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特許7474357梱包材、梱包体、モジュールアセンブリ及びモジュールの梱包方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】梱包材、梱包体、モジュールアセンブリ及びモジュールの梱包方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/26 20060101AFI20240417BHJP
   B65D 81/05 20060101ALI20240417BHJP
   B65D 85/20 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B65D77/26 S
B65D81/05 200
B65D85/20 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022573058
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 JP2021048260
(87)【国際公開番号】W WO2022145372
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2020218164
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507365204
【氏名又は名称】旭化成メディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】徳永 陽子
(72)【発明者】
【氏名】山本 挙
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-201346(JP,A)
【文献】特開2017-052545(JP,A)
【文献】特開平09-216658(JP,A)
【文献】特開2003-335368(JP,A)
【文献】国際公開第2018/038078(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/26
B65D 81/05
B65D 85/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴体部と、前記胴体部の長手方向の両端部に取り付けられたヘッダー部と、を有するモジュールを箱に梱包するための梱包材であって、
横臥状態とされた前記モジュールの前記胴体部の下面を少なくとも部分的に支持する胴体部支持面と、
横臥状態とされた前記モジュールの前記胴体部の両側面を挟むように支持する胴体部支持壁と、
横臥状態とされた前記モジュールの双方の前記ヘッダー部の天面を支持する天面支持壁と、
前記胴体部支持面よりも下方に突出するように設けられた脚部と、を備え、
前記モジュールが前記胴体部支持面と前記胴体部支持壁と前記天面支持壁とによって支持されたときに、前記ヘッダー部の側面に前記梱包材が接触しないように構成されており、
前記脚部は、前記モジュールの前記胴体部の下方に配置されており、
第一の梱包材によって支持された前記モジュールの上に第二の梱包材を積載する場合に、前記モジュールの前記胴体部の上面に少なくとも部分的に接触するように前記第二の梱包材の前記脚部が配置されている、梱包材。
【請求項2】
前記脚部は、前記胴体部支持面によって支持された前記モジュールの幅方向略中央部に配置されている、請求項に記載の梱包材。
【請求項3】
前記脚部は、前記胴体部支持面によって支持された前記モジュールの長手方向に沿って複数個設けられており、
複数個の前記脚部は、前記モジュールの長手方向略中央部を中心として略対称に配置されている、請求項1又は2に記載の梱包材。
【請求項4】
前記胴体部支持面は、前記モジュールの前記胴体部の前記下面の長手方向に沿った複数個所を支持するように分離して複数設けられており、
前記胴体部支持壁及び前記脚部は、隣り合う前記胴体部支持面同士の間に配置されており、かつ、連続した面で繋げられている、請求項1から3の何れか一項に記載の梱包材。
【請求項5】
前記脚部は、上下方向において前記胴体部支持面よりも下方に位置する底面を有し、
前記脚部は、前記胴体部支持壁から連続した面で下方に延伸している、請求項4に記載の梱包材。
【請求項6】
前記胴体部支持面と前記胴体部支持壁と前記天面支持壁と前記脚部とは、一体的に成形されている、請求項から5の何れか一項に記載の梱包材。
【請求項7】
前記第一の梱包材によって支持された前記モジュールの上に前記第二の梱包材を積載し、前記第二の梱包材の前記脚部が前記モジュールの前記胴体部の上面少なくとも部分的に接触するときに、前記モジュールの前記ヘッダー部の側面に前記第二の梱包材が接触しないように構成されている、請求項1から6の何れか一項に記載の梱包材。
【請求項8】
前記モジュールは、前記ヘッダー部の前記側面から突出する突出栓を有し、
前記第一の梱包材と前記第二の梱包材の間には、前記突出栓を収納する領域が形成される、請求項1から7の何れか一項に記載の梱包材。
【請求項9】
前記胴体部支持面の少なくとも一部は、平坦面とされ、
前記胴体部支持壁は、前記平坦面に対して略垂直に配置されている、請求項1からの何れか一項に記載の梱包材。
【請求項10】
前記モジュールの前記ヘッダー部の前記天面は、前記モジュールの長手方向に対して略直交する平坦面部分と、前記モジュールの長手方向に沿って前記平坦面部分から突出する軸部分と、を有し、
前記天面支持壁は、前記天面の前記平坦面部分のうち前記軸部分の下方にある部分を少なくとも支持する、請求項1からの何れか一項に記載の梱包材。
【請求項11】
前記胴体部支持面と前記胴体部支持壁と前記天面支持壁とを有し、単一の前記モジュールを支持するモジュール支持部を備え、
複数の前記モジュールが相互に平行に配置された状態で支持されるように、前記モジュール支持部が複数設けられており、
前記モジュール支持部の各々によって前記モジュールが支持されたときに、隣接する前記モジュールの前記ヘッダー部の側面同士が接触しないように構成されている、請求項1から10の何れか一項に記載の梱包材。
【請求項12】
前記モジュール支持部の各々によって前記モジュールが支持されたときに、隣接する前記モジュールの前記ヘッダー部の側面同士の間に仕切壁が存在しない、請求項11に記載の梱包材。
【請求項13】
上下方向において、前記胴体部支持面の最下部から前記胴体部支持壁の最上部までの寸法は、前記モジュールの胴体部の径の50%以上である、請求項1から12の何れか一項に記載の梱包材。
【請求項14】
上下方向において、前記胴体部支持面の最下部から前記胴体部支持壁の最上部までの寸法は、前記モジュールの胴体部の径の55%以上である、請求項1から12の何れか一項に記載の梱包材。
【請求項15】
請求項1から14の何れか一項に記載の梱包材と、前記梱包材を収納する箱と、を備える梱包体。
【請求項16】
前記梱包材によって支持された前記モジュールの前記胴体部の上面と、前記胴体部の上面に対向する前記箱の内面と、の間に形成される間隙を塞ぐスペーサ部材を備える、請求項15に記載の梱包体。
【請求項17】
筒状の胴体部と、前記胴体部の長手方向の両端部に取り付けられたヘッダー部と、を有するモジュールと、
請求項1から14の何れか一項に記載の梱包材と、
を備える、モジュールアセンブリ。
【請求項18】
筒状の胴体部と、前記胴体部の長手方向の両端部に取り付けられたヘッダー部と、を有するモジュールを、請求項1から14の何れか一項に記載の梱包材を用いて箱に梱包する方法であって、
横臥状態とされた前記モジュールの前記胴体部の下面を、前記梱包材の前記胴体部支持面で少なくとも部分的に支持し、
横臥状態とされた前記モジュールの前記胴体部の両側面を、前記梱包材の前記胴体部支持壁で挟むように支持し、
横臥状態とされた前記モジュールの双方の前記ヘッダー部の天面を、前記梱包材の前記天面支持壁で支持し、
前記モジュールが前記梱包材の前記胴体部支持面と前記胴体部支持壁と前記天面支持壁とによって支持されたときに、前記モジュールの前記ヘッダー部の側面に前記梱包材が接触しない、
モジュールの梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包材、梱包体、モジュールアセンブリ及びモジュールの梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば血液透析療法や血漿交換療法等の血液浄化方法を実施する際に、内部に中空糸膜等の処理膜が内蔵された膜モジュールや内部にビーズ等の吸着剤が内蔵された吸着モジュール(以下、これらをまとめて「モジュール」と称することがある)が使用されている。現在においては、箱の内部でモジュール同士が直接的に接触しないようにしたり、モジュールの端部が箱の内壁に直接的に接触しないようにしたりすることにより、輸送時における振動や衝撃に起因してモジュールが破損することを抑制する梱包材が種々提案され、実用化されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-216658号公報
【文献】特開2014-201346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、モジュールは、包装袋に包装された状態で輸送に供されるのが一般的であるが、特許文献1及び2に記載されたような従来の梱包材を使用すると、モジュールが梱包材に強く接触したり包装袋に皺が入り易くなったりすることにより、包装袋が破損し易くなる、という問題があった。また、複雑な形状を有する(例えば側面に複数個の凹凸を有する)ヘッダー部をモジュールが有している場合には、輸送時の衝撃等に対する強度が低下する傾向があり、そのために改良された梱包材の開発が待望されていた。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、モジュールのヘッダー部の破損やモジュールを包装する包装袋の破損を抑制することができる梱包材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る梱包材は、筒状の胴体部と、胴体部の長手方向の両端部に取り付けられたヘッダー部と、を有するモジュールを箱に梱包するためのものであって、横臥状態とされたモジュールの胴体部の下面を少なくとも部分的に支持する胴体部支持面と、横臥状態とされたモジュールの胴体部の両側面を挟むように支持する胴体部支持壁と、横臥状態とされたモジュールの双方のヘッダー部の天面を支持する天面支持壁と、を備え、モジュールが胴体部支持面と胴体部支持壁と天面支持壁とによって支持されたときに、ヘッダー部の側面に梱包材が接触しないように構成されているものである。
【0007】
かかる構成を採用すると、横臥状態とされたモジュールの胴体部の下面を胴体部支持面によって少なくとも部分的に支持し、かつ、当該モジュールの胴体部の両側面を胴体部支持壁によって挟むように支持することができるので、モジュールが左右方向(モジュールの長手方向に対して直角な方向)に動くことを抑制することができる。また、横臥状態とされたモジュールの双方のヘッダー部の天面を天面支持壁によって支持することができるので、モジュールが長手方向に動くことを抑制することができる。また、モジュールが胴体部支持面と胴体部支持壁と天面支持壁とによって支持されたときに、モジュールのヘッダー部の側面に梱包材が接触しないように構成されているため、モジュールのヘッダー部の側面自体が破損したり当該ヘッダー部の側面を覆う包装袋が破損したりすることを防止することができる。
【0008】
本発明に係る梱包材において、胴体部支持面よりも下方に突出するように設けられた脚部を備えることができる。かかる場合において、モジュールの胴体部の下方に脚部を配置することができる。
【0009】
かかる構成を採用すると、胴体部支持面よりも下方に突出してモジュールの胴体部の下方に配置されるように設けられた脚部を備えているため、梱包材を箱の内部や棚に設置する際に、梱包材の変形(歪み)を抑制し安定させた状態で設置することができる。
【0010】
本発明に係る梱包材において、胴体部支持面によって支持されたモジュールの幅方向略中央部に脚部を配置することができる。
【0011】
かかる構成を採用すると、胴体部支持面によって支持されたモジュールの幅方向略中央部に脚部が配置されているため、モジュールの重量をその真下(幅方向略中央部)で支えることができる。従って、梱包材の変形(歪み)を抑制することができる。
【0012】
本発明に係る梱包材において、胴体部支持面によって支持されたモジュールの長手方向に沿って複数個の脚部を設けることができる。かかる場合において、複数個の脚部を、モジュールの長手方向略中央部を中心として略対称に配置することができる。
【0013】
かかる構成を採用すると、胴体部支持面によって支持されたモジュールの長手方向に沿って複数個の脚部が設けられており、これら複数個の脚部は、モジュールの長手方向略中央部を中心として略対称に配置されているため、モジュールの重量を分散させて梱包材全体で支えることができる。従って、梱包材の一部に力が偏ることがなく、梱包材の変形(歪み)を抑制することができる。
【0014】
本発明に係る梱包材において、胴体部支持面を、モジュールの胴体部の下面の長手方向に沿った複数個所を支持するように分離して複数設けることができる。かかる場合において、胴体部支持壁及び脚部を、隣り合う胴体部支持面同士の間に配置し、かつ、連続した面で繋げることができる。
【0015】
かかる構成を採用すると、分離して複数設けられた胴体部支持面により、モジュールの胴体部の下面を長手方向に沿った複数個所で支持することができる。また、隣り合う胴体部支持面同士の間に配置された胴体部支持壁及び脚部が連続した面で繋げられているため、梱包体の剛性や強度を高めることができる。
【0016】
本発明に係る梱包材において、胴体部支持面と胴体部支持壁と天面支持壁と脚部とを、一体的に成形することができる。
【0017】
かかる構成を採用すると、梱包材の各構成(胴体部支持面、胴体部支持壁、天面支持壁及び脚部)が一体的に成形されているため、別々の部品を接続する場合と比較して製作が容易である。また、梱包材の各構成が一体化しているため持ち運び易く、梱包作業や解体作業が行い易くなる。
【0018】
本発明に係る梱包材において、第一の梱包材によって支持されたモジュールの上に第二の梱包材を積載したときに、第二の梱包材の脚部がモジュールの胴体部の上面を少なくとも部分的に支持するように脚部を配置することができる。
【0019】
かかる構成を採用すると、モジュールの胴体部の下面を第一の梱包材の胴体部支持面によって支持する一方、当該モジュールの胴体部の上面を第二の梱包材の脚部によって支持することができるので、モジュールを上下から挟むことができる。従って、モジュールが上下方向に動くことを抑制することができる。
【0020】
本発明に係る梱包材において、第一の梱包材によって支持されたモジュールの上に第二の梱包材を積載し、第二の梱包材の脚部がモジュールの胴体部の上面を少なくとも部分的に支持したときに、モジュールのヘッダー部の側面に第二の梱包材が接触しないように構成することができる。
【0021】
かかる構成を採用すると、第一の梱包材によって支持されたモジュールの上に第二の梱包材を積載し、第二の梱包材の脚部がモジュールの胴体部の上面を少なくとも部分的に支持したときに、モジュールのヘッダー部の側面に第二の梱包材が接触しないように構成されているため、モジュールのヘッダー部の側面を覆う包装袋が当該側面と第二の梱包材の間に挟まれて皴になったり破損したりすることを防止することができる。また、第二の梱包材にモジュールをセットしているときに上下方向に大きな衝撃が加わった場合に、第一の梱包材に配置されたモジュールのヘッダー部の側面と、第二の梱包材に配置されたモジュールのヘッダー部の側面と、が第二の梱包材を介して接触して衝撃を受け、それらが破損することを防止することができる。
【0022】
本発明に係る梱包材において、ヘッダー部の側面から突出する突出栓をモジュールが有する場合に、第一の梱包材と第二の梱包材の間に突出栓を収納する領域を形成することができる。
【0023】
かかる構成を採用すると、突出栓が梱包材に押し付けられて衝撃を受けることにより突出栓が破損したり突出栓周囲の包装袋が破損したりすることを防ぐことができる。
【0024】
本発明に係る梱包材において、胴体部支持面の少なくとも一部を平坦面とし、胴体部支持壁を平坦面に対して略垂直に配置することができる。
【0025】
かかる構成を採用すると、胴体部支持面の少なくとも一部を構成する平坦面に対して胴体部支持壁が略垂直に配置されているため、あたかも、底面(胴体部支持面の平坦面)とこれに略垂直に連なる二つの側面(胴体部支持壁)とを有するボックスにモジュールの胴体部を収納するようにしてモジュールを支持することができる。
【0026】
本発明に係る梱包材において、モジュールのヘッダー部の天面が、モジュールの長手方向に対して略直交する平坦面部分と、モジュールの長手方向に沿って平坦面部分から突出する軸部分と、を有する場合に、天面支持壁は、天面の平坦面部分のうち軸部分の下方にある部分を少なくとも支持することができる。
【0027】
かかる構成を採用すると、天面支持壁によって、モジュールのヘッダー部の天面の平坦面部分のうち軸部分の下方にある部分(一箇所)を少なくとも支持することができる。従って、従来のように天面の平坦面部分のうち軸部分の側方にある部分(二箇所)を支持する場合と比較すると、天面の平坦面部分をより広い範囲で支持することができる。また、モジュールのヘッダー部を包装袋で覆う場合には、包装袋を比較的平たくした状態で(皺が入り難い状態で)ヘッダー部の天面を支持することができるので、包装袋の破損を防止することができる。
【0028】
本発明に係る梱包材において、胴体部支持面と胴体部支持壁と天面支持壁とを有し単一のモジュールを支持するモジュール支持部を備えることができる。かかる場合において、複数のモジュールが相互に平行に配置された状態で支持されるようにモジュール支持部を複数設けることができる。この際、モジュール支持部の各々によってモジュールが支持されたときに、隣接するモジュールのヘッダー部の側面同士が接触しないように構成することができる。
【0029】
かかる構成を採用すると、複数のモジュール支持部の各々によってモジュールが支持されたときに、隣接するモジュールのヘッダー部の側面同士が接触しないように構成されているため、モジュールのヘッダー部の側面を覆う包装袋がヘッダー部の側面同士の接触によって破損するというような事態を未然に防ぐことができる。また、梱包材にモジュールをセットしているときに左右方向に大きな衝撃が加わった場合に、モジュールのヘッダー部の側面と、隣接して梱包材に配置されたモジュールのヘッダー部の側面と、が接触して衝撃を受け、それらが破損することを防止することができる。
【0030】
本発明に係る梱包材において、モジュール支持部の各々によってモジュールが支持されたときに、隣接するモジュールのヘッダー部の側面同士の間に仕切壁が存在しないようにすることができる。
【0031】
かかる構成を採用すると、複数のモジュール支持部の各々によってモジュールが支持されたときに、隣接するモジュールのヘッダー部の側面同士の間に仕切壁が存在しないため、モジュールのヘッダー部の側面を覆う包装袋が仕切壁によって破損するというような事態を未然に防ぐことができる。また、仕切壁が存在しない分、梱包材の横方向の寸法を短縮することができ、コンパクトにモジュールを収納することができる。
【0032】
また、本発明に係る梱包体は、既に述べた梱包材と、梱包材を収納する箱と、を備えるものである。かかる梱包体において、梱包材によって支持されたモジュールの胴体部の上面と、胴体部の上面に対向する箱の内面と、の間に形成される間隙を塞ぐスペーサ部材を備えることができる。
【0033】
かかる構成を採用すると、梱包材によって支持されたモジュールの胴体部の上面と、この上面に対向する箱の内面と、の間に形成される間隙をスペース部材で塞ぐことができるため、モジュールが上下方向に動くことを抑制することができる。また、梱包材によって支持されたモジュールを複数段積載するとき、これら全体の上下方向の動きをも抑制することができる。
【0034】
また、本発明に係るモジュールアセンブリは、筒状の胴体部と、胴体部の長手方向の両端部に取り付けられたヘッダー部と、を有するモジュールを備えるとともに、既に述べた梱包材を備えるものである。
【0035】
また、本発明に係るモジュールの梱包方法は、筒状の胴体部と、胴体部の長手方向の両端部に取り付けられたヘッダー部と、を有するモジュールを、既に述べた梱包材を用いて箱に梱包する方法であって、横臥状態とされたモジュールの胴体部の下面を、梱包材の胴体部支持面で少なくとも部分的に支持し、横臥状態とされたモジュールの胴体部の両側面を、梱包材の胴体部支持壁で挟むように支持し、横臥状態とされたモジュールの双方のヘッダー部の天面を、梱包材の天面支持壁で支持し、モジュールが梱包材の胴体部支持面と胴体部支持壁と天面支持壁とによって支持されたときに、モジュールのヘッダー部の側面に梱包材が接触しないものである。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、モジュールのヘッダー部の破損やモジュールを包装する包装袋の破損を抑制することができる梱包材を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施形態に係る梱包材の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る梱包材でモジュールを支持した状態を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る梱包材を上下方向に3段積層した状態の平面図(上面図)である。
図4図3のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図3のV-V線に沿った断面図である。
図6図3のVI-VI線に沿った断面図である。
図7】本発明の実施形態に係る梱包材を上下方向に3段積層した状態の右側面図(図3の矢印VII方向から見た図)である。
図8】本発明の実施形態に係る梱包材を上下方向に3段積層した状態の左側面図(図3の矢印VIII方向から見た図)である。
図9】本発明の実施形態に係る梱包体の概要を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0039】
まず、図1図8を用いて、本発明の実施形態に係る梱包材1の構成について説明する。本実施形態に係る梱包材1は、例えば血液透析療法や血漿交換療法等の血液浄化方法、バイオ医薬品や血液製剤のウイルス除去、水浄化処理、等を実施する際に使用される膜モジュール(モジュール)Mを箱B(図9参照)に梱包するためのものである。なお、本発明に係る梱包材は、膜モジュールMだけではなく、内部にビーズ等の吸着剤が内蔵された吸着モジュールを梱包するためにも使用することができる。
【0040】
なお、本実施形態に係る梱包材1によって梱包されるモジュールMは、図2に示されるように、筒状の胴体部M1と、胴体部M1の長手方向Lの両端部に取り付けられたヘッダー部M2と、ヘッダー部M2の側面M21から突出する突出栓M3と、を有するものである。モジュールMのヘッダー部M2の天面M22は、モジュールMの長手方向Lに対して略直交する平坦面部分M221と、モジュールMの長手方向Lに沿って平坦面部分M221から突出する軸部分M222と、を有している。梱包材1とモジュールMとによって、モジュールアセンブリが構成される。
【0041】
梱包材1は、図4図8に示されるように、上下方向Hに積層されるように構成されている。以下の説明では、上下方向Hに積層された二つの梱包材1同士を区別する場合において、下方に配置される梱包材1を「第一の梱包材1A」と称し、第一の梱包材1Aの各構成の符号の末尾に「A」を付す一方、上方に配置される梱包材1を「第二の梱包材1B」と称し、第二の梱包材1Bの各構成の符号の末尾に「B」を付すこととする。
【0042】
梱包材1は、図1等に示されるように、単一のモジュールMを支持するモジュール支持部2を複数備えており、これら複数のモジュール支持部2は、複数のモジュールMを相互に平行に配置した状態で支持するように横方向(モジュールMの長手方向Lに対して直交する方向)Wに沿って配置されている。本実施形態においては、図2に示されるように4つのモジュール支持部2を備える梱包材1を採用した例を示したが、モジュール支持部2の個数はこれに限られるものではない。
【0043】
モジュール支持部2の各々によってモジュールMが支持されたときには、図2及び図5に示されるように、隣接するモジュールMのヘッダー部M2の側面M21同士の間に仕切壁が存在しないようになっており、かつ、隣接するモジュールMのヘッダー部M2の側面M21同士が接触しないようになっている。
【0044】
梱包材1の各モジュール支持部2は、胴体部支持面10と、胴体部支持壁20と、天面支持壁30と、脚部40と、を有している。
【0045】
胴体部支持面10は、横臥状態とされたモジュールMの胴体部M1の下面M11を少なくとも部分的に支持するように機能するものである。胴体部支持面10は、図6等に示されるように、モジュールMの胴体部M1の下面M11の長手方向Lに沿った複数個所を支持するように分離して複数設けられており、そのうちの1つ(モジュールMの胴体部M1の下面M11の長手方向Lの略中央部を支持する面)は平坦面11とされている。モジュールMが包装袋に入っている場合にモジュールMが平坦面11と1点で接するためその左右に空間が生まれ、包装袋に折り皺が入りにくくなる。本実施形態においては、図6等に示されるように3つの胴体部支持面10を設け、そのうちの1つ(長手方向Lの略中央部に位置する面)を平坦面11としているが、胴体部支持面10及び平坦面11の個数や、平坦面11の位置はこれに限られるものではない。梱包材1の長手方向Lの天面支持壁30間の距離に対する、胴体部支持面10の長手方向Lの合計長さの割合は、30%以上であることが好ましい。
【0046】
胴体部支持壁20は、横臥状態とされたモジュールMの胴体部M1の両側面M12を挟むように支持するように機能するものである。胴体部支持壁20は、図1等に示されるように、胴体部支持面10の平坦面11に対して略垂直に配置されている。本実施形態においては、図1等に示されるように胴体部M1の両側面M12の長手方向Lに沿った二箇所を支持するように、胴体部支持壁20が長手方向Lに沿って分離して2つ設けられている。このように本実施形態においては、長手方向Lの略中央部に胴体部支持壁20を設けていないため、梱包作業において梱包材1にモジュールMを置き易くなっている。
【0047】
また、本実施形態においては、長手方向Lに沿った2つの胴体部支持壁20が長手方向Lの略中央部を中心として略対称に配置されており、長手方向Lに沿った2つの胴体部支持壁20の各々には、強度向上のための凹部21が設けられている。胴体部支持壁20の個数や形状はこれに限られるものではないが、モジュールMの幅方向Wにおける動きを抑制するために、胴体部支持壁20の高さ(図4において符号Tで示される寸法、すなわち、上下方向Hにおいて胴体部支持面10の最下部から胴体部支持壁20の最上部までの寸法)は、モジュールMの胴体部M1の径の50%以上に設定されるのが好ましい。なお、胴体部支持部20の高さは、モジュールMの胴体部M1の径に関わらず、隣接する胴体部支持壁20間の距離の50%以上に設定することができる。胴体部支持壁20の高さは、モジュールMの胴体部M1の径(及び/又は隣接する胴体部支持壁20間の距離)の55%以上に設定されるのがより好ましく、60%以上に設定されるのがさらに好ましい。また、モジュールMの取り出し易さや梱包材1の製造のし易さを考慮すると、胴体部支持壁20の高さは、モジュールMの胴体部M1の径(及び/又は隣接する胴体部支持壁20間の距離)の150%以下、より好ましくは100%以下、さらに好ましくは75%以下に設定されるのが好ましい。また、胴体部支持壁20の長手方向Lに沿った長さの合計は特に限定されないが、梱包作業時におけるモジュールMの置き易さ、モジュールMを包装袋に入れた場合における包装袋内のエアの逃げ道の形成、胴体部支持壁20の強度、等を考慮しつつ適宜設定することができる。
【0048】
天面支持壁30は、横臥状態とされたモジュールMの双方のヘッダー部M2の天面M22を支持するように機能するものである。本実施形態における天面支持壁30は、図6等に示されるように、モジュールMのヘッダー部M2の天面M22の平坦面部分M221のうち軸部分M222の下方にある比較的広い部分(一箇所)を支持するように構成されている。このため、天面M22の平坦面部分M221のうち軸部分M222の側方にある比較的狭い部分(二箇所)を支持する場合と比較すると、天面M22の平坦面部分M221をより広い範囲で支持することができる。また、モジュールMのヘッダー部M2を包装袋で覆う場合には、包装袋を比較的平たくした状態で(皺が入り難い状態で)ヘッダー部M2の天面M22を支持することができるので、包装袋の破損を防止することができる。
【0049】
本実施形態においては、モジュールMの胴体部M1が胴体部支持面10と胴体部支持壁20と天面支持壁30とによって支持されたときに、図5及び図6に示すように、モジュールMのヘッダー部M2の側面M21に梱包材1が接触しないように(すなわちモジュールMのヘッダー部M2の側面M21と梱包材1との間に間隙が形成されるように)なっている。
【0050】
脚部40は、胴体部支持面10よりも下方に突出するように設けられており、胴体部支持面10等を介してモジュールMを支持するように機能するものである。本実施形態における脚部40は、図6等に示されるように、胴体部支持面10によって支持されたモジュールMの長手方向に沿って複数個(4個)設けられており、これら4個の脚部40は、モジュールMの長手方向Lの略中央部を中心として略対称に配置されている。また、脚部40は、胴体部支持面10によって支持されたモジュールMの胴体部M1の下方に配置されており、かつ、モジュールMの幅方向(横方向W)の略中央部に配置されている。
【0051】
本実施形態においては、図4及び図6に示すように、第一の梱包材1Aによって支持されたモジュールMの上に第二の梱包材1Bを積載したときに、第二の梱包材1Bの脚部40BがモジュールMの胴体部M1の上面M13を少なくとも部分的に支持する(脚部40BがモジュールMの上面M13に少なくとも部分的に当接する)ように脚部40Bが配置されている。本実施形態においては4個の脚部40が設けられているため、4箇所でモジュールMの上面M13を支持(4箇所でモジュールMの上面M13に当接)している。
【0052】
脚部40の個数や形状はこれに限られるものではないが、脚部40の設置面の長手方向Lに沿った長さや設置面積は、衝撃がかかったときモジュールMの重量を支えることができる範囲で設定できる。また、2段以上積載したとき、モジュールMが包装袋に入っており包装袋内にエアが存在しているときに上段の梱包材1Bの脚部40Bと脚部40Bの間に包装袋を配置することができ、上段の脚部40Bが浮くことなくM1に設置することができるように、脚部40Bの長さや面積が設定されるのが好ましい。
【0053】
また、本実施形態においては、図5及び図6に示すように、第一の梱包材1Aによって支持されたモジュールMの上に第二の梱包材1Bを積載して、第二の梱包材1Bの脚部40BがモジュールMの胴体部M1の上面M13を少なくとも部分的に支持したとき(脚部40BがモジュールMの上面M13に少なくとも部分的に当接したとき)に、モジュールMのヘッダー部M2の側面M21に第二の梱包材1Bが接触しないようになっており、さらにこの際、図4及び図5に示すように、第一の梱包材1Aと第二の梱包材1Bの間に、モジュールMの突出栓M3を収納する領域Aが形成されるようになっている。なお、梱包材1の外周縁寄りに配置されたモジュールMの突出栓M3を水平にした場合に、梱包材1の外周縁がモジュールMの突出栓M3の先端部よりも外側に位置することが好ましい。このようにすると、モジュールMの突出栓M3が梱包材1の外周縁よりも外側に突出することに起因した突出栓M3の破損等を防止することができる。
【0054】
本実施形態に係る梱包材1は、図3に示すように、平面視において、モジュールMの長手方向Lにおいて左右対称に(すなわち長手方向Lにおける中心線を挟んで線対称に)構成されているとともに、横方向Wにおいても左右対称に(すなわち幅方向Wにおける中心線を挟んで線対称に)構成されている。梱包材1がこのような対称な形状に構成されることにより、モジュールMの梱包作業が行い易くなるとともに、梱包材1同士の積載作業が行い易くなる、という利点がある。
【0055】
また、本実施形態に係る梱包材1の外周縁には、図1図3に示すように、平面視においてモジュールMの長手方向Lにおける略中央部に凹部50が設けられている。このような凹部50が梱包材1の外周縁に設けられることにより、作業者は梱包材1を手で持ち易くなり、箱Bに対する梱包材1の出し入れを行い易くなる。これに伴い、モジュールMの梱包作業や箱Bからの取出作業が行い易くなる、という利点がある。
【0056】
各モジュール支持部2の胴体部支持面10と胴体部支持壁20と天面支持壁30と脚部40とは、一般的なパルプモールド製造法や射出成形法等によって一体的に成形されている。また、各モジュール支持部2の胴体部支持壁20及び脚部40は、図3等に示されるように、隣り合う胴体部支持面10(長手方向Lに沿って隣接するモジュール支持部2の胴体部支持面10)同士の間に配置されており、かつ、連続した面で繋げられている。各モジュール支持部2の胴体部支持壁20及び脚部40が連続した面で繋げられていることにより、モジュール支持部2及び梱包材1の強度を高めることができる。さらに、複数のモジュールMが相互に平行に配置された状態で支持されるようにモジュール支持部2を複数設ける本実施形態においては、隣接するモジュール支持部2にわたって、横方向Wに沿って胴体部支持壁20と脚部40とが交互に配置され、これらが連続した面で繋げられている。これにより、モジュール支持部2を複数有する梱包材1の強度を高めることができる。各モジュール支持部2(梱包材1)は、新聞古紙やダンボール等の紙類、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂、ポリウレタン、ポリスチレン等の発泡性合成樹脂等で構成することができる。なお、本実施形態においては、各モジュール支持部2(胴体部支持面10、胴体部支持壁20、天面支持壁30、脚部40)を一体的に成形した例を示したが、複数の部品を組み合わせて各モジュール支持部を構成してもよい。
【0057】
次に、図9を用いて、本発明の実施形態に係る梱包体100の構成について説明する。
【0058】
本実施形態に係る梱包体100は、図9に示されるように、梱包材1と、梱包材1を収納する箱Bと、を備えるものである。梱包材1については既に説明したとおりである。箱Bとしては、例えば段ボール等から構成された略直方体状の箱を採用することができる。梱包体100においては、梱包材1によって支持された最上段のモジュールMの胴体部M1の上面M13と、胴体部M1の上面M13に対向する箱Bの内面B1と、の間に間隙Gが形成されるが、この間隙Gを部分的に塞ぐスペーサ部材Sを設けることができる。このようなスペース部材Sを設けることにより、モジュールMが上下方向に動くことを抑制することができるとともに、複数段積載されたモジュールM全体の上下方向の動きを抑制することができる。
【0059】
スペーサ部材Sの形状は特に限定されるものではなく、最上段のモジュールMの胴体部M1の上面M13と、箱Bの内面B1と、の間に形成される間隙Gを少なくとも部分的に塞ぐことができればよい。スペーサ部材Sの材料は、モジュールMの上下方向の動きを抑制することができるものであれば特に限定されない。例えば、所定厚さを有する段ボールを複数枚重ねてスペーサ部材Sとすることができる。また、紙類や発泡性合成樹脂から構成した所定厚さを有する板状(薄型直方体状)のスペーサ部材Sを採用してもよい。なお、スペーサ部材Sに加えて、最上段のモジュールMと箱B内の内面(上面)B1との間に、例えばダンボール等から構成される平面視略矩形状の薄板部材(パット)を設けることもでき、この薄板部材(パット)とスペーサ部材Sとを一体化させることもできる。
【0060】
以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、横臥状態とされたモジュールMの胴体部M1の下面M11を胴体部支持面10によって少なくとも部分的に支持し、かつ、モジュールMの胴体部M1の両側面M12を胴体部支持壁20によって挟むように支持することができるので、モジュールMが左右方向(モジュールMの長手方向Lに対して直角する幅方向W)に動くことを抑制することができる。また、横臥状態とされたモジュールMの双方のヘッダー部M2の天面M22を天面支持壁30によって支持することができるので、モジュールMが長手方向Lに動くことを抑制することができる。また、モジュールMが胴体部支持面10と胴体部支持壁20と天面支持壁30とによって支持されたときに、モジュールMのヘッダー部M2の側面M21に梱包材1が接触しないように構成されているため、モジュールMのヘッダー部M2の側面M21自体が破損したりヘッダー部M2の側面M21を覆う包装袋が破損したりすることを防止することができる。
【0061】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1は、胴体部支持面10よりも下方に突出してモジュールMの胴体部M1の下方に配置されるように設けられた脚部40を備えているため、梱包材1を箱Bの内部や棚に設置する際に、梱包材1の変形(歪み)を抑制し安定させた状態で設置することができる。また、下方から受ける衝撃を脚部40が吸収することができ、モジュールMに作用する衝撃を緩和することができる。
【0062】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、胴体部支持面10によって支持されたモジュールMの幅方向(横方向W)略中央部に脚部40が配置されているため、モジュールMの重量をその真下(幅方向略中央部)で支えることができる。従って、梱包材1の変形(歪み)を抑制することができる。
【0063】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、胴体部支持面10によって支持されたモジュールMの長手方向Lに沿って複数個の脚部40が設けられており、これら複数個の脚部40は、モジュールMの長手方向Lの略中央部を中心として略対称に配置されているため、モジュールMの重量を分散させて梱包材1全体で支えることができる。従って、梱包材1の一部に力が偏ることがなく、梱包材1の変形(歪み)を抑制することができる。
【0064】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、分離して複数設けられた胴体部支持面10により、モジュールMの胴体部M1の下面M11を長手方向に沿った複数個所で支持することができる。また、隣り合う胴体部支持面10同士の間に配置された胴体部支持壁20及び脚部40が連続した面で繋げられているため、梱包体1の剛性や強度を高めることができる。
【0065】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、その各構成(胴体部支持面10、胴体部支持壁20、天面支持壁30及び脚部40)が一体的に成形されているため、別々の部品を接続する場合と比較して製作が容易である。また、梱包材1の各構成が一体化しているため持ち運び易く、梱包作業や解体作業が行い易くなる。
【0066】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、モジュールMの胴体部M1の下面M1を第一の梱包材1Aの胴体部支持面10Aによって支持する一方、モジュールMの胴体部M1の上面M13を第二の梱包材1Bの脚部40Bによって支持することができるので、モジュールMを上下から挟むことができる。従って、モジュールMが上下方向に動くことを抑制することができる。
【0067】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、第一の梱包材1Aによって支持されたモジュールMの上に第二の梱包材1Bを積載し、第二の梱包材1Bの脚部40BがモジュールMの胴体部M1の上面M13を少なくとも部分的に支持したときに、モジュールMのヘッダー部M2の側面M21に第二の梱包材1Bが接触しないように構成されているため、モジュールMのヘッダー部M2の側面M21を覆う包装袋が側面M21と第二の梱包材1Bの間に挟まれて皴になったり破損したりすることを防止することができる。また、第二の梱包材1BにモジュールMをセットしているときに上下方向に大きな衝撃が加わった場合に、第一の梱包材1Aに配置されたモジュールMのヘッダー部M2の側面M21と、第二の梱包材1Bに配置されたモジュールMのヘッダー部M2の側面M21と、が第二の梱包材1Bを介して接触して衝撃を受け、それらが破損することを防止することができる。
【0068】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、第一の梱包材1Aと第二の梱包材1Bの間に、モジュールMのヘッダー部M2の側面M21から突出する突出栓M3を収納する領域Aを形成しているため、突出栓M3が梱包材1に押し付けられて衝撃を受けることにより突出栓M3が破損したり突出栓M3の周囲の包装袋が破損したりすることを防ぐことができる。
【0069】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、胴体部支持面10の少なくとも一部を構成する平坦面11に対して胴体部支持壁20が略垂直に配置されているため、あたかも、底面(胴体部支持面10の平坦面11)とこれに略垂直に連なる二つの側面(胴体部支持壁20)とを有するボックスにモジュールMの胴体部M1を収納するようにしてモジュールMの胴体部M1の下面M11と両側面M12とを支持することができる。
【0070】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、天面支持壁30によって、モジュールMのヘッダー部M2の天面M22の平坦面部分M221のうち軸部分M222の下方にある比較的広い部分(一箇所)を少なくとも支持することができる。従って、従来のように天面M22の平坦面部分M221のうち軸部分M222の側方にある比較的狭い部分(二箇所)を支持する場合と比較すると、天面M22の平坦面部分M221をより広い範囲で支持することができる。また、モジュールMのヘッダー部M2を包装袋で覆う場合には、包装袋を比較的平たくした状態で(皺が入り難い状態で)ヘッダー部M2の天面M22を支持することができるので、包装袋の破損を防止することができる。
【0071】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、複数のモジュール支持部2の各々によってモジュールMが支持されたときに、隣接するモジュールMのヘッダー部M2の側面M21同士が接触しないように構成されているため、モジュールMのヘッダー部M2の側面M21を覆う包装袋がヘッダー部M2の側面M21同士の接触によって破損するというような事態を未然に防ぐことができる。また、梱包材1にモジュールMをセットしているときに左右方向に大きな衝撃が加わった場合に、モジュールMのヘッダー部M2の側面M21と、隣接して梱包材1に配置されたモジュールMのヘッダー部M2の側面M21と、が接触して衝撃を受け、それらが破損することを防止することができる。
【0072】
また、以上説明した実施形態に係る梱包材1においては、複数のモジュール支持部2の各々によってモジュールMが支持されたときに、隣接するモジュールMのヘッダー部M2の側面M21同士の間に仕切壁が存在しないため、モジュールMのヘッダー部M21の側面M21を覆う包装袋が仕切壁によって破損するというような事態を未然に防ぐことができる。また、仕切壁が存在しない分、梱包材1の横方向の寸法を短縮することができ、コンパクトにモジュールMを収納することができる。
【0073】
また、以上説明した実施形態に係る梱包体100においては、梱包材1によって支持されたモジュールMの胴体部M1の上面M13と、この上面M13に対向する箱Bの内面B1と、の間に形成される間隙Gをスペース部材Sで塞ぐことができるため、モジュールMが上下方向に動くことを抑制することができる。また、梱包材1によって支持されたモジュールMを複数段積載するとき、これら全体の上下方向の動きをも抑制することができる。
【0074】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、かかる実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、前記実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0075】
1…梱包材
2…モジュール支持部
10…胴体部支持面
11…平坦面
20…胴体部支持壁
30…天面支持壁
40…脚部
50…凹部
100…梱包体
A…モジュールの突出栓を収納する領域
B…箱
B1…箱の内面
G…間隙
L…モジュールの長手方向
M…モジュール
M1…胴体部
M11…胴体部の下面
M12…胴体部の側面
M13…胴体部の上面
M2…ヘッダー部
M21…ヘッダー部の側面
M22…ヘッダー部の天面
M221…ヘッダー部の天面の平坦面部分
M222…ヘッダー部の天面の軸部分
M3…突出栓
S…スペーサ部材
W…モジュールの幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9