(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】広告提供システムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20240418BHJP
G16H 20/70 20180101ALI20240418BHJP
【FI】
G06Q30/0241
G16H20/70
(21)【出願番号】P 2023172396
(22)【出願日】2023-10-03
【審査請求日】2024-01-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522174281
【氏名又は名称】ロゴスサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】弁理士法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下川 千草
(72)【発明者】
【氏名】中島 栄彦
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-093187(JP,A)
【文献】特開2020-144706(JP,A)
【文献】特開2021-077062(JP,A)
【文献】国際公開第2019/123512(WO,A1)
【文献】特許第7349759(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供された広告情報を表示する内的指向アプリをインストールした情報処理端末と、情報処理端末に広告情報の供給を行う広告サーバと、広告主サーバとを備える広告システムにおいて、
前記広告サーバが、
広告主の広告情報を記憶する広告記憶部と、
広告受給者の利用者情報と
購買情報を記憶する利用者情報記憶部と、を記憶する記憶装置とを有し、
一ないし複数の前記広告主の広告主
サーバが、前記広告受給者に対して前記内的指向アプリの機能を実行可能にする前記内的指向アプリのIDを発行し、
前記広告サーバが、前記広告記憶部より一ないし複数の前記広告主の広告情報を読み出し、前記IDによりログインした前記情報処理端末に提供し、
前記広告サーバが、前記利用者情報記憶部より、前記IDを発行した前記広告主サーバの前記広告主の商品またはサービスの購買情報を読み出し、前記IDによりログインした情報処理端末に提供し、
前記内的指向アプリは認知行動療法に基づくモジュールの機能を有し、前記モジュールは前記広告受給者に対して行動変容を促す情報を提供することを特徴とする広告システム。
【請求項2】
前記内的指向アプリが食事管理機能、ダイエット機能または月経管理機能を提供するアプリである請求項1の広告システム。
【請求項3】
前記広告主のサーバから個人を特定する情報以外の利用者情報が、前記利用者情報記憶部に送信される請求項1の広告システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、効率の良い顧客管理のできる広告システムおよびその方法、特に、内的指向アプリを用いた広告システムおよびその方法である。
【背景技術】
【0002】
近年、SNSなど利用頻度の高いアプリ(PCや情報処理端末、携帯端末で用いられるアプリケーションプログラムやソフトウェアプログラム、特にスマホやタブレット用のアプリ)を利用して広告を行い、ユーザの購買行動を促進する技術が開発されている。
商品やサービスを提供する広告主としては継続的に同種の製品を買い続けてもらうことが営業上有効であるが、従来のセグメント広告はこの点を解消する技術が欠けていた。また、従来の広告媒体として用いられていたSNSなどは利用者数や利用頻度・継続率の点で広告媒体として優位であるが、その性格上、メインの機能は外部とのコミュニケーションを主体とするものであり、金銭授受の関わる購買行動の関与媒体としては不安を感じるユーザも一定数存在していた。LINE(登録商標)やinstagram(登録商標)は外的指向要因に支配されており、そこへの広告の挿入などはなかなかユーザの購買行動に繋がらなかった。発明者はこの原因として、例えば、友人とチャットを行っている際に広告が入ったとしても、友人とのチャットが優先されて、広告に対する対処を取ることが後に回されることが原因と考えた。
ここで、これらのメインの機能が外部とのコミュニケーションにあるアプリを外的指向アプリ、反対に、メインの機能がユーザ本人に向けられたもの(生理管理アプリ、食生活改善アプリ、日々の運動管理アプリ、糖尿病患者向けアプリ、ダイエットアプリ、服薬管理アプリなど)を内的指向アプリと定義する(ただし、これらのアプリでもオンライン診断など外部とのコミュニケーションを含む場合もあるがあくまでメインの機能が内的なものか、外的なものとして判断され、例示したアプリは内的指向アプリと判断される。)内的指向要因の多いアプリでは、ユーザー自身のペースでアプリとの対話を進められるのでそこへの広告が提供された場合にはユーザの購買行動が優先順位高く進められると考えられる。
【0003】
引用例1には広告が有効であるセグメントを正確に特定することができるプログラムを提供するための技術を開示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明は、ユーザの嗜好に合わせて広告を提供するものであるが、いったんユーザが購入した商品の管理ができるものではなかった。このため、CRM(顧客管理)を行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明1)
内的指向アプリを有するネットワークシステムにより広告情報の供給を行う広告情報を供給する広告システムにおいて、
広告主の広告情報を記憶する広告記憶部と、
広告受給者の利用者情報と購買情報を記憶する利用者情報記憶部と、を記憶する記憶装置とを有し、
一ないし複数の前記広告主が前記広告受給者に対して前記内的指向アプリのIDを発行し、前記広告受給者が内的指向アプリの機能を実行可能なように提供し、
さらに、一ないし複数の広告主の広告情報と、前記IDを発行した広告主の商品またはサービスの購買情報を提供する、広告システム。
この構成により、アプリに含まれるカレンダー機能を利用して効率的に顧客管理を行うことができる。また、内的指向アプリの利用によって広告効率が向上する。
(発明2)
前記内的指向アプリがダイエット機能または月経管理機能を提供するアプリである発明1の広告システム。
継続率の高いダイエットアプリまたは月経管理アプリを利用することで広告効率が向上する。
(発明3)
心理学に基づく介入を提供する発明1の広告システム。
心理学に基づく介入を備えることでアプリのDAU率が向上する。
(発明4)
前記心理学が認知行動療法である発明3の広告システム。
認知行動療法に基づく介入を備えることでアプリのDAU率がさらに向上する。
(発明5)
前記広告受給者は、前記広告主のサーバでユーザ登録されたユーザである発明1の広告システム。
広告主のユーザを効率的に内的指向アプリに誘導することができる。
(発明6)
前記広告主のサーバから個人を特定する情報以外の利用者情報が前記利用者情報記憶部に送信される発明5の広告システム。
ユーザの個人情報を特定する情報が広告システムに提供されないのでユーザの不安を払しょくすることができる。
(発明7)
前記内的指向アプリに含まれるカレンダー機能と前記広告情報がリンクして提供される発明1の広告システム。
アプリのカレンダー機能と購買情報をリンクして処理することで効率が向上する。
(発明8)
前記広告システムは前記広告受給者の前記内的指向アプリあるいは広告情報のアクティブ率を算出し、前記アクティブ率に応じて前記広告主に対して請求を行う発明1の広告システム。
本発明の構成を利用することで広告出展料を適切に算出することができる。
(発明9)
発明1に、発明2ないし発明8の発明のいずれかまたは複数を組み合わせた広告システム。
(発明10)
少なくとも、アプリ提供者、商品・サービス提供者、前記商品・サービスの利用者からなるアプリ運営システムにおいて、
前記商品・サービス提供者が前記利用者のアプリ利用料を負担し、
前記アプリ提供者は前記利用者にアプリの利用権を付与し、
前記前記商品・サービス提供者が前記アプリ提供者に提供した広告情報を前記利用者に前記アプリを介して提供する、システム。
(発明11)
少なくとも、アプリ提供者のサーバ、商品・サービス提供者のサーバ、前記商品・サービスの利用者の情報処理端末からなるシステムにおいて、
前記商品・サービス提供者が前記利用者のユーザ数に応じたアプリ利用料を負担し、
前記アプリ提供者のサーバは前記利用者にアプリの利用権を付与し、
前記商品・サービス提供者のサーバから前記アプリ提供者のサーバに提供した広告情報を前記利用者の情報処理端末に前記アプリを介して提供する、システム。
【発明の効果】
【0007】
本発明の広告システムによれば、CRMを実現し、効率的な広告を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本システムの動作フローを示すフロー図である。
【
図3】本発明の実施例の画面のイメージの一例を示す図である。
【
図4】ユーザの特有の情報と購買情報を含むテーブルの例である。
【
図5】商品・サービスの情報と、ユーザーのカスタマイズ情報の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、例えば月経管理アプリに備えられているカレンダー機能(あるいはスケジュール機能)を用いて、そのカレンダー機能とユーザの購買情報や嗜好情報を関連付けてユーザに広告を提供することによってユーザの購買行動を高めることができるという発明者の知見にもとづくものである。
(本発明の広告システムの構成)
(情報処理端末)
本発明の一実施形態として、PC、ノートパソコンや、典型的にはスマホやタブレットなどの利用者の情報処理端末にインストールされたプログラムを挙げる。以下、
図1を用いて本発明の広告システム100を説明する。ここではスマートフォンである情報処理端末110は、内的指向アプリ、ここでは月経管理アプリのプログラムを制御する制御装置101、アプリプログラム本体を収容する記憶装置102、液晶モニタなどの表示装置103、タッチパネルやキーボードなどの入力装置104、外部ネットワークとの通信用の通信装置105、バイタルデータを測定する測定装置106等を備える。また、情報処理端末110はインターネットや無線接続あるいは優先接続などのネットワークであるネット120を介して、広告システム100全体を制御する広告サーハ゛130と接続され、広告サーバ130には広告記憶部131と利用者記憶部132が含まれている。さらに、ここでは広告システム100はネット120を介して広告主サーバ140と接続されている。また、本実施例では情報処理端末にプログラムや必要なデータ等を情報処理端末110に収容してスタンドアローンで動作するシステムを例に挙げているが、ネット120を介してサーバ120と接続し、サーバ120と情報処理端末110のそれぞれにプログラムやデータを分散、あるいは、サーバ120にプログラムやデータを集約し、情報処理端末は単なる入出力装置として利用することも可能である。
【0010】
(広告サーバ)
広告サーバ130は本広告システムの運営者と提携する広告主(サービスや製品のメーカー)が提供した広告情報を記憶する広告記憶部131と広告主から提供されたユーザの情報(典型的にはセキュリティの確保のために氏名や住所などの個人を特定する情報を除いた年齢や嗜好などの情報が広告社から提供されるが、アプリを利用する際の重複IDの削除などの便宜のために個人情報も含むユーザ情報を提供するようにしても良い)、あるいは、直接アプリに登録したユーザの情報を記憶する利用者記憶部132を含んでいる。
【0011】
(広告主サーバ)
広告主サーバ140はサービスや製品を提供するメーカー(広告主)の運営するシステムを示し、広告主が運営する、その企業情報、サービスや製品を紹介するホームページや、ECサイトを提供するものである。ここで、ユーザが広告主の製品やサービス、あるいはECサイトの会員登録を行っている場合、それらのユーザ情報が記憶されている。
【0012】
(内的指向アプリ)
内的指向アプリはユーザー自身で自身の管理・利用を目的としたアプリの総称で、典型的には、月経管理アプリ、ダイエットアプリ、食事管理アプリ、服薬管理アプリ、ヘルスケアアプリ、運動管理アプリなどを指し、典型的にはカレンダー機能あるいはスケジュール機能を持つものが都合がよい。
本アプリで用いられるアプリは上記のようなアプリで一般的に用いられる機能を持つものであり、たとえば、月経管理アプリでは生理周期の予報機能、カレンダー機能などが含まれる。
【0013】
(広告システム)
次に
図2(a)のフローを参照しながら、広告システムの運用例を示す。ここでは月経管理アプリを例として用いるが同様の機能を用いて他の内的指向アプリで利用できることは言うまでもない。
まずユーザは(フロー201)でユーザ登録を行う。ここでユーザは月経管理アプリを周知のアプリストアからダウンロードして一般的な登録方法でユーザ登録することもできるが、広告主のECサイトの会員が本広告システムに対応した月経管理アプリを用いる例を示す。ここで、ユーザは広告主が運営するECサイトで既に会員登録を済ませているものとする。そして、ユーザは表示装置103に表示された広告主のサイト(図示しない)上で、月経管理アプリのID発行ボタン(図示しない)をタッチパネル104を介して押下する、この動作によって広告主サーバ140は月経管理アプリで用いるIDを発行し、ユーザにポップアップ表示やメール、SMSなどを介してIDを提供する。これに伴い周知の方法でパスワードを獲得する。次にアプリストアあるいはサイト上のリンクから月経管理アプリをダウンロードし所持する情報処理端末110にインストールを行い、先ほどのIDを用いてログインを行う。ここでユーザ情報をアプリが広告主サーバから自動で取得して、利用者記憶部に保存しても良いし、ログイン時にアプリが所定の質問形式を表示装置103で提供し、入力装置104を介して入力させて記憶装置102あるいは利用者記憶部132に記憶する。
【0014】
図3(a)はトップ画面であり、月経管理アプリを実行する本広告システムの表示例を示した。本実施例では、月経管理アプリは、月経の管理機能心理教育・疾患教育あるいは心理学による介入、典型的には認知行動療法による介入プログラムを提供するメンタルヘルスのセルフケア機能を提供するウィンドウ302、月経周期、生理予定日、基礎体温記録、体調記録などの月経管理機能を実行するウィンドウ301、広告提供するウィンドウ303、ナビゲーションウィンドウ304が含まれている。ナビゲーションウィンドウ304は左から、広告主画面遷移ボタン、月経管理機能詳細設定画面遷移ボタン、心理学介入機能詳細設定画面遷移ボタンが含まれている。
図3(b)には、ナビゲーションウィンドウ304の広告主画面遷移ボタンで遷移した、広告主広告画面の表示例が示してある。画面には広告主の広告情報を表示する広告ウィンドウ307と広告主から以前購入した商品の購買情報に基づく情報を表示する購買管理画面308と広告主の指定のホームページへ遷移するための遷移ボタン305、トップ画面へ戻るための戻るボタン306が含まれている。
【0015】
月経管理機能やセルフケア機能は、公知の機能を用いることができるが、例えば、日本国特許第7138839号の技術などを用いることができる。特に前記特許に記載の月経管理アプリは、月経管理機能に加えて認知行動療法による月経随伴症状のセルフケア機能を持っている。心理学に基づく介入モジュールの機能を持つアプリはその継続利用率が向上し、広告とユーザが触れる機会が多くなるので広告効率が向上する。特に認知行動療法に基づくモジュールを提供するものはユーザの行動変容を図るものであり、治療の改善効果をもたらすだけでなく、またその治療の面白さといった特徴によって継続率やアプリ利用時間が向上し、結果として広告とユーザが触れ合う時間が増し、さらに広告効率が向上する(そのほかの内的指向アプリでもこれらの心理学、認知行動療法を導入することによって同様に広告効率がさらに向上するが、月経管理アプリはペインが強いので最も効果が高い)。具体的には、(フロー202)月経管理アプリが記憶装置102に記憶され、そのアプリが起動されると、アプリが制御装置101によってそのプログラミングに従って動作し、入力装置104、表示装置103を介してユーザとの対話を行いながら月経アプリに搭載された機能が実行される。
【0016】
(フロー203)本広告システムを適用したアプリの表示画面の一例を
図3(a)に示した。本広告システムの制御は典型的にはシステムの記憶装置に記憶されたソフトウェアプログラムを制御装置が実行することによって運用される。ただし、ソフトウェアと同様の機能を持つFPGAやPICなどのハードウェアで実現しても良い。図示はアプリのメイン画面であり、ウィンドウ301は表示装置103に日付と関連付けて生理日予測を実現する生理日予測機能や、基礎体温や、生理に伴う症状や日々の出来事を記録するためのカレンダー機能である。心理教育・疾患教育や心理学に基づく介入をユーザに提供するウィンドウである。ウィンドウ302は表示装置103に心理教育・疾患教育や心理学に基づく介入をユーザに提供するウィンドウである。ウィンドウ303はネット120を介して広告サーバ130から通信装置105を介して情報処理端末に提供されるもので、典型的には定期的に配信される商品やサービスの広告である。広告サーバは、ユーザに対してIDを発行した広告主からの広告情報、その他の広告主からの広告情報が含まれ、設定により、本システムと提携関係にある全部の広告主の広告、IDを発行した広告主からの広告情報だけあるいはその両者の広告、が提供される。典型的にはこれらの広告情報は広告されるべき商品やサービスの情報、詳細情報が販売サイトへのリンク、商品の属性(対象者や対象年齢、対象性別、商品カテゴリなど)などと関連付けられたリストとして広告サーバ130に保存されており、例えば、引用文献1のような公知の技術を利用して、ユーザの嗜好などに合わせた広告情報がユーザの情報処理端末110に提供される。ユーザはアプリ利用時にウィンドウ303に表示された広告情報で気になるものがあればその情報を画面上でタップすることによって詳細情報を示すページへ遷移することができる。ここで、その商品をそちらにリンクされた販売サイトから購入した場合は、その商品や日付情報、値段などの情報とともに、利用者記憶部132に記憶されると都合がよい。ナビゲーションウインドウ304を用いて操作画面を変更することができるが、広告主遷移ボタンを押すと
図3(b)に遷移する。こちらのボタンは広告主からのリクエストがある場合には色を変えるように表示を制御装置101で制御してユーザに注意を促すといった変形も可能である。
【0017】
図3(b)に例示された広告主ページは、IDを発行した広告主の専用のページとなっている。(フロー204)広告主遷移ボタンを押下した後の動作について以下に説明する。この広告主専用ページは一例として、ウィンドウ307の広告と、ウィンドウ308の対象ユーザの購買管理画面とから構成されているが、これに限られず、追加の情報や機能を追加すること、あるいは広告や購買管理画面を削除して他の広告主が希望する表示や機能を追加するための表示に改変することが可能である。
図4に月経管理アプリのカレンダー機能を用いる購買管理情報の例を示した。システムの記憶装置102に記憶された排卵日等の記録されたリストにユーザの購買情報が同時に記憶されたリストの例である。購買情報として、ユーザの情報処理端末に含まれる例を示しているが、購買情報は広告主のサーバなどに記録されたものをユーザの情報処理端末のカレンダー機能と連携させて情報のやり取りをする形態とすることも可能である。
専用画面の制御に移ると、制御装置101は、広告サーバ130に広告リクエストを行い、ネット120を介して、広告主の広告情報を取得し、記憶装置102に記憶する。ただし、広告情報についてはアプリの起動時や、通常の広告情報の取得時に取得して記憶装置102に記憶しておき、適宜それを読み出す構成としても、定期的に読みだして広告を提供する構成としても良い。そして、記憶装置に記憶された広告情報をウィンドウ307に表示する。そして、ユーザは気になる広告情報があった場合は、前述と同様に、その情報源にアクセスして購入を検討する。次に、
図4のリストの表を参照し、購買管理画面ウィンドウ308に関する動作を説明する。現在の日時とリストの表を参照する。制御装置101はユーザが広告を参照して、商品が購入された際、もしくは広告主からユーザの商品の購入情報を定期的に取得して、リストに書き込んで記憶されたリストを更新する。ここで、IDを発行した広告主はB社とする。(
図5(a)にはB社の商品についての情報のリストである。また、
図5(b)にはユーザの嗜好や購買動向の分析結果に基づくユーザカスタマイズ情報のリストである。これらのリストはユーザの情報処理端末が呼び出せる記憶装置に記憶されていればよいが典型的には
図5(a)のリストについては広告主サーバ140または広告サーバ130に、
図5(b)リストについては記憶装置102または利用者記憶部132に記憶されている。)
【0018】
ここで、●月21日にB社サプリBを購入したことが記載されている。この時、制御装置101は
図5(a)リストを参照し、サプリBの平均利用時間や関連製品情報や、効能ビデオなどの関連情報を取得し、
図4のリストに書き込む。購買管理ウインドウ308には●月21日B社サプリBの購入情報が表示されるように制御装置101が制御し、次回の推奨購入日(●月25日)を表示し、ユーザに再購入を喚起したり(購入リンクボタンを表示したり、アラートを発信したりしても良い)、B社の提供する効能ビデオなどを参照できるように画面上にボタンを設けるなどユーザの購買情報や購入商品(さらに関連商品)に関する情報、再購入や関連商品の購入などを喚起する表示、またそれらのための制御を行う。また、これらの購買情報は
図5(a)の一般的な情報だけでなく、
図5(b)に記載されたそのユーザごとのカスタマイズ情報を利用して、例えば、サプリBでそのユーザが平均利用期間より1日多い周期で購入したという情報が記載されているので、制御装置101はこのユーザカスタマイズ情報を参照し、再購入や継続購入のためのサプリBの商品広告を平均利用期間4日ではなく、5日後にユーザに提供するように制御するといった修正を行うこともできる。さらに、制御装置101が
図4に図示したリストを参照した際に体調予報の欄で「不快」といった情報を参照した場合、購買意欲が減退していることを想定し(本プログラムに、ユーザの嗜好・購買行動を分析する分析ブロック(機能)を設けて、「不快」時にはネットを見ていない、といったユーザの購買情報やユーザの月経管理ソフトで取得する情報と関連付けて広告を制御するといったことを行うようにしても良い、またユーザの嗜好・購買行動の分析結果のリストを作成し、システムに記憶し、制御装置101が広告やユーザの購買行動時に参照するように制御しても良い)、広告配信日を1日ずらすといった制御をするとさらに広告効率が向上する。ここで「戻るボタン」306を表示画面でタッチすることで
図3(a)の、月経管理アプリの管理画面に戻り、月経管理アプリの制御を制御装置101が継続する(フロー205)。月経管理アプリで心理学、特に認知行動療法のモジュールで行動変容を促していると購買行動が活性化するので有効である。言い換えると、ユーザのペインが強いほど継続率が高く、さらに、ペインに対して心理学の介入が効果が高いほどさらに継続率が高まるので内的指向アプリの中でも、ダイエット、糖尿病などを対象にしたものが効果的で特に、月経管理アプリが有効である。
【0019】
本実施例では一つの広告主からIDを発行されたケースとして、
図3(b)のような広告主専用のページを設けたが、複数の広告主からIDを発行されているケースでは複数の広告主専用ページを設けても良い。またこの場合は、本例と同様にナビゲーションウィンドウにボタンを追加して遷移させる方法のほかの周知の遷移方法を用いることもできる。
また、本アプリのIDの発行方法としては、広告主と関連しないで単独にアプリストアなどから当該アプリを入手し、そこからIDを発行される場合、複数の広告主からIDを発行される場合などが想定され、複数のIDが同一のユーザに発行される場合があるがその場合にはいずれかのID(典型的には、単体アプリあるいは最初に発行されたID)に紐づけていずれかのIDだけで管理することもできる。単体アプリのID(単体アプリのIDを持っていない場合は、広告主からのID発行後に、アプリの機能として単体アプリのIDを発行する、あるいは最初のアプリの利用時と判明した場合に、広告主から単体アプリが発行するものと同一のIDを発行するようにしても良い)で管理すると、たとえば、IDを発行した広告主との関係を清算し、その特定のIDが削除された後にも単体アプリにデータが引き継げるため都合がよい。
【0020】
(アクティブユーザー数(利用率)の計測)
典型的には、広告サーバ130には各種ユーザの利用指数を測定機能を備える。ただし、計測機能はシステム100のその他のパート、あるいは広告主サーバなど他のパートに備えることもできる。各種指標の測定は周知の方法が利用できる。たとえば、DAUについては各広告主サーバ140が発行したID(広告主サーバ140に代えて、システム100が発行した場合はシステム100が発行したID)の総数に対する、ある一日のアプリのユニークユーザーの数、ID発行者の広告閲覧数、広告者専用ページの閲覧数からDAUを求める。次にMAUの数を求める。そのため、対象となる月を選び、1か月の間にアクティブな状態になったユニークユーザーの数、ID発行者の広告閲覧数、広告者専用ページの閲覧数からMAUを求める。例えば、いずれかのMAUの数を広告サーバ130から契約した広告主に通知して課金を行うことができる。その他、WAU、DAU/MAU、アプリへのログイン、アカウント登録、プロフィールの作成または編集、アプリ内アイテムなどの購入、製品やサービスの紹介ページの閲覧、参照情報の閲覧、または動画の視聴などを監視してシステムの記憶領域に記憶する。
【0021】
(管理画面)
広告主に対しては、広告主のみが閲覧できる広告主管理画面(図示しない)を設けてシステムから広告主サーバの情報処理端末に提供するように制御すると都合がよい。典型的には、上記測定、監視指標のいずれかを広告主管理画面から閲覧可能と構成する。また広告サーバ130では、各広告主から提供されたサービス・商品とそのカテゴライズ、広告の閲覧者の情報、購買情報、アプリのIDを発行されたの利用者情報のカテゴライズと、必要に応じて社会情勢や季節や天候などのその他の情報を追加して集計し、それぞれの相関関係を分析し、各広告主の設定に応じてこれらの情報を提供し、広告主は以後の広告戦略に役立てることができる。
【0022】
(ビジネスモデル)
図6に本広告システムを用いたビジネスモデルの一例を示す。広告システム600には、広告システムを採用したアプリ提供者が601、アプリ提供者601と契約した広告主A610、広告主B620、広告主C630、広告主Aの会員611、広告主Bの会員621、広告主Cの会員631、が含まれている。本例ではアプリとして月経管理アプリを用いるが他のアプリでも構わない。また、広告主として広告主Aはエステサービス提供企業、広告主Bは漢方販売企業、広告主Cは生理用品メーカーを例示するが、他のサービス商品提供企業(ただし、継続的に購入することが好ましい商品サービスの提供企業が都合が良い)でもよく、提携企業数についての限定もない。
【0023】
広告主Aがシステム提供者と契約し、システム提供者よりID発行ライセンスが提供される。広告主Aは希望する広告主Aのユーザ(会員)に対して(アプリ・広告)システムの利用IDを発行する。ユーザはアプリのダウンロードやアプリの初期設定など所定の手続きを経てアプリの利用環境を整え、アプリの利用を開始し、継続利用する。ユーザのアプリの利用時にアプリを介して、システムは広告主A~Cの広告情報をユーザ情報端末に提供する。また、任意の機能として、ユーザはID発行者である広告主Aの専用ページを介して広告主Aの広告情報および広告主Aからの購買情報を確認する。ユーザは適宜広告情報に基づいて商品・サービスの閲覧・購入を行う。これらのユーザのアプリの利用記録、広告情報の閲覧記録、商品・サービスの購入記録をシステムは保存する。広告主B、広告主Cも同様にそれぞれの会員に対して上述のような利用法を提供する。さらにシステムは全契約広告主の提供するサービス・商品をアプリを介してユーザに提供する、また契約広告主に商品・サービスの販売状況、ユーザ情報(登録ユーザ数、アクティブユーザ数、統計データ)、ユーザ特性や商品・サービスの広告閲覧・販売との相関関係などを任意で提供する。システム提供者はまた、ID発行ライセンス数あるいはアクティブユーザ数に応じて広告主に利用料を請求する。本ビジネスモデルでは、システム提供者は広告主の有するまとまった数のユーザを獲得できる、広告主は継続的なアクティブユーザを有する広告チャネル(アプリを介した)を獲得できる、ユーザは無料(あるいは広告主の設定する低料金)でアプリを利用することができるという各システムの参加者が利益を得ることができる。また、ユーザ数やアクティブ率などによって課金するだけでなく、広告主の広告のリンクへのアクセス数や、広告主からの購入商品の購入金額の数%の課金といった広告の利用実績に応じてシステムから広告主へ課金する、あるいは、ユーザ数とこれらの利用実績の組み合わせなどによってシステムから広告主へ請求を行うこともできる。
【0024】
上述の実施例は、あくまで一実施例であり、各要素の組み合わせや周知技術を用いて修正することも可能である。
【符号の説明】
【0025】
100 広告配信
101 制御装置
102 記憶装置
103 表示装置
104 入力装置
105 通信装置
106 測定装置
110 ユーザの情報処理端末
120 ネットワーク
130 広告サーバ
131 広告記憶部
132 利用者記憶部
140 広告主サーバ
【要約】 (修正有)
【課題】顧客管理(CRM)を提供でき、広告効率の良い内的指向アプリを用いた広告システムおよびその方法を提供する。
【解決手段】内的指向アプリを有するネットワークシステムにより広告情報の供給を行う広告情報を供給する広告システム100は、広告主の広告情報を記憶する広告記憶部131と、広告受給者の利用者情報と購買情報を記憶する利用者情報記憶部132と、記憶装置102と、を有し、一ないし複数の広告主が前記広告受給者に対して内的指向アプリのIDを発行し、広告受給者が内的指向アプリの機能を実行可能なように提供し、さらに、一ないし複数の広告主の広告情報と、前記内的指向アプリのIDを発行した広告主の商品またはサービスの購買情報を提供する。
【選択図】
図1