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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】光学式センサ用光軸調整装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/00 20210101AFI20240418BHJP
【FI】
G02B7/00 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020071369
(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公開番号】P2021167910
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100098187
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 正司
(72)【発明者】
【氏名】坪山 学
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-156204(JP,A)
【文献】特開2007-011258(JP,A)
【文献】特開2005-215507(JP,A)
【文献】独国実用新案第202015100094(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/00
G02B 7/18 - 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学式センサを所望の場所に取り付けるための光学式センサ用取付具であって、
光学式センサを当該取付具に取り付けるための孔が形成されたベースと、
所望の場所に固定するための孔が形成され、前記ベースを介して光学式センサを所望の場所に取り付けるための固定用部材と、
前記ベースと前記固定用部材の中央部分の周囲に位置する複数の調整ネジであって、該調整ネジを操作し、前記ベースと前記固定用部材との間の距離を調整することにより前記光学式センサの光軸の向きを調整できる調整ネジと、
記ベースの向きを前記調整ネジにより規定される向きに保持する弾性体と、
前記中央部分に位置する操作部材であって、前記調整ネジの調整可能範囲を規定し、当該調整可能範囲を調整することで前記調整ネジにより規定された前記ベースの向きを固定するための操作部材とを有し、
ユーザが前記調整ネジを調整して前記固定用部材と前記ベースとの間の距離を調整することにより前記光学式センサの光軸の向きが調整されることを特徴とする光学式センサ用取付具
【請求項2】
請求項1に記載の光学式センサ用取付具において、
前記調整用ネジおよび前記操作部材は前記固定用部材の同一の面に設けられ、
前記複数の調整ネジと前記操作部材とが同一方向からアクセス可能である、光学式センサ用取付具
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光学式センサ用取付具において、
前記弾性体は前記固定用部材の第1の面に当接することで、前記固定用部材の前記第1の面に対向する第2の面および前記ベースとの間のクリアランスを保持し、
前記調整ネジは前記第1の面と交差する方向に設けられるとともに、前記調整ネジの先端は前記ベースと当接して作用点を構成している、光学式センサ用取付具
【請求項4】
請求項3に記載の光学式センサ用取付具において、
前記調整ネジの先端が当接する前記固定用部材又は前記ベースに、前記調整ネジの先端を受け入れる受け孔を有する、光学式センサ用取付具
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の光学式センサ用取付具において、
前記ベースと前記固定用部材の所定の位置に位置し、ユーザの光軸調整中において、前記ベースと前記固定用部材との間の支点を規定する支点部材を更に有する、光学式センサ用取付具
【請求項6】
請求項5に記載の光学式センサ用取付具において、
前記複数の調整ネジが第1の調整ネジと第2の調整ネジで構成されている、光学式センサ用取付具
【請求項7】
請求項6に記載の光学式センサ用取付具において、
前記第1の調整ネジが前記支点部材と第1の方向において離間して位置し、
前記第2の調整ネジが前記支点部材と第2の方向において離間して位置し、
前記第1の方向と前記第2の方向が直交した関係にある、光学式センサ用取付具
【請求項8】
請求項2~7のいずれか一項に記載の光学式センサ用取付具において、
前記複数の調整ネジの先端が球面である、光学式センサ用取付具
【請求項9】
請求項8に記載の光学式センサ用取付具において、
前記操作部材の操作に関連して、前記複数の調整ネジを覆う遮蔽位置と、前記複数の調整ネジを開放する開放位置とを取るカバー部材を更に有する、光学式センサ用取付具
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の光学式センサ用取付具において、
前記光学式センサ用取付具が、前記光学式センサを固定するためのセンサ取付座を備えた取付具である、光学式センサ用取付具
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の光学式センサ用取付具において、
前記光学式センサ用取付具が前記光学式センサの一部を構成している、光学式センサ用取付具
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の光学式センサ用取付具において、
前記ベースを構成するベース部分と、当該ベース部分から直角に交わるセンサ取付座とを有する断面L字状のベース部材と、
前記ベースを構成するとともに、前記ベース部分に固定される背部材とを有する、光学式センサ用取付具
【請求項13】
請求項12に記載の光学式センサ用取付具において、
前記センサ取付座は、該センサ取付座に前記光学式センサの側面が当接した状態で固定する複数の第1のボルト挿通孔を座面に有し、
前記固定用部材は、該固定用部材を横断する方向に延びる複数の第2のボルト挿通孔を有し、
前記複数の第1のボルト挿通孔と、前記複数の第2のボルト挿通孔とは等しい間隔で互いに平行に形成され、
前記複数の第1のボルト挿通孔および前記複数の第2のボルト挿通孔に挿通した固定用ボルトを使って、前記光学式センサを任意の設置場所に固定するための設置具に固定される、光学式センサ用取付具
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の光学式センサ用取付具において、
前記操作部材が大径部を有し、
前記弾性体が収縮しきる前に該大径部が前記固定用部材に圧接することにより、前記光学式センサの調整後の光軸の向きを固定する、光学式センサ用取付具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学式センサの光軸の向きを調整することのできる光学式センサ用取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、投光ユニットと受光ユニットとの光軸を調整できる取付具を開示している。具体的には、投光ユニット、受光ユニットの各々を設置面に固定するための取付具であって、各取付具は、各ユニットの上面を固定する上板部と、各ユニットの投光窓又は受光窓に適合した開口を有する縦板部と、該縦板の下端から水平方向に延び且つ各ユニットの底面とは間隔を隔てて位置する下板部とを有するコ字状の形状を有する本体を有する。下板部は取付具本体のベースを構成し、下板部を設置面に固定することで各ユニットが位置決めされる。
【0003】
上板部の後端と下板部の後端とは鉛直方向に延びる1本のネジで連結され、このネジを締める又は緩めることで、上板部の板面の角度を調整することができる。そして、これにより、上板部に固定された各ユニットの向きつまり光軸の方向を上下に調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-336305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光学式センサは、多様な用途に対応して様々な機構や構成を備えた各種のセンサが開発されている。例えば光電変換を伴うタイプや、遮光を検出するタイプや、変位を測定するタイプや、三角測距法を使って距離を計測するタイプなどが開発されている。これら光学式センサは、初期の性能を確保する上で、光電センサを設置する際に光軸を所望の正規位置に位置決めすることが求められる。
【0006】
本発明の目的は、所望の場所に設置した光学式センサの光軸の向きを全方位に調整できる光学式センサ用取付具を提供することにある。
本発明の更なる目的は、ユーザが調整している最中、ユーザの操作に伴う光軸の向きの調整が一意的に規定され、そして、この一意的に規定される光軸の向きがユーザの調整操作の途中及び調整終了後も維持できる光学式センサ用取付具を提供することにある。
本発明の更なる目的は、ユーザが一方向からアクセスして光軸の全方位の向きの調整が可能な光学式センサ用取付具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題は、本発明によれば、
光学式センサを所望の場所に取り付けるための光学式センサ用取付具であって、
光学式センサを当該取付具に取り付けるための孔が形成されたベースと、
所望の場所に固定するための孔が形成され、前記ベースを介して光学式センサを所望の場所に取り付けるための固定用部材と、
前記ベースと前記固定用部材の中央部分の周囲に位置する複数の調整ネジであって、該調整ネジを操作し、前記ベースと前記固定用部材との間の距離を調整することにより前記光学式センサの光軸の向きを調整できる調整ネジと、
記ベースの向きを前記調整ネジにより規定される向きに保持する弾性体と、
前記中央部分に位置する操作部材であって、前記調整ネジの調整可能範囲を規定し、当該調整可能範囲を調整することで前記調整ネジにより規定された前記ベースの向きを固定するための操作部材とを有し、
ユーザが前記調整ネジを調整して前記固定用部材と前記ベースとの間の距離を調整することにより前記光学式センサの光軸の向きが調整されることを特徴とする光学式センサ用取付具を提供することにより達成される。
【0008】
図1~4は本発明の概念図である。図1は調整時の状態を示し、図2は調整後の固定状態を示す。図中、参照符号BSはベースを示す。FXは固定用部材を示す。AJは調整ネジを示す。OMは操作部を示す。EMは弾性体を示す。
【0009】
ベースBSの向きつまり光学式センサの光軸の向きを調整するための複数の調整ネジAJは、ベースBS、固定用部材FXのいずれか一方を貫通した先端部に螺合する例えばナットとの組み合わせで構成してもよいし、調整ネジAJの先端部を他方の部材に螺着させる構成であってもよい。また、複数の調整ネジAJは、ベースBS又は固定用部材FXのいずれか一方に螺着し、調整ネジの先端を他方の面に当接させる構成であってもよい。
【0010】
弾性体EMは典型的には圧縮バネで構成される。弾性体EMは、光学式センサ側のベースBSの向きを調整ネジAJにより規定される向きに保持する機能を有する。複数の調整ネジAJが、その先端に螺合するナットとの組み合わせで構成されるときは、弾性体EMは典型的にはベースBSと固定用部材FXとの間に配置される。図1図2に図示のように、弾性体EMは、操作部OMの操作ヘッドと固定用部材FXとの間に配置してもよい。複数の調整ネジAJは、これをベースBS又は固定用部材FXのいずれか一方に螺着して調整ネジの先端AJを他方の面に当接させる構成には、弾性体EMは、ベースBS又は固定用部材FXのいずれか一方を他方に向けて付勢するように配置するのがよい。
【0011】
本発明によれば、図1を参照して、ユーザが複数の調整ネジAJの少なくとも一つの調整ネジAJを操作することにより、ベースBSと固定用部材FXとの間の距離が変化し、これにより光学式センサの光軸の向き、つまりベースBSの向きを調整することができる。この光軸調整中、弾性体EMの付勢力によって、光学式センサ側のベースBSの向きを調整ネジAJにより規定される向きに保持することができる。そして、所望の光軸の向きに調整できたら、ユーザは、操作部材OMを操作して、操作部材OMの一部を固定用部材FXに圧接させることにより(図2)、調整ネジAJにより規定されたベースBSの向きを固定してベースBSの向き、つまり光学式センサの調整後の光軸の向きを固定することができる。
【0012】
図1図2から分かるように、調整ネジAJの先端面を曲面形状、好ましくは球面形状にすることで、調整時において調整ネジAJとベースBSとの相対位置を維持するのが容易である。好ましくは、図1図2に図示のように調整ネジAJの先端を受け入れる凹所RHをベースBSに設けるのがよい。これによれば、調整時において調整ネジAJとベースBSとの相対位置を確実に維持することができる。なお、調整ネジAJの先端を固定用部材FXに当接させる場合には、固定用部材FXに凹所RHを設ければよい。
【0013】
本発明の好ましい実施例は、ベースBSと固定用部材FXの所定の位置に位置し、ユーザの光軸調整中において、ベースBSと固定用部材FXとの間の支点を規定する支点部材を備えている。支点部材を設けることによって、光軸調整中、ベースと前記固定用部材とが互いに支えられた関係になる。これにより、ユーザの操作に伴う光軸の向きの調整を一意に規定することができる。
【0014】
図3図4を参照して、本発明の好ましい実施例は、カバー部材CMを備えている。カバー部材CMは固定用部材FXと弾性体EMとの間に介装される。カバー部材CMにおいて、弾性体EMと当接する第1の面CM(1)は相対的に高摩擦係数を有し、第1の面CM(1)とは反対側の固定用部材FXと当接する第2の面CM(2)は相対的に低摩擦係数を有している。図3は、調整時において、調整ネジAJがカバー部材CMから開放されて調整ネジAJが露出した状態を示す(開放位置)。図4は、調整が終わってユーザが操作部材OMを操作することにより調整状態が固定された状態を示す。この固定した状態では、カバー部材CMによって調整ネジAJが遮蔽された状態になる。調整が終わってユーザが操作部材OMを締め付ける方向に操作することにより弾性体EMが圧縮した状態になる。操作部材OMの操作に伴って弾性体EMの更なる圧縮に伴う付勢力によって、弾性体EMと、高摩擦係数の第1の面CM(1)との間に大きな摩擦力が作用する段階に入ると、この摩擦力によってカバー部材CMは操作部材OMと供回りする傾向になり、これにより、カバー部材CMは遮蔽位置をとる(図4)。逆に、光軸調整のために操作部材OMを緩める方向に操作すると、弾性体EMと、高摩擦係数の第1の面CM(1)との間の摩擦力によってカバー部材CMが操作部材OMと供回りし、カバー部材CMは遮蔽位置から開放位置(図3)をとる。
【0015】
本発明の目的及び作用効果並びに本発明の他の目的は、以下の好ましい実施例及び変形例の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の概念図であり、調整中の状態を例示的に示す図である。
図2】本発明の概念図であり、調整後の固定状態を例示的に示す図である。
図3】実施例に含まれるカバー部材が開放位置にある状態を説明するための図である。
図4】実施例に含まれるカバー部材が遮蔽位置にある状態を説明するための図である。
図5】光学式センサを取り付けた実施例の取付具を示し、カバー部材が遮蔽位置にあるときの図である。
図6】光学式センサを取り付けた実施例の取付具を示し、カバー部材が開放位置にあるときの図である。
図7】光学式センサを取り付けた実施例の取付具であって、カバー部材無しの状態を示す図である。
図8】実施例の取付具の分解斜視図である。
図9】実施例の取付具の断面図である。
図10図9とは異なる部位で断面した実施例の取付具の断面図である。
図11】実施例の取付具の固定用部材を露出した状態で示す図である。
図12】実施例の取付具の原理を説明するための図である。
図13】実施例の取付具の原理を説明するための図である。
図14】第1変形例の説明するための模式図である。
図15】第2変形例の説明するための模式図である。
図16】第3変形例の説明するための模式図である。
図17】第4変形例の説明するための模式図である。
図18】本発明が好適に適用可能な変位センサを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0017】
以下に添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0018】
図5図10は、光学式センサOSを取り付けた実施例の取付具100を示す。図5図7図9の参照符号Laxは光学式センサOSの光軸方向を示す。図5は、後に説明するカバー部材60(図8)で調整部を覆い隠した状態を示す。図6は、後に説明するカバー部材60(図8)が変位して調整部を露出した開放位置に位置している状態を示す。なお、図7は、カバー部材無しの取付具100を示す。図8は、取付具100の分解斜視図である。図9図10は取付具100の断面図であり、図9図10は断面する部位が異なる。
【0019】
図18は、実施例の取付具100を好適に適用可能な変位センサ200を示す。変位センサ200は、投光部202と投光レンズ204を有し、投光部202から出射された光は投光レンズ204によって集光され、ワークWの表面に「スポット」を形成する。変位センサ200が何らかの原因で設置姿勢が変化すると、投光部202から出射された光の光軸Laxは軸振れし、ワークWの表面のスポットの位置が変化する。変位センサ200は好ましくは、受光レンズ210、ミラー212、受光部214を有する。ワークWからの反射光は受光レンズ210、ミラー212を介して受光部214で受け止められる。受光部214は、受光素子(例えばCMOS)216と、受光回路218とで構成される。受光回路218で生成された受光情報に基づいて例えばワークWまでの距離が計測され、そして、計測した距離と判定しきい値との対比で生成された判定ON/OFF信号がケーブル220を通じて出力される。
【0020】
変位センサ200の設置姿勢が何らかの原因で変化するとワークW上のスポットの位置が変化する。すなわち、変位センサ200の姿勢変化は投光の光軸Laxの軸振れを伴う。この軸振れを「光軸変位」と呼ぶと、光軸変位は変位センサ200の計測誤差を招く。実施例の取付具100は変位センサ200の光軸Laxを正規の位置に位置決めするのに好都合である。投光部202の光軸Laxが正規の位置に位置しているか否かは、ワークWの表面上のスポットの位置を目視で確認できるのが好ましい。すなわち、ワークWのスポットの位置が適正位置に位置しているか否かを目視で確認できることは適正な運用において重要である。投光部202の光源として、一般的に赤色のレーザ光源が用いられているが、図18に例示の変位センサ200は緑色のレーザ光源が採用されている。
【0021】
赤色レーザ光に比べて緑色レーザ光は短波長であり、ワークW上のスポットを小さくすることができる。そして、小さなスポットによって測定精度を高めることができる。広く知られている安全規格はクラス1から4に区分して規定され、クラス4に近づくほど眼に対する影響が大きくなる。緑色レーザ光のパワーを安全規格のクラス1又はクラス2が実現できる光パワーに制限することでワーク上のスポットを裸眼で確認しても安全性を確保することができる。また、緑色は、比視感度が優れていることから、光パワーを制限したとしても視認性を確保することができる。
【0022】
実施例の取付具100は、投光部202の光軸Laxを適正位置に調整するために変位センサ200の姿勢を調整する操作性に優れている。投光部から出射される光のパワーを安全規格のクラスが1または2に制御され、裸眼に対する安全性が確保されている場合、保護メガネの装着等を行うことなく変位センサの姿勢を調整することができるため、取付具100によって、ユーザは、裸眼でワークW上のスポットの位置を確認しながら変位センサ200の姿勢を調整するのに好都合である。
【0023】
実施例の取付具100は、前述した支点部材を設けると共に複数の調整ネジの先端を他方の面に当接させる構成を採用している。実施例の取付具100の調整機構の原理を図11図13を参照して説明する。図11図13において、参照符号POSは支持部材を示し、AJは調整ネジを示す。なお、図11図13では、調整ネジ(AJ)の先端を他方の面に当接させる方向に付勢する圧縮バネの図示を省いてある。図11を参照して取付具100は、取付具100を所望の場所に固定する固定用部材FXから突出する1つの支点部材POSと、ユーザが操作する複数の調整ネジAJ、好ましくは2つの第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)とを有している。図示の例では、調整ネジAJは、その先端がベースBSと当接するように配置されているが、変形例として、複数の調整ネジAJは、前記ベースBS、前記固定用部材FXのいずれか一方を貫通した先端部に螺合する例えばナットとの組み合わせで構成してもよいし、該先端部を他方の部材に螺着させる構成であってもよい。
【0024】
支点部材POSと第1調整ネジAJ(1)とはX方向に離間している。支点部材POSと第2調整ネジAJ(2)とはY方向に離間している。X方向とY方向は必ずしも直交した関係でなくてもよいが、最も好ましくはX方向とY方向とが直交した関係であるのがよい。これにより、ユーザによる光軸調整つまり光学式センサOSの向きの微調整のための作業と取付具100との間に一定の約束を確立できるため、光軸調整作業と、これに追従する光軸の変化との関係が一意に規定のため、ユーザの微調整作業が容易になる。
【0025】
支点部材POSは固定用部材FXから突出する支点突出長さL(POS)(図12図13)が一定である。第1の調整ネジAJ(1)が固定用部材FXから突出する第1突出長さLAJ(1)は可変であり(図12)、ユーザが調整することができる。第2の調整ネジAJ(2)が固定用部材FXから突出する第2突出長さLAJ(2)は可変であり(図13)、ユーザが調整することができる。支点部材POS、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)の先端はベースBSの受け孔RHに受け入れられている(図12図13)。ベースBSには光学式センサOSが固定される。この受け孔RHは、ユーザの光軸調整中、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)の軸変位を防止して第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)の位置を規定する機能を有している。
【0026】
図12は、ユーザが操作して第1調整ネジAJ(1)の第1突出長さLAJ(1)を変更した例を示す。図12(I)は第1突出長さLAJ(1)を大きくした例を示し、図12(II)は第1突出長さLAJ(1)を小さくした例を示す。図12を参照することにより、第1突出長さLAJ(1)を変更することにより、第1調整ネジAJ(1)の軸上において、固定用部材FXとベースBSとの間の距離が変化し、これにより光学式センサOS側のベースBSがX方向において揺動することが分かる。これにより、ユーザが第1調整ネジAJ(1)を操作することで第1調整ネジAJ(1)の実質的な軸長さが変化することに伴って、第1調整ネジAJ(1)の軸上において、固定用部材FXとベースBSとの間の距離が変化し、これにより固定用部材FXとベースBSとの間の距離X方向において光学式センサOSの光軸の向きを調整することができる。
【0027】
図13は、ユーザが操作して第2調整ネジAJ(2)の第2突出長さLAJ(2)を変更した例を示す。図13(I)は第2突出長さLAJ(2)を大きくした例を示し、図13(II)は第2突出長さLAJ(2)を小さくした例を示す。図13から分かるように、第2突出長さLAJ(2)を変更することにより、第2調整ネジAJ(2)の軸上において、固定用部材FXとベースBSとの間の距離が変化し、光学式センサOS側のベースBSがY方向において揺動することが分かる。したがって、ユーザが第2調整ネジAJ(2)を操作することで第2調整ネジAJ(2)の実質的な軸長さが変化することに伴って、第2調整ネジAJ(2)の軸上において、固定用部材FXとベースBSとの間の距離が変化し、これによりY方向において光学式センサOSの光軸の向きを調整することができる。また、ユーザが第1調整ネジAJ(1)の操作と第2調整ネジAJ(2)の操作との組み合わせにより、光学式センサOSの光軸の向きを全方位において調整することができる。
【0028】
図8を参照して、実施例の取付具100の構成要素を具体的に説明する。取付具100はベース部材2を有し、ベース部材2は、断面L字状の形状を有している。ベース部材2は、前述したベースBSを構成するベース部分4と、ベース部分4から直角に交わるセンサ取付座6とを有している。センサ取付座6には、光学式センサOSの側面と当接した状態で光学式センサOSが固定される。参照符号6a、6bは、ボルト・ナットBN(図5図7)を使って光学式センサOSを固定するためのボルト挿通孔を示す。
【0029】
ベース部分4は、背部材10に対して2本のボルトBNを用いて固定される。参照符号10a、10bは背部材10のネジ穴であり、このネジ穴10a、10bにボルト12を螺合させることにより背部材10がベース部分4に固定される。背部材10には、ベース部材2とは反対側の面に3つの有底受け孔12と、中央部分に円形隆起部14とを有している。この3つの有底受け孔12は、前述した受け孔RH(図12図13)に相当し、前述した支点部材POS、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)(図12図13)に対応した位置に配置されている。3つの有底受け孔12を識別するために、支点部材POSに対応する受け孔12には参照符号(POS)を付記し、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)に対応する受け孔12には、参照符号(1)、(2)を付記する。
【0030】
参照符号20は固定用部材を示す。固定用部材20は前述した固定用部材FXに相当する。固定用部材20は、2つのボルト挿通孔22を有し、この2つのボルト挿通孔22に挿通した固定用ボルトBを使ってL字状設置具L(図5図7)を介して固定用部材20を任意の設置場所に固定することができる。固定用部材20には、ベース部材2の面においてベース部材2に向けて突出する前述した支点部材POS(図12図13)に相当する部位及び第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)(図12図13)に相当する部材が設けられている。支点部材POS(図12図13)に相当する部位は、固定用部材20に一体成形された突起で構成されている(図11)。
【0031】
変形例として、一体成形支点突起POSに代えて所定長さの部材を固定用部材20に脱着可能にネジ固定してもよい。このネジ固定される部材は、長さの異なる複数の部材を用意し、必要に応じて所望の支点部材POSの突出長さL(POS)を変更するようにしてもよい。第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)は、図9から分かるように、固定用部材20を貫通した調整用ネジで構成され、固定用部材20のネジ孔28(図9)に螺合されている。図9図11から分かるように、支点部材POSに相当する凸部、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)に相当する調整用ネジの先端を球面で構成するのが好ましい。また、これに関連して前述した背部材10の3つの有底受け孔12は三角錐の断面形状を有しているのが好ましい。
【0032】
支点部材POSに相当する凸部の球面形状及び第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)に相当する調整用ネジの先端の球面形状と、三角錐の断面形状の有底受け孔12との協働により、一体成形支点部材POS、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)を正規位置に位置決めすることができる。すなわち、光軸調整に関し、支点部材POSの球面の先端は定置した支点を構成し、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)の球面の先端は定置した作用点を構成する。そして、背部材10を含むベース部分4に対する支点及び作用点の位置をユーザが光軸調整中保持することができる。
【0033】
固定用部材20は、その中央部分に中央開口24を有している。この中央開口24は、前述した背部材10の円形隆起部14を受け入れる部位であり、円形隆起部14を中央開口24で受け入れることで、固定用部材20と背部材10との間の相対的な位置決めが行われる。
【0034】
固定用部材20は、ベース部材2とは反対側の面に中央凹所26を有し、中央凹所26はベース部材2とは反対側に開口している。この中央凹所26の中に第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)を受け入れるネジ孔28が位置している。第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2) で構成される調整用ネジAJは、固定用部材20に関し同一の面側つまり同一方向からアクセスできる。すなわち、光学式センサOSが発する検出光又は測定光がワークに当たることにより生じるスポット光と対面する側からアクセスできる。これにより、ユーザはスポット光を見ながら直感的に第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)を操作して光軸の向きを微調整できる。
【0035】
前述した固定用部材20の中央開口24は中央凹所26に位置している。中央開口24には操作部材40の軸部40aが挿通される。操作部材40は拡大ヘッド40bを有し、操作ヘッド40bの中心には例えば六角レンチ(図示せず)が嵌合する有底多角孔42が形成されている。有底多角孔42にレンチを差し込んで回転させることにより、操作部材40を軸回転させることができる。
【0036】
固定用部材20と操作部材40(操作ヘッド40b)との間には、固定用部材20側から順に、低摩擦部材(ワッシャ)50、カバー部材60、高摩擦部材(ワッシャ)70、圧縮バネ80が配置され、これらは操作部材40と同軸である。圧縮バネ80は、支点部材POS、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)の先端を固定用部材20に圧接させる方向に付勢する機能を有している。圧縮バネ80は、図示の例では、ベースBSを構成する背部材10と、固定用部材20との間の離間距離を短縮する方向に固定用部材20を付勢する弾性部材を構成する。カバー部材60は軸回転することで、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)を覆う遮蔽位置と、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)を開放して第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)を露出させる開放位置とを取ることができる。
【0037】
前述した操作部材40は、その軸部40aの先端の近傍に断面円形の中間拡大部分40cを有し、中間拡大部分40cの周面にはネジ44が形成されている。中間拡大部分40cのネジ44は、前述した背部材10の隆起部分14に受け入れられる。隆起部分14には、操作部材軸部40aを受け入れる貫通したネジ穴14aが形成され、このネジ穴14aに操作部材40(中間拡大部分40c)が螺合される。
【0038】
ユーザが第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)で構成される調整用ネジAJを操作することで、固定用部材FXとベースBSとの間の距離が変化して光学式センサOSの光軸を調整することができる。調整用ネジAJの操作とこれに伴う光学式センサOSの光軸の向きとの関係及び光軸調整後の固定に関し、圧縮バネ80の付勢力は2つの機能を有している。第1の機能は、調整用ネジAJを操作して光軸調整中つまり固定用部材FXとベースBSとの間の距離が変化している最中において、バネ付勢力によって支点部材POS、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)の先端は常に背部材10に押し当てられる。これにより、ユーザが第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)を使って調整している最中、ユーザの調整操作に追従して背部材10(ベース部材2)が約束した一意の方向に変位することにより光学式センサOSの光軸の微調整した向きを圧縮バネ80の付勢力の作用によって維持することができる。
【0039】
圧縮バネ80の付勢力の第2の機能は、光軸調整後の光学式センサOSの光軸の向きを固定することである。第2の機能は、圧縮バネ80の付勢力を高める方向に操作部材40を操作することで実現することができる。換言すれば、圧縮バネ80の付勢力を弱める方向に操作部材40を操作することで、光軸の向きを固定した状態から光軸の向きを調整することのできる状態に変化させることができる。
【0040】
ユーザが行う操作部材40の操作に伴う固定用部材20とベース部分4との間の距離が変化することによって圧縮バネ80の付勢力が変わる。すなわち、固定用部材20に対するベース部分4の相対的な位置関係は、調整用ネジAJによって規定される距離と、支点部材POSで規定される距離で定まるクリアランスで決定される。ユーザが光学式センサの光軸調整をする際は、調整用ネジAJによって固定用部材20とベース部分4との間の距離が変化することで、上記のクリアランスの大きさが変わる。換言すれば、調整用ネジAJは、固定用部材20に対するベース部分4の相対的な位置関係を規定するとともに、当該位置関係を調整可能とするための部材である。圧縮バネ80を設けることによって、光軸調整中、ベース部分4と固定用部材20の間のクリアランスが狭まる方向にバネ付勢力を作用させることで、光軸調整中であっても、光軸の向きは、支点部材POSと調整用ネジAJで規定される平面の向きに保持することができる。
【0041】
上述したように、ユーザが調整ネジAJを操作すると、調整用ネジAJによって規定される距離と、支点部材POSで規定される距離で定まるクリアランスが変化する。この変化によって光軸の向きを調整することができる。そして、光軸調整中、圧縮バネ80の付勢力が上記のクリアランスが小さくなる方向に常時作用する。これにより、光軸調整中においてユーザが調整ネジAJを操作している最中、調整ネジAJの実質的な長さで規定される状態がバネ付勢力によって保持される。
【0042】
そして、操作部材40を締め付ける方向に操作することで、ベース部分4と固定用部材20とで挟み込まれた距離を調整ネジAJ及び支点部材POSで規定される距離に規定することによって上記クリアランスを固定する。光軸調整時は、操作部材40により実質的に規定されているベース部分4と固定用部材20との間の距離を、操作部材40を緩めることにより、調整ネジAJ及び支点部材POSで規定される距離よりも大きくすることで、調整ネジAJにより調整代つまり遊び領域が形成される。この遊び領域の範囲内で調整ネジAJを操作することで光軸の向きを調整することができる。すなわち、調整時には、調整ネジAJと支点部材POSで規定される距離よりも操作部材40によって規定される距離が大きく、これにより調整ネジAJの調整代つまり遊び領域が形成される。他方、固定時には、調整ネジAJと支点部材POSで規定される距離と操作部材40で規定される距離とが等しくなる。これにより、ベース部分4と固定用部材20との相対関係が固定される。
【0043】
図8図10の参照符号40dは操作部材40の拡大ヘッド(操作ヘッド)40bに連なる大径部を示す。図10を参照して、大径部40dは曲面の着座面40eを有し、この着座面40eが次に説明する高密度部材70との接触面を構成している。操作部材40が曲面の着座面40eを備えることにより、光学式センサOSの光軸の向きの調整及び固定において、固定用部材20に対する背部材10の位置及び向きに関わりなく、固定用部材20に対する操作部材40の軸部40cの変位を吸収して、操作部材40の操作に伴う軸変位を防止することができる。
【0044】
また、この微調整状態をロックする操作部材40の操作が終わった段階で、カバー部材60を開放位置から遮蔽位置に変位させることができる。カバー部材60で第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)を遮蔽することで、ユーザは不用意に第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)にアクセスできなくなる。
【0045】
図9図10を参照して、操作部材40の軸回転によって操作ヘッド40bと背部材10との間の間隔が小さくなり、圧縮バネ80の付勢力を高めることができるのは前述したとおりである。カバー部材60と圧縮バネ80との間には高摩擦部材70が介在している。他方、カバー部材60と固定用部材20との間に低摩擦部材50が介在している。圧縮バネ80の更なる圧縮に伴う付勢力によって、高摩擦部材70とカバー部材60とは高摩擦部材70の摩擦力が作用する段階に入ると、高摩擦部材70の摩擦力によってカバー部材60は操作部材40と供回りする傾向になる。他方、低摩擦部材50によってカバー部材60には固定用部材20からの拘束力が働かない。このことから、操作部材40を一方向に軸回転させて、上述した微調整状態をロックする段階に入ると、高摩擦部材70の摩擦力がカバー部材60に作用してカバー部材60は開放位置(図6)から遮蔽位置(図5)に変位する。光軸調整のために、操作部材40を逆方向に軸回転させると、高摩擦部材70とカバー部材60との間の摩擦力によってカバー部材60は操作部材40と一緒に逆方向に回転して開放位置(図6)に変位する。
【0046】
光学式センサOSの光軸を調整するために、ユーザが操作部材40を逆回転させると、高摩擦部材70の摩擦力によってカバー部材60が操作部材40と供回りして遮蔽位置から開放位置に変位する。これにより、ユーザは第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)にアクセスすることができる。
【0047】
上述した操作部材40の操作は、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)と同様に、光学式センサOSのスポット光と対面する側からアクセスできる。すなわち、操作部材40の操作ヘッド40bは、固定用部材20の第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)の調整側と同じ側に位置しているため、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)の操作と操作部材40の操作は同じ側からアクセスでき、また、第1、第2の調整ネジAJ(1)、AJ(2)の操作と操作部材40の操作を連続的に行うことができる。
【0048】
上述した実施例の変形例として、拡大ヘッド40bを省いて、操作部材40の軸方向の動作を機械的なレバーを使って行うようにしてもよい。
【0049】
図14図17は変形例を説明するための図である。
<第1変形例:図14
操作部材40の操作ヘッド40bをベースBS側に位置させて、操作部材40の先端にネジを形成し、球面46aのナット46に螺合させてもよい。そして、球面ナット46を固定用部材FXの光学式センサOS側の面に着座させればよい。これにより、図10を参照して説明した操作部材40の曲面着座面40eと同様に、光学式センサOS側のベースBSに対する操作部材40の軸部40cの変位を吸収して、操作部材40の操作に伴う軸変位を防止することができる。また、支点部材POSをベースBSに設け、これを受ける有底受け孔12(POS)を固定用部材FXに設けてもよい。
【0050】
<第2変形例:図15
操作部材40の先端にネジを設け、このネジを球面ナット46に螺合させ、球面ナット46をベースBSの光学式センサOS側の面に係止させてもよい。
【0051】
<第3変形例:図16
操作部材40の拡大ヘッド40bをベースBS側に配置し、操作部材40の先端を固定用部材FXに形成したネジ穴に螺合させてもよい。この場合、拡大ヘッド40bがベースBSと接する部位を球面で構成するのがよい。
【0052】
参考例図17
ベースBS及び固定用部材FXを一方向に延長し、この延長部に操作部材40を配置し、そして、操作部材40の先端をベースBSに螺着させてもよい。この場合、操作部材40の拡大ヘッド40bと固定用部材FXとの間に圧縮バネを配置するのがよい。
【0053】
図12ないし図17に図示の例では、調整ネジAJは、その先端がベースBSと当接するように配置されているが、前述したように、複数の調整ネジAJは、前記ベースBS、前記固定用部材FXのいずれか一方を貫通した先端部に螺合する例えばナットとの組み合わせで構成してもよいし、該先端部を他方の部材に螺着させる構成であってもよい。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施例として取付具100を説明したが、前述したように、光学式センサOSの光軸の向きを調整するための複数の調整ネジAJは、ベースBS、固定用部材FXのいずれか一方を貫通して先端部に螺合する例えばナットとの組み合わせで構成してもよいし、該先端部を他方の部材に螺着させる構成であってもよい。また、光軸の調整に関する取付具100の構成を光学式センサOSに組み込んで、光学式センサOSが設置時の光軸を調整する機構を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
OS 光学式センサ
100 取付具
FX 固定用部材
BS ベース
RH 受け孔(凹所)
CM カバー部材
POS 支点部材
L(POS) 支点突出長さ
AJ(1) 第1調整ネジ
LAJ(1) 第1突出長さ
AJ(2) 第2調整ネジ
LAJ(2) 第2突出長さ
2 ベース部材
4 ベース部分(ベースBSを構成)
6 センサ取付座
10 背部材
20 固定用部材
28 第1、第2の調整ネジが螺合されるネジ孔
OM、40 操作部材
40a 操作部材の軸部
40b 操作部材の拡大ヘッド(操作ヘッド)
60 カバー部材
80 圧縮バネ(弾性体EM)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図18