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特許7474544情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240418BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023220271
(22)【出願日】2023-12-27
【審査請求日】2024-02-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521332187
【氏名又は名称】RYDE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】杉▲崎▼ 正哉
(72)【発明者】
【氏名】芝原 悠介
(72)【発明者】
【氏名】服部 吉高
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-038858(JP,A)
【文献】特開2016-057825(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0130727(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
少なくとも1つ以上の制御部を有し、
前記制御部は、
組織の関係者を識別可能な専用コードを受け取ると、前記専用コードを設定し、
前記専用コードを設定したことを示す情報を送信し、
申し込みフォームを介してデジタルチケットの発券要求を受け取り、
前記デジタルチケットは、交通事業者の乗車券に関するチケットであり、
前記申し込みフォームは、前記組織の関係者の携帯端末装置にインストールされ、使用される所定のアプリケーションから呼び出されるフォームであり、
前記申し込みフォームでは、少なくとも前記専用コードが入力可能であり、
前記申し込みフォームを介して入力された前記専用コードが設定された専用コードであった場合、前記申し込みフォームを呼び出した前記所定のアプリケーションに対して前記発券要求に応じた前記デジタルチケットを発券する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記申し込みフォームを介して入力された前記専用コードが設定された専用コードであるか否かを判定し、前記申し込みフォームを介して入力された前記専用コードが設定された専用コードであった場合、前記申し込みフォームを呼び出した前記所定のアプリケーションに対して前記発券要求に応じた前記デジタルチケットを発券する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記交通事業者より前記専用コードを受け取ると、前記専用コードを設定し、
前記専用コードを設定したことを示す情報を前記交通事業者に送信し、
前記交通事業者を介して前記専用コードを受け取った、前記交通事業者と提携している前記組織の関係者より前記申し込みフォームを介してデジタルチケットの発券要求を受け取る、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記デジタルチケットは定期乗車券のデジタルチケットであり、
前記制御部は、
前記携帯端末装置において前記デジタルチケットが表示された時間情報に基づき前記組織の関係者の出退勤の情報を生成する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記デジタルチケットの情報に基づき前記所定のアプリケーションに対して広告を配信する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記携帯端末装置の位置情報に基づき前記所定のアプリケーションに対して広告を配信する、
情報処理システム。
【請求項7】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
組織の関係者を識別可能な専用コードを受け取ると、前記専用コードを設定し、
前記専用コードを設定したことを示す情報を送信し、
申し込みフォームを介してデジタルチケットの発券要求を受け取り、
前記デジタルチケットは、交通事業者の乗車券に関するチケットであり、
前記申し込みフォームは、前記組織の関係者の携帯端末装置にインストールされ、使用される所定のアプリケーションから呼び出されるフォームであり、
前記申し込みフォームでは、少なくとも前記専用コードが入力可能であり、
前記申し込みフォームを介して入力された前記専用コードが設定された専用コードであった場合、前記申し込みフォームを呼び出した前記所定のアプリケーションに対して前記発券要求に応じた前記デジタルチケットを発券する、
情報処理方法。
【請求項8】
プログラムであって、
コンピュータを、
請求項1から請求項6までの何れか1項に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ある会社等の組織においては、例えば、半年に1回等、組織の関係者の通勤又は通学の定期乗車券の発注要求を交通事業者に対して行い、交通事業者より定期乗車券を受け取り、受け取った定期乗車券を関係者に配布していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-057825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組織は交通事業者より定期乗車券を受け取り、複数の関係者に配布する手間がある。また交通事業者も定期乗車券を発券し、組織に郵送する手間があった。また組織の関係者の中には定期乗車券を受け取ると、定期乗車券等を扱う古物商に持ち込み、現金化し、定期乗車券を使わず、こっそり車や自転車等で通勤をする人が存在していたがこれを防止する技術も存在しなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、少なくとも1つ以上の制御部を有する。制御部は、組織の関係者を識別可能な専用コードを受け取ると、専用コードを設定する。専用コードを設定したことを示す情報を送信する。申し込みフォームを介してデジタルチケットの発券要求を受け取り、デジタルチケットは、交通事業者の乗車券に関するチケットである。申し込みフォームは、組織の関係者の携帯端末装置にインストールされ、使用される所定のアプリケーションから呼び出されるフォームである。申し込みフォームでは、少なくとも専用コードが入力可能である。申し込みフォームを介して入力された専用コードが設定された専用コードであった場合、申し込みフォームを呼び出した所定のアプリケーションに対して発券要求に応じたデジタルチケットを発券する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、サーバー装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、スマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、情報処理システムにおける情報処理の一例を示すシーケンス図である。
図5図5は、申し込みフォームを表示させる操作を説明するための図である。
図6図6は、申し込みフォームの一例を示す図である。
図7図7は、スマートフォンの入出力部に表示されたデジタルチケットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態(変形例も含む。以下において同様である。)中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0008】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバーからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータでプログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0009】
明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、実施形態1においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
情報処理システム1000は、システム構成として、サーバー装置100と、企業PC110と、交通事業者PC120と、スマートフォン130と、を含む。サーバー装置100と、交通事業者PC120とはネットワーク150を介して通信可能に接続されている。また企業PC110と、交通事業者PC120とはネットワーク150を介して通信可能に接続されている。企業PC110と、スマートフォン130とはネットワーク150を介して通信可能に接続されている。サーバー装置100と、スマートフォン130とはネットワーク150を介して通信可能に接続されている。スマートフォン130は、携帯端末装置の一例である。
【0012】
サーバー装置100は、実施形態1に関する情報処理を実行する装置である。企業PC110は、企業の従業員が利用する交通事業者の定期乗車券に関する後述する処理を実行する企業のPC(Personal Computer)である。企業PC110は、後述する企業PC110の処理を実行することができればPCに限られずどのような装置であってもよい。交通事業者PC120は、企業PC110の従業員が通勤に利用する交通事業者のPC(Personal Computer)である。交通事業者PC120も、後述する交通事業者PC120の処理を実行することができればPCに限られずどのような装置であってもよい。スマートフォン130は、企業の従業員が利用するものであって、所定のアプリケーションがインストールされており、サーバー装置100が発行するデジタル定期乗車券を受け取り、操作に応じてデジタル定期乗車券を表示する装置である。スマートフォン130も、従業員が持ち運びすることができ、後述するスマートフォン130の処理を実行することができればスマートフォンに限られずどのような装置であってもよい。企業は、組織の一例である。企業の従業員は、組織の関係者の一例である。
【0013】
ここで、特許請求の範囲に記載の情報処理システムは、複数の装置で構成されてもよいし、一つの装置で構成されてもよい。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが一つの装置で構成される場合、その装置の一例はサーバー装置100である。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが複数の装置で構成される場合、その複数の装置の例はサーバー装置100及びスマートフォン130、又はサーバー装置100の機能を提供する複数のサーバー装置で構成されるクラウドサーバー等である。
【0014】
2.ハードウェア構成
(1)サーバー装置100のハードウェア構成
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
サーバー装置100は、ハードウェア構成として、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、を含む。
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等であって、サーバー装置100の全体を制御する。
【0015】
記憶部220は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid Sate Drive)等の何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム及び制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。記憶部220は、記憶媒体の一例である。明細書では制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータは記憶部220に記憶されるものとして説明するが、サーバー装置100と通信可能な他の装置の記憶部等に記憶されていてもよい。すなわち、データは、制御部210が参照及び取得可能であればどの装置の記憶部に記憶されていてもよい。制御部210が、記憶部220に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムに基づき、処理を実行することによって、サーバー装置100の機能及び後述する図4に示されるシーケンス図のサーバー装置100が実現される。
【0016】
通信部230は、サーバー装置100をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。
なお、サーバー装置100を構成する各ハードウェアの数は図2に示した数に限られず、複数であってもよい。後述するスマートフォン130においても同様である。
【0017】
また企業PC110及び交通事業者PC120も少なくとも制御部、記憶部及び通信部を有する。企業PC110及び交通事業者PC120それぞれの制御部が、企業PC110及び交通事業者PC120それぞれの記憶部に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、企業PC110及び交通事業者PC120の機能が実現される。
【0018】
(2)スマートフォン130のハードウェア構成
図3は、スマートフォン130のハードウェア構成の一例を示す図である。
スマートフォン130は、ハードウェア構成として、制御部310と、記憶部320と、入出力部330と、通信部340と、を含む。
【0019】
制御部310は、CPU等であって、スマートフォン130の全体を制御する。
【0020】
記憶部320は、ROM、RAM、SSD等の何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム及び制御部310がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。記憶部320は、記憶媒体の一例である。明細書では制御部310がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータは記憶部320に記憶されるものとして説明するが、スマートフォン130と通信可能な他の装置の記憶部等に記憶されていてもよい。すなわち、データは、制御部310が参照及び取得可能であればどの装置の記憶部に記憶されていてもよい。制御部310が、記憶部320に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに基づき、処理を実行することによって、スマートフォン130の機能等が実現される。
【0021】
入出力部330は、タッチパネルディスプレイ等であって、操作者の入力を受け付けたり、制御部310による処理の結果を表示したりする。
通信部340は、スマートフォン130を、基地局等を介してネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。
【0022】
3.情報処理
以下、実施形態1の情報処理を説明する。
(処理の概要)
制御部210は、企業の関係者を識別可能な専用コードを受け取ると、専用コードを設定する。設定が終了すると、制御部210は、専用コードを設定したことを示す情報を送信する。制御部210は、申し込みフォームを介してデジタルチケットの発券要求を受け取る。デジタルチケットは、交通事業者の乗車券に関するチケットである。申し込みフォームは、企業の関係者のスマートフォン130にインストールされ、使用される所定のアプリケーションから呼び出されるフォームである。申し込みフォームでは、少なくとも専用コードが入力可能である。申し込みフォームを介して入力された専用コードが設定された専用コードであった場合、制御部210は、申し込みフォームを呼び出した所定のアプリケーションに対して発券要求に応じたデジタルチケットを発券する。
【0023】
このような処理によれば、サーバー装置100が企業の従業員のスマートフォン130の所定のアプリケーション対してデジタルチケットを発券することができる。そのため、企業は交通事業者より定期乗車券を受け取り、複数の従業員に配布する手間を省くことができる。また、交通事業者も定期乗車券等の乗車券を発券し、企業に郵送する手間を省くことができる。また、デジタルチケットも所定のアプリケーションに対して発券されるデジタルチケットであるため、他人が利用することはできない。したがって、企業の従業員が定期乗車券等を換金し、現金化することもできない。
【0024】
(処理の詳細)
図4は、情報処理システム1000における情報処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ401において、企業PC110は、企業の複数の従業員それぞれの専用コード(以下、単に専用コードという)を交通事業者PC120に送信する。
【0025】
企業PC110より専用コードを受信すると、シーケンスSQ402において、交通事業者PC120は、サーバー装置100に専用コードを送信する。
【0026】
交通事業者PC120より専用コードを受信すると、シーケンスSQ403において、サーバー装置100の制御部210は、専用コードを記憶部220等の所定の領域に記憶することで、専用コードを設定する。
【0027】
専用コードを設定すると、シーケンスSQ404において、制御部210は、専用コードの設定が完了したことを示す情報(以下、設定完了情報という)を交通事業者PC120に送信する。
【0028】
サーバー装置100より設定完了情報を受信すると、シーケンスSQ405において、交通事業者PC120は、企業PC110に設定完了情報を送信する。
【0029】
交通事業者PC120より設定完了情報を受信すると、シーケンスSQ406において、交通事業者の乗車券のデジタルチケットの発券を申し込む申し込みフォームへの必要事項の入力を促す入力要求を、例えば、従業員のメールアドレス宛等に送信する。入力要求には、例えば、従業員に対応する専用コードが含まれてもよい。
【0030】
入力要求を受け取ると、シーケンスSQ407において、スマートフォン130の制御部310は、電車及びバスの乗車券を購入できるアプリケーションにおける所定の操作等に基づき、申し込みフォームの表示要求をサーバー装置100に送信する。電車及びバスの乗車券を購入できるアプリケーションは、所定のアプリケーションの一例である。このアプリケーションは、例えば、アプリストア等からスマートフォン130にダウンロードされ、使用される。電車及びバスの乗車券を購入できるアプリケーションを以下では単にアプリケーションという。
【0031】
図5は、申し込みフォームを表示させる操作を説明するための図である。画面500は、アプリケーションにおける会員情報等を表示する画面である。画面500においてその他お申し込みボタン510が選択されると、申し込みフォームの表示要求がサーバー装置100に送信される。
【0032】
申し込みフォームの表示要求を受信すると、シーケンスSQ408において、制御部210は、申し込みフォームを生成、又は記憶部220等に記憶されている申し込みフォームを取得し、スマートフォン130に送信する。
【0033】
申し込みフォームを受信すると、シーケンスSQ409において、制御部310は、申し込みフォームを入出力部330等に表示するよう制御する。
図6は、申し込みフォームの一例を示す図である。申し込みフォーム600には、専用コードを入力する入力領域610が含まれる。スマートフォン130の操作者(例えば企業の従業員)は、例えば、シーケンスSQ406において送られてきた入力要求に含まれる専用コードを入力領域610に入力すると共に、他の必要項目の情報を入力する。
ここで、図6の申し込みフォームでは乗車駅、降車駅、利用開始日、利用期間等も入力するよう示しているがこれらに限定されるわけではない。例えば、企業PC110は、専用コードと共に、専用コードに対応する、乗車駅、降車駅、利用開始日、利用期間等を交通事業者PC120に送信するようにしてもよい。交通事業者PC120は、専用コードと共に乗車駅、降車駅、利用開始日、利用期間の情報をサーバー装置100に送信する。制御部210は、専用コードと共に、乗車駅、降車駅、利用開始日、利用期間の情報を関連付けて記憶しておくようにしてもよい。このような構成とすれば、申し込みフォームにおいて、乗車駅、降車駅、利用開始日、利用期間の情報を入力しないようにすることもできる。
シーケンスSQ410において、制御部310は、申し込みフォーム600の画面を介した入力を受け付ける。
【0034】
シーケンスSQ411において、制御部310は、申し込みフォーム600の画面を介した入力された入力データを含む、デジタルチケットの発券を要求する、発券要求をサーバー装置100に送信する。制御部210は、スマートフォン130より発券要求を受信する。この処理は、制御部210が、交通事業者を介して専用コードを受け取った、交通事業者と提携している企業の従業員より申し込みフォーム600を介してデジタルチケットの発券要求を受け取る処理の一例である。発券要求には、アプリケーションのユーザーを識別する識別情報(以下、単にユーザーIDともいう)が含まれる。
【0035】
発券要求をスマートフォン130より受信すると、シーケンスSQ412において、制御部210は、発券要求に含まれる専用コードが記憶部220の所定の記憶領域に記憶されている、設定された専用コードか否かを判定する。制御部210は、発券要求に含まれる専用コードが記憶部220の所定の記憶領域に記憶されている、設定された専用コードである場合、処理をシーケンスSQ413に進める。制御部210は、発券要求に含まれる専用コードが記憶部220の所定の記憶領域に記憶されている、設定された専用コードでない場合、設定された専用コードではない旨の情報をスマートフォン130に返信し、処理を終了する。発券要求に含まれる専用コードが記憶部220の所定の記憶領域に記憶されている、設定された専用コードであるものとして説明を続ける。
【0036】
シーケンスSQ413において、制御部210は、発券要求に含まれる、申し込みフォーム600の画面を介した入力された入力データに基づき交通事業者の定期乗車券のデジタルチケットを発券する。
【0037】
シーケンスSQ414において、制御部210は、発券したデジタルチケットをユーザーIDで識別されるユーザーのアプリケーションがインストールされているスマートフォン130に送信する。
サーバー装置100よりデジタルチケットを受信すると、シーケンスSQ415において、制御部310は、記憶部320等にデジタルチケットを記憶し、所定の操作に基づき、入出力部330にデジタルチケットを表示する。
なお、制御部210は、生成された後にすぐにデジタルチケットをスマートフォン130に送信せず、ユーザーIDに関連付けて記憶部220等に記憶し、所定の操作が行われたことに応じたスマートフォン130からの要求時に該当するデジタルケットを記憶部220等から取得し、スマートフォン130に送信するようにしてもよい。
【0038】
図7は、スマートフォン130の入出力部330に表示されたデジタルチケットの一例を示す図である。デジタルチケット700は、交通事業者の定期乗車券のデジタルチケットの一例である。
【0039】
以上、実施形態1の処理によれば、サーバー装置100が企業の従業員のスマートフォン130の所定のアプリケーション対してデジタルチケットを発券することができる。そのため、企業は交通事業者より定期乗車券を受け取り、複数の従業員に配布する手間を省くことができる。また、交通事業者も定期乗車券等の乗車券を発券し、企業に郵送する手間を省くことができる。また、デジタルチケットも所定のアプリケーションに対して発券されるデジタルチケットであるため、他人が利用することはできない。したがって、企業の従業員が定期乗車券等を換金し、現金化することもできない。
【0040】
なお、実施形態1ではデジタルチケットの一例として定期乗車券を例に説明を行ったが、デジタルチケットは、定期乗車券に限られない。デジタルチケットの他の例としては、例えば、1日乗車券であってもよいし、数日間、所定の交通機関に乗り放題の乗車券等であってもよい。
【0041】
また、実施形態1では組織の一例として企業を例に説明を行ったが。組織は企業に限られない。組織の他の例としては、大学、大学院、専門学校等がある。関係者が交通機関を利用する組織であればどのような組織であってもよい。
【0042】
(変形例1)
実施形態1の変形例1を説明する。変形例1は実施形態1と異なる点について説明する。変形例1は実施形態1と異なる実施形態ではなく実施形態1に含まれるものである。
変形例1の制御部210は、スマートフォン130においてデジタルチケットが表示された時間情報に基づき従業員の出退勤の情報を生成する。デジタルチケットのユーザーは、交通機関に乗車する際及び交通機関から降車する際は、アプリケーションを起動し、デジタルチケットを交通機関の車掌、又は運転手等に確認してもらう。したがって、制御部210は、所定の時間(例えば、朝(8:00~10:00))に2回、デジタルチケットがスマートフォン130において表示された際は、2回目に表示された時間情報を取得し、出勤時間とみなす。また、制御部210は、所定の時間(例えば、夕方(17:00~19:00))に2回、デジタルチケットがスマートフォン130において表示された際は、1回目に表示された時間情報を取得し、退勤時間とみなす。
【0043】
変形例1によれば、従業員の出退勤の情報(アプリケーションの会員情報と紐付けられたユーザーが朝の何時に出勤し、夕方又は夜の何時に退勤したのか)を生成、管理することができる。
【0044】
また他の例として、制御部210は、スマートフォン130の位置情報とスマートフォン130においてデジタルチケットが表示された時間情報とに基づき従業員の出退勤の情報を生成するようにしてもよい。例えば、制御部210は、所定の時間(例えば、朝(8:00~10:00))にデジタルチケットが表示され、デジタルチケットが表示された際のスマートフォン130の位置情報が会社の最寄りのバス停の近傍を示していた場合、デジタルチケットが表示された時間情報を取得し、出勤時間とみなす。また、制御部210は、所定の時間(例えば、夕方(17:00~19:00))にデジタルチケットが表示され、デジタルチケットが表示された際のスマートフォン130の位置情報が会社の最寄りのバス停の近傍を示していた場合、デジタルチケットが表示された時間情報を取得し、退勤時間とみなす。
このような処理によっても、従業員の出退勤の情報(アプリケーションの会員情報と紐付けられたユーザーが朝の何時に出勤し、夕方又は夜の何時に退勤したのか)を生成、管理することができる。
【0045】
(変形例2)
実施形態1の変形例2を説明する。変形例2は実施形態1と異なる点について説明する。変形例2は実施形態1と異なる実施形態ではなく実施形態1に含まれるものである。
変形例2の制御部210は、デジタルチケットの情報に基づきスマートフォン130の所定のアプリケーションに対して広告を配信する。デジタルチケットの情報とは、例えば、乗車駅、降車駅等の情報である。また、デジタルチケットが定期乗車券の場合、デジタルケットの情報に、乗車区間の情報、経由の情報、使用開始日の情報、有効期間の情報、支払い方法の情報等が含まれてもよい。
例えば、制御部210は、乗車駅の情報に基づき、乗車駅近郊の不動産や飲食業等の広告データを記憶部220等より取得し、スマートフォン130の所定のアプリケーションに配信する。
【0046】
変形例2によれば、デジタルケットのユーザーに応じた広告をスマートフォン130に配信することができる。
【0047】
(変形例3)
実施形態1の変形例3を説明する。変形例2は実施形態1と異なる点について説明する。変形例2は実施形態1と異なる実施形態ではなく実施形態1に含まれるものである。
変形例3の制御部210は、スマートフォン130の位置情報に基づきスマートフォン130の所定のアプリケーションに対して広告を配信する。例えば、スマートフォン130の位置情報がバスの乗車駅付近を示していた場合、制御部210は、バスの乗車駅付近の広告をスマートフォン130に配信する。また、スマートフォン130の位置情報がバスの降車駅付近を示していた場合、制御部210は、バスの降車駅付近の広告をスマートフォン130に配信する。
【0048】
変形例3によれば、デジタルチケットを利用するユーザーのスマートフォン130の位置情報に基づきスマートフォン130の所定のアプリケーションに対して広告を配信することができる。
【0049】
<付記>
発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0050】
(1)情報処理システムであって、少なくとも1つ以上の制御部を有し、前記制御部は、組織の関係者を識別可能な専用コードを受け取ると、前記専用コードを設定し、前記専用コードを設定したことを示す情報を送信し、申し込みフォームを介してデジタルチケットの発券要求を受け取り、前記デジタルチケットは、交通事業者の乗車券に関するチケットであり、前記申し込みフォームは、前記組織の関係者の携帯端末装置にインストールされ、使用される所定のアプリケーションから呼び出されるフォームであり、前記申し込みフォームでは、少なくとも前記専用コードが入力可能であり、前記申し込みフォームを介して入力された前記専用コードが設定された専用コードであった場合、前記申し込みフォームを呼び出した前記所定のアプリケーションに対して前記発券要求に応じた前記デジタルチケットを発券する、情報処理システム。
【0051】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記申し込みフォームを介して入力された前記専用コードが設定された専用コードであるか否かを判定し、前記申し込みフォームを介して入力された前記専用コードが設定された専用コードであった場合、前記申し込みフォームを呼び出した前記所定のアプリケーションに対して前記発券要求に応じた前記デジタルチケットを発券する、情報処理システム。
【0052】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記交通事業者より前記専用コードを受け取ると、前記専用コードを設定し、前記専用コードを設定したことを示す情報を前記交通事業者に送信し、前記交通事業者を介して前記専用コードを受け取った、前記交通事業者と提携している前記組織の関係者より前記申し込みフォームを介してデジタルチケットの発券要求を受け取る、情報処理システム。
【0053】
(4)上記(1)から(3)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記デジタルチケットは定期乗車券のデジタルチケットであり、前記制御部は、前記携帯端末装置において前記デジタルチケットが表示された時間情報に基づき前記組織の関係者の出退勤の情報を生成する、情報処理システム。
【0054】
(5)上記(1)から(4)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記デジタルチケットの情報に基づき前記所定のアプリケーションに対して広告を配信する、情報処理システム。
【0055】
(6)上記(1)から(5)までの何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記携帯端末装置の位置情報に基づき前記所定のアプリケーションに対して広告を配信する、情報処理システム。
【0056】
(7)情報処理方法であって、組織の関係者を識別可能な専用コードを受け取ると、前記専用コードを設定し、前記専用コードを設定したことを示す情報を送信し、申し込みフォームを介してデジタルチケットの発券要求を受け取り、前記デジタルチケットは、交通事業者の乗車券に関するチケットであり、前記申し込みフォームは、前記組織の関係者の携帯端末装置にインストールされ、使用される所定のアプリケーションから呼び出されるフォームであり、前記申し込みフォームでは、少なくとも前記専用コードが入力可能であり、前記申し込みフォームを介して入力された前記専用コードが設定された専用コードであった場合、前記申し込みフォームを呼び出した前記所定のアプリケーションに対して前記発券要求に応じた前記デジタルチケットを発券する、情報処理方法。
【0057】
(8)プログラムであって、コンピュータを、上記(1)から(6)までの何れか1つに記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0058】
例えば、サーバー装置100の処理の一部又は全部をスマートフォン130が実行してもよい。
上述した実施形態1及び変形例は任意に組み合わせて実施されてもよい。
また制御部210が画面をスマートフォン130等に送信するのではなく、制御部210が画面の生成、表示に必要なデータをスマートフォン130等に送信するようにしてもよい。そしてスマートフォン130がサーバー装置100から受信したデータに基づき画面を生成、表示するようにしてもよい。
【0059】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
100 :サーバー装置
110 :企業PC
120 :交通事業者PC
130 :スマートフォン
150 :ネットワーク
210 :制御部
220 :記憶部
230 :通信部
310 :制御部
320 :記憶部
330 :入出力部
340 :通信部
500 :画面
510 :申し込みボタン
600 :申し込みフォーム
610 :入力領域
700 :デジタルチケット
1000 :情報処理システム
【要約】      (修正有)
【課題】所定のアプリケーションに対して発券要求に応じたデジタルチケットを発券する情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム1000において、サーバ装置100の制御部は、組織の関係者を識別可能な専用コードを受け取ると、専用コードを設定し、専用コードを設定したことを示す情報を送信し、組織の関係者の携帯端末装置130にインストールされ、使用される所定のアプリケーションから呼び出される申し込みフォームを介して、交通事業者120の乗車券に関するチケットであるデジタルチケットの発券要求を受け取る。申し込みフォームでは、少なくとも専用コードが入力可能である。前記制御部はまた、申し込みフォームを介して入力された専用コードが設定された専用コードであった場合、申し込みフォームを呼び出した所定のアプリケーションに対して発券要求に応じたデジタルチケットを発券する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7