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特許7474791呼吸器送達デバイス用の自動ディスペンサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】呼吸器送達デバイス用の自動ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021576934
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 AU2020050633
(87)【国際公開番号】W WO2020257845
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】16/450,077
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521562588
【氏名又は名称】デ モトゥ コーディス ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オフラハーティ ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】リップマン ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】リンチ パトリック ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】フレダトヴィッチ ジョン
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-539531(JP,A)
【文献】台湾特許出願公開第200924806(TW,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0279355(US,A1)
【文献】特開昭57-022767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の気道に組成物を送達するためのデバイスであって、
流体連通している
ガス入口と、
ガス出口と、
前記組成物を含む組成物カプセルを受けるように適合された組成物レセプタクルと、
分散チャンバと、
キャップが取り外されると、前記組成物を放出するために前記組成物カプセルを貫通するように適合された1つまたは複数のプライマと、を備え、
各プライマが、前記組成物カプセルを貫通または切断するようにピンまたはブレードを移動させるために前記キャップ上のカムによって作動されるカムフォロアを備える、デバイス。
【請求項2】
前記カムフォロアが弾性的に変形可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記1つまたは複数のプライマの前記カムフォロアが、前記キャップが一度取り外されると交換されるのを防ぐ、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記キャップが、キャップトップから延在し前記組成物カプセルを所定の位置に保持するように適合された1つまたは複数の細長い部材を備えた、前記キャップに対して移動可能な前記キャップトップを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記分散チャンバが、前記対象に送達するための前記組成物を受けるように適合され、かつ、前記対象の前記気道に送達するために、前記ガス入口と前記ガス出口の間のガス流に前記組成物を分散させるように適合された、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記分散チャンバが、前記分散チャンバ内での前記組成物カプセルの回転運動または回転を促進するように適合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記分散チャンバが、前記ガス入口と前記ガス出口との間をガスが流れる1つまたは複数のチャンバポートと連続している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記分散チャンバが、その表面から突出する1つまたは複数の突起を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記分散チャンバが渦チャンバである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記分散チャンバに実質的に隣接して配置され、かつ前記ガス入口、前記ガス出口、前記組成物レセプタクル、及び前記分散チャンバと流体連通しているデアグロメレータをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デアグロメレータがスクリーンまたはメッシュである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ガス入口が、ガスの侵入のための1つまたは複数の穴と、前記組成物カプセルを前記組成物レセプタクルに配置するように適合されたカプセルシートとを有するベースの形態である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記穴を密封する取り外し可能なプラグをさらに備える、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記組成物カプセルが、前記ガス入口を備えるベースに形成されたカプセルシートと、前記キャップのキャップトップから延在している1つまたは複数の細長い部材との間に、前記1つまたは複数のプライマによって貫通するために所定の位置に保持される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ガス出口がマウスピースである、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器送達デバイスに関する。より詳細には、本発明は、対象の気道に粒子状薬剤を投与する際に使用するための送達デバイス用の自動ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの病状において、気道を介して対象に薬剤を投与することが望ましい場合がある。ドライパウダー吸入器などの吸入器は、吹送器と同様、この目的に使用することができる。
【0003】
既存の吸入器は、通常、送達投与量に関して信頼性及び/または再現性が低く、投与量は一般に、対象の吸入の変動に影響を受ける。このことは通常、吸入器の使用を、投与量の変動が許容可能な用途、例えば、実質的な過少投与及び/または過剰投与の影響が生命を脅かさない用途に制限する。
【0004】
したがって、薬剤の呼吸器投与の新しい方法が望まれる。使用における多様性または柔軟性の向上を提供する新しい呼吸器送達デバイスを開発することが特に望ましい。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様では、
本発明は、対象の気道に組成物を送達するためのデバイスを提供するものであり、このデバイスは、
流体連通している
ガス入口と、
ガス出口と、
組成物を含む組成物カプセルを受けるように適合された組成物レセプタクルと、
分散チャンバと、
キャップが取り外されると組成物を放出するために組成物カプセルを貫通するように適合された1つまたは複数のプライマとを備える。
【0006】
各プライマは、組成物カプセルを貫通または切断するためにピンまたはブレードを移動させるようにキャップ上のカムによって作動されるカムフォロアを適切に備える。
【0007】
カムフォロアは、弾性的に変形可能であることが好ましい。
【0008】
好ましくは、1つまたは複数のプライマのカムフォロアは、キャップが一度取り外されると交換されるのを防ぐ。
【0009】
一形態では、キャップは、キャップトップから延在し組成物カプセルを所定の位置に保持するように適合された1つまたは複数の細長い部材を備えた、キャップに対して移動可能なキャップトップを備える。
【0010】
分散チャンバは、対象に送達するための組成物を受けるようにかつ対象の気道に送達するために組成物をガス入口とガス出口の間のガス流に分散させるように適切に適合されている。
【0011】
好ましくは、分散チャンバは、分散チャンバ内の組成物カプセルの運動を促進するように適合されている。適切には、運動は、組成物カプセルの回転運動または回転である。
【0012】
分散チャンバは、ガスがガス入口とガス出口の間を流れるための1つまたは複数のチャンバポートと連続し得る。
【0013】
分散チャンバは、その表面から突出している1つまたは複数の突起を備え得る。突起または突出は、組成物の分散を促進する。1つまたは複数の突起は、分散チャンバの表面上の細長い突起、径方向に配向した凹凸または隆起のうちの1つまたは複数を備える。好ましくは、少なくとも2つの突起、凹凸または隆起が提供される。突起、半径方向に配向した凹凸または隆起は、分散または渦チャンバの壁または天井から突出し得る。適切には、組成物カプセルは、その回転運動中に1つまたは複数の突起、凹凸または隆起によって変位されて、組成物の分散を助ける。通常、径方向に配向した凹凸または隆起の、それらが突出する表面からの高さは、約0.1mmから約1mmの間にあり、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.9、及び0.9mmを含む。
【0014】
適切には、分散チャンバは、1つまたは複数のチャンバポートを通ったガス流が渦チャンバ内での渦の生成を促進する渦チャンバである。
【0015】
デバイスは、好ましくはさらに、分散チャンバに実質的に隣接して配置されかつガス入口、ガス出口、組成物レセプタクル、及び分散チャンバと流体連通しているデアグロメレータを備える。
【0016】
デアグロメレータは、スクリーンまたはメッシュを備え得る。適切には、スクリーンまたはメッシュは、ガス乱流を促進するための複数の穴またはスロットを備える。デアグロメレータはさらに、組成物を濾過して、その断片を含む組成物カプセルから破片を除去するように機能する。
【0017】
一形態では、デアグロメレータは、1つまたは複数の可撓性部材を備え得る。適切には、可撓性部材は、ガス入口とガス出口の間のガス流に応答して振動するように適合されている。
【0018】
ガス入口は、ガスの侵入のための1つまたは複数の穴と、組成物カプセルを組成物レセプタクル内に配置するように適合されたカプセルシートとを有するベースの形態であり得る。穴は取り外し可能なプラグで密封され得る。適切には、キャップを取り外す前にプラグを取り外さなければならない。
【0019】
一形態では、組成物カプセルは、ガス入口を備えるベースに形成されたカプセルシートと、キャップのキャップトップから延在している1つまたは複数の細長い部材の間に、1つまたは複数のプライマによって貫通するために所定の位置に保持される。
【0020】
ガス出口は、マウスピースとして適切なサイズ及び形状にされる。
【0021】
適切には、ガス入口とガス出口の間のガス流は、ガス出口を介する対象の気道への組成物の送達を促進する。
【0022】
デバイスは、好ましくは、ガス入口及びガス出口を除いて、ガスの侵入及び/または出に対して密封されているまたは実質的に密封されている。
【0023】
別の態様では、本発明は、組成物レセプタクルの実質的に内側に組成物カプセルを搭載したときに、上記のデバイスを用いて対象の気道に組成物を投与する方法であって、
キャップ上のカムが1つまたは複数のプライマ上のカムフォロアと係合することによってプライマに組成物カプセルを貫通または切断させるようにキャップを動かすステップと、
ガス出口のカバーを外しプライマを解除するようにキャップを取り外すステップと、
ガス出口を対象の気道と接続するステップと、
ガス入口とガス出口の間にガス流を提供するステップであって、組成物がガス流によって対象の気道にガス出口を介して送達されることによって、組成物を対象の気道に投与するようにする、ガス流を提供するステップとを含む方法である。
【0024】
対象によるガス出口を通る適切な吸入により、組成物カプセルを組成物レセプタクルから分散チャンバへ移動させる、ガス入口からのガス流が引き起こされる。
【0025】
一度取り外したキャップは交換することができないことが好ましい。
【0026】
さらなる態様では、
組成物カプセルを組成物レセプタクルの実質的に内側に配置するステップと、
ガス出口を対象の気道に接続するステップと、
ガス入口からガス出口へのガス流を提供するステップであって、組成物が、ガス流によって、ガス出口を介して対象の気道に送達され、それにより、対象の状態を治療または予防する、ガス流を提供するステップと、
を含む、本明細書中に記載のデバイスを使用して、有効量の組成物を対象の気道に投与することによって対象の状態を治療または予防する方法が提供される。
【0027】
本明細書において、「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」という用語、または同様の用語は、非排他的な包含を意味することを意図しており、要素のリストを備える方法、システムまたは装置は、それらの要素だけを含むのではなく、リストされていない他の要素も含み得る。
【0028】
不定冠詞「a」及び「an」は、単一の不定冠詞として、または不定冠詞が参照する複数または2つ以上の主題を除外するものとして解釈されるべきではないことが理解されるだろう。例えば、「a」ガス入口は、1つのガス入口、1つ以上のガス入口、または複数のガス入口を含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A】本発明のデバイスの実施形態の側面図である。
図1B図1Aのデバイスの正面断面図である。
図2A図1Aのデバイスの正面図である。
図2B図1Aのデバイスの上面断面図である。
図3A】ピストンが第1の構成にあるときの、図1Aのデバイスの斜視断面図である。
図3B】ピストンが第2の構成にあるときの、図1Aのデバイスの斜視断面図である。
図4】本発明によるデバイスの好ましい実施形態の分解図である。
図5A】キャップが完全にかみ合わされた状態の図4のデバイスの上面断面図である。
図5B】キャップが完全にかみ合わされた状態の図4のデバイスの正面断面図である。
図6A】キャップが部分的に外された状態の図4のデバイスの上面断面図である。
図6B】キャップが部分的に外された状態の図4のデバイスの正面断面図である。
図7】キャップが完全に外された状態の図5B及び図6Bのデバイスの斜視断面図である。
図8】特定のガス流路に焦点を当てた図4の分解デバイスの一部の拡大図である。
図9】本発明によるデバイスのさらなる実施形態の分解図である。
図10A】装填状態における図9のデバイスの斜視図である。
図10B】装填状態における図9のデバイスの断面図である。
図11A】作動中の図9のデバイスの斜視図である。
図11B】作動中の図9のデバイスの断面図である。
図12A】作動状態における図9のデバイスの斜視図である。
図12B】作動状態における図9のデバイスの断面図である。
図13A】使用中の図9のデバイスの斜視図である。
図13B】使用中の図9のデバイスの断面図である。
図14】搭載状態に戻すことができない図9のデバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
治療薬の呼吸器送達は、様々な用途に適切であり得る。これらには、粉末ワクチン、抗生物質、及びインスリンの投与などの、対象に通常意識があり応答する用途、ならびに、アナフィラキシーまたは心停止などの重篤疾患の治療のための粉末アドレナリンの投与などの、対象が意識不明であり得る用途が含まれる。
【0031】
本発明は、治療薬の呼吸器送達のための柔軟性を提供するデバイスが必要であるという認識に少なくとも部分的に基づいている。特に、「吸入器」タイプのデバイスの場合のような陰圧下での組成物の呼吸器送達及び「吹送器」タイプのデバイスの場合のような陽圧下での治療薬の呼吸器送達の両方を促進するデバイスが望ましいが、それに限定されるものではない。
【0032】
本明細書中で言及される送達するための組成物は、限定されるものではないが、通常、乾燥粉末の形状である。本明細書中で用いられ、当業者によって理解されるように、「乾燥粉末」は、一般に、噴射剤なしで通常送達されるまたは送達に適する呼吸器送達のための粒子状薬剤の形状を指す。
【0033】
本明細書中に記載された組成物(例えば、乾燥粉末または粒子状薬剤)は、少なくとも1つの「有効成分」、すなわち生物学的活性を有する成分を適切に備えるであろう。乾燥粉末または粒子状薬剤は、1つまたは複数の純粋な、または実質的に純粋な有効成分の形状であり得る。代替として、乾燥粉末または粒子状薬剤は、1つまたは複数の有効成分に加えて、当技術分野でよく知られているような1つまたは複数の薬学的に受容可能な成分、例えば、充填剤、賦形剤、または希釈剤を含み得る。乾燥粉末製剤の非限定的な概要については、当業者は、参照により本明細書に組み込まれる、Telko及びHickey(2005)「Dry Powder Inhaler Formulation」Respiratory Care、50(9)、1209-1227を対象としている。活性剤及び/または活性剤を含む組成物は、代替として「薬剤」と称され得ることが理解されよう。
【0034】
本発明の一態様は、対象の気道に組成物を投与するためのデバイスを提供する。図1~3は、この態様のデバイス、デバイス10の典型的な実施形態を記載する。
【0035】
図1A及び1Bを見ると、デバイス10は、本体50と、ガス入口100と、ガス出口200と、組成物レセプタクル300と、アクチュエータ400と、分散チャンバ500と、プライマ600とを備える。
【0036】
図1B及び2Bに最もよく見られるように、本体50は、中空の内部領域を囲む壁51を備える。本体50は、プラスチックから形成されている。ただし、これは必要に応じて変更され得る。例えば、本体50は、金属製であり得る、またはゴムを備え得る。適切な材料の組み合わせも使用することができる。
【0037】
ガス入口100及びガス出口200は、本体50の壁51と連続していてもよいが、別々に構築されてもよい。
【0038】
ガス入口100は、呼吸器装置を接続するための取付け部としてまたはマウスピースとして使用するように適合されている。同様に、ガス出口200は、呼吸器装置を接続するための取付け部としてまたはマウスピースとして使用するように適合されている。
【0039】
図示のように、ガス入口100及びガス出口200は円錐形であり、これは、取付け部及び/またはマウスピースとしての使用に望ましい場合がある。しかしながら、ガス入口100及び/またはガス出口200の形状は、必要に応じて変えることができる。
【0040】
図1B、3A及び3Bに最もよく見られるように、組成物レセプタクル300は、本体50内に配置されている。デバイス10の組成物レセプタクル300は、壁310を備えるウェルの形状である。組成物レセプタクル300は、送達デバイス10を用いて対象に投与される組成物(図示せず)を備えるカプセルなどの容器を嵌合して受けるように適合されている。
【0041】
図1Bに最もよく見られるように、アクチュエータ400は、本体50内に配置されている。デバイス10のアクチュエータ400は、入口端部410及び出口端部420を備えるピストンの形状である。ピストン400は、図1B及び3Aに示されるような組成物レセプタクル300の実質的に外側の第1の構成または位置から、ピストン400が分散チャンバ500に隣接または近接して配置される図3Bに示されるような組成物レセプタクル300の実質的に内側の第2の構成または位置に移動可能である。特に、ピストン400の出口端部420は、第2の構成において、第1の構成の場合よりも分散チャンバ500により近接して位置する。
【0042】
デバイス10の分散チャンバ500は、渦チャンバの形状である。図2B、3A及び3Bに最もよく見られるように、渦チャンバ500は、チャンバ壁510と、チャンバチャネル520と、ガス入口100からガス出口200へのガスの流れを可能にし、渦を生成かつ維持するための関連チャンバポート530とを備える。実施形態では、渦チャンバ500は、少なくとも部分的な天井を備え得る。
【0043】
渦チャンバ500は、容器が組成物レセプタクル300から渦チャンバ500に移動すると、送達のための組成物を備える容器を受けるように適合されている。渦チャンバ500は、容器を、その中に配置されたときにチャンバ壁510に対して回転させることを可能にするように適合されている。
【0044】
実施形態では、渦チャンバ500は、組成物を備える容器から送達するための組成物の分散を促進するように適合された1つまたは複数の突起(図7に最もよく見られる)を備え得る。実施形態では、渦チャンバ500は、チャンバ壁510またはチャンバ天井上に1つまたは複数の突起、半径方向に配向した凹凸、または隆起を備える(図7)。通常、突起、凸部または半径方向に配向した凹凸の高さは、約0.1mmから約1mmの間であり、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.9、及び0.9mmを含む。
【0045】
図示のように、デバイス10は、2つのプライマ600、隣接する組成物レセプタクル300を備える。ただし、単一のプライマを使用することもできることが理解されるであろう。
【0046】
図1B、3A及び3Bに最もよく見られるように、プライマ600は、本体50の壁51内に保持されている。プライマ600は、ボタン610、及びピン620を備える。デバイス10のプライマ600のボタン610は、例えば変形可能なボタンまたはばね式ボタンなどの弾性ボタンであり得るが、これは、必要に応じて変えることができる。
【0047】
デバイス10は、ガス入口100及びガス出口200を除いて、ガスの(例えば、漏れまたは逃げによる)侵入または出に対して密封されているか、または実質的に密封されていることが理解されるであろう。本明細書中で上記のように、ガス入口100及びガス出口200は、デバイス10の本体50に属するか、またはそれと連続している。加えて、プライマ600は、本体50の壁51内に気密にまたは実質的に気密なように配置される。
【0048】
デバイス10などのこの態様のデバイスは、送達デバイスを用いて対象の気道に送達するための組成物をデアグロメレートするように適合されたデアグロメレータ700を備え得ることがさらに理解されるであろう。
【0049】
デアグロメレータ700を備えるデバイス10の実施形態では、通常、デアグロメレータ700は、図3A及び3Bに最もよく見られるように、分散チャンバ500に隣接してまたは近接して配置される。
【0050】
1つの典型的な実施形態では、デアグロメレータは、ガス乱流を促進するための複数の穴もしくはスロットを備えるスクリーンもしくはメッシュであるか、またはそれらを備える。
【0051】
1つの典型的な実施形態では、デアグロメレータは、ガス流に応答して振動するように適合された1つもしくは複数の可撓性部材であるか、またはそれを備える。
【0052】
デバイス10は、使用中、ガス入口100とガス出口200との間のガス流に組成物を混入させ、ガス流に混入された組成物を出口200を介して対象の気道に送達するように適合されている。
【0053】
使用中、容器またはカプセル(図示せず)は、組成物レセプタクル300の実質的に内側に配置される。通常、カプセルは、組成物レセプタクル300内に嵌合して保持される。容器またはカプセルは、プライマ600によって切断または貫通することができる、ホイルシールまたはプラスチックシェルなどのシールまたは膜などを適切に備えるだろう。ピストン400の上面は、組成物レセプタクル300の基部または床部を形成し得る。
【0054】
使用中、プライマ600が押され、これによりプライマ600のピン610が、組成物レセプタクル300内に配置された容器またはカプセルに押し付けられ、容器またはカプセルのシールまたは膜が貫通または切断される。
【0055】
使用中、ピストン400は、組成物レセプタクル300が開いており容器またはカプセルを位置しピストン400の入口端部410がガス入口100からガス出口200へのガス流を防ぐまたは少なくとも実質的に抑制する図3Aに示されるような第1の構成から、ピストン400の出口端部420が容器またはカプセルを組成物レセプタクル300から変位させ、ガス入口100からガス出口200へのガス流がピストン400の入口端部410の移動によって促進されるまたは実質的に抑制されない図3Bに示されるような第2の構成に、ガス流によって移動される。
【0056】
本明細書中における、ガスが流れている間のピストン400の移動に関連する「実質的に抑制されない」への言及は、ピストン400の第1の構成または位置との関連で実質的に抑制されないガスの流れであるとして理解されるべきである。すなわち、第2の構成または位置では、ガス流は、流れなければならない経路及びチャネルによってある程度抑制されると理解されるが、抑制の程度は、ピストン400が第1の構成または位置にあるときに経験した抑制よりも著しく低い。実施形態において、「実質的に抑制されない」は、ピストン400が第1の構成または位置にあるときのガス流と比較して、ガスの「促進された」、「開いた」、「自由な」または「解除された」流れとして理解され得る。
【0057】
使用中、ピストン400は、ガス出口200を介してのピストン400への陰圧の印加及びガス入口100を介しての陽圧の印加の各々によって、個別に、第1の構成から第2の構成に移動され得る。
【0058】
1つの典型的なシナリオでは、使用中、陰圧は、ガス出口200を介しての対象の吸入によってピストン400のピストン出口端部420に印加され、それにより、ピストン400は、第1の構成から第2の構成に移動される。
【0059】
1つの典型的なシナリオでは、使用中、陽圧は、ガス入口100内へのユーザの呼気によってピストン400の入口端部410に印加され、それにより、ピストン400は、第1の構成から第2の構成に移動された。
【0060】
1つの典型的なシナリオでは、使用中、陽圧は、ガス入口100に接続されたガスボンベなどの加圧ガス源からピストン400の入口端部410に印加され、それによって、ピストン400は、第1の構成から第2の構成に移動される。
【0061】
使用中、ピストン400が第2の構成に移動されると、容器またはカプセルの組成物レセプタクル300からの変位により、容器またはカプセルは、渦チャンバ500の実質的に内側に押し込まれる。
【0062】
使用中、容器またはカプセルが渦チャンバ500の実質的に内側に位置すると、ガス入口100とガス出口200との間のガスの流れが、容器またはカプセルからの組成物の分散を促進する。
【0063】
より具体的には、使用中、ガス入口100とガス出口200との間のガスの流れは、チャンバチャネル520(図7に最もよく見られるように、それら自体はチャンバポート530と連続している)を通って渦チャンバ500に入り、渦を生成し、容器またはカプセルを渦チャンバ500内で回転させる。実施形態では、チャンバチャネル520は、ガス流路が渦チャンバ500の壁に対して接線方向であるか、または実質的に連続するように、渦チャンバ500へのガス流の流入を促進する。
【0064】
使用中、渦チャンバ500内でチャンバ壁510に対してまたはそれに近接して容器またはカプセルが回転すると、図1B、3A及び3Bの実施形態においてピン620を作動させるだろうプライマ600を作用させたことによって貫通または切断されたシールまたは膜を通り容器またはカプセルから組成物が分散される。チャンバ壁の突起は、容器と高速で接触することにより容器の回転運動を乱れさせるのを助け、したがって、組成物の放出を促進するのを助けるだろう。
【0065】
デアグロメレータ700をさらに備えるデバイス10などのこの態様のデバイスの実施形態では、使用中、渦チャンバ500によって分散された組成物は、ガス入口100とガス出口200の間のガスの流れによってデアグロメレータによりさらに分散かつ/または解凝集される。
【0066】
デアグロメレータ700が、ガス乱流を促進するための複数の穴またはスロットを備える図3A及び3Bに見られるようなスクリーンまたはメッシュを備える典型的な実施形態では、スクリーンまたはメッシュを通ってのまたは通過してのガス流に混入された組成物の通過により、結果として生じるガス乱流による組成物のさらなる分散及び/または解凝集が促進される。
【0067】
デアグロメレータがガス流に応答して振動するように適合された1つまたは複数の可撓性部材を備える典型的な実施形態では、可撓性部材を通るまたは通過するガス流に混入された組成物の通過により、可撓性部材の結果として生じる振動によって、組成物のさらなる分散及び/またはデアグロメレートが促進される。
【0068】
使用中、デバイスの渦チャンバ500及び任意選択的にデアグロメレータを通るまたは通過するガス入口100とガス出口200の間のガス流によって分散された組成物は、対象の気道にガス流に混入されて送達される。
【0069】
1つの典型的なシナリオでは、使用中、対象の気道にガス流に混入された組成物を送達するための、デバイスの渦チャンバ500及び任意選択的にデアグロメレータを通るまたは通過するガス入口100とガス出口200の間のガスの流れは、ガス出口200を通る対象による吸入によるものである。
【0070】
1つの典型的なシナリオでは、使用中、対象の気道にガス流に混入された組成物を送達するための、デバイスの渦チャンバ500及び任意選択的にデアグロメレータを通るまたは通過するガス入口100とガス出口200との間のガスの流れは、デバイス10のユーザによる入口100内への呼気によるものである。
【0071】
1つの典型的なシナリオでは、使用中、対象の気道にガス流に混入された組成物を送達するための、デバイスの渦チャンバ500及び任意選択的にデアグロメレータを通るまたは通過するガス入口100とガス出口200の間のガスの流れは、ガスボンベなどの加圧ガス源からガス入口100へのガスの方向によるものである。
【0072】
図4から図8は、これらの図ではデバイス1000と称されるデバイス10の好ましい実施形態を示している。図1から図3図4から図8との間で同様の部品は同様の番号付けを有し、したがって例えば、図1から3のアクチュエータまたはピストン400は、図4から図8のアクチュエータまたはピストン1400であり、ガス入口100はガス入口1100であるなどのことが理解されるだろう。デバイス10について適合されたすべてのコメントは、必要な変更を加えて、デバイス1000に適用可能であり、デバイス1000に関してここで完全に繰り返されると考えられる。
【0073】
図4は、デバイス1000の構成要素、及びそれらが相互接続されている様を示す。ガス入口1100の内面に特にそのリップもしくはフランジに位置されているアクチュエータまたはピストン1400と、ガス入口1100と接続して気密接続を形成する本体1050と、ピン1620が組成物レセプタクル1300に向かって延在している状態で本体1050の壁内に位置されているプライマ1600と、本体1050に接続して気密接続を形成するガス出口1200と、デバイス10とは異なるが、ガス出口1200上に配置されるキャップ1800とが示されている。
【0074】
図5Aから図7は、図4の様々な構成要素の構造及び位置をより詳細に示している。キャップ1800は、その上面1820内に形成されたウェル1810を有することを把握することができる。キャップ1800の下側から、ウェル1810の領域の下に、下向きに延在する細長い部材1830がある。示される実施形態では、細長い部材1830は、プロングまたはフォークの形状を取るが、同じ結果を提供する他の多くの形状が想定され得ることが理解されるであろう。気流はウェル1810を通過することができないので、使用前にキャップ1800をデバイス1000から取り外さなければならない。
【0075】
図5Bは、キャップ1800がガス出口1200に完全に装着されているかまたは係合されているときのデバイス1000の断面図である。この位置では、キャップ1800の下面は、ガス出口1200の上面と実質的に当接している。プロング1830は、この実施形態では、デアグロメレータまたはスクリーン1700(図7に最もよく見られる)を通って延在しているように見え、したがって、デアグロメレータ1700は、プロング1830が通過できるようにその中に形成された2つの開口部を有する。開口部は、キャップ1800が取り外されプロング1830がもはや存在しないときに、それらの存在によってデアグロメレータ1700の機能が実質的に影響されないようなサイズである。プロング1830は、キャップ1800が完全に装着されているとき分散チャンバまたは渦チャンバ1500内に延在し、組成物の容器が組成物レセプタクル1300内に位置されるときに、容器を所定の位置に保持するように機能する。このことは、容器の変位または移動を防止するのに役立ち、キャップの取り外し時に容器を貫通するためピン1620に対して容器が最適な位置にあるようにする。
【0076】
キャップ1800の壁の下部は、示された実施形態ではカム(複数可)1840と称され得る面取りされたまたは傾斜した部分1840を有することを把握することができる。プライマ1600のボタンまたはカムフォロア1610は、面取りされた部分/カム1840の上部領域と接触しており、キャップ1800がその取り外し及びデバイスの使用のために変位されると、面取り部が、ボタン/カムフォロア1610に増大する量の変位を生じさせ、それによってピン1620を、組成物レセプタクル1300内にさらに延在させ、その中に配置されるだろう組成物の容器を貫通させるようにする。変位は、ボタン/カムフォロア1610を形成する弾性材料に加えられる圧力によるものであり得る。このことは、組成物を放出するのに別個のボタンまたはスイッチを操作する必要がないという点で、本発明の明確な利点である。代わりに、キャップ1800を取り外すと、自動的に容器の貫通がもたらされ、組成物が放出される。さらに、貫通は、プロング1830が同時に持ち上げられているときにのみ発生するので、ピン1620の内向き移動が発生するとき容器の最適な配置が保証される。
【0077】
キャップ1800のこの取り外しの結果は、図5Bから図6Bへの変化において見ることができ、キャップ1800は、プライマ1600の最大変位の点まで持ち上げられており、したがって、ピン1620は、組成物レセプタクル1300内に最大距離延在する。また、プロング1830が持ち上げられ、渦チャンバ1500から実質的に離れていることも把握することができる。
【0078】
図7は、キャップ1800が完全に取り外されたことを示しているので、プロング1830もなくなっており、デアグロメレータ1700の開口部1710を見ることができる。図7はまた、その中に形成されたデアグロメレータ1700の縁部に直接隣接する渦チャンバ1500の天井から延在する単一の突起1540のより良い図を提供する。好ましくは、渦チャンバ1500の天井に少なくとも2つの突起1540が存在する。互いに対して約90度に配置された2つのそのような突起1540が使用中回転している容器の運動に最適な乱れを提供し、したがって、組成物の最適な放出を提供することが分かっている。すなわち、1つの突起1540が12時の位置に配置された場合、もう一方の突起は、第1の突起に対して3時または9時の位置に配置されることが好ましい。示されている実施形態では、突起1540は、細長い突起1540である。
【0079】
図7において、キャップ1800が完全に取り外されると、プライマ1600がそれらの元の配置を取ることも可能になり、したがって、ピン1620が、組成物レセプタクル1300から退いている。重要なことに、キャップ1800が取り外され、プライマ1600がそれらの元の位置に戻ると、再び単にキャップ1800をデバイス1000と完全に係合するように戻して配置することは不可能であることが図6B及び7から理解されるであろう。これは、面取りされた部分/カム1840が、ボタン/カムフォロア1610の上面と阻止係合するためである。この時の面取りの角度は、ボタン/カムフォロア1610の変位に逆らうように作用するため、キャップ1800はこれ以上下がることはできない。このことは、効果的に使い捨てデバイスとなるという理由で、本デバイス1000の利点である。潜在的なユーザが、キャップ1800が取り外されたデバイス1000を有する場合、ユーザはデバイス1000が使用されているかまたは組成物の容器が別の方法で貫通され投与に適さないことをすぐに把握するだろう。このことは、ユーザが、携帯しているまたは有しているデバイス1000が目的に適していることを把握するための迅速かつ簡潔なビジュアルキューを提供する。多くの場合、最終的な医療用途の重要な性質を考えると、これは重要な安全機能である。
【0080】
図5から図7におけるピストン1400は移動しないままであるため、デバイス1000を通って自在に流れるガスはないことが理解されるだろう。しかしながら、図5Bは静止位置または不使用位置と考えることができ、図6Bは組成物の容器が貫通されている準備位置を示し、図7は、容器が貫通されており、キャップ1800が取り外されており、ガス入口1100から、混入された組成物を有するだろうガス出口1200を通るガス流を可能とするように、先の説明通り、ピストン1400を第1の構成から第2の構成に移動させるように印加される陽圧または陰圧に対してデバイス1000の用意ができている、すぐに使用できる位置を示す。
【0081】
図8は、ガス流路自体をよりよく示すために提供される。ピストン1400は通常、ガス入口1100内に、その入口端部1410がリップまたはフランジ上に好ましくはシーリング係合で配置され組成物の容器が上面1420上に位置する状態で配置されるだろうことを把握することができる。ピストン1400が作動され上方に移動して組成物の容器を変位させると、次いで空気はリップまたはフランジを通過して流れることができることが理解されるだろう。この時点で、ガス流は、本体1050を通過しガス入口1100の内部そしてさらに渦チャンバ1500と連続しているチャンバポート1530を通って続くことができる。チャンバポート1530は1つしかない場合があるが、少なくとも2つが最適であることが理解されるだろう。
【0082】
図8は、チャンパポート1530の上端が、侵入したガス流が実質的に円形、循環または渦の経路へと押し込まれるように、本体1050の壁に実質的に沿うチャンバチャネル1520と連続することを示す。これの効果は、ピストンまたはアクチュエータ1400の移動によって渦チャンバ1500内に移動されている組成物の容器が急速に回転させられることである。組成物は、ガス流及び乱流によりこの段階で放出されるであろうが、容器が継続的にぶつかるまたは衝突しそれによって容器からの組成物の漏れを生じさせる1つまたは複数の突起1540の存在によって、放出は大幅に向上されることが分かっている。次に、混入された組成物を伴うガス流は、デバイス10について前述した方法で、デアグロメレータ1700を通過してガス出口1200に入る。
【0083】
デバイス1000は、デバイス10について説明した方法そのままで用いられ、機器に接続され、またはその他が行われ得る。
【0084】
したがって、特定の実施形態では、対象の気道に組成物を投与するためのデバイスであって、
流体連通しているガス入口と、ガス出口と、ピストンと、ピストンの上面に実質的に隣接する組成物レセプタクルと、組成物レセプタクルに実質的に隣接して配置されかつ1つまたは複数のチャンバポートを備える分散チャンバと、
分散チャンバに実質的に隣接して配置されているデアグロメレータとを備え、
ピストンは、組成物レセプタクルが実質的に制限されておらずガス入口とガス出口との間のガス流が抑制される第1の構成と、ガス入口とガス出口との間のガス流が、(i)ガス入口を介した陽圧の印加、及び(ii)ガス出口を介した陰圧の印加の各々によって、個別に、実質的に抑制されない第2の構成との間で構成することができる、デバイスが提供される。
【0085】
デバイス10及びデバイス1000などのこの態様のデバイスは、いくつかの重要な利点を有し得ることが理解されるであろう。
【0086】
有利には、デバイス10及びデバイス1000などの実施形態は、陽圧及び陰圧の両方のガス流条件下での動作を可能にする。したがって、デバイス10及びデバイス1000は、例えばガス出口200/1200を介した吸入による対象への組成物の自己投与のための吸入器デバイスとして、かつ、例えば意識不明または不応答の患者に対するガス入口100/1100内への陽圧ガスの印加による対象への組成物の投与のための吹送器デバイスとしての両方に使用することができる。
【0087】
有利には、ガス入口100/1100及びガス出口200/1200は、使用の際の柔軟性及び多様性を可能にし、マウスピースとして直接使用するか、またはさらなる呼吸器装置の接続部または取付け部として使用する可能性がある。
【0088】
例として、デバイス10及びデバイス1000が吸入器デバイスとして使用される場合、対象は、ガス出口200/1200をマウスピースとして使用し、ガス出口200/1200から直接吸入することができる。代替として、デバイス10及びデバイス1000が吹送器デバイスとして使用される場合など、ガス出口200/1200は、口腔内マスク、口腔鼻マスクなどを含むマスクといった適切な呼吸器装置、及び気管チューブ、声門上器具、ラリンジアルマスクなどといった高機能気道機器を接続するのに使用することができる。
【0089】
さらなる例として、デバイス10またはデバイス1000は、吹送器デバイスとして使用される場合など、ガス入口100/1100を介して、人工呼吸器、圧縮ガス供給器、手動蘇生器、及び自動蘇生器、及びデマンドバルブ蘇生器などといった適切な呼吸器装置を接続するのに使用することができる。代替として、ガス入口100/1100は、使用者または介護者がデバイス10/1000内へ呼気するためのマウスピースとして直接使用することができる。
【0090】
図9から図14は、片側動作、すなわち、陰圧のみによる作動のために構成されたさらに好ましい実施形態を示している。この実施形態は、デバイス2000と称される。同様の部品には、デバイス10及びデバイス1000の部品と同様の番号が付けられている。かくして、例えば、図1のガス出口200は、図4のガス出口1200及び図9のガス出口2200と同じである。
【0091】
図9を見ると、デバイス2000は、本体2050と、ガス出口2200と、プライマ2600と、キャップ2800とを備える。デバイス10及び1000とは異なり、ガス入口及びアクチュエータが、ベース2900に置き換えられている。図10bに目を向けると、前述の構造は、組成物レセプタクル2300と、渦チャンバ2500とを備えることが明らかである。ただし、組成物レセプタクル2320は、組成物レセプタクル2300に搭載されていることが示されている。
【0092】
図9は、デバイス2000の分解図を示す。簡単にするために、デバイス10及びデバイス1000とは異なる要素のみが詳細に説明されている。デバイス10及びデバイス1000に対して行われた他のすべてのコメントは、必要に応じて変更を加えてデバイス2000に適用される。ガス入口の代わりに、デバイスは、ベース2900を備える。ベース2900は、ガス(空気)が動作中にデバイスに流入することを可能にする穴2910を含む。以下に明らかにされるように、空気は、ユーザが吸入すると、穴2910、組成物レセプタクル2300、渦チャンバ2500を通ってガス出口2200から流出する。
【0093】
ベース2900を見ると、穴2910とは別に、図10bに示されているように、組成物カプセル2320を受けるカプセルシート2920があることを把握することができる。
【0094】
キャップ2800を見ると、以下に説明するように、キャップ2800に対して移動可能なキャップトップ2825があることが分かるであろう。図10bに明確に示されるように、ウェル2810がキャップトップ2825に形成され、一対の細長い部材2830がキャップトップ2825から延在して、組成物カプセル2320を所定の位置に保持する。細長い部材2830は、示されるように、一対のプロングの形態であり得る。しかしながら、本発明は一対のプロングに限定されるものではなく、1、3、4もしくは他の数のプロング、または組成物カプセル2320をカプセルシート2920の所定の位置に保持する機能を果たすプロングの形態ではない他の何らかの構造が存在し得る。
【0095】
デバイス2000の構造ならびにデバイス10及び1000との違いは、図10から図14を参照することにより、動作を説明することによって最もよく例示することができる。図10aを見ると、「クローズド」、「送達済み」、「装填済み」、または作動前状態と称され得るデバイス2000が示されている。キャップ2800は、本体2050上に完全に降りている。一形態では、穴2910は、抑制器として機能するようにキャップ2800に接続されたプラグまたはシール(図示せず)によって閉じられ得る。キャップ2800を本体2050から持ち上げる前に、プラグを取り外さなければならない。
【0096】
図10bの断面図に見ることができるように、組成物カプセル2320は、カプセルセット2920に配置され、プライマ2600は後退し、キャップトップ2825は、細長い部材2830とともに所定の位置にあり組成物カプセル2320を所定の位置に保持する。
【0097】
使用するデバイス2000の作動は、キャップ2800を取り外すことによって行われる。これは、いくつかのステップで行われる。図11a及び図11bに示されるように、最初に、カム2840は、カムフォロア2610にぶつかり、ピン2620が組成物カプセル2320を穿刺するまで、プライマ2600を圧迫する。キャップトップ2825は、細長い部材2830が組成物カプセル2320をカプセルシート2920に対して保持している状態で所定の位置に留まっている。この配置は、デバイス2000の向きに関係なく、組成物カプセル2320が所定の位置に保持され、かくして、ピン2620による組成物カプセル2320の貫通が確実にされるという利点を有することが理解されるであろう。
【0098】
図12a及び図12bに示されるように、キャップ2800は、組成物カプセル2320が貫通された直後に、弾性変形可能プライマ2600への圧力が解放されピン2620が後退するように、本体2050から取り外され続ける。キャップトップ2825はここでキャップ2800とともに移動し、取り外され、かくして、ガス出口2200へのアクセスを可能にする。図13a及び図13bに示すように、デバイス2000を使用する準備ができているため、これは「オープン」、「準備完了」、または「作動」状態と称され得る。
【0099】
矢印2210によって示されるように、ユーザによる吸入は、穴2910を通り、組成物カプセル2320を、組成物が前述の方法で分散される渦チャンバ2500内へ持ち上げる組成物レセプタクル2300を通り、したがって、ガス出口2200を通る、ユーザに送達するために混入された組成物を伴う空気の流れを引き起こす。
【0100】
本発明のこの実施形態の特定の利点は、図14に示されるように、プライマ2600が邪魔であるため、キャップ2800を本体2050上で交換することができないことである。組成物カプセル2320の自動穿刺は、図10から図14の実施形態にのみ適用可能であるだけではないことは明らかであるはずである。図4から図9の実施形態は、同じ方法で構成することができ、その場合、ピストン1400の出口端部1420がカプセルシートになり、キャップ1800は、1つではなく2つの部分で形成される。
【0101】
上記を考慮すると、デバイス10、1000または2000などのこの態様のデバイスは、使用において有利な柔軟性及び/または多様性を提供し得ることが容易に理解されるであろう。例えば、デバイス10、1000または2000は、対象による組成物の自己投与のための吸入器デバイスとして使用することができる。デバイス10またはデバイス1000はまた、組成物が介護者からの人工呼吸と併せて投与される蘇生シナリオでも使用することができる。デバイス10またはデバイス1000はまた、呼吸マスクまたは高機能な気道構成を用いて吹送によって組成物が投与される病院シナリオで使用することもできる。
【0102】
有利には、デバイス10、1000または2000などのこの態様のデバイスの実施形態は、対象の特定の要件にしたがって投与量を変更するように調整または修正することができる。
【0103】
例えば、プライマ600/1600/2600のピン620/1620/2620及び/またはブレードのサイズ及び/または数は、組成物の送達速度を調整するために変更または修正することができる。ピンまたはブレードの数またはサイズが大きいほど、通常、分散チャンバ500/1500/2500からの組成物の放出及びその後の対象への送達の速度は速くなることが可能となることが容易に理解されよう。
【0104】
さらなる例として、渦チャンバ500/1500の壁510/1510/2510または天井上などの分散チャンバ500/1500/2500内の細長い突起、半径方向に配向した凹凸または隆起などの突起540/1540/2540の数、位置、及び/または高さは、組成物の送達の速度を調整するために変更または修正することができる。少なくとも突起の配置が分散チャンバ500/1500/2500内での容器またはカプセルの回転を実質的に阻害または抑制しない場合、突起の数及び/または高さを増大させると、通常、分散チャンバ500/1500/2500からの組成物の放出、そしてその後の対象への送達が増大することが容易に理解されるであろう。
【0105】
同様に、デアグロメレータ700/1700を備えるデバイスの実施形態では、デアグロメレータの特性(例えば、可撓性部材またはスクリーン性質に関して)を、組成物送達の速度を調整するために変更または調整することができる。
【0106】
有利には、デバイス10またはデバイス1000などの実施形態は、通常、容器またはカプセルからの送達に関して使用において信頼することができる。
【0107】
例えば、第1の構成と第2の構成との間のアクチュエータ400/1400の構成が(a)容器またはカプセルを組成物レセプタクル300/1300から分散チャンバ500/1500に移動させ、及び(b)ガス入口100/1100とガス出口200/1200との間のガス流によって促進かつ保持される構成は両方とも、容器またはカプセルの望ましくない変位または変位の不足、例えば「詰まり」を防止または少なくとも回避するのに効果的であり得る。
【0108】
加えて、組成物レセプタクル300/1300/2300が容器またはカプセルを嵌合して受けるように形成されたデバイス10、1000または2000などの実施形態は特に、通常、任意の方向に配置されたとき、性能の変化は限定的または全く変化させずに、プライミングし使用することができる。
【0109】
有利には、本明細書中で先に説明したように、デバイス10、1000、2000などの実施形態は、通常、入口100/1100/2910から出口200/1200/2200までの本体50/1050/2050を通る実質的に密封されたまたは気密のガス流路を特徴とする。そのような密封された流路は、組成物の望ましくない逃げまたは漏れを実質的に防止するか、または少なくとも抑制することが理解されるであろう。
【0110】
有利には、デバイス10、1000または2000などの実施形態、特に投与量トラッカを備える実施形態は、対象に送達される組成物の投与量の推定を可能にする。これは、投与量の信頼性に役立ち得、投与の不足または過剰の可能性を減らし、かつ/または、投与の不足または過剰が発生した場合にユーザに警告することができることが理解されるであろう。
【0111】
さらに、デバイス1000/2000は、キャップ1800/2800を単に取り外すことによってデバイス1000/2000を使用のために容易にプライミングするという点で、明確な利点を提供する。
【0112】
上記は、例示的な実施形態のいくつかの典型的な利点の非限定的なリストである。
【0113】
本発明のさらなる態様は、デバイス10/1000/2000などの先の態様のデバイスを使用して、対象の気道に組成物を投与する方法を提供する。
【0114】
関連する態様は、デバイス10/1000/2000などの先の態様のデバイスを使用して、有効量の組成物を対象の気道に投与することによって、対象の状態を治療または予防する方法を提供する。通常、これらの態様による対象とは、人間という対象である。
【0115】
当業者によって容易に理解されるように、これらの態様によれば、特定の状態に関連する特定の治療目的を含む、特定の対象への投与のために適切な組成物を選択することができる。
【0116】
一般に、本明細書中に記載されるように投与される組成物は、対象の状態及び医学的要件にしたがって対象の気道に投与するための任意の適切な薬剤を含み得る。本明細書中で先に記載したように、通常、組成物は乾燥粉末となり、1つ以上の純粋なまたは実質的に純粋な活性成分の形状であり得る。代替として、組成物は、1つまたは複数の活性成分に加えて、当技術分野でよく知られているような例えば、充填剤、賦形剤、または希釈剤といった1つまたは複数の薬学的に許容される成分を含み得る。
【0117】
当業者によって理解されるように、対象の気道に投与される乾燥粉末組成物の粒子のサイズは、乾燥粉末の治療効果に影響を及ぼし得る。通常、投与される微粒子のd50または平均質量空気力学的直径(MMAD)は、6μm未満となろう。当業者によって理解されるように、「d50」または「D50」は、粒子状サンプルの50質量%の粒子径がそれより小さい値を指す。d50粒子MMADは、好ましくは、約0.5から約20μmの間にあり、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、及び19μmが含まれ、より好ましくは約0.5から10μm、さらにより好ましくは1から6μmの間にあり、約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5及び5.5μmが含まれる。デバイス10がデアグロメレータ700を備える実施形態では、前述の値は、ガスの流れへの分散後かつ/またはデアグロメレータ700を通過後の粒子サイズを指すことが理解されるであろう。
【0118】
本発明によって送達され得る活性剤の例には、ベータ-2作動薬、グルココルチコステロイド(好ましくは抗炎症薬)などのステロイド、抗コリン作動薬、ロイコトリエン拮抗薬、ロイコトリエン合成阻害剤、鎮痛薬及び抗炎症薬(ステロイド性及び非ステロイド性抗炎症薬の両方を含む)などの一般的な鎮痛薬、心臓グリコシドなどの心血管薬、呼吸器薬、抗喘息薬、気管支拡張薬、抗癌剤、片頭痛の治療に使用することができるようなアルカロイド(例えばエルゴットアルカロイド)またはトリプタン、I型及びII型糖尿病及び関連障害の治療に有用な薬剤(例えばスルホニル尿素)、鎮静剤及び催眠剤を含む睡眠誘発薬、精神的活性剤、食欲抑制剤、抗関節炎薬、抗マラリア薬、抗てんかん薬、抗血栓薬、抗高血圧薬、抗不整脈薬、抗酸化薬、抗うつ薬、抗精神病薬、補助薬、抗痙攣薬、抗催吐薬、抗感染薬、抗ヒスタミン薬、抗真菌薬及び抗ウイルス薬、パーキンソン病などの神経障害の治療薬(ドーパミン拮抗薬)、アルコール依存症及び他の形態の中毒の治療薬、勃起不全の治療に使用する血管拡張薬などの薬剤、筋弛緩薬、筋収縮薬、オピオイド、刺激薬、鎮静剤、マクロライド、アミノグリコシド、フルオロキノロン及びベータラクタムなどの抗生物質、ワクチン、サイトカイン、成長因子、避妊薬を含むホルモン剤、交感神経刺激薬、利尿薬、脂質調節薬、抗アンドロゲン薬、抗寄生虫薬、抗凝固薬、腫瘍薬、抗腫瘍薬、血糖降下薬、栄養薬及びサプリメント、成長サプリメント、抗腸炎薬、ワクチン、抗体、診断薬、及び造影剤ならびに上記の混合物(例えば、ステロイドとベータアゴニストの両方を含む喘息の併用治療)が含まれる。
【0119】
活性剤は、以下に限定されるものではないが、小分子(不溶性小分子を含む)、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、多糖類、ステロイド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解質などを含むいくつかの構造クラスのうちの1つに分類され得る。具体的な例としては、ベータ2作動薬であるサルブタモール(例えばサルブタモール硫酸塩)及びサルメテロール(例えばサルメテロールキシナホエート)、ステロイド系ブデソニド及びフルチカゾン(例えばプロピオン酸フルチカゾン)、心臓グリコシドジゴキシン、アルカロイド系抗片頭痛薬ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩及び他のアルカロイド系エルゴタミン、パーキンソン病の治療に使用されるアルカロイド系ブロモクリプチン、スマトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン、ゾルマトリプタン、モルフィン及びモルフィン類似体フェンタニル(例えば、クエン酸フェンタニル)、グリベンクラミド(スルホニル尿素)、バリウム、トリアゾラム、アルプラゾラム、ミダゾラム及びクロナゼパム(通常、催眠薬として、例えば不眠症またはパニック発作を治療するために使用される)などのベンゾジアゼピン、抗精神病薬リスペリドン、勃起不全の治療に使用するためのアポモルフィン、抗感染性アンホテリシンB、抗生物質トブラマイシン、シプロフロキサシン及びモキシフロキサシン、ニコチン、テストステロン、抗コリン作用性気管支拡張薬臭化イプラトロピウム、気管支拡張薬ホルモテロール、モノクローナル抗体及びタンパク質LHRH、インスリン、ヒト成長ホルモン、カルシトニン、インターフェロン(例えば、ベータまたはガンマインターフェロン)、EPO及び第VIII因子、ならびに各ケースにおいて薬学的に許容される塩、エステル、類似体及びその誘導体(例えば、プロドラッグ形態)が挙げられる。
【0120】
潜在的に適切な活性剤の追加の例には、以下に限定されるものではないが、アスパリギナーゼ、アムドキソビル(DAPD)、アンチド、ベカプレミン、カルシトニン、シアノビリン、デニレウキンジフチトックス、エリスロポエチン(EPO)、EPOアゴニスト、ドマーゼアルファ、赤血球生成促進タンパク質(NESP)、第VIIa因子、第VIII因子、第IX因子、フォンウィルブランド因子などの凝固因子、セレダーゼ、セレザイム、アルファ-グルコシダーゼ、コラーゲン、シクロスポリン、アルファデフェンシン、ベータデフェンシン、エキセジン-4、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボポイエチン(TPO)、アルファ-1プロテイナーゼ阻害剤、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、フィブリノーゲン、フィルグラスチム、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、GRO-ベータ、GRO-ベータ抗体、骨形態形成タンパク質-2、骨形態形成タンパク質-6、OP-1などの骨形態形成タンパク質、酸性線維芽細胞増殖因子、塩基性線維芽細胞増殖因子、CD-40リガンド、ヘパリン、ヒト血清アルブミン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターフェロンオメガ、インターフェロンタウなどのインターフェロン、インターロイキン-1受容体、インターロイキン-2、インターロイキン-2融合タンパク質、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト、インターロイキン-3、インターロイキン-4、インターロイキン-4受容体、インターロイキン-6、インターロイキン-8、インターロイキン-12、インターロイキン-13受容体、インターロイキン-17受容体などのインターロイキン及びインターロイキン受容体、ラクトフェリン及びラクトフェリンフラグメント、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、インスリン、プロインスリン、インスリン類似体、アミリン、C-ペプチド、ソマトスタチン、オクトレオチドを含むソマトスタチン類似体、バソプレシン、濾胞刺激ホルモン(FSH)、インフルエンザワクチン、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、アルテプラーゼ、ウロキナーゼ、レテプラーゼ、ストレプトキナーゼ、パミテプラーゼ、ラノテプラーゼ及びテネテプラーゼなどのプラスミノーゲン活性化因子、神経成長因子(NGF)、オステオプロテゲリン、血小板由来成長因子、組織成長因子、形質転換成長因子-1、血管内皮成長因子、白血病抑制因子、ケラチノサイト成長因子(KGF)、グリア成長因子(GGF)、T細胞受容体、CD分子/抗原、腫瘍壊死因子(TNF)、単球化学誘引物質タンパク質-1内皮成長因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチド、ソマトトロピン、サイモシンアルファ1、サイモシンアルファ1 IIb/IIIa阻害剤、サイモシンベータ10、サイモシンベータ9、サイモシンベータ4、アルファ-1アンチトリプシン、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA-4(最晩期抗原-4)、VLA-4阻害剤、ビスホスホネート、呼吸性シンシチウムウイルス抗体、嚢胞性線維症膜貫通調節因子(CFTR)遺伝子、デオキシレイボヌクレアーゼ(Dnase)、殺菌性/透過性増加タンパク質(BPI)、及び抗CMV抗体が挙げられる。例示的なモノクローナル抗体には、エタネルセプト(IgG1のFc部分に結合したヒト75kD TNF受容体の細胞外リガンド結合部分からなる二量体融合タンパク質)、アブシキシマブ、アフェリオモマブ、バシリキシマブ、ダクリズマブ、インフリキシマブ、イブリツモマブチエキセタン、ミツモマブ、ムロモナブ-CD3、ヨウ素131トシツモマブ抱合体、オリズマブ、リツキシマブ、及びトラスツズマブ(ハーセプチン)、アミフォスチン、アミオダロン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、アントラシクリン、ベキサロテン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カベルゴリン、カペシタビン、カルボプラチン、カルマスティン、クロランブシン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、カンプトテシン、13-シスレチノイン酸、all-transレチノイン酸、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デキサメタゾン、ジクロフェナク、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタン、フェキソフェナジン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、エピネフリン、L-ドパ、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イリノテカン、イトラコナゾール、ゴセレリン、レトロゾール、ロイコボリン、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトクロプラミド、ミトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ナロキソン、ニコチン、ニルタミド、オクトレオチド、オキサリプラチン、パミドロネート、ペントスタチン、ピルカマイシン、ポルフィマー、プレドニゾン、プロカルバジン、プロクロルペラジン、オンダンセトロン、ラルチトレキサート、シロリムス、ストレプトゾシン、タクロリムス、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストステロン、テトラヒドロカンナビノール、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレチノイン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ドラセトロン、グラニセトロン、ホルモテロール、フルチカゾン、リュープロリド、ミダゾラム、アルプラゾラム、アムホテリシンB、ポドフィロトキシン、ヌクレオシド抗ウイルス薬、アロイルヒドラゾン、スマトリプタン、エリスロマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダベルシン、アジスロマイシン、フルリスロマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジスロマイシン、及びスウィノライドAなどのマクロライド、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イルロキサシン、パズフロキサシン、クリナフロキサシン、及びシタフロキサシンなどのフルオロキノロン類、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、パラメシン、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、及びストレプトマイシン、バンコマイシン、テイコプラニン、ランポラニン、ミデプラニン、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、コリスチン酸塩などのアミノグリコシド、ポリミキシンB、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネムなどのポリミキシン、ペニシリンG、ペニシリンVのようなペニシリナーゼ感受性剤を含むペニシリン、メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、ナフシリンのようなペニクリナーゼ耐性剤、アンピシリン、アモキシシリン、及びヘタシリン、シリン、及びガランピシリンなどのグラム陰性微生物活性剤、カルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メズロシリン、及びピペラシリンのような緑膿菌ペニシリン、セフポドキシム、セフプロジル、セフブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セフラドリン、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラニド、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル、セフェピム、セフィキシム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフメタゾール、セフタジジム、ロラカルベフ、及びモキサラクタム、アズトレオナムのようなモノバクタム、及びイミペネム、メロペネム、ペンタミジンイセチオウエート、アルブテロールサルフェートなどのカルバペネム、リドカイン、メタプロテレノルサルフェート、ベクロメタゾンジプレピオネート、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、臭化イプラトロピウム、フルニソリド、クロモリンナトリウム、及び酒石酸エルゴタミン、パクリタキセルなどのタキサン、SN-38、チルホスチンが挙げられる。
【0121】
使用され得る他の剤には、リネゾリド、任意選択的にPDE5阻害剤と組み合わされたトレプロスチノール、オキシントモジュリン、及び任意選択的に好ましくは高力価のNK1アンタゴニストと組み合わされたパロノセトロンが含まれる。
【0122】
上記の例示的な活性剤は、適用可能な場合、類似体、アゴニスト、アンタゴニスト、阻害剤、異性体、及びそれらの薬学的に許容される塩形態を包含することが理解されるであろう。ペプチド及びタンパク質に関して、本発明は、合成、組換え、天然、グリコシル化、非グリコシル化、かつ生物学的に活性なフラグメント及びそれらの類似体を包含することを意図している。
【0123】
いくつかの典型的な実施形態では、組成物は、アドレナリン、グルコース、グルカゴン、ナロキソン、インスリンなどから選択される1つまたは複数の活性剤を含む。
【0124】
いくつかの典型的な実施形態では、組成物は、心不全、心機能障害、心停止、アナフィラキシー、薬剤過剰摂取などの治療のためのアドレナリン及び/またはアトロピンのマイクロ粒子、ナノ粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ミクロスフェア、及び/またはナノスフェアを含む。
【0125】
いくつかの典型的な実施形態では、組成物は、低血糖症、糖尿病誘発性昏睡などの治療のための粒子状グルコース及び/またはグルカゴンを含む。実施形態では、乾燥粉末は、発作の治療のための粒子状ベンゾジアゼピン、フェニトイン、または抗てんかん薬を含む。
【0126】
いくつかの典型的な実施形態では、組成物は、1つ以上のワクチンなどの、免疫応答を誘導するための1つ以上の剤を含む。実施形態では、乾燥粉末は、はしかに対する免疫応答を誘導するためまたははしかに対する免疫を与えるためのはしかワクチンを含む。実施形態では、乾燥粉末は、B型肝炎に対する免疫応答を誘導するためまたはB型肝炎に対する免疫を与えるためのB型肝炎ワクチンを含む。実施形態では、乾燥粉末は、インフルエンザに対する免疫応答を誘導するためまたはインフルエンザに対する免疫を与えるためのインフルエンザワクチンを含む。
【0127】
本発明の様々な実施形態の上記の説明は、関連技術の通常の技術の1つに対する説明の目的で提供される。網羅的であることまたは本発明を単一の開示された実施形態に限定することを意図するものではない。上述のように、本発明に対する多数の代替物及び変形物は、上記の教示の当業者には明らかであろう。したがって、いくつかの代替の実施形態が具体的に説明されてきたが、他の実施形態は、当業者によって明らかであるか、または比較的容易に開発されるであろう。本発明は、本明細書中で論じられた本発明のすべての代替物、変更物、及び変形物、ならびに上記の発明の精神及び範囲内にある他の実施形態を包含することを意図している。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14