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特許7474327ドリルからドリルビットにトルクを伝達するためのデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】ドリルからドリルビットにトルクを伝達するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   B23B 51/12 20060101AFI20240417BHJP
   F16D 1/02 20060101ALI20240417BHJP
   F16D 1/06 20060101ALI20240417BHJP
   F16D 1/116 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B23B51/12
F16D1/02 230
F16D1/06 230
F16D1/116
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022535253
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2020084806
(87)【国際公開番号】W WO2021115985
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】19215082.9
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Hilti Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100,9494 Schaan,Liechtenstein
(74)【代理人】
【識別番号】100123342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 承平
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ゴェッツ
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-213474(JP,A)
【文献】特開昭59-219112(JP,A)
【文献】特開平09-011008(JP,A)
【文献】特開平06-182608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B51/00-51/14
F16D 1/00- 1/12
B23B31/02
B23B45/00-45/16
B23G 1/46
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外側円錐領域(33)、溝領域(34)、及び第2の外側円錐領域(35)、並びにシャンク(14)の長手方向軸(24)に平行に延びる長手方向溝(37、38)を有するシャンク(14)と、
基体(41)、中間要素(42)、及びロックデバイス(43)を有する工具継手(13)であって、
前記中間要素(42)が、内側回転駆動部(64、65)が配置された内側面(62)と、外側回転駆動部(66、67)が配置された外側面(63)と、前記内側面(62)と前記外側面(63)とを接続する基面(61)とを有し、環状に設計された中間要素であり、
前記基体(41)が、内側円錐領域(48)と、環状カラー(51)及び環状肩部(52)を有する回転駆動領域(49)とを有し、外側回転駆動溝(53、54)が前記環状カラー(51)に配置され、
前記ロックデバイス(43)が、受入位置とロック位置との間で前記工具継手(13)の長手方向軸(22)に平行に調整可能であり、前記シャンク(14)が、前記受入位置において前記工具継手(13)に挿入可能であり、前記ロック位置において前記工具継手(13)に接続される、工具継手(13)と
を備える、ドリル(11)が発生させたトルクをドリルビット(12)に伝達するためのデバイス(10)であって、
前記デバイス(10)の接続状態では、前記中間要素(42)の前記内側回転駆動部(64、65)が前記シャンク(14)の前記長手方向溝(37、38)に係合し、前記中間要素(42)の前記外側回転駆動部(66、67)が前記環状カラー(51)の前記外側回転駆動溝(53、54)に係合する、デバイス(10)において、
部回転駆動部(71、72)が前記中間要素(42)の前記基面(61)に配置され、下部回転駆動溝(55、56)が前記環状肩部(52)に配置され、前記基体(41)と前記中間要素(42)との接続状態では、前記下部回転駆動部(71、72)が前記下部回転駆動溝(55、56)と係合し、前記下部回転駆動部(71、72)が前記下部回転駆動溝(55、56)と相互作用する、
ことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記下部回転駆動部(71、72)が、前記工具継手(13)の前記長手方向軸(22)に垂直な平面(68)において、前記内側回転駆動部(64、65)と整列される、ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記下部回転駆動部(71、72)が、前記工具継手(13)の前記長手方向軸(22)に垂直な平面(68)において、前記外側回転駆動部(66、67)と整列される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記中間要素(42)の前記内側回転駆動部(64、65)が、第1の幅(B)及び第1の深さ(T)を有する第1の内側回転駆動部(64)と、第2の幅(B)及び第2の深さ(T)を有する第2の内側回転駆動部(65)とを備え、前記シャンク(14)の前記長手方向溝(37、38)が、第1の長手方向溝(37)と第2の長手方向溝(38)とを備え、前記デバイス(10)の接続状態では、前記第1の内側回転駆動部(64)が前記第1の長手方向溝(37)に係合し、前記第2の内側回転駆動部(65)が前記第2の長手方向溝(38)に係合する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の内側回転駆動部(64)の前記第1の深さ(T)と、前記第2の内側回転駆動部(65)の前記第2の深さ(T)とが同じであり、追加的に、前記シャンク(14)の前記第2の長手方向溝(38)が前記第1の外側円錐領域(33)及び前記溝領域(34)にわたって延びる、ことを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の内側回転駆動部(64)の前記第1の幅(B)と、前記第2の内側回転駆動部(65)の前記第2の幅(B)とが同じである、ことを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記中間要素(42)の前記外側回転駆動部(66、67)が、第3の幅(B)及び第3の深さ(T)を有する第1の外側回転駆動部(66)と、第4の幅(B)及び第4の深さ(T)を有する第2の外側回転駆動部(67)とを備え、前記基体(41)の前記環状カラー(51)の前記外側回転駆動溝(53、54)が、第1の外側回転駆動溝(53)と第2の外側回転駆動溝(54)とを備え、前記基体(41)と前記中間要素(42)との接続状態では、前記第1の外側回転駆動部(66)が前記第1の外側回転駆動溝(53)に係合し、前記第2の外側回転駆動部(67)が前記第2の外側回転駆動溝(54)に係合する、ことを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記下部回転駆動部(71、72)が、第5の幅(B)及び第5の深さ(T)を有する第1の下部回転駆動部(71)と、第6の幅(B)及び第6の深さ(T)を有する第2の下部回転駆動部(72)とを備え、前記下部回転駆動溝(55、56)が、第1の下部回転駆動溝(55)と第2の下部回転駆動溝(56)とを備え、前記基体(41)と前記中間要素(42)との接続状態では、前記第1の下部回転駆動部(71)が前記第1の下部回転駆動溝(55)と係合し、前記第2の下部回転駆動部(72)が前記第2の下部回転駆動溝(56)と係合する、ことを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記工具継手(13)の前記長手方向軸(22)に垂直な平面(68)において、前記第1の下部回転駆動部(71)が前記第1の内側回転駆動部(64)と整列され、前記第2の下部回転駆動部(72)が前記第2の内側回転駆動部(65)と整列される、ことを特徴とする請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の下部回転駆動部(71)の前記第5の深さ(T)と、前記第2の下部回転駆動部(72)の前記第6の深さ(T)とが同じである、ことを特徴とする請求項8又は9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の下部回転駆動部(71)の前記第5の幅(B)と、前記第2の下部回転駆動部(72)の前記第6の幅(B)とが同じである、ことを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係る、ドリルからドリルビットにトルクを伝達するためのデバイス(装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ドリルからドリルビットにトルクを伝達するための公知のデバイスを開示している。トルクを伝達するためのデバイスは、ドリルとドリルビットとの間に配置され、ドリルのドリルモータが発生したトルクをドリルビットに伝達する。トルクを伝達するためのデバイスは、ドリルに永続的に接続された、又は解除可能な接続部を介してドリルに接続された工具継手と、ドリルビットに永続的に接続された、又は解除可能な接続部を介してドリルビットに接続されたシャンクとを備える。
【0003】
シャンクは、第1の外側円錐領域、溝領域、第2の外側円錐領域、及び円筒領域からスリーブ状に構成され、第1の外側円錐領域、溝領域、第2の外側円錐領域、及び円筒領域にわたって延びる第1の長手方向溝と、第2の外側円錐領域及び円筒領域にわたって延びる第2の長手方向溝とを備える。
【0004】
工具継手は、基体と、中間要素と、ロックデバイスとの3つの部分から構成される。ロックデバイスは、受入位置とロック位置との間で工具継手の長手方向軸に平行に調整可能であり、シャンクは、受入位置において工具継手に挿入可能であり、ロック位置において工具継手に接続される。中間要素は、第1の幅及び第1の深さを有する第1の内側回転駆動部と、第2の幅及び第2の深さを有する第2の内側回転駆動部とを有する内側駆動領域を備え、且つ第3の幅及び第3の深さを有する第1の外側回転駆動部を有する外側駆動領域を備え、環状に設計されている。基体は、内側円錐領域と、第1の外側回転駆動溝を有する回転駆動領域とを有し、スリーブ状の基体である。
【0005】
工具継手とシャンクとの接続状態では、中間要素の第1の内側回転駆動部がシャンクの第1の長手方向溝に係合し、中間要素の第2の内側回転駆動部がシャンクの第2の長手方向溝に係合し、中間要素の第1の外側回転駆動部が第1の外側回転駆動溝に係合する。ドリルのドリルモータが発生したトルクは、第1の内側回転駆動部及び第2の内側回転駆動部によってシャンクに伝達される。
【0006】
特許文献1から知られるトルクを伝達するためのデバイスには、工具継手及びシャンクが、最大約2.5kWまでの出力を有するドリルでしか認められないという欠点がある。高い出力では表面圧力が極めて高くなり、そうすると、工具継手の内側回転駆動部及び外側回転駆動部を損傷する可能性がある。加えて、工具継手の寿命及びシャンクの寿命が短くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州特許第1211005号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、特許文献1から知られるトルクを伝達するためのデバイスの工具継手及びシャンクを更に発展させて、新規デバイスが従来デバイスよりも高いトルクを伝達でき、新規シャンクは従来工具継手に接続でき、新規工具継手は従来シャンクに接続できないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、本発明により、独立請求項1に記載の特徴によって冒頭に述べたトルクを伝達するためのデバイスの場合に達成される。本発明の有利な態様については、従属クレームに明記されている。
【0010】
本発明によれば、下部回転駆動部が中間要素の基面に配置され、下部回転駆動溝が環状肩部に配置され、基体と中間要素との接続状態では、下部回転駆動部が下部回転駆動溝と相互作用することが提供される。環状肩部の回転駆動溝と相互作用する下部回転駆動部は、回転駆動領域の高さを増やすことなく基体と中間要素との間の接触面積を増加させ、表面圧力が同じのままである場合、したがって、より大きな力及びトルクの伝達を可能にする。接触面積が大きいほど、基体と中間要素との間の表面圧力は低くなり、或いは表面圧力が同じままである場合には、より大きな力及びトルクをより広い接触面積にわたって伝達することができる。
【0011】
好ましくは、下部回転駆動部は、工具継手の長手方向軸に垂直な平面において、内側回転駆動部と整列される。下部回転駆動部が内側回転駆動部と整列されるという事実に起因して、力及びトルクは、最短経路で工具継手からシャンクに伝達される。
【0012】
好ましくは、下部回転駆動部は、工具継手の長手方向軸に垂直な平面において、外側回転駆動部と整列される。下部回転駆動部が外側回転駆動部と整列されるという事実に起因して、力及びトルクは、最短経路で基体から中間要素に伝達される。
【0013】
好ましい態様では、中間要素の内側回転駆動部が、第1の幅及び第1の深さを有する第1の内側回転駆動部と、第2の幅及び第2の深さを有する第2の内側回転駆動部とを備え、シャンクの長手方向溝が、第1の長手方向溝と第2の長手方向溝とを備え、デバイスの接続状態では、第1の内側回転駆動部が第1の長手方向溝に係合し、第2の内側回転駆動部が第2の長手方向溝に係合する。
【0014】
好ましくは、第1の内側回転駆動部の第1の深さと、第2の内側回転駆動部の第2の深さとは同じであり、追加的に、シャンクの第2の長手方向溝が第1の外側円錐領域及び溝領域にわたって延びる。新規工具継手の場合、第2の内側回転駆動部の第2の深さが第1の内側回転駆動部の第1の深さと同じであるという事実に起因して、新規工具継手の場合の第2の内側回転駆動部は、従来工具継手の場合よりも大きな第2の深さを有する。第2の内側回転駆動部の第2の深さがより大きくなることにより、新規工具継手と新規シャンクとの間の接触面積が増え、ドリルからドリルビットに高いトルクを伝達することが可能になる。
【0015】
第2の内側回転駆動部の第2の深さがより大きくなることにより、より強力なドリルのために設計された新規工具継手が、最大約2.5kWまでの出力のドリルにしか認められない従来シャンクに接続可能となることが防止され、したがってドリルの動作安全性が向上する。従来シャンクの第2の長手方向溝は、第2の外側円錐領域にのみわたって延び、新規シャンクの場合よりも深さが小さいため、新規工具継手の第2の内側回転駆動部は深すぎ、従来シャンクの第2の長手方向溝に挿入できない。
【0016】
新規シャンクの場合の第2の長手方向溝は、従来シャンクの場合よりも深さが大きいため、新規シャンクは従来工具継手に接続され得る。従来中間要素の第2の内側回転駆動部は、新規シャンクの第2の長手方向溝と係合する。新規シャンクは強力なドリルのために設計され、従来工具継手よりも大きな力及びトルクに認められるが、これは動作上必須ではない。許容最大値よりも小さい出力又はトルクでシャンクを動作させることは、シャンクの寿命に好影響を与え得る。
【0017】
特に好ましくは、第1の内側回転駆動部の第1の幅と、第2の内側回転駆動部の第2の幅とは同じである。第1の内側回転駆動部及び第2の内側回転駆動部の深さが同じであり、且つ幅が同じであることには、第1の長手方向溝に第1の内側回転駆動部を、又は第2の長手方向溝に第2の内側回転駆動部を割り当てる必要がないという利点がある。各内側回転駆動部は、任意の長手方向溝に挿入され得る。
【0018】
好ましい態様では、中間要素の外側回転駆動部が、第3の幅及び第3の深さを有する第1の外側回転駆動部と、第4の幅及び第4の深さを有する第2の外側回転駆動部とを備え、基体の環状カラーの外側回転駆動溝が、第1の外側回転駆動溝と第2の外側回転駆動溝とを備え、基体と中間要素との接続状態では、第1の外側回転駆動部が第1の外側回転駆動溝に係合し、第2の外側回転駆動部が第2の外側回転駆動溝に係合する。第2の外側回転駆動部は、基体と中間要素との間の接触面積を増加させ、これにより、より大きな力及びトルクの伝達を可能にする。接触面積が大きいほど、基体と中間要素との間の表面圧力は低くなり、或いは表面圧力が同じままである場合には、より大きな力及びトルクをより広い接触面積にわたって伝達することができる。
【0019】
好ましい態様では、下部回転駆動部が、第5の幅及び第5の深さを有する第1の下部回転駆動部と、第6の幅及び第6の深さを有する第2の下部回転駆動部とを備え、下部回転駆動溝が、第1の下部回転駆動溝と第2の下部回転駆動溝とを備え、基体と中間要素との接続状態では、第1の下部回転駆動部が第1の下部回転駆動溝と係合し、第2の下部回転駆動部が第2の下部回転駆動溝と係合する。このような第1の下部回転駆動部及び第2の下部回転駆動部の形成及び中間要素の基面への第2の下部回転駆動部の配置には、回転駆動領域の高さを増やすことなく、基体と中間要素との間の接触面積を増加させ、加えて、中間要素にかかる荷重が他の領域に移動されるという利点がある。
【0020】
好ましくは、工具継手の長手方向軸に垂直な平面において、第1の下部回転駆動部は第1の内側回転駆動部と整列され、第2の下部回転駆動部は第2の内側回転駆動部と整列される。第1の下部回転駆動部及び第2の下部回転駆動部が第1の内側回転駆動部及び第2の内側回転駆動部と整列されるという事実に起因して、力及びトルクは、最短経路で工具継手からシャンクに伝達される。
【0021】
特に好ましくは、第1の下部回転駆動部の第5の深さと、第2の下部回転駆動部の第6の深さとは同じである。第1の下部回転駆動部及び第2の下部回転駆動部の深さが同じであることには、力又はトルクが、第1の下部回転駆動部及び第2の下部回転駆動部を介して、基体から中間要素に均一に伝達されるという利点がある。
【0022】
特に好ましくは、第1の下部回転駆動部の第5の幅と、第2の下部回転駆動部の第6の幅とは同じである。第1の下部回転駆動部及び第2の下部回転駆動部の深さが同じであり、且つ幅が同じであることには、力又はトルクが、第1の下部回転駆動部及び第2の下部回転駆動部を介して、基体から中間要素に均一に伝達され得るという利点がある。加えて、第1の下部回転駆動溝に第1の下部回転駆動部を、又は第2の下部回転駆動溝に第2の下部回転駆動部を割り当てる必要がない。
【0023】
本発明の実施例を、図面を参照して以下に説明する。ここでは実施例を原寸に比例して示すことは必ずしも意図されておらず、むしろ、図面は、概略的に、及び/又は説明のために有用であればわずかに変形した形態で表されている。ここでは、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、実施例の形態及び詳細に関連する様々な修正及び変更を行うことができることを考慮に入れるべきである。本発明の一般的な概念は、以下に示され、説明される好ましい実施例の正確な形態又は詳細に限定されず、又は特許請求の範囲で請求される技術的範囲と比較して限定され得る技術的範囲に限定されない。所与の寸法範囲に対して、言及された制限内の値もまた制限値として開示されるものとし、所望に応じて使用及び請求され得るものとする。簡単にするために、以下では、同一若しくは類似の部品、又は同一若しくは類似の機能を有する部品に対して同一の参照符号を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明による、ドリルに接続される工具継手と、ドリルビットに接続されるシャンクとから構成され、ドリルからドリルビットにトルクを伝達するためのデバイスを示す図である。
図2A】本発明による、図1に示すトルクを伝達するためのデバイスの工具継手を示す図である。
図2B】本発明による、図1に示すトルクを伝達するためのデバイスのシャンクを示す図である。
図3A】本発明による、トルクを伝達するためのデバイスのシャンクを示す側面図である。
図3B】本発明による、トルクを伝達するためのデバイスのシャンクを、図3AのA-A断面に沿って示す縦断面図である。
図4A】本発明による、図2Bのシャンクが図2Aの工具継手に接続された接続状態における、図1のトルクを伝達するためのデバイスを示す側面図である。
図4B】本発明による、図2Bのシャンクが図2Aの工具継手に接続された接続状態における、図1のトルクを伝達するためのデバイスを、図4AのA-A断面に沿って示す縦断面図である。
図5A】工具継手の基体を示す側面図である。
図5B】工具継手の基体を、図5AのA-A断面に沿って示す縦断面図である。
図5C】工具継手の基体を、工具継手の中間要素との境界部で示す平面図ある。
図6A】工具継手の中間要素を示す側面図である。
図6B】工具継手の中間要素を、図6AのA-A断面に沿って示す縦断面図である。
図6C】工具継手の中間要素を、基体との境界部で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明による、ドリル11からドリルビット12にトルクを伝達するためのデバイス10を示している。デバイス10は、ドリル11とドリルビット12との間に配置され、ドリル11からドリルビット12にトルクを伝達する。
【0026】
デバイス10は、ドリル11に接続される工具継手13と、ドリルビット12に接続されるシャンク14とから構成される。デバイス10は、第1の接続部15を介してドリル11に接続され、第2の接続部16を介してドリルビット12に接続される。デバイス10の接続状態では、トルクは、以下の構成要素、すなわち、ドリル11の駆動シャフト17、工具継手13、シャンク14、及びドリルビット12を介して伝達される。デバイス10の接続状態は、工具継手13とシャンク14とが接続された状態として定義される。
【0027】
図2A及び図2Bは、本発明によるデバイス10の工具継手13を備えたドリル11(図2A)と、シャンク14を備えたドリルビット12(図2B)とを示している。工具継手13とシャンク14とは、接続状態において、図1の本発明によるデバイス10を形成する。
【0028】
工具継手13は、実施例では解除可能な接続部として設計される第1の接続部15を介してドリル11に接続される。或いは、工具継手13は、解除不能な第1の接続部15を介してドリル11に接続することができる。工具継手13は摩耗する部品であるため、工具継手13を別個の構成要素として設計し、解除可能な第1の接続部を介してドリル11の駆動シャフト17に接続することは理にかなっている。ドリル11が認められた工具継手13でのみ操作されることを確保するために、第1の接続部15を特殊な工具でのみ操作され得るように設計することは理にかなっている。
【0029】
シャンク14は、実施例では解除可能な接続部として設計される第2の接続部16を介してドリルビット12に接続される。この目的のためには、ドリルビット12は、シャンク14の外側ねじ山に接続される内側ねじ山を有する。解除可能な第2の接続部16は、例えば、メートルISOねじ接続部又は他の解除可能な接続部として設計される。解除可能な第2の接続部16の代わりに、シャンク14は、ドリルビット12に解除不能に接続することができる。この目的のためには、シャンク14は、例えば溶接又は他の方法によって、ドリルビット12に解除不能に接続され得る。
【0030】
駆動シャフト17は、工具継手13とドリル11との接続状態では、工具継手13の長手方向軸22と一致する第1の回転軸21を中心として回転可能であるように設計される。ドリルビット12は、シャンク14とドリルビット12との接続状態では、シャンク14の長手方向軸24と一致する第2の回転軸23を中心として動作の際に回転可能であるように設計される。区別するために、工具継手13の長手方向軸22を第1の長手方向軸22と呼び、シャンク14の長手方向軸24を第2の長手方向軸24と呼ぶ。ドリル11とドリルビット12との接続状態では、第1の長手方向軸22と第2の長手方向軸24とは、互いに同軸上に配置される。
【0031】
図3A及び図3Bは、本発明による、デバイス10の非接続状態における、トルクを伝達するためのデバイス10のシャンク14を、側面図(図3A)及び図3AのA-A断面に沿った縦断面図(図3B)で示している。シャンク14は、第1の部分26と第2の部分27とから構成され、実施例では、第1の部分26と第2の部分27とは一体に形成され、中央貫通孔28を有する。
【0032】
シャンク14の第2の部分27は、外側ねじ山29を有して、ドリルビット12の適合する内側ねじ山と共に第2のねじ接続部16を形成する。シャンク14の第1の部分26は、5つの部分から構成され、前部領域32と、第1の外側円錐領域33と、溝領域34と、第2の外側円錐領域35と、円筒領域36とを備える。第1の外側円錐領域33及び第2の外側円錐領域35は、ドリルビット12の方向に拡大する第1の円錐外面又は第2の円錐外面を有する。円錐外面は、例えば旋盤加工によって製造される。第1の円錐外面及び第2の円錐外面を一度に製造することにより、高い製造精度を実現することができる。
【0033】
シャンク14は、シャンク14の第2の長手方向軸24に平行に延び、第1の部分26の外側に配置された第1の長手方向溝37及び第2の長手方向溝38を有する。第1の長手方向溝37及び第2の長手方向溝38は、同じに形成され、第1の外側円錐領域33、溝領域34、及び第2の外側円錐領域35にわたって、また円筒領域36にわたって延びる。第1の長手方向溝37及び第2の長手方向溝38は、シャンク14の円周方向39に一様に分布し、交互に配置され、各第1の長手方向溝37が、2つの第2の長手方向溝38の間に配置される。実施例では、シャンク14は、3つの第1の長手方向溝37と3つの第2の長手方向溝38とを有する。
【0034】
図4A及び図4Bは、本発明による、シャンク14が工具継手13に接続された接続状態における、トルクを伝達するためのデバイス10を、側面図(図4A)及び図4AのA-A断面に沿った縦断面図(図4B)で示している。
【0035】
工具継手13は、基体41と、中間要素42と、ロックデバイス43とから構成される。中間要素42は、工具継手13とシャンク14との間の境界部を形成し、トルクは中間要素42からシャンク14に伝達される。工具継手13の接続状態は、基体41、中間要素42、及びロックデバイス43が接続された状態として定義される。
【0036】
ロックデバイス43は、基体41に対して調整可能に設計され、ロックデバイス43は、工具継手13の第1の長手方向軸22に平行に走る長手方向44に変位可能であり、第1の長手方向軸22を中心として回転可能である。ロックデバイス43は、基本位置、受入位置、及びロック位置と呼ばれる複数の位置の間で調整可能である。工具継手13にシャンク14を中間嵌めで接続できるようにするために、ロックデバイス43は、長手方向44に基本位置から受入位置に移動される。受入位置では、シャンク14は工具継手13に挿入される。デバイス10をロックするために、ロックデバイス43は、ロック位置まで第1の長手方向軸22を中心として回転される。この過程では、ロック要素45がシャンク14の溝領域34に係合し、シャンク14を工具継手13にロックする。ロックデバイス43の基本位置は任意選択であり、省略可能である。ロックデバイス43の受入位置及びロック位置は必須である。
【0037】
図5A図5Cは、工具継手13の基体41を、側面図(図5A)、図5AのA-A断面に沿った縦断面図(図5B)、及び中間要素42との境界部の平面図(図5C)で示している。
【0038】
基体41は、中央貫通孔47を有するスリーブ状の基体であり、複数の部分から構成され、実施例では、複数の部分は一体で作られる。内側ねじ山に加え、基体41は、シャンク14と相互作用する内側円錐領域48と、中間要素42と相互作用する回転駆動領域49とを備える。内側円錐領域48は、ドリルの方向に拡大する円錐内面を有する。デバイス10の接続状態では、基体41の内側円錐領域48とシャンク14の第1の外側円錐領域33及び第2の外側円錐領域35とが、中間嵌め接続部を形成する。
【0039】
回転駆動領域49は、環状カラー51と環状肩部52とから段差状に形成される。第1の外側回転駆動溝53及び第2の外側回転駆動溝54が、環状カラー51に設けられ、上記溝が、工具継手13の接続状態では、中間要素42の第1の外側回転駆動部及び第2の外側回転駆動部と相互作用し、第1の下部回転駆動溝55及び第2の下部回転駆動溝56が、環状肩部51に設けられ、上記溝が、デバイス10の接続状態では、中間要素42の第1の下部回転駆動部及び第2の下部回転駆動部と相互作用する。第1の外側回転駆動溝53及び第2の外側回転駆動溝54は、「外側回転駆動溝」という用語で総称され、第1の下部回転駆動溝55及び第2の下部回転駆動溝56は、「下部回転駆動溝」という用語で総称される。
【0040】
第1の外側回転駆動溝54及び第2の外側回転駆動溝55は、回転駆動領域49の環状カラー51において基体41の円周方向57に一様に分布し、交互に配置され、各第1の外側回転駆動溝55が2つの第2の外側回転駆動溝56の間に配置される。第1の下部回転駆動溝56及び第2の下部回転駆動溝57は、環状肩部52において基体41の円周方向57に一様に分布し、交互に配置され、各第1の下部回転駆動溝55が、2つの第2の下部回転駆動溝56の間に配置される。
【0041】
実施例では、環状カラー51は、3つの第1の外側回転駆動溝53及び3つの第2の外側回転駆動溝54を有し、環状肩部52は、3つの第1の下部回転駆動溝55及び3つの第2の下部回転駆動溝56を有する。
【0042】
図6A図6Cは、工具継手13の中間要素42を、側面図(図6A)、図6AのA-A断面に沿った縦断面図(図6B)、及び基体41との境界部の平面図(図6C)で示している。デバイス10の接続状態では、中間要素42は、基体41とシャンク14との間に配置され、トルクは、基体41から中間要素42を介してシャンク14に伝達される。
【0043】
中間要素42は、基面61と、内側面62と、外側面63とを有し、環状に設計された中間要素である。内側面62は内側駆動領域を形成し、外側面63は外側駆動領域を形成する。内側面62において、中間要素42は、第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65を有し、第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65は、デバイス10の接続状態では、シャンク14の第1の長手方向溝37及び第2の長手方向溝38に係合する。外側面63において、中間要素42は、第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67を有し、第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67は、工具継手13の接続状態では、基体41の環状カラー51上の第1の外側回転駆動溝53及び第2の外側回転駆動溝54に係合する。
【0044】
第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65は、「内側回転駆動部」という用語で総称される。工具継手13の第1の長手方向軸22に垂直に、第1の内側回転駆動部64は、第1の幅B及び第1の深さTを有し、第2の内側回転駆動部65は、第2の幅B及び第2の深さTを有する。工具継手13の第1の長手方向軸22に平行に、第1の内側回転駆動部64は、第1の高さHにわたって延び、第2の内側回転駆動部65は、第2の高さHにわたって延びる。中間要素42とシャンク14との間の表面圧力をできるだけ小さく設定するために、第1の高さH及び第2の高さHはできるだけ大きくされる。
【0045】
第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67は、「外側回転駆動部」という用語で総称される。工具継手13の第1の長手方向軸22に垂直に、第1の外側回転駆動部66は、第3の幅B及び第3の深さTを有し、第2の外側回転駆動部67は、第4の幅B及び第4の深さTを有する。工具継手13の第1の長手方向軸22に平行に、第1の外側回転駆動部66は、第3の高さHを有し、第2の外側回転駆動部67は、第4の高さHを有する。基体41と中間要素42との間の表面圧力をできるだけ小さく設定するために、第3の高さH及び第4の高さHはできるだけ大きくされる。
【0046】
第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67は、工具継手13の第1の長手方向軸22に垂直な平面68において、第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65とそれぞれ整列される。この配置には、力が基体41からシャンク14に直接伝達されるという利点がある。デバイス10の接続状態では、力は、中間要素42の外側面63上の第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67上に流れる。力は、中間要素42を介して、中間要素42の内側面62上の第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65に伝達され、第1の内側回転駆動部64が、第1の長手方向溝37に力を伝達し、第2の内側回転駆動部65が、第2の長手方向溝38に力を伝達する。
【0047】
内側回転駆動部64、65及び外側回転駆動部66、67に加えて、中間要素42は、第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72を有し、第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72は、中間要素42の基面61に配置され、第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65にそれぞれ合流する。第1の下部回転駆動部71は第1の内側回転駆動部64に合流し、第2の下部回転駆動部72は第2の内側回転駆動部65に合流する。
【0048】
第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72は、「下部回転駆動部」という用語で総称される。工具継手13の第1の長手方向軸22に垂直に、第1の下部回転駆動部71は、第5の幅B及び第5の深さTを有し、第2の下部回転駆動部72は、第6の幅B及び第6の深さTを有する。工具継手13の第1の長手方向軸22に平行に、第1の下部回転駆動部71は、第5の高さHを有し、第2の下部回転駆動部72は、第6の高さHを有する。基体41と中間要素42との間の表面圧力をできるだけ小さく設定するために、第5の高さH及び第6の高さHはできるだけ大きくされる。
【0049】
実施例において示す中間要素42は、第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65として、第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67として、並びに第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72として設計されたすべての回転駆動部を有する。第2の外側回転駆動部67は、任意選択である。基体41と中間要素42との間の接触面積は、第2の外側回転駆動部67によって増加する。
【0050】
新規工具継手13は、下部回転駆動部71、72及び下部回転駆動溝55、56を有する点で従来工具継手と異なる。このような第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72の形成及び中間要素42の基面61への第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72の配置には、回転駆動領域49の高さを増やすことなく、基体41と中間要素42との間の接触面積が大きくなるという利点がある。加えて、中間要素42にかかる荷重が他の領域に移動される。第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67から第1の内側回転駆動部64又は第2の内側回転駆動部65に力を伝達する際に生じる力の流れは、工具継手13の第1の長手方向軸22に垂直な平面68において主に走り、第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72から第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65にそれぞれ力を伝達する際に生じる力の流れは、工具継手13の第1の長手方向軸22に主に平行に走る。中間要素42にかかる荷重がより良好に分散され、それにより、中間要素42の長寿命化につながる。
【0051】
デバイス10の実施例では、第1の下部回転駆動部71の第5の深さTは、第2の下部回転駆動部72の第6の深さTと同じである。第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72の深さが同じである(T=T)ことには、力又はトルクが、第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72を介して、基体41から中間要素42に均一に伝達されるという利点がある。加えて、デバイス10の実施例では、第1の下部回転駆動部71の第5の幅Bは、第2の下部回転駆動部72の第6の幅Bと同じである。第1の下部回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72の深さが同じであり(T=T)、且つ幅が同じである(B=B)ことには、力又はトルクが、第1の回転駆動部71及び第2の下部回転駆動部72を介して、基体41から中間要素42に均一に伝達され得るという利点があり、加えて、第1の下部回転駆動溝55に第1の下部回転駆動部71を、又は第2の下部回転駆動溝56に第2の下部回転駆動部72を割り当てる必要がないという利点がある。
【0052】
実施例において示す新規工具継手13では、第1の内側回転駆動部64の第1の深さTは、第2の内側回転駆動部65の第2の深さTと同じである。従来工具継手では、第2の内側回転駆動部の第2の深さは、第1の内側回転駆動部の第1の深さよりも小さい。第2の内側回転駆動部の第2の深さがより大きくなることにより、新規工具継手と新規シャンクとの間の接触面積が増え、ドリルからドリルビットにより大きい力及びトルクを伝達することが可能になる。また、第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65の深さが同じ(T=T)であることには、シャンク14の第2の長手方向軸24に垂直な平面における第2の長手方向溝38の寸法が、第2の内側回転駆動部65と組み合わされるには小さすぎるため、新規工具継手を従来シャンクと組み合わせることはできないという利点がある。
【0053】
デバイス10の実施例では、第1の内側回転駆動部64の第1の幅Bは、第2の内側回転駆動部65の第2の幅Bと同じである。従来工具継手では、第2の内側回転駆動部の第2の幅は、新規工具継手よりも小さい。第1の内側回転駆動部64及び第2の内側回転駆動部65の深さが同じであり(T=T)、且つ幅が同じである(B=B)ことには、第1の長手方向溝37に第1の内側回転駆動部64を、又は第2の長手方向溝38に第2の内側回転駆動部65を割り当てる必要がないという利点がある。
【0054】
実施例に示す新規工具継手13は、新規工具継手13が第2の外側回転駆動部67及び第2の外側回転駆動溝54を有する点で従来工具継手とは異なる。デバイス10の接続状態では、第2の外側回転駆動部67は、基体41の第2の外側回転駆動溝54に係合する。第2の外側回転駆動部67及び回転駆動溝54は、基体41と中間要素42との間の接触面積を増加させ、これにより、より大きな力及びトルクの伝達を可能にする。接触面積が大きいほど、基体41と中間要素42との間の表面圧力は低くなり、或いは表面圧力が同じままである場合には、より大きな力及びトルクとより広い接触面積にわたって伝達することができる。
【0055】
デバイス10の実施例では、第1の外側回転駆動部66の第3の深さTは、第2の外側回転駆動部67の第4の深さTと同じである。第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67の深さが同じである(T=T)ことには、力又はトルクが、第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67を介して、基体41から中間要素42に均一に伝達されるという利点がある。加えて、デバイス10の実施例では、第1の外側回転駆動部66の第3の幅と第2の外側回転駆動部67の第4の幅とは、同じである。第1の外側回転駆動部66及び第2の外側回転駆動部67の深さが同じであり(T=T)、且つ幅が同じである(B=B)ことには、第1の外側回転駆動溝53に第1の外側回転駆動部66を、又は第2の外側回転駆動溝54に第2の外側回転駆動部67を割り当てる必要がないという利点がある。各外側回転駆動部は、任意の外側回転駆動溝に挿入され得る。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C