(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】羽根駆動装置、撮像装置及び携帯型電子機器
(51)【国際特許分類】
G03B 9/02 20210101AFI20240417BHJP
G03B 9/04 20210101ALI20240417BHJP
【FI】
G03B9/02 C
G03B9/04
(21)【出願番号】P 2023134549
(22)【出願日】2023-08-22
【審査請求日】2023-08-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-242277(JP,A)
【文献】特開2008-170537(JP,A)
【文献】特開2011-033910(JP,A)
【文献】特開2006-258867(JP,A)
【文献】国際公開第2019/026450(WO,A1)
【文献】特開2019-049670(JP,A)
【文献】特開2018-097138(JP,A)
【文献】特開2005-189661(JP,A)
【文献】特開2001-281724(JP,A)
【文献】特開平06-105523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0301246(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0249426(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0242636(US,A1)
【文献】国際公開第2017/072882(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 9/00-54
G02B 7/02-16
G03B 11/00-08
G03B 30/00
H04N 23/50-51
H04N 23/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根駆動装置であって、
前記羽根駆動装置は、ハウジング、回転体、羽根、駆動コイル、回路基板及び少なくとも1つの磁気ヨークを含み、
前記ハウジングは、第1貫通孔を有する台座と、第2貫通孔を有するカバープレートとを含み、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔は、光軸通路を形成し、前記台座及び前記カバープレートは、収容空間を形成し、前記ハウジングには、前記収容空間内に延びる少なくとも1つの回転軸が設けられ、
前記回転体は、少なくとも2つの磁極を有する磁性部材であり、前記回転体には、枢着孔が設けられ、前記枢着孔は、前記回転軸に外嵌され、且つ前記回転体は、前記回転軸に対して回転可能であり、
前記羽根の
第1端は、前記回転体に固定接続されて前記回転体に追従して回動し、前記羽根の
第2端には、遮蔽部及び開口部が設けられ、前記遮蔽部は、前記開口部の周方向に形成され、前記光軸通路は、前記開口部の移動経路内に位置し、
前記駆動コイル
の光軸
方向における正射影は、前記回転体と重複領域を有し、
前記回路基板は、前記駆動コイルに電気的に接続され、
前記少なくとも1つの磁気ヨークは、前記ハウジングに固定されて
おり、
前記羽根の第1端には、座繰り孔が設けられ、前記座繰り孔は、階段状であり、前記回転体は、前記座繰り孔内に延びてリジッド接続を形成し、且つ、前記座繰り孔内に固定されている、ことを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項2】
前記回転体、前記駆動コイル及び前記回路基板は、前記光軸通路に沿って順に設けられ、
前記羽根駆動装置は、2つの磁気ヨークを含み、前記2つの磁気ヨークは、互いに間隔を置いて夾角を呈するように設置され、前記2つの磁気ヨークの前記光軸
方向における正射影は、前記回転体と重複領域を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の羽根駆動装置。
【請求項3】
前記磁気ヨークは、前記駆動コイルの前記回転体から離間する側に位置する、ことを特徴とする請求項2に記載の羽根駆動装置。
【請求項4】
前記駆動コイルは、2つあり、それぞれ前記回転体の異なる磁極に対向して設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の羽根駆動装置。
【請求項5】
前記収容空間内には、2つの前記羽根と、2つの前記回転体とが設けられ、前記2つの羽根は、それぞれ2つの前記回転体に固定され、前記
2つの羽根は、それぞれ内径が異なる前記開口部を有し、前記光軸通路は、
2つの前記羽根の移動経路内に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の羽根駆動装置。
【請求項6】
前記開口部は、複数設けられ、前記光軸通路は、それぞれの前記開口部の移動経路内に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の羽根駆動装置。
【請求項7】
複数の前記開口部の内径に差異がある、ことを特徴とする請求項6に記載の羽根駆動装置。
【請求項8】
前記収容空間内には、回転体の磁束を検出可能な位置検出素子が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の羽根駆動装置。
【請求項9】
撮像装置であって、
請求項1~
8のいずれか1項に記載の羽根駆動装置を備える、ことを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
携帯型電子機器であって、
請求項
9に記載の撮像装置を備える、ことを特徴とする携帯型電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置の技術分野、特に羽根駆動装置、撮像装置及び携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像技術の急速な発展に伴い、羽根駆動装置やレンズ駆動装置は、多くの撮像装置において広く応用されている。羽根駆動装置を有する光学装置は、種々の携帯型電子機器に適用され、例えば、携帯電話、タブレット等の装置に応用され、特に消費者に好まれる。
【0003】
羽根駆動装置は、単一又は複数の羽根を駆動して開口の状態を変化させ、シャッター、絞り、絞り兼用シャッター、カラーフィルタ等として、カメラ等の各種光学ユニットに用いられる。これらの羽根駆動装置は、組立段階で電磁アクチュエータが別体であるため、組立性の悪化、部品点数の増加、部品点数の増加による各種のゆるみ等の相互作用によって、羽根駆動装置自体の構造の難易度が高くなるおそれがある。
【0004】
構造上で占有面積が小さい形状記憶合金を用いた移動ユニットが存在するが、大きな変化量が必要な場合には、形状記憶合金の長さを大きくする必要がある。
【0005】
また、1つのアクチュエータで複数の任意停止位置を実現しようとする場合には、磁石の多極着磁が必要であったり、磁石片の形状を非常に厳密な角度で調整せざるを得ないといった設計の難易度や、製造の難易度が高くなったりするという課題がある。
【0006】
そこで、以上の課題を解決できる新たな羽根駆動装置を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-10430号公報
【文献】特開2010-276654号公報
【文献】特開平10-68979号公報
【文献】特開2019-203944号公報
【文献】特開2019-148699号公報
【文献】特願2018-162621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ユーザが撮影時に光量を適切に調節する羽根駆動装置の構成の設計及び製造の難易度が高くなる課題を解決するために、羽根駆動装置、撮像装置及び携帯型電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、本発明は、羽根駆動装置を提供する。
前記羽根駆動装置は、ハウジング、回転体、羽根、駆動コイル、回路基板及び少なくとも1つの磁気ヨークを含み、
前記ハウジングは、第1貫通孔を有する台座と、第2貫通孔を有するカバープレートとを含み、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔は、光軸通路を形成し、前記台座及び前記カバープレートは、収容空間を形成し、前記ハウジングには、少なくとも1つの前記収容空間内に延びる回転軸が設けられ、
前記回転体は、少なくとも2つの磁極を有する磁性部材であり、前記回転体には、枢着孔が設けられ、前記枢着孔は、前記回転軸に外嵌され、且つ前記回転体は、前記回転軸に対して回転可能であり、
前記羽根の一端は、前記回転体に固定接続されて前記回転体に追従して回動し、前記羽根の他端には、遮蔽部及び開口部が設けられ、前記遮蔽部は、前記開口部の周方向に形成され、前記光軸通路は、前記開口部の移動経路内に位置し、
前記駆動コイルの前記光軸通路における正射影は、前記回転体と重複領域を有し、
前記回路基板は、駆動コイルに電気的に接続され、
前記少なくとも1つの磁気ヨークは、前記ハウジングに固定されている。
【0010】
前記のような羽根駆動装置において、好ましくは、前記回転体、前記駆動コイル及び前記回路基板は、前記光軸通路に沿って順に設けられ、前記羽根駆動装置は、2つの磁気ヨークを含み、前記2つの磁気ヨークは、互いに間隔を置いて夾角を呈するように設置され、前記2つの磁気ヨークの前記光軸通路における正射影は、前記回転体と重複領域を有する。
【0011】
前記のような羽根駆動装置において、好ましくは、前記磁気ヨークは、前記駆動コイルの前記回転体から離間する一方側に位置する。
【0012】
前記のような羽根駆動装置において、好ましくは、前記駆動コイルは、2つあり、それぞれ前記回転体の異なる磁極に対向して設けられている。
【0013】
前記のような羽根駆動装置において、好ましくは、前記収容空間内には、2つの前記羽根と、2つの前記回転体とが設けられ、前記2つの羽根は、それぞれ2つの前記回転体に固定され、前記複数の羽根は、それぞれ内径が異なる前記開口部を有し、前記光軸通路は、複数の前記羽根の移動経路内に位置する。
【0014】
前記のような羽根駆動装置において、好ましくは、前記開口部は、複数設けられ、前記光軸通路は、それぞれの前記開口部の移動経路内に位置する。
【0015】
前記のような羽根駆動装置において、好ましくは、複数の前記開口部の内径に差異がある。
【0016】
前記のような羽根駆動装置において、好ましくは、前記収容空間内には、回転体の磁束を検出可能な位置検出素子が設けられている。
【0017】
前記のような羽根駆動装置において、好ましくは、前記羽根には、座繰り孔が設けられ、前記回転体は、前記座繰り孔内に延びてリジッド接続を形成する。
【0018】
第2の態様によれば、本発明は、前述の羽根駆動装置を備える撮像装置を提供する。
【0019】
第3の態様によれば、本発明は、前述の撮像装置を備える携帯型電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0020】
従来技術に比べて、本発明は、羽根の一端を回転体に連結して一体構造を形成することにより、回転体の回転に伴って羽根が回転し、従来技術における別体式の駆動構造による組立が困難で、構造の難易度が高くなるなどの技術的課題を解決し、搭載する部品の点数を省略することでコンパクト化を図り、スペースの効率的な利用及び構造と組み立ての簡易化を実現し、より簡易な構成でより効率的な羽根駆動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例1に係る羽根駆動装置の正面図である。
【
図2】
図1におけるA-A線における断面図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る羽根駆動装置の側面図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る羽根駆動装置の背面図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る羽根駆動装置の分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施例1に係る羽根駆動装置の第1種の構成の羽根の正面図である。
【
図7】本発明の実施例1に係る羽根駆動装置の第2種の構成の羽根の正面図である。
【
図8】本発明の実施例1の羽根駆動装置の第1種の協働状態の回転体及び駆動コイルの構成を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施例1の羽根駆動装置の第2種の協働状態の回転体と駆動コイルの構成を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施例1の羽根駆動装置の第3種の協働状態の回転体及び駆動コイルの構成を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施例1に係る羽根駆動装置の第1種の協働状態の回転体及び磁気ヨークの構成を示す模式図である。
【
図12】本発明の実施例1に係る羽根駆動装置の第2種の協働状態の回転体と磁気ヨークの構成を示す模式図である。
【
図13】本発明の実施例2に係る羽根駆動装置の分解斜視図である。
【
図14】本発明の羽根駆動装置を備える携帯型電子機器の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に図面を参照して説明した実施例は、例示的なものであり、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものと解釈することができない。
【0023】
実施例1
【0024】
図1~
図12に示すように、本発明の実施例は、羽根駆動装置100を提供し、この羽根駆動装置100は、撮像装置200内に適用され、羽根20によって光軸通路に不要な光線を遮断し、撮像装置200に入る光量を制御する。
【0025】
本発明に係る実施例において、羽根駆動装置100は、ハウジング10、回転体30及び羽根20を含む。
【0026】
ここで、ハウジング10の内部には、収容空間13が設置され、収容空間13には光軸通路が形成され、ハウジング10には第1貫通孔15及び第2貫通孔16が設けられ、第1貫通孔15及び第2貫通孔16は、同軸に配置されて光軸通路を形成する。
【0027】
1つの実現可能な実施形態において、
図2及び
図5に示すように、ハウジング10は、別体構造であり、それにより、成形加工及び組立に便利であり、具体的には、ハウジング10は、台座11及びカバープレート12を含み、第1貫通孔15は、台座11に設けられ、第2貫通孔16は、カバープレート12に設けられ、台座11は、一端が開口したカセット構造であり、カバープレート12は、係着、接着又はボルト締結等の固定手段によって開口部に蓋着され、収容空間13を形成する。
【0028】
図2及び
図5に示すように、収容空間13内には、回転軸14が設けられ、1つの実現可能な実施形態において、回転軸14は、台座11と一体成形され、それにより、成形加工に便利であり、回転軸14は、円柱型の軸体であり、且つ光軸通路に近接して設置される。
【0029】
回転体30には、枢着孔31が設けられ、回転軸14が枢着孔31内に遊嵌されることで、回転体30が回転軸14の軸線方向を軸として回動することができ、組立時に、カバープレート12を開き、枢着孔31を回転軸14に合わせて取り付けるだけでよく、製造の難易度を低下させる。回転軸14が枢着孔31内に遊嵌されることにより、回転軸14と回転体30の厚みが重なり合い、それによりハウジング10が光軸通路方向に占めるスペースが減少し、羽根駆動装置100の小型化に有利である。
【0030】
羽根20は、収容空間13内に設けられ、羽根20の第1端は、回転体30に接続され、1つの実現可能な実施形態において、羽根20の第1端には、座繰り孔23が設けられ、座繰り孔23は、階段状であり、回転体30は、座繰り孔23内に延伸し、回転体30は、係着、接着又はボルト締結等の固定手段によって、座繰り孔23内に固定され、羽根20は、回転体30の回転に伴って同期して回転することができ、回転体30が座繰り孔23内に延伸することにより、ハウジング10が光軸通路方向に占有するスペースをさらに小さくすることができるとともに、回転体30に対する位置制限作用を果たすことができる。座繰り孔23の形状及び寸法は、いずれも回転体30の形状及び寸法に応じて決定することができ、ここでは限定しない。
【0031】
羽根が非常に薄い形状からなるため、従来技術において、羽根を支持するための軸部材は、羽根の繰り返しの回動によって局所的に大きな摩擦を集中させ、軸部材からの汚染物の発生及び軸部材自体の破損を引き起こす。本発明は、回転体30と羽根20とをリジッド接続することにより、回転体30の枢着孔31と回転軸14との間に大きな面積の接触を維持することで、軸部材に局所的な応力集中が生じることなく、耐久性を大幅に向上させることができる。
【0032】
図5及び
図6に示すように、羽根20の第2端には、遮蔽部21及び開口部22が形成され、遮蔽部21は、開口部22の周方向に形成され、光軸通路は、開口部22の移動経路内に位置し、羽根20が所定の位置に移動すると、開口部22は、光軸通路と同軸に設置され、羽根20は、任意の形状が設定可能な開口部22及び遮蔽部21を有し、光学的に最適な遮光形状を形成し、性能向上の目的を実現することができる。
【0033】
図2及び
図6に示すように、開口部22は、羽根20を貫通する貫通溝構造であり、本実施例において、開口部22は、円形溝であり、当業者であればわかるように、他の形状、例えば正六角形等の三角形以上の多角形であってもよく、ここでは限定しない。羽根20が所定の位置まで回転すると、第1貫通孔15、開口部22及び第2貫通孔16の軸線が重なり合い、開口部22の内径又は形状を変更することにより、光軸を介して撮像装置200に入る光量を調整することができる。
【0034】
遮蔽部21は開口部22の周方向に位置し、遮蔽部21は、光線の通過を遮蔽するためのものであり、光源に合わせる最適な羽根20を好適に用いることができ、可視光の場合は、黒色塗装のプラスチック製の遮蔽部21を選択することができ、可視光以外の光については、光線の通過を遮蔽する要求を満たすために金属製の遮蔽部21が用いられる。
【0035】
さらに、回転体30の回転を駆動するために、本発明の実施例において、回転体30は、磁性部材であり、回転体30は、N極とS極とを備える単層の磁石に磁化され、収容空間13には、駆動コイル40及び回路基板50が設けられ、1つの実現可能な実施形態において、回転体は円柱体であり、N極とS極は、回転軸14の径方向に沿って対称に配置され、180°の半分ずつは磁極であり、当業者であればわかるように、90°ごとに1つの磁極を配列してもよく、このように、回転体は4つの磁極を有する。この場合、2つの駆動コイル40を平行に設けてもよく、「L」型に配列してもよい。
【0036】
回転体30、駆動コイル40及び回路基板50は、光軸通路方向に沿って順に配置され、駆動コイル40は、回路基板50に電気的に接続され、駆動コイル40の通電により、電磁力によって回転体30を駆動して回転させ、それに伴って羽根20が一緒に所定の位置まで回転することができ、所定の位置において、開口部22は、第1貫通孔15及び第2貫通孔16と同心円の孔構造を形成する。
【0037】
回転体30の駆動原理は以下の通りである。
【0038】
駆動コイル40に通電すると、回転体30の磁界と駆動コイル40に流れる電流との相互作用により、駆動コイル40にローレンツ力が発生する。駆動コイル40は、固定されているため、回転体30に反力が作用し、この反力が回転体30の駆動力となり、回転体30は回転軸14の軸線方向を中心として回動する。
【0039】
駆動コイル40は、電流の方向を変えることにより、回転体30の回転方向を変えることができ、回転体30を光軸通路に直交する平面内において、時計回りと反時計回りに回転させることができる。
【0040】
1つの実現可能な実施形態では、
図8に示すように、2つの駆動コイル40が設けられ、回転体30は、2つの駆動コイル40の間に設けられ、回転体30の光軸通路における正射影は、2つの駆動コイル40上に位置し、それにより、回転体30は、2つの駆動コイル40の磁力を同時に利用することができ、それによって回転体30は、より大きな駆動力を受けることができ、羽根20の回転効率を向上させることができる。
【0041】
他の実現可能な実施形態では、
図9に示すように、1つの駆動コイル40のみが設けられ、駆動コイル40は、駆動コイル40の長手方向に沿って対称に配置される左半分の部分及び右半分の部分を含み、回転体30の光軸通路における正射影は、左半分の部分及び右半分の部分に位置し、それにより、駆動力を満たすという前提で、組立性のしやすさ及び省スペース化の向上に有利である。
【0042】
もう1つの実現可能な実施形態において、
図10に示すように、1つの駆動コイル40のみが設けられ、駆動コイル40は、駆動コイル40の長手方向に沿って対称に配置される左半分の部分及び右半分の部分を含み、回転体30の光軸通路における正射影は、左半分の部分又は右半分の部分に位置し、それにより、駆動力を満たすという前提で、組立性のしやすさ及び省スペース化の向上に有利である。
【0043】
本発明が提供する実施例において、回転体30を所定の位置に維持するために、適切な羽根20の回転位置において、回転体30の磁極の境界に磁石片である磁気ヨーク60が配置されている。所定の位置に磁気ヨーク60が設けられ、羽根20が回転すると、回転体30の磁極の境界が磁気ヨーク60と合わせられると、羽根20は回転を停止し、開口部22は、光軸通路と同軸になる。磁気ヨーク60は、駆動コイル40の回転体30から離間する側に位置し、磁気ヨーク60の光軸方向における正射影は、回転体30と重複領域を有し、磁石片である磁気ヨーク60は、常に回転体30を台座11に引き付ける力を作用させ、電磁力によって羽根20が駆動されている間は、駆動コイル40との距離を一定に保つ役割を果たす。
【0044】
さらに、磁気ヨーク60は、複数設けられ、複数の磁気ヨーク60の光軸通路方向における正射影は、羽根20の移動経路上に位置し、それによって羽根20は複数の停止位置を有し、
図11及び
図12に示すように、
図11において2つの磁気ヨーク60を有し、2つの磁気ヨーク60は交差して設置され、「V」型の形又は「L」型の形に類似する形を形成し、
図12において3つの磁気ヨーク60を有し、2つの磁気ヨーク60は交差して設置され、「Y」型の形を形成する。複数の磁気ヨーク60は、いずれも回転体30の軸線方向に沿って環状に間隔を置いて設置されている。台座11に備えられる磁気ヨーク60は、
図11に示す2点の切替位置であっても、
図12に示す3点の切替位置であっても、回転体30の停止しようとする磁極に対する位置に磁気ヨーク60を配置すればよく、それにより、複数の所定の位置に適当な直径の開口部22を有する羽根20を停止させることができる。
【0045】
さらに、
図5に示すように、台座11には、回転体30の移動経路の範囲を制限するためのストッパブロック17が凸設されており、回転体30がストッパブロック17に当接するまで回転すると、移動経路の末端に到達し、引き続き回転することができなくなる。
【0046】
図7に示すように、1つの羽根20には、複数の開口部22が設けられ、光軸通路が各開口部22の移動経路内に位置し、羽根20が複数の所定の位置を有し、各所定の位置において、いずれも1つの開口部22が光軸通路に対応し、それにより第1貫通孔15、開口部22及び第2貫通孔16の軸線方向が重なり合うようになる。さらに、各開口部22の内径の間に差異があり、即ち、異なる絞り口径を有し、複数の絞り口径を有することにより、1枚の羽根20であっても、複数の開口部22の形状を適切に選択することができ、光学特性における品質の良好な羽根20を構成することができる。
【0047】
本発明が提供する実施例において、収容空間13には、回転体30の磁束を検出可能な位置検出素子(図示せず)が設けられ、回転体30の磁束を検出することにより、回転体30に対して正確な位置検出を行うことができ、それにより、羽根20の位置を特定するができ、位置検出素子は、駆動コイル40内に設けられ、駆動コイル40と同じ平面に位置することができ、それにより、スペースの利用率をさらに向上させ、ハウジング10の高さを低下させる。
【0048】
実施例2
【0049】
本実施例において、実施例1と異なることは、収容空間13内に複数の羽根20が設けられ、光軸通路が複数の羽根20の移動経路内に位置し、これに対応して、収容空間13内に複数の枢着軸が設けられ、各枢着軸にいずれも1つの回転体30が回転可能に設置され、各羽根20がいずれも1つの回転体30に対応して固定され、複数の回転体30がそれぞれ1組の駆動コイル40及び磁気ヨーク60に対応することで、羽根20の整合する自由度を確保することができることである。
【0050】
具体的には、
図13に示すように、収容空間13内に2つの羽根20が設けられ、2つの羽根20が光軸通路の対向する両側に設けられ、光軸通路が2つの羽根20の移動経路内に位置し、2つの回転体30がそれぞれ1組の駆動コイル40及び磁気ヨーク60に対応し、2つの羽根20に設けられる開口部22の内径が同じであってもよく、差異があってもよい。
【0051】
以上の実施例によって提供される羽根駆動装置100によれば、本発明は、前述の羽根駆動装置100を含む撮像装置200をさらに提供し、羽根駆動装置100において、電磁駆動を行う回転体30と羽根20とは一体であり、組立性に優れ、必要に応じて駆動コイル40、磁気ヨーク60などの部品の点数を削減することができ、且つ1つの回転体30によって複数の任意の停止位置を実現することができ、設計難易度も大幅に削減可能であり、羽根駆動装置自体が有する光量調整を含み、撮像画像の品質が良くなるという目的を達成することができる。
【0052】
さらに、
図14に示すように、本発明は、スマートフォンまたはタブレットデバイスなどの携帯型電子機器300をさらに提供し、それらは、いずれも前述の撮像装置200を含む。
【0053】
以上は、本発明の構造、特徴及び作用効果を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明したが、前記したのは、本発明の好ましい実施例だけであり、本発明は、図面に示される実施範囲を限定せず、本発明の思想に加えられた変更、又は同等の変化である同等の実施例への修正は、依然として明細書及び図面に含まれる精神を超えない場合、いずれも本発明の保護範囲内にあるべきである。
【符号の説明】
【0054】
10-ハウジング
11-台座
12-カバープレート
13-収容空間
14-回転軸
15-第1貫通孔
16-第2貫通孔
17-ストッパブロック
20-羽根
21-遮蔽部
22-開口部
23-座繰り孔
30-回転体
31-枢着孔
40-駆動コイル
50-回路基板
60-磁気ヨーク
100-羽根駆動装置
200-撮像装置
300-携帯型電子機器
【要約】
【課題】本発明は、羽根駆動装置、撮像装置及び携帯型電子機器を開示する。
【解決手段】羽根駆動装置は、ハウジング、回転体、羽根、駆動コイル、回路基板及び少なくとも1つの磁気ヨークを含み、ハウジングには収容空間内に延在する少なくとも1つの回転軸が設けられ、回転体は、少なくとも2つの磁極を有する磁性部材であり、羽根の一端は回転体と固定接続されて回転体に追従して回転し、羽根の他端には遮蔽部及び開口部が設けられ、駆動コイルの光軸の通路方向における正射影が回転体と重複領域を有し、回路基板は、駆動コイルに電気的に接続され、少なくとも1つの磁気ヨークは、ハウジングに固定されている。従来技術と比較して、本発明は、搭載する部品点数を省略してコンパクト化を図ることにより、スペースの効率的な利用および構造と組み立ての簡易化を図り、より簡易な構成でより効率的な羽根駆動を実現することができる。
【選択図】
図2