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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】ロック装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/50 20170101AFI20240418BHJP
【FI】
A47B88/50
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022116099
(22)【出願日】2022-07-21
(65)【公開番号】P2023138233
(43)【公開日】2023-10-02
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】111110472
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】劉 駿達
(72)【発明者】
【氏名】蘇 信誠
(72)【発明者】
【氏名】林 淑珍
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110720768(CN,A)
【文献】特開2005-056349(JP,A)
【文献】特開2022-039726(JP,A)
【文献】国際公開第2021/180516(WO,A1)
【文献】特表2015-525621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/04、88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物品と第2物品とに適合しているロック装置であり、前記第1物品と前記第2物品とは相互に対して移動可能である、ロック装置であって、
第1軸の周りに旋回可能に配置され、ロック状態とロック解除状態との間で移動可能である第1要素と、
第2軸の周りに旋回可能に配置されている第2要素であり、前記第1要素を駆動する第2要素と、
前記第2要素を駆動するロック部材であり、これにより、前記第1物品に対して後退位置から開放方向に所定位置へ前記第2物品が変位されることに応答して、前記第1要素を前記ロック状態から前記ロック解除状態へ移動させるロック部材と
前記ロック状態と前記ロック解除状態とのいずれか1つになるように前記第1要素を駆動する制御モジュールと、
前記制御モジュールに電気エネルギーを供給する電力モジュールとを備え、
前記第1要素が前記ロック状態にあるが、電気エネルギーがもはや供給されない場合に、前記第2要素は前記第1要素を駆動し、
さらに、ベースを備え、前記制御モジュールは、前記ベースに設けられ、前記第1要素は前記第1軸で前記ベースに支持され、前記第2要素は前記第2軸で前記ベースに支持され、
さらに、ロックフックを備え、前記ロックフックは、前記ロック部材の経路と協働するように構成された第2部分を有し、
前記ロック状態は、前記ロックフックの前記第2部分が前記第1要素の第2区間によって前記経路の中で妨害されるように、前記ロック部材の前記経路が、前記第1要素の前記第2区間によってブロックされる状態であり、
前記ロック解除状態は、前記ロックフックの前記第2部分が前記経路の中で妨害されないように、前記ロック部材の前記経路が、前記第1要素の前記第2区間によってブロックされない状態であり、
従って、前記第2物品は、前記第1物品に対して前記開放方向に伸長位置へ変位することが可能にされ、それにより、前記ロックフックの前記第2部分を前記経路から出す、ロック装置。
【請求項2】
さらに、前記ロック部材に弾性力を加える弾性部材を備えている、請求項記載のロック装置。
【請求項3】
さらに、中間部材とスライドブロックとを備え、前記中間部材は、前記ベースと前記スライドブロックとの間に挟まれ、前記ロックフックは、前記スライドブロックに移動可能に取り付けられ、前記スライドブロックは、前記中間部材の軌道に沿って移動可能であり、
前記第2物品が前記第1物品に対して前記伸長位置にある場合に、前記スライドブロックは前記中間部材に対して旋回位置にあり、
前記第2物品が前記第1物品に対して前記伸長位置から後退方向に前記後退位置へ逆に変位された場合に、前記ロックフックの前記第2部分は、前記ロック部材の前記経路にはいり、前記スライドブロックを前記旋回位置から初期所定位置へ逆に移動させる、請求項記載のロック装置。
【請求項4】
さらに、第1センサと第2センサとを備え、前記第1センサは、前記第2物品が前記後退位置にあるか否かを感知するように構成され、前記第2センサは、前記第2物品が前記所定位置にあるか否かを感知するように構成されている、請求項1記載のロック装置。
【請求項5】
前記制御モジュールは、第1電磁石を含み、前記制御モジュールは、ロック解除信号を通信装置から受けると、前記第1電磁石を介して前記第1要素を前記ロック解除状態へ移動させ、
前記制御モジュールは、第2電磁石を含み、前記制御モジュールは、ロック信号を前記通信装置から受けると、前記第2電磁石を介して前記第1要素を前記ロック状態へ移動させる、請求項記載のロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロックに関し、より詳細には、相互に対して移動可能である2つの物品に適合したロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スライドレール組立体は、家庭、オフィスで使用される、又は電子機器により使用されるラックシステムに適用できる。スライドレール組立体は、典型的には、第1レールと第2レールとを含み、これらはそれぞれ、第1物品と第2物品と、例えば、キャビネット本体と引き出しとに取り付けられている。その結果、引き出しは、第1レール及び/又はキャビネット本体に対して、第2レールを介して引いて開ける、又は後退させることができる。しかしながら、第2レール(第2物品)が、例えば、第1レール(第1物品)に対して所定位置から移動されることなど、任意に操作されることを許容することは、ユーザのニーズが変化するにつれて、時として望ましくない。
【0003】
例えば、下記の特許文献1は、引き出しスライドとロック機構とを開示し、このロック機構は電子ロックである。特許文献1の図1に見られるように、引き出しスライドは、外側レールと内側レールとを含む。内側レールは、外側レールに対して後退位置にすることができ、内側レールの後端にはピンが設けられている。ロック機構は、ラッチレシーバと、レバーアームと、モータとを含む。特許文献1の図1及び図2に示すように、ラッチレシーバは、ラッチレシーバが内側レールのピンを捕捉することができる状態にある第1位置にあることができる。また、特許文献1の図3に示すように、モータは、電子制御信号を受領したときにレバーアームを回転させて、レバーアームの上部が押すように駆動され、それによってラッチレシーバを第1位置から第2位置へ回転させて、ラッチレシーバが内側レールのピンをロックする。前述の構成は、内側レールが、外側レールに対して後退位置にロックされることができる。即ち、外側レールに対して後退位置から離れなくされることができる。
【0004】
また、ロック機構のハウジングから延びるか又は露出する、手動解除部材を、特許文献1が開示することは、指摘する価値がある。モータに電気エネルギーが供給されない場合に、又は関連する電子コンポーネントが損傷された場合に、手動解除部材は、レバーアームをロック解除位置に駆動するようにユーザによって引っ張られ、それによって、ラッチレシーバを第1位置にもどして、内側レールのピンをロック解除し、従って、内側レールを後退位置から離すことを可能にする。
【0005】
別の例として、下記の特許文献2は、ロック又はロック解除するために、ラッチがモータによって制御される電子ロックを開示している。また、特許文献2は、ロック機構のコンポーネントを手動でロック解除するためのストラップ材(lanyard)を提供する。ストラップ材を引くことによって、ユーザは、ロックされた位置からロックされていない位置へラッチを駆動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第8328299号明細書
【文献】米国公開特許出願第2019/0063113号明細書
【発明の概要】
【0007】
しかしながら、使用中の異なるユーザニーズ又は異なる構造作動方法を考慮すると、前述の特許及び特許出願に開示されているロック機能は、必ずしも望まれるものではない。さらに、手動ロック解除機能を実行するために、又は、特に、停電が発生した場合又は関連する電子コンポーネントが損傷した場合に、外部から加えられた力でロック解除機構を作動させるために、以上引用したような電子ロックは、機械的構造(例えば、前述の手動解除部材)を必要とする。従って、上記とは異なる製品の開発は、見逃せない問題である。
【0008】
本発明は、相互に対して移動可能な第1物品と第2物品とに適用可能である、ロック装置に関する。
【0009】
本発明の1つの態様によれば、第1物品と第2物品とに適合しているロック装置であり、第1物品と第2物品とは相互に対して移動可能である、ロック装置は、ロック状態とロック解除状態との間で移動可能である第1要素と;第2要素とを備え;第2要素は第1要素を駆動し、これにより、第1物品に対して後退位置から開放方向に所定位置へ第2物品が変位されることに応答して、第1要素をロック状態からロック解除状態へ移動させる。
【0010】
本発明の別の態様によれば、ロック装置は、第1物品と、第2物品と、駆動装置とを含む1つの家具に適合される。第1物品と第2物品とは相互に対して移動可能であり、駆動装置は、第1物品に対して後退位置から後退方向に押されることで第2物品を開放することを可能にするように構成されている。ロック装置は、第1要素と制御モジュールとを備えている。制御モジュールは、ロック状態とロック解除状態とのいずれか1つになるように第1要素を駆動するように構成されている。第1要素がロック状態にある場合に、第2物品は、後退位置から後退方向に第1物品に対して押されることでは開放できない。第1要素がロック解除状態にある場合に、第2物品は、後退位置から後退方向に第1物品に対して押されることで開放できる。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、ロック装置は、通信装置とともに使用するように構成されている。ロック装置は、ベースと、第1要素と、制御モジュールとを備えている。第1要素はベースに移動可能に取り付けられている。制御モジュールは、第1電磁石を含み、制御モジュールは、ロック解除信号を通信装置から受けると、第1電磁石を介して第1要素をロック解除状態へ移動させる。制御モジュールは、第2電磁石を含み、制御モジュールは、ロック信号を通信装置から受けると、第2電磁石を介して第1要素をロック状態へ移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】1つの家具に適用される本発明の実施形態によるロック装置を示す斜視図である。
図2】家具に適用される本発明の実施形態によるロック装置を示す別の斜視図である。
図3】家具の第1物品と第2物品とに適用される本発明の実施形態によるロック装置を示す組み立て斜視図であり、第1物品と第2物品とは相互に対して移動可能である。
図4】家具の第1物品と第2物品とに適用される本発明の実施形態によるロック装置を示す分解斜視図であり、第1物品と第2物品とは相互に対して移動可能である。
図5】本発明の実施形態による家具の引き出しが、キャビネット本体の第1物品上に第2物品を介して提供され、後退位置にあることを示す。
図6】本発明の実施形態による家具の引き出しが、キャビネット本体に対して後退位置から後退方向に押されることを示す。
図7】本発明の実施形態による家具の引き出しが、キャビネット本体に対して押された後、開放方向に変位していることを示す。
図8】本発明の実施形態によるロック装置の分解斜視図である。
図9】本発明の実施形態によるロック装置の組み立て斜視図である。
図10】本発明の実施形態によるロック装置がどのようにフィッティングと作用するかを示す斜視図である。
図11】本発明の実施形態によるロック装置がどのようにフィッティングと作用するかを示す別の斜視図である。
図12】本発明の実施形態によるロック装置と通信装置とがどのように通信接続を構成するかを示すブロック図である。
図13】本発明の実施形態によるロック装置の第1動作を示す。
図14】本発明の実施形態によるロック装置の第2動作を示す。
図15】本発明の実施形態によるロック装置の第3動作を示す。
図16】本発明の実施形態によるロック装置がどのようにフィッティングと作用するかを示すさらに別の斜視図である。
図17】ロック装置を家具に適用した場合の、本発明の実施形態によるロック装置の第1動作プロセスを示す図である。
図18】ロック装置を家具に適用した場合の、本発明の実施形態によるロック装置の第2動作プロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態によるロック装置20は、例えば、1つの家具22に適合したスマートロック装置又は電子ロックである。家具22は、相互に対して移動可能である第1物品24と第2物品26とを含む。
【0014】
好ましくは、家具22はさらに第3物品28を含み、第3物品28は、第1物品24と第2物品26との間に移動可能に取り付けられている。ここで、例として、第1物品24は第1レール(例えば、固定レール)であり、第2物品26は第2レール(例えば、可動レール)であり、第3物品28は第3レール(例えば、中間レール)である。しかしながら、本発明は、第1物品24、第2物品26、又は第3物品28の構成に制限がない。第1物品24と、第2物品26と、第3物品28とは、相互に対して長手方向に移動でき、合わせてスライドレール組立体23を構成することができる。
【0015】
好ましくは、第1物品24がキャビネット本体30上に設けられ(例えば固定され)ている。第2物品26によって、第1物品24(又はキャビネット本体30)に対して引き出し32が伸長位置Eになり得るように、第2物品26は引き出し32を支持するように構成されている。
【0016】
好ましくは、第1物品24は延長部分34を含み、第2物品26は支持部分36を含む。
【0017】
図3及び図4を参照すると、第2物品26は、第1物品24に対して後退位置Rにあってよい。後退位置Rでは、第2物品26の支持部分36は、実質的に第1物品24の延長部分34に位置的に対応する(図3参照)。
【0018】
好ましくは、ロック装置20は、第1物品24に着脱可能に取り付けられている。例えば、ロック装置20は取り付け特徴部40を有し、第1物品24の延長部分34の側壁35は取り付け構造42を有し、取り付け特徴部40と取り付け構造42とは互いに取り付けられるように構成されている。ここで、例として、取り付け特徴部40と取り付け構造42との一方は突起部であり、取り付け特徴部40と取り付け構造42との他方は挿入溝である。しかし、本発明では、取り付け特徴部40又は取り付け構造42の構成に制限はない。
【0019】
好ましくは、ロック装置20のコンポーネントの大部分を覆い、これにより保護するためのハウジング44を、ロック装置20は有する。
【0020】
好ましくは、家具22は、さらに、第2物品26の支持部分36上に着脱可能に取り付けられたフィッティング(取り付け具)46を含む。例えば、フィッティング46は接続特徴部48を有し、第2物品26の支持部分36は接続構造50を有し、接続特徴部48と接続構造50とは互いに接続されるように構成されている。ここで例として、接続特徴部48と接続構造50との一方は係合溝であり、接続特徴部48と接続構造50との他方は突起である。しかし、本発明は、接続特徴部48又は接続構造50の構成に制限はない。
【0021】
好ましくは、フィッティング46は補助部52(図4参照)を含み、補助部52は、ロック装置20と協働するように構成されている。例えば、補助部52は突起であるが、これに限定されない。
【0022】
図5を参照すると、第2物品26が、第1物品24に関してプッシュオープン構成を有し、第1物品24に関して後退位置Rにある場合に、引き出し32とキャビネット本体30との間にギャップGが存在する。ギャップGは、引き出し32をユーザが押すことを可能にし、それによって引き出し32をキャビネット本体30に対して変位させる。これにより、引き出し32をキャビネット本体30に対して開放することができる。
【0023】
一層具体的には、家具22は、さらに駆動装置54を含み、駆動装置54により第2物品26は、第1物品24に対して後退位置Rにあるときに、後退方向D1に押されることで開放されることができる。駆動装置54は、第2物品26上に設けられ、駆動装置54は、弾性要素56とロック機構58とを備えている。弾性要素56は、弾性力Fを与え、ロック機構58は、係合状態(図5参照)と係合解除状態(図6参照)とのいずれかになるように、動作されることができる。ロック機構58が係合状態にある場合に、弾性要素56は弾性力Fを蓄積する。ロック機構58が係合解除状態にある場合に、弾性要素56は、蓄積された弾性力Fを解放する。さらに具体的には、引き出し32がキャビネット本体30に対して後退位置Rにあり、ギャップGによってキャビネット本体30から離れているときに、ロック機構58は係合状態にある。
【0024】
図6及び図7を参照すると、引き出し32(又は第2物品26)がオーバープッシュ位置(押し込み位置)Xに到達するように、ユーザが後退方向D1に引き出し32(又は第2物品26)に押圧力Kを加えると、駆動装置54のロック機構58は、係合状態から係合解除状態に導かれるように作動される。押圧力Kを加えることが停止されると、駆動装置54の弾性要素56は、弾性力Fを解放し、引き出し32は、弾性力Fによってキャビネット本体30に対して開放される。従って、引き出し32からキャビネット本体30への伸長距離Lが形成されるまで(例えば、引き出し32がキャビネット本体30に対して伸長位置Eになるまで)、オーバープッシュ位置Xから開放方向D2に変位される。これは、いわゆるプッシュツーオープン機能である。駆動装置54の弾性力Fの方向は、後退方向D1の反対方向である。
【0025】
図8及び図9を参照すると、ロック装置20は、第1要素60と制御モジュール62とを含む。ここで、さらにロック装置20は、一例として、第2要素64を含む。
【0026】
好ましくは、ロック装置20はさらに、ベース66を含み、制御モジュール62と、第1要素60と、第2要素64とは、全てベース66上に設けられている。ベース66は、前述の取り付け特徴部40を有する。制御モジュール62は、少なくとも1つの電磁石を含む。ここで、制御モジュール62は、一例として、第1電磁石A及び第2電磁石Bを含む。しかしながら、本発明は、その電磁石の数に制限はない。第1要素60と第2要素64とは、例としてスイングアームであり、第1要素60と第2要素64とは、ともに、ベース66上に移動可能に取り付けられている。例えば、第1要素60と第2要素64とは、それぞれ第1軸M1と第2軸M2とによってベース66に枢軸的に接続されている。第1要素60は、第1区間60aと第2区間60bとを有する。第1軸M1は、第1要素60の第1区間60aと第2区間60bとの間に配置されている。第1区間60aは、金属部材67(図9参照)を備え、金属部材67は、第1電磁石Aと第2電磁石Bとの間の空間Sにある。第2要素64は、第1区間64aと第2区間64bとを有する。第2軸M2は、第2要素64の第1区間64aと第2区間64bとの間に配置されている。
【0027】
好ましくは、ロック装置20は、ロック部材68と、弾性部材70と、第1センサ72と、第2センサ74とをさらに含み、これらは全てベース66に設けられている。ロック部材68は、ベース66に対して長手方向に移動できる。ロック部材68は、第1延長壁76a及び第2延長壁76bなどの、少なくとも1つの壁を含む。好ましくは、ロック部材68は、第1延長壁76aと第2延長壁76bとの間に配置された中央部78をさらに含む。第1延長壁76aと、第2延長壁76bと、中央部78とは、合わさって経路Tを形成する。経路Tは、入口80と出口82とを有する(図8参照)。好ましくは、中央部78は、概略的にハート形の輪郭を有する突起である。しかし本発明は、中央部78の構成に制限はない。弾性部材70は、ロック部材68に弾性力を加える。第1センサ72と第2センサ74とは、近接スイッチ又はマイクロスイッチなどの電子スイッチであってよいが、これらに限定されない。さらに具体的には、第1センサ72は第1弾性感知部72aを有し、第2センサ74は第2弾性感知部74aを有する。
【0028】
好ましくは、ロック装置20はさらに、中間部材84とスライドブロック86とを含む。中間部材84は、ベース66上に設けられている。例えば、中間部材84は、少なくとも1つの固定部材87によってベース66に固定的に接続されている。中間部材84は、ベース66とスライドブロック86との間に挟まれている。中間部材84は、底部と、上部と、底部及び上部を互いに連通させる所定空間88とを有する。所定空間88は、例えば開口であるが、実際には必ずしも開口ではない。中間部材84の底部は、ロック部材68に面している。中間部材84の所定空間88は、ロック部材68の経路Tに対応する。中間部材84の上部は、スライドブロック86を支持するように構成されている。好ましくは、中間部材84の上部は軌道(track)90を有し、スライドブロック86は中間部材84の軌道90に沿って移動させることができる。好ましくは、軌道90は、長手方向通路90aと、長手方向通路90aに連通する曲がった通路90bとを含む(図8参照)。好ましくは、スライドブロック86は、保持部92と、第1脚部93と、第2脚部94とを含む。保持部92は、前述のフィッティング46の補助部52と協働するように構成されている。第1脚部93と第2脚部94とは、中間部材84の軌道90と協働するように構成されている。好ましくは、ロックフック96は、スライドブロック86上に移動可能に取り付けられ、ロックフック96は、第1部分96aと第2部分96bとを含む。第1部分96aは、スライドブロック86の取り付け空間95の一部内に延び(図9参照)、第2部分96bは、ロック部材68の経路Tと協働するように、中間部材84の所定空間88を通って延びる(図8参照)。
【0029】
図10及び図11を参照すると、ロック装置20が、取り付け特徴部40を介して第1物品24に取り付けられ、フィッティング46が第2物品26に取り付けられているので、第2物品26(引き出し32)が第1物品24(キャビネット本体30)に対して後退位置Rにある場合に、フィッティング46は、ロック装置20に対して後退位置Rに位置するとみなせる。ロック装置20に対してフィッティング46が後退位置Rにあるとき、フィッティング46の補助部52はスライドブロック86の保持部92に捕捉される。
【0030】
図12を参照すると、さらにロック装置20は、電力モジュール98を含む。電力モジュール98は、制御モジュール62に電気エネルギー100を供給するように構成されている。通信装置102は、制御モジュール62を制御するために、無線又は有線方式でロック装置20との通信接続を設定してよい。通信装置102は、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ又はスマートウォッチであるが、これらに限定されない。
【0031】
図13及び図14を参照すると、第1要素60は、ロック解除状態Y1(図13を参照)とロック状態Y2(図14を参照)との間で移動されることができる。
【0032】
好ましくは、制御モジュール62は、第1要素60をロック解除状態Y1とロック状態Y2とのいずれかに駆動するように構成されている。
【0033】
図13を参照すると、好ましくは、ロック装置20が通信装置102からロック解除信号を受けると、制御モジュール62が第1要素60をロック解除状態Y1に駆動するために、第1電磁石Aに電気が供給される。さらに具体的には、第1電磁石Aは、第1要素60の第1区間60aでの金属部材67を吸引し、第1要素60は、第1軸M1の周りの所定の第1方向R1に角度で旋回し、その結果、ロック部材68の経路Tが第1要素60の第2区間60bによってブロックされない。
【0034】
図14を参照すると、ロック装置20が通信装置102からロック信号を受けるとすぐに、制御モジュール62が第1要素60をロック状態Y2になるように駆動するために、第2電磁石Bに電気が供給されることが好ましい。さらに具体的には、第2電磁石Bは、第1要素60の第1区間60aでの金属部材67を吸引し、第1要素60が第1軸M1の周りで第2所定方向R2に角度で旋回し、その結果、ロック部材68の経路Tが第1要素60の第2区間60bによってブロックされるようになる。第2所定方向R2は、第1所定方向R1の反対方向である。
【0035】
図10及び図13を参照すると、第1要素60がロック解除状態Y1(図13参照)にある場合に、第2物品26(図10では、第2物品26に取り付けられたフィッティング46で示される)は、第1物品24(図10では、第1物品24に取り付けられたロック装置20で示される)に対して後退位置Rから後退方向D1に押されることで開放することができる。
【0036】
さらに具体的には、第1要素60がロック解除状態Y1にある場合に、ロック部材68の経路Tは、第1要素60の第2区間60bによってブロックされない(図13参照)。また、フィッティング46がロック装置20に対して後退位置Rにある場合には、フィッティング46の補助部52がスライドブロック86の保持部92に捕捉されるので、フィッティング46を介して第2物品26(引き出し32)が、第1物品24(キャビネット本体30)に対してスライドブロック86を後退位置Rから後退方向D1へ移動させることができる。このプロセスの間に、経路Tが第1要素60の第2区間60bによってブロックされないので、ロックフック96の第2部分96bは、ロック部材68の経路T(図13参照)に沿って、対応する後退位置R’から移動される。第2物品26(引き出し32)が後退方向D1に変位された後、オーバープッシュ位置Xに到達すると、スライドブロック86上のロックフック96の第2部分96bは、経路T内の対応するオーバープッシュ位置X’にあり、このようにして、プッシュツーオープン機能が作動される(図6参照)。その結果、第2物品26(引き出し32)は、オーバープッシュ位置Xから開放方向D2に、第1物品24(キャビネット本体30)に対して開放又は変位される。このプロセスの間に、スライドブロック86上のロックフック96の第2部分96bは経路Tに沿って移動され、最終的に経路Tの出口82を通って経路Tを出る。上述したことから、第1要素60がロック解除状態Y1にあり、第2物品26(引き出し32)が後退位置Rにある場合に、ユーザはそれを押すことによって第2物品26(引き出し32)の開放が可能であることが分かる。
【0037】
図10及び図14を参照すると、第1要素60がロック状態Y2(図14参照)にある場合に、第2物品26は、後退位置Rから後退方向D1に第1物品24に対して押すことによっては開放できない。
【0038】
さらに具体的には、第1要素60がロック状態Y2にある場合に、第1要素60の第2区間60bは、ロック部材68の経路Tをブロックし、それによって、ロックフック96の第2部分96bを妨害する。第2物品26(引き出し32)を、第1物品24(キャビネット本体30)に対して、後退方向D1にオーバープッシュ位置Xへ移動させることを不可能にする(即ち、スライドブロック86上のロックフック96の第2部分96bを、経路Tで対応する後退位置R’から対応するオーバープッシュ位置X’へ移動させることを不可能にする)。そのため、プッシュツーオープン機能は作動できない。以上から、第1要素60がロック状態Y2にあり、第2物品26(引き出し32)が後退位置Rにある場合に、ユーザは第2物品26(引き出し32)を押すことにより開放できないことが分かる。
【0039】
好ましくは、第1センサ72は、第2物品26(図10では、第2物品26上に取り付けられたフィッティング46によって示されている)が後退位置Rにあるか否かを感知するように構成されている。その結果、第1要素60は、それに応じて、ロック状態Y2(図14参照)になるように制御できる。例えば、第2物品26(フィッティング46)が、第1物品24(ロック装置20)に対して後退位置Rにある場合に、スライドブロック86の所定部分104によって、第1センサ72の第1弾性感知部72aが下方に保持される。第1弾性感知部72aを介して、第2物品26(フィッティング46)が後退位置R(図10参照)にあることを第1センサ72が感知すると、第2電磁石Bに電気を供給して、第1要素60をロック状態Y2(図14参照)にする。
【0040】
図14及び図15を参照すると、第2要素64は、第1要素60を駆動するように構成されている。これにより、後退位置R(図10参照)から開放方向D2に所定位置P(図15参照)へ第1物品24(キャビネット本体30)に対して、第2物品26(引き出し32)が変位されることに応答して、第1要素60が、ロック状態Y2(図14参照)からロック解除状態Y1(図15参照)へ移動する。
【0041】
例えば、第1要素60がロック状態Y2(図14参照)にあるが、電気エネルギー100がもはや供給されない場合(例えば、電力モジュール98に電気がなくなった場合、又は制御モジュール62への電気エネルギー100の供給を偶発的に停止した場合)、又は関連する電子コンポーネントが損傷した場合に、第1物品24(キャビネット本体30)に対して後退位置Rから開放方向D2に所定位置Pへ第2物品26(引き出し32)が変位されることに応答して、第2要素64は、第1要素60(図15参照)を駆動することができる。これにより、第1要素60はロック状態Y2(図14参照)からロック解除状態Y1(図15参照)へ移動する。換言すれば、ユーザは、第1物品24(キャビネット本体30)に対して、第2物品26(引き出し32)を、後退位置Rから開放方向D2に所定位置Pまで所定の距離だけ変位させる必要があるだけであり、第2要素64は、第1要素60を駆動し、それにより、第1要素60をロック状態Y2からロック解除状態Y1へ移動させ、引き出し32は、押し込まれることにより開放できる。従って、従来技術と異なり、この実施形態のロック装置20は、追加の手動ロック解除機構を必要としない。
【0042】
好ましくは、第2物品26が、第1物品24に対して、後退位置Rから開放方向D2に所定位置Pへ変位する間に、ロック部材68は、第2要素64を駆動して、第1要素60をロック状態Y2(図14参照)からロック解除状態Y1(図15参照)へ移動させることができる。例えば、第2物品26が、第1物品24に対して後退位置Rから開放方向D2に所定位置Pへ変位される間に、フィッティング46は、スライドブロック86上のロックフック96の第2部分96bをロック部材68の中央部78に押し付けるように、スライドブロック86を開放方向D2に駆動する(図15参照)。これにより、ベース66に対してロック部材68を、初期位置(図14参照)から開放方向D2に所定位置P(図15参照)まで長手方向に変位させる。このプロセスの間、ロック部材68は、第2要素64の第1区間64aを駆動して、第2要素64が第2軸M2の周りの所定の第3方向R3に角度で旋回される。第2要素64の第2区間64bが第1要素60をロック状態Y2からロック解除状態Y1へ押す(図15参照)。
【0043】
好ましくは、第2要素64の第1区間64aは、ロック部材68(図11参照)の受け空間69の一部の中に延び、ロック部材68は、受け空間69の内壁71を介して第2要素64の第1区間64aを駆動し、それによって第2要素64を所定の第3方向R3に旋回させることができる。
【0044】
好ましくは、第2センサ74は、第2物品26が所定位置Pにあるか否かを感知するように構成されている(図15を参照。ロック部材68は、所定位置Pにあり、第2物品26を所定位置Pに示す)。例えば、ロック部材68が所定位置Pにある場合に、第2センサ74の第2弾性感知部74aは、ロック部材68によって下方に保持されているので、ロック装置20は、第2弾性感知部74aを介して、第2物品26が所定位置Pにあることを検出することができる。なお、電気エネルギー100が利用可能である場合、かつ、第2物品26(引き出し32)が人(ユーザ)によって、第1物品24(キャビネット本体30)に対して、後退位置Rから開放方向D2に所定位置Pまで所定距離だけ変位された場合に、人が第2物品26(引き出し32)を所定位置Pから解放するとすぐに、又はさらに具体的には、第2センサ74の第2弾性感知部74aによって検出された対応する信号に応じて、第2電磁石Bは電気が供給される。これにより第1要素60をロック状態Y2(図14参照)にもどす。
【0045】
好ましくは、ロック部材68が所定位置P(図15参照)にある場合に、弾性部材70は、弾性復元力を蓄積する状態にある。弾性復元力は、ロック部材68を初期位置(図14参照)にもどすことを意図していて、これにより、第2センサ74の第2弾性感知部74aがロック部材68によって下方に保持されなくなる。
【0046】
図16を参照すると、第2物品26(引き出し32)が、第1物品24(キャビネット本体30)に対して伸長位置E(図16では、ロック装置20に対して伸長位置Eにあるフィッティング46で示される)にある場合に、スライドブロック86は、中間部材84に対して旋回位置W2にあり、スライドブロック86の第2脚部94は、中間部材84の軌道90の長手方向通路90aを離れて、軌道90の曲がった通路90bにはいった状態である。第2物品26(引き出し32)が伸長位置Eから後退方向D1に第1物品24(キャビネット本体30)に対して変位している間(図16では、伸長位置Eから後退方向D1にロック装置20に対して変位しているフィッティング46で示される)、フィッティング46の補助部52が、スライドブロック86の案内部106(例えば、傾斜又は湾曲面)に接触し、スライドブロック86を旋回位置W2から逆に初期所定位置W1へ回転させる。このプロセスの間、ロックフック96の第2部分96bは、入口80(図13参照)を通って係止部材68の経路Tにはいり、ロック装置20(図10参照)に対してフィッティング46が後退位置Rにもどるまで経路Tに沿って移動する。
【0047】
図17を参照すると、本発明の前述の実施形態によるロック装置20の第1動作プロセスは、以下のステップを含む。
【0048】
ステップS110:通信装置102は、引き出し32をロック解除状態にセットする。
【0049】
ステップS110で、ユーザは、通信装置102、又は特に通信装置102にインストールされたアプリケーションプログラム(APP)を使用して、ロック解除信号を伝送する。
【0050】
ステップS120:第1電磁石Aには電気が供給され、第1要素60をロック解除状態Y1にする。
【0051】
ステップS120では、ロック装置20が通信装置102からロック解除信号を受けるとすぐに、第1電磁石Aに電気が供給され、その結果、第1要素60がロック解除状態Y1となるように駆動される。
【0052】
ステップS130:引き出し32は、押されることで開放できる。
【0053】
ステップS130では、第1要素60がロック解除状態Y1に駆動されている間に、後退位置Rから後退方向D1にキャビネット本体30(第1物品24)に対して押されることで、引き出し32(第2物品26)を開放することが可能にされる。
【0054】
図18を参照すると、本発明の前述の実施形態によるロック装置20の第2動作プロセスは、以下のステップを含む。
【0055】
ステップS210:通信装置102は、引き出し32をロック状態にセットする。
【0056】
ステップS210で、ユーザは、通信装置102内のアプリケーションプログラムを使用して、ロック信号を伝送する。
【0057】
ステップS220:第2電磁石Bには電気が供給され、第1要素60をロック状態Y2にする。
【0058】
ステップS220では、ロック装置20が通信装置102からロック信号を受けるとすぐに、第2電磁石Bに電気が供給され、その結果、第1要素60がロック状態Y2になるように駆動される。
【0059】
ステップS230:第2センサ74がノーマルクローズド(NC)状態であるか否かが検出される。
【0060】
ステップS230で、ロック装置20は、第2センサ74がノーマルクローズド状態にあるか否かを検出する。第2センサ74がノーマルクローズド状態でない場合に、ステップS240が実行され、第2センサ74がノーマルクローズド状態である場合に、ステップS250が実行される。ステップS240で、引き出し32は、押されることでは開放できない。ステップS250で、第2要素64が第1要素60をロック解除状態Y1へ移動させるために、引き出し32は、所定位置Pまで特定の距離だけ引き出される。
【0061】
ステップS260:第1センサ72がノーマルオープン(NO)状態であるか否かが、検出される。
【0062】
ステップS260で、ロック装置20は、第1センサ72がノーマルオープン状態にあるか否かを検出する。例えば、ロック装置20は、第1センサ72の第1弾性感知部72aが下方に保持されているか否かを検出し、第2物品26(又は引き出し32)が第1物品24(又はキャビネット本体30)に対して後退位置Rにあるか否かを決定する(図10参照)。ステップS270は、第1弾性感知部72aが下方に保持されない場合に実行され、ステップS220は、第1弾性感知部72aが下方に保持された場合に実行される。ステップS270で、通信装置102は、引き出し32が完全に閉鎖されていないことを警告する。例えば、ステップS270の通信装置102は、引き出し32が正確には後退位置Rにないことをユーザに知らせるために、アプリケーションプログラムを介して音声を発生し、及び/又は電子メッセージを伝送する。上述のように、ステップS220で、第2電磁石Bに電気が供給され、第1要素60をロック状態Y2にする。実行中のステップS220は、第1センサ72の第1弾性感知部72aが下方に保持されていること、即ち、第2物品26(又は、引き出し32)が、第1物品24(又は、キャビネット本体30)に対して後退位置Rにあることを示す。(図10を参照する。ここで、第1センサ72の第1弾性感知部72aは、スライドブロック86の所定部分104によって下方に保持されている。)第2電磁石Bは、第1要素60をロック状態Y2になるように駆動するために、ステップS220で電気が供給され、ロック状態Y2で第2物品26(又は、引き出し32)は押しても開放することができない。
【0063】
以上から、本発明の前述の実施形態に係るロック装置20は、好ましくは、以下の特徴を有することが分かる。
【0064】
1。ロック装置20の第1要素60は、ロック状態Y2又はロック解除状態Y1になるように電気的に制御することができる。第1要素60がロック状態Y2にある場合に、第2物品26は、後退位置Rから後退方向D1に第1物品24に対して押されることでは開放できない。第1要素60がロック解除状態Y1にある場合に、第2物品26は、後退位置Rから後退方向D1に第1物品24に対して押されることで開放できる。
【0065】
2。第2要素64は、第1要素60を駆動することができ、それにより、第1要素60をロック状態Y2からロック解除状態Y1へ移動させる。この動作機構は、第1要素60がロック状態Y2にあるが、電力モジュール98が制御モジュール62への電気エネルギー100の供給を停止した場合、又は関連する電子部品が損傷を受けた場合に、有用である。さらに具体的には、ユーザは第2物品26(引き出し32)を操作し、それによって、第1物品24(キャビネット本体30)に対して後退位置Rから開放方向D2へ所定位置Pに第2物品26(引き出し32)を変位させる。第2要素64が第1要素60を駆動して、ロック状態Y2からロック解除状態Y1へ移動させる。従って、前述の実施形態のロック装置20は、従来技術での対応するものと同様に、追加の手動ロック解除機構を必要としない。
【0066】
本発明は、上述の好ましい実施形態を通じて開示されるが、本実施形態は、本発明の範囲を限定するものではない。出願人が求める特許保護の範囲は、添付の請求項によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図18