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特許7474159自動車のシール構造及び自動車のシール材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】自動車のシール構造及び自動車のシール材
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/18 20060101AFI20240417BHJP
   B60J 10/84 20160101ALI20240417BHJP
【FI】
B62D25/18 G
B60J10/84
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020152870
(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公開番号】P2022047128
(43)【公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】清水 真由美
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕之
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3137946(JP,U)
【文献】特開2020-040482(JP,A)
【文献】実開昭60-110124(JP,U)
【文献】特開2018-058426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/18
B60J 10/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のドアに取付けられたプロテクタを、前記ドアが対向し、タイヤ上面に位置するホイールアーチ部外周縁付近に取付けられたシール材のシール中空部に弾接させて、前記ドアと前記ホイールアーチ部との隙間を塞ぐ自動車のシール構造であって、
前記シール材は、前記ホイールアーチ部外周縁から上方に立設されたボディの垂直板の車外側に取付けられる取付基部と、前記取付基部の下部に設けられたシール中空部を有し、前記シール中空部は、前記取付基部の下部から車外側下方に斜めに延びる車内側壁と、前記車内側壁の下端に接続され上方に延びる車外側壁と、前記車内側壁の上端から車外側に水平に延びて前記車外側壁に接続される連結壁で囲まれてなり、
前記プロテクタは、前記ドアの内周縁部に取付けられるとともに、車内側斜め下方で前記ホイールアーチ部と前記タイヤ上面の間まで延びる傾斜板部を有し、前記ドアの閉時には前記傾斜板部の上側面が、前記シール材の車内側壁と車外側壁の接続部の下部に弾接し、
前記接続部は、上方から下方に向って車内外方向の厚みが徐々に薄くなるようにリップ状に延びる断面略舌形状であることを特徴とする自動車のシール構造。
【請求項2】
前記車内側壁の上部には、前記垂直板に弾接するシールリップが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動車のシール構造。
【請求項3】
前記車内側壁の車内側面には、凹形状部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車のシール構造。
【請求項4】
自動車のドアと、前記ドアが対向しタイヤ上面に位置するホイールアーチ部との隙間を塞ぐ自動車のシール材であって、
前記ホイールアーチ部外周縁から上方に立設されたボディの垂直板の車外側に取付けられる取付基部と、前記取付基部の下部に設けられたシール中空部と、を有し、前記シール中空部は、前記取付基部の下部から車外側下方に斜めに延びる車内側壁と、前記車内側壁の下端に接続され上方に延びる車外側壁と、前記車内側壁の上端から車外側に水平に延びて前記車外側壁に接続される連結壁で囲まれてなり、
前記車内側壁と前記車外側壁との接続部は、上方から下方に向って車内外方向の厚みが徐々に薄くなるようにリップ状に延びる断面略舌形状であることを特徴とする自動車のシール材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア閉時にドアと、タイヤ上面に対向するホイールアーチ部との隙間をシールする自動車のシール構造及び自動車のシール材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図5及び図6に示すように、自動車のドア(リヤドア)1とタイヤ2上面に対向するホイールアーチ部3との隙間をシールする構造が知られている。
これは、ドア1の閉時には、ドア1に取付けられたプロテクタ10の突設部11を、ホイールアーチ部3の外周縁に、断面略U字形状の取付部21が取付けられたシール材20のシール中空部22に弾接させて、ドア1とホイールアーチ部3との隙間を塞ぐものである(例えば、特許文献1の図3参照)。
【0003】
これによれば、ドア1とホイールアーチ部3との隙間から泥や小石などが車内側に浸入することが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-180921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図6に示したシール構造では、ドア1の閉時には、プロテクタ10の突設部11がシール材20のシール中空部22の中央部に弾接してシールするため、弾接位置よりも下側の範囲Xでは泥などが付着してしまう。
そのため、ドア開時に乗員が自動車に乗り込む際に衣服がシール材20の下側の範囲Xの表面にあたり汚れてしまうといった問題がある。
また、シール材20の取付部21は、ホイールアーチ部3の外周縁のフランジ3aに差し込まれているので、泥や埃が断面略U字形状の取付部21の中に入り込むといった問題もある。
さらに、プロテクタ10は樹脂製で、金属製のドア1よりも剛性が低く変形しやすく、プロテクタ10の変形量が大きくなると車両外観が悪化するといった問題や、シール機能の安定化が損なわれるといった問題が発生する。そのためプロテクタ10の突設部11とシール材20のシール中空部22との弾接においては低めの圧縮荷重を保つように設計する必要がある。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、乗車時に衣服が汚れることを防止する自動車のシール構造及び自動車のシール材を提供することにある。
また、プロテクタの変形量の極小化を図った自動車のシール構造を提供することにある。
また、シール機能の安定化を図った自動車のシール構造及び自動車のシール材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の自動車のシール構造は、自動車のドア(1)に取付けられたプロテクタ(30)を、前記ドア(1)が対向し、タイヤ(2)上面に位置するホイールアーチ部(5)外周縁付近に取付けられたシール材(40)のシール中空部(42)に弾接させて、前記ドア(1)と前記ホイールアーチ部(5)との隙間を塞ぐ自動車のシール構造であって、

前記シール材(40)は、前記ホイールアーチ部(5)外周縁から上方に立設されたボディの垂直板(6)の車外側に取付けられる取付基部(41)と、前記取付基部(41)の下部に設けられたシール中空部(42)を有し、前記シール中空部(42)は、前記取付基部(41)の下部から車外側下方に斜めに延びる車内側壁(43)と、前記車内側壁(43)の下端に接続され上方に延びる車外側壁(44)と、前記車内側壁(43)の上端から車外側に水平に延びて前記車外側壁(44)に接続される連結壁(45)で囲まれてなり、
前記プロテクタ(30)は、前記ドア(1)の内周縁部に取付けられるとともに、車内側斜め下方で前記ホイールアーチ部(5)と前記タイヤ(2)上面の間まで延びる傾斜板部(33)を有し、前記ドア(1)の閉時には前記傾斜板部(33)の上側面が、前記シール材(40)の車内側壁(43)と車外側壁(44)の接続部(47)の下部に弾接し、
前記接続部(47)は、上方から下方に向って車内外方向の厚みが徐々に薄くなるようにリップ状に延びる断面略舌形状であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記車内側壁(43)の上部には、前記垂直板(6)に弾接するシールリップ(48)が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記車内側壁(43)の車内側面には、凹形状部(49)が形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、自動車のドア(1)と、前記ドア(1)が対向しタイヤ(2)上面に位置するホイールアーチ部(5)との隙間を塞ぐ自動車のシール材であって、
前記ホイールアーチ部(5)外周縁から上方に立設されたボディの垂直板(6)の車外側に取付けられる取付基部(41)と、前記取付基部(41)の下部に設けられたシール中空部(42)と、を有し、前記シール中空部(42)は、前記取付基部(41)の下部から車外側下方に斜めに延びる車内側壁(43)と、前記車内側壁(43)の下端に接続され上方に延びる車外側壁(44)と、前記車内側壁(43)の上端から車外側に水平に延びて前記車外側壁(44)に接続される連結壁(45)で囲まれてなり、
前記車内側壁(43)と前記車外側壁(44)との接続部(47)は、上方から下方に向って車内外方向の厚みが徐々に薄くなるようにリップ状に延びる断面略舌形状であることを特徴とする。
【0011】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0012】
本発明の自動車のシール構造によれば、ドアに取付けられたプロテクタの傾斜板部の上側面が、ホイールアーチ部外周縁側に取付けられたシール材のシール中空部を構成する車内側壁と車外側壁の接続部の下部に弾接するので、その接続部の下部の車外側面に泥などが付着することが防止される。
そのため、乗員が車両に乗り込む際にスボンやスカートといった衣服がシール材の車外側表面にあたったとしても衣服が汚れる心配はほとんどない。
また、ドアを開けたときに車体側(シール材)に汚れがみえて見栄えが悪いといったこともない。
【0013】
また本発明によれば、接続部は、上方から下方に向って延びるリップ状で断面略舌形状でありこの部分がプロテクタの傾斜板部に弾接するので、シール材の圧縮荷重が過度に増大することが防止される。また、弾接時にプロテクタの傾斜板部が過度に変形して外観が悪化することも防止される。これによりシール材のシール機能も安定化する。
【0014】
また本発明によれば、接続部は、上方から下方に向って車内外方向に厚みが徐々に薄くなるものであるので、シール材の圧縮荷重が増大する事や、弾接時にプロテクタの傾斜板部が過度に変形することがより防止される。
【0015】
また本発明によれば、車内側壁の上部には、シール材が取付けられるホイールアーチ部外周縁から上方に立設されたボディの垂直板に弾接するシールリップが設けられているので、タイヤからの泥などがシール材の取付基部と垂直板の間から上方に入り込むことが防止される。
【0016】
また本発明によれば、車内側壁の車内側面には、凹形状部が形成されているので、シール中空部の荷重を低減することでドア閉じ性の悪化を防止することができる。
【0017】
また本発明の自動車のシール材によれば、ドアの車内側が、ホイールアーチ部外周縁側に取付けられたシール材のシール中空部を構成する車内側壁と車外側壁の接続部の下部に弾接するので、その接続部の下部の車外側面に泥などが付着することが防止される。
そのため、乗員が車両に乗り込む際にスボンやスカートといった衣服がシール材の車外側表面にあたったとしても衣服が汚れる心配はほとんどない。
また、ドアを開けたときに車体側(シール材)に汚れがみえて見栄えが悪いといったこともない。
【0018】
また本発明によれば、接続部は、上方から下方に向って延びるリップ状で断面略舌形状でありこの部分がドアの車内側に弾接するので、シール材の圧縮荷重が過度に増大することが防止される。これによりシール材のシール機能も安定化する。
また接続部は、上方から下方に向って車内外方向に厚みが徐々に薄くなるものであるので、シール材の圧縮荷重が増大する事が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る自動車のシール構造でドア開時の状態を示す、図5のA-A線拡大断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る自動車のシール構造でドア開時の状態を示す要部側面図である。
図3】本発明の実施形態に係る自動車のシール構造でドア閉時の状態を示す、図5のA-A線拡大断面図である。
図4】本発明の実施形態に.係る別の自動車のシール構造でドア開時の状態を示す、図5のA-A線拡大断面図である。
図5】自動車の外観側面図である。
図6】従来例に係る自動車のシール構造でドア閉時の状態を示す、図5のA-A線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1乃至図3及び図5を参照して、本発明の実施形態に係る自動車のシール構造について説明する。図1はドア(リヤドア)1の開時の状態、図3はドア1の閉時の状態を示している。従来例と同じ部分には同一の符号を付した。
この自動車のシール構造は、自動車のドア1に取付けられたプロテクタ30を、ドア1が対向し、タイヤ2上面に位置するホイールアーチ部5外周縁付近の垂直板6に取付けられたシール材40のシール中空部42に弾接させて、ドア1とホイールアーチ部5との隙間を塞ぐものである。
【0021】
シール材40は、図1に示すように、ホイールアーチ部5外周縁から上方に立設されたボディの垂直板6の車外側にクリップKを介して取付けられた取付基部41と、取付基部41の下部に設けられたシール中空部42を有している。シール材40は、図2に示すように、ホイールアーチ部5に沿って同じくアーチ状に延び、一定の間隔をあけてクリップKで垂直板6に固定されている。なお、クリップKにかえて両面接着テープ(図示しない)を使用してシール材40を垂直板6に固定することもできる。
【0022】
シール材40のシール中空部42は、取付基部41の下部から車外側下方に斜めに延びる車内側壁43と、車内側壁43の下端に接続され上方に延びる車外側壁44と、車内側壁43の上端から車外側に水平に延びて車外側壁44に接続される下部連結壁(連結壁)45とで略三角形状に囲まれている。
シール材40の取付基部41は、垂直板6に対して平行で垂直板6と同様にアーチ状に延びる板状である。取付基部41の下部には、その一端が車外側壁44の上下方向の中央部より下側に接続された下部連結壁45の他端が接続され、取付基部の上部には、その一端が車外側壁44の上下方向の中央部より上側に接続された上部連結壁46の他端が接続されている。車外側壁44の上部は、上部連結壁46よりも上方に延び、取付基部41,下部連結壁45,上部連結壁46及び車外側壁44で囲まれた空間にクリップKの頭部が納められる。これにより、垂直板6に対するシール材40の取付位置は、シール中空部42の位置よりも高い位置となっている。
【0023】
シール材40のシール中空部42において、車内側壁43の下部と車外側壁44の下部が接続された接続部47は、上方から下方に向って延びるリップ状で断面略舌形状であるとともに、上方から下方に向って車内外方向の厚みが徐々に薄くなるように形成されている。また、接続部47の下端の位置は、ホイールアーチ部5の位置よりも低い位置まで延びていて、タイヤ2から泥などが車外側に飛び散ることを防止している。
【0024】
また、シール中空部42の車内側壁43の上部には、下側かつ車内側に延びその先端部が垂直板6に弾接するシールリップ48が設けられ、タイヤ2からの泥などがシール材40の取付基部41と垂直板6の間から上方に入り込むことを防止している。シールリップ48の車内外方向の厚みは、接続部47の厚みよりも小さい。
そして、車内側壁43の車内側面でシールリップ48の付け根部側には、凹形状部49が形成され、シール中空部42の荷重を低減することでドア閉じ性の悪化を防止している。
【0025】
シール材40は、特に限定されるものではないが、ゴム又は樹脂の発泡材で形成されている。ゴムの場合はEPDM(エチレンプロピレンゴム)、樹脂の場合はTPO(オレフィン系熱可塑性樹脂)があげられるが、これらに限定はされない。
また、取付基部41、下部連結壁45、上部連結壁46の比重を、他の部位よりも高めに設定しても良い。
【0026】
一方、プロテクタ30は、硬質樹脂製で、図3に示すように、上下方向に延びる板状でドア1の内周縁部に取付けられる取付板部31と、取付板部31の下部から車外側に水平に延びてドア1を構成するインナパネル1aとアウタパネル1bの先端部がヘミング接合された部分Hに下側から当接してその部分をカバーするカバー板部32と、取付板部31の下部から車内側斜め下方に延びる傾斜板部33と、カバー板部32より上方で取付板部31から車外側に水平に延びる中間板部34を有している。
傾斜板部33は、ドア1の閉時には、ホイールアーチ部5とタイヤ2上面の間まで延びていて、傾斜板部33の先端部33aは垂直板6の位置よりも若干車内側に入り込んだ部分に位置している。
【0027】
そして、ドア1の閉時には、プロタクタ30の傾斜板部33の上側面が、シール材40の車内側壁43と車外側壁44の接続部47の下部に弾接するようになっている。
このとき、接続部47の下部は車内側に湾曲するようにしてプロタクタ30の傾斜板部33の上側面に弾接するので、接続部47下部の車外側面は傾斜板部33に弾接してタイヤ2からの泥などが付着することは防止される。
ここで、接続部47の車内側面からシールリップ48の車外側面までの区間には、泥などが付着する事が避けられないが、乗員が車両に乗り込む際にスボンやスカートといった衣服がシール材40の車外側表面にあたったとしても衣服が汚れる心配はほとんどない。
また、ドア1を開けたときに車体側(シール材)に汚れが直接みえて見栄えが悪いといったこともない。
【0028】
また、シール材40の車内側壁43と車外側壁44の接続部47は、上方から下方に向って延びるリップ状で断面略舌形状であり、しかも上方から下方に向って車内外方向に厚みが徐々に薄くなるものであり、この部分がプロテクタ30の傾斜板部33に弾接するので、シール材40の圧縮荷重が過度に増大することが防止される。また、弾接時にプロテクタ30の傾斜板部33が過度に変形することも防止され、プロテクタ30の変形量が極小化され、外観の悪化が防止される。これとともに、シール材40のシール機能も安定化する。
【0029】
なお、本実施形態では、シール材40において車内側壁43の下部と車外側壁44の下部が接続された接続部47を、上方から下方に向って延びるリップ状で断面略舌形状とし、さらに上方から下方に向って車内外方向の厚みが徐々に薄くなるように形成したが、図4に示すように、接続部47については車内側壁43の下部と車外側壁44の下部を単に接続するだけで特に下側に延ばさないようにすることもできる。
この場合、接続部47がプロテクタ30の傾斜板部33に弾接するとシール材40の圧縮荷重が増大するが、車内側壁43の車内側面でシールリップ48の付け根部側に、凹形状部49を形成することで中空部42の荷重を低減させドア閉じ性の悪化を防止している。
【0030】
また、図3で示したように、プロテクタ30の傾斜板部33が、ドア1の閉時には、ホイールアーチ部5とタイヤ2上面の間まで延び、さらに傾斜板部33の先端部33aが垂直板6の位置よりも車内側に入り込んだ部分まで位置するものであれば、接続部47の下端の位置は、図4に示すように、ホイールアーチ部5の位置と同等かそれよりも高いものであってもよい。
【0031】
また、接続部47がプロテクタ30の傾斜板部33に弾接したときにシール材40の圧縮荷重が過度に増大しない構成を、シール中空部42の形状や材質によって達成することができるものであれば、凹形状部49の形成を省くこともできる。例えば、図3に示したシール材40において凹形状部49を特に形成しないようにすることも可能である。
また、シールリップ48についても省くことは可能である。
【0032】
また、本実施形態では、ドア1の閉時には、シール材40の接続部47をドア1の車内側に取付けられたプロテクタ30の傾斜板部33に弾接させるようにしたが、シール材40の接続部47を、傾斜板部33を特に有していない形状のプロテクタに弾接させることもできるし、あるいは、プロテクタにかわる部材や、ドア1の車内側に直接、弾接させることもできる。
【符号の説明】
【0033】
1 ドア(リヤドア)
1a インナパネル
1b アウタパネル
2 タイヤ
3 ホイールアーチ部
3a フランジ
5 ホイールアーチ部
6 垂直板
10 プロタクタ
11 突設部
20 シール材
21 取付部
22 シール中空部
30 プロタクタ
31 取付板部
32 カバー板部
33 傾斜板部
33a 先端部
34 中間板部
40 シール材
41 取付基部
42 シール中空部
43 車内側壁
44 車外側壁
45 下部連結壁(連結壁)
46 上部連結壁
47 接続部
48 シールリップ
49 凹形状部
H ヘミング接合された部分
K クリップ
X 下側の範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6