(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】包装用袋の束揃え方法
(51)【国際特許分類】
B65B 35/32 20060101AFI20240418BHJP
B65B 67/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B65B35/32
B65B67/00 Z
(21)【出願番号】P 2023065999
(22)【出願日】2023-04-13
【審査請求日】2023-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】520495906
【氏名又は名称】株式会社カナオカホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 孝行
(72)【発明者】
【氏名】冨田 実
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭48-29577(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0352262(US,A1)
【文献】実開昭54-176571(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B35/00-35/58
B65B67/00-67/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋機から排出されたタブ個所に貫通穴を設けたプラスチックフイルム製の包装用袋をエアによる吸引式の第1コンベアに載置して等間隔で搬送する第1工程、
第1コンベア上の包装用袋をエアによる吸引式の第2コンベアにより上方から吸引して搬送する第2工程、
搬送中の包装用袋が上方に突設される棒体からなる束揃え治具上に差しかかった際に、当該包装用袋の吸引を停止し、束揃え治具の棒体にタブ個所の貫通穴が外挿されるように包装用袋を落下させて束揃え治具により包装用袋を保持する第3工程、
包装用袋を保持した束揃え治具を水平に位置させて包装用袋を吊り下げることにより包装用袋の自重で束揃えを行なう第4工程、
を有することを特徴とする包装用袋の束揃え方法。
【請求項2】
束揃え治具は可撓性に富んだものとし、上方に突設される束揃え治具により平積み状態で保持された包装用袋を、水平に延設される束揃え治具の部分により吊り下げることにより包装用袋の自重で束揃えを行なう請求項1記載の包装用袋の束揃え方法。
【請求項3】
束揃え治具は治具スタンドから着脱自在とし、包装用袋を保持した束揃え治具を治具スタンドから取り外して水平に位置させて包装用袋を吊り下げることにより包装用袋の自重で束揃えを行なう請求項1記載の包装用袋の束揃え方法。
【請求項4】
保持される包装用袋の数をセンサを用いて計測し、それが所定数に達した段階で当該束揃え治具での新たな包装用袋の保持を停止する請求項1から3のいずれかに記載の包装用袋の束揃え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、例えば食品等の各種の商品を内包するための包装用袋の束揃え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば食品等の各種の商品を内包するための包装用袋が広く流通している。この種の包装用袋はプラスチックフイルムにより長尺状に供給される原反を製袋機内で袋状に貼り合わせた後、個々の包装用袋に断裁して製袋機から排出する。
【0003】
排出された個々の包装用袋は一定数量に纏められて包装用資材として流通に供されるが、流通にあたり箱詰めを行なうに際して束揃え作業が必須となった。
【0004】
前記の束揃え作業は作業員が包装用袋を手で捌いた後、束の端面を叩く捌き操作を行って束揃えを行なっていた。
【0005】
また、例えば特許文献1に記載してあるように、シート材においてシート束の端面を押圧してシート束のシートを自動的に束揃する発明も公知である。
【文献】特開2008-247502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は前記の従来技術とは異なるアプローチにより包装用袋の束揃を自動化する方法を提供することを目的として創作されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本願発明の包装用袋の束揃方法は、
製袋機から排出されたタブ個所に貫通穴を設けたプラスチックフイルム製の包装用袋をエアによる吸引式の第1コンベアに載置して等間隔で搬送する第1工程、
第1コンベア上の包装用袋をエアによる吸引式の第2コンベアにより上方から吸引して搬送する第2工程、
搬送中の包装用袋が上方に突設される棒体からなる束揃え治具上に差しかかった際に、当該包装用袋の吸引を停止し、束揃え治具の棒体にタブ個所の貫通穴が外挿されるように包装用袋を落下させて束揃え治具により包装用袋を保持する第3工程、
包装用袋を保持した束揃え治具を水平に位置させて包装用袋を吊り下げることにより包装用袋の自重で束揃えを行なう第4工程、
を有することを特徴とする
【0008】
また、請求項2記載の発明は前記の束揃方法において、束揃え治具は可撓性に富んだものとし、上方に突設される束揃え治具により平積み状態で保持された包装用袋を、水平に延設される束揃え治具の部分により吊り下げることにより包装用袋の自重で束揃えを行なうことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3記載の発明は前記の束揃方法において、束揃え治具は治具スタンドから着脱自在とし、包装用袋を保持した束揃え治具を治具スタンドから取り外して水平に位置させて包装用袋を吊り下げることにより包装用袋の自重で束揃えを行なうことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4記載の発明は前記の束揃方法において、保持される包装用袋の数をセンサを用いて計測し、それが所定数に達した段階で当該束揃え治具での新たな包装用袋の保持を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明者はプラスチックフイルム製の包装用袋においては、それに商品に内包して店頭において展示する際に壁などから水平に突設されるフックに吊り下げるために、それに外挿される貫通穴がタブ個所に設けられることに着目して本願発明に及んだ。すなわち、本願発明においては前記貫通穴を利用して棒体からなる束揃え治具に貫通穴を外挿することにより束揃え治具で包装用袋を保持する。そして保持する包装用袋が所定数に達した段階で束揃え治具を水平に位置させて包装用袋を吊り下げることにより包装用袋の自重で束揃えを行なう。
【0012】
本願発明における前記の方法はシート束の端面を押圧してシート束の束揃えを行なう前記の公知発明を包装用袋の束揃えに応用する場合に比べて構成が簡易であり、また確実性に富むものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願発明の包装用袋の束揃え方法の第1工程を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願発明の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図中符号Fは本願発明の束揃え方法の対象となる包装用袋である。この包装用袋はプラスチックフイルムを貼り合わせて製造されるものであり、袋部を構成しないタブ個所に貫通穴F1が穿設される。この貫通穴F1は本願発明の実施のために機能する他、それに商品に内包して店頭において展示する際に壁などから水平に突設されるフックに吊り下げるために、それに外挿されるためにも機能する。すなわち、本願発明の束揃え方法は既製の包装用袋になんらの特別な加工を施すことなく実施される。
【0015】
図1は本願発明の束揃え方法の第1工程を示す図である。この工程においては製袋機から排出された包装用袋Fを第1コンベア1により等間隔で搬送する。上記第1コンベア1は上面に載置された包装用袋Fをエアで吸引して固定することにより、各包装用袋同士の位置がずれることを防止する。
【0016】
図2は本願発明の束揃え方法の第2工程を示す図である。この工程においては吸袋式コンベア上の包装用袋Fを第2コンベア2に移し変えて束揃え治具まで搬送する。上記第1コンベア2はエアにより下面に包装用袋Fを吸引して固定する。
【0017】
図3は本願発明の束揃え方法の第3工程を示す図である。この工程においては第2コンベア2により搬送中の包装用袋Fが上方に突設される棒体からなる束揃え治具3上に差しかかった際に、当該包装用袋の吸引を停止し、束揃え治具の棒体にタブ個所の貫通穴が外挿されるように包装用袋を落下させる。上記作業はセンサを用いて包装用袋Fが上方に差しかかる回数を計測し、所定の数の包装用袋を落下させて束揃え治具3で保持し、それが所定数に達した段階で当該束揃え治具での新たな包装用袋の保持を停止する。なお、ここでは束揃え治具3は一つしか図示していないが、実際には第2コンベア2の走行経路に沿って複数配される。
【0018】
図4は本願発明の束揃え方法の第4工程を示す図である。この工程においては複数の包装用袋Fを保持した束揃え治具3を水平に位置させて包装用袋を吊り下げることにより包装用袋の自重で束揃えを行なう。
【0019】
前記の束揃え治具3を水平に位置させる手段としては束揃え治具3は可撓性に富んだものとし、垂直状態で立設される束揃え治具の後方を水平に延設することや、束揃え治具3を治具スタンドにより着脱自在に保持し、包装用袋Fを保持した状態で取り外して水平に位置させることなどが想定される。
【符号の説明】
【0020】
F 包装用袋
F1 貫通穴
1 第1コンベア
2 第2コンベア
3 束揃え治具
【要約】
【課題】 包装用袋の束揃を簡易な構成により確実に実現する。
【解決手段】 製袋機から排出されたタブ個所に貫通穴F1を設けた包装用袋Fをエアによる吸引式の第1コンベア1に載置して等間隔で搬送した後、エアによる吸引式の第2コンベア2により上方から吸引し、搬送中の包装用袋が上方に突設される棒体からなる束揃え治具3上に差しかかった際に、当該包装用袋の吸引を停止し、束揃え治具の棒体にタブ個所の貫通穴が外挿されるように包装用袋を落下させ、包装用袋を保持した束揃え治具を水平に位置させて包装用袋を吊り下げることにより包装用袋の自重で束揃えを行なう。
【選択図】
図4