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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】風呂システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20240418BHJP
   F24H 1/54 20220101ALI20240418BHJP
   F24H 15/176 20220101ALI20240418BHJP
   F24H 15/269 20220101ALI20240418BHJP
   F24H 15/32 20220101ALI20240418BHJP
【FI】
F24H15/196 301K
F24H1/54 301Z
F24H15/176
F24H15/196 301B
F24H15/269
F24H15/32
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020133328
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2022029812
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅井 佑介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 圭二
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-245450(JP,A)
【文献】特開2008-164233(JP,A)
【文献】実開平05-074531(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0314248(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 15/493
A47K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風呂システムであって、
浴槽内の水を循環させる第1循環水路と、
前記第1循環水路上に設けられているタンクと、
前記第1循環水路上に設けられている微細気泡吐出ノズルと、
前記浴槽内の水を循環させるとともに、前記タンクが設けられていない特定の循環水路と、
一端が給水源に接続されており、他端が前記第1循環水路及び前記特定の循環水路に接続されている注水路と、
前記注水路上に設けられている第1加熱装置と、
前記特定の循環水路上に設けられている第2加熱装置と、
水が前記第1循環水路を流れる第1切替状態と、水が前記特定の循環水路を流れる第2切替状態と、を切替える切替部と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記浴槽に水が溜まっていない状態において、前記切替部を前記第1切替状態として、前記給水源から供給され、前記第1加熱装置によって湯はり設定温度に加熱された湯はり水量の水を、前記注水路、前記第1循環水路、及び、前記タンクを経由して、前記浴槽に供給する湯はり運転と、
前記切替部を前記第1切替状態として、
前記浴槽内の水を前記第1循環水路上に設けられている前記タンクに供給し、
前記タンク内において、水に気体を溶解させて気体溶解加圧水を生成し、
生成された前記気体溶解加圧水を、前記微細気泡吐出ノズルを経由して、前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、
前記浴槽に水が溜まっている状態において、前記切替部を前記第2切替状態として、前記第2加熱装置によって加熱された水を、前記特定の循環水路を経由して、前記浴槽に供給する追い焚き運転と、
を実行可能に構成されている、風呂システム。
【請求項2】
風呂システムであって、
浴槽内の水を循環させる第1循環水路と、
一端が給水源に接続されており、他端が前記第1循環水路に接続されている注水路と、
前記注水路上に設けられている加熱装置と、
前記第1循環水路上に設けられているタンクと、
前記第1循環水路上に設けられている微細気泡吐出ノズルと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記浴槽に水が溜まっていない状態において、前記給水源から供給され、前記加熱装置によって湯はり設定温度に加熱された湯はり水量の水を、前記注水路、前記第1循環水路、及び、前記タンクを経由して、前記浴槽に供給する湯はり運転と、
前記浴槽内の水を前記第1循環水路上に設けられている前記タンクに供給し、
前記タンク内において、水に気体を溶解させて気体溶解加圧水を生成し、
生成された前記気体溶解加圧水を、前記微細気泡吐出ノズルを経由して、前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、
を実行可能に構成されており、
前記風呂システムは、さらに、
前記浴槽の壁部に設置される第1吐出口であって、前記第1吐出口から吐出される水の量は、前記第1吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量が、前記第1吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量よりも多い、前記第1吐出口と、
前記浴槽の壁部に設置される第2吐出口であって、前記第2吐出口から吐出される水の量は、前記第2吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量が、前記第2吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量よりも多い、前記第2吐出口と、
前記浴槽内の水を吸い込む吸込口と
前記吸込口と前記第2吐出口を接続する第2循環水路と、を備え、
前記第1循環水路は、前記吸込口と前記第1吐出口とを接続し、
前記第1循環水路の一部と前記第2循環水路の一部が共用されており、
前記制御装置は、前記微細気泡供給運転において、前記吸込口から前記浴槽内の水を吸込み、前記第1循環水路、前記タンク、及び、前記微細気泡吐出ノズルを通過した水を、前記第1吐出口から前記浴槽内に吐出するように構成されており、
前記制御装置は、さらに、
前記吸込口から前記浴槽内の水を吸い込み、前記第2循環水路内の水を前記第2吐出口から前記浴槽に排水する排水運転を実行可能に構成されており、
前記制御装置は、
前記湯はり運転が終了してから判定時間が経過する前に、前記微細気泡供給運転を実行するための指示である運転実行指示が取得される場合、前記排水運転を実行することなく、前記微細気泡供給運転を実行し、
前記湯はり運転が終了してから前記判定時間が経過した後に、前記運転実行指示が取得される場合、前記排水運転を実行した後に、前記微細気泡供給運転を実行する、
風呂システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、風呂システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浴槽内の水を循環させる循環水路と、一端が給水源に接続されており、他端が循環水路に接続されている注水路と、注水路上に設けられている加熱装置と、循環水路上に設けられているタンクと、循環水路上に設けられている微細気泡吐出ノズルと、制御装置と、を備える風呂システムが開示されている。制御装置は、浴槽内の水を循環水路上に設けられているタンクに供給し、供給された水にタンク内の気体を溶解させて気体溶解加圧水を生成し、生成された気体溶解加圧水を、微細気泡吐出ノズルを経由して、浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転を実行可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-164233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の風呂システムでは、浴槽に水が溜まっていない状態において、給水源から供給され、加熱装置によって湯はり設定温度に加熱された湯はり水量の水を、タンクを経由することなく、浴槽に供給する湯はり動作が実行される。この場合、湯はり動作において、タンクに高温の水が貯留されない。このため、微細気泡供給運転が開始される時点において、タンク内の水の温度が、浴槽内の水の温度よりも低くなっていることがある。このような状況において微細気泡供給運転が実行されると、微細気泡供給運転の開始直後に、タンク内に貯留している比較的に温度の低い水(以下では、「低温水」と記載することがある)が浴槽内に吐出される。この低温水が入浴者に直撃すると、入浴者に不快感を与え得る。
【0005】
本発明は、微細気泡供給運転時が実行される場合において、入浴者の快適性を向上させることが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される風呂システムは、浴槽内の水を循環させる第1循環水路と、前記第1循環水路上に設けられているタンクと、前記第1循環水路上に設けられている微細気泡吐出ノズルと、前記浴槽内の水を循環させるとともに、前記タンクが設けられていない特定の循環水路と、一端が給水源に接続されており、他端が前記第1循環水路及び前記特定の循環水路に接続されている注水路と、前記注水路上に設けられている第1加熱装置と、前記特定の循環水路上に設けられている第2加熱装置と、水が前記第1循環水路を流れる第1切替状態と、水が前記特定の循環水路を流れる第2切替状態と、を切替える切替部と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記浴槽に水が溜まっていない状態において、前記切替部を前記第1切替状態として、前記給水源から供給され、前記第1加熱装置によって湯はり設定温度に加熱された湯はり水量の水を、前記注水路、前記第1循環水路、及び、前記タンクを経由して、前記浴槽に供給する湯はり運転と、前記切替部を前記第1切替状態として、前記浴槽内の水を前記第1循環水路上に設けられている前記タンクに供給し、前記タンク内において、水に気体を溶解させて気体溶解加圧水を生成し、生成された前記気体溶解加圧水を、前記微細気泡吐出ノズルを経由して、前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、前記浴槽に水が溜まっている状態において、前記切替部を前記第2切替状態として、前記第2加熱装置によって加熱された水を、前記特定の循環水路を経由して、前記浴槽に供給する追い焚き運転と、を実行可能に構成されている。
【0007】
上記の構成によると、湯はり運転において、第1加熱装置によって湯はり設定温度に加熱された水が第1循環水路、及び、タンクを経由して、浴槽に供給される。このため、湯はり運転が終了した時点において、第1循環水路、及び、タンクには、湯はり設定温度に加熱された水が貯留される。この場合、その後に、微細気泡供給運転が実行される時点において、第1循環水路内の水の温度、及び、タンク内の水の温度が、比較的に高い温度である可能性を高めることができる。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、浴槽に供給された水が入浴者に直撃しても、入浴者に不快感を与えることを抑制することができ、入浴者の快適性を向上させることができる。
【0008】
本明細書が開示する別の風呂システムは、浴槽内の水を循環させる第1循環水路と、一端が給水源に接続されており、他端が前記第1循環水路に接続されている注水路と、前記注水路上に設けられている加熱装置と、前記第1循環水路上に設けられているタンクと、前記第1循環水路上に設けられている微細気泡吐出ノズルと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記浴槽に水が溜まっていない状態において、前記給水源から供給され、前記加熱装置によって湯はり設定温度に加熱された湯はり水量の水を、前記注水路、前記第1循環水路、及び、前記タンクを経由して、前記浴槽に供給する湯はり運転と、前記浴槽内の水を前記第1循環水路上に設けられている前記タンクに供給し、前記タンク内において、水に気体を溶解させて気体溶解加圧水を生成し、生成された前記気体溶解加圧水を、前記微細気泡吐出ノズルを経由して、前記浴槽内に吐出させる微細気泡供給運転と、を実行可能に構成されている。風呂システムは、さらに、浴槽の壁部に設置される第1吐出口であって、第1吐出口から吐出される水の量は、第1吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量が、第1吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量よりも多い、第1吐出口と、浴槽の壁部に設置される第2吐出口であって、第2吐出口から吐出される水の量は、第2吐出口が設置される壁部に対する平行成分の水の量が、第2吐出口が設置される壁部に対する垂直成分の水の量よりも多い、第2吐出口と、浴槽内の水を吸い込む吸込口と、吸込口と第2吐出口とを接続する第2循環水路と、を備えている。第1循環水路は、吸込口と第1吐出口とを接続する。第1循環水路の一部と第2循環水路の一部が共用されてい。制御装置は、微細気泡供給運転において、吸込口から浴槽内の水を吸込み、第1循環水路、タンク、及び、微細気泡吐出ノズルを通過した水を、第1吐出口から浴槽内に吐出するように構成されてい。制御装置は、さらに、吸込口から浴槽内の水を吸い込み、第2循環水路内の水を第2吐出口から浴槽に排水する排水運転を実行可能に構成されてい。制御装置は、湯はり運転が終了してから判定時間が経過する前に、微細気泡供給運転を実行するための指示である運転実行指示が取得される場合、排水運転を実行することなく、微細気泡供給運転を実行し、湯はり運転が終了してから判定時間が経過した後に、運転実行指示が取得される場合、排水運転を実行した後に、微細気泡供給運転を実行する
【0009】
上記の構成によると、湯はり運転において、加熱装置によって湯はり設定温度に加熱された水が第1循環水路、及び、タンクを経由して、浴槽に供給される。このため、湯はり運転が終了した時点において、第1循環水路、及び、タンクには、湯はり設定温度に加熱された水が貯留される。この場合、その後に、微細気泡供給運転が実行される時点において、第1循環水路内の水の温度、及び、タンク内の水の温度が、比較的に高い温度である可能性を高めることができる。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、浴槽に供給された水が入浴者に直撃しても、入浴者に不快感を与えることを抑制することができ、入浴者の快適性を向上させることができる。
また、湯はり運転が実行された後に長時間が経過すると、第1循環水路内の水の温度が、浴槽内の水の温度よりも低い温度になることがある。このような状況において、微細気泡供給運転が実行されると、第1循環水路内の低温水が第1吐出口から浴槽内に吐出され、低温水が入浴者に直撃し得る。上記の構成によると、制御装置は、湯はり運転が実行されてから判定時間が経過した後に、運転実行指示が取得される場合、排水運転を実行した後に、微細気泡供給運転を実行する。排水運転では、第2吐出口が設置されている壁部に対して平行な方向に多くの低温水が排水されるため、低温水は入浴者に直撃し難い。そして、排水運転において、第2循環水路内の低温水が浴槽水に置換されるため、第1循環水路と第2循環水路とで共用される水路の水は浴槽水に置換される。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口を経由して、浴槽内に吐出されることを抑制することができる。また、制御装置は、湯はり運転が実行されてから判定時間が経過する前に、運転実行指示が取得される場合、排水運転を実行することなく、微細気泡供給運転を実行する。湯はり運転が実行されてから判定時間が経過してない場合、第1循環水路内の水の温度は、比較的に高い温度に維持されている。このため、排水運転が実行されることなく、微細気泡供給運転が実行され、第1循環水路内の水が入浴者に直撃しても、入浴者に不快感を与えない。この場合、排水運転が実行される場合と比較して、運転実行指示が取得されてから微細気泡供給運転が開始されるまでの時間を短縮することができる。従って、入浴者の快適性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(給水状態)。
図2】本実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(空気導入状態)。
図3】本実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(湯はり状態)。
図4】本実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(足し湯状態)。
図5】本実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(追い焚き状態、排水状態)。
図6】給水状態、及び、空気導入状態における循環接続具内の水の流れを模式的に示す図である。
図7】湯はり状態、足し湯状態、追い焚き状態、排水状態における循環接続具内の水の流れを模式的に示す図である。
図8】本実施例に係る微細気泡供給運転処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例)
(風呂システム2の構成)
図1図8を参照して、風呂システム2について説明する。風呂システム2は、熱源ユニット10と、微細気泡発生ユニット50と、浴槽130と、制御装置150と、を備える。熱源ユニット10は、給水源200、出湯箇所250、及び、微細気泡発生ユニット50に接続されている。微細気泡発生ユニット50は、熱源ユニット10及び浴槽130に接続されている。なお、以下では、図1に示す矢印の方向に水が流れる場合を例に説明する。
【0012】
(熱源ユニット10の構成)
熱源ユニット10は、給水源200から供給される水を加熱して、浴槽130に加熱された水を供給するためのユニットである。熱源ユニット10は、第1熱源機202と、第2熱源機12と、給水路204と、出湯路206と、注湯路20と、第1戻り水路22と、第2戻り水路23と、第1往き水路24と、を備える。
【0013】
給水路204の上流端は、市水道などの給水源200に接続されており、給水路204の下流端は、第1熱源機202に接続されている。出湯路206の上流端は、第1熱源機202に接続されており、出湯路206の下流端は、出湯箇所250(カラン等)に接続されている。第1熱源機202は、第1熱源機202を通過する水を加熱するガス熱源機である。第1熱源機202は、給水路204から流れ込む水を加熱して、加熱された水を出湯路206に送り出す。
【0014】
注湯路20の上流端は、出湯路206に接続されており、出湯路206の下流端は、第1戻り水路22と第2戻り水路23の接続部に接続されている。注湯路20には、注湯弁26が設けられている。注湯弁26は、注湯路20を開閉する。
【0015】
第1戻り水路22の一端は、微細気泡発生ユニット50(詳細には第3戻り水路60)に接続されており、第1戻り水路22の他端は、第2戻り水路23及び注湯路20に接続されている。第2戻り水路23の上流端は、第1戻り水路22及び注湯路20に接続されており、第2戻り水路23の下流端は、第2熱源機12に接続されている。第2戻り水路23には、循環ポンプ30及び水流スイッチ32が設けられている。循環ポンプ30は、水流スイッチ32よりも上流側に設けられており、第2戻り水路23内の水を下流側に送り出す。水流スイッチ32は、第2戻り水路23内を水が通過していることを検出する。第2熱源機12は、第2熱源機12を通過する水を加熱するガス熱源機である。
【0016】
第1往き水路24の上流端は、第2熱源機12に接続されており、第1往き水路24の下流端は、微細気泡発生ユニット50(詳細には第2往き水路68)に接続されている。
【0017】
(微細気泡発生ユニット50の構成)
微細気泡発生ユニット50は、タンク52と、第3戻り水路60と、連通水路66と、第4戻り水路62と、噴出水路64と、第2往き水路68と、第3往き水路70と、水供給水路74と、空気導入路100と、を備える。
【0018】
タンク52は、内部に水を貯留することができる。タンク52の内部には、タンク52内に貯留されている水の水位を検出するための低水位電極52a及び高水位電極52bが設置されている。低水位電極52aによって検出される水位(以下では、「下限水位」と記載する)は、高水位電極52bによって検出される水位(以下では、「上限水位」と記載する)よりも低い。低水位電極52a、高水位電極52bは、タンク52内に貯留されている水の水面に接触すると、制御装置150にON信号を出力する。タンク52は、水に空気が溶解している空気溶解加圧水を生成するために利用される。
【0019】
第3戻り水路60の一端は、連通水路66に接続されており、第3戻り水路60の他端は、熱源ユニット10(詳細には第1戻り水路22)に接続されている。連通水路66は、第1切替弁80と第2切替弁82とを接続する。第4戻り水路62の一端は、第1切替弁80に接続されており、第4戻り水路62の他端は、浴槽130(詳細には循環接続具132)に接続されている。噴出水路64の上流端は、タンク52の下部に接続されており、噴出水路64の下流端は、第1切替弁80に接続されている。噴出水路64には、第1切替弁80側からタンク52側への水の流れを防止する逆止弁84が設けられている。第1切替弁80は、噴出水路64と第4戻り水路62を接続している第1接続状態(図1及び図3の状態)と、噴出水路64と連通水路66を接続している第2接続状態(図2の状態)と、第4戻り水路62、噴出水路64、及び、連通水路66を接続している第3接続状態(図4及び図5の状態)と、を切替えることができる。
【0020】
第2往き水路68の上流端は、熱源ユニット10(詳細には第1往き水路24)に接続されており、第2往き水路68の下流端は、第2切替弁82に接続されている。第3往き水路70の一端は、浴槽130(詳細には循環接続具132)に接続されており、第3往き水路70の他端は、第2切替弁82に接続されている。第2切替弁82は、第3往き水路70と連通水路66を接続する第4接続状態(図1図3、及び、図4の状態)と、第2往き水路68と第3往き水路70を接続する第5接続状態(図2及び図5の状態)と、を切替えることができる。
【0021】
第2往き水路68とタンク52は、水供給水路74で接続されている。水供給水路74には、給水制御弁86と加圧ポンプ88とが設けられている。給水制御弁86は、加圧ポンプ88よりも上流側に設けられている。加圧ポンプ88は、水供給水路74内の水を下流側へ送り出す。
【0022】
第1切替弁80が第1接続状態であり、第2切替弁82が第4接続状態であり、注湯弁26が閉状態であり、かつ、給水制御弁86が開状態である状態において、循環ポンプ30が駆動されると、図1に示すように水が流れる。具体的には、浴槽130から、第3往き水路70、連通水路66、第3戻り水路60、第1戻り水路22、及び、第2戻り水路23を経由して、第2熱源機12に水が到達する。そして、第2熱源機12を通過した水は、第1往き水路24、第2往き水路68、及び、水供給水路74を経由して、タンク52に到達する。そして、タンク52を通過した水は、噴出水路64及び第4戻り水路62を経由して、浴槽130に到達する。以下では、図1の風呂システム2の状態を、「給水状態」と記載することがある。また、以下では、図1の状態で水が流れる各水路70、66、60、22、23、24、68、74、64、62を総称して、「第1循環水路」と記載することがある。
【0023】
また、第1切替弁80が第2接続状態であり、第2切替弁82が第5接続状態であり、注湯弁26が閉状態であり、給水制御弁86が閉状態であり、後述する空気制御弁102が開状態である状態において、循環ポンプ30が駆動されると、図2に示すように水が流れる。具体的には、タンク52から、噴出水路64、連通水路66、第3戻り水路60、第1戻り水路22、及び、第2戻り水路23を経由して、第2熱源機12に水が到達する。そして、第2熱源機12を通過した水は、第1往き水路24、第2往き水路68、及び、第3往き水路70を経由して、浴槽130に到達する。以下では、図2の風呂システム2の状態を、「空気導入状態」と記載することがある。
【0024】
また、第1切替弁80が第1接続状態であり、第2切替弁82が第4接続状態であり、注湯弁26が開状態であり、かつ、給水制御弁86が開状態である状態では、図3に示すように水が流れる。具体的には、給水源200から、給水路204、第1熱源機202、及び、出湯路206を経由して、注湯路20に水が到達する。そして、注湯路20に到達した水は、第1戻り水路22に向かう流れと第2戻り水路23に向かう流れに分岐する。第1戻り水路22に流れる水は、第3戻り水路60、連通水路66、及び、第3往き水路70を経由して、浴槽130に到達する。また、第2戻り水路23に流れる水は、第2熱源機12、第1往き水路24、第2往き水路68、水供給水路74、タンク52、噴出水路64、及び、第4戻り水路62を経由して、浴槽130に到達する。以下では、図3の風呂システム2の状態を、「湯はり状態」と記載することがある。また、以下では、図3の状態における第1戻り水路22、第3戻り水路60、連通水路66、及び、第3往き水路70を総称して、「第1注湯水路」と記載することがある。また、以下では、図3の状態における第2戻り水路23、第1往き水路24、第2往き水路68、水供給水路74、噴出水路64、及び、第4戻り水路62を総称して、「第2注湯水路」と記載することがある。
【0025】
また、第1切替弁80が第3接続状態であり、第2切替弁82が第4接続状態であり、注湯弁26が開状態であり、かつ、給水制御弁86が閉状態である状態では、図4に示すように水が流れる。具体的には、給水源200から、給水路204、第1熱源機202、及び、出湯路206を経由して、注湯路20に水が到達する。そして、注湯路20に到達した水は、第1戻り水路22、及び、第3戻り水路60を経由して、連通水路66に到達する。連通水路66に到達した水は、第4戻り水路62に向かう流れと第3往き水路70に向かう流れに分岐する。第4戻り水路62に流れる水は、第4戻り水路62を経由して、浴槽130に到達する。また、第3往き水路70に流れる水は、第3往き水路70を経由して、浴槽130に到達する。以下では、図4の風呂システム2の状態を、「足し湯状態」と記載することがある。また、以下では、図4の状態における第1戻り水路22、第3戻り水路60、連通水路66、第4戻り水路62、及び、第3往き水路70を総称して、「接続水路」と記載することがある。
【0026】
また、第1切替弁80が第3接続状態であり、第2切替弁82が第5接続状態であり、注湯弁26が閉状態であり、かつ、給水制御弁86が閉状態である状態において、循環ポンプ30が駆動されると、図5に示すように水が流れる。具体的には、浴槽130から、第4戻り水路62、連通水路66、第3戻り水路60、第1戻り水路22、及び、第2戻り水路23を経由して、第2熱源機12に水が到達する。そして、第2熱源機12を通過した水は、第1往き水路24、第2往き水路68、及び、第3往き水路70を経由して、浴槽130に到達する。以下では、図5の風呂システム2の状態を、「追い焚き状態」又は「排水状態」と記載することがある。以下では、図5の状態で水が流れる各水路62、66、60、22、23、24、68、70を総称して、「第2循環水路」と記載することがある。
【0027】
空気導入路100の上流端側は、大気に開放されており、空気導入路100の下流端は、タンク52に接続されている。空気導入路100は、タンク52に空気を導入する。空気導入路100には、空気制御弁102と、逆止弁(図示省略)と、が設けられている。空気制御弁102が駆動され、かつ、循環ポンプ30が駆動されると、タンク52に空気が導入される。
【0028】
(制御装置150の構成)
制御装置150は、熱源ユニット10、微細気泡発生ユニット50の各構成要素の動作を制御する。制御装置150は、ユーザによって操作可能なリモコン(図示省略)と通信可能に構成されている。制御装置150は、メモリ152を備える。メモリ152には、後述する運転処理(図7参照)で利用される各情報(例えば、湯はり運転、及び、足し湯運転の終了時刻)が記憶されている。制御装置150は、ユーザによるリモコンへの操作に応じて、湯はり運転、足し湯運転、追い焚き運転、排水運転、微細気泡供給運転等を実行することができる。また、ユーザは、リモコンを操作することで、湯はり設定温度、湯はり水量、足し湯設定温度、足し湯水量、追い焚き設定温度等を設定することができる。
【0029】
(循環接続具132の構成;図6図7
続いて、図6図7を参照して、浴槽130の壁部130aに接続される循環接続具132について説明する。図6図7は、循環接続具132の断面を模式的に表した図である。図6図7の矢印は、水の流れを示している。図6(a)は、風呂システム2が給水状態(即ち、図1の状態)である場合の水の流れを示し、図6(b)は、風呂システム2が空気導入状態(即ち、図2の状態)である場合の水の流れを示す。また、図7(a)は、風呂システム2が湯はり状態(即ち、図3の状態)及び足し湯状態(即ち、図4の状態)である場合の水の流れを示し、図7(b)は、風呂システム2が追い焚き状態及び排水状態(即ち、図5の状態)である場合の水の流れを示す。なお、以下では、図6図7の上下方向を上下方向と呼び、図6図7の左右方向を前後方向と呼ぶ。
【0030】
図6図7に示すように、循環接続具132は、上部水路136と、下部水路138と、を備える。上部水路136は、第4戻り水路62と連通しており、下部水路138は、第3往き水路70と連通している。上部水路136は、第1吐出路136aと、第1吸込路136bと、に分岐される。第1吐出路136aは、循環接続具132の前面132aに設けられる第1吐出口134aと連通している。第1吐出口134aから吐出される水は、浴槽130の壁部130aの前方、即ち、壁部130aに垂直な方向に吐出される。なお、第1吐出口134aから吐出される水の多くは、壁部130aに垂直な方向に吐出されるが、一部の水は、壁部130aに傾斜している方向、及び、壁部130aに平行な方向に吐出される(図6(a)、図7(a)参照)。即ち、第1吐出口134aから吐出される水の量は、壁部130aに対する垂直成分の水の量が、壁部130aに対する平行成分の水の量よりも多い。なお、変形例では、第1吐出口134aから吐出される水の量のうち、壁部130aに対する垂直成分の水の量が壁部130aに対する平行成分の水の量よりも多ければ、壁部130aに垂直な方向に対して傾斜している方向に吐出される水の量が、壁部130aに垂直な方向に吐出される水の量よりも多くてもよい。第1吐出路136aには、前方側から後方側への水の流れを防止する逆止部140aと、微細気泡吐出ノズル142と、が設けられている。逆止部140aは、微細気泡吐出ノズル142よりも前方に設けられている。微細気泡吐出ノズル142は、微細気泡吐出ノズル142を通過する水を減圧させる。第1吸込路136bは、循環接続具132の前面132aに設けられる第1吸込口134bと連通している。第1吸込路136bには、後方側から前方側への水の流れを防止する逆止部140bが設けられている。
【0031】
下部水路138は、第2吐出路138aと、第2吸込路138bと、に分岐される。第2吸込路138bは、循環接続具132の前面132aに設けられる第2吸込口134cと連通している。第2吸込路138bには、後方側から前方側への水の流れを防止する逆止部140cが設けられている。第2吐出路138aは、循環接続具132の下面132bに設けられる第2吐出口134dと連通している。第2吐出口134dから吐出される水は、下方、即ち、壁部130aに平行な方向に吐出される。なお、第2吐出口134dから吐出される水の多くは、壁部130aに平行な方向に吐出されるが、一部の水は、壁部130aに傾斜している方向、及び、壁部130aに垂直な方向に吐出される(図6(b)、図7(a)、図7(b)参照)。即ち、第2吐出口134dから吐出される水の量は、壁部130aに対する平行成分の水の量が、壁部130aに対する垂直成分の水の量よりも多い。なお、変形例では、第2吐出口134dから吐出される水の量のうち、壁部130aに対する平行成分の水の量が壁部130aに対する垂直成分の水の量よりも多ければ、壁部130aに平行な方向に対して傾斜している方向に吐出される水の量が、壁部130aに平行な方向に吐出される水の量よりも多くてもよい。第2吐出路138aには、下方側から上方側への水の流れを防止する逆止部140dが設けられている。なお、第2吐出口134dは、循環接続具132の前面132a以外の側面(例えば、左側面、右側面等)に設けられていればよい。一般的に言うと、第2吐出口134dは、第2吐出口134dが吐出される多くの水が、壁部130aに平行な方向に吐出されるように設けられていればよい。
【0032】
(風呂システム2の動作)
続いて、風呂システム2の動作について説明する。以下では、風呂システム2が実施する湯はり運転、足し湯運転、追い焚き運転、排水運転、及び、微細気泡供給運転について順に説明する。湯はり運転、足し湯運転、追い焚き運転、及び、排水運転、及び、微細気泡供給運転が開始される時点において、第1切替弁80、第2切替弁82は、それぞれ、第3接続状態、第5接続状態である(図5参照)。また、循環ポンプ30、加圧ポンプ88の駆動は停止されており、注湯弁26、給水制御弁86、空気制御弁102は閉状態である。
【0033】
(湯はり運転)
湯はり運転は、給水源200から供給される水を湯はり設定温度に加熱して、湯はり水量(例えば200リットル)の水を浴槽130に供給する運転である。一般的に、湯はり運転は、浴槽130に水が溜まっていない状態、即ち、入浴前に実行される運転である。ユーザによって湯はり運転の実行を指示するための操作がリモコンに実行されると、湯はり運転が開始される。湯はり運転が開始されると、制御装置150は、注湯弁26及び給水制御弁86を閉状態から開状態に切替え、第1切替弁80を第3接続状態から第1接続状態に切替え、第2切替弁82を第5接続状態から第4接続状態に切替えるとともに、第1熱源機202による加熱を開始する。これにより、図3に示すように、第1熱源機202によって湯はり設定温度に加熱された水が、出湯路206から注湯路20に流れ込む。注湯路20に流れ込んだ水のうち第1戻り水路22側に流れる水は、第1注湯水路(水路22、60、66、70)、及び、循環接続具132を経由して、浴槽130に到達する。また、注湯路20に流れ込んだ水のうち第2戻り水路23側に流れる水は、第2注湯水路(水路23、24、68、74、64、62)、及び、循環接続具132を経由して、浴槽130に到達する。制御装置150は、浴槽130に供給された水の積算流量が湯はり水量に達すると、湯はり運転を終了する。制御装置150は、注湯弁26及び給水制御弁86を開状態から閉状態に切替え、第1切替弁80を第1接続状態から第3接続状態に切替え、第2切替弁82を第4接続状態から第5接続状態に切替え、第1熱源機202の駆動を停止させる。また、制御装置150は、湯はり運転の終了時刻をメモリ152に記憶する。上述のように、湯はり運転において、第1熱源機202で加熱された水がタンク52に供給されるが、タンク52内に空気が存在しないため、空気溶解加圧水は生成されない。
【0034】
(足し湯運転)
足し湯運転は、給水源200から供給される水を足し湯設定温度に加熱して、足し湯水量(例えば20リットル)の水を浴槽130に供給する運転である。一般的に、足し湯運転は、浴槽130に水が溜まっている状態、即ち、入浴中に実行される運転である。ユーザによって足し湯運転の実行を指示するための操作がリモコンに実行されると、足し湯運転が開始される。制御装置150は、足し湯運転が開始されると、注湯弁26を閉状態から開状態に切替え、第1切替弁80を第3接続状態に維持し、第2切替弁82を第5接続状態から第4接続状態に切替えるとともに、第1熱源機202による加熱を開始する。これにより、図4に示すように、第1熱源機202によって加熱された水が、出湯路206から注湯路20に流れ込む。注湯路20に流れ込んだ水は、接続水路(水路22、60、66、62、70)、及び、循環接続具132を経由して、浴槽130に到達する。制御装置150は、浴槽130に供給された水の積算流量が足し湯水量に達すると、足し湯運転を終了する。足し湯水量は、湯はり水量よりも小さい。制御装置150は、注湯弁26を開状態から閉状態に切替え、第1切替弁80を第3接続状態に維持し、第2切替弁82を第4接続状態から第5接続状態に切替え、第1熱源機202の駆動を停止させる。
【0035】
(追い焚き運転)
追い焚き運転は、第1切替弁80が第3接続状態であり、かつ、第2切替弁82が第5接続状態である場合(図5の状態)において、浴槽水を、第2熱源機12によって加熱する運転である。ユーザによって追い焚き運転の実行を指示するための操作がリモコンに実行されると、追い焚き運転が開始される。制御装置150は、循環ポンプ30及び第2熱源機12を駆動させる。これにより、図5に示すように、浴槽水が、第2循環水路(水路62、66、60、22、23、24、68、70)を循環する。具体的には、浴槽水が、循環接続具132、第4戻り水路62、連通水路66、第3戻り水路60、第1戻り水路22、及び、第2戻り水路23を経由して、第2熱源機12に供給される。そして、第2熱源機12によって加熱された水は、第1往き水路24、第2往き水路68、第3往き水路70、循環接続具132を経由して、浴槽130に供給される。制御装置150は、浴槽130内の温度が追い焚き設定温度に達するか、又は、追い焚き運転時間が経過すると、第2熱源機12及び循環ポンプ30の駆動を停止させる。これによって、追い焚き運転は終了する。
【0036】
(微細気泡供給運転処理;図8
続いて、図8を参照して、風呂システム2の制御装置150によって実行される微細気泡供給運転処理について説明する。制御装置150は、微細気泡供給運転処理において、準備運転である排水運転、及び、微細気泡供給運転を実行する。微細気泡供給運転は、後述する空気導入運転(S30~S34)及び給水運転(S40~S44)で構成される。制御装置150は、ユーザによって微細気泡供給運転の実行を実行するための操作がリモコンに実行されると、リモコンから運転実行指示を取得し、図8の処理を開始する。
【0037】
S10において、制御装置150は、湯はり運転の終了時刻から現在時刻までの時間である待機時間が第1所定時間よりも長いのか否かを判断する。制御装置150は、待機時間が第1所定時間よりも長い場合に、S10でYESと判断し、処理はS12に進む。一方、制御装置150は、待機時間が第1所定時間以下である場合に、S10でNOと判断し、処理はS30に進む。
【0038】
S20において、制御装置150は、循環ポンプ30を駆動させ、排水運転を開始する。これにより、図5に示すように、浴槽水が、第2循環水路(水路62、66、60、22、23、24、68、70)を循環する。具体的には、浴槽水が、循環接続具132、第4戻り水路62、連通水路66、第3戻り水路60、第1戻り水路22、第2戻り水路23、第2熱源機12、第1往き水路24、第2往き水路68、第3往き水路70、及び、循環接続具132を経由して、浴槽130に供給される。これにより、浴槽130内の高温の水が第2循環水路に流入するとともに、第2循環水路内の低温水が、循環接続具132の下面132bの第2吐出口134dから浴槽130に排水される。なお、変形例では、制御装置150は、S20において、循環ポンプ30を駆動させるとともに、第2熱源機12を駆動させてもよい。
【0039】
S22において、制御装置150は、排水運転を開始してからの時間である排水運転時間が第2所定時間を経過することを監視する。制御装置150は、排水運転時間が第2所定時間よりも長くなる場合に、S22でYESと判断し、処理はS24に進む。
【0040】
S24において、制御装置150は、循環ポンプ30の駆動を停止させ、排水運転を終了する。S24が終了すると、処理はS30に進む。
【0041】
S30において、制御装置150は、空気導入運転を開始する。制御装置150は、空気制御弁102を閉状態から開状態に切替え、第1切替弁80を第3接続状態から第2接続状態に切替え、第2切替弁82を第5接続状態に維持し、給水制御弁86を閉状態に維持する。これにより、風呂システム2が空気導入状態(図2参照)になる。次いで、制御装置150は、循環ポンプ30を駆動させる。これによって、図2に示すように、タンク52から水が吸い出されるとともに、空気導入路100を経由してタンク52に空気が導入される。タンク52から吸い出された水は、噴出水路64、連通水路66、第3戻り水路60、第1戻り水路22、第2戻り水路23、第2熱源機12、第1往き水路24、第2往き水路68、第3往き水路70、及び、循環接続具132を経由して、浴槽130に排出される。
【0042】
S32において、制御装置150は、タンク52の水位が下限水位よりも低くなることを監視する。制御装置150は、タンク52の水位が下限水位よりも低くなる場合に、S32でYESと判断し、処理はS34に進む。
【0043】
S34において、制御装置150は、空気制御弁102を閉状態に切替え、空気導入運転を終了する。
【0044】
S40において、制御装置150は、給水運転を開始する。制御装置150は、第1切替弁80を第2接続状態から第1接続状態に切替え、第2切替弁82を第5接続状態から第4接続状態に切替え、給水制御弁86を開状態に切替える。これにより、風呂システム2が給水状態(図1参照)になる。次いで、制御装置150は、加圧ポンプ88を駆動させる。これにより、図1に示すように、浴槽水が、第1循環水路(水路70、66、60、22、23、24、68、74、64、62)を循環する。具体的には、浴槽水が、循環接続具132、第3往き水路70、連通水路66、第3戻り水路60、第1戻り水路22、第2戻り水路23、第2熱源機12、第1往き水路24、第2往き水路68、及び、水供給水路74を経由して、タンク52に供給される。この際に、水供給水路74からタンク52には、加圧ポンプ88で加圧された水が供給される。タンク52の内部において、水に空気が加圧溶解され、空気溶解加圧水が生成される。そして、空気溶解加圧水は、タンク52から、噴出水路64、第4戻り水路62、循環接続具132を経由して、浴槽130に供給される。空気溶解加圧水は、循環接続具132内の微細気泡吐出ノズル142を通過する際に、大気圧以下まで減圧され、浴槽130に噴出される際に、大気圧まで増圧される。これによって、浴槽130の水に微細気泡が発生する。
【0045】
S42において、制御装置150は、タンク52の水位が上限水位以上になることを監視する。制御装置150は、タンク52の水位が上限水位以上になる場合に、S42でYESと判断し、処理はS44に進む。
【0046】
S44において、制御装置150は、給水制御弁86を閉状態に切替え、循環ポンプ30、及び、加圧ポンプ88を停止させ、給水運転を終了する。
【0047】
S50において、制御装置150は、サイクル数を1増加させる。サイクル数は、空気導入運転及び給水運転の実行回数である。
【0048】
S52において、制御装置150は、現在のサイクル数が所定回数(例えば、5回)に達したのか否かを判断する。制御装置150は、サイクル数が所定回数に達した場合に、S52でYESと判断して、図8の処理を終了する。一方、制御装置150は、サイクル数が所定回数に到達していない場合に、S52でNOと判断して、処理はS30に戻る。なお、制御装置150は、S52を経た後のS30において、第2切替弁82を第4接続状態から第5接続状態に切替える。
【0049】
上述のように、湯はり運転において、第1熱源機202によって湯はり設定温度に加熱された水が、第1循環水路、及び、タンク52を経由して、浴槽130に供給される。このため、湯はり運転が終了した時点において、第1循環水路、及び、タンク52には、湯はり設定温度に加熱された水が貯留される。この場合、その後に、微細気泡供給運転が実行される時点において、第1循環水路内の水の温度、及び、タンク52内の水の温度が、比較的に高い温度である可能性を高めることができる。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、浴槽130に供給された水が入浴者に直撃しても、入浴者に不快感を与えることを抑制することができ、入浴者の快適性を向上させることができる。
【0050】
また、湯はり運転は、浴槽130に水が溜まっていない状態、即ち、入浴前に実行される運転である。このため、湯はり運転が開始される時点において、第1循環路、及び、タンク52に低温水が滞留しており、湯はり運転が実行されることによって、第1循環水路、及び、タンク52に滞留していた低温水が第1吐出口134aから浴槽130に吐出されても、低温水が入浴者に直撃しない。一方、足し湯運転は、湯はり運転の後に実行される運転であり、かつ、入浴中に実行される可能性が高い運転である。湯はり運転が実行された後に長時間が経過すると、第1循環水路内の水の温度が、浴槽130内の水の温度よりも低い温度になることがある。このため、足し湯運転において、第1熱源機202によって加熱された水を、タンク52を経由して、浴槽130に供給する構成の場合、第1循環水路、及び、タンク52に滞留していた低温水が第1吐出口134aから浴槽130に吐出され、低温水が入浴者に直撃し得る。上記の構成によると、制御装置150は、湯はり運転を実行する際には、第1熱源機202によって加熱された水を、タンク52を経由して、浴槽130に供給する(図3参照)が、足し湯運転を実行する際には、第1熱源機202によって加熱された水を、タンク52を経由することなく、浴槽130に供給する(図4参照)。このため、低温水が入浴者に直撃して、入浴者に不快感を与えることなく、第1循環水路内の水を高温の水に置換することができる。
【0051】
また、第1循環水路内の水の温度が、浴槽130内の水の温度よりも低い温度になっている状況において、微細気泡供給運転が実行されると、第1循環水路内の比較的に温度の低い水が第1吐出口134aから浴槽130内に吐出され、低温水が入浴者に直撃し得る。上記の構成によると、制御装置150は、湯はり運転が終了してから第1所定時間が経過した後に、運転実行指示が取得される場合(図8のS10でYES)、排水運転を実行した後(S20~S24)に、微細気泡供給運転を実行する(S30~S44)。排水運転では、第2吐出口134dが設置されている壁部130aに対して平行な方向に多くの低温水が排水されるため、低温水は入浴者に直撃し難い。そして、排水運転において、第2循環水路内の低温水が浴槽水に置換されるため、第1循環水路と第2循環水路とで共用される水路の水は浴槽水に置換される。従って、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口134aを経由して、浴槽130内に吐出されることを抑制することができる。また、制御装置150は、湯はり運転が実行されてから第1所定時間が経過する前に、運転実行指示が取得される場合(S10NO)、排水運転を実行することなく、微細気泡供給運転を実行する。湯はり運転が終了してから第1所定時間が経過してない場合、第1循環水路内の水の温度は、比較的に高い温度に維持されている。このため、排水運転が実行されることなく、微細気泡供給運転が実行され、第1循環水路内の水が入浴者に直撃しても、入浴者に不快感を与えない。この場合、排水運転が実行される場合と比較して、運転実行指示が受信されてから微細気泡供給運転が開始されるまでの時間を短縮することができる。従って、入浴者の快適性を向上させることができる。
【0052】
(対応関係)
第1熱源機202が、「加熱装置」の一例である。空気が、「気体」の一例である。給水路204、出湯路206、及び、注湯路20が、「注水路」の一例である。第3往き水路70、連通水路66、第3戻り水路60、第1戻り水路22、第2戻り水路23、第1往き水路24、第2往き水路68、及び、第4戻り水路62が、「第1循環水路及び第2循環水路で共用される水路」の一例である。第1所定時間が、「判定時間」の一例である。
【0053】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0054】
(第1変形例)上記の実施例では、湯はり運転において、第1注湯水路、及び、第2注湯水路を経由して、浴槽130に高温の水が供給される。変形例では、湯はり運転、及び、足し湯運転が実行される場合に、第1注湯水路、及び、第2注湯水路を経由して、浴槽130に高温の水が供給されるように構成されていてもよい。また、別の変形例では、足し湯運転が実行される場合にのみ、第1注湯水路、及び、第2注湯水路を経由して、浴槽130に高温の水が供給されるように構成されていてもよい。
【0055】
(第2変形例)風呂システム2は、浴槽130内の水位を検出する水位センサを備えていてもよい。本変形例では、制御装置150は、湯はり運転において、浴槽130内の水位が所定水位となる場合に、浴槽130に供給された水量が湯はり水量に達したと判断し、湯はり運転を終了してもよい。
【0056】
(第3変形例)図8のS10を省略可能である。即ち、制御装置150は、リモコンから運転実行指示を取得する場合に、排水運転を必ず実行してもよい。
【0057】
(第4変形例)風呂システム2が、第1循環水路内の水の温度、又は、タンク52内の水の温度を検知するための温度検知部を備えていてもよい。本変形例では、制御装置150は、図8のS10において、温度検知部によって検知される温度が所定温度以下である場合に、S20~S24の処理を実行する。
【0058】
(第5変形例)制御装置150は、図8の微細気泡供給運転処理において、S24の後に、第1切替弁80を第3接続状態から第2接続状態に切替え、第2切替弁82を第5接続状態から第4接続状態に切替え、給水制御弁86を閉状態から開状態に切替えるとともに、循環ポンプ30を駆動させてもよい。この場合、噴出水路64、連通水路66、第3戻り水路60、第1戻り水路22、第2戻り水路23、第1往き水路24、第2往き水路68、及び、水供給水路74を水が循環する。これにより、水供給水路74、タンク52、及び、噴出水路64に滞留している低温水が、排水運転において浴槽水に置換された第2循環水路内の水と混合して、水供給水路74、タンク52、及び、噴出水路64内の水の温度が上昇する。そして、制御装置150は、循環ポンプ30を駆動させてからの時間が第3所定時間を経過する場合に、循環ポンプ30の駆動を停止させ、給水制御弁86を開状態から閉状態に切替える。このような構成によると、微細気泡供給運転の開始直後に、低温水が、第1吐出口134aを経由して、浴槽130内に吐出されることをさらに抑制することができる。
【0059】
(第6変形例)上記の実施例では、タンク52に空気が導入されている。変形例では、空気に代えて、炭酸ガス、水素、酸素等の気体がタンク52に導入されてもよい。この場合、気体が充填されているタンクを空気導入路100の上流端に配設するとよい。
【0060】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0061】
2 :風呂システム
10 :熱源ユニット
12 :第2熱源機
20 :注湯路
22 :第1戻り水路
23 :第2戻り水路
24 :第1往き水路
26 :注湯弁
30 :循環ポンプ
32 :水流スイッチ
50 :微細気泡発生ユニット
52 :タンク
52a :低水位電極
52b :高水位電極
60 :第3戻り水路
62 :第4戻り水路
64 :噴出水路
66 :連通水路
68 :第2往き水路
70 :第3往き水路
74 :水供給水路
80 :第1切替弁
82 :第2切替弁
84 :逆止弁
86 :給水制御弁
88 :加圧ポンプ
100 :空気導入路
102 :空気制御弁
130 :浴槽
130a :壁部
132 :循環接続具
132a :前面
132b :下面
134a :第1吐出口
134b :第1吸込口
134c :第2吸込口
134d :第2吐出口
136 :上部水路
136a :第1吐出路
136b :第1吸込路
138 :下部水路
138a :第2吐出路
138b :第2吸込路
140a~140d:逆止部
142 :微細気泡吐出ノズル
150 :制御装置
152 :メモリ
200 :給水源
202 :第1熱源機
204 :給水路
206 :出湯路
250 :出湯箇所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8