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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】プログラム、制御方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
G06F3/12 337
G06F3/12 304
G06F3/12 385
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2024027865
(22)【出願日】2024-02-27
(62)【分割の表示】P 2020092545の分割
【原出願日】2020-05-27
【審査請求日】2024-02-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森屋 崇
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-112164(JP,A)
【文献】特表2015-524104(JP,A)
【文献】特開平9-16066(JP,A)
【文献】特開2002-91292(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0309648(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108597283(CN,A)
【文献】特開2018-037832(JP,A)
【文献】特開2008-080652(JP,A)
【文献】特開2009-059329(JP,A)
【文献】特開2015-194525(JP,A)
【文献】特開2015-058588(JP,A)
【文献】特開2013-239046(JP,A)
【文献】特開2011-056918(JP,A)
【文献】特開2011-076402(JP,A)
【文献】特開2014-237292(JP,A)
【文献】特開2019-069526(JP,A)
【文献】特開2019-040339(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0314968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
G06F 3/048
G06Q 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピューターに制御方法を実行させるプログラムであって、
前記制御方法は、
割り当て済みを示す第一項目と、提出済みを示す第二項目と、採点済みを示す第三項目とを含む項目選択画面を前記情報処理装置の表示部に表示させる制御を行う第一表示制御工程と、
前記項目選択画面で選択された項目に対応するファイルであって、教師と生徒とでファイルを共有するクラウドサービスが管理するファイルの中から印刷するファイルを選択するファイル選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う第二表示制御工程と、
前記ファイル選択画面で選択されたファイルをプリンタに印刷させる印刷指示を受け付ける印刷ボタンを含む印刷指示画面を、前記ファイル選択画面に対するユーザ操作に応じて前記ファイル選択画面から切り替えて前記表示部に表示させる制御を行う第三表示制御工程と、
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記制御方法は、前記クラウドサービスにログインするためのログイン画面を前記表示部に表示させる制御を行う第四表示制御工程をさらに有し、
前記ファイル選択画面は、前記クラウドサービスにログインしたユーザに応じた画面であることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御方法は、前記クラウドサービスにアクセスすることで、ユーザが所属するクラスを選択するクラス選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う第五表示制御工程をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記クラス選択画面で選択したクラスに応じた前記ファイル選択画面が表示されることを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記印刷指示画面でユーザから印刷設定の変更を受け付けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記制御方法は、前記クラウドサービスを含む複数のサービスから実行するサービスを選択するサービス選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う第六表示制御工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記制御方法は、複数のファイルを一括で印刷する印刷ボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記制御方法は、前記クラウドサービスにアクセスすることで、ユーザがクラスを選択するクラス選択画面を表示し、前記クラス選択画面でクラスが選択された場合、ファイルの属性によって対象ファイルを絞り込む前記項目選択画面を表示し、前記項目選択画面で選択された属性のファイルを一覧表示し、一覧表示されたファイルから選択されたファイルの印刷指示を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記ファイルの属性とは、割り当て済み、提出済み、採点済みをそれぞれ示すステータス情報であることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第一項目が選択された場合、割り当て済みのステータスであるファイルの中から印刷するファイルを選択する前記ファイル選択画面が表示され、当該ファイル選択画面には、ユーザが選択したクラスとステータスの情報が表示されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記クラウドサービスから情報を取得することで、前記第二表示制御工程では前記ファイル選択画面を前記表示部に表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記項目選択画面で選択された項目に対応するステータスのファイルが前記ファイル選択画面に表示されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記印刷指示画面には前記ファイル選択画面で選択されたファイルに関する情報と印刷設定が表示されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記ファイル選択画面に含まれる1つの表示アイテムがユーザ操作で選択されたことに応じて、第三表示制御工程では前記ファイル選択画面から前記印刷指示画面に切り替えて表示を行うことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記印刷ボタンが選択されたことに応じて印刷指示が送信され、前記プリンタは当該印刷指示に基づいて印刷を実行することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項16】
情報処理装置が実行する制御方法であって、
割り当て済みを示す第一項目と、提出済みを示す第二項目と、採点済みを示す第三項目とを含む項目選択画面を前記情報処理装置の表示部に表示させる制御を行う第一表示制御工程と、
前記項目選択画面で選択された項目に対応するファイルであって、教師と生徒とでファイルを共有するクラウドサービスが管理するファイルの中から印刷するファイルを選択するファイル選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う第二表示制御工程と、
前記ファイル選択画面で選択されたファイルをプリンタに印刷させる印刷指示を受け付ける印刷ボタンを含む印刷指示画面を、前記ファイル選択画面に対するユーザ操作に応じて前記ファイル選択画面から切り替えて前記表示部に表示させる制御を行う第三表示制御工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項17】
情報処理装置であって、
割り当て済みを示す第一項目と、提出済みを示す第二項目と、採点済みを示す第三項目とを含む項目選択画面を前記情報処理装置の表示部に表示させる制御を行う第一表示制御手段と、
前記項目選択画面で選択された項目に対応するファイルであって、教師と生徒とでファイルを共有するクラウドサービスが管理するファイルの中から印刷するファイルを選択するファイル選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う第二表示制御手段と、
前記ファイル選択画面で選択されたファイルをプリンタに印刷させる印刷指示を受け付ける印刷ボタンを含む印刷指示画面を、前記ファイル選択画面に対するユーザ操作に応じて前記ファイル選択画面から切り替えて前記表示部に表示させる制御を行う第三表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項18】
前記クラウドサービスにログインするためのログイン画面を前記表示部に表示させる制御を行う第四表示制御手段をさらに有し、
前記ファイル選択画面は、前記クラウドサービスにログインしたユーザに応じた画面であることを特徴とする請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記クラウドサービスにアクセスすることで、ユーザが所属するクラスを選択するクラス選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う第五表示制御手段をさらに有することを特徴とする請求項17または18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記クラス選択画面で選択したクラスに応じた前記ファイル選択画面が表示されることを特徴とする請求項19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記印刷指示画面でユーザから印刷設定の変更を受け付けることを特徴とする請求項17乃至20のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記クラウドサービスを含む複数のサービスから実行するサービスを選択するサービス選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う第六表示制御手段をさらに有することを特徴とする請求項17乃至21のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項23】
複数のファイルを一括で印刷する印刷ボタンを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項17乃至22のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記クラウドサービスにアクセスすることで、ユーザがクラスを選択するクラス選択画面を表示し、前記クラス選択画面でクラスが選択された場合、ファイルの属性によって対象ファイルを絞り込む前記項目選択画面を表示し、前記項目選択画面で選択された属性のファイルを一覧表示し、一覧表示されたファイルから選択されたファイルの印刷指示を行うことを特徴とする請求項17乃至23のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項25】
前記ファイルの属性とは、割り当て済み、提出済み、採点済みをそれぞれ示すステータス情報であることを特徴とする請求項24に記載の情報処理装置。
【請求項26】
前記第一項目が選択された場合、割り当て済みのステータスであるファイルの中から印刷するファイルを選択する前記ファイル選択画面が表示され、当該ファイル選択画面には、ユーザが選択したクラスとステータスの情報が表示されることを特徴とする請求項17乃至25のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項27】
前記クラウドサービスから情報を取得することで、前記第二表示制御手段は前記ファイル選択画面を前記表示部に表示させる制御を行うことを特徴とする請求項17乃至26のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項28】
前記項目選択画面で選択された項目に対応するステータスのファイルが前記ファイル選択画面に表示されることを特徴とする請求項17乃至27のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項29】
前記印刷指示画面には前記ファイル選択画面で選択されたファイルに関する情報と印刷設定が表示されることを特徴とする請求項17乃至28のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項30】
前記ファイル選択画面に含まれる1つの表示アイテムがユーザ操作で選択されたことに応じて、第三表示制御手段は前記ファイル選択画面から前記印刷指示画面に切り替えて表示を行うことを特徴とする請求項17乃至29のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項31】
前記印刷ボタンが選択されたことに応じて印刷指示が送信され、前記プリンタは当該印刷指示に基づいて印刷を実行することを特徴とする請求項17乃至30のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークからファイルを取得して印刷するプログラム、制御方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
教育分野において、Learning Management System(以降LMS)は、Web上で利用できる学習支援システムであることが知られている。一般的に、学校の教師がオンライン上で出題した宿題に対して、生徒が提出物を作成し、教師が採点することが可能である場合が多い(非特許文献1)。また、LMSでは、他のWeb上のストレージ・サービスと連携して、インターネット上に共有ファイルを生成し、ネットワーク経由で宿題や提出物をファイル交換することができる(非特許文献2)。
【0003】
学校のクラス環境において、教師(特権ユーザ)は、宿題をクラスの共有ファイルとして生成することができる。生徒(一般ユーザ)は、自分の所属するクラスの教師から自らのネットワーク・ストレージにファイル共有あるいはコピーしてもらう。教師が宿題を出題した時に宿題ファイルを生成し、生徒が参照できるように宿題ファイルをコピーするLMSの制御方法が知られている(特許文献1)。このように、インターネット上のストレージ・サービスで保管されている共有ファイルに対する権限設定を教師と生徒のユーザ種類によって変えることが望ましい。宿題にユーザの種類に従ったアクセス権限設定を付加することで、教師が意図していないユーザが勝手にアクセスできないようにしてセキュリティを確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2015/0118672号
【非特許文献】
【0005】
【文献】Google Classroom (商標)[online]、[2020年4月17日検索]、インターネットURL: http://edu.google.com/intl/products/classroom/
【文献】Google Drive (商標)[online]、[2020年4月17日検索]、インターネットURL: https://www.google.com/drive/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、LMSに出題された宿題や、生徒の提出物を取得して印刷するシステムにおいて、ユーザのアカウント種類(教師や生徒など)に応じて、一括印刷の対象となる共有ファイル群は異なる。そのような場合でも、所望するファイル群をより簡易な操作によって印刷するための技術が望まれる。
【0007】
本発明は、所望するファイル群をより簡易な操作によって印刷するプログラム、制御方法、情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、情報処理装置のコンピューターに制御方法を実行させるプログラムであって、前記制御方法は、割り当て済みを示す第一項目と、提出済みを示す第二項目と、採点済みを示す第三項目とを含む項目選択画面を前記情報処理装置の表示部に表示させる制御を行う第一表示制御工程と、前記項目選択画面で選択された項目に対応するファイルであって、教師と生徒とでファイルを共有するクラウドサービスが管理するファイルの中から印刷するファイルを選択するファイル選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う第二表示制御工程と、前記ファイル選択画面で選択されたファイルをプリンタに印刷させる印刷指示を受け付ける印刷ボタンを含む印刷指示画面を、前記ファイル選択画面に対するユーザ操作に応じて前記ファイル選択画面から切り替えて前記表示部に表示させる制御を行う第三表示制御工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所望するファイル群をより簡易な操作によって印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】印刷システムの構成を示す図である。
図2】プリンタの構成を示す図である
図3】複数サービス間のユーザ認証の処理を示すフローチャートである。
図4】アカウント種類の判定処理を示すフローチャートである。
図5】サービス選択画面を示す図である。
図6】ユーザ認証画面を示す図である。
図7】クラス選択画面を示す図である。
図8】教師の宿題選択画面を示す図である。
図9】宿題の状態選択画面を示す図である。
図10】教師のユーザ選択画面を示す図である。
図11】生徒の宿題選択画面を示す図である。
図12】印刷設定画面を示す図である。
図13】印刷実行までの処理を示すフローチャートである。
図14】複数サーバ間の通信シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には、複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられても良い。さらに添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
図1は、本実施形態における、LMS(Learning Management System)からネットワークを介して印刷を行うためのシステム構成の一例を示す図である。図1の印刷システムを利用するユーザは、家庭や学校の教室にあるプリンタ105からインターネット104を経由してネットワーク上のファイルを取得して印刷を行う。Webサービスの一形態であるLMSサービスは、インターネット104から利用することが可能である。
【0013】
LMSサービスは、LMSサーバ101で実行されるプログラムである。LMSサーバ101は、eラーニングシステムを実現する中核的なサーバであり、例えば、共有ファイルを含む学習教材や各クラスの構成情報を統合的に管理する。LMSサーバ101は、必要なユーザを登録して利用できるようにするために、ユーザ・アカウント管理サービス、ユーザ認証サービスを有する。登録されたユーザ情報は、LMSサーバ101に保存される。LMSサービスは、クラスで生成された共有ファイルを保存するためのストレージ・サービスと連携して機能を実現する。共有ファイルとは、教師と生徒との間で共有可能なファイルであり、例えば、教師から生徒へ出題された「宿題」などを含む。
【0014】
ストレージ・サービスは、ストレージ・サーバ102で実行されるプログラムである。ストレージ・サーバ102には、ユーザ操作によってLMSサーバ101で生成されたクラスの成果物である宿題ファイルや提出物に関する情報がネットワーク・ストレージに登録される。教師が生成または生徒が編集してネットワーク・ストレージに保存されたファイルそのものが印刷対象ファイルとなる。印刷可能なファイル形式としては、例えば、ドキュメントファイル(Word(商標)、PDF等)、スライドファイル(PowerPoint(商標)等)、画像ファイル、テキストファイルがあり、そのファイル形式は限定されるものではない。
【0015】
なお、LMSサービスとストレージ・サービスのユーザ認証は、LMSサービスが一括して管理しても良いし、サービスごとに個別に管理しても良い。ユーザが利用する個々のLMSや共有ファイルに関するサービス機能に対して充分なユーザ認証・認可が、プリンタ105、またはクライアント装置106のデバイスの画面操作を介して実行されるのであれば、各サービスのセキュリティ管理の形態は限られない。
【0016】
クラウド管理サーバ103は、LMSサーバ101、ストレージ・サーバ102に対して、プリンタ105やクライアント装置106との通信を仲介し、クラウド管理サービスとしてのLMS印刷サービスを提供する。LMS印刷サービスは、クラウド管理サーバ103で実行されるプログラムである。クラウド管理サーバ103によって、プリンタ105は、LMSサーバ101、ストレージ・サーバ102と直接通信することなく、クラウド管理サーバ103を介してインターネット104経由で外部サービスと通信することができる。
【0017】
プリンタ105、クライアント装置106は、例えばアクセスポイントによってインターネット104に接続されている。プリンタ105、クライアント装置106は、Webブラウザを搭載しており、クラウド管理サーバ103が搭載するWebサービスをブラウザ画面に表示することで、ユーザに対してLMS印刷サービスを提供することができる。クライアント装置106は、例えばPCや携帯端末であり、それらの装置に代表されるような一般的な情報処理装置の構成を有する。
【0018】
図2は、プリンタ105の構成の一例を示す図である。図2のプリンタ105は、例えば複合機(MultiFunctional Printer)であり、プリンタ装置とスキャナ装置を含む。本実施形態では、少なくともプリンタ装置を含んでいれば良く、他の機能を実現する装置としてファクシミリ装置を含んでも良いし、プリンタ105が単機能としてのプリンタであっても良い。
【0019】
プリンタ105の各部は、電気基板(コントローラ)201に配置されたバス205を介して相互に接続されており、電気基板201は、プリンタ105を統括的に制御する。プリンタ105は、中央演算装置であるCPU202によって制御され、例えば、本実施形態におけるプリンタ105の動作は、例えば、ROM204に記憶されたプログラムがRAM203に展開されて実行されることにより実現される。プログラムには、印刷を制御するためのアプリケーションや、外部サーバにアクセスするための制御プログラムなどが含まれる。
【0020】
プリンタ105は、例えば、外部から印刷データを受信し、また、スキャンした画像データを外部に送信するために、ネットワーク・インタフェース(I/F)210、USB・インターフェース209を有する。ネットワーク・インタフェース210は、例えば、有線LAN及び無線LAN等、ネットワーク媒体に対応する構成を有し、電気基板201をネットワーク・インターフェース210を介してインターネット104に接続させることが可能である。電気基板201は、電源基板211と接続されており、外部からプリンタ105への電源供給を行う。
【0021】
電気基板201とプリンタ部212とは、エンジン・インタフェース206で接続されている。プリンタ部212は、インクジェット記録方式や電子写真方式などの記録方式に対応した構成を有し、印刷用紙などの記録媒体に画像の記録を行う。電気基板201とスキャナ部213とは、スキャナ・インタフェース207で接続されている。電気基板201とUI(ユーザ・インタフェース)部214とは、操作部インタフェース208で接続されている。UI部214は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を含んで構成される。UI部214でユーザ操作を受け付ける構成としては、タッチパネルでも良いし、LCDから独立したボタン操作方式でも良い。また、UI部214は、プリンタ装置やスキャナ装置の動作状態、エラー状態や各種設定状態を示すためにLEDを搭載しても良い。
【0022】
本実施形態では、プリンタ105を図1の印刷システムを利用するユーザの端末として説明する。しかしながら、記録媒体に記録する動作以外に関して、本実施形態におけるプリンタ105の動作をクライアント装置106に適用しても良い。
【0023】
以下、図3図7を参照しながら、印刷システムを利用する教師・生徒で共通に行われる画面表示制御について説明する。
【0024】
図3は、複数のサービスでの連携動作を可能とするためのユーザ認証・認可の処理を示すフローチャートである。図3の処理は、LMSサービスとクラウド管理サービスの双方のWebサービスが連携して印刷機能を実現する際に、最初にユーザ認証・認可を行う処理の一例である。クラウド管理サービスには、フォト印刷サービス、SNS印刷サービス等、種種のサービスが含まれるが、以下、LMS印刷サービスとして説明する。図3の処理は、プリンタ105、クラウド管理サーバ103、LMSサーバ101の間で行われる。
【0025】
クラウド管理サーバ103は、予め、LMSサービスに対してサービス間の利用登録をする。LMSサービスに対してLMS印刷サービスを登録することで、LMSサービスとLMS印刷サービスとが連携することができる。
【0026】
プリンタ105のUI部214上でのユーザ操作によりLMS印刷サービスが起動すると、S301において、プリンタ105は、インターネット104経由でLMSサービスのログイン認証画面を受信し、UI部214に表示する。S302において、プリンタ105は、ログイン認証画面上でユーザ・アカウントの入力を受け付ける。
【0027】
S303において、入力されたアカウントに対して、LMSサービスのユーザ認証・認可が行われる。ユーザ認可・認証のために、クラウド管理サーバ103からプリンタ105あるいはクライアント装置105に対して、LMSサービスのログイン認証画面へのリダイレクトが行われる。ここでは、例えばOAuth認証が用いられる。OAuth認証において、クラウド管理サーバ103は、クライアントの役割として動作し、LMSサーバー101は、リソースサーバの役割として動作する。S303では、プリンタ105あるいはクライアント装置106にログインしているユーザがLMSサービスに予め登録済みであり詐称していないことがユーザ認証により確認される。また、S303では、LMS印刷サービスが、ログインしたユーザの権限に従った範囲内で、LMSサービスが提供する機能を利用するために、事前のユーザ認可の取得が行われる。
【0028】
LMS印刷サービスは、利用するLMSサービス及びストレージ・サービスで使う機能について、LMSサーバ101及びストレージ・サーバ102から認可を得る。例えば、プリンタ105のUI部214でのユーザに対する画面表示により、各機能の許可・拒否のユーザ確認(ユーザ認可)が行われる。ユーザ認可の際、クラウド管理サーバ103からLMSサービスに対して、利用したいユーザのアクセス権限の範囲が予め指定される。アクセス権限の範囲として、例えば、クラス情報、自分の宿題、クラス名簿、プロフィール・アイコン、ストレージ・サーバ102の共有ファイル等が指定される。
【0029】
LMSサービスは、LMS印刷サービスに対して、ユーザ単位で認可済の項目を管理する。ユーザ認証を一旦実施済みの状態で、アクセス権限外の項目を実施した場合は、その項目を許可させるための認可画面がプリンタ105のUI部214に表示される。いずれの場合でも、クラウド管理サーバ103は、必要に応じて、プリンタ105あるいはクライアント装置106に対して、LMSサービスの認可画面へのリダイレクトを行う。ユーザは、表示された認可画面に従って、許可あるいは拒否の選択をする。なお、プリンタ105で対応していないLMSサービスの認証形式に遭遇した場合は、プリンタ105のUI部214にQRコードを表示して、例えば、スマートフォンのブラウザ上で認証を実施しても良い。
【0030】
ユーザ認証が実行され、ユーザ認可で許可された場合のみ、後段の処理に進む。拒否された場合には、図3の処理を終了するか、拒否した範囲の機能のみが使えなくなるようサービスが制限される。即ち、LMS印刷サービスは、認可された範囲内で動作する。また、UI部214を介してユーザに要求した認可が全て得られなければ、図3の処理を終了するようにしても良い。なお、S303では、ストレージ・サービスを利用するためのユーザ認証・認可も行われる。本実施形態では、LMSサービスがストレージ・サービスのユーザ認証・認可を一括して管理する。なお、LMSサービスを利用するためのユーザ認証・認可と、ストレージ・サービスを利用するためのユーザ認証・認可は、個別に実施されるようにしても良い。
【0031】
S303でLMSサービスを利用するためのユーザ認証・認可が完了すると、S304において、クラウド管理サーバ103は、アクセストークンを取得する。クラウド管理サーバ103は、取得したアクセストークンを用いることで、その後のLMSサーバ101、ストレージ・サーバ102との間で連携したサービスを利用することができる。
【0032】
図4は、印刷システムにおいて、ユーザが所属するクラスに応じたLMSサービスのユーザ・アカウント種別を判定するための処理の一例を示すフローチャートである。例えば、ユーザが複数のクラスに登録されている場合、クラスによって教師・生徒のアカウント種類(種別)が切り替わる可能性がある。そのため、本実施形態では、プリンタ105で印刷を実行する際には、LMS印刷サービスのユーザのアカウント種類が「教師」であるか、「生徒」であるかが判定される。
【0033】
まず、S401において、クラウド管理サーバ103は、LMSサーバ101から登録済クラス・リストを取得する。ここでは、ログインしているユーザ・アカウントに設定されているアクセス権限に基づいて、許可されているクラスのリストのみが取得される。例えば数学、国語、科学の3つのクラスのみに出席している生徒であれば、それらのクラスの情報が取得される。なお、特定のクラス(例えば英語クラス)について、セキュリティのため共有ファイルの閲覧が許可されていない場合もあり得る。
【0034】
登録済クラス・リストには、各クラスの構成要素となる情報が含まれている。各クラスの構成要素となる情報とは、例えば、クラス名、教師名、生徒名、共有ファイル及びそれらの属性情報である。共有ファイルの属性情報には、「出題」、「提出済」、「採点済」などのステータス情報、共有ファイルを取得するためのURL情報、提出期限などが含まれる。
【0035】
登録済クラス・リストを取得した後、S402において、クラウド管理サーバ103は、プリンタ105のUI部214にクラス選択画面を表示させる。クラス選択画面上では、取得した登録済クラス・リストに従って、印刷対象となるクラスの選択を受け付ける。
【0036】
S403において、クラウド管理サーバ103は、登録済クラス・リストに含まれる登録済教師リストや登録済生徒リストに基づいて、ログインしたユーザのアカウント種類が「教師」であるか、「生徒」であるかを判定する。ここで、LMSサービスによっては、登録済クラス・リストに、登録済教師リストや登録済生徒リストがない場合があり得る。そのような場合、それらのリストを改めてLMSサーバ101から取得することによって、ログインしたユーザのアカウント種類の判定が行われても良い。または、クラウド管理サーバ103もしくはプリンタ105が、ログインしたユーザのアカウント種類の情報を保有している場合は、その情報を用いるようにしても良い。
【0037】
図5図11は、プリンタ105のUI部214、またはクライアント装置106の表示部の画面で表示されるユーザ操作画面の一例を示す図である。図5図6図7図9は、教師・生徒に対して共通に表示される、印刷対象ファイルを絞り込んで決定するための画面である。図8図10は、教師に対して表示される画面であり、図11は、生徒に対して表示される画面である。また、図12は、印刷設定画面である。プリンタ105及びクライアント装置106の各デバイス内蔵のWebブラウザは、クラウド管理サーバ103から送信される画面コンテンツに基づいて、上記の各画面を表示する。
【0038】
図5は、LMS印刷サービスのサービス選択画面の一例を示す図である。項目501~504は、各サービスの起動指示を受け付けるためのボタンであり、図5は、LMS印刷サービスを表す項目501が選択されたことを示している。図5図12において、選択等のユーザ操作を受け付けるためのUI表示としてボタン表示が示されているが、他の形式のUI表示が用いられても良い。LMS印刷サービスを起動するための項目501が選択されると、LMS印刷サービスが実行される。図5の「次へ」ボタンが押下された後、図6の画面が表示される。
【0039】
図6は、LMSサービスのユーザ認証画面の一例を示す図である。LMSサービスに予め登録しているログイン(ユーザ)名、パスワードが領域601、領域602に入力されると、ユーザ認証が行われ、LMSサービスへのログインが行われる。図6の画面の表示、ログイン名及びパスワードの入力に関する処理は、図3のS301~S303に対応する。図6の「次へ」ボタンが押下された後、図7の画面が表示される。
【0040】
図7は、LMS印刷サービスのクラス選択画面の一例を示す図である。図7の画面の表示は、図4のS402に対応する。図7は、ログインしたユーザのアカウントおよび登録済クラス・リストに基づいて、数学クラスを表す項目701、英語クラスを表す項目702、科学クラスを表す項目703が表示された例を示している。ユーザは、図7の画面上で、印刷対象ファイルに関係するクラスを選択することができる。図7は、英語クラスを表す項目702が選択されたことを示している。
【0041】
図7の画面が表示される直前で毎回、図4のS401の登録済クラス・リストを取得しても良いし、過去に同じリストを既に取得済みである場合は、クラウド管理サーバ103で記憶しておくようにし、そのリストを用いて図7の画面を表示するようにしても良い。図7の項目704は、ユーザが所属する全てのクラスのリストの印刷指示を受け付けるボタンである。図7の「次へ」ボタンが押下された後、図4のS403のアカウント種類の判定が行われる。
【0042】
図8は、ログインしたユーザのアカウント種類が「教師」である場合に表示される宿題選択画面の一例を示す図である。図8は、教師が担当する英語クラスにおいて、宿題を表す項目801~804をその教師自身が出題済みである例を示している。
【0043】
図8は、宿題2を示す項目801が選択されたことを示している。選択された項目801は、そのアイコンがフォルダ表示されている。これは、クラスには、所属する複数の生徒が登録されているために、図8の画面の表示時点ではまだ、生徒への絞り込みが行われておらず、複数の生徒についての印刷対象ファイルが絞り込みの対象として存在するからである。図8の「次へ」ボタンが押下された後、図9の画面が表示される。
【0044】
図9は、共有ファイルの属性情報によって印刷対象ファイルを絞り込むための状態選択画面の一例を示す図である。共有ファイルの属性情報には、「割り当て済み」、「提出済み」、「採点済み」などのステータス情報、共有ファイルを取得するためのURL情報、提出期限が設定されている。図9は、属性情報「割り当て済み」を表す項目901、属性情報「提出済み」を表す項目902、属性情報「採点済み」を表す項目903が表示されていることを示しており、項目903が選択されていることを示している。図9では、一例としてステータス情報の例を示しているが、他の属性情報を選択項目として表示しても良い。
【0045】
このように、本実施形態では、ユーザが画面操作フローの最初に図7の画面でクラスの選択を行うよう、画面の表示制御が行われる。なお、ログインしたユーザのアカウント種類が「生徒」である場合、複数のクラスに出席することを前提に、図4のS401で登録済クラス・リストを取得した後、図7のクラス選択画面に「スキップ」ボタンを設けても良い。これは、例えば、生徒が複数のクラスに出席しているケースにおいて効果がある。その場合、図9の画面上で、共有ファイルの属性情報(ステータス情報や提出期限等)のみを用いて、そのユーザの参加する全クラスから、印刷対象ファイルの絞り込みを実行するようにしても良い。図9の「次へ」ボタンが押下された後、アカウント種類に応じて、図10もしくは図11の画面が表示される。
【0046】
図10は、ログインしたユーザのアカウント種類が「教師」である場合に表示されるユーザ選択画面の一例を示す図である。図10に示すように、これまでのユーザの画面操作フローに従って、属性情報「採点済み」で印刷対象ファイルを絞り込んだことに基づいて、テキスト表示1001で「英語クラス/採点済み」が選択済みであることが表示されている。さらに、図10の画面では、選択肢として、すべての生徒について一括で印刷する指示を受け付ける項目1002、個別の生徒についての共有ファイルを一括印刷する指示を受け付ける項目1003、1004、1005が表示される。このように、本実施形態によれば、教師であるユーザに対して、すべての生徒について一括で印刷するか、個別の生徒についての共有ファイルを一括印刷するかを選択させることができる。
【0047】
また、各一括印刷するボタンとともに、対象となるファイル数を表示するようにしても良い。そのような構成により、例えば、該当クラスに登録された生徒数が多く、個別の生徒についてのボタンの表示が一画面内に収まらない場合にも、一括印刷の対象となるファイル数をユーザに容易に認識させることができる。また、各一括印刷するボタンに対応するファイル数をユーザに容易に認識させることができる。また、プリンタ105で印刷できないファイル種別を事前に取得しておき、印刷対象ファイルの拡張子に基づいて印刷可否を判定し、一括印刷の対象となるファイル数のカウントから除外した数を表示しても良い。図10の「次へ」ボタンが押下された後、図12の画面が表示される。
【0048】
図11は、ログインしたユーザのアカウント種類が「生徒」である場合に表示される宿題ファイル選択画面の一例を示す図である。図11に示すように、これまでのユーザの画面操作フローに従って、属性情報「割り当て済み」で印刷対象ファイルを絞り込んだことに基づいて、テキスト表示1101で「英語クラス/割り当て済み」が選択済みであることが表示されている。さらに、図11の画面では、選択肢として、一括ですべての宿題について印刷する指示を受け付ける項目1102、個別の宿題についての共有ファイルを印刷する指示を受け付ける項目1103、1104、1105が表示される。このように、本実施形態によれば、生徒であるユーザに対して、すべての宿題について一括で印刷するか、個別の宿題についての共有ファイルを一括印刷するかを選択させることができる。また、各一括印刷するボタンとともに、対象となるファイル数を表示するようにしても良い。そのような構成により、宿題数が多く、個別の宿題についてのボタンの表示が一画面内に収まらない場合にも、一括印刷の対象となるファイル数をユーザに容易に認識させることができる。また、各一括印刷するボタンに対応するファイル数をユーザに容易に認識させることができる。また、プリンタ105で印刷できないファイル種別を事前に取得しておき、印刷対象ファイルの拡張子に基づいて印刷可否を判定し、一括印刷の対象となるファイル数のカウントから除外した数を表示しても良い。図11の「次へ」ボタンが押下された後、図12の画面が表示される。
【0049】
図12は、印刷設定画面の一例を示す図である。図12は、ログインしたユーザのアカウント種類が「生徒」であり、事前のユーザの画面操作フローに従って、「英語クラス/割り当て済み/宿題1」で印刷対象ファイルの絞り込みが行われた場合に表示される印刷設定画面の例を示している。テキスト表示1201では、「英語クラス/割り当て済み/宿題1」で印刷対象ファイルの絞り込みが行われたことが示されている。
【0050】
図12の画面上では、部数1201、用紙サイズ1203、用紙種類1204について表示されており、ユーザは設定変更可能である。印刷ボタン1205が押下されると、画面上の設定内容が反映された印刷設定パラメータおよび印刷データがクラウド管理サーバ103からプリンタ105に送信される。ユーザが設定変更可能な項目は、上記に限られず、他の項目であっても良い。
【0051】
本実施形態では、ユーザにより絞り込まれた条件に含まれる共有ファイルを一括印刷するため、共有ファイルのファイル・フォーマットが複数の種類に及ぶことがある。例えばスライド形式のファイルや、ドキュメント形式のファイルである。そのため、ファイル・フォーマットの数を事前に取得してユーザ操作を介することなく自動的にカウントし、複数の印刷設定を設定可能としても良い。例えば、図12の印刷設定画面をファイル・フォーマット数と同じ回数分表示して設定するようにしても良い。その場合、印刷設定画面上に拡張子やフォーマット名称を表示することでユーザが認識可能としても良い。
【0052】
また、クラウド管理サーバ103において、印刷データ処理を実行できないフォーマットが含まれる共有ファイルを、拡張子に基づいて判定し、印刷データ処理からスキップするようにしても良い。その場合、印刷可能なすべてのファイルを印刷完了後に、非サポートのため印刷不可となったファイルについてプリンタ105のUI部214にエラー表示するようにしても良い。
【0053】
また、印刷データ処理ができないフォーマットが含まれる場合、クラウド管理サーバ103は、印刷データ処理を実行可能な他のサーバに印刷データ処理を依頼するようにしても良い。例えば、クラウド管理サーバ103は、印刷データ処理を実行可能な他のサーバにフォーマット変換要求を送信し、プリンタ105が解釈可能なファイル・フォーマット形式(例えばJPEG、PDF形式)にフォーマット変換された共有ファイルをプリンタ105に送信する。
【0054】
図13は、本実施形態の印刷システムにおける印刷実行までの処理を示すフローチャートである。図13の処理は、例えば、CPU202がROM204に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することにより実現される。本実施形態では、ユーザは、プリンタ105またはクライアント装置106の操作画面上の操作によって、印刷対象ファイルを絞り込むための選択と(図7図11)、印刷設定を行い(図12)、印刷を実行する。図13の処理を開始する時点では、図5及び図6の画面に係る処理は完了している。
【0055】
S1301において、CPU202は、図7のクラス選択画面をUI部214に表示し、印刷対象となるクラスの選択を受け付ける。S1302において、CPU202は、図4の処理に基づいて、選択されたクラスにおけるログインしたユーザのアカウント種類が「教師」であるか、もしくは「生徒」であるかを判定する。S1302でログインしたユーザのアカウント種類が「教師」であると判定された場合、S1303に進む。
【0056】
S1303において、CPU202は、図8の宿題選択画面をUI部214に表示し、選択済みのクラスについて、宿題フォルダの選択を受け付ける。図8の画面の表示時点では、教師が出題した1つの宿題に対して複数の生徒が割り当てられているので、各項目についてフォルダアイコンが表示される。
【0057】
S1304において、CPU202は、図9の宿題の状態選択画面をUI部214に表示し、選択済みのクラス及び選択済みの宿題フォルダに加えて、宿題の状態選択を受け付ける。
【0058】
S1305において、CPU202は、図9の画面上で属性情報「割り当て済み」が選択されたか否かを判定する。ここで、属性情報「割り当て済み」が選択されたと判定された場合、S1306をスキップしてS1307に進む。これは、ログインしたユーザのアカウント種類が「教師」であり且つ「割り当て済み」の状態である宿題は、教師であるユーザ自らが出題した宿題そのものであり、後述のS1306での個別/一括ユーザの選択は不要であるからである。一方、属性情報「割り当て済み」が選択されていないと判定された場合、S1306において、CPU202は、図10のユーザ選択画面をUI部214に表示し、選択済みのクラス及び選択済みの状態(例えば「採点済み」の状態)に加えて、個別の生徒の宿題を印刷するか、あるいは全ての生徒を一括して印刷するかの選択を受け付ける。
【0059】
S1302でログインしたユーザのアカウント種類が「生徒」であると判定された場合、S1311に進む。
【0060】
S1311において、CPU202は、図9の宿題の状態選択画面をUI部214に表示し、選択済みのクラスに加えて、宿題の状態選択を受け付ける。ログインしたユーザのアカウント種類が「生徒」である場合は、S1303の処理は不要であるので行われない。
【0061】
S1312において、CPU202は、図11のユーザ選択画面をUI部214に表示し、宿題の選択済みの状態(例えば「割り当て済み」の状態)に加えて、個別に候補となる宿題から1つの宿題の共有ファイルを一括印刷するか、あるいは全ての宿題を一括して印刷するかの選択を受け付ける。なお、生徒による一括印刷設定は初期設定では無効にしておき、設定変更によって有効に変更可能なようにしても良い。また、生徒による一括印刷設定機能はなくても良い。
【0062】
以上のように、アカウント種類が「教師」である場合、S1303において図8の画面上で宿題の選択が行われ、その後、S1304において図9の画面上で宿題の状態の選択が行われる。一方、アカウント種類が「生徒」である場合、S1311において図9の画面上で宿題の状態の選択が行われ、その後、S1312において図11の画面上で宿題の選択が行われる。即ち、「教師」と「生徒」では、宿題の状態選択の画面と、宿題ファイル選択の画面の表示順序が逆になっている。一般的には、クラスにおける教師と生徒の関係は1対多数であり、かつ、教師が宿題を出題する。そのような傾向に基づき、本実施形態では、「教師」と「生徒」とでユーザ操作順序を上記のように異ならせることにより、印刷対象ファイルの絞り込みをより容易化することができる。
【0063】
S1306及びS1312の後、S1307において、CPU202は、図12の印刷設定画面をUI部214に表示し、印刷設定変更もしくは印刷指示を受け付ける。ここで指定された印刷設定は、すべての印刷対象ファイルに適用される。例えば部数が2枚に設定された場合、各印刷対象ファイルが2部ずつ印刷される。例えば、ユーザの図7図11の画面操作により絞り込まれた結果、印刷対象ファイルに文書ファイルとプレゼンテーションファイルとが含まれる場合、各フォーマットのファイルが2部ずつ印刷される。
【0064】
図12の印刷設定画面上で印刷ボタン1205が押下されると、S1308において、CPU202は、印刷を実行する。
【0065】
S1309において、CPU202は、印刷完了後に、LMS印刷サービスを終了するか、若しくは継続するかのユーザインタフェース画面をUI部214に表示し、その選択結果に基づいて、LMS印刷サービスを終了するか、若しくは継続するかを判定する。LMS印刷サービスを終了すると判定された場合、図13の処理を終了する。一方、LMS印刷サービスを継続すると判定された場合、S1310に進む。
【0066】
S1310において、CPU202は、S1302で取得したアカウント種別情報を用いて、選択したクラスにおいてログインしたユーザが教師であるか、もしくは生徒であるかを判定する。ここで、ログインしたユーザが教師であると判定された場合、S1301からの処理を繰り返す。一方、ログインしたユーザが生徒であると判定された場合、S1312からの処理を繰り返す。なお、生徒が複数のクラスに所属する場合には、一旦、図13の処理を終了して他のクラスについて図13の処理を行うようにする。
【0067】
図13に示すフロー以外の処理が行われても良い。例えば、ログインしたユーザが教師であると判定された場合に、S1303からの処理を繰り返し、生徒であると判定された場合に、S1301からの処理を繰り返すようにしても良い。なお、その場合、教師が複数のクラスに所属する場合には、一旦、図13の処理を終了して他のクラスについて図13の処理を行うようにする。また、同一ユーザがあるクラスでは「教師」であり、別のクラスでは「生徒」である場合、S1301のクラス選択からの処理を繰り返すようにしても良い。また、S1309、S1310で印刷を継続する場合の処理の戻り先は、ログインしたユーザの登録されているクラス数を登録済クラス・リスト情報から取得し、登録クラス数によって切り替えるようにしても良い。例えば、複数クラスで登録されている場合はS1301からの処理を繰り返すようにしても良い。
【0068】
図14は、図1の印刷システムにおける複数サーバ間の通信シーケンスを示す図である。S1401において、プリンタ105は、クラウド管理サーバ103へのサービス情報取得要求を送信する。S1402において、クラウド管理サーバ103は、プリンタ105にサービス情報を送信する。S1402では、例えば、図5の項目501~504が表すサービス情報が送信される。S1403において、プリンタ105は、LMS印刷サービスの選択を受け付けた後、その選択情報をクラウド管理サーバ103に送信する。これは、例えば、図5の画面における項目501のLMS印刷サービスの選択された場合に対応する。
【0069】
S1404において、クラウド管理サーバ103は、プリンタ105へのリダイレクトによって、LMSサービスの認証URLへのアクセス要求を通知する。S1405において、プリンタ105は、LMSサーバ101にLMSサービスの認証要求を実行する。S1406において、プリンタ105は、LMSサーバ101から送信された認証画面を受信してUI部214に表示する。これは、例えば、図6の画面の表示に対応する。S1407において、プリンタ105は、LMSサーバ101に、ユーザ名、パスワード等の認証情報を送信する。S1408において、LMSサーバ101は、クラウド管理サーバ103にOAuth認証の完了通知を送信する。
【0070】
S1409において、クラウド管理サーバ103は、LMSサーバ101に対してクラス情報取得要求を送信する。S1410において、LMSサーバ101は、連携するストレージ・サーバ102に共有ファイル情報取得要求を送信し、ストレージ・サーバ102から共有ファイル情報を取得する。S1411において、LMSサーバ101は、クラウド管理サーバ103にクラス情報と共有ファイル情報を送信する。ここで、クラス情報には、登録済クラス・リスト、共有ファイルのURL等の情報が含まれる。
【0071】
S1412において、プリンタ105は、クラウド管理サーバ103に画面表示要求を送信する。S1413において、クラウド管理サーバ103は、LMS印刷サービスの操作画面データを送信する。S1412及びS1413の処理は、印刷対象ファイルを絞り込むために必要な画面操作を実行するため、教師、生徒の選択結果に応じて、必要な回数だけ実施される。例えば、図7図11の画面を取得する分の回数だけ実施される。なお、S1412の画面表示要求には、例えば、各画面の「次へ」ボタンの押下の情報が含まれる。
【0072】
S1414において、図12の印刷ボタン1205のユーザ押下により、プリンタ105は、クラウド管理サーバ103に印刷実行要求を送信する。S1415において、クラウド管理サーバ103は、S1411で取得済みの共有ファイル情報に含まれるURLを宛先に指定して、ストレージ・サーバ102に共有ファイル取得要求を送信し、共有ファイル(印刷対象ファイル)を取得する。そして、S1416において、クラウド管理サーバ103は、取得した共有ファイルをプリンタ105に送信し、プリンタ105は、受信した共有ファイルを図12の画面上で指定された印刷設定に従って印刷する。ここで、ユーザの画面操作によって絞り込まれた共有ファイルが複数ある場合は、S1415~S1416が繰り返し実行される。
【0073】
共有ファイルの中に印刷できないフォーマットが含まれる場合、クラウド管理サーバ103は、拡張子に基づいて判定し、S1415~S1416の繰り返し処理の中で、そのファイルに関してスキップする。なお、その判定処理は、プリンタ105が行うようにしても良い。印刷可能なすべてのファイルを印刷完了後、非サポートのため印刷不可となったファイルについて、S1416において、プリンタ105のUI部214にエラー表示するようにしても良い。
【0074】
本実施形態における図14のプリンタ105の処理を、クライアント装置106が行うようにしても良い。その場合、S1416の印刷データ受信についてその受信先がプリンタ105になる点以外はプリンタ105についての説明と同じである。
【0075】
以上のように、本実施形態によれば、クラウド・システムを経由して印刷するシステムにおいて、複数のユーザや、複数のクラスに跨る共有ファイル群の中から共有ファイルの絞り込みを簡易に実現し、一括で印刷することができる。例えば、教師は、図10の画面により、自らが担当するクラスの生徒の提出ファイルをまとめて印刷することができる。また、例えば、生徒は、図11の画面により、受講しているクラス群の提出ファイルをまとめて印刷することができる。
【0076】
以下、本実施形態における効果について説明する。LMSから印刷する場合、ネットワーク・ストレージ上に複数存在する印刷対象ファイルを個別に印刷する必要がある。一般的に、LMSでは、Webブラウザからアプリケーションを実行していることが多い。そのため、Webブラウザに組み込まれたデフォルトの印刷システムを呼び出して利用するか、PDF(Portable Document Format)に一度保存した上で、PDFビューワのアプリケーションを呼び出して印刷する必要があった。具体的には、LMSのWebアプリケーションで印刷を実行した場合、Webアプリケーションによって、アプリケーション文書である印刷対象ファイルを汎用的な形式であるPDFフォーマットの単体ファイルに変換する。そして、その変換されたファイルは、オペレーションシステムにおいてデフォルト設定された印刷ドライバに渡される。
【0077】
Webアプリケーションによっては、PDF以外にもテキスト、CSV等、他のファイル・フォーマット形式を選択してファイル出力することが可能である。しかしながら、ファイル・フォーマットに対応する別のビューワ・アプリケーションを起動して印刷対象ファイルを開いた上で印刷を実行する必要があるので、印刷までに必要な操作がさらに煩雑になってしまう。特に、複数の印刷対象ファイルを一括して印刷した場合には、ファイルごとに印刷操作を繰り返す必要があり、煩雑な操作になってしまう。
【0078】
つまり、教師が印刷サービスを利用するケースでは、自らが担当しているクラスの複数の生徒の提出ファイルを一括して印刷できないという課題があった。一方、本実施形態によれば、複数の生徒の提出ファイルを一括して印刷することが容易となる。
【0079】
また、生徒が印刷サービスを利用するケースでは、自らが聴講する複数のクラスの宿題ファイルを一括して印刷できないという課題があった。一方、本実施形態によれば、自らが聴講するクラスの宿題のファイルを一括して印刷することが容易となる。また、自らが聴講する複数のクラスの宿題のファイルを一括して印刷することが容易となる。
【0080】
また、LMSが企業内の研修機関で用いられるケースにおいて、例えば、あるクラスでは講師(教師)であり、他のクラスでは同一ユーザが生徒として参加する場合が想定される。教師や生徒が同一人物である場合、ログインしたユーザのアカウントの種類に応じて簡便な操作で印刷できないという課題があった。一方、本実施形態によれば、教師や生徒が同一人物の場合であっても、ログインしたユーザのアカウントのクラス別の種類を判定し、ユーザのアカウント種類に応じた簡便な操作フローで印刷することが可能になる。
【0081】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0082】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0083】
101 LMSサーバ: 102 ストレージ・サーバ: 103 クラウド管理サーバ: 105 プリンタ: 106 クライアント装置: 202 CPU: 203 RAM: 204 ROM
【要約】
【課題】所望するファイル群をより簡易な操作によって印刷するシステムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、割り当て済みを示す第一項目と、提出済みを示す第二項目と、採点済みを示す第三項目とを含む項目選択画面を情報処理装置の表示部に表示させる制御を行い、項目選択画面で選択された項目に対応するファイルであって、教師と生徒とでファイルを共有するクラウドサービスが管理するファイルの中から印刷するファイルを選択するファイル選択画面を表示部に表示させる制御を行い、ファイル選択画面で選択されたファイルをプリンタに印刷させる印刷指示を受け付ける印刷ボタンを含む印刷指示画面を、ファイル選択画面に対するユーザ操作に応じてファイル選択画面から切り替えて表示部に表示させる制御を行う。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14