(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】過電流保護素子とバッテリーシステム
(51)【国際特許分類】
H01H 85/50 20060101AFI20240418BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240418BHJP
H02H 5/04 20060101ALI20240418BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20240418BHJP
H01M 50/583 20210101ALI20240418BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20240418BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20240418BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240418BHJP
【FI】
H01H85/50
H02J7/00 S
H02H5/04 110
H02H7/18
H01M50/583
H01M50/50 101
H01M50/569
H01M50/284
(21)【出願番号】P 2021508776
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(86)【国際出願番号】 JP2019051125
(87)【国際公開番号】W WO2020194967
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】P 2019060108
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三原 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】喜田 浩昭
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-035281(JP,A)
【文献】特開2004-227797(JP,A)
【文献】国際公開第2017/018213(WO,A1)
【文献】特開2010-220377(JP,A)
【文献】特開昭60-054133(JP,A)
【文献】特開2005-129352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/50
H02J 7/00
H02H 5/04
H02H 7/18
H01M 50/583
H01M 50/50
H01M 50/569
H01M 50/284
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップヒューズと、
前記チップヒューズを表面実装してなるプリント基板と、
前記プリント基板に連結してなる外部接続部と、
前記プリント基板に設けてなる絶縁層と、
を備え、
前記プリント基板は、
絶縁基板の表面に導電部を設けており、
前記外部接続部は、
前記プリント基板の前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズは、
前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズが、
前記導電部を介して前記外部接続部に接続されてな
り、
前記絶縁層が、
前記プリント基板の表面に連結されてなる絶縁プラスチック成形体であり、
前記絶縁プラスチック成形体が、
前記外部接続部の保持部を有することを特徴とする過電流保護素子。
【請求項2】
チップヒューズと、
前記チップヒューズを表面実装してなるプリント基板と、
前記プリント基板に連結してなる外部接続部と、
前記プリント基板に設けてなる絶縁層と、
を備え、
前記プリント基板は、
絶縁基板の表面に導電部を設けており、
前記外部接続部は、
前記プリント基板の前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズは、
前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズが、
前記導電部を介して前記外部接続部に接続されてなり、
前記絶縁層が、
前記プリント基板の表面に連結されてなる絶縁プラスチック成形体であり、
前記絶縁プラスチック成形体が、前記プリント基板に係止構造で連結されてなることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項3】
チップヒューズと、
前記チップヒューズを表面実装してなるプリント基板と、
前記プリント基板に連結してなる外部接続部と、
前記プリント基板に設けてなる絶縁層と、
を備え、
前記プリント基板は、
絶縁基板の表面に導電部を設けており、
前記外部接続部は、
前記プリント基板の前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズは、
前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズが、
前記導電部を介して前記外部接続部に接続されてなり、
前記絶縁層が、
前記プリント基板の表面に連結されてなる絶縁プラスチック成形体であり、
前記絶縁プラスチック成形体が、前記プリント基板の両面を挟んで固定されてなることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項4】
請求項
1ないし3のいずれかに記載する過電流保護素子であって、
前記絶縁基板が平面状の硬質基板であることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項5】
請求項
1ないし3のいずれかに記載する過電流保護素子であって、
前記絶縁基板が、可撓性のあるフレキシブル基板であることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項6】
請求項
1ないし3のいずれかに記載する過電流保護素子であって、
前記外部接続部が、一対の第1の外部接続部と第2の外部接続部からなり、
第1の外部接続部が金属プレートであることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項7】
請求項
6に記載する過電流保護素子であって、
前記金属プレートが、
複数の電池を直列に接続してなるバッテリーシステムを構成する各々の電池の電極端子に固定してなるバスバーに連結される板状であることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項8】
請求項
6又は7に記載する過電流保護素子であって、
前記第2の外部接続部が、前記プリント基板の
前記導電部にハンダ付けしてなる
前記金属プレート又はリード線の何れかであることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項9】
請求項
6又は7に記載する過電流保護素子であって、
前記第2の外部接続部が、前記プリント基板の
前記導電部にハンダ付けしてなる
前記金属プレートと、
前記金属プレートに接続してなるリード線であることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項10】
請求項
1ないし9のいずれかに記載する過電流保護素子であって、
前記絶縁プラスチック成形体が、前記チップヒューズを露出させる開口窓を有し、前記開口窓が絶縁材でカバーされてなることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項11】
チップヒューズと、
前記チップヒューズを表面実装してなるプリント基板と、
前記プリント基板に連結してなる外部接続部と、
前記プリント基板に設けてなる絶縁層と、
を備え、
前記プリント基板は、
絶縁基板の表面に導電部を設けており、
前記外部接続部は、
前記プリント基板の前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズは、
前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズが、
前記導電部を介して前記外部接続部に接続されてなり、
前記絶縁層が、
前記プリント基板の表面に連結されてなる絶縁プラスチック成形体であり、
前記絶縁プラスチック成形体が、内部に前記プリント基板を収納する箱形であって、前記プリント基板の外周に沿う周壁を備えると共に、前記周壁を部分的に切除して、前記外部接続部を案内する位置決め凹部を設けており、
前記外部接続部は金属プレートであって、前記位置決め凹部の両側の前記周壁と対向する位置に嵌合凹部を設けており、
前記絶縁プラスチック成形体が、前記位置決め凹部の両側の前記周壁を嵌合凸部として前記嵌合凹部に嵌合させて前記外部接続部を保持してなる過電流保護素子。
【請求項12】
チップヒューズと、
前記チップヒューズを表面実装してなるプリント基板と、
前記プリント基板に連結してなる外部接続部と、
前記プリント基板に設けてなる絶縁層と、
を備え、
前記プリント基板は、
絶縁基板の表面に導電部を設けており、
前記外部接続部は、
前記プリント基板の前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズは、
前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズが、
前記導電部を介して前記外部接続部に接続され、
前記絶縁層が、
前記プリント基板の表面に連結されて前記外部接続部を保持してなる絶縁プラスチック成形体であり、
前記絶縁基板が、可撓性のあるフレキシブル基板であって、
前記絶縁基板の一部である突出接続部を前記絶縁プラスチック成形体の外側に突出させており、
前記突出接続部に前記外部接続部を接続してなることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載する過電流保護素子であって、
前記外部接続部が、
複数の電池を直列に接続してなるバッテリーシステムを構成する各々の電池の電圧を検出する電圧検出ラインに接続される接続部であることを特徴とする過電流保護素子。
【請求項14】
複数の電池セルと、
前記電池セルの電極端子に固定されて
前記電池セルを接続してなる金属板のバスバーと、
前記バスバーに過電流保護素子を備える電圧検出ラインを介して接続してなる電圧検出回路と、
を備えるバッテリーシステムであって、
前記過電流保護素子が、
チップヒューズと、
前記チップヒューズを表面実装してなるプリント基板と、
前記プリント基板に連結してなる外部接続部と、
前記プリント基板に設けてなる絶縁層と、
を備え、
前記プリント基板は、
絶縁基板の表面に導電部を設けており、
前記外部接続部は、
前記プリント基板の前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズは、
前記導電部に電気接続され、
前記チップヒューズが、
前記導電部を介して前記外部接続部に接続され、
前記絶縁層が、
前記プリント基板の表面に連結されて前記外部接続部を保持してなる絶縁プラスチック成形体であり、
前記外部接続部が、
前記電圧検出ラインに接続されてなるバッテリーシステム。
【請求項15】
請求項14に記載するバッテリーシステムであって、
前記絶縁基板が、
平面状の硬質基板又は、可撓性のあるフレキシブル基板の何れかであることを特徴とするバッテリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過大な電流が流れて溶断されるヒューズを備える過電流保護素子と、この過電流保護素子を備えるバッテリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
過電流が流れて溶断する過電流保護素子であるヒューズは、種々の用途に使用される。たとえば、複数の電池を直列に接続しているバッテリーシステムの電流検出ラインに過電流保護素子として使用される。このバッテリーシステムは、各々の電池電圧を検出して、電池の充放電をコントロールすることで、電池を保護し、システムの安全性を確保している。この用途に過電流保護素子として使用されるヒューズは、バッテリーシステムを構成している電池と、各々の電池電圧を検出する電圧検出回路とを接続する電圧検出ラインに接続される。電圧検出回路は、電圧検出ラインを介して各々の電池電圧を検出し、電池電圧が設定範囲を越えると充放電する電流を制限し、あるいは充放電を禁止し、さらに各々の電池電圧を均等化するようにコントロールすることで電池を保護し、安全性を確保している。車両を走行させる電源装置やサーバーの無停電電源に使用されるバッテリーシステムは、瞬間的に極めて大きな出力が要求されるので、多数の電池を直列に接続して出力電圧を高くしている。このバッテリーシステムは、多数の電池電圧を確実に検出して、充放電をコントロールして安全性を確保することが大切である。
【0003】
各々の電池電圧を検出して充放電の電流をコントロールするバッテリーシステムは、各々の電極端子と電圧検出回路とを電圧検出ラインで接続している。バッテリーシステムは、全ての電池電圧を検出するので、電池の個数に比例して電圧検出ラインも多くなる。たとえば、20個の電池を直列に接続しているバッテリーシステムは、21本の電圧検出ラインで各々の電池を電圧検出回路に接続する必要がある。バッテリーシステムは、多数の電圧検出ラインを狭いスペースに配置するので、過電流保護素子の小形化が大切になる。また、各々の電圧検出ラインは、一端を電池の電極端子に接続しているので、外皮が破損し、あるいは組み立て工程で誤ってショートすると、過電流が流れて安全性を阻害する原因となる。この弊害を防止するために、各々の電圧検出ラインに過電流保護素子としてヒューズを設けている電源装置が開発されている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電圧検出ラインの途中に接続される過電流保護素子は、リードヒューズ両端の線材に、カシメ構造の圧着端子を介してリード線を接続し、ヒューズと圧着端子の両方を熱収縮チューブで被覆して絶縁している。この構造のヒューズは、圧着端子でリード線をヒューズに接続し、このリード線の先端をハンダ付け等の方法で電池の電極端子や電圧検出回路に接続している。このヒューズは、両端にカシメ構造の圧着端子を接続して熱収縮チューブで被覆しているので、太くなってコンパクトに配置できない。このため、システムの狭い領域に配線される多数本の電圧検出ラインの配置に手間がかかり、さらにカシメ構造で接続するので、長期間にわたってこの部分の接触不良を皆無にはできない弊害がある。ヒューズの接触不良は、実質的にはヒューズの溶断状態と同等になるので、電圧検出ラインに使用する状態では、電池電圧を安定して確実に検出できない等、全ての使用環境において著しい弊害となる。
【0006】
本発明は、従来のヒューズが有する以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の大切な目的は、接続手間を簡素化しながら、接続時の接触不良を抑制して信頼性を向上できる過電流保護素子と、この過電流保護素子を備えるバッテリーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様にかかる過電流保護素子は、チップヒューズ11と、チップヒューズ11を表面実装してなるプリント基板12と、プリント基板12に連結してなる外部接続部13と、プリント基板12に設けてなる絶縁層15とを備えている。プリント基板12は、絶縁基板12A、12Cの表面に導電部12Bを設けている。外部接続部13は、プリント基板12の導電部12Bに電気接続されている。チップヒューズ11は、導電部12Bに電気接続され、チップヒューズ11が、導電部12Bを介して外部接続部13に接続されている。絶縁層は、プリント基板の表面に連結されてなる絶縁プラスチック成形体であり、絶縁プラスチック成形体が、外部接続部の保持部を有している。
また、他の態様にかかる過電流保護素子は、絶縁層が、プリント基板の表面に連結されてなる絶縁プラスチック成形体であり、絶縁プラスチック成形体が、プリント基板に係止構造で連結されている。
さらに、他の態様にかかる過電流保護素子は、絶縁層が、プリント基板の表面に連結されてなる絶縁プラスチック成形体であり、絶縁プラスチック成形体が、プリント基板の両面を挟んで固定されている。
【0008】
本発明の他の態様にかかるバッテリーシステムは、複数の電池セル1と、電池セル1の電極端子2に固定されて電池セル1を接続してなる金属板のバスバー3と、バスバー3に過電流保護素子10、20、30、40、50を備える電圧検出ライン4を介して接続してなる電圧検出回路5とを備えている。過電流保護素子10、20、30、40、50は、チップヒューズ11と、チップヒューズ11を表面実装してなるプリント基板12と、プリント基板12に連結してなる外部接続部13と、プリント基板12に設けてなる絶縁層15とを備えている。プリント基板12は、絶縁基板12A、12Cの表面に導電部12Bを設けており、外部接続部13は、プリント基板12の導電部12Bに電気接続されている。チップヒューズ11は、導電部12Bに電気接続され、チップヒューズ11が、導電部12Bを介して外部接続部13に接続され、絶縁層がプリント基板の表面に連結されて外部接続部を保持してなる絶縁プラスチック成形体であり、外部接続部13が、電圧検出ライン4に接続されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の過電流保護素子とバッテリーシステムは、過電流保護素子の接続手間を簡単にして、接続時の接触不良を抑制して信頼性を向上できる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるバッテリーシステムの回路図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかるバッテリーシステムの拡大斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる過電流保護素子の斜視図である。
【
図4】
図3に示す過電流保護素子の分解斜視図である。
【
図5】本発明の他の実施形態にかかる過電流保護素子の斜視図である。
【
図6】本発明の他の実施形態にかかる過電流保護素子の斜視図である。
【
図7】
図6に示す過電流保護素子の分解斜視図である。
【
図8】絶縁プラスチック成形体の他の一例を示す断面図である。
【
図9】
図7に示す過電流保護素子の製造工程を示す平面図である。
【
図10】本発明の他の実施形態にかかる過電流保護素子の平面図である。
【
図11】本発明の他の実施形態にかかる過電流保護素子の斜視図である。
【
図12】
図11に示す過電流保護素子の使用状態の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0012】
本発明の第1の発明の過電流保護素子は、チップヒューズと、チップヒューズを表面実装してなるプリント基板と、プリント基板に連結してなる外部接続部と、プリント基板に設けてなる絶縁層とを備え、プリント基板は、絶縁基板の表面に導電部を設けており、外部接続部は、プリント基板導電部に電気接続され、チップヒューズは、導電部に電気接続され、チップヒューズが、導電部を介して外部接続部に接続されている。
【0013】
以上の過電流保護素子は、カシメ構造の圧着端子や熱収縮チューブを使用することなく、チップヒューズをプリント基板に表面実装して表面を絶縁し、さらにプリント基板の導電部に外部接続部を設けて、この外部接続部をバッテリーシステムの電圧検出ライン等に電気接続できるので、狭いスペースに無理なく配置して組み立て手間を簡素化でき、しかもカシメ構造の圧着端子を使用する必要がないので、圧着端子などに経時的に発生する接続時の接触不良を抑制して信頼性を向上できる特長がある。また、チップヒューズをプリント基板に実装して、プリント基板の導電部に外部接続部を電気接続して、外部接続部に電圧検出ラインを接続できるので、小さいチップヒューズを使用しながら、電圧検出ラインを容易に、しかも確実に安定して電気接続でき、しかもプリント基板や絶縁層でチップヒューズを保護できる特長も実現する。
【0014】
本発明の第2の発明の過電流保護素子は、絶縁基板を平面状の硬質基板としている。硬質基板は、外部接続部を安定して連結できる。
【0015】
本発明の第3の発明の過電流保護素子は、絶縁基板を、可撓性のあるフレキシブル基板としている。フレキシブル基板は狭いスペースに無理なく配置できる。
【0016】
本発明の第4の発明の過電流保護素子は、絶縁層が、プリント基板の表面に連結されてなる絶縁プラスチック成形体としている。以上の過電流保護素子は、絶縁プラスチック成形体の絶縁層でプリント基板とチップヒューズと外部接続部を保護できる特長がある。
【0017】
本発明の第5の発明の過電流保護素子は、外部接続部が一対の第1の外部接続部と第2の外部接続部からなり、第1の外部接続部を金属プレートとしている。
【0018】
本発明の第6の発明の過電流保護素子は、金属プレートを、バッテリーシステムを構成する電池の電極端子に固定してなるバスバーに連結される板状としている。
【0019】
本発明の第7の発明の過電流保護素子は、第2の外部接続部を、プリント基板の導電部にハンダ付けしてなる金属プレート又はリード線の何れかとしている。
【0020】
本発明の第8の発明の過電流保護素子は、第2の外部接続部を、プリント基板の導電部にハンダ付けしてなる金属プレートと、この金属プレートに接続してなるリード線としている。
【0021】
本発明の第9の発明の過電流保護素子は、絶縁プラスチック成形体が、チップヒューズを露出させる開口窓を有し、開口窓を絶縁材でカバーしている。
【0022】
本発明の第10の発明の過電流保護素子は、絶縁プラスチック成形体が、外部接続部の保持部を有している。以上の過電流保護素子は、絶縁プラスチック成形体でプリント基板と外部接続部との連結部を補強して、両者の連結強度を強くできる特長がある。
【0023】
本発明の第11の発明の過電流保護素子は、絶縁プラスチック成形体が、プリント基板に係止構造で連結されている。
【0024】
本発明の第12の発明の過電流保護素子は、絶縁プラスチック成形体が、プリント基板の両面を挟んで固定されている。
【0025】
本発明の第13の発明の過電流保護素子は、外部接続部を、複数の電池を直列に接続してなるバッテリーシステムを構成する各々の電池の電圧を検出する電圧検出ラインに接続される接続部としている。
【0026】
本発明の第14の発明のバッテリーシステムは、複数の電池セルと、電池セルの電極端子に固定されて電池セルを接続してなる金属板のバスバーと、バスバーに過電流保護素子を備える電圧検出ラインを介して接続してなる電圧検出回路とを備えている。過電流保護素子は、チップヒューズと、チップヒューズを表面実装してなるプリント基板と、プリント基板に連結してなる外部接続部と、プリント基板に設けてなる絶縁層とを備え、プリント基板は、絶縁基板の表面に導電部を設けており、外部接続部は、プリント基板の導電部に電気接続され、チップヒューズは、導電部に電気接続されて、チップヒューズが導電部を介して外部接続部に接続され、外部接続部が電圧検出ラインに接続されている。
【0027】
本発明の第15の発明のバッテリーシステムは、絶縁基板を、平面状の硬質基板又は、可撓性のあるフレキシブル基板の何れかとしている。
【0028】
本発明の第16の発明のバッテリーシステムは、絶縁層を、プリント基板の表面に連結してなる絶縁プラスチック成形体としている。
【0029】
本発明の第17の発明のバッテリーシステムは、絶縁層を、外部接続部を保持してなる絶縁プラスチック成形体としている。
【0030】
(実施の形態)
図1の回路図に示すバッテリーシステム100は、複数の電池セル1と、各々の電池セル1の電圧を検出する電圧検出回路5とを備える。バッテリーシステム100は、電圧検出回路5で検出する各々の電池電圧で、充放電の電流をコントロールして電池を保護し、安全性を確保する。このバッテリーシステム100は、車両を走行させるモータに電力を供給する電源装置として、あるいはサーバーの電源装置として、あるいは太陽電池パネルの発電電力を蓄電する蓄電装置用の電源装置として、あるいは又深夜電力を蓄電する蓄電装置用の電源装置など、主として大電力の電源に適している。
【0031】
バッテリーシステム100は、電圧検出回路5で検出する電池電圧で充放電をコントロールする制御回路6を備えている。制御回路6は、何れかの電池電圧が設定値を越える電圧となると、充電電流を遮断しあるいは減少して、電池の過充電を防止し、反対が電池電圧が設定値よりも低くなると放電を禁止又は放電電流を減少して過放電から電池を保護する。また、電池電圧がアンバランスになると、特定の電池を放電し、あるいは充電して均等化してアンバランスを抑制する。
【0032】
バッテリーシステム100は、
図2の拡大斜視図に示すように、電極端子2に金属板のバスバー3を固定して、電池セル1を直列や並列に接続している。電圧検出回路5は、電圧検出ライン4を介してバスバー3に接続されて、各々の電池電圧を検出する。電圧検出ライン4は、途中に過電流保護素子10を接続している。過電流保護素子10は電圧検出ライン4に接続され、たとえば、組み立て工程において、作業者が誤って、あるいは表皮が破損して電圧検出ライン4が短絡して流れる過大なショート電流から電池を保護し、また安全性を確保する。
【0033】
過電流保護素子10、20、30の具体例を
図3~
図7に示す。
図3ないし
図7の過電流保護素子10、20、30は、過電流で溶断するチップヒューズ11と、チップヒューズ11を表面実装しているプリント基板12と、プリント基板12に連結している外部接続部13と、プリント基板12に設けている絶縁層15とを備える。
【0034】
チップヒューズ11は、プリント基板12に表面実装して、両端の端子をリフローハンダできるように、外形を直方体として、その両端部に端子を設けて、内部には設定電流で溶断する金属線のヒューズを配置して、ヒューズの両端を端子に接続している。
【0035】
プリント基板12は、絶縁基板12Aの表面に銅箔を接着して導電部12Bを設けている。絶縁基板12Aは補強繊維を埋設しているエポキシ樹脂やフェノール樹脂を平面状に成形している硬質基板、又は可撓性のあるフレキシブル基板である。硬質基板は、外部接続部13を安定して連結でき、フレキシブル基板は狭隘なスペースに無理なく配置できる。
【0036】
外部接続部13は、プリント基板12の導電部12Bに電気接続している一対の端子で、第1の外部接続部13Aと第2の外部接続部13Bとからなる。
図3ないし
図7に示す過電流保護素子10、20、30は、第1の外部接続部13Aを導電性の金属プレート14で構成している。図に示す金属プレート14A、14Cは、導電部12Bに接続する突出部14aを設けた外形としている。突出部14aはプリント基板12の表面に積層され、ハンダ付けして導電部12Bに電気接続されている。金属プレート14A、14Cは、突出部14aを導電部12Bにハンダ付けして、プリント基板12の定位置に連結されている。
【0037】
金属プレート14の第1の外部接続部13Aは、
図2に示すように、バッテリーシステム100のバスバー3に固定して電気接続される。バスバー3は、バッテリーシステム100を構成する電池セル1を直列や並列に接続する金属板である。第1の外部接続部13Aをバスバー3に積層して固定される過電流保護素子10は、電池セル1の定位置に確実に安定して固定され、また、安定して小さい電気抵抗で電気接続される。バスバー3に固定される第1の外部接続部13Aは、溶接して固定され、あるいはネジ止めして固定される。さらに、第1の外部接続部13Aは、カシメ構造等、他の方法でバスバー3に固定することもできる。
【0038】
さらに、
図3ないし
図6の過電流保護素子10、20は、第2の外部接続部13Bも導電性の金属プレート14としている。金属プレート14B、14Dである第2の外部接続部13Bも、突出部14aのある外形として、突出部14aをプリント基板12に積層し、ハンダ付けして固定している。
図3に示す第2の外部接続部13Bの金属プレート14Bは貫通穴14bを設けている。貫通穴14bのある金属プレート14Bである第2の外部接続部13Bは、電圧検出ライン4のリード線4Aの端部に設けた接続端子7をネジ止めして固定できる。また、金属プレート14Dの第2の外部接続部13Bは、
図5に示すように、電圧検出ライン4のリード線4Aを表面にレーザー溶接して、あるいは超音波接続して電気接続することができる。さらに、過電流保護素子30は、
図7に示すように、プリント基板12の表面に設けた導電部12Bの一部を第2の外部接続部13Bとして、ここに直接に電圧検出ライン4のリード線4Aをハンダ付けして電気接続することもできる。
【0039】
図3ないし
図7に示す過電流保護素子10、20、30は、第1の外部接続部13Aである金属プレート14A、14Cと、第2の外部接続部13Bである金属プレート14Dの横幅を、長方形のプリント基板12の横幅と同じ幅として、プリント基板12の長手方向の端部に配置して、金属プレート14がプリント基板12の両側に突出しない形状としている。これらの過電流保護素子10、20、30は、金属プレート14の横幅を広くして、確実に安定してバスバー3や電圧検出ライン4に接続できる外形としながら、コンパクトにしてバッテリーシステム100の狭いスペースに無理なく配置できる特徴がある。また、
図3と
図4に示す過電流保護素子10は、第2の外部接続部13Bである金属プレート14Bの横幅を、長方形のプリント基板12の横幅よりも小さくして、金属プレート14がプリント基板12の両側に突出しない形状としている。図示しないが、過電流保護素子は、第1の外部接続部である金属プレートの横幅をプリント基板よりも狭くして、よりコンパクトな外形とすることもできる。
【0040】
さらに、
図3ないし
図7の過電流保護素子10、20、30は、絶縁層15を絶縁プラスチック成形体16、26として、プリント基板12の表面を絶縁している。ただ、本発明の過電流保護素子10、20、30は、絶縁層15を必ずしも絶縁プラスチック成形体16、26に限定するものでなく、たとえば、図示しないが、プリント基板12の表面にポッティング樹脂を塗布して絶縁層15を設ける等、プリント基板12の表面に絶縁材を積層して基板表面を絶縁できる他の全ての構造とすることができる。
【0041】
絶縁プラスチック成形体16、26は、長方形のプリント基板12の外形にほぼ等しい形状に成形されており、プリント基板12の表面に積層されてプリント基板12の表面を絶縁する。絶縁プラスチック成形体16、26の絶縁層15は、プリント基板12の表面に積層して固定されて、プリント基板12を補強する。絶縁プラスチック成形体16、26は、係止構造でプリント基板12に固定され、あるいは、プリント基板12を両面から挟んで固定され、さらにまた、プリント基板12の表面に接着して固定される。
【0042】
係止構造でプリント基板12に固定される絶縁プラスチック成形体16は、
図4に示すように、両側に係止フック18を一体的に成形して設けている。係止フック18は、内側にプリント基板12を係止できる係止部18Aを有する。この絶縁プラスチック成形体16は、係止フック18でプリント基板12の下面を係止して、プリント基板12に固定される。
【0043】
また、
図8は、プリント基板12を挟んで固定される絶縁プラスチック成形体36の一例を示している。
図8の絶縁プラスチック成形体36は、プリント基板12の裏面に配置する裏面カバー36Aと、表面を絶縁する絶縁カバー36Bとを、折り曲げできるヒンジ部36Cで連結している。ヒンジ部36Cは折り曲げできるように薄く成形されて、裏面カバー36Aと絶縁カバー36Bに一体的に成形される。さらに、絶縁プラスチック成形体36は、絶縁カバー36Bの先端に係止フック18を備えており、裏面カバー36Aとヒンジ部36Cと絶縁カバー36Bとでプリント基板12の表面を被覆する状態で、係止フック18を裏面カバー36Aに係止して、プリント基板12に固定される。
【0044】
図3、
図4、
図7、及び
図8に示す絶縁プラスチック成形体16、36は、プリント基板12に表面実装されるチップヒューズ11と外部接続部13を案内する開口窓17を設けている。この形状の絶縁プラスチック成形体16、36は、表面実装されてプリント基板12の表面から突出する部材を開口窓17の内部に案内できるので、全体を薄くしてプリント基板12の表面を絶縁できる。開口窓17は、絶縁材21が充填され、すなわち、絶縁材21で内部に配置するチップヒューズ11や外部接続部13の表面をカバーして絶縁している。
【0045】
さらに、
図3、
図4、及び
図7に示す過電流保護素子10、30は、絶縁プラスチック成形体16に外部接続部13の保持部19を設けている。保持部19は、外部接続部13の表面に向かって突出する保持凸部19A、19Bである。保持凸部19A、19Bは、外部接続部13である金属プレート14A、14Bをプリント基板12とで挟んで、定位置に保持する。保持部19は、絶縁プラスチック成形体16に一体的に成形して設けられて、金属プレート14A、14Bの表面に位置して、金属プレート14A、14Bの突出部14aがプリント基板12から剥離するのを防止する。
【0046】
さらに、
図7に示す過電流保護素子30は、第2の外部接続部13Bには金属プレートを設けることなく、プリント基板12の表面に設けた導電部12Bの一部を第2の外部接続部13Bとして、電圧検出ライン4のリード線4Aを直接にハンダ付けしており、絶縁プラスチック成形体16に一体的に成形された保持凸部19Bをリード線4Aを定位置に保持する保持部19として機能させている。これにより、導電部12Bにハンダ付けされるリード線4Aの剥離を有効に防止している。
【0047】
また、
図5及び
図6の絶縁プラスチック成形体26は、上方開口の箱形として、内部にプリント基板12を収納できるようにしている。この絶縁プラスチック成形体26は、プリント基板の外周に沿う周壁27を備えており、この周壁27をプリント基板12の厚さよりも高くしている。さらに、
図6の絶縁プラスチック成形体26は、両端の周壁27を部分的に切除して、外部接続部13である金属プレート14C、14Dを案内する位置決め凹部28としている。図の絶縁プラスチック成形体26は、位置決め凹部28の両側の周壁27を金属プレート14C、14Dの両側に設けた嵌合凹部14cに案内する嵌合凸部29としている。この絶縁プラスチック成形体26は、内部に収納されるプリント基板12を、係止構造で、あるいは接着して定位置に固定するとともに、位置決め凹部28の両側の嵌合凸部29を金属プレート14C、14Dの両側に設けた嵌合凹部14cに嵌合させて、外部接続部13である金属プレート14C、14Dを定位置に連結する。これにより、金属プレート14C、14Dの突出部14aをプリント基板12の表面に設けた導電部12Bに対して、正確に位置決めしながら積層させてハンダ付けできる。
【0048】
さらに、
図5及び
図6の過電流保護素子20は、絶縁プラスチック成形体26に収納されたプリント基板12の表面であって、周壁27の内側にポッティング樹脂等の絶縁材21を充填して、内部に配置するチップヒューズ11やプリント基板12の表面を被覆して絶縁している。
【0049】
図7に示す過電流保護素子は、
図9に示す工程で組み立てられる。
図9の(1)に示すように、絶縁基板12Aの表面に、導電部12Bを設けてプリント基板12を作製する。
図9の(2)に示すように、チップヒューズ11の両端の端子を一対の導電部12Bにリフローハンダ等により接続して、チップヒューズ11をプリント基板12に実装する。また、プリント基板12の一方の導電部12Bに、第1の外部接続部13Aである金属プレート14Aをハンダ付けして接続する。
図9の(3)に示すように、絶縁プラスチック成形体16を固定して、プリント基板12の表面を絶縁する。
図9の(4)に示すように、第2の外部接続部13Bの表面に、リード線4Aをハンダ付けして接続する。
【0050】
以上は、
図7の過電流保護素子30の組み立て工程を示しているが、過電流保護素子は、第2の外部接続部に金属プレートをハンダ付けや溶接して接続して組み立てることができる。
【0051】
以上の過電流保護素子10、20、30は、外部接続部13となる金属プレート14を長方形のプリント基板12の長手方向の外側に配置し、あるいは、第2の外部接続部13Bに接続されるリード線4Aをプリント基板12の長手方向に引き出している。この構造の過電流保護素子10、20、30は、全体を細長い形状として狭いスペースに配置できる。ただ、過電流保護素子は、
図10に示すように、外部接続部13となる金属プレート14や外部接続部13に接続されるリード線4Aをプリント基板12の長手方向に対して横方向、すなわち短手方向に引き出すこともできる。
【0052】
図10に示す過電流保護素子40は、第1の外部接続部13Aである金属プレート14Eを長方形のプリント基板12に対して、横方向に突出するように接続している。また、第2の外部接続部13Bに接続されるリード線4Aも、プリント基板12に対して横方向に引き出すように配置している。したがって、プリント基板12の表面を絶縁する絶縁プラスチック成形体46は、プリント基板12に対して横方向に連結される金属プレート14Eやリード線4Aを保持できるように保持凸部19A、19Bを設けている。この構造の過電流保護素子40は、外部接続部13やリード線4Aを一直線上に配置できない場合等、過電流保護素子の配置に制約を受ける場合に、その使用条件に応じて選択的に使用される。
【0053】
さらに、過電流保護素子は、
図11及び
図12に示すように、絶縁基板を可撓性のある絶縁基板12Cとして、折り曲げて使用することができる。これらの図の過電流保護素子50は、
図11の(1)に示すように、絶縁基板12Cの一部である突出接続部12cと、この突出接続部12cに固定される第1の外部接続部13Aである金属プレート14Fとを、長方形のプリント基板12の横方向に突出するように設けている。また、第2の外部接続部13Bに接続されるリード線4Aは、プリント基板12の長手方向に引き出している。図に示す絶縁プラスチック成形体56は、リード線4Aを定位置に配置するための保持凹部57を設けている。この過電流保護素子50は、
図11の(2)に示すように、可撓性の絶縁基板12Cを折り曲げて使用することができる。この構造の過電流保護素子50は、
図12に示すように、絶縁基板12Cの横方向に突出する突出接続部12cを折り曲げて、第1の外部接続部13Aである金属プレート14Fを、電池セル1の電極端子2に接続しているバスバー3に溶接し、あるいはハンダ付けして接続して使用することができる。
【0054】
以上の過電流保護素子10、20、30、40、50は、第1の外部接続部13Aをバッテリーシステム100のバスバー3に積層して固定し、第2の外部接続部13Bを電圧検出ライン4のリード線4Aに接続して、電圧検出ライン4の途中に配置される。バッテリーシステム100は、過電流保護素子10、20、30、40、50を途中に接続している電圧検出ライン4で各々の電池電圧を検出し、制御回路6で充放電の電流をコントロールして各電池セル1を保護しながら、安全に電池セル1を充放電する。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の過電流保護素子は、バッテリーシステムに使用されて電池を保護する保護素子であって、過大な電流で溶断されるヒューズを備える保護素子として好適に利用される。また、本発明のバッテリーシステムは、過電流保護素子を備えるバッテリーシステムであって、とくに、電動車両を駆動するモータに電力を供給する電源装置、サーバーの電源装置、太陽電池パネルの発電電力を蓄電する蓄電装置用の電源装置、あるいは深夜電力を蓄電する蓄電装置用の電源装置等、大電力の電源として好適に利用できる。
【符号の説明】
【0056】
100…バッテリーシステム、1…電池セル、2…電極端子、3…バスバー、4…電圧検出ライン、4A…リード線、5…電圧検出回路、6…制御回路、7…接続端子、10、20、30、40、50…過電流保護素子、11…チップヒューズ、12…プリント基板、12A、12C…絶縁基板、12B…導電部、12c…突出接続部、13…外部接続部、13A…第1の外部接続部、13B…第2の外部接続部、14、14A、14B、14C、14D、14E、14F…金属プレート、14a…突出部、14b…貫通穴、14c…嵌合凹部、15…絶縁層、16、26、36、46、56…絶縁プラスチック成形体、17…開口窓、18…係止フック、18A…係止部、19…保持部、19A、19B…保持凸部、21…絶縁材、27…周壁、28…位置決め凹部、29…嵌合凸部、36A…裏面カバー、36B…絶縁カバー、36C…ヒンジ部、57…保持凹部。