(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240418BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240418BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20240418BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240418BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240418BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240418BHJP
G09F 9/35 20060101ALI20240418BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240418BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G02F1/1335 505
G02F1/1343
G02F1/1368
G06F3/041 422
G06F3/041 430
G06F3/041 522
G06F3/044 120
G09F9/35
G09G3/20 611C
G09G3/20 611D
G09G3/20 621M
G09G3/20 624C
G09G3/20 642K
G09G3/20 680G
G09G3/20 691D
G09G3/36
(21)【出願番号】P 2020123301
(22)【出願日】2020-07-17
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小出 元
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-120902(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110442255(CN,A)
【文献】特開2014-045166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0085222(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0003791(US,A1)
【文献】特開2020-008742(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0373104(US,A1)
【文献】特開2019-175297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1335
1/13363
1/1343-1/1345
1/135-1/1368
G06F3/03
3/041-3/047
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12
3/16
3/19-3/26
3/30
3/34
3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色を表示する複数の第1副画素と、緑色を表示する複数の第2副画素と、青色を表示する複数の第3副画素と、白色を表示する複数の第4副画素と、
複数の前記第1副画素に接続される第1信号線と、複数の前記第2副画素に接続される第2信号線と、複数の前記第3副画素及び複数の前記第4副画素に接続される第3信号線と、
マトリクス状に配列され、それぞれが複数の前記第1副画素、複数の前記第2副画素、複数の前記第3副画素及び複数の前記第4副画素と重畳して設けられた複数の検出電極と、
複数の前記検出電極のそれぞれに接続された複数の信号供給配線と、を有し、
前記信号供給配線は、前記第1信号線及び前記第2信号線の少なくとも一方と重畳して設けられ、前記第3信号線と非重畳に設けられる
表示装置。
【請求項2】
前記第1信号線に重畳して設けられる第1ダミー配線と、
前記第2信号線に重畳して設けられる第2ダミー配線と、を有し、
前記第1信号線、前記第2信号線及び前記第3信号線は、第1方向に隣り合って配列され、
前記第1ダミー配線及び前記第2ダミー配線の少なくとも一方は、前記第1方向と交差する第2方向で、前記信号供給配線と隣り合って配置される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第3信号線に重畳して設けられ、前記検出電極と非接続であり、かつ、フローティング状態の第3ダミー配線を有する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1ダミー配線は、前記検出電極と電気的に接続され、
前記第2ダミー配線及び前記第3ダミー配線は、フローティング状態である
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1ダミー配線及び前記第2ダミー配線は、前記検出電極と電気的に接続され、
前記第3ダミー配線は、フローティング状態である
請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1ダミー配線及び前記第2ダミー配線は、複数の前記検出電極ごとに離隔して配列され、
前記第3ダミー配線は、複数の前記第3副画素及び複数の前記第4副画素ごとに離隔して配列される
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記信号供給配線、前記第1ダミー配線及び前記第2ダミー配線を含む金属配線は、前記第3信号線と非重畳であり、
前記第1ダミー配線及び前記第2ダミー配線は、前記検出電極と電気的に接続される
請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記信号供給配線、前記第1ダミー配線及び前記第2ダミー配線を含む金属配線は、前記第3信号線と非重畳であり、
前記第1ダミー配線は、前記検出電極と電気的に接続され、
前記第2ダミー配線は、フローティング状態である
請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
前記検出電極は、絶縁膜を介して前記信号供給配線、前記第1ダミー配線及び前記第2ダミー配線の上側に設けられ、
前記信号供給配線及び前記第1ダミー配線は、それぞれ、前記絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して前記検出電極と接続され、
1つの前記信号供給配線に設けられた前記コンタクトホールの数と、1つの前記第1ダミー配線に設けられた前記コンタクトホールの数とが異なる
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1信号線、前記第2信号線及び前記第3信号線の上に設けられた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の上に設けられた第2絶縁膜と、を有し、
前記信号供給配線は、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に設けられ、
前記検出電極は前記第2絶縁膜の上に設けられ、
前記信号供給配線は、前記第1信号線及び前記第2信号線の少なくとも一方と重畳する領域で、前記第2絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して前記検出電極と接続され、
前記第3信号線と重畳する領域で、前記第2絶縁膜には前記第1絶縁膜を底面とするダミーコンタクトホールが設けられる
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1信号線、前記第2信号線及び前記第3信号線の上に設けられた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の上に設けられた第2絶縁膜と、を有し、
前記信号供給配線は、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に設けられ、
前記検出電極は前記第2絶縁膜の上に設けられ、
前記信号供給配線は、前記第1信号線及び前記第2信号線の少なくとも一方と重畳する領域で、前記第2絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して前記検出電極と接続され、
前記第3信号線と重畳する領域で、前記第2絶縁膜には前記第1絶縁膜を底面とするダミーコンタクトホールが設けられ、
複数の前記第3ダミー配線は、前記第2方向に離隔して配列され、
前記ダミーコンタクトホールは、前記第2方向に隣り合う複数の前記第3ダミー配線の間に配置される
請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記検出電極は、複数の副画素と重畳し、第1方向に配列された複数の主検出電極と、前記第1方向に隣り合う前記主検出電極を接続する副検出電極とを有し、
前記第1方向に隣り合う前記主検出電極の間には、前記第1信号線と重畳してスリットが設けられる
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マトリクス状に配列された複数の検出電極と、1つの検出電極に接続される複数のセンサ配線と、を有するセンサ付き表示装置が記載されている。また、特許文献2には、赤色、緑色、青色をそれぞれ表示する副画素に加え、白色を表示する副画素を有する表示装置が記載されている。また、特許文献2には、表示装置の駆動方法としてカラム反転駆動方式が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-148855号公報
【文献】特開2015-230343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2の表示装置は、特許文献1の技術のように共通電極にスリットをいれて複数の検出電極を設けると、いわゆるクロストークが発生し画質が低下する可能性がある。このため、信号線と検出電極(共通電極)との間に形成される寄生容量、特に、青色の副画素及び白色の副画素に共通に接続される信号線の寄生容量を低減することが望まれている。
【0005】
本発明は、画質の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の表示装置は、赤色を表示する複数の第1副画素と、緑色を表示する複数の第2副画素と、青色を表示する複数の第3副画素と、白色を表示する複数の第4副画素と、複数の前記第1副画素に接続される第1信号線と、複数の前記第2副画素に接続される第2信号線と、複数の前記第3副画素及び複数の前記第4副画素に接続される第3信号線と、マトリクス状に配列され、それぞれが複数の前記第1副画素、複数の前記第2副画素、複数の前記第3副画素及び複数の前記第4副画素と重畳して設けられた複数の検出電極と、複数の前記検出電極のそれぞれに接続された複数の信号供給配線と、を有し、前記信号供給配線は、前記第1信号線及び前記第2信号線の少なくとも一方と重畳して設けられ、前記第3信号線と非重畳に設けられる。
【0007】
本発明の一態様の表示装置は、赤色を表示する複数の第1副画素と、緑色を表示する複数の第2副画素と、青色を表示する複数の第3副画素と、白色を表示する複数の第4副画素と、複数の前記第1副画素に接続される第1信号線と、複数の前記第2副画素に接続される第2信号線と、複数の前記第3副画素及び複数の前記第4副画素に接続される第3信号線と、前記第1信号線、前記第2信号線及び前記第3信号線の上に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜の上に設けられた第2絶縁膜と、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜との間に設けられた信号供給配線と、前記第2絶縁膜の上に設けられ、マトリクス状に配列された複数の検出電極と、を有し、前記信号供給配線は、前記第1信号線及び前記第2信号線の少なくとも一方と重畳する領域で、前記第2絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して前記検出電極と接続され、前記第3信号線と重畳する領域で、前記第2絶縁膜には前記第1絶縁膜を底面とするダミーコンタクトホールが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の表示装置を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、アレイ基板を模式的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の表示装置の画素配列を示す模式図である。
【
図4】
図4は、画素の構成を表す等価回路図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態及び比較例に係る表示装置の動作例を示すタイミング波形図である。
【
図6】
図6は、複数の検出電極と、複数の駆動信号供給配線と、複数のダミー配線との関係を説明するための説明図である。
【
図7】
図7は、画素の模式的な平面図において、検出電極を説明するための平面図である。
【
図8】
図8は、画素の模式的な平面図において、駆動信号供給配線及びダミー配線を説明するための平面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態のスイッチング素子を説明するための平面図である。
【
図11】
図11は、コンタクトホールを説明するための断面図である。
【
図12】
図12は、ダミーコンタクトホールを説明するための断面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態の表示装置を説明するための平面図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態の表示装置を説明するための平面図である。
【
図15】
図15は、第3実施形態の画素の模式的な平面図において、駆動信号供給配線及びダミー配線を説明するための平面図である。
【
図16】
図16は、第4実施形態の表示装置を説明するための平面図である。
【
図17】
図17は、第4実施形態の画素の模式的な平面図において、駆動信号供給配線及びダミー配線を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の表示装置を示す分解斜視図である。
図1に示すように、表示装置PNLは、アレイ基板SUB1と、対向基板SUB2とを備えている。
図1に示すように、表示装置PNLにおいて、表示領域DAの外側に周辺領域BEが設けられている。表示領域DAは、四角形状に形成されているが、表示領域DAの外形の形状は限定されない。例えば、表示領域DAには、切り欠きがあってもよく、あるいは表示領域DAが他の多角形状に形成されてもよいし、表示領域DAが円形状あるいは楕円形状などの他の形状に形成されてもよい。
【0012】
本実施形態において、第1方向Xは、表示領域DAの短辺に沿った方向である。第2方向Yは、第1方向Xと交差(又は直交)する方向である。これに限定されず、第2方向Yは第1方向Xに対して90°以外の角度で交差していてもよい。第1方向Xと第2方向Yとで規定される平面は、アレイ基板SUB1の面と平行となる。また、第1方向X及び第2方向Yに直交する第3方向Zは、アレイ基板SUB1の厚み方向である。また、平面視とは、第3方向Zから見たときの位置関係を示す。
【0013】
表示領域DAは、画像を表示させるための領域であり、複数の画素PXと重なる領域である。周辺領域BEは、アレイ基板SUB1の外周よりも内側で、かつ、表示領域DAよりも外側の領域を示す。なお、周辺領域BEは表示領域DAを囲う枠状であってもよく、その場合、周辺領域BEは額縁領域とも言える。
【0014】
画像を表示する表示領域DAは、静電容量を検出する検出装置に含まれるセンサ領域を含む。
図1に示すように、検出電極CEは、表示領域DAにおいて、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に複数配列される。それぞれの検出電極CEは、平面視で矩形状、又は正方形状で模式的に示すが、検出電極CEの詳細な形状は、後述する。検出電極CEは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料で構成されている。
【0015】
図1に示すように、アレイ基板SUB1の一方の面側の周辺領域BEには、外縁配線CE-Gと、集積回路CPと、が設けられている。例えば、外縁配線CE-Gは、表示領域DAの長辺と短辺とに沿って連続して設けられており、表示領域DAを囲んでいる。
【0016】
表示装置PNLは、表示領域DAにセンサ領域が一体化されたセンサ付き表示装置である。具体的には、表示装置PNLにおいて、表示領域DAの部材の一部が、センサ領域の検出電極CEとなっている。
【0017】
図2は、アレイ基板を模式的に示す平面図である。
図2に示すように、検出電極CEは、スリットSPBにより、第1方向X及び第2方向Yに行列状に分けられている。周辺領域BEの短辺側には、接続回路MPと集積回路CPとが設けられている。また、周辺領域BEの短辺側には、不図示の配線基板が接続される。配線基板は、例えばフレキシブルプリント基板である。なお、接続回路MPと集積回路CPとの配置は、これに限定されず、例えばモジュール外部の制御基板やフレキシブルプリント基板上に備えられていてもよい。
【0018】
検出電極CEは、駆動信号供給配線TL及び接続回路MPを介して、集積回路CPと電気的に接続される。駆動信号供給配線TLは、複数の検出電極CEのそれぞれに接続され、タッチ検出の際に複数の検出電極CEのそれぞれに駆動信号を供給し、静電量変化に応じた信号をアナログフロントエンドへ送る。あるいは、駆動信号供給配線TLは、表示の期間に検出電極CEに基準電位VCOMを供給する。複数の駆動信号供給配線TLはそれぞれ、表示領域DAに配置された複数の検出電極CEのそれぞれに電気的に接続され、周辺領域BEまで引き出されている。複数の駆動信号供給配線TLのそれぞれは第2方向Yに沿って延在し、複数の駆動信号供給配線TLは第1方向Xに亘って並んで配置されている。例えば、集積回路CPに内蔵された駆動回路は、周辺領域BEに配置された接続回路MPと、駆動信号供給配線TLとを介して、複数の検出電極CEにそれぞれ接続される。
【0019】
コンタクトホールCHは、検出電極CEと、検出電極CEと重畳する駆動信号供給配線TLとが電気的に接続する接続部がある。1つの駆動信号供給配線TLは、
図2において模式的に1つの検出電極CEと接続される。後述するように、実際には、駆動信号供給配線TLが複数の配線を束ねて、表示領域DA内に引き回されている。
【0020】
表示装置PNLは、さらに接続回路MPを備える。接続回路MPは、検出電極CEと集積回路CPとの間に設けられる。接続回路MPは、集積回路CPから供給される制御信号に基づいて、検出駆動の対象となる検出電極CEと集積回路CPとの接続と遮断とを切り換える回路である。接続回路MPは、例えばマルチプレクサである。集積回路CPは、アナログフロントエンドを有している。
【0021】
図3は、第1実施形態の表示装置の画素配列を示す模式図である。
図3に示すように、複数の画素PXは、マトリクス状に配列される。画素PXは、第1副画素SPX1と、第2副画素SPX2と、第3副画素SPX3と、第4副画素SPX4と、を有する。第1副画素SPX1は、第1原色として赤色を表示する。第2副画素SPX2は、第2原色として緑色を表示する。第3副画素SPX3は、第3原色として青色を表示する。第4副画素SPX4は、白色を表示する。なお、第1副画素SPX1、第2副画素SPX2、第3副画素SPX3及び第4副画素SPX4を区別して説明する必要がない場合には、副画素SPXと表す場合がある。
【0022】
画素PXは、第1画素PX1と、第2画素PX2と、を有する。第1画素PX1は、第1副画素SPX1と、第2副画素SPX2と、第3副画素SPX3と、を有する。第2画素PX2は、第1副画素SPX1と、第2副画素SPX2と、第4副画素SPX4と、を有する。第1画素PX1と、第2画素PX2とは、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ交互に配列されている。
【0023】
より具体的には、第1副画素SPX1は、第2方向Yに配列される。第2方向Yに配列された第1副画素SPX1からなる第1副画素列は、共通の信号線S1、S4(第1信号線)に接続される。第2副画素SPX2は、第2方向Yに配列される。第2方向Yに配列された第2副画素SPX2からなる第2副画素列は、第1副画素列と第1方向Xに隣り合って配置される。第2副画素列は、共通の信号線S2、S5(第2信号線)に接続される。
【0024】
第3副画素SPX3及び第4副画素SPX4は、第2方向Yに交互に配列される。第2方向Yに配列された第3副画素SPX3及び第4副画素SPX4からなる第3副画素列は、第2副画素列と第1方向Xに隣り合って配置される。第3副画素列は、共通の信号線S3、S6(第3信号線)に接続される。第1副画素列、第2副画素列及び第3副画素列は、この順で第1方向Xに繰り返し配列される。
【0025】
また、第1方向Xに配列された第1画素PX1及び第2画素PX2は、各行ごとに走査線G1、G2、G3に接続される。以下の説明では、複数の走査線G1、G2、G3を総称して、GLとすることがある。複数の信号線S1、S2、S3、S4、S5、S6を総称して、信号線SLとすることがある。
【0026】
図4は、画素の構成を表す等価回路図である。アレイ基板SUB1には、
図4に示す各副画素SPXのスイッチング素子Tr、信号線SL、走査線GL等が形成されている。信号線SLは、各副画素SPXの画素電極PE(
図8参照)に画素信号を供給するための配線である。走査線G1、G2、G3は、各スイッチング素子Trを駆動するゲート信号VGL1、VGL2、VGL3を供給するための配線である。
【0027】
図4に示すように、副画素SPXは、それぞれスイッチング素子Tr及び液晶層LCの保持容量Cs等の素子を備えている。スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。後述する画素電極PEと検出電極CEとの間に絶縁膜16(
図9参照)が設けられ、これらによって
図4に示す保持容量Csが形成される。
【0028】
スイッチング素子Trのゲートは走査線GLに接続される。スイッチング素子Trのソースは信号線SLに接続される。スイッチング素子Trのドレインは画素電極PEに接続される。
図4に示す等価回路図において、スイッチング素子Trのドレインは保持容量Csの一端及び液晶層LCの容量の一端に接続される。保持容量Csの他端及び液晶層LCの容量の他端は、検出電極CEに接続される。
【0029】
さらに、副画素SPXには、寄生容量Csg、Csc、Cgcが形成される。寄生容量Csgは、走査線GLと信号線SLとの間に形成される容量成分である。寄生容量Cscは、検出電極CEと信号線SLとの間に形成される容量成分である。寄生容量Cgcは、検出電極CEと走査線GLとの間に形成される容量成分である。
【0030】
次に、
図3から
図5を参照して、本実施形態の表示装置PNLの駆動方法、及び比較例の表示装置の駆動方法の一例について説明する。
図5は、第1実施形態及び比較例に係る表示装置の動作例を示すタイミング波形図である。
図5では、検出電極CEに供給される波形について、第1実施形態の表示装置PNLを実線で示し、比較例の表示装置を点線で示している。なお、ゲート信号VGL、セレクタSELR、SELG、SELBに供給される制御信号、及び、画素信号SIGについては、第1実施形態及び比較例の表示装置に共通の信号が供給された場合について説明する。
【0031】
本実施形態の表示装置PNL及び比較例の駆動方法は、カラム反転駆動である。カラム反転駆動は、副画素又は副画素が組み合わされた画素の1ライン(列)に互いに逆極性の電圧が印加され、印加する当該電圧の極性を所定の周期で反転する駆動方式である。
【0032】
例えばn-1周期目に表示される映像に対しては、信号線SL1、SL3、SL5には、基準電位VCOMを基準としてマイナスの電圧に対応する画素信号SIG1、SIG3、SIG5が供給される。信号線SL2、SL4、SL6には、基準電位VCOMを基準としてプラスの電圧に対応する画素信号SIG2、SIG4、SIG6が供給される。
【0033】
次に、n周期目に表示される映像に対しては、
図3に示すように、信号線SL1、SL3、SL5には、基準電位VCOMを基準としてプラスの電圧に対応する画素信号SIG1、SIG3、SIG5が供給される。信号線SL2、SL4、SL6には、基準電位VCOMを基準としてマイナスの電圧に対応する画素信号SIG2、SIG4、SIG6が供給される。
【0034】
また、以下の説明では、
図3に示す領域101に含まれる複数の副画素SPXにおいて、第3副画素SPX3に青色を表示する画素信号SIGが供給され、その他の副画素SPXには、電圧GNDが供給され黒を表示するものとする。領域101以外の表示領域DAに含まれる複数の副画素SPXは、グレーの映像を表示する画素信号SIGが供給されるものとする。以下の説明では、領域101以外の複数の副画素SPXで構成される領域を背景部と表す。背景部で表示されるグレーの映像に対して、複数の副画素SPXに供給される電圧は、例えば、中間調の映像を表示する電圧と呼ぶ。
【0035】
図5に示すように、走査線G2にゲート信号VGL2が供給される。ゲート信号VGL2がオンの期間に、セレクタSELR、SELG、SELBWのそれぞれにパルス信号が供給される。セレクタSELR、SELG、SELBWは、接続回路MP(
図1参照)が有するスイッチ素子である。例えば、セレクタSELRは、パルス信号がオンになると、それぞれ信号線S1、S4を選択し、信号線S1、S4に接続された第1副画素SPX1に画素信号SIG1、SIG4を供給する。セレクタSELGは、パルス信号がオンになると、それぞれ信号線S2、S5を選択し、信号線S2、S5に接続された第2副画素SPX2に画素信号SIG2、SIG5を供給する。セレクタSELBWは、パルス信号がオンになると、それぞれ信号線S3、S6を選択し、信号線S3、S6に接続された第3副画素SPX3及び第4副画素SPX4に画素信号SIG3、SIG6を供給する。
【0036】
図5に示すように、セレクタSELBWにパルス信号が供給された場合、信号線S3は、マイナスの電位から電位GNDに上昇し、走査線G2に選択された第4副画素SPX4に、電位GNDに対応する白色の画素信号SIG3を供給する。セレクタSELBWにより選択される前の期間に供給されるマイナスの電位は、1行前の走査線G1に選択された第3副画素SPX3に供給される青色の画素信号SIGに対応する電位である。
【0037】
また、セレクタSELBWにパルス信号が供給された場合、信号線S6は、電位GNDからプラスの電位に上昇し、走査線G2に選択された第3副画素SPX3に、プラスの電位に対応する青色の画素信号SIG6を供給する。セレクタSELBWにより選択される前の期間に供給される電位GNDは、1行前の走査線G1に選択された第4副画素SPX4に供給される白色の画素信号SIGに対応する電位である。
【0038】
すなわち、信号線S3、S6に供給される電位は、いずれも上昇する。上述したように、信号線SLと検出電極CEとは、寄生容量Csc(
図4参照)により容量カップリングされている。このため、信号線S3、S6の電位の上昇に伴い検出電極CEの電位も上昇する。また、
図2に示す複数の駆動信号供給配線TLは、複数の検出電極CEと電気的に接続されている。このため、画素信号SIG3、SIG6が供給された領域101以外の背景部においても、複数の検出電極CE及び複数の駆動信号供給配線TLの電位が上昇する。
【0039】
図5に示すように、検出電極CEの電位は、検出電極CE及び駆動信号供給配線TLの時定数に応じて時間の経過とともに低下し、元の電位に収束する。しかし、大きい寄生容量Cscを有する比較例の表示装置では、
図5の点線GQに示すように、セレクタSELBWに供給されるパルス信号がオフになる時刻Toffまでに、クロストーク成分の電圧が収束しない。この検出電極CEに生じる電圧差が、第4副画素SPX4の実効電圧を大きくしてしまい、また、背景部に本来生じない画像が発現する可能性がある。なお、第4副画素SPX4の輝度の変動は、他の副画素SPXの輝度の変動よりも大きく影響しやすい傾向にある。
【0040】
また、表示装置PNLが高速で駆動される場合、ずなわち、セレクタSELBWに供給されるパルス信号のパルス幅が狭くなると、時刻Toffでの電圧差が大きくなり、表示画質の低下が生じる可能性が増大する。
【0041】
本実施形態では、信号線SLと検出電極CEとの間の寄生容量Cscを抑制することにより、検出電極CE及び駆動信号供給配線TLの時定数を小さくすることができる。この結果、検出電極CEの電位は従来例よりも速く元の電位に収束し、時刻Toffでの検出電極CEに生じる電位差が抑制される。これにより、本実施形態では、クロストーク成分の電位差を抑制することができ、表示画質の低下を抑制することができる。
【0042】
なお、
図5に示すタイミング波形図は、あくまで一例であり、
図5に示す例に限定されるものではない。
【0043】
次に、検出電極CE及び駆動信号供給配線TLの時定数を小さくする具体的な構成について説明する。
図6は、複数の検出電極と、複数の駆動信号供給配線と、複数のダミー配線との関係を説明するための説明図である。
【0044】
図6に示すように、検出電極CE1、CE2、CE3、CE4は、第2方向Yに配列されている。検出電極CE1、CE2、CE3、CE4は、それぞれ、複数の副画素SPX(複数の第1副画素SPX1、複数の第2副画素SPX2、複数の第3副画素SPX3及び複数の第4副画素SPX4)と重畳して設けられる。また、
図6は、図面を見やすくするために、検出電極CEのそれぞれに重畳して、1行の副画素SPXを示している。ただし、実際には、1つの検出電極CEは、複数行の副画素SPXと重畳して配置される。
【0045】
以下の説明では、検出電極CE1、CE2、CE3、CE4を区別して説明する必要がない場合には、検出電極CEと表す。検出電極CEは、それぞれ主検出電極CEPと、副検出電極CEA、CEB(副検出電極CEAは
図7参照)とを有する。第1方向Xに隣り合う主検出電極CEPの間にスリットSPAが形成されている。なお、検出電極CEの詳細な構成については、後述する。
【0046】
駆動信号供給配線TL1は、複数の第1副画素SPX1からなる第1副画素列に対応して設けられる。駆動信号供給配線TL2は、複数の第2副画素SPX2からなる第2副画素列に対応して設けられる。駆動信号供給配線TL1、TL2は、それぞれコンタクトホールCHを介して検出電極CEと接続される。なお、以下の説明において、駆動信号供給配線TL1、TL2を区別して説明する必要がない場合には、単に駆動信号供給配線TLと表す。
【0047】
より具体的には、第1方向Xに隣り合う1組の駆動信号供給配線TL1、TL2を、配線グループTLGとする。配線グループTLG1、TLG2、TLG3、TLG4は、第1方向Xに配列され、それぞれ、検出電極CE1、CE2、CE3、CE4に接続される。配線グループTLG1、TLG2、TLG3、TLG4の第2方向Yの長さは、この順で長くなる。検出電極CE1に接続される配線グループTLG1は、検出電極CE2、CE3、CE4と非重畳である。検出電極CE2に接続される配線グループTLG2は、検出電極CE3、CE4と非重畳である。検出電極CE3に接続される配線グループTLG3は、検出電極CE4と非重畳である。
【0048】
1つの検出電極CEにおいて、2本の駆動信号供給配線TL1、TL2が接続される。駆動信号供給配線TL1は2つのコンタクトホールCHを介して検出電極CEと接続され、駆動信号供給配線TL2は2つのコンタクトホールCHを介して検出電極CEと接続される。
図6では、検出電極CEは、合計4つのコンタクトホールCHで駆動信号供給配線TL1、TL2と電気的に接続される。ただし、これに限定されず、少なくとも1つの駆動信号供給配線TLが設けられていればよい。また、1つの駆動信号供給配線TLに対し、1つコンタクトホールCHが設けられていてもよいし、3つ以上のコンタクトホールCHが設けられていてもよい。
【0049】
表示装置PNLは、さらに、第1ダミー配線TLD1、第2ダミー配線TLD2及び第3ダミー配線TLD3を有する。第1ダミー配線TLD1は、複数の第1副画素SPX1からなる第1副画素列に対応して設けられ、駆動信号供給配線TL1と第2方向Yに隣り合って配置される。第2ダミー配線TLD2は、複数の第2副画素SPX2からなる第2副画素列に対応して設けられ、駆動信号供給配線TL2と第2方向Yに隣り合って配置される。
【0050】
配線グループTLG1が設けられた副画素列では、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、検出電極CE2、CE3、CE4に重畳して、検出電極CE2、CE3、CE4ごとに離隔して配置される。配線グループTLG2が設けられた副画素列では、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、検出電極CE3、CE4に重畳して、検出電極CE3、CE4ごとに離隔して配置される。配線グループTLG3が設けられた副画素列では、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、検出電極CE4に重畳して配置される。
【0051】
第3ダミー配線TLD3は、複数の第3副画素SPX3及び複数の第4副画素SPX4からなる第3副画素列に対応して設けられる。第3ダミー配線TLD3は、駆動信号供給配線TL1、TL2と第1方向Xに隣り合って配置される。あるいは、第3ダミー配線TLD3は、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2と第1方向Xに隣り合って配置される。
【0052】
第3ダミー配線TLD3の第2方向Yでの長さは、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2の第2方向Yでの長さよりも短い。例えば、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、第2方向Yに配列された検出電極CEごとに離隔して設けられ、第3ダミー配線TLD3は、第2方向Yに配列された副画素SPX又は画素PXごとに離隔して設けられる。
【0053】
本実施形態では、第1ダミー配線TLD1は、コンタクトホールCHを介して検出電極CEと電気的に接続され、検出電極CEと同じ電位が供給される。1つの第1ダミー配線TLD1に設けられるコンタクトホールCHの数は、1つの駆動信号供給配線TL1に設けられるコンタクトホールCHの数と等しい。
【0054】
第2ダミー配線TLD2は、コンタクトホールCHが設けられず、検出電極CEと非接続である。第2ダミー配線TLD2は、駆動信号や基準電位VCOM等の信号が供給されずフローティング状態である。第3ダミー配線TLD3も、検出電極CEと非接続であり、フローティング状態である。
【0055】
ダミーコンタクトホールCHDは、第2方向Yに隣り合う第3ダミー配線TLD3の間に設けられる。ダミーコンタクトホールCHDは、第3ダミー配線TLD3や信号線SL等の各種配線と非接続に設けられる。例えば、検出電極CE2に着目すると、最も左側の画素PXに対応する領域で、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2と隣り合って配置された第3ダミー配線TLD3には、2つのダミーコンタクトホールCHDが設けられる。配線グループTLG2のそれぞれにコンタクトホールCHが設けられた画素PXでは、駆動信号供給配線TL1、TL2と隣り合って配置された第3ダミー配線TLD3には、ダミーコンタクトホールCHDが設けられていない。配線グループTLG3、TLG4と重畳し、それぞれコンタクトホールCHが設けられない画素PXでは、駆動信号供給配線TL1、TL2と隣り合って配置された第3ダミー配線TLD3には、4つのダミーコンタクトホールCHDが設けられる。
【0056】
このように、所定の領域(例えば、主検出電極CEP)ごとに、コンタクトホールCHとダミーコンタクトホールCHDの合計の数の差を抑制するように、ダミーコンタクトホールCHDが設けられる。このため、コンタクトホールCHとダミーコンタクトホールCHDの配置密度のばらつきが抑制され、表示画質の低下を抑制することができる。
【0057】
なお、第1ダミー配線TLD1に設けられるコンタクトホールCHの数及び第3ダミー配線TLD3に設けられるダミーコンタクトホールCHDの数は、適宜変更できる。例えば、第1ダミー配線TLD1に設けられるコンタクトホールCHの数は、駆動信号供給配線TL1に設けられるコンタクトホールCHの数と異なっていてもよい。駆動信号供給配線TL1、TL2にコンタクトホールCHが設けられた主検出電極CEPにおいても、第3ダミー配線TLD3に、ダミーコンタクトホールCHDが設けられてもよい。
【0058】
次に、各副画素SPXの詳細な構成について説明する。
図7は、画素の模式的な平面図において、検出電極を説明するための平面図である。
図8は、画素の模式的な平面図において、駆動信号供給配線及びダミー配線を説明するための平面図である。
図9は、
図8のIX-IX’断面図である。
図10は、第1実施形態のスイッチング素子を説明するための平面図である。
【0059】
図9に示すように、第1絶縁基板10の上方には、複数の信号線S1、S2、S3、複数の画素電極PE1、PE2、PE3、複数の検出電極CE、複数の駆動信号供給配線TL1、TL2、TLDが形成されている。以下、複数の画素電極PE1、PE2、PE3を総称して、画素電極PEとすることがある。
【0060】
図7に示すように、走査線G1、G2、G3は、第1方向Xに沿ってそれぞれ延在し、第2方向Yに等ピッチで並んでいる。走査線G1、G2、G3も、
図9に現れていないが、第1絶縁基板10の上方に形成されている。
【0061】
図7及び
図8において、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。なお、第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1は、第2方向Yと方向D2とのなす角度θ2とほぼ同一である。信号線S1、S2、S3は、概ね第2方向Yに沿ってそれぞれ延出し、第1方向Xに等ピッチで並んでいる。図示した例では、信号線S1、S2、S3は、走査線G1と走査線G2との間においては方向D1に延在し、走査線G2と走査線G3との間においては方向D2に延在している。これらの走査線G1、G2、G3と、信号線S1、S2、S3とは、平面視において、互いに交差している。
【0062】
図10に示すように、スイッチング素子Tr1は、走査線G2と信号線S1との交差部付近に位置し、走査線G2及び信号線S1と電気的に接続されている。スイッチング素子Tr2は、走査線G2と信号線S2との交差部付近に位置し、走査線G2及び信号線S2と電気的に接続されている。スイッチング素子Tr3は、走査線G2と信号線S3との交差部付近に位置し、走査線G2及び信号線S3と電気的に接続されている。
【0063】
図8に示すように、複数の画素電極PE1、PE2、PE3は、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。画素電極PE1は、2つの信号線SLの間に位置している。複数の画素電極PE1、PE2、PE4は、複数の画素電極PE1、PE2、PE3と、それぞれ第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。画素電極PE1は、2つの走査線GLの間に位置している。複数の画素電極PE1、PE2、PE3、PE4は、2つの信号線SL及び2つの走査線GLに囲まれた領域にそれぞれある。
【0064】
画素電極PEは、それぞれ、コンタクト部PA、電極部PB、及び、連結部PCを有している。コンタクト部PAは、スイッチング素子Tr(
図10参照)と電気的に接続される。電極部PBは、コンタクト部PAから、走査線G2から走査線G1に近接する側に延在している。電極部PBは、帯状電極、線状電極、櫛歯電極などと称される場合もある。
図8において、1つの画素電極PEは、2本の電極部PBを有している。2本の電極部PBは、コンタクト部PAに接続される。これらの電極部PBは、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。連結部PCは、2本の電極部PBの端部に繋がっている。
【0065】
なお、画素電極PEの形状は、
図8の例に限らず、例えば、連結部PCを省略してもよいし、電極部PBの本数が2本でなく、例えば3本や4本でもよい。
【0066】
画素電極PE1、PE2、PE3、PE4は、互いに略同一の形状に形成されている。例えば、第1方向Xに配列された画素電極PE1、PE2、PE3では、それぞれの電極部PBは、いずれも同一方向に延在しており、方向D1と平行な方向に延在している。また、第1方向Xに配列された画素電極PE1、PE2、PE4では、それぞれの電極部PBは、いずれも同一方向に延在しており、方向D2と平行な方向に延在している。なお、画素電極PE1、PE2、PE3、PE4の形状は、同一に限定されず、画素電極PE1、PE2、PE3、PE4の形状、面積が異なっていてもよい。
【0067】
図7に示すように、検出電極CEは、主検出電極CEPと、副検出電極CEA及び副検出電極CEBを有している。主検出電極CEPは、アレイ基板SUB1の表示領域DA(
図1参照)の略全域に亘って形成されている。つまり、第1画素PX1は、画素電極PE1、PE2、PE3を有し、画素電極PE1、PE2、PE3と重畳する領域に、主検出電極CEP(検出電極CE)が設けられている。あるいは、第2画素PX2は、画素電極PE1、PE2、PE4を有し、画素電極PE1、PE2、PE4と重畳する領域に、主検出電極CEP(検出電極CE)が設けられている。
【0068】
以下の説明では、第1画素PX1の構成について説明し、第2画素PX2について、重複する説明は省略する。平面視において、主検出電極CEPは、画素電極PE1、PE2、PE3、信号線S1、S2、S3、駆動信号供給配線TL1、TL2及び第3ダミー配線TLD3と重畳するとともに、走査線G1、G2、G3と重畳していない。
【0069】
図7に示すように、副検出電極CEAは、第2方向Yに延在し、第2方向Yに隣り合う主検出電極CEPを電気的に接続している。平面視において、副検出電極CEAは、走査線G1、G2、G3、信号線S2、S5及び駆動信号供給配線TL2と重畳するとともに、画素電極PE1、PE2、PE3、信号線S1、S3、S4、S6、駆動信号供給配線TL1、TL2及び第3ダミー配線TLD3と重畳していない。第2方向Yに隣り合う主検出電極CEPの間に、副検出電極CEAがないと、スリットSPB(
図2参照)ができる。
【0070】
副検出電極CEBは、第1方向Xに延在し、第1方向Xに隣り合う主検出電極CEPを電気的に接続している。第1方向Xに隣り合う主検出電極CEPと、副検出電極CEBとの間の領域に、スリットSPAが形成される。スリットSPAは、第1副画素SPX1に接続される信号線S1、S4及び駆動信号供給配線TL1と重畳して形成される。第1方向Xに隣り合う主検出電極CEPの間に、副検出電極CEBがないと、スリットSPB(
図2参照)ができる。
【0071】
平面視において、副検出電極CEBは、信号線S1及び駆動信号供給配線TL1、拡幅部TCと重畳するとともに、画素電極PE1、PE2、PE3、走査線G1、G2、G3、信号線S2、S3、駆動信号供給配線TL2及び第3ダミー配線TLD3と重畳していない。スリットSPAを形成することにより、第1方向Xに隣り合う検出電極CEの間にあるスリットSPBとの視認性の差を小さくすることができ、また検出電極CEと駆動信号供給配線TL1との間で生じる寄生容量を低減できる。
【0072】
以上説明したように、検出電極CEは、主検出電極CEPと、副検出電極CEA、CEBとを有する。主検出電極CEPは、島状である。第1方向X又は第2方向Yに隣り合う主検出電極CEPは、副検出電極CEA又はCEBで電気的に接続される。その結果、検出電極CEは、任意の大きさの面積を有することができる。主検出電極CEPは、画素PXごと(第1画素PX1及び第2画素PX2ごと)に設けられ、スリットSPAは、駆動信号供給配線TL1及び信号線S1と重畳する位置に設けられる。スリットSPAと重畳する駆動信号供給配線TL1及び第1ダミー配線TLD1には、検出電極CEと同じ電位が供給される。これにより、本実施形態では、スリットSPAが、フローティング状態の第2ダミー配線TLD2又は第3ダミー配線TLD3と重畳する位置に設けられた場合に比べ、駆動信号供給配線TL1及び第1ダミー配線TLD1により、信号線SLからの漏れ電界を抑制することができる。したがって、信号線SLからの漏れ電界による画質の低下を抑制することができる。
【0073】
図8に示すように、複数の駆動信号供給配線TL1、TL2は、平面視で、それぞれ信号線S1、S2と重畳し、これらの信号線S1、S2と平行に延在している。駆動信号供給配線TL1、TL2は、信号線S3とは非重畳である。駆動信号供給配線TL1、TL2には、それぞれ拡幅部TCが設けられており、コンタクトホールCHは拡幅部TCと重畳して設けられる。
【0074】
第3ダミー配線TLD3は、平面視で、信号線S3と重畳し、信号線S3と平行に延在している。第3ダミー配線TLD3は、第2方向Yに配列された画素PXごとにスリットSPLが設けられている。ダミーコンタクトホールCHDは、スリットSPLと重畳して設けられる。言い換えると、第3ダミー配線TLD3は、第2方向Yに離隔して配列され、ダミーコンタクトホールCHDは、信号線S3と重畳し、第2方向Yで隣り合う第3ダミー配線TLD3の間に形成される。スリットSPL及びダミーコンタクトホールCHDは、拡幅部TC及びコンタクトホールCHと第1方向Xで並んで配列される。また、ダミーコンタクトホールCHDは、画素電極PE3(第3副画素SPX3)に隣接する信号線S3上に設けられ、画素電極PE4(第4副画素SPX4)に隣接する信号線S3上には設けられていない。
【0075】
なお、
図6に示す第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、複数の駆動信号供給配線TL1、TL2と同様にそれぞれ信号線S1、S2と重畳し、これらの信号線S1、S2と平行に延在している。第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、後述する
図15に図示する。
【0076】
以上のように、駆動信号供給配線TL1、TL2はそれぞれ信号線S1、S2と重畳して設けられ、信号線S3と非重畳に設けられる。また、第3ダミー配線TLD3は、信号線S3と重畳して設けられ、フローティング状態である。これにより、信号線S3と重畳して駆動信号供給配線TLを設けた構成に比べて、第3副画素SPX3及び第4副画素SPX4に接続される信号線S3(第3信号線)に形成される寄生容量Csc(
図4参照)を効果的に低減させることができる。
【0077】
より具体的には、信号線S3と重畳して駆動信号供給配線TLを設けた構成では、信号線S3に形成される寄生容量Cscは、信号線S3と駆動信号供給配線TLとの間に形成される容量を含む。本実施形態では、信号線S3と重畳してフローティング状態の第3ダミー配線TLD3を設けられるので、信号線S3に形成される寄生容量Cscは、信号線S3と第3ダミー配線TLD3との間に形成される容量と、第3ダミー配線TLD3と検出電極CEとの間に形成される容量とが直列接続された合計の容量を含む。このため、第3ダミー配線TLD3を設けることで、寄生容量Cscを抑制することができる。この結果、本実施形態の表示装置PNLは、検出電極CE及び駆動信号供給配線TLの時定数を小さくして、クロストーク成分の電位差を抑制することができ、表示画質の低下を抑制することができる。
【0078】
図9に示すように、アレイ基板SUB1は、ガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する第1絶縁基板10を基体としている。アレイ基板SUB1は、第1絶縁基板10の対向基板SUB2と対向する側に、絶縁膜11、12、13、第1有機絶縁膜14(第1絶縁膜)、第2有機絶縁膜15(第2絶縁膜)、絶縁膜16、信号線S1、S2、S3、画素電極PE1、PE2、PE3、検出電極CE、第1配向膜AL1などを備えている。以下の説明において、アレイ基板SUB1から対向基板SUB2に向かう方向を上方、あるいは、単に上と称する。
【0079】
絶縁膜11は、第1絶縁基板10の上に位置している。絶縁膜12は、絶縁膜11の上に位置している。絶縁膜13は、絶縁膜12の上に位置している。信号線S1、S2、S3は、絶縁膜13の上に位置している。第1有機絶縁膜14は、絶縁膜13の上に位置し、信号線S1、S2、S3を覆っている。
【0080】
駆動信号供給配線TL1、TL2及び第3ダミー配線TLD3は、第1有機絶縁膜14の上に位置している。駆動信号供給配線TL1、TL2及び第3ダミー配線TLD3は、Al、Mo、Wのいずれか1つを含む金属材料で形成されている。駆動信号供給配線TL1、TL2及び第3ダミー配線TLD3は、検出電極CEよりも低抵抗であり、導電性を有している。また、駆動信号供給配線TL1、TL2及び第3ダミー配線TLD3は、第1有機絶縁膜14を介して信号線S1、S2、S3と対向している。つまり、駆動信号供給配線TL1、TL2及び第3ダミー配線TLD3は、信号線S1、S2、S3の上に重畳している。
【0081】
なお、
図9では図示されない第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2についても、第3ダミー配線TLD3と同層に第1有機絶縁膜14の上に位置している。そして、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、第1有機絶縁膜14を介して信号線S1、S2と対向している。
【0082】
第2有機絶縁膜15は、第1有機絶縁膜14の上に設けられ、駆動信号供給配線TL1、TL2及び第3ダミー配線TLD3は、第2有機絶縁膜15によって覆われている。絶縁膜11、12、13及び絶縁膜16は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの透光性を有する無機系材料によって形成されている。第1有機絶縁膜14及び第2有機絶縁膜15は、アクリル樹脂などの透光性を有する樹脂材料によって形成され、無機系材料によって形成された他の絶縁膜と比べて厚い膜厚を有している。例えば、第1有機絶縁膜14は、2μm以上3μm以下である。第2有機絶縁膜15は、1μm以上2μm以下である。第1有機絶縁膜14は、第2有機絶縁膜15よりも厚く形成される。
【0083】
検出電極CEは、第2有機絶縁膜15の上に位置している。また、
図9において、検出電極CEは、第2有機絶縁膜15を介して駆動信号供給配線TL1、TL2と対向している。検出電極CEのスリットSPAは、駆動信号供給配線TL1の直上に位置している。検出電極CEは、絶縁膜16によって覆われている。
【0084】
画素電極PEは、絶縁膜16の上に位置し、絶縁膜16を介して検出電極CEと対向している。画素電極PE、及び、検出電極CEは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性を有する導電材料によって形成されている。画素電極PEは、第1配向膜AL1によって覆われている。第1配向膜AL1は、絶縁膜16も覆っている。
【0085】
対向基板SUB2は、ガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する第2絶縁基板20を基体としている。対向基板SUB2は、第2絶縁基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に、遮光層BM、カラーフィルタCFR、CFG、CFB、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。
【0086】
図9に示すように、遮光層BMは、第2絶縁基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に位置している。そして、遮光層BMは、画素電極PE1、PE2、PE3とそれぞれ対向する開口部を規定している。遮光層BMは、黒色の樹脂材料や、遮光性の金属材料によって形成されている。
【0087】
カラーフィルタCFR、CFG、CFBのそれぞれは、第2絶縁基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に位置し、それぞれの端部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFRは、画素電極PE1と対向している。カラーフィルタCFGは、画素電極PE2と対向している。カラーフィルタCFBは、画素電極PE3と対向している。一例では、カラーフィルタCFR、CFG、CFBは、それぞれ青色、赤色、緑色に着色された樹脂材料によって形成されている。
【0088】
オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFR、CFG、CFBを覆っている。オーバーコート層OCは、透光性を有する樹脂材料によって形成されている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、例えば、水平配向性を示す材料によって形成されている。
【0089】
また、遮光層BMは、カラーフィルタCFR、CFG、CFBのいずれかとオーバーコート層OCとの間に形成されるものであってもよく、さらに遮光層BMは、オーバーコート層OCと第2配向膜AL2との間に形成されるものであってもよい。
【0090】
以上説明したように、対向基板SUB2は、遮光層BM、カラーフィルタCFR、CFG、CFBなどを備えている。遮光層BMは、
図4に示した走査線G1、G2、G3、信号線S1、S2、S3、コンタクト部PA、スイッチング素子Trなどの配線部と対向する領域に配置されている。
【0091】
図9において、対向基板SUB2は、3色のカラーフィルタCFR、CFG、CFBを備えていたが、青色、赤色、及び、緑色とは異なる他の色、例えば白色、透明、イエロー、マゼンタ、シアンなどのカラーフィルタを含む4色以上のカラーフィルタを備えていてもよい。また、これらのカラーフィルタCFR、CFG、CFBは、アレイ基板SUB1に備えられていてもよい。
【0092】
上述したアレイ基板SUB1及び対向基板SUB2は、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が向かい合うように配置されている。液晶層LCは、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に封入されている。液晶層LCは、誘電率異方性が負のネガ型液晶材料、あるいは、誘電率異方性が正のポジ型液晶材料によって構成されている。
【0093】
アレイ基板SUB1がバックライトユニットILと対向し、対向基板SUB2が表示面側に位置する。バックライトユニットILとしては、種々の形態のものが適用可能であるが、その詳細な構造については説明を省略する。
【0094】
第1偏光板PL1を含む第1光学素子OD1は、第1絶縁基板10の外面、あるいは、バックライトユニットILと対向する面に配置される。第2偏光板PL2を含む第2光学素子OD2は、第2絶縁基板20の外面、あるいは、観察位置側の面に配置される。第1偏光板PL1の第1偏光軸及び第2偏光板PL2の第2偏光軸は、例えばX-Y平面においてクロスニコルの位置関係にある。なお、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、位相差板などの他の光学機能素子を含んでいてもよい。
【0095】
例えば、液晶層LCがネガ型液晶材料である場合であって、液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、液晶分子LMは、X-Y平面内において、その長軸が第1方向Xに沿う方向に初期配向している。一方、液晶層LCに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PEと検出電極CEとの間に電界が形成されたオン時において、液晶分子LMは、電界の影響を受けてその配向状態が変化する。オン時において、入射した直線偏光は、その偏光状態が液晶層LCを通過する際に液晶分子LMの配向状態に応じて変化する。
【0096】
次に、
図10に示したスイッチング素子Tr1、Tr2、Tr3の構造についてより詳細に説明する。なお、以下に説明するスイッチング素子Tr1、Tr2、Tr3は、トップゲート型である。スイッチング素子Tr1、Tr2、Tr3は、ボトムゲート型であってもよい。
図10では、スイッチング素子Tr1、Tr2、Tr3の説明に必要な主要部のみを図示し、検出電極CE、画素電極PE1、PE2、PE3、駆動信号供給配線TL1、TL2などの図示を省略している。
【0097】
スイッチング素子Tr1、Tr2、Tr3は、第1方向Xに並んでいる。スイッチング素子Tr1は、半導体層SC1を備えている。スイッチング素子Tr2は、半導体層SC2を備えている。スイッチング素子Tr3は、半導体層SC3を備えている。半導体層SC1、SC2、SC3は、いずれも略U字状に形成され、走査線G2と2か所で交差している。以下、スイッチング素子Tr1について説明するが、スイッチング素子Tr1についての説明は、スイッチング素子Tr2、Tr3にも適用できる。
【0098】
スイッチング素子Tr1において、半導体層SC1は、一方端側にある第1部分E11及び他方端側にある第2部分E12を有する。第1部分E11は、コンタクトホールCH11を介して信号線S1と電気的に接続されている。第2部分E12は、コンタクトホールCH12を介して画素電極PE1(
図8参照)と電気的に接続されている。
【0099】
走査線G2において、半導体層SC1と交差する2つの部分は、それぞれゲート電極WG11及びWG12となる。
【0100】
図8及び
図10に示すように、本実施形態では、副画素SPXのそれぞれで、画素電極PEは、スイッチング素子Trを介して、それぞれの左側に位置する信号線SLに電気的に接続される。また、3つの副画素SPXからなる画素PXの境界に、第1副画素SPX1に接続される信号線S1、S4(第1信号線)が配置される。
【0101】
次にコンタクトホールCH及びダミーコンタクトホールCHDの断面構成について説明する。
図11は、コンタクトホールを説明するための断面図である。
図12は、ダミーコンタクトホールを説明するための断面図である。
【0102】
図11に示すように、信号線SLの上に、第1有機絶縁膜14、駆動信号供給配線TL、第2有機絶縁膜15の順に積層されている。言い換えると、駆動信号供給配線TLは、第1有機絶縁膜14と第2有機絶縁膜15との間に設けられる。第2有機絶縁膜15には、駆動信号供給配線TLの拡幅部TCと重畳する位置にコンタクトホールCHが設けられる。コンタクトホールCHは、第2有機絶縁膜15を貫通して形成され、駆動信号供給配線TLの拡幅部TCを底面とする。検出電極CEは、第2有機絶縁膜15の上に設けられ、コンタクトホールCHの底面で駆動信号供給配線TLの拡幅部TCと接する。このように、駆動信号供給配線TLは、信号線SL(信号線S1)と重畳する領域で、第2有機絶縁膜15に設けられたコンタクトホールCHを介して検出電極CEと接続される。また、第1配向膜AL1は絶縁膜16を覆い、コンタクトホールCH内部にも存在している。
【0103】
図11では、検出電極CEと駆動信号供給配線TLとの接続箇所の断面構成について説明したが、検出電極CEと第1ダミー配線TLD1とを接続するコンタクトホールCHの断面構成も
図11と同様である。
【0104】
図12に示すように、ダミーコンタクトホールCHDが設けられた領域では、第3ダミー配線TLD3は、第1有機絶縁膜14の上に設けられていない。上述したように第3ダミー配線TLD3のスリットSPL(
図8参照)が形成された領域にダミーコンタクトホールCHDが設けられる。ダミーコンタクトホールCHDは、信号線S3と重畳する領域で第2有機絶縁膜15を貫通して形成され、第1有機絶縁膜14を底面とする。検出電極CEは、第2有機絶縁膜15の上に設けられ、ダミーコンタクトホールCHDの底面で第1有機絶縁膜14と接する。言い換えると、検出電極CEは、ダミーコンタクトホールCHDを覆って形成され、第3ダミー配線TLD3等の金属配線と非接続である。また、第1配向膜AL1は絶縁膜16を覆い、ダミーコンタクトホールCHD内部にも存在している。ダミーコンタクトホールCHDが形成されることにより、第1配向膜AL1の表示領域DAでの塗布ムラを抑制し、第1配向膜AL1の膜厚の均一化に貢献する。
【0105】
以上説明したように、本実施形態の表示装置PNLは、赤色を表示する複数の第1副画素SPX1と、緑色を表示する複数の第2副画素SPX2と、青色を表示する複数の第3副画素SPX3と、白色を表示する複数の第4副画素SPX4と、複数の第1副画素SPX1に接続される第1信号線(信号線S1)と、複数の第2副画素SPX2に接続される第2信号線(信号線S2)と、複数の第3副画素SPX3及び複数の第4副画素SPX4に接続される第3信号線(信号線S3)と、マトリクス状に配列され、それぞれが複数の第1副画素SPX1、複数の第2副画素SPX2、複数の第3副画素SPX3及び複数の第4副画素SPX4と重畳して設けられた複数の検出電極CEと、複数の検出電極CEのそれぞれに接続され、複数の検出電極CEのそれぞれに駆動信号を供給する駆動信号供給配線TLと、を有する。駆動信号供給配線TLは、第1信号線及び第2信号線の少なくとも一方と重畳して設けられ、第3信号線と非重畳に設けられる。
【0106】
また、表示装置PNLは、第1信号線に重畳して設けられた第1ダミー配線TLD1と、第2信号線に重畳して設けられた第2ダミー配線TLD2と、を有する。第1信号線、第2信号線及び第3信号線は、第1方向Xに隣り合って配列され、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2の少なくとも一方は、第1方向Xと交差する第2方向Yで、駆動信号供給配線TLと隣り合って配置される。また、表示装置PNLは、第3信号線に重畳して設けられ、検出電極CEと非接続であり、かつ、フローティング状態の第3ダミー配線TLD3を有する。
【0107】
これによれば、信号線S3と重畳して駆動信号供給配線TLを設けた構成に比べて、第3副画素SPX3及び第4副画素SPX4に接続される第3信号線に形成される寄生容量Csc(
図4参照)を効果的に低減させることができる。この結果、検出電極CE及び駆動信号供給配線TLの時定数を小さくして、クロストーク成分の電圧差を抑制することができ、表示画質の低下を抑制することができる。
【0108】
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態の表示装置を説明するための平面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0109】
上述した第1実施形態では、第2ダミー配線TLD2がフローティング状態である構成について説明したがこれに限定されない。
図13に示すように、第2実施形態では、第2ダミー配線TLD2は、コンタクトホールCHを介して検出電極CEと電気的に接続される。すなわち、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、検出電極CEと電気的に接続され、第3ダミー配線TLD3は、フローティング状態である。第2ダミー配線TLD2に設けられたコンタクトホールCHの数は、駆動信号供給配線TL2に設けられたコンタクトホールCHの数と等しい。また、第2ダミー配線TLD2に設けられたコンタクトホールCHの数は、第1ダミー配線TLD1に設けられたコンタクトホールCHの数と等しい。
【0110】
また、本実施形態では、上述した第1実施形態に比べて、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2と隣り合う第3ダミー配線TLD3には、ダミーコンタクトホールCHDが設けられない点が異なる。例えば、検出電極CE2に着目すると、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2と隣り合って配置された第3ダミー配線TLD3には、ダミーコンタクトホールCHDが設けられない。また、配線グループTLG2の駆動信号供給配線TL1、TL2と隣り合って配置された第3ダミー配線TLD3には、ダミーコンタクトホールCHDが設けられていない。配線グループTLG3、TLG4と重畳し、それぞれコンタクトホールCHが設けられない副画素列では、駆動信号供給配線TL1、TL2と隣り合って配置された第3ダミー配線TLD3には、4つのダミーコンタクトホールCHDが設けられる。
【0111】
本実施形態では、第2ダミー配線TLD2をフローティング状態とした場合に比べて、信号線S2の寄生容量が大きくなる。この場合であっても、第3ダミー配線TLD3がフローティング状態であり、第3副画素SPX3及び第4副画素SPX4に接続される信号線S3の寄生容量Cscを抑制することができる。また、本実施形態では、駆動信号供給配線TL1、TL2のコンタクトホールCHの配置パターンと、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2のコンタクトホールCHの配置パターンとを共通化できる。
【0112】
(第3実施形態)
図14は、第3実施形態の表示装置を説明するための平面図である。
図15は、第3実施形態の画素の模式的な平面図において、駆動信号供給配線及びダミー配線を説明するための平面図である。
図15は、
図14に示す領域Aの一部を拡大して示す平面図である。
【0113】
図14及び
図15に示すように、本実施形態では、上述した第1実施形態及び第2実施形態に比べて、第3ダミー配線TLD3が設けられていない点が異なる。すなわち、駆動信号供給配線TL1、TL2、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2を含む金属配線は、信号線S3(第3信号線)と非重畳である。また、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、それぞれ信号線S1、S2と重畳し、これらの信号線S1、S2と平行に延在している。また、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2は、コンタクトホールCHを介して、検出電極CEと電気的に接続される。
【0114】
図14に示すように、コンタクトホールCHが設けられていない画素PXには、ダミーコンタクトホールCHDが設けられる。例えば、検出電極CE2に着目すると、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2と隣り合って配置された副画素SPXには、ダミーコンタクトホールCHDが設けられない。また、配線グループTLG2の駆動信号供給配線TL1、TL2と隣り合って配置された副画素SPXには、ダミーコンタクトホールCHDが設けられていない。配線グループTLG3、TLG4と重畳し、それぞれコンタクトホールCHが設けられない副画素列では、駆動信号供給配線TL1、TL2と隣り合って配置された副画素SPXには、4つのダミーコンタクトホールCHDが設けられる。このような構成により、コンタクトホールCH及びダミーコンタクトホールCHDのばらつきを抑制することができる。
【0115】
本実施形態では、信号線S3と重畳して第3ダミー配線TLD3が設けられていないので、信号線S3に形成される寄生容量Cscは、信号線S3と検出電極CEとの間に形成される容量を含む。この場合、信号線S3と重畳して駆動信号供給配線TLを設けた場合での、信号線S3と駆動信号供給配線TLとの間の距離に比べ、信号線S3と検出電極CEとの間の距離を大きくすることができる。この結果、本実施形態において、信号線S3に形成される寄生容量Cscを低減することができる。
【0116】
なお、第2ダミー配線TLD2は、コンタクトホールCHを介して検出電極CEと電気的に接続される構成を示したが、これに限定されない。第2ダミー配線TLD2は、第1実施形態と同様に、フローティング状態としてもよい。また、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2と隣り合う副画素SPXにも、必要に応じて信号線S3と重畳してダミーコンタクトホールCHDを設けてもよい。
【0117】
(第4実施形態)
図16は、第4実施形態の表示装置を説明するための平面図である。
図17は、第4実施形態の画素の模式的な平面図において、駆動信号供給配線及びダミー配線を説明するための平面図である。
図17は、
図16に示す領域Aの一部を拡大して示す平面図である。
【0118】
図16及び
図17に示すように、本実施形態では、上述した実施形態に比べて、1つの駆動信号供給配線TL1に設けられたコンタクトホールCHの数と、1つの第1ダミー配線TLD1に設けられたコンタクトホールCHの数とが異なる。例えば、1つの駆動信号供給配線TL1に2つのコンタクトホールCHが設けられ、1つの第1ダミー配線TLD1に1つのコンタクトホールCHが設けられる。また、第2ダミー配線TLD2は、コンタクトホールCHが設けられず、フローティング状態である。つまり、本実施形態では、第1ダミー配線TLD1は、検出電極CEと電気的に接続され、第2ダミー配線TLD2は、フローティング状態である。
【0119】
また、第3ダミー配線TLD3及びダミーコンタクトホールCHDも設けられていない。すなわち、本実施形態では、駆動信号供給配線TL1、TL2、第1ダミー配線TLD1及び第2ダミー配線TLD2を含む金属配線は、信号線S3(第3信号線)と非重畳である。ダミーコンタクトホールCHDも信号線S3(第3信号線)と非重畳である。
【0120】
このような構成により、本実施形態では、上述した第1実施形態から第3実施形態に比べ、コンタクトホールCH及びダミーコンタクトホールCHDの数を低減することができる。これにより、信号線SLと検出電極CEとの間の第1有機絶縁膜14及び第2有機絶縁膜15(
図9参照)の膜厚ばらつきを抑制することができる。この結果、第3ダミー配線TLD3が設けられていない場合であっても、信号線S3と検出電極CEとの間の距離を確保することができ、信号線S3に形成される寄生容量Cscを抑制することができる。
【0121】
なお、
図16では、1つの第1ダミー配線TLD1に1つのコンタクトホールCHが設けられるが、あくまで例示であり適宜変更できる。1つの第1ダミー配線TLD1に設けられるコンタクトホールCHの数は、1つの駆動信号供給配線TL1に設けられるコンタクトホールCHの数よりも少なければよく、例えば2つ以上設けられていてもよい。また、第2ダミー配線TLD2は、フローティング状態に限定されず、1又は複数のコンタクトホールCHが設けられていてもよい。
【0122】
上述した第1実施形態から第4実施形態の構成は、それぞれ適宜変更してもよいし、各構成の一部を適宜組み合わせることができる。例えば、第1実施形態及び第2実施形態において、第3ダミー配線TLD3を設けて、ダミーコンタクトホールCHDを設けない構成としてもよい。
【0123】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0124】
10 第1絶縁基板
14 第1有機絶縁膜
15 第2有機絶縁膜
20 第2絶縁基板
CE、CE1、CE2、CE3、CE4 検出電極
CH、CH11、CH12 コンタクトホール
CHD ダミーコンタクトホール
G1、G2、G3、GL 走査線
PE1、PE2、PE3、PE4 画素電極
PX 画素
PX1 第1画素
PX2 第2画素
PNL 表示装置
S1、S2、S3、S4、S5、S6、SL 信号線
SPX 副画素
SPX1 第1副画素
SPX2 第2副画素
SPX3 第3副画素
SPX4 第4副画素
SPA、SPB、SPL スリット
SUB1 アレイ基板
SUB2 対向基板
TL、TL1、TL2 駆動信号供給配線
TLD1 第1ダミー配線
TLD2 第2ダミー配線
TLD3 第3ダミー配線