(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】ランダムアクセス方法及び端末装置
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240417BHJP
H04W 74/08 20240101ALI20240417BHJP
H04W 80/02 20090101ALI20240417BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W74/08
H04W80/02
(21)【出願番号】P 2021506281
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2019096738
(87)【国際公開番号】W WO2020029766
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-03-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】201810892532.9
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呉 ▲ユウ▼民
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】本郷 彰
【審判官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-534997(JP,A)
【文献】特表2013-524614(JP,A)
【文献】LG Electronics Inc.,Msg3 problem in switching between CBRA and CFRA[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2018_07_NR R2-1810686,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2018_07_NR/Docs/R2-1810686.zip>,2018年06月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に適用されるランダムアクセス方法であって、
非競合ランダムアクセス手順が成功した場合に、第2MAC PDUをターゲットHARQバッファにバッファリングすることを含み、
前記第2MAC PDUは、第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、前記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであり、前記ターゲットHARQバッファは、前記Msg3バッファとは異なるバッファであ
り、
前記の第2MAC PDUをターゲットHARQバッファにバッファリングすることの後に、
送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信することをさらに含み、
前記ターゲットMAC PDUは、前記第1MAC PDU又は前記第2MAC PDUを含み、
前記送信停止条件は、
前記HARQプロセスが前記ターゲットMAC PDUとは異なる第1データに占有されることを含む、ランダムアクセス方法。
【請求項2】
前記の第2MAC PDUをターゲットHARQバッファにバッファリングすることの前に、
ランダムアクセス応答で指示されるランダムアクセス要求識別子がUEの送信したランダムアクセス要求に対応した場合に、非競合ランダムアクセス手順が成功したと考えることをさらに含む、請求項1に記載のランダムアクセス方法。
【請求項3】
前記の送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信することの後に、
前記送信停止条件を満たした場合に、前記ターゲットHARQバッファにバッファリングされた前記ターゲットMAC PDUをクリアすることをさらに含む、請求項1に記載のランダムアクセス方法。
【請求項4】
前記送信停止条件は、
Msg3のHARQ伝送の応答を受信することと、
Msg3のHARQ伝送の最大伝送回数になることと、
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載のランダムアクセス方法。
【請求項5】
前記の第2MAC PDUをターゲットHARQバッファにバッファリングすることの前に、
前記第1MAC PDUのデータコンテンツに基づいて第2MAC PDUを生成することと、
前記第2MAC PDUをターゲットバッファ内に記憶することと、をさらに含む、請求項1に記載のランダムアクセス方法。
【請求項6】
非競合ランダムアクセス手順が成功した場合に、第2MAC PDUをターゲットHARQバッファにバッファリングする処理モジュールを含み、
前記第2MAC PDUは、第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、前記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであり、前記ターゲットHARQバッファは、前記Msg3バッファとは異なるバッファであり、
第2MAC PDUをターゲットHARQバッファにバッファリングした後に、送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信する送信モジュールをさらに含み、
前記ターゲットMAC PDUは、前記第1MAC PDU又は前記第2MAC PDUを含み、
前記送信停止条件は、
前記HARQプロセスが前記ターゲットMAC PDUとは異なる第1データに占有されることを含む、
端末装置。
【請求項7】
前記処理モジュールは、具体的には、
ランダムアクセス応答で指示されるランダムアクセス要求識別子がUEの送信したランダムアクセス要求に対応した場合に、非競合ランダムアクセス手順が成功したと考える、請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信した後に、前記送信停止条件を満たした場合に、前記ターゲットHARQバッファにバッファリングされた前記ターゲットMAC PDUをクリアするクリアモジュールをさらに含む、請求項6に記載の端末装置。
【請求項9】
前記送信停止条件は、
Msg3のHARQ伝送の応答を受信することと、
Msg3のHARQ伝送の最大伝送回数になることと、
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項6に記載の端末装置。
【請求項10】
第2MAC PDUをターゲットHARQバッファにバッファリングする前に、前記第1MAC PDUのデータコンテンツに基づいて第2MAC PDUを生成する生成モジュールと、
前記第2MAC PDUをターゲットバッファ内に記憶する記憶モジュールと、をさらに含む、請求項6に記載の端末装置。
【請求項11】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサ上で実行可能で、前記プロセッサによって実行されると、請求項1~5のいずれか1項に記載のランダムアクセス方法を実現するコンピュータプログラムと、を含む、端末装置。
【請求項12】
コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~5のいずれか1項に記載のランダムアクセス方法が実現される、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年8月7日に提出された中国特許出願第201810892532.9号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
本開示は、通信の技術分野に関し、特にランダムアクセス方法及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ装置(User Equipment、UE)は、ランダムアクセス手順を開始(又は再開始)する毎に、各ランダムアクセスMsg1リソースに対応するダウンリンク信号品質(例えば、同期信号ブロック(Synchronous Signal Block、SSB)の基準シンボル受信電力(Reference Symbol Received Power、RSRP))に基づいてランダムアクセスリソースの選択を行うことにより、ランダムアクセスの成功率を向上させる。したがって、ユーザ装置UEがランダムアクセス手順を開始(又は再開始)する毎に、ユーザ装置UEは、競合ベースのランダムアクセス手順を選択する可能性があり、非競合ベースのランダムアクセス手順を選択する可能性もある。
【0003】
ユーザ装置UEがランダムアクセス手順を行うとき、競合ベースのランダムアクセス手順を前回行えば、ユーザ装置UEは、メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(Medium Access Control Protocol Data Unit、MAC PDU)を生成してMsg3バッファにバッファリングし、かつMsg3バッファにバッファリングされたMAC PDUをHARQプロセスにより送信する。ユーザ装置UEがランダムアクセス手順を再開始するとき、ランダムアクセスが成功し、ユーザ装置UEが、ランダムアクセス手順が完了したと考えれば、該Msg3のMAC PDUの伝送のためのHARQバッファをクリアし、該Msg3のMAC PDUの送信に失敗することを引き起こし、データパケットのロスを引き起こす。
【0004】
関連技術では、ランダムアクセス手順の完了に起因して、HARQバッファにバッファリングされたMsg3のMAC PDUがクリアされることにより、データ伝送ロスが引き起こされるという課題に対して、現在、効果的な解決手段がまだ提供されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、ランダムアクセス手順の完了に起因して、HARQバッファにバッファリングされたMsg3のMAC PDUがクリアされることにより、データ伝送ロスが引き起こされるという課題を解決するために、ランダムアクセス方法及び端末装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本開示は、以下のように実現される。
【0007】
第1の態様では、本開示の実施例に係るランダムアクセス方法は、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングすることを含み、前記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであり、前記第2MAC PDUは、前記第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、かつ前記Msg3バッファとは異なるバッファであるターゲットバッファにバッファリングされたPDUである。
【0008】
第2の態様では、本開示の実施例に係る端末装置は、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする処理モジュールを含み、前記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであり、前記第2MAC PDUは、前記第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、かつ前記Msg3バッファとは異なるバッファであるターゲットバッファにバッファリングされたPDUである。
【0009】
第3の態様では、本開示の実施例に係る端末装置は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサ上で実行可能で、前記プロセッサによって実行されると、上記ランダムアクセス方法を実現するコンピュータプログラムと、を含む。
【0010】
第4の態様では、本開示の実施例に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、プロセッサによって実行されると、上記ランダムアクセス方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている。
【発明の効果】
【0011】
本開示の実施例では、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングし、前記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであり、前記第2MAC PDUは、前記第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、かつ前記Msg3バッファとは異なるバッファであるターゲットバッファにバッファリングされたPDUであり、ランダムアクセス手順が成功した場合に、端末装置がMsg3のMAC PDUのデータコンテンツを伝送し続けることができることを実現することができるため、ランダムアクセス手順における伝送データのロスを低減し、データ伝送の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、本開示の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0013】
【
図1】本開示の実施例に適用可能なネットワークシステムの構成図である。
【
図2】本開示の実施例に係るランダムアクセス方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の実施例に係る端末装置の構成図である。
【
図4】本開示の実施例に係る別の端末装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術手段を明確かつ完全的に説明する。明らかに、説明される実施例は、本開示の実施例の一部であり、全てではない。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得る他の全ての実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。
【0015】
説明を容易にするために、以下、本開示の実施例に係るいくつかの用語について説明する。
【0016】
ランダムアクセス手順:ランダムアクセス手順は、主に、競合ベースのランダムアクセス手順(競合ランダムアクセス手順とも呼ばれる)及び非競合ベースのランダムアクセス手順(非競合ランダムアクセス手順とも呼ばれる)を含んでよい。
【0017】
競合ベースのランダムアクセス手順の場合、ユーザ装置(User Equipment、UE)は、Msg1(すなわち、ランダムアクセス要求)をネットワーク側装置に送信する。ネットワーク側装置は、Msg1を受信すると、Msg2(すなわち、ランダムアクセス応答(Random Access Response、RAR))をユーザ装置UEに送信し、該Msg2は、アップリンクグラント(Uplink Grant、UL Grantと略称)情報を搬送している。ユーザ装置UEは、Msg2におけるアップリンクグラントに基づいて、メディアアクセス制御(Medium Access Control、MAC)層のパケット化機能を実行してプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit、MAC PDU)を生成し、かつ該MAC PDUをMsg3バッファに記憶して、ユーザ装置UEは、Msg3バッファ内のMAC PDUをハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat Request、HARQ)プロセスにより送信する。ネットワーク側装置は、Msg3を受信するとMsg4(例えば、競合解決識別子)をユーザ装置UEに送信する。
【0018】
ユーザ装置UEは、Msg4を受信して競合解決が成功したか否かを判定し、成功すれば、ランダムアクセス手順が成功し、そうでなければ、ランダムアクセス手順を再開始する。再開始されたランダムアクセス手順について、ユーザ装置UEがMsg2におけるアップリンクグラント(すなわち、Uplink Grant)を再受信した後、ユーザ装置UEは、以前に記憶されたMAC PDUを直接的にMsg3バッファから取り出してHARQプロセスにより送信することができる。ユーザ装置UEは、ランダムアクセス手順が完了した後にランダムアクセス手順におけるMsg3伝送のためのHARQバッファをクリアする。
【0019】
非競合ベースのランダムアクセス手順の場合、ユーザ装置UEは、Msg1(すなわち、ランダムアクセス要求)をネットワーク側装置に送信する。ネットワーク側装置は、Msg1を受信すると、Msg2(すなわち、RAR)をユーザ装置UEに送信し、該Msg2は、アップリンクグラント(すなわち、Uplink Grant)情報及びユーザ装置UEの識別子情報(例えば、Msg1のランダムアクセスプリアンブル(すなわち、Preamble)番号)を搬送している。該ランダムアクセスプリアンブルの番号がユーザ装置UEのMsg1の送信するランダムアクセスプリアンブル番号と同じであれば、ユーザ装置UEは、該ランダムアクセス手順が成功したと考え、そうでなければ、ランダムアクセス手順を再開始する。
【0020】
図1を参照すると、
図1は、本開示の実施例に適用可能なネットワークシステムの構成図であり、
図1に示すように、端末装置11及びネットワーク側装置12を含み、端末装置11は、携帯電話、タブレットパーソナルコンピュータ(Tablet Personal Computer)、ラップトップコンピュータ(Laptop Computer)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDAと略称)、モバイルインターネット装置(Mobile Internet Device、MID)又はウェアラブル装置(Wearable Device)などの端末側装置であってよく、なお、本開示の実施例では、端末装置11の具体的なタイプを限定しない。ネットワーク側装置12は、マクロステーション、LTE eNB、5G NR NB、gNBなどの基地局であってよく、ネットワーク側装置12は、低電力ノード(Low Power Node、LPN)、pico、femtoなどのスモールステーションであってもよく、ネットワーク側装置12は、アクセスポイント(Access Point、AP)であってもよく、基地局は、中央ユニット(Central Unit、CU)と、それが管理制御する複数の送受信ポイント(Transmission Reception Point、TRP)とが共に構成したネットワークノードであってもよい。なお、本開示の実施例では、ネットワーク側装置12の具体的なタイプを限定しない。
【0021】
本開示の実施例では、端末装置11は、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留してよく、上記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであってよい。
【0022】
HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留する上記ステップは、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアしない(すなわち、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアする動作を実行しない)か、又はHARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUのクリアを阻止するなどにより、第1MAC PDUのHARQバッファへの記憶を保持することを指してよい。
【0023】
本実施形態では、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留することにより、端末装置11は、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUに基づいて、第1MAC PDUをネットワーク側装置12に送信し続けることができ、関連技術における、ランダムアクセス手順が成功した場合にHARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアすることに比べて、第1MAC PDUのデータコンテンツの送信に失敗する確率を低減し、ランダムアクセス手順における伝送データのロスを低減することができる。
【0024】
好ましくは、本開示の実施例では、端末装置11は、ランダムアクセス手順が成功した場合に、第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングしてもよく、上記第2MAC PDUは、上記第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、かつ上記Msg3バッファとは異なるバッファであるターゲットバッファにバッファリングされたPDUである。
【0025】
上記第1MAC PDUのデータコンテンツは、端末装置11が第1MAC PDUを介して実際に伝送する必要があるデータコンテンツ、例えば、第1MAC PDUをパケット化する前のデータコンテンツを指してよい。上記第2MAC PDUが第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含むことにより、第2MAC PDUに基づいて第1MAC PDUのデータコンテンツを伝送し続けることができる。
【0026】
上記ターゲットバッファは、Msg3バッファとは異なる任意のバッファ、例えば、Msg1バッファ、第1MAC PDUのデータコンテンツの再送のためのバッファであってよく、本開示の実施例では、限定されるものではない。第2MAC PDUがMsg3バッファに記憶されないため、ランダムアクセスが成功した後に端末装置11がHARQバッファにバッファリングされた第2MAC PDUをクリアすることを回避することができる。
【0027】
該実施形態では、端末装置11は、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアしてもよく、第1MAC PDUを保留してもよいことを理解されたい。
【0028】
本実施形態では、ランダムアクセス手順が成功した場合に第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングすることにより、端末装置11は、HARQバッファにバッファリングされた第2MAC PDUに基づいて第1MAC PDUのデータコンテンツをネットワーク側装置12に送信し続けることができ、関連技術における、ランダムアクセス手順が成功した場合にHARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアすることに比べて、第1MAC PDUのデータコンテンツの送信に失敗する確率を低減し、ランダムアクセス手順における伝送データのロスを低減することもできる。
【0029】
なお、上記ランダムアクセス手順が成功することは、非競合ランダムアクセス手順が成功することであってもよく、競合ランダムアクセス手順が成功することであってもよい。
【0030】
本開示の実施例は、端末装置に適用されるランダムアクセス方法を提供する。
図2は、本開示の実施例に係るランダムアクセス方法のフローチャートであり、
図2に示すように、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングするステップ201を含み、上記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであり、上記第2MAC PDUは、上記第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、かつ上記Msg3バッファとは異なるバッファであるターゲットバッファにバッファリングされたPDUである。
【0031】
本開示の実施例では、上記ランダムアクセス手順は、非競合ランダムアクセス手順であってよく、例えば、競合ランダムアクセス手順が失敗した後に、非競合ランダムアクセス手順を開始することができ、かつ受信されたMsg2で指示されるランダムアクセス要求識別子がユーザ装置UE(端末装置とも呼ばれる)の送信したランダムアクセス要求に対応する場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングすることができる。
【0032】
好ましくは、上記ランダムアクセス手順は、競合ランダムアクセス手順であってもよく、例えば、Msg4を受信した後に、Msg4に基づいて、競合解決が成功したか否かを判定することができ、かつ競合解決が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングすることができる。
【0033】
HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留する上記ステップは、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアしない(すなわち、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアする動作を実行しない)か、又はHARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUのクリアを阻止するなどにより、第1MAC PDUのHARQバッファへの記憶を保持することを指してよい。
【0034】
上記第1MAC PDUのデータコンテンツは、端末装置が第1MAC PDUを介して実際に伝送する必要があるデータコンテンツ、例えば、第1MAC PDUをパケット化する前のデータコンテンツを指してよい。上記第2MAC PDUが第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含むことにより、第2MAC PDUに基づいて第1MAC PDUのデータコンテンツを伝送し続けることができる。
【0035】
上記ターゲットバッファは、Msg3バッファとは異なる任意のバッファ、例えば、Msg1バッファ、第1MAC PDUのデータコンテンツの再送のためのバッファであってよく、本開示の実施例では、限定されるものではない。第2MAC PDUがMsg3バッファに記憶されないため、ランダムアクセスが成功した後に端末装置がHARQバッファにバッファリングされた第2MAC PDUをクリアすることを回避することができる。
【0036】
本開示の実施例では、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングすることができることにより、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDU又は第2MAC PDUに基づいて、第1MAC PDU(すなわち、Msg3のMAC PDU)のデータコンテンツをネットワーク側装置に送信し続けることができ、関連技術における、ランダムアクセス手順が成功した場合にHARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアすることに比べて、第1MAC PDUのデータコンテンツの送信に失敗する確率を低減し、ランダムアクセス手順における伝送データのロスを低減し、データ伝送の信頼性を向上させることができる。
【0037】
好ましくは、上記ステップ201、すなわち、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする上記ステップは、非競合ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングするステップを含む。
【0038】
以下、例を挙げて本開示の実施例について説明する。
【0039】
ユーザ装置UEは、競合ベースのランダムアクセス手順(競合ランダムアクセス手順とも呼ばれる)において、Msg3伝送用のMAC PDU(すなわち、第1MAC PDU)を生成し、Msg3バッファに記憶し、かつHARQプロセスにより該第1MAC PDUに対してデータ送信を行い、例えば、該第1MAC PDUを該HARQプロセスのバッファに記憶し、その後、該HARQプロセスにより該データを送信する。
【0040】
ユーザ装置UEは、競合ベースのランダムアクセス手順が失敗した(例えば、競合解決が失敗した)と判定した場合に、ランダムアクセス要求(例えば、Msg1)を再開始し、また該ランダムアクセス要求のリソースが非競合ベースランダムアクセスリソースであれば、非競合ランダムアクセス手順を開始する。ユーザ装置UEは、その対応するMsg2を受信した(例えば、ランダムアクセス応答で指示されるランダムアクセス要求識別子がユーザ装置UEの送信したランダムアクセス要求に対応した)場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングすることができることにより、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDU又は第2MAC PDUに基づいて、第1MAC PDU(すなわち、Msg3のMAC PDU)のデータコンテンツをネットワーク側装置に送信し続けることができる。
【0041】
本開示の実施例では、非競合ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングすることができることにより、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDU又は第2MAC PDUに基づいて、第1MAC PDU(すなわち、Msg3のMAC PDU)のデータコンテンツをネットワーク側装置に送信し続けることができ、第1MAC PDUのデータコンテンツの送信に失敗する確率を低減し、ランダムアクセス手順における伝送データのロスを低減することができる。
【0042】
好ましくは、上記ステップ201の後、すなわち、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする上記ステップの後に、上記方法は、送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信するステップをさらに含み、上記ターゲットMAC PDUは、上記第1MAC PDU又は上記第2MAC PDUを含む。
【0043】
本開示の実施例では、上記送信停止条件は、プロトコルにより予め定義されてもよく、ネットワーク側により設定されてもよい。好ましくは、上記送信停止条件は、Msg3のHARQ伝送の応答を受信することと、Msg3のHARQ伝送の最大伝送回数になることと、上記HARQプロセスが上記ターゲットMAC PDUとは異なる第1データに占有されることと、のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0044】
本開示の実施例では、ランダムアクセスが成功した場合に、端末装置は、Msg3のHARQ伝送の応答(すなわち、Msg3のHARQ伝送のACKフィードバック)を受信すること、伝送回数がMsg3のHARQ伝送の最大伝送回数になること、及び該HARQプロセスが、ターゲットMAC PDUとは異なる任意のデータであってよい他のデータ(すなわち、第1データ)に占有されることなどのうちの少なくとも1つを満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信し続けることができる。
【0045】
送信停止条件を満たした後に、端末装置は、HARQバッファにバッファリングされたターゲットMAC PDUを保留してもよく、ターゲットMAC PDUをクリアしてもよいことを理解されたい。
【0046】
本開示の実施例では、送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信することにより、第1MAC PDUのデータコンテンツの送信に失敗する確率をさらに低減し、ランダムアクセス手順における伝送データのロスを低減することができる。
【0047】
好ましくは、送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信する上記ステップの後に、上記方法は、上記送信停止条件を満たした場合に、上記HARQバッファにバッファリングされた上記ターゲットMAC PDUをクリアするステップをさらに含む。
【0048】
本開示の実施例では、上記送信停止条件を満たした場合に、HARQバッファにバッファリングされた上記ターゲットMAC PDUをクリアすることにより、HARQバッファの占有を低減し、システムリソースの占有をさらに低減することができる。
【0049】
好ましくは、上記ステップ201の前、すなわち、第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする上記ステップの前に、上記方法は、上記第1MAC PDUのデータコンテンツに基づいて第2MAC PDUを生成するステップと、上記第2MAC PDUをターゲットバッファ内に記憶するステップと、をさらに含む。
【0050】
本開示の実施例では、ランダムアクセスが成功した場合に、第1MAC PDUのデータコンテンツに基づいて新たなMAC PDU(すなわち、第2MAC PDU)を生成し、かつ生成された新たなMAC PDUをターゲットバッファ内に記憶することができる。上記ターゲットバッファは、Msg3バッファとは異なる任意のバッファ、例えば、Msg1バッファ、第1MAC PDUのデータコンテンツの再送のためのバッファであってよい。
【0051】
好ましくは、本開示の実施例では、MAC層にバッファリングされた第1MAC PDUのデータコンテンツに基づいて第2MAC PDUを生成してもよく、上位層がMAC層によって指示されて再送する第1MAC PDUのデータコンテンツ、例えば、無線リンク制御(Radio Link Control、RLC)層、パケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)層又はサービスデータ適応プロトコル(Service Data Adaptation Protocol、SDAP)などがMAC層によって指示されて再送する第1MAC PDUのデータコンテンツに基づいて第2MAC PDUを生成してもよい。
【0052】
本開示の実施例では、新たに生成された第2MAC PDUをターゲットバッファ内に記憶することにより、ランダムアクセスが成功した後に端末装置がHARQバッファにバッファリングされた第2MAC PDUをクリアすることを回避することができる。
【0053】
以下、例を挙げて本開示の実施例に係るランダムアクセス方法について説明する。
【0054】
ステップaでは、ユーザ装置UEは、競合ベースのランダムアクセス手順(競合ランダムアクセス手順とも呼ばれる)において、Msg3伝送用のMAC PDU(すなわち、第1MAC PDU)を生成し、Msg3バッファに記憶し、かつHARQプロセスにより該第1MAC PDUに対してデータ送信を行う。
【0055】
例えば、第1MAC PDUを該HARQプロセスのバッファに記憶して、該HARQプロセスにより該データを送信する。
【0056】
ステップbでは、ユーザ装置UEは、競合ベースのランダムアクセス手順が失敗した(例えば、競合解決が失敗した)と判定した場合に、ランダムアクセス要求(例えば、Msg1)を再開始し、また該ランダムアクセス要求のリソースが非競合ベースランダムアクセスリソースであれば、非競合ランダムアクセス手順を開始する。
【0057】
ステップcでは、ユーザ装置UEは、その対応するMsg2を受信した(例えば、ランダムアクセス応答で指示されるランダムアクセス要求識別子がユーザ装置UEの送信したランダムアクセス要求に対応した)場合に、処理プロセス1~処理プロセス3のうちいずれか1つの処理プロセスを実行することができる。
【0058】
処理プロセス1では、ユーザ装置UEは、ランダムアクセス手順が完了したと考え、かつMsg3バッファにバッファリングされた第1MAC PDUをHARQプロセスにより伝送することができる。
【0059】
例えば、上記非競合ベースのランダムアクセス手順の場合、ランダムアクセス手順が完了した後に、ユーザ装置UEは、Msg3のHARQ伝送の応答(すなわち、ACKフィードバック)を受信したり、Msg3のHARQ伝送の最大伝送回数になったり、該HARQプロセスが他のデータに占有されたりするまで、該Msg3のMAC PDU(すなわち、第1MAC PDU)をHARQプロセスにより伝送する。
【0060】
本実施形態では、ランダムアクセス手順の終了が非競合ベースのランダムアクセス手順によって終了する場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアしない。すなわち、ランダムアクセス手順の終了が競合ベースのランダムアクセス手順によって終了する場合のみに、ユーザ装置UEは、Msg3伝送に対応するHARQバッファをクリアし、すなわちHARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアする。
【0061】
処理プロセス2では、ユーザ装置UEは、HARQプロセスによるMsg3のMAC PDU(すなわち、第1MAC PDU)の伝送が完了すると、ランダムアクセス手順が完了したと考えることができる。
【0062】
例えば、非競合ベースのランダムアクセス手順の場合、ユーザ装置UEは、該Msg3のMAC PDU(すなわち、第1MAC PDU)をHARQプロセスにより伝送し、該HARQプロセスによるデータ伝送が完了する(例えば、Msg3のHARQ伝送のACKフィードバックを受信したり、Msg3のHARQ伝送の最大伝送回数になったり、該HARQプロセスが他のデータに占有されたりする)と、該ランダムアクセス手順が完了したと考え、このとき、ユーザ装置UEは、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアすることができる。
【0063】
本実施形態では、HARQプロセスによるMsg3のMAC PDU(すなわち、第1MAC PDU)の伝送が完了してこそランダムアクセス手順が完了したと考え、かつHARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUをクリアすることができる。
【0064】
処理プロセス3では、ユーザ装置UEは、該ランダムアクセス手順が完了したと考え、かつ新たに生成された新たなMAC PDU(すなわち、第2MAC PDU)をHARQプロセスにより伝送する。
【0065】
例えば、ユーザ装置UEは、非競合ベースのランダムアクセス手順において、Msg3バッファに記憶されない新たなMAC PDU(すなわち、第2MAC PDU)を再生成することができる。ユーザ装置UEは、該ランダムアクセス手順が完了した後に、該HARQ伝送のACKフィードバックを受信したり、該HARQ伝送の最大伝送回数になったり、該HARQプロセスが他のデータに占有されたりするまで、HARQプロセスにより第2MAC PDUを伝送することができる。
【0066】
本開示の実施例に係るランダムアクセス方法によって、ランダムアクセス手順におけるデータ伝送ロスを回避し、データ伝送の信頼性を向上させることができる。
【0067】
図3は、本開示の実施例に係る端末装置の構成図である。
図3に示すように、端末装置300は、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする処理モジュール301を含み、上記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであり、上記第2MAC PDUは、上記第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、かつ上記Msg3バッファとは異なるバッファであるターゲットバッファにバッファリングされたPDUである。
【0068】
好ましくは、上記処理モジュールは、具体的には、非競合ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする。
【0069】
好ましくは、上記端末装置は、上記HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングした後に、送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信する送信モジュールをさらに含み、上記ターゲットMAC PDUは、上記第1MAC PDU又は上記第2MAC PDUを含む。
【0070】
好ましくは、上記端末装置は、上記送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信した後に、上記送信停止条件を満たした場合に、上記HARQバッファにバッファリングされた上記ターゲットMAC PDUをクリアするクリアモジュールをさらに含む。
【0071】
好ましくは、上記送信停止条件は、Msg3のHARQ伝送の応答を受信することと、Msg3のHARQ伝送の最大伝送回数になることと、上記HARQプロセスが上記ターゲットMAC PDUとは異なる第1データに占有されることと、のうち少なくとも1つを含む。
【0072】
好ましくは、上記端末装置は、第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする前に、上記第1MAC PDUのデータコンテンツに基づいて第2MAC PDUを生成する生成モジュールと、上記第2MAC PDUをターゲットバッファ内に記憶する記憶モジュールと、をさらに含む。
【0073】
本開示の実施例に係る端末装置300は、
図2における方法の実施例における端末装置が実現する各プロセスを実現することができ、重複を避けるために、ここでは説明を省略する。
【0074】
本開示の実施例に係る端末装置300は、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする処理モジュール301を含み、上記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであり、上記第2MAC PDUは、上記第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、かつ上記Msg3バッファとは異なるバッファであるターゲットバッファにバッファリングされたPDUである。ランダムアクセス手順が成功した場合に、端末装置がMsg3のMAC PDUのデータコンテンツを伝送し続けることができることを実現することができるため、ランダムアクセス手順におけるデータ伝送ロスを低減し、データ伝送の信頼性を向上させることができる。
【0075】
図4は、本開示の実施例に係る別の端末装置の構成図である。
図4を参照すると、該端末装置400は、無線周波数ユニット401、ネットワークモジュール402、オーディオ出力ユニット403、入力ユニット404、センサ405、表示ユニット406、ユーザ入力ユニット407、インタフェースユニット408、メモリ409、プロセッサ410及び電源411などの部品を含むが、これらに限定されない。当業者が理解できるように、
図4に示す端末装置の構成は、端末装置を限定するものではなく、端末装置は、図示より多いか又は少ない部品を含んでよく、ある部品と組み合わせたり、異なる部品を配置したりしてよい。本開示の実施例では、端末装置は、携帯電話、タブレットパーソナルコンピュータ、ノートブックコンピュータ、パームトップコンピュータ、車載端末、ウェアラブル装置及び歩数計などを含むが、これらに限定されない。
【0076】
プロセッサ410は、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングし、上記第1MAC PDUは、競合ランダムアクセス手順においてMsg3バッファにバッファリングされたPDUであり、上記第2MAC PDUは、上記第1MAC PDUのデータコンテンツを少なくとも含み、かつ上記Msg3バッファとは異なるバッファであるターゲットバッファにバッファリングされたPDUである。
【0077】
本開示の実施例では、ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングすることにより、ランダムアクセス手順が成功した場合に、端末装置がMsg3のMAC PDUのデータコンテンツを伝送し続けることができることを実現することができるため、ランダムアクセス手順におけるデータ伝送ロスを低減することができる。
【0078】
好ましくは、上記プロセッサ410は、さらに、非競合ランダムアクセス手順が成功した場合に、HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする。
【0079】
好ましくは、上記プロセッサ410は、さらに、上記HARQバッファにバッファリングされた第1MAC PDUを保留するか、又は第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングした後に、送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信し、上記ターゲットMAC PDUは、上記第1MAC PDU又は上記第2MAC PDUを含む。
【0080】
好ましくは、上記プロセッサ410は、さらに、上記送信停止条件を満たすまで、HARQプロセスを用いてネットワーク側装置にターゲットMAC PDUを送信した後に、上記送信停止条件を満たした場合に、上記HARQバッファにバッファリングされた上記ターゲットMAC PDUをクリアする。
【0081】
好ましくは、上記送信停止条件は、Msg3のHARQ伝送の応答を受信することと、Msg3のHARQ伝送の最大伝送回数になることと、上記HARQプロセスが上記ターゲットMAC PDUとは異なる第1データに占有されることと、のうち少なくとも1つを含む。
【0082】
好ましくは、上記プロセッサ410は、さらに、第2MAC PDUをHARQバッファにバッファリングする前に、上記第1MAC PDUのデータコンテンツに基づいて第2MAC PDUを生成し、上記第2MAC PDUをターゲットバッファ内に記憶する。
【0083】
理解すべきこととして、本開示の実施例では、無線周波数ユニット401は、情報の送受信、又は通話中の信号の送受信に用いられてよく、具体的には、基地局からのダウンリンクデータを受信した後に、プロセッサ410に送信して処理させ、また、アップリンクデータを基地局に送信する。一般的に、無線周波数ユニット401は、アンテナ、少なくとも1つの増幅器、トランシーバ、カプラ、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、これらに限定されない。また、無線周波数ユニット401は、さらに、無線通信システムによりネットワーク及び他の装置と通信することができる。
【0084】
端末装置は、ネットワークモジュール402によりユーザに無線のブロードバンドインターネットアクセスを提供して、例えば、ユーザによる電子メールの送受信、ウェブページの閲覧及びストリーミングメディアへのアクセスなどを支援する。
【0085】
オーディオ出力ユニット403は、無線周波数ユニット401又はネットワークモジュール402によって受信されるか又はメモリ409に記憶されるオーディオデータをオーディオ信号に変換して音声として出力することができる。また、オーディオ出力ユニット403は、さらに、端末装置400によって実行される特定の機能に関連するオーディオ出力(例えば、呼出音、メッセージ着信音など)を提供することができる。オーディオ出力ユニット403は、スピーカ、ブザー及び受話器などを含む。
【0086】
入力ユニット404は、オーディオ又はビデオ信号を受信する。入力ユニット404は、グラフィックプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)4041及びマイクロフォン4042を含んでよく、グラフィックプロセッサ4041は、動画撮影モード又は画像撮影モードで撮影装置(例えば、カメラ)によって取得された静止画像又はビデオの画像データを処理する。処理後の画像フレームは、表示ユニット406に表示されてよい。グラフィックプロセッサ4041によって処理された画像フレームは、メモリ409(又は他の記憶媒体)に記憶されてもよく、無線周波数ユニット401又はネットワークモジュール402によって送信されてもよい。マイクロフォン4042は、音声を受信し、かつこのような音声をオーディオデータに処理することができる。処理後のオーディオデータは、電話通話モードで無線周波数ユニット401によって移動通信基地局に送信可能なフォーマットに変換されて出力することができる。
【0087】
端末装置400は、光センサ、動きセンサ及び他のセンサなどの少なくとも1種のセンサ405をさらに含む。具体的には、光センサは、環境光線の明るさに応じて表示パネル4061の輝度を調節することができる環境光センサと、端末装置400が耳元に移動するときに、表示パネル4061及び/又はバックライトをオフにすることができる近接センサとを含む。動きセンサの1種として、加速度計センサは、各方向(一般的に3軸)の加速度の大きさを検出でき、静止時に重力の大きさ及び方向を検出でき、端末装置姿勢の識別(例えば、縦向き/横向きの切替、ゲーム関連、磁力計の姿勢較正)、振動識別に関連する機能(例えば、歩数計、タッピング)などに用いられてよく、センサ405は、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロスコープ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどをさらに含んでよく、ここでは説明を省略する。
【0088】
表示ユニット406は、ユーザによって入力された情報又はユーザに提供された情報を表示する。表示ユニット406は、表示パネル4061を含んでよく、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)などの形態で表示パネル4061を構成することができる。
【0089】
ユーザ入力ユニット407は、入力された数字又は文字情報を受信すると共に、端末装置のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができる。具体的には、ユーザ入力ユニット407は、タッチパネル4071及び他の入力装置4072を含む。タッチパネル4071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上又はその近くでのユーザのタッチ操作(例えば、指、スタイラスペンなどの任意の適切な物体又は付属品を用いるタッチパネル4071上又はタッチパネル4071の近くでのユーザの操作)を収集することができる。タッチパネル4071は、タッチ検出装置及びタッチコントローラの2つの部品を含んでよい。タッチ検出装置は、ユーザのタッチ方向を検出し、タッチ操作による信号を検出し、信号をタッチコントローラに伝送し、タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信し、タッチポイント座標に変換して、プロセッサ410に送信し、プロセッサ410から送信されたコマンドを受信して実行する。また、抵抗式、容量式、赤外線式及び表面弾性波式などの複数のタイプでタッチパネル4071を実現することができる。タッチパネル4071に加えて、ユーザ入力ユニット407は、他の入力装置4072をさらに含んでよい。具体的には、他の入力装置4072は、物理キーボード、機能キー(例えば、ボリューム調節キー、スイッチキーなど)、トラックボール、マウス及びジョイスティックを含み得るが、これらに限定されず、ここでは説明を省略する。
【0090】
さらに、タッチパネル4071は、表示パネル4061をカバーすることができ、タッチパネル4071がタッチパネル上又はその近くでのタッチ操作を検出した後、プロセッサ410に伝送してタッチイベントのタイプを決定し、その後に、プロセッサ410は、タッチイベントのタイプに応じて、対応する視覚的出力を表示パネル4061に提供する。
図4において、タッチパネル4071と表示パネル4061は、2つの独立した部品として端末装置の入出力機能を実現するが、いくつかの実施例では、タッチパネル4071と表示パネル4061を一体化して端末装置の入出力機能を実現することができ、ここでは具体的に限定されない。
【0091】
インタフェースユニット408は、外部装置と端末装置400を接続するインタフェースである。例えば、外部装置は、有線又は無線ヘッドフォンポート、外部電源(又は電池充電器)ポート、有線又は無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを備えた装置との接続用ポート、オーディオ入力/出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、ヘッドフォンポートなどを含んでよい。インタフェースユニット408は、外部装置からの入力(例えば、データ情報、電力など)を受信すると共に、受信した入力を端末装置400内の1つ以上の素子に伝送するか、又は端末装置400と外部装置との間でデータを伝送することができる。
【0092】
メモリ409は、ソフトウェアプログラム及び様々なデータを記憶することができる。メモリ409は、主に、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)に必要なアプリケーションプログラムなどを記憶することができるプログラム記憶領域と、携帯電話の使用に応じて作成されたデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などを記憶することができるデータ記憶領域とを含んでよい。また、メモリ409は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスクメモリ素子、フラッシュメモリ素子などの不揮発性メモリ又は他の揮発性固体メモリ素子を含んでもよい。
【0093】
プロセッサ410は、端末装置の制御センタであり、様々なインタフェース及び回線により端末装置全体の各部分に接続され、メモリ409に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを動作させるか又は実行し、かつメモリ409に記憶されたデータを呼び出すことにより、端末装置の様々な機能及びデータ処理を実行して、端末装置全体をモニタリングする。プロセッサ410は、1つ以上の処理ユニットを含んでよく、好ましくは、プロセッサ410は、主にオペレーティングシステム、ユーザインタフェース及びアプリケーションプログラムなどを処理するアプリケーションプロセッサと、主に無線通信を処理するモデムプロセッサとを集積することができる。上記モデムプロセッサは、プロセッサ410に集積されなくてもよいことを理解されたい。
【0094】
端末装置400は、各部品に給電する電源411(例えば、電池)をさらに含んでよく、好ましくは、電源411は、電源管理システムによりプロセッサ410と論理的に接続されて、電源管理システムにより充電、放電の管理及び消費電力の管理などの機能を実現することができる。
【0095】
また、端末装置400は、いくつかの未図示の機能モジュールを含み、ここでは説明を省略する。
【0096】
好ましくは、本開示の実施例に係る端末装置は、プロセッサ410と、メモリ409と、メモリ409に記憶されて上記プロセッサ410上で実行可能で、プロセッサ410によって実行されると、上記ランダムアクセス方法の実施例の各ステップを実現し、かつ同じ技術的効果を達成することができるコンピュータプログラムとを含み、重複を避けるために、ここでは説明を省略する。
【0097】
本開示の実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによって実行されると、上記ランダムアクセス方法の実施例の各プロセスを実現し、かつ同じ技術的効果を達成することができるコンピュータプログラムが記憶されており、重複を避けるために、ここでは説明を省略する。上記コンピュータ可読記憶媒体は、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROMと略称)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称)、磁気ディスク又は光ディスクなどであってよい。
【0098】
なお、本明細書において、用語「含む」、「含み」又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図することにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されない他の要素を含むか、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素を含む。更なる限定がない場合、「1つの・・・含む」という語句で限定された要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に他の同様な要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0099】
以上の実施形態の説明により、当業者が明確に理解できるように、上記実施例の方法はソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームを併用した方法で実現でき、当然のことながらハードウェアでも実現できるが、多くの場合に前者がより好ましい実施形態である。このような理解に基づいて、本開示の技術手段の本質的又は従来技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形態で具現化されてよく、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶されており、1台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン又はネットワーク装置などであってよい)に本開示の各実施例に記載の方法を実行させるための複数のコマンドを含む。
【0100】
以上、図面を参照しながら本開示の実施例を説明したが、本開示は、上記具体的な実施形態に限定されるものではなく、上記具体的な実施形態は、例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、当業者であれば、本開示の示唆で、本開示の趣旨及び特許請求の範囲の保護範囲から逸脱せずに、種々の態様を行うことができ、これらは、いずれも本開示の保護範囲内に属する。