(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】環境の照明
(51)【国際特許分類】
H05B 47/16 20200101AFI20240418BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240418BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20240418BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20240418BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240418BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/165
H05B47/19
(21)【出願番号】P 2020524571
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(86)【国際出願番号】 EP2018080236
(87)【国際公開番号】W WO2019086688
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-11-02
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】シュランゲン ルーカス ヨセフ マリア
(72)【発明者】
【氏名】ブロエルスマ レミー シリル
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0290124(US,A1)
【文献】特開2005-228753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/16
H05B 45/10
H05B 45/20
H05B 47/165
H05B 47/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の発光要素から光を発する方法であって、各発光要素は、それぞれの光を発するように制御可能であり、当該方法は、
第1の明所視光の期間を発するステップ、
前記第1の明所視光の期間の後、第1の暗所視光の期間を発するステップ、
前記第1の暗所視光の期間の後、第2の明所視光の期間を発するステップ、及び
前記第2の明所視光の期間の後、第2の暗所視光の期間を発するステップ、
を含み、前記第1の明所視光の期間から前記第1の暗所視光の期間への第1の遷移は、前記第2の明所視光の期間から前記第2の暗所視光の期間への第2の遷移と比べて異なり、及び/又は、前記第1の暗所視光の期間から前記第2の明所視光の期間への第3の遷移は、前記第2の暗所視光の期間から前記第1の明所視光の期間若しくは第3の明所視光の期間への第4の遷移と比べて異なり、
明所視光及び暗所視光は、それぞれ明所視及び暗所視をもたらす、方法。
【請求項2】
前記第1の遷移が、前記第2の遷移と比べて異なる場合、前記第1の遷移は、第1の遷移期間にわたって生じ、前記第2の遷移は、
前記第1の遷移期間とは異なる第2の
遷移期間にわたって生じ、及び/又は、
前記第3の遷移が、前記第4の遷移と比べて異なる場合、前記第3の遷移は、第3の遷移期間にわたって生じ、前記第4の遷移は、
前記第3の遷移期間とは異なる第4の
遷移期間にわたって生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の遷移が、前記第1の遷移期間にわたって生じ、前記第2の遷移が、前記第2の遷移期間にわたって生じる場合、前記第2の遷移期間は、前記第1の遷移期間よりも大きい、及び/又は、
前記第3の遷移が、前記第3の遷移期間にわたって生じ、前記第4の遷移が、前記第4の遷移期間にわたって生じる場合、前記第4の遷移期間は、前記第3の遷移期間よりも大きい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の遷移が、前記第2の遷移と比べて異なる場合、前記第1の遷移は、第1の強度プロファイルの光を含み、前記第2の遷移は、
前記第1の強度プロファイルの光とは異なる第2の
強度プロファイルの光を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の遷移が、前記第2の遷移と比べて異なる場合、前記第1の遷移は、第1のスペクトルプロファイルの光を含み、前記第2の遷移は、
前記第1のスペクトルプロファイルの光とは異なる第2の
スペクトルプロファイルの光を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
当該方法は、光サイクルを繰り返すステップを含み、繰り返される前記光サイクルは、少なくとも前記第1の明所視光の期間及び前記第2の明所視光の期間並びに前記第1の暗所視光の期間及び前記第2の暗所視光の期間を含む連続する明所視光及び暗所視光の期間を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の暗所視光の期間は、光サイクルごとに一回発せられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記光サイクルは、一日の期間にわたって発せられる、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の暗所視光の期間は、前記第1の暗所視光の期間、並びに/又は、前記第1の明所視光の期間及び前記第2の明所視光の期間よりも大きい、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記期間は、エンドユーザによってプログラム可能である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
明所視光及び暗所視光は、それぞれ人の明所視及び暗所視をもたらし、それぞれ30ルクス以上の照度及び
1ルクス以下の照度を提供する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
明所視光及び暗所視光は、それぞれ鶏の明所視及び暗所視をもたらす、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
1つ以上の発光
要素から発せられる光は、
可視光である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上の発光要素を含む照明システムであって、各発光要素は、それぞれの光を発するように制御可能であり、
第1の明所視光の期間を発する、
前記第1の明所視光の期間の後、第1の暗所視光の期間を発する、
前記第1の暗所視光の期間の後、第2の明所視光の期間を発する、及び
前記第2の明所視光の期間の後、第2の暗所視光の期間を発する、
ように構成され、前記第1の明所視光の期間から前記第1の暗所視光の期間への第1の遷移は、前記第2の明所視光の期間から前記第2の暗所視光の期間への第2の遷移と比べて異なり、及び/又は、前記第1の暗所視光の期間から前記第2の明所視光の期間への第3の遷移は、前記第2の暗所視光の期間から前記第1の明所視光の期間若しくは第3の明所視光の期間への第4の遷移と比べて異なり、
明所視光及び暗所視光は、それぞれ明所視及び暗所視をもたらす、照明システム。
【請求項15】
コンピュータ可読ストレージに具現化され、制御システムの1つ以上の処理ユニットで実行される場合、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の
方法を実行するよう1つ以上の発光要素を制御するように構成されるコードを含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光要素から明所視光及び暗所視光の期間(periods of photopic and scotopic light)を発する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
養鶏場では、ブロイラーチキン(肉生産のために特別に飼育及び繁殖させられる鶏)は、およそ24時間の期間を持ち、24時間サイクルごとに複数の暗所視光及び明所視光期間(scotopic and photopic periods of light)で構成される明暗サイクルの下で飼育される場合最適に成長する。暗所視光(scotopic light)は低レベルの光(low level light)であり、暗所視(scotopic vision)は、低光条件(low light conditions)下での目の視覚を指す。明所視光(photopic light)は十分に明るい光(well-lit light)であり、明所視(photopic vision)は、十分に明るい条件(well-lit conditions)下での目の視覚を指す。鶏は、主観的夜として1回の暗所視光期間(通常は最長)しか体感しない。明暗の漸進的な遷移は鶏にとってストレスが少なく、鶏がよりゆるやかで規則的に夜へ落ち着くのに役立つ。さらに、これは、鶏が主観的夜の前に食物摂取を増やすのを助ける。増加した薄暗がりの(crepuscular)摂食活動は、鶏が、夜の初めにフルクロップ(full crop)(消化前に食物の貯蔵に使用される消化管の薄肉拡張部(thin-walled expanded portion))になることを確実にする。
【0003】
米国特許出願公開第US 2017 /0 290124 A1号は、第1の複数のライトに供給される電圧を第1の閾値電圧まで増加させて第1の複数のライトを照明し、豚(swine)に影響を与える第1の色特性を有する第1の光を提供するように構成された1つ以上のコントローラを有する豚を照らすための制御システムを開示している。実施形態では、第1の光は、豚によって知覚されず、したがって、夜の状態をシミュレートする赤色光である。1つ以上のコントローラはまた、第2の複数のライトに供給される電圧を第2の閾値電圧まで増加させて第2の複数のライトを照明し、第1の色特性とは異なる第2の色特性を有する第2の光を提供するように構成される。実施形態では、第2の光は白色光である。1つ以上のコントローラはまた、第3の複数のライトに供給される電圧を第3の閾値電圧まで増加させて第3の複数のライトを照明し、豚が所定の挙動をとるように刺激する第3の色特性を有する第3の光を提供するように構成される。実施形態では、第3の光は、豚が食べるように刺激する青色光である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示される第1の態様によれば、1つ以上の発光要素から光を発する方法であって、各発光要素は、それぞれの光を発するように制御可能であり、当該方法は、第1の明所視光の期間(first time period of photopic light)を発するステップ、その後、第1の暗所視光の期間(first time period of scotopic light)を発するステップ、その後、第2の明所視光の期間(second time period of photopic light)を発するステップ、及び、その後、第2の暗所視光の期間(second time period of scotopic light)を発するステップ、を含み、第1の明所視光の期間から第1の暗所視光の期間への第1の遷移は、第2の明所視光の期間から第2の暗所視光の期間への第2の遷移と比べて異なり、及び/又は、第1の暗所視光の期間から第2の明所視光の期間への第3の遷移は、第2の暗所視光の期間から第1の明所視光の期間若しくは第3の明所視光の期間(third time period of photopic light)への第4の遷移と比べて異なる、方法が提供される。
【0005】
すなわち、明所視光と暗所視光の交互のシーケンスが、ある明所視光の期間から直後の対応する暗所視光の期間への遷移が、他の明所視光の期間からその直後の対応する暗所視光の期間への遷移と比べて異なるように発せられる。追加的又は代替的に、ある暗所視光の期間から直後の対応する明所視光の期間への遷移が、他の暗所視光の期間からその直後の対応する明所視光の期間への遷移と比べて異なる。
【0006】
典型的な照明設備は、すべての暗所視期間に対して、1つのタイプの明から暗(light to dark)(夜明けから日暮れ(dawn to dusk))又は暗から明(dark to light)(日暮れから夜明け(dusk to dawn))への遷移しか使用しない。これは、鶏が、明から暗への遷移だけでは、どの暗所視期間が主観的夜(subjective night)であるかを確実に結論付けられないことを意味する。本明細書に開示される方法は、暗所視光の特定の期間(主観的夜)に対して、異なる明から暗(夜明けから日暮れ)又は暗から明への遷移を提供するので有利である。すなわち、鶏は、来たる暗所視期間が主観的夜であることを異なる遷移から結論付けることができる。
【0007】
本明細書に述べられる例は、鶏が占める環境を照らすことに適用可能であるが、これらの例は、他の動物又は生物が占める環境を照らすことに等しく適用可能である。とりわけ、これらの例は、人、特に幼児が占める環境を照らすことにも適用できる。例えば、幼児は、主観的夜の始まりが生じようとするときを知ることから利益を得る。これは、最も長い暗所視光の期間に対する異なる遷移によって達成されることができる。
【0008】
追加的に、より短い暗所視光の期間から明所視光へ遷移するのと比べて異なるように主観的夜から明所視光へ遷移することは、鶏又は他の斯かる生物が、主観的夜が終わったことを理解するのにさらに役立つ。例では、第4の遷移は、第3の遷移よりも長い期間にわたって生じてもよい。追加的又は代替的な例では、第4の遷移は、第3の遷移と比べて異なる強度及び/又はスペクトルプロファイルの光を含む。
【0009】
ある例では、第1の遷移は、第1の遷移期間にわたって生じ、第2の遷移は、第2の、異なる遷移期間にわたって生じ、及び/又は、第3の遷移は、第3の遷移期間にわたって生じ、第4の遷移は、第4の、異なる遷移期間にわたって生じる。
【0010】
ある例では、第2の遷移期間は、第1の遷移期間よりも大きい、及び/又は、第4の遷移期間は、第3の遷移期間よりも大きい。
【0011】
これは、明所視光から主観的夜(例えば、最も長い暗所視光の期間)への遷移がよりゆるやかであり、したがって鶏又は他の生物にとってストレスが少ないため、有利である。
【0012】
ある例では、第3の遷移は、第3の強度プロファイルの光を含み、第4の遷移は、第4の、異なる強度プロファイルの光を含む。
【0013】
ある例では、第1の遷移は、第1のスペクトルプロファイルの光を含み、第2の遷移は、第2の、異なるスペクトルプロファイルの光を含む。
【0014】
暗所視光から主観的夜へ遷移することが、異なるスペクトル及び/又は強度プロファイルの光を使用することは、主観的夜の到来の明確なシグナルを鶏又は他の生物に提供するのに役立つ。
【0015】
ある例では、第3の遷移は、第3のスペクトルプロファイルの光を含み、第4の遷移は、第4の、異なるスペクトルプロファイルの光を含む。
【0016】
ある例では、当該方法は、光サイクル(light cycle)を繰り返すステップを含み、繰り返される光サイクルは、少なくとも第1の明所視光の期間及び第2の明所視光の期間並びに第1の暗所視光の期間及び第2の暗所視光の期間を含む連続する明所視光及び暗所視光の期間(consecutive periods of photopic and scotopic light)を含む。
【0017】
ある例では、第2の暗所視光の期間は、光サイクルごとに一回発せられる。
【0018】
ある例では、光サイクルは、一日の期間にわたって発せられる。
【0019】
すなわち、明所視光及び暗所視光の第1及び第2の期間は、例えば、一日(およそ24時間)の期間にわたっる、繰り返される光サイクルの一部を形成する。ある例では、光サイクルは、追加的に、第3の明所視光の期間を含んでもよい。
【0020】
光サイクルを繰り返すことは、鶏又は他の生物に対して記憶に残る光のリズムを提供する。有利には、第2の暗所視光の期間(主観的夜)を光サイクルごとに一回だけ発することは、鶏又は他の生物が当該第4の期間が主観的夜であることを理解するのにさらに役立つ。
【0021】
ある例では、明所視光から暗所視光への第2の遷移は、明所視光及び暗所視光間の他のすべての遷移と比べて異なる。
【0022】
ある例では、第2の暗所視光の期間は、第1の暗所視光の期間、並びに/又は、第1の明所視光の期間及び第2の明所視光の期間よりも大きい。
【0023】
すなわち、一部の例では、主観的夜は、どの「デイタイム(daytime)」光の期間よりも長い。
【0024】
ある例では、期間は、エンドユーザによってプログラム可能である。
【0025】
有利には、期間は、例えば中央制御システム又は遠隔制御を介して、ユーザ定義及び更新されることができる。例えば、主観的夜は、実世界の夜の継続時間の変化を反映するために冬の数か月間に増加されてもよい。一例として、主観的夜は、冬至のあたりで増加されてもよい。
【0026】
ある例では、明所視光及び暗所視光は、それぞれ人の明所視範囲及び暗所視範囲(human photopic vision and scotopic vision ranges)に対応する。
【0027】
すなわち、有利には、明所視光及び暗所視光は、実世界の光条件を模倣して、平均的な人の明所視光及び暗所視光にそれぞれ対応するように設定されてもよい。ある例では、明所視光及び暗所視光は、それぞれ(新生児の)赤ちゃん又は幼児の視覚に対応する。本発明者らは、本明細書に述べられる方法はまた、例えば新生児集中治療室の赤ちゃんにとって、新生児がより簡単に眠る(又は眠りにつく)のを助けるために有用であり得ることを認識した。ある例では、明所視光及び暗所視光は、それぞれ平均的な高齢者(例えば認知症のある人)の明所視及び暗所視に対応してもよい。
【0028】
ある例では、明所視光及び暗所視光は、それぞれ鶏の明所視範囲及び暗所視範囲に対応する。
【0029】
すなわち、有利には、明所視光及び暗所視光は、実世界の光条件を模倣して、鶏の明所視光及び暗所視光にそれぞれ対応するように設定されてもよい。これは、鶏に自然環境を提供するのに役立つ。ある例では、明所視光及び暗所視光は、それぞれ動物(例えば、羊、牛、豚)の明所視及び暗所視に対応する。
【0030】
ある例では、1つ以上の発光デバイスから発せられる光は、光学的な光(optical light)である。
【0031】
ある例では、1つ以上の発光デバイスから発せられる光は、赤外光又は紫外光である。
【0032】
本明細書に開示される第2の態様によれば、1つ以上の発光要素を含む照明システムであって、各発光要素は、それぞれの光を発するように制御可能であり、
第1の明所視光の期間を発する、
その後、第1の暗所視光の期間を発する、
その後、第2の明所視光の期間を発する、及び
その後、第2の暗所視光の期間を発する、
ように構成され、第1の明所視光の期間から第1の暗所視光の期間への第1の遷移は、第2の明所視光の期間から第2の暗所視光の期間への第2の遷移と比べて異なり、及び/又は、第1の暗所視光の期間から第2の明所視光の期間への第3の遷移は、第2の暗所視光の期間から第1の明所視光の期間若しくは第3の明所視光の期間への第4の遷移と比べて異なる、照明システムが提供される。
【0033】
本明細書に開示される第3の態様によれば、コンピュータ可読ストレージに具現化され、制御システムの1つ以上の処理ユニットで実行される場合、本明細書に開示される任意の方法のステップによる動作を実行するよう1つ以上の発光要素を制御するように構成されるコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本開示の理解を支援するために、及び、どのようにして実施形態が実施され得るかを示すために、例として、添付の図面が参照される。
【
図1】
図1は、環境を照らすための照明システムを含む環境を概略的に示す。
【
図2】
図2は、照明システムを制御するための制御システムのブロック図を概略的に示す。
【
図3a】
図3aは、第1の例の光サイクルを概略的に示す。
【
図3b】
図3bは、第2の例の光サイクルを概略的に示す。
【
図4】
図4は、明所視及び暗所視の光度関数の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
典型的な照明システムは、すべての暗所視期間に対して、1種類の夜明け/日暮れ(夜明け及び/又は日暮れ)の遷移(dawn/dusk (dawn and/or dusk) transition)しか使用しない。遷移が同じ種類であることに起因して、鶏は、夜明け/日暮れの遷移だけでは、どの暗所視期間が主観的夜であると結論付けることができない。これは、鶏にとってストレスとなり、最適な成長を妨げ得る。
【0036】
本明細書に開示される発明は、長い暗期間及び短い暗期間に対して異なる夜明け/日暮れの遷移を使用するおよそ24時間の明暗サイクルを実施することができる照明デバイス又はシステムに関する。夜明け/日暮れの遷移は、持続時間(例えば、1時間の暗所視期間に対して5分、及び4時間の暗所視期間、すなわち主観的夜に対して30分)及び/又はそれらのダイナミクス(例えば、強度、スペクトル等)で異なることができる。
【0037】
本発明は、ストレスの少ない遷移期間を提供し、日中の標準的な暗所視期間とは対照的に主観的夜の到来時(又は主観的夜からの逸脱時)により明確なシグナルを鶏に与える。
【0038】
本発明は、養鶏に有益であるだけでなく、病院、例えば新生児集中治療室で使用されることもできる。
【0039】
図1は、本明細書に開示される実施形態が使用され得る例示的な環境100を示す。環境100は、1人以上のユーザ102及び/又は鶏104等の1匹以上の動物によって占有され得る空間である。環境100は、家、オフィス又は小屋(barn)若しくはファームハウス(farmhouse)等の他の建物の1つ以上の部屋等の屋内空間、庭又は公園等の屋外空間、ガゼボ等の部分的に覆われた空間、又は屋内空間及び屋外空間の両方を含む農場等のそのような空間の組み合わせであってもよい。
【0040】
環境100は、環境100内の異なる場所に設置又は配置される複数の発光要素(又は光源又は照明器具)106を備える。発光要素106は、アンビエント照明又はタスク照明のどちらを提供するかにかかわらず、ユーザ102又は動物104によって占められる環境又は環境の一部を照らための任意の種類の発光デバイスを指してもよい。発光要素106の各々は、天井若しくは壁に取り付けられた照明器具、自立式のフロア若しくはテーブル光源106、ポール、ガントリ(gantry)若しくはリギング(rigging)に取り付けられた光源106、又は家具若しくは家具の表面に埋設される光源106等のそれほど伝統的ではない形態等、様々な可能な形態の任意のものをとってもよい(環境100内の異なる光源106は、互いに同じ形態を取る必要はない)。代替的に、発光要素は、ヘッドマウントグラス又は発光コンタクトグラスの形態をとってもよい。どのような形態をとっても、各発光要素106は、少なくとも1つのランプ(光要素)と、任意の関連するハウジング、ソケット及び/又はサポートとを備える。適切なランプの例には、LEDベースのランプ、又は従来のフィラメント電球若しくはガス放電ランプが含まれる。
【0041】
あるシナリオでは、環境100は、各々が1つ以上の発光要素106の異なるそれぞれのサブセットによって照らされる、異なる部屋等の複数の異なるゾーン又は場所(図示せず)に分割されてもよい。例えば、異なるゾーンは、ファームハウス又は鶏舎の異なるセクションに関連してもよい。別の例では、異なるゾーンは、病院の異なる部屋又はセクションに関連してもよい。
【0042】
環境100はまた、1つ以上の照明制御デバイス108を備えてもよい。照明制御デバイス108の各々は、スマートライトスイッチ、調光スイッチ等のスタンドアロンの照明制御デバイス108、又はスマートフォン若しくはタブレット等のモバイルユーザ端末、さらにはユーザに着用され得るウェアラブルデバイス等の他のユーザデバイスに統合される照明制御デバイス108の形態をとってもよい。例えば、ユーザ端末には、適切な照明制御アプリがインストールされてもよい。照明制御デバイス108は、主電源から電力を供給されてもよく、バッテリから電力を供給されてもよく、又はエネルギハーベスティング技術を使用してそのエネルギを供給してもよい。照明制御デバイス108は、環境100内の1つ以上の発光要素106によって発せられる光を制御できるように構成される。これには、発光要素106のオン/オフの切り替え、光の色の制御、調光レベルの制御、光の時間的に変化する効果の制御、光の空間的に変化する効果の制御、又は環境100内の発光要素106に適用可能であり得る光の他の側面の調整が含まれてもよい。環境100はまた、中央照明ブリッジ110を備えてもよい。
【0043】
図2は、ユーザ102が、ユーザ102から照明制御デバイス108への1つ以上の入力及び/又は発光要素106の光状態に基づいて、発光要素106のうちの1つ以上の発光要素からの光を制御することを可能にする制御システム200を示す。これは、ユーザ102が照明制御デバイス108にコマンドを入力するのと同じ環境100の部分又は環境100の異なる部分の光を制御することであってもよい。
【0044】
データベース210が
図2に示されている。データベースは、1つ以上の発光要素106に関連する1つ以上の設定を格納するように構成される。例えば、データベース210は、プログラム設定、又は明所視光期間及び暗所視光期間並びに本明細書で詳述されるそれらの期間間の遷移を定義する設定を格納してもよい。データベース210は、照明制御デバイス108、中央照明ブリッジ110、サーバ、又は1つ以上の発光要素106に格納されてもよい。
【0045】
照明制御デバイス108は、ユーザ102から入力を受けるように構成され、コントローラ204に動作可能に結合されるユーザインターフェース202を備える。ユーザインターフェース202は、スクリーンの形態のディスプレイ及びユーザから入力を受けるための手段を備えてもよい。例えば、ユーザインターフェース202は、タッチスクリーン、又はマウス、トラックパッド、若しくはトラッカボール(tracker ball)等を含むポイントアンドクリックユーザインターフェースを含んでもよい。代替的又は追加的に、ユーザインターフェース202は、環境100内の発光要素106を制御するための専用アクチュエータ又は制御パネルを備える専用照明制御ユニットを備えてもよい。例えば、照明制御デバイス108は、例えば、専用制御ユニットの1つ以上のボタン、スライダ、スイッチ及び/又はダイヤルを使用することによって、ユーザ102によって手動で操作され得る専用制御ユニット(有線又は無線)の形態であってもよい。
【0046】
代替的又は追加的に、ユーザインターフェース202は、ユーザからの音声コマンドを受けるためのマイクロフォンを備えてもよい。別の例では、ユーザインターフェース202は、ユーザからのジェスチャコマンドを検出するためのカメラ、赤外線検出器等を備えてもよい。
【0047】
照明制御デバイス108は、ユーザのコマンドの指示を受けるためにユーザインターフェース202に結合されるコントローラ204を備える。コントローラ204はまた、無線トランシーバ208を介して、
図1に関連して論じられた1つ以上の発光要素106を備える照明システム206に動作可能に結合される。これにより、コントローラ204は、特定のプログラムを選択するために識別されたコマンドに基づいて照明システム206を制御することができる。例えば、ユーザ102は、異なる時間スケールのプログラムの間で選択してもよく、例えば、第1のプログラムは、本発明に従って24時間の期間にわたって明所視光及び暗所視光の期間を発してもよく、第2のプログラムは、12時間の期間にわたって光の期間を発してもよい。コントローラ204は、例えばユーザインターフェース202への入力に応答して、データベース210から1つ以上の設定を取得するように構成される。
【0048】
ある実施形態では、コントローラ204は、メモリに格納され、プロセッサでの実行のために構成されるソフトウェアの形態で実装される(ソフトウェアが格納されるメモリは、EEPROM(登録商標)又は磁気ドライブ等の1つ以上の記憶媒体を使用する1つ以上のメモリユニットを含み、ソフトウェアが実行されるプロセッサは、1つ以上の処理ユニットを含む)。代替的に、コントローラ204の一部又はすべてが、専用ハードウェア回路、又はPGA若しくはFPGA等のコンフィギュラブル若しくはリコンフィギュラブルなハードウェア回路で実装され得ることが除外されるものではない。それがとる形態が何であれ、ある実施形態では、コントローラ204は、単一の照明制御デバイス108内に、ユーザインターフェース202及び無線トランシーバ208と共に、すなわち、同じハウジング内に実装されてもよい。代替的に、コントローラ204は、部分的又は全体的に、1つ以上の地理的サイト(図示せず)に1つ以上のサーバユニットを含むサーバ又は中央照明ブリッジ110等、外部に実装されてもよい。
【0049】
コントローラ204は、本明細書で開示される照明制御デバイス108の動作(action)の一部又はすべてを実行するように構成されてもよい。例えば、コントローラ204は、ユーザインターフェース202を介してユーザコマンドを受けるように構成される。コントローラ204はまた、ワイヤレストランシーバ208を介して環境100内の1つ以上の発光要素106と通信するように構成される、及び/又は、該当する場合、コントローラ204はまた、ワイヤレストランシーバ208を介してサーバ又は中央照明ブリッジ110と通信するように構成される。
【0050】
照明制御デバイス108は、任意の適切なワイヤレス媒体を介して通信するためのワイヤレストランシーバ208、例えば、無線チャネル(radio channel)を介して通信するための無線トランシーバ(radio transceiver)を備える(しかしながら、他の形態、例えば超音波又は赤外線トランシーバが除外されるものではない)。ワイヤレストランシーバ208は、発光要素106と通信するためのWi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Thread(登録商標)等のインターフェースを備えてもよい。各発光要素106は、本明細書で開示されるそれぞれの制御操作を実行するためにワイヤレスチャネル、好ましくは無線チャネルを介して通信することができるように構成される(しかしながら、可視光通信、超音波又は赤外線等の他の媒体の可能性が除外されるものではない)。例えば、無線チャネルは、ZigBee、Bluetooth、Wi-Fi、Thread、JupiterMesh(登録商標)、Wi-SUN、6LoWPAN等の無線アクセス技術に基づいていてもよい。無線チャネルは、発光要素106を制御するために照明制御デバイス108によって使用されることができる。
【0051】
代替的又は追加的に、有線接続、例えばEthernet(登録商標)又はDMX(登録商標)接続が、制御目的で中央デバイス108と発光要素106との間に提供され得ることが除外されるものでもない。
【0052】
代替的に、ワイヤレストランシーバ208は、例えばローカルエリアネットワーク又はインターネット等のワイドエリアネットワークを介して、サーバ又は中央照明ブリッジ110を介して発光要素106と通信してもよい。照明制御デバイス108から直接コマンドを受信する場合、発光要素106は各々、制御デバイス108に直接接続するためのそれぞれのワイヤレス受信機又はトランシーバ(図示せず)を備える。代替的に、発光要素106は各々、サーバ又は中央照明ブリッジ110と通信するための有線又はワイヤレス接続を有してもよい。発光要素106は、ワイヤレス接続を介してサーバ又は中央照明ブリッジ110を介して制御コマンドを受けてもよい。
【0053】
ある実施形態では、サーバ又は中央照明ブリッジ110の機能性は、メモリに格納され、プロセッサでの実行のために構成されるソフトウェアの形態で実装される(ソフトウェアが格納されるメモリは、EEPROM又は磁気ドライブ等の1つ以上の記憶媒体を使用する1つ以上のメモリユニットを含み、ソフトウェアが実行されるプロセッサは、1つ以上の処理ユニットを含む)。代替的に、サーバ又は中央照明ブリッジ110の機能性の一部又はすべてが、専用ハードウェア回路、又はPGA若しくはFPGA等のコンフィギュラブル若しくはリコンフィギュラブルなハードウェア回路で実装され得ることが除外されるものではない。また、サーバ又は中央照明ブリッジ110は、環境100内でローカルに、又は遠隔ロケーションに実装されてもよく、1つ以上の地理的サイトに1つ以上の物理ユニットを備えてもよいことにも留意されたい。
【0054】
中央照明ブリッジ110は、ワイヤレストランシーバを含んでもよい。ワイヤレストランシーバは、ローカル及び/又はワイドエリアネットワークを介して発光要素106、照明制御デバイス108、中央照明ブリッジ110又はサーバと通信するためのWi-Fi、ZigBee、Bluetooth、Thread等のインターフェースを備えてもよい。例えば、無線チャネルは、ZigBee、Bluetooth、Wi-Fi、Thread、JupiterMesh、Wi-SUN、6LoWPAN等の無線アクセス技術に基づいていてもよい。代替的又は追加的に、ある実施形態では、中央照明ブリッジ110は、発光要素106、照明制御デバイス108、中央照明ブリッジ110又はサーバと通信するための有線接続を有してもよい。
【0055】
ある例では、照明制御デバイス108に位置することに代わり、コントローラ204は、全体的又は部分的に、中央照明ブリッジ110又はサーバに位置してもよい。
【0056】
物理インフラストラクチャの観点からの実装が何であれ、制御デバイス108、ブリッジ110又はサーバにおけるコントローラ204は、以下に従って発光要素106を制御するように構成されてもよい。
【0057】
図3aは、第1の例の光サイクル(light cycle)300を概略的に示す。光サイクル300は、(白い領域として示される)複数の明所視期間及び(黒い領域として示される)複数の暗所視期間を含む。第1の例の光サイクル300は、第1の明所視光の期間301、第1の暗所視光の期間302、第2の明所視光の期間303、第2の暗所視光の期間304、及び(任意選択的に)第3の明所視光の期間305を含む。
図3aに示されるように、第1の光サイクル300は、より長い暗所視期間を含む。これは、主観的夜304である。
【0058】
図3bは、第2の例の光サイクル310を概略的に示す。第2の例の光サイクル310は、第1の明所視光の期間301、第1の暗所視光の期間302、第2の明所視光の期間303、及び第2の暗所視光の期間304を含む。さらに、第2の例の光サイクルは、追加の明所視光の期間306及び追加の暗所視光の期間307を含む。
【0059】
例では、環境100は、1つ以上の発光要素106によって照らされてもよい。環境100は、第1の明所視光の期間に明所視光301を発することにより、その後、第1の暗所視光の期間に暗所視光302を発することにより、その後、第2の明所視光の期間に明所視光303を発することにより、及び、その後、第2の暗所視光の期間に暗所視光304を発することにより照らされてもよい。第1及び第2の期間は、等しくてもよく、異なってもよい。
【0060】
例では、第2の暗所視光の期間は、第1の暗所視光の期間よりも大きい。第2の期間は、認識できるほど(discernibly)大きいように第1の期間よりも実質的に大きくてもよい。例えば、第2の期間は4時間であってもよく、第1の期間は1時間であってもよい。第2の期間は4時間より長くても短くてもよく、第1の期間は1時間より長くても短くてもよいことが理解されよう。代替的に、第1及び第2の期間は、上述したように、等しくてもよい。
【0061】
例では、第2の暗所視光の期間は、第1及び/又は第2の明所視光の期間よりも大きくてもよい。例えば、主観的夜304は、(低レベルではあるが)連続した光の最も長い期間であってもよい。例では、第2の暗所視光の期間は、第1及び/又は第2の明所視光の期間よりも小さくてもよい。例えば、明所視光の期間は、連続した光の最も長い期間(例えば、主観的昼(subjective day))であってもよい。
【0062】
明所視光とは、明所視(十分に明るい条件又は高い周囲光レベルの下での目の視覚)をもたらし、通常は色覚を可能にする光を指す。明所視光の例は、日光条件(daylight conditions)である。明所視は、典型的には、網膜の錐体によって媒介される。典型的には、人の明所視光は、30ルクス(lx)を超える照度(又は例えば3cd/m2を超える輝度)を有する光を意味する。異なる動物種間の視覚系の違いに起因して、この境界(limit)は、動物間で異なり得る。
【0063】
暗所視光とは、暗所視(低光条件又は低い周囲光レベルの下での目の視覚)をもたらす光を指す。暗所視光の例は、夜間条件(night-time conditions)である。暗所視は、典型的には、網膜の桿体によって媒介される。典型的には、人の暗所視光は、数ルクス(lx)(例えば、1ルクス(lx))より低い照度又は例えば0.003cd/m2より低い輝度を有する光を意味する。異なる動物種間の視覚系の違いに起因して、この境界は、動物間で異なり得る。
【0064】
例では、明所視光は、明るさ(brightness)、強度プロファイル(intensity profile)及びスペクトルプロファイルのうちの少なくとも1つで暗所視光とは異なる。例では、明所視光は、暗い環境をもたらす暗所視光より明るい環境をもたらす。
【0065】
例では、明所視光及び/又は暗所視光の期間中に発せられる光は、時間、空間、及び/又はそれらの特性(例えば強度)の点で変化してもよい。例では、これらの期間中に発せられる光は、一定であってもよい。
【0066】
例において、第1の期間301及び第2の期間303に発せられる明所視光は、同じ特性(例えば、明るさ、色)を有してもよい。代替的に、これらの期間に発せられる明所視光は、異なってもよい。
【0067】
例において、第1の期間302及び第2の期間304に発せられる暗所視光は、同じ特性(例えば、明るさ、色)を有してもよい。代替的に、これらの期間に発せられる暗所視光は、異なってもよい。例えば、第2の暗所視光の期間304は、第1の暗所視光の期間302よりも知覚的に暗くてもよい。
【0068】
例では、明所視光から暗所視光への第1の遷移は、明所視光から暗所視光への第2の遷移と比べて異なる。例えば、明所視光から暗所視光への遷移は、平均明所視光及び平均暗所視光の期間の間の1つ以上の発光要素106によって発せられる光の任意の状態を指してもよい。別の例では、明所視光から暗所視光への遷移は、ピーク明所視光及びピーク暗所視光の期間の間の1つ以上の発光要素106によって発せられる光の任意の状態を指してもよい。
【0069】
第1及び第2の遷移は単なるラベルであり、明示的に述べられている以外の遷移の順序を暗に意味するものではないことに留意されたい。
【0070】
第1の遷移は第1の遷移期間にわたって生じ、第2の遷移は第2の、異なる遷移期間にわたって生じる。好ましい例では、第2の遷移期間は、第1の遷移期間よりも大きくてもよい。例えば、第2の遷移期間は30分であってもよく、第1の遷移期間は5分であってもよい。代替的に、第2の遷移期間は、第1の遷移期間と等しくてもよい。別の代替例では、第2の遷移期間は、第1の遷移期間よりも小さくてもよい。
【0071】
一部の例では、明所視光から暗所視光への第1の遷移及び明所視光から暗所視光への第2の遷移は、持続時間においてのみ異なる、すなわち、第1及び第2の遷移期間のみが異なる。
【0072】
しかしながら、好ましい例では、第1の遷移は、第1の強度プロファイルの光を含み、第2の遷移は、第2の、異なる強度プロファイルの光を含み、第1の強度プロファイルは、第2の強度プロファイルと比べて異なる。(光)強度プロファイル(luminous) intensity profile)は、1つ以上の発光要素106によって発せられる光の明るさを特徴付けてもよい。第1及び第2の強度プロファイルは、時間及び/又は空間の点で変化してもよい。例えば、第2の遷移は、日暮れとして知覚される第2の強度プロファイルを含んでもよい。
【0073】
代替例では、第1の強度プロファイルは、第2の強度プロファイルと等しい。
【0074】
例では、明所視光から暗所視光への第1の遷移及び明所視光から暗所視光への第2の遷移は、強度プロファイルにおいてのみ異なる、すなわち、第1及び第2の強度プロファイルのみが異なる。
【0075】
好ましい例では、第1の遷移は、第1のスペクトルプロファイルの光を含み、第2の遷移は、第2の、異なるスペクトルプロファイルの光を含む。例では、第1のスペクトルプロファイルは、第2のスペクトルプロファイルと比べて異なる。スペクトルプロファイルは、1つ以上の発光要素106によって発せられる光の色を特徴付けてもよい。例えば、第1の遷移は、(可視)電磁スペクトルの第1の部分の光を含んでもよく、第2の遷移は、(可視)電磁スペクトルの第2の部分の光を含んでもよい。第1及び第2のスペクトルプロファイルは、時間及び/又は空間の点で変化してもよい。
【0076】
例では、明所視光から暗所視光への第1の遷移及び明所視光から暗所視光への第2の遷移は、スペクトルプロファイルにおいてのみ異なる、すなわち、第1及び第2のスペクトルプロファイルが異なる。
【0077】
代替例では、明所視光から暗所視光への第1の遷移及び明所視光から暗所視光への第2の遷移は、持続時間、スペクトルプロファイル及び強度プロファイルの任意の組み合わせにおいて異なってもよい。例えば、持続時間及びスペクトルプロファイル、持続時間及び強度プロファイル、スペクトルプロファイル及び強度プロファイル、又は、持続期間、スペクトルプロファイル及び強度プロファイルにおいて異なってもよい。
【0078】
例では、第2の暗所視光の期間を発した後、明所視光が、第3の期間305に1つ以上の発光要素106によって発せられる。例では、第3の期間は、第1及び/又は第2の明所視光の期間と等しい。他の例では、第3の期間は、第1及び/又は第2の明所視光の期間と等しくない。
【0079】
例では、第1の暗所視光の期間302と第2の明所視光の期間303との間の暗所視光から明所視光への第3の遷移は、第2の暗所視光の期間304と第1の明所視光の期間301又は第3の明所視光の期間305との間の暗所視光から明所視光への第4の遷移と比べて異なる。
【0080】
第3の遷移は第3の遷移期間にわたって生じ、第4の遷移は第4の、異なる遷移期間にわたって生じる。好ましい例では、第4の遷移期間は、第3の遷移期間よりも大きくてもよい。例えば、第4の遷移期間は30分であってもよく、第3の遷移期間は5分であってもよい。代替的に、第4の遷移期間は、第3の遷移期間と等しくてもよい。別の代替例では、第4の遷移期間は、第3の遷移期間よりも小さくてもよい。例では、第1及び第3の遷移期間は等しくてもよい。さらなる例では、第2及び第4の遷移期間は等しくてもよい。別の例では、第1、第2、第3又は第4の遷移期間は等しくない。
【0081】
一部の例では、暗所視光から明所視光への第3の遷移及び暗所視光から明所視光への第4の遷移は、持続時間においてのみ異なる、すなわち、第3及び第4の遷移期間のみが異なる。
【0082】
しかしながら、好ましい例では、第3の遷移は、第3の強度プロファイルの光を含み、第4の遷移は、第4の強度プロファイルの光を含み、第3の強度プロファイルは、第4の強度プロファイルと比べて異なる。第3及び第4の強度プロファイルは、時間及び/又は空間の点で変化してもよい。例では、第1及び第3の強度プロファイルは等しくてもよい。さらなる例では、第2及び第4の強度プロファイルは等しくてもよい。代替例では、第1、第2、第3又は第4の強度プロファイルは等しくない。さらなる代替例では、第3の強度プロファイルは、第4の強度プロファイルと等しい。
【0083】
例では、暗所視光から明所視光への第3の遷移及び暗所視光から明所視光への第4の遷移は、強度プロファイルにおいてのみ異なる、すなわち、第3及び第4の強度プロファイルのみが異なる。
【0084】
好ましい例では、第3の遷移は、第3のスペクトルプロファイルの光を含み、第4の遷移は、第4のスペクトルプロファイルの光を含む。例では、第3のスペクトルプロファイルは、第4のスペクトルプロファイルと比べて異なる。第3及び第4のスペクトルプロファイルは、時間及び/又は空間の点で変化してもよい。例では、第1及び第3のスペクトルプロファイルは等しくてもよい。さらなる例では、第2及び第4のスペクトルプロファイルは等しくてもよい。代替例では、第1、第2、第3又は第4のスペクトルプロファイルは等しくない。さらなる代替例では、第3のスペクトルプロファイルは、第4のスペクトルプロファイルと等しい。
【0085】
例では、暗所視光から明所視光への第3の遷移及び暗所視光から明所視光への第4の遷移は、スペクトルプロファイルにおいてのみ異なる、すなわち、第3及び第4のスペクトルが異なる。
【0086】
代替例では、暗所視光から明所視光への第3の遷移及び暗所視光から明所視光への第4の遷移は、持続時間、スペクトルプロファイル及び強度プロファイルの任意の組み合わせにおいて異なってもよい。例えば、持続時間及びスペクトルプロファイル、持続時間及び強度プロファイル、スペクトルプロファイル及び強度プロファイル、又は、持続期間、スペクトルプロファイル及び強度プロファイルにおいて異なってもよい。
【0087】
好ましい例では、1つ以上の発光要素106は、連続する明所視光及び暗所視光の期間を含む繰り返される光サイクルを発してもよい。一例の光サイクルは、
図3aに示されている。繰り返される光サイクルは、少なくとも第1及び第2の明所視光及び暗所視光の期間301~304(すなわち、第1の明所視光の期間301、第2の明所視光の期間303、第1の暗所視光の期間302及び第2の暗所視光の期間304)を含む。
【0088】
例では、光サイクルは、追加的に、第3の明所視光の期間305を含んでもよい。
【0089】
好ましい例では、第1及び第2の明所視光及び暗所視光の期間は隣接する(contiguous)。すなわち、それらは、第1の暗所視光の期間が第1の明所視光の期間の直後に続き、第2の明所視光の期間が第1の暗所視光の期間の直後に続く等々のように「立て続け」("back-to-back")である。
【0090】
一部の例では、第3の明所視光の期間は、第2の暗所視光の期間と隣接する。
【0091】
代替例では、発光要素106は、繰り返される光サイクルを発しない。さらなる例では、光サイクルは繰り返さない。すなわち、単一の光サイクルが発せられもよい。
【0092】
例では、第2の期間(主観的夜)に発せられる暗所視光304は、光サイクルごとに1回発せられる。これらの例では、明所視光から暗所視光への第2の遷移は、光サイクルごとに1回だけ生じる。
【0093】
光サイクルが第3の明所視光の期間305を含む例では、暗所視光から明所視光への第4の遷移は、光サイクルごとに1回だけ生じてもよい。
【0094】
好ましい例では、光サイクルは一日である。光サイクルは正確に、又はおよそ24時間であってもよい。代替例では、光サイクルは、一日より長くてもよく、短くてもよい。例えば、光サイクルは、24時間ごとに2回繰り返してもよい。別の例では、光サイクルは、20時間及び28時間の間であってもよい。
【0095】
例えば、
図3bの光サイクルは、4時間の明所視光(4P)、続いて3時間の暗所視光(3S)、続いて2時間の明所視光(2P)及び2時間の暗所視光(2S)、3時間の明所視光(3P)、1時間の暗所視光(1S)、5時間の明所視光(5P)並びに4時間の暗所視光(4S)からなる24時間の連続する明所視光及び暗所視光の期間を含む。その後、光サイクルは繰り返す。この例では、4Sは、
図3bでは主観的夜304と呼ばれる、第2の暗所視光の期間である。他の例では、繰り返しサイクルは、24時間より長くてもよく、短くてもよい(例えば、25時間、22時間、12時間又は48時間)。ある例では、明所視光及び暗所視光の期間は、同じ持続時間を有してもよい。例えば、光サイクルは、2P、2S、2P、2S、2P、2S、6P及び6Sからなってもよい。
【0096】
図4は、例示の暗所視の光度関数(灰色)402と明所視の光度関数(黒色)404を示している。明所視関数404には、CIE 1931標準(実線)、Judd-Vos 1978修正データ(破線)、Sharpe、Stockman、Jagla&Jagle2005データ(点線)が含まれている。
【0097】
例では、期間は、エンドユーザ102によってプログラム可能である。例えば、エンドユーザ102は、期間のうちの1つ以上をプログラムするために照明制御デバイス108を使用してもよい。例では、遷移期間は、エンドユーザ102によってプログラム可能であってもよい。例では、明所光の期間301及び303、暗所光の期間302及び304、並びに/又は遷移期間中に発せられる光の特性が、エンドユーザ102によってプログラム可能であってもよい。例えば、エンドユーザ102は、所望の明るさ、色、光シーン(light scene)等を設定してもよい。
【0098】
代替例では、エンドユーザ102は、期間又は光特性を初期設定から変更できなくてもよい。
【0099】
例では、明所視光及び暗所視光は、それぞれ平均的な人の明所視範囲及び暗所視範囲に対応する。例えば、明所視光の輝度レベル(光度)は、およそ1cd/m2及び108cd/m2の間であってもよく、暗所視光の輝度レベルは、およそ10-6cd/m2及び10-3.5cd/m2の間であってもよい。
【0100】
代替例では、明所視光及び暗所視光は、それぞれ平均的な鶏の明所視範囲及び暗所視範囲に対応する。
【0101】
さらなる代替例では、明所視光及び暗所視光は、特定の動物の明所視及び暗所視に対応するようにエンドユーザ102によってプログラムされてもよい。
【0102】
例では、エンドユーザ102は、人の視覚及び鶏の視覚のうちの少なくとも一方に対応する明所視光及び暗所視光を発するように(例えば、照明制御デバイス108を使用して)1つ以上の発光要素106によって発せられる光を設定してもよい。
【0103】
上述の方法は、それぞれ明所視及び暗所視をもたらす明所視光及び暗所視光の範囲内の任意の明るさレベルの明所視光及び暗所視光に適用されることができる。
【0104】
例では、1つ以上の発光要素106は、単一のタイプの発光ダイオード(LED)又は複数のタイプのLEDであってもよい。例では、LEDは、蛍光体変換LED又はダイレクトLED(direct LED)であってもよく、紫外から赤外の範囲内の光を発してもよい。発光要素106は、LED以外の発光要素であってもよいことを理解されたい。
【0105】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。請求項では、単語「含む(comprising)」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項において列挙される、いくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体又は固体媒体等の、好適な媒体において記憶/頒布されてもよいが、インターネット、又は他の有線若しくは無線の電気通信システム等を介して、他の形態で頒布されてもよい。請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。