(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】温度制御された環境用のウェアラブルタグリーダー
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240418BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G06K7/10 256
G06K7/10 224
H01Q1/22 Z
(21)【出願番号】P 2020541939
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 AU2019050066
(87)【国際公開番号】W WO2019148239
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-27
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】318012573
【氏名又は名称】ブルーチップ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ターナー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・マクレラン
(72)【発明者】
【氏名】イアン・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー・ブレイン
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-233737(JP,A)
【文献】特開2007-233738(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0097195(US,A1)
【文献】特開2010-257185(JP,A)
【文献】特開2018-124807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0044112(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0048205(US,A1)
【文献】小山 恭平,ウェアラブルRFIDリーダ『TECCO』による現場改善,映像情報インダストリアル ,日本,産業開発機構(株),2016年01月01日,第48巻 第1号,pp.27-32
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-200℃から0℃の範囲の低温環境下において、ワイアレスにデータを読み取るウェアラブル装置であって、前記ウェアラブル装置は、利用者の上肢に着用されるように構成され、前記ウェアラブル装置は、
アンテナと、
前記アンテナを起動し、低温環境下に配置される機械読み取り可能タグからワイアレスにデータを読み取るように構成された電気回路と、
前記アンテナ及び前記電気回路のハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、前記利用者の前記上肢に着用されるように形成され、
前記ハウジングは、前記低温環境下で、前記アンテナ及び/又は前記電気回路への熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小限にする、ウェアラブル装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、
アンテナハウジング部と、電気回路ハウジング部との少なくともいずれかを含み、
前記アンテナハウジング部は、前記アンテナを収納し、前記利用者の手に着用されるように形成され、
前記電気回路ハウジング部は、前記電気回路を収納し、前記利用者の手、手首又は腕に着用されるように形成される
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項3】
前記ウェアラブル装置は、
グローブに備え付けられるように構成され、又は、
グローブである、
請求項1又は2に記載のウェアラブル装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、
前記低温環境下で、熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小限にするため、前記アンテナ及び前記電気回路の一方又は両方を前記低温環境から隔離する保護層と、
前記低温環境下で、熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小限にするため、前記アンテナ及び前記電気回路の一方又は両方から液体を導いてウェアラブル装置の外部に排出するための1又は複数の管と、
前記低温環境下で、前記ウェアラブル装置の可視性のために、表面での液体の収集を防止する疎水性コーティングと、
の少なくともいずれか1を含む
請求項1乃至3のいずれか1に記載のウェアラブル装置。
【請求項5】
前記電気回路は、前記機械読み取り可能タグの共振の変化を検出することにより、ワイアレスでデータを読み取るように構成され、
前記機械読み取り可能タグは、識別子をエンコードする複数の共振要素を含み、
前記電気回路は、
前記共振要素を振動させてワイアレスで識別子の読み取る前記アンテナを介して、前記機械読み取り可能タグへの励起信号を加えることが可能に構成され、及び/又は、
前記機械読み取り可能タグと関連付けられる磁界の検出により、自動的に前記アンテナを駆動するように構成される
請求項1乃至4のいずれか1に記載のウェアラブル装置。
【請求項6】
前記低温環境下において可視性のため、前記機械読み取り可能タグまたは前記ウェアラブル装置に向けた指向性の照明を提供するように構成され、前記アンテナの近傍に配置される1又は複数の照明器をさらに含む
請求項1乃至5のいずれか1に記載のウェアラブル装置。
【請求項7】
前記低温環境下において、前記アンテナは、前記機械読み取り可能タグの近傍に配置するために、前記ウェアラブル装置から延長可能又は取り外し可能であって、及び/又は、
前記低温環境下において、前記機械読み取り可能タグの近傍に配置され、前記ウェアラブル装置から延長可能又は取り外し可能な第2アンテナをさらに含む
請求項1乃至6のいずれか1に記載のウェアラブル装置。
【請求項8】
機械読み取り可能タグと関連付けられるコンテナを配置するために、利用者によって操作可能な1又は複数のツールを有する結合部をさらに備える
請求項1乃至7のいずれか1に記載のウェアラブル装置。
【請求項9】
ウェアラブル装置は、機械読み取り可能タグと関連付けられるバイアルを受け取るバイアルリーダーをさらに備え、
前記バイアルリーダーは、機械読み取り可能タグからワイアレスでデータを読み取るための電気回路によって駆動するように動作可能なアンテナを備える
請求項8に記載のウェアラブル装置。
【請求項10】
前記機械読み取り可能タグと関連付けられるコンテナの温度を計測する1または複数の温度センサーと、
1又は複数の温度センサーからの温度計測値の受信と、前記コンテナに保管される温度に繊細なアイテムの生存能力の監視、及び、前記温度に繊細なアイテムの前記生存能力の利用者へのフィードバックの提供と、の少なくともいずれかを処理するように構成される処理装置と、
をさらに備える
請求項1乃至7のいずれか1に記載のウェアラブル装置。
【請求項11】
遠隔コンピュータ装置と通信する処理装置さらに備え、
前記処理装置は、前記機械読み取り可能タグの位置情報を前記遠隔コンピュータ装置から受信し、前記低温環境下において、前記機械読み取り可能タグの位置決めのため、前記利用者に前記位置情報を出力するように構成される
請求項1乃至10のいずれか1に記載のウェアラブル装置。
【請求項12】
ウェアラブル装置の位置情報を提供するロケーション装置をさらに備え、
前記処理装置は、さらに、ウェアラブル装置の前記位置情報を受信し、前記低温環境下において、前記機械読み取り可能タグの位置決めのため、前記利用者に指示を出力するように構成される
請求項11に記載のウェアラブル装置。
【請求項13】
前記ウェアラブル装置に識別子を提供する識別装置をさらに備え、
前記識別子は、データベースを利用して前記ウェアラブル装置の前記識別子を確認し、前記確認に基づいて前記低温環境下への前記利用者のアクセスを許可するため、前記遠隔コンピュータ装置により読み取り可能である、
請求項11又は12のいずれか1に記載のウェアラブル装置。
【請求項14】
低温環境下において、ワイアレスでデータを読み取るシステムであって、
-200℃から0℃の範囲の前記低温環境下で、ワイアレスでデータを読み取るウェアラブル装置と、
アンテナと、
前記アンテナを起動し、低温環境下に配置される機械読み取り可能タグからワイヤレスにデータを読み取るように構成された電気回路と、
前記アンテナ及び前記電気回路のハウジングと、
前記ウェアラブル装置と通信する遠隔コンピュータ装置とを含み、
前記ハウジングは、利用者の上肢に着用されるように形成され、
前記ハウジングは、前記低温環境下で、前記アンテナ及び/又は前記電気回路への熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小限にし、
前記遠隔コンピュータ装置は、前記低温環境下で前記機械読み取り可能タグからワイアレスで読み取られたデータを受信するように構成される、システム。
【請求項15】
前記ウェアラブル装置は、機械読み取り可能タグと関連付けられるコンテナの温度を計測する1又は複数の温度センサーをさらに備え、
前記遠隔コンピュータ装置は、さらに、
前記1又は複数の温度センサーからの温度計測値の受信、
前記コンテナに保管される温度に繊細なアイテムの生存能力の監視、及び
前記温度に繊細なアイテムの生存能力のフィードバックの前記ウェアラブル装置へのフィードバックの送信
のうち1又は複数に適合する
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記遠隔コンピュータ装置は、さらに、前記低温環境下での前記機械読み取り可能タグの位置決めのため、前記機械読み取り可能タグの位置情報を、前記ウェアラブル装置に送信するように構成される
請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ウェアラブル装置は、前記ウェアラブル装置の位置情報を提供するロケーション装置をさらに備え、
前記遠隔コンピュータ装置は、さらに、前記ウェアラブル装置の
位置情報を受信し、前記低温環境下において、前記ウェアラブル装置の前記位置を追跡するように構成される
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ウェアラブル装置は、前記ウェアラブル装置の識別子を提供する識別装置をさらに備え、
前記遠隔コンピュータ装置は、さらに、前記ウェアラブル装置の
識別子を読み取り、データベースを用いて、前記ウェアラブル装置の識別子を確認し、前記低温環境下への利用者のアクセスを許可する
請求項14乃至17のいずれか1に記載のシステム。
【請求項19】
-200℃から0℃の範囲の低温環境下において、ワイアレスでデータを読み取る方法であって、
前記低温環境下において、ワイアレスでデータ読み取るウェアラブル装置を提供するステップと、
前記低温環境下で、電気回路を利用して、機械読み取り可能タグからワイアレスでデータを読み取るステップと、
を含み、
前記ウェアラブル装置は、アンテナと、前記アンテナを起動し、低温環境下で前記機械読み取り可能タグからワイアレスでデータを読み取るように構成される電気回路と、前記アンテナ及び前記電気回路のハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、
利用者の上肢に着用されるように形成され、
前記ハウジングは、前記低温環境下で、前記アンテナ及び/又は前記電気回路への熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小限にする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度管理された環境下で機械読み取り可能タグからワイアレスでデータを読み取るウェアラブル装置、システム及びこれらウェアラブル装置を用いる方法に関する。機械読み取り可能タグは、温度制御された環境内の識別及び/又は位置が要求される温度に繊細なアイテムと関連付けられていてもよい。本発明は、具体的に、しかし、排他的ではなく、低温度又は極低温環下で、機械読み取り可能タグからのデータの読み取りをワイアレスで可能とするウェアラブル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例を挙げると、赤血球、血漿、バクテリア株、ウィルス株、胚、ガメート、抽出されたDNA等の所定の生体サンプルは、非常に低温で長期間保存を継続することが要求される。これらのサンプルは、通常は、少なくとも-60℃~-200℃より低い温度に保つことが要求される。これを達成するため、サンプルは、通常、バイアル、カセット、ボックスまたは同様の容器に入れられ、-60℃~-150℃の機械的な冷凍室又はドライアイス、又は、-150℃以下の液体窒素を含む極低温タンクに入れられる。これらの温度での保管は、サンプルの完全性を確保し、これにより、解凍した際の細胞の生存の可能性を最大化することができる。
【0003】
同様に、例えば、生鮮食品、食品、生もの、薬剤、薬品、化合物等の他の温度に繊細なアイテムは、低温で保管する必要がある。例えば、冷凍食品の代表的な基準は、-18℃より低い温度で保管し、扱う必要がある。製品を要求される温度に保つことができなかった場合、それらの品質を悪化させ、食べられない状態又は使用できない状態とし、金銭的価値や重要な製品の損失という結果にとなる。
【0004】
上述のアイテムを消費または処理する各業界において、アイテムを追跡し、保管、処理及び輸送を含むサプライチェーンの様々なステージで品質制御のためにアイテムが適切な温度で保管されていることを判定することは重要である。保管されたアイテムの追跡は、大抵、保管庫からアイテムを取り出し、手書き又はプリントされたラベル又はバーコードの読み取りによって生じる。この方法には、記載面積の不足、拡張情報の余地のほとんどない、保管ユニットに保持される何千のアイテムから特定のアイテムを探すのが困難、等の多数の問題が生じる。加えて、低温貯蔵内でのアイテムへの着霜は、別の問題である。着霜は、しばしば、保管ユニットの冷気と混ざる保管ユニットのアクセスドア及びハッチを介した高湿度の空気の侵入により生じる。着霜の形成は、一般に産業で利用する紙のラベル又は段ボール箱の劣化を生じさせ、人や光学スキャナーによるラベルやバーコードの読み取りが正常に行なわれないことがある。
【0005】
ある産業では、流通システムにおいて、製品を追跡するために無線自動識別(RFID)タグ等の機械読み取り可能タグを用いることがある。RFIDタグは、RFIDタグがRFIDリーダーに近接されると、無線で読み取ることができる。無線読み取りRFIDタグは、タグ付けされた製品の情報を速やかに取得させ、正確に処理させることができる。ある産業では、常温環境の流通システムにおいて製品の追跡に手持ちのRFIDリーダーが用いられる。利用者の手は通常、手持ちのRFIDリーダーの保持し及び操作する必要があるため、利用者は、RFIDタグを読み取る間、製品又は製品が入れられたコンテナを持つことは出来ない。これに対し、RFIDリーダーは、常温環境下の利用者に、ウェアラブルな衣類又は衣服に組み込まれ、商品タグをより容易に読み取ることができるようになった。しかしながら、このようなウェアラブル又は手持ちのRFIDリーダーは、使用に適しておらず、また、低温又は極低温貯蔵設備等の、温度制御される環境下で動作することができない。
【0006】
したがって、特に、低温又は極低温貯蔵設備等の温度制御される環境下でRFIDタグ等の機械読み取り可能タグを無線読み取り可能なウェアラブルデバイスが望まれ、従来技術の1又は複数の問題及び/又は不都合を改善及び/又は克服することとなる。
【0007】
特許文書で参照される又は他の識別される先行技術は、その文書又は他の事項が既知又はそれが含む情報が、請求項の優先日の時点での一般的な既知であったとして解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一の態様によれば、温度制御された環境下でデータをワイアレスに読み取るウェアラブル装置を提供する。ウェアラブル装置は、利用者の上肢に着用することができる。ウェアラブル装置は、アンテナ及び、アンテナを駆動し、温度制御された環境下で、機械読み取り可能タグからデータをワイアレスに読み取ることができる電気回路を含む。
【0009】
好ましくは、ウェアラブル装置は、さらに、温度が-200℃~-0℃の範囲に制御された環境に適用する。これにより、ウェアラブル装置は、低温又は極低温保管環境下において利用可能となることが望まれる。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置は、さらに、アンテナ及び電気回路のハウジングを含み、ハウジングは、利用者の上肢に着用するように形成される。ウェアラブル装置は、グローブに組み込むように構成されてもよい。代替え的には、ウェアラブル装置は、グローブであってもよい。
【0011】
ハウジングは、アンテナを覆うアンテナハウジング部を含むことができる。アンテナハウジング部は、利用者の手に着用される形状であってもよい。好ましくは、アンテナハウジング部は、親指又は他の指に、より好ましくは、利用者の親指又は他の指の指先に、着用されるような形状に形成される。ハウジングは、また、電気回路を覆う電気回路ハウジング部を含むことができる。好ましくは、電気回路ハウジング部は、利用者の、手、手首又は腕に着用されるような形状に形成される。
【0012】
ハウジングは、温度制御された環境下で、熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小限にするため、アンテナ及び電気回路の一方又は両方を温度制御される環境から隔離する保護層を含むことができる。ハウジングは、また、温度制御された環境下で熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小限にするため、アンテナ及び電気回路の一方又は両方から液体を導いてウェアラブル装置の外部に排出するための1又は複数の管を含むことができる。ハウジングはまた、温度制御された環境下におけるウェアラブル装置の可視性のために、表面での液体の収集を防止するため、疎水性コーティングを含んでいてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、電気回路は、機械読み取り可能タグの共振の変化を検出し、データをワイアレスで読み取るように適用される。機械読み取り可能タグは、識別子をエンコードする複数の共振要素を含むことができる。電気回路は、共振要素を振動させてワイアレスで識別子を読み取るアンテナを介して機械読み取り可能タグへの励起信号を加えることが可能に構成されてもよい。電気回路は、機械読み取り可能タグと関連付けられる磁界の検出により自動的にアンテナを駆動するように構成されてもよい。好ましくは、機械読み取り可能タグは、MEMS(マイクロマシンシステム)構造を含む。
【0014】
ウェアラブル装置は、さらに、温度制御された環境下での可視性のために、機械読み取り可能タグ又はウェアラブル装置に向けた指向性の照明を提供するよう構成されていてもよい。ウェアラブル装置は、指向性の照明を与えるための1又は複数の照明器を含むことができる。好ましくは、1又は複数の照明器は、機械読み取り可能タグの読み取りの間に指向性の照明をアンテナの近傍に配置される。
【0015】
アンテナは、温度制御された環境下において機械読み取り可能タグの近傍に位置させるため、延長可能又は装置から取り外し可能であってもよい。ウェアラブル装置は、さらに、温度制御された環境下において機械読み取り可能タグの近傍に位置させるため、延長可能又はウェアラブル装置から取り外し可能なから第2アンテナを含んでいてもよい。第2アンテナは、利用者に保持されるように、棒状に形成されて収容されてもよい。
【0016】
ウェアラブル装置は、さらに、機械読み取り可能タグと関連付けられるコンテナをアンテナ近傍に配置するために、利用者によって操作可能な1又は複数のツールを有する結合部を備えてもよい。
【0017】
ウェアラブル装置は、さらに、機械読み取り可能タグと関連付けられるバイアルを受信するためのバイアルリーダーを含んでもよい。バイアルリーダーは、機械読み取り可能タグからワイアレスでデータを読み取るための電気回路によって駆動するように動作可能なアンテナを含んでよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置は、さらに、機械読み取り可能タグと関連付けられるコンテナの温度を計測する1又は複数の温度センサーを含む。ウェアラブル装置は、1又は複数の温度センサーからの温度の計測結果の受信、コンテナに保管される温度に繊細なアイテムの生存能力の監視、及び、温度に繊細なアイテムの生存能力の利用者へのフィードバックの提供、のうち一以上に適用する処理装置を含むことができる。
【0019】
ウェアラブル装置は、さらに、電気回路と通信する処理装置を含むことができる。処理装置は、電気回路によってワイアレスで読み取られたデータのフィードバックを利用者に提供するように構成することができる。フィードバックは、受信したデータが、機械読み取り可能タグの読み取りに十分であるか否か及び機械読み取り可能タグの識別子の一方又は両方を含むことができる。
【0020】
ウェアラブル装置は、さらに、遠隔コンピュータ装置と通信する処理装置を含むことができる。処理装置は、機械読み取り可能タグの位置情報を遠隔コンピュータ装置から受信し、温度制御される環境下で機械読み取り可能タグの位置決めをするために、利用者に位置情報を出力するように構成することができる。ウェアラブル装置は、さらに、ウェアラブル装置の位置情報を提供するためのロケーション装置を備えることができる。処理装置は、さらに、ウェアラブル装置の位置情報を受信し、温度制御される環境下で機械読み取り可能タグの位置決めをするために利用者に指示を出力するように構成されることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置は、さらに、ウェアラブル装置の識別子を提供する識別装置を含むことができる。識別子は、データベースを利用してウェアラブル装置の識別子を確認し、確認に基づいて温度制御された環境下への利用者のアクセスを許可するために、遠隔コンピュータ装置によって読み取り可能にしてもよい。
【0022】
本発明の他の態様によれば、温度制御された環境下において、ワイアレスでデータを読み取るためのシステムを提供する。システムは、ウェアラブル装置と、遠隔コンピュータ装置とを含む。ウェアラブル装置は、温度制御された環境下において、ワイアレスでデータを読み取る。ウェアラブル装置は、利用者の上肢に着用するように構成される。ウェアラブル装置は、アンテナと、アンテナを起動し、温度制御された環境下で機械読み取り可能タグからワイアレスにデータを読み取るように構成される電気回路を含む。遠隔コンピュータ装置は、ウェアラブル装置と通信可能である。遠隔コンピュータ装置は、温度制御された環境下で機械読み取り可能タグからワイアレスで読み取られたデータを受信するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置は、さらに、機械読取可能タグと関連付けられるコンテナの温度を計測する1又は複数の温度センサーを備え、遠隔コンピュータ装置は、さらに、1又は複数の温度センサーからの温度計測値の受信、コンテナに保管される温度に繊細なアイテムの生存能力の監視、温度に繊細なアイテムの生存能力のフィードバックのウェアラブル装置への送信のうち1又は複数に適合する。
【0024】
遠隔コンピュータ装置は、さらに、温度制御された環境下での機械読取可能タグの位置決めのため、機械読取可能タグの位置情報をウァエアラブル装置に送信するように構成されてもよい。ウェアラブル装置は、さらに、ウェアラブル装置の位置情報を提供するロケーション装置を含んでもよい。遠隔コンピュータ装置は、さらに、ウェアラブル装置から位置情報を受信し、温度制御された環境下でウェアラブル装置の位置を追跡するように構成されてもよい。
【0025】
ウェアラブル装置は、さらに、ウェアラブル装置の識別子を提供する識別装置を含んでよい。また、遠隔コンピュータシステムは、さらに、ウェアラブル装置の識別子を読み取り、データベースを用いてウェアラブル装置の識別子を照合し、温度制御された環境に利用者がアクセスすることを許可するように構成されてもよい。
【0026】
遠隔コンピュータ装置は、さらに、ウェアラブル装置から受信したデータを用いて在庫記録を更新するように構成されてもよい。
【0027】
本発明の他の態様は、温度制御された環境下で、ワイアレスでデータを読み取る方法である。その方法は、温度制御された環境下でウェアラブル装置にワイアレスでデータを提供するステップと、温度制御された環境下で、電気回路を利用して機械読取可能タグから、ワイアレスでデータを読み取るステップを含む。ウェアラブル装置は、利用者の上肢に着用可能に構成される。ウェアラブル装置は、アンテナと、アンテナを起動し、温度制御された環境下で機械読み取り式のタグからワイアレスにデータを読み取る用に構成される電気回路を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、ワイアレスでデータを読み取るステップは、電気回路を利用し、機械読取可能タグの共振変化を検出するステップを含む。機械読取可能タグは、識別子をエンコードする複数の共振要素を含むことができ、共振変化を検出するステップは、共振要素を振動させる電気回路を用いて、アンテナを介し、励起信号を機械読み取り可能タグに加えるステップと、電機回路を用いて、識別子をワイアレスに読み取るステップとを含む。方法は、さらに、電機回路を用いて、機械読み取り可能タグと関連付けられる磁界を検出するステップと、検出された磁界に基づいてアンテナを自動的に起動するステップとを含む。
【0029】
方法は、さらに、温度制御された環境下での可視性のため、機械読み取り可能タグ又はウェアラブル装置に指向性の照明を提供するステップを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、方法は、さらに、ウェアラブル装置からアンテナを延長又は取り外すステップと、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグの近傍にアンテナを配置するステップとを含む。ウェアラブル装置は、さらに、第2アンテナを備え、方法は、ウェアラブル装置から第2アンテナを延長又は取り外すステップと、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグの近傍に第2アンテナを配置するステップとを含む。
【0031】
ウェアラブル装置は、さらに、1又は複数のツールを有する結合部を備えることができ、方法は、さらに、1又は複数のツールを用いて機械読み取り可能タグと関連付けられるコンテナをアンテナの近傍に配置するステップを含んでもよい。
【0032】
ウェアラブル装置は、さらに、電気回路によって動作可能に駆動されるアンテナを有するバイアルリーダーを備えることができ、方法は、さらに、バイアルリーダーにおいて機械読み取り可能タグと関連付けられるバイアルを受け取るステップと、温度制御された環境下で電気回路を用いて、機械読み取り可能タグからワイアレスでデータを読み取るステップとを含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置は、さらに、機械読み取り可能タグと関連付けられるコンテナの温度を計測する1又は複数の温度センサーを備え、方法は、1又は複数の温度センサーを用いて、コンテナの温度を計測するステップをさらに含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置は、さらに、処理装置を備え、方法は、さらに、処理装置を用いて、1又は複数の温度センサーから温度計測値を受信するステップ、処理装置を用いて、コンテナに保管される温度に繊細なアイテムの生存能力を監視するステップ、及び、処理装置を用いて、温度に繊細なアイテムの生存能力のフィードバックを利用者へ提供するステップのうちの1又は複数のステップを含む。
【0035】
方法は、さらに、ウェアラブル装置と通信する遠隔コンピュータ装置を用いて、1又は複数の温度センサーから温度計測値を受信するステップと、遠隔コンピュータ装置を用いて、コンテナで保管される温度に繊細なアイテムの生存能力を監視するステップと、遠隔コンピュータ装置を用いて、温度に繊細なアイテムの生存能力のフィードバックを利用者のウェアラブル装置へ送信するステップとを含んでもよい。
【0036】
ウェアラブル装置は、さらに、電気回路と通信する処理装置を備えてよく、方法は、さらに、処理装置を用いて、電気回路によってワイアレスで読み込まれたデータのフィードバックを提供するステップを含んでもよい。フィードバックは、受信したデータが機械読み取り可能タグの読み込みに十分であるか否か及び機械読み取り可能タグの識別子の一方又は両方を含んでよい。
【0037】
ウェアラブル装置は、さらに、遠隔コンピュータ装置と通信する処理装置を備えてよく、方法は、さらに、処理装置を用いて、遠隔コンピュータ装置から機械読み取り可能タグの位置情報を受信するステップ、及び、処理装置を用いて、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグを位置決めするため、利用者へ位置情報を出力するステップを含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置は、さらに、ウェアラブル装置の位置情報を提供するロケーション装置を備え、方法は、さらに、処理装置を用いて、ロケーション装置からウェアラブル装置の位置情報を受信するステップと、処理装置を用いて、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグの位置決めのために、利用者に指示を出力するステップとを含む。
【0039】
ウェアラブル装置は、さらに、ウェアラブル装置の位置情報を提供するロケーション装置を含んでもよく、方法は、さらに、ウェアラブル装置と通信する遠隔コンピュータ装置を用いて、ロケーション装置からウェアラブル装置の位置情報を受信するステップと、遠隔コンピュータ装置を用いて、温度制御された環境下のウェアラブル装置の位置を監視するステップと、を含んでもよい。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置は、さらに、ウェアラブル装置の識別子を提供する識別装置を含み、方法は、さらに、ウェアラブル装置と通信する遠隔コンピュータ装置を用いて、ウェアラブル装置の識別子を読み取るステップと、遠隔コンピュータ装置を用いて、データベースを用利用してウェアラブル装置の識別子を照合するステップと、遠隔コンピュータ装置を用いて、確認に基づき、温度制御される環境への利用者のアクセスを許可するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る、温度制御された環境下でワイアレスにデータを読み取るウェアラブル装置の模式図であり、アンテナ及び電気回路を示す。
【
図2】
図2は、本発明の他の実施形態に係る、リストバンド及び指先アンテナを示す
図1に示したウェアラブル装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、グローブに組み込まれる
図2のウェアラブルデバイスの斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の他の実施形態に係る、
図1に示すウェアラブルデバイスが指先アンテナと共に取り付けられた斜視図であり、グローブに取り付けられたウェアラブル装置を示す。
【
図5】
図5Aは、本発明の他の実施形態形に係る、
図1に示すウェアラブル装置の上面からの平面図であり、手首及び指を覆うハウジング及び親指指先アンテナを示し、
図5Bは、
図5Aに示すウェアラブル装置がグローブに組み込まれた下側からの平面図である。
【
図6】
図6Aは、本発明の他の実施形態に係る、
図1に示すウェアラブル装置の上面からの平面図であり、手首、2本の指を覆うハウジング及び親指指先アンテナを示し、
図6Bは、
図6Aに示すウェアラブル装置がグローブに組み込まれた下側からの平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の他の実施形態に係る、グローブ及びディスプレイ装置を示し、
図1のウェアラブル装置の斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の他の実施形態に係る、保護層及び流体排出のための導管を示し、
図7のウェアラブル装置の、グローブのx方向のライン8-8’を通る断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の他の実施形態に係る、親指指先アンテナを示し、
図7のウェアラブル装置の斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の他の実施形態に係る、タグ照明及び装置照明を示し、
図7のウェアラブル装置の斜視図である。
【
図11】
図11Aは、本発明の他の実施形態に係る、タンクの持ち手に取り付けられる機械読み取り可能タグを、
図7のウェアラブル装置で読み取る斜視図であり、
図11Bは、タンクの持ち手の拡大図である。
【
図12】
図12Aは、本発明の他の実施形態に係る、タワーの持ち手に取り付けられた機械読み取り可能タグを、図のウェアラブル装置で読み取る斜視図であり、
図12Bは、タンクの持ち手の拡大図である。
【
図13】
図13Aは、本発明の他の実施形態に係るタワーに収納されるコンテナの機械読み取り可能タグを
図7のウェアラブル装置で読み取る斜視図であり、
図13Bは、コンテナの拡大図である。
【
図14】
図14Aは、他の実施形態に係る、コンテナの機械読み取り可能タグを
図7のウェアラブル装置のアンテナを有する棒で読み取る斜視図であり、
図14Bは、結合部に収納される棒を示す。
【
図15】
図15は、他の実施形態に係る、バイアルの機械読み取り可能タグを
図7のウェアラブル装置で読み取る斜視図である。
【
図16】
図16は、他の実施形態に係る、視覚、聴及び感覚のフィードバックを用い、コンテナの機械読み取り可能タグを
図7のウェアラブル装置で読み取る斜視図である。
【
図17】
図17Aは、他の実施形態に係る、グローブであって、指先アンテナを有する
図1のウェアラブル装置の斜視図であり、
図17Bは、コンテナの機械読み取り可能タグをフィードバックのための表示灯を備える
図17Aのウェアラブル装置で読み取る斜視図である。
【
図18】
図18A-Cは、本発明の実施形態に係る、視覚のフィードバックを用い、コンテナの機械読み取り可能タグを読み取る、
図7のウェアラブル装置の上面からの平面図である。
【
図19】
図19A-Bは、本発明の実施形態に係る、水平方向(
図19A)及び垂直方向(
図19B)のディスプレイスクリーンを有する
図7のウェアラブル装置の平面図であって、機械読み取り可能タグの識別を示す。
【
図20】
図20A-Eは、本発明の実施形態に係る、
図1のウェアラブル装置の上面からの斜視図であり、電気回路要素ハウジング及びディスプレイ装置の配列を示し、
図20Aは、1又は複数のツールの結合部を示し、
図20Aは、ディスプレイ装置を除いた状態を示す。
【
図21】
図21は、本発明の他の実施形態に係る、
図7に示すウェアラブル装置のバイアルリーダー及びディスプレイ装置の斜視図である。
【
図22】
図22は、本発明の他の実施形態に係る、
図1のウェアラブル装置のグローブに取り付けられた指先アンテナ、バイアルリーダー、ディスプレイ装置及び光学装置を示す側面図である。
【
図23】
図23は、
図1乃至22のウェアラブル装置及び
図11乃至18に示す機械読み取り可能タグの構成要素及び電気回路の模式図である。
【
図24】
図24は、
図23の機械読み取り可能タグのチップと対となるアンテナの模式図である。
【
図25】
図25は、
図24の機械読み取り可能タグの一部を構成する実施形態の共振要素の等角図を示す。
【
図27】
図27は、他の実施形態に係る、
図1乃至23に示したウェアラブル装置の構成要素及び電気回路の模式図である。
【
図28】
図28は、他の実施形態に係る、
図1乃至23に示したウェアラブル装置の構成要素及び電気回路の詳細な模式図である。
【
図29】
図29は、本発明の実施形態に係る温度制御された環境下において、ワイアレスでデータを読み取るシステムの模式図であり、機械読み取り可能タグ、ウェアラブル装置及び遠隔コンピュータ装置を示す。
【
図30】
図30は、本発明の実施形態に係る
図29のシステムの模式図であり、ウェアラブル装置が、ネットワーク装置を介してサーバ又はワークステーションと通信すされる状態を示す。
【
図31】
図31は、本発明の実施形態に係る温度制御された環境下において、ワイアレスでデータを読み取る方法のステップのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
次に、本発明を、類似の特徴が類似の数値によって表される添付図面を参照して、詳細に説明する。示される実施形態は例であり、添付された請求項で定義される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでないことを理解されるべきである。
【0043】
本発明の実施形態は、縮尺通りでなく、単に本発明の説明を助けることを意図した図面を参照し、本明細書で説明される。
【0044】
本発明の装置、システム及び方法は、低温又は極低温保管設備等の温度制御がされた環境下において、RFIDタグ等の機械読み取り可能タグの読み取りをワイアレスで実現する際に有用ある。温度制御された環境は、-200℃~0℃の温度を含むことができる。機械読み取り可能タグは、温度に繊細なアイテムを格納するコンテナと関連付けられていてもよい。温度に繊細なアイテムは、赤血球、血漿、バクテリア株、ウィルス株、ガメート及び胚などの生体サンプルと、生鮮食品、食品、生もの、薬剤、薬品及び化合物等の製品と、他の低温、超低温(-80℃未満)又は極低温保管が要求される温度に繊細なアイテムを含むことができる。本発明の装置、システム及び方法は、したがって、流通システム全体に渡って温度に繊細なアイテムを保管するコンテナの識別子及び追跡と共に使用することができる。
【0045】
図1は、温度制御された環境下においてワイアレスでデータを読み取る好ましい実施形態に係るウェアラブル装置100の模式図である。ウェアラブル装置100は、利用者400の上肢410に装着されるように構成される。ウェアラブル装置100は、アンテナ102及びアンテナ102を起動し、温度制御された環境下で、機械読み取り可能タグ200からワイアレスでデータを読み取るように構成される電気回路104を含む。
【0046】
図2及び3は、リストバンド120及び指先アンテナハウジング108を有する実施形態に係るウェアラブル装置100の斜視図である。
図3に示すように、ウェアラブル装置100は、グローブ300上に着用されてもよく、好ましくは、グローブ300に取り付けられてもよい。理想的には、利用者400が着用するグローブ300は、利用者400の上肢410を保護するため、温度制御された環境下で高温または低温の極端な温度に耐えるために適している(
図5及び6参照)。グローブ300は、-200℃~0℃の温度に耐えるのに適した実験用又は低温用グローブであってよい。図示しないが、ウェアラブル装置100は、常温で使用する場合において、グローブ300無しで利用者400の上肢410に直接着用されてもよい。ウェアラブル装置100は、左又は右手用グローブ300の上で、利用者400の左又は右の手に着用するように構成されてもよい。好ましくは、ウェアラブル装置100は、個人用保護具(PPE:personal protective equipment)としての使用を可能にするような方法で、グローブ300の上から着用され、又は、グローブ300に組み込まれる。さらに、ウェアラブル装置100は、個人用保護具の使用が必要とされるような温度制御された環境下において、自由な動き及び器用さを提供するために、望ましくは、柔軟な接続を含むことができる。
【0047】
ウェアラブル装置100は、利用者400の上肢410に着用されるように成形され、アンテナ102及び電気回路104のためのハウジング106を含むことができる(
図5及び6参照)。
図1乃至3は、ハウジング106がアンテナ102を覆い、利用者400の手に着用されるように成形されるアンテナハウジング部108を示す。好ましくは、アンテナハウジング部108は、グローブ300の指302の上で利用者400の指に着用されるように成形される。アンテナハウジング部108は、
図3に示すように、グローブ300の指先304上にのみ伸びるように成形されてもよい。アンテナハウジング部108は、弾性部材を含むことができる固定具116により指先304上に固定されてもよい。他の実施形態では、アンテナハウジング部108は、全ての指302に伸びるように形成されてもよく、人差し指とは異なる指に配置される形状、又は、
図2及び3のグローブ300の親指306又は親指指先308の上等の、利用者400の親指又は親指指先の周りに着用するように形成されてもよい。
【0048】
アンテナハウジング部108は、また、
図2に示すように、アンテナ102を覆うリーダーヘッド118を含んでもよい。リーダーヘッド118は、
図30の詳細な概略図に示すように、ウェアラブル装置100の第1リーダーを形成してもよい。
図3に示されていないが、リーダーヘッド118は、アンテナ信号線によって示されるように、指先304でグローブ300の下側320に配置されてもよい(
図5B参照)。リーダーヘッド118とグローブの指先304との位置合わせは、利用者400が読み取りのため、機械読み取り可能タグ200に向かって指差ししたり、手を伸ばしたりすることができるため、ウェアラブル装置100の直感的制御を可能とする。これは、有利なことに、コンテナ600を保持する等の別のタスクを実行するために、フリーアーム412を利用者400に提供する間に、利用者400に、一の腕410でウェアラブル装置100を用いて機械読み取り可能タグ200を読み取ることを可能にする(
図13A参照)。
【0049】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置100は、利用者400の手、手首又は腕に着用するように形成され、電気回路104を覆う電気回路ハウジング部110を含む。これらの実施形態では、電気回路104は、アンテナ102と別々に覆われるが、当業者は、電気回路104がアンテナ102とともにアンテナハウジング部108に覆われてもよいことを容易に理解するであろう。
図2及び3に示すように、電気回路ハウジング部110は、バックル及びクリップ部材によって利用者の手首に装着されるリストバンド120を含んでもよい。代替え的に、リストバンド120は、当業者に認識される、べクトロ(登録商標)ストラップ(Velcro strap)、フック及びループの配置、又は、弾性部材、又は他の手段によって取り付けてもよい。
図3に示すように、リストバンド120は、グローブ300の手首部分312の周囲に取り付けられるが、バックル及びクリップ部材はグローブ300の上面330からは見ることができない。電気回路ハウジング部110は、リストバンド120及びディスプレイ装置122上の滑面を含むように形成されてもよい。滑面は、温度制御された環境下の外部物体による感染又は衝突の可能性を減少させることで、ウェアラブル装置100の物理的損傷を最小化することができる。
【0050】
図1乃至3は、また、ウェアラブル装置100は、アンテナ102及び電気回路104を接続するためのコネクタ112を覆うコネクタハウジング部114を含み得ることを示す。コネクタハウジング部114は、アンテナハウジング部108及び電気回路ハウジング部110と接続されてもよい。したがって、コネクタハウジング部114は、
図3に示すように、使用中の動きを減少するため、グローブ300のループに通す等により、グローブ300に貼られていてもよい。コネクタハウジング部114は、利用者400がコネクタ112を引っ張ることなく、グローブ300をつけて手を握りしめ、かつ、広げることができるように、柔軟性を保つことが好ましい。
【0051】
電気回路104に加えて、電気回路ハウジング部110は、また、
図2及び3に示すように、ディスプレイスクリーン124を有するディスプレイ装置122を収容してもよい。ディスプレイスクリーン124は、
図3に示すように、利用者400による見やすさのために、グローブ300の上面330で見ることができる。ディスプレイ装置122は、機械読み取り可能タグ200から電気回路によってワイアレスで読み取ったデータのフィードバックを利用者400に表示するように構成されてもよい。フィードバックは、読み取られたデータが機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分であるか否か及び機械読み取り可能タグ200の識別子230を含んでよい。識別子230は、機械読み取り可能タグ200と関連付けられるコンテナ600又はコンテナ600に格納される温度に繊細なアイテムに関する情報を提供することができる(
図11参照)。例えば、識別子230は、
図2及び3のディスプレイスクリーン124に示すように、温度、番号及び名前を含むことができる。好ましくは、識別子230は、コンテナ600に格納される生体サンプル等の温度に繊細なアイテムに関する情報を含むことができる。ディスプレイ装置122は、実施形態に含まれるが、ウェアラブル装置100は、ディスプレイ装置122及び/又はフィードバック手段を除いても良い。
【0052】
図4は、電気回路ハウジング部110がグローブ300の上で利用者400の周りに着用されるように形成されるウェアラブル装置100の他の実施形態を示す。電気回路ハウジング部110は、特にグローブ300の手のひら部310の周囲に着用されるように形成される。加えて、電気回路ハウジング部110は、ディスプレイスクリーン124がグローブ300の上面330の電気回路ハウジング部110の大部分を占めるディスプレイ装置122を含んでもよい。このより大きなディスプレイスクリーン124は、温度制御された環境下で、利用者400にとって可視性に有用である。電気回路ハウジング部110は、また、
図4に示すように、ウェアラブル装置100のオンオフを切り替える押下ボタン126を含んでもよい。
【0053】
図5及び6は、アンテナ102及び電気回路104用の一のハウジング106を有するウェアラブル装置100の実施形態を示す。
図5Aは、利用者400の手首及び親指に着用されるように構成され、親指指先リーダーヘッド118を有し、グローブ300の上面330からみたウェアラブル装置100のハウジング106を示す。
図5Bは、
図5Aのウェアラブル装置100を示し、手首部分312、手のひら部310の一部、及び、グローブ300の親指306上に組み込み、グローブ300の下側320からの図である。
図6A-Bは、同一実施形態のハウジング106を示すが、追加的にグローブ300の人差し指及び中指302に伸びる手のひら部310に着用されるように構成される。
【0054】
図7~21は、ウェアラブル装置100であるグローブ500を着用せず、
図2~6に示したグローブ300に付着させる又は改良する本発明の実施形態を示す。
図7~21の実施形態は、当業者に認識されるように、
図2~6のウェアラブル装置100に組み込んでもよいことが容易に理解できるであろう。好ましくは、ウェアラブル装置100の構成要素は、グローブ500と一体で形成される。グローブ500は、
図7に示すように、利用者400の手及び腕410の一部に着用されるように成形される。グローブ300と同様に、グローブ500は、利用者400の上肢410を保護するため、温度制御された環境下で、高温又は低温の極端な温度に耐えるために適していることが好ましい。例えば、グローブ500は、低温又は極低温で使用するように、-200℃~0℃の温度に耐えるような材料及び接合部で構成されることができる。
【0055】
グローブ500と一体のウェアラブル装置100は、左又は右手用グローブ500の上で、利用者400に左または右野手に着用されるように構成されてもよい。好ましくは、グローブ500は、個人用保護具(PPE)として使用するために利用者の手にフィットするサイズである。さらに、グローブ500と一体のウェアラブル装置100は、個人用保護具の使用が必要とされるような温度制御された環境下において、自由な動き及び器用さを提供するために、望ましくは柔軟な接続を含むことができる。グローブ500は、利用者400が個人用保護具を着用している場合の利用者のグローブ500との相互作用のため、ボタン、ディスプレイ装置122及びツール136等の大きな構成要素を含むことができる。
【0056】
図7に示すように、ウェアラブル装置100のアンテナ102は、リーダーヘッド118に収納されていてもよく、グローブ500の親指506の親指指先508に位置していてもよい。リーダーヘッド118は、好ましくは、アンテナ信号線で示されるようにグローブ500の下側520に位置する(
図9及び10参照)。コネクタハウジング114は、アンテナ102及び電気回路104を接続するコネクタ112を収納し、
図7及び8において破線で示すように、グローブ500の内部に位置されることが好ましい。コネクタハウジング114は、温度制御された環境内の、フレキシブルハウジング部114の外部物体による干渉又は感染等のウェアラブル装置100の物理的損傷を最小化するため、グローブ500の内部に配置されてもよい。加えて、電気回路ハウジング部110は、グローブ500の上面530を部分的に露出したようにすることで、前で詳しく説明したように、利用者400にディスプレイ装置122及び/又は種々の入出力装置にアクセスしやすくする(
図9及び10参照)。
【0057】
図8は、
図7のウェアラブル装置100のライン8-8’に沿った、xで示される方向のグローブ500の断面図を示す。
図8に示すように、グローブ500は、ウェアラブル装置100のアンテナ、電気回路、及び/又はコネクタのハウジング部108、110及び114を収納するハウジング512を含むことができる。電気回路ハウジング部110は、ディスプレイ画面124を有するディスプレイ装置122の可視性等のため、利用者400によって利用可能にするため、部分的にグローブハウジング512の外側面514から突出してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置100のハウジング106,512は、温度制御された環境下で、ウェアラブル装置100の熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小限にするように構成されてもよい。ウェアラブル装置100は、極度の高温又は低温に晒される可能性があり、その結果、電気部品に熱衝撃をもたらす可能性がある。例えば、ウェアラブル装置100を着用する利用者400は、常温環境から温度制御される環境に入り、また出ることで、ウェアラブル装置100の温度の急激な上昇または減少が生じ、これにより、電気部品に損傷をもたらす可能性がある。さらに、温度制御された環境下の極端な温度が原因で、ウェアラブル装置100は、液体に晒される可能性があり、高温での蒸気又は凝縮物、又は、低温での溶けた氷及び液体等が、電気部品に損傷をもたらす可能性がある。
【0059】
高温と戦うため、
図2~6の実施形態のウェアラブル装置100のハウジング106は、アンテナ102及び電気回路104の一方又は両方を温度制御された環境から分離する保護層を含んでもよい(図示せず)。保護層は、は、アンテナ102及び電気回路104の一方または両方の周りを囲み、温度制御された環境下で極端な温度から分離し、及び/又は、液体と区分するウェアラブル装置100の熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小化することができる。保護層は、例えば、防水及び/又は耐熱材料を含んでもよい。
図2~6に示すように、ウェアラブル装置100のハウジング106は、また、アンテナ102及び電気回路104の一方又は両方から液体を導いてウェアラブル装置100の外部に液体を排出するための1又は複数の導管を備えてもよい(図示せず)。蒸気、凝縮物、溶けた氷及び液体等の液体がウェアラブル装置100のハウジング106に侵入した場合、導管は、液体を電機部品から遠ざけ、温度制御された環境下でウェアラブル装置100の熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方を最小限にするように形成及び配置される。
【0060】
図8を参照すると、
図7~21の実施形態に係るウェアラブル装置100のグローブハウジング512は、グローブハウジング512の内側面516の間に配置された保護層524を含んでもよい。保護層524は、グローブハウジング512に収納されるウェアラブル装置100の構成要素を温度制御された環境からの分離を可能とする。保護層524は、ウェアラブル装置100への熱衝撃及び流体損傷からのバリアを提供することができる。例えば、液体は、利用者400によるグローブ500の着用前、着用後、又は、着用中、グローブハウジング512の内側面516の間でグローブ500内に入ることができる。保護層524は、さらに、ウェアラブル装置100の構成要素を、グローブ500への液体の流入による熱衝撃及びグローブ500への液体の流入による流体損傷から防護する。保護層524は、例えば、防水及び/又は耐熱素材を含んでもよい。
【0061】
有利に、グローブ500は、アンテナ102及び電気回路104の一方又は両方から液体を導いてウェアラブル装置100の外部への排出するための1又は複数の導管522を提供してもよい。好ましくは、
図8に示すように、複数の導管522が提供される。導管522は、理想的には、グローブハウジング512の内側面516の間に配置される。導管522は、上述したように、利用者400によるグローブの500着用前、着用後、又は、着用中、グローブ500に侵入した液体を排水するように構成されていてもよい。導管522は、排水のためにグローブハウジング512の外側面514に液体を導く導水管を含んでいてもよい(図示せず)。導管522により提供されるグローブ500の排水システムは、好ましくは、ウェアラブル装置100の熱衝撃及び流体損傷を最小化するため、ウェアラブル装置100の構成要素と区別され、かつ、分離される。
【0062】
ハウジング106又は512は、温度制御された環境下における可視性のために、表面での液体の収集を防止するため、疎水性コーティングを含んでもよい。液体収集は、低温環境下で液体が凍ることによる霜、又は、高温環境下で凝縮が生じることによる蒸気を生じさせることがある。これにより、ディスプレイ装置122が、部分的に、又は、完全に利用者の視覚から見えなくなることがある。疎水性コーティング130は、
図8に示すように、ディスプレイ装置122にも含まれることができ、温度制御された環境下において、有利に利用者400にディスプレイ装置122の可視性を保つことができる。疎水性コーティング130は、当業者に認識される、液体の収集、特に水の収集を防止するため、種々の物質を含むことができる。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、
図8に示すように、グローブ500は、また、少なくとも利用者400の上肢410の一部を受けかつ上肢410に保ち、グローブのハウジング512と独立で、導管522及び保護層524を含む取り外し可能なインサート518を含むことができる。取り外し可能なインサート518は、グローブハウジング512で覆われるウェアラブル装置100の構成要素に追加の保護を提供することができる。取り外し可能なインサート518は、グローブ500のハウジング512への液体の侵入を防ぐため、防水であってよく、かつ通気性のない素材を含むことができる。理想的には、取り外し可能なインサート518は、指502及び親指506を含むグローブ500の全長を通って伸びる(図示せず)。取り外し可能なインサート518は、洗濯、かつ、再利用が可能であってもよい。いくつかの実施形態では、インサート518は、永久かつ、グローブ500から取り外し不可能である。
【0064】
さらに、ウェアラブル装置100は、温度制御された環境下において、ウェアラブル装置100の構成要素の物理的損傷を最小化するために、ハウジング106、512を含んでいてもよい。例えば、ウェアラブル装置100は、温度制御された環境下において、外部の物体との干渉を低減するため、滑面を含むことができる。これは、温度制御された環境下における、ウェアラブル装置100の部品の感染及び、それらの部品の欠け又は損傷の可能性を最小化することができる。例えば、
図2乃至8に示す実施形態のように、ハウジング106,512は、外部の物体との干渉又は感染を低減するため、滑面を含むことができる。
【0065】
ウェアラブル装置100は、また、温度制御された環境下において、外力に耐えるように構成されてもよい。ハウジング106,512を有するウェアラブル装置100は、ハウジング部108,110及び114及び/又はそこに収容された電気部品、を損傷し得る力に抵抗する材料で構成されてもよい。当業者は、ハウジング106のロバスト性の提供に適合した種々の材料を認識することができるであろう。ハウジング106,512は、ウェアラブル装置100の物理的な損傷を最小限にするために、ハウジング106,512に対する電気部品の直接な接触を避ける保護構造で強化することができる(図示せず)。
【0066】
図9は、
図7及び8に図示されるようなグローブ500を有するウェアラブル装置100の斜視図であって、グローブ500の下側520で親指指先508に配置され、アンテナ102を収容するリーダーヘッド118を示す。リーダーヘッド118は、グローブハウジング512の外側面514の真下に位置するため、目視できない。いくつかの実施形態では、
図2に示す実施形態と同様に、リーダーヘッド118は、利用者400による視認性のため、グローブ500の外側面514から突出し、又は、グローブ500の外側面514にくぼみを形成してもよい。加えて/代替え的に、グローブ500の外側面514は、リーダーヘッド118の位置を示すために、標識又は符号を含んでもよい。これは、利用者400により、機械読み取り可能タグ200の読み取りを直感的に実現するために、望ましいことがある。いくつかの実施形態では、アンテナ102及びリーダーヘッド118は、代替え的に、グローブ500の親指506、指502、指先504又は手のひら510に配置することができる。
【0067】
図10は、
図7~9のグローブ500を有するウェアラブル装置100の他の実施形態を示す。ウェアラブル装置100は、さらに、温度制御された環境下での可視性のために、機械読み取り可能タグ200又はウェアラブル装置100に対して検出される光を供給するように構成してもよい。これは、温度制御された環境下で、霜、霧、及び/又は、濃縮物が原因で可視性が低減又は低くなり、又は、暗く又は光が少なくなるため、望ましい。ウェアラブル装置100は、直接光を供給する1又は複数の照明器180を含むことができる(
図28参照)。好ましくは、照明器180は、機械読み取り可能タグ200及びウェアラブル装置100は、機械読み取り可能タグ200により読み取られる間、照らされることができるように、アンテナ102又はリーダーヘッド118の近傍に配置される。
【0068】
図10に示すように、ウェアラブル装置100は、機械読み取り可能タグ200に対して光を供給するタグ照明器132、及び、ウェアラブル装置100に対して光を供給する装置照明器134を含んでよい。装置照明器134は、グローブ500の上面530にあり、またオプションとして、グローブ500の下側520のタグ照明器132の反対側にあるが、アンテナ102の近傍に配置されてもよい。タグ照明器132及び装置照明器134は、当業者に認識されるLED照明又は任意の種類の照明を含むことができる。タグ照明器132及び装置照明器134は、親指指先508に配置され示されるが、それらは、グローブ500のどこに位置してもよい。
【0069】
図11乃至15は、温度制御された環境下で、利用者400に利用される
図7~10に示すグローブ500を有するウェアラブル装置100の一例を示す。機械読み取り可能タグ200は、温度制御された環境下で、温度に繊細なアイテムを収納するコンテナ600と関連付けられてもよい。機械読み取り可能タグ200は、コンテナ600につけられ、貼られ、又は、一体形成されてもよい。
図11A-Bは、コンテナ600が、タンク602のハンドル604に機械読み取り可能タグ200が取り付けられた、極低温又は低温タンク等のタンク602であり得ることを図示する。利用者400は、
図11Aに示すように、アンテナ102を有するグローブ500の親指指先508でタンク602のハンドル604の機械読み取り可能タグ200に接触し、ワイアレスで機械読み取り可能タグ200を読み取ることができる。
【0070】
他の実施形態では、
図12A-Bは、コンテナ600は、複数のボックス610を収納するタワー606を含み得ることを図示する。ボックス610は、1又は複数のバイアル612を収納し、各バイアル612は、温度に繊細なアイテムを収納する(
図15参照)。複数のタワー606は、
図12Aに図示するように、タンク602内に収納されてもよい。各タワー606は、1又は複数の機械読み取り可能タグ200を含むことができる。利用者400は、
図12Aに示すように、アンテナ102を有するグローブ500の親指指先508で1のタワー606のハンドル608に備え付けられる機械読み取り可能タグ200に接触し、ワイアレスで機械読み取り可能タグ200を読み取ることができる。
【0071】
他の実施形態では、
図13Aに示すように、利用者400は、空いている腕412でタワー606のハンドル608をつかみ、タンク602からタワー606を取り出すことができる。好ましくは、空いている腕412は、タワー606を持ち上げ、かつ、移動に利用するため、利用者の利き腕であって、また、利き腕でない腕は、グローブ500を有するウェアラブル装置100の着用に利用される。これは、温度制御された環境下において、利用者400に、機械読み取り可能タグ200による読み取りのタスクをより早くかつ効率的に実行することを可能に有利にすることができる。これはまた、コンテナ600に収納される温度に繊細なアイテムが、タンク602又はタワー606等からの温度の上昇又は低下に晒される時間を最小化することとなり、アイテムの生存能力を向上することとなる。利用者400は、グローブ500を有するウェアラブル装置100を他方の腕410に着用することがある。
図13Aに示すように、利用者400は、アンテナ102を有するグローブ500の親指指先508を、タワー606に収納されるボックス610と関連付けられる1又は複数の機械読み取り可能タグ200に接触し、ワイアレスで機械読み取り可能タグ200を読み取ることができる。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置100は、さらに、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグ200への接続を促進するため、アンテナ102の位置を機械読み取り可能タグ200の近傍にしてもよい。アンテナ102は、機械読み取り可能タグ200の近くに配置するため、ウェアラブル装置100から延長可能、又は、取り外し可能であってもよい(図示せず)。アンテナ102は、
図2に示すように、アンテナハウジング部108からワイヤにより、延長可能なリーダーヘッド118に収納されてもよい。加えて/代替え的に、リーダーヘッド118及び/又はアンテナハウジング部108は、コネクタ112及び/又はコネクタハウジング114の柔軟性により、電気回路ハウジング部110から延長可能であってよい。
【0073】
図14A-Bは、ボックス610の機械読み取り可能タグ200に近づけるため、ケーブル182によってウェアラブル装置100から延長可能な第2アンテナを有する第2リーダー170を含むウェアラブル装置100の他の実施形態を示す(
図28参照)。第2リーダー170は、結合部138に収納され、結合部138から延長され、利用者400に棒として利用されてもよい。第2アンテナ140は、データがワイアレスで機械読み取り可能タグ200から読み取られるため、電気回路104により起動されてもよい。いくつかの実施形態では、第2リーダー170は、ケーブル182を除き、ワイアレスに機械読み取り可能タグからグローブ500にデータを送信してもよい。アンテナ102及び/又は第2アンテナ140は、望ましくは、小さいスペース及び/又は利用者400にとって危険な環境下で、利用者400が機械読み取り可能タグ200にアクセスするため、延長可能、又は、取り外し可能であることができる。例えば、利用者400は、利用者400が危険にさらされること無く液体窒素が充填されるタンク602に収納される機械読み取り可能タグ200にアクセスするため、アンテナ102及び/又は第2アンテナ140を利用してもよい。
【0074】
図14A-B及び20Aに示すように、ウェアラブル装置100は、第2リーダー又は棒170等の1又は複数のツール136を収納する結合部138を含んでもよい。結合部138は、グローブ500のハウジング512内に位置し、ツール136へのアクセスを提供するため、グローブの外側面514に開口186を含むことができる。結合部138は、滑面を提供するため、及び、温度制御された環境下で、外部の物体との干渉の可能性を低減するため、有利に、グローブハウジング512に埋め込まれてもよい。他の実施形態によれば、結合部138は、
図20Aに示すように、1又は複数のツール136かを受け取り、かつ、グローブ500の近傍に保持するため、スリーブを含むことができる。スリーブは、グローブ500にツール136を取り出し可能に収納する弾性材を有する開口を含むことができる。代替え的には、結合部138は、ツール136を取り外し可能に収納するクリップである1又は複数の固定器具を有するグローブ500上の取付部を含んでもよい。結合部138は、好ましくは、
図14A-B及び20Aに示すように、グローブ500の腕部526上でディスプレイ装置122の片側に位置する。他の実施形態では、結合部138は、アンテナ102による干渉を避けるため、腕部526のどこかに位置する。
【0075】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置100は、さらに、温度制御された環境下で機械読み取り可能タグ200へのアクセスを容易にするため、アンテナ102の近傍に機械読み取り可能タグ200を位置するように適合される。ウェアラブル装置100は、バイアル612等のタグ200と関連付けられるコンテナ600を、アンテナ102の近傍に配置するため、利用者400によって操作可能な1又は複数のツール136を含んでもよい。
図15は、コンテナ600が温度に繊細なアイテムを収納するバイアル612である他の実施形態を示す。バイアル612は、ベースの近傍に機械読み取り可能タグ200を含んでもよく、それは、バイアルに取り付けられ、又は、一体形成されてもよい。利用者400は、バイアル612の機械読み取り可能タグ200を読み取るため、アンテナ102を有するグローブ500の親指指先508の近傍に、又は、接触し、バイアル612を保持するためのツール136を利用してもよい。利用者400は、グローブ400を他方の腕410に着用している間、空いている腕412を利用して、ツール136を保持してもよい。ツール136は、
図15に示すように、バイアルを保持するためのピンセット、トング、又は、保持専用ツールを含むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置100は、さらに、電気回路104によるデータのワイアレスな読み取りについてフィードバックの提供に適合する。ウェアラブル装置100は、フィードバックを提供するために電気回路104と通信する処理装置148を含んでもよい(
図29及び30参照)。処理装置148は、利用者400に受信データが機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分であるか否か及び機械読み取り可能タグ200の識別子230の一方又は両方を含むフィードバックを提供するように適用されてもよい。ウェアラブル装置100は、また、視覚、聴覚、又は感覚によるフィードバックの1又は複数を利用者400に提供する出力装置152を含んでもよい。処理装置148及びウェアラブル装置100の電気部品について、以下により詳細に説明する。
【0077】
図16は、グローブ500を有するウェアラブル装置100を着用し、ボックス610上の機械読み取り可能タグ200をワイアレスに読み取りする利用者400の一例を示す。出力装置152は、利用者400に、視覚によるフィードバックを提供する1又は複数の表示灯142を含んでもよい。
図16に示すように、表示灯142は、グローブ500の親指506の親指指先508に位置してもよい。好ましくは、表示灯142は、リーダーヘッド118に位置する。表示灯142は、このような場所に位置するが、利用者400に視認されるように、グローブ500上のいずれに位置してもよい。アンテナ102は、また、親指指先508に収納され、リーダーヘッド118によって、グローブ500の下側520のボックス610に向けられてもよい(
図9及び10参照)。好ましくは、表示灯142は、機械読み取り可能タグ200の読み取りの際、利用者400の可視性のため、グローブ500の上面530に位置する。このように、1又は複数の表示灯142は、温度制御された環境下で視認のため、光を利用者400に向けるように配置してもよい。表示灯142は、当業者に認識されるLED照明又は任意の種類の適切な照明を含むことができる。受信するデータが、機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分でないとき、表示灯142は、閃光してもよい。そうでなければ、表示灯142は、例えば、5秒等、所定間隔で発光し、受信したデータが機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分であることを利用者400に示してもよい。
【0078】
出力装置152は、また、利用者400に、聴覚によるフィードバックを提供するスピーカー装置144、又は、感覚によるフィードバックを提供する振動装置146を含んでもよい。スピーカー装置144及び振動装置146は、ウェアラブル装置100のハウジング512に収納されてもよい。好ましくは、スピーカー装置144及び振動装置146は、リーダーヘッド118に配置される。スピーカー装置144は、グローブ500の指502の近傍に位置するように図示され、振動装置146は、グローブ500の手のひら510の裏側の近傍に位置するように図示されるが、グローブ500のいずれに位置していてもよい。スピーカー装置144は、利用者400にフィードバックを提供するため、音調(トーン)、音楽又は言葉を提供する。例えば、受信したデータが機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分でない場合、スピーカー装置144は、短い音調又は「読み取り不足」等の言葉を提供してもよい。そうでなければ、スピーカー装置144は、長い音調又は「読み取り良好」等の言葉を提供してもよい。グローブ500を介して利用者400が感じることのできる振動装置146は、振動又は触覚によるフィードバックを利用者400に提供してもよい。振動装置146は、仮に、受信したデータが機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分な場合、例えば、5秒等、所定時間振動してもよく、そうでない場合、振動を提供しない。
【0079】
図17A-Bは、ボックス610に機械読み取り可能タグ200を読み取るグローブ500を有するウェアラブル装置100の他の実施形態を示す。上述した実施形態と比較して、ウェアラブル装置100は、
図17Aに示すように、グローブ500の下側520の親指506に配置されるアンテナ102を収納するリーダーヘッド118を含む。利用者400が、
図17Bに示すように、グローブ500に手を入れた状態でボックス610を持ったとき、機械読み取り可能タグ200は、リーダーヘッド118を機械読み取り可能タグ200に近づけることで、読み取ることができる。アンテナ102を有するリーダーヘッド118を機械読み取り可能タグ200に近づける必要はない。代わりに、アンテナ102の近くで、機械読み取り可能タグ200の読み取りを可能とすることができる。加えて、表示等146は、
図17Bに示すように、グローブ500の親指指先508の代わりに、親指506に位置してもよい。代替え的に、表示等146は、利用者400に視認されるために、グローブ500のいずれに配置されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、出力装置152は、
図2及び3に示すように、ディスプレイ装置122であってもよい。ディスプレイ装置122は、視覚、聴覚、又は感覚の1又は複数によるフィードバックを利用者400に提供することができる。ディスプレイ装置122は、ウェアラブル装置100の電気回路ハウジング部110に収納され、利用者400に視覚によるフィードバックを提供するディスプレイスクリーン124を含むことができる。
図18A-Cは、利用者400が、ボックス610の機械読み取り可能タグ200を読み取るグローブ500を有し、ディスプレイ装置122に利用者400への視覚によるフィードバックを表示するウェアラブル装置100を着用する一例を示す。これらの実施形態では、アンテナ102は、グローブ500の1又は複数の指502に配置される。
図18Aは、グローブ500の親指506を利用した機械読み取り可能タグ200におる読み取りを誤った方法を示す。視認することができないが、ディスプレイ装置122は、ディスプレイスクリーン124に、利用者400に受信データが機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分でないことを示すクロス“×”を表示してもよい。
図18B及び18Cは、アンテナ102を有するグローブ500の指502のいずれかを利用し、機械読み取り可能タグ200で読み取りを正しくした方法を示す。読み取ったデータが、機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分であるとき、
図18B及び18Cに示すように、ディスプレイ装置122は、利用者400に対し、ディスプレイスクリーン124にチェックマークを表示してもよい。
【0081】
仮に、処理装置148が読み取ったデータが機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分であると決定したとき、処理装置148は、機械読み取り可能タグ200の識別子230を読み取ってもよい。タグ200は、
図2及び3に示すように、タグ200と関連付けられるコンテナ600の識別子情報を提供するために、機械読み取り識別子230の提供に適用してもよい。識別子230は、コンテナ600に収納される温度に繊細なアイテムの情報を含むことができる。例えば、情報は、アイテムの数、タイプ、生成日、有効期限、及び、位置情報を含むことができる。
図19A-Bは、処理装置148によって読み取られた識別子230を表示するディスプレイスクリーン124を有するディスプレイ装置122を示す。
図19Aは、水平ディスプレイスクリーン124を示すのに対し、
図19Bは、垂直ディスプレイスクリーン124を示す。識別子230は、温度及び識別番号及びコンテナ600の名称を含むことができる。識別子230からの情報は、温度制御される環境下で保管される生体サンプル等の、温度に繊細なアイテムと関連付けられてもよい。有利に、温度に繊細なアイテムは、温度制御された環境から取り出されること無く識別されることができ、これにより、アイテムの生存能力等の可能性を低減することができる。
【0082】
図20A-Eは、
図7乃至19に示すグローブ500を有するウェアラブル装置100の他の実施形態を示し、グローブ500の上面530を示す。
図22Aは、アンテナ102の近傍にコンテナ600を保持するための1又は複数のツール136を収納する結合部138を有するグローブ500を有するウェアラブル装置100を示す。
【0083】
図20B及び20Cは、グローブ500のディスプレイ装置122の位置の変形例を示す。
図20Bは、ディスプレイ装置122が電気回路ハウジング部110と別に収納され得る例を示す。ディスプレイ装置122は、グローブ500の右側に収納されてもよく、電気回路ハウジング部110は、グローブ500左側に収納されてもよく、又は、その逆で、グローブ500の腕部526でもよい。
図20Cは、ディスプレイ装置122がグローブ500手部528とは別に収納され、グローブ500を有するウェアラブル装置100の実施形態を示す。
【0084】
図20Dは、グローブ500を有するウェアラブル装置100の実施形態を示し、グローブ500の手首部532のディスプレイスクリーン124を有するディスプレイ装置122を含み得る電気回路ハウジング部110を示す。ディスプレイスクリーン124は、グローブ500の上面530の電気回路ハウジング部110のスペースの大部分を占める。ディスプレイスクリーン124は、
図20Dに示すように、機械読み取り可能タグ200のインジケータ230の温度を表示してもよい。ディスプレイスクリーン124は、利用者400による他の方向の視認のため、ジャイロが搭載されてもよく、これは、温度制御された環境下で、ウェアラブル装置100のある角度が利用者の視界から不明瞭になる場合に有用にすることができる。したがって、ウェアラブル装置100は、有利なことに、温度制御された環境下で、ウェアラブル装置100の可視性を向上し、及び/又は、ディスプレイスクリーン124にフィードバックバックを表示することができる。
【0085】
図20Eは、ディスプレイ装置122を除いたグローブ500を有するウェアラブル装置100の実施形態を示す。代わりに、ウェアラブル装置100は、グローブ500の親指506にある複数の表示灯142によって、利用者400にデータの読み取りのフィードバックを提供するように適用される。加えて/代替え的に、ウェアラブル装置100は、聴覚又は感覚によるフィードバックを利用者400に提供してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、利用者400にデータの読み取りのフィードバックを提供しなくてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置100は、
図21に示すように、機械読み取り可能タグ200と関連付けられるバイアル612から受信するバイアルリーダー154を含むことができる。バイアルリーダー154は、機械読み取り可能タグ200からワイアレスのデータを読み取るために、電気回路104によって起動されるように操作可能なアンテナ184を含むことができる(
図28参照)。利用者400は、バイアル612を保持し、機械読み取り可能タグ200を読み取るためのアンテナ184の近傍に配置するためのツール136を操作することができる。バイアルリーダー154は、バイアル612を受信するように、例えば、バイアル612の端部を受け取るための曲線状の縁等が成型される。好ましくは、バイアルリーダー154は、グローブ500の上面530に位置する。
図21に示すように、バイアルリーダー154のデータ読み込みのフィードバックは、ディスプレイ装置122に提供されてよく、読み込んだデータが機械読み取り可能タグ200の読み込みに十分であることを示すがチェックマークを表示してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、バイアルリーダー154は、グローブ500のいずれかの指502、親指506又は手の510に配置される第1リーダー118又は第2リーダー170の代わりに提供される。代替え的には、バイアルリーダー154は、リーダーヘッド118及び/又は第2リーダーに加えて提供されてもよく、バイアル612の読み取り可能タグ200を読み取る少なくとも自身のアンテナ184を含んでもよい。電気回路104は、駆動し、リーダーヘッド118にあるアンテナ102及び/又はバイアルリーダー154にあるアンテナ184からワイアレスでデータを読み取るように構成されてもよい。代替え的には、ウェアラブル装置100は、さらに、駆動し、バイアルリーダー154のアンテナ184からワイアレスで読み取るための電気回路を含んでもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置100は、さらに、機械読み取り可能タグ200と関連付けられるコンテナ600の温度を計測する1又は複数の温度センサー162を含んでもよい(
図28参照)。バイアルリーダー154は、バイアル612の温度を計測する1又は複数の温度センサー162を含んでもよい。追加的に/代替え的に、温度センサー162は、ウェアラブル装置100のアンテナハウジング部108を含んでもよい。コンテナ600内に収納される温度に繊細なアイテムの生存能力の評価に、コンテナ600の温度の計測及び監視は、有益であり得る。例えば、仮に、コンテナ600、例えばバイアル612が、タンク602又はタワー606から取り出されタ場合、温度に繊細なアイテムの温度は、理想の保管温度から上昇し、又は、低下することがある。したがって、コンテナ600の特定の温度でさらされることの監視は、例えば、タンク602又はタワー606にバイアル612を戻す場合を利用者400に示すために有効となり得る。ウェアラブル装置100は、また、ソフトウェア又はハードウェアにより提供され、ディスプレイ装置122を介し、利用者400に、コンテナ600が、理想的でない保管温度に晒されたことのフィードバックを提供するタイマー164を含むことができる(
図28参照)。タイマー164は、また、温度に繊細なアイテムの生存能力を保つため、バイアル612が、タンク602又はタワー606に戻されるべき時を示すことができる。温度センサー162は、レーザー及び/又は赤外を含む光学温度センサー、サーモカップルサーミスタ及び/又は抵抗温度検出器(RTD)を含む線材温度センサー、又は、当業者によって考え得る種々のセンサーを含んでもよい。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置100は、さらに、コンテナ600の周辺環境の湿度を計測する1又は複数の湿度センサー190を含んでもよい(
図28参照)。湿度センサー190は、ウェアラブル装置100のバイアルリーダー154及び/又はアンテナハウジング部108を含んでもよい。代替え的に、湿度センサー190は、ウェアラブル装置100のどこに配置されてもよい。コンテナ600周辺の環境の湿度の計測及び監視は、コンテナ600近傍の湿度の含有の評価、及び、例えば、低温環境下でのコンテナ600自体又は収納される温度に繊細なアイテムの霜の生成の可能性の決定に有用であり得る。湿度の監視により、霜の生成に対する対策を推進することができる利用者400へのフィードバックの提供を実現することができる。湿度センサー190は、容量センサー、抵抗センサー、熱伝導性センサー、又は、当業者が考え得る種々のタイプのセンサーであってよい。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置100は、さらに、ウェアラブル装置100の周辺環境のガス濃度を計測する1又は複数のガスセンサー192を含むことができる(
図28参照)。好ましくは、ガスセンサー192は、ウェアラブル装置100のハウジング106、又は、グローブハウジング512の利用者の頭に近い位置に配置される。例えば、ガスセンサー192は、グローブ500の腕部526に配置されてもよい。ウェアラブル装置100の周囲環境のガス濃度の計測及び管理は、利用者400の周囲環境での安全の評価に有効であり得る。好ましくは、ガスセンサー192は、周囲環境でのオゾン濃度の計測に適合するが、一酸化炭素及び二酸化窒素等の有毒ガスの計測もしてもよい。ガスセンサー192は、電気化学センサー、赤外線センサー、熱伝導性センサー、又は、当業者が考え得る種々のタイプのセンサーであってよい。
【0091】
図22は、既存のグローブ300に組み込まれたウェアラブル装置100の実施形態を示す。ウェアラブル装置100は、親指指先にアンテナ102を有する第1リーダー又はリーダーヘッド118、バイアルリーダー154、ディスプレイ装置122を有する電気回路ハウジング部110、及び、光学リーダー158を含むことができる。光学リーダー158は、バーコード等からのしるし及び英数字データの一方又は両方等に代表されるデータをワイアレスに読み取る光学センサー160を含むことができる(
図28参照)。各構成要素は、電気的及び/又は物理的に、ウェアラブル装置100のストラップ156によって連結される。構成要素は、ストラップ156により、既存のグローブ300に取り付けられ、又は改良されても良い。好ましくは、ストラップ156は、ウェアラブル装置100をグローブ300に取り付ける弾性材料を含む。代替え的には、各構成要素を有するウェアラブル装置100は、グローブ500と一体に形成される。
【0092】
図23は、上述した実施形態に係るウェアラブル装置100及び機械読み取り可能タグ200の構成要素及び電気回路の概略図を示す。機械読み取り可能タグ200は、チップ204と通信するアンテナコイル202を含むことができる。機械読み取り可能タグ200は、例えば、RFIDチップ204を有するRFIDタグ200であってよい。ウェアラブル装置100は、特に、アンテナコイル102及び関連する電気回路104を含む。ウェアラブル装置100の電気回路104は、機械読み取り可能タグ200の共振の変化を検出し、機械読み取り可能タグ200からワイアレスにデータを読み取るように適用されてもよい。
【0093】
図24は、
図23の機械読み取り可能タグ200が、識別子230をエンコードするチップ204に複数の共振部材212を含む例を示す。複数の共振部材212は、それぞれ特定の共振周波数をもち、また、互いに異なる共振周波数をもつことができる。共振部材212は、
図25に示すような、マイクロ機械振動部材218であり得る。通常の導電体214は、共振部材212に付随して動作し、共振部材212に関連付けられる3つのU字型の部分を含む機械読み取り可能タグ200のチップ204の一部である。共振部材212は、機械読み取り可能タグ200のアンテナコイル202を介してファラデー誘導により、導電体214に交流電流を誘導するアンテナ102を介して、電気回路104によって生成された例示信号により、振動を生じることができる。LED照明216は、導電体214に交流電流が誘導されているとき、発光してもよい。機械読み取り可能タグ200は、アンテナコイル202により取得され、ウェアラブル装置100の電気回路104によって読み取られたデータを、アンテナコイル102を介してチップ204から受信してもよい。いくつかの実施形態では、データは、任意で、
図23に示すように、処理又は記録のため、電気回路104から遠隔コンピュータ装置702に送信されてもよい。そうでない場合、データは、
図27に示すように、処理又は記録のため、電気回路104からウェアラブル装置の処理装置148に送信されてもよい。
【0094】
共振部材212は、ローレンツ力により振動され得る。ローレンツ力は、直交する次回を通って進む帯電した微粒子の動きで生じる力である。この例では、磁界は、導電体214を通る電流の流れに垂直方向に共振部材212に加える。いくつかの実施形態では、機械読み取り可能タグ200は、さらに、
図23に示すように、機械読み取り可能タグ200に直角に磁界を加える磁石206、または、構成要素を含むことができる。例えば、磁石206は、機械読み取り可能タグ200のチップ204に近接した下方に配置することができる。代替え的には、磁石206は、機械読み取り可能タグ200と関連付けられるコンテナ600に含めることができる(図示せず)。
【0095】
図24は、2つの柱部224及び226により支持され、基板220から突出する梁部228を含み、ブリッジ構造222を形成する振動手段218を描写する。図示するような導電性経路214は、
図23に示すように、チップ204の電気回路の一部を形成する。導電体214の電流が、交流電流であるため、磁界(例えば、磁石206による)により生成される直交な力は、また、交流力であり、梁部228に振動が生じる。仮に、導電体214の交流電流の周波数が、梁部228の共振周波数又はそれに近い場合、梁部228は振動する。振動部材218は、本出願人の国際特許出願WO 2004/084131により詳しく記載され、本願にそこに記載される全てを含むものとする。
【0096】
図25に示すように、機械読み取り可能タグ200の一部を構成する各共振部材212は、所定の数の共振周波数f
1,f
2,f
3等のうち、1に対応する概念的な共振周波数を持つ。好ましくは、共振周波数f
1,f
2,f
3等は、異なる周波数のレンジである。仮に、電気回路104が、周波数位置f
1以降の、いずれかで共振周波数を検出したとき、電気回路104は、その共振周波数は、バイナリ“1”であると解釈する。それに対し、これら、いずれかの所定の周波数位置の共振周波数が無いとき、バイナリ“0”と解釈される。この、電気回路104によるバイナリ1及び0の検出のシーケンスは、機械読み取り可能識別子230に対応する。共振部材212,218を有する機械読み取り可能タグ200の読み取りは、本出願人の国際特許出願WO 2010/037166により詳しく記載され、本願に底に記載される全てを含むものとする。
【0097】
機械読み取り可能識別子230を有する機械読み取り可能タグ200は、CMOS等のMEMS構造を含む必要がないアクティプ又はRFIDタグに基づくパッシブなRFIDタグと置き換えられても良い。例えば、温度に依存する値を持つ抵抗器は、タグの一部として形成され、その値が読み取られる。代替え的には、機械読み取り可能タグ200の一部として形成されるアンテナは、調整されたアンテナにより検出可能な温度に依存するインピーダンスを持つことができる。当業者は、本発明の背景に適して利用される種々の機械読み取り可能タグ200を思いつくであろう。
【0098】
加えて、ウェアラブル装置100の機能を、本発明の実施形態に基づくウェアラブル装置100の構成要素及び構成部品の模式図である、
図27及び28を参照して説明する。
【0099】
いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置100は、さらに、アンテナ102を起動し、かつ、機械読み取り可能タグ200からワイアレスでデータを読み取るために、電気回路104を起動するための利用者の起動装置を含むことができる。利用者の起動装置は、利用者400によって手動で操作可能な、
図28に示すような圧力スイッチ172を含むことができる。好ましくは、圧力スイッチ172は、アンテナ102の近傍に配置され、理想的には、
図2に示したような指先アンテナハウジング部108のリーダーヘッド118に配置される。圧力スイッチ172は、利用者400が、機械読み取り可能タグ200を読み取るために電気回路104の起動を望む際に、手動で圧力を与える押下可能ボタンを含むことができる。
【0100】
いくつかの実施形態によれば、電気回路104は、自動的に、アンテナ102を起動し、機械読み取り可能タグ200からワイアレスでデータを読み取るように適用されてもよい。電気回路104は、機械読み取り可能タグ200と関連付けられる磁界の検出により、自動的に、アンテナ102を起動するように適用されてもよい。例えば、機械読み取り可能タグ200は、
図23に示すような磁石206を含むことができる。電気回路104は、磁石206と関連付けられる磁界の強さを検出することができ、その強さが閾値又は値域を上回ったとき、自動的にアンテナ102を起動する。これは、液体窒素が充填されるタンク602内等、機械読み取り可能タグ200が利用者400のアクセスから困難又は危険な場所にある状況において、極めて有効であることがある。
【0101】
他の実施形態によれば、電気回路104は、ウェアラブル装置100近傍の機械読み取り可能タグ200から、ワイアレスでデータを読み取るため、自動的に、例えば、2秒毎等、一定間隔で、アンテナ102を起動してもよい。電気回路104は、また、機械読み取り可能タグ200の周波数のスペクトラムを検出するため、アンテナ102を流れるさまざまなレベルの電流を導くことができる。アンテナ102の自動起動は、また、ウェアラブル装置100を保持する利用者400が温度制御された環境下を通過して移動し、離れた場所にある機械読み取り可能タグ200を自動で読み取ることを可能とする。
【0102】
図28に示したように、電気回路104は、第1リーダー118のアンテナコイル102、第2又は棒状リーダー170のアンテナコイル140、及び、バイアルリーダー154のアンテナコイル184等の複数のアンテナコイルと通信してもよい。電気回路104は、機械読み取り可能タグ200を読み取るため、1又は複数のアンテナコイルを起動するように適用されてもよい。
図28には、1の電気回路104のみ図示されるが、各リーダー118,170及び154が、各アンテナ102,140及び184をそれぞれ起動する電気回路部品104を含んでもよいことが、当業者によって容易に理解される。
図28に示される構成要素は、
図22に示したウェアラブル装置100の構成要素の実例である。
【0103】
上述したように、ウェアラブル装置100は、
図27及び28に示したように、電気回路104と通信することができる処理装置148を含むことができる。処理装置148は、当業者によって、認識されるように、一般に知られる中央処理装置(CPU:Computer Processing Unit)であってよい。例えば、処理装置148は、ETXフォームファクターPCBに配置されるインテルコーポレーション(登録商標)によるセレロン(登録商標)チップ、又は、マイクロコントローラ等のコントローラを含むことができる。処理装置148は、ハードドライブなどの不揮発性メモリを含む記憶装置168と通信するように構成されてもよい。処理装置148は、ウェアラブル装置100でデータを処理するため、記憶装置168に記憶される命令を実行するように構成されてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置100は、電気回路104及び処理装置148のうち、一方又は両方と通信する通信装置150を任意で含むことができる。通信装置150は、電気回路104によりワイアレスで読み取ったデータを、処理装置148による処理の有無にかかわらず、遠隔コンピュータ装置702に、直接、送信するように構成されてもよい。フィードバックは、遠隔コンピュータ装置702により提供され、任意で、通信装置150を介してウェアラブル装置100に返送される。代替え的に、通信装置150は、処理装置148からワイアレスで読み取られたデータのフィードバックを受信し、遠隔コンピュータ装置702にフィードバックを送信するように構成されてもよい。通信装置150は、また、位置情報、温度情報及びウェアラブル装置100の識別子等の追加情報を、遠隔コンピュータ装置702に送信するように構成されてもよい。通信装置150は、ウェアラブル装置100からのデータを、ネットワーク装置704を介して遠隔コンピュータ装置702に送信するのに適合したアンテナを含んでもよい(
図30参照)。
【0105】
処理装置148は、
図28に示し、上述したように、出力装置152によって、ワイアレスで読み取ったデータのフィードバックを利用者400に提供してもよい。特に、ディスプレイ装置122は、利用者400から入力を受け付ける入力/出力装置178を含むことができる。ディスプレイ装置122は、例えば、ユーザ名及びパスワードを含む、利用者400からのログイン詳細を受信してもよい。加えて/代替え的に、ディスプレイ装置122は、遠隔コンピュータ装置702へのデータ及び/又はフィードバックの送信、又は、記憶装置168へのデータ及び/又はフィードバックのローカルな記録等の、利用者の指示を受信してもよい。
【0106】
ウェアラブル装置100は、また、
図28に示すように、利用者400によって操作可能な、ウェアラブル装置100の電力源166をオンまたはオフに切り替えるオン/オフスイッチ126を含んでもよい。電力源166は、好ましくは、温度制御された環境下において、ウェアラブル装置100で、ワイアレスで利用されるバッテリーである。代替え的には、電力源166は、例えば、電気プラグの差し込み口への接続であってもよい。
【0107】
処理装置148は、ウェアラブル装置の1又は複数の温度センサー162から温度計測値を受信するように構成されてもよい。温度センサー162は、アンテナ102を収納するバイアルリーダー154及びリーダーヘッド118の一方又は両方、又は、ウェアラブル装置100の他の場所に配置されてもよい。処理装置148は、機械読み取り可能タグ200と関連付けられるコンテナ600に保管される、温度に繊細なアイテムの生存能力を監視するように構成されてもよい。これは、例えば、温度に繊細なアイテムに対し、温度計測値が、閾値又は値域等、要求される保管温度を上回った否かを判定することを含むことができる。処理装置148は、利用者400に、出力装置152を介して、温度計測値及び/又は仮に要求される保管温度を上回った場合のアラームを出力する等により、温度に繊細なアイテムの生存能力のフィードバックを供給してもよい。
【0108】
処理装置148は、また、1又は複数の湿度センサー190からウェアラブル装置100の湿度計測結果を受信し、及び/又は、1又は複数のガスセンサー192からウェアラブル装置100のガス濃度計測結果をするように構成されてもよい。処理装置148は、さらに、機械読み取り可能タグ200と関連付けられるコンテナ600近傍の湿度及び/又はガス濃度を監視するように構成されてもよい。例えば、これは、湿度計測結果及び/又はガス濃度計測結果が、閾値及び値域等の、要求される保管湿度及び/又は保管ガス濃度を上回ったか否かの判定をすることを含むことができる。処理装置148は、さらに、利用者400に、コンテナ600近傍での湿度上昇の可能性及び/又は周辺環境のガス濃度が利用者400にとって安全であるかのフィードバックを提供するように構成されてもよい。例えば、処理装置148は、出力装置152を介し、湿度及び/又はガス濃度の測定結果、及び/又は、要求される保管湿度/及び又はガス濃度を上回った場合のアラームを出力してもよい。
【0109】
処理装置148は、また、遠隔コンピュータ装置702からの機械読み取り可能タグ200の位置情報を受信し、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグ200を位置設定するため、利用者400に位置情報を出力するように構成されてもよい。処理装置148は、ディスプレイ装置122に機械読み取り可能タグ200の位置情報を報じする等、出力装置152を介して利用者400に位置情報を出力してもよい。
【0110】
ウェアラブル装置100は、また、
図28に示すように、ウェアラブル装置100の位置情報を提供するロケーション装置174を含むことができる。ロケーション装置174は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)センサーを含んでもよい。処理装置148は、さらに、ウェアラブル装置100の位置情報を受信し、温度制御された環境下での機械読み取り可能タグ200の位置設定のための指示を、利用者400に出力に出力するように構成されてもよい。処理装置148は、ディスプレイ装置122のディスプレイ124に、ウェアラブル装置100の位置をマップにおいて表示し、機械読み取り可能タグ200の方向をハイライトで表示させることができる。有利に、これらの特徴は、暗く又は光が不十分な温度制御された環境下において、又は、機械読み取り可能タグ200と関連付けられる複数の多数コンテナ600に機械読み取り可能タグ200を位置設定する際に、利用者400を支援することができる。したがって、位置情報は、利用者400に、より早く、かつ、効率的に機械読み取り可能タグ200のワイアレスによる読み取りタスクを実現させることができる。
【0111】
さらに、いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置100は、遠隔コンピュータ装置702によって読み取り可能な識別手段176を含むことができる。遠隔コンピュータ装置702は、ウェアラブル装置100がデータベースを利用する際の認証、及び、温度制御に関するユーザの許可に、識別子を利用することができる。識別装置176は、遠隔コンピュータ装置702から読み取り可能に適合された、例えばRFIDタグ等の、機械読み取り可能タグを含むことができる。識別装置176は、装置番号、安全検査の年月日等の識別情報を含むことができる。
【0112】
ウェアラブル装置100は、また、利用者400の上肢410の温度を測定する1又は複数の内部温度センサー188を含んでもよい。内部温度センサー188は、利用者の腕410と接触するため、グローブのハウジング512等の、グローブ500の内部に収納されることができる。内部温度センサー188は、
図8に示すように、グローブ500の内側面516上及び/又は取り外し可能なスリーブ518内に配置されてもよい。好ましくは、内部温度センサー188は、アンテナ102を収納するリーダーヘッド118の近傍に配置される。例えば、内部温度センサー188は、指先アンテナ102を有するウェアラブル装置100の実施形態では、指先504のグローブハウジング512に配置されてもよい。処理装置148は、内部温度センサー188から温度計測値を受信することができる。処理装置148は、温度制御された環境下において、利用者の上肢410が極度な温度に晒されるか判定するために、温度計測値を監視するように構成されてもよい。処理装置148は、温度計測値が、危険な温度を示す閾値又は値域を上回ったかを判定し、例えば、出力装置152を介し、利用者400に、温度計測値及び/又は安全な利用のためのアラームのフィードバックを提供するように構成されてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、処理装置148は、ウェアラブル装置100が利用者の上肢410に着用されているか否かの判定のため、温度計測値の監視をするように構成されてもよい。処理装置148は、温度計測値が、ウェアラブル装置100が利用者400に着用されていることを示す閾値又は値域を上回ったか否かを判定するように構成されてもよい。他の実施形態によれば(図示せず)、ウェアラブル装置100は、力センサー又は電気抵抗センサー等の、利用者の上肢410とウェアラブル装置100の接触を計測する内部センサーを含むことができる。処理装置100は、電力源166の制御に、内部センサーからのデータを利用するように構成されてもよい。処理装置100が、利用者400がウェアラブル装置100を利用するかを判定したとき、電力源166は、処理装置100により、スリープモードからアクティブモードに起動されてもよい。そうでなければ、処理装置100は、電力節約のため、電力源166をスリープモードに保つように指示してもよい。
【0114】
図29は、本発明に関する好ましい実施形態による、温度制御された環境下において、ワイアレスにデータを読み取るシステム700を示す。システムは、温度制御された環境下において、ワイアレスにデータを読み取るウェアラブル装置100を含む。ウェアラブル装置100は、利用者400の上肢410に着用されるように構成される。ウェアラブル装置100は、アンテナ102及びアンテナ102を起動するように構成される電気回路104を含み、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグ200からワイアレスにデータを読み取るように構成されてもよい。システム700は、また、ウェアラブル装置100と通信する遠隔コンピュータ装置702を含む。遠隔コンピュータ装置702は、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグ200からワイアレスでデータを読み取るように構成されてもよい。
【0115】
ウェアラブル装置100は、上述した実施形態で説明した1又は複数の特徴を含むことができ、それらの様々な組み合わせを含む。さらに、遠隔コンピュータ装置702は、
図27及び28の実施形態に関して説明したように、処理装置148と同様の機能を実行してもよい。
【0116】
好ましくは、遠隔コンピュータ装置702は、ウェアラブル装置100からデータを受信するため、
図27に示すように、ウェアラブル装置100の通信装置150と通信する。受信データは、機械読み取り可能タグ200からワイアレスで読み取ったデータ、及び/又は、温度計測値、湿度計測結果、ガス濃度計測結果、位置情報及び識別情報のフィードバックを含むことができる。データは、ダウンロードし、またそうでなければ、ライブで又はその後の時間に、遠隔コンピュータ装置702に電気的に送信してもよい。例えば、遠隔コンピュータ装置702は、さらに、
図30に示すように、ネットワーク装置704を介して、ウェアラブル装置100とワイアレスでデータ通信するように構成されてもよい。
【0117】
遠隔コンピュータ装置702は、さらに、ウェアラブル装置100から受信したデータを利用して、在庫記録を更新するように構成されてもよい。したがって、その恒久データログは、機械読み取り可能タグ200がその態様期間に渡って影響を受ける可能性のある種々の記録、処理及び移動の活動を通して、保つことができる。いくつかの実施形態によれば、データ記録は、継続的に行われ、データは、
図30に示したように、サーバ710又はワークステーション720等の遠隔コンピュータ装置702に、要求に応じて、定期的又は継続的に送信される。特に、ワークステーション720は、利用者400によってアクセス可能な、温度制御された環境下にあるコンピュータ装置を含むことができる。
【0118】
いくつかの実施形態によれば、遠隔コンピュータ装置702は、
図28に示したように、ウェアラブル装置100の1又は複数の温度センサー162からの温度計測値を受信するように構成されてもよい。温度計測値は、バイアルリーダー154又はウェアラブル装置100のいずれかの温度センサー162からのものであってもよい。遠隔コンピュータ装置702は、温度計測値を、コンテナ600又はバイアル612に保管される温度に繊細なアイテムの生存能力の監視、及び、温度に繊細なアイテムの生存能力のウェアラブル装置100へのフィードバックに利用することができる。
【0119】
遠隔コンピュータ装置702は、また、
図28に示すように、ウェアラブル装置100の1又は複数の内部温度センサー188から、温度計測値を受信するように構成されてもよい。遠隔コンピュータ装置702は、温度制御された環境下において、利用者の上肢410が極端な温度への露出の監視、及び、露出のフィードバックのウェアラブル装置100への送信に、温度計測値を利用してもよい。加えて、遠隔コンピュータ装置702は、温度計測値を、PPE要件の順守のため、利用者400が、ウェアラブル装置100を着用しているかの判定に利用してもよい。加えて/代替え的に、遠隔コンピュータ装置702は、利用者400がウェアラブル装置100を着用しているか否かの決定に、ウェアラブル装置100の力センサー又は電気抵抗センサーからの接触計測結果を利用してもよい。
【0120】
遠隔コンピュータ装置702は、また、ウェアラブル装置100の1又は複数の湿度センサー190からの湿度計測結果、及び/又は、1又は複数のガスセンサー192からのガス濃度計測結果を受信するように構成されてもよい。遠隔コンピュータ装置702は、機械読み取り可能タグ200と関連付けられるコンテナ600近傍の湿度及び/又はガス濃度の監視、及び、コンテナ600近傍での湿度上昇の可能性及び/又は利用者400にとって周辺環境のガス濃度が安全であるか否かのフィードバックのウェアラブル装置100への送信に、湿度及び/ガス濃度計測結果を用いてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態によれば、遠隔コンピュータ装置702は、さらに、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグ200を位置決めするため、機械読み取り可能タグ200の位置情報をウェアラブル装置100へ送信するように構成されてもよい。遠隔コンピュータ装置702は、さらに、ウェアラブル装置100の位置情報を受信し、温度制御された環境下において、ウェアラブル装置100の位置を追跡するように構成されてもよい。
【0122】
いくつかの実施形態によれば、遠隔コンピュータ装置702は、さらに、識別装置176からウェアラブル装置100の識別子を読み取るように構成されてもよい。遠隔コンピュータ装置702は、さらに、データベースを用いてウェアラブル装置100の識別子を認証し、温度制御された環境下への利用者のアクセスを許可するように構成されてもよい。有利なことに、これにより、ウェアラブル装置100は、識別システムで使用し、例えば、PPE等を使用しない、例えばウェアラブル装置100を持たない利用者の、実験室等の制限区域への侵入の防止に利用することができる。識別システムは、PPE要件の順守の実証に利用されてもよい。遠隔コンピュータ装置702は、安全かつ操作手順を満たすため、データを保管し、データログを提供することができる。データログは、温度制御された環境下への利用者の入室及び退室の記録、利用者400のウェアラブル装置100を着用のしるし、利用者400が温度制御された環境にあるとき、機械読み取り可能タグ200から読み取られたデータを含むことができる。したがって、システム700を利用し、データベースに記録される訓練された利用者400のみ、温度制御された環境下への侵入及びウェアラブル装置100の利用を許可するように保証することができる。
【0123】
図31は、本発明の好ましい実施形態に係る、温度制御された環境下における、ワイアレスなデータの読み取りの方法を示す。この方法は、温度制御された環境下において、ワイアレスでデータを読み取るためのウェアラブル装置100を提供するステップ800を含む。ウェアラブル装置100は、利用者400の上肢410に着用されるように構成される。ウェアラブル装置100は、アンテナ102及び、アンテナ102を起動させるように構成される電気回路104を含み、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグ200からデータをワイアレスで読み取る。この方法は、また、電気回路104を利用して、機械読み取り可能タグ200からワイアレスにデータを読み取るステップ810を含む。ウェアラブル装置100は、それらの種々の組み合わせ含む、上述した実施形態で説明した1又は複数の特徴を含んでもよい。
【0124】
いくつかの実施形態によれば、ワイアレスなデータの読み取りのステップ810は、電気回路104を利用した、機械読み取り可能タグ200の共振の変化の検出を含むことができる。その方法は、さらに、
図24に示すように、共振部材212を振動させる電気回路104を利用して、アンテナ102を介した機械読み取り可能タグ200へ励起信号を与えること、及び、電気回路104を利用した識別子230のワイアレスな読み取りを含むことができる。方法は、さらに、電気回路104を利用した、機械読み取り可能タグ200と関連付けられる磁界の検出、及び、検出された磁界に基づく自動的なアンテナ102の起動を含むことができる。
【0125】
追加的に/代替え的に、この方法は、ウェアラブル装置100の利用者操作装置を操作し、電気回路104を動作させ、アンテナ102を起動し、機械読み取り可能タグ200からワイアレスなデータの読み取る利用者400を含んでもよい。これは、例えば、電気回路104を動作させるため、例えば圧力スイッチ172上のボタンを押下する等、利用者400が手動で、圧力スイッチ172を操作することを含む。いくつかの実施形態によれば、この方法は、代替え的に、機械読み取り可能タグ200からワイアレスでデータを読み取るための、処理装置148を用いた、定期的に自動的でアンテナ102を起動させることを含む。
【0126】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、温度制御された環境下における可視性のため、機械読み取り可能タグ200又はウェアラブル装置100への直接な光の供給を含む。これは、指向性を持った照明を提供するため、タグ照明器132又は装置照明器134、又は、両照明器180を起動する利用者400を含んでもよい。
【0127】
方法は、さらに、ウェアラブル装置100からのアンテナ102の延長又は取り外し、及び、温度制御された環境下における機械読み取り可能タグ200のアンテナ102の近傍への配置を含んでもよい。
【0128】
追加的に/代替え的に、この方法は、さらに、ウェアラブル装置100からの第2又は棒状リーダー170に収納される第2アンテナ140の延長又は取り外し、及び、温度制御された環境下における機械読み取り可能タグ200の第2アンテナ140の近傍への配置を含んでもよい。利用者400は、アンテナ102及び/又は第2アンテナ140を、ウェアラブル装置100から延長又は取り外してもよい。この方法は、また、機械読み取り可能タグ200と関連付けられるコンテナ600を、結合部138からの1又は複数のツール136を用いて、アンテナ102の近傍に配置する利用者400を含んでもよい。
【0129】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、さらに、バイアルリーダー154内の機械読み取り可能タグ200と関連付けられるバイアル612の受け取り、温度制御された環境下における、電気回路104を利用した、機械読み取り可能タグ200からのデータのワイアレスな読み取りを含むことができる。この方法は、さらに、1又は複数の温度センサー162を利用した、コンテナ600又は任意でバイアル612の温度の計測を含むことができる。この方法は、さらに、処理装置148を、以下の1又は複数に利用することを含むことができる。1又は複数の温度センサー162からの温度計測値の受信、コンテナ600内に収納される温度に繊細なアイテムの監視、及び、温度に繊細なアイテムの生存能力のフィードバックの利用者400への提供。この方法は、又、ウェアラブル装置100と通信する遠隔コンピュータ装置702を、以下の1又は複数に利用することを含むことができる。1又は複数の温度センサー162からの温度計測値の受信、コンテナ600に収納される温度に繊細なアイテムの生存能力の監視、及び、利用者400のために、温度に繊細なアイテムの生存能力のフィードバックのウェアラブル装置100への送信。
【0130】
いくつかの実施形態によれば、方法は、1又は複数の湿度センサー190及び/又はガスセンサー192を用いた、コンテナ600近傍の周辺環境の湿度及び/又はガス濃度の計測を含んでもよい。この方法は、さらに、処理装置148を、以下の1又は複数に利用することを含むことができる。1又は複数の湿度センサー190及び/又はガスセンサー192からの、湿度及び/又はガス濃度の計測結果の受信、コンテナ600近傍の湿度及び/又はガス濃度の監視、及び、コンテナ600近傍での湿度の上昇の可能性及び/又は周辺環境のガス濃度が利用者に安全であるか否かのフィードバックの利用者400への提供。この方法は、また、ウェアラブル装置100と通信する遠隔コンピュータ装置702を、以下の1又は複数に利用することを含むことができる。ウェアラブル装置100の1又は複数の湿度センサー190からの湿度計測結果及び/又は1又は複数のガスセンサー192からのガス濃度計測結果の受信、機械読み取り可能タグ200と関連付けられるコンテナ600近傍の湿度及び/又はガス濃度の監視、及び、コンテナ600近傍の湿度の上昇の可能性及び/又は周辺環境のガス濃度が利用者400に安全であるかのフィードバックのウェアラブル装置100への送信。
【0131】
さらに、この方法は、処理装置148を以下に利用することを含むことができる。ウェアラブル装置100の1又は複数の内部温度センサー188からの温度計測値の受信、温度制御された環境下における利用者の上肢410の極端な温度への露出の監視、露出のフィードバックの利用者400への提供。この方法は、さらに、遠隔コンピュータ装置702を以下に利用することを含むことができる。ウェアラブル装置100の1又は複数の内部温度センサー188からの温度計測値の受信、温度制御された環境下における利用者の上肢410の極端な温度への露出の監視、露出のフィードバックのウェアラブル装置100への送信。この方法は、さらに、処理装置148又は遠隔コンピュータ装置702を利用して、温度計測値及び/又はウェアラブル装置100の力センサー又は電気抵抗センサーからの接触計測結果に基づいて、利用者400がウェアラブル装置100の着用をしているかの判定することを含んでもよい。
【0132】
この方法は、処理装置148を、電気回路104によってワイアレスで読み取ったデータのフィードバックの提供のために利用してもよい。フィードバックは、受信データが機械読み取り可能タグ200の読み取りに十分であるか否か及び機械読み取り可能タグ200の識別子230の一方又は両方を含むことができる。この方法は、また、処理装置148を、通信装置150を用いて、フィードバックの遠隔コンピュータ装置702への送信に利用することを含んでもよい。処理装置148は、ウェアラブル装置100の出力装置152を用いて、視覚、聴覚、触覚のうち1又は複数のフィードバックを利用者400に提供する。この方法は、また、
図28に示したように、ウェアラブル装置100の光学装置158を用いて、しるし及び英数字データの一方又は両方に代表されるようなデータのワイアレスな読み取りを含むことができる。
【0133】
いくつかの実施形態によれば、方法は、また、処理装置148を以下に利用することを含むことができる。遠隔コンピュータ装置702からの機械読み取り可能タグ200かの位置情報の受信、及び、温度制御された環境下において、機械読み取り可能タグ200を位置決めするための位置情報の利用者400への出力。その方法は、また、処理装置148を以下に利用することを含むことができる。ロケーション装置176からの、ウェアラブル装置100の位置情報の受信、及び、温度制御された環境下における、機械読み取り可能タグ200を位置決めするための指示の利用者400への出力。
【0134】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、また、遠隔コンピュータ装置702を以下に利用することを含むことができる。ロケーション装置176からの、ウェアラブル装置100の位置情報の受信、及び、温度制御された環境下において、ウェアラブル装置100の位置の監視。この方法は、さらに、遠隔コンピュータ装置702を以下に利用することを含む。ウェアラブル装置100の識別子の読み取り、データベースを用いた、ウェアラブル装置100の識別子の認証、及び、認証に基づく利用者の温度制御された環境へのアクセスの許可。
【0135】
発明の装置、システム及び方法は、温度制御された環境下、特に、低温及び極低温保管設備において、RFIDタグ等の機械読み取り可能タグの、ワイアレスなデータの読み取りを有利に実現する。発明のウェアラブル装置は、片手による操作が可能となることが望ましく、自由な手を他の動作に利用可能にし、利用者の上肢の収納に適した形のハウジングを含む。ウェアラブル装置は、熱衝撃及び流体損傷の一方又は両方からの保護を提供するハウジングにより、極度な温度に耐えることができる。ウェアラブル装置の電気回路は、機械読み取り可能タグの共振の変化の検出により、ワイアレスなデータの読み取りができるように構成され、温度制御された環境下において利用することができる。さらに、ウェアラブル装置は、温度制御された環境下において、照明を提供することにより、機械読み取り可能タグへのアクセスを促進するように、かつ、機械読み取り可能タグのアンテナリーダーへのアクセスを促進するように構成され、また、ウェアラブル装置の発明の特徴により、逆も同様である。最後に、ウェアラブル装置は、温度制御された環境下において、ウェアラブル装置の安全かつ制御された使用を提供するため、位置及び識別子の検出とともに、機械読み取り可能タグと関連付けられるコンテナ及びウェアラブル装置及び利用者の温度監視を可能とする。
【0136】
ここで、明細書(請求の範囲を含む)に用いられる各「含む("comprise", "comprises", "comprised" or "comprising")」の用語のいずれか又は全ては、決められた特徴、整数、ステップ又は構成の存在を特定するものとして解釈されるが、他の1又は複数の特徴、整数、ステップ又は構成の存在を除外するものではない。
【0137】
ここに添付の請求項で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、前述した各部に、種々の変更、追加及び/又は代替えしてもよいことを理解されるであろう。
【0138】
以下の請求項は、例としてのみ提供され、将来の出願の請求の範囲の範囲を限定することを目的とするものでないことを理解されるであろう。特徴は、発明をさらに定義又は再定義するため、後日、請求項に追加又は除外してもよい。