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特許7474290HF0-1336MZZM(Z)を含有するポリエステルポリオール組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】HF0-1336MZZM(Z)を含有するポリエステルポリオール組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20240417BHJP
   C08G 18/42 20060101ALI20240417BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20240417BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20240417BHJP
【FI】
C08G18/00 H
C08G18/42
C08G18/00 L
C08G18/76
C08G101:00
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022128595
(22)【出願日】2022-08-12
(62)【分割の表示】P 2019503432の分割
【原出願日】2017-07-25
(65)【公開番号】P2022160687
(43)【公開日】2022-10-19
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】15/631,709
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/366,437
(32)【優先日】2016-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】メアリー・シー・ボグダン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィット・ジェイ・ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】イウ・ケイ・リング
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・エス・グロスマン
(72)【発明者】
【氏名】ビン・ユー
【審査官】常見 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-237757(JP,A)
【文献】特開平02-199111(JP,A)
【文献】国際公開第2014/030654(WO,A2)
【文献】特表2013-525574(JP,A)
【文献】国際公開第2011/137033(WO,A2)
【文献】特開2017-206598(JP,A)
【文献】国際公開第2016/136769(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00-18/87
C08G 71/00-71/04
C08G 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルポリオール中のハロゲン化オレフィン発泡剤の均一の分布を4ヶ月にわたって強化する方法であって、
ポリオールプレミックス組成物を提供することを含み、ポリオールプレミックス組成物が、
ポリオールプレミックス組成物の構成成分の総重量に基づき、5~30重量%の1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンを含むハロゲン化オレフィン発泡剤と、
ポリエステルポリオールと、
前記ポリオールプレミックス組成物の0.05重量%~10重量%の量で存在する分布強化構成成分であって、周囲条件下で4ヶ月の期間貯蔵された場合に実質的に均一な混合物のままである、安定で実質的に均一なブレンドを形成する前記ハロゲン化オレフィン発泡剤及び前記ポリエステルポリオールの能力を強化する前記分布強化構成成分と、を含み
前記分布強化構成成分がメタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-プロパノール、1-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、ノニルフェノールエトキシレート、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、1,3-ジイソプロペニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸、トランス-1,2-ジクロロエチレン、2-クロロプロパン、炭酸プロピレン、フタル酸ジオクチル、トルエン、1-プロポキシ-2-プロパノール、トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスファート、およびメチラールのうちの1つ以上を含む、方法
【請求項2】
前記分布強化構成成分が、メタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-プロパノール、1-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、及び2-メチル-1-プロパノールのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法
【請求項3】
前記分布強化構成成分が、前記ポリオールプレミックス組成物の0.5重量%~10重量%の量で存在する、請求項1又は2に記載の方法
【請求項4】
前記分布強化構成成分が、前記ポリオールプレミックス組成物の1重量%~10重量%
の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法
【請求項5】
前記分布強化構成成分が、前記ポリオールプレミックス組成物の少なくとも1.7重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法
【請求項6】
前記ポリエステルポリオールが、前記ポリオールプレミックス組成物の80重量%~95重量%の量で存在し、前記ハロゲン化オレフィン発泡剤が、前記ポリオールプレミックス組成物の0.25重量%~10重量%の量で存在し、前記分布強化構成成分が、前記ポリオールプレミックス組成物の0.5重量%~10重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法
【請求項7】
ハロゲン化オレフィン発泡剤がシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法
【請求項8】
ハロゲン化オレフィン発泡剤がトランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年7月25日に出願された米国仮出願第62/366,437号の優
先権利益を主張する、2017年6月23日に出願された米国出願第15/631,70
9号に対する優先権を主張し、それらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ポリウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体、並びにその調製方法に関す
る。より具体的には、本発明は、硬質、半硬質、及び可撓性ポリウレタン及びポリイソシ
アヌレート発泡体、並びにシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エ
ン(HFO-1336mzzm(Z))を含む発泡剤としてのハロゲン化オレフィン、及
びポリエステルポリオールを使用したその調製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
低密度、硬質、半硬質、及び可撓性ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体とし
て知られる発泡体のクラスは、ルーフィングシステム、建築パネル、建築物エンベロープ
断熱材、冷蔵庫及び冷凍庫、シートクッション、マットレス、靴底、包装材料などの幅広
い絶縁用途において有用である。硬質ポリウレタン発泡体の大規模な市販許容性における
重要な要素は、良好な特性のバランスを提供するそれらの能力である。硬質の独立気泡ポ
リウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体は、合理的に低い密度で優れた絶熱性、優れ
た耐火性、及び優れた構造特性を提供することが知られている。半可撓性及び可撓性ポリ
ウレタン発泡体は、優れた緩衝特性及びエネルギー吸収特性を提供することが知られてい
る。発泡体産業は、典型的な加工条件下でのそれらの使用が容易であるため、発泡剤とし
てある特定の液体フッ化炭素材料を過去に使用してきた。ある特定のフッ化炭素は、それ
らの揮発性により発泡剤として作用することができるだけではなく、独立気泡発泡体の場
合、硬質発泡体の独立気泡構造に同伴され、かつ硬質ウレタン発泡体の低い熱伝導性の主
要原因でもある。絶縁発泡体用途における好ましい商業的膨張剤又は発泡剤としてのある
特定のフッ化炭素材料の使用は、生成された発泡体に関連する結果として生じるk因子に
部分的に基づく。k因子は、材料の2つの表面を垂直に横切って1°Fの差がある、1時
間で1インチの厚さの1平方フィートの均質な材料を通した、伝導による熱エネルギーの
伝達速度として定義される。多くの独立気泡ポリウレタン型発泡体の使用は、発泡体の断
熱性に部分的に基づくため、より低いk因子の発泡体を生成する材料を識別することが有
利である。可撓性ポリウレタン発泡体の場合、水のみの使用では達成が困難なレベルまで
これらの発泡体の密度を低下させるために、ある特定のフッ化炭素を含む物理発泡剤が使
用される。
【0004】
発泡剤、触媒、界面活性剤、及び任意に他の成分の存在下で、ポリイソシアネートをポ
リオールと反応させることによって、ポリウレタン及びポリイソシアヌレート発泡体を生
成することが、当該技術分野において既知である。多くの用途のために、発泡剤は、ポリ
オール構成成分中で実質的に均質に分布するべきである。ポリイソシアネートがポリオー
ルと反応したときに発生する熱は、液体混合物中に含有される発泡剤を揮発させ、その内
部に泡を形成する。重合反応が進行すると、液体混合物は、ポリマー性のセル状固体にな
り、独立気泡発泡体中の発泡体のセル内に発泡剤を封入する。多くの用途では、界面活性
剤が発泡性組成物中で使用されない場合、泡は、発泡体を形成せずに液体混合物を単純に
通過するか、又は硬質発泡体には有用でない状態にする大きく不規則なセルを有する発泡
体を形成する。また、発泡剤が発泡時に発泡性組成物中に実質的に均一に分布していない
場合、不規則かつ一貫性のない発泡体が形成される。
【0005】
好適な発泡剤としては、ある特定のフッ化炭素、クロロカーボン、クロロフルオロカー
ボン、ヒドロハロオレフィン、炭化水素、エーテル、エステル、アルデヒド、ケトン、ア
セタール、有機酸、大気ガス、分解又は化学反応を通してガス、例えばCO2を生成する
材料(水、ギ酸、及びアゾジカルボンアミドなどであるがこれらに限定さない)、並びに
これらのうちの2つ以上の混合物が挙げられる。好ましい発泡剤は、地球温暖化の可能性
が低い。これらの発泡剤には、ヒドロフルオロオレフィン(hydrofluorool
efin、HFO)(ヒドロクロロフルオロオレフィン(hydrochloroflu
oroolefin、HFCOとしても既知)を含む)を含む、ある特定のヒドロハロオ
レフィンがある。特に興味深いのは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペ
ン(HFO-1234ze(E))、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブ
タ-2-エン(HFO-1336mzz(Z))、及びトランス-1-クロロ-3,3,
3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E))である。1,3,3,3-テ
トラフルオロプロペンの製造のためのプロセスは、米国特許第7,230,146号及び
同第7,189,884号に開示されている。1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプ
ロペンの製造のためのプロセスは、米国特許第6,844,475号及び同第6,403
,847号に開示されている。本明細書で使用される場合、「(E)」という表記は、分
子のトランス異性体を表し、「(Z)」は、シス異性体を表す。
【0006】
予めブレンドされた配合物中にポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体のための
構成成分を提供することは、多くの用途において便利である。最も典型的には、発泡体配
合物は、2つの構成成分に予めブレンドされる。ポリイソシアネート及び任意のイソシア
ネート適合性原材料は、「A」構成成分と一般に称される、第1の構成成分を含む。ポリ
オール又はポリオールの混合物、界面活性剤、触媒、発泡剤、並びに他のイソシアネート
反応性及び非反応性構成成分は、「B」構成成分と一般に称される、第2の構成成分を含
む。したがって、ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体は、小規模の調製のため
の手動混合、及び好ましくは機械混合技法のいずれかによって、A及びBの副構成成分を
1つにすることによって容易に調製されて、ブロック、スラブ、ラミネート、現場注入型
パネル、可撓性発泡体、靴底、及び他の品物、吹き付け発泡体、フロス、成形品などを形
成する。任意に、発泡剤の全部又は一部が、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、及び他のポリ
オールなどの他の成分と一緒に、混合ヘッド又は反応部位に添加され得る。しかしながら
、最も便利には、それらは全て1つのB構成成分に組み込まれる。
【0007】
物理発泡剤が均一な密度及びセル構造を有する発泡体を得るために、発泡剤は、例えば
ポリオール中に溶解、分散、及び/又は乳化されることによって実質的に均一な分布し、
それによりポリオール及び発泡剤の実質的に均質なブレンドを形成しなければならない。
混合物は、輸送中に撹拌された場合に泡立つのではなく均質なままである必要がある。ポ
リウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体の製造に利用されるポリオールの種類は多い
。ほとんどのポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体は、異なる構造及び特性を有
するポリオールのブレンドから調製される。直接使用されるポリオールは、ポリウレタン
又はポリイソシアヌレート発泡体の物理的性質に直接影響を与える。各ポリウレタン又は
ポリイソシアヌレート発泡体用途において、ポリオールの選択は、発泡剤の濃度が異なる
ように異なる。使用されるポリオールの大部分は、ポリエーテル及びポリエステルの2ク
ラスに分類される。各クラスのポリオールの構造は異なる。ポリエステルポリオールの使
用は、多くの用途にとって重要である。いくつかの配合物中、使用されるポリオールの1
00%がポリエステルポリオールである。配合物の開発における重要な検討事項が、ブレ
ンドが形成、貯蔵、及び輸送される温度範囲(例えば-20℃~50℃)、並びに/又は
発泡体が形成される温度範囲(例えば10℃~55℃)を含む温度範囲にわたって、どれ
ほどの発泡剤がポリオールブレンド中で均一に分布し得るかということであることを、出
願者らは理解するようになった。均一であることに加えて、ブレンドは、泡立ってはいけ
ない。
【発明の概要】
【0008】
ある特定のポリオールが従来使用されていた条件下で、かつ従来使用されていた他の材
料の存在下で、ある特定の発泡剤を用いて均一な分布を容易に形成しないことを、出願者
らは理解するようになった。ブレンドは、泡立ち、輸送及び使用に関する問題を引き起こ
す可能性がある。ブレンド中にある特定の材料を含むことが、これらの欠点を克服し、発
泡剤がそうでなければポリオール中に不十分に分布し、かつ実質的に均一に分布していな
い場合に達成される均一な分布の程度を改善又は強化することができることを、出願者ら
は見出した。
【0009】
本発明の一態様は、ポリオールプレミックス組成物に関し、ポリオールプレミックス組
成物は、(a)ポリエステルポリオールと、(b)ハロゲン化オレフィン発泡剤、好まし
くはC3又はC4ハロゲン化オレフィンを含む発泡剤であって、更により好ましくはHF
O-1336mzzm(Z)とも称されるシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオ
ロブタ-2-エンを含む、発泡剤と、(c)ポリエステルポリオール中のハロオレフィン
発泡剤の均一な分布を可能にし、かつ/又はその分布の均一性を改善する、少なくとも1
つの分布強化構成成分とを含む。本明細書で使用される場合、本発明に従って選択される
分布強化構成成分は、本明細書において便宜上「相溶化剤」とも称される場合がある。発
泡剤の実質的に均一な分布が達成されていない1つの印は、好ましくは、構成成分のブレ
ンド/混合を試みた後の相分離の、本明細書の実施例に記載されるような条件下での目視
観察である。逆に、実質的に均一な分布の存在の好ましい実施形態における1つの印は、
好ましくは、相分離の兆候がない実質的に一貫した液相の、本明細書の実施例に記載され
るような条件下での目視観察である。
【0010】
本発明の他の態様は、ブレンド、発泡性組成物を調製する方法、発泡性組成物、及び発
泡体を含む。
【0011】
本発明の一態様は、有機相溶化剤、好ましくは1~40の炭素原子、更により好ましく
は1~25個の炭素原子を有する有機ヒドロキシ含有化合物の選択である。ある特定の好
ましい実施形態では、1~10個の炭素原子を有する非環式アルコール、6~40個の炭
素原子を有する環式アルコール、アルキルフェノール及びアルキルフェノールエトキシレ
ート、ジプロピレングリコール、ジイソプロピレングリコール、ジプロピレングリコール
メチルエーテル、メチラール(メチレンジメチルエーテル)、エチレングリコールモノ-
ブチルエーテル、1,3-ジイソプロペニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン、アセト
ン、メチルエチルケトン、トランス-1,2-ジクロロエチレン、2-クロロプロパン、
トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、ギ酸メチル、炭酸プロピレ
ン、フタル酸ジオクチル、トルエン、リン酸トリス(1-クロロ-2-プロピル)、及び
これらのうちの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。
【0012】
ある特定の態様では、本発明は、分布強化構成成分、好ましくは前の段落で識別される
ような、若しくは本明細書の別の箇所に記載されるような分布強化構成成分、及び(a)
ハロゲン化オレフィン発泡剤又は(b)ポリエステルポリオールのいずれかを含むブレン
ドを含む。好ましい実施形態では、ハロゲン化発泡剤は、シス-1,1,1,4,4,4
-ヘキサフルオロブタ-2-エンを含むか、又はそれから本質的になってもよく、若しく
はそれからなってもよい。好ましくは、ブレンドは、構成成分の実質的に均一なブレンド
又は混合物として形成され、更により好ましくは、発泡剤又はポリエステルポリオールは
、存在するどちらでも、相溶化剤によって溶媒和され、かつ/又はその中で実質的に均一
に分散され、かつ/又はその中で実質的に均一に乳化され、代替方法においては、相溶化
剤は、発泡剤若しくはポリエステルポリオール(存在するどちらでも)によって溶媒和さ
れ、かつ/又はその中で実質的に均一に分散され、かつ/又はその中で実質的に均一に乳
化される。そのような実施形態では、溶液/分散液/エマルジョンは、密封容器内で、予
想周囲温度条件下にある貯蔵温度で、貯蔵時、好ましくは4ヶ月の期間、より好ましくは
6ヶ月の期間、更により好ましくは1年の期間の貯蔵時に安定していることもまた非常に
好ましい。ある特定の好ましい実施形態では、安定した貯蔵は、約-20℃~約55℃の
温度で本発明に従って存在する。
【0013】
本発明の別の態様は、ポリオールプレミックス組成物である。一実施形態では、ポリオ
ールプレミックス組成物は、少なくとも1つのポリエステルポリオールと、シス-1,1
,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン発泡剤と、本発明の分布強化構成成分
、好ましくは1~10個の炭素原子を有する非環式アルコール、6~40個の炭素原子を
有する環式アルコール、アルキルフェノール及びアルキルフェノールエトキシレート、ジ
プロピレングリコール、ジイソプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエ
ーテル、メチラール、エチレングリコールモノ-ブチルエーテル、1,3-ジイソプロピ
ルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,3-ジイソプロペニルベンゼン、イソプロペニ
ルベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、トランス-1,2-ジクロロエチレン、2
-クロロプロパン、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、ギ酸メ
チル、炭酸プロピレン、フタル酸ジオクチル、トルエン、リン酸トリス(1-クロロ-2
-プロピル)、及びこれらのうちの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択され
る相溶化剤とを含み、発泡剤及び分布強化構成成分は、好ましくは当該発泡剤及び分布強
化構成成分がポリオール中で実質的に均一に分散され、かつ/又はその中で乳化され、か
つ/又はそれによって溶媒和されることによって、ブレンドとして、又はポリオールプレ
ミックス中で実質的に均一に分布する。
【0014】
本発明の別の態様は、ポリオールプレミックス組成物を形成する方法である。一実施形
態では、方法は、(a)ポリエステルポリオールと、(b)シス-1,1,1,4,4,
4-ヘキサフルオロブタ-2-エンを含む、更により好ましくはその少なくとも約50重
量%を含む、更により好ましくはそれから本質的になる、発泡剤と、1~10個の炭素原
子を有する非環式アルコール、6~40個の炭素原子を有する環式アルコール、アルキル
フェノール及びアルキルフェノールエトキシレート、エチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ジイソプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、メ
チラール、エチレングリコールモノ-ブチルエーテル、1,3-ジイソプロピルベンゼン
、イソプロピルベンゼン、1,3-ジイソプロペニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン
、アセトン、メチルエチルケトン、トランス-1,2-ジクロロエチレン、2-クロロプ
ロパン、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、ギ酸メチル、炭酸
プロピレン、フタル酸ジオクチル、トルエン、リン酸トリス(1-クロロ-2-プロピル
)、及びこれらのうちの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される分布強化
構成成分であって、発泡剤及び分布強化構成成分は、好ましくは当該発泡剤及び分布強化
構成成分がポリオール中で実質的に均一に分散され、かつ/又はその中で乳化され、かつ
/又はそれによって溶媒和されることによって、ポリオール中で実質的に均一に分布する
、分布強化構成成分と、(d)アミン触媒と、(e)シリコーン界面活性剤とを組み合わ
せることを含む。
【0015】
本発明の別の態様は、発泡性組成物である。一実施形態では、発泡性組成物は、有機ポ
リイソシアネート及び本発明に従ったポリオールプレミックス組成物の混合物を含む。
【0016】
本発明の別の態様は、ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体を調製する方法で
ある。一実施形態では、方法は、有機ポリイソシアネートを本発明に従ったポリオールプ
レミックス組成物と反応させることを含む。
【0017】
本発明の別の態様は、本発明の相溶化剤ブレンド、及び/又はポリオールプレミックス
、及び/又は発泡性組成物を利用する方法に従って生成された発泡体である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
HFO-1336mzzm(Z)は、近年開発されたヒドロハロオレフィンである。以
下で考察されるように、様々なポリエステルポリオール中で均一に分布するHFO-13
36mzzm(Z)の能力を、異なる濃度及び温度で、1,1,1,3,3-ペンタフル
オロプロパン(HFC-245fa)及びトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフル
オロプロペン(HFO-1233zd(E))の2つの他の一般的に使用される発泡剤の
能力と比較した。均一な分布を達成するHFO-1336mzzm(Z)の能力が、使用
されるポリエステルポリオール、濃度、及び温度に対して有意に変化したこと、並びに本
明細書に記載される本発明の非存在下で、HFO-1336mzzm(Z)が驚くことに
、多くの一般的に使用されるポリエステルポリオール中でせいぜい不十分にしか分布しな
いことが見出されたことを発見した。これは、ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発
泡体中の発泡剤の実質的な構成成分としてのその使用を著しく制限する。HFO-123
3zd(E)がHFO-1336mzzm(Z)と比較して、いくつかのポリオールエス
テルと均一な分布をもたらす優れた能力を有するように思われることを、出願者らは見出
しているが、HFO-1233zd(E)とより少ない溶液の泡を含む発泡剤の改善又は
強化された分布を達成することが可能であり、かつそのような発泡剤が、本明細書に含ま
れる教示に従って使用されることも、出願者らは見出した。ハロゲン化オレフィン、より
好ましくはC3及びC4ハロゲン化オレフィン、例えばHFO-1336mzzm(Z)
が、ポリオールプレミックス組成物中で使用されるある特定のポリエステルポリオール中
で均一に分配される程度を、ある特定の化合物が強化することが可能であることも、出願
者らは驚くことに見出した。上記のように、これらの化合物及び化合物のブレンドは、本
明細書において相溶化剤と称される。相溶化剤は、好ましくは、ハロゲン化オレフィン、
例えばHFO-1336mzzm(Z)、及び/又はポリエステルポリオール、並びに好
ましくは両方によって溶媒和され、かつ/又はその中で分散され、かつ/又はその中で乳
化される。更に、このようにして形成された均一な分布は、好ましくは、ポリオール中の
発泡剤の安定で実質的に均一な分布である。本明細書で使用される場合、安定で実質的に
均一な分布とは、実質的に均一な分布が、4ヶ月の期間、好ましくは6ヶ月の期間、更に
より好ましくは1年の期間にわたって貯蔵されたとき、少なくとも1つの温度で、かつ好
ましくは、約-20℃~約55℃の全温度範囲にわたって維持されることを意味する。好
ましい実施形態では、安定で実質的に均一な分布は、ポリオール中の発泡剤の安定した溶
液、及び/又は分散液、及び/又はエマルジョンを含む。望ましくは、相溶化剤は、広範
な濃度にわたって多種多様なポリエステルポリオールと共に使用され得、貯蔵安定性は、
少なくとも本明細書に記載される好ましい温度範囲にわたって示される。
【0019】
望ましくは、相溶化剤は、HFO-1336mzzm(Z)、又はポリエステルポリオ
ール、又はHFO-1336mzzm(Z)、ポリエステルポリオール、及びポリオール
プレミックス組成物中の任意の他の構成成分の混合物と組み合わされ得る。
【0020】
様々な材料を研究して、様々なポリオール中の相溶化剤としてのそれらの有効性を判定
した。分布強化構成成分は、典型的には1~40個の炭素原子を有する。いくつかの実施
形態では、分布強化構成成分は、1つ以上のヒドロキシル基を有する。分布強化構成成分
は、アルコール、グリコール、エーテル、アセタール、ベンゼン、ケトン、塩素系溶剤、
カーボネート、溶剤、及び界面活性剤の多くの1つを含んでもよい。
【0021】
好ましい相溶化剤が、1~10個の炭素原子を有する非環式アルコール、6~40個の
炭素原子(好ましくは、約6~約15個の炭素原子)を有する環式アルコール、アルキル
フェノール及びアルキルフェノールエトキシレート、エチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ジイソプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、メ
チラール、エチレングリコールモノ-ブチルエーテル、1,3-ジイソプロピルベンゼン
、イソプロピルベンゼン、1,3-ジイソプロペニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン
、アセトン、メチルエチルケトン、トランス-1,2-ジクロロエチレン、2-クロロプ
ロパン、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、ギ酸メチル、炭酸
プロピレン、フタル酸ジオクチル、トルエン、リン酸トリス(1-クロロ-2-プロピル
)(tris(1-chloro-2-propyl)phosphate、TCPP)
、及びこれらのうちの任意の2つ以上の組み合わせを含むが、これらに限定されないこと
を、出願者らは見出した。
【0022】
好ましい非環式アルコールは、直鎖又は分岐鎖であってもよく、好ましくは1~10個
の炭素原子、又は1~9個の炭素原子、又は1~8個の炭素原子、又は1~7個の炭素原
子、又は1~6個の炭素原子、又は1~5個の炭素原子、又は2~5個の炭素原子、又は
2~4個の炭素原子を有する。好ましい非環式アルコールは、単官能アルコールである。
好ましい単官能アルコールは、エタノール、メタノール、イソプロパノール、n-ブタノ
ール、2-プロパノール、1ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、及び2-メチ
ル-1-プロパノールである。
【0023】
好ましい環式アルコールは、好ましくは6~40個の炭素原子、又は6~35個の炭素
原子、又は6~30個の炭素原子、又は6~25個の炭素原子、又は6~20個の炭素原
子、又は6~15個の炭素原子、又は6~14個の炭素原子、又は6~12個の炭素原子
、又は6~10個の炭素原子、又は6~9個の炭素原子、又は6~8個の炭素原子を有す
る。
【0024】
いくつかの実施形態では、相溶化剤は、アルキルフェノール、好ましい実施形態では、
例えばアルキルフェノールエトキシレートを含むアルキルフェノールアルコキシレートを
含む。特定の好ましい実施形態は、ノニルフェノール及びノニルフェノールエトキシレー
トを含むが、これらに限定されない。
【0025】
本発明の一態様は、相溶化剤、及びHFO-1336mzzm(Z)又はポリエステル
ポリオールのいずれかのブレンドを提供する。別の態様は、相溶化剤、HFO-1336
mzzm(Z)、及びポリエステルポリオールを含むポリオールプレミックス組成物を提
供する。他の態様は、ポリオールプレミックス組成物を調製する方法、及びポリオールプ
レミックス組成物を使用してポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体を調製する方
法、並びにポリオールプレミックス組成物を使用する発泡性組成物を提供する。
【0026】
本発明の一態様は、相溶化剤ブレンドである。いくつかの実施形態では、相溶化剤ブレ
ンドは、本発明に従った相溶化剤とHFO-1336mzzm(Z)とを含む。相溶化剤
ブレンドは、相溶化剤とポリエステルポリオールとを含むことができる。相溶化剤ブレン
ドは、必要に応じて、1つ以上の相溶化剤を含むことができる。
【0027】
相溶化剤は、相溶化剤及び発泡剤の量、又は相溶化剤及びポリエステルポリオールの量
に基づき、必要に応じて、約0.5重量%~約10重量%、又は約0.5重量%~約9重
量%、又は約0.5重量%~約8重量%、又は約0.5重量%~約7重量%、又は約0.
5重量%~約6重量%、又は約0.5重量%~約5重量%、又は約1重量%~約10重量
%、又は約2重量%~約10重量%、又は約3重量%~約10重量%、又は約4重量%~
約10重量%の量で存在することができる。
【0028】
本発明の別の態様は、ポリオールプレミックス組成物である。ポリオールプレミックス
組成物は、ポリエステルポリオールと、ハロゲン化オレフィン発泡剤、好ましくはC3又
はC4ハロゲン化オレフィン、更により好ましくはシス-1,1,1,4,4,4-ヘキ
サフルオロブタ-2-エン発泡剤と、相溶化剤とを含む。発泡剤、若しくはポリエステル
ポリオール、又は両方が一緒に、安定で実質的に均質な構成成分の組み合わせを形成し、
好ましい実施形態では、これは、安定した溶液、分散液、及び/又はエマルジョンを形成
する構成成分の組み合わせによって達成される。
【0029】
相溶化剤は、ポリオールプレミックス組成物の少なくとも約1.7重量%の量で存在す
ることができる。
【0030】
ポリオールプレミックス組成物に関連して、相溶化剤は、プレミックス組成物中の構成
成分の総重量に基づき、約0.01重量%~約10重量%、又は約0.01重量%~約9
重量%、又は約0.01重量%~約8重量%、又は約0.01重量%~約7重量%、又は
約0.01重量%~約6重量%、又は約0.01重量%~約5重量%、又は約0.05重
量%~約10重量%、又は約0.05重量%~約9重量%、又は約0.05重量%~約8
重量%、又は約0.05重量%~約7重量%、又は約0.05重量%~約6重量%、又は
約0.05重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約10重量%、又は約0.1重量
%~約9重量%、又は約0.1重量%~約8重量%、又は約0.1重量%~約7重量%、
又は約0.1重量%~約6重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.3重量
%~約10重量%、又は約0.3重量%~約9重量%、又は約0.3重量%~約8重量%
、又は約0.3重量%~約7重量%、又は約0.3重量%~約6重量%、又は約0.3重
量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約9重量%、又は約0.5重量%~約8重量%
、又は約0.5重量%~約7重量%、又は約0.5重量%~約6重量%、又は約0.5重
量%~約5重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約2重量%~約10重量%、又
は約3重量%~約10重量%、又は約4重量%~約10重量%の量でポリオールプレミッ
クス中に存在することができる。
【0031】
ポリオールプレミックス組成物に関連して、ポリオールプレミックス組成物中の構成成
分の総重量に基づき、ポリエステルポリオールは、約50重量%~約98重量%の量でポ
リオールプレミックス中に存在することができ、発泡剤は、約0.25重量%~約50重
量%の量で存在することができる。
【0032】
ポリオールプレミックス組成物に関連して、ポリエステルポリオールは、プレミックス
組成物中の構成成分の総重量に基づき、ポリオールプレミックス組成物の約55重量%~
約98重量%、又は約60重量%~約98重量%、又は約65重量%~約98重量%、又
は約70重量%~約98重量%、又は約75重量%~約98重量%、又は約80重量%~
約98重量%、又は約85重量%~約98重量%、又は約90重量%~約98重量%、又
は約50重量%~約95重量%、又は約50重量%~約90重量%、又は約50重量%~
約85重量%、又は約60重量%~約95重量%、又は約60重量%~約90重量%、又
は約60重量%~約85重量%、又は約60重量%~約80重量%、又は約65重量%~
約95重量%、又は約65重量%~約90重量%、又は約65重量%~約85重量%、又
は約65重量%~約80重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在することが
できる。
【0033】
発泡剤は、ポリオールプレミックス組成物の構成成分の総重量に基づき、約0.25重
量%~約45重量%、又は約0.25重量%~約40重量%、又は約0.25重量%~約
35重量%、又は約0.25重量%~約30重量%、約0.25重量%~約25重量%、
又は約0.25重量%~約20重量%、又は約0.25重量%~約15重量%、又は約0
.25重量%~約10重量%、又は約0.25重量%~約5重量%、又は約0.25重量
%~約2重量%、又は約1重量%~約50重量%、又は約1重量%~約45重量%、又は
約1重量%~約40重量%、又は約1重量%~約35重量%、又は約1重量%~約30重
量%、約1重量%~約25重量%、又は約1重量%~約20重量%、又は約1重量%~約
15重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重
量%~約2重量%、又は約5重量%~約50重量%、又は約5重量%~約45重量%、又
は約5重量%~約40重量%、又は約5重量%~約35重量%、又は約5重量%~約30
重量%、約5重量%~約25重量%、又は約5重量%~約20重量%、又は約5重量%~
約15重量%、又は約5重量%~約10重量%、又は約10重量%~約40重量%、又は
約10重量%~約35重量%、又は約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25
重量%、又は約10重量%~約20重量%、又は約10重量%~約15重量%、又は約1
5重量%~約50重量%、又は約15重量%~約45重量%、又は約15重量%~約40
重量%、又は約15重量%~約35重量%、又は約15重量%~約30重量%、又は約1
5重量%~約25重量%、又は約15重量%~約20重量%、又は約20重量%~約50
重量%、又は約20重量%~約45重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約2
0重量%~約35重量%、又は約20重量%~約30重量%、又は約20重量%~約25
重量%の量で存在することができる。
【0034】
ポリオールプレミックス組成物は、触媒と界面活性剤とを含むことができる。
【0035】
ポリオールプレミックス組成物は、難燃剤、染料、充填剤、顔料、分散剤、セル安定剤
、及び成核剤のうちの1つ以上を含むことができる。
【0036】
ポリオールプレミックス組成物は、ポリエステルポリオールと、ハロゲン化オレフィン
発泡剤と、相溶化剤とを組み合わせることによって形成され得る。発泡剤、若しくはポリ
エステルポリオール、又は両方は、好ましくは相溶化剤、発泡剤、及び/又はポリオール
の安定した溶液、分散液、及び/又はエマルジョンを形成することによって、相溶化剤中
で実質的に均一に分布する。
【0037】
概して、相溶化剤ブレンド中の、及びポリオールプレミックスの形成における構成成分
の添加の順序及び方法が、本発明の範囲内で大きく異なり得ることが企図される。相溶化
剤は、プレミックス組成物の残りの構成成分に添加される前に、発泡剤に添加され得る。
あるいは、相溶化剤は、プレミックス組成物の残りの構成成分に添加される前に、ポリエ
ステルポリオールに添加され得る。あるいは、相溶化剤は、発泡剤、ポリエステルポリオ
ール、及び任意の他の構成成分の混合物に添加され得る。あるいは、構成成分の全てが同
時に添加され得る。
【0038】
ポリエステルポリオールは、1つ以上のポリエステルポリオールを含んでもよい。多種
多様なポリエステルポリオールが使用され得る。好適なポリエステルポリオールとしては
、芳香族ポリエステルポリオール、芳香族ポリエチレンテレフタレートポリオール、芳香
族カルボン酸無水物、直鎖ポリ(ジエチレンアジペート)グリコール系ポリエステルポリ
オール、ジプロピレングリコール、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限
定されない。
【0039】
ポリエステルポリオール(複数可)に加えて、1つ以上の追加のポリオールが存在し得
る。追加のポリオールは、ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体を調製する際に
イソシアネートと既知の様式で反応する、任意のポリオールであってもよい。有用な追加
のポリオールは、スクロース含有ポリオール、フェノールホルムアルデヒド含有ポリオー
ル、グルコース含有ポリオール、ソルビトール含有ポリオール、メチルグルコシド含有ポ
リオール、トルエンジアミン含有ポリオール、マンニッヒ塩基ポリオール、グリセリン含
有ポリオール、エチレングリコール含有ポリオール、ジエチレングリコール含有ポリオー
ル、プロピレングリコール含有ポリオール、ポリエーテルポリオールとビニルポリマーの
グラフトコポリマー、ポリエーテルポリオールとポリ尿素のコポリマー、(b)のうちの
1つ以上と縮合した(a)のうちの1つ以上:
【0040】
((a)グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール、大豆油、レシチン、トール油、パー
ム油、ヒマシ油、
【0041】
(b)エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エチレンオキシド
及びプロピレンオキシドの混合物)、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。
【0042】
ポリエステルポリオール(複数可)及び1つ以上の追加のポリオールの混合物が使用さ
れる場合、ポリエステルポリオール(全てのポリエステルポリオールの総量)は、一般に
、ポリオールの総量(ポリエステルポリオール(複数可)及び追加のポリオール)の約1
重量%~約99重量%の量で存在し、追加のポリオールは、一般に、ポリオールの総量の
約1重量%~99重量%の量で存在する。ポリエステルポリオールは、ポリオールプレミ
ックス組成物の約5重量%~約99重量%、又は約10重量%~約99重量%、又は約1
5重量%~約99重量%、又は約20重量%~約99重量%、又は約25重量%~約99
重量%、又は約30重量%~約99重量%、又は約35重量%~約99重量%、又は約4
0重量%~約99重量%、又は約45重量%~約99重量%、又は約50重量%~約99
重量%、又は約55重量%~約99重量%、又は約60重量%~約99重量%、又は約6
5重量%~約99重量%、又は約70重量%~約99重量%、又は約75重量%~約99
重量%、又は約80重量%~約99重量%、又は約85重量%~約99重量%、又は約9
0重量%~約99重量%、又は約95重量%~約99重量%、又は約5重量%~約95重
量%、又は約10重量%~約95重量%、又は約15重量%~約95重量%、又は約20
重量%~約95重量%、又は約25重量%~約95重量%、又は約30重量%~約95重
量%、又は約35重量%~約95重量%、又は約40重量%~約95重量%、又は約45
重量%~約95重量%、又は約50重量%~約95重量%、又は約55重量%~約95重
量%、又は約60重量%~約95重量%、又は約65重量%~約95重量%、又は約70
重量%~約95重量%、又は約75重量%~約95重量%、又は約80重量%~約95重
量%、又は約85重量%~約95重量%、又は約90重量%~約95重量%、又は約5重
量%~約90重量%、又は約10重量%~約90重量%、又は約15重量%~約90重量
%、又は約20重量%~約90重量%、又は約25重量%~約90重量%、又は約30重
量%~約90重量%、又は約35重量%~約90重量%、又は約40重量%~約90重量
%、又は約45重量%~約90重量%、又は約50重量%~約90重量%、又は約55重
量%~約90重量%、又は約60重量%~約90重量%、又は約65重量%~約90重量
%、又は約70重量%~約90重量%、又は約75重量%~約90重量%、又は約80重
量%~約90重量%、又は約85重量%~約90重量%、又は約5重量%~約85重量%
、又は約10重量%~約85重量%、又は約15重量%~約85重量%、又は20重量%
~約85重量%、又は約25重量%~約85重量%、又は約30重量%~約85重量%、
又は約35重量%~約85重量%、又は約40重量%~約85重量%、又は約45重量%
~約85重量%、又は約50重量%~約85重量%、又は約55重量%~約85重量%、
又は約60重量%~約85重量%、又は約65重量%~約85重量%、又は約70重量%
~約85重量%、又は約75重量%~約85重量%、又は約80重量%~約85重量%、
又は約85重量%~約85重量%、又は約90重量%~約85重量%、又は約5重量%~
約80重量%、又は約10重量%~約80重量%、又は約15重量%~約80重量%、又
は約20重量%~約80重量%、又は約25重量%~約80重量%、又は約30重量%~
約80重量%、又は約35重量%~約80重量%、又は約40重量%~約80重量%、又
は約45重量%~約80重量%、又は約50重量%~約80重量%、又は約55重量%~
約80重量%、又は約60重量%~約80重量%、又は約65重量%~約80重量%、又
は約70重量%~約80重量%、又は約75重量%~約80重量%、又は約5重量%~約
75重量%、又は約10重量%~約75重量%、又は約15重量%~約75重量%、又は
約20重量%~約75重量%、又は約25重量%~約75重量%、又は約30重量%~約
75重量%、又は約35重量%~約75重量%、又は約40重量%~約75重量%、又は
約45重量%~約75重量%、又は約50重量%~約75重量%、又は約55重量%~約
75重量%、又は約60重量%~約75重量%、又は約65重量%~約75重量%、又は
約70重量%~約75重量%、又は約5重量%~約70重量%、又は約10重量%~約7
0重量%、又は約15重量%~約70重量%、又は約20重量%~約70重量%、又は約
25重量%~約70重量%、又は約30重量%~約70重量%、又は約35重量%~約7
0重量%、又は約40重量%~約70重量%、又は約45重量%~約70重量%、又は約
50重量%~約70重量%、又は約55重量%~約70重量%、又は約60重量%~約7
0重量%、又は約65重量%~約70重量%、又は約5重量%~約65重量%、又は約1
0重量%~約65重量%、又は約15重量%~約65重量%、又は約20重量%~約65
重量%、又は約25重量%~約65重量%、又は約30重量%~約65重量%、又は約3
5重量%~約65重量%、又は約40重量%~約65重量%、又は約45重量%~約65
重量%、又は約50重量%~約65重量%、又は約55重量%~約65重量%、又は約6
0重量%~約65重量%、又は5重量%~約60重量%、又は約10重量%~約60重量
%、又は約15重量%~約60重量%、又は約20重量%~約60重量%、又は約25重
量%~約60重量%、又は約30重量%~約60重量%、又は約35重量%~約60重量
%、又は約40重量%~約60重量%、又は約45重量%~約60重量%、又は約50重
量%~約60重量%、又は約55重量%~約60重量%、又は約5重量%~約55重量%
、又は約10重量%~約55重量%、又は約15重量%~約55重量%、又は約20重量
%~約55重量%、又は約25重量%~約55重量%、又は約30重量%~約55重量%
、又は約35重量%~約55重量%、又は約40重量%~約55重量%、又は約45重量
%~約55重量%、又は約50重量%~55重量%、又は約5重量%~約50重量%、又
は約10重量%~約50重量%、又は約15重量%~約50重量%、又は約20重量%~
約50重量%、又は約25重量%~約50重量%、又は約30重量%~約50重量%、又
は約35重量%~約50重量%、又は約40重量%~約50重量%、又は約45重量%~
約50重量%の量で存在することができる。ポリエステルポリオールは、ブレンド中のポ
リオールの少なくとも約20重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%を含む。全
ポリオールの残りの部分は、追加のポリオールである。
【0043】
使用されるポリオールの量及び組成は、作製される発泡体の種類に部分的に依存する。
可撓性発泡体は、例えば、ポリオールプレミックス組成物の重量により、約80重量%~
約95重量%の全ポリオール(ポリエステルポリオール及び追加のポリオール(存在する
場合))を含有することができる。吹き付け発泡体中、例えば、ポリオールプレミックス
組成物の重量により、約65重量%~約85重量%の全ポリオールが存在し得る。電気器
具用発泡体に関しては、例えば、ポリオールプレミックス組成物の重量により、約65重
量%~約85重量%の全ポリオールが存在し得る。ポリウレタン(polyuretha
ne、PUR)パネル発泡体に関しては、例えば、ポリオールプレミックス組成物の重量
により、約65重量%~約80重量%の全ポリオールが存在し得る。ポリイソシアヌレー
ト(polyisocyanurate、PIR)パネル発泡体中、例えば、ポリオール
プレミックス組成物の重量により、約65重量%~約85重量%の全ポリオールが存在し
得る。PIRパネル発泡体は、例えば、実質的に全てのポリエステルポリオールであり得
る。
【0044】
ハロゲン化オレフィン発泡剤は、好ましくは、C3又はC4ハロゲン化オレフィンを含
み、更により好ましくは、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エ
ン(シス-HFO-1336mzzm(Z))を含む。
【0045】
補助発泡剤が存在し得る。好適な補助発泡剤としては、他のヒドロハロオレフィン、フ
ッ化炭素、クロロカーボン、クロロフルオロカーボン、炭化水素、エーテル、エステル、
アルデヒド、ケトン、アセタール、有機酸、大気ガス、ガス発生材料、又はそれらの組み
合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ガス発生材料によって、我々は、分解又
は化学反応を通してガス、例えばCOを発生させる材料を意味する。ガス発生材料の例
としては、水、ギ酸、又はアゾジカルボンアミドが挙げられるが、これらに限定されない
。水は、イソシアネートと反応して二酸化炭素を形成する。ギ酸は、イソシアネートと反
応して二酸化炭素及び一酸化炭素を形成する。
【0046】
他のヒドロハロオレフィンは、好適に、3~4個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素
-炭素二重結合を含むフルオロアルケン又はクロロアルケンなどの、少なくとも1つのハ
ロアルケンを含む。好適なヒドロハロオレフィンとしては、非排他的に、トリフルオロプ
ロペン;テトラフルオロプロペン、例えばトランス-HFO-1234ze又はシス-H
FO-1234ze;ペンタフルオロプロペン、例えばHFO-1225;ヘキサフルオ
ロブテン、例えばトランス-HFO-1336mzz、又はクロロトリフルオロプロペン
、例えばトランス-HFO-1233zd、シス-HFO-1233zd、HFO-12
33xf;クロロジフルオロプロペン;クロロテトラフルオロプロペン、及びこれらの組
み合わせが挙げられる。不飽和末端炭素が1つ以下のF又はCl置換基を有するテトラフ
ルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、及びクロロトリフルオロプロペン化合物が好
適である。トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze
);2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf);1,1,3,
3-テトラフルオロプロペン;シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(H
FO-1225ye);トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HF
O-1225ye);1,1,1-トリフルオロプロペン;1,1,1,3,3-ペンタ
フルオロプロペン(HFO-1225zc);1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ
ブタ-2-エン、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yc
);シス-1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye);ト
ランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd);2
-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233xf);トランス-1
,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzz)、又
はそれらの組み合わせ、及びこれらの各々のありとあらゆる構造異性体、幾何異性体、若
しくは立体異性体が含まれる。
【0047】
好ましいヒドロハロオレフィンは、150以下、より好ましくは100以下、更により
好ましくは75以下の地球温暖化係数(Global Warming Potenti
al、GWP)を有する。本明細書で使用される場合、「GWP」は、参照により本明細
書に組み込まれる「The Scientific Assessment of Oz
one Depletion,2002,a report of the World
Meteorological Association’s Global Ozo
ne Research and Monitoring Project」に定義され
るように、二酸化炭素のGWPに対して相対的に、かつ100年の計画対象期間にわたっ
て測定される。好ましいヒドロハロオレフィンはまた、好ましくは0.05以下、より好
ましくは0.02以下、更により好ましくは約ゼロのオゾン破壊係数(Ozone De
pletion Potential、ODP)を有する。本明細書で使用される場合、
「ODP」は、参照により本明細書に組み込まれる「The Scientific A
ssessment of Ozone Depletion,2002,A repo
rt of the World Meteorological Associati
on’s Global Ozone Research and Monitorin
g Project」に定義されるとおりである。
【0048】
他の好適な発泡剤としては、HCFC-141b(CH3CCl2F)、HCFC-1
42b(CH3CClF2)、HCFC-22(CHClF2)、HFC-245fa(
CHF2CH2CF3)、HFC-365mfc(CH3CF2CH2CF3)、HFC
-227ea(CF3CHFCF3)、HFC-134a(CH2FCF3)、HFC-
152a(CH3CHF2)、トランス-1,2-ジクロロエチレン、プロパン、ブタン
、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル、
ギ酸メチル、酢酸メチル、アセトン、メチラール、エチラール、二酸化炭素、水、ギ酸、
酢酸、及び混合物又はこれらうちの2つ以上が挙げられる。
【0049】
本発明に従った発泡剤は、発泡体の種類及び/又は用途に基づく濃度の範囲にわたって
存在し得、全てのそのような濃度は、本発明の範囲内である。発泡剤は、例えば、ポリオ
ールプレミックス組成物の約0.25重量%~約50重量%、又は0.5重量%~約50
重量%、又は約1重量%~約50重量%、又は約2重量%~約50重量%、又は約0.5
重量%~約40重量%、又は約1重量%~約40重量%、又は約2重量%~約40重量%
、又は約0.5重量%~約30重量%、又は約1重量%~約30重量%、又は約2重量%
~約30重量%、又は約0.5重量%~約25重量%、又は約1重量%~約25重量%、
又は約2重量%~約25重量%、又は約0.5重量%~約20重量%、又は約1重量%~
約20重量%、又は約2重量%~約20重量%、又は約0.5重量%~約15重量%、又
は約1重量%~約15重量%、又は約2重量%~約15重量%、又は約0.5重量%~約
10重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約2重量%~約10重量%の量で、ポ
リオールプレミックス組成物中に存在する。
【0050】
当業者は、本明細書に含まれる教示に基づき、作製される発泡体の種類のために使用さ
れる発泡剤の量を選択することが可能になる。例えば、可撓性発泡体は、一般的に、比較
的低濃度の発泡剤、好ましくはHFO-1336mzzm(Z)を、好ましくは約0.2
5重量%~約10重量%、又は約0.5重量%~約8重量%、又は約0.5重量%~約6
重量%、又は約0.5重量%~約5重量%、又は0.5重量%~約4重量%の量で使用す
る。吹き付け発泡体は、好ましくは、発泡剤、好ましくはHFO-1336mzzm(Z
)を、好ましくは約4重量%~約25重量%、又は約4重量%~約20重量%、又は約4
重量%~約15重量%、又は約6重量%~約12重量%の量で含む。電気器具用発泡体、
PIRパネル発泡体、及びPURパネル発泡体は、好ましくは、発泡剤、好ましくはHF
O-1336mzzm(Z)を、好ましくは約5重量%~約30重量%、又は約10重量
%~約30重量%、又は約15重量%~約30重量%の量で含む。
【0051】
HFO-1336mzzm(Z)及び補助発泡剤の両方が存在する場合、HFO-13
36mzzm(Z)は、好ましくは全発泡剤の重量により、約1重量%~約99重量%、
又は約5重量%~約99重量%、又は約10重量%~約99重量%、又は約15重量%~
約99重量%、又は約20重量%~約99重量%、又は約25重量%~約99重量%、又
は約30重量%~約99重量%、又は約35重量%~約99重量%、又は約40重量%~
約99重量%、又は約45重量%~約99重量%、又は約50重量%~約99重量%、又
は約55重量%~約99重量%、又は60重量%~約99重量%、又は約65重量%~約
99重量%、又は約70重量%~約99重量%、又は約75重量%~約99重量%、又は
約80重量%~約99重量%、又は約85重量%~約99重量%、又は約90重量%~約
99重量%の量で存在し、補助発泡剤は、好ましくは全発泡剤の重量により、約99重量
%~約1重量%、又は約95重量%~約1重量%、又は約90重量%~約1重量%、又は
約85重量%~約1重量%、又は約80重量%~約1重量%、又は約75重量%~約1重
量%、又は約70重量%~約1重量%、又は約65重量%~約1重量%、又は約60重量
%~約1重量%、又は約55重量%~約1重量%、又は約50重量%~約1重量%、又は
約45重量%~約1重量%、又は約40重量%~約1重量%、又は約35重量%~約1重
量%、又は約30重量%~約1重量%、又は約25重量%~約1重量%、又は約20重量
%~約1重量%、又は約15重量%~約1重量%、又は約10重量%~約1重量%の量で
存在する。
【0052】
発泡剤のブレンドの全体的な組成は、本発明の広い範囲内で大きく異なることができ、
当業者は、本明細書に含まれる教示に基づき、特定の発泡剤の構成成分及び量をそれらの
特定のニーズに合わせて調整することが可能になり、作製される発泡体の種類及び所望の
発泡体特性に基づくものを含む。
【0053】
ポリオールプレミックス組成物は、界面活性剤を含有してもよい。混合物から発泡体を
形成するために、かつ所望のセル構造の発泡体が得られるように発泡体の泡(セル)のサ
イズを制御するために、界面活性剤が使用される。好ましくは、圧縮強度及び熱伝導率な
どの最も望ましい物理的特性を有するため、均一なサイズの小さい泡又はセルを中に有す
る発泡体が望ましい。また、発泡体は、形成前又は起泡中に崩壊しない安定したセルを有
するべきである。
【0054】
好適な界面活性剤としては、シリコーン界面活性剤及び非シリコーン界面活性剤が挙げ
られる。界面活性剤構成成分は、好ましくは、ポリオールプレミックス組成物の重量によ
り、約0.1重量%~約10重量%、又は約0.2重量%~約5重量%、又は約0.2重
量%~約3.0重量%、又は約0.5重量%~約3.0重量%の量で、ポリオールプレミ
ックス組成物中に存在する。
【0055】
ポリオールプレミックス組成物は、触媒を含有する。好適な触媒としては、アミン触媒
及び非アミン触媒が挙げられる。触媒は、好ましくは、ポリオールプレミックス組成物の
重量により、約0.2重量%~約8.0重量%、又は約0.4重量%~約7.0重量%、
又は約0.5重量%~約6.0重量%の量で、ポリオールプレミックス組成物中に存在す
る。
【0056】
従来の難燃剤が、好ましくは、ポリオールプレミックスの約20重量%以下、又は約1
5重量%以下、又は約10重量%以下の量で任意に組み込まれ得る。電気器具用発泡体な
どのいくつかの実施形態は、典型的には、難燃剤を含有しない。任意の難燃剤としては、
リン酸トリス(2-クロロエチル)、リン酸トリス(2-クロロプロピル)、リン酸トリ
ス(2,3-ジブロモプロピル)、リン酸トリス(,3-ジクロロプロピル)、リン酸ト
リ(2-クロロイソプロピル)、リン酸トリクレジル、リン酸トリ(2,2-ジクロロイ
ソプロピル)、ジエチルN,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネー
ト、ジメチルメチルホスホネート、リン酸トリ(2,3-ジブロモプロピル)、リン酸ト
リ(1,3-ジクロロプロピル)、及びテトラ-シス-(2-クロロエチル)エチレンジ
ホスフェート、リン酸トリエチル、リン酸二アンモニウム、様々なハロゲン化芳香族化合
物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニル、メラミンなどが挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0057】
すでに記載された成分に加えて、染料、充填剤、顔料、分散剤、セル安定剤、成核剤(
3Mのペルフルオロ化合物、PF-5056及びFA-188など)などの他の成分が、
発泡体の調製に含まれ得る。他の成分は、典型的には、ポリオールプレミックス組成物の
最大で合計20重量%、又は15重量%以下、又は10重量%以下、又は5重量%以下の
量で含まれる。本明細書で使用するための従来の充填剤としては、例えば、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラック、及びシリカが挙げられる。本明細書で使用
され得る顔料としては、任意の従来の顔料、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸
化アンチモン、クロムグリーン、クロムイエロー、鉄ブルーシエナ、モリブデンオレンジ
、並びに有機顔料、例えば、パラレッド、ベンジジンイエロー、トルイジンレッド、トナ
ー、及びフタロシアニンであってもよい。
【0058】
ポリオールプレミックス組成物は、約50重量%~約98重量%のポリエステルポリオ
ール及び任意の追加のポリオールを含有し得る。任意の追加のポリオールが存在する場合
、約10重量%~約99重量%(ポリオール構成成分の総重量に基づく)のポリエステル
ポリオール、及び約1重量%~約90重量%(ポリオール構成成分の総重量に基づく)の
追加のポリオール、例えばポリエーテルポリオール及びマンニッヒポリオールが存在し得
る。ポリオールプレミックス組成物は、約0.25重量%~約50重量%の発泡剤(全ポ
リオールプレミックスに基づく)を含有し得る。発泡剤は、HFO-1336mzzm(
Z)、又はHFO-1336mzzm(Z)及び補助発泡剤の混合物であり得る。HFO
-1336mzzm(Z)は、発泡剤構成成分の重量により、約40重量%~約99重量
%の量で存在することができ、補助発泡剤は、発泡剤構成成分の重量により、1重量%~
60重量%の量で存在することができる。相溶化剤は、アルコールであってもよく、約0
.01重量%~約10重量%の量で存在することができる。約0.2~約5重量%の界面
活性剤が存在し得る。ポリオールプレミックス組成物は、約0.1重量%~約8.0重量
%の触媒を含有することができる。ポリオールプレミックスは、最大で約20重量%の難
燃剤、及び最大で約20重量%の他の添加剤を含有し得る。
【0059】
電気器具、PIRパネル、及びPURパネルに使用される発泡体の好ましい配合物は、
全ポリオールプレミックス組成物に基づき、約65重量%~約85重量%のポリエステル
ポリオール及び任意の追加のポリオール(約20重量%~約99重量%のポリエステルポ
リオール及び約1重量%~約80重量%の追加のポリオール(存在する場合)(ポリオー
ルの総重量に基づく))を含む。ポリオールプレミックス組成物は、約15重量%~約3
0重量%の発泡剤(全ポリオールプレミックスに基づく)(シス-HFO-1336mz
zm(Z)、又は約92重量%~約97重量%のシス-HFO-1336mzzm(Z)
及び約約3重量%~約8重量%の水の混合物)を含有し得る。相溶化剤は、アルコールで
あってもよく、約0.01重量%~約10重量%の量で存在することができる。約0.2
~約5重量%の界面活性剤、及び約0.1重量%~約6重量%の触媒が存在し得る。ポリ
オールプレミックス組成物は、任意に、約15重量%の難燃剤、及び約10重量%の他の
添加剤を含有し得る。
【0060】
吹き付け発泡体用途のための好ましい配合物は、全ポリオールプレミックス組成物に基
づき、約65重量%~約85重量%のポリエステルポリオール及び任意の追加のポリオー
ル(約40重量%~約99重量%のポリエステルポリオール及び約1重量%~約60重量
%の追加のポリオール(存在する場合)(ポリオールの総重量に基づく))を含む。ポリ
オールプレミックス組成物は、好ましくはそのような実施形態において、約6重量%~約
12重量%の発泡剤(全ポリオールプレミックス組成物に基づく)(シス-HFO-13
36mzzm(Z)、又は約60重量%~約85重量%のシス-HFO-1336mzz
m(Z)及び約約15重量%~約40重量%の水の混合物)を含有する。相溶化剤は、ア
ルコールであってもよく、約0.01重量%~約10重量%の量で存在することができる
。約0.2~約5重量%の界面活性剤、約0.1重量%~約8重量%の触媒が存在し得る
。ポリオールプレミックス組成物は、15重量%の難燃剤、及び10重量%の他の添加剤
を含有し得る。
【0061】
好ましい可撓性発泡体配合物は、全ポリオールプレミックス組成物に基づき、約80重
量%~約95重量%のポリエステルポリオール及び任意の追加のポリオール(約10重量
%~約99重量%のポリエステルポリオール及び約1重量%~約90重量%の追加のポリ
オール(存在する場合)(ポリオールの総重量に基づく))を含む。ポリオールプレミッ
クス組成物は、約0.5重量%~約4重量%の発泡剤(全ポリオールプレミックス組成物
に基づく)(シス-HFO-1336mzzm(Z)、又は約40重量%~約50重量%
のシス-HFO-1336mzzm(Z)及び約約50重量%~約60重量%の水の混合
物)を含有し得る。相溶化剤は、アルコールであってもよく、約0.01重量%~約10
重量%の量で存在することができる。約0.2~約5重量%の界面活性剤、及び約0.1
重量%~約3.5重量%の触媒が存在し得る。ポリオールプレミックス組成物は、約10
重量%の難燃剤、及び約10重量%の他の添加剤を含有し得る。
【0062】
芳香族ポリエステルポリオール及びシス-HFO-1336mzzm(Z)のための好
ましい分布強化構成成分としては、アルコール、アルキルフェノールエトキシレート、エ
ーテル、塩素系溶剤が挙げられる。
【0063】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、1~10個の炭素原子、より好ましくは1
~5個の炭素原子、より好ましくは2~5個の炭素原子、より好ましくは2~4個の炭素
原子、更により好ましくはエタノールを有する、単官能非環式アルコールを含む。
【0064】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族ポリエステルポリオールと、シス-
HFO-1336mzzm(Z)と、ノニルフェノールエトキシレート(ethyoxy
late)とを含む。
【0065】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族ポリエステルポリオールと、シス-
HFO-1336mzzm(Z)と、エチレングリコールモノ-ブチルエーテルとを含む
【0066】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族ポリエステルポリオールと、シス-
HFO-1336mzzm(Z)と、2-クロロプロパンとを含む。
【0067】
芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリエステルポリオール及びシス-HFO-13
36mzzm(Z)のための好ましい分布強化構成成分としては、アルコール、アルキル
フェノールエトキシレート、グリコール、エーテル及びアセタール、ベンゼン、ケトン、
塩素系溶剤、カーボネート、並びに溶剤が挙げられる。
【0068】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、1~10個の炭素原
子、より好ましくは1~5個の炭素原子、より好ましくは2~5個の炭素原子、より好ま
しくは2~4個の炭素原子、更により好ましくはエタノールを有する、単官能非環式アル
コールとを含む。
【0069】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、ノニルフェノールエ
トキシレートとを含む。
【0070】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、ジプロピレングリコ
ールとを含む。
【0071】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、ジプロピレングリコ
ールメチルエーテルとを含む。
【0072】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、メチラールとを含む
【0073】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、エチレングリコール
モノ-ブチルエーテルとを含む。
【0074】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、1,3-ジイソプロ
ペニルベンゼンとを含む。
【0075】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、イソプロペニルベン
ゼンとを含む。
【0076】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、アセトンとを含む。
【0077】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、メチルエチルケトン
とを含む。
【0078】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、ギ酸メチルとを含む
【0079】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、トランス-1,2-
ジクロロエチレンとを含む。
【0080】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、2-クロロプロパン
とを含む。
【0081】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、炭酸プロピレンとを
含む。
【0082】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、フタル酸ジオクチル
とを含む。
【0083】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、トルエンとを含む。
【0084】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族カルボン酸無水物(フタル酸)ポリ
エステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、1-プロポキシ-2
-プロパノールとを含む。
【0085】
芳香族ポリエステルポリオールジオール及びシス-HFO-1336mzzm(Z)の
ための好ましい分布強化構成成分としては、アルコール、グリコール、及びエーテルが挙
げられる。
【0086】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族ポリエステルポリオールジオールと
、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、1~10個の炭素原子、より好ましくは1
~5個の炭素原子、より好ましくは2~5個の炭素原子、より好ましくは2~4個の炭素
原子、更により好ましくはエタノールを有する、単官能非環式アルコールとを含む。
【0087】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族ポリエステルポリオールジオールと
、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、エチレングリコールとを含む。
【0088】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、芳香族ポリエステルポリオールジオールと
、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、エチレングリコールモノ-ブチルエーテル
とを含む。
【0089】
脂肪族アジピン酸ジエチレングリコール系ポリエステルポリオール及びシス-HFO-
1336mzzm(Z)のための好ましい分布強化構成成分としては、アルコール、アル
キルフェノールエトキシレート、エーテル及びアセタール、塩素系溶剤、並びにケトンが
挙げられる。
【0090】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、1~10個
の炭素原子、より好ましくは1~5個の炭素原子、より好ましくは2~5個の炭素原子、
より好ましくは2~4個の炭素原子、更により好ましくはエタノールを有する、単官能非
環式アルコールとを含む。
【0091】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、ノニルフェ
ノールエトキシレートとを含む。
【0092】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、ジプロピレ
ングリコールメチルエーテルとを含む。
【0093】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、メチラール
とを含む。
【0094】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、エチレング
リコールモノ-ブチルエーテルとを含む。
【0095】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、イソプロペ
ニルベンゼンとを含む。
【0096】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、アセトンと
を含む。
【0097】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、メチルエチ
ルケトンとを含む。
【0098】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、トランス-
1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンとを含む。
【0099】
1つの好ましいポリオールプレミックスは、直鎖脂肪族アジピン酸ジエチレングリコー
ル系ポリエステルポリオールと、シス-HFO-1336mzzm(Z)と、ギ酸メチル
とを含む。
【0100】
本明細書に記載される組成物を使用したポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体
の調製は、当該技術分野において周知の方法のうちのいずれかに従ってもよく、Saun
ders and Frisch,Volumes I and II Polyure
thanes Chemistry and technology,1962、Joh
n Wiley and Sons,New York,N.Y.又はGum,Rees
e,Ulrich,Reaction Polymers,1992、Oxford U
niversity Press,New York,N.Y.又はKlempner
and Sendijarevic,Polymeric Foams and Foa
m Technology,2004、Hanser Gardner Publica
tions,Cincinnati,Ohioを参照されたい。概して、ポリウレタン又
はポリイソシアヌレート発泡体は、イソシアネート、ポリオールプレミックス組成物、及
び任意の難燃剤、着色剤、又は他の添加剤などの他の材料を組み合わせることによって調
製される。これらの発泡体は、硬質、可撓性、又は半硬質であってもよく、独立気泡構造
、連続気泡構造、又は連続気泡及び独立気泡の混合物を有することができる。
【0101】
予めブレンドされた配合物中にポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体のための
構成成分を提供することは、多くの用途において便利である。最も典型的には、発泡体配
合物は、2つの構成成分に予めブレンドされる。イソシアネート及び任意に他のイソシア
ネート適合性原料は、「A」構成成分と一般に称される、第1の構成成分を含む。界面活
性剤、触媒、発泡剤、及び任意の他の成分を含むポリオール混合物組成物は、「B」構成
成分と一般に称される、第2の構成成分を含む。任意の所与の用途において、「B」構成
成分は、上記に列挙された構成成分の全てを含有しなくてもよい。例えば、いくつかの配
合物は、難燃性が必要な発泡体特性ではない場合には、難燃剤を除外する。したがって、
ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体は、小規模の調製のための手動混合、及び
好ましくは機械混合技法のいずれかによって、A及びBの副構成成分を1つにすることに
よって容易に調製されて、ブロック、スラブ、ラミネート、現場注入型パネル、及び他の
品物、吹き付け発泡体、フロスなどを形成する。任意に、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、
水、及び更に他のポリオールなどの他の成分が、混合ヘッド又は反応部位に流れとして添
加され得る。最も便利には、それらは全て、上記のように1つのB構成成分に組み込まれ
る。
【0102】
ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体の形成に好適な発泡性組成物は、有機ポ
リイソシアネート及び上記のポリオールプレミックス組成物を反応させることによって形
成され得る。脂肪族及び芳香族ポリイソシアネートを含む、任意の有機ポリイソシアネー
トが、ポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体合成において用いられ得る。好適な
有機ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン化学の分野において周知である脂肪族、
脂環式、芳香脂肪族、芳香族、及び複素環式イソシアネートが挙げられる。これらは、例
えば、米国特許第4,868,224号、同第3,401,190号、同第3,454,
606号、同第3,277,138号、同第3,492,330号、同第3,001,9
73号、同第3,394,164号、同第3,124,605号、及び同第3,201,
372号に記載されている。芳香族ポリイソシアネートが、クラスとして好ましい。
【0103】
代表的な有機ポリイソシアネートは、式:
R(NCO)z
に対応し、式中、Rは、脂肪族基、芳香族基、又はそれらの混合物であり、zは、Rの
価数に対応する整数であり、少なくとも2である。本明細書で企図される代表的な有機ポ
リイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、例えば2,4-トルエン
ジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエン
ジイソシアネートの混合物、粗トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシ
アネート、粗メチレンジフェニルジイソシアネート;芳香族トリイソシアネート、例えば
4,4’,4’’-トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,6-トルエントリ
イソシアネート;芳香族テトライソシアネート、例えば4,4’-ジメチルジフェニルメ
タン-2,2’5,5-’テトライソシアネートなど;アリールアルキルポリイソシアネ
ート、例えばキシレンジイソシアネート;脂肪族ポリイソシアネート、例えば、ヘキサメ
チレン-1,6-ジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステルなど;及び
それらの混合物が挙げられる。他の有機ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリ
フェニルイソシアネート、水素化メチレンジフェニルイソシアネート、m-フェニレンジ
イソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、1-メトキシフェニレン-2
,4-ジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメト
キシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェ
ニルジイソシアネート、及び3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシ
アネートが挙げられる。典型的な脂肪族ポリイソシアネートは、アルキレンジイソシアネ
ート、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホレン(isophorene)ジイソシアネート、4
,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)である。典型的な芳香族ポリイ
ソシアネートとしては、m-及びp-フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフ
ェニルポリイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート、ジアニシ
ジンジイソシアネート、ビトイレンイソシアネート、1,4-ジイソシアネート、ビス(
4-イソシアナトフェニル)メテン、ビス(2-メチル-4-イソシアナトフェニル)メ
タンなどが挙げられる。好ましいポリイソシアネートは、ポリメチレンポリフェニルポリ
イソシアネート、特に約30~約85重量%のメチレンビス(フェニルイソシアネート)
を含有し、混合物の残りの部分が、2よりも高い官能性のポリメチレンポリフェニルポリ
イソシアネートである、混合物である。ある特定の場合、いわゆるイソシアネートプレポ
リマーもまた使用され得る。プレポリマーは、過剰なジイソシアネートをポリオール(ポ
リエステルポリオール、又はポリエーテルポリオール)と組み合わせることによって形成
される。これらのポリイソシアネートは、当該分野において既知の従来の方法によって調
製される。本発明では、ポリイソシアネート及びポリオールは、約0.9~約5.0の範
囲のNCO/OH化学量論比をもたらす量で用いられる。本発明では、NCO/OH当量
比は、好ましくは、約0.9~約4、又は約0.95~約3である。好適な有機ポリイソ
シアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、メチレンビス(フ
ェニルイソシアネート)、トルエンジイソシアネート、又はそれらの組み合わせが挙げら
れる。
【0104】
ポリイソシアヌレート発泡体の調製において、ブレンドを過剰なA構成成分と併せてポ
リイソシアヌレート-ポリウレタン発泡体に変換する目的で、三量化触媒が好ましくは使
用される。用いられる三量化触媒は、グリシン塩、第三級アミン三量化触媒、第四級アン
モニウムカルボキシレート、及びアルカリ金属カルボン酸塩、並びに様々な種類の触媒の
混合物が挙げられるが、これらに限定されない、当業者に既知の任意の触媒であり得る。
このクラス内の好ましい種は、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、及びN-(2-ヒド
ロキシ-5-ノニルフェノール)メチル-N-メチルグリシンネートである。
【0105】
生成されるポリウレタン又はポリイソシアヌレート発泡体は、密度が0.5ポンド/立
方フィート~約60ポンド/立方フィート、又は約0.5~約20.0ポンド/立方フィ
ート、又は約0.5~約15ポンド/立方フィートと異なり得る。得られる密度は、どれ
ほどの発泡剤又は発泡剤混合物、加えて水又は共発泡剤などの補助発泡剤の量が、A及び
/若しくはB構成成分中に存在するか、又は発泡体が調製されるときに添加されるかの関
数である。これらの発泡体は、硬質、可撓性、又は半硬質発泡体であってもよく、独立気
泡構造、連続気泡構造、又は連続気泡及び独立気泡の混合物を有することができる。これ
らの発泡体は、断熱、緩衝、浮遊、包装、接着剤、空隙充填、クラフト及び装飾、並びに
衝撃吸収が挙げられるが、これらに限定されない、様々な周知の用途で使用される。
【0106】
以下の非限定的な実施例は、本発明を例示するのに役立つ。
【実施例
【0107】
比較例1:ポリオール中の発泡剤の分布
本発明の相溶化剤の態様の非存在下であるが、HFO-1336mzzm(Z)の安定
で均一な分布を形成するある特定のポリオールの能力を試験した。所定量のポリオールを
3オンスのガラス圧力容器内に配置することによって、表1で識別される各ポリオールを
試験し、ポリオールの高さ及び重量を記録した。各試験に対して、次いで、HFO-13
36mzzm(Z)を含む表1で識別される各液体発泡剤を、容器内のポリオール及び発
泡剤の総重量が70グラムで、容器内で5重量%の発泡剤及び95重量%のポリオールを
生成する量で添加した。管アセンブリを密封し、ポリオール及び発泡剤構成成分の高さ及
び重量を一緒に記録した。次いで、ポリオール中の発泡剤の均質な分布を得るために、構
成成分を十分に混合した。液体の高さ及び構成成分の混合物の状態の目視観察を、試験温
度に対して記録した。均質な混合物が生成された場合、すなわち、5重量%の濃度の発泡
剤がポリオール中の目視観察によって均一に分布していた場合、この結果を、5重量%と
して、「重量%均一分布」と題する表2の列に記録した。いかなる試験に対しても、試料
が視覚的に均質な混合物の存在を示さなかった場合、すなわち、相分離が観察された場合
、各層の高さを記録し、この高さ並びにポリオール及び発泡剤に関する既知の密度情報に
基づき、重量%でのポリオール中で均一に分布した発泡剤の量を報告した。試験を、室温
(room temperature、RT)、32℃(90°F)、及び54℃(13
0°F)で実施した。
【0108】
表1は、発泡剤、発泡剤の濃度、及び試験したポリオールを示す。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
上記の表2からわかるように、ポリオールD(1,4ブタンジオール鎖延長剤ジオール
)は、室温試験及び32℃試験に対していかなる濃度においても、HFO-1336mz
zm(Z)との均質な混合物を形成することができなかった。54℃の高温でさえ、ポリ
オールD中で均一に分布することができたHFO-1336mzzm(Z)の最大量は、
わずか2%であった。対照的に、他のポリオールは、相溶化剤の非存在下でさえ、約5重
量%のHFO-1336mzzm(Z)の均一な分布を形成することができた。概して、
試験した全ての発泡剤の均一な分布を達成する能力は、より高温で改善した。
【0112】
他のポリオールで試験を繰り返した。HFO-1336mzzm(Z)を含む表3で識
別される各液体発泡剤を、容器内のポリオール及び発泡剤の総重量が70グラムで、容器
内で21重量%の発泡剤及び79重量%のポリオールを生成する量で添加することによっ
て、表3で識別される各ポリオールを試験した。均質な混合物が生成された場合、すなわ
ち、21重量%の濃度の発泡剤がポリオール中の目視観察によって均一に分布していた場
合、この結果を、21重量%として、「重量%均一分布」と題する表4の列に記録した。
いかなる試験に対しても、試料が視覚的に均質な混合物の存在を示さなかった場合、すな
わち、相分離が観察された場合、各層の高さを記録し、この高さ並びにポリオール及び発
泡剤に関する既知の密度情報に基づき、重量%でのポリオール中で均一に分布した発泡剤
の量を報告した。試験を、室温(RT)、32℃(90°F)、及び54℃(130°F
)で実施した。
【0113】
【表3】
【0114】
以下の表4は、発泡剤、発泡剤の濃度、及び試験したポリオールを示す。
【0115】
【表4】
【0116】
本発明の非存在下で、HFO-1336mzzm(Z)は、全ての温度において、HF
O-1233zd(E)よりも有意に低いレベルのポリオールF~I中の均一な分布を有
した。HFO-1233zd(E)は、HFO-1336mzzm(Z)及びHFC-2
45faと比較して、ポリオールF~I中の分布の優れた均一性を有した。
【0117】
本発明の非存在下で、HFO-1336mzzm(Z)は、全ての温度において、HF
O-1233zd(E)よりも有意に低いレベルのポリオールO中の均一な分布を有した
。HFO-1233zd(E)は、HFO-1336mzzm(Z)及びHFC-245
faと比較して、ポリオールK~O中の分布の優れた均一性を有した。
【0118】
この試験から、HFO-1336mzzm(Z)は、ある特定のポリエステルポリオー
ルの有意に低いレベルの均一な分布を有したが、ポリエステルポリオールは、同様の問題
を有しなかったように思われた。
【0119】
実施例1:HFO-1336mzzm(Z)と使用するための相溶化剤
異なるクラスのポリエステルポリオール、具体的には芳香族カルボン酸無水物(フタル
酸)ポリエステルポリオール(ポリオールF)、芳香族ポリエステルポリオール(ポリオ
ールO)、芳香族ポリエステルポリオールジオール(ポリオールP)、及び直鎖脂肪族ア
ジピン酸ジエチレングリコール系ポリエステルポリオール(ポリオールQ)中で均一に分
布するHFO-1336mzzm(Z)の能力を、ある特定の相溶化剤が高めることがで
きた程度を決定するための研究に着手した。
【0120】
試験したポリオール中で均一に分布する様々な分布剤の能力を実証するために、第1の
試験セットを実施した。17グラムの試験した各ポリオールを小型バイアルに移し、ポリ
オールの高さを記録した。8グラムの適切な重量の識別した相溶化剤をポリオールに添加
し、均一な分布が混合時に形成されたかどうかを報告した。
【0121】
発泡剤HFO-1336mzzm(Z)中で均一に分布する様々な分布剤の能力を実証
するために、第2の試験セットを実施した。8.5グラムの発泡剤を小型バイアルに移し
、発泡剤の高さを記録する。1.5グラムの識別した相溶化剤を発泡剤に添加し、均一な
分布が混合時に形成されたかどうかを報告した。
【0122】
発泡剤HFO-1336mzzm(Z)及び試験したポリオールと一緒に均一に分布す
る様々な分布剤の能力を実証するために、第3の試験セットを実施した。第1の試験及び
第2の試験で示される混合物を、上記に示されるように繰り返し、次いで16グラムの第
1の混合物(ポリオール/相溶化剤混合物)及び4グラムの第2の混合物(HFO-13
36mzzm(Z)/相溶化剤混合物)を混合して、ポリオール、HFO-1336mz
zm(Z)、及び示された相溶化剤(UDA)の混合物を形成した。発泡剤及びポリオー
ル及び相溶化剤の均一な分布の形成の有無を、混合時に目視観察によって報告した。便宜
上、均一分布剤は、表5A~5F中でUDA(uniform distributio
n agent)として識別される。
【0123】
【表5A】
【0124】
【表5B】
【0125】
【表5C】
【0126】
【表5D】
【0127】
【表5E】
【0128】
【表5F】
【0129】
上記の表5A~F及び実施例1に示されるように、より低分子量のアルコールは、試験
した全てのポリエステルポリオール中のHFO-1336mzzm(Z)のための優れた
相溶化剤である。グリコール及びエーテルに関しては、ポリエステルポリオール中のHF
O-1336mzzm(Z)のための汎用相溶化剤である唯一のグリコール又はエーテル
は、エチレングリコールモノ-ブチルエーテルである。エチレングリコール、ジイソプロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、及びメチラールが、いくつ
かの種類のポリエステルポリオールのための相溶化剤として使用され得る。ベンゼン又は
ケトンのうちのいずれも、HFO-1336mzzm(Z)のための汎用相溶化剤ではな
かった。しかしながら、このクラスの材料は、より低い官能性を有するポリエステルポリ
オール(例えば、ポリオールF及びQ)中のHFO-1336mzzm(Z)のための有
効な相溶化剤であることがわかった。油及び炭化水素は、ポリエステルポリオール中のH
FO-1336mzzm(Z)の混和性を改善するための相溶化剤の能力を提供しなかっ
た。ほとんどの場合の共発泡剤は、試験したレベルにおいて相溶化剤として機能しない。
しかしながら、HFO-1233zd(E)は、ポリオールQのための相溶化剤であり、
ギ酸メチルは、より低い官能性を有するポリエステルポリオール(例えば、ポリオールF
及びQ)のための相溶化剤であった。多くの一般的に使用される原材料は、ポリエステル
ポリオール中のHFO-1336mzzm(Z)のための汎用相溶化剤として機能しない
。しかしながら、いくつかは、より低い官能性を有するポリエステルポリオールに対して
有効である。例えば、トランス-1,2-ジクロロエチレン、2-クロロプロパン、炭酸
プロピレン、及びトルエンがポリオールF及びQの両方に対して有効であり、一方で、リ
ン酸トリス(1-クロロ-2-プロピル)は、ポリオールQに対して有効であり、1-プ
ロポキシ-2-プロパノールは、ポリオールFに対して有効であった。
【0130】
上記の表5A~5Fからわかるように、本発明に従った相溶化剤及びそれらの混合物は
、ポリオールF及びO並びにHFO-1233zd(E)の相溶化剤との均一な分布を形
成し、一方で、比較例1で報告されるように、均一な分布は、そうでなければ形成されな
かった。
【0131】
実施例2-最小濃度範囲
評価される27グラムのポリオールを大型バイアルに添加し、バイアル内のポリオール
の高さを測定した。8グラムのHFO-1336mzzmをバイアルに添加し、液体の高
さを測定した。バイアルを密封し、十分に混合した。分離層の高さを測定した(それは、
溶液中で均一に分布しなかったHFO-1336mzzmである)。0.2グラムの相溶
化剤をバイアルに添加した。バイアルを密封し、溶液を十分に混合した。バイアル内の層
の高さを記録した。均一な溶液が得られるまで、追加の相溶化剤を溶液に添加した。次い
で、量を記録した。表6は、結果を示す。
【0132】
実施例3A:安定性試験:4~6ヶ月における三元混合物
上記の表5A~5Fで報告されたHFO-1336mzzm(Z)+ポリオール+UD
Aの混合物を、4~6ヶ月の期間、周囲(室温)条件下で密封容器内に貯蔵して、長期安
定性を評価した。発泡剤及びポリオール及び相溶化剤の均一な分布の形成の有無を、初期
混合時及び4~6ヶ月の期間の貯蔵時に目視観察によって報告した。表7A~Cは、結果
を示す。
【0133】
【表6】
【0134】
【表7A】
【0135】
【表7B】
【0136】
【表7C】
【0137】
実施例3B:安定性試験:1年
上記の表7A~7Cで報告されたHFO-1336mzzm(Z)+ポリオール+UD
Aの三元混合物を、1年の期間、周囲(室温)条件下で密封容器内に貯蔵して、長期安定
性を評価した。発泡剤及びポリオール及び相溶化剤の均一な分布の形成の有無を、初期混
合時及び1年の期間の貯蔵時に目視観察によって報告する。4~6ヶ月において安定性を
示した混合物は、1年において安定していることが観察される。
【0138】
実施例3C:安定性試験:4~6ヶ月及び1年における二元混合物
上記の表5A~5Fで報告されたHFO-1336mzzm(Z)+UDA及びポリオ
ール+UDAの二元混合物を、4~6ヶ月及び1年の期間、周囲(室温)条件下で密封容
器内に貯蔵して、長期安定性を評価する。発泡剤及び相溶化剤並びにポリオール及び相溶
化剤の均一な分布の形成の有無を、4~6ヶ月及び1年の期間の貯蔵時に目視観察によっ
て報告する。二元混合物は、4~6ヶ月及び1年において安定していることが観察される
【0139】
実施例4:1,4-ブタンジオール中のHFO-1336mzzm(Z)と使用するた
めの相溶化剤
具体的にはブタンジオール、より具体的には1,4-ブタンジオールを含むアルカンジ
オール中で均一に分布するHFO-1336mzzm(Z)の能力を、ある特定の相溶化
剤が高めることができる程度を決定するための研究に着手する。
【0140】
1,4-ブタンジオール中で均一に分布する様々な分布剤の能力を実証するために、第
1の試験セットを実施する。17グラムの試験される1,4-ブタンジオールを小型バイ
アルに移し、材料の高さを記録する。8グラムの識別した相溶化剤を材料に添加し、均一
な分布が混合時に、次いで6ヶ月及び1年の貯蔵期間にわたる周囲(室温)条件下での密
封容器内の貯蔵時に形成されるかどうかを報告する。
【0141】
発泡剤HFO-1336mzzm(Z)中で均一に分布する様々な分布剤の能力を実証
するために、第2の試験セットを実施する。8.5グラムの発泡剤を小型バイアルに移し
、発泡剤の高さを記録する。1.5グラムの識別した相溶化剤を発泡剤に添加し、均一な
分布が混合時に、次いで6ヶ月及び1年の貯蔵期間にわたる周囲(室温)条件下での密封
容器内の貯蔵時に形成されるかどうかを報告する。
【0142】
発泡剤HFO-1336mzzm(Z)及び1,4-ブタンジオールと一緒に均一に分
布する様々な分布剤の能力を実証するために、第3の試験セットを実施する。第1の試験
及び第2の試験で示される混合物を、上記に示されるように繰り返し、次いで16グラム
の第1の混合物(ポリオール/相溶化剤混合物)及び4グラムの第2の混合物(HFO-
1336mzzm(Z)/相溶化剤混合物)を混合して、材料、HFO-1336mzz
m(Z)、及び示された相溶化剤の混合物を形成し、それは、以下の表8中で「1336
+ポリオール+UDA」として識別される。発泡剤及び材料及び相溶化剤の均一な分布の
形成の有無を、以下の表8中で、初期混合時、並びに6ヶ月及び1年の期間の貯蔵時に目
視観察によって報告する。便宜上、均一分布剤は、表中でUDAとして識別される。
【0143】
【表8】
【0144】
上記の表8からわかるように、本発明に従った相溶化剤及びそれらの混合物は全て、相
溶化剤との1,4-ブタンジオール及びHFO-1336mzzm(Z)の均一な分布を
形成することができ、一方で、比較例1に報告されるように、均一な分布は、そうでなけ
れば形成されなかった。
【0145】
実施例5:他のポリオール中のHFO-1336mzzm(Z)と使用するための相溶
化剤
ポリオールA、ポリオールB、ポリオールC、ポリオールE、ポリオールG、ポリオー
ルH、ポリオールI、ポリオールK、ポリオールL、ポリオールM、ポリオールN、芳香
族ポリエチレンテレフタレートポリオール、及びジプロピレングリコールポリオールとし
て識別されるポリオールの各々を除いて、ポリオールに対する上記の実施例4に報告され
た試験を繰り返す。初期混合時及び実施例2に示される貯蔵期間後の両方において、許容
可能な結果が得られる。
【0146】
ポリオールA~Eは、インテグラルスキンフォームが挙げられるが、これに限定されな
い、様々な発泡体用途に使用され得る。ポリオールF~Iは、ボードストックフォームが
挙げられるが、これに限定されない、様々な発泡体用途に使用され得る。ポリオールK~
Oは、吹き付け発泡体が挙げられるが、これに限定されない、様々な発泡体用途に使用さ
れ得る。ポリオールPは、ボードストックフォームが挙げられるが、これに限定されない
、様々な発泡体用途に使用され得る。ポリオールQは、可撓性発泡体が挙げられるが、こ
れに限定されない、様々な発泡体用途に使用され得る。
【0147】
実施例6:ポリオール中のHFO-1233zd(E)と使用するための相溶化剤
ポリオールA~Qとして識別されるポリオールの各々及びHFO-1233zd(E)
を除くポリエステルテレフタレートポリオールを用いて、ポリオールに対する上記の実施
例4に報告された試験を繰り返す。初期混合時及び実施例2に示される貯蔵期間後の両方
において、許容可能な結果が得られる。
【0148】
本発明は、特に、好ましい実施形態を参照しながら示され説明されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が行われ得ることは、当業者によって容易に理解されるであろう。特許請求の範囲は、開示の実施形態、上述されているそれらの代替物、及びそれらの全ての等価物を網羅するように解釈されることを意図する。
本明細書は以下の発明の態様を包含する。
[1]
ポリオールプレミックス組成物であって、
ハロゲン化オレフィン発泡剤と、
ポリエステルポリオールと、
1~40個の炭素原子を有する少なくとも1つの有機化合物を含む分布強化構成成分と、を含み、周囲条件下で4ヶ月の期間貯蔵された場合に実質的に均一な混合物のままである、安定で実質的に均一なブレンドを形成する前記ハロゲン化発泡剤及び前記ポリオールの能力を強化するのに有効な量で、前記少なくとも1つの有機化合物が前記プレミックス中に存在する、ポリオールプレミックス組成物。
[2]
前記分布強化構成成分が、1つ以上のヒドロキシル基と1~25個の炭素原子とを有する、[1]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[3]
前記分布強化構成成分が、アルコール、グリコール、エーテル、アセタール、ベンゼン、ケトン、塩素系溶剤、カーボネート、溶剤、及び界面活性剤を含む、[2]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[4]
前記ハロゲン化オレフィン発泡剤が、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンを含む、[3]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[5]
前記分布強化構成成分が、1~10個の炭素原子を有する非環式アルコール、6~40個の炭素原子を有する環式アルコール、アルキルフェノール及びアルキルフェノールエトキシレート、ジプロピレングリコール、ジイソプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、メチラール、エチレングリコールモノ-ブチルエーテル、1,3-ジイソプロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,3-ジイソプロペニルベンゼン、イソプロペニルベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、2-クロロプロパン、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、ギ酸メチル、炭酸プロピレン、フタル酸ジオクチル、トルエンのうちの1つ以上を含み、
前記ハロゲン化オレフィン発泡剤が、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンを含む、[1]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[6]
前記分布強化構成成分が、エタノール、メタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-プロパノール、1ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、及び2-メチル-1-プロパノールのうちの1つ以上を含む、[5]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[7]
前記分布強化構成成分が、前記ブレンドの総量に基づき0.5重量%~10重量%の量で存在する、[1]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[8]
ポリオールプレミックス組成物であって、
ポリエステルポリオールと、
ハロゲン化オレフィン発泡剤と、
1~40個の炭素原子を有する少なくとも1つの有機化合物を含む分布強化構成成分と、を含み、安定で実質的に均一な組成物を形成する前記ハロゲン化オレフィン発泡剤及び前記ポリエステルポリオールの能力を強化するのに有効な量で、前記分布強化構成成分が前記ポリオールプレミックス組成物中に存在する、ポリオールプレミックス組成物。
[9]
前記分布強化構成成分が、1つ以上のヒドロキシル基と1~25個の炭素原子とを有する、[8]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[10]
前記分布強化構成成分が、アルコール、グリコール、エーテル、アセタール、ベンゼン、ケトン、塩素系溶剤、カーボネート、溶剤、及び界面活性剤のうちの1つ以上を含む、[8]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[11]
前記ハロゲン化オレフィン発泡剤が、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンを含む、[8]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[12]
前記分布強化構成成分が、前記ポリオールプレミックス組成物の少なくとも1.7重量%の量で存在し、エタノール、メタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-プロパノール、1ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、及び2-メチル-1-プロパノールのうちの1つ以上を含む、[11]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[13]
前記ポリエステルポリオール及び任意の追加のポリオールが、前記ポリオールプレミックス組成物の50重量%~98重量%の量で存在し、前記ハロゲン化オレフィン発泡剤が、前記ポリオールプレミックス組成物の0.25重量%~50重量%の量で存在し、前記分布強化構成成分が、前記ポリオールプレミックス組成物の0.01重量%~10重量%の量で存在する、[8]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[14]
前記ポリエステルポリオール及び任意の追加のポリオールが、前記ポリオールプレミックス組成物の80重量%~95重量%の量で存在し、前記ハロゲン化オレフィン発泡剤が、前記ポリオールプレミックス組成物の0.25重量%~10重量%の量で存在し、前記分布強化構成成分が、前記ポリオールプレミックス組成物の0.01重量%~10重量%の量で存在する、[8]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[15]
前記安定で実質的に均一な組成物が、周囲条件下で4ヶ月の期間貯蔵された場合に実質的に均一な混合物のままである、[8]に記載のポリオールプレミックス組成物。
[16]
ポリオールプレミックス組成物を形成する方法であって、
ポリエステルポリオールと、ハロゲン化オレフィン発泡剤と、1~40個の炭素原子を有する少なくとも1つの有機化合物を含む分布強化構成成分とを組み合わせることを含み、安定で実質的に均一な組成物を形成する前記ハロゲン化オレフィン発泡剤及び前記ポリエステルポリオールの能力を強化するのに十分な量で、前記分布強化構成成分が前記ポリオールプレミックス組成物中に存在する、方法。
[17]
前記分布強化構成成分が、アルコール、グリコール、エーテル、アセタール、ベンゼン、ケトン、塩素系溶剤、カーボネート、溶剤、及び界面活性剤を含み、前記ハロゲン化オレフィン発泡剤が、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エンを含む、[16]に記載の方法。
[18]
前記安定で実質的に均一な組成物が、周囲条件下で4ヶ月の期間貯蔵された場合に実質的に均一な混合物のままである、[16]に記載の方法。
[19]
有機ポリイソシアネートと[8]に記載のポリオールプレミックス組成物との混合物を含む、発泡性組成物。
[20]
前記有機ポリイソシアネートが、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、トルエンジイソシアネート、又はそれらの組み合わせを含む、[19]に記載の発泡性組成物。