(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】チップカード用電子モジュール
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20240417BHJP
G06K 19/02 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
G06K19/077 196
G06K19/077 244
G06K19/077 188
G06K19/077 272
G06K19/02 020
(21)【出願番号】P 2021525330
(86)(22)【出願日】2019-10-09
(86)【国際出願番号】 EP2019077275
(87)【国際公開番号】W WO2020094320
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-07-07
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517307773
【氏名又は名称】スマート パッケージング ソリューションズ
【氏名又は名称原語表記】SMART PACKAGING SOLUTIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルバ,ベルナール
(72)【発明者】
【氏名】ボルペ,ピエール
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-024023(JP,A)
【文献】特開2002-298114(JP,A)
【文献】特開2015-219878(JP,A)
【文献】特開2002-334312(JP,A)
【文献】特開2002-236897(JP,A)
【文献】特開2016-212778(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0098628(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
G06K 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルインターフェース携帯型物体内に実装されることを意図した電子モジュールを製造するためのプロセスにおいて、前記プロセスは、少なくとも以下のステップ、即ち、
・
一方の面(4a)および他方の面(4b)を備え
た片面フィルム(4)を使用するステップ
であって、前記片面フィルム(4)は、前記一方の面(4a)上に生成された1つ又は複数の接触部(3)と、前記他方の面(4b)上の誘電体(5)とを支えており、前記誘電体(5)には1つ又は複数の開口部(50)が作製されている、片面フィルム(4)を使用するステップと、
・前記
デュアルインターフェース携帯型物体の非接触通信用に意図された1つ又は複数の導電性領域(7)を備える基板(6)を使用するステップと、
・前記片面フィルム(4)及び前記基板(6)を一緒に固定するステップと、
・集積回路(20)を位置決めし、それを前記片面フィルムの前記接触領域(3)、及び、少なくとも、前記導電性領域(7)のうちの少なくとも1つの、1つの端子に接続するステップと、
・少なくとも前記集積回路を組み込んだ保護層(21)を堆積させるステップと、を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
アンテナ(71、72)を形成するターンと、前記アンテナの少なくとも一端に配置される少なくとも1つの接触パッド(7p1、7p2)とからなる少なくとも1つの導電性領域(7)を含む基板(6)が使用されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記導電性領域(7)のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの導電材料エリアからなることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記導電性領域(7)のうちの少なくとも1つの中央で領域が切り取られ、前記接触部(3)を支える前記
片面フィルムの反対側の面に前記集積回路(20)が接合されることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記集積回路(20)と前記接触領域(3)との間に半田溜りを形成するために前記フィルム内に配置された前記開口部(50)に対応する1つ又は複数の開口部(52、53)が、前記基板と同一水準に作製されることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記アンテナ又は前記導電材料エリアを形成するためにアルミニウムでできた1つ又は複数の導電性領域を有する基板が使用されることを特徴とする、請求項
3に記載のプロセス。
【請求項7】
前記導電性領域又は前記導電材料エリアのパターンは、エッチング技術、スクリーン印刷による付加的プロセス、又は転写を使用して、生成されることを特徴とする、請求項
6に記載のプロセス。
【請求項8】
接触機能を備える携帯型物体内に実装されることを意図した電子モジュール(2)において、前記電子モジュールは、少なくとも以下の要素、即ち、
・
一方の面(4a)および他方の面(4b)を備え
た片面フィルム(4)
であって、前記片面フィルム(4)は、前記一方の面(4a)上に生成された1つ又は複数の接触部(3)と、前記他方の面(4b)上の誘電体(5)とを支えており、前記誘電体(5)には1つ又は複数の開口部(50)が作製されている、片面フィルム(4)と、
・非接触通信用に意図された1つ又は複数の導電性領域(7)を備える基板(6)であって、前記片面フィルムに固定された基板(6)と、
・前記片面フィルムの前記接触領域、及び、少なくとも、前記導電性領域のうちの少なくとも1つの、1つの端子に接続された集積回路(20)と、
・少なくとも前記集積回路を組み込んだ保護層(21)と、を含むことを特徴とする電子モジュール。
【請求項9】
前記導電性領域のうちの少なくとも1つは、一端に接続パッド(7p1、7p2)を備えるターン(71、72)の形態を取ることを特徴とする、請求項8に記載のモジュール。
【請求項10】
前記導電性領域のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの導電材料エリア(75、76)からなることを特徴とする、請求項8に記載のモジュール。
【請求項11】
前記基板は、集積回路(20)及び前記保護層(21)を収容するのに適した幾何形状を有する、くりぬかれた中央領域を含むことを特徴とする、請求項8~10の何れか一項に記載のモジュール。
【請求項12】
前記基板は、前記集積回路を前記接触領域に接続するために、前記片面フィルムの前記開口部に対応した1つ又は複数の穿孔を含むことを特徴とする、請求項8~11の何れか一項に記載のモジュール。
【請求項13】
前記誘電体及び/又は前記基板は、エポキシガラス、ポリエチレンナフタレートPEN、ポリエチレンテレフタレートPET、又はポリ塩化ビニルPVCから選択されることを特徴とする、請求項8~12の何れか一項に記載のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばチップカードなどの、接触及び非接触の二重の機能を有する携帯型物体用の電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子モジュールは一般に、1つ又は2つのエッチングされ且つ金属被覆された銅層を有する、フレキシブルプリント基板上に生成される。集積回路チップのパッドが、導電性ワイヤによって接続パッケージの接触板に電気的に接続される。電子モジュールをカード本体に埋め込まれた別の電気回路に電気的に接続できるようにするために、電子モジュールは、接続パッケージの隠れた面に配置される、チップ内蔵のアンテナ又は一対の接触板を更に備える。アンテナは、パッドを介して且つ導電性ワイヤによって(ワイヤボンディング)、又は導電性ボール若しくは「バンプ」を使用する直接接続技術を使用して、チップに電気的に接続される。使用される基板の種類は一般に、非常に高価である。
【0003】
デュアルインターフェースカードの場合、アンテナはモジュールと一体となっており、カードの剛性支持体に組み込まれた「ブースター」アンテナとの電磁結合を可能にする。
【0004】
国際公開第2011/157693号パンフレットは、複数の電気層及び絶縁層のスタックから構成される多層プリント回路について開示している。
【0005】
米国特許出願公開第2015/269471号明細書は、チップを配置するための開口部を備えた厚さの薄い構造について記載している。
【0006】
本発明の目的は、チップカード用の新規の電子モジュール及び新規の製造プロセスを提供することであり、この新規の製造プロセスにより、アンテナの設計に柔軟性をもたらすことが可能になり、接触部を備える片面フィルムを、アンテナなどの少なくとも1つの導電性領域を備える複合体と結合させることにより、製造コストを低減することも可能になり、同時に、通常の接触及び/又は非接触機能を確保できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2011/157693号
【文献】米国特許出願公開第2015/269471号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、デュアルインターフェース携帯型物体内に実装されることを意図した電子モジュールを製造するためのプロセスに関し、このプロセスは、少なくとも以下のステップを含むことを特徴とする。
・1つ又は複数の接触領域、及び1つ又は複数の開口部を備えた誘電体、からなる片面フィルムを使用するステップと、
・物体の非接触通信用に意図された1つ又は複数の導電性領域を備える基板を使用するステップと、
・前記片面フィルム及び前記基板を一緒に固定するステップと、
・集積回路を位置決めし、それを片面フィルムの接触領域、及び、少なくとも、前記導電性領域のうちの少なくとも1つの、1つの端子に接続するステップと、
・少なくとも前記集積回路を組み込んだ保護層を堆積させるステップ。
【0009】
例えば、アンテナを形成するターンからなる少なくとも導電性の領域と、アンテナの少なくとも一端に配置される少なくとも1つの接触パッドと、を含む基板が使用される。
【0010】
一実施形態によれば、前記導電性領域の少なくとも1つは、少なくとも1つの導電材料エリアからなる。
【0011】
1つの変形実施形態によれば、前記導電性領域の少なくとも1つの中央で領域が切り取られ、接触部を支えるフィルムの反対側の面に集積回路が接合される。
【0012】
別の変形例によれば、基板と同一水準に1つ又は複数の開口部が作られ、これらの開口部は、集積回路と接触領域との間に半田溜りを構成するためにフィルム内に配置された開口部に対応する。
【0013】
例えば、アンテナ又は導電材料エリアを形成するためにアルミニウムでできた1つ又は複数の導電性領域を有する基板が使用される。
【0014】
導電性領域又は導電材料エリアのパターンは、エッチング技術、スクリーン印刷による付加的プロセス、又は転写を使用して、生成されることがある。
【0015】
本発明は、接触機能を備える携帯型物体内に実装されることを意図した電子モジュールにも関し、この電子モジュールは、少なくとも以下の要素を含むことを特徴とする。
・1つ又は複数の接触領域、及び1つ又は複数の開口部を備えた誘電体、からなる片面フィルムと、
・非接触通信用に意図された1つ又は複数の導電性領域を備える基板であって、片面フィルムに固定された基板と、
・片面フィルムの接触領域、及び、少なくとも、前記導電性領域のうちの少なくとも1つの、1つの端子に接続された集積回路と、
・少なくとも前記集積回路を組み込んだ保護層。
【0016】
基板は、例えば、一端に接続パッドを備えるターンの形態で、前記導電性領域のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
基板は、少なくとも1つの導電材料エリアからなる前記導電性領域のうちの少なくとも1つも含むことがある。
【0018】
一変形実施形態によれば、基板は、集積回路及び保護層を収容するのに適した幾何形状を有する、くりぬかれた中央領域を含む。
【0019】
基板は、集積回路を接触領域に接続するために、片面フィルムの開口部に対応した1つ又は複数の穿孔も含むことがある。
【0020】
誘電体及び/又は基板は、以下のリスト、即ち、エポキシガラス、ポリエチレンナフタレートPEN、ポリエチレンテレフタレートPET、又はポリ塩化ビニルPVCから選択され、基板は、PET又はPVCから作製されたアンテナを支える。
【0021】
添付の図に沿って完全に非限定的な例証として提供される例示的な実施形態の説明を読むことによって、本発明の他の特徴及び利点がより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による電子モジュールを含むチップカードを概略的に示す。
【
図3A】第1の実施形態によるアンテナを含むフィルムを示す。
【
図3B】第1の実施形態によるアンテナを含むフィルムを示す。
【
図3C】非接触機能用の金属ランドを用いた変形例を示す。
【
図4A】アンテナを備えたフィルムの別の例示的な実施形態を示す。
【
図4B】アンテナを備えたフィルムの別の例示的な実施形態を示す。
【
図5】圧着接続を回避する1つの変形実施形態を示す。
【
図7】モジュールの剛性支持体に接合されたアンテナを支えるフィルム内で開口部を貫通させることを含む、製造ステップの図を示す。
【
図9】接触部を有するフィルムと、1つ又は複数のアンテナを含む基板とのアセンブリの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明は、デュアルインターフェースカード用モジュールを製造するためのもっぱら非限定的な例として与えられる。以下に説明するステップは、本発明の範囲から逸脱することなく、クレジットカード、携帯電話用SIMカード、交通カード、身分証明カード等を意図した電子モジュールに使用されることがある。
【0024】
説明を簡単にするために、図は単一のモジュールを示しており、大抵の場合、アンテナは広い幅(数十cmから数メートル)に渡って製造され、より高い生産量を可能にすることが知られている。
【0025】
図1は、本発明によるプロセスを実施することによって得られる少なくとも1つの電子モジュール2を備えるチップカード1を示す。チップカード1に一体化された電子モジュール2は、図を単純にするために図示していないカードリーダーとの電気的接続を可能にするために、カードの前面の表面と同一水準に接触部3又は接触領域を有する。
【0026】
図2は上面を介した接触を備えた片面フィルム4を示しており、この上面はリーダーと接触する。片面フィルム4は、一方の面4a上に生成された接触部3と、他方の面4b上の誘電体5とを支えている。接触部の全て又は一部へのアクセスを提供するために、誘電体5には開口部50が作製されている。モジュールの接触部の位置及び寸法は、カードの使用に関連した規格、例えばISO規格などによって規定されている。
【0027】
誘電体層は、ポリイミド即ちPIの層でもあり得る。PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、又は更にはPVC(ポリ塩化ビニル)などの材料が使用されることがある。誘電体層の材料の選択は、集積回路のアセンブリに使用される材料との適合性、及びカード本体へのモジュールの移動との適合性に関連した、コストと信頼性のトレードオフに従って決定される。
【0028】
アンテナ7(
図3A、
図3B)の製造は、接触部を備えるフィルムの製造とは別個に行われる。次いで、アンテナを支える基板6が、接触部を支えるフィルム上にラミネートされる。電子モジュールを製造するために、例えば単一の基板が使用される。
【0029】
図3A及び
図3Bは、(アンテナの2つの面を構成する)2つのアンテナ71、72などの1つ又は複数の導電性領域を支える基板6の第1の面6a及び第2の面6bをそれぞれ示す。アンテナ71は、接続用の2つのパッド7p1、7p2を含む。
図3A及び
図3Bは、当業者には既知である通り、広い幅に渡る可撓性の支持体上に製造することができる「アンテナモジュール」を示す。アンテナは、例えば、エッチング技術、又は付加的なプロセス、例えばスクリーン印刷、又は転写によって、導体の成長若しくは導体の直接転写を可能にするために、所望のパターンの表面が活性化されるプロセスを使用することによって、製造される。
【0030】
アンテナを製造するために使用される材料は、例えば、アルミニウムか、又は同等の特性を示し、フィルムを、アンテナを支える基板に接触させて固定するために使用される接着材料と適合性のある、任意の他の導電性金属材料である。
【0031】
アンテナを支える基板は、PET若しくはPVCタイプの低コストで可撓性の支持体であるか、又は誘電体に関して上述した材料のうちの1つから作製される。
【0032】
図3A、
図3Bに示した第1の変形実施形態によれば、両面アンテナの場合、2つのアンテナ71、72は圧着部8(力及び超音波を用いて顎間を圧着させることによる電気的接続)によって接続される。圧着領域は、円形領域の形態を取ることがある。モジュールの縁にある領域は、モジュールを切断するときに切り取られることがある。
【0033】
図3Cは、1つの変形実施形態を示しており、この実施形態では、
図3Aのアンテナが、少なくとも1つの導電性の金属エリアに置き換わっており、携帯型物体の非接触機能のための通信を可能にしている。
図3Cに示すように、金属ランドは2つの導電性の金属エリア75、76からなることがある。これら2つのエリアは、非接触機能用の2つの接続パッドを形成するか、又はカード本体に一体化されたブースターアンテナとの容量結合を可能にする。
【0034】
図4A及び
図4Bは、第2の変形実施形態を示しており、この実施形態では、圧着部8の領域はより大きな面積を有し、従って、電気的接続の性能が向上する。
【0035】
図5は、両面アンテナ71、72を伴う別の変形実施形態を概略的に示しており、アンテナの面のうちの一方72は、破線で示されている。2つのアンテナの相互接続は、第1の開口部52又はビアを通過するワイヤ又は「ストラップ」51を使用することによって、達成される。チップ20(
図10)が、接続パッド7p1によって、第1の面上に配置されたアンテナ71の一端と、開口部53又はビアを介して、第2の面上に配置されたアンテナ72のパッド8p1とに接続される。ビア52、53は、例えばレーザー掃引によって、アンテナの製造と同時に製造されることがある。ストラップの代わりに、圧着部(
図3Aの圧着部と同じ)を使用してアンテナを構成する2つのアンテナ71、72を接続することも可能である。背面金属面の2つの領域は、レーザー、プラズマ、化学技法を含むことがあるプロセスの組み合わせによって、露出され洗浄される。
【0036】
次いで、
図1に示した接触部を支える支持体とアンテナを支える基板は、一緒にラミネートされる。
【0037】
そのために、アンテナを支える基板6の一方の面を
片面フィルム4の背面4bに固定するために、アンテナを支える基板6のその面上に接着手段9(
図9の接着層)を堆積させる。
【0038】
図6に示した一変形実施形態によれば、チップ20(
図10)の直接接合を可能にするために、アンテナの中央で部分10が切り抜かれる。
【0039】
開口部の切り抜きは、
図5に示した露出領域の切り抜きと同時に、レーザー技術を使用して行われることがある。
【0040】
この種の切り抜きにより、チップを、接触部を支えるフィルムの誘電体(
図1-背面4b)に直接的に接合する(半田付けする)ことが可能になる。チップの接着力は、追加の接着剤及び誘電体層によって弱くなることはない。製品の最終的な厚さは、チップと接触フィルムとの間に中間層が無いことにより、低減される。
【0041】
更に、この切り抜きは、視認基準として働き且つチップ及び接続部用の保護層21の堆積範囲を物理的に定める領域を形成する。コーティング材料又は樹脂は、フィルム種類の、当業者に知られており完全に理解される誘電体への良好な接着力から恩恵を受ける。
【0042】
別の変形実施形態によれば、誘電体は半田溜りと同一水準においてのみ開いている。
図7は基板と同一水準で作製された穿孔11を示しており、これは半田溜りを露出させる。これらは、当業者に既知の技術に従って、チップを接触パッドに接続するために使用される。半田溜りの数は、用途に従って選択される。
【0043】
図8は、穿孔12が中央圧着部8の周りに分布している別の変形例を示す。
【0044】
このように形成されたアンテナは、
図9に示すように、接触フィルムに接合されることがある。支持体を、アセンブリと適合性のあるフォーマット、例えば当業者に知られているスーパー35mmフィルムフォーマットに再切断して、デュアルインターフェースフィルムを形成する。
【0045】
図10は、電子モジュールを組み立てた結果を上方から見た図を示す。チップ20は、接触部を支える面と反対側のフィルムの面に接合され、次いで、アンテナ71、72のパッド7p1、8p2に配線されて、半田溜り11を介して接触部3に配線される。アンテナの2つの面は相互接続される。次いで、チップ及び接続部を保護する封止樹脂が設けられる。
【0046】
上述したステップは、当業者によって、片面アンテナの場合に適合されることがある。片面フィルムは、誘電体を備えた複合体における単純フレームであり得る。
【0047】
本発明の範囲から逸脱することなく、上述したステップは、2つの接続パッドからなるアンテナに当てはまる。
【0048】
アンテナは、カードの中心に配置されたブースターアンテナとの容量結合を実現するように選択された幾何形状及び寸法を有する2つのエリアからなることもある。それらの領域は、例えば、集積回路又はチップの周りに配置される。
【0049】
本発明によるプロセス、及び本発明を実施することによって得られる電子モジュールは、特に、製造コストを低減することと、アンテナ設計の柔軟性という利点を有する。