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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20240418BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B66B1/14 M
B66B3/00 K
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023139578
(22)【出願日】2023-08-30
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】井上 元太
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-001566(JP,A)
【文献】特開2011-037570(JP,A)
【文献】特開2023-127394(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0144859(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/14
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗場及びかごの少なくとも一方に設けられ、利用者の手を検知することにより入力操作を受け付ける入力部を有する行先階登録装置と、
前記行先階登録装置からの出力情報に応じてかごの運行を制御する制御装置と、を備え、
前記行先階登録装置は、
前記入力操作が行われたときに、前記制御装置に行先階の登録を指示する登録指示情報を出力するよう構成され、
前記制御装置は、
前記制御装置が行先階の登録を行った後、前記行先階登録装置の入力部のうち登録された行先階に対応する部分を起点とする面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成される、エレベータシステム。
【請求項2】
前記入力部において、当該入力部のうち登録された行先階に対応する部分から、前記入力部のうち登録された行先階に対応する部分と異なる終点部分までの面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成され、
前記行先階登録装置は、表示部を有し、
前記表示部は、
前記入力部において、登録された行先階に対応する部分で手が検知されたとき、前記終点部分に該終点部分を示すアイコン、及び、登録された行先階に対応する部分から前記終点部分までの方向を示すアイコンの少なくとも一方を表示する、請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記制御装置が行先階の登録を行った後、前記入力部において、前記面方向の手の移動が検知されたとき、直前の行先階の登録のみを取り消すよう構成される、請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記入力部において、前記面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録が取り消されるのは、前記制御装置が行先階の登録を行ってから第二の所定時間以内のみである、請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記行先階登録装置は、複数設けられ、
各々の前記行先階登録装置は、
それぞれ異なる識別情報を有し、
前記入力操作が行われたとき、前記登録指示情報及び前記識別情報を、前記制御装置に出力し、
前記入力部において、前記面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録の取り消しに関する取り消し情報及び前記識別情報を、前記制御装置に出力するよう構成される、請求項1に記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル等に手を検知させることにより乗場やかごで行先階を登録する行先階登録装置を備えたエレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、行先階を登録するタッチパネル式の操作盤を備えたエレベータシステムが知られている(特許文献1)。このエレベータシステムは、かご内に設けられた操作盤と、かごの運転制御等を行うエレベータ制御装置と、を備える。操作盤は、各階床に対応した行先階ボタンを表示するとともに、登録された行先階を取り消すための取消ボタンを一時的に表示する。具体的に、操作盤は、行先階ボタンに手が接触したとき、あるいは、行先階ボタンがスワイプ操作されたとき、取消ボタンを表示する。このエレベータシステムでは、利用者は、行先階を誤って登録した場合に、行先階ボタンに対する手の接触やスワイプ操作により一時的に表示された取消ボタンに手を接触させることにより、行先階の登録を取り消すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-1566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、行先階ボタンに手が接触したときに取消ボタンが表示される構成では、利用者が適切な行先階を登録した場合であっても、その後、行先階ボタンに次の利用者の手が接触することで取消ボタンが表示され、取消ボタンが誤って操作されるおそれがある。また、行先階ボタンがスワイプ操作されたときに取消ボタンが表示される構成では、誤った行先階の登録の取消をする場合に、スワイプ操作の後さらに取消ボタンに手が接触する操作が必要であり、この一連の操作が利用者にとってわかりにくい。
【0005】
そこで、本発明は、入力部において手が検知されることにより行先階を登録可能であって、利用者が誤った入力操作を簡易な操作でキャンセルできる行先階登録装置を備えたエレベータシステムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエレベータシステムは、
エレベータの乗場及びかごの少なくとも一方に設けられ、利用者の手を検知することにより入力操作を受け付ける入力部を有する行先階登録装置と、
前記行先階登録装置からの出力情報に応じてかごの運行を制御する制御装置と、を備え、
前記行先階登録装置は、
前記入力操作が行われたときに、前記制御装置に行先階の登録を指示する登録指示情報を出力するよう構成され、
前記制御装置は、
前記制御装置が行先階の登録を行った後、前記行先階登録装置の入力部のうち登録された行先階に対応する部分を起点とする面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成される。
【0007】
かかる構成によれば、利用者は誤った入力操作を行った際に、入力部内の登録された行先階に対応する部分を起点として手を面方向に移動操作すること、即ち、簡易な操作により行先階の登録を取り消すことができる。また、行先階の登録の取り消し操作が、入力部における面方向の手の移動であるため、例えば入力部における長押しやダブルタップと異なり、通常の入力操作との区別が明確である。
【0008】
前記エレベータシステムは、
前記入力部において、当該入力部のうち登録された行先階に対応する部分から、前記入力部のうち登録された行先階に対応する部分と異なる終点部分までの面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成され、
前記行先階登録装置は、表示部を有し、
前記表示部は、
前記入力部において、登録された行先階に対応する部分で手が検知されたとき、前記終点部分に該終点部分を示すアイコン、及び、登録された行先階に対応する部分から前記終点部分までの方向を示すアイコンの少なくとも一方を表示してもよい。
【0009】
かかる構成によれば、行先階の登録の取り消し操作の終点部分やこの操作の移動方向が、アイコンの表示によりわかりやすくなる。
【0010】
前記エレベータシステムは、
前記制御装置が行先階の登録を行った後、前記入力部において、前記面方向の手の移動が検知されたとき、直前の行先階の登録のみを取り消すよう構成されてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、直前の行先階の登録のみ取り消し可能であるため、適切な入力操作によりなされた行先階の登録が、この入力操作を行った利用者とは別の利用者により取り消されにくい。
【0012】
前記エレベータシステムでは、
前記入力部において、前記面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録が取り消されるのは、前記制御装置が行先階の登録を行ってから第二の所定時間以内のみであってもよい。
【0013】
かかる構成によれば、行先階の登録から第二の所定時間以内のみ登録の取り消しが可能であるため、適切な入力操作によりなされた行先階の登録が、この入力操作を行った利用者の次の利用者により取り消しされにくい。
【0014】
前記エレベータシステムでは、
前記行先階登録装置は、複数設けられ、
各々の前記行先階登録装置は、
それぞれ異なる識別情報を有し、
前記入力操作が行われたとき、前記登録指示情報及び前記識別情報を、前記制御装置に出力し、
前記入力部において、前記面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録の取り消しに関する取り消し情報及び前記識別情報を、前記制御装置に出力するよう構成されてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、制御装置は、識別情報により入力操作や取り消し操作の対象の行先階登録装置を判別することができるため、複数の行先階登録装置を備えるエレベータシステムに対して適用可能である。
【発明の効果】
【0016】
以上より、本発明によれば、入力部において手が検知されることにより行先階を登録可能であって、利用者が誤った入力操作を簡易な操作でキャンセルできる行先階登録装置を備えたエレベータシステムの提供を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るエレベータシステムのブロック図である。
図2図2は、前記エレベータシステムで行先階の登録を行う際の表示を示す模式図である。
図3図3は、前記エレベータシステムで行先階の登録を取り消す際の表示を示す模式図である。
図4図4は、前記エレベータシステムでの一連の処理を説明するためのフローチャート図である。
図5図5は、前記エレベータシステムでの一連の処理を説明するためのフローチャート図である。
図6図6は、変形例に係るエレベータシステムでの行先階の登録を取り消す際の表示を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図1図5を参照しつつ説明する。
【0019】
図1に示すように、エレベータシステム1は、かご10と、エレベータの乗場に設けられた行先階登録装置2と、かご10の運行を制御する制御装置3と、を備える。本実施形態では、エレベータシステム1には、複数のかご10が設けられ、具体的には、A号機、B号機、C号機に対応する三台のかご10が設けられている。なお、エレベータシステム1に、一台のかご10のみが設けられていてもよい。このエレベータシステム1では、かご10は、地下2階から9階までの間で昇降可能であり、地下2階から9階までの各階床に停止可能である。
【0020】
さらに、このエレベータシステム1では、利用者は、行先階登録装置2に対して入力操作を行うことにより、行先階の登録が可能である。このエレベータシステム1には、一階床当たり二台の行先階登録装置2が設けられているが、一階床当たり一台、又は、三台以上の複数の行先階登録装置2が設けられてもよい。
【0021】
制御装置3は、各かご10に対して乗場呼びの割当等の群管理制御を行う。この群管理では、制御装置3は、所定の階床の乗場において行先階登録装置2により乗場呼びが入ったときに、利用者等の輸送効率が高くなるように、複数の号機のかご10から前記乗場呼びに適したかご10を選択し、この選択されたかご10を乗場呼びの入った乗場に向かわせる。このエレベータシステム1には、一つの制御装置3が設けられている。
【0022】
行先階登録装置2は、利用者の入力操作により行先階を登録する(乗場呼びを行う)ための装置である。また、行先階登録装置2は、利用者の手を検知することにより入力操作を受け付ける入力部4を有する。本実施形態では、行先階登録装置2は、入力操作後の入力結果や行先階の登録結果等を示す表示部5を有する。また、行先階登録装置2は、登録指示情報の出力を判断して実行する判断部6を有する。この行先階登録装置2は、図2(a)~図2(d)にも示すように、利用者の手が接触したことを検知する物理ディスプレイであるタッチパネル20を備える。なお、図2図3図6における手(指)は、利用者の手の動作を示している。さらに、本実施形態では、複数の行先階登録装置2(本実施形態では、二台の行先階登録装置2の判断部6)は、それぞれ異なる識別情報を有している。
【0023】
判断部6は、入力部4に入力された行先階情報等を記憶する記憶部、及び、必要なタイミングで登録指示情報の出力を行う処理部を含む。
【0024】
表示部5は、図2(a)~図2(d)に示すように、タッチパネル20の全体で構成されている。本実施形態では、タッチパネル20は、入力部4及び表示部5を兼ねている。表示部5は、行先階を示すテンキーを表示する。このテンキーは、例えば、数字を示すキー、地下を示す「-」キー、及び、非常階を示す「☆」キーを含む。また、表示部5は、利用者に行先階の入力操作を促す情報(例えば、「Please enter destination」といったメッセージ)を表示する。さらに、表示部5は、入力操作中の行先階に関する情報(例えば、「1」)を表示する。表示部5は、行先階の入力操作により割り当てられる割当号機に関する号機情報(例えば、「A」)及び行先階に関する行先階情報(例えば、「Floor 1」)の少なくともいずれか一方を表示し、本実施形態では、号機情報及び行先階情報の両方を表示する。
【0025】
入力部4は、タッチパネル20であり、具体的には、タッチパネル20のうち行先階を示すテンキーが表示されている部分である。この行先階登録装置2では、入力操作は、利用者の手がタッチパネル20に接触する操作であり、具体的には、利用者の手がタッチパネル20のテンキーに接触する操作である。
【0026】
本実施形態では、入力部4は、地下2階から9階までの各階を行先階として受け付ける。例えば、行先階として「1階」を入力したい場合には、利用者が指等により「1」のキーを触ればよい。また、行先階として「地下2階」を入力したい場合には、利用者が指等により「-」「2」のキーを順に触ればよい。
【0027】
行先階登録装置2は、入力部4に利用者の手を検知させることにより行先階情報を入力する入力操作が行われてから入力部4において該入力操作を行った手が検知されなくなったとき、制御装置3に行先階の登録を指示する登録指示情報を出力するよう構成されている。本実施形態では、行先階登録装置2(判断部6)は、入力部4において入力操作が行われたとき、登録指示情報及び識別情報を、制御装置3に出力する。
【0028】
また、行先階登録装置2は、図3(a)~図3(g)に示すように、制御装置3が行先階の登録を行った後、入力部4において、入力部4のうち登録された行先階に対応する部分を起点とする面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録の取り消しに関する取り消し情報を制御装置3に出力するよう構成されている。本実施形態では、入力部4のうち登録された行先階に対応する部分は、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分である。また、行先階登録装置2(判断部6)は、入力部4において、面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録の取り消しに関する取り消し情報及び識別情報を、制御装置3に出力するよう構成される。
【0029】
制御装置3は、行先階登録装置2からの出力情報に応じてかご10の運行を制御する。また、制御装置3は、入力部4に利用者の手を検知させることにより行先階情報を入力する入力操作が行われてから入力部4において該入力操作を行った手が検知されなくなったとき、行先階の登録を行うよう構成されている。本実施形態では、制御装置3は、行先階登録装置2から登録指示情報が出力されたとき、複数の号機のかご10から登録指示情報に対応するかご10を選択し、この選択されたかご10を乗場呼びの入った乗場に向かわせる。
【0030】
また、制御装置3は、制御装置3が行先階の登録を行った後、入力部4において、入力部4のうち前記入力操作の際に手が検知された部分を起点とする面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成されている。本実施形態では、入力部4のうち前記入力操作の際に手が検知された部分を起点とする面方向の手の移動は、予め登録された所定の操作であり、具体的には、入力部4のうち前記入力操作の際に手が検知された部分を起点とするスライド操作である。
【0031】
また、本実施形態では、制御装置3は、通常の入力操作の際には行いづらい上向きの動きを含むスライド操作が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成されている。具体的には、制御装置3は、入力部4において、当該入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分から、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分(例えば、「1」のキー)と異なる終点部分までの面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成されている。この終点部分は、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分毎に異なっている。例えば、この終点部分は、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分(例えば、「1」のキー)と隣接しており、具体的には、タッチパネル20のうち入力操作の際に手が検知された部分(例えば、「1」のキー)の上側に隣接する部分である。
【0032】
本実施形態では、行先階登録装置2(表示部5)は、図3(c)に示すように、入力部4において、入力操作の際に手が検知された部分で再び手が検知されたとき、図3(d)に示すように、終点部分に該終点部分を示すアイコンを表示する。具体的には、表示部5は、入力部4において、入力操作の際に手が検知された部分で手が継続的に(例えば、1秒以上)検知されたとき、即ち、この部分で長押しが検知されたとき、終点部分に該終点部分を示すアイコン(例えば、ゴミ箱のイラストアイコン)を表示する。なお、終点部分を示すアイコンは、図3(d)~図3(e)に示すように、終点部分までの面方向の手の移動が検知されている間、表示される。なお、終点部分を示すアイコンは、入力操作の際に手が検知された部分で長押しが検知されてからこの手が離れるまでの間、表示されてもよい。また、終点部分を示すアイコンは、終点部分までの面方向の手の移動が完了した時点でも(図3(f)の時点でも)表示されたままとなっているが、この時点で非表示となってもよい。
【0033】
例えば、「1階」の入力操作による行先階の登録を取り消す場合には、利用者が指等により「1」のキーを触れ、この状態からタッチパネル20のうち「1」のキーの上側に隣接する終点部分まで上向きにスライド操作すればよい。また、「地下2階」の入力操作による行先階の登録を取り消す場合には、利用者が指等により「-」「2」のキーに順に触れ、この状態からタッチパネル20のうち「2」のキーの上側に隣接する終点部分まで上向きにスライド操作すればよい。
【0034】
なお、制御装置3は、タッチパネル20において下向きのスライド操作、又は、横向きのスライド操作が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成されていてもよい。この場合、終点部分は、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分(例えば、「1」のキー)の下側に隣接する部分、又は、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分(例えば、「1」のキー)の水平方向に隣接する部分であればよい。また、制御装置3は、スライド操作が検知されなければ、行先階情報を入力する入力操作であると判定し、行先階を登録してもよい。
【0035】
本実施形態では、制御装置3は、行先階の登録を行った後、入力部4において、当該入力部4のうち前記入力操作の際に手が検知された部分を起点とする面方向の手の移動が検知されたとき、直前の行先階の登録のみを取り消すよう構成されている。また、制御装置3が行先階の登録を行った後、入力部4において、当該入力部4のうち前記入力操作の際に手が検知された部分を起点とする面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録が取り消されるのは、制御装置3が行先階の登録を行ってから第二の所定時間(1~5秒)以内のみである。
【0036】
以下、エレベータシステム1における一連の処理について説明する。まず、エレベータシステム1における行先階の登録を行う際の処理について、図2(a)~図2(d)、図4及び図5のフローチャートを用いて説明する。
【0037】
行先階登録装置2(判断部6)は、入力部4における入力操作があるか否かを判断する(ステップS01)。表示部5は、入力操作が行われていないとき、デフォルト表示を行っている(図2(a)参照)。デフォルト表示では、表示部5は、入力補助情報(「Please enter destination」といったメッセージ)、及び、入力部4を構成するテンキーを表示する。
【0038】
入力部4における入力操作がない場合(ステップS01においてNo)、行先階登録装置2(判断部6)は、入力部4における入力操作があるか否かの判断(ステップS01)を繰り返す。
【0039】
入力部4における入力操作があった場合(ステップS01においてYes)、表示部5は、入力操作中に、入力操作表示を行う(ステップS02)。入力操作表示では、表示部5は、入力部4の入力操作に対応する部分(タッチパネル20のうち入力操作の際に手が接触した部分)を入力部4の入力操作が無い部分(タッチパネル20のうち入力操作の際に手が接触していない部分)と区別できるよう表示する(図2(b)参照)。本実施形態では、入力部4の入力操作に対応する部分を区別する表示として、入力操作があったキーの色を異ならせる表示を行う。なお、このような区別する表示は、入力操作に対応するキーを点滅させる表示、このキーに記載されている数字の太さを異ならせる表示や、このキーを大きく表示したりする表示等であってもよい。
【0040】
次に、行先階登録装置2(判断部6)は、入力部4において入力操作を行った手を検知しなくなったか否かを判断する(ステップS03)。具体的には、行先階登録装置2(判断部6)は、入力部4において入力操作を行った手が離れたか否かを判断する。このとき、表示部5は、入力操作表示を行ったままである。
【0041】
入力部4において入力操作を行った手を検知している場合(ステップS03においてNo)、行先階登録装置2(判断部6)は、入力部4において入力操作を行った手を検知しなくなったか否かの判断(ステップS03)を繰り返す。
【0042】
入力部4において入力操作を行った手を検知しなくなった場合(ステップS03においてYes)、表示部5は、入力後表示を行う(ステップS04)。入力後表示では、表示部5は、入力部4の入力操作に対応する部分(タッチパネル20のうち入力操作の際に手が接触した部分)を、入力部4の入力操作が無い部分(タッチパネル20のうち入力操作の際に手が接触していない部分)と区別できるよう表示する(図2(c)参照)。なお、入力部4において入力操作を行った手を検知しなくなった場合とは、タッチパネル20から手が離れた場合である。
【0043】
さらに、行先階登録装置2(判断部6)は、登録指示情報を制御装置3に出力する(ステップS05)。制御装置3は、行先階登録装置2から出力された登録指示情報に応じて、行先階の登録を行う(ステップS06)。具体的に、制御装置3は、登録指示情報に応じて、複数の号機のかご10から適したかご10を選択し、この選択されたかご10を乗場呼びの入った乗場に向かわせる。
【0044】
さらに、表示部5は、登録結果表示を行う(ステップS07)。登録結果表示では、表示部5は、入力操作により割り当てられる割当号機に関する号機情報(例えば、「A」)及び行先階に関する行先階情報(例えば、「Floor 1」)を表示する(図2(d)参照)。その後、表示部5は、デフォルト表示を行う(ステップS08、図2(a)参照)。
【0045】
次に、行先階登録装置2(判断部6)は、行先階の登録から第二の所定時間(1~5秒)が経過したか否かを判断する(ステップS09)。本実施形態では、行先階登録装置2(判断部6)は、登録指示情報に応じて適したかご10を選択した時点から、第二の所定時間(1~5秒)が経過したか否かを判断する。なお、行先階登録装置2(判断部6)は、表示部5が登録結果表示を開始した時点から、第二の所定時間(1~5秒)が経過したか否かを判断してもよい。
【0046】
行先階の登録から第二の所定時間(1~5秒)が経過していないとき(ステップS09においてNo)、行先階登録装置2(判断部6)は、取り消し操作の開始が検知されたか否かの判断を行う(ステップS10)。
【0047】
行先階の登録から第二の所定時間(1~5秒)が経過せず、取り消し操作の開始が検知されない場合(ステップS09においてNo、ステップS10においてNo)、行先階登録装置2(判断部6)は、行先階の登録から第二の所定時間(1~5秒)が経過したか否かを判断する処理に戻る(ステップS09)。
【0048】
行先階の登録から第二の所定時間(1~5秒)が経過したとき(ステップS09においてYes)、処理を終了する。なお、ステップS09以降においても、表示部5は、デフォルト表示のままである。
【0049】
次に、エレベータシステム1における行先階の登録を取り消す際の処理について、図3(a)~図3(g)、図4及び図5のフローチャートを用いて説明する。
【0050】
ステップS01~ステップS08については、上述と同様に行う。このとき、表示部5は、図2(a)~図2(c)の表示を行った後、図3(a)の登録結果表示、及び、図3(b)のデフォルト表示を順に行う。
【0051】
行先階の登録から第二の所定時間(1~5秒)が経過せず、取り消し操作の開始が検知された場合(ステップS09においてNo、ステップS10においてYes)、表示部5は、キャンセル操作表示を行う(ステップS11)。ここで、本実施形態では、入力部4において、入力操作の際に手が検知された部分(本実施形態では、直前の行先階の登録のための入力操作の際に手が検知された部分、例えば、「1」のキー)で再び手が検知されたとき、又は、入力部4において、入力操作の際に手が検知された部分で手が継続的に検知されたとき(例えば、「1」のキーの長押しが検知されたとき)、表示部5は、キャンセル操作表示を行う。
【0052】
キャンセル操作表示では、表示部5は、入力部4において手が検知されている間、入力部4のうち手の検知に対応する部分(タッチパネル20のうち手が接触した部分)を入力部4の手の検知が無い部分(タッチパネル20のうち入力操作の際に手が接触していない部分)と区別できるよう表示する(図3(c)参照)。本実施形態では、表示部5は、入力部4のうち手の検知に対応する部分を区別する表示として、手が検知されたキーの色を異ならせる表示を行う。なお、このような区別する表示は、入力操作に対応するキーを点滅させる表示、このキーに記載されている数字の太さを異ならせる表示や、このキーを大きく表示したりする表示等であってもよい。
【0053】
さらに、制御装置3は、入力部4において手が検知されなくなったか否かの判断を行う(ステップS12)。入力部4において手が検知されているとき(ステップS12においてNo)、制御装置3は、面方向の手の移動(取り消し操作)が検知されたか否かの判断を行う(ステップS13)。面方向の手の移動(取り消し操作)が検知されないとき(ステップS13においてNo)、制御部3は、入力部4において手が検知されなくなったか否かの判断(ステップS12)に戻る。
【0054】
入力部4において、面方向の手の移動(取り消し操作)が検知されたとき(ステップS13においてYes)、入力部4のうち手が検知されていた部分(タッチパネル20のうち手が接触していた部分)を入力部4のその他の部分と区別できるよう表示する(図3(d)~図3(e)参照)。本実施形態では、キャンセル操作表示では、表示部5は、入力部4において、面方向の手の移動の開始が検知されたときから、この手の移動の検知が完了するまでの間、終点部分に該終点部分を示すアイコン(例えば、ゴミ箱のイラストアイコン)を表示する。なお、上述のように、この終点部分を示すアイコンは、終点部分までの面方向の手の移動の検知が完了した時点でも(図3(f)の時点で)表示されたままとなっている。
【0055】
次に、行先階登録装置2は、行先階の登録の取り消しに関する取り消し情報を制御装置3に出力する(ステップS14)。さらに、制御装置3は、行先階登録装置2から出力された取り消し情報に応じて、直前の行先階の登録の取り消しを行う(ステップS15)。具体的には、制御装置3は、取り消し情報に応じて、登録指示情報に応じて選択されたかご10の乗場呼びの入った乗場への移動を取り消す。さらに、表示部5は、キャンセル結果表示を行い(ステップS16)、処理を終了する。キャンセル結果表示では、表示部5は、登録を取り消した号機に関する号機情報(例えば、「A」)、登録を取り消した行先階に関する行先階情報(例えば、「Floor 1」)、及び、取り消しを示す情報(例えば、「キャンセル」といった文言)を表示する(図3(g)参照)。なお、表示部5がキャンセル操作表示(ステップS11)を行った後に、入力部4において手が検知されなくなったとき(ステップS12においてYes)、表示部5はデフォルト表示を行い(ステップS17)、処理を終了する。
【0056】
以上のエレベータシステム1では、利用者は誤った入力操作を行った際に、入力部4内の誤って操作した部分を起点として手を面方向に移動操作すること、即ち、簡易な操作により行先階の登録を取り消すことができる。また、行先階の登録の取り消し操作が面方向の手の移動であるため、例えば長押しやダブルタップと異なり、通常の入力操作との区別が明確である。
【0057】
本実施形態のエレベータシステム1では、表示部5が行先階の登録の取り消し操作の終点部分を示すアイコンを表示するため、この終点部分が、表示部5でのアイコンの表示によりわかりやすくなる。
【0058】
また、本実施形態のエレベータシステム1では、直前の行先階の登録のみ取り消し可能であり、直前の行先階の登録以外の行先階の登録は取消不可であるため、適切な入力操作によりなされた行先階の登録が、この入力操作を行った利用者とは別の利用者により取り消されにくい。
【0059】
さらに、本実施形態のエレベータシステム1では、行先階の登録から第二の所定時間以内のみ登録の取り消しが可能であるため、適切な入力操作によりなされた行先階の登録が、この入力操作を行った利用者の次の利用者により取り消しされにくい。
【0060】
本実施形態のエレベータシステム1では、制御装置3は、行先階登録装置2から出力される行先階登録装置2の識別情報により、入力操作や取り消し操作の対象の行先階登録装置2を判別することができるため、複数の行先階登録装置2を備えるエレベータシステム1に対して適用可能である。
【0061】
なお、本発明のエレベータシステムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0062】
上記実施形態では、制御装置3は、入力部4に利用者の手を検知させることにより行先階情報を入力する入力操作が行われてから入力部4において該入力操作を行った手が検知されなくなったとき、行先階の登録を行うよう構成されていたが、これに限定されない。制御装置3は、入力部4において入力操作を行った手が検知されなくなったときから第一の所定時間(例えば、2~3秒間)が経過したとき、行先階の登録を行うよう構成されてもよい。また、制御装置3は、入力部4において入力操作が検知されたとき、又は、入力部4において入力操作が検知されたときから第一の所定時間(例えば、2~3秒間)が経過したとき、行先階の登録を行うよう構成されていてもよい。これらの構成であっても、利用者は誤った入力操作を行った際に、入力部4内の誤って操作した部分を起点として手を面方向に移動操作すること、即ち、簡易な操作により行先階の登録を取り消すことができる。また、行先階の登録の取り消し操作が面方向の手の移動であるため、例えば長押しやダブルタップと異なり、通常の入力操作との区別が明確である。
【0063】
このように、制御装置3が、入力部4において入力操作を行った手が検知されなくなったときから第一の所定時間が経過したとき行先階の登録を行う構成では、行先階登録装置2は、入力部4において入力操作を行った手が検知されなくなったときから第一の所定時間(例えば、2~3秒間)が経過したとき、制御装置3に行先階の登録を指示する登録指示情報を出力するよう構成すればよい。なお、行先階登録装置2は、入力部4において入力操作を行った手が検知されなくなったときから第一の所定時間よりも短い第三の所定時間が経過したとき、登録指示情報を制御装置3に出力するよう構成してもよい。
【0064】
上記実施形態では、制御装置3は、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分から、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分(例えば、「1」のキー)毎に異なる終点部分までの面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成されていたが、終点部分は、入力部4のうち共通した部分であってもよい。例えば、図6(a)~図6(d)に示すように、入力部4は、テンキーに加えて、タッチパネル20におけるテンキーの上側に位置する補助部を備え、この補助部が終点部分であってもよい。この場合、制御装置3は、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分から、入力部4のうち終点部分(補助部)までの面方向の手の移動(スライド操作)が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成されていてもよい。この構成においても、入力部4において、面方向の手の移動の開始が検知されたとき、終点部分に該終点部分を示すアイコン(例えば、ゴミ箱のイラストアイコン)を表示すればよい。また、終点部分を入力部4のうち「☆」キーが表示された部分とし、終点部分を示すアイコンとして非常階を示す「☆」キーを兼用してもよい。
【0065】
上記実施形態では、行先階登録装置2(表示部5)は、入力部4において、面方向の手の移動の開始が検知されたとき、終点部分に該終点部分を示すアイコン(例えば、ゴミ箱のイラストアイコン)を表示していたが、この代わり、又は、これに加えて、登録された行先階に対応する部分(例えば、入力操作の際に手が検知された部分)から終点部分までの方向を示すアイコン(例えば、矢印のアイコン)を表示してもよい。この構成であっても、行先階の登録の取り消し操作の終点部分やこの操作の移動方向が、表示部5でのアイコンの表示によりわかりやすくなる。
【0066】
上記実施形態では、制御装置3は、入力部4において、予め定められた入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分を起点とする手のスライド移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成されていたが、これに限定されない。例えば、制御装置3は、入力部4において、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分を起点として記号等を描く操作が検知されたとき、行先階の登録を取り消してもよい。なお、制御装置3は、入力部4において、入力操作以外の手の移動であって、予め定められていない面方向の手の移動であって、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分を起点とする面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成されてもよい。
【0067】
上記実施形態では、制御装置3が行先階の登録を行った後、入力部4において、当該入力部4のうち前記入力操作の際に手が検知された部分を起点とする面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録が取り消されるのは、制御装置3が行先階の登録を行ってから第二の所定時間以内(1~5秒以内)のみであったが、この代わりに、例えば、かご10が行先階の登録が行われた行先階登録装置2が設けられた乗場に到着するまでに限定されてもよい。また、行先階の登録の取り消しについて、特に時間制限を設けなくてもよい。
【0068】
上記実施形態では、制御装置3は、制御装置3が行先階の登録を行った後、入力部4において、面方向の手の移動が検知されたとき、直前の行先階の登録を取り消すよう構成されていたが、直前の行先階の登録よりも前の行先階の登録も取り消し可能であるよう構成されていてもよい。
【0069】
なお、制御装置3は、行先階の登録を行った後、同一の行先階の登録が再び行われた場合、同一の行先階の登録回数をカウントしてもよい。この構成において、行先階登録装置2は、複数回登録された行先階に対して取り消し操作がされた場合は、取り消し操作1回ごとに登録回数を1回減らすよう構成してもよい。具体的には、行先階として「1階」が2回登録された場合、取り消し操作が1回なされると、行先階として「1階」が1回登録された状態となる。このような構成であれば、複数の利用者がそれぞれ同一の行先階について入力操作を行い、その後一部の利用者が行先階の登録の取り消しを行った場合であっても、残りの利用者の入力操作による登録が取り消されない。
【0070】
上記実施形態では、入力部4のうち登録された行先階に対応する部分は、入力部4のうち入力操作の際に手が検知された部分であるが、別の行先階登録装置2の登録された行先階に対応する部分であってもよい。この場合、表示部5は、入力部4において、登録された行先階に対応する部分で手が検知されたとき、終点部分に該終点部分を示すアイコン、及び、登録された行先階に対応する部分から前記終点部分までの方向を示すアイコンの少なくとも一方を表示してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、入力部4は、地下2階から9階までの各階を行先階として受け付けていたが、二桁以上の数値で示される行先階を受け付けてもよい。この場合、制御装置3は、入力部4において、第四の所定時間内(例えば、1秒以内)に手を複数回検知したとき、複数桁の行先階の登録を行えばよい。例えば、行先階として「10階」を入力したい場合には、第四の所定時間内(例えば、1秒以内)に利用者が指等により「1」「0」のキーを順に触れればよい。この入力部4は、「0」~「9」のキーを含むテンキーで行先階を入力できるため、様々な行先階の登録が可能であるとともに、行先階登録装置2のサイズを小さくすることができる。
【0072】
さらに、この場合、入力部4において第四の所定時間内の複数回の手の検知における最後の検知が行われてから(例えば、「1」「0」のキーの検知のうち「0」のキーの検知が行われてから)、取り消し操作が検知されたとき、複数桁の行先階全体の登録(例えば、「10階」の登録)を取り消すこととしてもよい。この取り消し操作は、タッチパネル20のうち最後の手の検知が行われた部分を起点とする面方向の移動動作である。かかる構成によれば、利用者は、二桁以上の行先階を、手を複数回検知させることにより入力した後に取り消し操作を行うことで、手の検知の全て、即ち、二桁以上の行先階全体の登録を取り消すことができる。そのため、この構成では、行先階のうち一の位以外に誤りがあったときであっても、取り消し操作の後に適切な行先階を登録することができる。
【0073】
タッチパネル20のテンキーは、エンターキー(決定キー)を含んでもよい。この構成では、制御装置3は、入力部4において、数字を示すキーで手を検知し、この手が検知されなくなってから第五の所定時間内にエンターキーで手を検知したときに、行先階の登録を行えばよい。
【0074】
上記実施形態では、行先階登録装置2は、乗場に設けられていたが、エレベータの乗場及びかごの少なくとも一方に設けられていればよい。また、上記実施形態では、行先階登録装置2は、各階床の乗場に設けられていたが、エレベータシステム1が設けられた建物の各階床のうち一部の階床(例えば、エントランス階)の乗場にのみ設けられていてもよい。この場合、行先階登録装置2が設けられていない階床の乗場には、通常の乗場呼びボタン(上昇するかごを呼ぶ乗場呼びボタン及び下降するかごを呼ぶ乗場呼びボタン)が設けられてもよい。
【0075】
上記実施形態では、タッチパネル20は、テンキータイプであったが、登録可能な行先階の一覧が表示され、利用者がこれを選択することで行先階を入力可能なタイプであってもよい。また、行先階登録装置2の入力部4は、タッチパネル20であったが、赤外線センサ等により非接触での行先階の入力が可能な検知部であってもよい。この場合、行先階登録装置2は、検知部で構成された入力部4と、液晶ディスプレイ等の表示部5との組み合わせであってもよい。また、入力部4は、空気中(空間)に映像を結像させる空中タッチディスプレイであってもよい。この空中タッチディスプレイは、例えば、空中画像を生成するための光を出射する光源と、光源からの光を反射及び透過して空中画像を所定の空間に結像する光学部材と、空中画像に対する利用者の入力操作を検知する検知部と、を有する構成としてもよい。
【0076】
なお、この構成において、行先階登録装置2は、識別情報を有していなくてもよい。この場合、行先階登録装置2は、入力部4において入力操作が行われたとき、登録指示情報のみを制御装置3に出力し、入力部4において取り消し操作が検知されたとき、取り消し情報のみ制御装置3に出力するよう構成されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…エレベータシステム、2…行先階登録装置、3…制御装置、4…入力部、5…表示部、6…判断部、20…タッチパネル
【要約】
【課題】入力部において手が検知されることにより行先階を登録可能であって、利用者が誤った入力操作を簡易な操作でキャンセルできる行先階登録装置を備えたエレベータシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、入力操作を受け付ける入力部を有する行先階登録装置と、制御装置と、を備え、前記行先階登録装置は、前記入力操作が行われたときに、前記制御装置に登録指示情報を出力するよう構成され、前記制御装置が行先階の登録を行った後、前記入力部において、登録された行先階に対応する部分を起点とする面方向の手の移動が検知されたとき、行先階の登録を取り消すよう構成される。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6