(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】折りたたみ財布
(51)【国際特許分類】
A45C 1/08 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A45C1/08
(21)【出願番号】P 2020062732
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】522263345
【氏名又は名称】ステータシー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【氏名又は名称】藤河 恒生
(72)【発明者】
【氏名】田中比呂達
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3057673(JP,U)
【文献】特開2000-325122(JP,A)
【文献】特開平11-151112(JP,A)
【文献】特開2014-223112(JP,A)
【文献】実公第006970(大正14年)(JP,Y1T)
【文献】特開2001-061528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/08
A45C 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型財布と
札入れ財布を有する可変式の折りたたみ財布であって、
前記小型財布は、第1の収容部と、前記第1の収容部の両サイドから背面に向かって前記第1の収容部との間に隙間を有して設けられたループ状のベルトと、前記ベルトの外面側又は前記第1の収容部から離間させて前記ベルトの内面側に設けられた第2の収容部と、を備え、前記第1の収容部は小銭収容部及びカード収容部の一方であり、前記第2の収容部は前記小銭収容部及び前記カード収容部の他方であり、
前記札入れ財布は、シート状の札入れと、前記札入れの紙幣収納側である内側の上部に設けられた第1の留め具と、前記札入れの内側の下部に設けられ、前記札入れを二つ折りしたとき前記第1の留め具と接合し得る第2の留め具と、前記札入れの外側に設けられ、前記札入れの前記下部を前記上部の内側に包むように三つ折りしたとき、前記第1の留め具と接合し得る第3の留め具と、を備え、
前記小型財布における前記隙間に前記札入れ財布がスライド式に移動可能な状態で挿通されており、
前記札入れが二つ折りにされて前記第1の留め具と第2の留め具が接合され、又は、前記札入れが三つ折りにされて前記第1の留め具と第3の留め具が接合されることを特徴とした折りたたみ財布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生活環境や服装、携帯方法に応じて二つ折り、三つ折り、分離式と形を変える事が可能な財布に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な財布が混在する今日、生活環境や服装、携帯方法によって複数の財布を使い分ける時代となっている。しかし、複数の財布を所有するとコストもかかり、また内容物の管理が困難で忘れ物の原因にもなる。
生活環境や服装、携帯方法に合わせて複数の財布を使い分けるのではなく、一つの財布を変形させて使い分ける事で、使用者のコスト減や忘れ物防止につながる。
【0003】
小銭入れなど特定の収容物のみ取り外せる財布の構成は特許文献1にも開示されており、そこでは小銭入れに取り付けされたベルト体を札入れに備え付けられているスリットに挿通させて着脱できるようにしている。
【0004】
上記の財布によれば一部の収容物は取り外せるが、それにより財布の折り畳み形式(数)を変えられるものではなく、財布の表面積を変更出来るものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3057673号公報(段落番号0009、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、単に一部の収容物を取り外せるものではなく、財布の持つ収容量を変えることなく表面積と厚みを反比例的に変える事により、広い範囲で利用者の多種多様な生活環境や服装、携帯方法にストレスなく適合可能な財布を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、使用者の生活環境、服装、携帯方法に合わせて可変する折りたたみ財布であって、
本革、合成皮革、布などで構成された収容物Bの小銭入れ蓋10とカード入れ背部11との間に設けた空間Kに本革、合成皮革、布などで構成された札入れ1を挿通することにより、それぞれ違う役割を持つ二つの収容物、前記収容物Bと前記札入れ1が移動・着脱可能な状態で接合されたことを特徴とする。
【0008】
さらに本発明は、カード入れや小銭入れを有する収容物Bを札入れ1と移動・着脱可能な状態で接合させ、収容物Bの保持位置に合わせて備え付けの留め具と接合する。それにより三つ折り財布18又は二つ折り財布19に可変し、財布そのものの収容量を変えずに表面積と厚さを反比例的に変えられる。また札入れ1と収容物Bを完全に分離することにより、二つの収容物を別々に使用することも可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、使用者の生活環境や服装、携帯方法に合わせて複数の財布を使い分けるのではなく、一つの財布を変形させて使い分ける事で、使用者のコスト減や忘れ物防止につながる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1における札入れ1の接合前の態様の一例を示す図である。
【
図2】実施形態1における収容物Bの正面と側面の態様の一例を示す図である。
【
図3】実施形態1における可変式折りたたみ財布の札入れ1と収容物Bの接合の態様の一例を示す図である。
【
図4】実施形態2における三つ折り財布の折りたたみ前の態様の一例を示す図である。
【
図5】実施形態2における三つ折り財布の折り部15のみを折りたたみ、留め具を接合した時の態様の一例を示す図である。
【
図6】実施形態2における三つ折り財布の折り部を全て折りたたみ、全て留め具を接合した時の態様の一例を示す図である。
【
図7】実施形態3における二つ折り財布の折りたたみ前の態様の一例を示す図である。
【
図8】実施形態3における二つ折り財布の折り部を全て折りたたみ、留め具をすべて接合した時の態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の折りたたみ財布の実施例を説明する。本発明の折りたたみ財布が有する収容部は紙幣、小銭、カードに限定されるものでは無いが、一般市場的には財布は紙幣、小銭、カードの収容部を有することが多い為、以下では本発明の折りたたみ財布の収容部を紙幣、小銭、カードに適用した例を示している。
[実施形態1]
本実施例は、本発明による折りたたみ財布の札入れ1と収容物Bとの着脱の構造について説明する。
(本実施に係る可変式折りたたみ財布の構造)
【0012】
図1(1)は本実施例による札入れ1の内側(紙幣収納側、以降内側と記載)を示した図である。
図1(1)の各部の配置は一例に過ぎず、
図1と左右対称または上下対称の配置であっても良い。
図1(2)は前記札入れ1の外側(折りたたんだ状態で外側に来る方、以降外側と記載)の図である。三つ折りに変形する際に必要な留め具オス4bが備え付けられている。
図2は収容物Bを小銭入れ側(1)、カード入れ側(2)、側面(3)からの図である。
図2のカード入れと小銭入れの配置は一例に過ぎず、カード入れと小銭入れが逆の配置または、別の役割を持つ収容物に置き換えても良い。
【0013】
図3は収容物Bと札入れ1との接合の実施を示す。
図3(1)において前記収容物Bに備え付けの小銭入れ7と前記札入れ1の外側が同じ方向を、前記収容物Bに備え付けのカード入れ8と前記札入れ1の内側が同じ方向を向くように保持。すなわち
図6(1)の位置関係から説明すると、前記小銭入れ7と前記札入れ1の外側が右向けに、前記カード入れ8と前記札入れ1の内側(紙幣が収まる方)を左向けに向くよう保持する。
【0014】
図3(1)に示すように、札入れ1を収容物Bの小銭入れ蓋10とカード入れ背部11の間に設けた空間Kに挿通すことにより、
図3(2)に示すように前記札入れ1と前記収容物Bは接合する。
この時、前記札入れ1は前記収容物Bの空間Kに挿通しているのであって固定されていないため、前記札入れ1と前記収容物Bは移動・着脱可能な状態で接合している。
[実施形態2]
本実施例は、本発明による可変式折りたたみ財布を三つ折り財布として適応した例である。
(本実施に係る可変式折りたたみ財布の構造)
【0015】
図4から
図6を用いて、本実施に係る財布の三つ折り変形の進行を示す。
図4において札入れ1と収容物Bは、実施形態1に基づき移動・着脱可能な状態で接合している。
図4に示すように、前記収容物Bを前記札入れ1の中心部20まで移動させ保持する。
図4の折り部15を前記札入れ1の下部が上に向かって垂直に折り返し、札留め下部2に備え付けられた留め具オス4aと前記収容物Bに備え付けられた三つ折り用留め具メス9とが接合する。
【0016】
図5に示すように折部16を札入れ1の上部が下に向かって垂直に折り返す事で札留め上部3に備え付けの留具メス5と、札入れ1の留め具4bとが折り返しの際お互いに接合できる位置にくる。
図6に示すように留め具オス4bと留め具メス5との接合点13の位置で接合することにより、三つ折り財布18へと可変する。このとき、前記三つ折り財布18は二つ折り財布19より厚みは厚くなるが表面積が小さくなるため、利用者の生活環境や服装、携帯方法に合わせてコンパクトに使用できる。
[実施形態3]
本実施例は、本発明による可変式折りたたみ財布を二つ折り財布として適応した例である。
【0017】
図7ないし
図8は本発明に係る財布の二つ折り変形の進行を示す。
図7において札入れ1と収容物Bは、実施形態1に基づき移動・着脱可能な状態で接合している。
図7に示すように前記収容物Bを矢印Yの方向へ移動させ保持する。この時、
図2で示す前記札入れ1の表面に備え付けの留め具オス4bが前記収容物Bに隠れる位置まで移動する。また、前記札入れ1の内側に備え付けの札留め下2を前記収容物Bの上にかぶさるように保持され、折部17を内側へ垂直に折り返し、留め具メス5と留め具オス4aとが接合され
図8に示すように二つ折り財布19へと可変する。このとき、前記二つ折り財布19は三つ折り財布18より表面積は大きくなるが厚さが薄くなるため、利用者の生活環境や服装、携帯方法に合わせてスリムに使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
以上のように、本発明による可変式折りたたみ財布は、利用者の生活環境、服装、携帯方法に合わせて三つ折り、二つ折り、分離式と変形する事で、使用者のコスト減や忘れ物防止につながる点で有用である。
【符号の説明】
【0019】
1 札入れ
2 札留め下部
3 札留め上部
4a 留め具オス
4b 留め具オス
5 留め具メス
6 留め具頭
7 小銭入れ
8 カード入れ
9 三つ折り用留め具メス
10 小銭入れ蓋
11 カード入れ背部
12留め具4aと三つ折り用留め具メス9との接合点
13留め具オス4bと留め具メス5との接合点
14 留め具オス4aと留め具メス5との接合点
15 折り部
16 折り部
17 折り部
18三つ折り財布
19二つ折り財布
20中心部
K 空間
B 収容物
Ca カード
Bi 紙幣
Y 矢印