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特許7474760TASK-1およびTASK-3チャンネル阻害剤を含有する医薬投薬形態の製造方法、ならびに呼吸障害治療におけるその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】TASK-1およびTASK-3チャンネル阻害剤を含有する医薬投薬形態の製造方法、ならびに呼吸障害治療におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20240418BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240418BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240418BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240418BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240418BHJP
   A61P 9/06 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K47/14
A61K47/10
A61P11/00
A61P25/00
A61P9/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021529444
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2019081950
(87)【国際公開番号】W WO2020109109
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】18208601.7
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(73)【特許権者】
【識別番号】300049958
【氏名又は名称】バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】シュタイン,ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】ベック-ブロイヒシッター,モリッツ
(72)【発明者】
【氏名】アルンツ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ニコライ,ジャニーン
【審査官】川合 理恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/114501(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/114503(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安定な医薬製剤を製造するための方法であって、
第一工程において、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを可溶化剤として最初に準備し、および/または、PEG400を共溶媒として最初に準備し、少なくとも1つの抗酸化剤、および、治療有効量の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩、あるいは、(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩、をその中に溶解させ、続いて、少なくとも1つのpH調節剤、水および、任意にグリセロール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルもしくはPEG400、および、任意に少なくとも1つの甘味料が添加され、得られる溶液のpHが6.8~8.2である、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
可溶化剤としての少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよび/または共溶媒としてのPEG400を最初に準備し、次いで、抗酸化剤が添加され、続いて、(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩、あるいは、(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩、がその中に溶解されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
最初に、
少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)および/またはPEG400、ならびに、さらに少なくとも1つの抗酸化剤を含む一次溶液(A)が調製され、そして、さらなる工程において、(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩、あるいは、(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩がこの混合物に溶解され、そして、これが、
少なくとも1つのpH調節剤、水、および、任意にグリセロールまたはPEG400、および、任意に少なくとも1つの甘味料を含む溶液(B)に添加され、
得られる溶液のpHが6.8~8.2である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の工程において、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを最初に準備し、次いで抗酸化剤が添加され、続いて、治療有効量の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノンがその中に溶解され、次いで、少なくとも1つのpH調節剤、少なくとも1つの甘味料および水が添加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の工程において、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを最初に準備し、次いで抗酸化剤が添加され、続いて治療有効量の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノンがその中に溶解され、次いで少なくとも1つのpH調節剤および水が添加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1の工程において、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを最初に準備し、次いで抗酸化剤が添加され、続いて治療有効量の(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンが溶解され、次いで少なくとも1つのpH調節剤、グリセロールまたはPEG400、任意に甘味料および水が添加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1の工程において、PEG400を最初に準備し、次いで、抗酸化剤が添加され、続いて、治療有効量の(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンが溶解され、次いで、少なくとも1つのpH調節剤、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、任意に甘味料および水が添加されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
以下を含むことを特徴とする、医薬製剤;
- 1~21重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.001~0.2重量%の抗酸化剤、
- 0.002~0.1重量%の、治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤である(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩、
- 0.01~6重量%の甘味料、及び
- 72~98.5重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【請求項9】
以下を含むことを特徴とする、医薬製剤;
- 1.4~22.7重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.001~0.2重量%の抗酸化剤、
- 0.002~0.1重量%の、治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤である(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩、
- 0~4重量%の甘味料、及び
- 73~98.5重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【請求項10】
呼吸障害、睡眠関連呼吸障害、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、いびき、心不整脈、不整脈、神経変性障害、神経炎症性障害および神経免疫障害を治療するおよび/または予防する用途のための、鼻または咽頭投与用の、請求項8または9に記載の医薬製剤。
【請求項11】
請求項10に記載の鼻または咽頭投与用の医薬製剤であって、ここで、鼻または咽頭への投与は、鼻腔スプレー、点鼻薬(nasal drop)、点鼻液(nasal solution)、粉末吸入器、ネブライザー、定量投与エアロゾルまたは半固体ゲルにより補助される、医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、TASK-1および/またはTASK-3チャンネルの強力かつ選択的な阻害剤を含む医薬投薬形態を製造する方法、ならびに閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきなどの睡眠関連呼吸障害を含む呼吸障害の治療および/または予防のための、その製造方法によって得られる投薬形態の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カリウムチャンネルは実質的に普遍的な膜タンパク質であり、多数の異なる生理学的過程に関与している。これには、ニューロンや筋細胞の膜電位や電気的興奮性の調節も含まれる。カリウムチャンネルは、膜貫通ドメインの数が異なる3つの主要なグループに分けられる(2、4、6)。2つの孔形成ドメインが4つの膜貫通ドメインに隣接するカリウムチャンネル群は、K2Pチャンネル(2孔ドメインK)と呼ばれる。機能的には、K2Pチャンネルは、実質的に時間および電圧に独立して、Kバックグランド電流を媒介し、静止膜電位の維持へのそれらの寄与は、決定的に重要である。K2Pチャンネルのファミリーは、配列、構造および機能の類似性に基づいて、6つのサブファミリーに分割された15のメンバーを含む:TWIK(タンデムポードメインKチャンネル)、TREK(TWIK関連Kチャンネル)、TASK(TWIK関連の酸感受性Kチャンネル)、TALK(TWIK関連のアルカリpH活性化Kチャンネル)、THIK(タンデムポードメインハロタン阻害Kチャンネル)およびTRESK(TWIK関連脊髄Kチャンネル)。
【0003】
特に興味深いのは、TASK(TWIK関連酸感受性Kチャンネル)サブファミリーのTASK-1(KCNK3またはK2P3.1)およびTASK-3(KCNK9またはK2P9.1)である。機能的には、これらのチャンネルは、電圧に依存しない動力学の維持の間、それらを通って流れる「漏れ」または「バックグラウンド」電流を有し、それらの活性を増加または減少させることによって、それらは多数の生理学的および病理学的影響に応答することを特徴とする。TASKチャンネルの特徴は、細胞外pHの変化に対する感受性反応であり、チャンネルは酸性pHで阻害され、アルカリ性pHで活性化される。
【0004】
TASK-1及びTASK-3チャンネルは、呼吸調節に役割を果たす。両チャンネルは、脳幹の呼吸中枢の呼吸ニューロン、特に呼吸リズムを生み出すニューロン(プレ・ベットジンジャー複合体をもつ腹側呼吸群)、ノルアドレナリン作働性青斑核、縫線核のセロトニン作働性ニューロンに発現している。pH依存性によって、ここではTASKチャンネルは、細胞外pHの変化を対応する細胞シグナルに翻訳するセンサの機能を有する[Baylissら、Pflugers Arch.467,917-929(2015)]。TASK-1及びTASK-3はまた、傍神経節である頸動脈グロムス(Glomus caroticum)において発現され、これは血中のpHならびにOおよびCO含量を測定し、呼吸を調節するために脳幹の呼吸中枢にシグナルを伝達する。TASK-1ノックアウトマウスでは、低酸素症及び正常酸素高炭酸ガス血症に対する換気応答(呼吸数及び1回換気量の増加)が低下することが示された[Trappら、J.Neurosci.28、8844-8850(2008)]。さらに、TASK-1及びTASK-3チャンネルは、上気道を開いた状態に保つのに重要な役割を持つ、Nervus hypoglossus、XIIth脳神経の運動ニューロンで示された[Bergら、J.Neurosci.24,6693-6702(2004)]。
【0005】
麻酔ブタの睡眠時無呼吸モデルにおいて、ナノモル範囲でTASK-1チャンネルを遮断するカリウムチャンネル遮断薬を経鼻投与することにより、咽頭気道筋系の虚脱性の抑制と上気道の陰圧反射の増感に導いた。カリウムチャンネル遮断薬の経鼻投与は、上気道の機械受容器を脱分極させ、陰圧反射の活性化を介して、上気道の筋系の活動を増加させ、その結果、上気道を安定化させ、虚脱を予防すると想定される。上気道のこの安定化によって、TASKチャンネル遮断は、閉塞性睡眠時無呼吸、および、いびきにとっても非常に重要であり得る[Wirthら、Sleep 36,699-708(2013);Kiperら、Pflugers Arch.467,1081-1090(2015)]。
【0006】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、上気道の閉塞の反復エピソードを特徴とする睡眠関連呼吸障害である。息を吸い込むとき、上気道の開存性は2つの反対の力の相互作用によって確保される。上気道の筋組織の拡張作用により、管腔を収縮させる負の管腔内圧が打ち消される。横隔膜と他の補助呼吸筋の能動的収縮は、気道に負圧を発生させ、呼吸の駆動力を構成する。上気道の安定性は、上気道の拡張筋の協調と収縮特性によって実質的に決定される。
【0007】
オトガイ舌筋は、OSAの病因において決定的な役割を果たしている。オトガイ舌筋の活動は、拡張性代償機構という意味で咽頭内圧の低下に伴い増加する。舌下神経に支配されて、それは、舌を前下方へ動かし、そのため咽頭気道を広げる[Verseら、Somnologie 3,14-20(1999)]。上気道の拡張筋の緊張は特に、鼻腔/咽頭における機械受容器/伸張受容器を介して調節される[Brouilletteら、J.Appl.Physiol.Respir.Environ.Exerc.Physiol.49、772-779(1979)]。重篤な睡眠時無呼吸に苦しむ睡眠患者において、上気道の局所麻酔下で、オトガイ舌筋の活性のさらなる低下が観察され得る[Berryら、Am.J.Respir.Crit.Care Med.156、127~132(1997)]。OSAに苦しむ患者は、高血圧、心筋梗塞及び脳卒中のような心血管障害の結果として、高い死亡率及び罹患率を有する[Vrintsら、Acta Clin.Belg.68、169~178(2013)]。
【0008】
中枢性睡眠時無呼吸の場合、脳機能の障害及び呼吸調節の障害のため、呼吸駆動の発作的な抑制がある。中枢性呼吸障害は、機械的呼吸停止をもたらす。すなわち、これらの出来事の間、呼吸活動はない;一時的には、横隔膜を含むすべての呼吸筋が安静状態にある。中枢性睡眠時無呼吸の場合、上気道の閉塞はない。
【0009】
一次いびきの場合、同様に上気道の閉塞はない。しかし、上気道が収縮するため、吸いこまれて吐き出される空気の流量が増える。これは弛緩した筋組織と組み合わさって、空気の流れの中で口腔と咽頭の軟部組織を粗動させる。その後、この緩やかな振動が、典型的ないびき音を発生させる。
【0010】
閉塞性いびき(上気道抵抗症候群、重いいびき、低呼吸症候群)は、睡眠中に上気道の部分的閉塞を繰り返すことによって起こる。その結果、気道抵抗が増大し、よって、胸腔内圧のかなりの変動を伴う呼吸仕事量が増大する。吸気時、胸腔内陰圧の発生は、OSA中の完全な気道閉塞の結果として遭遇する値と同様の値に達することがある。心臓、循環および睡眠の質に対する病態生理学的結果は、閉塞性睡眠時無呼吸の結果に対応する。OSAの場合と同様に、病因は、睡眠時の吸気時の咽頭拡張筋の反射機構の障害であると想定できる。しばしば、閉塞性いびきはOSAの予備段階である[Hollandtら、HNO 48、628-634(2000)]。
【0011】
いびきおよびOSAのための現在利用可能な治療の可能性は限られている。上気道およびいびきの抵抗を減少させることを意図した界面活性物質の混合物は、1980年代から知られている[Widdicombeら、Eur Resp J1、785-791(1988)]。これらの混合物は、塩化ナトリウム、グリセロール、ポリソルベート80および塩化ベンザルコニウムを含む。これらの混合物が咽頭への注射によって投与されたイヌにおける実験から、これらの混合物は、上気道の抵抗を減少させ、息を吸いおよび息を吐く際のオトガイ舌筋の活性を増加させ、いびき騒音を減少させると結論付けられた。OSAは、Widdicombeによる論文には記載されておらず、無呼吸につながる上気道の虚脱を防止することができることもこのモデルでは示されていない。したがって、Widdicombe及びDaviesのモデルは、OSAを予測するものではない。
【0012】
グリセリン、ポリソルベート80、塩化ナトリウムおよび0.15%ソルベートカリウム(塩化ベンザルコニウムなし)をベースとする組成物は、いびきの治療としてAsonor(登録商標)として市販されている。コペンハーゲンの大学州立病院での研究において、いびきの改善に関するAsonor(登録商標)の経鼻投与の有効性を、ポリソルベート80を含まない「Asonor(登録商標)」と比べて調査した。ポリソルベート80を含まない「Asonor(登録商標)」および「Asonor(登録商標)」の両方が、いびきの有意な改善をもたらした[デンマークのコペンハーゲン州大学州立病院神経学部の報告いびきおよび睡眠時無呼吸に対するAsonor(登録商標)およびポリグリコシド80の経鼻投与の効果、1989年、[http://www.chrapat.sk/img/klinicka-dokumentacia.pdf]。
【0013】
国際公開第2012/010358号は、液体のいびき防止物質を含む容器を含む医薬製品を特許請求しており、ここで、容器は、液体のいびき防止物質をジェット流の形態で鼻腔に直接送達するように構成された液体出口部分を含む。液体のいびき防止物質は、塩化ナトリウム、グリセロール、ポリソルベート、およびエデト酸ナトリウム、ならびに任意に防腐剤としてのソルビン酸カリウムを含むいびき防止溶液である。WO-A2012/010358は、無呼吸またはOSAの治療を開示していない。EP-B2595685は、いびきおよび呼吸停止(無呼吸)の治療のための記載された物質の使用を記載している。
【0014】
OSAの治療には、現在のところ薬理学的治療法はない。手術および経口デバイスは、限定された効力しかない。治療標準は、持続陽圧呼吸(CPAP)システムによる治療である。しかし、この治療法のコンプライアンス率は、患者にとっての不快感のためにわずか50~70%であり、このシステムは、平均して1夜あたり4時間を超えないで使用される。
【0015】
TASK-1および/またはTASK-3チャンネルの強力かつ選択的な阻害剤として作用し、特に、閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきなどの睡眠関連呼吸障害ならびに他の障害を含む呼吸障害の治療および/または予防に適している新規物質は、WO-A2017/097792およびWO-A2017/097671、WO-A2018/015196、EP17176046.5(未公開)およびPCT/CN2017/088237(未公開)から公知である。したがって、そこに開示されたTASK-1および/またはTASK-3チャンネルの強力かつ選択的な阻害剤は、閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきのような睡眠関連呼吸障害の治療のためのCPAPシステムの代替物を表す。したがって、TASK-1および/またはTASK-3チャンネルの強力かつ選択的な阻害剤は、現在の治療標準(OSAの治療:CPAPシステム)と比較して、閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきのような睡眠関連呼吸障害を含む呼吸障害の治療および/または予防の患者によるコンプライアンス率を増加させることができる。その目的のためには、この代替療法は、簡便で使いやすく、睡眠を妨げないようにすべきである。加えて、この代替療法は、反復投薬なしに睡眠前の1日1回投与による、妨げのない夜の安静を可能にすべきである。
【0016】
WO-A2017/097792およびWO-A2017/097671、WO-A2018/015196、EP17176046.5(未公開)およびPCT/CN2017/088237(未公開)から公知のTASK-1および/またはTASK-3チャンネルの強力かつ選択的阻害剤は、製剤の調製中および水性非緩衝溶液中での貯蔵中に望ましくない分解を受ける、光、温度および酸化感受性活性化合物である。さらに、TASK-1および/またはTASK-3チャンネルの公知の強力かつ選択的な阻害剤は、水への不十分な溶解性を有し、限られた投与容量(鼻腔投与の場合、約50~300μl)において薬理学的活性に必要とされる活性成分の量を収容するのに不十分である。例えば、共溶媒(例えば、ポリエチレングリコール400(PEG400))または界面活性剤(例えば、ポリソルベート80)のような鼻または咽頭投与経路について承認されたおよび/または公知の可溶化剤を使用すると所望の溶解度を達成することが可能であるが、公知の可溶化剤の存在にもかかわらず水溶液中ではTASK-1および/またはTASK-3チャンネルの公知の強力かつ選択的な阻害剤の低い溶解速度が観察され、これは製造中の著しく延長された処理時間、および使用される活性化合物の関連する望ましくない分解をもたらす。
【0017】
TASK-1および/またはTASK-3チャンネルの強力かつ選択的な阻害剤のWO-A2018/114501およびWO-A2018/114503から公知の水性製剤は、ポリエチレングリコール400またはグリセロール、pH調節剤の群から選択される少なくとも1つの補助剤、可溶化剤の群から選択される少なくとも1つの補助剤、安定化剤の群から選択される少なくとも1つの補助剤を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【文献】WO-A2017/097792
【文献】WO-A2017/097671
【文献】WO-A2018/015196
【文献】EP17176046.5
【文献】PCT/CN2017/088237
【非特許文献】
【0019】
【文献】Baylissら、Pflugers Arch.467,917-929(2015)
【文献】Trappら、J.Neurosci.28、8844-8850(2008)
【文献】Bergら、J.Neurosci.24,6693-6702(2004)
【文献】Wirthら、Sleep 36,699-708(2013)
【文献】Kiperら、Pflugers Arch.467,1081-1090(2015)
【文献】Verseら、Somnologie 3,14-20(1999)
【文献】Brouilletteら、J.Appl.Physiol.Respir.Environ.Exerc.Physiol.49、772-779(1979)
【文献】Berryら、Am.J.Respir.Crit.Care Med.156、127~132(1997)
【文献】Vrintsら、Acta Clin.Belg.68、169~178(2013)
【文献】Hollandtら、HNO 48、628-634(2000)
【文献】Widdicombeら、Eur Resp J1、785-791(1988)
【0020】
TASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤を含む先行技術に記載された製剤は、製造プロセス中に活性化合物の分解生成物が既に形成されている可能性があり、望ましくない変色が生じる可能性があるという欠点を有する。また、貯蔵中に活性化合物の分解が増加することがある。さらに、製剤の製造は、約100mlの少量であっても、活性化合物の唯一の不十分な溶解性によって引き起こされるかなりの時間浪費(>24時間)を伴う。
【0021】
さらに、呼吸器障害の治療および/または予防のための薬理学的に活性な物質は、中性の味を有すると知覚される医薬製剤中に存在すべきであり、特に薬理学的に活性な物質(verum)を含む医薬製剤といかなるもの(プラセボ)も含まない医薬製剤との間の比較においてもである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、本発明の目的は、閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきのような睡眠関連呼吸障害を含む呼吸障害の治療および/または予防のための、TASK-1および/またはTASK-3チャンネルの強力かつ選択的な阻害剤に基づく安定な水性製剤の製造のための改善された方法であって、製造および貯蔵中に得られる水性製剤中の活性化合物の十分な安定性を確実にし、さらに、製造プロセス中に望ましくないほど高い時間を費やすことなく、活性化合物を十分に高い濃度で溶解させることを可能にする方法を提供することであった。
【0023】
さらに、本発明の別の目的は、中立の味を有すると認識される、閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸およびいびきのような睡眠関連呼吸障害を含む呼吸障害の治療および/または予防のための、TASK-1および/またはTASK-3チャンネルの強力かつ選択的な阻害剤に基づく水性製剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0024】
驚くべきことに、TASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤が界面活性剤(例えば、ポリソルベート80)および/または共溶媒(例えば、PEG400)に予め溶解されている場合、TASK-1および/またはTASK-3チャンネルの強力かつ選択的な阻害剤の溶解速度を短縮することができ、それによって、水性製剤を製造するための時間を著しく短縮することができることが見出された。ここで、同様に驚くべきことに、安定剤が界面活性剤および/または共溶媒の混合物に予め溶解され、次いでTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤が添加される場合にのみ、製剤の生産および貯蔵中の望ましくない変色および分解生成物を回避することができることが見出された。
【0025】
本発明による製剤のさらなる予想外の効果は、それらが甘味料を使用することによって、使用される界面活性剤および薬理学的活性物質の味成分をマスクすることができることである。
【0026】
本発明は、安定な医薬製剤を製造するための方法であって、
第一工程において、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが可溶化剤として最初に充填され、および/または、PEG400が共溶媒として最初に充填され、少なくとも1つの抗酸化剤および少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩がその中に溶解され、続いて、少なくとも1つのpH調節剤、水、および、任意にグリセロール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルもしくはPEG400、および、任意に少なくとも1つの甘味料が添加され、得られる溶液のpHが6.8~8.2、好ましくは、6.8~7.8であることを特徴とする方法を提供する。
【0027】
本発明は、本発明の方法によって得られ得る医薬製剤を提供する。
【0028】
本発明の方法の好ましい実施形態において、可溶化剤として少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、および/または共溶媒としてPEG400が最初に充填され、次いで、抗酸化剤が添加され、続いて、少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩がその中に溶解される。
【0029】
本発明の方法の更なる好ましい実施形態において、
最初に、
少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)および/またはPEG400、ならびに、さらに少なくとも1つの抗酸化剤を含む一次溶液(A)が調製され、そして、さらなる工程において、少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩がこの混合物に溶解され、そして、これが、
少なくとも1つのpH調節剤、水、および、任意にグリセロールまたはPEG400、および、任意に少なくとも1つの甘味料を含む溶液(B)に添加され、
得られる溶液のpHは、6.8~8.2、好ましくは、6.8~7.8である。
【0030】
好ましくは、一次溶液(A)の溶液(B)への添加は、15~30分の期間にわたって、好ましくは30分以内に行われる。溶液(B)を前溶液(A)に移すことも可能である。
【0031】
本発明による方法の特に好ましい実施形態では、第1の工程において、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが最初に充填され、次いで酸化防止剤が添加され、続いて治療有効量の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノンがその中に溶解され、次いで少なくとも1つのpH調節剤、任意に少なくとも1つの甘味料、および水が添加される。
【0032】
本発明による方法の非常に特に好ましい実施形態では、第1の工程において、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが最初に充填され、次いで酸化防止剤が添加され、続いて治療有効量の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノンがその中に溶解され、次いで少なくとも1つのpH調節剤、少なくとも1つの甘味料および水が添加される。
【0033】
本発明による方法の同様に非常に特に好ましい実施形態において、第1の工程において、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが最初に充填され、次いで、酸化防止剤が添加され、続いて、治療有効量の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノンがその中に溶解され、次いで、少なくとも1つのpH調節剤および水が添加される。
【0034】
本発明による方法のさらに特に好ましい実施形態では、第1のステップにおいて、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが最初に充填され、次いで、酸化防止剤が添加され、続いて、治療有効量の(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンが溶解され、次いで、少なくとも1つのpH調節剤、グリセロールまたはPEG400、任意に甘味料、および水が添加される。
【0035】
本発明による方法のさらに特に好ましい実施形態では、PEG400が最初に充填され、次いで抗酸化剤が添加され、続いて治療有効量の(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンが溶解され、次いで少なくとも1つのpH調節剤、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、任意に甘味料および水が添加される。
【0036】
本発明による方法のさらに特に好ましい実施形態では、第1のステップにおいて、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが最初に充填され、次いで、酸化防止剤が添加され、続いて、治療有効量の(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンが溶解され、次いで、少なくとも1つのpH調節剤、グリセロールまたはPEG400、少なくとも1つの甘味料および水が添加される。
【0037】
本発明による医薬製剤は、少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、少なくとも1つの抗酸化剤および少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、任意にグリセロールまたはPEG400、および、任意に少なくとも1つの甘味料、少なくとも1つのpH調節剤および水を含み、得られる溶液のpHは、6.8~8.2、好ましくは6.8~7.8である。
【0038】
好ましくは、本発明による医薬製剤は、可溶化剤および/または共溶媒として少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、少なくとも1つの抗酸化剤、および、治療有効量の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、少なくとも1つの甘味料、任意に少なくとも1つのpH調節剤、および、水を含み、得られる溶液のpHは、6.8~8.2、好ましくは6.8~7.8である。
【0039】
特に好ましくは、本発明による医薬製剤は、可溶化剤および/または共溶媒として少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、少なくとも1つの抗酸化剤、および、治療有効量の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、少なくとも1つの甘味料、少なくとも1つのpH調節剤および水を含み、得られる溶液のpHは、6.8~8.2、好ましくは6.8~7.8である。
【0040】
特に好ましくは、本発明による医薬製剤は、可溶化剤および/または共溶媒として少なくとも1つのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、少なくとも1つの抗酸化剤および治療有効量の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、任意に甘味料、少なくとも1つのpH調節剤および水を含み、得られる溶液のpHは6.8~8.2、好ましくは6.8~7.8である。
【0041】
実施形態(A)において、本発明による製剤は、以下を含む;
- 1~21重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.001~0.20重量%の抗酸化剤、
- 0.002~0.10重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 0.3~25重量%のグリセロール、及び
- 53.5~98重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0042】
好ましくは、本発明による製剤(A)は、以下を含む;
- 2.5~16重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.002~0.1重量%の抗酸化剤、
- 0.005~0.07重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 1~12重量%のグリセロール、及び
- 71~96重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0043】
非常に特に好ましくは、本発明による製剤(A)は、以下を含む;
- 5~13重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.005~0.05重量%の抗酸化剤、
- 0.006~0.06重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 2~6重量%のグリセロール、及び
- 80.5~92重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0044】
さらなる実施形態(B)において、本発明による製剤は、以下を含む;
- 1~20重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.001~0.2重量%の抗酸化剤、
- 0.002~0.10重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 3.0~60重量%のPEG400、及び
- 19~95.5重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0045】
好ましくは、本発明による製剤(B)は、以下を含む;
- 2.5~15重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.002~0.10重量%の抗酸化剤、
- 0.005~0.07重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 6~36重量%のPEG400、及び
- 48~91重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0046】
特に好ましくは、本発明による製剤(B)は、以下を含む;
- 5~13重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.005~0.05重量%の抗酸化剤、
- 0.006~0.06重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 12~23.5重量%のPEG400、及び
- 63~82.5重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0047】
非常に特に好ましくは、本発明による製剤(A)および(B)は、TASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤として、4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンを含む。
【0048】
さらなる実施形態(C)において、本発明による製剤は、以下を含む;
- 1~21重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.001~0.2重量%の抗酸化剤、
- 0.002~0.1重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 0.01~6重量%の甘味料、及び
- 72~98.5重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0049】
好ましくは、本発明による製剤(C)は、以下を含む;
- 2.5~16重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.002~0.1重量%の抗酸化剤、
- 0.005~0.07重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 0.02~1重量%の甘味料、及び
- 82.5~97重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0050】
特に好ましくは、本発明による製剤(C)は、以下を含む;
- 5~13重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.005~0.05重量%の抗酸化剤、
- 0.006~0.06重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 0.05~0.2重量%の甘味料、及び
- 86~94重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0051】
非常に特に好ましくは、本発明による製剤(C)は、TASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤として、(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノンを含む。
【0052】
さらなる実施形態(C’)において、本発明による製剤は、以下を含む;
- 1.4~22.7重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.001~0.2重量%の抗酸化剤、
- 0.002~0.1重量%の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 0~4重量%の甘味料、及び
- 73~98.5重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0053】
好ましくは、本発明による製剤(C’)は、以下を含む;
- 2.9~15.8重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.002~0.1重量%の抗酸化剤、
- 0.005~0.07重量%の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 0.01~2重量%の甘味料、及び
- 82~97重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0054】
特に好ましくは、本発明による製剤(C’)は、以下を含む;
- 5.4~13重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.005~0.05重量%の抗酸化剤、
- 0.006~0.05重量%の(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 0.02~1重量%の甘味料、及び
- 85.9~94.5重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0055】
さらなる実施形態(D)において、本発明による製剤は、以下を含む;
- 1~21重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.001~0.2重量%の抗酸化剤、
- 0.002~0.1重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 0.3~25重量%のグリセロール、
- 0.01~5.5重量%の甘味料、及び
- 48~98重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0056】
好ましくは、本発明による製剤(D)は、以下を含む;
- 2.5~16重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.002~0.1重量%の抗酸化剤、
- 0.005~0.07重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 1~12重量%のグリセロール、
- 0.02~1重量%の甘味料、及び
- 70~96重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0057】
特に好ましくは、本発明による製剤(D)は、以下を含む;
- 5~13重量%のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
- 0.005~0.05重量%の抗酸化剤、
- 0.006~0.06重量%の少なくとも1つの治療有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩、
- 2.5~6重量%のグリセロール、
- 0.05~0.3重量%の甘味料、及び
- 80~92重量%の、25~200mMの物質濃度を有する緩衝溶液。
【0058】
非常に特に好ましくは、本発明による製剤(D)は、TASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤として、4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンを含む。
【0059】
本発明による適当なポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80である。ポリソルベート80が好ましい。
【0060】
適切な酸化防止剤は、例えばブチル化ヒドロキシアニソールまたはブチル化ヒドロキシトルエンである。ブチル化ヒドロキシアニソールが好ましい。
【0061】
本発明による適切な甘味料は、例えばスクラロースまたはソルビトールである。好ましくはスクラロースである。
【0062】
好ましい実施形態では、酸化防止剤、好ましくはブチル化ヒドロキシアニソールは、粉砕形態で存在し、特に好ましくは、その結晶が1mm未満の直径を有する。
【0063】
好ましい実施形態では、TASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容される塩は、1~8μmの平均粒径(x50)および20μmの上限(x90)を有する微粉化形態で存在する。
【0064】
好ましくは、リン酸緩衝液、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル)エタンスルホン酸(HEPES)、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(TRIS)および3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)を含む群から選択される緩衝溶液を使用する。
【0065】
特に好ましくは、リン酸緩衝液は、pH7.0のリン酸二水素ナトリウム二水和物およびリン酸水素二ナトリウムおよび水を含む。
【0066】
特に好ましくは、HEPES緩衝液は、2-(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル)エタンスルホン酸及び水を含み、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.6に調整される。
【0067】
特に好ましくは、TRIS緩衝液は、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール及び水を含み、塩酸でpH8.0に調整される。
【0068】
特に好ましくは、MOPS緩衝溶液は、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸及び水を含み、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整される。
【0069】
非常に特に好ましくは、pH調節剤は、リン酸緩衝溶液または2-(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル)エタンスルホン酸(HEPES)である。
【0070】
本発明は、本発明による方法によって得られ得る、鼻または咽頭投与のための医薬製剤を提供する。
【0071】
本発明による安定な医薬製剤は、任意にさらなる補助剤を含んでもよい。
【0072】
本発明の文脈における補助剤の例は、安定剤、増粘剤、防腐剤、張度を調節するための物質、芳香剤(aromas)、芳香剤(fragrance)または染料である。
【0073】
本発明の文脈において、増粘剤は、例えば、天然ゴム、アルギン酸、ペクチン、デンプンおよびデンプン誘導体、ゼラチン、ポロキサマー(ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレンブロックコポリマー)、セルロース誘導体、アクリル酸ポリマーまたはビニルポリマーである。
【0074】
本発明の文脈において、活性成分は、TASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤、またはその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容されるその塩として定義される。
【0075】
本発明による安定な医薬製剤は、例えば、TASK-1および/またはTASK-3チャンネルの少なくとも1つの阻害剤が、WO2017/097671、WO2017/097792、WO2018/015196およびEP17176046.5およびPCT/CN2017/088237に記載されている式(I)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物から選択される製剤である。これらの化合物の合成は、WO2017/097792に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0076】
式(I)の好ましい化合物は、表1の化合物を含む群から選択される:
WO2017/097671、WO2017/097792、WO2018/015196、EP17176046.5およびPCT/CN2017/088237からの化合物
【表1】
及びその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容されるその塩でもある。
【0077】
以下の化合物を含む群から選択される化合物が特に好ましい
【表2】
及びその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容されるその塩でもある。
【0078】
以下の化合物を含む群から選択される化合物が非常に特に好ましい
【表3】
及びその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容されるその塩でもある。
【0079】
本発明による安定な医薬製剤はまた、少なくとも1つのTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤が、(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノン、および/または、(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、およびその水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される製剤である。
【0080】
本発明による安定な医薬製剤はまた、少なくとも1つのTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤が、(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンである製剤である。
【0081】
本発明による安定な医薬製剤はまた、少なくとも1つのTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤が、(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノンである製剤である。
【0082】
本発明のさらなる実施形態は、疾患の治療および/または予防のための、鼻または咽頭投与用の本発明による安定な医薬製剤である。
【0083】
本発明のさらなる実施形態は、呼吸障害、睡眠関連呼吸障害、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、いびき、心不整脈、不整脈、神経変性障害、神経炎症性障害および神経免疫障害の治療および/または予防のための方法において使用するための、鼻または咽頭投与用の本発明による安定な医薬製剤である。
【0084】
本発明のさらなる実施形態は、呼吸障害、睡眠関連呼吸障害、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、いびき、心不整脈、不整脈、神経変性障害、神経炎症性障害および神経免疫障害の治療および/または予防のための方法において使用するための、鼻または咽頭投与用の本発明による安定な医薬製剤であり、ここで、鼻または咽頭投与は、鼻スプレー、点鼻薬(nasal drop)、点鼻液(nasal solution)、粉末吸入器、ネブライザー、定量投与(metered dose)エアロゾルまたは半固体ゲルによって補助される。
【0085】
本発明のさらなる実施形態は、呼吸障害、睡眠関連呼吸障害、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、いびき、心不整脈、不整脈、神経変性障害、神経炎症性障害および神経免疫障害の治療および/または予防のための方法において使用するための、鼻または咽頭投与用の本発明による安定な医薬製剤である。
【0086】
本発明のさらなる実施形態は、呼吸障害、睡眠関連呼吸障害、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、いびき、心不整脈、不整脈、神経変性障害、神経炎症性障害および神経免疫障害の治療および/または予防のための方法において使用するための、鼻または咽頭投与用の本発明による安定な医薬製剤である。
【0087】
本発明のさらなる実施形態は、閉塞性睡眠時無呼吸またはいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、鼻または咽頭投与のための本発明による安定な医薬製剤であって:
治療的有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤である(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノン又は(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、及び/又は、その水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容されるその塩を、1.0~21重量%のポリソルベート80、0.001~0.2重量%のブチル化ヒドロキシアニソール、及び少なくとも1つの更なる補助剤(これは、25~200mMの物質濃度のリン酸塩またはHEPES緩衝液に溶解され、製剤のpHは、6.8~8.2に調整される)中に含む。
【0088】
本発明のさらなる実施形態は、閉塞性睡眠時無呼吸またはいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、鼻または咽頭投与のための本発明による安定な医薬製剤であり:治療的有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤である(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノン、及び/又は、その水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容されるその塩を、1.0~21重量%のポリソルベート80、0.001~0.2重量%のブチル化ヒドロキシアニソール、0.3~24.5重量%のグリセロール、及び少なくとも1つの更なる補助剤(これは、25~200mMの物質濃度のリン酸塩またはHEPES緩衝液に溶解され、製剤のpHは、6.8~8.2、好ましくは6.8~7.8に調整される)中に含む。
【0089】
本発明のさらなる実施形態は、閉塞性睡眠時無呼吸またはいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、鼻または咽頭投与のための本発明による安定な医薬製剤であり:治療的有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤である(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノン、及び/又は、その水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容されるその塩を、1.0~21重量%のポリソルベート80、0.001~0.2重量%のブチル化ヒドロキシアニソール、3~60重量%のPEG400、及び少なくとも1つの更なる補助剤(これは、25~200mMの物質濃度のリン酸塩またはHEPES緩衝液に溶解され、製剤のpHは、6.8~8.2、好ましくは6.8~7.8に調整される)中に含む。
【0090】
本発明のさらなる実施形態は、閉塞性睡眠時無呼吸またはいびきの治療および/または予防のための方法において使用するための、鼻または咽頭投与のための本発明による安定な医薬製剤であって:
治療的有効量のTASK-1および/またはTASK-3チャンネル阻害剤である(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン、及び/又は、その水和物、溶媒和物、多形もしくは代謝物、または薬学的に許容されるその塩を、1.0~21重量%のポリソルベート80、0.001~0.2重量%のブチル化ヒドロキシアニソール、0.05~0.25重量%のスクラロース、及び少なくとも1つの更なる補助剤(これは、25~200mMの物質濃度のリン酸塩またはHEPES緩衝液に溶解され、製剤のpHは、6.8~8.2、好ましくは6.8~7.8に調整される)中に含む。
【0091】
本発明の製剤は、単独で、または必要であれば1以上の他の薬理学的に活性な物質と組み合わせて使用することができ、ただし、この組み合わせは望ましくない許容できない副作用をもたらさない。したがって、本発明は、特に前述の障害の治療および/または予防のための、少なくとも1つの本発明の製剤および1以上のさらなる活性成分を含む薬剤をさらに提供する。この目的に適した組み合わせ活性成分の好ましい例には、以下のものが含まれる:
● 呼吸刺激薬、例として及び好ましくは、テオフィリン、ドキサプラム、ニケタミドまたはカフェイン;
● 神経刺激薬、例として及び好ましくは、モダフィニルまたはアルモダフィニル;
● アンフェタミンおよびアンフェタミン誘導体、例として及び好ましくは、アンフェタミン、メタンフェタミンまたはメチルフェニデート;
● セロトニン再取り込み阻害薬、例として及び好ましくは、フルオキセチン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、セルトラリン、フルボキサミンまたはトラゾドン;
● セロトニン前駆体、例として及び好ましくは、L-トリプトファン;
● 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、例として及び好ましくは、ベンラファキシンまたはデュロキセチン;
● ノルアドレナリン性および特異的セロトニン性抗うつ薬、例として及び好ましくは、ミルタザピン;
● 選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、例として及び好ましくは、レボキセチン;
● 三環系抗うつ薬、例として及び好ましくは、アミトリプチリン、プロトリプチリン、ドキセピン、トリミプラミン、イミプラミン、クロミプラミンまたはデシプラミン;
● α2アドレナリン作動薬、例として及び好ましくは、クロニジン;
● GABA作動薬、例として及び好ましくは、バクロフェン;
● α交感神経刺激薬、例として及び好ましくは、キシロメタゾリン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、ナファゾリン、テトリゾリンまたはトラマゾリン;
● グルココルチコイド、例として及び好ましくは、フルチカゾン、ブデソニド、ベクロメタゾン、モメタゾン、チキソコルトールまたはトリアムシノロン;
● カンナビノイド受容体作動薬;
● カルボアンハイドラーゼ阻害薬、例として及び好ましくは、アセタゾラミド、メタゾラミドまたはジクロフェナミド;
● オピオイドおよびベンゾジアゼピン受容体アンタゴニスト、例として及び好ましくは、フルマゼニル、ナロキソンまたはナルトレキソン;
● コリンエステラーゼ阻害薬、例として及び好ましくは、ネオスチグミン、ピリドスチグミン、フィゾスチグミン、ドネペジル、ガランタミンまたはリバスチグミン);
● N-メチル-D-アスパラギン酸およびグルタミン酸アンタゴニスト、例として及び好ましくは、アマンタジン、メマンチン、サベルゾール;
● ニコチン受容体作動薬;
● ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、例として及び好ましくは、モンテルカストまたはチペルカスト;
● ドパミン受容体アンタゴニスト、例として及び好ましくは、ドロンペリドン、メトクロプラミドまたはベンズアミド、ブチロフェノンまたはフェノチアジン誘導体;
● 食欲抑制剤、例として及び好ましくは、シブトラミン、トピラマート、フェンテルミン、リパーゼ阻害剤またはカンナビノイド受容体アンタゴニスト;
● プロトンポンプ阻害剤、例として及び好ましくは、パントプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾールまたはラベプラゾール;
● 有機硝酸塩およびNO供与体、例として及び好ましくは、ニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン、一硝酸イソソルビド、硝酸イソソルビド、モルシドミンまたはSIN-1、および吸入NO;
● 環状グアノシン一リン酸(cGMP)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)の分解を阻害する化合物、例えばホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4および/または5阻害剤、とりわけシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ユデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィルまたはロデナフィルのようなPDE5阻害剤;
● 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)のNOおよびヘム非依存性アクチベーター、例えば特に、WO01/19355、WO01/19776、WO01/19778、WO01/19780、WO02/070462およびWO02/070510に記載されている化合物;
● 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)のNO非依存性であるが血液依存性の刺激物質、例えば特にリオシグアト、ベルイシグアト、ならびにWO00/06568、WO00/06569、WO02/42301、WO03/095451、WO2011/147809、WO2012/004258、WO2012/028647およびWO2012/059549に記載されている化合物;
● プロスタサイクリンアナログおよびIP受容体作動薬、例として及び好ましくは、イロプロスト、ベラプロスト、トレプロスチニル、エポプロステノールまたはセレキシパグ;
● エンドセリン受容体アンタゴニスト、例として及び好ましくは、ボセンタン、ダルセンタン、アンブリセンタンまたはシタックスセンタン;
● ヒト好中球エラスターゼ(HNE)を阻害する化合物、例として及び好ましくは、シベレスタットまたはDX-890(レルトラン);
● 細胞外マトリックスの分解および変化を阻害する化合物、例として及び好ましくは、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤、特に、ストロメリシン、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼおよびアグリカナーゼの阻害剤(特にここではMMP-1、MMP-3、MMP-8、MMP-9、MMP-10、MMP-11およびMMP-13)およびメタロエラスターゼ(MMP-12)阻害剤;
● セロトニンの受容体への結合を阻害する化合物、例として及び好ましくは、PRX-08066のような5-HT2B受容体のアンタゴニスト;
● 成長因子、サイトカインおよびケモカインのアンタゴニスト、例として及び好ましくは、TGF-β、CTGF、IL-1、IL-4、IL-5、IL-6、IL-8、IL-13およびインテグリンアンタゴニスト;
● Rhoキナーゼ阻害化合物、例として及び好ましくは、ファスジル、Y-27632、SLx-2119、BF-66851、BF-66852、BF-66853、KI-23095またはBA-1049;
● 心臓のエネルギー代謝に影響を及ぼす化合物、例として及び好ましくは、エトモキシル、ジクロロ酢酸、ラノラジンまたはトリメタジジン;
● シグナル伝達カスケードを阻害する化合物、例として及び好ましくは、キナーゼ阻害剤類、特に、チロシンキナーゼおよび/またはセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤類、例として及び好ましくは、ニンテダニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、レゴラフェニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、セジラニブ、アキシチニブ、テラチニブ、イマチニブ、ブリバニブ、パゾパニブ、バタラニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、レスタウルチニブ、ペリチニブ、セマキサニブまたはタンズチニブ;
● 例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD)または気管支喘息の治療のために使用される抗閉塞薬、例として及び好ましくは、吸入または全身投与されるβアドレナリン受容体作動薬(β-模倣薬)および吸入投与される抗ムスカリン物質;
● 抗炎症薬、免疫調節薬、免疫抑制薬および/または細胞毒性薬、例として及び好ましくは、全身投与または吸入投与されるコルチコステロイド類、ならびに、フマル酸ジメチル、フィンゴリモド、酢酸グラチラマー、β-インターフェロン、ナタリズマブ、テリフルノミド、ミトキサントロン、免疫グロブリン、アセチルシステイン、モンテルカスト、チペルカスト、アザチオプリン、シクロホスファミド、ヒドロキシカルバミド、アジスロマイシン、インターフェロン-γ、ピルフェニドンまたはエタネルセプト;
● 抗線維化剤、例として及び好ましくは、リゾホスファチジン酸受容体1(LPA-1)アンタゴニスト、CTGF阻害剤、IL-4アンタゴニスト、IL-13アンタゴニスト、TGF-βアンタゴニストまたはピルフェニドン;
● 抗血栓剤、例として及び好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤およびプロフィブリン分解物質群;
● 降圧活性成分、例として及び好ましくは、カルシウムアンタゴニスト、アンギオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害薬、バソペプチダーゼ阻害薬、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害薬、アルファ受容体遮断薬、ベータ受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニストおよび/または利尿薬類;および/または
● 脂質代謝を変化させる活性成分、例として及び好ましくは、甲状腺受容体作動薬、コレステロール合成阻害剤、例として及び好ましくは、HMG-CoA還元酵素阻害剤またはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、CETP阻害剤、MTP阻害剤、PPAR-アルファ、PPAR-ガンマおよび/またはPPAR-デルタ作動薬、コレステロール吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤、ポリマー性胆汁酸吸収剤、胆汁酸再吸収阻害剤およびリポタンパク質(a)アンタゴニスト類。
【0092】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、β-アドレナリン受容体作動薬と組み合わせて、例として及び好ましくは、アルブテロール、イソプロテレノール、メタプロテレノール、テルブタリン、フェノテロール、ホルモテロール、レプロテロール、サルブタモールまたはサルメテロールと組み合わせて投与される。
【0093】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の製剤は、抗ムスカリン作動性物質と組み合わせて、例としておよび好ましくは、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウムまたは臭化オキシトロピウムと組み合わせて投与される。
【0094】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、コルチコステロイドと組み合わせて、例としておよび好ましくは、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、ベクロメタゾン、フルニゾリド、ブデソニドまたはフルチカゾンと組み合わせて投与される。
【0095】
抗血栓剤は、好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤およびプロフィブリン分解物質群からの化合物を意味すると理解される。
【0096】
本発明の好ましい実施形態では、本発明による製剤は、血小板凝集阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジンまたはジピリダモールと組み合わせて投与される。
【0097】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、トロンビン阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、キシメラガトラン、メラガトラン、ダビガトラン、ビバリルジンまたはクレキサンと組み合わせて投与される。
【0098】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の製剤は、GPIIb/IIIaアンタゴニストと組み合わせて、例として及び好ましくは、チロフィバンまたはアブシキシマブと組み合わせて投与される。
【0099】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の製剤は、第Xa因子阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、リバロキサバン、アピキサバン、フィデキサバン、ラザキサバン、フォンダパリヌクス、イドラパリヌクス、DU-176b、PMD-3112、YM-150、KFA-1982、EMD-503982、MCM-17、MLN-1021、DX9065a、DPC906、JTV803、SSR-126512またはSSR-128428と組み合わせて投与される。
【0100】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、ヘパリンまたは低分子量(LMW)ヘパリン誘導体と組み合わせて投与される。
【0101】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、ビタミンKアンタゴニストと組み合わせて、例として及び好ましくは、クマリンと組み合わせて投与される。
【0102】
降圧薬は、好ましくは、カルシウムアンタゴニスト、アンギオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害薬、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害薬、アルファ受容体遮断薬、ベータ受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニストおよび利尿薬の群からの化合物を意味するものとして理解することが好ましい。
【0103】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の製剤は、カルシウムアンタゴニストと組み合わせて、例として及び好ましくは、ニフェジピン、アムロジピン、ベラパミルまたはジルチアゼムと組み合わせて投与される。
【0104】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、アルファ-1受容体遮断薬と組み合わせて、例として及び好ましくは、プラゾシンと組み合わせて投与される。
【0105】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、ベータ受容体遮断薬と組み合わせて、例として及び好ましくは、プロプラノロール、アテロール、チモロール、ピンドロール、アルプレノール、オクスプレノール、ペンブトロール、ブプラノロール、メチプラノロール、ナドロール、メピンドロール、カルラゾール、ソタロール、メトプロロール、ベタキソロール、セリプロロール、ビソプロロール、カルテロール、エスモロール、ラベタロール、カルベジロール、アダプロロール、ランジオロール、ネビボロール、エパノロールまたはブシンドロールと組み合わせて投与される。
【0106】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、アンギオテンシンAIIアンタゴニストと組み合わせて、例として及び好ましくは、ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタンまたはエンブサルタンと組み合わせて投与される。
【0107】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、ACE阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、エナラプリル、カプトプリル、リシノプリル、ラミプリル、デラプリル、ホシノプリル、キノプリル、ペリンドプリルまたはトランドプリルと組み合わせて投与される。
【0108】
発明の好ましい実施形態において、本発明の製剤は、エンドセリンアンタゴニストと組み合わせて、例として及び好ましくは、ボセンタン、ダルセンタン、アンブリセンタンまたはシタキセンタンと組み合わせて投与される。
【0109】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、レニン阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、アリスキレン、SPP-600またはSPP-800と組み合わせて投与される。
【0110】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニストと組み合わせて、例として及び好ましくは、スピロノラクトン、エプレレノンまたはフィネレノンと組み合わせて投与される。
【0111】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、利尿薬と組み合わせて、例として及び好ましくは、フロセミド、ブメタニド、トルセミド、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチルチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジド、クロルタリドン、インダパミド、メトラゾン、キネタゾン、アセタゾラミド、ジクロルフェナミド、メタゾラミド、グリセロリン、イソソルビド、マンニトール、アミロライドまたはトリアムテレンと組み合わせて投与される。
【0112】
脂質代謝の修飾因子は、好ましくは、CETP阻害剤、甲状腺受容体作動薬、HMG-CoA還元酵素阻害剤のようなコレステロール合成阻害剤またはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、MTP阻害剤、PPAR-アルファ、PPAR-ガンマおよび/またはPPAR-デルタ作動薬、コレステロール吸収阻害剤、ポリマー胆汁酸吸収剤、胆汁酸再吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤およびリポタンパク質(a)アンタゴニストの群からの化合物を意味すると理解される。
【0113】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、CETP阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、トルセトラピブ(CP-529414)、JJT-705またはCETPワクチン(Avant)と組み合わせて投与される。
【0114】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、甲状腺受容体作動薬と組み合わせて、例として及び好ましくは、D-チロキシン、3,5,3’-トリヨードチロニン(T3)、CGS23425またはアキシチローム(CGS26214)と組み合わせて投与される。
【0115】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、スタチンのクラス由来のHMG-CoA還元酵素阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンまたはピタバスタチンと組み合わせて投与される。
【0116】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、スクアレン合成阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、BMS-188494またはTAK-475と組み合わせて投与される。
【0117】
本発明の好ましい態様において、本発明の製剤は、ACAT阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、アバシミブ、メリナミド、パクチミブ、エフルシミベまたはSMP-797と共に投与される。
【0118】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、MTP阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、インプリタピド、BMS-201038、R-103757またはJTT-130と組み合わせて投与される。
【0119】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の製剤は、PPAR-ガンマ作動薬と組み合わせて、例として及び好ましくは、ピオグリタゾンまたはロシグリタゾンと組み合わせて投与される。
【0120】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の製剤は、PPAR-デルタ作動薬と組み合わせて、例として及び好ましくは、GW501516またはBAY68-5042と組み合わせて投与される。
【0121】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、コレステロール吸収阻害剤と組み合せて、例として及び好ましくは、エゼチミブ、チクエシドまたはパマクエシドと組み合わせて投与される。
【0122】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、リパーゼ阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、オリスタットと組み合わせて投与される。
【0123】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、ポリマー胆汁酸吸収剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、コレスチラミン、コレスチポール、コレスソルバム、コレスタゲルまたはコレスチミドと組み合わせて投与される。
【0124】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の製剤は、胆汁酸再吸収阻害剤と組み合わせて、例として及び好ましくは、ASBT(=IBAT)阻害剤、例えばAZD-7806、S-8921、AK-105、BARI-1741、SC-435またはSC-635と組み合わせて投与される。
【0125】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の製剤は、リポタンパク質(a)アンタゴニストと組み合わせて、例として及び好ましくは、ゲムカベンカルシウム(CI-1027)またはニコチン酸と組み合わせて投与される。
【0126】
特に好ましいのは、呼吸刺激剤、精神刺激剤、セロトニン再取り込み阻害剤、ノルアドレナリン作動性、セロトニン作動性および三環系抗うつ剤、sGC刺激剤、ミネラルコルチコイド受容体アンタゴニスト、抗炎症剤、免疫調節剤、免疫抑制剤および細胞傷害剤からなる群より選択される1以上のさらなる活性成分と本発明の製剤との組み合わせである。
【0127】
必要であれば、本発明の製剤は望ましくない許容できない副作用を引き起こさない限り、1以上の医療技術装置または補助剤の使用と併せて使用することもできる。このような組み合わせ用途に適した医療装置および補助具は、例として及び好ましくは、以下である:
● 気道陽圧換気装置、例として及び好ましくは、CPAP(持続的気道陽圧)装置、BiPAP(二値気道陽圧)装置、IPPV(間欠的陽圧換気)装置;
● 舌下神経の神経刺激装置;
● 口腔内補助具、例として及び好ましくは、突起装具;
● 鼻用使い捨て弁;
● 鼻ステント。
【0128】
一実施形態では、鼻腔内投与の場合の用量は、1日当たり約0.1μg~500μgである。さらなる実施形態において、鼻腔内投与の場合の用量は、1日あたり約1μg~250μgである。さらなる実施形態において、鼻腔内投与の場合の用量は、1日あたり約1μg~100μgである。さらなる実施形態において、1日あたり約0.1μg~500μg、または1日あたり約1μg~250μg、または1日あたり約1μg~100μgの用量は、睡眠前に鼻腔内経路によって1日1回投与される。一実施形態では、1日当たり約0.1μg~500μg、または1日当たり約1μg~250μg、または1日当たり約1μg~100μgの用量を、各鼻孔に半分ずつ1日1回投与する。一実施形態では、1日当たり約0.1μg~500μg、または1日当たり約1μg~250μg、または1日当たり約1μg~100μgの用量を、睡眠前に各鼻孔に半分ずつ1日1回投与する。
【0129】
それにもかかわらず、いくつかの場合において、特に体重、投与経路、活性成分に対する個々の応答、製剤の性質、および投与が行われる時間または間隔の関数として、記載された量から逸脱することが必要であり得る。したがって、場合によっては上述の最小量未満で管理すれば十分であり、他の場合には引用した上限を超える必要がある。多量に投与する場合は、1日に数回に分けて投与することが望ましい場合もある。
【実施例
【0130】
【0131】
HPLC方法
(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンのための方法1
希釈していないサンプルを、Hewlett-Packard/Agilent HPLCおよびUHPLC装置(DE)上の逆相HPLCによって分析する。次いで、サンプル溶液の2.0μlを、25℃の温度(流速0.5ml/分)に保たれたステンレス鋼、例えば、Agilent Eclipse Plus RRHD C18(150mm×3.0mm、粒径1.8μmを有する)の金属カラムに適用した。
【0132】
10分間にわたる10~45%(v/v)のB勾配、続いて5分間にわたる45~80%(v/v)、次いで80%(v/v)での5分間を用いて、溶媒A(トリフルオロ酢酸1mlを含むHO)および溶媒B(アセトニトリル Riedel-de Haen、DE;トリフルオロ酢酸1mlと共に)からなる移動相を用いて、試料を分析した。製剤を、238nmでUV検出器を使用する外部標準法(ESTD)によって試験する。
【0133】
(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノンのための方法2
サンプルを水およびメタノールの混合物で希釈し、次いで、Hewlett-Packard/Agilent HPLCまたはUHPLC装置(DE)上の逆相HPLCによって分析する。次いで、試料溶液の3.0μlを、40℃の温度(流速10ml/分)に保たれたステンレス鋼、例えば、Waters Acquity UPLC HSS T3(50mm×2.1mm、粒径1.8μmを有する)の金属カラムに適用した。
【0134】
サンプルを、溶媒A(0.77gの酢酸アンモニウム/1lのHO、アンモニアで約9のpHに調整)および溶媒B(アセトニトリル;Riedel-de Haen,DE)からなる移動相を用いて、2.5分間にわたって5~30%(v/v)のB勾配、続いて5.5分間にわたって30~50%(v/v)、続いて1分間にわたって50~80%(v/v)、次いで80%(v/v)を使用して分析した。220nmのUV検出器を用いて、外部標準法(ESTD)により、分解生成物の含量および面積パーセントについて製剤を試験する。
【0135】
(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノンのための方法3
サンプルを水およびアセトニトリルの混合物で希釈し、次いで、Hewlett-Packard/Agilent HPLCまたはUHPLC装置(DE)上の逆相HPLCによって分析する。次いで、4.0μlのサンプル溶液を、ステンレス鋼の金属カラム、例えば、50℃の温度(流速0.5ml/分)に保たれたWaters Acquity UPLC BEH Phenyl(100mm×2.1mm、粒径1.7μmを有する)に適用した。
【0136】
試料を、10分間にわたる5~51%(v/v)のB勾配、続いて7分間にわたる51~68%(v/v)、続いて3分間にわたる68~90%(v/v)、次いで90%(v/v)で10分間を用いて分析し、移動相は、溶媒A(酢酸アンモニウム114mg、氷酢酸0.49ml/1l、pH約4)および溶媒B(アセトニトリル;Riedel-de Haen,DE)から成る。製剤を、238nmでUV検出器を使用する外部標準法(ESTD)によって試験する。
【0137】
調製の順序の実施例
実施例1(本発明に従って一次溶液A)をB)に添加する)
200~300rpmの撹拌速度でマグネチックスターラーバーまたは羽根つき攪拌機のいずれかを用いて撹拌を可能にする適切な容器が、両親媒性相について選択される。ポリソルベート80の10体積%(調製されるべき全材料の)が、この容器に最初に充填される。続いて、0.02%(w/v)のブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)を撹拌しながら添加し、溶解させる。モルタル中でBHAを予め粉砕することにより、溶解時間を実質的に短縮することができる。BHAが完全に溶解した後にのみ、0.015%(w/v)の微粉化活性化合物(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンを撹拌しながら添加する。
【0138】
水相は、バッチの材料全体のために十分な大きさであり、撹拌機を取り付けなければならないさらなる容器中で調製される。必要とされるWFIの約70%が最初に充填される。200~300rpmで撹拌しながら、緩衝塩であるリン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウム二水和物(総量0.063mMリン酸塩、pH7.0)を溶解する。緩衝塩が完全に溶解したら、2.5体積%のグリセロールまたは20体積%のPEG400(表2、3、4参照)を添加し、混合物を均質になるまで撹拌する。
【0139】
活性化合物が両親媒性相に完全に溶解したら、後者を水性相に30分間かけて添加する。
【0140】
両親媒性相のために使用される容器は、両親媒性相の移動が定量的であることを確実にするためにWFIで3回リンスされる。続いて、必要に応じて、全製剤のpHを、10%濃度のHClまたは1N NaOHを用いて6.8~7.2に調整する。
【0141】
次いで、WFIを用いて、製剤全体を最終質量にする。
【0142】
実施例2(本発明による)
200~300rpmの撹拌速度で、バッチの材料全体のために十分な大きさで、マグネチックスターラーバーまたは羽根つき攪拌機のいずれかを用いて撹拌を可能にする適切な容器が両親媒性相のために選択される。ポリソルベート80の10体積%(調製されるべき全材料の)が、この容器に最初に充填される。続いて、0.02%(w/v)のBHAを撹拌しながら添加し、溶解させる。モルタル中でBHAを予め粉砕することにより、溶解時間を実質的に短縮することができる。BHAが完全に溶解した後にのみ、0.015%(w/v)の微粉化活性化合物(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンを撹拌しながら添加する。
【0143】
水相は、撹拌機を取り付けなければならない別の容器中で調製される。必要とされるWFIの約70%が最初に充填される。200~300rpmで撹拌しながら、緩衝塩であるリン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウム二水和物(総量0.063mMリン酸塩、pH7.0)を溶解する。緩衝塩が完全に溶解したら、2.5体積%のグリセロールまたは20体積%のPEG400(表2参照)を添加し、混合物を均質になるまで撹拌する。
【0144】
活性化合物が両親媒性相に完全に溶解したら、水相全体を30分間にわたって両親媒性相に添加する。
【0145】
必要であれば、10%濃度のHClまたは1N NaOHを用いてpHを6.8~7に調整する。次いで、WFIを用いて、製剤全体を最終質量にする。
【0146】
実施例3(比較例)
必要とされるWFIの約70%を、最初に、バッチの材料全体のために十分な大きさであり、200~300rpmの撹拌速度で磁気撹拌棒またはブレード撹拌機のいずれかを用いて撹拌することを可能にする適切な容器に充填する。撹拌しながら、緩衝塩であるリン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウム二水和物(総量0.063mMリン酸塩、pH7.0)をこの容器に導入する。緩衝塩が完全に溶解したら、2.5体積%のグリセロールまたは20体積%のPEG400(表2、3、4参照)を添加し、混合物を均質になるまで撹拌する。続いて、30分間かけて、10容量%のポリソルベート80を撹拌しながら添加する。ポリソルベートが完全に溶解したら、0.02%(w/v)のBHAを添加し、溶解する。モルタル中でBHAを予め粉砕することにより、溶解時間を実質的に短縮することができる。BHAが完全に溶解した後にのみ、0.015%(w/v)の微粉化活性化合物(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンを撹拌しながら添加する。活性化合物も完全に溶解したら、必要に応じて、10%濃度のHClまたは1N NaOHを用いて、製剤全体のpHを6.8~7.2に調整する。次いで、WFIを用いて、製剤全体を最終質量にする。
【0147】
実施例4(本発明による)
20体積%のPEG400(表2参照)を、最初に、バッチの材料全体のために十分な大きさであり、200~300rpmの撹拌速度で磁気撹拌棒またはブレード撹拌機のいずれかを用いて撹拌することを可能にする適切な容器に充填する。この容器に、0.02%(w/v)のBHAを撹拌しながら添加し、溶解させる。モルタル中でBHAを予め粉砕することにより、溶解時間を実質的に短縮することができる。続いて、0.015%(w/v)の微粉化活性化合物(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンを撹拌しながら添加する。活性化合物も完全に溶解したら、必要なWFIの約70%を添加し、混合物を均質になるまで撹拌する。続いて、緩衝塩であるリン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウム二水和物(総量0.063mMリン酸塩、pH7.0)を溶解する。次いで、30分間かけて、10容量%のポリソルベート80を撹拌しながら添加する。ポリソルベートも完全に溶解したら、必要に応じて、10%濃度のHClまたは1N NaOHを用いて、製剤全体のpHを6.8~7.2に調整する。次いで、WFIを用いて、製剤全体を最終質量にする。
【0148】
実施例5(本発明による)
最初に、10容量%のポリソルベート80を、バッチの材料全体のために十分な大きさであり、200~300rpmの撹拌速度でマグネチックスターラーバーまたは羽根つき攪拌機のいずれかで撹拌することができる適切な容器に充填する。この容器に、0.02%(w/v)のBHAを撹拌しながら添加し、溶解させる。モルタル中でBHAを予め粉砕することにより、溶解時間を実質的に短縮することができる。続いて、0.015%(w/v)の微粉化活性化合物(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノンを撹拌しながら添加する。活性化合物も完全に溶解したら、2.5体積%のグリセロールまたは20体積%のPEG400(表2参照)を添加し、混合物を均質になるまで撹拌する。続いて、必要なWFIの約70%を添加する。均一な溶液が形成されたら、緩衝塩であるリン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウム二水和物(総量0.063mMリン酸塩、pH7.0)を撹拌しながら添加する。緩衝塩も溶解したら、必要に応じて、10%濃度のHClまたは1N NaOHを用いて、製剤全体のpHを6.8~7.2に調整する。次いで、WFIを用いて、製剤全体を最終質量にする。
【0149】
実施例6(本発明による)
最初に、10容量%のポリソルベート80を、バッチの材料全体のために十分な大きさであり、200~300rpmの撹拌速度でマグネチックスターラーバーまたは羽根つき攪拌機のいずれかで撹拌することができる適切な容器に充填する。この容器に、0.02%(w/v)のBHAを撹拌しながら添加し、溶解させる。モルタル中でBHAを予め粉砕することにより、溶解時間を実質的に短縮することができる。次いで、0.015%(w/v)の微粉化活性化合物を撹拌しながら添加する。活性化合物も完全に溶解したら、必要なWFIの約70%を添加し、混合物を均質になるまで撹拌する。続いて、緩衝塩であるリン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウム二水和物(総量0.063mMリン酸塩、pH7.0)を添加し、溶解する。次いで、2.5体積%のグリセロールまたは20体積%のPEG400(表2、3、4参照)を添加し、混合物を再び撹拌して均質にする。緩衝塩も溶液中に入ったら、製剤全体のpHをチェックする。pHが6.8~7.2でない場合、10%濃度のHClまたは1N NaOHを用いて再調整する。次いで、WFIを用いて、製剤全体を最終質量にする。
【0150】
実施例7(比較例)
最初に、10容量%のポリソルベート80を、バッチの材料全体のために十分な大きさであり、200~300rpmの撹拌速度でマグネチックスターラーバーまたは羽根つき攪拌機のいずれかで撹拌することができる適切な容器に充填する。この容器に、0.015%(w/v)の微粉化活性化合物を撹拌しながら添加する。活性化合物が完全に溶解したら、必要なWFIの約70%を添加する。均一な溶液が形成されたら、緩衝塩であるリン酸水素二ナトリウムおよびリン酸二水素ナトリウム二水和物(総量0.063mMリン酸塩、pH7.0)を撹拌しながら添加する。次いで、2.5体積%のグリセロールまたは20体積%のPEG400(表2、3、4参照)を添加し、混合物を再び撹拌して均質にする。続いて、0.02%(w/v)のBHAを撹拌しながら添加し、溶解させる。モルタル中でBHAを予め粉砕することにより、溶解時間を実質的に短縮することができる。BHAも溶液中に入ったら、製剤全体のpHをチェックする。pHが6.8~7.2でない場合、10%濃度のHClまたは1N NaOHを用いて再調整する。次いで、WFIを用いて、製剤全体を最終量にする。
【0151】
表2
使用した活性化合物:(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノン
【表4】
【0152】
本発明による方法のさらなる実施形態では、調製時間を評価するために、調製実施例1、3、6および7を実施した。実験は、実施例1及び6並びに比較例3及び7による発明の2つの方法について行った。それぞれの場合において、緩衝塩の添加後にスクラロースを添加した。
【0153】
表3:
使用した活性化合物:(4-{[2-(4-クロロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)(6-メトキシピリジン-2-イル)メタノン
【表5】
【0154】
表4:
使用した活性化合物:(3-クロロ-6-メトキシピリジン-2-イル)(3-{[2-(4-イソプロピルフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル]メチル}-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)メタノン
【表6】