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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】水処理システム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20230101AFI20240417BHJP
   B01D 27/08 20060101ALI20240417BHJP
   C02F 1/32 20230101ALI20240417BHJP
【FI】
C02F1/00 L
B01D27/08
C02F1/32
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020183944
(22)【出願日】2020-11-02
(65)【公開番号】P2021090954
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】201911241711.7
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】302070822
【氏名又は名称】アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ツーチー ウー
(72)【発明者】
【氏名】カーリス ベクジーディンズ
(72)【発明者】
【氏名】チャン シー-イー
(72)【発明者】
【氏名】ツォン ティエンシオン
(72)【発明者】
【氏名】テリー エル.ローツェンハイザー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エル.シュレンク
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー ジェイ.ピペル
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09212067(US,B1)
【文献】特開2018-043237(JP,A)
【文献】特開2002-126725(JP,A)
【文献】特開2001-327959(JP,A)
【文献】特開2015-006658(JP,A)
【文献】実開昭63-130109(JP,U)
【文献】登録実用新案第3187892(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0008310(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00, 1/28
C02F 1/32
B01D 24/00-43/00
C02F 1/42,1/44
B01D 53/22,61/00-71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理システムにおいて、
前記水処理システムは、
未処理水を保持することができる空洞を有する未処理水槽と、
フィルタ組立体と処理済水槽とを備える本体とを備え、
前記フィルタ組立体は、前記未処理水槽の空洞内に配置されるように構成され、前記フィルタ組立体は、前記未処理水を受け入れるように前記空洞と流体的に連結されるように構成された入口を有し、前記フィルタ組立体は、処理済水を放出するように構成された出口を有し、
前記処理済水槽は、前記フィルタ組立体から放出された処理済水を貯留するように構成されており、前記処理済水槽は、第1の端部開口及び第2の端部開口を有し、前記処理済水槽の前記第2の端部開口は、前記フィルタ組立体の前記出口と流体的に連結されており、
前記水処理システムは、本体のシール係合面と前記未処理水槽の内面との間のシールを有する、ワイピングシール界面をさらに備え、
前記ワイピングシール界面の前記シールは、環境と前記未処理水槽の前記空洞との間に実質的な空気密封及び水密封のシールを提供し、
前記本体を前記未処理水槽の空洞内に変位させることは、前記未処理水を前記フィルタ組立体を通して前記処理済水槽内に導き、
前記ワイピングシール界面は、前記未処理水槽の前記空洞からの前記本体の移動に基づいて、前記実質的な空気密封及び水密封のシールを破断するように前記シールに接触して前記シールを取り外すように動作可能な密封解除要素を有することを特徴とする、水処理システム。
【請求項2】
前記本体は、前記処理済水槽の前記第1の端部開口と係合するように動作可能なキャップ組立体を有している、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項3】
前記キャップ組立体が、前記処理済水を消費のための利用者に提供するように、前記処理済水槽と流体連通する吐水口を有する、請求項2に記載の水処理システム。
【請求項4】
前記キャップ組立体は、前記処理済水槽内の圧力を前記環境と実質的に等しくする空気通路を有し、前記ワイピングシール界面は、前記フィルタ組立体を通して前記未処理水を導くために、前記処理済水槽と前記未処理水槽との間に圧力差を発生させるように動作可能である、請求項2に記載の水処理システム。
【請求項5】
前記キャップ組立体が、水を消毒するためのUV光源を備えたUV処理システムを有している、請求項2に記載の水処理システム。
【請求項6】
前記フィルタ組立体及び前記処理済水槽は、ツイストロック接続を介して接続するように動作可能である、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項7】
前記ツイストロック接続は、前記未処理水槽に対する前記本体の回転に応じて、前記未処理水槽の前記空洞内で前記フィルタ組立体が前記処理済水槽から外れることを実質的に防止するように構成される、請求項6に記載の水処理システム。
【請求項8】
前記密封解除要素は、前記シールを着座解除するために、前記未処理水槽の前記空洞の前記内面から前記シールを取り外すように動作可能なフィンガを有している、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項9】
前記密封解除要素は、前記本体を前記未処理水槽から分離する手作業に応じて、前記シールを前記未処理水槽の前記空洞の前記内面から着座解除させるように動作可能なテーパ状フィンガを有している、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項10】
前記手作業は、利用者が、前記本体を前記未処理水槽から分離するために、前記水処理システムの長手軸線に沿って力を加えることを伴う、請求項9に記載の水処理システム。
【請求項11】
前記テーパ状フィンガは、前記シールと前記内面との間を摺動するように動作可能な先端を有している、請求項9に記載の水処理システム。
【請求項12】
前記先端が、前記シールのシール接触面と前記シールの中心との間で前記シールと係合するように配置される、請求項11に記載の水処理システム。
【請求項13】
前記フィルタ組立体は、前記処理済水槽に水を流入させるように動作可能であり、かつ前記処理済水槽から前記未処理水槽に水が流入するのを実質的に防止するように動作可能である、逆止弁を有している、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項14】
前記ワイピングシール界面は、前記本体を前記未処理水槽から取り除くための力に応じて、前記未処理水槽内での実質的な真空の形成を回避するように動作可能である、請求項13に記載の水処理システム。
【請求項15】
水処理システムにおいて、
前記水処理システムは、
未処理水を保持することができる空洞を有する未処理水槽と、
前記未処理水槽の前記空洞内に適合するように構成されたフィルタ組立体であって、前記フィルタ組立体は、前記未処理水を受け入れるように前記空洞と流体的に連結されるように構成された入口を有し、前記フィルタ組立体は、処理済水を放出するように構成された出口を有している、フィルタ組立体と、
前記未処理水槽の中に適合するのに適しておりかつ前記処理済水を貯留するように構成された処理済水槽であって、前記処理済水槽は、前記フィルタ組立体の前記出口と流体的に連結されている、処理済水槽と、
前記未処理水槽と前記処理済水槽のそれぞれの表面の間に位置しかつ前記フィルタ組立体を通して未処理水を導くための圧力差を生成させるのを容易にするように動作可能なワイピングシール界面と、
利用者が消費するために消費のために前記処理済水槽に貯留された前記処理済水を放出するための吐水口を有するキャップであって、前記キャップは周囲環境への空気通路を有し、前記空気通路及び前記ワイピングシール界面は、前記未処理水槽の空洞内の未処理水が前記フィルタ組立体を通って前記処理済水槽に流れるように、前記未処理水槽と前記処理済水槽との間の圧力差の生成を容易にするように構成されており、前記ワイピングシール界面は、前記フィルタ組立体及び前記処理済水槽が前記未処理水槽の前記空洞から取り外すのを容易にするために、前記周囲環境と前記未処理水槽の前記空洞との間のシールを破断するように動作可能である、キャップとを備え
前記ワイピングシール界面は、シール要素と、前記シール要素に対する密封解除要素の長手方向の移動に基づいて、前記シール要素と接触して前記シール要素を着座解除させるように動作可能な密封解除要素とを有している、水処理システム。
【請求項16】
前記密封解除要素が前記フィルタ組立体上に配置されており、前記フィルタ組立体を前記未処理水槽から取り外すための前記フィルタ組立体の長手方向の移動によって、前記密封解除要素が前記シールを着座解除させるように駆動する、請求項1に記載の水処理システム。
【請求項17】
前記キャップは、UV光源を備えるUV処理組立体を有している、請求項15に記載の水処理システム。
【請求項18】
水処理システムにおいて、
前記水処理システムは、
未処理水を保持することができる空洞を有する未処理水槽と、
本体であって、
前記未処理水槽の前記空洞内に適合するように構成されたフィルタ組立体であって、前記フィルタ組立体は、未処理水を受け入れるように前記空洞と流体的に連結されるように構成された入口を有し、前記フィルタ組立体は、処理済水を放出するように構成された出口を有している、フィルタ組立体と、
処理済水を貯留するように構成された処理済水槽であって、前記処理済水槽は、前記フィルタ組立体の出口と流体的に連結されている、処理済水槽と、
利用者が消費するために前記処理済水槽に貯留された前記処理済水を放出するための吐水口を有するキャップであって、前記キャップは、水を消毒するためのUV光源を備えたUV処理組立体を有している、キャップとを備える本体と、
前記本体と前記未処理水槽の内面との間のワイピングシール界面であって、前記ワイピングシール界面は、周囲環境と未処理水槽の前記空洞との間に実質的な空気密封及び水密封のシールを提供するように動作可能であるシール要素を有し、前記ワイピングシール界面は、前記未処理水槽に対する前記フィルタ組立体の長手方向の移動に基づいて、前記シール要素に接触して前記実質的な空気密封及び水密封のシールを破断するように動作可能な密封解除要素を有している、ワイピングシール界面とを備え、
前記未処理水槽は、前記未処理水槽の前記空洞内に前記本体の少なくとも一部を受け入れるように構成されており、前記未処理水槽内の未処理水は、前記フィルタ組立体を通って前記処理済水槽内に入り、前記本体が前記未処理水槽の前記空洞内への移動を可能にする、水処理システム。
【請求項19】
前記キャップは、前記処理済水槽内の圧力を前記周囲環境と均等にするように動作可能な空気通路を有し、それにより、前記ワイピングシール界面は、前記未処理水を前記処理済水槽に導くように前記処理済水槽と前記未処理水槽との間に圧力差を与えるように動作可能である、請求項1に記載の水処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、水を濾過するための装置及びその方法に関し、より詳細には、携帯型の濾過用途に関する。
【背景技術】
【0002】
人々が日常の活動の間に動き回る時、水が出る場所に起因する信頼できる清浄な水源へのアクセスや、様々な自治体によってどのように水が供給されているによって、水が利用者にとって清浄であるか否かについて不確実性をもたらす可能性がある。多くの場合、利用者が信頼できる清潔な水源から遠ざかる時には、これらの問題が発生する可能性がある。
【0003】
今日、人々が日常の活動を通して移動する時、人々は、個人消費のために既知の清浄な水源から(例えば、家庭又は信頼できる水源から)水を運ぶか、あるいは、止めて信頼できる供給業者からボトル入りの水を購入する。自治体の水道が汚染物質や高レベルの細菌、ウィルス、原生動物の嚢胞、あるいはそれらの組み合わせ有すると知られているあるいは考えられている世界の一部に人が旅行している時、水分補給のためにボトル入りの水や包装された清凉飲料水に頼らざるを得ないことが多い。
【0004】
多くの場合、信頼できる清浄な水源やボトル入りの水への接近又は入手手段はない。その結果、人は最終的に自治体の水を飲み、吐き気、嘔吐、けいれん、下痢などの胃腸や胃の病気にさらされる危険性がある。この問題は、自治体の水が吐き気を引き起こすことが知られている世界中の場所で普及しやすくなり、ボトル入りの水への入手手段が制限される可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、個人の水分補給のために水を精製及び消毒する携帯型水処理システムに関する。処理済水槽がそこを通って横断することができる空洞を有する未処理水槽を水処理システムに備えることができる。処理済水槽は、未処理水槽の空洞内の未処理水を通過させ、処理済水を処理済水槽の空洞内に放出するように構成されたフィルタ組立体を有しうる。未処理水槽の内面と処理済水槽の外面との間にシールを設けることができ、このシールは、フィルタ組立体が未処理水槽の空洞内の未処理水を通過するときに、未処理水槽の内面と処理済水槽の外面との間の水の漏れを防止し、処理済水槽のフィルタ組立体に水を導くのを容易にするように構成されうる。未処理水槽からの処理済水槽の除去に応じて、シールを係合及び着座解除するための密封解除要素を設けることができる。
【0006】
一実施形態では、水処理システムは、未処理水槽と、フィルタ組立体と処理済水槽とを有する本体とを備える。水処理システムは、ワイピングシール界面を有しうる。
【0007】
未処理水槽は、未処理水を保持することができる空洞を有することができ、フィルタ組立体は、未処理水槽の空洞内に配置されるように構成されうる。フィルタ組立体は、未処理水を受け入れるように空洞と流体的に連結されるように構成された入口と、処理済水を放出するように構成された出口とを有しうる。
【0008】
処理済水槽は、フィルタ組立体から放出された処理済水を貯留するように構成されてもよく、第1の端部開口及び第2の端部開口を有しうる。処理済水槽の第2の端部開口は、フィルタ組立体の出口と流体的に連結されうる。
【0009】
ワイピングシール界面は、本体のシール係合面と未処理の貯水槽の内面との間においてシールを有しうる。ワイピングシール界面のシールは、環境と未処理水槽の空洞との間に実質的な空気密封及び水密封のシールを提供することができる。一実施形態では、本体を未処理水槽の空洞内に変位させることによって、未処理水がフィルタ組立体を通って処理済水槽内に導かれ、ワイピングシール界面は、未処理水槽の空洞からの本体の移動に基づいて、空気密封及び水密封のシールを破断するようにシールを着座解除するように動作可能な密封解除要素を有している。
【0010】
一実施形態では、水処理システムには、未処理水槽、フィルタ組立体、処理済水槽、ワイピングシール界面、及び、キャップが設けられる。未処理水槽は、未処理水を保持することができる空洞を有することができ、フィルタ組立体は、未処理水槽の空洞内に適合するように構成されうる。フィルタ組立体は、未処理水を受け入れるように空洞と流体的に連結されるように構成された入口と、処理済水を放出するように構成された出口とを有しうる。
【0011】
処理済水槽は、処理済水を貯蔵するように構成されてもよく、フィルタ組立体の出口と流体的に連結されうる。ワイピングシール界面は、未処理水をフィルタ組立体を通して導くための圧力差を生成させるのを容易にするように動作可能としうる。
【0012】
キャップは、利用者が消費するために処理済水槽に貯留された処理済水を放出するための吐水口を有しうる。空気通路及びワイピングシール界面が、未処理水槽と処理済水槽との間の圧力差の生成を容易にし、フィルタ組立体を通して未処理水槽の空洞内の未処理水を処理済水槽に導くように構成されるように、周囲環境に空気通路を設けてもよい。
【0013】
ワイピングシール界面は、フィルタ組立体及び処理済水槽の未処理水槽の空洞からの取り外しを容易にするために、周囲環境と未処理水槽の空洞との間のシールを破断するように動作可能としうる。
【0014】
一実施形態では、水処理システムには、未処理水槽及び本体が設けられる。未処理水槽は、未処理水を保持することができる空洞を有しうる。本体は、フィルタ組立体、処理済水槽、及び、キャップを有しうる。フィルタ組立体は、未処理水槽の空洞内に適合するように構成することができる。フィルタ組立体は、未処理水を受け入れるように空洞と流体的に連結されるように構成された入口と、処理済水を放出するように構成された出口とを有しうる。
【0015】
処理済水槽は、処理済水を貯蔵するように構成されてもよく、フィルタ組立体の出口と流体的に連結されうる。
【0016】
キャップは、利用者が消費するために処理済水槽に貯留された処理済水を放出するための吐水口と、水を消毒するためのUV光源を備えたUV処理組立体とを有しうる。
【0017】
ワイピングシール界面は、本体と未処理水槽の内面との間に設けることができる。ワイピングシール界面は、周囲環境と未処理水槽の空洞との間に空気密封及び水密封のシールを提供するように動作可能としうる。一実施形態では、ワイピングシール界面は、未処理水槽に対するフィルタ組立体の長手方向の移動に基づいて、空気密封及び水密封のシールを破断するように動作可能な密封解除要素を有しうる。
【0018】
未処理水槽は、未処理水槽の空洞内に本体の少なくとも一部を受け入れるように構成することができ、未処理水槽内の未処理水は、フィルタ組立体を通って処理済水槽内に入り、本体の未処理水槽の空洞内への変位を可能にする。
【0019】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載される、又は、図面に図示される、動作の詳細、構成要素の構成及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、様々な他の実施形態で実施されてもよく、本明細書で明示的に開示されていない代替的な方法で実施されうる。また、本明細書で使用される用語及び専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解すべきである。「含む、有する(including)」及び「備えている(comprising)」及びその変形例の使用は、それ以降に列挙される項目、その均等物、付加的な項目、及び、その均等物を包含することを意味する。さらに、様々な実施形態の説明において列挙が使用されうる。特に明記されていない限り、列挙の使用は、構成要素のいかなる特定の順序又は数にも限定するものと発明を解釈してはならない。また、列挙の使用は、列挙された工程又は構成要素と組み合わせることができる任意の追加の工程又は構成要素を、本発明の範囲から除外するものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、一実施形態による水処理システムの正面図を示す。
図2図2は、未処理水槽内に本体を部分的に受け入れた、図1の断面図を示す。
図3図3は、未処理水槽内に本体を完全に受け入れた状態の図1の断面図である。
図4図4図3の拡大図を示す。
図5図5図4の拡大図を示す。
図6図6図3の拡大図を示す。
図7図7図1の水処理システムの左側面図を示す。
図8図8図1の水処理システムの上面図を示す。
図9図9図7、8及び10に対する図1の水処理システムの正面図である。
図10図10図1の水処理システムの斜視図を示す。
図11図11は、一実施形態による水処理システムのキャップ組立体を示す図である。
図12図12は、一実施形態による水処理システムの処理済水槽の一部を示す図である。
図13図13は、一実施形態による水処理システムのフィルタ組立体を示す図である。
図14図14は、一実施形態による水処理システムの未処理水槽を示す図である。
図15図15は、一実施形態による水処理システムのフィルタ組立体の正面図を示す。
図16図16は、図15のフィルタ組立体の断面図を示す。
図17図17は、図15のフィルタ組立体の上面図を示す。
図18図18は、図15のフィルタ組立体の底面図を示す。
図19図19は、図15のフィルタ組立体の斜視図を示す。
図20図20は、一実施形態による処理済水槽の一部の正面図を示す。
図21図21は、図20の部分の断面図を示す。
図22図22は、図20の部分の上面図を示す。
図23図23は、図20の部分の底面図を示す。
図24図24は、図20の部分の斜視図を示す。
図25図25は、図20の部分のコネクタの部分図を示す。
図26図26は、図19におけるフィルタ組立体のコネクタの部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一実施形態による水処理システムは、図1~6に示され、全体的に参照番号100で示される。水処理システム100は、未処理水を処理することができる携帯型システムとして構成することができる。図示の実施形態では、水処理システム100は、空洞を有する未処理水槽を有することができ、空洞内の未処理水がフィルタ組立体を通って処理済水槽の空洞内に入るように、本体のフィルタ組立体が空洞を横断することができる。フィルタ組立体は、未処理水槽の空洞を横切ることができるプランジャ組立体として動作する本体の一部を形成することができる。
【0022】
図示の実施形態では、本体又はプランジャ組立体は、未処理水槽の内面に係合することができかつ未処理水を未処理水槽の空洞内に導くことを可能にする、ワイピングシールを有しうる。ワイピングシール界面は、本体の外面と未処理水槽の内面との間に配置されて、未処理水槽の空洞と周囲の大気との間にシールを形成しうる。このようなシールを形成するワイピングシール界面により、本体に力を加えて本体を未処理水槽内に押し込むと、未処理水槽内の未処理水がフィルタ組立体を通過して処理済水槽に至りうる。換言すれば、ワイピングシールと関連して、本体の未処理水槽の空洞内への変位は、未処理水をフィルタ組立体を通して処理済水槽の空洞内へ押し込みうる。本体のキャップは、本体を未処理水槽の空洞に押し込むことに応じて、処理済水槽の空洞に水を流入させることができるように、処理済水槽の空洞の上側の空間に空気を放出するように動作可能な空気通路を有しうる。
【0023】
一実施形態では、フィルタ媒体と共にフレンチプレスの設計を使用して水を処理するように構成された水処理システムが提供される。本システムは、組み込まれたポンプの方式(例えば、フレンチプレス又はプランジャ系のシステム)を使用して、水筒に類似しうる個人使用の要領で、未処理容器からUV処理容器に水を押し出すことができる。「こじ開け(pry)」機能により、利用者は、内側容器と外側容器とを分離することができる。
【0024】
一実施形態では、濾過されていない水源(例えば、水道水)は、一次チャンバ(例えば、未処理水槽)として外側ボトルに充填される。フィルタハウジング及びOリングシールと組み合わされた内側ボトルは、二次チャンバ(例えば、処理済水槽)として作用する。一次チャンバと二次チャンバとの間の押し込み動作(例えば、処理済水槽を未処理水槽に押し込む)中に、流入水がフィルタ媒体を通過するように強制されて、ろ過が達成される。その結果、内側ボトル内部の空気は、キャップから大気に放出される。主Oリングは、押し下げ動作中に内側ボトルと外側ボトルの隙間から流入水が流出するのを防止するためのシールの役目を果たすことができる。1つ又は複数の追加Oリングは、流入水が内側ボトルに入る前にフィルタ媒体を迂回するのを防止するためのシールとしての役割を果たすことができる。一実施形態では、濾過された水のみが内側ボトルに入ることができる。
【0025】
一方向逆止弁がフィルタハウジングと内側ボトルとの間に配置されうる。一実施形態では、一方向逆止弁は、水が単一方向に内側ボトルに入ることのみを可能にし、実質的に逆流を妨げることができる。押し下げ動作中、主Oリングは、内側ボトルとフィルタハウジングとの間の空の区画室の上面(例えば、処理済水槽のシール係合面)に当接する。空の区画室は、主Oリングを動かすことができる空間に対応する場合がある。
【0026】
引き抜き動作中、逆止弁は、内側ボトルからの水漏れを実質的に防止することができる。主Oリングは、内側ボトルとフィルタハウジングの間の空の区画室の底面に載置されている。この底面は、密封解除要素の一部に対応しうる。引き抜き中、フィルタハウジング上に設けられた密封解除要素の「こじ開け」機能は、主Oリングを変形させ、真空空間を作り出すのを回避するように外側ボトルの底部チャンバに大気からの空気が入ることを可能にする隙間を作りうる。このこじ開け機能により、利用者は、内側ボトルを外側ボトルから分離するために、内側ボトルを容易に引き出すことができる。
【0027】
1.概要
図1図10の図示の実施形態における水処理システム100は、本体150と、開口113と、未処理水400を水源から受け入れることができる空洞120とを有する未処理水槽110(例えば、ボトル又はレシーバ)とを有している。水処理システム100の構成要素は、図11図14において分解された状態で示されている。未処理水槽110は、任意の種類の材料で形成されうるが、図示の実施形態では、未処理水槽110は、射出成形を介してABSで形成される。さらなる例示的な材料としては、金属(例えば、アルミニウム又はステンレス鋼)、ガラス、又はABS以外のプラスチック(例えば、ポリプロピレン)、又は、これらの任意の組合せが挙げられる。
【0028】
水処理システム100の本体150は、フィルタ組立体112と、処理済水槽114と、キャップ組立体118とを有しうる。図示の実施形態における処理済水槽114は、処理済水を受け入れることができる空洞121を画定する、第1の端部開口122及び第2の端部開口124を有する中空筒体126を有しうる。中空筒体126は、第1の端部開口122、第2の端部開口124及び空洞121を有する、図20~24の図示の実施形態においてさらに詳細に示されている。図示の実施形態では、中空筒体126は円形であるが、本開示はそれに限定されない。例えば、筒体は、正方形であっても、他の任意の種類の曲線又は多角形形状の筒体であっても、曲線及び線の任意の組み合わせによって画定される断面を有する筒体としうる。
【0029】
一実施形態におけるフィルタ組立体112は、処理済水を第2の端部開口124に放出するように構成された処理済水出口140を有しうる。例えば、図1~6に示されているように、フィルタ組立体112の処理済水出口140は、処理済水槽114の第2の端部開口124に連結することができる。キャップ組立体118は、処理済水槽114の第1の端部開口122に連結することができる。この配置では、キャップ組立体118が第1の端部開口122に連結されており、フィルタ組立体112がキャップ組立体118第2の端部開口124に連結されており、処理済水槽114の空洞121は、実質的な流出なしに処理済水を保持することができる。
【0030】
図示の実施形態では、本体150は、図4及び図5の拡大図で示されているワイピングシール界面170を有している。ワイピングシール界面170は、周囲環境180と未処理水槽110の空洞120との間にシールを提供することを容易にする。ワイピングシール界面170は、本体150を空洞120内に押し込むことに応じて、空洞120から周囲環境180内への未処理水の漏洩を防止することができる。その代わりに、空洞120内の未処理水をフィルタ組立体112を通して処理済水槽114の空洞121に導くことができる。本体150に加えられる力と関連してワイピングシール界面170は、未処理水槽110の空洞120を加圧し、それによって、未処理水をフィルタ組立体112を通って処理済水槽114の空洞121に押し込むことができる。本明細書に記載されるように、処理済水槽114は、圧力がワイピングシール界面170によって少なくとも一部が形成されて、未処理水をフィルタ組立体112を通って処理済水槽114に導くことを可能にするために、キャップ組立体118の空気通路と流体及び/又は気体的に連通することができる。本体150は、本体150を空洞121に押し込むための力の印加に応じて、処理済水槽114への未処理水400の移送によって残された空隙を埋めるように表示することができる。
【0031】
図5の図示の実施形態では、ワイピングシール界面170は、図5の仮想線で示されるように、未処理水槽110の内面177と係合するように動作可能なシール172を有しうる。また、シール172は、本体150の外面又はシール係合面171と係合し、本体150と未処理水槽110との間に水密封及び空気密封のシールを形成しうる。開示の目的で、図示の実施形態に示されるシール172は、圧縮時に内面177と係合するのに十分な大きさの直径としてシール172の寸法を描写するために、機械的に未処理水槽110の壁と重なる。実際には、シール172は、シール172の表面が内面177と係合し、未処理水槽110の壁と接合されないように圧縮されうる。例えば、シール172は、シール係合面171と内面177の両方と係合する圧縮構成で示され、未処理水槽110と本体150との間にシールを形成する。
【0032】
シール172は、ワイピングシール界面170と関連して記載されることに留意されたい。しかし、本開示は限定的なものではないことを理解すべきである。ワイピングシール界面170は、シール172などの類似の構成要素を有している非ワイピングシール界面と、未処理水槽110と本体150との間のシールを係合解除させるためにシール172を着座解除させるように動作可能な、本明細書に記載される剥離要素とで置き換えることができる。
【0033】
図示の実施形態では、本明細書に記載されるように、ワイピングシール界面170は、シール172の表面を本体150及び未処理水槽110のうちの少なくとも1つから係合解除させるように動作可能な密封解除要素174を有している。例えば、密封解除要素174は、シール172の表面を内面177から係合解除させるように、内面177の近位にあるシール172の表面と係合することができる。密封解除要素174は、少なくとも一時的に、シール172と未処理水槽110内の本体150のうちの少なくとも1つとの間の水密封及び空気密封のシールを破断することができ、本体150を未処理水槽110から大変な労力を費やすことなく取り外すことができる。
【0034】
選択的に、キャップ組立体118は、処理済水槽114の空洞121内に(大気圧に対して)真空を生成することによって、処理済水槽114の空洞121と未処理水槽110の空洞120との間に圧力差を生成するように構成された圧力制御組立体(図1には示されていない)を有しうる。一実施形態では、本体150と未処理水槽110の内面177との間に形成された(周囲環境180からシールを形成する)ワイピングシール界面170により、未処理水槽110内の未処理水400は、フィルタ組立体112を通って処理済水槽114の空洞121に入り、一方、本体150は、未処理水槽110内の未処理水400の移送によって残された隙間を満たすように変位する。本体150の未処理水槽110への真空支援の挿入の例は、2019年9月10日出願の「水処理システム(WATER TREATMENT SYSTEM)」という名称の米国特許出願第16/565,561号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0035】
一実施形態では、水処理システム100は、キャップ組立体118が処理済水槽114(例えば、内側スリーブ)の上部(例えば、第1の端部開口122)に螺着されるように構成されうる。フィルタ組立体112(例えば、カーボンフィルタ)は、ツイストロック接続を介して、処理済水槽114の下面(例えば、第2の端部開口124)に接続しうる。次いで、組み立てられた形態の本体150を、未処理水槽110(例えば、外側ボトル)の上部に配置することができ、この槽は、処理されるべき水で適切なレベルまで充填される。本体150は、人によって加えられる力を用いて、未処理水400を通して、未処理水槽110の空洞120に押し込むことができる。
【0036】
一実施形態における処理済水槽114内の処理済水410は、キャップ組立体118のUV消毒システム190によって消毒されうる。UV消毒システム190は、UV消毒回路194の電源からUV光源192に電力を供給するように動作可能なUV消毒回路194を有しうる。電源は、キャップ組立体118内に設けられた充電ポートを介して充電可能な再充電可能バッテリとしうる。
【0037】
UV光源192は、一実施形態では、処理済水槽114の空洞121内の水の消毒のためにUV光を供給するように動作可能な冷陰極UVランプとしうる。加えて、又は、代替的に、UV光源192は、UV光を供給するように動作可能な1つ以上のUV発光ダイオード(LED)を有しうる。
【0038】
一実施形態におけるUV消毒回路194は、1つ以上の基準に応じて、又はそれに基づいて、UV光源192の動作を指令するように動作可能な制御回路を有しうる。例えば、制御回路は、ボタン348又はキャップ組立体118上のセレクタを介して提供される利用者入力に基づいて、処理済水槽114内の水の消毒のためにUV光源192を起動するように構成されうる。加えて、又は代替的に、UV消毒回路194は、本体150が未処理水槽110内に挿入された又は押し込まれたことを検出することに応じて、UV光源192を起動するように動作可能としうる。
【0039】
UV消毒回路194は、水の消毒のために決定されたUV光の量に基づいて、ある期間UV光源192に電力を供給するように動作可能としうる。UV消毒回路194は、処理済水槽114内の水に適用された量に基づいて、定期的にUV光源192を起動するように追加的に動作可能としうる。例えば、一実施形態では、UV消毒回路194は、(測定又は近似によって)処理済水槽114内の水に適用されるUV光の量を決定するように動作可能としうる。流入流量及び流出流量は、流入流量及び流出流量に関連する一定期間にわたって適用される量と関連して決定され、処理済水槽114内に存在する水に適用されるUV光の量を決定し、処理済水槽114内に存在する水に関して量と該量についてのタイミングを決定することができる。
【0040】
UV消毒回路194は、本明細書に記載される機能及びアルゴリズムを実行するために、任意の及び全ての電気回路及び構成要素を有しうる。一般的に言えば、UV消毒回路194は、本明細書に記載される機能を実行するようにプログラムされた、1つ又は複数のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、及び/又は、他のプログラマブル電子機器を有しうる。UV消毒回路194は、本明細書に記載される機能を実行するようにプログラムされる、又は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ及び/又は他の電子機器をサポートする、他の電子部品を追加的又は代替的に有しうる。他の電子部品には、1つ又は複数のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、チップ上のシステム、揮発性又は不揮発性メモリ、別個の回路、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又は、他のハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェアが含まれるが、これらに限定されない。上記の電子部品は、単一のユニットに組み合わされても、複数のユニットにまたがって分散されても、それらを1つ又は複数の回路基板に取り付けることによって、又は、それらを他の方法で配置することによって、任意の適切な方法で物理的に構成することができる。上記の電子部品は、水処理システム100内の異なる位置に物理的に分布していてもよく、あるいは、水処理システム100内の共通の位置に存在しうる。物理的に分散されている場合、電子部品は、それらに限定されないが、CAN、LIN、FireWire、I2C、RS-232、RS-485、及び、ユニバーサルシリアルバス(USB)などの適切なシリアル又はパラレル式の通信プロトコルを使用して通信することができる。
【0041】
一実施形態では、水処理システム100の回路は、使用統計及び/又はステータス情報を外部装置に通信するように動作可能としうる。一例として、水処理システム100は、所与の期間にわたって消費される水量を感知し、この感知された情報を外部装置に伝達するように動作可能としうる。外部装置は、水処理システム100によって提供される情報に基づいて、水分補給情報及び/又は水分補給物への催促を提供するように構成されうる。
【0042】
一実施形態では、処理済水槽114及び未処理水槽110の1つ以上の部分は、可視光に関して少なくとも部分的に透過性としうる。本明細書に記載されるUV光源は、可視光とUV光の両方を同時に発生させることができ、可視光は、可視光を透過する部分を通して見ることができる。この方法で、利用者はUV消毒の進行状況や状況を認識できる可能性がある。
【0043】
一実施形態では、空洞121を画定する処理済水槽114の内面は、反射性としうる。例えば、内面は、UV光に関して反射性であるPTFE (例えば、テフロン(登録商標))としうる。この反射特性は、処理済水槽114内のUV光消毒を促進し得る。
【0044】
上部キャップ組立体
本開示の一実施形態におけるキャップ組立体118は、図6及び11にさらに詳細に示されている。キャップ組立体118は、本明細書で言及されるように、UV消毒システム190の一部である。キャップ組立体118は、処理済水槽114に取り外し可能に連結するように構成することができる。キャップ組立体118は、処理済水槽114の第1の端部開口122を流体的に密封して、処理済水槽114の空洞121からの処理済水のこぼれを実質的に防止し、消費のために空洞121から利用者への処理済水の移送が可能となる。例えば、キャップ組立体118は、処理済水槽114の第1の端部開口122の周囲に設けられた対応するねじ山と係合するねじ山を有しうる。
【0045】
図示された実施形態におけるキャップ組立体118は、水処理システム100内の水の処理を管理することができる。キャップ組立体118は、利用者による消費のために処理済水へのアクセスを提供するように構成することができる。
【0046】
図示の実施形態では、キャップ組立体118は、処理済水槽114の第1の端部開口122に連結するように構成されたキャップ301を有しうる。例えば、キャップ301は、第1の端部開口122の対応するねじ山と係合するように構成されたねじ山345を有しうる。この界面により、キャップ301は、処理済水槽114に連結し、第1の端部開口122の周囲を囲むシールを形成することができる。
【0047】
図示の実施形態におけるキャップ301は、処理済水槽114から取り外し、処理済水槽114の空洞121へのアクセスを容易にすることができる。
【0048】
キャップ301は、処理済水槽114の空洞121から消費のための利用者への処理済水の移送を可能にするチャネル362を有する吐水口344を有しうる。吐水口344の外部端部は、選択的にガスケットと併せて、蓋317によって密封されて、実質的な流出を防止しうる。蓋317は、蓋317内のピン受け部及びキャップ301内のピン受け部によって形成されるヒンジ346の回りを回転することができる。キャップ301は、蓋317のキャッチ303と係合可能なラッチ302を有しうる。ラッチ302の摺動機構又は押込機構は、利用者がラッチ302を動かして蓋317のキャッチ303を解放し、蓋317をヒンジ346の回りで回動させて、空洞121からの水の消費のために吐水口344へのアクセスを提供することができるように動作可能としうる。
【0049】
本開示は、このヒンジ構造に限定されず、蓋317が協働して、種々の方法でキャップ301の吐水口344を密封しうることを理解されたい。あるいは、吐水口344が代替的な方法で密封できるように蓋317が存在せず、例えば吐水口344の折り畳みによって、キャップ301のチャネル362と周囲の大気との間に水密封及び気体密封のシールを形成するようにしうる。
【0050】
図示の実施形態では、UV消毒システム190は、処理済水槽114の空洞121への伝達のためにUV光を発生するように配置されたUV光源192を有しうる。一実施形態では、本明細書で言及されるように、UV光源192は、冷陰極UVランプを有しうる。あるいは、UV光源192は、複数のUVLEDを有しうる。
【0051】
図示の実施形態におけるUV光源192は、気体が供給される石英ガラス製の筒体を有しうる。UV消毒システム190は、消毒目的のためにUV光を放出するために気体を励起することができる回路を有しうる。
【0052】
UV消毒システム190は、外部接続を介して充電及び/又は通信機能を提供する1つ又は複数の物理的コネクタを有しうる。これらの1つ又は複数の物理コネクタへの外部アクセスは、キャップ301内の開口(図示せず)を介して提供されうる。本明細書で論じられるように、キャップ組立体118は、UV光源192からの光でUV処理作用を選択的に起動するように利用者が動作可能なボタン348を有しうる。UV消毒回路194は、UV光源192に電力を一定持続時間供給することによって、ボタン348の起動に応じうる。本明細書で論じられるように、持続時間は、センサ入力(例えば、一定時間についての、量、流入量、及び、流出量)に基づいて、予め決定されるか、又は、動的に決定されうる。
【0053】
一実施形態では、UV消毒システム190は、利用者が水処理システムから水を取るのに応じて、処理済水に消毒目的のUV光を供給するように動作可能としうる。この消毒プロセスは、水が消費されていない時に、UV光によるバッチ消毒に加えて又はこれに代えて実施することができる。UV消毒システム190は、一実施形態では、水がいつ消費されているかを示すセンサ出力を提供するように動作可能なセンサを有することができ、水が消費されているという判定に応じてUV光を活性化しうる。一実施形態におけるセンサは、消費の指標である、水処理システム100が傾けられている時を示すレベルセンサとしうる。
【0054】
3.フィルタ組立体
図2~5、13、15~19及び26の図示の実施形態では、フィルタ組立体112を更に詳細に見ることができる。フィルタ組立体112は、処理済水槽114のコネクタ136と適合するように構成されたフィルタ組立体コネクタ130を有している。より具体的には、図23~25の図示の実施形態では、中空筒体126は、中空筒体126の外面上かつ第2の端部開口124に近接して配置されたツイストロックコネクタの形態のコネクタ136を有している。フィルタ組立体コネクタ130は、中空筒体126のコネクタ136と嵌合するように構成されたツイストロックコネクタを有しうる。
【0055】
実質的な水密封及び気体密封のシールを形成を容易にするために、中空筒体126とフィルタ組立体112との間の連結部に近接してOリングガスケット162を配置することができる。
【0056】
フィルタ組立体112は、処理済水出口140と、複数の未処理水入口142とを有しうる。処理済水出口140と未処理水入口142との間の圧力差に応じて、水は、フィルタ媒体144(例えば、カーボンブロックフィルタ)を通して、未処理水入口142から処理済水出口140に流れ得る。選択的に、図示されていないが、1つ又は複数の追加のフィルタステージを、フィルタ組立体112に組み込み、未処理水入口142とフィルタ媒体144との間に配置されたスクリーンなどの堆積物前段階フィルタを有しうる。別の例として、フィルタ媒体144は、中空の繊維又は膜を有しうる。図示の実施形態における未処理水入口142は、フィルタ媒体144を通る水の流れを分配するバッフルを形成することができる。バッフルによって提供される一実施形態における分布は、実質的に均一としうる。
【0057】
図示の実施形態では、処理済水出口140と未処理水入口142との間の圧力差は、ワイピングシール界面170及び空気通路349と関連して、未処理水槽110の空洞120内への本体150への力の印加によって少なくとも部分的に形成されうる。本体150に力を加えて空洞120内に入れることによって、ワイピングシール界面170は空洞120を加圧することができ、一方、空気通路349と共に、処理済水槽114の空洞121は空洞120よりも低い圧力に留まることができる。この圧力差によって、フィルタ組立体112の未処理水入口142を通って、処理済水出口140を通って、処理済水槽114の空洞121に水を導くことができる。
【0058】
図示された実施形態におけるフィルタ組立体112は、本明細書で論じられるように、処理済水出口140を有しうる。処理済水出口140は、処理済水出口140を通って水及び/又は気体が流れるが、処理済水出口140を通って(例えば、処理済水槽114の空洞121からフィルタ組立体112を通って戻り)水及び/又は気体が逆流することを許さないように動作可能な逆止弁146の出口に対応しうる。逆止弁146は、処理済水槽114内の処理済水がフィルタ組立体112を通って未処理水槽110内に逆漏れするのを防止することができる。図示の実施形態における逆止弁146は、フィルタ組立体112のOリング148及び表面145と適合するように動作可能なフランジを有しうる。表面145は、フィルタ媒体144及び逆止弁146を保持するように動作可能なフィルタ組立体147の一部としうる。Oリング148は、フィルタ組立体112の下流側とフィルタ組立体112の上流側(例えば、未処理水槽110の空洞120と処理済水槽114の空洞121の間)との間にシールを提供することを容易にしうる。
【0059】
図示された実施形態におけるフィルタ組立体112は、本明細書に記載された密封解除要素174を有しうる。密封解除要素174は、本体150を未処理水槽110から取り外すことを可能にしうるように、シール172の表面を係合解除させるように動作可能である。少なくとも部分的には、空気及び/又は気体の未処理水槽110への逆流を阻止するフィルタ組立体112の逆止弁146に起因して、シール172が維持される場合、未処理水槽110からの本体150の取り外しは、未処理水槽110の空洞120内に展開された真空に対して作用することを伴う。密封解除要素174は、シール172を係合解除させるか又は本体150と未処理水槽110との間のシールを破断することによって、空洞120内での真空の形成を実質的に妨げ、本体150を未処理水槽110から取り外すことを可能にし得る。
【0060】
図示の実施形態における密封解除要素174は、未処理水槽110の内面177に近接して配置された環状フランジである。環状フランジは、シール172と接触して着座解除するように動作可能なフィンガ173を有しうる。フィンガ173は、密封解除要素174の主フランジ部179に対してテーパ状としうる。例えば、フィンガ173は、主フランジ部179の近位の部分から先端184まで、又は主フランジ部179から遠位の部分まで先細り(テーパ状)になっていてもよい。テーパ又は傾斜面の程度は、用途ごとに異なる場合がある。図5の図示の実施形態では、フィンガ173は、主フランジ部179の対応する外面とほぼ均等な外面181と、主フランジ部179からフィンガ173の先端184まで湾曲した内面182とで構成されている。図示された実施形態における湾曲は、シール172の半径にほぼ対応する半径を有する円形である。しかしながら、本開示は、円形の湾曲に限定されない。例えば、内面182の湾曲は、放物線状又は楕円状としうる。また、本開示は、外面181が主フランジ部179の外面と実質的に均等であることに限定されないことを理解されたい。外面181は、主フランジ部179の外面から外れて、フィンガ173のテーパに寄与しうる。
【0061】
主フランジ部179に対するフィンガ173のテーパの程度及び長さは、用途ごとに異なる場合がある。
【0062】
本明細書に記載されるように、フィンガ173の先端184は、シール172を着座解除させるように動作可能としうる。図示の実施形態では、先端184は、シール172と係合して、シールを未処理水槽110の内面177から離れるように付勢し、それによって、シール172を内面177から着座解除させるか、又は、シール172によって提供される空気密封及び水密封のシールを少なくとも一時的に破断することができる。
【0063】
図16及び19の図示の実施形態では、密封解除要素174は、フィルタ組立体112の全周囲に配置されている。密封解除要素174は、異なって構成されうることに留意されたい。一実施形態では、密封解除要素174又はその一部は、フィルタ組立体112の周囲の1つ又は複数の別個の部分に区分化されうる。主フランジ部179及び/又はフィンガ173は区分化されうる。一例として、主フランジ部179は、フィルタ組立体112の全周囲に配置されてもよく、主フランジ部179の周囲に間隔を置いて配置された4つのフィンガ173が設けられうる。
【0064】
本開示の一実施形態におけるフィルタ組立体112は、フィルタ組立体コネクタ130の中空筒体126のコネクタ136への接続を介して、処理済水槽114に接続するように動作可能としうる。コネクタ136及びフィルタ組立体コネクタ130は、図18、19、21及び24~26の図示の実施形態においてさらに詳細に示されている。
【0065】
フィルタ組立体112のフィルタ組立体コネクタ130は、フィルタ組立体112の周囲近くで環状に間隔を置いて配置された複数のコネクタ受け部134を有しうる。コネクタ受け部134は、フィルタ組立体コネクタ130の表面135に向かって延在するフィルタ組立体突起132を有する可撓性アーム131を有する凹部133を有しうる。表面135と関連するフィルタ組立体突起132は、処理済水槽114の外面139から突出する棚部138の本体突起137と係合してその位置に保持するように動作可能としうる。図25の図示の実施形態における本体突起137は、図26に示すフィルタ組立体112のコネクタ受け部134の側とは反対側の処理済水槽114の側に設けられている。その結果、本体突起137は、可撓性アーム131とフィルタ組立体突起132との係合において、本体突起137の先導面151がフィルタ組立体突起132の先導面153と係合し、可撓性アーム131を曲げてフィルタ組立体突起132が本体突起137の後部表面154を通過して摺動することを可能にするように、凹部133内に摺動することができることに留意されたい。この処理済水槽114の本体突起137及び棚部138とコネクタ受け134の係合は、処理済水槽114に対する時計回りのフィルタ組立体112の回転を介して達成されうる。
【0066】
フィルタ組立体112の係合解除は、処理済水槽114に対して反時計回りのフィルタ組立体112の回転を介して達成されうる。このような回転によって、本体突起137の後端面154がフィルタ組立体突起132の後端面154と係合してこれを通過して摺動しうる。本体突起137がフィルタ組立体突起132の先導面153を摺動して通過した後、フィルタ組立体112を処理済水槽114から分離することができる。このフィルタ組立体112の処理済水槽114に対する係合構造は、フィルタ組立体112と処理済水槽114との間の一種のツイストロック接続を提供しうる
【0067】
図示の実施形態では、コネクタ受け部134内の本体突起137に対する係合力及び係合解除力が異なる場合がある。本体突起137の先導面151は、本体突起137の後面152の角度β未満の角度αで傾斜しうる。その結果、先導面151は、より容易にフィルタ組立体突起132を摺動して通過して、コネクタ受け部134内から本体突起137を外すために後面152を摺動させてフィルタ組立体突起132を通過させることに対して、コネクタ受け部134内で本体突起137に係合することができる。角度βが大きいほど、フィルタ組立体112を処理済水槽114から係合解除させるために必要とされる力がより大きくなる。同様に、角度βが小さくなるほど、フィルタ組立体112を処理済水槽114から係合解除させることが容易になる。角度αが大きいほど、フィルタ組立体112と処理済水槽114との係合に必要な力が大きくなり、角度αが小さくなるほど、フィルタ組立体112と処理済水槽114との係合が容易になる。
【0068】
係合と係合解除との力の差によって、フィルタ組立体112が、利用者によって処理済水槽114に容易に接続されることが可能になり得る。しかしながら、利用者による未処理水槽110からの本体150の取り外しは、場合によっては、利用者が、未処理水槽110に対して本体150をねじったり、回転させたりすることを伴うことがあることに留意されたい。フィルタ組立体112の処理済水槽114からの係合解除させるための閾値力が不十分である場合、本体150のこのような回転は、フィルタ組立体112を処理済水槽114から係合解除させ、未処理水槽110内にとどまる可能性がある。換言すれば、係合解除のための閾値力が不十分である場合、本体150の回転は、フィルタ組立体112の処理済水槽114からの分離を引き起こし、フィルタ組立体112を未処理水槽110内に残す可能性がある。フィルタ組立体112が未処理水槽110内に残される場合、利用者は、フィルタ組立体112を未処理水槽110から引き出すための工具を使用する必要がある場合がある。角度βを増加させ、それによって、フィルタ組立体112の係合解除のための閾値力を増加させることによって、利用者が本体150を未処理水槽110から取り外そうとする間のフィルタ組立体112の係合解除を実質的に回避することができる。角度βは、フィルタ組立体112を処理済水槽114から不用意に離脱させることを回避するために、係合解除のための閾値力を十分に大きくするように決定されうる。利用者がフィルタ組立体112を処理済水槽114により容易に接続できるようにするために、角度αは角度β未満となるように選択されうる。
【0069】
4.ワイピングシール
図2~5の図示された実施形態では、水処理システム100は、処理作用に関連してさらに詳細に示されている。ワイピングシール界面170を備えた水処理システム100の断面を図2~5に示す。図示の実施形態におけるワイピングシール界面170は、本体150への力の印加を介して、未処理水槽110と処理済水槽114との間の圧力差の形成を容易にし得る。本明細書に記載されるように、本体150は、未処理水槽110に力を加えることによって押し込まれうる。ワイピングシール界面170と関連するこの押し込み力で、フィルタ組立体112を通して水を導くことができる。
【0070】
代替の実施形態では、本体150は、真空又は内面177のねじ面の内の少なくとも1つの印加を介して、未処理水槽110に押し込まれうる。例えば、未処理水槽110は、本体150のねじ山と適合するねじ山を内面177に有するねじ山付きスリーブを形成することができる。ねじ山の構成は、本体150を未処理水槽の空洞120に押し込むために使用することができ、これにより、ワイピングシールは、未処理水槽110に対して回転方向及び長手方向の両方に移動する。
【0071】
本体150を未処理水槽110の空洞120内に移動させるための力を使用することによって、重力がフィルタ組立体112を通して未処理水400を導くために使用された場合にさもなければ行うよりも早い方法で未処理水400の処理を行うことができることに留意されたい。重力に基づく構成が、代替実施形態において提供されうることが理解されるべきである。
【0072】
図示の実施形態では、ワイピングシール界面170は、本体150と未処理水槽110の内面177との間に設けられている。図示の実施形態におけるワイピングシール界面170は、シール172を有しうる。シール172は、耐水及び耐摩耗性を持って使用に適したニトリル(Buna-N)OリングなどのOリングとしうる。シール172のさらなる例は、四角形リング及びリブ付きガスケットを有している。リブ付きガスケットは、シールのメンテナンスを容易にするために、表面仕上げを変化させるのに適するように構成することができる。シール172の形状は、用途ごとに異なる。例えば、図示の実施形態では、シール172は円形であるが、シール172は楕円形としうる。
【0073】
図示の実施形態におけるワイピングシール界面170は、シール172が水処理システム100の長手軸線111に対して少なくとも部分的に横方向に移動できるように構成される。例えば、シール172は、本体150の外面178から離間して配置されうるが、密封解除要素174によって係合解除されることに応じて、外面178に向かって移動するように構成されうる。あるいは、シール172は、外面178と接触しうるが、シール172のシール面176が、密封解除要素174によって係合解除されることに応じて、外面178に向かって移動するように動作可能であるように構成されうる。この代替実施形態の例では、外面178及び内面177によって接触するように寸法決めされて成形されたシール172を有している。この形状は、図5のシール172の円形に類似した円形としうるが、本開示は、それに限定されない。シール172の形状及び構成は、用途によって異なる場合がある。例えば、形状は楕円形であってもよく、又は、シール172は、外面178に接触する固定部分と、内面177と適合することができる可動部分とを有し、固定部分と可動部分との間に可撓性リンクを備えうる。可撓性リンク及び可動部分は、シール面176を内面177に対して付勢して、本体150と未処理水槽110との間の空気密封及び水密封のシールの形成を容易にするように構成されうる。
【0074】
図示の実施形態におけるシール172は、シール面176の直径が内面177の直径よりも大きくなるような寸法である。この直径の差は、開示の目的のためにシール172が内面177に重なっている状態で示されている。実際には、シール172は、シール面176が内面177に接触するように、内面177に接触するように変形される。本明細書で論じられるように、シール172は、種々の方法で成形することができ、円形断面を含んでいなくてもよい。加えて、本体150及び未処理水槽110は、円形でなくてもよいことに留意されたい。例えば、本体150及び未処理水槽110は、正方形の断面又は楕円形の断面を有しうる。長手軸線111を中心とするシール172の形状は、本体150の断面形状に対応し、シール面176が未処理水槽110の内面177に接触するような大きさにして、未処理水槽110と本体150との間の空気密封及び水密封のシールの形成を容易にすることができる。
【0075】
図示の実施形態では、ワイピングシール界面170は、シール172が水処理システム100の長手軸線111に平行に移動できるように構成することができる。図5に示すように、本体150の密封解除要素174とシール係合面171との間の空間は、シール172よりも大きくし、シール172がその間を移動できるようにしうる。例えば、本体150が未処理水槽110に押し込まれる前に、シール172は、(シール172が図示されるようにフィンガ173に重ならないことを除いて)図5に実線で示される位置に類似して配置されうる。本体150が未処理水槽110に押し込まれると、シール172は、図5の仮想線で示すように、シール172が本体150のシール係合面171に係合するまで、水処理システム100の長手軸線111に沿って垂直方向に変位しうる。選択的に、シール係合面171は、シール係合面171と内面177との間に楔形の空隙を形成するように角度を付けてもよい(例えば、仮想線185によって示されるように)。楔形の空隙は、シール172を変形させてシール172を内面177に向けて付勢し、それにより、利用者が本体150を未処理水槽110の空洞120内に押し込むときに、シール係合面171と内面177とシール172の間の空気密封及び水密封のシールを締め付けるように動作可能としうる。
【0076】
加えて、図5の仮想線で示されるように、シール172は、本体150を未処理水槽110に押し込むことに応じて、変形して未処理水槽110の内面177と係合し得る。 図5の仮想線で示される位置のシール172は、周囲環境180と未処理水槽110の空洞120との間に空気密封及び水密封のシールを提供するように動作可能であってもよく、それによって、長手軸線111に沿った本体150と未処理水槽110との間の力の印加に応じて空洞120内に圧力を生成する。この構成におけるシール面176は、本体150が未処理水槽110に押し込まれるとき、それと共に空気密封及び水密封のシールを維持しながら、内面177を横切って摺動することができる。
【0077】
本明細書に記載されるようなワイピングシール界面170は、利用者が本体150を未処理水槽110から取り外そうとするときに、未処理水槽110の空洞120内の真空の形成を実質的に回避するために、シール172の係合解除を容易にし得る。シール172を図5の仮想線で示す位置と同様の位置にすると、本体150が未処理水槽110から利用者によって引っ張られるとき、シール172は密封解除要素174及びシール係合面171に対して大部分は静止したままとなりうる。シール172が取り外される前に、本体150が未処理水槽110から引っ張られると、シール係合面171はシール172から離れることができつつ、密封解除要素174はシール172の近くに移動する。フィンガ173の先端184は、シール172のシール面176の近位のシール172と係合して、シール面176を内面177から係合解除させ、それによってシール172を着座解除させることができる。換言すれば、密封解除要素174のフィンガ173は、シール172を未処理水槽110の内面177から剥離させて、周囲環境180と未処理水槽110の空洞120との間の空気密封及び水密封のシールを少なくとも一時的に破断しうる。
【0078】
図示の実施形態では、未処理水槽110の内面177は、水処理システム100の長手軸線111と平行でなくてもよい。内面177は、未処理水槽110の開口113の近くよりも、未処理水槽110の下部付近で、長手軸線111に近接していてもよい。長手軸線111に対するこれら2つの点の間の距離の差は、用途ごとに異なる場合がある。図示の実施形態では、差はほぼ2mmであり、開口113の近くの内面177と長手軸線111との間の距離は、未処理水槽110の下部(例えば、開口113の反対側の部分)の近くの内面177と長手軸線111との間の距離よりも2mm大きい。この距離の差によって、利用者は、本体150を最初により容易に未処理水槽内に挿入することができ、次いで、本体150が未処理水槽110の空洞120内により遠くに押し込まれるにつれて、ワイピングシール界面170がシール172と漸進的により係合することができる。距離の差によって、内面177とシール172との係合が、開口113の近くよりも、未処理水槽110の下部付近で、より近くにあるか又は密になりうる。加えて、長手軸線111に対する内面177の上部と下部との間の距離の差によって、シール172の係合解除を容易にし得ることに留意されたい。本体150が未処理水槽110から引っ張られると、シール172が開口113又は内面の上部に近づくにつれて、内面177と長手軸線111との間の距離の増大による内面177の直径の増大によって、シール172の有効性を低下させ、おそらく、シール面176と内面177との間の接触がない可能性をもたらし得る。例えば、開口113と未処理水槽110の下部との間の中間距離又は2/3マークの上方では、内面177の直径は、シール172のシール面176の直径よりも大きくすることができる。
【0079】
本明細書に記載されるように、密封解除要素174のフィンガ173は、主フランジ部179からフィンガ173の先端184までテーパ状にしうる。先端184は、シール172と内面177との間に挿入することができ、テーパによって、内面177との空気密封及び水密封のシールが破断するまで、シール172を長手軸線111に対して横方向に内面177から離れるように変位させる。このようにして、フィンガ173は、長手軸線111に沿って垂直に移動させられることに応じて、シール172の着座解除を容易にし、本体150を未処理水槽110からの取り外しを容易にし得る。フィンガ173のテーパの程度(例えば、角度、傾斜、又は、湾曲)は、先端184の初期係合と、シール172を着座解除させるための密封解除要素174の垂直方向の移動量とに影響を及ぼし得る。
【0080】
図5の図示された実施形態では、中心175及びシール172のシール面176に対する先端184の位置を図示するために、開示の目的で、先端184を有しているフィンガ173に重なってシール172が示されている。先端184の位置は、図5に示されるように、その変形していない状態で、中心175とシール面176との間に設けられうる。例えば、シール172が変形した状態で示された場合、先端184に対する中心175の実際の位置は、それほど明らかなくてもよい。図示の実施形態では、先端184が中心175とシール面176との間に配置された状態で、先端184は、シール172を内面177から離れるように、換言すれば、シール172の着座解除を容易にするように、シール172の剥離を容易にするように動作可能である。先端184が中心175の反対側に配置された場合、先端184は、シール172の着座解除を容易にするようにシール面176と内面177との間に効果的に挿入されえない。加えて、先端184が図5のシール面176の右側に配置された場合、先端184は、シール172の効果的な着座解除を促進し得るが、この位置は、シール面176と内面177との間の潜在的な距離の増大を引き起こし得るため、シール172の有効性は、先端184のこの位置決めによって悪影響を受け得る。
【0081】
ワイピングシール界面170は、一実施形態に従って、水の処理を容易にすることができる。図2の図示された実施形態では、水処理システム100は、未処理水槽110が未処理水400で充填された状態で示されている。利用者は、ワイピングシール界面170が、図5の仮想線で示すように、未処理水槽110の内面177と本体150のシール係合面171との間に係合するように、本体150を未処理水槽110の空洞120内に挿入することができる。
【0082】
ワイピングシール界面170が係合されると、未処理水槽110の空洞120内に存在する未処理水400と任意の残留気体が、ワイピングシール界面170を通って周囲環境180(例えば、周囲の大気)に流入するのを防止することができる。この段階では、未処理水400と任意の残りの気体は、実質的にフィルタ組立体112のみを通って処理済水槽114の空洞121に流れ込むことができる。利用者は、本体150に力を加えて、本体150を未処理水槽110の空洞120に押し込み、それによって、未処理水400をフィルタ組立体112を通して処理済水槽の空洞121に導くことができる。空洞120内の流体及び気体は、圧力差を均一化するためにフィルタ組立体112を横切ることができ、それによって、本体150を未処理水槽110の空洞120内へ変位させる。
【0083】
フィルタ組立体112を通る未処理水400の移動によって、未処理水400から1つ以上の汚染物質を処理又は除去することができ、フィルタ組立体112が処理済水槽114の空洞121内に処理済水410を放出することができる。この未処理水400の横断は、図3の図示の実施形態で理解することができ、本体150が、図2の図示の実施形態における本体150の位置に対して未処理水槽110の空洞120内にさらに変位している。最終的には、本体150は、未処理水槽110の空洞120内に完全に着座することができる。
【0084】
一実施形態では、水処理手順は、以下のステップを有しうる。すなわち、最初に、外側ボトルは、任意の自治体の水源からの水で、未処理水槽110の空洞120において特定された線まで充填されうる。次に、本体150を、フィルタ組立体112と共に、未処理水槽110の空洞120内に配置しうる。
【0085】
ワイピングシール界面170の一部としてのシール172は、本体150の外面を未処理水槽110の内面177に対して密封するように構成されうる。未処理水槽110内の未処理水400を通る本体150の移動は、本体150を空洞121内に押し込むことによって達成することができ、したがって、未処理水槽110内の未処理水400を、空気通路349を介して提供される未処理水槽110内の大気圧から低圧への圧力低下に起因して、フィルタ組立体112を通って移動させることができ、処理済水410が空洞121に入るときに空洞121内の空気が放出され得る。
【0086】
「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「内側(inner)」、「内側へ(inwardly)」、「外側(outer)」及び「外側へ(outwardly)」などの方向に関する用語は、図に示される実施形態の向きに基づいて、本発明を説明するのを補助するために使用される。上記の方向に関する用語の使用は、本発明を任意の特定の方向に限定するために解釈してはならない。上記の説明は、本発明の現在の実施形態についての説明である。添付の特許請求の範囲に規定した本発明の技術的思想及びより広い態様から逸脱せずに、本発明に対し、様々な代替と変更を行うことができ、これらは、均等を含む特許法の原理に則って解釈されるべきである。本開示は、例示目的のために提示されたものであり、本発明の全ての実施形態の網羅的な説明として解釈されるべきではなく、また、特許請求の範囲を、これらの実施形態に関連して図示され又は説明された特定の要素に限定するように解釈されるべきではない。例えば、これに限定されないが、本明細書に記載した発明の任意の個々の要素は、実質的に類似した機能を提供するか、さもなければ適切な動作を提供する代替要素に置き換えることができる。これには、例えば、当業者に現在知られている代替要素などの現在知られている代替要素と、当業者が開発時に代替要素として認識することができるような、将来的に開発される可能性のある代替要素が含まれる。さらに、開示された実施形態は、同時に説明され、かつ、協調的に多くの便益を提供し得る複数の特徴を有している。本発明は、公表された請求項に明記された範囲を除いて、これらの特徴の全てを有している、又は、いくつかの記載された利益の全てを提供する実施形態のみに限定されるものではない。例えば、冠詞「a」、「an」、「the」又は「said」を使用して、請求項中の要素を単数形で言及していても、その要素を単数に限定するものと解釈されるべきではない。請求項中の要素を「X、Y及びZの内の少なくとも1つ(at least one of X, Y and Z)」として言及していても、X、Y又はZの個々の一つ、例えば、XとYとZや、XとYや、XとZや、YとZを含む、X、Y及びZのいかなる組合せも含むことを意味する。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
水処理システムにおいて、
前記水処理システムは、
未処理水を保持することができる空洞を有する未処理水槽と、
フィルタ組立体と処理済水槽とを備える本体とを備え、
前記フィルタ組立体は、前記未処理水槽の空洞内に配置されるように構成され、前記フィルタ組立体は、前記未処理水を受け入れるように前記空洞と流体的に連結されるように構成された入口を有し、前記フィルタ組立体は、処理済水を放出するように構成された出口を有し、
前記処理済水槽は、前記フィルタ組立体から放出された処理済水を貯留するように構成されており、前記処理済水槽は、第1の端部開口及び第2の端部開口を有し、前記処理済水槽の前記第2の端部開口は、前記フィルタ組立体の前記出口と流体的に連結されており、
前記水処理システムは、本体のシール係合面と前記未処理水槽の内面との間のシールを有する、ワイピングシール界面をさらに備え、
前記ワイピングシール界面の前記シールは、環境と前記未処理水槽の前記空洞との間に実質的な空気密封及び水密封のシールを提供し、
前記本体を前記未処理水槽の空洞内に変位させることは、前記未処理水を前記フィルタ組立体を通して前記処理済水槽内に導き、
前記ワイピングシール界面は、前記未処理水槽の前記空洞からの前記本体の移動に基づいて、前記実質的な空気密封及び水密封のシールを破断するように前記シールを取り外すように動作可能な密封解除要素を有することを特徴とする、水処理システムである。
第2の態様は、
前記本体は、前記処理済水槽の前記第1の端部開口と係合するように動作可能なキャップ組立体を有している、第1の態様における水処理システムである。
第3の態様は、
前記キャップ組立体が、前記処理済水を消費のための利用者に提供するように、前記処理済水槽と流体連通する吐水口を有する、第2の態様における水処理システムである。
第4の態様は、
前記キャップ組立体は、前記処理済水槽内の圧力を前記環境と実質的に等しくする空気通路を有し、前記ワイピングシール界面は、前記フィルタ組立体を通して前記未処理水を導くために、前記処理済水槽と前記未処理水槽との間に圧力差を発生させるように動作可能である、第2の態様における水処理システムである。
第5の態様は、
前記キャップ組立体が、水を消毒するためのUV光源を備えたUV処理システムを有している、第2の態様における水処理システムである。
第6の態様は、
前記フィルタ組立体及び前記処理済水槽は、ツイストロック接続を介して接続するように動作可能である、第1の態様における水処理システムである。
第7の態様は、
前記ツイストロック接続は、前記未処理水槽に対する前記本体の回転に応じて、前記未処理水槽の前記空洞内で前記フィルタ組立体が前記処理済水槽から外れることを実質的に防止するように構成される、第6の態様における水処理システムである。
第8の態様は、
前記ワイピングシール界面は、前記シールを着座解除するために、前記未処理水槽の前記空洞の前記内面から前記シールを取り外すように動作可能なフィンガを有している、第1の態様における水処理システムである。
第9の態様は、
前記ワイピングシール界面は、前記本体を前記未処理水槽から分離する手作業に応じて、前記シールを前記未処理水槽の前記空洞の前記内面から着座解除させるように動作可能なテーパ状フィンガを有している、第1の態様における水処理システムである。
第10の態様は、
前記手作業は、利用者が、前記本体を前記未処理水槽から分離するために、前記水処理システムの長手軸線に沿って力を加えることを伴う、第9の態様における水処理システムである。
第11の態様は、
前記テーパ状フィンガは、前記シールと前記内面との間を摺動するように動作可能な先端を有している、第9の態様における水処理システムである。
第12の態様は、
前記先端が、前記シールのシール接触面と前記シールの中心との間で前記シールと係合するように配置される、第11の態様における水処理システムである。
第13の態様は、
前記フィルタ組立体は、前記処理済水槽に水を流入させるように動作可能であり、かつ前記処理済水槽から前記未処理水槽に水が流入するのを実質的に防止するように動作可能である、逆止弁を有している、第1の態様における水処理システムである。
第14の態様は、
前記ワイピングシール界面は、前記本体を前記未処理水槽から取り除くための力に応じて、前記未処理水槽内での実質的な真空の形成を回避するように動作可能である、第13の態様における水処理システムである。
第15の態様は、
水処理システムにおいて、
前記水処理システムは、
未処理水を保持することができる空洞を有する未処理水槽と、
前記未処理水槽の前記空洞内に適合するように構成されたフィルタ組立体であって、前記フィルタ組立体は、前記未処理水を受け入れるように前記空洞と流体的に連結されるように構成された入口を有し、前記フィルタ組立体は、処理済水を放出するように構成された出口を有している、フィルタ組立体と、
前記処理済水を貯留するように構成された処理済水槽であって、前記処理済水槽は、前記フィルタ組立体の前記出口と流体的に連結されている、処理済水槽と、
前記フィルタ組立体を通して未処理水を導くための圧力差を生成させるのを容易にするように動作可能なワイピングシール界面と、
利用者が消費するために消費のために前記処理済水槽に貯留された前記処理済水を放出するための吐水口を有するキャップであって、前記キャップは周囲環境への空気通路を有し、前記空気通路及び前記ワイピングシール界面は、前記未処理水槽の空洞内の未処理水が前記フィルタ組立体を通って前記処理済水槽に流れるように、前記未処理水槽と前記処理済水槽との間の圧力差の生成を容易にするように構成されており、前記ワイピングシール界面は、前記フィルタ組立体及び前記処理済水槽が前記未処理水槽の前記空洞から取り外すのを容易にするために、前記周囲環境と前記未処理水槽の前記空洞との間のシールを破断するように動作可能である、キャップとを備える、水処理システムである。
第16の態様は、
前記ワイピングシール界面は、シールと、前記シールに対する密封解除要素の長手方向の移動に基づいて、前記シールを着座解除させるように動作可能な密封解除要素とを有している、第15の態様における水処理システムである。
第17の態様は、
前記密封解除要素が前記フィルタ組立体上に配置されており、前記フィルタ組立体を前記未処理水槽から取り外すための前記フィルタ組立体の長手方向の移動によって、前記密封解除要素が前記シールを着座解除させるように駆動する、第16の態様における水処理システムである。
第18の態様は、
前記キャップは、UV光源を備えるUV処理組立体を有している、第15の態様における水処理システムである。
第19の態様は、
水処理システムにおいて、
前記水処理システムは、
未処理水を保持することができる空洞を有する未処理水槽と、
本体であって、
前記未処理水槽の前記空洞内に適合するように構成されたフィルタ組立体であって、前記フィルタ組立体は、未処理水を受け入れるように前記空洞と流体的に連結されるように構成された入口を有し、前記フィルタ組立体は、処理済水を放出するように構成された出口を有している、フィルタ組立体と、
処理済水を貯留するように構成された処理済水槽であって、前記処理済水槽は、前記フィルタ組立体の出口と流体的に連結されている、処理済水槽と、
利用者が消費するために前記処理済水槽に貯留された前記処理済水を放出するための吐水口を有するキャップであって、前記キャップは、水を消毒するためのUV光源を備えたUV処理組立体を有している、キャップとを備える本体と、
前記本体と前記未処理水槽の内面との間のワイピングシール界面であって、前記ワイピングシール界面は、周囲環境と未処理水槽の前記空洞との間に実質的な空気密封及び水密封のシールを提供するように動作可能であり、前記ワイピングシール界面は、前記未処理水槽に対する前記フィルタ組立体の長手方向の移動に基づいて、前記実質的な空気密封及び水密封のシールを破断するように動作可能な密封解除要素を有している、ワイピングシール界面とを備え、
前記未処理水槽は、前記未処理水槽の前記空洞内に前記本体の少なくとも一部を受け入れるように構成されており、前記未処理水槽内の未処理水は、前記フィルタ組立体を通って前記処理済水槽内に入り、前記本体が前記未処理水槽の前記空洞内への移動を可能にする、水処理システムである。
第20の態様は、
前記キャップは、前記処理済水槽内の圧力を前記周囲環境と均等にするように動作可能な空気通路を有し、それにより、前記ワイピングシール界面は、前記未処理水を前記処理済水槽に導くように前記処理済水槽と前記未処理水槽との間に圧力差を与えるように動作可能である、第19の態様における水処理システムである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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