(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/231 20110101AFI20240418BHJP
H04N 21/239 20110101ALI20240418BHJP
【FI】
H04N21/231
H04N21/239
(21)【出願番号】P 2022064410
(22)【出願日】2022-04-08
【審査請求日】2022-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】522128549
【氏名又は名称】三栄通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】手塚 通広
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/159487(WO,A1)
【文献】特許第5931257(JP,B1)
【文献】特開2003-125365(JP,A)
【文献】特開2020-068513(JP,A)
【文献】特開2007-256781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物園の特定のエリアを囲む位置に設置された複数のカメラと、
複数の
前記カメラから撮影中の複数の動画を受け付ける動画受付部と、
前記動画受付部が受け付けた複数の前記動画のうちユーザにより選択された動画をユーザ端末に送信する送信部と、
前記ユーザ端末からのユーザの予め定められた操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部により受け付けた前記ユーザ端末からのユーザが前記予め定められた操作をした時点の再生中の前記動画の静止画を記憶部に保存する保存部と、
前記保存部により保存された前記静止画を予め定められた者に報知する報知部と、
を備え、
複数の前記カメラのうち予め定められた複数のカメラ
の撮影対象は、前記特定のエリアであって、当該動物園の来園者が写るエリア以外の動物が展示されているエリアであり、
前記カメラは、地表面と水平方向であって、前記動物園の見学者が自らの目で見る角度から前記撮影対象を撮影する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ端末は、ユーザの操作を受け付けるタッチパネル方式の表示部を備え、
前記予め定められた操作は、前記表示部に表示され、ユーザが前記予め定められた者とコミュニケーションを取るための画像をタッチする操作である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記静止画は、前記予め定められた操作がされた際のユーザ端末の前記表示部で再生中の動画のスクリーンショットである請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
同一の撮影範囲を異なる設置位置から撮影する複数の前記カメラから受け付けた動画のうち、隣り合う前記設置位置の複数の前記カメラにより撮影された前記動画を構成するフレームの画像同士を合成して前記動画に比べ横方向に長い1つの合成動画を生成する合成部を備え、
前記送信部は、前記合成した動画をユーザ端末に送信し、
前記合成動画は、前記ユーザ端末の表示部上で、スクロール可能に表示され、
前記静止画は、前記合成動画のうち前記表示部に表示されている部分のスクリーンショットである請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記合成部は、前記動画のうち、前記表示部に表示され前記ユーザが視聴している範囲に入る動画のみを合成する請求項4に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物園内にカメラを備え、カメラで撮影された動画をインターネットを介して視聴可能にする動画像配信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、動物園が予め用意した動画を配信しており、動画を視聴していて気が付いたことなどがあった場合であっても、動物園の職員などに知らせることができず、動物園に行ったかのような体験をさせるには不十分であった。
【0005】
そこで、本願発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、動画を視聴している者が動画の配信者とコミュニケーションを取りやすくすることが可能な情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の情報処理装置は、カメラから撮影中の動画を受け付ける動画受付部と、前記動画受付部が受け付けた前記動画をユーザ端末に送信する送信部と、前記ユーザ端末からのユーザの予め定められた操作を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部により受け付けた前記ユーザ端末からのユーザが前記予め定められた操作をした時点の再生中の前記動画の静止画を記憶部に保存する保存部と、前記保存部により保存された前記静止画を予め定められた者に報知する報知部と、を備える。
【0007】
第1の態様の情報処理装置によれば、動画を視聴している者が動画の配信者とコミュニケーションを取りやすくすることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0008】
また、第2の態様の情報処理装置は、前記ユーザ端末は、ユーザの操作を受け付けるタッチパネル方式の表示部を備え、前記予め定められた操作は、前記表示部に表示され、ユーザが前記予め定められた者とコミュニケーションを取るための画像をタッチする操作である。
【0009】
第2の態様の情報処理装置によれば、動画を再生中のユーザ端末の表示部をタッチするだけで予め定められた者とコミュニケーションを取ることが可能となる。
【0010】
また、第3の態様の情報処理装置は、前記静止画は、前記予め定められた操作がされた際のユーザ端末の前記表示部で再生中の動画のスクリーンショットである。
【0011】
第3の態様の情報処理装置によれば、スクリーンショットにより、表示部で再生中の動画の静止画を取得することが可能となる。
【0012】
また、第4の態様の情報処理装置は、同一の撮影範囲を異なる設置位置から撮影する複数の前記カメラから受け付けた動画のうち、隣り合う前記設置位置の複数の前記カメラにより撮影された前記動画を構成するフレームの画像同士を合成して1つの合成動画を生成する合成部を備え、前記送信部は、前記合成した動画をユーザ端末に送信する。
【0013】
第4の態様の情報処理装置によれば、1つのカメラで撮影されている動画に比べ、広大なエリアを1つの動画で視聴することが可能となる。また、カメラを切り替えることなく、様々な角度から撮影された動物を視聴することが可能となる。
【0014】
また、第5の態様の情報処理装置は、前記カメラは、地表面と水平方向から撮影対象を撮影する。
【0015】
第5の態様の情報処理装置によれば、人の目で見る角度の動画を撮影することができ、カメラの設置場所に居るかのような体験をさせることが可能となる。
【0016】
また、第6の態様の情報処理装置は、前記撮影対象は、動物園の特定のエリアである。
【0017】
第6の態様の情報処理装置によれば、動物園に行ったかのような体験をさせることが可能となる。
【0018】
また、第7の態様のプログラムは、コンピュータを、カメラから撮影中の動画を受け付ける動画受付部と、前記動画受付部が受け付けた前記動画をユーザ端末に送信する送信部と、前記ユーザ端末からのユーザの予め定められた操作を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部により受け付けた前記ユーザ端末からのユーザが前記予め定められた操作をした時点の再生中の前記動画の静止画を記憶部に保存する保存部と、前記保存部により保存された前記静止画を予め定められた者に報知する報知部と、して機能させる。
【0019】
第7の態様のプログラムによれば、動画を視聴している者が動画の配信者とコミュニケーションを取りやすくすることが可能な情報処理装置のプログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、動画を視聴している者が動画の配信者とコミュニケーションを取りやすくすることが可能な情報処理装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の概略ブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るユーザ端末の概略ブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るサーバ装置による操作受け付け処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施の形態に係る動物園のウェブサイトの一例であり、カメラ毎の動画へのリンクの一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係るユーザ端末で動画を表示している一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係るカメラの配置を、動物園を上方から見た状態で説明するための説明図である。
【
図9】本発明の実施の形態に係るユーザ端末で合成動画を表示している一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0023】
図1を用いて、本実施の形態に係る情報処理システム10の一例を説明する。
図1は、本実施の形態に係る情報処理システム10の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る情報処理システム10は、ネットワークNに接続されるサーバ装置100と、映像を視聴するユーザが使用し、ネットワークNと接続されるユーザ端末200と、管理者が使用し、ネットワークNと接続される管理者端末300と、ネットワークNと接続されるカメラ400、とを備えている。このネットワークNには、例えば、ローカル5G(5th Generation Mobile Communication System:第5世代移動通信システム)、LAN(=Local Area Network)、WAN(=Wide Area Network)、インターネット等が適用される。ここで、本実施形態では、サーバ装置100は、情報処理装置の一例である。また、ユーザ端末200と、カメラ400とを、複数台備えている。
【0024】
ユーザ端末200は、ユーザが動物園の映像を視聴する際に使用する装置であり、本実施形態では、ユーザが所有するスマートフォン型やタブレット型の端末装置である。
【0025】
管理者端末300は、動物園内の管理人室などに設置され、情報処理システム10の管理者が使用する装置である。なお、管理者端末300は、サーバ装置100が兼ねてもよい。
【0026】
カメラ400は、動物園内に設置され、動物園の特定のエリア、例えば、動物園の動物の展示エリアを撮影対象とする。また、カメラ400により撮影されているリアルタイム動画は、サーバ装置100にネットワークNを介して送信されている。そして、ユーザ端末200からの操作に応じて、サーバ装置100からリアルタイム動画が送信されることで、ユーザがユーザ端末200を用いて、動物園内のリアルタイム動画を視聴することが可能となる。また、カメラ400は、動物園内の複数箇所に設置され、ユーザが動物園内の見たいエリアに設置されているカメラ400を選択して、当該カメラ400の動画を視聴可能にすることが望ましい。
【0027】
また、カメラ400は、地表面と水平方向から撮影対象を撮影する。すなわち、動物園の見学者が自らの目で見る角度の動画を撮影可能にしている。そのため、カメラ400の地表面からの高さは人の目の高さ程度であることが望ましい。なお、カメラ400は地表面と水平方向から撮影対象を撮影するものに限定されず、動物園の見学者が自らの目では見ることができない角度の動画を撮影するようにしてもよい。また、カメラ400は、動物園に固定されている場合に限定されず、例えば、飼育員の頭に取り付けたカメラや、飼育員が手に持っているカメラであってもよいし、又、動物園内を飛ぶドローンに取り付けたカメラであってもよい。
【0028】
また、カメラ400は、動物園内の動物が展示されているエリアを向けて設置され、動物園の来園者が通る通路や観客席など、動物園の来園者が写るエリアに向けて設置されないことが望ましい。動物園の来園者が写るエリアがカメラの撮影範囲内に入ってしまう場合は、ユーザ端末200に送信される動画には、人の顔を画像認識し、当該顔をぼかす処理などを施すことが望ましい。
【0029】
(サーバ装置100)
図2は、本実施の形態に係るサーバ装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、本実施の形態に係るサーバ装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、記憶部104、及び通信インタフェース105、を備えている。各構成は、バス106を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
CPU101は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU101は、ROM102又は記憶部104からプログラムを読み出し、RAM103を作業領域としてプログラムを実行する。CPU101は、ROM102又は記憶部104に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM102又は記憶部104には、プログラムが格納されている。
【0032】
ROM102は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM103は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部104は、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0033】
ここで、本実施の形態における記憶部104に記憶される情報としては、例えば、カメラ400が撮影した動画や、ユーザ端末200から送信されてきた静止画などがある。
【0034】
通信インタフェース105は、ネットワークNに接続されており、サーバ装置100をユーザ端末200や、管理者端末300、カメラ400などの他の機器と通信を行う。
【0035】
図3は、ユーザ端末200及び管理者端末300のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末200及び管理者端末300は、基本的には一般的なコンピュータ構成であるため、ユーザ端末200を代表して説明する。
【0036】
図3に示すように、本実施の形態に係るユーザ端末200は、CPU201、ROM202、RAM203、記憶部204、入力部205、表示部206及び通信インタフェース207、を備えている。各構成は、バス208を介して相互に通信可能に接続されている。
【0037】
CPU201は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU201は、ROM202又は記憶部204からプログラムを読み出し、RAM203を作業領域としてプログラムを実行する。CPU201は、ROM202又は記憶部204に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM202又は記憶部204には、プログラムが格納されている。
【0038】
ROM202は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM203は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部204は、HDD、又はSSDにより構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0039】
入力部205は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。入力部205は、後述するように、要望の選択などに使用される。また、本実施形態では、タッチパネル方式の表示部206が入力部205として機能している。
【0040】
表示部206は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部206は、CPU201の制御に基づき各種の情報を表示する。また、表示部206は、タッチパネル方式を採用して、入力部205としても機能する。
【0041】
通信インタフェース207は、ネットワークNに接続されており、ユーザ端末200をサーバ装置100や、管理者端末300などの他の機器と通信を行う。
【0042】
上記のプログラムを実行する際に、サーバ装置100は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。
【0043】
次に、サーバ装置100が実現する機能構成について説明する。
図4は、サーバ装置100のCPU101の機能構成の例を示すブロック図である。
【0044】
図4に示すように、サーバ装置100は、機能構成として、動画受付部110、送信部111、操作受付部112、保存部113及び報知部114を有する。各機能構成は、CPU101がROM102又は記憶部104に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0045】
(動画受付部110)
動画受付部110は、カメラ400から撮影中の動画を受け付ける。すなわち、カメラ400で撮影されているリアルタイム動画を受け付ける。
【0046】
(送信部111)
送信部111は、動画受付部110が受け付けたリアルタイムの動画をユーザ端末200に送信する。すなわち、サーバ装置100にアクセスしてきたユーザ端末200のリクエストに応じて、カメラ400が撮影中のリアルタイム動画をユーザ端末200に送信して、ユーザ端末200で再生させる。
【0047】
(操作受付部112)
操作受付部112は、ユーザ端末200からのユーザの予め定められた操作を受け付ける。ここで、予め定められた操作は、表示部206で再生される動画に表示され、ユーザが予め定められた者とコミュニケーションを取るための画像Gをタッチする操作である。
【0048】
(保存部113)
保存部113は、操作受付部112により受け付けたユーザ端末200からのユーザが予め定められた操作をした時点の再生中の動画の静止画を記憶部104に保存する。すなわち、ユーザが、予め定められた者とコミュニケーションを取るための画像Gを操作した際の再生中の動画のスクリーンショットが保存される。そして、静止画がユーザ端末200からサーバ装置100に送信され、記憶部104に保存される。なお、静止画をユーザ端末200からサーバ装置100に送信する方法は、静止画を送信できるものであれば、メールで送信するなど、どのような方法であってもよい。また、スクリーンショットがユーザ端末200からサーバ装置100に送信される場合に限定されず、CPU101が、ユーザにより画像Gが操作された日時から再生中の動画の静止画を抽出して記憶部104に保存するようにしてもよい。
【0049】
(報知部114)
報知部114は、保存部113により保存された静止画を予め定められた者に報知する。
【0050】
また、報知は、静止画をメールで予め定められた者が所有する端末(例えば、管理者端末300)に送信することなどにより行われる。また、かかる静止画の送信の際に、管理者端末300に設けられるスピーカから音声を出力することやランプを点灯することなどにより、静止画が送信されてきたことを報知しても良い。また、サーバ装置100にランプを備え、静止画を受け付けた場合は、ランプを点灯することにより、静止画が送信されてきたことを報知してもよい。
【0051】
ここで、予め定められた者とは、情報処理システム10の管理者や、警備担当者などである。管理者や警備担当者に報知する場合は、動物が脱走している、現地にいる見学者が勝手に餌を与えている、不審者がいる、ゴミのポイ捨てがあった、など、リアルタイム動画を視聴しているユーザが当該リアルタイム動画を視聴していて気が付いたことを、当該場面の静止画を用いて管理者などに向けて知らせることで、動物園とユーザとのコミュニケーションが可能となる。この場合は、多くのユーザの目で動物園内の状況を確認できるため、既存の防犯カメラを補完することも期待できる。
【0052】
また、予め定められた者は、動物園の飼育員などであってもよい。飼育員に報知する場合は、動物ショーの途中で送信されてきた静止画に写っている動物の説明を飼育員がカメラ400に向けて行うなどの行動をすることで、飼育員とユーザとのコミュニケーションを可能とする。これにより、実際にユーザが動物園で動物を見学しているかのような体験をさせることができる。また、飼育員が静止画に写っている動物をカメラ400に写りやすくすることで、ユーザが望む角度の動画を配信することも期待できる。
【0053】
次に、
図5を用いてサーバ装置100の作用について説明する。
図5は、サーバ装置100による操作受け付け処理の流れの一例を示すフローチャートである。CPU101がROM102又は記憶部104からプログラムを読み出して、展開して実行することにより、当該処理が行なわれる。また、本フローチャートの前提として、サーバ装置100は、カメラから動画を受け付けている(動画受付部110)。
【0054】
ステップS100において、サーバ装置100のCPU101により、ユーザ端末200から動画選択操作を受け付ける。具体的には、まず、ユーザがユーザ端末200を用いて、動物園のウェブサイトにアクセスする。
図6は、動物園のウェブサイトの一例である。
図6に示すように、動物園のウェブサイトでは、カメラ400毎に、「映像1」、「映像2」、「映像3」という動画へのリンクLが表示されている。そして、ユーザが、希望する動画へのリンクLを選択することで、動画が選択され、当該カメラ400が撮影しているリアルタイム動画を視聴可能としている。なお、カメラ400毎の動画へのリンクLは、
図6に「映像1」などと表示するものに限定されず、他の表示、例えば、「チャンネル1(Ch.1)」、「チャンネル2(Ch.2)」、「チャンネル3(Ch.3)」などの表示であってもよい。そして、次のステップS101に進む。
【0055】
ステップS101において、サーバ装置100のCPU101(送信部111)により、ステップS100でユーザが選択した動画がユーザ端末200に送信される。
図7は、ユーザ端末200で動画を表示している一例である。
図7に示すように、表示部206に表示される動画の上に「!」の画像Gが表示される。なお、画像Gは、
図7に示すように、動画の上に重ねて表示される場合に限定されず、動画と重ねて表示されない場所、例えば、表示部206に表示される動画の再生に関するメニュー部分やユーザ端末200の操作に関するメニュー部分などに表示してもよい。そして、次のステップS102に進む。
【0056】
ステップS102において、サーバ装置100のCPU101(操作受付部112)により、ユーザ端末200から画像Gをタッチする操作を受け付けたか否かが判定される。画像Gをタッチする操作を受け付けたと判定された場合は、次のステップS103に進む。画像Gをタッチする操作を受け付けたと判定されない場合は、再度ステップS102となる。
【0057】
ステップS103において、サーバ装置100のCPU101(保存部113)により、ステップS102で画像Gをタッチした時点での再生中の動画の静止画が記憶部104に保存される。そして、次のステップS104に進む。
【0058】
ステップS104において、サーバ装置100のCPU101(報知部114)により、ステップS103で保存された静止画が予め定められた者、例えば、情報処理システム10の管理者などに報知される。そして、処理を終了する。
【0059】
本実施の形態によれば、コミュニケーションを図り、どこに居ても動物園に行ったかのような体験をさせることができる。
【0060】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0061】
例えば、上述した実施の形態は、動画は1つのカメラ400で撮影されている動画であるが、これに限定されない。隣り合う複数のカメラ400で撮影されている動画を合成して、1つの大きな解像度となる合成動画を生成し、当該合成動画をユーザ端末200に送信してもよい。
【0062】
具体的には、
図8に示すように、複数のカメラ400を、動物園の同一の撮影対象を異なる設置位置から撮影するように設置する。
図8は、動物園を上方から見た状態を示す図である。
図8に示す例では、動物園の特定のエリアを囲む位置に、複数(本例では6個)のカメラ400を設置している。
【0063】
また、サーバ装置100に、機能構成として、同一の撮影範囲を異なる設置位置から撮影する複数のカメラ400から受け付けた動画のうち、隣り合う設置位置の複数のカメラ400により撮影された動画を構成するフレームの画像同士を合成して1つの合成動画を生成する合成部を備える。すなわち、隣り合う設置位置のカメラ400の動画を合成し、横方向に長い合成動画を生成する。
【0064】
図9は、ユーザ端末200で合成動画を表示している一例である。
図9では、カメラ400のうち、カメラA~カメラDの動画から横方向に長い合成動画を生成し、カメラBとカメラCとの動画を跨ぐ範囲の動画を視聴している状態を示している。また、
図9に示すように、合成動画のうち、ユーザが視聴したい部分が表示部206に表示されるように、縦又は横方向にスクロール(
図9中の矢印)可能としている。なお、動画の合成については既存の技術を使用するため説明を省略する。また、カメラ400は、複数のカメラ400で撮影できない死角がないように設置することが望ましいが、死角があることを排除するものではない。また、動画の合成は、複数のカメラ400から送信されてきた動画を全て合成する場合に限定されず、サーバ装置100の合成の処理を軽くするために、ユーザが視聴している範囲の動画のみ、すなわち、
図9に示す例では、カメラBとカメラCとの動画のみを合成するようにしてもよい。
【0065】
送信部111は、合成部が合成した動画をユーザ端末200に送信する。
【0066】
これにより、1つのカメラで撮影されている動画に比べ、広大なエリアを1つの動画で視聴することが可能となる。また、カメラ400の撮影範囲を跨ぐ範囲の動画を1つの動画で視聴することが可能となる。また、カメラ400を切り替えることなく、様々な角度から撮影された動物などを視聴することが可能となる。
【0067】
また、ユーザ端末200からスクリーンショットをサーバ装置100に送信する際に、ユーザがテキストデータや音声データを入力可能とし、スクリーンショットに写っている動物について質問を付加したり、気が付いた点のメモ書きを付加したりすることができるようにしてもよい。
【0068】
また、カメラ400だけではなく、カメラ400の他に又はカメラ400に加え、マイクを動物園内に設置し、動物園内の音もユーザ端末200に送信することで、より臨場感のある動画を視聴することができるようにしてもよい。
【0069】
また、情報処理システム10の管理者や、警備担当者に静止画を送ったユーザには、動物園で使用できる割引券や、特別な動画を視聴することができる権利などの特典を付与するようにして、画像Gをタッチする動機付けにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態の情報処理システム10は、動物園にカメラ400を設置する場合に限定されず、他の場所、例えば、美術館や博物館、公園、遊園地、コンサートホールなどにカメラ400を設置してもよい。
【0071】
上記実施形態では、プログラムがROM102又は記憶部104に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 情報処理システム
100 サーバ装置
200 ユーザ端末
300 管理者端末
400 カメラ