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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】電源プラグ保持デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20240418BHJP
   H01R 13/629 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R13/629
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021561642
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 US2020024800
(87)【国際公開番号】W WO2020214370
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】16/384,713
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】キャノン,ローレンス・デール
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-534532(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0207576(US,A1)
【文献】米国特許第9711900(US,B1)
【文献】実開昭51-7683(JP,U)
【文献】国際公開第2017/058200(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0357096(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629-13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源レセプタクルに挿入される電源プラグと共に使用するための電源プラグ保持デバイスであって、
本体であって、該本体の挿入軸に沿って形成される挿入部および把持部を含む本体を備え、
前記挿入部が、前記電源プラグと前記電源レセプタクルとの間にあるギャップに挿入されるように構成される楔の形状をし、
前記把持部が前記挿入軸に対して直交して形成される挿入力受容面を含み、該挿入力受容面が、前記挿入軸に沿って挿入方向に挿入力をユーザから受けることによって、前記楔を前記ギャップに挿入してそこに停留させ、前記楔が前記ギャップに挿入されるときに前記楔、前記電源プラグ、および前記電源レセプタクルの間に締まりばめを形成するように構成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記電源プラグが前記電源レセプタクルに差し込まれている間に、前記楔が、前記電源プラグおよび前記レセプタクルの間にある前記ギャップに挿入されるように構成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項3】
請求項1記載の電源プラグ保持デバイスであって、更に、停止面を含み、該停止面が、前記電源レセプタクルの外面と接触して、所定の挿入深さにおいて前記電源プラグ保持デバイスの前記電源レセプタクルへの侵入を停止させるように構成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項4】
請求項3記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記停止面が、前記挿入部の後ろに位置する壁の前方部分であり、前記壁が前記挿入軸に対して直交して形成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項5】
請求項4記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記挿入力受容面が前記壁の後方部分である、電源プラグ保持デバイス。
【請求項6】
請求項1記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記把持部が、前記本体内に形成されるチャネルを含み、前記チャネルがユーザの指に合わせた大きさである、電源プラグ保持デバイス。
【請求項7】
請求項6記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記挿入力受容面が、前記チャネルの第1壁の後方部分であり、前記第1壁が、前記本体の挿入部および把持部の間に位置付けられている、電源プラグ保持デバイス。
【請求項8】
請求項7記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、引き抜き力受容面が前記チャネルの第2壁の前方部分である、電源プラグ保持デバイス。
【請求項9】
請求項6記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記チャネルが前記挿入軸に対して直交して形成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項10】
請求項1記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記把持部が、前記挿入軸に対して直交して面する開口を有するループ構造を含む、電源プラグ保持デバイス。
【請求項11】
請求項10記載の電源プラグ保持デバイスであって、更に、前記挿入部に面する前記ループ構造の表面上に形成される停止面を含み、前記停止面が、前記電源レセプタクルの外面と接触し、所定の挿入深さにおいて前記電源プラグ保持デバイスの前記電源レセプタクルへの侵入を停止させるように構成されている、電源プラグ保持デバイス。
【請求項12】
請求項1記載の電源プラグ保持デバイスであって、更に、前記電源プラグ保持デバイスを取り付け面に着脱可能に取り付けるように構成される取り付け部を備える、電源プラグ保持デバイス。
【請求項13】
請求項12記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記取り付け部が、前記電源プラグが前記電源レセプタクルに差し込まれている間に、前記電源プラグのケーブルに着脱可能に取り付けられるように構成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項14】
請求項13記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記取り付け部が、前記電源プラグのケーブルに締結するように構成されるクリップ・デバイスである、電源プラグ保持デバイス。
【請求項15】
請求項12記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記取り付け部が、結び付けコードによって着脱可能に取り付けられるように構成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項16】
請求項1記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記楔が前記挿入軸から下向きの角度に延びるように形成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項17】
請求項16記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記下向きの角度が前記挿入軸から10~20度である、電源プラグ保持デバイス。
【請求項18】
電源レセプタクルに挿入される電源プラグと共に使用するための電源プラグ保持デバイスであって、
本体であって、該本体の挿入軸に沿って形成される挿入部および把持部を含む本体を備え、
前記挿入部が、前記電源プラグと前記電源レセプタクルとの間にあるギャップに挿入されるように構成される楔の形状をし、
前記把持部が、ユーザの指に合わせた大きさで前記本体内に形成されるチャネルを含み、前記チャネルが、前記電源プラグを収容する大きさの空間40の周囲に形成される少なくとも2つの対向チャネル部と共に下向きU字形状を有し、
前記把持部が、前記挿入軸に対して直交する前記チャネルを定める壁上に形成される挿入力受容面を含み、前記挿入力受容面が、前記挿入軸に沿って挿入方向に挿入力をユーザから受けることによって、前記楔を前記ギャップに挿入してそこに停留させ、前記楔が前記ギャップに挿入されるときに前記楔、前記電源プラグ、および前記電源レセプタクルの間に締まりばめを形成するように構成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項19】
請求項18記載の電源プラグ保持デバイスにおいて、前記チャネルの下向きU字形状が、前記楔が前記ギャップに挿入されるときに前記電源プラグの周囲に嵌り、その上面上に静止するように構成される、電源プラグ保持デバイス。
【請求項20】
電子デバイス用の電源プラグ・アセンブリであって、
電源プラグと、
電源レセプタクルと、
前記電源レセプタクルに挿入される前記電源プラグと共に使用するための電源プラグ保持デバイスと、を備え、
前記電源プラグ保持デバイスが、本体であって、該本体の挿入軸に沿って形成される挿入部および把持部を含む本体を備え、
前記挿入部が、前記電源プラグと前記電源レセプタクルとの間にあるギャップに挿入されるように構成される楔の形状をし、
前記把持部が、前記挿入軸に対して直交して形成される挿入力受容面を含み、前記挿入力受容面が、前記挿入軸に沿って挿入方向に挿入力をユーザから受けることによって、前記楔をギャップに挿入しそこに停留させて、前記楔が前記ギャップに挿入されるときに前記楔、前記電源プラグ、および前記電源レセプタクルの間に締まりばめを形成するように構成される、電源プラグ・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] コンピューター・デバイスのような多くの電子デバイスは、当該電子デバイスを電源に結合するために、電源プラグ・アセンブリーを使用する。通例、これらの電源プラグ・アセンブリーでは、電源コード上のプラグを電源プラグ・アセンブリーの窪んだレセプタグル内に差し込むとき、図らずもプラグを震わせてまたは誤って緩ませて、電子デバイスへの電力が失われる原因となるおそれがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
[0002] 電源レセプタクルに挿入される電源プラグとともに使用するための電源プラグ保持デバイスを提供する。この電源プラグ保持デバイスは、本体を備える。この本体は、当該本体の挿入軸に沿って形成された、挿入部と把持部(gripping portion)とを含むことができる。挿入部は、電源プラグと電源レセプタクルとの間にあるギャップに挿入されるように構成された、楔のような形状にしてもよい。把持部は、挿入力受容面(receiving surface)を含むことができる。挿入力受容面は、挿入軸に対して直交して形成され、挿入軸に沿って挿入方向に挿入力をユーザーから受けるように構成され、これによって楔をギャップ内に挿入して停留させ、楔をギャップに挿入するときに、楔と、電源プラグと、電源レセプタクルとの間に締まりばめを形成する。
【0003】
[0003] この摘要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化した形態で紹介するために設けられている。この摘要は、特許請求する主題の主要な特徴または必須の特徴を特定することを意図するのではなく、特許請求する主題の範囲を限定するために使用されることを意図するのでもない。更に、特許請求する主題は、本開示のいずれかの部分において記されるいずれかの欠点を解決する実施態様にも、または全ての欠点を解決する実施態様にも限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の一実施形態による電源プラグ保持デバイスを含む電源プラグ・アセンブリーの一例を示す。
図2図1の電源プラグ・アセンブリーの電源プラグ・レセプタクル例に挿入された電源プラグ例を示す。
図3図1の電源プラグ保持デバイスの第1実施形態の上面図(overhead view)を示す。
図4図1の電源プラグ保持デバイスの第1実施形態の底面図を示す。
図5図1の電源プラグ保持デバイスの第1実施形態の側面図を示す。
図6図1の電源プラグ保持デバイスの第1実施形態の4つの異なる図を示す。
図7図1の電源プラグ保持デバイスの第2実施形態の上面図(overhead view)を示す。
図8図1の電源プラグ保持デバイスの第2実施形態の底面図を示す。
図9図1の電源プラグ保持デバイスの第2実施形態の側面図を示す。
図10図1の電源プラグ保持デバイスの第2実施形態の4つの異なる図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0014] 典型的な解決策は、プラグを電源レセプタクルに挿入する前に、電源コードのプラグの端部周囲に嵌め込まれる開放端スリーブ(open-ended sleeves)を使用する。しかしながら、これらのスリーブでは、ユーザーがプラグをレセプタクルの奥まで押し込んで、完全にプラグを収容し難くなる可能性があり、プラグとレセプタクルの接点との間の接触が不十分になるおそれがある。不十分な接触は、潜在的に接点が過熱する原因となり、図らずも電気的障害を招くおそれがある。加えて、これらのスリーブでは、ユーザーがプラグをレセプタクルから抜き取ることが困難になり、通例、抜き取る間ユーザーが電源プラグのコードを引っ張らなければならず、図らずも電源コードに損傷を発生させるおそれがある。
【0006】
[0015] これらの問題に取り組むために、図1は、電源コードがそれらの電源レセプタクルから偶然外れること、または震動によって緩むことを防止するのに役立つように設計された電源プラグ保持デバイス10の一例を示す。電源プラグ保持デバイス10は、電源プラグが電源レセプタクルに挿入されている間に、電源プラグ・アセンブリーに挿入可能であり、更に電源プラグ・アセンブリーから取り外し可能であるように構成される。図1は、電子デバイス12用の電源プラグ・アセンブリー14を含む電子デバイス例12を示す。電子デバイス12は、例えば、サーバー・デバイス、デスクトップ・コンピューター・デバイス、スピーカー・デバイス、または電源プラグ・アセンブリー14を含む任意の他の種類の電子デバイスというような、任意の適した形態を取ることができる。一例では、電子デバイス12の電源プラグ・アセンブリーは、電源プラグ16と電源レセプタクル18とを含む。
【0007】
[0016] 図2は、電源プラグ保持デバイス10の挿入前における電源プラグ・アセンブリー例の接近図を示す。通例、電源コード20の電源プラグ16を電源レセプタクル18に挿入するとき、電源レセプタクルの内面と電源プラグ16の外面との間にギャップ22がある。加えて、電源レセプタクル18は、通例、硬質プラスチックで形成され、電源プラグ16は、通例、電源レセプタクル18の硬質プラスチックよりも柔らかく可撓性がある(elastic)ビニール材料で形成される。以下で更に詳しく説明するように、電源プラグ保持デバイス10の挿入部は、ギャップ22内に挿入されてそこに滞留し(logde)、電源プラグ16の頭部および電源レセプタクル18の内面と締まりばめ/摩擦嵌めを形成することができる。図1に示すように、電源プラグ16が既に電源レセプタクル18に挿入されている間に、電源プラグ保持デバイス10の挿入部24をギャップ22に挿入することができる。
【0008】
[0017] 一例では、電源プラグ保持デバイス10は、ガラス繊維入りのナイロン材料(glass strand filled nylon material)で形成することができる。更に特定すれば、この材料は、25~30%のガラス繊維と、70~75%のナイロン66とを含んでもよい。しかしながら、電源プラグ保持デバイス10を形成するためには、他の材料および割合を使用してもよいことは認められてしかるべきである。以下で説明するように、電源プラグ保持デバイス10は、更に、挿入部24を電源プラグ16と電源レセプタクル18との間のギャップ22に挿入するおよび挿入部24をギャップ22から抜き取るのを補助するために、他の構造も含む。
【0009】
[0018] 図3は、電源レセプタクル18に挿入される電源プラグ16と共に使用する電源プラグ保持デバイス10の第1実施形態の上面図を示す。図示のように、電源プラグ保持デバイス10は本体26を含むことができる。本体26は、この本体26の挿入軸30に沿って、挿入部24および把持部28を含む。挿入軸30は、挿入部24をギャップ22に挿入するまたはギャップ22から引き抜くために電源プラグ保持デバイス10に加えられる力の方向に定められるとよい。図示する例では、挿入部24は、電源プラグ16と電源レセプタクル18との間にあるギャップ22に挿入されるように構成された楔32のような形状にしてもよい。この楔形状のために、電源プラグ16が誤って引き抜かれること、および/または震動によって緩むことを防止するのに役立つために適度な摩擦/締まりばめが形成される(establish)まで、電源プラグ16が電源レセプタクル18に差し込まれている間に、電源プラグ16と電源レセプタクル18との間にあるギャップ22に挿入部24を挿入することができる。
【0010】
[0019] 把持部28は、本体26内に形成されたチャネル34を含むことができる。チャネル34は、ユーザーの指に合わせた大きさになるように形成することができる。即ち、ユーザーは、彼らの指をチャネル34に挿入し、把持部28の表面を介して電源プラグ保持デバイス10を掴むことができる。図示のように、チャネルは、第1壁36、第2壁38、および第1壁36と第2壁38との間に延びる把持部28の表面によって定めることができる。チャネルは、電源プラグ保持デバイス10の挿入軸30に対して直交するように形成されるとよい。即ち、チャネル34の2つの開口間に延びるように定められたチャネルの方向が、挿入軸30に対して直交するとよい。同様に、第1壁36および第2壁38も挿入軸30に対して直交して延びるとよい。
【0011】
[0020] 図4は、電源プラグ保持デバイス10の第1実施形態の底面図を示す。図示する例では、把持部28のチャネル34は下向きU字形状を有するように形成され、少なくとも2つの対向チャネル部34Aおよび34Bが、電源プラグ16を収容する(fit)ような大きさに作られた空間40の周囲に形成されている。2つの対向チャネル部34Aおよび34Bは、電源プラグ保持デバイス10から下向きに延び、「U」字形状の2つの翼(wing)を形成する。開放空間40は、2つの対向チャネル部34A、34Bの間に広がる。2つの対向チャネル部34Aおよび34B間に広がる空間40が電源プラグ16を収容するような大きさになるように、2つの対向チャネル部34Aの大きさが決められ、 互いに対して位置付けられる。図1に示すように、電源プラグ16は、電源プラグ保持デバイス10の「U」字状チャネル34間に広がる空間40の中に収まり、こうして電源プラグ保持デバイス10が電源プラグ16上に確実に静止する(securely rest on)ことが可能になる。
【0012】
[0021] 図5は、電源プラグ保持デバイス10の第1実施形態の側面図を示す。図示のように、楔の形状にしてもよい挿入部24は、挿入軸30の方向に延びる。一例では、挿入部24は、更に、挿入軸30から角度θで下向きになるように形成されてもよい。一例では、この下向きの角度は、挿入軸30から10~20度の間にするとよい。しかしながら、例えば、5~10度、15~30度等のような、他の適した下向き角度の範囲が使用されてもよいことは、認められてしかるべきである。下向きの角度θは、電源プラグ16と電源レセプタクル18との間にあるギャップ22に、挿入部24を誘導し易くすることができる。
【0013】
[0022] 加えて、把持部28は、挿入軸30に対して直交するように形成された挿入力受容面42を含むことができる。挿入力受容面42は、挿入軸に沿った挿入方向の挿入力44をユーザーから受けることによって、楔32をギャップ22に挿入してそこに停留させ、楔32がギャップ22内に挿入されたときに、楔32、電源プラグ16、および電源レセプタクル18の間に締まりばめを形成するように構成することができる。挿入力44は、チャネル34内に入っている(resting in)ユーザーの指で、挿入力受容面42を押すことによって、加えることができる。第1実施形態では、挿入力受容面42は、第1壁36の背面部上に形成してもよい。「前面」および「背面」は、挿入軸30に関して定められ、挿入部24は電源プラグ保持デバイス10の「前面」上に形成される。
【0014】
[0023] 電源プラグ保持デバイス10の第1実施形態は、更に、停止面46を含むことができる。停止面46は、電源レセプタクル18の外面48と接触して、所定の挿入深さ50において電源プラグ保持デバイス10の電源レセプタクル18への侵入を停止させるように構成される。図示のように、電源プラグ保持デバイス10が完全に挿入されたときに、停止面46が、図2に示す電源レセプタクル18の外面48と接触するように、停止面46は電源プラグ保持デバイス10から外側に広がる。
【0015】
[0024] 電源プラグ保持デバイス10の第1実施形態では、停止面46は、チャネル34を定める第1壁36の前面部として形成される。図示のように、第1壁36は、挿入部24の後ろに位置し、挿入軸30に対して直交するように形成される。図示のように、第1壁36の位置は、更に、本体26の挿入部24と把持部28との間に位置するように、定められてもよい。第1実施形態では、停止面46が電源レセプタクル18の外面48に接触し、挿入部24のギャップ22への侵入が停止されるまで、挿入力44を挿入力受容面42に加えることができるように、挿入力受容面42および停止面46が第1壁36の2つの対向する側面として形成される。
【0016】
[0025] 電源プラグ保持デバイス10の第1実施形態は、ギャップ22に挿入された後、引き抜き力受容面54に加えられる引き抜き力52によって引き抜かれる(extract)ように構成することができる。第1実施形態では、引き抜き力受容面54は、チャネル34の第2壁38の前面部として形成されてもよい。即ち、電源プラグ保持デバイス10を取り外す(remove)ために、ユーザーは彼らの指をチャネル34内に入れ、把持部28の表面を掴めばよい。次いで、引っ張ることによって、ユーザーの指は引き抜き力52を引き抜き力受容面54に加えることができ、挿入部24を電源プラグ16と電源レセプタクル18との間にあるギャップ22から引き出すことになる。このように、電源プラグ16が電源レセプタクル18に挿入されている間に、電源プラグ保持デバイス10をギャップ22に挿入すること、およびギャップ22から引き抜くことの双方が可能であることは、認められてしかるべきである。しかしながら、更に、電源プラグ保持デバイス10は、電源プラグ16と同時に電源レセプタクル18に挿入して、摩擦/締まりばめを形成できることも認められてしかるべきである。
【0017】
[0026] 図3図4、および図5に示すように、電源プラグ保持デバイス10は、更に、取り付け部56も含んでもよい。取り付け部56は、電源プラグ保持デバイス10を取り付け面58に着脱可能に取り付けるように構成される。第1実施形態では、取り付け部56は、例えば、コード、ひも、結束バンド(zip ties)等のような、結び付けコード(fastening cord)によって着脱可能に取り付けることができるループ・マウント(loop mount)の形態をなしてもよい。
【0018】
[0027] 取り付け部56は、任意の適した取り付け面58に結び付けることができる。図1に示す例では、ループ・マウントの形態とした取り付け部56を、電子デバイス12上に位置する取り付け面58Aに結び付けることができる。他の例では、取り付け部56は、電源プラグ16のコードの形態とした取り付け面58Bに結び付けることもできる。取り付け部56を使用することによって、電源プラグ保持デバイス10は、電源プラグ16が電源レセプタクル18に差し込まれている間、電源プラグ16のケーブルに着脱可能に取り付けられるように構成することができる。一方、電源プラグ保持デバイス10は、電源プラグ16が電源レセプタクル18に差し込まれる前に、着脱可能に取り付けることもできる。電源プラグ保持デバイス10を着脱可能に取り付け面58に取り付けることによって、ユーザーによる電源プラグ保持デバイス10の紛失を防止するのに役立つこともできる。尚、電源プラグ保持デバイス10は、任意の適した形式の取り付け面58に着脱可能に取り付けられてもよいことは、認められてしかるべきである。
【0019】
[0028] 図6は、電源プラグ保持デバイス10の第1実施形態の様々な異なる図を示す。把持部28の下向きのU字形状のチャネル部34が、図6では、様々な異なる角度から示されている。
【0020】
[0029] 図7は、電源プラグ保持デバイス10の第2実施形態の上面図を示す。図示のように、第2実施形態も本体26を含む。本体26は、本体26の挿入軸30に沿って形成された、挿入部24と把持部28とを含む。第1実施形態と同様、挿入部24は、電源プラグ16と電源レセプタクル18との間にあるギャップ22に挿入されるように構成された楔32のような形状にしてもよい。また、電源プラグ保持デバイス10の第2実施形態も取り付け部56を含む。
【0021】
[0030] 図示のように、第2実施形態では、把持部28は、チャネルではなく、挿入軸30に対して直交して向き合う開口を有するループ構造60を含むことができる。即ち、ループ構造60の湾曲面は、挿入軸に沿って湾曲し、ループ構造の開口は、挿入軸30に直交する方向に開口する。電源プラグ保持デバイス10を掴むためには、ユーザーは彼らの指をループ構造60内に挿入し、ループ構造の表面を掴めばよい。
【0022】
[0031] 挿入部24をギャップに挿入するために、ユーザーは次に挿入力44を挿入力受容面42に加えればよい。例えば、ユーザーの指がループ構造60内に挿入されている間に、ユーザーは彼らの指を前方に挿入力受容面42に押し付けて、挿入部24をギャップ22内に押し込むことができる。電源プラグ保持デバイス10の第2実施形態では、挿入力受容面42は、ループ構造60の内面上に形成することもできる。ある例では、挿入力受容面42は、更に、ユーザーが押し付ける表面積を増やすために、挿入軸30に対して直交する方向に、ループ構造60から外側に広がる拡張面を含むこともできる。
【0023】
[0032] 図8は、電源プラグ保持デバイス10の第2実施形態の底面図を示す。図示のように、第2実施形態の取り付け部56は、電源プラグ16のケーブルに締結するように構成されたクリップ・デバイス62の形態をなすことができる。クリップ・デバイス62は、電源プラグ16のケーブルの周囲に嵌る大きさに作られたばねおよび/または可撓性材料で形成するとよい。クリップ・デバイス62は、クリップ・デバイス62がケーブルの周囲に嵌る(fasten around)まで、クリップ・デバイス62をケーブル上に押圧することによって、ケーブルに着脱可能に取り付けることができる。尚、電源プラグ16が既に電源レセプタクル18に差し込まれている間に、このように、クリップ・デバイス62を電源プラグ16のケーブルに取り付けること、およびケーブルから取り外すことができることは認められてしかるべきである。
【0024】
[0033] 図9は、電源プラグ保持デバイス10の第2実施形態の側面図を示す。先に論じたように、楔の形態をなすとよい挿入部24は、挿入軸30の方向に延びる。一例では、挿入部24は、更に、挿入軸30から角度θだけ下方向を指すように形成されてもよい。一例では、この下方向の角度は、挿入軸30から10~20度の間にするとよい。しかしながら、例えば、5~10度、15~30度等のような、他の適した下向き角度の範囲が使用されてもよいことは、認められてしかるべきである。更に、電源プラグ保持デバイス10は停止面46も含むことができる。停止面46は、挿入部24に面するループ構造60の表面に形成される。先に説明したように、停止面は、電源レセプタクル18の外面48と接触し、所定の挿入深さ50において電源プラグ保持デバイス10の電源レセプタクル18への侵入を停止させるように構成されている。一例では、停止面46は、ループ構造60の前面側に形成された壁面の形態をなしてもよい。図示のように、停止面46および挿入力受容面42は、ループ構造60の前方湾曲面の対向する両側面に位置付けることができる。
【0025】
[0034] 一例では、ユーザーは、指をループ構造60内に挿入し、引き抜き力52を引き抜き力受容面54に加えるように引くことによって、電源プラグ保持デバイス10の第2実施形態を電源レセプタクル18から引き抜くことができる。引き抜き力受容面54は、ループ構造60の後方湾曲面上に位置付けることができる。このように、電源プラグ保持デバイス10の第2実施形態は、電源プラグ16が電源レセプタクル18に挿入されている間に、挿入することおよび取り外すことができることは理解されてしかるべきである。図10は、電源プラグ保持デバイスの第2実施形態の様々な異なる図を示す。
【0026】
[0035] 図1図10に示す電源プラグ保持デバイス10の例では、楔は、電源プラグの上面と電源レセプタクルの上面との間にあるギャップに挿入されるように示されている。しかしながら、ある例では、電源プラグおよび電源レセプタクルの各側面間にギャップがあってもよいことは認められてしかるべきである。楔の形態をなすことができる挿入部24は、電源プラグ保持デバイス10上に位置付け、これらのギャップのいずれにでも挿入されるように向けることもできる。例えば、電源プラグと電源レセプタクルの左側面と右側面との間に位置する垂直ギャップに楔を挿入できるように、楔を縦に向けてもよい。
【0027】
[0036] 加えて、電源プラグ保持デバイス10は電源プラグ16の上面上に載るように示してきたが、電源プラグ16上の他の位置に電源プラグ保持デバイス10を固定するように構成されてもよいことは認められてしかるべきである。例えば、電源プラグ保持デバイスは、電源プラグの左または右側面に取り付けられるように構成することもできる。他の例として、電源プラグ保持デバイス10は、電源プラグ16の底面側に固定するように構成することもでき、挿入部24は、電源プラグ16の底面と電源レセプタクルの底面との間にあるギャップに挿入されるように構成することもできる。
【0028】
[0037] 更に、電源プラグ保持デバイス10の寸法は、1U形状係数に合わせて構成されてもよいことも認められてしかるべきである。例えば、電源プラグ保持デバイス10は、1U形状係数に基づいて設定された高さ寸法を有するサーバー・ラックに収まるように構成することもできる。例えば、電源プラグ保持デバイス10がサーバー・デバイスの電源アセンブリーに挿入されるとき、電源プラグ保持デバイス10がサーバー・デバイスの高さを超えないような大きさに作ることもできる。
【0029】
[0038] 本明細書において説明し図1図10に示した例では、把持面28は、チャネルまたはループ構造の形態をなすと説明した。しかしながら、説明した把持面、挿入力受容面、および抜き取り力受容面の機能を実行するために、他の構造を使用してもよいことは認められてしかるべきである。例えば、把持面は、1つの壁、タブ、またはユーザーが握ることができる他の形の突起の形態をなしてもよい。他の例として、把持面28は、ユーザーの指が納まる大きさに作られた窪み(indent)の形態をなしてもよい。窪みの表面は、挿入および抜き取り受容面として機能することができる。更に他の例として、把持面28は、電源プラグ保持デバイス18をユーザーが握りやすくする摩擦面の形態をなしてもよく、ユーザーは挿入力および引き抜き力をこの摩擦面に加えることができる。尚、把持面28は、本明細書において説明した形態に限定されるのではなく、任意の適した形態をなしてもよいことは認められてしかるべきである。
【0030】
[0039] 以下の段落は、本願の請求項に対する追加支援を提供する。1つの態様では、電源レセプタクルに挿入される電源プラグと共に使用するための電源プラグ保持デバイスを提供する。この電源プラグ保持デバイスは、本体を備え、この本体は、当該本体の挿入軸に沿って形成された挿入部と把持部とを含む。挿入部は、電源プラグと電源レセプタクルとの間にあるギャップに挿入されるように構成された楔の形状に作られる。把持部は、挿入力受容面を含む。挿入力受容面は、挿入軸に対して直交して形成され、挿入軸に沿って挿入方向に挿入力をユーザーから受けることによって、楔をギャップに挿入してそこに停留させ、楔がギャップに挿入されるときに、楔、電源プラグ、および電源レセプタクル間に締まりばめを形成するように構成される。この態様では、加えてまたは代わりに、電源プラグが電源レセプタクルに差し込まれている間に、楔が電源プラグとレセプタクルとの間にあるギャップに挿入されるように構成されてもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、電源プラグ保持デバイスは、更に、停止面も含んでもよい。停止面は、電源レセプタクルの外面と接触して、所定の挿入深さにおいて電源プラグ保持デバイスの電源レセプタクルへの侵入を停止させるように構成される。この態様では、加えてまたは代わりに、停止面が、挿入部の後ろに位置する壁の前方部分であってもよく、この壁は挿入軸に対して直交して形成される。この態様では、加えてまたは代わりに、挿入力受容面が壁の後方部分であってもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、把持部が、本体内に形成されたチャネルを含んでもよく、このチャネルはユーザーの指に合わせた大きさに作られる。この態様では、加えてまたは代わりに、挿入力受容面が、チャネルの第1壁の後方部分であってもよく、第1壁が、本体の挿入部と把持部との間に位置付けられる。この態様では、加えてまたは代わりに、電源プラグ保持デバイスが、更に、引き抜き力受容面も含んでもよい。引き抜き力受容面は、チャネルの第2壁の前方部分でもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、チャネルが挿入軸に対して直交して形成されてもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、把持部が、挿入軸に対して直交して面する開口を有するループ構造を含んでもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、電源プラグ保持デバイスが、更に、挿入部に面するループ構造の表面上に形成された停止面を含んでもよく、停止面が、電源レセプタクルの外面と接触し、所定の挿入深さにおいて電源プラグ保持デバイスの電源レセプタクルへの侵入を停止させるように構成される。この態様では、加えてまたは代わりに、電源プラグ保持デバイスが、電源プラグ保持デバイスを取り付け面に着脱可能に取り付けるように構成された取り付け部を含んでもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、取り付け部が、電源プラグが電源レセプタクルに差し込まれている間に、電源プラグのケーブルに着脱可能に取り付けられるように構成されてもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、取り付け部が、電源プラグのケーブルに締結するように構成されたクリップ・デバイスであってもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、取り付け部が、結び付けコードによって着脱可能に取り付けられるように構成されてもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、楔が、挿入軸から下向き角で広がるように形成されてもよい。この態様では、加えてまたは代わりに、下向き角が挿入軸から10~20度であってもよい。
【0031】
[0040] 他の態様では、電源レセプタクルに挿入される電源プラグと共に使用するための電源プラグ保持デバイスを提供する。この電源プラグ保持デバイスは、本体を備えることができ、この本体は、当該本体の挿入軸に沿って形成された、挿入部と把持部とを含む。 挿入部は、電源プラグと電源レセプタクルとの間にあるギャップに挿入されるように構成された楔の形状に作られる。把持部は、本体内に形成されたチャネルを含み、チャネルはユーザーの指に合わせた大きさに作られる。チャネルは、下向きのU字状を有し、少なくとも2つの対向するチャネル部分が、電源プラグを収容するような大きさに作られた空間の周囲に形成される。把持部は、挿入軸に対して直交するチャネルを定める壁上に形成された挿入力受容面を含む。挿入力受容面は、挿入軸に沿って挿入方向に挿入力をユーザーから受けることによって、楔をギャップに挿入しそこに停留させて、楔がギャップに挿入されたときに、楔、電源プラグ、および電源レセプタクル間に締まりばめを形成するように構成される。この態様では、加えてまたは代わりに、楔がギャップに挿入されたときに、チャネルの下向きU字形状が電源プラグの周囲に嵌り、その上面上に静止するように構成されてもよい。
【0032】
[0041] 他の態様では、電子デバイス用電源プラグ・アセンブリーを提供する。この電源プラグ・アセンブリーは、電源プラグと、電源レセプタクルと、電源レセプタクルに挿入される電源プラグと共に使用するための電源プラグ保持デバイスとを備える。電源プラグ保持デバイスは、本体を備え、この本体は、当該本体の挿入軸に沿って形成された、挿入部と把持部とを含む。挿入部は、電源プラグと電源レセプタクルとの間にあるギャップに挿入されるように構成された楔のような形状に作られる。把持部は、挿入軸に対して直交して形成された挿入力受容面を含む。挿入力受容面は、挿入軸に沿って挿入方向に挿入力をユーザーから受けることによって、楔をギャップに挿入しそこに停留させて、楔がギャップに挿入されたときに、楔、電源プラグ、および電源レセプタクル間に締まりばめを形成するように構成される。
【0033】
[0042] 尚、本明細書において説明した構成および/または手法は性質上例示であること、そして多数の変形が可能であるので、これら具体的な実施形態および例は、限定的な意味で解釈してはならないことは理解されよう。本明細書において説明した具体的なルーチンまたは方法は、任意の数の処理戦略の内1つ以上を代表することができる。したがって、図示および/または説明した種々のアクトは、図示および/または説明した順序で実行することができ、他の順序で実行することもでき、並行して実行することもでき、または省略することもできる。同様に、以上で説明したプロセスの順序を変更することもできる。
【0034】
[0043] 本開示の主題は、種々のプロセス、システム、および構成の全ての新規なならびに非自明的なコンビネーションおよびサブコンビネーションを含み、更に本明細書において開示した他の特徴、機能、アクト、および/または特性、更にはそれらの任意のおよび全ての均等物を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10