(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】鉱物処理プロセス
(51)【国際特許分類】
C22B 1/242 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
C22B1/242
(21)【出願番号】P 2020534269
(86)(22)【出願日】2018-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2018083226
(87)【国際公開番号】W WO2019120951
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-26
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】319006807
【氏名又は名称】イメルテック ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】カプラロウ クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】カラリス タナシス
(72)【発明者】
【氏名】デデロウディス クリストス
(72)【発明者】
【氏名】カラナシオス コンスタンティノス
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-521831(JP,A)
【文献】米国特許第05707912(US,A)
【文献】特開平03-163150(JP,A)
【文献】特開平7-166217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/242
C04B 33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散剤で前処理されたスメクタイト粘土の結合剤としての使用であって、分散剤で前処理された前記スメクタイト粘土を結合剤として用いてペレット、例えば鉄鉱石ペレットを形成し、前記分散剤がリン酸型分散剤である、前記使用。
【請求項2】
ペレット化方法であって、下記:
スメクタイト粘土を分散剤で処理すること;及び
この処理済みスメクタイト粘土をペレット形成粒子と組み合わせてペレットを形成すること
を含み、分散剤で前処理された前記スメクタイト粘土を結合剤として用いてペレット、例えば鉄鉱石ペレットを形成し、前記分散剤がリン酸型分散剤である、前記方法。
【請求項3】
分散剤で前処理されたスメクタイト粘土及びペレット形成粒子を含む、ペレット製造用組成物であって、分散剤で前処理された前記スメクタイト粘土を結合剤として用いてペレット、例えば鉄鉱石ペレットを形成し、前記分散剤がリン酸型分散剤である、前記組成物。
【請求項4】
前記スメクタイト粘土がベントナイトを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記スメクタイト粘土が約40wt%以下の水分又は約8wt%以上の水分を含む、請求項3又は4に記載の組成物。
【請求項6】
前記分散剤がリン酸ナトリウム型分散剤、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム及びピロリン酸ナトリウムである、請求項3~5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記分散剤が、前記スメクタイト粘土の総質量に基づいて約5wt%以下の量で使用される、請求項3~6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記ペレットが約8wt%以下のシリカ及びアルミナ合計、例えば約2wt%以下のシリカ及びアルミナ合計を含む、請求項3~7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記鉄鉱石ペレットが、前記スメクタイト粘土を分散剤で処理せずに製造された鉄鉱石ペレットのグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ少なくとも約10%大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数を有する、請求項3~8のいずれかに
記載の組成物。
【請求項10】
前記スメクタイト粘土を処理することが、前記分散剤を前記スメクタイト粘土と混合することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記スメクタイト粘土を処理することが、前記分散剤を含む液体組成物を前記スメクタイト粘土に適用することを含む、請求項2又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記スメクタイト粘土を分散剤で処理することが、前記スメクタイト粘土のソーダ灰活性化と同時に起こる、請求項2
、10又は11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
分散剤で前処理されたスメクタイト粘土を1以上の有機結合剤と併用しない、請求項1
に記載の使用。
【請求項14】
ペレットが有機結合剤を含まない、請求項2又は
10~12のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
1以上の結合剤をさらに含有する、請求項3~9のいずれか1項記載の組成物。
【請求項16】
請求項2、
10~12、又は14のいずれか1項に記載の方法によって得られた及び/又は得ることができるペレット。
【請求項17】
請求項2、
10~12又は14のいずれか1項に記載の方法によって得られた及び/又は得ることができる鉄鉱石ペレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は一般的に、分散剤で前処理されたスメクタイト粘土の結合剤としての使用に関する。特に、本発明は、分散剤で前処理されたスメクタイト粘土の、鉄鉱石ペレットを形成ための結合剤としての使用に関する。本発明は、スメクタイト粘土を分散剤で処理する方法及びペレット、例えば鉄鉱石ペレットを製造する方法にも関する。本発明はさらに、処理済みスメクタイト粘土、並びにペレット自体を含め、ペレットを形成するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
鉄鉱石は、銑鉄製造及び製鋼に用いられる主原材料である。鉄鉱石は、溶鉱炉に石灰石及びコークスと共に供給されて銑鉄を製造することができ、銑鉄は酸素転炉に供給されて鋼を製造する。或いは、鉄鉱石を鉄くずと共に用いて原鉄ペレット及びブリケットを製造することができる。鉄ペレット及びブリケットを次に電気アーク炉等の直接還元反応器に供給して鋼を製造することができる。直接還元技術においては、直接還元プロセスは溶鉱炉プロセスと同様に液体スラグを形成せず、不純物(脈石)は除去されるのではなく濃縮されるので、高品質の鉄鉱石を使用することが重要である。従って、直接還元プロセスは、ペレット供給におけるシリカ、アルミナ、リン及び硫黄等の混入物の観点から厳密な規格を有する。混入物は、例えば、鉄鉱石ペレットを製造するために用いられる結合剤に由来し得る。例えば、混入物は、鉄鉱石ペレットを作るために用いられるベントナイト結合剤に由来し得る。従って、鉄鉱石ペレットを作るための代替及び/又は改善された結合剤を提供することが望ましい。結合剤特性の改善は、例えば、鉄鉱石ペレットを形成するために使用すべき結合剤の減量を可能にすることであり、これはコスト削減につながる。従って、直接還元プロセスにも溶鉱炉プロセスにも適した鉄鉱石ペレットを作るための改善された結合剤を使用するのが有利であり得る。さらに、他の用途のため、例えば他のペレット形成粒子のペレット化において代替及び/又は改善された結合剤を使用するのが有利であり得る。
【発明の概要】
【0003】
概要
本発明の第一態様に従い、分散剤で前処理されたスメクタイト粘土の結合剤としての使用を提供する。
本発明の第二態様に従い、ペレット化方法であって、スメクタイト粘土を分散剤で処理し、この処理済みスメクタイト粘土をペレット形成粒子と組み合わせてペレットを形成することを含む方法を提供する。
本発明の第三態様に従い、本発明のいずれかの態様、その全ての実施形態を含めた方法又は使用によって得られた及び/又は得ることができるペレットを提供する。
本発明の第四態様に従い、本発明のいずれかの態様、その全ての実施形態を含めた方法又は使用によって得られた及び/又は得ることができる鉄鉱石ペレットを提供する。
本発明の第五態様に従い、本発明のいずれかの態様若しくは実施形態に従うか又は本明細書に開示される鉄鉱石ペレットの直接還元鉄若しくは銑鉄の製造のための使用を提供する。次に、例えば、直接還元鉄又は銑鉄を用いて鋼を製造することができる。
本発明の第六態様に従い、分散剤で前処理されたスメクタイト粘土及びペレット形成粒子を含む、ペレット製造用組成物を提供する。特定実施形態では、組成物は鉄鉱石ペレット製造用であり、ペレット形成粒子は鉄鉱石粒子である。
本発明の第七態様に従い、分散剤で前処理されたスメクタイト粘土を提供する。特定実施形態では、スメクタイト粘土は、分散剤による処理前のスメクタイト粘土で得られたグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ少なくとも約10%大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数を提供することができる。これとは別に又はさらに、特定実施形態では、スメクタイト粘土は、分散剤による処理前のスメクタイト粘土の分散体積より少なくとも約5%大きい分散体積を有する。
【0004】
本発明の任意の態様の特定実施形態では、スメクタイト粘土はベントナイトである。
本発明の任意の態様の特定実施形態では、分散剤はリン酸ナトリウム型分散剤、例えばヘキサメタリン酸ナトリウムである。
本発明の任意の態様の特定実施形態では、分散剤はアクリルアミド型分散剤である。
特定実施形態では、分散剤を約5wt%以下の量で用いてスメクタイト粘土を前処理する。特定実施形態では、分散剤を約1wt%以下の量で用いてスメクタイト粘土を前処理する。
本発明の任意の態様の特定実施形態は、下記利点の1つ以上を提供し得る。
・未処理スメクタイト粘土に比べて改善されたグリーン強度特性(例えばグリーン強度及びグリーン落下数);
・未処理スメクタイト粘土と比べて同様の乾燥強度特性;
・結合剤として減量されたスメクタイト粘土の使用;
・混入物(例えばシリカ、アルミナ、硫黄、リン)の減量;
・結合剤の体積増加;
・結合剤粘度の低減;
・容易に分散される;
・容易に硬化される;
・耐熱性;
・塩分環境で有用。
【0005】
本発明の規定態様のいずれかの微粒子の1つ以上に関して提供する詳細、例及び優先傾向について本明細書にさらに記載する。これらは本発明の全ての態様に等しく当てはまる。本明細書に記載の実施形態、例及び優先傾向の全ての可能なバリエーションのいずれの組み合わせも、本明細書に別段の指示がない限り、或いは文脈により明白に矛盾しない限り、本発明によって包含される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
本発明者らは、驚いたことに、かつ有利なことに、スメクタイト粘土を分散剤で前処理すると、例えば鉄鉱石ペレットを形成するためのペレット化等の種々の用途においてスメクタイト粘土が結合剤として作用する能力を向上させることを見出した。分散剤によるスメクタイト粘土の「前処理」は、スメクタイト粘土を結合剤として利用する前、例えばスメクタイト粘土を鉄鉱石粒子等のペレット形成粒子と組み合わせてペレットを形成する前の分散剤によるスメクタイト粘土のいずれの処理をも指す。
従って、本明細書では分散剤で前処理されたスメクタイト粘土の結合剤としての使用を提供する。本明細書では、スメクタイト粘土を結合剤で処理してからこの処理済みスメクタイト粘土をペレット形成粒子と組み合わせてペレットを形成することを含むペレット化方法をも提供する。
【0007】
用語「結合剤」は、他の材料を一つにまとめ、その結果として他の材料の凝集を増大させるいずれの材料をも指す。
本明細書で使用する用語「スメクタイト粘土」は、スメクタイト鉱物構造、すなわち2枚の四面体シート間に挟まれた八面体シートの2:1型構造を有する粘土を含む材料を指す。スメクタイト粘土は、例えば、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム若しくはマグネシウムイオン等によって又は層間面上外部に吸着した水素によって平衡を保つことができる可変の正味負電荷を有する。スメクタイト粘土中に存在するカチオンは、一般的に交換可能である。一般的に、スメクタイト粘土は高カチオン交換容量を有する。本明細書で用いるスメクタイト粘土は、例えば、これらのカチオンの1つ以上を含み得る。
【0008】
例えば、スメクタイト粘土は、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト又はこれらの1つ以上の組み合わせを含むか又はそれから本質的に成るか又はそれから成り得る。特定実施形態では、スメクタイト粘土は、モンモリロナイトを含むか又はそれから本質的に成るか又はそれから成る。ベントナイトは、主にモンモリロナイトを含むスメクタイト粘土である。従って、特定実施形態では、スメクタイト粘土はベントナイトを含むか又はそれから本質的に成るか又はそれから成る。ベントナイトは、例えば、カリウムベントナイト、ナトリウムベントナイト、カルシウムベントナイト、アルミニウムベントナイト、又はこれらの1つ以上の組み合わせであり得る。カリウムベントナイト、ナトリウムベントナイト等は、平衡を保つカチオンの大多数がそれぞれカリウム及びナトリウムであるベントナイトを指す。従ってカリウムベントナイト及びナトリウムベントナイト等は、それぞれのカリウム又はナトリウムカチオンに加えて他の平衡を保つカチオンを含むこともある。特定実施形態では、スメクタイト粘土は、ナトリウムベントナイトを含むか又はそれから本質的に成るか又はそれから成る。ナトリウムベントナイトには、天然に存在するナトリウムベントナイト並びに天然に存在するベントナイト中のカルシウム、カリウム又はアルミニウム等のカチオンを例えばソーダ灰活性化によってナトリウムカチオンと交換することによって形成されるナトリウムベントナイトが含まれる。これはナトリウム活性化ベントナイトと呼ばれることもある。ソーダ灰活性化は、例えば少なくとも約20wt%、例えば少なくとも約22wt%又は少なくとも約35wt%の含水量を有するベントナイトへのソーダ灰粉末(炭酸ナトリウム)の添加、及び例えば、押出又は混練による混合を含み得る。次にベントナイトを乾燥させ、所望の粒径分布を有する粉末に製粉することができる。
【0009】
本発明の特定実施形態で使用するスメクタイト粘土を天然に存在するソースから得るとき、何らかの鉱物不純物が砕製物を不可避的に汚染する可能性がある。しかしながら、一般に、スメクタイト粘土は、5質量%未満、好ましくは1質量%未満の他の鉱物不純物を含有することになる。
特定実施形態では、スメクタイト粘土は、少なくとも約50wt%のスメクタイト鉱物構造を含む。例えば、スメクタイト粘土は、少なくとも約55wt%又は少なくとも約60wt%又は少なくとも約65wt%又は少なくとも約70wt%又は少なくとも約75wt%又は少なくとも約80wt%又は少なくとも約85wt%又は少なくとも約90wt%又は少なくとも約95wt%又は少なくとも約96wt%又は少なくとも約97wt%又は少なくとも約98wt%又は少なくとも約99wt%のスメクタイト鉱物構造を含み得る。例えば、スメクタイト粘土は、約100wt%までのスメクタイト鉱物構造を含み得る。例えば、スメクタイト粘土は、約99wt%まで又は約98wt%まで又は約97wt%まで又は約95wt%まで又は約90wt%までのスメクタイト鉱物構造を含み得る。これは、例えば、リートベルト法(Rietveld)法(X線回折計(diffractor)(例えばSeifert Analytical X-ray version 2.8, Eigenmann GmbH)を使用する)及びリートベルトソフトウェア「Autoquan」を用いて決定可能である。
【0010】
スメクタイト粘土は、例えば、約40wt%以下の水分を含み得る。例えば、スメクタイト粘土は、約35wt%以下又は約30wt%以下又は約25wt%以下又は約20wt%以下又は約15wt%以下の水分を含み得る。含水量は、例えば、スメクタイト粘土を、もはや質量変化がなくなるまで加熱し、加熱前後の質量を比較することによって測定可能である。スメクタイト粘土は、例えば、約0wt%以上の水分を含み得る。例えば、スメクタイト粘土は、約5wt%以上又は約8wt%以上又は約10wt%以上又は約12wt%以上又は約15wt%以上の水分を含み得る。例えば、スメクタイト粘土は、約0wt%~約40wt%又は約5wt%~約40wt%又は約8wt%~約40wt%又は約8wt%~約35wt%又は約8wt%~約30wt%又は約8wt%~約25wt%又は約8wt%~約20wt%又は約8wt%~約15wt%の範囲の含水量を有し得る。特に、スメクタイトは、分散剤による前処理中にこの範囲内の含水量を有し得る。分散剤による処理後に、処理済みスメクタイトを、水及び例えばペレットを作るための結合剤としてそれを使用するために結び付けるべき粒子と組み合わせてよい。従って、処理済みスメクタイト粘土(すなわち分散剤で前処理されたスメクタイト粘土)は、この範囲外の含水量を有し得る。
【0011】
スメクタイト粘土(例えばベントナイト)は、例えば、本明細書に記載の処理方法の前又は後に、所望の粒径を得るために加工してよい。スメクタイト粘土は、例えば約55mm以下又は約51mm以下又は約50mm以下又は約45mm以下又は約40mm以下又は約35mm以下の粒径を有し得る。処理すべきスメクタイト粘土は、例えば約75μm以上又は約100μm以上又は約125μm以上又は約150μm以上の粒径を有し得る。加工は、例えば、粉砕、製粉及び/又は篩分けを含んでよい。
スメクタイト粘土は、例えば、ペレット形成粒子(例えば鉄鉱石)1MT(メガトン)当たり約0.2~約1.0kgのスメクタイト粘土という範囲の量で使用してよい。例えば、スメクタイト粘土は、ペレット形成粒子(例えば鉄鉱石)1MT当たり約0.4~約0.8又は約0.4~約0.7kgのスメクタイト粘土という範囲の量で使用してよい。
【0012】
用語「分散剤」は、材料の分離を増加させる物質を指す。分散剤は、例えば、スメクタイト粘土の粒子の分離を増強するのに適したいずれの分散剤であってもよい。理論によって束縛されることを望むものではないが、分散剤は、スメクタイト粘土(例えばベントナイト)のプレートレットの脱離を促して「ラダー」を作り出し、プレートレット間の水の吸収を増やし、結果として結合剤の体積を増大させ、結合剤の粘度を下げると考えられる。これは、より多数の「ラダー」及び結び付けるべきペレット形成粒子に結合する材料の体積増加をもたらし、ペレット形成粒子の間に結合剤を拡散させるのは容易であることをも意味する。ペレット化中に系内に分散剤が存在すると、分散をも促し、ひいては結び付けるべきペレット形成粒子の総表面積を増大させることができる。
分散剤は、例えば、無機又は有機分散剤であってよい。
【0013】
特定実施形態では、分散剤はリン酸型分散剤(リン酸(PO4
3-)塩を含む分散剤)である。例えば、分散剤は濃縮リン酸型塩であってよい。例えば、分散剤は、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩又はトリポリリン酸塩であってよい。リン酸塩は、例えば、金属リン酸塩(例えばアルカリ土類金属又はアルカリ金属)塩であるか又はリン酸アンモニウム塩であってよい。例えば、リン酸塩はカリウムリン酸塩であり得る。濃縮リン酸塩は、例えば、その内容を参照することによりここに援用するUS3341340に記載のように、アミノトリメチルホスホン酸又はその水溶性アルカリ金属塩を添加することによって安定化可能である。特定実施形態では、分散剤は、リン酸ナトリウム型分散剤(ナトリウムイオン(Na+)とリン酸イオン(PO43-)の塩を含む分散剤)である。例えば、分散剤は、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム又はこれらの1つ以上の組み合わせであってよい。リン酸型(例えばリン酸ナトリウム型)分散剤は、水和物であってもなくてもよい。本発明は、ヘキサメタリン酸ナトリウムに関して論じる傾向があるが、そのように限定するものと解釈すべきでない。
【0014】
特定実施形態では、分散剤は合成ポリマーである。分散剤は、例えば、少なくとも1種のアルデヒドと、2個以上のNH2基を含有する少なくとも1種の化合物との縮合物であってよい。少なくとも2個のNH2基を含有する化合物はH2N-X-NH2(式中、Xは、1~10個の炭素原子を含有し、酸素又は窒素原子をも含有してよい脂肪族、直鎖、分岐又は環式残基である)、例えば尿素、1,6-ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、1,2-シクロヘキサンジアミンであってよい。或いは、Xは、1~10個の炭素原子を含有し、酸素又は窒素原子をも含有してよい芳香族残基であってもよい。Xは、メラミン、1,2-ジアミノベンゼン、1,8-ジアミノナフタレンのように、1個以上のアミノ基を含有してもよい。
分散剤は、例えば、不飽和モノマーとアクリル酸(actylic acid)誘導体のラジカル反応によって得られるコポリマーであってよい。不飽和モノマーは、下記式によって示すことができる。
【0015】
【0016】
式中、Yは水素、OH又は1~10個の炭素原子と少なくとも1個の酸素原子、1個の窒素原子若しくは1個の芳香族部分とを含有する残基である。例えば、Yは、式-OR(式中、Rは、H、-C(=O)H、-C(=O)CH3、C(=O)CH2CH3、C(=O)CH2CH2CH3、C(=O)CH(CH3)2、C(=O)C(CH3)3を意味する)の残基から選択され得る。該化合物の例は、ビニルアルコール、酢酸ビニル、及びギ酸ビニルである。或いは、Yが窒素含有残基である場合、該化合物の例は、ビニルピロリドン及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドである。Yが芳香族部分を含有する場合、化合物はスチレンであり得る。Y=OHの場合、鹸化によってモノマー単位を作るのが好ましい。
アクリル酸誘導体は、好ましくは下記式で表される。
【0017】
【0018】
式中、RはH又はCH3であり、Xは、OH、NH2、OR'、NHR"、NR"'R""、R'-R""であり、互いに独立に1~6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基由来である。該化合物の例は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムである。
分散剤は、例えば、マレイン酸-アクリル酸コポリマー及びマレイン酸-メタクリル酸コポリマーであり得る。
分散剤は、例えば、少なくとも1個のカルボン酸基を含むオレフィン性不飽和モノマーのラジカル重合によって得られるホモポリマーであってよい。モノマーは、好ましくは3~10個の炭素原子を含む。
該化合物の例は、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、マレイン酸、無水マレイン酸、ギ酸のホモポリマーである。
【0019】
合成ポリマーは、好ましくはメラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-グリオキサール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アクリルコポリマー、ビニル-アクリルコポリマー、酢酸ビニル-アクリルコポリマー、酢酸ビニルポリマー、ポリ(無水マレイン酸)、アクリル-マレイン酸コポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド-アクリルアミドコポリマー、ポリカルボキシラート、ポリナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム-ビニルピロリドンコポリマー、ジメチルアミン-エピクロロヒドリンコポリマー又はその混合物から成る群より選択される。合成ポリマーは、固体として添加してよい。合成ポリマーは、任意の適切な溶媒との溶液で添加してもよい。好ましい溶媒は水である。
全ての上記ポリマーに関して、それらの好ましい質量平均分子量は、ポリスチレンに対してGPCにより決定して500~500,000、特に700~100,000、特に800~20,000g/モルの範囲内である。
特定実施形態では、分散剤は、アクリルアミド型分散剤(アクリルアミドを含む分散剤、例えばアクリルアミドを含むポリマー)である。例えば、分散剤は、SNFグループから入手可能なFloform 3049 ST2であってよい。
【0020】
スメクタイト粘土を前処理するために用いる分散剤の量は、乾燥スメクタイト粘土の総質量に基づいて例えば、約5wt%以下又は約1wt%以下であってよい。例えば、スメクタイト粘土を前処理するために用いる分散剤の量は、乾燥スメクタイト粘土の総質量に基づいて約4wt%以下又は約3wt%以下又は約2wt%以下又は約1wt%以下又は約0.5wt%以下であり得る。例えば、スメクタイト粘土を前処理するために用いる分散剤の量は、乾燥スメクタイト粘土の総質量に基づいて約0.01wt%以上又は約0.05wt%以上又は約0.1wt%以上であり得る。リン酸ナトリウム型分散剤(例えばヘキサメタリン酸ナトリウム)を使用する場合、スメクタイト粘土を前処理するために用いる分散剤の量は、約1wt%以下、例えば約0.5wt%以下であってよい。スメクタイト粘土は、それを分散剤で処理するときに乾燥形態であってもなくてもよい。
【0021】
スメクタイト粘土は、例えば、スメクタイト粘土と分散剤を接触させることによって分散剤で処理することができる。例えば、スメクタイト粘土と分散剤を混合して処理済みスメクタイト粘土を形成することができる。スメクタイト粘土、分散剤及びあらゆる他の任意の添加剤は、例えば、あらゆる形態、例えば乾燥粉末又は懸濁液若しくは溶液の形態であってよい。例えば、スメクタイト粘土、分散剤及びあらゆる他の任意の添加剤は、粘性スラリーのような半乾燥形態で混合してよい。スメクタイト粘土、分散剤及びあらゆる他の任意の添加剤の混合は、混合粉砕機バッチミキサー、レーディゲ(Loedige)ミキサー、スクリューミキサー、押出機、混練機、破砕機、重量測定フィーダー又は選別機(grader)を用いて行うことができる。特定実施形態では、スメクタイト粘土の製粉中に分散剤とスメクタイト粘土を接触させる。特定実施形態では、例えばノズル又はあらゆる他の適切な装置を用いて、例えば噴霧によって、分散剤を含む液体組成物(例えば分散剤と水の混合物)をスメクタイト粘度に適用する。次にスメクタイト粘土を乾燥させてよい。
【0022】
分散剤によるスメクタイト粘土の前処理は、スメクタイト粘土を結合剤として使用する前のいずれの時に起こってもよい。例えば、分散剤のよるスメクタイト粘土の前処理は、製粉後、及び/又はナトリウム活性化の前、それと同時若しくはその後、及び/又は製粉前、製粉中若しくは製粉後に起こり得る。分散剤によるスメクタイト粘土の前処理は、スメクタイト粘土の加工中(加工から製品供給まで)のどの時点で起こってもよい。例えば、分散剤剤によるスメクタイト粘土の前処理は、輸送中、ビッグバッグ充填中又はコンテナの積載中に起こってよい。
特定実施形態では、スメクタイト粘土のナトリウム活性化(例えばソーダ灰を用いるナトリウム活性化)中に分散剤をスメクタイト粘土と接触させる。これは、ソーダ灰粉末(炭酸ナトリウム)及び分散剤のベントナイトへの添加及び例えば、押出又は混練による混合を含んでよく、場合により次に乾燥及び/又は製粉を含むことがある。スメクタイト粘土は、例えば、少なくとも約20wt%、例えば少なくとも約22wt%又は少なくとも約35wt%の含水量を有してよい。
【0023】
本明細書では、例えば、本明細書に記載の方法によって得られることがある及び/又は得ることができる処理済みスメクタイト粘土をも提供する。
処理済みスメクタイト粘土は、例えば、分散剤による処理前のスメクタイト粘土の分散体積より少なくとも約5%大きい分散体積を有し得る。例えば、処理済みスメクタイト粘土は、分散剤による処理前のスメクタイト粘土の分散体積より少なくとも約6%又は少なくとも約7%又は少なくとも約8%又は少なくとも約9%又は少なくとも約10%又は少なくとも約11%又は少なくとも約12%又は少なくとも約13%又は少なくとも約14%又は少なくとも約15%大きい分散体積を有し得る。例えば、処理済みスメクタイト粘土は、分散剤による処理前のスメクタイト粘土の分散体積より約50%まで又は約45%まで又は約40%まで又は約35%まで又は約30%まで又は約25%まで又は約20%まで大きい分散体積を有し得る。スメクタイト粘土の分散体積は、その内容を参照することによりここに援用するS. Atkther, J. Hwang and H. Lee, “Sedimentation Characteristics of Two Commercial Bentonites in Aqueous Suspensions”, Clay Minerals (2008), 43, ページ449 557に記載の沈降試験を利用して測定可能である。
【0024】
処理済みスメクタイト粘土は、例えば、分散剤による処理前のスメクタイト粘土を用いて得られたグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ少なくとも約10%大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数をもたらす可能性がある。例えば、処理済みスメクタイト粘土は、分散剤による処理前のスメクタイト粘土を用いて得られたグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ少なくとも約15%又は少なくとも約20%又は少なくとも約25%又は少なくとも約30%又は少なくとも約35%又は少なくとも約40%大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数をもたらし得る。グリーン強度及び/又はグリーン落下数は、鉄鉱石ペレットに関して後述するように測定される。
【0025】
処理済みスメクタイト粘土は、例えば、分散剤による処理前のスメクタイト粘土を用いて得られた乾燥強度より約25%以下低く、例えば約20%以下低いか又は約15%以下低いか約10%以下低いか又は約5%以下低い乾燥強度をもたらし得る。乾燥強度は、鉄鉱石ペレットに関して後述するように測定される。
本明細書に記載の処理済みスメクタイト粘土は、結合剤として使用可能である。結合剤は、例えば、鋳型に用いるか又は鉱物粒子の凝集のために使用することができる。
処理済みスメクタイト粘土は、処理されていないスメクタイト粘土のいずれの他の既知用途にも使用することができる。例えば、処理済みスメクタイト粘土は、例えば紙製品、例えば床被覆材用のセメント、動物用飼料、陶磁器、化粧品、洗剤における接着剤として、エマルション安定剤として、食品添加物として、紙、シーラントに、水の浄化に使用可能である。
【0026】
例えば、処理済みスメクタイト粘土を結合剤として用いてペレットを形成することができる。本明細書で使用する用語「ペレット」は、一つにまとめられたより小さい粒子の凝集体を指す。本明細書に記載のペレットは、例えば、球形又は非球形を有し得る。例えば、ペレットは、約5mm~約20mmの範囲内のサイズを有し得る。ペレットは、例えば、鉱物ペレット、食品ペレット、医薬品ペレット又は動物用飼料ペレットであってよい。
例えば、本明細書に記載の処理済みスメクタイト粘土を結合剤として用いて鉱石ペレット、例えば鉄鉱石ペレットを形成することができる。例えば、鉄鉱石ペレットを用いて直接還元鉄又は銑鉄を製造することができる。従って、鉄鉱石ペレットは、直接還元ペレット又は溶鉱炉ペレットであってよい。鉄鉱石ペレットを作るために用いる鉄鉱石は、例えば、ヘマタイト、マグネタイト、針鉄鉱、リモナイト、菱鉄鉱、タコナイト、イタビライト又はこれらの1つ以上の組み合わせであってよい。
【0027】
ペレットは、いずれの適切なペレット化プロセスによっても作ることができる。典型的に、ペレット形成粒子(ペレットの主成分の粒子)を結合剤及びあらゆる他の任意の添加剤と混合してからこの混合材料を例えばペレット化機械、例えばドラム又はペレット化ディスクを用いてペレット形状に成形することができる。次にペレットを処理、例えば熱処理してペレットを硬化させ、及び/又はペレットがそれらの形状を維持できるようにしてよい。
従って、本明細書では、本明細書に記載の処理済みスメクタイト粘土を含むペレット(例えば鉄鉱石ペレット)、例えば本明細書に記載の方法によって得られたペレット及び/又は得ることができるペレットをも提供する。
【0028】
ペレット形成粒子(例えば、鉱石、例えば鉄鉱石粒子)及び結合剤に加えて、ペレットは、1種以上のさらなる添加剤を含んでよい。さらなる添加剤は、例えば、コークス、石灰石/生石灰、ドロマイト/マグネシア及び橄欖石の1種以上であってよい。例えば、ペレットは、1種以上のさらなる結合剤を含んでよい。1種以上のさらなる結合剤は、ベントナイト(例えば超微細ベントナイト)、石膏、生石灰、例えば水和生石灰、石灰石、マグネサイト、マグネシア、水酸化マグネシウム、カオリン(例えば高アスペクト比カオリン)、タルク(例えば高アスペクト比タルク)、繊維、ポリアクリルアミド、ポリアクリラート、デンプン、グアーガム、デキストリン、リグノスルホン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、セメント、ジオポリマー及び樹脂(例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂)から選択可能である。超微細ベントナイトは、レーザー粒子回折法で測定される45μmの最大粒径を有するベントナイトを指す。高アスペクト比は、約7以上のアスペクト比を有する鉱物を指す。特定実施形態では、ペレット又はペレット製造用組成物は、有機結合剤を含まない。
スメクタイト粘土のアスペクト比は、下記比によって定義されるラメラリティーインデックス(lamellarity index)を指す。
【0029】
【0030】
式中、「d平均」は、湿式マルバーン(Malvern)レーザー散乱(規格AFNOR NFX11-666又はISO 13329-1)による粒径測定によって得られる平均粒径(d50)の値であり、「d50」は、粒度分析計(sedigraph)を用いる沈降(規格AFNOR X11-683又はISO 13317-3)によって得られる中位径の値である。このインデックスが、粒子の最大寸法対粒子の最小寸法の平均比に関連することを示すG. Baudet及びJ. P. Ronaによる論文Ind. Min. Mines et Carr. Les techn. June, July 1990, pp 55-61を参照することができる。
【0031】
1種以上のさらなる添加剤は、それぞれペレット又はペレット形成用組成物中に乾燥スメクタイト粘土の総質量に基づいて約50wt%以下の量で存在してよい。例えば、1種以上のさらなる添加剤は、それぞれペレット又はペレット形成用組成物中に乾燥スメクタイト粘土の総質量に基づいて約40wt%以下又は約30wt%以下又は約20wt%以下又は約10wt%以下又は約5wt%以下又は約1wt%以下の量で存在してよい。1種以上のさらなる添加剤は、それぞれペレット又はペレット形成用組成物中に乾燥スメクタイト粘土の総質量に基づいて0wt%以上又は0.5wt%以上の量で存在してよい。
本明細書に記載のペレットは、例えば、約8wt%以下のシリカ及びアルミナ合計を含み得る。例えば、本明細書に記載のペレットは、約7wt%以下又は約6wt%以下又は約5wt%以下又は約4wt%以下又は約3wt%以下又は約2wt%以下のシリカ及びアルミナ合計を含み得る。例えば、ペレットが直接還元鉄鉱石ペレットである場合、ペレットは、約2wt%以下のシリカ及びアルミナ合計を含み得る。例えば、直接還元鉄鉱石ペレットは、約1.5wt%以下のシリカ及び約0.5wt%以下のアルミナを含み得る。ペレットが溶鉱炉ペレットである場合、ペレットは、約8wt%以下のシリカ及びアルミナ合計を含み得る。
【0032】
処理済みスメクタイト粘土は、例えば、ペレット中のシリカ及びアルミナ合計の約30wt%に寄与し得る。例えば、処理済みスメクタイト粘土は、ペレット中のシリカ及びアルミナ合計の約28wt%以下又は約26wt%以下又は約25wt%以下又は約24wt%以下又は約22wt%以下又は約20wt%以下に寄与し得る。例えば、処理済みスメクタイト粘土は、ペレット中のシリカ及びアルミナ合計の約10wt%以上又は約15wt%以上又は約20wt%以上に寄与し得る。
【0033】
本明細書に記載のペレット(例えば鉄鉱石ペレット)は、例えば、スメクタイト粘土が分散剤で前処理されなかったこと以外は同一であるペレットのグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ少なくとも約10%大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数を有し得る。例えば、本明細書に記載のペレットは、スメクタイト粘土が分散剤で前処理されなかったこと以外は同一であるペレットのグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ少なくとも約15%又は少なくとも約20%又は少なくとも約25%又は少なくとも約30%又は少なくとも約35%又は少なくとも約40%大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数を有し得る。例えば、本明細書に記載のペレットは、スメクタイト粘土が分散剤で前処理されなかったこと以外は同一であるペレットのグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ約100%まで大きい又は約90%まで大きい又は約80%まで大きい又は約70%まで大きい又は約60%まで大きい又は約50%まで大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数を有し得る。
本明細書に記載のペレット(例えば鉄鉱石ペレット)は、例えば、スメクタイト粘土が分散剤で前処理されなかったこと以外は同一であるペレットの乾燥強度よりわずか約25%少ない、例えば約20%以下小さいか又は約15%小さいか又は約10%以下小さいか又は約5%以下小さい乾燥強度を有し得る。
【0034】
グリーン強度、グリーン落下数及び乾燥強度は、後述するように測定可能である。
2kgの鉄鉱石精鉱のバッチでペレットを調製する。少なくとも8.5wt%の含水量を得るためにスメクタイト粘土(乾燥粉末形態)及び水を精鉱に添加する。成分を混合粉砕機内で15分間混合し、破砕機に通す。直径16インチ(40.64cm)、幅5.25インチ(13.34cm)及び回転速度50~52rpmのエアプレーンボーリングタイヤ(airplane balling tire)を用いて混合物をペレットに形成する。場合により最初に小量(約12.5mL)のペレットシード(直径4~5mmの小さい予成形ペレット)を添加してから混合物を回転タイヤに徐々に添加してペレットを形成することができる。全手順が7分間持続する間に、同時に水をも噴霧してペレットの形成を助ける。形成されたペレットを篩にかけ、さらなる評価に適したサイズ、すなわち1/2インチ(1.27cm)+15/32インチ(38.1/81.28(0.46875)cm)のペレットを選択する。
【0035】
バッチのグリーン落下数は、ボーリング直後の10個のペレットの平均によって定義される。ペレットが分解又は破壊されるまで各ペレットを18インチ(71.12cm)の高さから鋼面上に落下させる。ペレットが分解又は破壊されるまでの落下数がグリーン落下数となる。
バッチのグリーン強度は、ボーリング直後の10個のペレットの平均によって定義される。グリーン強度は、各ペレットにおいて圧縮強度器械(例えばChatillon, Frank PTI GmbH)を用いて定義される。
バッチの乾燥強度は、一定重量まで(通常は一晩)オーブン内で105℃にてペレットを乾燥させた後の10個のペレットの平均によって定義される。乾燥強度は、各ペレットにおいて圧縮強度器械(例えばChatillon, Frank PTI GmbH)を用いて定義される。
各バッチのペレットに関して含水量は10個のペレット(通常は乾燥強度決定のために測定すべきペレット)においてASTM D2216 10(質量による土壌及び岩石の水(水分)含有量の実験室測定のための標準試験方法)等の方法で定義される。
各バッチについてのグリーン落下数、グリーン強度及び乾燥強度は、ペレットの比含水量に相当する。異なる水分レベルでいくつかのレシピを調製し、8.5%w.t.の水分レベルのペレットの特性を内挿又は外挿によって数学的に計算する。
【実施例】
【0036】
実施例1:ヘマタイト鉄鉱石精鉱-低吸収ベントナイト
Milosからの27mL/2gの膨潤指数を有するソーダ灰活性化ベントナイトの乾燥粉末を用いて新しい結合剤(ベントナイトNP1)を調製し、0.1wt%ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)粉末とのブレンドを作った。ペレット化回転タイヤ内で6kg/MTの添加レベルにてベントナイトNP1を用いてペレットを形成し、6kg/1MTの鉄鉱石の添加レベルにてSHMP分散剤で処理しなかったベントナイトを用いて形成したペレットと比較した。8.5wt%の水分レベルで全ての比較を行なう。
上述したようにグリーン落下数(GDN)、グリーン強度(GS)及び乾燥強度(DS)を測定した。結果を表1に示す。
ベントナイトNP1の添加は、GDNの23%増加及びGSの10%増加をもたらすが、DSは影響を受けない。4.5kg/1MTの鉄鉱石でベントナイトNP1を用いて作ったペレットに関する表1の結果に示すように、グリーン特性の向上は、ベントナイトのみ(すなわちSHMP処理なし)を用いて得られる同グリーン特性を維持するための結合剤消費の25%低減を可能にする。
【0037】
表1:結合剤NP1をベースとするベントナイトのグリーンペレット特性
【0038】
実施例2:混合マグネタイト・ヘマタイト鉄鉱石精鉱-低吸収ベントナイト
実施例1のように新しい結合剤(ベントナイトNP1)を調製し、これを用いて6kg/MTの添加レベルでペレットを形成した。比較のためSHMPで処理しなかったベントナイトを用いて作られるペレットをも調製した。8.5%w.t.のペレット水分レベルに関して全ての比較を行った。
上述したようにグリーン落下数(GDN)、グリーン強度(GS)及び乾燥強度(DS)を測定した。結果を表2に示す。
ベントナイトNP1の使用は、GDNを66%及びGSを20%高める。ベントナイトNP1結合剤の量を4.5kg/1MTの鉄鉱石に減らしてもまだグリーン特性値が上昇する。DSは、SHMP添加によって影響を受けないが、結合剤消費が減少するにつれて低下する。
【0039】
表2:結合剤NP1をベースとするベントナイトのグリーンペレット特性
【0040】
実施例3:混合マグネタイト・ヘマタイト鉄鉱石精鉱-高吸収ベントナイト
42mL/2gの膨潤指標を有するMilosからのソーダ灰活性化ベントナイト粉末を0.1質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)粉末とブレンドすることによって新しい結合剤(ベントナイトNP2)を調製した。全ての結果は8.5wt%の水分レベルでもたらされた。
上述したようにグリーン落下数(GDN)、グリーン強度(GS)及び乾燥強度(DS)を測定した。結果を表3に示す。
ベントナイトNP2を用いて作られるペレットは、SHMPで処理されなかったベントナイトを用いて作られるペレットのGDNのほぼ2倍であるGDNを有する。GSは、6kg/MTの添加レベルにてSHMPで処理されなかったベントナイトを用いて形成されるペレットに比べて16%高かった。結合剤消費を50%減らして3kg/MTにすると、SHMPで処理されなかった2倍量のベントナイトを用いたときと同レベルのグリーン特性をペレットに与えたが、DSは、ベントナイトの添加レベルに応じて低下する。
【0041】
表3:結合剤NP2をベースとするベントナイトのグリーンペレット特性
【0042】
実施例4:混合マグネタイト・ヘマタイト鉄鉱石精鉱-高吸収ベントナイト
42mL/2gの膨潤指標を有するMilosからのソーダ灰活性化ベントナイト粉末を0.1wt%のポリアクリルアミド固体粉末(SNFグループから得たFloform 3049 ST2)とブレンドすることによって新しい結合剤(ベントナイトNP3)を調製した。8.5wt%のペレット水分レベルで全ての比較を行う。2.2kg/1MTの鉄鉱石精鉱の量でベントナイトを用いてペレットを調製し、それらの特性を測定した(表4)。
鉄鉱石精鉱1MT当たり、分散剤で処理しなかった6kgのベントナイトを用いて作ったペレットは、2.2kg/TのベントナイトNP3で調製したペレット、すなわち63%少ない結合剤消費であり、それに応じて結合剤によるシリカ及びアルミナの寄与が低減することになるペレットと比べて等しいGDN及びGSを有した。結合剤中の純粋ベントナイトの量が顕著に減少したので、乾燥強度は37%低下する。
【0043】
表4:結合剤NP3をベースとするベントナイトのグリーンペレット特性
【0044】
上記の内容は、本発明の特定実施形態を限定せずに広く記載する。当業者には容易に明らかになるように変形形態及び変更形態は、添付の特許請求の範囲に規定され、それにより規定される本発明の範囲内に入るよう意図される。
下記番号付きパラグラフは、本発明の特定実施形態を規定することができる。
1. 分散剤で前処理されたスメクタイト粘土の結合剤としての使用。
2. 分散剤で前処理されたスメクタイト粘土を結合剤として用いてペレットを形成する、パラグラフ1の使用。
3. 分散剤で前処理されたスメクタイト粘土を結合剤として用いて鉄鉱石ペレットを形成する、パラグラフ1又は2の使用。
4. スメクタイト粘土がベントナイトを含む、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
5. スメクタイト粘土がナトリウムベントナイト、例えばナトリウム活性化ベントナイト又は天然ナトリウムベントナイトを含む、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
6. スメクタイト粘土が、約40wt%以下の水分を含む、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
7. スメクタイト粘土が、約8wt%以上の水分を含む、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
8. スメクタイト粘土が、少なくとも約50wt%のスメクタイトを含む、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
9. 分散剤で前処理されたスメクタイト粘土が、分散剤による処理前のスメクタイト粘土の分散体積より少なくとも約5%大きい分散体積を有する、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
10. 分散剤が無機又は有機分散剤である、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
【0045】
11. 分散剤がリン酸ナトリウム型分散剤、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム及びピロリン酸ナトリウムである、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
12. 分散剤がアクリルアミド型分散剤である、パラグラフ1~10のいずれか1つの使用。
13. 分散剤が、スメクタイト粘土の総質量に基づいて約5wt%以下の量で用いられる、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
14. 分散剤で前処理されたスメクタイト粘土が1種以上のさらなる結合剤と組み合わせて使用される、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
15. 1種以上のさらなる結合剤が、ベントナイト(例えば超微細ベントナイト)、石膏、生石灰、例えば水和生石灰、石灰石、マグネサイト、マグネシア、水酸化マグネシウム、カオリン(例えば高アスペクト比カオリン)、タルク(例えば高アスペクト比タルク)、繊維、ポリアクリルアミド、ポリアクリラート、デンプン、グアーガム、デキストリン、リグノスルホン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、セメント、ジオポリマー及び樹脂(例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂)から選択される、パラグラフ14の使用。
16. 分散剤で前処理されたスメクタイト粘土が、1種以上の有機結合剤と組み合わせて使用されない、先行するパラグラフのいずれか1つの使用。
17. ペレットが、約8wt%以下のシリカ及びアルミナ合計、例えば約2wt%以下のシリカ及びアルミナ合計を含む、パラグラフ3~16のいずれか1つの使用。
18. スメクタイト粘土が、シリカ及びアルミナ合計の約30wt%以下をペレットにもたらす、パラグラフ2~17のいずれか1つの使用。
19. 鉄鉱石ペレットが、分散剤で前処理されなかったこと以外は同一である鉄鉱石のグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ少なくとも約10%大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数を有する、パラグラフ3~17のいずれか1つの使用。
【0046】
20. ペレット化方法であって、下記:
スメクタイト粘土を分散剤で処理すること;及び
処理済みスメクタイト粘土をペレット形成粒子と組み合わせてペレットを形成すること
を含む方法。
21. ペレット形成粒子が鉄鉱石粒子であり、方法が鉄鉱石ペレットの製造方法である、パラグラフ20の方法。
22. スメクタイト粘土がベントナイトを含む、パラグラフ20又は21の方法。
23. スメクタイト粘土がナトリウムベントナイト、例えばナトリウム活性化ベントナイト又は天然ナトリウムベントナイトを含む、パラグラフ22の方法。
24. スメクタイト粘土が、約40wt%以下の水分を含む、パラグラフ20~23のいずれか1つの方法。
25. スメクタイト粘土が、約8wt%以上の水分を含む、パラグラフ20~24のいずれか1つの方法。
26. スメクタイト粘土が、少なくとも約50wt%のスメクタイトを含む、パラグラフ20~25のいずれか1つの方法。
27. 処理済みスメクタイト粘土が、分散剤による処理前のスメクタイト粘土の分散体積より少なくとも約5%大きい分散体積を有する、パラグラフ20~26のいずれか1つの方法。
28. 分散剤が無機又は有機分散剤である、パラグラフ20~27のいずれか1つの方法。
【0047】
29. 分散剤がリン酸ナトリウム型分散剤、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム及びピロリン酸ナトリウムである、パラグラフ20~28のいずれか1つの方法。
30. 分散剤がアクリルアミド型分散剤である、パラグラフ20~28のいずれか1つの方法。
31. 約5wt%以下の分散剤を用いてスメクタイト粘土を処理する、パラグラフ20~30のいずれか1つの方法。
32. 1種以上のさらなる結合剤を処理済みスメクタイト粘土及びペレット形成粒子と組み合わせてペレットを形成する、パラグラフ20~31のいずれか1つの方法。
33. 1種以上のさらなる結合剤が、ベントナイト(例えば超微細ベントナイト)、石膏、生石灰、例えば水和生石灰、石灰石、マグネサイト、マグネシア、水酸化マグネシウム、カオリン(例えば高アスペクト比カオリン)、タルク(例えば高アスペクト比タルク)、繊維、ポリアクリルアミド、ポリアクリラート、デンプン、グアーガム、デキストリン、リグノスルホン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、セメント、ジオポリマー及び樹脂(例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂)から選択される、パラグラフ32の方法。
34. ペレットが有機結合剤を含まない、パラグラフ20~33のいずれか1つの方法。
35. 約8wt%以下、例えば約2wt%以下のシリカ及びアルミニウム合計含量を有するペレットを生成する割合で処理済みスメクタイト粘土を組み合わせる、パラグラフ20~34のいずれか1つの方法。
36. ペレット中のシリカ及びアルミニウム合計の約30wt%以下が、処理済みスメクタイト粘土に由来するような割合で処理済みスメクタイト粘土を組み合わせる、パラグラフ20~34のいずれか1つの方法。
37. 鉄鉱石ペレットが、スメクタイト粘土を分散剤で処理せずに製造された鉄鉱石ペレットのグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ少なくとも約10%大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数を有する、パラグラフ21~36のいずれか1つの方法。
38. スメクタイト粘土を処理することが、分散剤をスメクタイト粘土と混合することを含む、パラグラフ20~37のいずれか1つの方法。
39. 分散剤がその乾燥形態である、パラグラフ38の方法。
40. 混合が、スメクタイト粘土の製粉中に起こる、パラグラフ38又は39の方法。
【0048】
41. スメクタイト粘土を処理することが、分散剤を含む液体組成物をスメクタイト粘土に適用することを含む、パラグラフ20~40のいずれか1つの方法。
42. 液体組成物を適用した後にスメクタイト粘土を乾燥させることをさらに含む、パラグラフ41の方法。
43. 液体組成物を適用することが、ノズルを介して液体組成物を噴霧することを含む、パラグラフ41又は42の方法。
44. スメクタイト粘土を分散剤で処理することが、スメクタイト粘土のソーダ灰活性化と同時に起こる、パラグラフ20~43のいずれか1つの方法。
45. パラグラフ20~44のいずれか1つの方法によって得られた及び/又は得ることができるペレット。
46. パラグラフ21~45のいずれか1つの方法によって得られた及び/又は得ることができる鉄鉱石ペレット。
【0049】
47. 直接還元鉄又は銑鉄の製造におけるパラグラフ46の鉄鉱石ペレットの使用。
48. 直接還元鉄又は銑鉄の製造が直接還元反応器又は溶鉱炉内においてである、パラグラフ47の使用。
49. 分散剤で前処理されたスメクタイト粘土及びペレット形成粒子を含む、ペレット製造用組成物。
50. スメクタイト粘土がベントナイトを含む、パラグラフ49の組成物。
51. スメクタイト粘土がナトリウムベントナイト、例えばナトリウム活性化ベントナイト又は天然ナトリウムベントナイトを含む、パラグラフ49又は50の組成物。
52. スメクタイト粘土が約40wt%以下の水分を含む、パラグラフ49~51のいずれか1つの組成物。
53. スメクタイト粘土が約8wt%以上の水分を含む、パラグラフ49~52のいずれか1つの組成物。
54. スメクタイト粘土が少なくとも約50wt%のスメクタイトを含む、パラグラフ49~53のいずれか1つの組成物。
55. 分散剤で前処理されたスメクタイト粘土が、分散剤による処理前のスメクタイト粘土の分散体積より少なくとも約5%大きい分散体積を有する、パラグラフ49~54のいずれか1つの組成物。
56. 分散剤が無機又は有機分散剤である、パラグラフ49~55のいずれか1つの組成物。
57. 分散剤がリン酸ナトリウム型分散剤、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム及びピロリン酸ナトリウムである、パラグラフ49~56のいずれか1つの組成物。
58. 分散剤がアクリルアミド型分散剤である、パラグラフ49~57のいずれか1つの組成物。
59. 分散剤が、スメクタイト粘土の総質量に基づいて約5wt%以下の量で組成物中に存在する、パラグラフ49~58のいずれか1つの組成物。
【0050】
60. 組成物が1種以上のさらなる結合剤をさらに含む、パラグラフ49~54のいずれか1つの組成物。
61. 1種以上のさらなる結合剤が、ベントナイト(例えば超微細ベントナイト)、石膏、生石灰、例えば水和生石灰、石灰石、マグネサイト、マグネシア、水酸化マグネシウム、カオリン(例えば高アスペクト比カオリン)、タルク(例えば高アスペクト比タルク)、繊維、ポリアクリルアミド、ポリアクリラート、デンプン、グアーガム、デキストリン、リグノスルホン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、セメント、ジオポリマー及び樹脂(例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂)から選択される、パラグラフ60の組成物。
62. 組成物が、1種以上の有機結合剤を含まない、パラグラフ49~61のいずれか1つの組成物。
63. 組成物が、約8wt%以下のシリカ及びアルミナ合計、例えば約2wt%以下のシリカ及びアルミナ合計を含む、パラグラフ49~62のいずれか1つの組成物。
64. 処理済みスメクタイト粘土が、ペレット中のシリカ及びアルミナ合計の約30wt%をもたらす、パラグラフ49~63のいずれか1つの組成物。
65. ペレット形成粒子が鉄鉱石粒子であり、組成物が鉄鉱石ペレット製造用である、パラグラフ49~64のいずれか1つの組成物。
66. 分散剤で前処理されたスメクタイト粘土であって、スメクタイト粘土が、分散剤による処理前のスメクタイト粘土で得られたグリーン強度及び/又はグリーン落下数よりそれぞれ少なくとも約10%大きいグリーン強度及び/又はグリーン落下数をもたらすことができる、スメクタイト粘土。
67. スメクタイト粘土がベントナイトを含む、パラグラフ66のスメクタイト粘土。
68. スメクタイト粘土がナトリウムベントナイト、例えばナトリウム活性化ベントナイト又は天然ナトリウムベントナイトを含む、パラグラフ67のスメクタイト粘土。
69. スメクタイト粘土が、約40wt%以下の水分を含む、パラグラフ66~68のいずれか1つのスメクタイト粘土。
70. スメクタイト粘土が、約8wt%以上の水分を含む、パラグラフ66~69のいずれか1つのスメクタイト粘土。
71. スメクタイト粘土が、少なくとも約50wt%のスメクタイトを含む、パラグラフ66~70のいずれか1つのスメクタイト粘土。
72. 分散剤で処理されたスメクタイト粘土が、分散剤による処理前のスメクタイト粘土の分散体積より少なくとも約5%大きい分散体積を有する、パラグラフ66~71のいずれか1つのスメクタイト粘土。
73. 分散剤が無機又は有機分散剤である、パラグラフ66~72のいずれか1つのスメクタイト粘土。
74. 分散剤がリン酸ナトリウム型分散剤、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム及びピロリン酸ナトリウムである、パラグラフ66~73のいずれか1つのスメクタイト粘土。
75. 分散剤がアクリルアミド型分散剤である、パラグラフ66~74のいずれか1つのスメクタイト粘土。
76. 分散剤が、スメクタイト粘土の総質量に基づいて約5wt%以下の量で使用される、パラグラフ66~75のいずれか1つのスメクタイト粘土。