(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】自動処理システムのための多目的トレイのベースモジュールおよびトレイインサート、自動処理システムのための多目的トレイ、ならびに、自動処理システムの中への/からの多目的トレイの簡単化されたローディング/アンローディングの方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
G01N35/04 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022186552
(22)【出願日】2022-11-22
(62)【分割の表示】P 2021177053の分割
【原出願日】2018-10-18
【審査請求日】2022-11-22
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】チウ,ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】イオルダノアイア,イオン
(72)【発明者】
【氏名】ヒット,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ナマシバヤム,ビジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ナウロッキ,エデュアルド
(72)【発明者】
【氏名】ノイゲバウアー,ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】モールトン,ティム
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,サム
(72)【発明者】
【氏名】シュミエタ,ゲルト
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02098296(EP,A1)
【文献】米国特許第05589137(US,A)
【文献】特開平03-092761(JP,A)
【文献】米国特許第05700429(US,A)
【文献】国際公開第2011/135085(WO,A1)
【文献】米国特許第06098819(US,A)
【文献】特開2014-219361(JP,A)
【文献】特表2014-532880(JP,A)
【文献】特開2017-053850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 9/00 - 9/06
G01N 35/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動処理システムのためのトレイであって、
同様の直径または異なる直径を有する複数の試薬またはサンプルチューブを保持するための、自動処理システムのためのトレイのユニバーサルトレイインサートであって、前記ユニバーサルトレイインサートは、異なるサイズを有するチューブ受け入れ凹部のアレイを含み、
前記チューブ受け入れ凹部のアレイは、少なくとも、第1のグループのチューブ受け入れ凹部と、第2のグループのチューブ受け入れ凹部と、第3のグループのチューブ受け入れ凹部と、を含み、
前記第1のグループのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズ、前記第2のグループのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズ、および、前記第3のグループのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズは、互いに異なっており、
前記第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭は、前記第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭、および、前記第3のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と交差している、ユニバーサルトレイインサートと、
ベースモジュールと、を含み、
前記ベースモジュールは、1つの側部において開口しており、前記少なくとも1つのユニバーサルトレイインサートとスナップ接続するための突起を備えている、または、
前記ベースモジュールは、1つの側部において開口しており、前記少なくとも1つのユニバーサルトレイインサートとスナップ接続するための突起を備えており、前記ベースモジュールは、前記トレイとは異なる別のトレイの別のベースモジュールの上にスタック可能である、または、
前記ベースモジュールは、1つの側部において開口しており、前記少なくとも1つのユニバーサルトレイインサートとスナップ接続するための突起を備えており、前記ベースモジュールは、前記トレイとは異なる別のトレイの別のベースモジュールの上にスタック可能であり、前記ベースモジュールの底部は、低減された外周部を備えたステップ部分を含み、前記ステップ部分は、別のベースモジュールの上部開口の上側縁部の中へマッチしている、トレイ。
【請求項2】
前記ベースモジュールは、実質的に閉じた底部と、少なくとも部分的に閉じた側壁部とを備えた長方形の構造体を含み、
前記ベースモジュールの少なくとも1つの側壁部は、オープンスロットを含む、または、
前記ベースモジュールのそれぞれの側壁部は、オープンスロットを含み、前記長方形の構造体のそれぞれのコーナーは、角度付きのコーナーポストを含む、請求項1に記載のトレイ。
【請求項3】
前記ベースモジュールは、オペレーターによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、その外周部の上に少なくとも1つのハンドルを含む、または、
前記ベースモジュールは、オペレーターによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、互いに反対側のその外周部の上に2つのハンドルを含む、請求項1または2に記載のトレイ。
【請求項4】
前記ベースモジュールは、前記自動処理システムのトレイキャリアによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、その外周部の上に少なくとも1つの係合窪みを含み、または、
前記ベースモジュールは、前記自動処理システムのトレイキャリアによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、その外周部の上に少なくとも1つの係合窪みを含み、前記少なくとも1つの係合窪みは、前記ベースモジュールの外周部の上に位置決めされているハンドルの中に設けられている、または、
前記ベースモジュールは、前記自動処理システムのトレイキャリアによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、互いに反対側のその外周部の上に2つの係合窪みを含む、または、
前記ベースモジュールは、前記自動処理システムのトレイキャリアによる前記ベースモジュールの改善された輸送可能性のために、互いに反対側のその外周部の上に2つの係合窪みを含み、それぞれの係合窪みは、前記ベースモジュールの外周部の上に割り当てられているハンドルの中に設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項5】
前記ベースモジュールは、前記トレイの内容物のローディング状況のインディケーションのための少なくとも1つのカラーインジケーターを含む、または、
前記ベースモジュールは、前記トレイの内容物のローディング状況のインディケーションのための少なくとも1つのカラーインジケーターを含み、前記カラーインジケーターは、オペレーターによって手動で動作可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項6】
前記ベースモジュールは、その外周部の上に少なくとも1つの書き込み可能な表面を含む、または、
前記ベースモジュールは、その外周部の上に少なくとも1つの書き込み可能な表面を含み、前記表面は、ホワイトボード材料によって実装される、請求項1から5のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項7】
前記ベースモジュールは、その外周部の上にバーコードのような少なくとも1つの識別コードを含む、または、
前記ベースモジュールは、ホールセンサー用途のための磁石を含む、または、
前記ベースモジュールは、ホールセンサー用途のための磁石を含み、前記磁石は、前記ベースモジュールの底部の中に埋め込まれている、請求項1から6のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項8】
前記ベースモジュールは、射出成形されたコンポーネントである、または、
前記ベースモジュールは、射出成形されたコンポーネントであり、前記ベースモジュールは、PC/SAN、PC/ABS、またはPPから作製されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項9】
前記ユニバーサルトレイインサートは、前記少なくとも1つのユニバーサルトレイインサートが前記ベースモジュールの外側に突出していない状態で、フレームに入れられた様式で前記ベースモジュールによって少なくとも部分的に囲まれている、請求項1から8のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項10】
10-1) 前記チューブ受け入れ凹部は、実質的な円筒状の形状で形成されており、
10-2) 前記第1のグループのチューブ受け入れ凹部の輪郭は、前記第2のグループのチューブ受け入れ凹部の輪郭と、交差しており、
10-3) 前記第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の中心軸線は、前記第2のグループのチューブ受け入れ凹部の隣接するチューブ受け入れ凹部の中心軸線に関して偏心した様式で配置されており、
10-4) 前記第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さは、前記第2のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さとは異なっており、
10-5) 前記第3のグループのチューブ受け入れ凹部の前記チューブ受け入れ凹部のうちの少なくとも1つの内周部の輪郭は、前記第1のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭、および、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と、交差しており、
10-6) 前記第3のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の中心軸線は、前記第1および/または第2のグループのチューブ受け入れ凹部の隣接するチューブ受け入れ凹部の中心軸線に関して偏心した様式で配置されており、
10-7) 前記第3のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さは、前記第1および/または第2のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さとは異なっており、
10-8) 1つのグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の輪郭は、同じグループのチューブ受け入れ凹部の隣接するチューブ受け入れ凹部の輪郭から間隔を離して配置されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項11】
基準マーカーは、前記ユニバーサルトレイインサートの上側表面の縁部に設けられている、または、
基準マーカーは、前記ユニバーサルトレイインサートの上側表面の縁部に設けられており、前記基準マーカーは、それぞれのチューブ受け入れ凹部を識別するために、英文字および/または数字から構成されているグリッドの形態で設けられている、請求項1から10のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項12】
前記チューブ受け入れ凹部のアレイは、前記サンプルチューブのそれぞれの直径に応じて、20個から78個の間のサンプルチューブを受け入れる、請求項1から11のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項13】
センタリングスプリングが、それぞれのチューブ受け入れ凹部の内側のチューブをセンタリングするために、前記チューブ受け入れ凹部のうちの少なくとも1つの内側に設けられている、請求項1から12のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項14】
前記ユニバーサルトレイインサートは、射出成形されたコンポーネントである、または、
前記ユニバーサルトレイインサートは、射出成形されたコンポーネントであり、前記ユニバーサルトレイインサートは、PC/SAN、PC/ABS、またはPPから作製されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のトレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]本発明は、分析的な、事前分析的な、または事後分析的な処理システムなどのよ
うな、自動処理システムの多目的トレイのベースモジュールおよびトレイインサートに関し、また、そのようなベースモジュールおよびそのようなトレイインサートを含む多目的トレイに関する。本発明は、さらに、自動処理システムの中への/からのそのような多目的トレイの簡単化されたローディング/アンローディングの方法に関する。さらに詳細には、本発明は、そのような多目的トレイのベースモジュールに関し、そのベースモジュールは、トレイインサートを受け入れ、トレイインサートとともに多目的トレイを形成し、トレイインサートは、とりわけ、自動処理システムの中で処理されることとなる複数の試薬またはサンプルチューブを保持するために使用され得る。それに基づいて、オペレーターによる自動処理システムの中への/からのそのような多目的トレイの簡単化されたローディング/アンローディングの方法が、また、本発明の副次的態様として実現され得る。
【背景技術】
【0002】
[002]実験室環境では、生物学的なサンプルの処理は、通常、複雑な実験室機器を必要
とし、したがって、実験室従業員または実験室アシスタントなどのような実験室人員によって実施される操作ステップの複雑なワークフローを必要とする。たとえば、そのような生物学的なサンプルは、人間の組織、血液、唾液、または尿を同伴する可能性があり、そのサンプルは、たとえば、採取されたサンプルの中の異なる成分の濃度レベルを決定するために、実験室分析のために、病院においてまたは個人開業診療において、医療従事者によって患者から日常的に採取される。複雑なワークフローは、通常、それぞれの処理ステップの実行に先立って考えられるべき増加した数の手続き的な態様を同伴し、処理ステップ自身に加えて、非常に時間のかかる労力につながる。ここで、そのような時間的負担に対抗するために、および、分析結果を迅速で信頼性高く生み出すという通常の時間的制約を順守するために、大半が手動で実施されるプロセスステップの任意の程度の自動化は、人員コストを著しく低減させ、サンプルスループット体積を増加させることが可能であり、そして、サンプルを分析して結果を受容者に報告するために要する時間を低減させることが可能である。
【0003】
[003]たとえば、生物学的なサンプルの医学的診断分析を実施するための、すでに利用
可能な自動処理システムは、典型的に、分析されることとなる生物学的なサンプルを受け入れるためのすでに公知の市販のサンプルコンテナを使用する。また、生物学的なサンプルへの添加剤として、試薬が、分析のために必要とされ得、その試薬は、通常、試薬コンテナの中に提供される。そのようなサンプルまたは試薬コンテナは、サンプルまたは試薬チューブ(プライマリーチューブとも称される)の形態でもたらされ得、または、任意の他の適切な種類のサンプルまたは試薬コンテナの形態でもたらされ得、それは、その上部において開口していることが可能であり、または、蓋などによって閉じられ得、それは、形状およびサイズに関してわずかに異なっていることが可能である。そのうえ、分析プロセスを促進させるために、特定の種類のサンプルのために1つの特定の種類のサンプルチューブを使用することが一般的な実務であり、それは、それぞれのタイプのサンプルに関して均一なサンプルコンテナを結果として生じさせ、すなわち、分析プロセスを合理化してサンプルスループット体積を増加させるために、異なる種類のサンプルのために異なる種類のサンプルチューブを使用することが一般的な実務である。また、異なる種類のサンプルのために異なるコンテナを使用する必要は、サンプル体積または処理条件などのような、さまざまな要因によって決定付けられ得るが、いずれにしても、異なる種類のサンプルを互いに見分けることがより容易になるという利点をもたらし、それは、別の種類のサンプルを意図したプロセスの中で間違った種類のサンプルを事故的に使用しにくくする。これは、とりわけ、自動処理システムがサンプルを処理するために使用される場合に当てはまる。その理由は、自動システムが、通常、特定の種類のサンプルとともに、すなわち、特定の種類のサンプルチューブとともに使用するように設計された特定の実験室機器を含むからである。
【0004】
[004]ここで、分析的な、事前分析的な、または事後分析的な処理システムなどのよう
な、自動処理システム内側のハンドリング効率を向上させるために、サンプルまたは試薬チューブは、通常、複数のチューブを概して直立配向で支持するように適合されたチューブトレイの中へ設置される。しかし、実験室は、通常、生物学的なサンプルおよび試薬をたくさんの異なるチューブタイプの中に受け入れ、すべてのチューブタイプは、通常、それぞれのチューブ形状およびサイズに適合されたそれ自身のトレイを有している。これは、異なるサンプルチューブタイプの中で異なるサンプルを処理する実験室処理システムをオペレーターがロードすることを複雑にする。また、分析的な、事前分析的な、または事後分析的な処理システムなどのような、生物学的なサンプルを処理するための自動処理システムの中で、サンプルチューブは、通常、たとえば、針またはピペットなどによって流体または他の試料をチューブから除去するかまたはチューブの中へ挿入することによって操作される。したがって、サンプルチューブをハンドリングすることは、一般的に、比較的に正確な様式で、非常に正確な位置決めを必要とする。そうでなければ、すなわち、サンプルチューブが十分な精度で位置決めされていないケースでは、そのような自動処理システムのマニピュレーターは、サンプルチューブを信頼性高く操作するための位置にない可能性がある。トレイの別の問題は、それらのバーコードが通常は人間が読み取り可能なものではないということである。したがって、サンプルがすでに処理されたかどうか、それらが新鮮であるかどうか、または、たとえば、感染性の生物学的なサンプルによって、オペレーターが特別の注意を払わなければならないかどうかを、オペレーターは決して分からない。異なってサイズ決めされたサンプルチューブを保持することができ、また、所望の正確な位置決めを実現することができるサンプルチューブトレイが、たとえば、米国特許第8,142,740B2号から推測され得、その文献では、自動処理システムのためのサンプルチューブトレイが開示されており、そのトレイは、異なってサイズ決めされた2つのサンプルチューブのうちの1つを同心円状の様式で保持することができるように適合されたいくつかのウェルを有している。さらに公知の先行技術として、EP2098296A1は、所定の直径範囲の中に存在する外径を有する複数のサンプルチューブを保持および位置決めするためのサンプルチューブトレイを説明している。EP2098296A1の1つの特定の実施形態によれば、2つの異なる直径を有するサンプルチューブを保持することができる改善されたサンプルチューブトレイが開示されており、そのトレイは、基本的に、均一に間隔を置いて配置されたピラーを構成している。したがって、公知のサンプルチューブトレイが、異なるサンプルチューブ設計に関して使用可能であるとしても、固定された位置だけがサンプルチューブに関して使用され得、すなわち、より大きいサンプルチューブよりも、より小さいサンプルチューブをより近くに融合することが可能でない。
【0005】
[005]ここで、上記に説明されているすでに公知のチューブトレイを使用する自動処理
システムが、ヒューマンエラーを最小化しながらより迅速に結果を提供することによって、サンプル処理効率をすでに改善するとしても、分析的な結果の精度に関する、および、サンプルスループット体積にも関する、臨床実験室の要求の増加に起因して、自動分析器システムの全体的な性能の改善の必要性が絶えず存在している。とりわけ、患者サンプルハンドリングの効率は、実施されることとなるアッセイにかかわらず、継続的に向上されることを必要とする。ここで、上記に説明されているようなサンプルまたは試薬チューブによって、複数のサンプルまたは試薬を自動処理システムの中へ迅速かつ確実に導入する能力は、生物学的なサンプルのスループットの高効率を実現する重要な要因である。加えて、異なるタイプのサンプルチューブまたは試薬チューブを1つのトレイの中に貯蔵すること、いくつかのチューブトレイを小さいスペースの中に貯蔵すること、または、実験室人員がいくつかのチューブトレイを一度に運搬する能力は、自動処理システムによる患者サンプルハンドリングの効率を極めて向上させることが可能である。したがって、自動処理システムとの相関関係において、同一のまたは混合された種類の複数のサンプルまたは試薬のハンドリングを改善する必要性が絶えず存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[006]本発明は、上記に説明されている問題に対処し、多目的トレイのベースモジュー
ルを提供し、そのベースモジュールは、少なくとも1つのトレイインサートを受け入れ、少なくとも1つのトレイインサートとともに多目的トレイを形成し、トレイインサートは、とりわけ、分析的な、事前分析的な、または事後分析的な処理システムなどのような、自動処理システムの中で処理されることとなる複数の試薬またはサンプルチューブを保持するために使用され得る。とりわけ、本発明の1つの態様によれば、そのような自動処理システムのための多目的トレイのベースモジュールが提供され、そのベースモジュールは、1つの側部において開口しており、少なくとも1つのトレイインサートとの係合のための突出部を含み、少なくとも1つのトレイインサートは、ベースモジュールの突出部との係合によって、ベースモジュールの開口側部の中に解放可能に係合可能である。したがって、ベースモジュールの一体的なパーツとして設けられた突出部によって、少なくとも1つのトレイインサートは、ベースモジュールに接続され、ベースモジュールとトレイインサートとの間の係合、または、ベースモジュールの開口側部とトレイインサートとの間のより良好な係合を形成することが可能であり、その係合は、望まれる場合には、再び解放され得、トレイインサートを同じ種類または異なる種類の別のトレイインサートと交換するようになっており、それによって、トレイを多目的トレイとなるようにする。したがって、多目的トレイの多目的特性は、トレイインサートの交換可能性によってすでに実現され得、または、たとえばミックスアンドマッチ様式で1つの同じベースモジュールによって受け入れられるいくつかのトレイインサートの交換可能性によってもすでに実現され得、それによって、多目的トレイによって受け入れられることとなるチューブの選択に関して高いフレキシビリティーを実現する。そのうえ、より詳細に下記にさらに説明されているように、多目的トレイの多目的特性は、また、1つの同じトレイインサート(ユニバーサルトレイインサートとも称される)の中にいくつかの異なる種類のコンテナを受け入れるための、本発明によるトレイインサートの能力によって実現される。
【0007】
[007]現在説明されている態様の本発明ベースモジュールの特定の実施形態によれば、
ベースモジュールの突出部、すなわち、ベースモジュールと一体的に設けられるそれぞれの突出部は、ベースモジュールの内側側部に向けて内向きに横方向に突出している。それによって、ベースモジュールの突出部は、トレイインサートのそれぞれの係合特徴などのような、トレイインサートのそれぞれのカウンターパーツとの解放可能なプッシュイン接続またはスナップ接続の形態のフォームフィット接続を確立することが可能である。たとえば、ベースモジュールの突出部は、一種の実矧ぎ型接続の舌部を提供することが可能であり、トレイインサートのそれぞれの係合特徴は、たとえば、それぞれの適切な係合凹部によって、溝部カウンターパーツを提供している。ここで、たとえば、突出部は、円筒状の形状のものであることが可能であり、トレイインサートの中のそれぞれの円形係合凹部の中へマッチするようになっている。代替的にまたは追加的に、それぞれの円筒状の突出部は、中心孔を含むことが可能であり、中心孔は、ベースモジュールの開口側部に開口しており、それは、トレイインサートの底部側部から突出するプラグコネクターなどのような、トレイインサートに提供されるそれぞれのカウンターパーツを受け入れることが可能であり、ベースモジュールのそれぞれの突出部の中心孔の中へ押し込まれることができる
ようになっており、それによって、上記に述べられているようなプッシュイン接続を確立し、それは、再び取り外され得る。一般に、本発明のベースモジュールの製造に関して、ベースモジュールは、射出成形されたコンポーネントであることが可能であり、ベースモジュールは、ポリプロピレン(PP)またはポリカーボネートブレンド、たとえば、スチレンアクリロニトリルを伴うポリカーボネート(PC/SAN)およびアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンを伴うポリカーボネート(PC/ABS)などから作製され得、それらは、すべて、射出成型可能な材料を構成する。
【0008】
[008]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、同じタイプの多目的トレイの別のベースモジュールの上にスタック可能である。それによって、いくつかのベースモジュールは、スタックされたベースモジュールのそれぞれの中に提供されるトレイインサートから独立して、スペースを節約する様式で互いに重なり合ってスタックされ得、それは、ユーザーの便宜にも貢献する。その理由は、いくつかのベースモジュールが、それぞれのトレイインサートによって提供される試薬またはサンプルチューブをロードされているときに、一緒にスタックされ得、スタックされた配置で運搬または輸送され得、それによって、輸送可能性を改善し、また、ベースモジュールの貯蔵可能性を改善するからである。互いに重なり合った少なくとも2つのベースモジュールの間のそのようなスタッキング接続を実現するために、それぞれのベースモジュールの底部側部は、低減された外周部を備えたステップ部分、たとえば、幅の狭くなるステップ部分を含むことが可能であり、そのステップ部分は、別のベースモジュールの開口側部の上側縁部の中へマッチしている。したがって、上側ベースモジュールの底部側部のステップ部分は、たとえば、入れ子にすることが可能な様式で、別のベースモジュールの開口側部の上側縁部の中へスタックされ得る。
【0009】
[009]本発明ベースモジュールの一般的な構造に関して、ベースモジュールは、実質的
に閉じた底部側部と、(通常は、数が4つの、および、ベースモジュールの全体的な長方形の構造体と比較して薄壁の)少なくとも部分的に閉じた側壁部とを備えた長方形の構造体を含むことが可能であり、長方形の構造体の上側側部は、上記に述べられているベースモジュールの開口側部を構成している。そのような構造体によって、ベースモジュールは、ボックス形状を構成しており、ボックス形状は、実質的に閉じた底部(製造関連の孔部またはスリットなどを除く)と、側壁部(それは、連続的に閉じられ得るか、または、部分的にのみ閉じられ得る)と、開いた上側側部(任意の種類の壁部表面などを実質的に備えない)とを備えている。側壁部の構造に関して、ベースモジュールの少なくとも部分的に閉じた側壁部のうちの少なくとも1つは、開いた上側側部において開始する開口側部スロットを含むことが可能であり、すなわち、開いた上側側部は、開口側部スロットの中に続いており、閉じた底部側部に向けて続くことが可能であり、サイドスロットは、閉じた底部側部まで続かなければならないのではなく、閉じた底部の上方で終了することが可能であり、それによって、上部へ開口する側壁部のウィンドウを構成している。代替的な特定の実施形態によれば、ベースモジュールのそれぞれの側壁部が、上部へ開口するそれぞれの側壁部のウィンドウを構成するそのような開口側部スロットを含むことが可能である。それによって、長方形の構造体のそれぞれのコーナーは、角度付きのコーナーポストを含み、角度付きのコーナーポストは、閉じた底部から開始し、開いた上側側部へ続いており、その角度付きのコーナーポストは、コーナーストラットまたはコーナーピラーとも称され得、その上にスタックされた別のベースモジュールと相互作用することなく、少なくとも1つのトレイインサートおよびその中に提供されるチューブを受け入れるために、閉じた底部側部およびベースモジュールの開口側部との間に十分な距離を実現する。
【0010】
[010]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、オペレーター(たとえば、実験室人員など)によるベースモジュールの改善された輸送可能性のために、インターフェースとして、その外周部の上に少なくとも1つのハンド
ルを含み、ハンドルは、片手または両手でベースモジュールを把持することができるオペレーターによってベースモジュールを把持することを簡単化する。代替的に、ベースモジュールは、インターフェースとして、互いに反対側のその外周部の上に2つのハンドルを含み、それは、オペレーターによるベースモジュールの輸送可能性をさらに改善する。その理由は、2つの反対側のハンドルが、両手でベースモジュールを把持することができるオペレーターによってベースモジュールを把持することを簡単化するからである。
【0011】
[011]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、インターフェースとして、その外周部の上に少なくとも1つの係合窪みを含むことが可能であり、係合窪みは、上記に説明されているようなハンドルによって区別が付かなくされるべきではなく、自動輸送プロセスの過程においてトレイキャリアによるベースモジュールの改善された輸送可能性のために、とりわけ、自動処理システムのトレイキャリア(または、トレイシャトルなどのようなトレイキャリア器具)のために設けられており、そのキャリアは、窪みと係合することが可能であり、したがって、ベースモジュールをピックアップすることが可能である。便宜上、少なくとも1つの係合窪みが、上記に説明されているように、ベースモジュールの外周部の上に位置決めされたハンドルの中に設けられている。それによって、ベースモジュールにおける同一の場所において、人間のオペレーターによってだけでなく、自動トレイキャリア器具によっても、ベースモジュールがピックアップおよび輸送されることが可能になる。代替的な実施形態において上記に説明されているように2つのハンドルを設けることと同様に、ベースモジュールは、必要な場合には、自動処理システムのトレイキャリアによるベースモジュールの改善された輸送可能性のために、インターフェースとして、互いに反対側のその外周部の上に、2つの係合窪み、または、さらには3つ以上の窪みを含むことが可能であり、それぞれの係合窪みは、ベースモジュールの外周部の上に割り当てられたハンドルの中に設けられ得る。それによって、ベースモジュールの同一の場所において、両手を有する人間のオペレーターによってピックアップされるのと同じ様式で、人間のオペレーターによってだけでなく、自動トレイキャリア器具によっても、ベースモジュールがピックアップおよび輸送されることが可能になる。上記に説明されているインターフェースは、人間の相互作用のいずれかを形成するインターフェースとして、または、自動処理システムの器具へのインターフェースとして提供されており、インターフェースは、自動処理システムのローディングスロットへのおよびそれからの輸送のために、自動処理システムの作業デッキへの輸送のために、自動処理システムのバーコードラベラーへの輸送のために、または、自動処理システムの中に提供されたトレイシャトルのために、そのような器具との相互作用のために提供され得る。
【0012】
[012]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、多目的トレイの内容物、すなわち、多目的トレイのベースモジュールの中に受け入れられるようなトレイインサートの内容物のローディング状況のインディケーションのための少なくとも1つのカラーインジケーターを含むことが可能である。1つの例として、カラーインジケーターは、4つの異なるカラーを提供することが可能であり、それは、多目的トレイが、新しい(すなわち、未処理の)内容物、既に処理された内容物、アーカイブに関して指定された内容物、または、誤った内容物を有するということを示すことが可能であり、ここにおいて、未処理の内容物は、緑色によってカラーコードされ得、既に処理された内容物、または、代替的に誤った内容物は、赤色によってカラーコードされ得る。ここで、特定の実施形態として、カラーインジケーターは、オペレーターによって手動で動作可能であり得、および/または、ベースモジュールの中の(たとえば、ベースモジュールのいくつかのコーナーポストのうちの1つの中の)それぞれのポケットの中に設けられる回転式インジケータープラグまたはポールの形態で実装され得、ポケットは、外側へのビューイングウィンドウを含み、それぞれのカラーが、ビューイングウィンドウの中に示され得、インジケーターポールの回転によって変化させられ得る。また、多目的トレイが、ローディング状況インディケーションの必要のない内容物を担持しているケースでは、たとえば、トレイインサートが、消耗し得るチップなど、すなわち、任意の状況を伴わない内容物を担持しているケースでは、いわゆるブラインドプラグが、ベースモジュールポケットの中へフィットさせられ得、すなわち、任意の異なるカラーがその上に提供されていないプラグ、たとえば、灰色のプラグなどがフィットさせられ得る。したがって、カラーインジケーターは、望まれる場合には、改善されたユーザーの便宜のために交換され得る。そのうえ、カラーインジケーターは、異なる種類のサンプルチューブを保持することができるいわゆるユニバーサルトレイインサートを使用するときに、または、尿サンプルコンテナトレイを使用するときに、とりわけ合理的であるということが留意されるべきである。他方では、ブラインドプラグは、前述のように、消耗し得るチップを担持するトレイインサートを使用するときに、合理的である可能性がある。ベースモジュールのポケットの中へ嵌め込まれたインジケーターポールの形態のインジケーターを設けることの追加的な態様として、自動処理システムの任意の光学センサーが、自動処理システムのローディングスロットの中への多目的トレイの正しいローディングを識別するために使用され得る。その理由は、ポケットが、最初にローディングスロットの中へロードされるトレイの端部の上に設けられているかまたは設けられていないかのいずれかであるからである。ローディングスロットの中へロードされたときのトレイの所望の配向に応じて、正しい配向または誤った配向が検出され得、たとえば、オペレーターへ信号化され得る。
【0013】
[013]本発明ベースモジュールのさらなる特定の実施形態によれば、ベースモジュール
は、その外周部の上に少なくとも1つの書き込み可能な表面を含むことが可能であり、オペレーターがベースモジュールに人間が読み取り可能なマーキングを提供するようになっており、望まれる場合には、人間のオペレーターによる表面の上のそのようなマーキングの迅速なマーキングおよび消去を可能にし、書き込み可能な表面は、ホワイトボード材料によって、すなわち、拭き取り可能な材料によって実装され得、それを2回以上使用することができるようになっている。それによって、任意のオペレーターは、望まれる場合には、ベースモジュール、および、したがって、人間が読み取り可能なマーキングを備えた多目的トレイを提供することが可能であり、それは、たとえば、別のトレイインサートとともに別の時間にベースモジュールを使用するときに、再び容易に消去され得、トレイインサートの内容物をベースモジュールの上に書くようになっている。書き込み可能な表面の1つの実装形態によれば、それは、ベースモジュールの側壁部の上に、たとえば、ベースモジュールの右側部の上に、ラベルを設置することによって設けられ得、ラベルの形態の書き込み可能な表面がアルコールまたは同種のもののみによってクリーニングされ得る場合には有用であり、オペレーターのマーキングの耐久性を改善するようになっている。したがって、書き込み可能な表面は、余白を提供し、同僚または協力者などのための注記をトレイにラベル付けし、たとえば、遅延したサンプルを失うリスクを防止するようになっている。
【0014】
[014]前に説明されたような人間が読み取り可能なマーキングに加えて、本発明のベー
スモジュールは、また、その外周部の上に少なくとも1つの識別コードを含むことが可能であり、それは、接着剤ラベルなどであることが可能であり、人間が読み取り可能な機械書き込みを担持し、それは、人間のオペレーターのために、ベースモジュールまたはその内容物についての実質的な情報を提供することが可能である。代替的にまたは追加的に、機械可読識別コードは、ベースモジュールの外周部の上に設けられ得、たとえば、バーコードなどによって実装され得、または、RFIDタグなどの形態でも実装され得、それは、自動処理システムの中のベースモジュールまたはその内容物の自動的な識別を可能にし、また、それは、それぞれのベースモジュールに関して一意の識別コードを提供することが可能である。たとえば、そのようなバーコードまたはRFIDタグは、トレイタイプの識別のための、すなわち、ベースモジュールの中に提供されるトレイインサートのタイプの識別のための3文字と、記録可能性の理由のために、連続シリアル番号を与える5文字とから構成され得る。
【0015】
[015]本発明の別の態様によれば、および、上記に説明されているようなベースモジュ
ールに相補的に加えて、自動処理システムのための多目的トレイのトレイインサートが、同様の直径または異なる直径を有する複数の試薬またはサンプルチューブを保持するために、それとともに提供され、トレイインサートは、ユニバーサルトレイインサートまたはユニバーサルに適用可能なトレイインサートとも称され得、異なるサイズを有するチューブ受け入れ凹部のアレイを含み、それによって、ユニバーサルトレイインサートのユニバーサル特性を実現し、そのサイズは、たとえば、チューブ受け入れ凹部直径であることが可能であり、チューブ受け入れ凹部は、実質的な円筒状の形状で形成され得る。一般に、本発明のそのようなトレイインサートの製造に関して、トレイインサートは、射出成形されたコンポーネントであることが可能であり、トレイインサートは、ポリプロピレン(PP)またはポリカーボネートブレンド、たとえば、スチレンアクリロニトリルを伴うポリカーボネート(PC/SAN)およびアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンを伴うポリカーボネート(PC/ABS)などから作製され得、それらは、すべて、射出成型可能な材料を構成する。本発明のユニバーサルトレイインサートの構造に関して、上記に述べられているチューブ受け入れ凹部のアレイは、少なくとも、第1のグループのチューブ受け入れ凹部を含み、また、第2のグループのチューブ受け入れ凹部を含み、第1のグループのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズ、および、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズは、互いに異なっており、すなわち、それらのグループの間の凹部サイズは、互いに異なっている。たとえば、第1のグループのチューブ受け入れ凹部は、大きい直径を有する第1のグループのチューブを受け入れるために使用され得、第2のグループのチューブ受け入れ凹部は、第1のグループのチューブよりも小さい直径を有するチューブを受け入れるために使用され得る。そのうえ、第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭は、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と交差している。ここで、チューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部の内周部の外形が理解されるべきであり、チューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭または外形は、また、上方から見たときに、チューブ受け入れ凹部の実質的な断面として識別され得る。しかし、第1のグループおよび第2のグループの両方のチューブ受け入れ凹部の内周部は、連続的になっている必要はなく、両方のグループのチューブ受け入れ凹部は、上方から見たときに互いに交差していることが可能であり、したがって、第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭との交差を示す。異なるサイズを有するチューブ受け入れ凹部のそのような特定の構造によって、異なるコンテナ形状およびサイズを受け入れることができるユニバーサルトレイインサート設計が実現され得、とりわけ、より大きいコンテナよりも、より小さいコンテナをより近くに融合することが可能になる。したがって、異なる直径を有する異なるチューブタイプが、ユニバーサルトレイインサートの中にフィットすることが可能であり、したがって、ユニバーサルトレイインサートの中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するために、常に最適化された方式で、それぞれの多目的トレイの中にフィットすることが可能である。したがって、チューブ受け入れ凹部のそのような特定の構造は、ユニバーサルトレイインサートのユニバーサル特性を結果として生じさせる。その理由は、トレイインサートが、複数の異なる種類のサンプルチューブに関してユニバーサルに使用され得るからである。ここで、例として、1つのタイプのチューブだけがユニバーサルトレイインサートの中へロードされるケースでは、PreservCytチューブなどのような大きい直径を有する約20ピース(たとえば、21ピースなど)のチューブ、SurePathチューブなどのようなより小さい直径を有する約30ピース(たとえば、32ピースなど)のチューブをロードすることが可能になる。以前に説明された種類の異なるチューブがロードされるケースでは、約20個から30個の間のピースが、混合された様式でロードされ得る。
【0016】
[016]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、第1のグループの
チューブ受け入れ凹部の輪郭と第2のグループのチューブ受け入れ凹部の輪郭との交差は、輪郭の非接線方向のクロスオーバー(crossover)に対応している。これは、異なる輪郭同士の間の交差ポイントまたは接合ポイントにおいて理解されるべきであり、すなわち、第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭は、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭に、非接線方向の様式で交差している。これは、とりわけ、それぞれのチューブ受け入れ凹部の円筒状の輪郭を考えるときに関連がある。その理由は、そのような配置が、具体的には、異なる直径を有するチューブを本発明トレイインサートの中へフィットさせる最適化された方式を実現することを支援し、トレイインサートの中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するようになっている。代替的にまたは追加的に、第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の中心軸線は、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の隣接するチューブ受け入れ凹部の中心軸線に関して偏心した様式で配置され得、それは、両方のグループのチューブ受け入れ凹部の中心軸線が互いに一致していないということを意味しており、それは、異なる直径を有するチューブを本発明トレイインサートの中へフィットさせるすでに説明されている最適化された方式を実現することを追加的に支援する。ここで、それぞれの軸線の間の距離は、ユニバーサルトレイインサートの中へのチューブの「間違った」ローディングが可能でないように、または、少なくとも、ローディングの間にオペレーターによって容易に検出され得るように選ばれる。
【0017】
[017]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、第1のグループの
チューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さは、第2のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さとは異なっている。それによって、異なる長さを有するチューブが、また、現在説明されているトレイインサートによって受け入れられ得、ここにおいて、異なるグループのチューブ受け入れ凹部の深さは、より長い長さを有する1つのグループのチューブの上部が、より短い長さを有する他のグループのチューブと比較して突出していないかまたはわずかにだけ突出するように選ばれるということが有利である可能性がある。
【0018】
[018]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、チューブ受け入れ
凹部のアレイは、すでに説明されている第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部に追加的に、第3のグループのチューブ受け入れ凹部を含み、ここにおいて、第3のグループのチューブ受け入れ凹部のチューブ受け入れ凹部のうちの少なくとも1つの内周部の輪郭は、第1および/または第2のグループのチューブ受け入れ凹部のうちの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と交差している。したがって、チューブ受け入れ凹部のアレイは、第3のグループのチューブ受け入れ凹部を追加的に含み、第3のグループのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズ、ならびに、第1および/または第2のグループのチューブ受け入れ凹部の凹部のサイズは、互いに異なっており、すなわち、それらのグループ同士の間の凹部サイズは、互いに異なっている。たとえば、第1のグループのチューブ受け入れ凹部は、大きい直径を有する第1のグループのチューブを受け入れるために使用され得、第2のグループのチューブ受け入れ凹部は、第1のグループのチューブよりも小さい直径を有するチューブを受け入れるために使用され得、第3のグループのチューブ受け入れ凹部は、第2のグループのチューブよりもさらに小さい直径を有する第3のグループのチューブを受け入れるために使用され得る。そのうえ、第3のグループのチューブ受け入れ凹部のチューブ受け入れ凹部のうちの少なくとも1つの内周部の輪郭は、第1の/第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と交差している。ここで、繰り返しになるが、チューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部の内周部の外形が理解されるべきであり、チューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭または外形は、また、上方から見たときに、チューブ受け入れ凹部の実質的な断面として識別され得る。しかし、すべての3つのグループのチューブ受け入れ凹部の内周部は、連続的になっている必要はなく、すべてのグループのチューブ受け入れ凹部は、上方から見たときに互いに交差していることが可能であり、したがって、第1のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭と、第2のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭、および/または、第3のグループのチューブ受け入れ凹部の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部の内周部の輪郭との交差を示す。異なるサイズを有するチューブ受け入れ凹部のそのような特定の構造によって、上記に述べられているユニバーサルトレイインサート設計は、それが3つの異なるコンテナ形状またはサイズを受け入れることができるという点において、さらに改善され得、繰り返しになるが、より大きいコンテナよりも、より小さいコンテナをより近くに融合することが可能になる。したがって、3つの異なる直径を有する異なるチューブタイプが、ユニバーサルトレイインサートの中にフィットすることが可能であり、したがって、ユニバーサルトレイインサートの中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するために、常に最適化された方式で、それぞれの多目的トレイの中にフィットすることが可能である。たとえば、1つのタイプのチューブだけがユニバーサルトレイインサートの中へロードされるケースでは、PreservCytチューブなどのような大きい直径を有する約20ピース(たとえば、21ピースなど)のチューブ、SurePathチューブなどのようなより小さい直径を有する約30ピース(たとえば、32ピースなど)のチューブ、または、PCRチューブなどのようなさらにより小さい直径を有する約80ピース(たとえば、78ピースなど)のチューブをロードすることが可能になる。したがって、チューブ受け入れ凹部のアレイは、サンプルチューブのそれぞれの直径に応じて、および、したがって、チューブ受け入れ凹部の直径に応じて、同じタイプのまたは異なるタイプの約20個から80個の間のサンプルチューブを混合された様式で受け入れることが可能である。チューブ受け入れ凹部の代替的な配置では、PreservCytチューブなどのような大きい直径を有する20ピースのチューブ、SurePathチューブなどのようなより小さい直径を有する20ピースのチューブ、または、PCRチューブなどのようなさらにより小さい直径を有する62ピースのチューブがロードされ得る。チューブ受け入れ凹部のそのような特定の構造は、ユニバーサルトレイインサートのユニバーサル特性のさらなる改善を結果として生じさせる。その理由は、トレイインサートが、さらにより大きい複数の異なる種類のサンプルチューブのためにユニバーサルに使用され得るからである。追加的な随意的な特徴として、任意の種類のサンプルチューブのさらなる安定化された保持を実現するために(それは、より小さいチューブをより大きいチューブ受け入れ凹部の中へ導入することも可能にする)、それぞれのチューブ受け入れ凹部の内側にチューブをセンタリングするために、すなわち、より大きいチューブ受け入れ凹部の内側により小さいチューブをセンタリングおよび保持するために、センタリングスプリングは、チューブ受け入れ凹部のうちの少なくとも1つの内側に設けられ得る。したがって、そのようなセンタリングスプリングは、ユニバーサルトレイインサートのユニバーサル特性をさらに改善することが可能である。その理由は、トレイインサートが、ますます大きくなる複数の異なる種類のサンプルチューブに関して、ユニバーサルに使用され得るからである。たとえば、本発明によるセンタリングスプリングは、チューブ受け入れ凹部の内側への取り付けのための実質的に円形の中間パーツと、長手方向の様式で中間パーツから離れるように突出するいくつかのクランプアームとを含むことが可能であり、それぞれのクランプアームは、保持されることとなるチューブに接触するために、その端部において内向きに突出するニブを含み、それによって、センタリングスプリングと同軸の様式で、すなわち、それぞれのチューブ受け入れ凹部と同軸の様式で、クランプされた様式でそれを保持およびセンタリングする。そのようなセンタリングスプリングは、トレイインサートの別個のコンポーネントとして、スプリングスチールから作製され得、センタリングスプリング自身の形状によって実現されるようなクランプ可能性に加えて、そのクランプ可能性を改善するようになっている。
【0019】
[019]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、第3のグループの
チューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の中心軸線は、第1および/または第2のグループのチューブ受け入れ凹部の隣接するチューブ受け入れ凹部の中心軸線に関して偏心した様式で配置されており、それは、すべてのグループのチューブ受け入れ凹部の中心軸線が互いに一致していないということを意味しており、それは、異なる直径を有するチューブを本発明トレイインサートの中へフィットさせるすでに説明されている最適化された方式を実現することを追加的に支援する。ここで、それぞれの軸線の間の距離は、ユニバーサルトレイインサートの中へのチューブの「間違った」ローディングが可能でないように、または、少なくとも、ローディングの間にオペレーターによって容易に検出され得るように選ばれる。代替的にまたは追加的に、第3のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さは、第1および/または第2のグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の深さとは異なっている。それによって、異なる長さを有するチューブが、また、現在説明されているトレイインサートによって受け入れられ得、ここにおいて、異なるグループのチューブ受け入れ凹部の深さは、長い長さを有する1つまたは2つのグループのチューブの上部が、より短い長さを有する残りのグループのチューブと比較して突出していないかまたはわずかにだけ突出するように選ばれるということが有利である可能性がある。そのうえ、1つのグループのチューブ受け入れ凹部のそれぞれのチューブ受け入れ凹部の輪郭は、同じグループのチューブ受け入れ凹部の隣接するチューブ受け入れ凹部の輪郭から間隔を離して配置され得る。したがって、同じグループのチューブのうちのチューブ同士の間の直接的な接触が回避され得、それによって、この種類のチューブのためにトレイインサート全体によって提供されるスペースの最大活用を実現する。
【0020】
[020]本発明トレイインサートのさらなる特定の実施形態によれば、基準マーカーは、
トレイインサートの上側表面の縁部に設けられている。基準マーカーは、トレイインサートの中のチューブ受け入れ凹部のそれぞれの明確な割り当てのために使用されており、基準マーカーは、それぞれのチューブ受け入れ凹部を識別するために、英文字および/または数字から構成されているグリッドの形態で設けられ得る。ここで、例として、個々の位置は、チェス盤から知られるものなどのような、グリッドの形態でトレイインサートの縁部の上にプリントされ得、チェス盤では、文字が、行を割り当てることが可能であり、数字が、列を割り当てることが可能であり、たとえば、A1からM11になっている。
【0021】
[021]すでに上記に述べられたように、トレイインサートは、多目的トレイのベースモ
ジュールの開口側部の中の突出部と解放可能に係合可能となるための係合特徴を含む。ベースモジュールに関してすでに上記に説明されているように、ベースモジュールの突出部は、一種の実矧ぎ型接続の舌部を提供することが可能であり、トレイインサートのそれぞれの係合特徴は、たとえば、トレイインサートの外周縁部の中に設けられ得るそれぞれの適切な係合凹部によって、溝部カウンターパーツを提供している。代替的に、係合特徴は、トレイインサートの底部側部の上に設けられたプラグインコネクターの形態で設けられ得、そのコネクターは、ベースモジュールのそれぞれの突出部の中心孔の中へ押し込まれ得る。両方のケースにおいて、ベースモジュールとトレイインサートとの間のプッシュイン接続が実現され得、それは、再び取り外され得る。
【0022】
[022]本発明の別の態様によれば、自動処理システムのための多目的トレイが、また、
本発明によって提供され、その多目的トレイは、上記に詳細に説明されているようなベースモジュールと、上記に詳細に説明されているような少なくとも1つのトレイインサートとを含む。ここで、トレイインサートは、少なくとも1つのトレイインサートがベースモ
ジュールの外側に突出していない状態で、フレームに入れられた様式でベースモジュールによって少なくとも部分的に囲まれ得る。また、上記に説明されているように、トレイインサートの内容物は、ベースモジュールの外側に突出していない。それによって、多目的トレイのスタック可能性は、選ばれたトレイインサートおよびその内容物から独立して実現され得る。さらに、ベースモジュールの突出部、および、トレイインサートの係合特徴は、すでに上記に詳細に説明されているように、解放可能なプッシュイン接続またはスナップ接続の形態のフォームフィット接続を確立している。
【0023】
[023]そのうえ、本発明のさらなる態様によれば、オペレーターによって自動処理シス
テムの中へ/から多目的トレイの簡単化されたローディング/アンローディングを行う方法も提供される。そのような多目的トレイは、上記に説明されているような多目的トレイであるか、または、代替的に、任意の種類のトレイインサートがその中に挿入された多目的トレイであることが可能である。ここで、本発明方法は、そのような多目的トレイを自動処理システムのローディングスロット(入力スロットとも称される)の中へロードするステップであって、自動処理システムは、2つ以上のローディングスロットを含むことが可能である、ステップと、自動処理システムの実験室器具(たとえば、分析的な器具など)によって多目的トレイの内容物を処理するステップと、自動処理システムのアンローディングスロット(出力スロットとも称される)から多目的トレイをアンロードするステップであって、自動処理システムは、2つ以上のアンローディングスロットを含むことが可能である、ステップとを含む。ここで、自動処理システムは、オペレーターと自動処理システムのソフトウェアとの間の相互作用なしにローディングスロットの中へロードされた多目的トレイの内容物を認識するセンサーを含み、すなわち、自動処理システムは、センサー(たとえば、光学センサーまたはRFIDセンサーなど)によって、ロードされた多目的トレイおよびその内容物を自動的に認識することができ、したがって、たとえば、ユーザーインターフェースによって、オペレーターが多目的トレイの内容物に関してデータ入力する必要なしに、自動処理システムの内側の実験室器具によって自動的に実施されることとなる必要なまたは所望の処理ステップを識別することができる。そのうえ、自動処理システムのアンローディングスロットからアンロードされることとなる多目的トレイは、多目的トレイのフォーマットまたは内容物に関して、オペレーターと自動処理システムのソフトウェアとの間の相互作用なしに、アンローディングスロットからオペレーターによってアンロードされ得、すなわち、自動処理システムは、たとえば、ユーザーインターフェースによって、アンロードされることとなる多目的トレイについてのデータを、自動処理システムがオペレーターに提供する必要なしに、多目的トレイのアンローディングを可能にする。しかし、一般に、自動処理システムのアンローディングスロットからアンロードされることとなる任意の多目的トレイは、オペレーターと自動処理システムのソフトウェアとの間の相互作用によって、アンローディングスロットからオペレーターによってアンロードされることだけが可能であり、すなわち、自動処理システムは、たとえば、ユーザーインターフェースによるオペレーターからシステムへのそれぞれの入力のみによって、多目的トレイのアンローディングを可能にする。一般に、自動処理システムは、オペレーターとの相互作用のために、および、自動処理システムの内側のワークフローを制御するために、アプリケーションソフトウェアを実施する制御ユニットを含むことが可能である。
【0024】
[024]現在説明されている方法は、自動処理システムのローディングスロットが、とり
わけ、サンプルチューブを担持するトレイをロードするためのそれぞれのスロット、または、ピペットチップのような使い捨て品/消耗品を担持するトレイをロードするためのローディングスロットを識別することによってのみ使用され得るということがこれまで当技術分野だけにおいて知られているという事実に基づいている。したがって、異なるランダム化されたスロットの中へのサンプルおよび試薬のローディングだけがよく知られているが、液体を含有するローディングサンプルチューブと簡単な方式でピペットチップのような消耗品/使い捨て品を単に含有するラックまたはキャリアとの組み合わせは、よく知られていない。したがって、現在説明されている本発明方法は、ローディングサンプルおよび使い捨て品を自動処理システムの中へロードする、ユーザーに好都合の方式を提供する。そのような改善の必要性は、実験室の中のオペレーターが、通常、供給品、消耗品、およびサンプルを伴うたくさんの異なるトレイを自動処理システムのローディングスロットの中へロードしなければならないという事実に基づいている。これらのトレイのそれぞれは、通常、異なるフォーマットを有しており、したがって、トレイのフォーマットに適合されている異なるローディングスロットを有している。しかし、説明されているような多目的トレイでは、それぞれのトレイが、異なるサンプルおよび供給品に関して、同じフォーマットを有することが可能である。したがって、オペレーターは、トレイが自動処理システムの中へロードされなければならないたびに、マッチしているローディングスロットを識別する必要なしに、供給品および/またはサンプルを含むトレイを1つまたはいくつかのランダムローディングスロットの中へロードすることが可能である。
【0025】
[025]現在説明されている本発明方法の例として、自動処理システムは、たとえば、自
動処理システムの外側と内側との間のトレイインターフェースとして、8つのスロットを装備していることが可能であり、ユーザーの便宜のために、スロットのうちの4つは、ローディングスロットとなるように割り当てられ得、残りの4つのスロットは、アンローディングスロットとなるように割り当てられ得る。たとえば、4つのスロットが他の4つのスロットの上に配置されている2行のスロットを備えた配置において、上部の4つのスロットは、トレイローディングスロットとなるように割り当てられ得、底部の4つのスロットは、トレイアンローディングスロットとなるように割り当てられ得る。代替的に、すべてのスロットは、同時のローディングおよびアンローディングのために使用され得る。ここで、現在説明されている方法のローディングステップに関して、多目的トレイは、自動処理システムのローディングスロットとなるように割り当てられたスロットのいずれかの中へロードされており、多目的トレイは、1つもしくはいくつかのユニバーサルトレイインサート、1つもしくはいくつかの尿コンテナトレイインサート、および/または、1つもしくはいくつかのチップラックトレイインサートを担持することが可能である。したがって、本発明方法の特定の実施形態として、オペレーターは、サンプルもしくは試薬チューブ、または使い捨て品、たとえば、ピペットチップなどを、多目的トレイの中へその内容物として充填することが可能であり、充填された多目的トレイを自動処理システムのローディングスロットまたは任意のローディングスロットの中へロードするステップは、多目的トレイのフォーマットまたは内容物に関するデータを自動処理システムのソフトウェアと交換する必要性なしに実施される。自動処理システムによるロードされたトレイの自動的な認識に起因して、トレイは、たとえば、ユーザーインターフェースなどによる、自動処理システムのソフトウェアとの任意のユーザー相互作用の必要性なしに、オペレーターによってローディングスロットの中へロード可能である。
【0026】
[026]本発明方法のさらなる特定の実施形態によれば、多目的トレイをロードするステ
ップは、優先的な内容物を伴う多目的トレイを複数のローディングスロットのうちの所定のローディングスロットの中へロードするステップを含み、自動処理システムは、優先的な内容物を伴う多目的トレイを優先することを伴って処理ステップを実施する。さらに、所定のローディングスロットは、優先ローディングスロットであることが可能であり、優先的な内容物は、優先的なサンプルであることが可能である。たとえば、上記に説明されている例の4つのローディングスロットのうちの1つは、優先的なトレイ、すなわち、優先的な内容物(たとえば、他の非優先的なサンプルの後ろに並ぶことなく即座に処理されるべき優先的なサンプルなど)を伴うトレイのための優先ローディングスロットとなるように指定され得る。それによって、サンプルを処理する自動ステップの順序は、望まれる場合には、この点においてオペレーターによって影響を及ぼされ得る。
【0027】
[027]本発明方法のさらなる特定の実施形態として、自動処理システムは、クリアラン
ス(clearance)の前に、それぞれの多目的トレイが処理状態にある間に、アンローディングスロットからの多目的トレイのアンローディングを防止するために、アンローディングスロットをロックすることが可能である。したがって、それぞれのトレイが処理状態にある間に、自動処理システムは、それぞれのスロットからのトレイの手動除去を防止する。そのような防止は、手動ロックなどによって実現され得、それぞれのトレイをそれぞれのスロットの中に適切な場所に保持する。代替的に、または追加的に、自動処理システムは、それぞれのスロットに関するローディング/アンローディング許可またはローディング/アンローディング禁止の状況を示す、それぞれのスロットのためのローディング/アンローディング状況インジケーターを含むことが可能である。それによって、トレイがアンロードされていないと思われるケースでは、たとえば、その内容物の処理が依然として進行中であるので、状況インジケーターは、たとえば、それぞれのスロットの近くに提供される赤色の光の形態で、アンローディング禁止信号をオペレーターに送ることが可能である。
【0028】
[028]本発明方法のアンローディングステップに関して、異なる内容物を伴う異なる種
類のトレイがアンローディングスロットからアンロードされ得るということが確立され得る。しかし、現在説明されている方法の特定の実施形態として、アンローディングスロットのうちの1つは、アンローディングサンプルエラートレイのためのアンローディングスロットであると指定され得、すなわち、ある種類のエラー(たとえば、読み取り不可能なラベルなど)を示す(または、また、誤りのあるサンプルのケースである)ことが自動処理システムによって識別されたサンプルチューブを備えたトレイのためのアンローディングスロットであると指定され得る。したがって、多目的トレイをアンロードするステップは、所定のアンローディングスロットからの所定の内容物を伴う多目的トレイのアンローディングを含むことが可能であり、所定の内容物は、誤りのあるサンプルを伴うコンテナであることが可能である。
【0029】
[029]本発明は、本明細書で説明されている特定の方法論に限定されない。その理由は
、それらが変化することが可能であるからである。本明細書で説明されているものと同様のまたは均等の任意のデバイス、方法、および材料が、本発明の実施において使用され得るが、特定のデバイス、特定の方法、および特定の材料が本明細書で説明されている。さらに、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態だけを説明する目的のためのものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0030】
[030]本発明の文脈において、本明細書で使用されているような「自動処理システム」
という用語は、生物学的なサンプルを自動的に処理するために、制御ユニット(たとえば、分析的な、事前分析的な、または事後分析的な処理システムなど)に動作可能なように接続されている1つまたは複数の実験室器具を含む、実験室の中の自動実験室システムを表している。一般に、化学的な、生物学的な、物理的な、光学的な、または他の技術的な分析が、分析的な処理システムによってサンプルに実施され得る前に、さまざまな異なる事前分析的な処理ステップが、事前分析的な処理システムの器具によって、患者のサンプルに実行されなければならない可能性があり、事前分析的な処理システムの器具は、たとえば、サンプルを遠心分離するためのサンプル遠心分離器具、サンプルの再懸濁のためのサンプル再懸濁器具、サンプルコンテナにキャップをするおよび/またはキャップを外すためのサンプルコンテナキャッピングまたはデキャッピング器具、サンプルコンテナのキャップを外した後にサンプルコンテナを再キャップするための再キャッピング器具、および/または、サンプルのアリコートへとサンプルを分割するためのアリコーテーション器具などである。分析の後に、さまざまな異なる事前分析的な処理ステップが、たとえば、1つまたは複数の生物学的なサンプルに対する1つまたは複数の事後分析的な処理ステップ、たとえば、分析的な結果の検証およびレビュー、ならびに、実験室システムのオペレーターへのこれらの結果の通信およびそれらの解釈などを実行するために、事後分析的な処理システムの器具によって、サンプルに対して実行されなければならない可能性がある。
【0031】
[031]本明細書で使用されているような実験室の「実験室器具」または「器具」という
用語は、1つまたは複数の生物学的なサンプルに対して1つまたは複数の処理ステップ/ワークフローステップを実行するように動作可能な任意の装置または装置コンポーネントを包含する。「処理ステップ」という表現は、それによって、遠心分離、アリコーテーション、およびサンプル分析などのような、物理的に実行される処理ステップを表している。実験室の「実験室器具」または「器具」という用語は、事前分析的な器具、事後分析的な器具、および、また、分析的な器具をカバーしている。
【0032】
[032]本明細書で使用されているような「事前分析的な」という用語は、1つまたは複
数の生物学的なサンプルに対する1つまたは複数の事前分析的な処理ステップの実行に関係しており、それによって、1つまたは複数の後続の分析的なテストのためにサンプルを準備する。事前分析的な処理ステップは、たとえば、遠心分離ステップ、キャッピングステップ、デキャッピングステップ、または再キャッピングステップ、アリコーテーションステップ、および、サンプルにバッファーを追加するステップなどであることが可能である。本明細書で使用されているような「分析的な」という用語は、1つまたは複数の生物学的なサンプルに対して分析的なテストを実行するように動作可能な1つまたは複数の実験室デバイスまたは操作ユニットによって実施される任意のプロセスステップを包含する。本明細書で使用されているような「事後分析的な」という用語は、1つまたは複数の生物学的なサンプルに対する1つまたは複数の事後分析的な処理ステップの実行に関係しており、そのステップは、分析的な結果の検証およびレビューとともに始まり、同様に、実験室システムのオペレーターへのこれらの結果の通信およびそれらの解釈に関係している。
【0033】
[033]本明細書で使用されているような「制御ユニット」という用語は、ワークフロー
およびワークフローステップが実験室システムによって実行されるように、1つまたは複数の実験室器具を含む実験室システムを制御するように構成可能な任意の物理的なまたは仮想の処理デバイスを包含する。制御ユニットは、たとえば、異なる種類のアプリケーションソフトウェアを担持しており、事前分析的な、事後分析的な、および分析的なワークフロー/ワークフローステップを実行するように、実験室システム(または、その特定の器具)に指示することが可能である。制御ユニットは、どのステップが特定のサンプルとともに実施されることが必要であるかということに関して、データ管理ユニットから情報を受け取ることが可能である。さらに、制御ユニットは、データ管理ユニットと一体的になっていることが可能であり、サーバーコンピューターによって含まれ得、および/または、1つの器具の一部であることが可能であり、もしくは、さらには、実験室システムの複数の器具にわたって分配されることも可能である。制御ユニットは、たとえば、動作を実施するためのインストラクションを提供されたコンピューター可読のプログラムを走らせるプログラマブル論理制御装置として具現化され得る。
【0034】
[034]本明細書で使用されているような「ユーザーインターフェース」という用語は、
オペレーターとマシンとの間の相互作用のために、アプリケーションソフトウェアおよび/またはハードウェアの任意の適切なピースを包含しており、それに限定されないが、オペレーターからコマンドを入力として受け取るために、また、オペレーターにフィードバックを提供し、情報を伝達するために、グラフィカルユーザーインターフェースを含む。また、システム/デバイスは、異なる種類のユーザー/オペレーターのために働くように、いくつかのユーザーインターフェースを露出させることが可能である。
【0035】
[035]生物医学的研究の文脈において、分析的な処理は、生物学的なサンプルまたは検
体のパラメーターを特徴付けるための技術的な手順である。パラメーターのそのような特徴付けは、人間または実験室動物などから導出される、たとえば、生物学的なサンプルの中のさまざまなサイズの特定のタンパク質、代謝産物、イオン、または分子の濃度の決定を含む。集められた情報は、たとえば、有機体または特定の組織に対する薬物の投与の影響を評価するために使用され得る。さらなる分析は、サンプルまたはサンプルの中に含まれる検体の光学的な、電気化学的なまたは他のパラメーターを決定することが可能である。
【0036】
[036]本発明の文脈において、誤りのあるサンプルおよび/または誤りのあるサンプル
コンテナは、処理されることとなる条件になっていないものとして決定されることとなり、すなわち、エラーがサンプル処理ワークフローの間に起こった場合には、および、実験室システムがワークフローランをその完了まで継続することができなかった場合には(それは、望ましくないワークフローラン中断を結果として生じさせる)、成功的に完了されることとなる条件になっていないものとして決定されることとなる。
【0037】
[037]本明細書で使用されているような「ワークフロー」という用語は、たとえば、シ
ステムまたはそのシステムコンポーネントのうちの1つのメンテナンスまたは動作などに関して、複数のステップを含む任意のタスクを包含する。
【0038】
[038]本明細書で使用されているような「ワークフローステップ」という用語は、ワー
クフローに属する任意の活動を包含する。その活動は、基礎的なまたは複雑な性質のものであり得、典型的に、1つもしくは複数の器具において、または、1つもしくは複数の器具によって実施される。
【0039】
[039]「サンプル」および「生物学的なサンプル」という用語は、関心の検体を潜在的
に含有することができる材料を表している。サンプルは、血液、唾液、眼内レンズ流体、脳脊髄流体、汗、尿、排便、精液、乳、腹水、粘液、滑液、腹膜液、羊水、組織、または培養細胞などを含む、生理学的な流体などのような、任意の生物学的な供給源から導出され得る。患者サンプルは、たとえば、血液から血漿を準備する、粘性流体を希釈する、または溶解など、使用の前に前処理され得る。処理の方法は、濾過、蒸留、濃縮、干渉成分の不活性化、および、試薬の追加を伴うことが可能である。サンプルは、供給源から取得されるものとして直接的に使用され得、または、サンプルの特質を修正するために前処理に続いて使用され得る。いくつかの実施形態では、初期に固体のまたは半固体の生物学的な材料が、適切な液体媒体によって溶解または懸濁することによって、液体にされ得る。いくつかの実施形態では、サンプルは、特定の抗原または核酸を含有することが疑われ得る。
【0040】
[040]「サンプルチューブ」または「サンプルコンテナ」という用語は、サンプルを輸
送する、貯蔵する、および/または処理するための任意の個々のコンテナを表している。とりわけ、限定することなく、その用語は、その上側端部の上にキャップを随意的に含む、実験室ガラス製品またはプラスチック製品のピースを表している。サンプルチューブ、たとえば、血液を収集するために使用されるサンプルチューブは、サンプルの処理に影響を与える血栓活性化剤または抗凝固剤物質などのような追加的な物質を含むことが多い。結果として、異なるチューブタイプは、典型的に、特定の分析(たとえば、臨床化学分析、血液学的分析、または凝固分析)の事前分析的な、分析的な、および/または事後分析的な要件に適合されている。サンプルチューブタイプの混合は、(血液)サンプルを分析のために使用不可能にする可能性がある。サンプルの収集およびハンドリングにおけるエラーを防止するために、多くのチューブ製造業者のサンプルキャップは、固定されたおよび均一なカラースキームにしたがってコード化され得る。加えてまたは代替的に、いくつかのサンプルチューブタイプは、特定のチューブ寸法、キャップ寸法、および/またはチューブカラーによって特徴付けされている。チューブの寸法は、たとえば、その高さ、そのサイズ、および/または、さらなる特徴的な形状特性を含む。
【0041】
[041]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形「a」、
「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないことを示していない限り、複数の参照を含む。同様に、「含む」、「含有する」、および「包含する」という語句は、排他的というよりもむしろ包含的に解釈されるべきであり、すなわち、「それに限定されないが、~を含む」という意味で解釈されるべきである。同様に、「または」という語句は、文脈が明確にそうでないことを示していない限り、「および」を含むことが意図されている。「複数の(plurality)」、「複数の(multiple)」、または「多数の(multitude)」という用語は、整数個として、2つ以上(すなわち、2または>2)を表しており、「単一の(single)」または「単独の(sole)」という用語は、1つ(すなわち、=1)を表している。そのうえ、「少なくとも1つの」という用語は、同様に、整数個として、1つまたは複数(すなわち、1または>1)として理解されるべきである。したがって、単数または複数を使用する語句は、それぞれ、複数および単数も含む。追加的に、「本明細書では(herein)」、「上記(above)」、および「下記(below)」という語句、ならびに、同様の趣旨の語句は、本出願の中で使用されるときには、全体として本出願を表すべきであり、本出願の任意の特定の部分を表すべきではない。
【0042】
[042]本開示の特定の実施形態の説明は、包括的であることは意図しておらず、または
、開示されている正確な形態に本開示を限定することは意図していない。本開示の特定の実施形態(および、本開示に関する例)が例示目的のために本明細書で説明されているが、さまざまな均等な修正例が、当業者が認識することとなるように、本開示の範囲の中で可能である。任意の先述の実施形態の特定のエレメントは、他の実施形態の中のエレメントと組み合わせられ得、または、それと置換され得る。そのうえ、本開示の特定の実施形態に関連付けられる利点は、これらの実施形態の文脈において説明されてきたが、他の実施形態もそのような利点を示すことが可能であり、すべての実施形態が、本開示の範囲内に入るために、必ずしもそのような利点を示す必要があるわけではない。
【0043】
[043]以下の例は、本発明のさまざまな特定の実施形態を図示することを意図している
。そうであるので、以降で議論されているような特定の修正例は、本発明の範囲に対する限定として解釈されるべきではない。さまざまな均等物、変形例、および修正例が、本発明の範囲を逸脱することなく作成され得るということが当業者に明らかになることとなり、したがって、そのような均等の実施形態が本明細書に含まれるべきであるということが理解されるべきである。本発明のさらなる態様および利点は、図に図示されている特定の実施形態の以下の説明から明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】[044]本発明の実施形態によるいくつかの多目的トレイの概略斜視図であり、多目的トレイは、ベースモジュールと、その中に挿入された異なるトレイインサートから構成されており、それぞれ、直接的な比較のために互いに隣り合わせて配置されている、図である。
【
図2】[045]
図1に示されているような多目的トレイのうちの任意の1つのベースモジュールの概略斜視図である。
【
図3】[046]
図1に示されているようなベースモジュールと、同様に
図1の左側に示されているような、異なる角度から見た、その中に挿入された空のユニバーサルトレイインサートとを備えた多目的トレイの概略斜視図であり、線A-Aに沿った長手方向の断面におけるベースモジュールのハンドルの内側構造の拡大された詳細を含む図である。
【
図4】
図1に示されているようなベースモジュールと、同様に
図1の左側に示されているような、異なる角度から見た、その中に挿入された空のユニバーサルトレイインサートとを備えた多目的トレイの概略斜視図である。
【
図5】[047]2つの多目的トレイの概略斜視図であり、多目的トレイのそれぞれは、
図1に示されているようなベースモジュールと、互いに重なり合ってスタックされた、その中に挿入された空のユニバーサルトレイインサートとを備える、図である。
【
図6】[048]
図3および
図4に示されているような多目的トレイの左側の上面図の拡大された詳細を示す図である。
【
図7】[049]多目的トレイの概略斜視図であり、ユニバーサルトレイインサートがその中に挿入された状態になっており、異なる種類のコンテナが互いに隣り合わせて最適化された様式でその中に混合されて配置された状態になっている、図である。
【
図8】[050]
図7に示されているような多目的トレイの左側の拡大詳細図である。
【
図9】[051]異なる角度から見た、
図7に示されているような多目的トレイの概略斜視図である。
【
図10】[052]
図7から
図9に示されているような多目的トレイの上面図である。
【
図11】[053]多目的トレイの概略斜視図であり、ユニバーサルトレイインサートが、その中に挿入されており、大きい直径を含む1つの同じ種類のコンテナによって完全に充填されており、互いに隣り合わせて最適化された様式でその中に配置された状態になっている、図である。
【
図12】[054]
図11に示されているような多目的トレイの上面図である。
【
図13】[055]多目的トレイの概略斜視図であり、ユニバーサルトレイインサートが、その中に挿入されており、中間サイズの直径を含む1つの同じ種類のコンテナによって完全に充填されており、互いに隣り合わせて最適化された様式でその中に配置された状態になっている、図である。
【
図14】[056]
図13に示されているような多目的トレイの上面図である。
【
図15】[057]多目的トレイの概略斜視図であり、ユニバーサルトレイインサートが、その中に挿入されており、小さい直径を含む1つの同じ種類のコンテナによって完全に充填されており、互いに隣り合わせて最適化された様式でその中に配置された状態になっている、図である。
【
図16】[058]
図15に示されているような多目的トレイの上面図である。
【
図17】[059]
図3および
図4に示されているような多目的トレイの代替的な実施形態の上面図である。
【
図18】[060]多目的トレイの概略斜視図であり、同様に
図1の中間位置に示されているような、尿サンプルコンテナのためのトレイインサートが、その中に挿入された状態になっている、図である。
【
図19】[061]
図18に示されているような2つの多目的トレイの概略斜視図であり、2つの多目的トレイは、互いに重なり合ってスタックされており、その中に提供された1つの単一の尿サンプルコンテナをそれぞれ備えている、図である。
【
図20】[062]多目的トレイの概略斜視図であり、いくつかのトレイインサートがその中に挿入された状態になっており、それぞれのトレイインサートは、同様に
図1の右側に示されているような、消耗し得るピペットチップを受け入れるためのチップラックを構成している、図である。
【
図21】[063]本発明の実施形態によるユニバーサルトレイインサートのためのセンタリングスプリングの拡大された概略斜視図である。
【
図22】[064]本発明の方法の実施形態を図示するフローチャートである。
【
図23】[065]本発明の実施形態による1つまたはいくつかの多目的トレイをロード/アンロードするための、自動処理システムのローディング/アンローディングステーションの概略斜視図である。
【
図24】[066]
図23に示されているようなローディング/アンローディングスロットの配置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[0130]
図1では、本発明の実施形態による多目的トレイの3つの異なる変形例が、互いに隣り合わせて配置された概略斜視図として示されている。トレイインサートの選択肢によれば、多目的トレイの目的は変化することが可能である。とりわけ、
図1の左側には、
図2に示されているようなベースモジュール100と、その中に挿入された空のユニバーサルトレイインサート200とを備えた多目的トレイ20が示されており、任意のサンプルチューブが、ユニバーサルトレイインサート200の中に配置されていない状態になっている。さらに、
図1の中間位置には、
図2に示されているようなベースモジュール100と、その中に挿入された尿サンプルコンテナのための尿サンプルトレイインサート300とを備えた多目的トレイ30が示されており、任意の尿サンプルコンテナが、尿サンプルトレイインサート300の中に配置されていない状態になっている。そのうえ、
図1の右側には、
図2に示されているようなベースモジュール100と、その中に挿入された4つのチップラックを備えたチップラックトレイインサート400とを備えた多目的トレイ40が示されており、任意の消耗し得るピペットチップが、チップラックトレイインサート400の中に配置されていない状態になっている。以下では、多目的トレイ20、30、40のそれぞれ、および、その特定の構造体が、図面の中のそれぞれの図示に基づいて、より詳細に説明される。
【0046】
[0131]それぞれの多目的トレイ20、30、40に関する一般的な基礎として、
図2に示されているようなベースモジュール100が使用され、本発明の特定の実施形態によるベースモジュール100は、基本的に、1つの一体的に形成されたコンポーネントから構成されており、それは、ポリプロピレン(PP)またはポリカーボネートブレンド、たとえば、スチレンアクリロニトリルを伴うポリカーボネート(PC/SAN)またはアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンを伴うポリカーボネート(PC/ABS)などから、射出成形され得る。現在説明されている特定の実施形態のベースモジュール100は、概観的箱のような構造体であり、閉じた底部101と、4つの薄壁の側壁部の形態の円周方向に延在するサイドプレート102であって、4つの薄壁の側壁部は、互いに接続され、底部101と接続されている、サイドプレート102と、開いた上側側部とを備えている。ベースモジュール100の内側には、突出部110が、サイドプレート102の内側壁部表面の上に設けられており、その突出部110は、それぞれ、中心孔を備えた円筒状に形成されたカラムであり、その環状のカラムは、サイドプレート102から横方向に内向きに突出しており、すなわち、突出部110は、それらのベース端部において、閉じた底部101と接続されており、それぞれの突出部110は、一体的に形成された接続部によってサイドプレート102と一体的に接続されている。ここで、現在説明されている特定の実施形態では、8つの突出部110が設けられている。
【0047】
[0132]それぞれの突出部110は、トレイインサート200、300、400のうちの1つのそれぞれの係合特徴との係合のための係合突出部110を構成しており、それは、より詳細に後に説明されることとなる。サイドプレート102のそれぞれの側壁部において、開口側部スロット103が設けられており、そのサイドスロット103は、開いた上側側部から延在しており、すなわち、開いた上側側部は、開口側部スロット103の中に継続しており、それによって、上部に開口するサイドプレート102の4つのウィンドウを構成している。ここで、突出部110は、それぞれの側壁部の範囲にわたってだけ延在しており、すなわち、突出部110は、上向きに開口側部スロット103の中へは延在していない。設けられたサイドスロット103の結果として、長方形ベースモジュール100のそれぞれのコーナーは、角度付きのコーナーポスト104を構成しており、角度付きのコーナーポスト104は、閉じた底部101から開始し、開いた上側側部に続いており、この角度付きのコーナーポスト104は、ベースモジュール100に関して、閉じた底部101と開いた上側側部との間に十分な距離を発生させ、たとえば、
図5および
図19に図示されているように、その上にスタックされた別のベースモジュール100と相互作用することなく、トレイインサート200、300、400のうちの少なくとも1つ、および、その中に提供されたそれぞれの内容物を受け入れることができる。したがって、ベースモジュール100は、同じタイプの別のベースモジュール100の上にスタック可能であり、スタックされたベースモジュール100のそれぞれの中に設けられるトレイインサート200、300、400から独立して、スペースを節約する様式でのベースモジュール100のスタック可能性を結果として生じさせる。互いに重なり合った少なくとも2つのベースモジュール100の間のスタッキング接続を実現するために、それぞれのベースモジュール100の底部101の底部側部は、低減された外周部を備えたステップ部分105を含み、すなわち、ステップ部分105は、幅の狭くなるステップ部分として形成されており、このステップ部分105は、別のベースモジュール100の開口側部の上側縁部の内側側部の中へマッチしており、または、より具体的には、そのようなベースモジュール100の薄壁の角度付きのコーナーポスト104の内側側部の中へマッチしている。したがって、上側ベースモジュール100の底部101の上のステップ部分105は、たとえば、入れ子にすることが可能な様式で、別のベースモジュール100の開口側部の上側縁部の中へスタックされ得る(
図5および
図19を参照)。また、
図5および
図19から推測され得るように、ベースモジュール100の重量低減の他に、それぞれのベースモジュール100のサイドプレート102の中のサイドスロット103は、外側からのそれぞれのトレイインサート200、300、400の内容物の改善された視認性も結果として生じさせ、それは、多目的トレイ20、30、40のハンドリング(たとえば、輸送など)をさらに改善する。
【0048】
[0133]そのうえ、図面のほとんどに示されているように、たとえば、
図1から
図5などに示されているように、ベースモジュール100は、オペレーターによるベースモジュール100の改善された輸送可能性のために、その外周部の上に、すなわち、サイドプレート102の外側に、2つのハンドル106を含み、ハンドル106は、反対側の側壁部の中に、したがって、互いに反対側に設けられており、それぞれのハンドル106は、オペレーターによるベースモジュール100の把持を簡単化する。ハンドル106は、サイドプレート102の内側に一体的な様式で設けられており、すなわち、
図2から推測され得るように、ベースモジュール100の内側の中へ突出するサイドポケットの様式で形成されている。ここで、ハンドル106は、ステップ部分105とは干渉しておらず、したがって、ベースモジュール100のスタック可能性特徴とは干渉していないということが留意されるべきである。そのうえ、ハンドル106の開口側部、すなわち、ハンドル106によって形成されたポケットの開口側部が側部に開いているので、オペレーターは、ベースモジュール100が別のベースモジュール100の上にスタックされているときでも、それぞれのハンドル106の中へ把持することができる(
図5および
図19も参照)。
【0049】
[0134]そのうえ、現在説明されている特定の実施形態のベースモジュール100は、線A-Aに沿った部分的な断面図において
図3の拡大詳細図から推測され得るように、さらなるインターフェースとして、その外周部の上に係合窪み1061を含むことが可能である。ここで、係合窪み1061は、上記に説明されているように、ハンドル105自身のうちの1つによって区別が付かなくされるべきではなく、自動輸送プロセスの過程においてトレイキャリアによるベースモジュール100の改善された輸送可能性のために、とりわけ、自動処理システムのトレイキャリア(または、トレイシャトルなどのようなトレイキャリア器具)のためのそれぞれのハンドル105の内側構造体の内側に設けられている。より詳細には、1つまたは複数の係合窪み1061は、それぞれのハンドル105の中に設けられており、それぞれの係合窪み1061は、それぞれのハンドル105のハンドルポケットの内側に設けられたノッチの形状で形成されている。
【0050】
[0135]
図2に示されているようなベースモジュール100のさらなる特徴として、ベー
スモジュール100は、多目的トレイ20、30、40の内容物、すなわち、多目的トレイ20、30、40のベースモジュール100の中に受け入れられるようなトレイインサート200、300、400の内容物のローディング状況のインディケーションのための回転可能なカラーインジケーター107を含む。ここで、カラーインジケーター107は、ベースモジュール100のコーナーポスト104のうちの1つの中に設けられたそれぞれのスタッドホールの中に配置されている手動で動作可能な回転式インジケーターピンまたはポールの形態で設けられており、スタッドホールは、ベースモジュール100の外側へのビューイングウィンドウ1041を含み、ビューイングウィンドウ1041の中に、それぞれのカラーが示され得、カラーインジケーター107の回転によって変化させられ得る。それぞれのコーナーポスト104の中の孔部の中に埋め込まれている説明されたピンの形態のカラーインジケーター107は、ローターリーノブ1071の形態の作動部分を含む(
図3も参照)。インジケーターポスト107のためのスタッドホールを含むそれぞれのコーナーポスト104は、その上端部に上部窪み1042を示し、その中に、ローターリーノブ1071が回転可能な様式で配置されており、ベースモジュール100のスタック可能性特性を維持するために、ローターリーノブ1071が、コーナーポスト104の上側縁部の上方に延在しないようになっている(
図5を参照)。カラーインジケーター107、そのスタッドホール、および、その上端部における上部窪み1042に起因して、ベースモジュール100のローディング方向は、明確に決定され得る。その理由は、その幾何学形状を参照すると、ベースモジュール100を含むトレイが、また、そのZ枢動軸の周りに180°のターンによって、すなわち、その後端部の上にカラーインジケーター107を備えた状態で、自動処理システムのローディングスロットの中へロードされ得るからである。その理由は、カラーインジケーター107の形態の構造的なマーク、そのスタッドホール、および、その上端部における上部窪み1042が、自動処理システムの光学センサーによって検出可能であり、トレイがローディングスロットのうちの1つの中へ誤って提供されたとしても、それが検出することを可能にする。ここで、以下の状態が、検出され得る:「トレイは利用可能でない」、「トレイは利用可能である」、および「トレイは利用可能である(180°のターンで逆転されたローディング)」。
【0051】
[0136]1つの特定のカラー例として、カラーインジケーター107は、4つの異なるカラーを提供することが可能であり、それは、多目的トレイ20、30が、新しい(すなわち、未処理の)内容物、既に処理された内容物、アーカイブに関して指定された内容物、または、誤った内容物を有するということを示すことが可能であり、ここにおいて、未処理の内容物は、緑色によってカラーコードされ得、既に処理された内容物、または、代替的に誤った内容物は、赤色によってカラーコードされ得る。また、多目的トレイ40が、ローディング状況インディケーションの必要のない内容物を担持しているケースでは、たとえば、トレイインサート400が、消耗し得るチップなど、すなわち、任意の状況を伴わない内容物を担持しているケースでは、いわゆるブラインドプラグが、カラーインジケーター107の代わりに、コーナーポスト104のスタッドホールの中へフィットさせられ得、すなわち、任意の異なるカラーがその上に提供されていないプラグ、たとえば、灰色のプラグなどがフィットさせられ得る。したがって、カラーインジケーターは、望まれる場合には、改善されたユーザーの便宜のために交換され得る。上記に説明されているようなカラーインジケーター107は、異なる種類のサンプルチューブを保持することができるユニバーサルトレイインサート200を使用するときに、または、尿サンプルコンテナトレイ300を使用するときに、とりわけ有用である。他方では、ブラインドプラグは、前述のように、消耗し得るチップを担持するトレイインサート400を使用するときに、合理的である可能性がある。ここで、そのようなブラインドプラグは、カラーインジケーター107と同じ構造的な設計を有することが可能であるが、しかし、その外周部の上に任意のカラーマーキングを有していない。
【0052】
[0137]本発明ベースモジュール100の現在議論されている特定の実施形態のさらなる
態様によれば、ベースモジュール100は、サイドプレート102の外周部の上に2つの書き込み可能な表面108を含むことが可能であり、オペレーターがベースモジュール100に人間が読み取り可能なマーキングを提供するようになっており、望まれる場合には、人間のオペレーターによるベースモジュール100の表面の上のそのようなマーキングの迅速なマーキングおよび消去を可能にし、それぞれの書き込み可能な表面108は、ホワイトボード材料によって、すなわち、拭き取り可能な材料によって実装され得る。そのうえ、ベースモジュール100は、その外周部の上に1つまたはいくつかの識別コード109を有することが可能であり、それは、接着剤ラベルなどであることが可能であり、バーコードによって実装される人間が読み取り可能な機械書き込みまたは機械可読の識別コード109を担持しており、その両方は、
図2に図示されているように、ベースモジュール100のサイドプレート102の上に設けられている。
【0053】
[0138]
図3では、多目的トレイ20が示されており、それは、
図1の左側の説明図と同様に、上記に説明されているベースモジュール100を含み、空のユニバーサルトレイインサート200がその中に挿入された状態になっており、任意のサンプルチューブが、ユニバーサルトレイインサート200の中に配置されていない状態になっている。ここで、ユニバーサルトレイインサート200は、ベースモジュール100の中へ挿入される1つの単一のピースで提供され得るが、ユニバーサルトレイインサート200は、より容易な挿入のために、2つ以上のピースの形態で提供され得るということが留意されるべきである。そのうえ、多目的トレイ20のこの特定の実施形態では、しかし、1つだけの書き込み可能な表面108、しかし、人間が読み取り可能な機械書き込みを担持する2つの識別コード109、および、1つの機械可読識別コード109が、サイドプレート102の外周部の上に設けられている。ベースモジュール100の残りの特徴は、上記に説明されているベースモジュール100と同一であり、すなわち、ベースモジュール100の基本構造は維持されており、外部特徴の適用、すなわち、ベースモジュール100の外側の書き込み可能な表面108または識別コード109の適用は、わずかに変化する。
【0054】
[0139]
図3および
図4から推測され得るように、ユニバーサルトレイインサート200は、その外側縁部の上に8つの円形係合凹部210を含み、その係合凹部210は、ベースモジュール100の突出部110との解放可能なプッシュイン接続の形態のフォームフィット接続を確立しており、すなわち、ベースモジュール100の突出部110は、実矧ぎ型接続の舌部を提供しており、トレイインサート200の係合凹部210は、溝部カウンターパーツを提供している。また、ユニバーサルトレイインサート200全体の円周方向の縁部は、ベースモジュール100のサイドプレート102の内周部にマッチしており、それは、ベースモジュール100とユニバーサルトレイインサート200との間の解放可能なプッシュイン接続をサポートする。そのうえ、とりわけ
図4から推測され得るように(
図4は、異なるビューイング角度から
図3の多目的トレイ20を示している)、基準マーカー220が、ユニバーサルトレイインサート200の上側表面の縁部に設けられており、その基準マーカー220は、ユニバーサルトレイインサート200の中のチューブ受け入れ凹部のそれぞれの明確な割り当てのために使用されており、ユニバーサルトレイインサート200の中のそれぞれのチューブ受け入れ凹部を識別するために、英文字および/または数字から構成されているグリッドの形態で設けられ得る。ここで、
図4に示されている実施形態では、チューブ受け入れ凹部の行を指定する基準マーカー220が、大文字で示されている。しかし、代替例として、基準マーカー220は、また、たとえば、プリンティングによって、または、追加的な接着剤ラベルによって、ベースモジュール100のサイドプレート102の外周部の上に設けられ得る。
【0055】
[0140]現在説明されている特定の実施形態のユニバーサルトレイインサート200の中のチューブ受け入れ凹部の構造体に関して、
図1および
図3から
図5に示されているように、ユニバーサルトレイインサート200の中のチューブ受け入れ凹部アレイとして設け
られるいくつかの異なる種類のチューブ受け入れ凹部が存在しており、それは、
図6に示されているような多目的トレイ20の左側の上面図の詳細から明確に導出され得る。ここで、チューブ受け入れ凹部のアレイは、PreservCytチューブなどのような大きい外径を有するサンプルチューブを受け入れるために、大きい直径を有する第1のグループのチューブ受け入れ凹部201と、SurePathチューブなどのような中間サイズの外径を有するサンプルチューブを受け入れるために、中間サイズの直径(すなわち、チューブ受け入れ凹部201と比較してより小さい直径)を有する第2のグループのチューブ受け入れ凹部202と、PCRチューブなどのような小さい外径を有するサンプルチューブを受け入れるために、小さい直径(すなわち、他のチューブ受け入れ凹部201、202と比較してさらにより小さい直径)を有する第3のグループのチューブ受け入れ凹部203とを含む。明確にするために、
図6に示されているようなユニバーサルトレイインサート200の拡大された詳細では、第1のグループの6つの完全な(すなわち、刈り取られていない)チューブ受け入れ凹部201と、第2のグループの10個の完全なチューブ受け入れ凹部202と、第3のグループの24個の完全なチューブ受け入れ凹部203とが示されている。そのうえ、単に例示目的の理由のためだけに、大きい外径を有する1つの例示的なサンプルチューブ501が、中間位置の左列にある第1のグループのチューブ受け入れ凹部201のうちの1つの中に示され、円形の破線によって示され、基準マーカー220の大文字「C」および「D」の隣に配置されており、中間サイズの直径を有する1つの例示的なサンプルチューブ502が、最上部位置の左列から2番目にある第2のグループのチューブ受け入れ凹部202のうちの1つの中に示され、円形の破線によって示されており、小さい直径を有する1つの例示的なサンプルチューブ503が、左列の中に、説明図の下側から数えて2番目の位置にある第3のグループのチューブ受け入れ凹部203のうちの1つの中に示され、円形の破線によって示され、基準マーカー220の大文字「E」の隣に配置されている。ここで、例示的なサンプルチューブ501、502、503の直径と交差するチューブ受け入れ凹部201、202、203との間の相関関係を示すために、その交差する部分も、知覚性の改善のために、破線の円形様式で示されている。ここで、随意的な特徴として、それぞれのチューブ受け入れ凹部201、202、203の内径は、ある程度のラッシュ(lash)/公差を提供することが可能であり、1つまたはいくつかのラベルをその外周部に設けられたそれぞれのサンプルチューブ501、502、503が、依然としてそれぞれのチューブ受け入れ凹部201、202、203の中へフィットすることができるようになっている。
【0056】
[0141]上記に説明されているように、第1のグループのチューブ受け入れ凹部201のサイズ、第2のグループのチューブ受け入れ凹部202のサイズ、および、第3のグループのチューブ受け入れ凹部203のサイズは、互いに異なっており、すなわち、それらのグループの間の凹部サイズは、互いに異なっている。そのうえ、第1のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201の内周部の輪郭は(それは、大直径サンプルチューブ501の円形の破線と基本的に一致している)、第2のグループの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部202の内周部の輪郭(それは、中間直径サンプルチューブ502の円形の破線と基本的に一致している)と交差している。ここで、チューブ受け入れ凹部内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部内周部の外形が理解されるべきであり、チューブ受け入れ凹部内周部の輪郭または外形は、また、
図6と同様に、上方から見たときに、それぞれのチューブ受け入れ凹部の実質的な断面として識別され得る。しかし、
図6からも推測され得るように、第1のグループおよび第2のグループの両方のチューブ受け入れ凹部201、202の内周部は、連続的になっていない。その理由は、両方のグループのチューブ受け入れ凹部201、202が互いに交差しており、したがって、第1のグループのチューブ受け入れ凹部201のチューブ受け入れ凹部内周部の輪郭と、第2のグループのチューブ受け入れ凹部202の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部202の内周部の輪郭との交差を示すからである。また、第1のグループのチューブ受け入れ凹部201の輪郭と第2のグループのチューブ受け入れ凹部202の輪郭との交差は、輪郭の非接線方向のクロスオーバーを構成しており、それは、第1のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201の内周部の輪郭が、第2のグループの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部202の内周部の輪郭と非接線方向の様式でクロスするということを意味している。チューブ受け入れ凹部201、202のそのような配置は、具体的には、ユニバーサルトレイインサート200の中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するために、2つの異なる直径を有するチューブをユニバーサルトレイインサート200の中へフィットさせる最適化された方式を実現することを支援する。
【0057】
[0142]そのうえ、第1のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201の中心軸線2011は、第2のグループの隣接するチューブ受け入れ凹部202の中心軸線2021に関して偏心した様式で配置されており、それは、チューブ受け入れ凹部201、202の両方のグループの中心軸線2011、2021が互いに一致していないということを意味しており、それは、異なる直径を有するチューブをユニバーサルトレイインサート200の中へフィットさせるすでに説明されている最適化された方式を追加的に実現することを支援するということが留意されるべきである。ここで、それぞれの軸線2011、2021の間の距離は、ロードされるべきそれぞれのサンプルチューブ501、502にしたがって、ユニバーサルトレイインサート200の中へのサンプルチューブ501、502の「間違った」ローディングが可能でないように、または、少なくとも、ローディングの間にオペレーターによって容易に検出され得るように設定されている。そのうえ、第1のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201の深さは、その中に挿入されることとなるそれぞれのサンプルチューブ501、502の長さに応じて、第2のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部202の深さとは異なっていることが可能である。それによって、異なる長さを有するサンプルチューブ501、502が、また、ユニバーサルトレイインサート200によって受け入れられ得、ここにおいて、異なるグループのチューブ受け入れ凹部201、202の深さは、より長い長さを有するサンプルチューブの上部が、より短い長さを有する他のグループのチューブと比較して突出していないかまたはわずかに突出するように選ばれ得る。
【0058】
[0143]すでに上記に説明されているように、多目的トレイ20のユニバーサルトレイインサート200のチューブ受け入れ凹部アレイは、すでに説明されている第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201、202に追加的に、第3のグループのチューブ受け入れ凹部203を含み、ここにおいて、第3のグループのチューブ受け入れ凹部203のうちの少なくとも1つの内周部の輪郭は(それは、小直径サンプルチューブ503の円形の破線と基本的に一致している)、第1および/または第2のグループの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部201、202の内周部の輪郭と交差している。ここで、繰り返しになるが、チューブ受け入れ凹部203の内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部203の内周部の外形が理解されるべきであり、チューブ受け入れ凹部203の内周部の輪郭または外形は、また、上方から見たときに、チューブ受け入れ凹部203の実質的な断面として識別され得る。また、第3のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部203の中心軸線2031は、第1のグループの隣接するチューブ受け入れ凹部201の中心軸線2011に関して、および、第2のグループの隣接するチューブ受け入れ凹部202の中心軸線2021に関して偏心した様式で配置されており、それは、すべてのグループのチューブ受け入れ凹部201、202、203の中心軸線2011、2021、2031が互いに一致していないということを意味している。しかし、チューブ受け入れ凹部203の輪郭に関して、チューブ受け入れ凹部201、202の輪郭とは異なり、チューブ受け入れ凹部203のそれぞれの輪郭は、4つの軸線方向のスロット2032を含み、4つの軸線方向のスロット2032は、常に2つのスロット2032が互いの反対側に配置されている様式で設けられており、すなわち、軸線方向のスロット2032の概してX字形状を結果として生じさせるということが留意されなければならない。軸線方向のスロット2032は、製造理由のために設けられている。
【0059】
[0144]第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201、202に関して上記のそれぞれの観察に加えて、現在説明されている特定の実施形態のすべての3つのグループのチューブ受け入れ凹部201、202、203の内周部は、連続的になっておらず、すべてのグループのチューブ受け入れ凹部201、202、203は、上方から見たときに、互いに交差していることが可能であり、したがって、第1のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201の内周部の輪郭と、第2のグループの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部202の内周部の輪郭との、また、第3のグループの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部203の内周部の輪郭との交差を示す。これは、異なる直径を有するチューブをユニバーサルトレイインサート200の中へフィットさせるすでに説明されている最適化された方式を実現することを追加的に支援する。さらに、それぞれの軸線2011、2021、2031の間の距離は、ロードされるべきそれぞれのサンプルチューブ501、502、503にしたがって、ユニバーサルトレイインサート200の中へのサンプルチューブ501、502、503の「間違った」ローディングが可能でないように、または、少なくとも、ローディングの間にオペレーターによって容易に検出され得るように設定されている。異なるサイズを有するチューブ受け入れ凹部201、202、203のそのような特定の構造体によって、ユニバーサルトレイインサート200の設計は、それが3つの異なるコンテナ形状またはサイズのサンプルチューブ201、202、203を受け入れることができるという点において、さらに改善され得、繰り返しになるが、より大きいコンテナよりも、より小さいコンテナをより近くに融合することが可能になる。したがって、3つの異なる直径を有する3つの異なるタイプのサンプルチューブ501、502、503が、ユニバーサルトレイインサートの中にフィットすることが可能であり、したがって、ユニバーサルトレイインサート200の中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するために、常に最適化された方式で、それぞれの多目的トレイの中にフィットすることが可能である。たとえば、3つの異なるサンプルチューブタイプのうちの1つだけが、現在説明されている設計のユニバーサルトレイインサート200の中へロードされるケースでは、PreservCytチューブなどのような大きい直径を有する21ピースのサンプルチューブ501、SurePathチューブなどのような中間サイズの直径を有する32ピースのサンプルチューブ502、または、PCRチューブなどのような小さい直径を有する78ピースのサンプルチューブ503をロードすることが可能になる。したがって、現在説明されている特定の実施形態のユニバーサルトレイインサート200は、ロードされたサンプルチューブ501、502、503の組成に応じて、同じタイプのまたは異なるタイプの21個から78個の間のサンプルチューブを混合された様式で受け入れることが可能である。
【0060】
[0145]第3のグループのチューブ受け入れ凹部203の深さに関して、同じものが、第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201、202のうちの1つまたはいくつかの底部の中に部分的に提供され、それは、第3のグループのチューブ受け入れ凹部203の深さが、第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201、202の深さよりも深いということを意味しているということが留意されなければならない。これは、
図3および
図4からも推測され得る。すべてのグループのチューブ受け入れ凹部201、202、203の異なる深さ、異なるサイズ、および偏心した配置に基づいて、ユニバーサルトレイインサート200は、ブラケット204を含み、ブラケット204は、ユニバーサルトレイインサート200の底部から突出しており、チューブ受け入れ凹部201、202、203を取り囲み、このブラケット204は、完全に形状決めされているときに、すなわち、ユニバーサルトレイインサート200の縁部に設けられるのではなく、むしろ、中間に設けられるときに、大文字「H」の形態の実質的な形状を示す。
【0061】
[0146]ユニバーサルトレイインサート200の上記に説明されている構造体によって、異なる直径を有する異なるタイプのサンプルチューブ501、502、503が、ユニバ
ーサルトレイインサート200の中にフィットすることが可能であり、したがって、ユニバーサルトレイインサート200の中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するために、常に最適化された方式で、それぞれの多目的トレイ20の中にフィットすることが可能である(
図7から
図10も参照)。ここで、
図7から
図10に示されているような例として、PreservCytチューブなどのような6つの大直径サンプルチューブ501、SurePathチューブなどのような12個の中間直径サンプルチューブ502、および、PCRチューブなどのような36個の小直径サンプルチューブ503が、混合された様式で、多目的トレイ20のユニバーサルトレイインサート200の中へロードされている。
【0062】
[0147]しかし、ユニバーサルトレイインサート200は、また、1つの単一のタイプのサンプルコンテナのみによって充填され得る。ここで、多目的トレイ20の現在説明されている実施形態のユニバーサルトレイインサート200の上記に説明されている構造体によって、および、
図11および
図12に示されているように、大きい直径を有するサンプルチューブ502だけが、最適化された方式でユニバーサルトレイインサート200の中へロードされるケースでは、最大で21個の大直径サンプルチューブ501(たとえば、PreservCytチューブなど)が、ユニバーサルトレイ200の中にフィットすることが可能である。そのうえ、
図13および
図14に示されているように、中間サイズの直径を有するサンプルチューブ502だけが、最適化された方式でユニバーサルトレイインサート200の中へロードされるケースでは、最大で32個の中間サイズの直径サンプルチューブ502(たとえば、SurePathチューブなど)が、ユニバーサルトレイ200の中にフィットすることが可能である。最後に、
図15および
図16に示されているように、小さい直径を有するサンプルチューブ503だけが、最適化された方式でユニバーサルトレイインサート200の中へロードされるケースでは、最大で78個の小直径サンプルチューブ502(たとえば、PCRチューブなど)が、ユニバーサルトレイ200の中にフィットすることが可能である。そのうえ、たとえば、
図16からも推測され得るように、ユニバーサルトレイインサート200は、カラーインジケーター溝部230を含み、カラーインジケーター溝部230は、カラーインジケーター107を含むベースモジュール100のコーナーポスト104のうちの1つの中のスタッドホールに必要とされるスペースを省くために設けられている。ここで、ユニバーサルトレイインサート200の反対側のコーナーには、別のカラーインジケーター溝部230が設けられており、それは、どのようにユニバーサルトレイインサート200がベースモジュール100の内側側部の中へ実際に挿入されるかということを無関係にする。その理由は、それが180°方向を変えた様式でも挿入され得るからである。
【0063】
[0148]
図17では、代替的な多目的トレイ20’が、
図6の部分的に示されている多目的トレイ20の図示と同様に、上面図で完全に示されており、上記に説明されているベースモジュール100を含み、代替的な空のユニバーサルトレイインサート200’がその中に挿入された状態になっており、任意のサンプルチューブが代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中に配置されていない状態になっている。ここで、ユニバーサルトレイインサート200’は、ベースモジュール100の中へ挿入される1つの単一のピースで提供され得るが、ユニバーサルトレイインサート200’は、より容易な挿入のために、2つ以上のピースの形態でも提供され得、そのピースは、互いに取り付けられ得るということが留意されるべきである。
図17のベースモジュール100の残りの特徴は、上記に説明されているベースモジュール100と同一であり、すなわち、ベースモジュール100の基本構造は維持されており、外部特徴の適用、すなわち、ベースモジュール10の外側の書き込み可能な表面108または識別コード109の適用は、変化することが可能である。たとえば、ベースモジュール100の中に、磁石が設けられ得、たとえば、ベースモジュール100の底部101の中に埋め込まれ得、たとえば、トレイキャリア器具、たとえば、トレイシャトルなどの、トレイ20’をハンドリングする自動処理システムは、ホールセンサーを含むことが可能であり、ホールセンサーは、磁石がセンサーに接近するとすぐに、すなわち、トレイ20’がロードされるとすぐに、その状態を変化させる。それによって、自動処理システムは、ロードされたトレイ20’の存在を認めることが可能である。
【0064】
[0149]
図17からさらに推測され得るように、代替的なユニバーサルトレイインサート200’は、また、円形係合凹部を含み、円形係合凹部は、ベースモジュール100の突出部110との解放可能なプッシュイン接続の形態の接続を確立する。また、以前に説明された多目的トレイ20と同様に、
図17の代替的な多目的トレイ20’は、基準マーカー220’を含み、基準マーカー220’は、ユニバーサルトレイインサート200’の上側表面の縁部に設けられており、その基準マーカー220’は、ユニバーサルトレイインサート200’の中のチューブ受け入れ凹部のそれぞれの明確な割り当てのために使用されており、ユニバーサルトレイインサート200’の中のそれぞれのチューブ受け入れ凹部を識別するために、英文字および/または数字から構成されているグリッドの形態で設けられ得る。ここで、
図17に示されている代替的な実施形態では、チューブ受け入れ凹部の行を指定する基準マーカー220’が、大文字AからIで示されている。
【0065】
[0150]現在説明されている代替的な実施形態の代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中のチューブ受け入れ凹部の構造体に関して、代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中のチューブ受け入れ凹部アレイとして設けられるいくつかの異なる種類のチューブ受け入れ凹部が存在しており、代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中のチューブ受け入れ凹部アレイは、ユニバーサルトレイインサート200の中のチューブ受け入れ凹部アレイとは異なっている。とりわけ、チューブ受け入れ凹部のアレイは、PreservCytチューブなどのような大きい外径を有するサンプルチューブを受け入れるために、大きい直径を有する第1のグループのチューブ受け入れ凹部201’と、SurePathチューブなどのような中間サイズの外径を有するサンプルチューブを受け入れるために、中間サイズの直径(すなわち、チューブ受け入れ凹部201’と比較してより小さい直径)を有する第2のグループのチューブ受け入れ凹部202’と、PCRチューブなどのような小さい外径を有するサンプルチューブを受け入れるために、小さい直径(すなわち、他のチューブ受け入れ凹部201’、202’と比較してさらにより小さい直径)を有する第3のグループのチューブ受け入れ凹部203’とを含む。上記に説明されているように、第1のグループのチューブ受け入れ凹部201’のサイズ、第2のグループのチューブ受け入れ凹部202’のサイズ、および、第3のグループのチューブ受け入れ凹部203’のサイズは、互いに異なっており、すなわち、それらのグループの間の凹部サイズは、互いに異なっている。そのうえ、第1のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201’の内周部の輪郭は、第2のグループの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部202’の内周部の輪郭と交差している。ここで、チューブ受け入れ凹部内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部内周部の外形が理解されるべきであり、チューブ受け入れ凹部内周部の輪郭または外形は、また、上方から見たときに、それぞれのチューブ受け入れ凹部の実質的な断面として識別され得る。しかし、
図17からも推測され得るように、第1のグループおよび第2のグループの両方のチューブ受け入れ凹部201’、202’の内周部は、連続的になっていない。その理由は、両方のグループのチューブ受け入れ凹部201’、202’が互いに交差しており、したがって、第1のグループのチューブ受け入れ凹部201’のチューブ受け入れ凹部内周部の輪郭と、第2のグループのチューブ受け入れ凹部202’の少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部202’の内周部の輪郭との交差を示すからである。また、第1のグループのチューブ受け入れ凹部201’の輪郭と第2のグループのチューブ受け入れ凹部202’の輪郭との交差は、輪郭の非接線方向のクロスオーバーを構成しており、それは、第1のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部201’の内周部の輪郭が、第2のグループの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部202’の内周部の輪郭と非接線方向の様式でクロスするということを意味している。チューブ受け入れ凹部201’、202’のそのような配置は、具体的には、ユニバーサルトレイインサート200’の中へ挿入され得る受け入れ可能なチューブ数の増加を実現するために、2つの異なる直径を有するチューブを代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中へフィットさせるさらなる最適化された方式を実現することを支援する。ここで、ユニバーサルトレイインサート200’の代替的な実施形態を考慮して、さらなる利点を実現するために、凹部201’、202’、および203’の異なる分配が選ばれたということが指摘され、すなわち、より多くのスペースが、サンプルチューブグリッパーなどのフィンガーのために設けられており、それがチューブをより良好にグリップすることができるようになっており、チューブは、さらに下でグリップされること、すなわち、それぞれのサンプルチューブの外側の下側位置でグリップされることを必要とするということが指摘される。
【0066】
[0151]すでに上記に説明されているように、代替的な多目的トレイ20’の代替的なユニバーサルトレイインサート200’のチューブ受け入れ凹部アレイは、すでに説明されている第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201’、202’に加えて、第3のグループのチューブ受け入れ凹部203’を追加的に含み、ここにおいて、第3のグループのチューブ受け入れ凹部203’のうちの少なくとも1つの内周部の輪郭は、第1および/または第2のグループの少なくとも1つの隣接するチューブ受け入れ凹部201’、202’の内周部の輪郭と交差することが可能である。ここで、繰り返しになるが、チューブ受け入れ凹部203’の内周部の輪郭として、チューブ受け入れ凹部203’の内周部の外形が理解されるべきであり、チューブ受け入れ凹部203’の内周部の輪郭または外形は、また、上方から見たときに、チューブ受け入れ凹部203’の実質的な断面として識別され得る。
図17から推測され得るように、チューブ受け入れ凹部203’のそれぞれの中に、チューブスプリング205’が設けられ、12mmまたは14mmの断面を有するチューブなどのような、さらにより小さい断面を有するチューブをしっかりと保持することができるようになっており、本実施形態では、それぞれのチューブ受け入れ凹部203’は、例示的な数の3つのチューブスプリング205’を示しており、凹部203’の中の中心の様式で、さらにより小さい断面を有するチューブをしっかりと保持することができるようになっている。当然のことながら、チューブスプリング205’の数は、さらにより小さい断面を有するチューブが中心の様式で保持され得る限りにおいて、異なっていることも可能である。ここで、チューブスプリング205’は、チューブ受け入れ凹部203’の内周部の中へ少なくとも部分的に挿入され、単にチューブスプリング205’のチューブ接触部がそこから突出するようになっている。また、第3のグループのそれぞれのチューブ受け入れ凹部203’の中心軸線は、繰り返しになるが、以前に説明されたユニバーサルトレイインサート200と同様に、第1のグループの隣接するチューブ受け入れ凹部201’の中心軸線に関して、および、第2のグループの隣接するチューブ受け入れ凹部202’の中心軸線に関して、偏心した様式で配置されており、それは、すべてのグループのチューブ受け入れ凹部201’、202’、203’の中心軸線が互いに一致していないということを意味している。したがって、3つの異なる直径を有する3つの異なるタイプのサンプルチューブ501、502、503が、また、代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中にフィットすることが可能であり、したがって、代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中へ挿入され得る受け入れ可能で把持可能なチューブ数の増加を実現するために、常に具体的に最適化された方式で、とりわけ、それぞれのチューブの改善されたグリッピングのために最適化された方式で、それぞれの代替的な多目的トレイ20’の中にフィットすることが可能である。たとえば、3つの異なるサンプルチューブタイプのうちの1つだけが、
図17に示されているような現在説明されている設計の代替的なユニバーサルトレイインサート200’の中へロードされるケースでは、PreservCytチューブなどのような大きい直径を有する20ピースのサンプルチューブ501、SurePathチューブなどのような中間サイズの直径を有する20ピースのサンプルチューブ502、または、PCRチューブなどのような小さい直径を有する62ピースのサンプルチューブ503をロードすることが可能になる。したがって、現在説明されている代替的な実施形態の代替的なユニバーサルトレイインサート200’は、ロードされたサンプルチューブ501、502、503の組成に応じて、同じタイプのまたは異なるタイプの20個から62個の間のサンプルチューブを混合された様式で受け入れることが可能である。
【0067】
[0152]第3のグループのチューブ受け入れ凹部203’の深さに関して、同じものが、第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201’、202’のうちの1つまたはいくつかの底部の中に部分的に提供され、それは、第3のグループのチューブ受け入れ凹部203’の深さが、前に説明されたようなユニバーサルトレイインサート200の実施形態と同様に、第1および第2のグループのチューブ受け入れ凹部201’、202’の深さよりも深いということを意味しているということが留意されなければならない。しかし、前に説明されたようなユニバーサルトレイインサート200の実施形態とは対照的に、現在説明されている代替的な実施形態の代替的なユニバーサルトレイインサート200’は、ユニバーサルトレイインサート200’のすでに述べられた上側表面を含み、それは、基準マーカー220’を示しており、そこでは、異なるチューブ受け入れ凹部201’、202’、203’が、ベースモジュール100の底部101に向けて、ユニバーサルトレイインサート200’の上側表面の中へ設けられている。それによって、チューブ受け入れ凹部201’、202’、203’の異なる深さ、異なるサイズ、および、偏心した配置が確立され、ユニバーサルトレイインサート200’のチューブ受け入れ凹部201’、202’、203’の配置は、ユニバーサルトレイインサート200のブラケット204の代わりに、上側表面の外周部、および、分割バーまたは分割ブリッジ204’の形態の2つの接続エレメントを結果として生じさせる。したがって、突出するブラケット204を備えた特定の表面構造は、ユニバーサルトレイインサート200’の中で省略され、当然のことながら、凹部201’、202’、203’を除いて、ユニバーサルトレイインサート200’の滑らかで実質的に連続的な上側表面を結果として生じさせ、本ケースでは、スペースの改善された利用のために、追加的な独立したチューブ凹部203’が、ユニバーサルトレイインサート200’の上側表面の中へ設けられており、説明図の左側の2つの追加的な独立したチューブ凹部203’の形態で、
図17に例示的に示されている。
【0068】
[0153]
図18では、代替的な特定の実施形態として、
図1の中間位置に示されているような多目的トレイ30が示されており、それは、
図2に示されているようなベースモジュール100を含み、ベースモジュール100は、以前に説明されたユニバーサルトレイインサート200、200’との相関関係で使用されるようなものであり、尿サンプルコンテナのための尿サンプルトレイインサート300が、ベースモジュール100の中に挿入され、任意の尿サンプルコンテナが尿サンプルトレイインサート300の中に配置されていない状態になっている。ここで、同一の特徴の説明の繰り返しを回避するために、以前に説明された特定の実施形態に対する差だけが説明されている。とりわけ、ベースモジュール100は、
図1から
図17の図に説明されているようなベースモジュール100と同一である。上記に説明されているようなユニバーサルトレイインサート200、200’と同様に、尿サンプルトレイインサート300は、同じ実矧ぎ型接続によって、ベースモジュール100の中へ挿入され、尿サンプルトレイインサート300は、2等分された様式で示されており、すなわち、尿サンプルトレイインサート300は、2つの半分体から構成されており、2つの半分体は、両方とも同一であり、ベースモジュール100の中へ挿入される(縁部におけるカラーインジケーター溝部も参照)。尿サンプルトレイインサート300は、20個の尿サンプルコンテナ601のための尿サンプルコンテナ凹部301を提供しており(
図19も参照)、
図19では、2つの多目的トレイ30が互いに重なり合ってスタックされている。ここで、繰り返しになるが、コーナーポスト104は、ベースモジュール100に関して、閉じた底部101と開いた上側側部との間に十分な距離を発生させ、その上にスタックされた他のベースモジュール100と相互作用することなく、尿サンプルトレイインサート300、および、その中に提供されたそれぞれの尿サンプルコンテナ601を受け入れることができる。
【0069】
[0154]
図20では、さらに代替的な特定の実施形態として、
図1の右側に配置されているような多目的トレイ40が示されており、それは、
図2に示されているようなベースモジュール100を含み、ベースモジュール100は、以前に説明されたユニバーサルトレイインサート200、200’、300との相関関係で使用されるようなものであり、ベースモジュール100の中には、4つのチップラック410がその中に挿入された状態のチップラックトレイインサート400が示されており、1つの消耗し得るピペットチップ701が、例示的な内容物として、チップラックトレイインサート400のチップラックのうちの1つの中のチップラックホール401またはチップラック開口部の中に配置されている。ここで、同一の特徴の説明の繰り返しを回避するために、以前に説明された特定の実施形態に対する差だけが説明されている。とりわけ、ベースモジュール100は、
図1から
図19の図に説明されているようなベースモジュール100と同一である。上記に説明されているようなユニバーサルトレイインサート200、200’および尿サンプルトレイインサート300とは対照的に、チップラックトレイインサート400は、過度に長いピペットチップに起因して、実矧ぎ型接続によって、ベースモジュール100の中へ挿入されない。しかし、チップラックトレイインサート400は、プラグコネクター420を含み、プラグコネクター420は、チップラックトレイインサート400の底部の上に設けられており、このプラグコネクター420は、下向きに突出するピンの形態で実装され、その下側端部に低減された直径を有する一部分を備えている。ここで、プラグコネクター410の低減された直径部分は、突出部104の中心孔の中へ除去可能に挿入され得、すなわち、除去可能に差し込まれ得、この孔は、ベースモジュール100の開口側部に開口しており、この孔は、プラグコネクター420を受け入れるために設けられており、それによって、上記に述べられているようなプッシュイン接続を確立し、それは、再び取り外され得る。さらに、4つのチップラック410は、スナップフィット接続などによって、上方からチップラックトレイインサート400の中へ挿入される。それぞれのチップラック410は、96個のチップラックホール401を提供し、384個の消耗し得るピペットチップのチップラックトレイインサート400の全体的なローディング容量を結果として生じさせる。さらに、
図20に示されているように、それぞれのチップラック410は、チップラックトレイインサート400の1つの側部にバーコード411を含み、同様に、チップラックトレイインサート400の上にマークを含み、それにしたがって、オペレーターは、チップラック410をロードしなければならない。
【0070】
[0155]前述のように、それぞれのチューブ受け入れ凹部201、201’、202、202’、203、203’が、保持されることとなるサンプルチューブの外径よりも大きい内径を有しているケースでは、チューブ受け入れ凹部201、201’、202、202’、203、203’のうちの1つの内側に、より小さいサンプルチューブをセンタリングおよび保持するために、センタリングスプリング800が、たとえば、チューブ受け入れ凹部201、201’、202、202’、203、203’のうちの少なくとも1つの内側に設けられ得る。したがって、センタリングスプリング800は上記に述べられているチューブスプリング205’と同様の機能を有している。したがって、そのようなセンタリングスプリング800は、ユニバーサルトレイインサート200、200’のユニバーサル特性をさらに改善することが可能である。その理由は、ユニバーサルトレイインサート200、200’が、より多くの複数の異なる種類のサンプルチューブ(すなわち、異なってサイズ決めされた3つのサンプルチューブ501、502、503を超える)に関してユニバーサルに使用され得るからである。ここで、特定の例として、センタリングスプリング800は、スプリングスチールから作製されており、また、それぞれのチューブ受け入れ凹部201、201’、202、202’、203、203’の内側への取り付けのための実質的に円形のまたは六角形の中間パーツ810と、中間パーツ810のそれぞれの側に長手方向の様式で中間パーツ810から離れるように突出する3つのクランプアーム820とを含み、それぞれのクランプアーム820は、保持されることとなるサンプルチューブに接触するために、その端部において内向きに突出するニブ830を含み、それによって、センタリングスプリング800自身と同軸の様式で、すなわち、それぞれのチューブ受け入れ凹部201、201’、202、202’、203、203’と同軸の様式で、クランプされた様式でそれを保持およびセンタリングする。ニブ830は、保持されることとなるサンプルチューブとの接触ポイントとして、内向きに方向付けられた尖った端部831を備えたV字形状で形成されており、少なくとも3つのクランプアーム820が、中間パーツ810のそれぞれの側に設けられているので、3ポイントスプリング支持が、センタリングスプリング800によって実現され、センタリングスプリング800の内側でのサンプルチューブのセンタリングおよび保持を可能にする。
【0071】
[0156]上記に加えて、分析器のために使用されることとなる多目的トレイのさらなる特定の実施形態として、および、ベースモジュール100が1x4SBS(society
of biomolecular screening=マイクロプレートサイズに関する規格)のサイズを示す可能性があるという事実に起因して、さらなる処理のための空のマイクロウェルプレートを備えたインサートが、ベースモジュール100の中へ挿入され得る。そのうえ、試薬を担持するためのインサートが、また、たとえば、チップラック410の代わりにチップラックトレイインサート400の中に提供される4MGP(磁気ガラス粒子)カセットの形態で考えられ得る。
【0072】
[0157]本発明の特定の実施形態によれば、オペレーターによる自動処理システムの中への/からの多目的トレイの簡単化されたローディング/アンローディングの方法が、
図22に示されている。さらに、自動処理システムの例示的なローディング/アンローディングステーション10が、
図23に示されており、
図23のローディングスロット12およびアンローディングスロット13の配置が、より特定の実施形態において、
図24に示されている。自動処理システムのローディング/アンローディングステーション10は、望まれる場合には、ローディングスロット12およびアンローディングスロット13をカバーするためのフラップドア11を含むことが可能であり、
図23のアンローディングスロット13のうちの1つに図示されているように、ロードされた多目的トレイの任意の外乱、または、アンロードされることとなる多目的トレイの任意の外乱も回避するようになっている。ここで、そのような多目的トレイは、詳細に上記に説明されているような多目的トレイ20、20’30、40のうちの1つであることが可能であり、または、代替的に、そのベースモジュール100の中に挿入される任意の種類のトレイインサートを有する別の種類の多目的トレイであることが可能であり、多目的トレイの構造に関してその文脈において述べられている技術的特徴は、また、本発明の方法に適用し、したがって、この時点において繰り返されない。さらなる詳細では、方法は、以下のステップを含み、それらは、
図22のフローチャートに沿って以下の順序で配置され得る。
【0073】
[0158]決定ステップ910:ローディングスロット12の中へロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40が優先的な内容物を含有するかどうかを決定する。
【0074】
[0159]実行ステップ920:決定ステップ910における決定が、ローディングスロット12の中へロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40が優先的な内容物を含有するということを結果として生じさせるケースでは、オペレーターによって、自動処理システムの優先ローディングスロット121の中へ多目的トレイ20、20’、30、40をロードする。
【0075】
[0160]実行ステップ930:決定ステップ910における決定が、ローディングスロット12の中へロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40が優先的な内容物を含有していないということを結果として生じさせるケースでは、オペレーターによって、自動処理システムの優先ローディングスロット121以外の任意のローディングスロット12の中へ多目的トレイ20、20’、30、40をロードする。
【0076】
[0161]実行ステップ940:自動処理システムの実験室器具によって、ロードされた多目的トレイ20、20’、30、40の内容物を処理する。
[0162]実行ステップ950:オペレーターによって、自動処理システムのアンローディングスロット13から、または、エラーアウト(error-out)アンローディングスロット131から、多目的トレイ20、20’、30、40をアンロードする。
【0077】
[0163]実行ステップ940に関して、すなわち、自動処理システムの実験室器具によって、ロードされた多目的トレイ20、20’、30、40の内容物を処理するステップに関して、自動処理システムは、オペレーターと自動処理システムのソフトウェアとの間の相互作用なしにローディングスロット12のうちの1つの中へロードされた多目的トレイ20、20’、30、40の内容物を認識するセンサーを含み、すなわち、自動処理システムは、読み取り(たとえば、多目的トレイ20、20’、30、40のベースモジュール100の上に設けられる機械可読識別コード109)に基づいて、センサー(たとえば、光学センサーまたはRFIDセンサーなど)によって、ロードされた多目的トレイ20、20’、30、40およびその内容物を自動的に認識することができる。したがって、自動処理システムは、たとえば、ユーザーインターフェースによって、オペレーターが多目的トレイ20、20’、30、40の内容物に関してデータ入力する必要なしに、自動処理システムの内側の実験室器具によって自動的に実施されることとなる必要なまたは所望の処理ステップを識別することができる。
【0078】
[0164]実行ステップ950に関して、自動処理システムの任意のアンローディングスロット13からアンロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40は、多目的トレイ20、20’、30、40のフォーマットまたは内容物に関して、オペレーターと自動処理システムのソフトウェアとの間の相互作用なしに、オペレーターによってそれぞれのアンローディングスロット13からアンロードされ得、すなわち、自動処理システムは、たとえば、ユーザーインターフェースによって、アンローディングスロット13のいずれかからアンロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40についてのデータを、自動処理システムがオペレーターに提供する必要なしに、多目的トレイ20、20’、30、40のアンローディングを可能にする。しかし、一般に、自動処理システムのアンローディングスロット13のいずれかからアンロードされることとなる任意の多目的トレイ20、20’、30、40は、オペレーターと自動処理システムのソフトウェアとの間の相互作用によって、オペレーターによってアンロードされることだけが可能であり、すなわち、自動処理システムは、たとえば、ユーザーインターフェースによるオペレーターからシステムへのそれぞれの入力のみによって、多目的トレイ20、20’、30、40のアンローディングを可能にする。したがって、オペレーターとソフトウェアとの間の相互作用なしに、多目的トレイ20、20’、30、40を手動でアンロードすることは可能でない。「アンローディング」がタッチスクリーンなどのようなユーザーインターフェースの上で活性化されるときのみ、多目的トレイ20、20’、30、40はアンロードされ得、すなわち、タッチスクリーンの上の「アンロック」ボタンが活性化されたときに、多目的トレイ20、20’、30、40は、たとえば、ローディング/アンローディングステーション10のフラップドア11を押し開けることによって、外側に自動的に提供される。
【0079】
[0165]一般に、自動処理システムは、オペレーターとの相互作用のために、および、自
動処理システムの内側のワークフローを制御するために、アプリケーションソフトウェアを実施する制御ユニットを含むことが可能である。さらに、自動処理システムは、クリアランスの前に、たとえば、それぞれの多目的トレイ20、20’、30、40が依然として処理ステップ940のプロセスにある間に、アンローディングスロット13からの多目的トレイ20、20’、30、40のアンローディングを防止するために任意のアンローディングスロット13をロックすることが可能である。したがって、多目的トレイ20、20’、30、40が処理状態にある間に、自動処理システムは、たとえば手動ロックによるそれぞれのアンローディングスロット13からの多目的トレイ20、20’、30、40の手動除去を防止する。代替的にまたは追加的に、自動処理システムは、たとえば、それぞれのスロット12、13に関するローディング/アンローディング許可またはローディング/アンローディング禁止の状況を示す、LCDディスプレイなどの形態で、それぞれのスロットに関するローディング/アンローディング状況インジケーターを含むことが可能である。ここで、ローディング/アンローディング状況インディケーションは、例として、以下のサインによって与えられ得る。
【0080】
[0166]表示されたサイン:↑(緑色);意味:多目的トレイ20、20’、30、40をロードする;タスク:多目的トレイ20、20’、30、40がオペレーターによってロードされ得る。
【0081】
[0167]表示されたサイン:↓(緑色);意味:多目的トレイ20、20’、30、40をアンロードする;タスク:多目的トレイ20、20’、30、40がオペレーターによってアンロードされ得る。
【0082】
[0168]表示されたサイン:↓(赤色);意味;多目的トレイ20、20’、30、40をアンロードする(バッファーがこれ以上の容量を有していない);タスク:多目的トレイ20、20’、30、40がオペレーターによってロードされなければならない。
【0083】
[0169]表示されたサイン:
【0084】
【0085】
;意味;ローディングスロット12および/またはアンローディングスロット13がロックされている;タスク:オペレーターに関するタスクはない。
[0170]したがって、現在説明されている方法は、自動処理システムの中へサンプルおよび使い捨て品をロードするユーザーに好都合の方式を提供し、オペレーターは、多目的トレイ20、20’、30、40が自動処理システムの中へロードされなければならないたびに、ロードされることとなる多目的トレイ20、20’、30、40の内容物のフォーマットにマッチするローディングスロットを識別することを必要とすることなく、ローディングスロット12のうちのいずれか1つの中への供給物および/またはサンプルを含む多目的トレイ20、20’、30、40をロードすることが可能である。
【0086】
[0171]現在説明されている方法では、自動処理システムのローディング/アンローディングステーション10は、とりわけ、自動処理システムの外側と内側との間のトレイインターフェースとして、8つのローディング/アンローディングスロット12、13を装備しており、スロット12、13は、スロット12、13の2行の中に配置されており、4つのローディングスロット12が上部にあり、4つのアンローディングスロット13が底部にある。ここで、
図24に図示されているように、右側にあるローディングスロット12は、優先ローディングスロット121となるように指定され得、自動処理システムは、優先的な内容物が優先ローディングスロット121の中へロードされた状態の多目的トレイ20、20’、30、40を優先することによって、処理ステップ940を実施する。
【0087】
[0172]オペレーターによって、自動処理システムのアンローディングスロット13から、または、エラーアウトアンローディングスロット131から、多目的トレイ20、20’、30、40をアンロードする実行ステップ950に関して、異なる内容物を備えた異なる種類の多目的トレイ20、20’、30、40が、アンローディングスロット13からアンロードされ得る。しかし、アンローディングスロット13のうちの1つは、アンローディングサンプルエラートレイのためのアンローディングスロット、すなわち、エラーアウトアンローディングスロット131であると指定され得、ある種類のエラー(たとえば、読み取り不可能なラベルなど)を示す(または、また、誤りのあるサンプルのケースである)ことが自動処理システムによって識別されたサンプルチューブを備えた多目的トレイ20、20’、30、40が、エラーアウトアンローディングスロット131からアンロードされることとなる。したがって、多目的トレイ20、20’、30、40をアンロードする実行ステップ950は、エラーアウトアンローディングスロット131の形態の所定のアンローディングスロットからの所定の内容物を伴う多目的トレイ20、20’、30、40のアンローディングを含むことが可能であり、所定の内容物は、誤りのあるサンプルを伴うコンテナであることが可能である。
【0088】
[0173]本発明はその特定の実施形態に関して説明されてきたが、この説明は、単に例示目的のためだけのものに過ぎないということが理解されるべきである。したがって、本発明は添付されている特許請求の範囲のみによって限定されるべきであるということが意図されている。さまざまな刊行物が本明細書で引用されており、その開示は、それらの全体が参照により組み込まれている。
【符号の説明】
【0089】
[067]10 ローディング/アンローディングステーション
[068]11 フラップドア
[069]12 ローディングスロット
[070]121 優先的なローディングスロット
[071]13 アンローディングスロット
[072]131 エラーアウトアンローディングスロット
[073]20 異なるサンプルチューブのための多目的トレイ
[074]20’ 異なるサンプルチューブのための代替的な多目的トレイ
[075]30 尿サンプルコンテナのための多目的トレイ
[076]40 使い捨てのピペットチップのための多目的トレイ
[077]100 ベースモジュール
[078]101 閉じた底部
[079]102 サイドプレート
[080]103 サイドスロット/ウィンドウ
[081]104 コーナーポスト
[082]1041 コーナーポストウィンドウ
[083]1042 上部窪み
[084]105 ステップ部分
[085]106 ハンドル
[086]1061 係合窪み
[087]107 カラーインジケーター
[088]1071 ローターリーノブ
[089]108 書き込み可能な表面
[090]109 識別コード
[091]110 係合突出部
[092]200 ユニバーサルトレイインサート
[093]201 大直径チューブ受け入れ凹部
[094]201’ 大直径チューブ受け入れ凹部
[095]2011 大直径チューブ受け入れ凹部中心軸線
[096]202 中間直径チューブ受け入れ凹部
[097]202’ 中間直径チューブ受け入れ凹部
[098]2021 中間直径チューブ受け入れ凹部中心軸線
[099]203 小直径チューブ受け入れ凹部
[0100]203’ 小直径チューブ受け入れ凹部
[0101]2031 小直径チューブ受け入れ凹部中心軸線
[0102]204 ブラケット
[0103]204’ 凹部分割ブリッジ/バー
[0104]205’ チューブスプリング
[0105]210 係合凹部
[0106]220 基準マーカー
[0107]220’ 基準マーカー
[0108]230 カラーインジケーター溝部
[0109]300 尿サンプルトレイインサート
[0110]301 尿サンプルコンテナ凹部
[0111]400 チップラックトレイインサート
[0112]401 ピペットチップホール
[0113]410 ピペットチップラック
[0114]420 プラグコネクター
[0115]501 大直径サンプルチューブ
[0116]502 中間直径サンプルチューブ
[0117]503 小直径サンプルチューブ
[0118]601 尿サンプルコンテナ
[0119]701 ピペットチップ
[0120]800 センタリングスプリング
[0121]810 センタリングスプリング中間パーツ
[0122]820 クランプアーム
[0123]830 ニブ
[0124]831 尖ったニブ端部
[0125]910 決定ステップ
[0126]920 実行ステップ
[0127]930 実行ステップ
[0128]940 実行ステップ
[0129]950 実行ステップ