本実施形態に係る電動遮蔽装置の制御系を示すブロック図である。本実施形態においては、電動遮蔽装置が横型ブラインドである場合を例にとり説明を行う。なお、本実施形態においては、電動遮蔽装置の遮蔽材、即ちスラットは最下降位置に維持されるものとし、スラットは、その傾斜角度が0°から90°の範囲のみ回動するものとし、傾斜角度が0°を全閉状態、90°を全開状態として説明する。また、後述する最照度増加角度を90°として説明する。
【0047】
(電動遮蔽装置1cの制御系)
図13に示されるように、本実施形態に係る電動遮蔽装置1cは、照度センサ600を新たに備え、記憶装置130に開閉度テーブル132に代わり、照度テーブル133及び開閉度テーブル132cが記憶されている点で第2の実施形態に係る電動遮蔽装置1aと異なる。また、本実施形態においては横型ブラインドであるため、エンコーダ500はスラットの傾斜角度であるスラット角度についても検出しており、検出結果として現状のスラット角度が記憶装置130に記憶される。
【0048】
照度センサ600は、窓Wからの入射光を測定するものであり、その測定結果が測定信号としてブラインドコントローラ100に送出可能に有線または無線接続されている。照度センサ600は、窓Wからの入射光を測定可能な位置に設ければよいため、ヘッドボックス等の電動遮蔽装置1cの構成要素に搭載されてもよく、窓Wまたは窓枠等に設けられていてもよい。
【0049】
開閉度テーブル132cは、スラット開閉度と投影輝度レベルとが対応付けられたものである。スラット角度が、スラット間からの入射光により室内照度に最も影響を与える角度、換言すれば最も室内照度を増加させてしまう角度である最照度増加角度に近づくほど、操作用画像310の視認性が悪化することとなる。そのため、スラット角度の角度範囲を複数段階に区分し、最照度増加角度を上限値とする角度範囲を開閉度が最も高いと定義し、そこから順にスラット角度が低くなるに従い開閉度が低くなるように各角度範囲に対して開閉度を対応付け、開閉度の増加に比例して投影輝度レベルも増加するようにすることが好ましい。
【0050】
本実施形態においては、最照度増加角度が90°である全開状態である。そのため、全開状態を含む角度範囲が最も開閉度が高く、全閉状態に近づくに従い開閉度が低くなる。また、開閉度を0~10の11段階とするならば、開閉度テーブル132cは、
図6に示される開閉度テーブル132と同様のものとなる。
【0051】
照度テーブル133は、屋外照度の数値範囲と投影輝度レベルとが対応付けられたものであり、屋外照度が増加するに従い、投影輝度も増加するように定義されている。これは、屋外照度が高い場合は当然窓Wからの入射光も強くなり操作用画像310の視認性が悪化するためである。
【0052】
(電動遮蔽装置1cの動作)
以下、電動遮蔽装置1cの動作について、
図14を用いて説明する、
図14は、本実施形態に係る電動遮蔽装置の動作を示すフローチャートである。ここでは、第1及び第2の実施形態に係る電動遮蔽装置1,1aの動作と異なるステップS301~S308の処理について説明する。
【0053】
先ず取得部101は、照度センサ600により測定された屋外照度を取得する(S301)。取得後、判定部103は、取得された屋外照度が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する(S302)。ここでの第1閾値は、屋外が晴天であるか、曇天または夜間であるかを判定するために予め設定されたものである。屋外照度が所定の第1閾値以上でないと判定された場合(S302,NO)、屋外は曇天または夜間であると判定され、投影制御部102は、取得された屋外照度に対応する投影輝度レベルを照度テーブル133に基づいて選定し(S303)、ステップS101において当該輝度レベルに相当する輝度で操作用画像310の投影がなされる。
【0054】
その後、ステップS103の制御内容選定の処理を終えると、駆動制御部104は、選定された制御内容に従ってモータ200を駆動制御する(S304)。ここでは投影機300の選定された投影輝度を維持しつつ、モータ200を駆動制御しスラット角度を開状態または閉状態へ移行させる。駆動制御が継続されている状態において、ステップS105の判定処理がなされる。
【0055】
一方、屋外照度が所定の第1閾値以上であると判定された場合(S302,YES)、屋外は晴天であると判定され、取得部101は現スラット角度を取得する(S305)。スラット角度取得後、判定部103は、取得されたスラット角度が所定の第2閾値以上であるか否かを判定する(S306)。屋外が晴天であることからスラット角度によってはスラット間からの入射光が室内の照度に影響を与え、操作用画像310の視認性が悪化する可能性がある。そのため、ここでの第2閾値を用いた判定により、スラット角度に応じた投影輝度に調節するか、屋外照度に応じた投影輝度に調節するかを判定するようにしている。したがって第2閾値は、スラット間からの入射光が室内の照度に影響を与える程度の角度に設定することが好ましい。
【0056】
なお、本実施形態においては、最照度増加角度が90°であり、スラットは0°の全閉状態から90°の全開状態へのみ回動し、90°以上のスラットの回動はない。そのため、取得されたスラット角度が第2閾値以上であれば必ず最照度増加角度である90°に近づくこととなる。よってS306の判定処理によれば、入射光による室内照度への影響が少ないか否かを確実に判定することができる。
【0057】
スラット角度が所定の第2閾値以上でないと判定された場合(S306,NO)、入射光による室内照度の影響が少ないと判定され、投影制御部102は、取得されたスラット角度に対応する投影輝度レベルを開閉度テーブル132cに基づいて選定し(S307)、ステップS101において当該輝度レベルに相当する輝度で操作用画像310の投影がなされる。その後、ステップS103の制御内容選定の処理を終えると、駆動制御部104は、選定された制御内容に従って第2調節駆動処理を行い(S308)、本フローは終了となる。
【0058】
第2調節駆動処理は、モータ200の駆動制御を行うと共に、その駆動制御に伴うスラット角度の変動に応じて、投影輝度を適宜調節する処理である。第2調節駆動処理は
図10に示される第1調節駆動処理と比較して、スクリーン13の開閉度ではなくスラット13dの開閉度が取得及び判定される点、開閉度テーブル132の代わりに開閉度テーブル132cを参照する点が異なり、それ以外は同様の処理となる。したがって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0059】
一方、スラット角度が所定の第2閾値以上であると判定された場合(S306,YES)、入射光による室内照度への影響が大きいと判定され、ステップS303の照度テーブル133を用いた投影輝度レベルの選定処理へ移行する。
【0060】
以上に説明した本実施形態によれば、晴天や曇天、夜間等の屋外の状況に応じて投影輝度を調節することができるため、操作用画像310の視認性を維持することができる。また、本実施形態によれば、晴天時においてはスラット角度に応じた投影輝度の調節も併せて行うことができるため、状況に応じた投影輝度の調節をより適切なものとすることができる。例えば、オフィスや公共施設等では、日中に横型ブラインドの昇降がなされることは少なく、下降状態においてスラット角度のみが調節されることが多い。したがって、そのような用途においては、上述したようなスラット角度に応じた投影輝度の調節は極めて有用である。
【0061】
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る電動遮蔽装置について説明する。本実施形態に係る電動遮蔽装置は、投影領域の近傍箇所における照度または輝度を示す明暗度に応じて投影機300の投影輝度を調節するものである。ここでは電動遮蔽装置が第1及び第2の実施形態と同様に、ロールスクリーンである場合を例にとり説明する。
図15は、本実施形態に係る電動遮蔽装置の制御系を示すブロック図である。
図16は、スクリーンが全閉状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略斜視図であり、
図17はスクリーンが所定量上昇した開状態にある場合の操作用画像の投影を説明するための概略斜視図である。
【0062】
(電動遮蔽装置1dの制御系)
図15に示されるように、本実施形態に係る電動遮蔽装置1dは、照度センサ600に代わり照度センサ600dを新たに備え、記憶装置130が開閉度テーブル132cを記憶しておらず、更に照度テーブル133に代わり照度テーブル133dを記憶する点で第3の実施形態に係る電動遮蔽装置1cと異なる。なお、スクリーン13の昇降制御にはエンコーダを用いることが好ましいが、ここでは省略する。
【0063】
照度センサ600dは、第3の実施形態に係る照度センサ600と同様のものであるが、その設置位置が異なる。具体的には、
図16及び
図17に示されるように投影領域Fの近傍箇所に設置されており、窓Wからの入射光を測定することで投影領域Fの近傍箇所の照度を測定している。照度センサ600dは投影領域F内に設置してもよいが、この場合は投影機300からの照射光が照度センサ600dに影響を与えるため、照度センサ600dを投影領域Fの近傍箇所に設置することにより、当該影響を除外して投影領域Fの照度に相当する照度として測定することができる。近傍箇所としては、操作用画像310に重ならない程度に隣接する箇所とすることが好ましい。
【0064】
照度テーブル133dは、第3の実施形態に係る照度テーブル133と比較して、屋外照度ではなく投影領域Fの近傍箇所の照度の数値範囲と投影輝度レベルとが対応付けられている。より具体的には、投影領域Fの近傍箇所の照度が増加するに従い、投影輝度も増加するように定義されている。
図16に示されるように、スクリーン13が全閉状態においては、投影領域F近傍は入射光による照度の影響が低いため、投影領域F内にも影響は低いと考えられる。一方、
図17に示されるように、スクリーン13が開状態へ移行し、入射光により投影領域Fの近傍箇所において照度が増加すると、投影領域Fにおいてもその影響が増大すると考えられる。そのため、照度テーブル133dは投影領域Fの近傍箇所の照度が増加するに従い、投影輝度も増加するように定義されている。
【0065】
(電動遮蔽装置1dの動作)
以下、電動遮蔽装置1dの動作について、
図18を用いて説明する、
図18は、本実施形態に係る電動遮蔽装置の動作を示すフローチャートである。ここでは、第1~第3の実施形態に係る電動遮蔽装置1,1a,1cの動作と異なるステップS401~S403の処理について説明する。
【0066】
先ず取得部101は、照度センサ600dにより測定された投影領域Fの近傍箇所の照度を取得する(S401)。取得後、投影制御部102は、取得された照度に対応する投影輝度レベルを照度テーブル133dに基づいて選定し(S402)、ステップS101において当該輝度レベルに対応する輝度で操作用画像310の投影がなされる。その後、ステップS103の制御内容選定の処理を終えると、駆動制御部104は、選定された制御内容に従って第3調節駆動処理を行う(S403)。
【0067】
第3調節駆動処理は、モータ200の駆動制御を行うと共に、その駆動制御に伴うスクリーン13の昇降により変動する、投影領域Fの近傍箇所の照度に応じて、投影輝度を適宜調節する処理である。第3調節駆動処理は、
図10に示される第1調節駆動処理と比較して、スクリーン13の開閉度ではなく投影領域Fの近傍箇所の照度が取得及び判定される点、開閉度テーブル132の代わりに照度テーブル133dを参照する点で異なり、それ以外は同様の処理となる。したがって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0068】
以上に説明した本実施形態によれば、投影領域Fの照度に応じて投影輝度の調節ができるため、入射光による操作用画像310の視認性の低下を抑制することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態においては、投影領域Fは床面や机上面、壁面等の平面である。しかしながら、遮蔽材を投影領域Fとして操作用画像310を遮蔽材に投影するようにしてもよい。この場合、遮蔽材がスラットであるとスラット間から発生するグレアにより操作用画像310の視認性が著しく低下する恐れがある。したがって遮蔽材、特に複数のスラットに亘って投影する場合は、「投影領域Fの近傍箇所の照度」ではなく「投影領域Fの輝度」を測定することが好ましい。この場合、照度センサ600dに代えて輝度センサを備え、近傍箇所の輝度の数値範囲と投影輝度レベルとが対応付けられた輝度テーブルを照度テーブル133dに代えて記憶装置130に記憶させ、輝度センサの検出結果と輝度テーブルとに基づいて投影輝度レベルを選定すればよい。輝度センサは遮蔽材の輝度を測定可能な位置であれば、どのような位置に設置してもよい。
【0070】
また、照度センサ600dに代えてカメラを備え、カメラにより撮像した投影領域F及びその近傍箇所を含む撮像画像を取得し、投影領域Fの明暗度(照度または輝度)とその近傍箇所の明暗度との差を画像処理により算出し、当該明暗度の差が顕著なものとなるように投影機300の投影輝度を設定するようにしてもよい。この場合、明暗度の差と投影輝度レベルとが対応付けられたテーブルを用意することが好ましい。この場合、明暗度の差が所定値以上となるように投影輝度レベルが対応付けられる。なお、このようなテーブルを用意せず明暗度の差が所定値以上となるまで、徐々に投影輝度レベルを増加させ、その都度撮像画像を得る所謂フィードバック制御を行うようにしてもよい。
【0071】
(操作用画像の変形例1)
操作用画像310には開操作部分画像311、閉操作部分画像312、及び停止操作部分画像313の3つの部分画像よりなると説明したが、より複数の部分画像からなるようにし、電動遮蔽装置に対してより多様な操作を行えるようにしてもよい。
図19は、操作用画像の変形例1を説明するための図である。
図19に示されるように、操作用画像310eは、停止操作部分画像313の両隣にスラットまたはルーバの正転操作を行うための正転操作部分画像314と、反転操作を行うための反転操作部分画像315とを更に有する。この場合、制御テーブル131には正転操作部分画像314の範囲の位置情報と正転操作を行う制御内容とが対応付けられ、反転操作部分画像315の範囲の位置情報と反転操作を行う制御内容とが対応付けられる。
【0072】
このような変形例によれば、電動遮蔽装置が横型ブラインドや縦型ブラインドである場合は、ボトムレールの昇降操作のみならず、スラット(ルーバー)の角度操作も可能となるため、容易に且つ多様な操作を電動遮蔽装置に行わせることができる。
【0073】
(操作用画像の変形例2)
操作用画像を遮蔽材のイメージ画像として投影するようにしてもよい。ここでは電動遮蔽装置が、横型ブラインドである場合を例にとり説明する。
図20は、操作用画像の変形例2を説明するための図である。
図20に示されるように、電動遮蔽装置1fの操作用画像310fは、スラットのイメージ画像として投影される。この場合、制御テーブル131には操作用画像310fを縦方向に複数分割した分割位置情報と、当該分割位置情報に対応する上下方向位置までボトムレール17を移動させる制御内容とが対応付けられる。
【0074】
この電動遮蔽装置1fの動作は、
図4に示されるステップS103において参照する制御テーブル131の内容が異なる以外、第1の実施形態に係る電動遮蔽装置と同様となる。例えば、この操作用画像310fを用いて電動遮蔽装置を閉状態から開状態、即ちボトムレール17を上昇させる場合には、ユーザが
図20に示されるように操作用画像310f上の任意の位置に操作指示部位を位置付ける。
【0075】
すると、
図4に示されるステップS102において、検出信号が取得されたと判定され、ステップS103において検出信号と制御テーブル131とが比較され制御内容が選定される。その後、ステップS104において当該検出信号に応じた位置となるまでボトムレール17を上昇させる駆動制御がなされる。一方、閉状態へ移行させたい場合は、操作用画像310fの下方部分に操作指示部位を位置付ければよい。
【0076】
このような変形例によれば、操作用画像310fが遮蔽材のイメージ画像であるため、より直感的に、且つイメージ通りに電動遮蔽装置を操作することが可能となる。
【0077】
(操作用画像の変形例3)
操作用画像を遮蔽材のイメージ画像として投影すると共に、ユーザの動作により電動遮蔽装置を操作するようにしてもよい。
図21は、操作用画像の変形例3を説明するための図である。
図21に示されるように、投影される電動遮蔽装置1gの操作用画像は、変形例2と同様の操作用画像310fである。しかしながら、制御テーブル131には、操作用画像310fに対するユーザの動作と制御内容とが対応付けられている点で変形例2と異なる。例えば、制御テーブル131には、操作用画像310f上における、フリック動作の終了位置の位置情報及びフリック動作方向と、当該終了位置の位置情報に対応する上下方向位置までボトムレール17を移動させる制御内容とが対応付けられる。この場合、電動遮蔽装置1gは、位置センサ400に代わりユーザの動作を検出可能なモーションセンサを備えることが好ましい。
【0078】
この電動遮蔽装置1gの動作は、
図4に示されるステップS102において、モーションセンサで検出したユーザの動作が所定の条件を満たすか否かが判定される点、ステップS103において参照する制御テーブル131の内容が異なる点以外、第1の実施形態に係る電動遮蔽装置と同様となる。
【0079】
例えば、操作用画像310fを用いてボトムレール17を任意の位置まで上昇させる場合には、ユーザが
図21に示されるように操作用画像310fの下方部分から上方にフリック動作する。すると、モーションセンサがフリック動作方向と共にその動作終了位置を検出し、この検出信号を取得部101が取得する。取得後、判定部103は検出信号が所定の条件を満たすか否か、例えば検出結果に示されるフリック動作が上下方向であり且つ動作終了位置が操作用画像310f上に有るか否かを条件として判定し、当該条件を満たす場合、
図4に示されるステップS102において判定部103は、ユーザが電動遮蔽装置を操作をするための検出信号が取得されたと判定する。
【0080】
次に、ステップS103において検出信号と制御テーブル131とが比較され制御内容が選定される。その後、ステップS104において当該検出信号に応じた位置となるまでボトムレール17を上昇させる駆動制御がなされる。一方、閉状態へ移行させたい場合は、操作用画像310fの上方部分から下方部分の任意の位置までフリック動作をすればよい。
【0081】
このような変形例によれば、ユーザの動作により電動遮蔽装置を操作することができるため、より柔軟な操作が可能となる。
【0082】
なお、ここではユーザの動作としてフリック動作を例に挙げたが、スワイプ、タップ、ロングタップ等の他の動作であってもよい。タップ、ロングタップである場合、制御テーブル131は変形例2のものを用いればよい。
【0083】
(操作用画像の変形例4)
操作用画像は電動遮蔽装置の開閉状態(昇降状態)に応じて切り替えるようにしてもよい。
図22~
図24は、操作用画像の変形例4を説明するための図である。
図22に示されるように、電動遮蔽装置1hが全閉状態である場合は、遮蔽材であるスラット13bに開状態への移行、即ちボトムレール17の上昇を示す開操作部分画像311hのみが操作用画像として投影される。一方、
図23に示されるように、電動遮蔽装置1hが全開状態である場合は、スラット13bに閉状態への移行、即ちボトムレール17の下降を示す閉操作部分画像312hのみが投影される。
図24に示されるように、電動遮蔽装置1hが全閉及び全開状態以外である場合は、開操作部分画像311h及び閉操作部分画像312hがそれぞれ投影される。なお、電動遮蔽装置1hの開閉状態は、エンコーダの検出結果から認識することが好ましい。
【0084】
このような変形例によれば、電動遮蔽装置1hの開閉度(昇降状態の度合い)に応じて、部分画像の内容を適切なものとする、即ちユーザに対して現状態において不要な部分画像を除いて提示することができ、更に投影位置を適切に調節できるため、ユーザの利便性を一層向上させることができる。
【0085】
なお、ここでは閉操作部分画像312hは窓Wのガラス面に投影されることとなるが、ガラス面がすりガラスである場合や網戸が窓Wに取り付けられている場合等であれば、良好に部分画像を視認することができる。また、変形例1で説明したようなスラット角度に関する正転操作部分画像314及び反転操作部分画像315を併せて投影するようにしてもよい。
【0086】
(操作用画像の変形例5)
操作用画像は空間に結像して投影するようにしてもよい。
図25は、操作用画像の変形例5を説明するための図である。
図25に示されるように、操作用画像310iは、空間に結像された空間投影画像である。これは投影機300が特殊な光透過部材320に光を照射することにより、入射面の逆面側の空間に再度光が集光する原理を用いたものであり、このような技術としては、例えば特許第6270898の技術を用いることができる。ユーザの操作を受け付けるユーザインターフェースとしての操作用画像を空間に結像可能であればどのような技術を用いてもよい。
【0087】
このような変形例によれば、床面や机の上面、壁面に限らず、任意の位置に操作用画像を投影することができる。
【0088】
(操作用画像の変形例6)
操作用画像は複数の電動遮蔽装置を個別または同時に制御可能なものとしてもよい。
図26は、操作用画像の変形例6を説明するための図である。なお、ここでは室内の東側に2つ、西側に2つの計4つの電動遮蔽装置が設置されており、そのうちの1つが投影機300及び位置センサ400を備えるマスタ装置であり、マスタ装置における駆動制御に係る制御信号がマスタ装置以外の電動遮蔽装置(スレーブ装置)にも入力可能に各電動遮蔽装置が接続されているものとする。
【0089】
図26に示されるように、操作用画像310jには、記号で示される開操作部分画像311、閉操作部分画像312、及び停止操作部分画像313の他に、全ての電動遮蔽装置を一括で操作対象とするALL部分画像317、4つの電動遮蔽装置を個別に操作対象とする1~4の個別操作部分画像318-1~318-4、東側及び西側の2つの電動遮蔽装置がそれぞれグルーピングされ、グループ毎に操作対象とする東グループ操作部分画像319-1、西グループ操作部分画像319-2が含まれている。ここでの東グループには、個別操作部分画像318-1,318-2に対応する電動遮蔽装置が属しており、西グループには、個別操作部分画像318-3,318-4に対応する電動遮蔽装置が属している。ALL部分画像317、個別操作部分画像318-1~318-4、及びグループ操作部分画像319-1,319-2の位置情報は、予め記憶装置130に記憶されているものとする。なお、マスタ装置としての電動遮蔽装置は個別操作部分画像318-1に対応するものとする。
【0090】
この操作用画像310jによる電動遮蔽装置の操作を行う場合は、ALL部分画像317、個別操作部分画像318-1~318-4、及びグループ操作部分画像319-1,319-2のいずれかへ操作指示部位を位置付けた後、開操作部分画像311、閉操作部分画像312、及び停止操作部分画像313のいずれかへ位置付けるようにする。判定部103は、
図4に示されるステップS102の検出信号を取得したか否かの判定時に、ALL部分画像317、個別操作部分画像318-1~318-4、及びグループ操作部分画像319-1,319-2のいずれに対応する位置情報を含む検出信号を取得したかと、開操作部分画像311、閉操作部分画像312、及び停止操作部分画像313のいずれに対応する位置情報を含む検出信号を取得したかとを判定する。
【0091】
例えば、ALL部分画像317及び開操作部分画像311に関する検出信号が取得された場合、ステップS104においては、マスタ装置から全てのスレーブ装置に向けて開状態へ駆動制御する制御信号が送出され、全ての電動遮蔽装置に同一制御がなされる。一方、西グループ操作部分画像319-2及び開操作部分画像311に関する検出信号が取得された場合、ステップS104においては、マスタ装置から西グループに属する電動遮蔽装置にのみ開状態へ駆動制御する制御信号が送出され、自身は当該駆動制御を行わない。
【0092】
このような変形例によれば、複数の電動遮蔽装置を個別または同時に操作することができる。また、操作用画像はリモートコントローラや壁面スイッチほど小さなサイズで投影する必要はないため、電動遮蔽装置の数に応じて表示内容が増加した場合であっても、操作用画像のサイズを拡大することで視認性、操作性を維持することができる。
【0093】
なお、以上に説明した第1~第4の実施形態、及び各種変形例では、本発明に係る遮蔽材制御装置を電動遮蔽装置のブラインドコントローラに組み込んだ例を説明したが、
図27に示されるように、遮蔽材制御装置100kと電動遮蔽装置のブラインドコントローラ700とを別体として構成し、モータ200の駆動についてのみブラインドコントローラ700で行うようにしてもよい。
【0094】
また、第1~第4の実施形態や各種変形例においては、本発明に係る遮蔽材制御装置の組み込み対象としてロールスクリーンや横型、縦型ブラインドを例にとり説明したが、プリーツスクリーン、ハニカムスクリーン、たくし上げカーテン、アコーディオンドア、プロジェクタスクリーンといったブラインド、カーテン、間仕切り等の電動式の遮蔽装置であれば本発明は適用可能であることは言うまでもない。
【0095】
本発明に係る第1~第4の実施形態、各種変形例を説明したが、これらは例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、複数組み合わせる等してその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1,1a~1d,1f~1j 電動遮蔽装置(遮蔽材制御装置)
13 スクリーン(遮蔽材)
13b スラット(遮蔽材)
100 ブラインドコントローラ(遮蔽材制御装置)
100k 遮蔽材制御装置
101 取得部
102 投影制御部(投影部)
103 判定部(制御部)
104 駆動制御部(制御部)
130 記憶装置(投影部、制御部)
131 制御テーブル(制御情報)
132 開閉度テーブル(第1輝度情報)
133d 照度テーブル(第2輝度情報)