(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】ゲームサーバ、プログラム、方法、ゲームシステムおよび情報処理端末
(51)【国際特許分類】
A63F 13/825 20140101AFI20240417BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240417BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20240417BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240417BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240417BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/35
A63F13/65
A63F13/69
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2023102893
(22)【出願日】2023-06-23
(62)【分割の表示】P 2022186986の分割
【原出願日】2018-09-21
【審査請求日】2023-07-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】新藤 貴行
(72)【発明者】
【氏名】小川 慧
(72)【発明者】
【氏名】小杉 要
(72)【発明者】
【氏名】首藤 まり江
(72)【発明者】
【氏名】中畑 虎也
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-013387(JP,A)
【文献】特開2004-005832(JP,A)
【文献】特開2016-049237(JP,A)
【文献】特開平10-048363(JP,A)
【文献】国際公開第2016/021235(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備える、ユーザの睡眠を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザの起床時間を取得するステップと、
取得した前記起床時間に対応する乱数結果に応じて、前記ゲームで発生させるイベントの内容
として、前記ゲームで利用可能なアイテム、特典、及びポイントの量の少なくともいずれか1つを決定するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
プロセッサと、メモリとを備える、ユーザの睡眠を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、
ユーザの起床時間を取得するステップと、
取得した前記起床時間に対応する乱数結果に応じて、前記ゲームで発生させるイベントの内容
として、前記ゲームで利用可能なアイテム、特典、及びポイントの量の少なくともいずれか1つを決定するステップと
を実行する方法。
【請求項3】
制御部と、記憶部とを備える、ユーザの睡眠を用いたゲームの進行を管理する情報処理装置であって、前記制御部が、
ユーザの起床時間を取得するステップと、
取得した前記起床時間に対応する乱数結果に応じて、前記ゲームで発生させるイベントの内容
として、前記ゲームで利用可能なアイテム、特典、及びポイントの量の少なくともいずれか1つを決定するステップと
を実行する情報処理装置。
【請求項4】
ユーザの睡眠を用いたゲームの進行を管理するシステムであって、
ユーザの起床時間を取得する手段と、
取得した前記起床時間に対応する乱数結果に応じて、前記ゲームで発生させるイベントの内容
として、前記ゲームで利用可能なアイテム、特典、及びポイントの量の少なくともいずれか1つを決定する手段と
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームサーバ、プログラム、方法、ゲームシステムおよび情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、測定された健康情報の確認をユーザに継続的に行わせて、健康管理を意識させる技術がある。例えば、特許文献1には、ユーザの睡眠に関する状態と連動させてゲーム処理を実行し、睡眠に関する情報の測定・分析結果の確認を継続的に行わせる動機付けをユーザに与える発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
健康管理のためには、決まった時刻に朝起きて夜寝るという規則正しい生活を継続的に送ることが重要である。一般的に、決まった時刻に起床するためには、時計にアラーム機能を付加した形態の目覚まし機器が用いられる。しかしながら、このような形態の目覚まし機器では、ユーザをスムーズに覚醒するように導くことは難しく、朝起きることのモチベーション向上にはつながらない。
【0005】
また、特許文献1に記載された発明は、睡眠時間や睡眠品質等の睡眠自体の情報に基づいたパラメータをゲームに反映させるにとどまるため、朝起きることへの動機付けにはなりにくい。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、仮想生命体の育成ゲームにおいてユーザが朝起きると育成イベントを発生させることにより、ユーザに朝起きることが楽しいという動機付けを与え、十分な覚醒に導くことができる育成ゲームの進行を管理するゲームサーバ、プログラム、方法、ゲームシステムおよび情報処理端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係るゲームサーバは、仮想生命体の育成ゲームの進行を管理するサーバであって、ユーザの起床時間を取得する取得部と、取得した起床時間に応じて、育成ゲームに関する処理を実行する処理部と、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示に係るプログラムは、仮想生命体の育成ゲームの進行を管理するプログラムであって、コンピュータを、ユーザの起床時間を取得する取得部と、取得した起床時間に応じて、育成ゲームに関する処理を実行する処理部として、機能させる。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る方法は、仮想生命体の育成ゲームの進行を管理する方法であって、ユーザの起床時間を取得するステップと、取得した起床時間に応じて、育成ゲームに関する処理を実行するステップと、を備える。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本開示に係るゲームシステムは、仮想生命体の育成ゲームの進行を管理するゲームサーバと、ユーザ端末とが、ネットワークを介して接続されたシステムであって、ゲームサーバは、ユーザの起床時間を取得する取得部と、取得した起床時間に応じて、育成ゲームに関する処理を実行する処理部と、を含む。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る情報処理端末は、仮想生命体の育成ゲームを実行する情報処理端末であって、ユーザの起床時間を取得する取得部と、取得した起床時間に応じて、育成ゲームに関する処理を実行する処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ユーザに朝起きることが楽しいという動機付けを与え、また、ユーザを十分な覚醒に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】ユーザ端末100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】ゲームサーバ200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】ユーザ端末100における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】ゲームサーバ200における処理を示すフローチャートである。
【
図9】ゲームサーバ200における処理の変形例を示すフローチャートである。
【
図10】ゲームサーバ200における処理の変形例を示すフローチャートである。
【
図11】ユーザ端末300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0015】
<実施形態1>
図1は、ゲームシステム1の構成図である。
図1を参照して、実施形態1に係るゲームシステム1の構成について説明する。
【0016】
ゲームシステム1は、ユーザ端末100と、ゲームサーバ200と、を備え、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、WAN(World Area Network)、LAN(Local Area Network)等から構成される。
【0017】
図1ではユーザ端末100を1つのみ示すが、本実施形態においては、ゲームシステム1は、ユーザ毎にそれぞれ設けられる複数のユーザ端末100を含んでいる。本実施形態におけるゲームシステムは、仮想生命体の育成ゲームにおいてユーザが朝起きると育成イベントを発生させることにより、ユーザに朝起きることが楽しいという動機付けを与え、ユーザを十分な覚醒に導くものである。
【0018】
ユーザ端末100は、ユーザの起床時間を検知し、ゲームサーバ200に送信する。起床時間とは、ユーザが起きた時刻を表し、例えば、ユーザが寝床から起きだした時刻であってもよいし、睡眠の状態から意識が覚醒した状態へ移行した時刻であってもよい。
【0019】
ゲームサーバ200は、仮想生命体の育成ゲームの進行を管理するゲームサーバであって、ユーザ端末100からの要求に応じて、仮想生命体を育成するゲームサービスを提供する。例えば、ゲームサーバ200は、ネットワークNWを介してアクセスしてきたユーザ端末100に対してゲームプログラムを配信し、ユーザ端末100においてゲームプログラムが実行される。ゲームプログラムを実行したユーザ端末100は、ユーザの起床時間や、育成ゲームに対する入力をゲームサーバ200に送信する。
【0020】
ゲームサーバ200は、ユーザ端末100から起床時間を取得し、睡眠履歴として記憶する。そして、ゲームサーバ200は、睡眠履歴に基づく起床時間および取得した起床時間に基づいて、育成ゲームに関する処理を実行し、育成ゲームの進行に関する情報をユーザ端末100に送信する。
【0021】
以上のように、本実施形態においては、ユーザ端末100は、ユーザの起床時間を検知し、起床時間をゲームサーバ200に送信する。また、ゲームサーバ200は、起床時間に基づいて、育成ゲームに関する処理を実行し、処理結果をユーザ端末100に送信する。すなわち、ユーザは、ユーザの起床時間をゲーム入力とする育成ゲームにより朝起きることが楽しくなり、また、十分な覚醒を得ることができる。
【0022】
図2は、ユーザ端末100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態のユーザ端末100は、
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0023】
ユーザ端末100は、情報処理装置であり、本実施形態においては、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、携帯ゲーム機、据置ゲーム機、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末、又は、情報処理機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(スマートテレビ)等の多機能デバイスである。
【0024】
すなわち、ユーザ端末100は、一般的な多機能デバイスが有する各種の機能(例えば、入力機能、出力(表示)機能、情報処理機能、ネットワーク通信機能、センサ機能、通話機能、カメラ機能等)を有している。
【0025】
なお、ネットワーク通信機能は、インターネット等を介した通信機能、および/または、モバイル通信網を介した通信機能である。ユーザ端末100は、既製の多機能デバイスに所定の機能をインストールすることで実現されてもよい。本実施形態において、ユーザ端末100は、上記多機能デバイスとして用いられることに加えて、上記起床時間を検知したり、上記育成ゲームを実行したりするために用いられる。
【0026】
ユーザ端末100は、通信部110と、入力部120と、出力部130と、記憶部140と、センサ部150と、処理部160と、を備える。
【0027】
通信部110は、ゲームサーバ200と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0028】
入力部120は、ユーザからの入力を受け付けるためのインターフェイスであり、ユーザの入力を処理部160に送る。入力部120は、例えば、タッチパネルやボタン、マイク、コントローラである。なお、後述するセンサ部150が検知したセンシングデータをユーザからの入力としてもよい。ユーザは、入力部120を介して、育成ゲームに対する入力を行うことができる。
【0029】
出力部130は、例えば、ディスプレイ等の表示装置やスピーカなどのオーディオ出力装置であり、入力部120に対する入力に応じてユーザ端末100において生成される各種の画像や音声を表示、出力したり、ゲームサーバ200から受信したデータに基づく各種の画像や音声を表示、出力したりする。出力部130は、人工知能搭載型スピーカ(スマートスピーカ)を含む。
【0030】
また、出力部130は、音(アラーム等)や光、振動などによってユーザの起床を促す報知機能を備えてもよい。例えば、設定された時間になる、またはその時間が近付くと、仮想生命体の鳴き声や動き(振動)、その仮想生命体をイメージする光を出力するようにしてもよい。また、ユーザが育成中の仮想生命体とは異なる仮想生命体の鳴き声やアイテム等の音楽を出力し、ユーザにゲームの進行を期待させるようにしてもよい。これにより、ユーザに朝起きることへのモチベーションを与えることができる。
【0031】
記憶部140は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置である。記憶部140は、一時的な記憶領域や、ストレージを含んでもよい。
【0032】
センサ部150は、ユーザ端末100の種々の状態を検知する各種機器である。センサ部150は、例えば、端末自体の姿勢や傾きを検知する姿勢センサ(加速度センサやジャイロセンサ)、ユーザの視線方向を検知する注視センサや、周囲の明るさを検知する光センサ、ユーザの動作を検知する赤外線センサである。また、センサ部150は、ユーザ端末100の周囲の音を収集するマイクロフォンや、ユーザ端末100の周囲の湿度を検知する湿度センサや、ユーザ端末100の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ等であってもよい。
【0033】
また、センサ部150は、上記のセンサ機能を用いて、種々の情報を検知するようにしてもよい。例えば、センサ部150は、加速度センサの機能を用いて、ユーザ端末100を保有するユーザの歩行数を検知してもよい。また、センサ部150は、加速度センサの機能を用いて、ユーザ端末100が動作しているか、静止しているか、などを示す動作情報を一定時間ごとや、ユーザ端末100が動作したタイミングごとに検知してもよい。また、センサ部150は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いてユーザ端末100の位置を検出してもよい。センサ部150は、上述のように検知したセンシングデータを処理部160へ送る。
【0034】
また、センサ部150は、腕時計型、指輪型の端末のように、ユーザ端末100と通信可能に接続される、ユーザに装着可能な情報処理端末(いわゆるウェアラブル端末)であって、ユーザの生体情報を検知してもよい。センサ部150は、例えば、光電式容積脈波記録法などによりユーザの心拍数を決定し、センシングデータとして処理部160へ送る。なお、センサ部150が検知するセンシングデータはこれらに限られず、ユーザの睡眠に関する生体情報、例えば、呼吸、脈拍、体動などを検知してもよい。
【0035】
処理部160は、ユーザ端末100において実行される各種の情報処理を実行する。処理部160は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを有する。ユーザ端末100においては、CPUがメモリを用いて、記憶部140に記憶された情報処理プログラムを実行することによって上記各種の情報処理が実行される。本実施形態においては、処理部160は、上記情報処理として、起床時間を算出する処理や、ゲームサーバ200から受信した育成ゲームの進行に関する情報をユーザに提示する処理等を実行する。また、ユーザ端末100が多機能デバイスとして動作する場合、処理部160は、各機能を実現するための情報処理を実行する。また、処理部160は、システムクロックを利用して現在日時を取得する。
【0036】
処理部160は、センサ部150から送られたセンシングデータに基づいて、ユーザの起床時間を算出する。そして、処理部160は、通信部110に対し、算出した起床時間をゲームサーバ200へ送信するよう指示する。なお、起床時間の算出は、上述したような一般的な多機能デバイスが備える睡眠を分析する機能を用いてもよく、また、起床時間をどのように算出するかは、育成ゲームの開発者等が設定するようにしてもよい。例えば、起床時間を、育成ゲームにおいてユーザが仮想生命体を起こす操作を行った時間と設定してもよいし、ユーザ端末100に対しユーザからの起床した旨の入力(例えば、報知されたアラームを止める等)を受け付けた時間と設定してもよい。仮想生命体を起こす操作は、例えば、ディスプレイに表示された仮想生命体をタップしたり、端末を振ったりしてもよい。また、処理部160は、センサ部150から送られたセンシングデータを、通信部110を介して、ゲームサーバ200に送信し、ゲームサーバ200において起床時間を算出するように構成してもよい。
【0037】
図3は、ゲームサーバ200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態のゲームサーバ200は、
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0038】
ゲームサーバ200は、通信部210と、取得部220と、記憶部230と、処理部240と、を備える。
【0039】
通信部210は、ユーザ端末100と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0040】
取得部220は、通信部210がユーザ端末100から受信した起床時間を取得し、記憶部230へ送る。
【0041】
記憶部230は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置であって、起床履歴231と、ゲーム情報232と、を含む。
【0042】
起床履歴231は、取得部220が取得したユーザの起床時間を記憶(蓄積)する。ゲーム情報232は、仮想生命体の育成ゲームに関する情報が記憶されている。なお、記憶部230は、一時的な記憶領域や、ストレージを含んでもよい。また、記憶部230は、通信部210がユーザ端末100から受信したセンシングデータを記憶するよう構成されてもよい。
【0043】
処理部240は、ゲームサーバ200において実行される各種の情報処理を実行する。処理部240は、CPUおよびメモリを有し、CPUがメモリを用いて、記憶部230に記憶された情報処理プログラムを実行することによって各種の情報処理が実行される。本実施形態においては、処理部240は、上記情報処理として、起床履歴231に記憶された起床時間に基づいて、育成ゲームに関する処理を実行する。また、処理部240は、ユーザ端末100が検知した種々の情報に基づいて育成ゲームに関する処理を実行してもよい。育成ゲームに関する処理結果は、ユーザ端末100に送信される。なお、処理部240は、取得した起床時間に対応する乱数結果に応じて、育成ゲームの進行処理を行うようにしてもよい。また、処理部240は、システムクロックを利用して現在日時を取得する。
【0044】
なお、本実施形態では、「サーバ」とは、1つの情報処理装置(すなわち、サーバ装置)を指す他、サーバが複数のサーバ装置によって構成される場合にはサーバ装置群(すなわち、サーバシステム)全体を指す意味である。また、本実施形態においては、ゲームサーバ200を一体的な構成として説明するが、ゲームサーバ200は、機能および/または役割に応じて分けられた複数のサーバ装置を含む構成であってもよい。例えば、ゲームサーバ200は、ユーザ端末100から取得される起床時間を記憶するデータサーバと、起床時間に基づいてゲームサービスを提供するサービスサーバとを含む構成であってもよい。さらに、ゲームサーバ200は、上記ゲームサービスの一環としてアイテムを提供するサービスを行う場合、アイテムの提供と課金とを行うショップサーバを含む構成であってもよい。
【0045】
図4は、ユーザ端末100における処理の一例を示すフローチャートである。
図4を参照して、ユーザ端末100における処理の一例について説明する。なお、ユーザ端末100は、ユーザからの就寝する旨の入力操作を、処理を開始するトリガとしてもよい。就寝する旨の入力操作は、例えば、育成ゲームを中断する操作や仮想生命体を寝かしつける操作(仮想生命体をタッチパネルを介してなでる、仮想生命体の利用している電気を消す等)であってもよい。また、ユーザ端末100は、センサ部150によりセンシングを常に実行しており、センシングデータ(例えば、端末の動き、周囲の明るさや音声等)からユーザの就寝を検知することもできる。また、予め設定された、就寝すべき時間が近付くと、仮想生命体が眠そうな様子にしたり、ゲームの世界も夜にすることで、ユーザに就寝を促すようにしてもよい。
【0046】
ステップS401において、ユーザ端末100の処理部160は、センサ部150に対し、センシングを実行するよう指示する。具体的には、センサ部150は、ユーザ端末100の動きや、ユーザの心拍数などの生体情報をセンシングする。処理部160は、センサ部150からセンシングデータを取得する。
【0047】
ステップS402において、処理部160は、センサ部150から送られたセンシングデータに基づいて、起床時間が算出できるか否かを判定する。処理部160において起床時間が算出できるほどセンシングデータが十分に取得できていないと判断されると(ステップS402において、N)、処理はステップS401に戻る。
【0048】
そうでない場合(ステップS402において、Y)、処理部160は起床時間を算出し、処理はステップS403に進む。例えば、処理部160は、センシングデータからユーザ端末100の姿勢の変化を検知し、ユーザが起床したと判断して当該変化が起こった時間を起床時間として算出してよい。また、例えば、処理部160は、センシングデータからユーザの心拍数の変化を検知し、予め記憶している起床時の心拍数のパターンであれば、ユーザが起床したと判断して当該変化が起こった時間を起床時間として算出してよい。また、ユーザがディスプレイに表示された仮想生命体をタップしたり、端末を振ったりして起こす操作を行ったことを検知して、起床したと判断し、検知した時間を起床時間としてもよい。ただし、起床時間の算出はこれらに限らず、公知の算出方法を採用してよい。
【0049】
ステップS403において、処理部160は、通信部110に対し、算出した起床時間をゲームサーバ200に送信するよう指示する。
【0050】
ステップS404において、通信部110は、ステップS403において送信した起床時間に応じてゲームサーバ200から送信されたゲーム情報を受信し、処理部160へ送る。
【0051】
ステップS405において、処理部160は、出力部130に対し、ステップS404において受信したゲーム情報を出力するよう指示し、処理を終了する。
【0052】
図5は、ゲームサーバ200における処理を示すフローチャートである。
図5を参照して、ゲームサーバ200における処理の一例について説明する。
図5において、ゲームサーバ200は、ユーザ端末100から起床時間を受信したことを、処理を開始するトリガとする。
【0053】
ステップS501において、ゲームサーバ200の取得部220は、通信部210を介して、ユーザ端末100から送信された、ユーザの起床時間を取得し、記憶部230へ送る。
【0054】
ステップS502において、記憶部230は、起床時間を起床履歴として、起床履歴231に記憶する。
【0055】
ステップS503において、処理部240は、ステップS501で取得した起床時間が朝の時間帯であるか否か判断する。朝の時間帯とは、一般的に人が活動を始める時間であり、例えば、午前6時頃から午前9時頃である。なお、時間帯は、ユーザやゲームの開発者が任意に設定してもよいが、午前9時までの時間帯が好ましい。
【0056】
処理部240は、起床時間が朝の時間帯であるか否かの判断に基づいて、育成ゲームにおいて発生させるイベント(ステップS504,506,507において詳述。)を決定する。これは、以下の理由に基づく。すなわち、一般的に、人間の生活リズムは朝型に出来ていると言われており、朝に目覚めることにより生活リズムが整い、良好な健康状態が維持されると考えられている。したがって、本実施形態では、朝の時間帯にゲームを進行させることにより、ユーザに朝起きる動機付けを与える。ゲームを楽しむユーザは、朝起きることが辛くなくなり、むしろ楽しみになる。そして、ユーザは朝型の生活習慣を身につけることで、体調良く過ごすことができるようになる。
【0057】
ステップS503において、処理部240が、起床時間が朝の時間帯でないと判断した場合(ステップS503において、N)、ステップS504において、処理部240は、育成ゲームにおいてマイナスイベントを発生させる処理を行い、処理結果を記憶部230のゲーム情報232に記憶させる。なお、育成ゲーム内のイベントの詳細については後述する。
【0058】
一方、起床時間が朝の時間帯であると判断した場合(ステップS503において、Y)、ステップS505において、処理部240は、起床履歴に基づいて起床時間が朝の時間帯を所定期間以上継続して満たすか、もしくは起床時間が予め設定された指定時間と一致するか否かを判断する。指定時間とは、例えば、ユーザによって設定された起床時間であり、例えば、午前7時、午前6時30分などである。なお、指定時間は時間幅(例えば、10分程度)を持っていてもよい。
【0059】
起床履歴に基づいて起床時間が朝の時間帯を所定期間以上継続して満たしていない、もしくは起床時間が予め設定された指定時間でないと判断した場合(ステップS505において、N)、ステップS506において、処理部240は、育成ゲームにおいてプラスイベントを発生させる処理を行い、処理結果を記憶部230のゲーム情報232に記憶させる。
【0060】
一方、起床履歴に基づいて起床時間が朝の時間帯を所定期間以上継続して満たしている、もしくは起床時間が予め設定された指定時間と一致すると判断した場合(ステップS505において、Y)、ステップS507において、処理部240は、育成ゲームにおいて、プラスイベントとは異なるボーナスイベントを発生させる処理を行い、処理結果を記憶部230のゲーム情報232に記憶させる。
【0061】
なお、所定期間として、例えば、3日間や1週間など、ユーザが任意の日数を設定してもよい。ユーザがボーナスイベントを発生させるための所定期間を自ら設定することにより、朝型の生活リズムを継続させる努力目標とすることができ、ボーナスイベントが発生することで、ユーザに達成感を与えることができる。
【0062】
また、所定期間をゲームの開発者がゲームの内部パラメータとして設定してもよい。ユーザは、ボーナスイベントがいつ発生するのか期待しながら朝型生活を送るモチベーションを維持することができ、ボーナスイベントが発生することで、ユーザに驚きとともに、満足感を与えることができる。
【0063】
ステップS508において、処理部240は、ゲーム内の処理をゲーム情報として通信部210を介して、ユーザ端末100に送信し、処理を終了する。
【0064】
なお、処理部240は、ユーザ端末100から取得したセンシングデータ等から、起床時間が算出されていないなどの、ユーザ端末におけるセンシングに問題が生じていると考えられる場合は、昼間のユーザの歩数等の活動量に基づいて、起床時間を想定してもよい。例えば、処理部240は、ユーザ端末のセンシングに問題が生じていると判断した場合、ユーザ端末100からユーザの活動量に関するセンシングデータを取得する。そして、その日のユーザの活動量が、ユーザの平均的な活動量であった場合は、ユーザのこれまでの起床履歴に基づいて算出された平均的な起床時間であったと想定する。これにより、起床時間の算出に問題が生じていた場合でも、このような救済処置をとることにより、ユーザにとって育成ゲームの進行が不利にならないようにすることができる。
【0065】
また、処理部240は、上述した各イベントを発生させると共に、ミニゲームを発生させてもよい。ユーザにミニゲームをプレイさせることにより、ユーザの二度寝を防止することができる。ミニゲームは、何らかの作業をユーザに要求するものであって、例えば、端末自体を揺する、ディスプレイをタップやスワイプするなどして仮想生命体を起こす、遊ぶ、かわいがる、また、立ち上がって所定の歩数だけ歩くことにより、仮想生命体を捕まえるなど、実際に体を動かす操作が必要なゲームが好ましい。これにより、ユーザに確実に目を覚まさせる効果が期待できる。
【0066】
さらに、ミニゲームは、各イベントの発生時から所定時間以内にプレイさせるようにしてもよい。ミニゲームをクリアすると、ポイント(後述する)等を付与するなどしてインセンティブを与えることにより、二度寝しないことへの動機づけとすることができる。
【0067】
図6~
図8は、育成ゲームにおけるイベントの一例を説明する図である。
図6~
図8を参照して、育成ゲームにおけるプラスイベント、ボーナスイベント、マイナスイベントの一例を説明する。なお、処理部240は、取得した起床時間に対応する乱数結果に応じて、各イベントの内容を変化させるようにしてもよい。
【0068】
図6は、プラスイベントの一例を示す図である。プラスイベントとは、ユーザの起床時間が朝の時間帯であることによって生じる、育成ゲームを有利に進行させるためのイベントであって、例えば、仮想生命体を成長させるイベントや、仮想生命体に関するポイントを加算するイベント、育成ゲームにおけるアイテムや特典を与えるイベントである。
【0069】
仮想生命体を成長させるとは、例えば、外見的に大きくなる、強そうになる、容姿端麗になる、子供から大人になる、進化する、内面的に成熟する、などであるが、この例に限られない。
【0070】
また、ポイントは、仮想生命体の経験値であったり、ゲーム内のアイテムを購入するためのゲーム内通貨であったりしてもよい。ポイントの値によって、仮想生命体のレベルが決定されたり、さまざまな仮想生命体を出現させたりしてもよい。プラスイベントによって、ユーザに朝の時間帯に起きるインセンティブを与えることができる。
【0071】
図6において、仮想生命体であるキャラAは、ユーザの起床時間が朝の時間帯であることに応じて、経験値(ポイントに相当)を獲得し、レベルアップ(成長に相当)する。すなわち、キャラAは、ユーザが朝の時間帯に起床すると成長する。これにより、ユーザは、朝型の生活リズムを送ることでキャラAを成長させ、育成ゲームを楽しむことができる。
【0072】
図7は、ボーナスイベントの一例を示す図である。ボーナスイベントとは、起床履歴に記憶された起床時間が、朝の時間帯に所定期間以上継続して含まれる、もしくは、起床時間が予め設定された指定時間であることによって生じる、育成ゲームを特に有利に進行させるためのイベントであって、例えば、仮想生命体の成長を促進させるイベントや、仮想生命体に関するポイントをボーナスとして加算するイベント、育成ゲームの進行を有利にするアイテムや特典を与えるイベントであるが、この例に限られない。例えば、新たな仮想生命体を育成するよう、キャラクタが預けに来るイベントであってもよい。当該キャラクタにかわって仮想生命体を育てることにより、当該キャラクタから感謝のメッセージがもらえたり、ポイントなどをもらったりできる。
【0073】
また、ボーナスイベントの発生をユーザに予告してもよい。これにより、基準睡眠パターンを継続的に守る動機付けとすることができる。例えば、次の日曜日に新たな仮想生命体が出現する、ポイントが加算される、など予告し、ユーザにボーナスイベントの発生を期待させる。ボーナスイベントによって、ユーザに朝起きることを所定期間以上継続する、または指定時間に起きるインセンティブを与えることができる。また、指定時間から所定時間(例えば、5分程度の数分間)以内にのみボーナスイベントを発生させるようにして、ユーザに指定時間に起床し、十分な覚醒を促すようにすることができる。
【0074】
図7において、起床履歴に記憶された起床時間が、朝の時間帯に所定期間以上継続して含まれる、もしくは、起床時間が予め設定された指定時間であることに応じて、仮想生命体は、経験値をプラスイベントで獲得する以上に獲得し、大幅にレベルアップする。また、育成ゲームの進行を有利にするアイテム(報酬)が与えられる。アイテムは、例えば、仮想生命体を寝かしつける際に使うと、仮想生命体のレベルを上がりやすくしたり、他の仮想生命体が現れたり、など、特別な演出が行われる。
【0075】
図8は、マイナスイベントの一例を示す図である。マイナスイベントとは、ユーザの起床時間が朝の時間帯に含まれないことによって生じる、育成ゲームの進行を不利にするイベントであって、例えば、仮想生命体の成長を止める、退化させる、弱くさせる、仮想生命体に関するポイントを減算するなどであるが、この例に限られない。例えば、ユーザの起床時間が朝の時間帯に含まれないと、昼間に仮想生命体が眠そうにしている等して、育成のスピードを遅くするようにしてもよい。すなわち、ユーザが朝寝坊をすれば、ユーザが起きている間は、仮想生命体を成長しにくくする。マイナスイベントによって、ユーザに、朝起きることを意識させることができる。
【0076】
図8において、仮想生命体であるキャラAは、ユーザの起床時間が朝の時間帯に含まれないことに応じて、経験値が取得できず、レベルがあがっていない。また、キャラAに関する健康度や元気度を示すポイントを消費させ(減算させ)、元気がない演出をしてもよい。
【0077】
上述したように、起床時間に基づいて、例えば、
図6~
図8で示したような育成ゲームに関する処理が実行される。
【0078】
なお、育成ゲームにおいて、仮想生命体の寝かしつけに難易度を設定してもよい。例えば、育成ゲームの開始時には、寝かしつけの難易度が低い仮想生命体を育成させ、仮想生命体のレベルを上げやすく設定してもよい。これにより、育成ゲームが簡単に楽しめ、規則正しい生活につなげることができる。
【0079】
また、育成ゲームが進行するにつれ、仮想生命体の寝かしつけの難易度を上げてもよい。すなわち、仮想生命体のレベルが上げにくくなるので、レベル上げのためにプラスイベントやボーナスイベントが発生するように、ユーザを意識させ、規則正しい生活を続けさせることができる。
【0080】
また、複数の仮想生命体を育成させ、一の仮想生命体の寝かしつけの難易度が、他の仮想生命体の寝かしつけに影響を及ぼすようにする、などしてゲーム性を高めるようにしてもよい。例えば、ユーザが夜遅く(すなわち、所定の時間以降)まで起きている場合は、寝かしつけの難易度が高い仮想生命体を登場させ、育成中の仮想生命体を眠りにくくする(すなわち、寝かしつけの難易度を高くする)。寝かしつけの難易度が高い仮想生命体が出現することにより、現在育成中の仮想生命体の寝かしつけの難易度が上がり、レベルが上げにくくなってしまうため、ユーザに対し、早く(すなわち、所定の時間より前)就寝することを意識させることができる。これにより、ユーザが、ゲームを継続的に楽しめるようにし、ひいては、ユーザが規則正しい生活を続けるモチベーションにつなげることができる。
【0081】
(効果の説明)
本実施形態に係るゲームシステムは、ユーザの起床時間に応じて、育成ゲームに関する処理を実行する。朝起きることが仮想生命体の育成につながるため、ユーザは育成ゲームを楽しみながら、朝型生活を送るモチベーションを維持することができる。一般的に、人間の生活リズムは朝型に出来ていると言われており、朝に目覚めることにより生活リズムが整い、良好な健康状態が維持されると考えられている。したがって、本実施形態では、朝の時間帯にゲームを進行させることにより、ユーザに朝起きる動機付けを与える。ゲームを楽しむユーザは、朝起きることが辛くなくなり、むしろ楽しみになる。すなわち、ユーザに朝型の生活習慣を身につけさせ、良好な健康状態を維持させることができるようになる。
【0082】
また、本実施形態に係るゲームシステムは、起床時間に応じて育成ゲームにおいて各種のイベントを発生させる。異なるイベントを発生させることで、ユーザに飽きさせることなくゲームを楽しませると同時に、朝型生活を送ることへのインセンティブを与えることができる。
【0083】
<変形例>
ゲームシステム1において、育成ゲームに対する入力を受け付けた時刻が夜の時間帯である場合に、入力に対応する育成ゲームにおける処理を保留にし、朝起きたときに保留した処理を実行するようにしてもよい。夜に育成ゲームが進行しないようにすることで、早く寝ることを促し、また、夜に保留した処理を朝に実行することで、朝起きることへのモチベーションを与えることができる。
【0084】
図9及び
図10は、ゲームサーバ200における処理の変形例を示すフローチャートである。
図9および
図10を参照して、ゲームサーバ200における処理の変形例について説明する。
図9において、ゲームサーバ200は、通信部210がユーザ端末100から育成ゲームに対する入力を受信したことをトリガにして、処理を開始する。
【0085】
ステップS901において、ゲームサーバ200の取得部220は、通信部210を介して、ユーザ端末100から送信された、ユーザによる育成ゲームに対する入力を取得し、処理部240に送る。
【0086】
ステップS902において、処理部240は、入力を取得した時刻が夜の時間帯であるか否かを判断する。夜の時間帯とは、一般的に人が活動を終える時間であり、例えば、午後9時以降翌日午前6時まで(すなわち、朝の時間帯まで)である。なお、時間帯は、ユーザやゲームの開発者が任意に設定してよいが、ユーザの年齢や健康状態に応じ、最低睡眠時間を考慮して設定されるのが好ましい。
【0087】
処理部240は、入力が夜の時間帯でないと判断した場合(ステップS902においてN)、ステップS903において、育成ゲームにおいて入力に対応した処理を実行する。そして、処理結果を記憶部230のゲーム情報232に記憶させ、通信部210を介して処理結果をユーザ端末100に送信する。
【0088】
一方、処理部240は、入力が夜の時間帯であると判断した場合(ステップS902においてY)、ステップS904において、育成ゲームにおいて入力に対応した処理を保留する。例えば、入力に対応した処理を記憶部230に一時的に記憶させる。そして、
図10のステップS1001へ進む。(なお、
図10において、ステップS1004およびS1006の処理以外は、
図5において説明した処理と同じである。)
【0089】
図10のステップS1001において、ゲームサーバ200の取得部220は、通信部210を介して、ユーザ端末100から送信された、ユーザの起床時間を取得し、記憶部230へ送る。
【0090】
ステップS1002において、記憶部230は、起床時間を起床履歴として、起床履歴231に記憶する。
【0091】
ステップS1003において、処理部240は、ステップS1001で取得した起床時間が朝の時間帯であるか否か判断する。処理部240が、起床時間が朝の時間帯でないと判断した場合(ステップS1003において、N)、ステップS1004において、処理部240は、
図9のステップS904において保留した処理を実行しない旨をユーザ端末100に提示する処理を行う。
【0092】
次いで、ステップS1005において、処理部240は、育成ゲームにおいてマイナスイベントを発生させる処理を行い、処理結果を記憶部230のゲーム情報232に記憶させる。
【0093】
一方、起床時間が朝の時間帯であると判断した場合(ステップS1003において、Y)、ステップS1006において、処理部240は、
図9のステップS904において保留した処理を実行し、処理結果を記憶部230のゲーム情報232に記憶させる。
【0094】
ステップS1007において、処理部240は、起床履歴に基づいて起床時間が朝の時間帯を所定期間以上継続して満たすか、もしくは起床時間が予め設定された指定時間と一致するか否かを判断する。
【0095】
起床履歴に基づいて起床時間が朝の時間帯を所定期間以上継続して満たしていない、もしくは起床時間が予め設定された指定時間と一致しないと判断した場合(ステップS1007において、N)、ステップS1008において、処理部240は、育成ゲームにおいてプラスイベントを発生させる処理を行い、処理結果を記憶部230のゲーム情報232に記憶させる。
【0096】
一方、起床履歴に基づいて起床時間が朝の時間帯を所定期間以上継続して満たしている、もしくは起床時間が予め設定された指定時間と一致すると判断した場合(ステップS1007において、Y)、ステップS1009において、処理部240は、育成ゲームにおいて、プラスイベントとは異なるボーナスイベントを発生させる処理を行い、処理結果を記憶部230のゲーム情報232に記憶させる。
【0097】
ステップS1010において、処理部240は、ゲーム内の処理をゲーム情報として通信部210を介して、ユーザ端末100に送信し、処理を終了する。
【0098】
以上のように、実施形態1の変形例であるゲームシステム1では、育成ゲームに対する入力を受け付けた時刻が夜の時間帯である場合に、入力に対応する育成ゲームにおける処理を保留にし、朝起きたときに保留した処理を実行する。夜に育成ゲームが進行しないようにすることで、早く寝ることを促し、また、夜に保留した処理を朝に実行することで、朝起きることへのモチベーションを与えることができる。
【0099】
<実施形態2>
実施形態2に係るユーザ端末300は、記憶部に記憶されたゲームプログラムを実行することで、ユーザの起床時間に基づく仮想生命体の育成ゲームをユーザにプレイさせるものである。なお、ユーザ端末が記憶するゲームプログラムは、ネットワークまたは記録媒体を介して、更新することができる構成であってもよい。
【0100】
図11は、ユーザ端末300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。実施形態2に係るユーザ端末300は、情報処理端末に相当し、実施形態1に係るユーザ端末100(
図2参照)とは、記憶部340および処理部360を備える点で構成が異なる。ただし、その他の同一の符号が付された構成要素は機能が共通するので繰り返しの説明を省略する。なお、本実施形態のユーザ端末300は
図11の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0101】
記憶部340は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置であって、起床履歴341と、ゲーム情報342と、を含む。
【0102】
起床履歴341は、後述する処理部360が算出したユーザの起床時間を記憶(蓄積)する。ゲーム情報342は、仮想生命体の育成ゲームに関する情報が記憶されている。なお、記憶部340は、一時的な記憶領域や、ストレージを含んでもよい。また、記憶部340は、センサ部150が検知したセンシングデータを記憶するよう構成されてもよい。
【0103】
処理部360は、ユーザ端末300において実行される各種の情報処理を実行する。処理部360は、CPUおよびメモリを有し、CPUがメモリを用いて、記憶部340に記憶された情報処理プログラムを実行することによって各種の情報処理が実行される。本実施形態においては、処理部360は、上記情報処理として、起床時間を算出する処理や、起床時間に基づいて、育成ゲームに関する処理を実行する。また、処理部360は、センサ部150が検知した種々の情報に基づいて育成ゲームに関する処理を実行してもよい。育成ゲームに関する処理結果は、出力部130に出力される。なお、処理部360は、算出した起床時間に対応する乱数結果に応じて、育成ゲームの進行処理を行うようにしてもよい。また、処理部360は、システムクロックを利用して現在日時を取得する。
【0104】
上述したように、本実施形態に係るユーザ端末は、ユーザの起床時間に基づく仮想生命体の育成ゲームを提供することができる。これにより、ユーザは、ネットワークを介してゲームサーバと接続されない環境下であっても、育成ゲームを楽しむことができる。
【0105】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0106】
また、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本サーバを実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0107】
1 ゲームシステム、100,300 ユーザ端末、110,210 通信部、120 入力部、130 出力部、140,230,340 記憶部、150 センサ部、160,240,360 処理部、200 ゲームサーバ、220 取得部、231,341 起床履歴、232,342 ゲーム情報