(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】複数の車両協調に基づく車両スケジューリングシステム、方法、電子機器および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240418BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20240418BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240418BHJP
G06Q 10/083 20240101ALN20240418BHJP
【FI】
G08G1/00 D
B65G61/00 542
G06Q50/40
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2022556642
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 CN2020080052
(87)【国際公開番号】W WO2021184265
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-09-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522369865
【氏名又は名称】馭勢(上海)汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】UISEE (SHANGHAI) AUTOMOTIVE TECHNOLOGIES LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 曉濛
(72)【発明者】
【氏名】鮮 余強
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-150020(JP,A)
【文献】米国特許第9786187(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B65G 61/00
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジューリングパラメータを決定するためのパラメータモジュールと、
前記スケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果を決定するためのスケジューリングモジュールと、
前記スケジューリング結果に基づいて協調影響値を決定するための協調モジュールであって、
前記協調影響値は、輸送タスクを完了するときに複数の車両同士の協調による各車両の到着予定時間への影響であり、
前記協調影響値は、到着予定時間影響値または協調スケジューリング影響ファクターを含み、
前記到着予定時間影響値は、協調前と協調後の車両が輸送タスクを完了するために各地点に到着する協調後の到着予定時間から協調前の協調前到着予定時間を差し引いた差の総和を指し、
前記協調スケジューリング影響ファクターは、到着予定時間影響値と協調前に輸送タスクを完了する総時間との比であり、
前記協調影響値を決定することは、
協調が必要な領域である協調領域を決定することと、
前記協調領域における各車両のリリース順序および各車両の待ち時間を決定することと、
前記リリース順序、前記待ち時間および前記スケジューリング結果に基づいて、協調領域の協調影響値を決定することと、を含む協調モジュールと、
前記協調影響値に基づいてスケジューリングパラメータを補正するための補正モジュールであって、
前記協調影響値が予め設定された閾値以上であるか否かを判断し、前記協調影響値が予め設定された閾値以上である判断結果に基づいて、前記スケジューリングパラメータを補正し、補正したスケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果および協調影響値を改めて決定する、補正モジュールと、
前記判断結果が予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記スケジューリング結果を出力するための出力モジュールと、を含む、
ことを特徴とする複数の車両協調に基づく車両スケジューリングシステム。
【請求項2】
前記スケジューリングパラメータは、輸送タスクプロパティ、スケジューリング条件を含み、前記輸送タスクプロパティは、輸送タスクの始点および終点を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スケジューリングパラメータは、車両プロパティをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記輸送タスクプロパティは、輸送タスクの輸送量、輸送タスクの最も早い開始時間、輸送タスクの最も遅い開始時間、輸送タスクの最も早い終了時間および輸送タスクの最も遅い終了時間のうちの少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記車両プロパティは、車両協調前の到着予定時間を含み、
前記到着予定時間のグループは、複数の車両の運行領域内における各地点間での車両協調前の到着予定時間を指し、
前記車両協調前の到着予定時間は、過去のデータに応じて統計された車両がある地点から別の地点まで走行するのに必要な時間であることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記車両プロパティは、車両の容量、車両の積載量および車両エネルギー消費のうちの少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記スケジューリング条件は、車両の総走行距離が最も短いこと、車両が輸送タスクを完了する総時間が最も短いこと、車両の総エネルギー消費が最も小さいこと、および車両の配車数が最も少ないことのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記スケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果を決定することは、
静的スケジューリングに基づいて、メタヒューリスティクスアルゴリズムでスケジューリング結果を決定することと、
動的スケジューリングに基づいて、ヒューリスティクスアルゴリズムでスケジューリング結果を決定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記スケジューリング結果は、
輸送タスクと車両との多対1、1対多または多対多のマッピングを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記スケジューリング結果に基づいて、車両の協調後の到着予定時間と、
車両の出発手順、出発時間、完了時間のうちの1種又は複数種を決定することを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記協調影響値は、到着予定時間影響値であって、前記協調領域の協調影響値を決定することは、
協調領域の到着予定時間影響値を決定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記協調影響値は協調スケジューリング影響ファクターであって、前記協調領域の協調影響値を決定することは、
前記到着予定時間影響値および協調前の到着予定時間に基づいて、協調領域の協調スケジューリング影響ファクターを決定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記スケジューリングパラメータの前記補正は、
車両の協調後の到着予定時間の調整、および
車両の走行経路の調整の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記協調影響値の最大領域内の到着予定時間の調整は、車両が協調領域を出てから後続タスクの始点および終点までの協調後の到着予定時間を調整することであることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
プロセッサの実行によって、スケジューリングパラメータを取得することと、
プロセッサの実行によって、前記スケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果を決定することと、
プロセッサの実行によって、前記スケジューリング結果に基づいて協調影響値を決定することと、
プロセッサの実行によって、前記協調影響値が予め設定された閾値以上であるか否かを判断し、前記協調影響値が予め設定された閾値以上である判断結果に基づいて、前記スケジューリングパラメータを補正し、補正したスケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果および協調影響値を改めて決定することと、
前記判断結果が予め設定された閾値よりも小さい場合に、
プロセッサの実行によって、前記スケジューリング結果を出力することと、を含み、
前記協調影響値は、輸送タスクを完了するときに複数の車両同士の協調による各車両の到着予定時間への影響であり、
前記協調影響値は、到着予定時間影響値または協調スケジューリング影響ファクターを含み、
前記到着予定時間影響値は、協調前と協調後の車両が輸送タスクを完了するために各地点に到着する協調後の到着予定時間から協調前の協調前到着予定時間を差し引いた差の総和を指し、
前記協調スケジューリング影響ファクターは、到着予定時間影響値と協調前に輸送タスクを完了する総時間との比であり、
前記協調影響値を決定することは、
協調が必要な領域である協調領域を決定することと、
前記協調領域における各車両のリリース順序および各車両の待ち時間を決定することと、
前記リリース順序、前記待ち時間および前記スケジューリング結果に基づいて、協調領域の協調影響値を決定することと、を含む
ことを特徴とする複数の車両協調に基づく車両スケジューリングの方法。
【請求項16】
前記スケジューリングパラメータは、輸送タスクプロパティ、車両プロパティおよびスケジューリング条件を含み、
前記輸送タスクプロパティは、輸送タスクの始点および終点を含み、輸送タスクの輸送量、輸送タスクの最も早い開始時間、輸送タスクの最も遅い開始時間、輸送タスクの最も早い終了時間および輸送タスクの最も遅い終了時間のうちの少なくとも1つをさらに含み、
前記車両プロパティは、車両の容量、車両の積載量および車両エネルギー消費のうちの少なくとも1つを含み、
前記スケジューリング条件は、車両の総走行距離が最も短いこと、車両が輸送タスクを完了する総時間が最も短いこと、車両の総エネルギー消費が最も小さいこと、および車両の配車数が最も少ないことのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記車両プロパティは、車両協調前の到着予定時間のグループを含み、
前記協調前の到着予定時間のグループは、複数の車両の運行領域内の各地点間での車両到着予定時間を指し、
前記協調前の車両到着予定時間は、過去のデータに応じて統計された車両がある地点から別の地点まで走行するのに必要な時間であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記スケジューリング結果は、
輸送タスクと車両との多対1、1対多または多対多のマッピングを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記協調影響値は、到着予定時間影響値であって、前記協調領域の協調影響値を決定することは、協調領域の到着予定時間影響値を決定することと、を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記協調影響値は、協調スケジューリング影響ファクターであって、前記協調領域の協調影響値を決定することは、
到着予定時間影響値および協調前の到着予定時間に基づいて、協調領域の協調スケジューリング影響ファクターを決定することと、を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記スケジューリングパラメータの前記補正は、協調影響値の最大領域内の到着予定時間の調整を含み、
前記協調影響値の最大領域内の到着予定時間の調整は、
車両が協調領域を出てから後続タスクの始点および終点までの協調後の到着予定時間を調整することであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項22】
請求項15~21のいずれか一項に記載の方法を実行するようにメモリに記憶されたモジュールを実行するためのプロセッサと、
請求項1~14のいずれか一項に記載の車両スケジューリングシステムを実現するための対応するモジュールを記憶するメモリと、前記プロセッサおよび前記メモリを接続し、前記メモリと前記プロセッサの情報の相互作用を実現するためのI/Oインターフェースとを含むことを特徴とする電子機器。
【請求項23】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、プログラムまたはコマンドを記憶し、前記プログラムまたはコマンドは、コンピュータに請求項15~21のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両スケジューリングに係る技術分野に関し、より具体的には、複数の車両協調に基づく車両スケジューリングシステム、方法、電子機器および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
物流輸送では、通常、1つまたは複数の輸送タスクが複数の車両により完成し、車両全体を合理的に手配することが非常に重要である。現在、複数の車両が輸送タスクを進行するときに、車両の走行経路が衝突したり、複数の車両が混雑したりするなどの問題が発生し、輸送タスクを完成させる効率の低下を引き起こす。
【0003】
よって、不合理なスケジューリング問題を如何にして解決するかは、本分野の技術者が解決しなければならない課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、上記問題を考慮して提出されたものである。本開示は、複数の車両協調に基づく車両スケジューリングシステム、方法、電子機器および記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面において、複数の車両協調に基づく車両スケジューリングシステムを提供する。複数の車両協調に基づく車両スケジューリングシステムは、スケジューリングパラメータを決定するためのパラメータモジュールと、前記スケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果を決定するためのスケジューリングモジュールと、前記スケジューリング結果に基づいて協調影響値を決定するための協調モジュールと、前記協調影響値に基づいてスケジューリングパラメータを補正するための補正モジュールと、前記判断結果が予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記スケジューリング結果を出力するための出力モジュールと、を含み、前記補正モジュールは、前記協調影響値が予め設定された閾値以上であるか否かを判断し、前記協調影響値が予め設定された閾値以上である判断結果に基づいて、前記スケジューリングパラメータを補正し、補正したスケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果および協調影響値を改めて決定する。
【0006】
本開示の別の側面において、前記車両スケジューリングシステムを実行するようにメモリに記憶されたモジュールを実行するためのプロセッサと、前記車両スケジューリングシステムを実現するための対応するモジュールを記憶するメモリと、前記プロセッサおよび前記メモリを接続し、前記メモリと前記プロセッサの情報の相互作用を実現するためのI/Oインターフェースとを含む、電子機器を提供する。
【0007】
本開示の別の側面において、スケジューリングパラメータを取得することと、前記スケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果を決定することと、前記スケジューリング結果に基づいて協調影響値を決定することと、前記協調影響値が予め設定された閾値以上であるか否かを判断し、前記協調影響値が予め設定された閾値以上である判断結果に基づいて、前記スケジューリングパラメータを補正し、補正したスケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果および協調影響値を改めて決定することと、前記判断結果が予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記スケジューリング結果を出力することと、を含む複数の車両協調に基づく車両スケジューリングの方法を提供する。
【0008】
本開示の別の側面において、プログラムまたはコマンドを記憶し、前記プログラムまたはコマンドは、コンピュータに前記複数の車両協調に基づく車両スケジューリング方法のステップを実行させるコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る実施例は、複数の車両協調に基づく車両スケジューリングシステム、方法、電子機器および記憶媒体を提供することにより、スケジューリング時の複数の車両の優位順序およびタスクの手配の問題を効果的に解決することができ、複数の車両の運行による複数の車両の衝突、渋滞、不合理な手配などの問題を改善し解決し、輸送タスクの完了効率を効果的に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面を参照しながら本発明の実施例をより詳細に説明することによって、本発明の上記及び他の目的、特徴及びメリットはより明らかになる。図面は本発明の実施例を更に理解させ、明細書の一部を構成するためのものであり、本発明の実施例と共に本発明を解釈するために用いられるが、本発明を限定するものとならない。図面において、同じ参照符号は通常同じ部材又はステップを表す。
【
図1】本開示の一実施例による車両スケジューリングシステムのシーン図を示す。
【
図2】本開示の一実施例による車両スケジューリングシステムの模式図を示す。
【
図3】本開示の一実施例による電子機器の模式的なブロック図を示す。
【
図4】本開示の一実施例によるスケジューリング方法の模式的なフローチャートを示す。
【
図5】本開示の一実施例による協調影響値を決定する模式的なフローチャートを示す。
【
図6】本開示の一実施例による協調影響値を決定する模式的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の目的、技術的解決手段及びメリットをより明らかにするために、以下、図面を参照しながら本発明に係る例示的実施例を詳細に説明する。当然ながら、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、本発明の全ての実施例ではなく、理解すべきのは、本発明がここに記載の例示的実施例に限定されるものではないことである。本発明に記載の本発明実施例に基づき、当業者が創造的労働を行わずに得た他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0012】
本開示は、複数の車両協調に基づく車両スケジューリングシステムを提供する。いくつかの実施例において、前記車両スケジューリングシステムは、物流、輸送、レンタル、団地運営、乗客輸送などの点に適用できる。前記車両スケジューリングシステムは、交通システムの渋滞現象を緩和するために用いることができる。いくつかの実施例において、前記車両スケジューリングシステムは、予め設定された領域における複数の車両をスケジューリングすることができ、前記複数の車両は、スマート運転車両であってもよいし、手動運転車両であってもよく、そのうち、前記手動運転車両は、前記車両スケジューリングシステムからのスケジューリングを受信することができる。いくつかの実施例において、前記予め設定された領域は、限定されている運営領域であってもよい。いくつかの実施例において、前記車両スケジューリングシステムは、複数のサブシステムがあってもよく、各サブシステムは、1つの運営領域の車両を管理するために用いられ、前記車両スケジューリングシステムは、複数のサブシステムおよびすべての運営領域の車両を管理するために用いられる。いくつかの実施例において、前記車両スケジューリングシステムは、出発地から目的地までの複数の車両の到着予定時間を計算し、異なる車両の運転状況に応じて影響ファクターを計算し、影響ファクターに基づいて異なる車両を改めてスケジューリングすることができる。
【0013】
図1は、本開示の実施例が提供する車両スケジューリングシステムの典型的なシーン図である。該シーンは、スケジューリングシステム101を含むサーバ100と、複数の車両102-1、102-2、102-3、……、102-Nとを含む。
【0014】
図1に示すように、サーバ100は、限定された領域内における車両を協調してスケジューリングするために用いられる。いくつかの実施例において、前記サーバ100は、車両の行程を計画するためのスケジューリングコマンドを車両に送信することができる。前記サーバ100は、スケジューリング過程における車両の通行状況、車両のスケジューリング状況などの複数の車両の運転状況に基づいて協調処理を行うことができ、すべての車両の行程は、走行時間が最も短くまたは総走行距離が最も短いといった一定の要求を満たすようにする。
【0015】
サーバ100は、他の車両との協調を制御するように制御コマンドを車両に送信することができる。
【0016】
サーバ100は、スケジューリングシステム101を含む。スケジューリングシステム101は、スケジューリングコマンドを生成して車両に送信するために用いられる。スケジューリングシステム101は、タスク要求およびスケジューリング条件を受信し、受信したタスク要求およびスケジューリング条件に基づいてスケジューリング情報を生成する。そのうち、スケジューリング情報は、車両とタスクとの間のマッピング関係を指す。前記マッピング関係は、1対1、1対多または多対1であってもよい。
【0017】
車両102は、サーバ100からの情報を受信して情報に基づいて計画して制御するために用いられる。前記車両は、手動運転車両であってもよいし、自動運転車両であってもよい。いくつかの実施例において、前記車両は無人運転車両であり、サーバは、スケジューリングコマンドを自動運動車両に送信し、自動運動車両は、受信したスケジューリングコマンドに基づいて車両を制御して走行させる。いくつかの実施例において、前記車両には運転手がいり、運転手は車両が受信したスケジューリングコマンドに応じて車両を操作する。前記自動運動車両は、サーバからの制御コマンドをさらに受信することができる。
【0018】
図2は、本開示の一実施例に係る車両スケジューリングシステムの模式的なブロック図を示し、前記スケジューリングシステム103と
図1に示されるスケジューリングシステム101とは、同じ構成または構造を有する。
【0019】
図2に示すように、車両スケジューリングシステムは、パラメータモジュール310、スケジューリングモジュール320、協調モジュール330、補正モジュール340、出力モジュール350、および車両スケジューリングに使用できる他のコンポーネントまたはモジュールを含む。
【0020】
パラメータモジュール310は、スケジューリングパラメータを決定するために用いられる。パラメータモジュール310は、現在の輸送タスク要求およびスケジューリング条件に基づいてスケジューリングパラメータを決定する。いくつかの実施例において、スケジューリングパラメータは、輸送タスクプロパティおよびスケジューリング条件を含む。そのうち、輸送タスクプロパティは、輸送タスクの始点および終点を含む。いくつかの実施例において、輸送タスクプロパティは、輸送タスクの輸送量、輸送タスクの最も早い開始時間、輸送タスクの最も遅い開始時間、輸送タスクの最も早い終了時間および輸送タスクの最も遅い終了時間のうちの少なくとも1つをさらに含む。いくつかの実施例において、輸送タスクプロパティは、輸送タスクを完了する時間を含み、例えば、輸送タスクが30分間以内に完了しなければならず、輸送タスクが1時間以内に完了しなければならないなどである。いくつかの実施例において、輸送タスクプロパティは、常温輸送、冷蔵輸送および冷凍輸送などの輸送温度要求をさらに含む。輸送タスクプロパティは、具体的な温度要求を含んでもよく、例えば、温度が摂氏40度以下または摂氏36度以上などである。スケジューリングシステムは、1つまたは複数の輸送タスクに基づいて車両をスケジューリングする。
【0021】
いくつかの実施例において、スケジューリングパラメータは、さらに車両プロパティを含む。いくつかの実施例において、車両プロパティは、輸送領域内における車両の到着予定時間を含み、到着予定時間は、各車両の運行領域内における各地点間での車両の到着予定時間を含み、車両到着予定時間は、過去のデータに応じて統計された車両がある地点から別の地点まで走行するのに必要な時間である。区別を容易にするために、車両プロパティにおける到着予定時間が協調前の到着予定時間と呼ばれる。異なる車両の同じ始点および同じ目的地での到着予定時間は、同一であってもよく、異なってもよい。
【0022】
同じ車両の同じ始点および目的地での到着予定時間は、複数個あってもよい。例えば、時間帯や走行経路が異なると到着予定時間が異なり、同じ経路でも道路の渋滞状況によって到着予定時間が異なる。例えば、車両の状況が異なると、到着予定時間も異なる。
【0023】
前記到着予定時間は、8時5分、9時10分などの時点である。例えば、車両は、時刻T1に地点Aから出発し、時刻T2に地点Bに到着する場合、地点Aから地点Bへの車両の到着予定時間はT2である。異なる車両が同じ時刻に出発し、運営領域内のある地点Aから別の地点Cへの到着予定時間は、同一であってもよく、異なってもよい。いくつかの実施例において、1台の車両がある地点Aから別の地点Cへ同じ時刻に出発するには、到着予定時間は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。例えば、1台の車両が9時15分に地点Aから地点Bを経由して地点Cに到着する到着予定時間は9時30分であり、地点Aから地点Bおよび地点Dを経由して地点Cに到着する到着予定時間は9時50分であり、この場合、この車両の地点Aから地点Cへの到着予定時間は、9時30分および9時50分を含む。車両の到着予定時間は、車両の走行の履歴データに応じて統計して得られるものである。当然のことながら、車両の到着予定時間は、地点間の距離と該車両の速度に応じて計算して得られるものであってもよい。いくつかの実施例において、車両の到着予定時間には、気象状況も考慮される。例えば、車両が8時15分に地点Aから地点Eへ出発し、晴天の場合に、到着予定時間は8時30分であり、濃霧の場合に、地点Aから地点Eへの到着予定時間は8時40分であり、雪の日に地点Aから地点Eへの到着予定時間は8時50分である。
【0024】
いくつかの実施例において、車両プロパティは、車両の容量、車両の積載量および車両エネルギー消費のうちの少なくとも1つをさらに含む。車両の容量は車両の総容量および残りの容量を含んでもよく、例えば、車両の総容量が7人乗りであり、2人が既に乗られる場合、残りの容量が5人乗りである。車両が空荷の場合に、車両の残りの容量は車両の総容量に等しくなる。同様に、車両の積載量は、車両の最大積載重量および可用積載重量を含み、例えば、車両の最大積載重量が1.8トンであり、既に0.5トン積載される場合、可用積載重量が1.3トンである。車両が空荷の場合に、車両の最大積載重量は、車両の可用積載重量に等しくなる。車両エネルギー消費は、車両が1キロメートルあたりに消費したエネルギーおよび残りのエネルギーを含む。例えば、車両の容量は、車両の総積載可能容積および残りの積載可能容積を含む。車両がガソリン車の場合に、該車両の車両エネルギー消費は、該車両の1キロメートルあたりのガソリン消費量およびガソリンの残量を含む。車両がディーゼル車の場合、該車両の車両エネルギー消費は、該車両の1キロメートルあたりのディーゼル油の消費量およびディーゼ油の残量を含む。車両が電気自動車の場合、該車両の車両エネルギー消費は、該車両が1キロメートルあたりに消費した電力量および残りの電力量を含む。車両がLNG(Liquefied Natural Gas、液化天然ガス)自動車の場合、該車両の車両エネルギー消費は、該車両が1キロメートルあたりに消費したLNG量および残りのLNG量を含む。
【0025】
いくつかの実施例において、スケジューリング条件は、車両の総走行距離が最も短いこと、車両が輸送タスクを完了する総時間が最も短いこと、車両の総エネルギー消費が最も小さいこと、および車両の配車数が最も少ないことのうちの少なくとも1つを含む。当然のことながら、車両の総走行距離が最も短いことは、1つの輸送タスクを完了するときに使用される車両の総走行距離が最も短いことである。車両が輸送タスクを完了する総時間が最も短いことは、1つの輸送タスクを完了するときに使用される車両が起動から停止までにかかる総時間が最も短いことである。車両の配車数が最も少ないことは、1つの輸送タスクを完了するために使用される車両の数が最も少ないことである。当然のことながら、スケジューリング条件は、輸送タスクのニーズに応じて変更することができ、上記はスケジューリング条件の例示的な説明に過ぎず、スケジューリング条件は、輸送タスクのニーズを満たす他の適切な条件であってもよい。
【0026】
スケジューリングモジュール320は、前記スケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果を決定するために用いられる。いくつかの実施例において、スケジューリング結果は、輸送タスクと車両との多対1、1対多または多対多のマッピングを含む。
【0027】
輸送タスクと車両との多対1マッピングは、複数の輸送タスクが1台の車両によって完了することを指し、輸送タスクと車両との1対多マッピングは、1つの輸送タスクが複数の車両によって完了することを指し、輸送タスクと車両との多対多マッピングは、複数の輸送タスクが複数の車両により完了することを指す。いくつかの実施例において、輸送タスクは、1つまたは複数の輸送サブタスクを含んでもよく、例えば、1つの輸送サブタスクは、Wを地点Aから地点Bに輸送することであり、もう1つの輸送サブタスクは、Yを地点Cから地点Bに輸送することである。例えば、ある輸送タスクは、2Mトンの貨物を地点Aから地点Bに輸送することであり、1台の車両の最大積載量がMトンである場合、この輸送タスクを完了するには、2台の車両が必要である。スケジューリング結果における車両の到着予定時間は、車両が輸送タスクを完了するための到着予定時間である。
【0028】
いくつかの実施例において、前記スケジューリングモジュールは、静的スケジューリングまたは動的スケジューリングに基づいてスケジューリング結果を決定することができる。そのうち、前記静的スケジューリングは、精度が高いメタヒューリスティクスアルゴリズムに基づいてスケジューリング結果を決定することを指し、前記動的スケジューリングは、リアルタイム性が高いヒューリスティクスアルゴリズムに基づいてスケジューリング結果を決定することを指す。
【0029】
静的スケジューリングに基づいて、スケジューリングモジュールは、メタヒューリスティクスアルゴリズムを採用する。そのうち、前記メタヒューリスティクスとは、ランダムアルゴリズムとローカル検索アルゴリズムとを組み合わせて、継続的な反復によって検索空間において探索することを指す。メタヒューリスティクスアルゴリズムは、通常、ヒューリスティクスアルゴリズムを用いて1つまたは1組の初期解を生成し、続いて初期解をランダムに変換して新しい解を生成し、次に新しい解を評価して元の解と比較し、新しい解を一定の規則で次の反復の開始として受け取ることで、継続的な反復によって最適/近似最適解を取得する。いくつかの実施例において、前記メタヒューリスティクスアルゴリズムは、遺伝的アルゴリズム、シミュレーテッドアニーリングアルゴリズム、タブサーチ、粒子群アルゴリズム、アリコロニーアルゴリズムなどを含むがこれらに限定されない。
【0030】
動的スケジューリングに基づいて、スケジューリングモジュールは、ヒューリスティクスアルゴリズムを採用する。ヒューリスティクスアルゴリズムは、直感的または経験的に構築されたアルゴリズムであり、許容可能な条件下で最適化問題に実行可能なソリューションを与える。いくつかの実施例において、前記ヒューリスティクスアルゴリズムは、節約法、スキャン法および補間法などを含むがこれらに限定されない。
【0031】
スケジューリング結果における車両の到着予定時間は、1台または複数の車両の到着予定時間を含んでもよい。例えば、スケジューリングタスクは、Wを地点Aから地点Bに輸送することであり、地点Aから地点Bへの道路が地点Fを経由する場合、対応するスケジューリング結果における車両の到着予定時間は、地点Aから地点Bまでの車両の到着予定時間を含み、地点Aから地点Fへの車両の到着予定時間および地点Fから地点Bへの車両の到着予定時間を含んでもよい。
【0032】
協調モジュール330は、前記スケジューリング結果に基づいて、協調領域の協調影響値を決定するために用いられる。
【0033】
協調影響値は、輸送タスクを完了するときに複数の車両同士による到着予定時間への影響を指す。いくつかの実施例において、協調影響値は、到着予定時間影響値または協調スケジューリング影響ファクターを含む。到着予定時間影響値は、協調が必要な領域における各車両の到着予定時間に対する影響を指す。前記協調モジュール330は、前記スケジューリング結果に応じて、協調が必要な領域および車両を決定し、前記協調領域における各協調車両のリリース順序および待ち時間を決定し、前記リリース順序およびスケジューリング時間に基づいて各車両の協調後の到着予定時間を決定し、協調後の到着予定時間および協調前の到着予定時間に基づいて影響値を決定する。
【0034】
前記到着予定時間影響値は、車両の協調後の到着予定時間と対応する車両の協調前の到着予定時間との差を指す。車両102-8については、それが協調領域を離れてから次の地点Gに到着する到着予定時間影響値は、車両102-8が地点Gに到着する協調後の到着予定時間と協調前の到着予定時間との差を指す。車両102-8については、その到着予定時間影響値は、車両102-8が協調領域を離れてから次の各地点に到着する到着予定時間影響値の和を指す。複数の車両協調のために一部の車両が待っている現象が生じ、これらの車両が一部のタスクポイントに到着する到着予定時間は大きくなり、到着予定時間影響値は、すなわち、輸送タスクを完了するための協調後の車両が各地点に到着する協調後の到着予定時間から、協調前の協調前到着予定時間を差し引いた差の和であり、到着予定時間影響値は正の数である。いくつかの実施例において、1つの輸送タスクを完了しようとする場合、車両102-1に割り当てられたタスクは、地点Aから地点Bへ、さらに地点Cから地点Dへ移動することであり、車両102-2のタスクは、地点Eから地点Fへ移動することであり、協調前に、車両102-1が8時15分に地点Aから出発し、すべてのタスクを終えるのに25分間かかり、輸送タスクの終点Dに到着する到着予定時間が8時40分である。協調前に、車両102-2が8時10分に地点Eから出発し、輸送タスクを終えるのに30分間かかり、輸送タスクの終点Fに到着する到着予定時間が8時40分である。協調後に、車両102-1は、地点Bに向かう途中の車両102-2との交差領域で5分間待ち、車両102-2は待つ必要がなくなる。このように、協調後に、車両102-1が地点Bに到着する到着予定時間は5分間増加し、地点Cに到着する到着予定時間は5分間増加し、地点Dに到着する到着予定時間は5分間増加し、車両102-1が輸送タスクを完了する到着予定時間影響値は15分間であり、車両102-2の到着予定時間は変化せず、到着予定時間影響値は0である。協調領域の到着予定時間影響値は、該領域におけるすべての車両の到着予定時間影響値の和を指す。
【0035】
いくつかの実施例において、前記協調影響値が到着予定時間影響値であることに基づいて、前記協調モジュール330が前記協調影響値を決定することは、まず協調領域を決定することと、協調領域内における各車両のリリース順序および各車両の待ち時間を決定することと、前記各車両のリリース順序および各車両の待ち時間に基づいて協調領域の到着予定時間影響値を決定することと、を含む。
【0036】
いくつかの実施例において、協調スケジューリング影響ファクターは、1台の車両が輸送タスクを完了する到着予定時間影響値と協調前の輸送タスクの総完了時間との比である。いくつかの実施例において、1つの輸送タスクを完了しようとする場合、車両102-1に割り当てられたタスクは、地点Aから地点Bへ、さらに地点Cから地点Dへ移動することであり、車両102-2のタスクは、地点Eから地点Fへ移動することであり、協調前に、車両102-1が8時15分に地点Aから出発し、すべてのタスクを終えるのに25分間かかり、輸送タスクの終点Dに到着する定到着時間が8時40分である。協調前に、車両102-2が8時10分に地点Eから出発し、輸送タスクを終えるのに30分間かかり、輸送タスクの終点Fに到着する到着予定時間が8時40分である。協調後に、車両102-1は、地点Bに向かう途中の車両102-2との交差領域で5分間待ち、車両102-2は待つ必要がなくなる。このように、協調後に、車両102-1が地点Bに到着する到着予定時間は5分間増加し、地点Cに到着する到着予定時間は5分間増加し、地点Dに到着する到着予定時間は5分間増加し、車両102-1が輸送タスクを完了する到着予定時間影響値は15分間であり、車両102-1の協調スケジューリング影響ファクターは0.6(15/25=0.6)であり、車両102-2の到着予定時間は変化せず、到着予定時間影響値は0であり、車両102-2の協調スケジューリング影響ファクターは0(0/30=0)である。協調前、協調領域の協調スケジューリング影響ファクターは、該領域におけるすべての車両の協調スケジューリング影響ファクターの和である。
【0037】
いくつかの実施例において、前記協調影響値が協調スケジューリング影響ファクターであることに基づいて、前記協調モジュール330が前記協調影響値を決定することは、協調領域を決定することと、協調領域内における各車両のリリース順序および各車両の待ち時間を決定することと、前記各車両のリリース順序および各車両の待ち時間に基づいて協調領域の到着予定時間影響値を決定することと、到着予定時間影響値および協調前の到着予定時間に基づいて協調領域の協調スケジューリングファクターを決定することと、を含む。
【0038】
補正モジュール340は、前記協調領域の協調影響値に基づいてスケジューリングパラメータを補正するために用いられる。いくつかの実施例において、前記補正モジュールは、前記協調領域の協調影響値に基づいてスケジューリングパラメータを補正することができる。いくつかの実施例において、前記補正モジュール340は、車両の協調後の到着予定時間を調整することでスケジューリングパラメータを補正することができる。いくつかの実施例において、前記車両の協調後の到着予定時間の調整は、車両が輸送タスクを完了する協調後の到着予定時間を調整することであってもよく、協調影響値を低下させる。
【0039】
いくつかの実施例において、前記車両の協調後の到着予定時間の調整は、協調の影響を新たなスケジューリングパラメータに転化した協調後の到着予定時間である。いくつかの実施例において、該協調領域に係る待つ必要があるすべての車両に対して、該協調領域に到着する前の車両の順序は変更せず、協調領域に到着した後の輸送タスクを改めてスケジューリングする。
【0040】
いくつかの実施例において、前記補正モジュール340は、車両の走行経路を調整することでスケジューリングパラメータを補正することができる。
【0041】
前記補正モジュール340は、前記協調領域の協調影響値が予め設定された閾値以上であるか否かを判断し、前記協調影響値が予め設定された閾値以上である判断結果に基づいて、前記スケジューリングパラメータを補正し、補正したスケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果および協調影響値を改めて決定する。協調影響値の最大領域内の到着予定時間の調整は、車両が前記協調領域を出てから後続タスクの始点および終点までの協調後の到着予定時間を調整することである。
【0042】
これによれば、協調影響値の最大領域外の車両リリース順序を変更すること、車両の走行経路を変更すること、車両の待ち時間を変更することなどの結果うちの1種または複数種を含むがこれらに限定されない。
【0043】
車両の走行経路を調整する結果として、車両が走行経路を変更し、該協調影響値が最も大きな領域に入らず、さらに複数の車両協調による影響を低下させること、該協調影響値が最も大きな領域での車両の数量を低減させ、さらに複数の車両協調による影響を低下させることのうちの1種または複数種を含むがこれらに限定されない。
【0044】
出力モジュール350は、前記判断結果が予め設定された閾値よりも小さい場合に、スケジューリング結果を出力するために用いられる。
【0045】
出力モジュール350は、補正モジュールのスケジューリング結果を受信し、前記スケジューリング結果を車両に送信する。
【0046】
本分野の技術者であれば、本出願に開示される内容は、様々な変形および改良が可能であることを理解することができる。例えば、上述した異なる機能コンポーネントは、すべてハードウェアデバイスにより実現されるが、ソフトウェアソリューションのみにより実現される場合もある。例えば、システムを既存のサーバにインストールする。ここに開示される内容は、1つのファームウェア、ファームウェア/ソフトウェアの組み合わせ、ファームウェア/ハードウェアの組み合わせ、またはハードウェア/ファームウェア/ソフトウェアの組み合わせによって実現され得る。例えば、前記協調モジュールおよび前記補正モジュールは、車両の協調スケジューリングを統一的に完了するように一体化され得る。さらに、例えば、前記補正モジュールおよび前記出力モジュールは、車両の協調スケジューリングを統一的に完了するように一体化され得る。
【0047】
別の側面において、本開示の実施例は、電子機器を提供し、
図3に示すように、プロセッサ、メモリおよびI/Oインターフェースを含む。
【0048】
メモリは、本開示の実施例に係る車両スケジューリングシステムを実現するための対応するモジュールを記憶する。
【0049】
プロセッサは、本開示の実施例に係る車両スケジューリングシステムを実行するように、前記メモリに記憶されたモジュールを実行するために用いられる。
【0050】
そのうち、プロセッサは、データ処理機能を備えるデバイスであり、中央処理装置(CPU)などを含むがこれに限定されない。メモリは、データ記憶機能を備えるデバイスであり、ランダムアクセスメモリ(RAM、より具体的には、例えば、SDRAM、DDRなど)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラム読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(FLASH(登録商標))を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施例において、プロセッサは、サーバであってもよいし、サーバグループであってもよい。サーバグループは、集中型であってもよいし、分散型であってもよい。いくつかの実施例において、サーバは、ローカルまたはリモートであってもよい。
【0051】
I/Oインターフェース(読み取り/書き込みインターフェース)は、プロセッサとメモリとの間に接続され、メモリとプロセッサの情報の相互作用を実現するために用いられ、データバス(Bus)などを含むがこれに限定されない。
【0052】
別の側面において、本開示の実施例は、複数の車両協調に基づく車両スケジューリング方法を提供する。本実施例が提供する車両スケジューリング方法のステップは、それぞれ上述した車両スケジューリングシステムの各モジュールにより実行される。以下、車両スケジューリング方法の主なステップのみを説明し、以上に既に説明された細部を省略する。
図4を参照すると、本開示の実施例に係る車両スケジューリング方法は、以下を含む。
【0053】
ステップ410において、前記サーバは、スケジューリングパラメータを取得する。
【0054】
いくつかの実施例において、スケジューリングパラメータは、輸送タスクプロパティおよびスケジューリング条件を含む。
【0055】
輸送タスクプロパティは、輸送タスクの始点および終点を含む。いくつかの実施例において、タスクプロパティは、輸送タスクの輸送量、輸送タスクの最も早い開始時間、輸送タスクの最も遅い開始時間、輸送タスクの最も早い終了時間および輸送タスクの最も遅い終了時間のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0056】
いくつかの実施例において、前記スケジューリングパラメータは、車両プロパティをさらに含む。いくつかの実施例において、車両プロパティは、車両の容量、車両の積載量および車両エネルギー消費のうちの少なくとも1つを含む。
【0057】
いくつかの実施例において、車両プロパティは、輸送領域内における車両の到着予定時間を含み、到着予定時間は、各車両の運行領域内における各地点間での車両到着予定時間を含み、車両到着予定時間は、過去のデータに応じて統計された車両がある地点から別の地点まで走行するのに必要な時間である。区別を容易にするために、車両プロパティにおける到着予定時間が協調前の到着予定時間と呼ばれる。
【0058】
いくつかの実施例において、車両プロパティは、車両の容量、車両の積載量および車両エネルギー消費のうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
いくつかの実施例において、スケジューリング条件は、車両の総走行距離が最も短いこと、車両が輸送タスクを完了する総時間が最も短いこと、車両の総エネルギー消費が最も小さいこと、および車両の配車数が最も少ないことのうちの少なくとも1つを含む。
【0060】
ステップ420において、前記サーバは、前記スケジューリングパラメータに基づいて、スケジューリング結果を決定する。
【0061】
いくつかの実施例において、スケジューリングパラメータに基づいてスケジューリング結果を決定することは、静的スケジューリングに基づいてメタヒューリスティクスアルゴリズムでスケジューリング結果を決定することと、動的スケジューリングに基づいてヒューリスティクスアルゴリズムでスケジューリング結果を決定することと、を含む。
【0062】
いくつかの実施例において、スケジューリング結果は、輸送タスクと車両との多対1、1対多または多対多マッピング、車両到着予定時間を含む。スケジューリング結果に基づいて車両の出発手順、出発時間、完了時間のうちの1種または複数種を決定する。
【0063】
輸送タスクと車両との多対1マッピングは、複数の輸送タスクが1台の車両によって完了することを指し、輸送タスクと車両との1対多マッピングは、1つの輸送タスクが複数の車両によって完了することを指し、輸送タスクと車両との多対多マッピングは、複数の輸送タスクが複数の車両により完了することを指す。
【0064】
ステップ430において、前記サーバは、前記スケジューリング結果に基づいて協調影響値を決定する。
【0065】
協調影響値は、輸送タスクを完了するときに複数の車両同士による到着予定時間への影響を指す。いくつかの実施例において、協調影響値は、到着予定時間影響値または協調スケジューリング影響ファクターを含む。到着予定時間影響値は、協調が必要な領域における各車両の到着予定時間に対する影響を指す。前記協調モジュール330は、前記スケジューリング結果に応じて、協調が必要な領域および車両を決定し、前記協調領域における各協調車両のリリース順序および待ち時間を決定し、前記リリース順序およびスケジューリング時間に基づいて各車両の協調後の到着予定時間を決定し、協調後の到着予定時間および協調前の到着予定時間に基づいて影響値を決定する。
【0066】
前記到着予定時間影響値は、車両の協調後の到着予定時間と対応する車両の協調前の到着予定時間との差を指す。複数の車両協調のために一部の車両が待っている現象が生じ、これらの車両が一部のタスクポイントに到着する到着予定時間は大きくなり、到着予定時間影響値は、すなわち、協調後に計算して得られた協調後の到着予定時間から、協調前の協調前到着予定時間を差し引いたものであり、到着予定時間影響値は正の数である。
【0067】
協調領域の到着予定時間影響値は、該領域内におけるすべての車両の到着予定時間影響値の和を指す。
【0068】
いくつかの実施例において、協調スケジューリング影響ファクターは、1台の車両が輸送タスクを完了する到着予定時間影響値と協調前の到着予定時間との比である。協調前の到着予定時間は、協調前に該車両が輸送タスクを完了するに必要な総時間を指す。
【0069】
協調領域の協調スケジューリング影響ファクターは、該領域内におけるすべての車両の協調スケジューリング影響ファクターの和を指す。
【0070】
いくつかの実施例において、協調影響値は、到着予定時間影響値であり、協調影響値の決定は、協調領域の決定、協調領域内における各車両のリリース順序および各車両の待ち時間の決定、および協調領域の到着予定時間影響値の決定を含む。
【0071】
いくつかの実施例において、協調影響値は、協調スケジューリング影響ファクターであり、協調影響値の決定は、協調領域の決定、協調領域内における各車両のリリース順序および各車両の待ち時間の決定、協調領域内における各車両の到着予定時間影響値の決定、ならびに到着予定時間影響値および協調前の到着予定時間に基づく協調領域の協調スケジューリング影響ファクターの決定を含む。
【0072】
ステップ440において、サーバは、前記協調影響値が予め設定された閾値以上であるか否かを判断し、前記協調影響値が予め設定された閾値以上である判断結果に基づいて、前記スケジューリングパラメータを補正し、補正したスケジューリングパラメータに基づいて、スケジューリング結果および協調影響値を改めて決定する。
【0073】
いくつかの実施例において、前記スケジューリングパラメータの補正は、協調影響値の最大領域内の到着予定時間の調整、車両が輸送タスクを完了する到着予定時間の調整、および車両の走行経路の調整のうちの少なくとも1つを含む。
【0074】
協調影響値の最大領域内の到着予定時間の調整は、車両が前記協調領域を出てから後続タスクの始点および終点までの協調後の到着予定時間を調整することである。
【0075】
ステップ450において、サーバは、前記判断結果が予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記スケジューリング結果を出力する。
【0076】
以上のように、本開示の実施例に係る車両スケジューリング方法は、複数の車両をスケジューリングするために用いることができる。スケジューリング時の複数の車両の優位順序およびタスクの手配の問題を効果的に解決することができ、複数の車両の運行による複数の車両の衝突、渋滞、不合理な手配などの問題を改善し解決し、輸送タスクの完了効率を効果的に向上させる。
【0077】
別の側面において、本開示の実施例は、コンピュータプログラムまたはコマンドが記憶されたコンピュータ可読媒体を提供し、プログラムがプロセッサにより実行されるときに、本開示の実施例に係るいずれか一項の車両スケジューリング方法が実現される。
【0078】
本明細書で開示された実施例により説明した各例のユニット及びアルゴリズムステップは電子ハードウェア又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組合という形で実現可能であることが当業者に理解できる。これらの機能はハードウェアの形で実行するか、それともソフトウェアの形で実行するかは技術的解決手段の特定の用途及び設計上の制約条件によって決められる。専門技術者であれば、特定の用途毎に異なる方法を使用して、記載された機能を実現できるが、このような実現は本発明の範囲を超えたものであると理解してはならない。
【0079】
類似的に、本発明を簡素化し且つ各発明態様の1つ又は複数を容易に理解させるために、本発明の例示的実施例についての記載において、本発明の各特徴は共に単一の実施例や図、それらについての記載にグループ化される場合があることを理解すべきである。しかし、本発明の方法は、保護を主張される本発明が各請求項に明確に記載の特徴よりも多い特徴を要求する意図を反映するものと解釈してはならない。より明確に言えば、対応する特許請求の範囲で反映されるように、その発明のポイントは、開示されたある単一実施例の全般特徴よりも少ない特徴によって対応する技術的問題を解決できることである。従って、具体的実施形態に従った請求項はこれによって明確にこの具体的実施形態に組み入れられるが、各請求項自身はそれぞれ本発明の単独実施例となる。
【0080】
上記実施例は本発明を説明するものであり、本発明を限定するものとならなく、添付された特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者が代替実施例を設計できることに注意すべきである。請求項において、かっこにあるいずれかの参照符号も請求項を限定してはならない。用語の「含む」は、請求項に記載されない素子又はステップが存在することを排除するものとならない。素子の前にある用語の「一」又は「1つ」は、このような素子が複数存在することを排除するものとならない。本発明は異なる素子を若干含むハードウェア及び適当にプログラミングしたコンピュータによって実現してよい。若干の装置を挙げた各請求項において、これらの若干の装置は同一のハードウェア項によって具体的に体現してよい。用語の第1、第2及び第3等はいかなる順序も表さない。これらの用語を名称と解釈してもよい。
【0081】
以上は本発明の具体的実施形態又は具体的実施形態についての説明に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限定されるものでなく、本発明に記載された技術範囲内に当業者に容易に想到される変化又は取り替えは、全て本発明の保護範囲に含まれる。従って、本発明の保護範囲は請求項の保護範囲に準ずるものとする。