(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】プレス機械及びプレス機械の動作設定方法
(51)【国際特許分類】
B30B 15/14 20060101AFI20240417BHJP
B30B 1/26 20060101ALI20240417BHJP
B30B 15/00 20060101ALI20240417BHJP
B30B 15/28 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B30B15/14 F
B30B1/26 A
B30B15/00 D
B30B15/28 K
(21)【出願番号】P 2021050077
(22)【出願日】2021-03-24
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000100861
【氏名又は名称】アイダエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100143513
【氏名又は名称】水島 数規
(74)【代理人】
【識別番号】100213388
【氏名又は名称】竹内 康司
(72)【発明者】
【氏名】原田 康宏
(72)【発明者】
【氏名】坂東 進太郎
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-179417(JP,A)
【文献】特開2005-014015(JP,A)
【文献】特開2003-245800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 15/14
B30B 1/26
B30B 15/00
B30B 15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転運動を直線運動に変換する偏心機構によって、電動モータの回転をスライドの往復直線運動に変換してプレス加工を行うプレス機械であって、
入力操作を受け付ける操作部と、
複数の画像を表示する表示部と、
前記操作部から入力された前記スライドのスライド動作及び被加工材料の移動動作に対応する前記複数の画像を生成する演算部と、
を含み、
前記表示部に表示された前記複数の画像は、前記偏心機構の回転動作に対応し、前記スライド動作の一行程を表す円形の第1画像と、前記第1画像と同心円上に表示される円弧状の第2画像と、前記第2画像の始端付近及び終端付近において前記第2画像上または前記第2画像の延長線上に表示される第3画像と、を含み、
前記第1画像は、少なくとも一つのスライド動作領域を含み、
前記第2画像は、前記プレス機械と連動する前記移動動作に対応する第1領域と、前記第1領域の終端に接続する第2領域と、前記第2領域の終端に接続する第3領域とを含み、
前記第1領域は、前記移動動作に要する移動時間を表し、
前記第3領域は、前記移動動作の不良がある場合に、前記スライドを停止するスライド停止処理に要する停止時間を表し、
前記第2領域は、前記移動時間の経過後、前記スライド停止処理が開始されるまでの遅延時間を表し、
前記第3画像は、水平方向に延びる少なくとも1本の直線を含み、
前記演算部は、前記操作部からの入力に基づく前記スライド動作と前記移動動作との関係において前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能か否かの判断要素として前記第3画像を前記表示部に表示させ
、
前記表示部は、前記直線より上方に前記第3領域を表示することで前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能であることを示し、かつ、前記直線より下方に前記第3領域の少なくとも一部を表示することで前記スライド動作及び前記移動動作が設定できないことを示すことを特徴とする、プレス機械。
【請求項2】
請求項
1において、
前記操作部は、前記第1領域の始端を前記入力操作に伴って移動することにより、前記移動動作の移動開始位置を変更可能であり、
前記移動開始位置が変更されると、前記演算部は、前記スライド動作に対して変更後の前記移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理を実行し、前記判定処理による判定結果として変更後の前記第2画像と前記第3画像とを前記表示部に表示する表示処理を実行することを特徴とする、プレス機械。
【請求項3】
請求項
1において、
前記操作部は、前記第3画像の表示位置を前記入力操作に伴って移動可能であり、
前記演算部は、前記操作部に対する前記入力操作によって前記第3画像の前記表示位置が変更されると、変更後の前記スライド動作に対して前記移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理を実行し、前記判定処理による判定結果として変更後の前記第3画像と前記第2画像とを前記表示部に表示する表示処理を実行することを特徴とする、プレス機械。
【請求項4】
請求項
1において、
前記スライド動作領域は、前記偏心機構の振子動作に対応する振子型スライド動作領域であり、
前記操作部は、前記振子型スライド動作領域の少なくとも一端を前記入力操作に伴って移動することにより、前記振子動作の反転位置を変更可能であり、
前記演算部は、前記反転位置が変更されると、変更後の前記スライド動作に対して前記移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理を実行し、前記判定処理による判定結果として変更後の前記第1画像、前記第2画像及び前記第3画像とを前記表示部に表示する表示処理を実行することを特徴とする、プレス機械。
【請求項5】
請求項
2~4のいずれか一項において、
前記表示処理は、前記判断要素として距離情報及び時間情報の少なくとも一方を前記表示部にさらに表示することを特徴とする、プレス機械。
【請求項6】
回転運動を直線運動に変換する偏心機構によって、電動モータの回転をスライドの往復直線運動に変換してプレス加工を行うプレス機械の動作設定方法であって、
前記プレス機械の演算部は、
前記偏心機構の回転動作に対応し、スライド動作の一行程を表す円形の第1画像と、前記第1画像と同心円上に表示される円弧状の第2画像と、前記第2画像の始端付近及び終端付近において前記第2画像上または前記第2画像の延長線上に表示される第3画像と、を表示部に表示し、
操作部からの入力操作に基づく前記スライド動作と被加工材料の移動動作との関係において前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能か否かを判定し、
前記判定の結果として変更後の前記第1画像、前記第2画像及び前記第3画像を前記表示部に表示する処理を実行し、
前記第1画像は、少なくとも一つのスライド動作領域を含み、
前記第2画像は、前記プレス機械と連動する前記移動動作に対応する第1領域と、前記第1領域の終端に接続する第2領域と、前記第2領域の終端に接続する第3領域とを含み、
前記第1領域は、前記移動動作に要する移動時間を表し、
前記第3領域は、前記移動動作の不良がある場合に、前記スライドを停止するスライド停止処理に要する停止時間を表し、
前記第2領域は、前記移動時間の経過後、前記スライド停止処理が開始されるまでの遅
延時間を表
し、
前記第3画像は、水平方向に延びる少なくとも1本の直線を含み、
前記表示部は、前記直線より上方に前記第3領域を表示することで前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能であることを示し、かつ、前記直線より下方に前記第3領域の少なくとも一部を表示することで前記スライド動作及び前記移動動作が設定できないことを示すことを特徴とする、プレス機械の動作設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス機械及びプレス機械の動作設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス機械において、スライドの位置(クランク角度)を検出する方法として、例えば、クランク軸にエンコーダを取り付けたものは良く知られている。そして、このエンコーダからの出力を利用し、付属装置(プレス本体に取り付ける装備品や付属装置及び、外部周辺装置を含む)を起動(ON)または停止(OFF)するタイミング信号を出力するプレス機械用のタイミングスイッチもよく知られている。例えば、特許文献1には、エンコーダの出力を利用したタイミングスイッチが開示されている。また、付属装置の起動または停止の動作に関するタイミングスイッチの設定方法として、例えば、特許文献2には、動作開始と動作終了のタイミングスイッチを表形式でインターフェイスに表示し、その表に数値を入力する方法が開示されている。
【0003】
このような付属装置における動作の設定では、行程(時間乃至クランク角度)ごとのスライド位置として規定される、スライドモーション(以下「スライド動作」)と付属装置の動作との間で干渉回避のためにどの程度の余裕があるのか、ということについて、操作者が直感的にイメージしにくいという問題があった。特に、熟練の操作者は、スライド動作に関して、スライドを駆動する偏心機構の回転動作としてイメージして、その回転角度に合わせて付属装置の動作を設定することがある。従来の表形式のインターフェイスでは操作者の熟練度に依存することになるため、結果的に操作者の意図したものとは異なる動作設定になってしまう恐れがあった。このことから、スライド動作を任意に変更可能なサーボプレス機械の場合、設定にはより高度な熟練が求められた。
【0004】
操作者が設定後のスライドの動作と付属装置の動作との関係を視覚的に認識しながら付属装置の動作の設定をすることができるプレス機械及びプレス機械の動作設定方法が特許文献3に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9―225696号公報
【文献】特開2004-58152号公報
【文献】特開2020-179417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、操作者がスライド動作と被加工材料の移動動作との関係を視覚的に容易に認識しながらスライド動作及び移動動作を設定できるプレス機械及びプレス機械の動作設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
【0008】
[1]本発明に係るプレス機械の一態様は、
回転運動を直線運動に変換する偏心機構によって、電動モータの回転をスライドの往復直線運動に変換してプレス加工を行うプレス機械であって、
入力操作を受け付ける操作部と、
複数の画像を表示する表示部と、
前記操作部から入力された前記スライドのスライド動作及び被加工材料の移動動作に対応する前記複数の画像を生成する演算部と、
を含み、
前記表示部に表示された前記複数の画像は、前記偏心機構の回転動作に対応し、前記スライド動作の一行程を表す円形の第1画像と、前記第1画像と同心円上に表示される円弧状の第2画像と、前記第2画像の始端付近及び終端付近において前記第2画像上または前記第2画像の延長線上に表示される第3画像と、を含み、
前記第1画像は、少なくとも一つのスライド動作領域を含み、
前記第2画像は、前記プレス機械と連動する前記移動動作に対応する第1領域と、前記第1領域の終端に接続する第2領域と、前記第2領域の終端に接続する第3領域とを含み、
前記第1領域は、前記移動動作に要する移動時間を表し、
前記第3領域は、前記移動動作の不良がある場合に、前記スライドを停止するスライド停止処理に要する停止時間を表し、
前記第2領域は、前記移動時間の経過後、前記スライド停止処理が開始されるまでの遅延時間を表し、
前記第3画像は、水平方向に延びる少なくとも1本の直線を含み、
前記演算部は、前記操作部からの入力に基づく前記スライド動作と前記移動動作との関係において前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能か否かの判断要素として前記第3画像を前記表示部に表示させ、
前記表示部は、前記直線より上方に前記第3領域を表示することで前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能であることを示し、かつ、前記直線より下方に前記第3領域の少なくとも一部を表示することで前記スライド動作及び前記移動動作が設定できないことを示すことを特徴とする。
【0009】
前記プレス機械の一態様によれば、表示部に表示された第1画像、第2画像及び第3画像の位置により操作者がスライド動作と移動動作との関係を視覚的に容易に認識しながら両動作を設定できる。
【0011】
前記プレス機械の一態様によれば、第3画像を直線で表すことにより、当該直線に対する第3領域の位置によりスライド動作及び移動動作が設定できるか否かを操作者が視覚的に容易に認識できる。
【0012】
[2]前記プレス機械の一態様において、
前記操作部は、前記第1領域の始端を前記入力操作に伴って移動することにより、前記移動動作の移動開始位置を変更可能であり、
前記移動開始位置が変更されると、前記演算部は、前記スライド動作に対して変更後の前記移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理を実行し、前記判定処理による判定結果として変更後の前記第2画像と前記第3画像とを前記表示部に表示する表示処理を実行することができる。
【0013】
前記プレス機械の一態様によれば、被加工材料の移動開始位置を変更した際にスライド動作に対して変更後の移動動作が設定可能か否かを視覚的に認識できるので、操作者が設定値を安心して変更することができる。
【0014】
[3]前記プレス機械の一態様において、
前記操作部は、前記第3画像の表示位置を前記入力操作に伴って移動可能であり、
前記演算部は、前記操作部に対する前記入力操作によって前記第3画像の前記表示位置が変更されると、変更後の前記スライド動作に対して前記移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理を実行し、前記判定処理による判定結果として変更後の前記第3画像と前記第2画像とを前記表示部に表示する表示処理を実行することができる。
【0015】
前記プレス機械の一態様によれば、第3画像を移動した際に移動動作が設定できるか否かを視覚的に認識できるので、操作者が安心して第3画像の表示位置を変更できる。
【0016】
[4]前記プレス機械の一態様において、
前記スライド動作領域は、前記偏心機構の振子動作に対応する振子型スライド動作領域であり、
前記操作部は、前記振子型スライド動作領域の少なくとも一端を前記入力操作に伴って移動することにより、前記振子動作の反転位置を変更可能であり、
前記演算部は、前記反転位置が変更されると、変更後の前記スライド動作に対して前記移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理を実行し、前記判定処理による判定結果として変更後の前記第1画像、前記第2画像及び前記第3画像とを前記表示部に表示する表示処理を実行することができる。
【0017】
前記プレス機械の一態様によれば、振子動作の反転位置を変更した際に変更後のスライド動作に対して移動動作が設定可能か否かを視覚的に認識できるので、操作者が安心して反転位置を変更できる。
【0018】
[5]前記プレス機械の一態様において、
前記表示処理は、前記判断要素として距離情報及び時間情報の少なくとも一方を前記表示部にさらに表示することができる。
【0019】
前記プレス機械の一態様によれば、距離情報などの情報を表示することにより操作者がスライド動作に対する移動動作のクリアランスを具体的に認識できるので、より詳細なスライド動作の設定が可能となる。
【0020】
[6]本発明に係るプレス機械の動作設定方法の一態様は、
回転運動を直線運動に変換する偏心機構によって、電動モータの回転をスライドの往復直線運動に変換してプレス加工を行うプレス機械の動作設定方法であって、
前記プレス機械の演算部は、
前記偏心機構の回転動作に対応し、スライド動作の一行程を表す円形の第1画像と、前記第1画像と同心円上に表示される円弧状の第2画像と、前記第2画像の始端付近及び終端付近において前記第2画像上または前記第2画像の延長線上に表示される第3画像と、を表示部に表示し、
操作部からの入力操作に基づく前記スライド動作と被加工材料の移動動作との関係において前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能か否かを判定し、
前記判定の結果として変更後の前記第1画像、前記第2画像及び前記第3画像を前記表示部に表示する処理を実行し、
前記第1画像は、少なくとも一つのスライド動作領域を含み、
前記第2画像は、前記プレス機械と連動する前記移動動作に対応する第1領域と、前記第1領域の終端に接続する第2領域と、前記第2領域の終端に接続する第3領域とを含み、
前記第1領域は、前記移動動作に要する移動時間を表し、
前記第3領域は、前記移動動作の不良がある場合に、前記スライドを停止するスライド停止処理に要する停止時間を表し、
前記第2領域は、前記移動時間の経過後、前記スライド停止処理が開始されるまでの遅延時間を表し、
前記第3画像は、水平方向に延びる少なくとも1本の直線を含み、
前記表示部は、前記直線より上方に前記第3領域を表示することで前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能であることを示し、かつ、前記直線より下方に前記第3領域の少なくとも一部を表示することで前記スライド動作及び前記移動動作が設定できないことを示すことを特徴とする。
【0021】
前記プレス機械の動作設定方法の一態様によれば、判定結果として変更後の前記第1画像、第2画像及び前記第3画像を表示部に表示することで、スライド動作及び移動動作の設定が可能か否かを操作者が視覚的に容易に認識できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るプレス機械の一態様及びプレス機械の動作設定方法の一態様によれば、操作者がスライド動作と移動動作を視覚的に容易に認識しながら移動動作を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態に係るプレス機械と移動装置を示す正面図である。
【
図2】本実施形態に係るプレス機械の操作盤のブロック図である。
【
図3】振り子動作におけるスライド動作を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るプレス機械の表示部を拡大して示す図である。
【
図5】本実施形態に係るプレス機械の表示部を拡大して示す図である。
【
図6】本実施形態に係るプレス機械の表示部を拡大して示す図である。
【
図7】本実施形態に係るプレス機械の表示部を拡大して示す図である。
【
図8】本実施形態に係るプレス機械の表示部を拡大して示す図である。
【
図9】本実施形態に係るプレス機械の表示部を拡大して示す図である。
【
図10】本実施形態に係るプレス機械の表示部を拡大して示す図である。
【
図11】本実施形態に係るプレス機械の動作設定方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0025】
本実施形態に係るプレス機械は、回転運動を直線運動に変換する偏心機構によって、電動モータの回転をスライドの往復直線運動に変換してプレス加工を行うプレス機械であって、入力操作を受け付ける操作部と、複数の画像を表示する表示部と、前記操作部から入力された前記スライドのスライド動作及び被加工材料の移動動作に対応する前記複数の画像を生成する演算部と、を含み、前記表示部に表示された前記複数の画像は、前記偏心機構の回転動作に対応し、前記スライド動作の一行程を表す円形の第1画像と、前記第1画像と同心円上に表示される円弧状の第2画像と、前記第2画像の始端付近及び終端付近において前記第2画像上または前記第2画像の延長線上に表示される第3画像と、を含み、前記第1画像は、少なくとも一つのスライド動作領域を含み、前記第2画像は、前記プレス機械と連動する前記移動動作に対応する第1領域と、前記第1領域の終端に接続する第2領域と、前記第2領域の終端に接続する第3領域とを含み、前記第1領域は、前記移動動作に要する移動時間を表し、前記第3領域は、前記移動動作の不良がある場合に、前記スライドを停止するスライド停止処理に要する停止時間を表し、前記第2領域は、前記移動時間の経過後、前記スライド停止処理が開始されるまでの遅延時間を表し、前記演算部は、前記操作部からの入力に基づく前記スライド動作と前記移動動作との関係において前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能か否かの判断要素として前記第3画像を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0026】
本実施形態に係るプレス機械の動作設定方法は、回転運動を直線運動に変換する偏心機
構によって、電動モータの回転をスライドの往復直線運動に変換してプレス加工を行うプレス機械の動作設定方法であって、前記プレス機械の演算部は、前記偏心機構の回転動作に対応し、スライド動作の一行程を表す円形の第1画像と、前記第1画像と同心円上に表示される円弧状の第2画像と、前記第2画像の始端付近及び終端付近において前記第2画像上または前記第2画像の延長線上に表示される第3画像と、を表示部に表示し、操作部からの入力操作に基づく前記スライド動作と被加工材料の移動動作との関係において前記スライド動作及び前記移動動作が設定可能か否かを判定し、前記判定の結果として変更後の前記第1画像、前記第2画像及び前記第3画像を前記表示部に表示する処理を実行し、前記第1画像は、少なくとも一つのスライド動作領域を含み、前記第2画像は、前記プレス機械と連動する前記移動動作に対応する第1領域と、前記第1領域の終端に接続する第2領域と、前記第2領域の終端に接続する第3領域とを含み、前記第1領域は、前記移動動作に要する移動時間を表し、前記第3領域は、前記移動動作の不良がある場合に、前記スライドを停止するスライド停止処理に要する停止時間を表し、前記第2領域は、前記移動時間の経過後、前記スライド停止処理が開始されるまでの遅延時間を表すことを特徴とする。
【0027】
1.プレス機械
図1~
図3を用いて、プレス機械1の概要について説明する。
図1は本実施形態に係るプレス機械1と移動装置72を示す正面図であり、
図2は本実施形態に係るプレス機械1の操作盤20のブロック図であり、
図3は振り子動作におけるスライド動作SM1を示す図である。
【0028】
1-1.プレス機械の概要
図1に示すように、プレス機械1は、回転運動を直線運動に変換する偏心機構4によって、電動モータ7の回転をスライド3の往復直線運動に変換してプレス加工を行う。移動装置72は、プレス機械1と連動する。移動装置72は、プレス機械1へ被加工材料74を間欠的に送る移動動作を繰り返す。
【0029】
プレス機械1は、クランクシャフト5とコネクティングロッド6を有する偏心機構4、偏心機構4を駆動する電動モータ7、偏心機構4と電動モータ7とを接続する減速機構8、及びプレス機械1の各種の設定及び操作を行う操作盤20を有する。プレス機械1は、サーボプレス機械であってもよいし、図示しないクラッチ、フライホイールなどをさらに有するメカプレス機械であってもよい。
【0030】
電動モータ7としては、交流サーボモータ(同期型モータ又は誘導型モータを選択可能)、直流サーボモータなどを採用することができる。
【0031】
偏心機構4は、クランクシャフト5を用いるクランク機構に限らず、エキセントリック軸を有するクランク機構を採用することができる。また、偏心機構4として、プレス機械1に用いられている公知のスライド駆動機構、例えば、ナックル機構、リンク機構等による倍力機構を用いることができる。また、メインギヤと一体となった偏心板を有する機構を用いることもできる。クランクシャフト5は、上死点17と下死点18(
図1に破線で示す)の間を電動モータ7の駆動によって回転する。
【0032】
ボルスタ2及びスライド3にはそれぞれ金型(上型13、下型14)が固定される。コネクティングロッド6の下端側に接続されたスライド3は、電動モータ7の駆動によりクランクシャフト5を回転させることでボルスタ2に対し昇降する。スライド3が鉛直方向に昇降する移動範囲10は、上昇限11と下降限12(
図1に破線で示す)との間の範囲である。
【0033】
移動装置72は、型開状態の上型13と下型14の間へ例えばシート状の被加工材料74を送るため、プレス機械1に隣接して配置される。
図1では移動装置72は、プレス機械1の一方の側面に固定される。本実施形態における移動装置72は、被加工材料74を挟む一対のローラを備えるいわゆる送り装置である。移動装置72は、あらかじめ設定された移動動作に従って、被加工材料74を所定距離だけプレス機械1の金型間へプレス動作に合わせて間欠的に送り出す。移動装置72は、被加工材料74を保持するアンコイラ70と、移動動作の移動完了を確認するミスフィード検出器76とを備えてもよい。移動装置72は、付属装置としてプレス機械1に後付けされてもよいし、プレス機械1の一部としてあらかじめ備えられてもよい。移動装置72は、被加工材料74を一方向へ送り出す送り装置の例について説明するが、フィードバーに取り付けられた複数のフィンガーで被加工材料74を保持して搬送する公知のトランスファ装置としてもよい。
【0034】
アンコイラ70は、シート状の被加工材料74をコイル状に巻き付けて保持し、コイル状の被加工材料74を回転することで移動装置72へ一定速度で送り出す。
【0035】
ミスフィード検出器76は、移動装置72によって被加工材料74が所定位置まで送られたこと(移動完了)を確認する機能を備える。ミスフィード検出器76は、プレス機械1に固定され、移動装置72とは金型を挟んで反対側に配置される。ミスフィード検出器76の配置は、被加工材料74がプレス加工を開始できる移動完了位置にあることを検出できる位置であればよい。ミスフィード検出器76は、被加工材料74の送り方向の先端に接触して検知する接触式の例を示すが、光学センサや磁気センサを用いた非接触式であってもよいし、ミスフィード検出器76の代わりに移動装置72の移動動作に関する出力から被加工材料74の位置を推測してもよい。また、移動装置72がトランスファ装置である場合には、ミスフィード検出器76は、フィンガーにおける保持ミスの検出器と、フィードバーの位置検出器とをさらに含んでもよく、移動完了の確認機能に加えてフィンガーの退避を確認する機能を備えてもよい。これは、トランスファ装置では金型と干渉する位置までフィンガーが入り込むため、フィンガーが金型と干渉しない位置まで退避することを確認する必要があるからである。
【0036】
1-2.操作盤
操作盤20は、入力操作を受け付ける操作部24及び第2操作部25と、複数の画像を表示する表示部22と、操作部24から入力されたスライド3のスライド動作及び被加工材料74の移動動作に対応する複数の画像を生成する演算部26と、を含む。表示部22に表示された複数の画像は、少なくとも第1画像40、第2画像50及び第3画像60を含む。第1画像40は、偏心機構4の回転動作に対応し、スライド動作の一行程を表す円形の画像である。一行程は、スライド3が下降開始から上昇終了までの動作であって、スライド3が一度だけ往復する動作である。第2画像50は移動装置72の移動動作とスライド停止処理に対応し、第3画像60はスライド動作及び移動動作が設定可能か否かの判断要素を表す。
【0037】
操作盤20は、プレス機械1に取り付けられ、プレス機械1及び移動装置72と電気的に接続される。操作盤20は、プレス機械1を操作する操作者がプレス機械1の各種設定及び操作を行うものである。操作盤20は、さらに移動装置72の各種設定及び操作を行うものであってもよいし、移動装置72に対し各種信号を送受信するものであってもよい。
【0038】
表示部22は、演算部26によって生成された画像を表示するものである。表示部22は、操作盤20の一部として説明するが、これに限らず、プレス機械1の運転状態を表示するための表示装置として操作盤20から物理的に独立してもよい。そのような表示装置としては、例えばタブレットパソコンやスマートフォンのような携帯型端末のディスプレ
イであってもよく、携帯型端末がさらに演算部26等の操作盤20の一部機能を備えてもよい。その場合、表示装置と操作盤20との間でデータを送受信するための通信機能を双方が備える。表示部22は、液晶画面(LCD(Liquid Crystal Display))である。表示部22として公知の他の表示装置(例えば有機EL(Electro Luminescence)等)を用いてもよい。表示部22には操作者のための各種ユーザーインターフェイス(GUI(Graphical User Interface))を表示させることができる。
【0039】
操作部24は、例えば、表示部22に設けられる。操作部24は、表示部22と一体に設けられたタッチパネル式であり、操作部24に対する入力操作は、タッチ操作で行うことができる。表示部22上の操作部24に対し操作者がタッチ操作で入力することにより、表示された第1画像40、第2画像50及び第3画像60を変更させることができるため、操作性が向上する。操作部24に対する入力操作によって変更した第1画像40及び第2画像50が演算部26によって設定可能であると判定されると、さらなる入力操作によって変更後の第1画像40及び第2画像50に対応するスライド動作及び移動動作が記憶部28に記憶される。タッチパネル式は、表示部22に指やペンで直接触れることにより操作部24の操作を行うことができる。タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等の公知の方式のタッチパネルを用いることができる。操作部24は、表示部22と一体のタッチパネル式に限らず、表示部22に表示された第1画像40、第2画像50及び第3画像60等を変更させる操作が可能であれば表示部22に対し着脱可能なパネルであってもよいし、表示部22とは別に設けられた公知の入力手段(例えばマウス、トラックボール、キーボード等)を採用してもよい。第2操作部25は、操作者が操作する物理的なボタン等が配置される。第2操作部25は、タッチパネル式の操作部24の代わりに操作できる入力手段及び操作部24とは異なる操作用の入力手段を含む。操作部24及び第2操作部25は、第1画像40、第2画像50及び第3画像60等を変更させるために、各画像に対応する数値情報を入力操作してもよい。
【0040】
図2に示すように、操作盤20は、表示部22、操作部24及び第2操作部25と電気的に接続する演算部26及び記憶部28を含む。
【0041】
演算部26は、CPU(Central Processing Unit)であり、記憶部28に記憶されたプログラムを実行することによってプレス加工の処理を実行する。また、演算部26は、操作者による操作部24及び第2操作部25に対する入力操作に従ってスライド動作及び移動動作を設定することができ、また記憶部28に予め記憶されたスライド動作及び移動動作を変更し設定することができる。具体的には、演算部26は、スライド動作及び移動動作に対応した第1画像40、第2画像50及び第3画像60等を生成し、生成したこれらの画像を表示部22に表示する処理を実行できる。また、演算部26は、操作部24等に対する入力操作によって変更したスライド動作等に対応する第1画像40等を生成し、生成したこれらの画像を表示部22に表示する処理を実行できる。さらに、演算部26は、操作部24及び第2操作部25からの入力操作に基づくスライド動作と被加工材料74の移動動作との関係において変更後のスライド動作及び移動動作が設定可能か否かを判定する処理を実行でき、判定の結果として変更後の第1画像40、第2画像50及び第3画像60を表示部22に表示する処理を実行できる。さらに、演算部26は、設定可能と判定すれば、変更後のスライド動作及び移動動作を記憶部28に記憶させかつ設定することができ、記憶部28に記憶させた設定後のスライド動作及び移動動作に従ってプレス機械1にプレス加工を実行させ、移動装置72に被加工材料74の移動を実行させることができる。
【0042】
記憶部28は、プレス機械1のプログラムや設定データ、例えばプレス機械1がサーボ
プレス機械である場合はスライド動作及び移動動作のデータを記憶する。演算部26は、記憶部28に記憶されかつ設定されたスライド動作のデータに従い、この場合は電動モータ7であるサーボモータに指令を出力し、サーボモータがこの指令に従って駆動することで予め設定されたスライド動作のデータに従ってスライド3を動作させる。演算部26は、記憶部28に記憶されかつ設定された移動動作のデータに従って移動装置72を動作させる。
【0043】
1-3.スライド動作と移動動作
スライド動作のデータは、例えば
図3に示す振子動作におけるスライド動作SM1のように、1サイクルのスライド3の動作曲線で表すことができ、通常は縦軸にスライド3のスライド位置(スライド3のストローク)(mm)、横軸に時間(sec)で表される。
図3のスライド動作SM1は、スライド3が上死点まで戻ることなく反転位置H3で反転して再び下降するいわゆる振子型のスライド動作を示す。
図3では略二行程分を示すが、移動動作との関係から下死点から次の下死点までのスライド動作を一行程と考えてもよい。移動動作は、被加工材料74を送り始めてから被加工材料74を停止するまでの移動装置72の動作である。干渉位置H1は、プレス機械1と移動装置72との干渉が発生する可能性が高いスライド3の高さであって、金型に応じて設定される値である。ここで「プレス機械1と移動装置72との干渉」とは、プレス機械1の一部(金型を含む)と移動装置72の一部(移動装置72によって移動された被加工材料74を含む)との干渉である。プレス機械1と移動装置72との干渉は、例えば、本実施形態であればプレス機械1の上型13と移動装置72により送られる被加工材料74との干渉であるが、移動装置72がトランスファ装置である場合にはこれに加えて上型13とフィンガーとの干渉も含む。したがって、スライド動作SM1におけるスライド3が干渉位置H1より高い位置にある範囲で移動装置72が移動動作を実行させていれば、被加工材料74と金型の干渉は発生しない。
【0044】
図1及び
図3を用いてスライド動作と移動装置72による移動動作との関係について説明する。
図3の例では、プレス加工後にスライド3が上昇して横軸の中心付近で干渉位置H1を超えると、移動装置72は移動開始位置H2(時刻T1)で移動動作を開始して、被加工材料74を上昇中の上型13と下型14との間に送り出す。あらかじめ設定された移動動作が正常に実行されれば、スライド3の反転位置H3を過ぎた移動完了位置H4(時刻T2)で被加工材料74の先端がミスフィード検出器76に接触して、ミスフィード検出器76が移動完了信号を出力して移動装置72が停止する。移動動作に異常があり、移動完了位置H4(時刻T2)を過ぎてもミスフィード検出器76からの出力信号が確認されないと、確認位置H5(時刻T3)で移動装置72が移動動作の不良信号をプレス機械1の制御部(例えば操作盤20)へ出力する。プレス機械1は、この出力に基づいてあらかじめ設定されたスライド停止処理を実行する。スライド停止処理は、演算部26の指令により電動モータ7を停止制御してスライド3を減速(一点鎖線で示す)させて、スライド3を干渉位置H1より高い停止位置H6(時刻T6)で停止させる。スライド動作SM1における停止位置H6(時刻T4)と干渉位置H1(時刻T5)との間隔が生産速度を上げるために操作者によってスライド動作と移動動作を調整できる範囲になると考えられる。
【0045】
例えば、記憶部28に
図3のスライド動作と移動動作のプログラムが設定されている場合、時刻T1から時刻T2が移動動作に要する「送り時間」であり、時刻T3から時刻T4が移動動作の不良がある場合に、スライド3を停止するスライド停止処理に要する「停止時間」であり、時刻T2から時刻T3が送り時間の経過後、スライド停止処理が開始されるまでの「遅延時間」である。停止時間は、演算部26が時刻T3におけるスライド3の速度から最も短い時間でスライド3が停止できる時間として算出する。
【0046】
従来のプレス機械の操作者は、設定値である送り時間を認識できるが時刻T2におけるスライド3の高さを認識することが難しく、また時刻T3からスライド3が停止するまでに必要なスライド3の移動距離(H5-H6)を認識することが難しい。さらに、操作者は、確認位置H5がミスフィード検出器76や移動装置72の応答速度により変わるので「遅延時間」を認識することが難しい。そのため、従来のプレス機械の操作者は、経験により振子動作の反転位置H3やBASE SPMの設定を行っているため、大きな余裕をもって設定せざるを得ず、スライド動作SM1や生産速度の最適化は難しいのが現実である。
【0047】
1-4.表示部
図1に示すように、操作盤20は、正面中央に表示部22及び操作部24を有し、表示部22の下方に第2操作部25を有する。表示部22には、プレス動作及び移動動作の設定画面として、第1画像40、第2画像50及び第3画像60が表示される。また、表示部22には、
図4~
図10に示すように判定結果表示領域54及び複数の数値表示領域500,510,520,530,540が表示される。
【0048】
2.画像及び表示領域
図4~
図10を用いて、
図1~
図3で説明したプレス機械1の表示部22に表示される画像について説明する。
図4~
図10は、本実施形態に係るプレス機械1の表示部22を拡大して示す図である。
図4~
図9は振子動作のスライド動作を設定する表示部22を示し、
図10は回転動作のスライド動作を設定する表示部22を示す。
【0049】
図4~
図10に示す第1画像40及び第2画像50は、プレス機械1及び移動装置72に対してあらかじめ設定された基準となるスライド動作及び移動動作の初期データに基づいて演算部26が生成した画像であってもよいし、これらを変更した後のスライド動作及び移動動作のデータに基づいて演算部26が生成した画像であってもよい。また、第3画像60は、金型によってあらかじめ設定されるデータに基づいて演算部26が生成した画像である。
【0050】
図4~
図6に示すように、第1画像40は、プレス機械1の偏心機構4の回転動作に対応した円形の画像である。第1画像40は、幅広の帯状の円環であって、上端がクランクシャフト5の上死点17に対応し、下端がクランクシャフト5の下死点18に対応する。したがって、第1画像40の上端と下端との間がスライド3の直線運動における移動範囲10に対応する。
【0051】
第1画像40の上端にはクランクシャフト5の回転角として「0°」と表示され、下端には同回転角として「180°」と表示される。第1画像40を偏心機構4の回転動作に対応する円形の画像とすることによって、操作者がスライド動作を視覚的に認識しやすいため、操作性が向上する。また、第1画像40の幅(太さ)は、スライド3の速度に対応し、
図4に示す第1画像40の最大幅がスライド3の最大速度を表す。ここでスライド3の速度とは、目標とする速度をいい、その速度でスライド3が移動するように操作盤20は電動モータ7に指令を出す。
【0052】
第1画像40は、少なくとも一つのスライド動作領域(41,42)を含む。
図4~
図9の第1画像40のスライド動作領域は、偏心機構4の振子動作に対応する振子型スライド動作領域41である。振子型スライド動作領域41は、第1画像40が延在する方向に沿って形成される。
図4~
図6、
図8及び
図9の振子型スライド動作領域41は、偏心機構4が等速回転する振子型のスライド動作を表し、
図7の偏心機構4が複数の速度で回転する振子型のスライド動作を表す。
図7に示すように、振子型スライド動作領域41は、複数のスライド動作領域410,412,414に分割でき、その分割したそれぞれの領
域ごとに幅を変更することでスライド3の設定速度を変更できる。
図7の例ではスライド動作領域412の幅が狭くなり、他のスライド動作領域410,414よりも遅い速度に設定されている。また、隣接するスライド動作領域の境界は、操作部24に対する入力操作に伴って第1画像40が延在する方向に沿って移動可能である。
図7のスライド動作領域412の例であれば、下死点(0.0mm)から30.0mmの高さでスライド動作領域410からスライド動作領域412に切り替わるように設定されることを示すが、両領域410,412の境界を第1画像40に沿って移動させて、例えば40.0mmの高さへ移動させれば、下死点からの高さが40.0mmでスライド動作領域410からスライド動作領域412に切り替わるように設定を変更できる。このように、操作者はスライド動作を視覚的に認識しながら入力操作することができるので、プレス機械1は動作設定の操作性に優れる。
【0053】
第2画像50は、第1画像40と同心円上に表示される円弧状の画像である。第2画像50は、プレス機械1と連動する移動装置72の移動動作に対応する第1領域51と、第1領域51の終端51bに接続する第2領域52と、第2領域52の終端52bに接続する第3領域53とを含む。第2画像50は、第1画像40の外周縁に沿って配置される。第1領域51~第3領域53は、連続して配置される。第1領域51は、送り時間を表し、第2領域52は、遅延時間を表し、第3領域53は、停止時間を表す。
【0054】
第3画像60は、第2画像50の始端51a付近及び終端53b付近において第2画像50上または第2画像50の延長線上に表示される。演算部26は、操作部24または第2操作部25からの入力に基づくスライド動作と移動動作との関係においてスライド動作及び移動動作が設定可能か否かの判断要素として第3画像60を表示部22に表示させる。すなわち、表示部22は、プレス機械1と移動装置72との干渉の有無を第3領域53と第3画像60との相対位置で表すことができる。例えば、スライド動作及び移動動作が設定可能という判定結果における相対位置は、第3領域53と第3画像60とが間隔を空けて配置されて、プレス機械1と移動装置72が干渉しないことを表す。また、スライド動作及び移動動作が設定できないという判定結果における相対位置は、第3領域53と第3画像60とが接触した状態で配置されて、プレス機械1と移動装置72が干渉することを表す。このように停止時間に係る第3領域53と干渉位置H1に係る第3画像60とを表示部22に表示することで、プレス機械1と移動装置72との干渉の有無を操作者が視覚的に容易に認識できる。
【0055】
第3画像60は、例えば、水平方向に延びる少なくとも1本の直線を含む。本実施例では第3画像60は、破線で表示され、操作部24により表示部22の上下に移動可能である。表示部22は、第3画像60の直線より上方に第3領域53を表示することでスライド動作及び移動動作が設定可能であることを示し、かつ、直線より下方に第3領域53の少なくとも一部を表示することでスライド動作及び移動動作が設定できないことを示す。干渉位置H1に対応する第3画像60を直線で表すことにより、当該直線に対する第3領域53の位置によりスライド動作及び移動動作が設定できるか否かを操作者が視覚的に容易に認識できる。
図4~
図9の例では、第3領域53の終端53bの全部が第3画像60を超えて表示される場合に上型13と被加工材料74との干渉が有るため、スライド動作及び移動動作が設定できないことを示す。また、
図6に示すように第3画像60は、複数の直線で表してもよく、例えば、水平方向に延びる第1直線60aと第2直線60bで表してもよい。
【0056】
第1画像40、第2画像50及び第3画像60を、
図3のスライド動作SM1と比較しながら説明する。第1画像40の振子型スライド動作領域41は、
図3における反転位置H3から下降して下死点で折り返して再び反転位置H3まで上昇する動作を繰り返す振子動作のスライド動作SM1に対応する。第3画像60は、
図3における干渉位置H1の破
線に対応する。
図4の振子型スライド動作領域41(
図3のスライド動作SM1)は、下死点から
図4の左側へ上昇して一端41a(反転位置H3)へ至り、
図4の右側の他端41b(反転位置H3)から下死点へ向かって下降する動作と考えることができる。その場合、第1領域51の始端51aが
図3の干渉位置H1より高い移動開始位置H2(時刻T1)に該当し、終端51b及び第2領域52の始端52aが移動完了位置H4(時刻T2)に該当し、終端52b及び第3領域53の始端53aが確認位置H5(時刻T3)に該当し、終端53bが干渉位置H1より高い停止位置H6(時刻T4)に該当する。
【0057】
判定結果表示領域54は、第3画像60の表示位置に合わせて表示部22の例えば右下に表示される。判定結果表示領域54は、操作部24または第2操作部25からの入力操作による演算部26で実行される判定処理の結果が表示される領域である。例えば、干渉が無い場合には「OK」という表示と共に、判断要素として距離情報及び時間情報の少なくとも一方が判定結果表示領域54に表示される。第2画像50と第3画像60との相対位置による判定結果に加えて判定結果表示領域54が表示されることで、スライド動作に対する移動動作のクリアランスを操作者が具体的に認識できる。距離情報は例えば
図3のスライド動作SM1におけるスライド3が停止すると予測される停止位置H6と干渉位置H1の差であり、時間情報は時刻T4と時刻T5との差である。
【0058】
数値表示領域500は、このプレス機械1の正転動作のスライド動作における基準のSPM(1分あたりのストローク数)を「BASE SPM(ms
-1)」として表示する。
図8に示すように、操作者は、操作部24または第2操作部25に対する入力操作により、基準のSPMを変更することができる。
図8では、
図6よりも大きな数値を基準のSPMに入力した例であり、第2画像50が第3画像60を超え、判定結果表示領域54には「NG」と判定結果が表示される。
【0059】
数値表示領域510,520,530は、表示部22に表示されている第1領域51、第2領域52及び第3領域53に対応する「送り時間(ms)」、「遅延時間(ms)」及び「停止時間(ms)」を表示する。操作者は、操作部24または第2操作部25から「送り時間」、「遅延時間」を数値で入力することができ、その数値が数値表示領域510,520に表示されると共に、第1領域51及び第2領域52が第2画像50に沿って伸縮する。
【0060】
数値表示領域520,530は、演算部26が最短時間を算出した演算結果を表示する。第2領域52及び第3領域53は、数値表示領域520,530の数値に合わせて第2画像50に沿って伸縮する。
【0061】
数値表示領域540は、表示部22に表示されている第1画像40のスライド動作におけるSPMを演算部26が算出した結果を「CYCLE SPM(ms
-1)」として表示する。
図4~
図9においては振子型スライド動作領域41のSPMが表示され、
図10においては等速のスライド動作領域42のSPMが表示される。
【0062】
図9は、
図4と同じ移動動作を表すが、第2画像50を第1画像40の一端41a側にのみ表示した例である。
図4~
図6の第2画像50は、一端41aから上死点17を超えて他端41bまで延びる部分は第1画像40に対応するように便宜的に表示しているだけであって、実際にはスライド3が動作していない範囲に対応するため、実際の移動動作には対応していない。
図9は、実際の移動動作により近い表現である。第1領域51は、円弧の内側と外側に二重に配置されており、内側の第1領域51はスライド3が上昇して一端41aで反転するまでの移動動作に対応し、外側の第1領域51はスライド3が反転して下降するときの移動動作に対応する。
図9のように表示することで、振子動作と移動動作との関係を操作者がより理解しやすい。
【0063】
図10は、等速でクランクシャフト5を一方向へ回転させて、スライド3を上死点17から下死点18を通って再び上死点17までを繰り返す正転動作を表す。第1画像40は、円環状のスライド動作領域42を表示する。このような正転動作の場合には、スライド3が上死点17まで上昇するため第3領域53と第3画像60との間隔は広く、干渉は生じにくい。
図10のように表示することで、正転動作の例えばメカプレスにおいても移動動作を操作者が把握しやすい。
【0064】
第1画像40、第2画像50及び第3画像60の操作と判定処理については、下記「3.プレス機械の動作設定方法」において説明する。
【0065】
3.プレス機械の動作設定方法
図11を用いて、
図1~
図10を用いて説明したプレス機械1の動作設定方法について説明する。
図11は、本実施形態に係るプレス機械1の動作設定方法のフローチャートである。
【0066】
図11に示すように、プレス機械1の動作設定方法は、設定変更操作(S10)と、判定処理(S20)と、表示処理(S30)と、を含む。設定変更操作(S10)を実行する前に、表示部22に第1画像40、第2画像50及び第3画像60を表示する。
【0067】
設定変更操作(S10):プレス機械1の操作者は、プレス機械1のスライド動作及び移動装置72の移動動作の設定を変更するために、操作盤20の操作部24及び/または第2操作部25を用いて、表示部22に表示された第1画像40、第2画像50及び第3画像60に対して入力操作を行う。
【0068】
入力操作としては、タッチパネル式の操作部24に対し操作者が指80を接触させてタップ、ピンチイン、ピンチアウト、スワイプ、ドラッグ等のスマートフォンで用いる操作方法を採用することができる。入力操作として、上述した第2操作部25や他の公知の装置を採用してもよい。例えば、キーボード画像による入力や、第1画像40、第2画像50及び第3画像60等に対しマウス等を使って表示部22に表示されたカーソルをクリック、ドラック、ドロップ等することで操作してもよい。数値表示領域500,510,520への入力は、第2操作部25のテンキーを用いて入力してもよい。
【0069】
判定処理(S20):演算部26は、設定変更操作(S10)による操作部24及び/または第2操作部25からの入力操作に基づくスライド動作と被加工材料74の移動動作との関係においてスライド動作及び移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理を実行する。判定処理において、演算部26は、変更後のスライド動作及び移動動作によって動作させた場合にプレス機械1及び移動装置72が干渉する場合には設定不可能と判定し、干渉しない場合には設定可能と判定する。
【0070】
表示処理(S30):演算部26は、判定処理(S20)による判定結果として変更後の第1画像40、第2画像50及び第3画像60を表示部22に表示する処理を実行する。判定処理(S20)において設定可能であると判定されたスライド動作及び移動動作は、操作部24の入力操作により記憶部28に記憶され、プレス機械1及び移動装置72の動作プログラムに設定される。プレス機械1及び移動装置72は、設定後のスライド動作及び移動動作に従ってプレス加工が実行可能である。
【0071】
設定変更操作(S10)~表示処理(S30)の実施例について、
図4~
図10を用いて以下説明する。
【0072】
図4に示す、プレス機械1の動作設定方法は、設定変更操作(S10)において第2画像50に対し入力操作を行うことで、スライド動作及び移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理(S20)を実行し、判定処理(S20)による判定結果として例えば第3領域53と第3画像60との相対位置を表示部22に表示する表示処理(S30)を実行した結果を示す。判定結果として変更後の第1画像40、第2画像50及び第3画像60、例えば、第3領域53と第3画像60との相対位置を表示部22に表示することで、遅延時間を考慮した移動装置72とプレス機械1との間の干渉の可能性有無を操作者が視覚的に容易に認識できるため、操作者の経験値や熟練度を問わずに、簡易かつ迅速で確実な設定値変更作業が可能となる。
【0073】
プレス機械1により製造される製品の技術・需要動向の変化によっては、製品アウトプット(単位時間当たりの製品生産量)の増大が求められることがある。また、プレス機械1を使用する製造現場での労働者の働き方が多様化することに伴い、短時間であっても高い生産性の維持あるいは向上が求められることもある。すなわち、社会情勢の変化スピードに応じて、製品生産計画の見直しを柔軟に実行する必要性が増えつつある。
【0074】
このような状況の下、
(1)「機械プレス機からサーボプレス機に仕様変更する場合」が考えられる。
この場合、クランク等速運転の機械プレス機においては、サーボモータを使用することによりクランクシャフト5の正転モーションと逆転モーションを繰り返す振子動作による運転が可能となる。
【0075】
この振子動作では、SPM(一分間のスライドのストローク数)を増加させることができるため、製品アウトプットの増大が期待される。ただし、被加工材料74をプレス機械1内へ送る移動装置72の動作条件(送り速度・送り加速度等)についても、増加するSPM(振子動作時のSPM≒サイクルSPM)に適応させる必要がある。この際、本発明のような設定画像を用いれば、プレス機械1と移動装置72の間で干渉の可能性を回避しつつ、プレス機械1の生産能力を更に引き出せるような、移動装置72の動作条件の設定を簡易かつ迅速で確実に実行することができる。その結果、製品生産計画の見直しに柔軟に対応することが可能となる。
【0076】
また、当初からプレス機械1に振子動作を採用させている環境では、
(2)「製品アウトプットの更なる増大を図る場合」が考えられる。
製品の加工品質を適切に維持することを考慮しつつ、製品アウトプットを更に増大させるために、振子ストローク長さを短くする(振子動作の反転位置を下げる)、あるいは、振子動作時のクランク角速度を増加させることが考えられる。いずれの対策においても、移動装置72側については上述の仕様変更の場合と同様の設定変更を実行する必要がある。このような場合も、本発明のような設定画像を用いれば、プレス機械1と移動装置72の間で干渉の可能性を回避しつつ、プレス機械1の生産能力を更に引き出せるような、移動装置72の動作条件の設定を簡易かつ迅速で確実に実行することができる。
【0077】
このように、本発明によれば、刻々と変化する技術・需要動向や社会情勢に対して、柔軟な製品生産体制を構築することが可能となる。
【0078】
図4及び
図11に戻って、設定変更操作(S10)において、操作部24は、第1領域51の始端51aを入力操作に伴って移動する(例えば指80で第2画像50に沿って図の下方へ移動する)ことにより、移動動作の移動開始位置を変更可能である。また、操作部24は、第1領域51の終端51bを移動することにより移動完了位置を変更可能である。移動開始位置または移動完了位置が変更されると、演算部26は、スライド動作に対して変更後の移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理(S20)を実行し、判定処
理(S20)による判定結果として少なくとも変更後の第2画像50と第3画像60とを表示部22に表示する表示処理を実行する。このように被加工材料74の移動開始から移動完了までの設定値を変更した際にスライド動作に対して変更後の移動動作が設定可能か否かを視覚的に認識できるので、操作者が設定値を安心して変更することができる。
【0079】
図5に示すように、設定変更操作(S10)において、操作部24は、振子型スライド動作領域41の少なくとも一端41aを入力操作に伴って移動する(例えば指80で一端41aを第1画像40に沿って図の下方へ移動する)ことにより、振子動作の反転位置を変更可能である。入力操作は他端41bを移動させてもよい。そして、演算部26は、反転位置が変更されると、移動動作に利用できる時間が短くなるので、変更後のスライド動作に対して移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理(S20)を実行し、判定処理(S20)による判定結果として変更後の第1画像40、第2画像50及び第3画像60とを表示部22に表示する表示処理(S30)を実行する。このように振子動作の反転位置を変更した際に変更後のスライド動作に対して移動動作が設定可能か否かを視覚的に認識できるので、操作者が安心して反転位置を変更できる。
【0080】
図6に示すように、設定変更操作(S10)において、操作部24は、第3画像60の表示位置を入力操作に伴って移動可能である。第3画像60は、金型の交換に合わせて変更することができる。例えば、第3画像60が
図6における下死点18の左側を第1直線60a、右側を第2直線60bとするとき、指80で第2直線60bのみを上方へ移動することも可能である。そして、演算部26は、操作部24に対する入力操作によって第3画像60の表示位置が変更されると、変更後のスライド動作に対して移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理(S20)を実行し、判定処理(S20)による判定結果として少なくとも変更後の第3画像60と第2画像50とを表示部22に表示する表示処理(S30)を実行する。このように干渉位置に係る第3画像60を移動した際に移動動作が設定できるか否かを視覚的に認識できるので、操作者が安心して第3画像60の表示位置を変更できる。
【0081】
図7に示すように、設定変更操作(S10)において、操作部24は、第1画像40における振子型スライド動作領域41を複数のスライド動作領域410,412,414に分割できると共に、その分割したそれぞれの領域ごとに幅を変更することでスライド3の設定速度を変更できる。また、分割された隣接するスライド動作領域の境界は、操作部24に対する入力操作に伴って第1画像40が延在する方向に沿って移動可能である。そして、演算部26は、操作部24に対する入力操作によって第1画像40が変更されると、変更後のスライド動作に対して移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理(S20)を実行し、判定処理(S20)による判定結果として変更後の第1画像40、第2画像50及び第3画像60を表示部22に表示する表示処理(S30)を実行する。このように第1画像40を分割し幅を変更した際に移動動作が設定できるか否かを視覚的に認識できるので、操作者が安心して第1画像40を変更できる。
【0082】
図8に示すように、設定変更操作(S10)において、操作部24に対する入力操作により、数値表示領域500における基準のSPMの数値を変更することができる。そして、演算部26は、操作部24に対する入力操作によって数値表示領域500が変更されると、変更後のスライド動作に対して移動動作が設定可能か否かを判定する判定処理(S20)を実行し、判定処理(S20)による判定結果として変更後の第1画像40、第2画像50及び第3画像60を表示部22に表示する表示処理(S30)を実行する。このように基準のSPMの数値を変更した際に移動動作が設定できるか否かを視覚的に認識できるので、操作者が安心して基準のSPMの数値を変更できる。
【0083】
また、表示処理(S30)は、判断要素として距離情報及び時間情報の少なくとも一方
を表示部22の判定結果表示領域54に表示してもよい。距離情報などの情報を表示することにより操作者がスライド動作に対する移動動作のクリアランスを具体的に認識できるので、より詳細なモーション設定が可能となる。
【0084】
図9に示す表示部22の画像は、
図4~
図8を用いて説明した各処理(S10~S30)を実行できる。
図10に示す表示部22の画像は、振子型ではないため
図5の反転位置の変更はできないが、
図4及び
図6~
図8を用いて説明した各処理(S10~S30)と同様の操作が可能である。
【0085】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能であり、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0086】
1…プレス機械、2…ボルスタ、3…スライド、4…偏心機構、5…クランクシャフト、6…コネクティングロッド、7…電動モータ、8…減速機構、10…移動範囲、11…上昇限、12…下降限、13…上型、14…下型、17…上死点、18…下死点、20…操作盤、22…表示部、24…操作部、25…第2操作部、26…演算部、28…記憶部、40…第1画像、41…振子型スライド動作領域、41a…一端、41b…他端、410,412,414…スライド動作領域、42…スライド動作領域、50…第2画像、51…第1領域、51a…始端、51b…終端、52…第2領域、52a…始端、52b…終端、53…第3領域、53a…始端、53b…終端、54…判定結果表示領域、500,510,520,530,540…数値表示領域、60…第3画像、60a…第1直線、60b…第2直線、70…アンコイラ、72…移動装置、74…被加工材料、76…ミスフィード検出器、80…指、H1…干渉位置、H2…移動開始位置、H3…反転位置、H4…移動完了位置、H5…確認位置、H6…停止位置、SM1…スライド動作、T1~T6…時刻