(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理サーバ、プログラム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240417BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240417BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240417BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/35
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2023209068
(22)【出願日】2023-12-12
【審査請求日】2023-12-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512294021
【氏名又は名称】株式会社アカツキ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】武貞 伸輔
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-198588(JP,A)
【文献】特開2016-030213(JP,A)
【文献】特開2009-160012(JP,A)
【文献】特開2016-059605(JP,A)
【文献】特開2017-174365(JP,A)
【文献】特開2020-141857(JP,A)
【文献】特開2020-188870(JP,A)
【文献】特開2016-010590(JP,A)
【文献】特開2020-103723(JP,A)
【文献】特開2018-089123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量
及び所有期
間を記憶する保存処理を実行する保存処理部と、
前記所有数量
及び所有期
間が、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記対象媒体の使用により前記対象媒体の所有数量が所定の値を下回ること、
及び前記所有期間が所定の時間を越えること
、である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記対象媒体のそれぞれに設定されること、または複数の前記対象媒体の組み合わせに対して設定されること、の少なくともいずれかである、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記対象媒体の使用により前記対象媒体の所有数量が所定の値を下回ること、
及び前記所有期間が所定の時間を越えること
、であり、かつ、前記対象媒体のそれぞれに設定されること、または複数の前記対象媒体の組み合わせに対して設定されること、の少なくともいずれかである、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記付与処理部は、前記対象媒体について、前記対象媒体の使用数量に所定の係数をかけた追加値における整数部の数量を前記リワードとして付与する、
請求項1から4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記付与処理部は、付与処理を行った第1の時点において算定した第1追加値における小数点以下の値を保存し、付与処理を行う第2の時点において算定した第2追加値に、前記第1追加値における小数点以下の値を加えて得られた合計追加値を、前記第2の時点における前記追加値とする、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量
及び所有期
間を記憶する保存処理を実行する保存処理部と、
前記所有数量
及び所有期
間が、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理部と、
を備える、情報処理サーバ。
【請求項8】
ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量
及び所有期
間を記憶する保存処理を実行する保存処理ステップと、
前記所有数量
及び所有期
間が、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理ステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量
及び所有期
間を記憶する保存処理を実行する保存処理ステップと、
前記所有数量
及び所有期
間が、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理システム、情報処理サーバ、プログラム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームにおいてユーザは種々の効果を持つアイテム等や、特定の行動をすることができるポイントやチケット等を所有するが、それらを使用しないユーザが存在する。
【0003】
特許文献1には、アイテムの使用モチベーションを向上させるために、アイテムを使用することを要件としたミッションを提示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、ミッションの達成が要件となり、ライトユーザには困難な場合があり、また、ミッションを設定できる類のアイテムにしか適用ができない。
【0006】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、アイテム等(対象媒体)の使用を動機付けることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量または所有期間の少なくともいずれかを記憶する保存処理を実行する保存処理部と、前記所有数量または所有期間の少なくともいずれかが、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理部と、を備える。
【0008】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プレイヤに対象媒体の使用を動機づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本ゲームシステムの全体構成例を示す図である。
【
図2】プレイヤ端末2の機能上の構成を表すブロック図である。
【
図3】サーバ装置1の機能上の構成を示すブロック図である。
【
図4】プレイヤ情報記憶部122に記憶されるプレイヤ情報の構成例を示す図である。
【
図5】リワード情報記憶部123に記憶されるリワード情報の構成例を示す図である。
【
図6】ゲームシステムの動作概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量または所有期間の少なくともいずれかを記憶する保存処理を実行する保存処理部と、
前記所有数量または所有期間の少なくともいずれかが、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理部と、
を備える情報処理システム。
[項目2]
前記所定の条件は、前記対象媒体の使用により前記対象媒体の所有数量が所定の値を下回ること、または前記所有期間が所定の時間を越えること、の少なくともいずれかである、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記所定の条件は、前記対象媒体のそれぞれに設定されること、または複数の前記対象媒体の組み合わせに対して設定されること、の少なくともいずれかである、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目4]
前記所定の条件は、前記対象媒体の使用により前記対象媒体の所有数量が所定の値を下回ること、または前記所有期間が所定の時間を越えること、の少なくともいずれかであり、かつ、前記対象媒体のそれぞれに設定されること、または複数の前記対象媒体の組み合わせに対して設定されること、の少なくともいずれかである、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目5]
前記付与処理部は、前記対象媒体について、前記対象媒体の使用数量に所定の係数をかけた追加値における整数部の数量を前記リワードとして付与する、
項目1から4のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目6]
前記付与処理部は、付与処理を行った第1の時点において算定した第1追加値における小数点以下の値を保存し、付与処理を行う第2の時点において算定した第2追加値に、前記第1追加値における小数点以下の値を加えて得られた合計追加値を、前記第2の時点における前記追加値とする、
項目5に記載の情報処理システム。
[項目7]
ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量または所有期間の少なくともいずれかを記憶する保存処理を実行する保存処理部と、
前記所有数量または所有期間の少なくともいずれかが、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理部と、
を備える、情報処理サーバ。
[項目8]
ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量または所有期間の少なくともいずれかを記憶する保存処理を実行する保存処理ステップと、
前記所有数量または所有期間の少なくともいずれかが、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理ステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目9]
ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量または所有期間の少なくともいずれかを記憶する保存処理を実行する保存処理ステップと、
前記所有数量または所有期間の少なくともいずれかが、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係るゲームシステムについて、図面を参照しながら説明する。
【0013】
本実施形態のゲームシステムにおいて、プレイヤはゲームの中で対象媒体(有償または無償のゲーム内通貨、ゲーム内で取得可能なゲーム媒体(消費アイテム、武器、防具、キャラクタ、育成素材、コンテンツ(例えば、バトルコンテンツ、クエスト、ミニゲーム等)の参加券(チケット)等を含むが、これらに限定されない)を取得することができる。また、対象媒体を消費することにより、プレイヤが操作するキャラクタの各種アクション、育成、強化・進化(ステイタス値の向上、装備可能品の変化、使用可能な能力・魔法等の増加・変化等)、新規取得、体力等の回復、アイテム等の購入、ステージでのアイテムドロップ(率の変化も含む)、クリア報酬の獲得、イベント報酬の獲得、抽選イベント(いわゆるガチャ)の実施等の行動を行うことができるゲームであれば、そのジャンルは問わない。
【0014】
<構成>
図1は、本ゲームシステムの全体構成例を示す図である。
図1に示されるように、本ゲームシステムは、ネットワーク3(例えば、インターネット等)を介してゲームに関する各種サービスをプレイヤに提供するものであり、サーバ装置1と複数のプレイヤ端末2とで構成される。
【0015】
<プレイヤ端末2>
図2は、プレイヤ端末2の機能上の構成を表すブロック図である。プレイヤ端末2は、プレイヤが所持し利用することができる情報処理装置(例えば、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末)である。プレイヤ端末2は、サーバ装置1から送信されたゲームプログラムの処理結果をゲームアプリケーションまたはWebブラウザを介して出力(例えば、ゲーム画面表示、ゲーム音声出力等)することができる。プレイヤ端末2は、プレイヤ端末2全体の制御を行う制御部21と、各種データ・プログラムを記憶する記憶部22と、プレイヤが操作入力を行うための入力部23、ゲーム画面・操作画面等を出力する出力部24、サーバ装置1との間で情報通信を行う通信部25を有している。本実施の形態の制御部21は、少なくとも操作情報受付部211、ゲーム動作部212を備える。また、記憶部22は、少なくともゲーム動作情報記憶部221を備える。制御部21の各機能部は、メモリやゲーム動作情報記憶部221に格納されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現することができる。
【0016】
プレイヤ端末2の操作情報受付部211は、プレイヤからゲームに関する操作を受け付ける。操作情報受付部211は、プレイヤによる入力部23を用いたゲームに関する操作を受け付ける。そして、操作情報受付部211は、受け付けた操作内容をゲーム動作部212に出力する。
【0017】
ゲーム動作部212は、ゲームを動作させるための処理を実行する。ゲーム動作部212は、ゲーム動作情報記憶部221に記憶されたゲーム動作情報に含まれるゲームソフトウェアと、入力部23から入力されたプレイヤの操作内容とに基づいてゲームを動作させる。ゲーム動作部212は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる画像データからゲーム用の画像を生成し、生成した画像を出力部24に出力させるための制御処理を行う。同様にして、ゲーム動作部212は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる音楽データや音声データからゲーム用の音楽や音声を生成し、生成した音楽や音声を出力部24から出力させるための制御処理を行う。なお、ここでは、ネイティブアプリがWebアプリの機能を一部実行する、すなわち、プレイヤ端末2のゲーム動作部212がサーバ装置1の機能を一部実行する構成について説明したが、ゲーム動作部212を有さずにサーバ装置1が処理結果として全てのゲーム用画像、音声を生成するように構成されていてもよいし、ゲーム動作部212によって全てのゲーム用画像、音声を生成するように構成されていてもよい。
【0018】
ゲーム動作部212が動作させるゲームにおける所定のパラメータはサーバ装置1にて管理されることができる。例えば、ゲームにおけるキャラクタの育成要素を含む各種パラメータについても、サーバ装置1にて管理されることができる。この場合、ゲーム動作部212は、ゲームにおいてこれらのパラメータの変化が伴う処理が発生する場合には、サーバ装置1との通信を行うことにより、サーバ装置1が管理するパラメータを更新させる。そして、ゲーム動作部212は、更新後のパラメータをサーバ装置1から受信し、この更新後のパラメータに基づいてゲームの動作を継続することができる。
【0019】
<サーバ装置1の構成>
図3は、サーバ装置1の機能上の構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、システム管理者等が各種サービスを運営・管理する際に利用する情報処理装置であり、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティング技術によって論理的に実現されてもよい。
【0020】
サーバ装置1は、制御部11、記憶部12、入力部13、出力部14、通信部15を有する。サーバ装置1は、通信部15を介してプレイヤ端末2から各種のコマンド(リクエスト)を受信すると、制御部11においてゲームプログラムによる処理を実行し、ゲームプログラムの処理結果(例えば、ゲーム画像やゲーム音声等)がプレイヤ端末2へ送信される。なお、上記ゲームプログラムの一部は、プレイヤ端末2に送信されてプレイヤ端末2上で実行されてもよい。
【0021】
制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、サーバ装置1全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。本実施の形態の制御部11は、少なくともゲーム実行部111、画面データ生成部112、対象媒体情報取得部113、リワード付与部114を備える。
【0022】
<記憶部12>
記憶部12は、システムプログラムが記憶された読取専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有しており、例えば、フラッシュメモリやハードディスクなどの不揮発性記憶装置によって実現される。本実施形態における記憶部12は、ゲーム情報記憶部121、プレイヤ情報記憶部122、リワード情報記憶部123等の各種記憶部を有している。
【0023】
入力部13はシステム管理者がゲームサービスに関する各種データ(例えば、ゲーム情報等)を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス等によって実現される。
【0024】
出力部14は、制御部11からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0025】
通信部15は、プレイヤ端末2との間で通信を行うためのものであり、プレイヤ端末2から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、制御部11の指令に応じて各種データや信号をプレイヤ端末2へ送信する送信部としての機能を有している。通信部15は、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)やHTTPS、WebSocket、P2P(Peer To Peer)等によりプレイヤ端末2との通信を行う。
【0026】
ゲーム情報記憶部121は、ゲームに関する情報を記憶する。ゲーム情報は、ゲームの種類に応じて適宜構成される。例えば対戦ゲームである場合は、ステージIDに紐づけて、ステージ名、敵キャラクタ情報等を含んでいればよい。
【0027】
プレイヤ情報記憶部122は、プレイヤに関する情報を記憶する。
図4は、プレイヤ情報の構成例を示す図である。プレイヤ情報には、プレイヤを特定するプレイヤIDに紐づけて、プレイヤ名、所有キャラクタ、キャラクタステイタス値、プレイステージ情報、対象媒体情報等を含むことができる。
【0028】
プレイステージ情報は、設定された複数のステージのうち、プレイヤがこれまでにプレイしたことのあるステージに関する情報であり、プレイ回数、クリア情報等を含むことができる。
【0029】
対象媒体情報は、プレイヤが所有している各種対象媒体の情報が含まれる。対象媒体情報は、プレイヤがゲーム中に利用可能である対象媒体であって、所有する対象媒体の保有状況に関する情報を含み、各対象媒体のIDに対応付けて、対象媒体カテゴリ(例えば、アイテム、ポイント、イベント等とすることができる。)、対象媒体内容、所有数量、所有している期間(入手日時の情報を含んでもよい)などの情報を含むことができる。所有している期間の情報については、対象媒体を所有している期間の情報に限らず、所定の対象媒体の所有数量が所定の数量に達してから、所定の所有数量を下回らない期間の情報、所定の対象媒体の所有数量が所定の数量に達してから所定の数量の当該対象媒体を使用するまでの期間の情報などを含むことができる。
【0030】
プレイヤ情報記憶部122は、その他にも、プレイヤ及びゲームのプレイ状況に関する各種の情報を含むことができる。所有キャラクタ情報にキャラクタが格納されることにより、当該キャラクタをゲーム中で利用可能に設定され、対象媒体情報に対象媒体情報が格納されることにより当該アイテムをゲーム中で利用可能に設定される。
【0031】
リワード情報記憶部123は、所定の要件を満たしたプレイヤに付与されるリワードについての情報を記憶する。
図5は、リワード情報の構成例を示す図である。リワード情報には、対象媒体を特定する対象媒体IDに対応づけて、リワード付与の条件(数量条件、時間条件などを含んでもよい)、付与されるリワードの情報であるリワード情報が含まれうる。
【0032】
リワード情報は、所定の対象媒体の付与、付与する数量の規定情報(所定数の付与、付与数の算定式(対象数に掛け合わせる係数等の情報を含んでよい)、付与の上限値、所有の上限値などの情報を含んでよい)、ゲーム中の対象媒体の出現率やドロップ率の変化割合の規定、取得可能な対象媒体のレアリティの変化規定、対象媒体を利用したときに得られる効果(例えば獲得できるアイテムの数、育成の効果等)の度合いの変化規定、所定のイベントに参加するために必要な対象媒体数(素材数)の数量の変化規定、対象媒体に関わる抽選イベントにおける対象媒体の抽選割合の変化規定などを含んでよいが、これらに限定されない。
【0033】
以上がサーバ装置1の記憶部12の説明である。いかにサーバ装置1の制御部11の説明を記載する。
【0034】
ゲーム実行部111は、ゲームプログラムに従ってゲームを進行させる処理を実行する機能を有している。本実施形態におけるゲームシステムによるゲームは、任意の種類のゲームであってよく、例えば対戦ゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、野球ゲーム、サッカーゲーム、その他スポーツゲーム、クイズゲーム、ピンボールゲーム、カードゲーム、リズムゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、カジノゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、ボードゲーム、レーシングゲーム、シューティングゲーム、位置情報ゲームなどであってよいが、これらに限定されない。
【0035】
画面データ生成部112は、ゲーム画面をプレイヤ端末2に表示させるための画面データを生成する処理を実行する機能を有している。画面データ生成部112は、上記の任意のゲームに関する画面データを生成する。生成された画面データは、プレイヤ端末2に送信されて、出力部24により出力される。また、画面データ生成部112は、画面データを生成したこと(プレイヤが画面を遷移したこと)をサーバ装置1に通知することができる。サーバ装置1への通知(以下、画面遷移通知という。)には、遷移先の画面(起動画面、ホーム画面、クエスト終了画面、アイテムを取得したことを報知する画面など、ゲーム中に表示される任意の画面とすることができる。)を特定する情報を含めることができる。
【0036】
対象媒体情報取得部113は、プレイヤがゲーム中に使用、消費(以下、使用と記す)した対象媒体の情報を取得し、対象媒体情報としてプレイヤ情報記憶部122に記憶する。
【0037】
リワード付与部114は、プレイヤがゲーム中に対象媒体の使用に関する所定の要件を満たした場合に、プレイヤに対してリワードを付与する処理を行う。
【0038】
リワード付与部114は、対象媒体の数の情報をもとに、リワードを付与する。リワード付与部114は、例えば、プレイヤの入力操作の情報を取得し、プレイヤがゲーム中に対象媒体を使用し、所定の対象媒体の残量が所定の数量を下回った場合に、プレイヤに対してリワードを付与する処理を行う。具体的には、リワード付与部114は、例えば、プレイヤがアイテムAを使用して、プレイヤが所有するアイテムAの残量が0になった場合に、プレイヤにリワードを付与する処理を行えばよい。
【0039】
また、リワード付与部114は、例えば、プレイヤの入力操作の情報を取得し、プレイヤがゲーム中に所定の対象媒体を使用した数量が所定に数量となると、リワードを付与する処理を行う。具体的には、リワード付与部114は、例えば、プレイヤがアイテムAを100個使用する操作をした場合に、プレイヤにリワードを付与する処理を行えばよい。
【0040】
また、リワード付与部114は、例えば、プレイヤの入力操作の情報を取得し、プレイヤが所定の対象媒体の所定の所有数量に占める所定の割合の数量を使用した場合に、リワードを付与する処理を行えばよい。具体的には、リワード付与部114は、例えば、アイテムAを100個所有しており、その80%にあたる80個を使用、または消費した場合に、プレイヤにリワードを付与する処理を行えばよい。
【0041】
また、リワード付与部114は、例えば、プレイヤの入力操作の情報を取得し、プレイヤが所定の対象媒体を使用することにより得ることができる所定の状態(例えばキャラクタの強化、体力の回復、ステージクリアなど)になるために必要な数量の対象媒体の使用を行った場合に、リワードを付与する処理を行えばよい。具体的には、リワード付与部114は、例えば、プレイヤが、レベルアップアイテムであるアイテムAを、キャラクタのレベルアップに必要な消費量である100個を消費した場合に、プレイヤにリワードを付与する処理を行えばよい。
【0042】
なお、リワード付与部114は、上述した対象媒体の数量の条件を達成する対象期間を設定してもよい。具体的には、リワード付与部114は、始期日時(特定の日時や、特定の対象媒体を入手した日時、対象媒体の所有数量が所定の数を超えた日時、対象媒体を所有してから使用しない(または所定の使用数を上回らない)期間が所定の時間過ぎた場合などの、プレイヤのゲーム内体験に紐づく日時などを含む)から、終期日時(始期日時から所定の期間内、または終了時間として設定された未来の特定の日時などを含む)までの間に、前段落に記載した対象媒体の使用の数量条件を満たした場合に、プレイヤにリワードを付与すればよい。
【0043】
リワード付与部114がリワードを付与する条件は、対象媒体のそれぞれに設定されてよく、リワード付与部114は、サーバ装置1を用いて事業を行う事業者から、どの対象媒体に対して条件を設定するかを指定する操作を受け付ければよい。
【0044】
また、リワード付与部114がリワードを付与する条件は、一つの対象媒体に対して設定されてもよいし、複数の対象媒体の組み合わせに対して設定されてもよい。具体的には、リワード付与部114は、例えば、アイテムAを10個、アイテムBを5個、消費した場合に、プレイヤにリワードを付与する処理を行えばよい。
【0045】
リワード付与部114は、上述した条件を満たした場合に、プレイヤにリワードを付与する処理を行う。リワード付与部114は、例えば、リワードとして、上述した数量条件の対象となった対象媒体の、プレイヤの所有数量を増やす処理を行えばよい。この場合、リワード付与部114は、対象媒体を所定の数量分付与してもよいし、数量条件となった使用数量に対して所定の係数を掛け合わせた数量を追加値として、追加値分の対象媒体をプレイヤに付与する処理を行ってもよい。
【0046】
また、リワード付与部114は、上述した追加値が小数点以下を含む場合、当該追加値の整数部の数量の対象媒体をプレイヤに付与する処理を行ってもよい。さらに、リワード付与部114は、上述したように追加値の整数部の数量を付与した場合、追加値の小数点以下の情報(残小数点以下数値と記す)をプレイヤ情報記憶部122に記憶しておき、その後の任意の時点でリワード付与部114がリワードを付与するタイミングで算定した追加値に、残小数点以下数値を加算した合計追加値の整数部を付与する処理を行えばよい。この場合も、合計追加値の残小数点以下数値をプレイヤ情報記憶部122に記憶し、その後の任意の時点でリワード付与部114がリワードを付与する際に同様の処理を行えばよい。
【0047】
また、リワード付与部114は、追加値の整数部の数量の対象媒体をプレイヤに付与する場合に、事前に設定された付与数の上限値を越えている場合には、付与数の上限値の対象媒体を付与する処理を行ってもよい。また、リワード付与部114は、追加値の整数部の数量の対象媒体をプレイヤに付与する場合に、事前に設定されたプレイヤが所有する対象媒体の上限値を越えている場合には、当該上限値となるようにプレイヤに対象媒体を付与する処理を行えばよい。
【0048】
また、リワード付与部114は、追加値に紐づくリワードをプレイヤに付与する処理を行ってもよい。リワード付与部114は、例えば、追加値に対してゲーム中の対象媒体の出現率やドロップ率の変化割合の規定の情報をもとに、プレイヤに対する当該出現率やドロップ率を変更する処理を行えばよい。
【0049】
また、リワード付与部114は、追加値に紐づく取得可能な対象媒体のレアリティの変化規定の情報をもとに、プレイヤが取得可能な対象媒体のレアリティを変更する処理を行えばよい。
【0050】
また、リワード付与部114は、追加値に紐づく、対象媒体を使用したときに得られる効果(例えば獲得できるアイテムの数、育成の効果等)の度合いの変化規定の情報をもとに、プレイヤが対象媒体を使用したときに得られる効果を変更する処理を行えばよい。
【0051】
また、リワード付与部114は、追加値に紐づく、所定のイベントに参加するために必要な対象媒体数(素材数)の数量の変化規定の情報をもとに、プレイヤが所定のイベントに参加するために必要な対象媒体数(素材数)の数量を変更する処理を行えばよい。
【0052】
また、リワード付与部114は、追加値に紐づく、対象媒体に関わる抽選イベントにおける対象媒体の抽選割合の変化規定の情報をもとに、対象媒体に関わる抽選イベントにおける対象媒体の抽選割合を変更する処理を行えばよい。
【0053】
また、リワード付与部114がリワードを付与する対象は、対象媒体を使用したプレイヤであってもよいし、当該プレイヤが指定する他のプレイヤであってもよいし、当該プレイヤが所属するゲーム内のグループに対して(この場合、当該グループの所有となる場合と、当該グループに所属する他のプレイヤに付与される場合のどちらでもよい)であってもよく、ランダムに選択され、またはあるミッションのランキング上位となった、同ゲームの他のプレイヤであってもよいが、これらに限定されない。
【0054】
また、リワード付与部114は、異なる対象媒体ごとに算定した追加値を合算してもよく、合算した合算追加値をもとに、上述したようにプレイヤにリワードを付与してもよい。この場合、リワード付与部114は、合算する追加値ごとに事前に設定されたレートを掛け、それぞれの追加値に重みづけをした状態で合算してもよい。
【0055】
<基本動作フロー>
図6は、ゲームシステムの動作概要を説明する図の例示である。
【0056】
サーバ装置1は、ゲームを実行する(1001)。サーバ装置1は対象媒体情報を参照する(1002)。サーバ装置1は、対象媒体の状態が条件を満たすか否かを判定し、条件を満たす場合(1003:YES)、追加値を算定する(1004)。サーバ装置1は、過去に記憶した追加値の小数点以下の値がある場合(1005:YES)、1004で算定した追加値に、当該小数点以下の値を加算し、合計追加値とする(1006)。サーバ装置1は、1004で算定した追加値、または1006で合計した合計追加値に小数点以下の値がある場合(1007:YES)、それぞれの小数点以下の値を記憶する(1008)。サーバ装置1は、1004で算定した追加値、または1006で合計した合計追加値の整数部の値をもとにリワードを付与する(1009)。
【0057】
以上のようにして、本実施形態のゲームシステムによれば、所定の対象媒体を使用しないプレイヤに対して、使用を促進する動機づけをすることができる。対象媒体を使うことでゲームをより楽しめるので、プレイヤがゲームから離脱することを防止することができる。
【0058】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【0059】
例えば、
図6の処理は、本実施形態のゲームシステムによる処理の一例を示したものであり、本願発明を限定する意図ではない。
図6の処理に含まれる各工程は、図中に示される順序と異なる順序で実行するようにしてもよいし、一部の処理を並列に実行するようにしてもよいし、一部の工程を省略するようにしてもよいし、他の工程を追加してもよい。
【0060】
また、サーバ装置1及びプレイヤ端末2が備えるソフトウェア機能部の処理について、本発明の趣旨を実現できる範囲で、サーバ装置1の一部若しくはすべての機能をプレイヤ端末2が備えてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 サーバ装置
2 プレイヤ端末
3 ネットワーク
【要約】
【課題】プレイヤに対象媒体の使用を動機づけること。
【解決手段】ゲーム内で消費される対象媒体の所有数量または所有期間の少なくともいずれかを記憶する保存処理を実行する保存処理部と、前記所有数量または所有期間の少なくともいずれかが、前記対象媒体に設定された所定の条件を満たす場合に、前記対象媒体に関するリワードを付与する付与処理を実行する付与処理部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1