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特許7474757モバイル航空機ドローンの早期警告プライバシー侵害検出、傍受、および防衛システムおよび方法
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  • 特許-モバイル航空機ドローンの早期警告プライバシー侵害検出、傍受、および防衛システムおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】モバイル航空機ドローンの早期警告プライバシー侵害検出、傍受、および防衛システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20240418BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240418BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G08B25/10 D
G08B21/00 A
H04Q9/00 301Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021518125
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019053892
(87)【国際公開番号】W WO2020072387
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】16/151,258
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507402510
【氏名又は名称】ティー-モバイル・ユーエスエー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨカム,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ロールセン,ダモン
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0092138(US,A1)
【文献】特開2008-234487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/10
G08B 21/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローンによって実行されるプライバシー侵害を検出し、傍受し、防衛するためのシステムであって、
前記システムは、命令を格納したコンピュータ可読媒体を備え、
前記命令は、前記システムの1以上のプロセッサによって実行されると、前記システムに、
少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内の少なくとも1つのドローンの存在を検出するステップ;
前記少なくとも1つのドローンの初期位置を決定するステップ;
前記少なくとも1つのドローンの初期位置が、前記少なくとも1つのユーザデバイスの設定可能な近傍範囲内で決定されると、前記少なくとも1つのユーザデバイスに関連付けられたユーザに対して警告または通知を送信するステップ;
前記少なくとも1つのドローンの位置変化を追跡するステップ;
前記少なくとも1つのドローンに対する少なくとも1つのプライバシー侵害対策を実行するステップ;
を実行させ、
前記少なくとも1つのプライバシー侵害対策は、構成可能な期間にわたって実行され、
前記命令は、前記システムにさらに、
前記ユーザが追跡したいドローンを前記ユーザが前記ユーザデバイス上で選択した結果を受け取るステップ、
前記選択したドローンの位置を前記ユーザデバイスに対して送信するステップ、
前記選択したドローンに対して実行する前記プライバシー侵害対策を前記ユーザが前記ユーザデバイス上において選択した結果を前記ユーザデバイスから受け取るステップ、
を実行させ、
前記追跡するステップにおいては、前記ユーザが選択したドローンの位置変化を追跡し、
前記プライバシー侵害対策を実行するステップにおいては、前記ユーザが選択した前記プライバシー侵害対策を実行し、
前記プライバシー侵害対策を実行するステップにおいては、最も侵襲性の低いものから最も侵襲性の高いものへ向かう優先順位の順番にしたがって、または、前記ユーザが設定した優先順位の順番にしたがって、前記プライバシー侵害対策を実行する
システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのユーザデバイスは、
モバイルデバイス、スマートデバイス、Internet of Thingsデバイス、セキュリティデバイス、
のうちいずれか1つ以上である、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのドローンの存在および初期位置は、3次元音源定位技術を用いて決定される、
請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのドローンの存在は、前記少なくとも1つのドローンの属性のうち、
前記少なくとも1つのドローンによって発せられる音周波数、
前記少なくとも1つのドローンによって発せられる電磁信号、
前記少なくとも1つのドローンによって発せられる可視光、
前記少なくとも1つのドローンによって発せられる熱インジケータ、
前記少なくとも1つのドローンの撮像された画像、
前記少なくとも1つのドローンに関連付けられた固有識別コード、
これらの任意の組み合わせ、
の1つまたは複数を分析することによって決定される、
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記1以上のプロセッサが実行する前記命令は、前記システムにさらに、前記少なくとも1つのドローンの前記1つまたは複数の分析された属性に基づいて、前記少なくとも1つのドローンのタイプを識別するステップを実施させ、
前記少なくとも1つのドローンに対して実行される前記少なくとも1つのプライバシー侵害対策は、前記少なくとも1つのドローンの前記識別されたタイプに基づいて実施される、
請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのドローンの存在は、
電気通信事業者によって追跡された、または前記電気通信事業者に関連付けられたドローンに関する情報を求める要求を、前記電気通信事業者に対して送信するステップ、
前記電気通信事業者から前記情報を受信すると、前記情報を分析して、前記電気通信事業者に関連付けられたドローンが前記少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内にあるかどうかを判定するステップであって、前記受信する情報は、前記電気通信事業者に関連付けられたドローンの少なくともサブセットに関する位置情報を含む、ステップ、
によって決定される、
請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記1以上のプロセッサが実行する前記命令は、前記システムにさらに、データストレージにアクセスして、1つまたは複数の許可された航空エンティティに関する情報を取得するステップを実施させ、
前記1つまたは複数の許可された航空エンティティは、前記少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内にあることが許可されており、
前記少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内で検出された前記少なくとも1つのドローンは、前記1つまたは複数の許可された航空エンティティではない、
請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのドローンの位置変化を追跡は、前記少なくとも1つのドローンを前記少なくとも1つのユーザデバイスの少なくとも1つのカメラレンズビュー内に保持することによって追跡される、
請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのドローンに対する前記少なくとも1つのプライバシー侵害対策は、
発光ダイオード信号の送信、
レーザ信号の送信、
音声信号の伝送、
熱信号の伝送、
前記ユーザデバイスに関連付けられているユーザに対する通知、
前記少なくとも1つのドローンの1つまたは複数の機能を無効にする、
少なくとも1つの対抗ドローンを配備する、
それらの任意の組み合わせ、
を含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプライバシー侵害対策は、前記少なくとも1つのユーザデバイス以外のデバイスによって実行される、
請求項1記載のシステム。
【請求項11】
ドローンを検出するためのモバイルアプリケーションによって実行される方法であって、
電気通信事業者と関連付けられたドローンに関する情報を求める要求を前記電気通信事業者に対して送信することにより、少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内またはユーザによって選択された位置の近傍内の少なくとも1つのドローンの存在を検出するステップ;
前記少なくとも1つのドローンの初期位置を決定するステップ;
前記少なくとも1つのユーザデバイスの構成可能な近傍範囲内または前記ユーザによって選択された位置の近傍範囲内の前記少なくとも1つのドローンの前記初期位置を決定すると、前記少なくとも1つのユーザデバイスに対して通知を送信するステップ;
前記少なくとも1つのドローンに対する少なくとも1つのプライバシー侵害対策を実行するステップ;
を有し、
前記方法はさらに、
前記ユーザが追跡したいドローンを前記ユーザが前記ユーザデバイス上で選択した結果を受け取るステップ、
前記選択したドローンの位置を前記ユーザデバイスに対して送信するステップ、
前記選択したドローンに対して実行する前記プライバシー侵害対策を前記ユーザが前記ユーザデバイス上において選択した結果を前記ユーザデバイスから受け取るステップ、
を有し、
前記プライバシー侵害対策を実行するステップにおいては、前記ユーザが選択した前記プライバシー侵害対策を実行し、
前記プライバシー侵害対策を実行するステップにおいては、最も侵襲性の低いものから最も侵襲性の高いものへ向かう優先順位の順番にしたがって、または、前記ユーザが設定した優先順位の順番にしたがって、前記プライバシー侵害対策を実行する
方法。
【請求項12】
前記ユーザによって選択された前記位置は、前記ユーザの現在の位置とは異なる、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのドローンの存在は、前記少なくとも1つのドローンの属性のうち、
前記少なくとも1つのドローンによって発せられる周波数、
前記少なくとも1つのドローンによって発せられる信号、
前記少なくとも1つのドローンによって発せられる光、
前記少なくとも1つのドローンによって発せられる熱インジケータ、
前記少なくとも1つのドローンの撮像された画像、
前記少なくとも1つのドローンに関連付けられた固有識別コード、
これらの任意の組み合わせ、
の1つまたは複数を分析することによって検出される、
請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記電気通信事業者に関連付けられた前記ドローンに関する前記情報を受信すると、前記情報を分析して、前記電気通信事業者に関連付けられたドローンが前記少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内にあるかどうかを判定するステップ;
によって少なくとも部分的に検出され、
前記受信された情報は、前記電気通信事業者に関連付けられたドローンの少なくともサブセットに関する位置情報を含む、
請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記方法はさらに、データストレージにアクセスして、1つまたは複数の許可された航空エンティティに関する情報を取得するステップを有し、
前記1つまたは複数の許可された航空エンティティは、前記少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内にあることが許可されており、
前記少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内で検出された前記少なくとも1つのドローンは、前記1つまたは複数の許可された航空エンティティではない、
請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記方法はさらに、前記少なくとも1つのドローンの位置変化を追跡するステップを有し、
前記少なくとも1つのドローンの前記位置変化は、前記少なくとも1つのユーザデバイスの少なくとも1つのカメラレンズビュー内に前記少なくとも1つのドローンを維持することによって追跡される、
請求項11記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのドローンに対する前記少なくとも1つの対策は、
発光ダイオード信号の送信、
レーザ信号の送信、
音声信号の伝送、
熱信号の伝送、
前記ユーザデバイスに関連付けられているユーザに対する通知、
前記少なくとも1つのドローンの1つまたは複数の機能を無効にする、
少なくとも1つの対抗ドローンを配備する、
それらの任意の組み合わせ、
を含む、
請求項11記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令を格納する少なくとも1つのコンピュータ可読メモリであって、前記命令は、無人航空機によって実行されるプライバシー侵害に対して防衛する方法を実行し、前記方法は、
少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内またはユーザによって選択された位置の近傍内の少なくとも1つの無人航空機の存在を検出するステップ;
前記少なくとも1つの無人航空機の初期位置を決定するステップ;
前記少なくとも1つのユーザデバイスの構成可能な近傍範囲内または前記選択された位置の構成可能な近傍範囲内で前記少なくとも1つの無人航空機の初期位置を決定すると、前記少なくとも1つのユーザデバイスに関連付けられたユーザに対して警告を送信し、前記少なくとも1つのドローンの位置変化を追跡するステップ、
前記少なくとも1つの無人航空機に対する少なくとも1つのプライバシー侵害対策の実行を開始するステップ;
を有し、
前記少なくとも1つのプライバシー侵害対策は、構成可能な期間にわたって実行され、
前記方法はさらに、
前記ユーザが追跡したいドローンを前記ユーザが前記ユーザデバイス上で選択した結果を受け取るステップ、
前記選択したドローンの位置を前記ユーザデバイスに対して送信するステップ、
前記選択したドローンに対して実行する前記プライバシー侵害対策を前記ユーザが前記ユーザデバイス上において選択した結果を前記ユーザデバイスから受け取るステップ、
を有し、
前記追跡するステップにおいては、前記ユーザが選択したドローンの位置変化を追跡し、
前記プライバシー侵害対策の実行を開始するステップにおいては、前記ユーザが選択した前記プライバシー侵害対策を実行し、
前記プライバシー侵害対策を実行するステップにおいては、最も侵襲性の低いものから最も侵襲性の高いものへ向かう優先順位の順番にしたがって、または、前記ユーザが設定した優先順位の順番にしたがって、前記プライバシー侵害対策を実行する
コンピュータ可読メモリ。
【請求項19】
前記少なくとも1つの無人航空機の存在は、
電気通信事業者によって追跡されたまたは前記電気通信事業者に関連付けられた無人航空機に関する情報を求める要求を前記電気通信事業者に対して送信するステップ;
前記電気通信事業者から前記情報を受信すると、前記情報を分析して、前記電気通信事業者に関連付けられた無人航空機が前記少なくとも1つのユーザデバイスの近傍内にあるかどうかを判定するステップであって、前記受信された情報は、前記電気通信事業者によって追跡されたまたは前記電気通信事業者に関連付けられた無人航空機の少なくともサブセットに関する位置情報を含む、ステップ、
によって少なくとも部分的に検出される、
請求項18記載のコンピュータ可読メモリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
専門家は、2018年末までに米国で350万台のドローンが販売されたと推定している。ドローンのこの指数関数的な成長の主な関心事は、個人が他人のプライバシーを侵害するために使用する可能性があることである。例えば、連邦航空局(FAA)は、これまでドローンの潜在的に安全でない使用形態に関する6,000を超える報告を収集している。ドローンがより手ごろになり、サイズが小さくなり、空域で目立たなくなるにつれて、プライバシーの問題がますます一般的になっている。現在の連邦規制は無人機が400フィート未満を維持することを要求しているが、それらは主に、オペレータの資格および飛行中の無人機を追跡するための正確なシステムを規制することによって、そのような事項を規制する。特定の州は、個人のプライバシーを侵害するドローンオペレータを不法侵害者にすることによって、プライバシー問題に対処する法律を可決している。しかし、現在のところ、個人が自分のプライバシーを積極的に保護するためのシステムまたは方法は存在しない。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1】本技術のいくつかの実装を利用することができる環境の1例を示す。
【0003】
図2】様々な実施形態によるドローンプライバシー侵害防衛システムの1組の構成要素を示す。
【0004】
図3】様々な実施形態によるドローン内の1組の構成要素を示す。
【0005】
図4】様々な実装形態による、ドローン管理アプリケーションを有するモバイルデバイス内のコンポーネントのセットを示す。
【0006】
図5A】様々な実装形態による、ドローンを検出し、傍受し、ドローンに対して防衛するための動作のセットを示す流れ図である。
図5B】様々な実装形態による、ドローンを検出し、傍受し、ドローンに対して防衛するための動作のセットを示す流れ図である。
【0007】
図6A】様々な実装形態に従って使用することができるグラフィカルユーザインターフェースの例である。
図6B】様々な実装形態に従って使用することができるグラフィカルユーザインターフェースの例である。
図6C】様々な実装形態に従って使用することができるグラフィカルユーザインターフェースの例である。
【0008】
図面は、必ずしも正確な縮尺で描かれていない。同様に、いくつかの構成要素および/または動作は、本技術の実装形態のいくつかの説明のために、異なるブロックに分離されるか、または単一のブロックに組み合わされることが可能である。さらに、本技術は様々な修正形態および代替形態に従うが、特定の実装形態が例として図面に示されており、以下で詳細に説明される。しかしながら、その意図は、技術を記述された特定の実装に限定することではない。むしろ、本技術は、添付の特許請求の範囲によって定義される本技術の範囲内にあるすべての修正形態、均等物、および代替形態を包含することが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
航空無人機(例えば、ドローン)の早期警告プライバシー侵害検出、傍受、および防衛のためのシステムおよび方法が、本明細書に記載される。本開示は「ドローン」という用語を使用するが、当業者はこの議論が他の同様の無人機に対して適用されることを理解するであろう。以下に説明する様々な実施態様は、個人の閾値距離内のドローンを検出し、ドローンの存在を個人に警告し、ドローンを追跡し、対策を実行することができるドローンプライバシー侵害防衛システムに必要なインフラストラクチャの様々な態様に対処する。インフラストラクチャは、検出および位置特定モジュール、警告/通知モジュール、トラッキングモジュール、対抗策モジュール、および1つ以上の電気通信ネットワークと通信するための通信インターフェースを含むモバイルアプリケーションを有することができ、これらはすべて以下において詳細に説明される。全体として、システムおよび方法はドローンの存在を検出し、ドローンが個人のプライバシーに侵入する前(および/または侵入している間)にこれらのドローンに対する対策を展開することができ(例えば、ドローンのカメラを使用して画像を取り込むことによって)、他の利点を提供する。
【0010】
以下の説明では、説明目的のために、本技術の実装の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細部分を説明する。しかしながら、当業者には明らかなように、本技術の実装は、これらの詳細部分のうちいくつかがなくても実施することができる。
【0011】
本明細書で紹介される技術は、特定用途ハードウェア(例えば、回路)として、ソフトウェアおよび/またはファームウェアで適切にプログラムされたプログラマブル回路として、または特定用途回路とプログラマブル回路の組み合わせとして実装することができる。したがって、実施形態は、コンピュータ(または他の電子装置)をプログラムしてプロセスを実行するために使用することができる命令を記憶した機械可読媒体を含むことができる。機械可読媒体は、フロッピー(登録商標)ディスケット、光ディスク、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、磁気または光カード、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するのに適したその他のタイプの媒体/機械可読媒体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0012】
「いくつかの実装において」、「いくつかの実装にしたがって」、「示された実装において」、「他の実装において」などの語句は一般に、その語句に続く特定の特徴、構造、または特性を意味し、本技術の少なくとも1つの実装に含まれ、複数の実装に含めることができる。さらに、このような語句は、必ずしも同じ実装または異なる実装を参照するわけではない。
【0013】
図1は、本技術のいくつかの実装を利用することができる環境100の例を示す。図1に示すように、環境100は、複数のドローン120A~120N(クワドコプターまたは他の自律航空機など)と、通信ネットワーク130と、ドローンプライバシー侵害防衛システム140と、オペレーティングデバイス175を有するドローンオペレータ170と、ユーザデバイス160を有するプライバシー防衛システムユーザ150とを有する地理的領域(例えば、都市または地下鉄エリア)107を示す。1つまたは複数のドローン120A~120Nは、ユーザ150のプライバシーを侵害することができる。プライバシー防衛システムユーザは、1つまたは複数のユーザデバイス160を使用して、ドローンプライバシー侵害防衛システム140を介して、プライバシー侵害を検出し、傍受し、および/またはプライバシー侵害に対して防衛することができる。ドローンプライバシー侵害防衛システム140は、1つまたは複数のユーザデバイス160内に埋め込むことができる。ユーザデバイスの例としては、モバイルデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップなど)、IoT(Internet of Things)デバイス、スマートデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートメガネなどのウェアラブル技術デバイス)、セキュリティデバイス(例えば、セキュリティオペレータによって操作される盗難防止/プライバシー侵害防止デバイス)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
ドローン120A~120Nは、通信ネットワーク130を介して、認可された、半認可された、または認可されていないスペクトルを使用して無線信号を送受信することによって、ドローンプライバシー侵害防衛システム140または他の携帯型電子デバイス(図示せず)と通信することを可能にする、ネットワーク通信構成要素を含むことができる。ドローンオペレータ170の1つまたは複数の操作デバイス175を使用して、ドローン120A~120Nは信号を受信することができる。
【0015】
場合によっては、通信ネットワーク130は、複数のネットワーク(異種ネットワークであってもよい)、例えば、1つ以上の境界ネットワーク、音声ネットワーク、ブロードバンドネットワーク、サービスプロバイダネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISP)ネットワーク、および/または、公衆交換電話網(PSTN)などのような複数のネットワークを含むことがある。これらは、様々なネットワーク間の通信を容易にするように動作可能なゲートウェイを介して相互接続される。通信ネットワーク130はまた、第3者通信ネットワークを含むことができる。例えば、Global System for Mobile(GSM)移動体通信ネットワーク、符号/時分割多元接続(CDMA/TDMA)移動体通信ネットワーク、第3、第4または第5世代(3G/4G/5G)移動体通信ネットワーク(例えば、一般パケット無線サービス(GPRS/EGPRS))、Enhanced Data rates for GSM Evolution(EDGE)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、またはロングタームエボリューション(LTE)ネットワークなどである。
【0016】
ネットワーク通信を可能にするために、様々な他の構成要素(図示せず)をドローン120A~120Nに含めることができることを、当業者は理解するであろう。例えば、ドローンは、GSMまたはより新しい移動電気通信ネットワークを介して通信するように構成することができる。その結果、ドローン120A~120Nは、GSM移動体または他の通信ネットワーク(例えば、3G、4G、5G、および/または他の無線プロトコルを使用するもの)上でドローン120A~120Nを識別するために使用される国際移動体加入者識別(IMSI)番号を格納する加入者識別モジュール(SIM)カード(eSIM、iSIMなどの埋め込みおよび/または統合SIMを含む)を含むことができ、および/またはそれに関連付けることができる。このタイプの構成の1つの利点は、ドローンがユーザ(ドローンオペレータおよび/またはプライバシー防衛システムユーザ)との直接通信を可能にするために、例えば、ドローンが地理的エリアおよび/または個人に近づいたときにテキストを送信するために、1つまたは複数のセルラ無線機を備えることができることである。ドローン120A~120Nが別の通信ネットワークを介して通信するように構成される場合、ドローン120A~120Nは、他の通信ネットワーク上で識別されることを可能にする他の構成要素を含むことができる。
【0017】
ドローン120A-120Nは、ジェネリックアクセスネットワーク(GAN)、無認可モバイルアクセス(UMA)、またはLTE-Uの規格およびプロトコルを使用して通信ネットワークに接続できる構成要素を有することができる。例えば、ドローン120A-120Nは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)上のインターネットプロトコル(IP)ベースの通信をサポートする構成要素と、IPベースのWLAN上の通信ネットワークとの通信を可能にする構成要素とを含むことができる。さらに、図示されていないが、ドローン120A~120Nは衛星との通信を許可する機能を含むことができる。ドローン120A~120Nは、1つまたは複数のドローンオペレータおよび/またはドローンプライバシー侵害防衛システム140とのデータ転送またはチェックインを必要とする1つまたは複数のモバイルアプリケーションを有することができる。
【0018】
図2は、様々な実装形態によるドローンプライバシー侵害防衛システム140の1組の構成要素を示す。図2に示すように、ドローンプライバシー侵害防衛システム140は、検出および位置検出モジュール205、警告/通知モジュール210、トラッキングモジュール215、対抗策モジュール220とを備える。
【0019】
検出および位置特定モジュール205は、少なくとも1つのプライバシー防衛システムユーザ(および/またはユーザデバイス)の近傍内の1つまたは複数のドローンの存在を検出することができる。プライバシー防衛システムのユーザは、ドローンが検出される近傍の他のオブジェクト、ユーザ、および/または地理的位置を指定することができる。例えば、検出および位置特定モジュール205は、プライバシー防衛システムユーザの特定の閾値距離/近傍範囲(例えば、ユーザが構成可能または調整可能)内のドローンの存在を検出することができる。代替的にまたは追加的に、検出および位置特定モジュール205は、プライバシー防衛システムユーザから離れたロケーションにあるドローンを遠隔監視することができる(例えば、ユーザが市内にいる場合であっても、ユーザの山小屋の周りをうろついているドローンを検出し、位置特定する)。検出および位置特定モジュール205は、ドローンの以下の属性のうちの1つまたは複数を分析することによって、ドローンの存在および/またはロケーションを決定することができる:
・ドローンによって放出される音響周波数
・ドローンによって放出される電磁信号
・ドローンによって放出される光
・ドローンが発する熱/熱インジケータ(ドローンのバッテリーから発する熱など)
・ドローンを捕捉した画像またはビデオ
・ドローンに関連付けられた固有の識別コード、など。
【0020】
例えば、検出および位置決定モジュール205は、3次元音響定位技法を使用してドローンの存在および位置を決定することができる。別の例として、検出および位置特定モジュール205は、ドローン(例えば、ドローン上のUPCステッカー)に関連付けられた固有の識別コード(例えば、ユニバーサルプロダクトコード(UPC))をスキャンすることによって(例えば、画像をキャプチャすることによって)、ドローンの存在およびロケーションを決定することができる。
【0021】
検出および位置特定モジュール205は、ドローンの存在、ロケーション、および/または他の特性を検出するために、電気通信ネットワーク130(たとえば、モバイルキャリア)と通信することができる。例えば、検出および位置特定モジュール205は、電気通信キャリアに関連付けられた1つまたは複数のドローンに関する情報を求める要求を、電気通信キャリア130に送信することができる。検出および位置特定モジュール205は、電気通信キャリア130から受信した情報(例えば、ロケーション座標)を分析して、電気通信キャリア130に関連付けられたドローンがプライバシー防衛システムユーザの近傍内にあるかどうかを判定することができる。次いで、検出および位置特定モジュール205は、検出されたドローンのうちの1つまたは複数がプライバシー防衛システムユーザの空域にいることが許可されているかどうか(例えば、配達ドローン、許可された公的使用ドローンなどとして)を判定することができる。検出および位置特定モジュール205は、データ記憶装置240、電気通信ネットワーク130、および/または任意の他のエンティティ(ドローンについての情報を保持するサードパーティサービスなど)にアクセスして、プライバシー防衛システムユーザの近傍および/またはドローンの検出されたロケーション内にあることが許可されている1つまたは複数の空中エンティティまたはドローンについての情報を決定することができる。例えば、検出および位置特定モジュール205は、APIを介してFAAデータベースにアクセスして、検出されたドローンと同様の特性を有するドローンがプライバシー防衛システムユーザの閾値距離内にあることが許可されているかどうかを判定することができる。検出および位置特定モジュール205はまた、少なくとも1つのドローンの1つまたは複数の分析された属性に基づいて、検出されたドローンのタイプを識別することができる。ドローンタイプは、ドローンに対して実行されるプライバシー侵害対策を選択するために、対抗策モジュール220によって使用することができる。
【0022】
検出および位置特定モジュール205は、ユーザ装置内に配置されるか(例えば、ユーザ装置内に埋め込まれる)、ユーザ装置に通信可能に結合されるか(例えば、ネットワーク化された構成要素として)、あるいはユーザ装置によって他の方法でアクセス可能である。例えば、ユーザのモバイルデバイス(および/またはワイヤレスイヤホンまたは他の着用可能なものなどのモバイルデバイスアクセサリ)内に埋め込まれた3D音声検出デバイスを使用して、検出および位置特定モジュール205の機能のいくつかまたはすべてを実行することができる。代替的にまたは追加的に、検出および位置特定モジュール205は、ドローンを検出および/またはロケートするために、並列に協働して動作する2つ以上のデバイスの間で分散することができる。例えば、2つ以上のユーザデバイス(例えば、モバイルデバイスおよびモバイルデバイスの近くのIoTデバイス)は、ユーザデバイスが互いに(または他の第3者と)通信して、1つ以上のドローンを検出し、それらの軌道/経路を識別し、ドローンに関する追加情報を決定し、または位置特定技術を使用してドローンの初期位置を決定するように、それぞれ検出および位置特定モジュール205を含むことができる。さらに、1つまたは複数の基地局(たとえば、電気通信ネットワークに関連する)は、基地局の構成可能な半径内のドローンを検出および/または位置特定するために、検出および位置特定モジュール205を有することができる。基地局に関連付けられた検出および位置特定モジュール205が1つまたは複数のドローンを検出すると、検出されたドローンの通知をユーザ(例えば、基地局から構成可能な距離内のユーザ、基地局を管理する電気通信ネットワークに関連付けられたユーザ、通知を受信することを選択したユーザ、ドローンオペレータなど)に対して送信することができる。
【0023】
警告/通知モジュール210は、1人または複数のユーザ(例えば、ドローンオペレータ、プライバシー防衛システムユーザ、家族、友人など)に対して、検出されたドローンおよび/または位置特定されたドローンの存在を、警告または通知することができる。警告または通知は、オーディオインジケータ、ビジュアルインジケータ、触覚インジケータ、またはそれらの任意の組み合わせの形態であってもよい。図6Aは、ユーザのデバイスの100メートル以内の3つのドローンをプライバシー防衛システムユーザに対して警告する警告/通知610を表示する、ユーザデバイス160におけるユーザインターフェースの例を示す。警告/通知モジュール210は、プライバシー防衛システムのユーザに対してドローンの存在を通知し、特定のエラー半径内でそれらの位置を提供することができる。例えば警告/通知モジュール210は、ドローンがユーザの位置の北西象限に存在することをユーザに対して警告するが、ドローンの正確な位置を提供しなくともよい。警告/通知モジュール210は(データ記憶装置240、電気通信ネットワーク130などから)検出されたドローンについての情報を収集し、それを(図6Aに示すように)プライバシー防衛システムユーザに提示することができる。例えば、警告/通知モジュール210は、カメラおよびマイクロフォン(マイク)を有するドローンがあらかじめ設定された位置から50メートル以内に検出されたこと、ドローン(および/またはドローンのオペレータ)が特定の電気通信ネットワークの加入者であること、ドローンが検出された位置の近傍の空域にいることを許可されていないことなどを、ユーザに対して警告することができる。別の例として、ドローンオペレータは、そのドローンが検出され、他のユーザによって追跡されているという通知を受信することができる。
【0024】
ユーザ(ドローンオペレータおよび/またはプライバシー防衛システムユーザ)は、ドローンプライバシー侵害防衛システム140の警告/通知モジュール210からドローンの警告/通知を受信するために、サインアップ、オプトイン、またはサブスクライブすることができる。たとえばユーザは、モバイルアプリケーションを使用し、あるいはバーコードやQR コードなどのコード、テキスト、電話などをスキャンするなどして、サインアップ/オプトイン/サブスクライブを実施できる。各ユーザは、警告/通知を受信するためのカスタマイズされた条件を指定できる。ユーザは、検出されたドローンについて受信したい情報のタイプおよび量を指定することもできる。例えば、第1のユーザは第1のユーザの位置から100メートル以内に検出されたカメラおよびマイク能力を有するドローンに関する警告/通知を受信するように選択することができ、第2のユーザは特定の地理的位置(例えば、家庭)から50メートル以内に検出されたカメラ能力を有するドローンに関する警告/通知を受信するように選択することができる。警告/通知モジュール210はユーザの条件に基づいて、検出および位置特定モジュール205から受信された検出/位置特定されたドローンに関する情報をフィルタリングし、次いで、ユーザの条件に基づいて、適切な警告/通知をユーザに送信することができる。代替的にまたは追加的に、警告/通知モジュール210は、拡張現実、仮想現実、および/または任意の同様なアプリケーションによって使用可能な形態で、警告/通知を送信することができる。
【0025】
トラッキングモジュール215は例えば、検出および位置特定モジュール205によって検出されたそれらの初期位置を使用して、検出されたドローンを追跡することができる。トラッキングモジュール215はドローンの初期位置にロックインし、次いで、ドローンの軌道/経路を追跡するために1つまたは複数の追跡技法(例えば、相関フィルタベースのトラッカ(CFT)、非相関フィルタベースのトラッカ(NCFT)など)を使用することができる。例えば、トラッキングモジュール215は、ドローンをユーザのデバイスのカメラレンズビュー内に保つことによって、ドローンの位置変化を追跡することができる。さらにトラッキングモジュール215は、ユーザが追跡されたドローンの軌道および/または追跡されたドローンに関する情報を見ることを可能にするために、ユーザのデバイスに対して信号を送信することができる。図6Cは、ユーザ150の近傍で検出されたドローン120A~120Nに関連する追跡情報(例えば、635および650)を表示する、ユーザデバイスにおけるユーザインターフェースの例を示す。
【0026】
対抗策モジュール220は、検出された、位置特定された、および/または追跡されたドローンに対する1つまたは複数の対策を実行することができる。対策の例としては以下が含まれるが、これらに限定されない:
・発光ダイオード信号の送信
・レーザ信号の送信
・音声信号の伝送
・熱信号の伝送
・ユーザデバイスに関連付けられているユーザに対して通知
・ドローンの1つまたは複数の機能を無効にする
・少なくとも1つのカウンタードローン(対抗ドローン)を配備する
・それらの任意の組み合わせ。
代替的にまたは追加的に、対抗策モジュール220は、ドローンの無効化または再配置を要求または指示するために、ドローンのオペレータ、関連会社、および/または関連するネットワークオペレータに(例えば、電気通信ネットワーク130を介して)連絡することができる。これに代えて、またはそれに加えて、ドローンプライバシー侵害防衛システムは、ドローンが無許可の領域に入ったときにドローンオペレータに対して通知することができる(例えば、ドローンオペレータが無許可の領域から出るようにドローンを案内し、いかなるプライバシー法律も違反しないようにする)。
【0027】
対抗策モジュール220は、1つまたは複数の要因に基づいて、対策を自動的に選択および/または実行することができる。この要因は例えば以下を含む:プライバシー防衛システムのユーザの好み、過去の行動、許可された対策、ドローンの能力、ドローンに関連するオペレータ、ドローンの所属など。代替的または追加的に、対抗策モジュール220は、ユーザ(ドローンオペレータおよび/またはプライバシー保護システムユーザ)からの対策の選択を受信することができる(例えば、ユーザインターフェースを介して)。さらに、対抗策モジュール220は、優先順位(例えば、最も侵襲性の低いものから最も侵襲性の高いもの、ユーザが設定した優先順位など)にしたがって対策を選択して実行することができる。検出および位置特定モジュール205と同様に、対抗策モジュール220は、ユーザのデバイスおよび/または他のデバイスと関連付ける(および/または組み込まれる)ことができ、対策を実行するために複数のユーザデバイス(IoTデバイス、ユーザのモバイルデバイス、ウェアラブルデバイスなど)を制御または指示するなど、1つまたは複数の外部デバイスによる対策の実行を調整することができる。例えば、対抗策モジュール220は、ドローンのカメラを遮断するためにレーザ信号を発するようにIoTデバイスおよび/またはユーザのモバイルデバイスに命令し、ドローンのマイクを遮断するためにオーディオ信号を送信または発するようにユーザのウェアラブルデバイスに命令し、および/または、ドローンの熱検出器を混乱させるために熱信号を発するようにIoTデバイスに命令することなどができる。対抗策モジュール220は、設定可能な期間の間、プライバシー侵害対策を実行することができる。構成可能な期間は、ユーザの好み、ドローンの位置、ユーザの指定された地理的エリアへのドローンの近接度、ユーザ指定された地理的エリアの特徴(例えば、公共エリアと比較して家屋位置にはより長い期間を設定する)、ドローンの軌道、ドローンの特徴/能力などに基づくことができる。
【0028】
図3は、本技術の様々な実装形態による、ドローン120A~120N内の構成要素のセットを示す。図3に示すように、ドローン120A~120Nは、電源305(例えば、バッテリ)、メモリ310(例えば、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリ)、命令を実行し計算を実施するためのプロセッサ315、センサ320、ナビゲーションシステム325、通信システム330、画像処理モジュール335、慣性測定ユニット(IMU)340、および全地球測位システム(GPS)345を備えることができる。
【0029】
プロセッサ315は、アプリケーションプロセッサ、様々なコプロセッサ、およびドローン120A~120Nを動作させるための他の専用プロセッサを含む、ドローン120A~120Nのメインプロセッサである。プロセッサ315は、メモリ310と通信可能に結合され、オペレーティングシステム、ユーザインターフェース、センサ320、ナビゲーションシステム325、通信システム330、画像処理モジュール335、および/または他の構成要素を実行するように構成することができる。プロセッサ315は、信号処理(例えば、セルラ通信のためのベースバンドプロセッサ)を実行し、ドローン120A~120Nのリアルタイム無線送信動作を実装/管理し、ナビゲーション決定を実施する(例えば、飛行経路を計算し、障害物回避ルーチンを実装するなど)ように構成された、複数の専用または共有プロセッサを含むことができる。これらのプロセッサは他の構成要素と共に、電源305によって電力供給することができる。種々の実施形態に見られる揮発性メモリおよび不揮発性メモリは、プロセッサ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータのような情報を記憶するための記憶媒体を含むことができる。保存することができる情報の例としては、基本入出力システム(BIOS)、オペレーティングシステム、アプリケーションなどがある。
【0030】
センサ320は、周囲環境におけるイベントまたは変化を検出し、ドローン内の様々な構成要素によって作用されるかまたはドローンインフラストラクチャもしくは電気通信ネットワークの他の部分に送信される、対応する信号を生成するために使用することができる。センサ320は、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる:マイクロホン、カメラ、サーモスタット、加速度計、光センサ、運動センサ、水分センサ、指紋リーダ、網膜スキャナ、化学センサ、スケール、LIDAR、RADARなど。環境を記録するために、他のセンサを使用することができる。別の例として、電池寿命は、温度に基づいて著しく変化する場合がある。いくつかの実装形態では、マイクロフォンによって生成された信号を使用して、周囲環境のノイズレベルを判定し、ノイズキャンセル動作を実行して、クリアなオーディオ信号を取得または記録することができる。さらに、センサ320は、ブルートゥースまたは近距離無線通信(NFC)システムを含むことができる。
【0031】
図4は、本技術の様々な実装による、ドローン防衛アプリケーションを有するユーザデバイス内のコンポーネントセットを示す。図4に示すように、モバイルデバイス400は、メモリ405(例えば、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリ)、電源410(例えば、バッテリ)、処理命令を実行するためのプロセッサ415、およびオペレーティングシステム420を含むことができる。追加の構成要素は以下を含む:データ記憶構成要素425(例えば、ハードドライブ、フラッシュメモリ、メモリカード等)、オーディオインターフェース440、マイクロホン445、ディスプレイ450、キーパッドまたはキーボード455、他の入力および/または出力インターフェース460(例えば、指紋センサまたは他の生体認証センサ/セキュリティ機能)、および1つ以上のネットワークインターフェース(例えば、Bluetoothインターフェース430;ネットワーク通信インターフェース435;これらは、電気通信ネットワーク上でライセンスされた、半ライセンスされた、またはライセンスなしスペクトルを使用して無線信号を送受信することによって、ユーザ装置が通信できるようにする)。ユーザ装置160の様々な構成要素は、バスを介して相互接続することができる。
【0032】
プロセッサ415は、ユーザ装置160のメインプロセッサであり、プロセッサ315と同じタイプのプロセッサであってもよい。ドローン防衛アプリケーション465は、ドローンプライバシー侵害防衛システムの1つまたは複数の構成要素/モジュールを含むか、またはそれと通信可能に結合され、ユーザデバイス160上にインストールすることができる。ドローン防衛アプリケーション465は、ドローン対抗策インターフェース470を介して、プライバシー侵害を検出し、傍受し、および/または防衛するために使用することができる。
【0033】
図5A~5Bは、様々な実装形態による、ドローンを検出し、傍受し、ドローンに対して防衛するためにシステムによって実行される動作のセットを示すフロー図である。505aにおいて、システム(例えば、図2の検出および位置特定モジュール205を使用する)は、構成可能な位置の近傍(例えば、構成可能な距離内)に1つまたは複数のドローンが存在することを検出する。例えば、プライバシー防衛システムのユーザは、ユーザの自宅から100メートル以内のドローンの存在を検出するようにシステムを事前に構成した。次いで、ユーザは、以下の要因のうちの1つまたは複数に基づいて、異なるドローン防衛変数またはプロファイルを設定することによって、異なるドローン検出条件を構成する:
・プライバシー防衛システムのユーザの所在地
・保護対象地点(自宅、浜辺、ボート、車など)
・保護すべき領域(例えば、100平方メートル、半径50メートル、150フィートの物件の周囲に沿って)
・プライバシー侵害から防衛するターゲットロケーションの能力
・他のユーザ(例えば、家族、友人など)のIDおよび/またはロケーション、など。
505bにおいて、少なくとも1つのドローンの存在を検出すると、システムは、検出されたドローンの初期位置を決定する。システムは、他の情報源(例えば、電気通信ネットワーク)、ソーシャルメディア(例えば、ドローンの使用状況を記述するソーシャルメディア上のドローンオペレータの投稿)、第3者(例えば、ドローン飛行経路サービス)などと通信して、検出されたドローンの初期位置を決定および/またはその精度を向上させることができる。
【0034】
505cにおいて、システムは、検出されたドローンのうちの1つまたは複数が(例えば、配達ドローン、許可された公的使用ドローン、ユーザの個人ドローンなどとして)構成可能な場所の近くにあることが許可されているかどうかを判定する。システムは、電気通信ネットワーク、ソーシャルメディア(例えば、ドローンの使用状況を記述するソーシャルメディア上のドローンオペレータの投稿)、第3者(例えば、ドローン飛行経路サービス、FAA、配達ドローンサービスなど)などの他の情報源と通信して、プライバシー防衛システムユーザの近傍またはドローンの検出された位置内にあることが許可された1つまたは複数の空中エンティティまたはドローンに関する情報を決定することができる。ドローンが許可されている場合、システムはブロック505aに戻り、他のドローンを監視し続ける。
【0035】
ドローンが許可されていない場合、システムはブロック510aに進み、システムは例えば、図2の警告/通知モジュール210を使用して、検出されたドローン(複数可)および/またはそれらの初期位置(複数可)について1人または複数のユーザ(ドローンオペレータおよび/またはプライバシー防衛システムユーザ)に警告/通知する。システムは、デフォルトまたはユーザ提供ドローン検出条件に基づいて、ユーザに警告または通知する。例えば、システムは構成可能な位置から50メートル以内のドローンを検出し、ドローンが自身から75メートル以内で検出されたときに通知されるように指示したユーザに対してのみ通知することができる。システムは、ドローンが自分の位置から25メートル以内にいるときにのみ通知されるように指示したユーザには通知しない。システムは、1つ以上のユーザデバイスを介してユーザに通知できる。例えば、システムは、ユーザのモバイル装置160上のユーザインタフェース511で警告/通知を表示することができる。いくつかの実装形態では、システムが例えば、音、視覚的警告(例えば、点滅/ストロボライト)、振動などを発することによって、ユーザに通知するように連携して動作することができるいくつかのユーザデバイスに対して、通知を送信することができる。
【0036】
図6Aは、設定可能な場所の付近で検出されたドローンをプライバシー防衛システムユーザに対して通知するために使用できるグラフィカルユーザインタフェースの例である。警告または通知610をユーザ装置160上に表示することができる。通知610は、検出されたドローン(例えば、100メートル以内に検出された3つのドローン)に関する情報を含むことができる。さらに、ユーザは地図615a上のドローンを見ることができ、ドローンの詳細615bを見ることができ、またはその両方を実施できる。地図ビュー620は、1つまたは複数の検出されたドローン120A~Cに対するユーザの相対位置、およびドローンが許可されているかどうかなどの関連情報を示すことができる。例えば、図6Aに示すように、地図ビュー620は、地理的領域/場所(例えば、都市または地下鉄エリア)107に位置し、2つの無許可無人ドローン120Aおよび102C、ならびに1つの無許可ドローン120Bによって囲まれたユーザ150を示す。ユーザは1つ以上のドローンを選択して、ドローンを追跡し(615c)、ドローンの位置をロックし(615d)、1つ以上の対策をとり(615e)、ドローンのオペレータに接触する(615f)などのようなアクションをとることができる。
【0037】
図6Bは、1つ以上の検出されたドローンの詳細630を表示するためのグラフィカルユーザインタフェースの例である。例えば、ユーザインターフェースは、任意の検出されたドローンについての以下の情報を表示することができる:ドローン識別子630a、オペレータ/所属630b、位置630c、プライバシー防衛システムユーザからの距離630d、ドローン軌道630e、ドローン能力630f、ドローンのアクティブ機能630g、そのドローンについての利用可能な対策630h、など。ユーザは、選択されたドローンに対して実行するために利用可能な対策を選択することができる。いくつかの実施形態では、ドローンの現在位置、プライバシー防衛システムユーザからの距離、ドローンの能力などの要因に基づいて、特定の対策が利用可能でない場合がある。例えば、ドローンの音とカメラの両方を遮断するための対策はドローンが私有財産であるときは利用可能であるが、これらの対策はドローンが公有財産であるときには利用可能でない場合がある。
【0038】
510bにおいて、システムは(例えば、図6Aに示される制御615cを使用して)検出されたドローンを追跡するために、プライバシー防衛システムユーザから指示を受信することができる。図6Cに示すように、ユーザは、環境107において検出されたドローン120A~Nを見て、追跡制御635を使用してドローン120Aを選択することができる。ユーザはまた、ドローンの詳細のスナップショットを表示し、ドローンを追跡し、および/または、例えば、制御650を用いて、対応策を実行するように選択することができる。ユーザは、ディスプレイをズームインまたはズームアウトするためにコントロール640を使用することができる。
【0039】
プライバシー保護システムのユーザが追跡するドローンを選択しない場合、システムはブロック505aに戻り、他のドローンを監視し続ける。プライバシー保護システムのユーザが1つ以上の追跡するドローンを選択すると、システムはブロック510cに進み、システムは選択されたドローンを追跡する。例えば、図5Aに示すように、ユーザインターフェース511は、検出されたドローンがユーザの周りを移動するときに、検出されたドローンの異なる位置512A、512B、および512Cを表示する。510dにおいて、システムは、ドローンの位置をロックする(システムがドローンに対する1つ以上の対策を実行することを可能にするために)。システムはドローンの位置を自動的にロックすることができ、またはそうするようにユーザから指示を受信することができる(例えば、図6Aの制御615dを介して)。システムは、全地球測位システム(GPS)データ、レーダセンサ、距離計算ソフトウェアモジュール、視線測定などを用いて、ドローンの位置をロックすることができる。例えば、ドローンがプライバシー防衛システムユーザと同じ電気通信ネットワークに加入しているとき、システムは電気通信ネットワークからドローンの位置を検索することができる。別の例として、システムはユーザ装置のGPS座標からの正確な距離を得るためにレーザを介してマニュアルで視線を測定し、ソフトウェアアルゴリズムを介してドローンの正確な位置を計算することができる。ドローンの位置がロックされると、システムは、510eにおいて、ドローンのロックされた位置をユーザに通知する。例えば、図5Aに示すように、ユーザインターフェース511は、選択されたドローンのロック位置513を表示することができる。
【0040】
515aにおいて、システムは検出された(および/またはロックされた)ドローンに対して1つまたは複数の対策を講じるために、ユーザから1つまたは複数の指示を受信する。例えば、図6Bに例示されているように、ユーザは、ドローンD1234に対するレーザ光と、ドローンD5492に対するホワイトノイズ難読化を使用した対策とを使用することを選択することができる。例えば、システムは(例えば、図2の対抗策モジュール220を使用して)選択されたドローンの対策を自動的に選択する。515bにおいて、システムは、選択されたドローンに対する選択された対策を実行することができる。
【0041】
結論
文脈がそわないことを明確に要求しない限り、明細書および特許請求の範囲を通して、単語「備える」、「備えている」などは排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきである。すなわち、「含んでいるが、それに限らない」という意味で解釈すべきである。本明細書で使用される場合、「接続された」、「結合された」またはその任意の変形は、任意の接続または結合、2つ以上の要素間の直接または間接のいずれかによる接続を意味する。要素間の接続は物理的、論理的、またはそれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、語句「ここで」「上記」「下記」および類似語は、本明細書全体を指しており、本願の特定部分を指しているのではない。文脈上許容されるのであれば、本明細書における単数形または複数形を用いる語句は、複数形または単数形をそれぞれ包含する。「または」という語は、2以上のリストを参照している場合、以下の解釈のすべてをカバーする:リスト内のアイテムのいずれか、リスト内のアイテムのすべて、およびリスト内のアイテムの任意の組み合わせ。
【0042】
システムの実装の上記の詳細な説明は、網羅的であること、またはシステムを上記に開示された正確な形態に限定することを意図していない。システムの具体的な実装および例は例示の目的で上述されているが、当業者が認識するように、システムの範囲内で様々な同等の修正が可能である。例えば、いくつかのネットワーク要素は、特定の機能を実行するものとして本明細書に記載される。これらの機能は同じまたは異なるネットワーク内の他の要素によって実行することができ、これによりネットワーク要素の数を減らすことができる。代替的に、または追加的に、これらの機能を実行するネットワーク要素はこれらの機能の一部を実行するために、2つ以上の要素によって置き換えることができる。さらに、プロセス、メッセージ/データフロー、またはブロックが所定の順序で提示されているとしても、代替の実装は、ブロックを有するルーチンを実行するか、またはブロックを有するシステムを異なる順序で使用することができ、一部のプロセスまたはブロックは代替またはサブコンビネーションを提供するために、削除、移動、追加、サブ分割、結合、および/または修正されてもよい。これらのプロセス、メッセージ/データフロー、またはブロックのそれぞれは、様々な方法で実装することができる。また、プロセスまたはブロックは時には連続して実行されるものとして示されているが、これらのプロセスまたはブロックは代わりに、並列に実行されてもよく、または異なる時に実行されてもよい。さらに、本明細書で言及される任意の特定の数は単なる例であり、代替の実装形態は、異なる値または範囲を使用することができる。また、当業者はデータベースの実際の実装が様々な形態をとることができ、用語「データベース」は本明細書ではテーブル、リンクされたリスト、アレイなどのような、データが記憶され、アクセスされることを可能にする任意のデータ構造を指すために、総称的な意味で使用されることを理解するであろう。
【0043】
本明細書で提供される方法およびシステムの教示は、必ずしも上記のシステムではなく、他のシステムに適用することができる。上述の様々な実装の要素、ブロック、および動作は、さらなる実装を提供するために組み合わせることができる。
【0044】
添付の出願書類に列挙される任意のものを含む、上記の任意の特許および出願ならびに他の参考文献は、本明細書中に参考として援用される。本技術の側面は必要に応じて、本技術のさらなる実装を提供するために、上述の様々な参照のシステム、機能、および概念を採用するように修正することができる。
【0045】
上記の詳細な説明に照らして、これらおよび他の変更を本発明に加えることができる。上記の説明は本技術の特定の実施形態を説明し、企図される最良の形態を説明するが、上記がどれほど詳細にテキストに現れるかにかかわらず、本発明は多くの方法で実施することができる。システムの詳細は本明細書に開示される技術によって依然として包含されながら、その実施の詳細において大幅に変化する場合がある。上述したように、技術の特定の特徴または態様を説明するときに使用される特定の用語は、その用語が関連付けられる技術の任意の特定の特性、特徴、または態様に限定されるように本明細書で用語が再定義されることを暗示するものと解釈されるべきではない。一般に、以下の特許請求の範囲で使用される用語は上記の詳細な説明がそのような用語を明示的に定義しない限り、本明細書で開示される特定の実装に本発明を限定すると解釈されるべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示された実施態様だけでなく、特許請求の範囲の下で本発明を実施または実装するすべての同等の方法も包含する。
【0046】
本技術の特定の態様は特定の請求項の形態で以下に提示されるが、本発明者らは任意の数の請求項の形態で本技術の様々な態様を企図する。例えば、本発明の1つの態様のみがコンピュータ可読媒体に実装されるものとして記載されている場合であっても、他の態様も同様にコンピュータ可読媒体に実装されてもよい。従って、発明者は技術の他の側面のために当該追加請求項様式を追求するために、出願後に追加請求項を追加する権利を留保する。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C