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特許7474355多焦点面画像生成装置、ヘッドアップディスプレイ装置、関連する方法、及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】多焦点面画像生成装置、ヘッドアップディスプレイ装置、関連する方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20240417BHJP
   B60K 35/23 20240101ALI20240417BHJP
   G02B 30/52 20200101ALN20240417BHJP
   G02B 30/54 20200101ALN20240417BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/23
G02B30/52
G02B30/54
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022569196
(86)(22)【出願日】2021-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2021081943
(87)【国際公開番号】W WO2021227656
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】202010415276.1
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】マオ,レイ
(72)【発明者】
【氏名】チャーン,ティエンハイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,シーマオ
(72)【発明者】
【氏名】ホワーン,ジーヨーン
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-128531(JP,A)
【文献】特開2013-024921(JP,A)
【文献】国際公開第17/064797(WO,A1)
【文献】米国特許第09030749(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
B60K 35/23
G02B 30/52
G02B 30/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像生成装置であって、装置は、パターン生成ユニットと焦点距離調節器とを備え、
前記パターン生成ユニットは、画像情報を搬送する光ビームを生成し、前記焦点距離調節器の表面に前記光ビームを照射するように構成され、
前記焦点距離調節器は、前記焦点距離調節器の前記表面に照射された前記光ビームに対して焦点距離調節を行い、画像生成装置の複数の焦点面を生成するように構成され
前記焦点距離調節器は偏光子と一体化され、該偏光子は、前記焦点距離調節器の、前記パターン生成ユニットに面する側に配置され、前記光ビームの偏光状態を、前記焦点距離調節器の整合層の方向と整合させるように構成されている、画像生成装置。
【請求項2】
前記焦点距離調節器は、異なる位相情報をロードし、画像生成装置は、複数の前記焦点面を生成し、前記異なる位相情報は、異なる焦点面に対応する、請求項1記載の画像生成装置。
【請求項3】
前記焦点距離調節器は、複数のイメージング領域を含み、異なるイメージング領域は、異なる焦点面に対応する、請求項1又は2記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記異なるイメージング領域にロードされる位相情報は、異なる、請求項3記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記複数のイメージング領域の数量、形状及び焦点距離のうち少なくとも1つは、動的に構成されることが可能である、請求項3又は4記載の画像生成装置。
【請求項6】
前記焦点距離調節器は、前記パターン生成ユニットのイメージング平面の後方に配置され、又は前記焦点距離調節器は、前記パターン生成ユニットのイメージング平面に配置され、又は前記焦点距離調節器は、前記パターン生成ユニットのイメージング平面の前方に配置される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像生成装置。
【請求項7】
前記焦点距離調節器によりロードされる前記位相情報は、フレネルレンズの位相分布又はゼルニケレンズの位相分布を含む、請求項2記載の画像生成装置。
【請求項8】
画像生成方法であり、方法は、画像生成装置に適用され、前記画像生成装置は、パターン生成ユニットと焦点距離調節器とを含む、画像生成方法であって、
前記パターン生成ユニットを使用して、画像情報を搬送する光ビームを生成し、前記焦点距離調節器の表面に前記光ビームを照射するステップと、
前記焦点距離調節器を使用して、前記焦点距離調節器の前記表面に照射された前記光ビームに対して焦点距離調節を行い、前記画像生成装置の複数の焦点面を生成するステップとを備え、
前記光ビームの偏光状態は、偏光子を介して前記焦点距離調節器の整合層の方向と整合され、前記焦点距離調節器は偏光子と一体化され、該偏光子は、前記焦点距離調節器の、前記パターン生成ユニットに面する側に配置されている、画像生成方法。
【請求項9】
前記焦点距離調節器の前記表面に照射された前記光ビームに対して焦点距離調節を行い、前記画像生成装置の複数の焦点面を生成するステップは、
前記画像生成装置が複数の前記焦点面を生成するように、前記焦点距離調節器に異なる位相情報をロードすることを含み、前記異なる位相情報は、異なる焦点面に対応する、請求項記載の方法。
【請求項10】
方法は、
前記焦点距離調節器を複数のイメージング領域に分割するステップであり、異なるイメージング領域は、異なる焦点面に対応する、分割するステップを備えている、請求項又は記載の方法。
【請求項11】
方法は、
前記異なるイメージング領域に異なる位相情報をロードするステップをさらに備えている、請求項10記載の方法。
【請求項12】
ディスプレイ装置であって、ディスプレイ装置は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の画像生成装置と、イメージングコンポーネントとを備え、
前記画像生成装置は、複数の画像を生成するように構成され、前記画像生成装置は、複数の焦点面を有し、異なる焦点面は、前記複数の画像のうちの異なる画像に対応し、
前記イメージングコンポーネントは、前記複数の画像についてイメージングを実行するように構成されている、ディスプレイ装置。
【請求項13】
運転席と、
前記運転席の前方に設置されているウィンドシールドと、
請求項12記載のディスプレイ装置とを備え、
前記ディスプレイ装置は、前記運転席に設置され、前記ウィンドシールドは、前記ディスプレイ装置により生成される画像に対して、反射及びイメージングを行う、運転デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「MULTI-FOCAL-PLANE IMAGE GENERATION APPARATUS, HEAD-UP DISPLAY APPARATUS, RELATED METHOD, AND DEVICE」と題し、2020年5月15日に中国国家知的所有権庁に出願された中国特許出願第202010415276.1号の優先権を主張し、これは全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、画像ディスプレイ技術の分野に関し、特に、多焦点面画像生成装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヘッドアップディスプレイ(Head-up display, HUD)は、パラレルディスプレイシステムとも称し、運転者を中心とした多機能ダッシュボードを指す。ヘッドアップディスプレイの機能は、運転者の前のウィンドシールド上に速度やナビゲーション情報などの重要な運転情報を投影することである。その結果、運転者の頭部を下げたり、頭部を回転させたりせずに、運転者は可能な限り多く、速度やナビゲーション情報などの重要な運転情報を見ることができる。図1は、HUDのディスプレイインターフェースの概略図である。図1に示すように、HUDによって表示される画像は、速度「4km/h」などの情報と、ナビゲーション情報「前方に右20m右折することを示す矢印」とを含む。
【0004】
しかし、一般的なHUD上に表示される画像と実際の道路上の物体とは、同一の焦点面にないため、運転者の眼は、道路上の物体とHUDイメージング平面との間を往復するように切り換えて、眼の焦点を調節する必要がある。現在のHUDは、頭部を下げるという問題を解決するが、頻繁な焦点調節は視覚の疲労を引き起こし、ユーザの経験を減らす。拡張現実(Augmented Reality, AR)に基づく真のHUDを実現するためには、画像生成装置の多焦点面イメージングの技術的問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、多焦点面画像生成装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び関連する方法を提供する。主な目的は、任意の焦点距離が連続的に調節できるように、画像生成装置の多焦点面イメージングの技術的問題を解決することである。
【0006】
第1の態様によれば、本出願は、多焦点面画像生成装置を提供する。装置は、パターン生成ユニットと焦点距離調節器とを備え;パターン生成ユニットは、画像情報を搬送する光ビームを生成し、焦点距離調節器の表面に光ビームを照射するように構成され;焦点距離調節器は、焦点距離調節器の表面に照射された光ビームに対して焦点距離調節を行い、多焦点面画像生成装置の複数の焦点面を生成するように構成されている。
【0007】
本出願の技術的解決策では、変形及びアップグレードは、パターン生成ユニットの光路に基づいて実行ができ、実現は簡単である。焦点距離は、焦点距離調節器を使用して柔軟に調節される。その結果、任意の焦点距離を連続的に調節することができ、任意の位置での任意の数量の焦点面(又はイメージング平面)を実現することができる。
【0008】
可能な実施では、焦点距離調節器は、異なる位相情報をロードし、多焦点面画像生成装置は、複数の焦点面を生成し、異なる位相情報は、異なる焦点面に対応する。
【0009】
本出願の技術的解決策では、焦点距離調節器は、位相情報をロードすることによって焦点距離を調節し、焦点面の数量と焦点面の位置とを制御し、柔軟性が高い。
【0010】
可能な実施では、焦点距離調節器は、複数のイメージング領域を含み、異なるイメージング領域は、異なる焦点面に対応する。焦点距離調節器のイメージング領域は、ソフトウェアを使用して分割によって取得されてよい。任意の境界形状がサポートされ、柔軟性が高い。
【0011】
可能な実施では、異なるイメージング領域にロードされる位相情報は、異なる。異なる位相情報は、異なるイメージング領域にロードされるので、異なる焦点面での画像は、異なる領域に表示されてよい。
【0012】
可能な実施では、焦点距離調節器は、パターン生成ユニットのイメージング平面の後方に配置され、又は焦点距離調節器は、パターン生成ユニットのイメージング平面に配置され、又は焦点距離調節器は、パターン生成ユニットのイメージング平面の前方に配置される。パターン発生ユニットによって発生された光ビームを、焦点距離調節器によって受光することができるならば、焦点距離調節器の位置は柔軟に配置されてよい。
【0013】
可能な実施では、焦点距離調節器によりロードされる位相情報は、フレネルレンズの位相分布又はゼルニケレンズの位相分布を含む。複数の連続焦点面を生成するように多焦点面画像生成装置を制御するために、等価レンズの焦点距離は、焦点距離調節器にロードされるフレネルレンズ又はゼルニケレンズの位相分布パターンを変更することによって変更することができる。
【0014】
可能な実施では、焦点距離調節器は、空間光変調器である。空間光変調器は、位相型空間光変調器であってよく、液晶、又は微小電気機械システムに基づいて実現されてよい。
【0015】
可能な実施では、焦点距離調節器の前方に偏光子が配置され、偏光子は、光ビームの偏光状態を、焦点距離調節器の整合層の方向と整合させるように構成されている。
【0016】
第2の態様によれば、本出願は、多焦点面画像生成方法を提供する。方法は、多焦点面画像生成装置に適用され、多焦点面画像生成装置は、パターン生成ユニットと焦点距離調節器とを含む、多焦点面画像生成方法であって;パターン生成ユニットを使用して、画像情報を搬送する光ビームを生成し、焦点距離調節器の表面に光ビームを照射するステップと;焦点距離調節器を使用して、焦点距離調節器の表面に照射された光ビームに対して焦点距離調節を行い、多焦点面画像生成装置の複数の焦点面を生成するステップとを備えている。
【0017】
本出願の技術的解決策では、変形及びアップグレードは、パターン生成ユニットの光路に基づいて実行ができ、実現は簡単である。焦点距離は、焦点距離調節器を使用して柔軟に調節される。その結果、任意の焦点距離を連続的に調節することができ、任意の位置での任意の数量の焦点面(又はイメージング平面)を実現することができる。
【0018】
可能な実施では、焦点距離調節器の表面に照射された光ビームに対して焦点距離調節を行い、多焦点面画像生成装置の複数の焦点面を生成するステップは、多焦点面画像生成装置が複数の焦点面を生成するように、焦点距離調節器に異なる位相情報をロードすることを含み、異なる位相情報は、異なる焦点面に対応する。
【0019】
本出願の技術的解決策では、焦点距離調節器は、位相情報をロードすることによって焦点距離を調節し、焦点面の数量と焦点面の位置とを制御し、柔軟性が高い。
【0020】
可能な実施では、方法は、焦点距離調節器を複数のイメージング領域に分割するステップであり、異なるイメージング領域は、異なる焦点面に対応する、分割するステップを備えている。焦点距離調節器のイメージング領域は、ソフトウェアを使用して分割によって取得されてよい。任意の境界形状がサポートされ、柔軟性が高い。
【0021】
可能な実施では、異なるイメージング領域に異なる位相情報をロードする。異なる位相情報は、異なるイメージング領域にロードされるので、異なる焦点面での画像は、異なる領域に表示されてよい。
【0022】
可能な実施では、焦点距離調節器によりロードされる位相情報は、フレネルレンズの位相分布又はゼルニケレンズの位相分布を含む。複数の連続焦点面を生成するように多焦点面画像生成装置を制御するために、等価レンズの焦点距離は、焦点距離調節器にロードされるフレネルレンズ又はゼルニケレンズの位相分布パターンを変更することによって変更することができる。
【0023】
可能な実施では、焦点距離調節器は、空間光変調器である。空間光変調器は、位相型空間光変調器であってよく、液晶、又は微小電気機械システムに基づいて実現されてよい。
【0024】
可能な実施では、光ビームの偏光状態は、偏光子を介して焦点距離調節器の整合層の方向と整合され、偏光子は、焦点距離調節器の前方に配置される
【0025】
第3の態様によれば、本出願は、ヘッドアップディスプレイ装置を提供する。ヘッドアップディスプレイ装置は、第1の態様又は第1の態様の可能な実施のうち任意の1つに係る多焦点面画像生成装置と、イメージングコンポーネントとを備え;多焦点面画像生成装置は、複数の画像を生成するように構成され、多焦点面画像生成装置は、複数の焦点面を有し、異なる焦点面は、複数の画像のうちの異なる画像に対応し;イメージングコンポーネントは、人間の眼による受容のために、複数の画像についてイメージングを実行するように構成されている。
【0026】
本出願の技術的解決策は、ヘッドアップディスプレイ装置に加えて、平板ガラスのディスプレイ及びプロジェクタのようなディスプレイ装置にも適用してよい。連続的に調節可能な焦点面が多焦点面画像生成装置を介して生成されるので、異なる情報が異なるイメージング平面に提示され、ユーザの体験を向上させることができる。
【0027】
第4の態様によれば、本出願は、運転デバイスを提供する。運転席と;運転席の前方に設置されているウィンドシールドと;第3の態様に係るヘッドアップディスプレイ装置とを備え;ヘッドアップディスプレイ装置は、運転席に設置され、ウィンドシールドは、ヘッドアップディスプレイ装置により生成される画像に対して、反射及びイメージングを行う。
【0028】
本出願の技術的解決策では、車載ヘッドアップディスプレイの多焦点面イメージングの技術的問題を解決することができる。ユーザは、運転プロセスの中で頻繁に焦点を調節する必要がないのであり、ユーザの体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】HUDのディスプレイインターフェースの概略図である。
図2】本出願に係る多焦点面画像生成装置の構成の概略図である。
図3】本出願に係る多焦点面画像生成装置の構成の概略図である。
図4a】本出願に係るフレネルレンズの位相分布の図である。
図4b】本出願に係るフレネルレンズの位相分布の図である。
図5a】本出願に係る4つの空間光変調器のイメージング領域分割の概略図である。
図5b】本出願に係る4つの空間光変調器のイメージング領域分割の概略図である。
図5c】本出願に係る4つの空間光変調器のイメージング領域分割の概略図である。
図5d】本出願に係る4つの空間光変調器のイメージング領域分割の概略図である。
図6a】本出願に係る二重焦点面イメージングの概略図である。
図6b】本出願に係る二重焦点面イメージングの概略図である。
図7】本出願に係るイメージング平面領域分割方式の概略図である。
図8】本出願に係る他の多焦点面画像生成装置の構造の概略図である。
図9】本出願に係るさらに他の多焦点面画像生成装置の構造の概略図である。
図10】本出願に係るHUDの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本出願の実施形態は、多焦点面画像生成装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び関連する方法に関する。これらは、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0031】
図2は、本出願の多焦点面画像生成装置の構成の概略図である。図2に示すように、多焦点面画像生成装置は、パターン生成ユニット(pattern generation unit, PGU)モジュール201と、焦点距離調節器202とを備えている。PGUモジュール201は、光源とイメージングコンポーネントとを含んでよく、光源は、画像情報を搬送する光ビームを生成するように構成されている。イメージングコンポーネントは、レンズ、レンズ群などを含んでよい。光源によって発生される光ビームは、多焦点面画像生成装置が異なる焦点面(焦点面1、焦点面2、……、及び焦点面N)を生成するようにイメージングされる。複数の焦点面は連続的に調節可能であることができる。焦点距離調節器202は、空間光変調器(spatial light modulator, SLM)であってよい。SLMは、異なる厚みを伴って、透明誘電体コンポーネント,シリコン上液晶(liquid crystal on silicon, LCoS),微小電気機械システム(microelectromechanical systems, MEMS),圧電セラミックなどに基づいて実現されてよい。任意の位相分布の位相ホログラムは、焦点面の位置を変更できるように、SLMによりロードされる。任意の焦点距離は、光路上のイメージングコンポーネントの物理的位置を変化させることなく、連続的に調節できる。その結果、連続的に可変なイメージング平面が生成される。本出願における「焦点面」及び「イメージング平面」は、同じ空間位置、即ち、光ビームイメージングの位置を意味してよい。SLMの焦点距離が変化すると、それに応じて焦点面又はイメージング平面が変化する。
【0032】
図3は、本出願に係る多焦点面画像生成装置の構成の概略図である。図3に示すように、多焦点面画像生成装置は、PGUモジュール310と空間光変調器320とを含んでよい。任意には、イメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332とは、多焦点面画像生成装置の焦点面に配置されてよい。イメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332とは、それぞれ、拡散スクリーン、カーテン、白い紙などを使用して実現されてよい。焦点面(又はイメージング平面)の位置に配置されて、焦点面に画像を受容してよい。PGUモジュール310は、振幅イメージングユニット311とイメージングコンポーネント312とを含んでよい。振幅イメージングユニット311は、モノクロの光源、又は多色光源であってよい。イメージングコンポーネント312は、レンズ又はレンズ群であってよい。画像情報を搬送する光ビームを生成し、ある空間位置でイメージング平面340を形成するように、PGUモジュール310は構成されている。空間光変調器320は、PGUモジュール310のイメージング平面340の後方に配置されてよい。光ビームは、イメージング平面340を離れた後に拡散し、完全に均等に拡散した後に、空間光変調器320の表面を照射する、即ち、光ビームは、拡散した後に空間光変調器320によって受光される。空間光変調器320は、反射性又は透過性であってよく、透明誘電体コンポーネント、LCoS、MEMS、圧電セラミックなどに基づいて実現されてよい。任意には、空間光変調器320の前方に偏光子350が配置され、その結果、空間光変調器の表面上の入射光ビームの偏光状態が、空間光変調器の整合層の方向と整合される。空間光変調器320が偏光子と一体化される場合に、追加の偏光子を配置する必要はない。位相分布が空間光変調器にロードされてよい。光ビームを集めるために等価レンズの機能を実現して、画像がイメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332とに形成されるようにする。イメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332との位置は、イメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332との位置が任意に調節できるように、空間光変調器320の等価レンズ焦点距離を調節することによって変更することができる。例えば、空間光変調器320の表面は、イメージング領域321とイメージング領域322とに分割されてよい。異なる焦点距離を有するフレネルレンズの位相分布が、イメージング領域321とイメージング領域322とに別々にロードされる。その結果、イメージング領域321を通過する光ビームがイメージングスクリーン331でイメージングされ、イメージング領域322を通過する光ビームがイメージングスクリーン332でイメージングされる。PGUモジュール310により生成された完全な画像は、イメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332との両方で観察されることができる。空間光変調器上のレンズ焦点距離は、任意に調節できる。従って、イメージング平面は、空間内の任意の位置に形成されるので、イメージングスクリーンの位置を任意に調節することができる。
【0033】
本出願のこの実施形態では、柔軟性が高くなるように、焦点面の数量と焦点面の位置とを制御するために、空間光変調器は、位相情報をロードする。焦点距離は、空間光変調器を使用して柔軟に調節される。その結果、任意の焦点距離を連続的に調節することができ、任意の位置での任意の数量の焦点面(又はイメージング平面)を実現することができる。
【0034】
具体的な例を参照して、空間光変調器がイメージングスクリーンの位置を調節する原理を以下に説明する。図4a及び図4bは、本出願に係るフレネルレンズの位相分布を示す図である。図4a及び図4bに示す2つの異なる焦点距離を有するフレネルレンズの位相分布が、空間光変調器の表面上のイメージング領域321とイメージング領域322とに別々にロードされる場合に、2つの異なる焦点面、即ち、イメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332とは、別々に、2つの異なる焦点面に調節されることができる。フレネルレンズの位相分布は、空間光変調器の表面にロードされ、光の場を制御し、レンズの機能と同等の機能を達成する。フレネル位相の第mリングの半径rmは、(2mfλ)/2に等しい。ここで、λは、入射光の波長であり、fは、第mリングの位相における等価レンズ焦点距離である。空間光変調器は、異なる位相分布をロードすることにより、異なる焦点距離を有するレンズの機能を実現し、焦点面とイメージングスクリーンとの位置を調節することができることが分かる。
【0035】
空間光変調器の表面は、ソフトウェアを介して任意の形状を有する任意の数量のイメージング領域に分割されてよい。異なる位相分布が異なる領域にロードされて、異なる焦点面が形成される。図5aないし図5dは、本出願に係る4つの空間光変調器のイメージング領域分割の概略図である。図5aに示すように、空間変調器の表面は、2つの矩形領域に分割される。図5bに示すように、空間光変調器の表面は、3つの矩形領域に分割される。図5cに示すように、空間光変調器の表面は、2つの不規則領域に分割される。図5dに示すように、空間光変調器の表面は、3つの不規則領域に分割される。図5aないし図5dに示される分割方式に加えて、代替的に、空間光変調器の表面は、正方形、セクター、三角形、円、及び多角形などのN個のイメージング領域に分割されてよい。空間光変調器の表面には、グレースケール0ないし255(位相深さ0ないし2πに相当)のパターンがロードされる。各イメージング領域には、異なる焦点距離を有するレンズの位相分布がロードされてよい。例えば、ゼルニケレンズの位相分布又はフレネルレンズの位相分布は、空間光変調器の全てのイメージング領域にロードされる。これらの位相分布は、ゼルニケ関数及びフレネルレンズ関数のようなホログラフィックイメージング関数を介して実現することができる。異なる焦点面が異なる領域で生成される。各焦点面に形成される画像が2D画像であってよい。空間光変調器の領域は、ソフトウェアを使用した分割によって取得され、任意の境界形状がサポートされ、柔軟性が高い。空間光変調器の表面領域は、任意の形状と任意の焦点距離とを有する、任意の数量のイメージング領域に柔軟に分割され、任意の調節可能な多焦点面システムを実現することができる。イメージング領域の数量と、イメージング領域の形状と、イメージング領域の焦点距離とは、異なる情報が異なる焦点面でイメージングされるように、車両の走行プロセスでの環境要因(車両、歩行者、及び道路条件など)によって決定されてよい。
【0036】
図6a及び図6bは、本出願に係る二重焦点面イメージングの概略図である。実際の用途では、焦点面の1つを固定し、フレネルレンズの焦点距離を任意に調節して、2つの調節可能な焦点面を構成することができる。図6aは、文字Aと文字Bとが異なる焦点面にあるときに生成される画像を示す。文字Aは、文字Bよりも明瞭である。この場合に、文字Aと文字Bとの両方を明瞭に観察するために、文字Aと文字Bとは、異なるイメージングスクリーン(例えば、イメージングスクリーン331及びイメージングスクリーン332)で別々にイメージングされてよい。図6bは、文字Aと文字Bとが同一焦点面にあるときに生成される画像を示す。文字Aの鮮明度と文字Bの鮮明度とは、ほぼ同じである。この場合に、文字Aと文字Bとの両方が、同一のイメージングスクリーン(例えば、イメージングスクリーン331)上で明瞭に観察できる。
【0037】
図7は、本出願に係るイメージング平面領域分割方式の概略図である。図7に示されるように、人間の眼の前の空間位置は、複数のイメージング平面領域に分割されてよく、異なるイメージング平面領域は、異なる空間位置に配置されてよい。空間光変調器の表面領域は、図5aないし図5dに示されるものと同様の方式で分割され、異なる位相分布が異なる領域にロードされ、その結果、異なるイメージング平面(又は焦点面)が生成される。例えば、ダッシュボード701及びダッシュボード702は、人間の眼の30cmないし40cm前でイメージングされる。ナビゲーション情報703は、人間の眼の2mないし3m前でイメージングされる。地図704は、人間の眼の3mないし5m前でイメージングされる。プロンプト情報(例えば、天気及び周囲の建物)705は、人間の眼の5mないし10m前でイメージングされる。空間光変調器の表面上で領域分割が行われ、異なる位相分布が異なる領域にロードされるため、異なる焦点面上の画像が異なる領域に表示される。
【0038】
本出願のこの実施形態では、空間光変調器は、焦点面の数量と焦点面の位置とを制御するために、領域分割を通して異なる位相情報をロードする。その結果、柔軟性が高くなる。
【0039】
図8は、本出願に係る他の多焦点面画像生成装置の構成の概略図である。図8に示すように、図3に示す実施形態との違いは、空間光変調器320の位置がPGUモジュール310のイメージング平面340にあることである。この場合に、PGUモジュール310により生成された画像の部分は、イメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332とで観察されることができる。異なる部分の画像境界は、空間光変調器320の画像領域分割に依存する。例えば、PGUモジュール310により生成される画像は、文字Aと文字Bとを含み、文字Aはイメージングスクリーン331で観察され、文字Bはイメージングスクリーン332で観察される。図3の実施形態では、文字Aと文字Bとの両方が、イメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332とのそれぞれで観察されることができる。
【0040】
図9は、本出願に係るさらに他の多焦点面画像生成装置の構造の概略図である。図9に示すように、図3に示す実施形態との違いは、空間光変調器320の位置がPGUモジュール310の内部にあることである。任意には、空間光変調器320は、イメージングコンポーネント312の前方、又はイメージングコンポーネント312の後方に配置されてよい。図7の実施形態と同様に、PGUモジュール310により生成された画像の一部は、イメージングスクリーン331とイメージングスクリーン332とで観察されることができる。異なる部分の画像境界は、空間光変調器320の画像領域分割に依存する。
【0041】
本出願のこの実施形態では、空間光変調器は、パターン生成ユニットの内側又は外側の複数の位置に挿入されてよく、変形及びアップグレードは、パターン生成ユニットの光路に基づいて実行ができ、実現は簡単である。焦点距離は、空間光変調器を使用して柔軟に調節される。その結果、任意の焦点距離を連続的に調節することができ、任意の位置での任意の数量の焦点面(又はイメージング平面)を実現することができる。
【0042】
本出願の実施形態における多焦点面画像生成装置は、HUD、プロジェクタ、及び平板ガラスのディスプレイのようなディスプレイデバイスに適用されてよい。例として、HUDを使用して説明する。図10は、本出願に係るHUDの構造の概略図である。図10に示すように、HUDは、前述の実施形態のいずれか1つにおける多焦点面画像生成装置1001と、イメージングスクリーン1002とを含んでよい。多焦点面画像生成装置1001は、複数の焦点面を有し、複数の画像を生成するように構成されている。異なる画像が異なる焦点面に形成される。イメージングスクリーン1002は、拡散スクリーン、カーテン、白い紙などを含んでよい。イメージングスクリーン1002は、焦点面の位置に配置されている。異なる焦点面にあり、画像生成装置1001により生成された画像を受容するように、イメージングスクリーン1002は構成されている。異なる焦点面上の画像は、1つのイメージングスクリーンを介して受容されてよく、又は複数の焦点面上の画像は、複数のイメージングスクリーンを介して別々に受容されてよい(1つのイメージングスクリーンは1つの焦点面に対応する)。任意には、光路折り畳みミラー又は反射器のような光学素子が、イメージングスクリーン1002の背後に配置されてよい。イメージング平面によりイメージングスクリーンに反射された光ビームをウィンドシールド1003に投影して、ウィンドシールドに形成された仮想画像(又は複数の画像)1004及び1005が、人間の眼1006で受容されるようにする。多焦点面画像生成装置1001の焦点距離は、連続的に調節することができ、その結果、異なるイメージング平面が、同一のイメージングスクリーン上の異なる位置に、又は異なる位置にある複数のイメージングスクリーン上に、生成される。最終的に、異なる距離にある画像が、人間の眼で観察される。
【0043】
本出願で提供されるHUDは、車両、バス、又は航空機のような運転デバイスに適用してよく、又は複数のARディスプレイシナリオに適用してよい。HUDが運転デバイスに適用されると、HUDは、運転デバイスの運転席に取り付けられてよい。HUDにより生成された画像は、運転デバイスのウィンドシールドを通して人間の眼へ反射される。
【0044】
本出願の実施態様における多焦点面画像生成装置は、HUDの焦点距離を連続的に調節することができるように、HUDに適用される。異なる情報が異なるイメージング平面に提示され、ユーザは、運転プロセスの中で頻繁に焦点を調節する必要がなく、ユーザの体験を向上させる。
【0045】
本明細書の記載では、具体的な特徴、構造、材料又は性質は、任意の1つ以上の実施形態又は例で、適切な方式で組み合わせられてよい。
【0046】
以上の説明は、単に本発明の具体的な実施であるが、本発明の保護範囲を制限することを意図したものではない。本発明に開示された技術的範囲内で、当業者が容易に解明することができる変更又は代替は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。従って、本発明の保護範囲は、請求項の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10