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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】留め具
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20240418BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20240418BHJP
   G01P 15/18 20130101ALI20240418BHJP
【FI】
A61B5/11 200
A44B99/00 611A
G01P15/18
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022508176
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(86)【国際出願番号】 JP2021007644
(87)【国際公開番号】W WO2021187067
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2020045056
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519120950
【氏名又は名称】icuco株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 陽一
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3141422(JP,U)
【文献】特開2014-129104(JP,A)
【文献】特開2019-123557(JP,A)
【文献】特開2017-149452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/11
A44B 99/00
G01P 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部から延伸する弾性屈曲が可能なアジャスター部と、
前記本体部と前記アジャスター部を介して連結されているカバー部と、
を備え、
前記本体部に、生体の情報を検知可能な物品が取り付け可能とされ、
前記カバー部は、前記アジャスター部の弾性屈曲により、前記本体部から乖離する状態と、前記本体部を覆う状態で前記本体部に係止される状態と、をとることができるように構成され、
前記カバー部が前記本体部に係止された状態において、前記本体部の側面と、該側面に対向する前記アジャスター部の面が乖離する状態となる
留め具。
【請求項2】
前記カバー部は、前記本体部の半分以下を覆う状態で前記本体部に係止される
請求項1に記載の留め具。
【請求項3】
前記本体部は突出部を有し、
前記カバー部は挿通孔を有し、
前記カバー部が前記本体部に係止された状態において、前記突出部が前記挿通孔に挿通される
請求項1又は請求項2に記載の留め具。
【請求項4】
前記本体部に、装着者の身体状況を検知可能な1又は複数の検出部を有する体動センサーが取り付けられた
請求項1から請求項3の何れかに記載の留め具。
【請求項5】
前記検出部は、装着者の身体との接触状態を判定する光学式センサーを少なくとも有し、
前記光学式センサーは、前記本体部に形成される孔から表出するように配置される
請求項4に記載の留め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、留め具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
身体に装着するセンサーに関しては、下記特許文献に開示の技術が背景技術として挙げられる。
【0003】
引用文献1には、センサー部が取り付けられたバンド部をユーザの手首に巻き付けることで、当該ユーザの脈波等の生体情報を検出する生体情報検出装置が記載されている。
また引用文献2には、脈波センサーを含むベース部をバンド等の保持機構によりユーザの手首に装着する生体情報検出装置であって、脈波センサーからの検出信号に基づいて当該生体情報検出装置の着脱を検出するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-188498号公報
【文献】特開2017-164537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
保育士やベビーシッター、或いは父母にとって、乳幼児の世話は大きな負担となる。
例えば乳幼児の昼寝中などであっても、目を離すことは難しい。このため保育士等の業務負担、或いは父母の育児負担は極めて大きなものとなっている。
【0006】
近年、負担軽減の一つの手法として、乳幼児に体動センサーを装着し、乳幼児の異常、例えば脈拍の異常、体温の異常、あるいは身体の動きが無い状態などを検知できるようにすることが行われている。この場合、体動センサーが乳幼児の異常を検知することに応じてアラートを出力することで、保育士等が異常に気づくことができるようにすることで、常時乳幼児のそばに居なくても大丈夫なようにしている。
【0007】
しかしながら、体動センサーが正確に装着されていない、或いは乳幼児の動きなどにより体動センサーの装着状態が検知に適切な状態ではなくなるようなことにより、アラートが出力されてしまうことがある。
この場合、乳幼児が正常な状態であるにもかかわらず、保育士が駆けつけて様子を確認しなければならないということになる。特に、昼寝中の乳幼児の寝返りや、遊戯中の活動などにより体動センサーの装着ずれ等は多く、これによってアラートが頻発し、かえって業務負担が増大してしまうといった問題も生じている。
【0008】
そこで、本発明はこのような問題に鑑みて、体動センサーの装着に適した留め具の構造を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る留め具は、本体部と、前記本体部から延伸する弾性屈曲が可能なアジャスター部と、前記本体部と前記アジャスター部を介して連結されているカバー部と、を備え、前記本体部に、生体の情報を検知可能な物品が取り付け可能とされ、前記カバー部は、前記アジャスター部の弾性屈曲により、前記本体部から乖離する状態と、前記本体部を覆う状態で前記本体部に係止される状態と、をとることができるように構成され、前記カバー部が前記本体部に係止された状態において、前記本体部の側面と、該側面に対向する前記アジャスター部の面が乖離する状態となる。
これにより、カバー部が本体部に係止された状態において、屈曲したアジャスター部により、係止方向のカバー部の位置決めに若干の余裕が生じる。
【0010】
上記した留め具においては、前記カバー部は、前記本体部の半分以下を覆う状態で前記本体部に係止されることが考えられる。
従って、カバー部が本体部に係止された状態において、本体部の一部が外部に表出した状態となる。
【0011】
上記した留め具においては、前記本体部は突出部を有し、前記カバー部は挿通孔を有し、前記カバー部が前記本体部に係止された状態において、前記突出部が前記挿通孔に挿通されることが考えられる。
本体部からカバー部を外すときに、表出した突出部を押しながらカバー部を剥がすように本体部から持ち上げることで、容易に非係止状態とすることができる。
【0012】
上記した留め具においては、前記本体部に、装着者の身体状況を検知可能な1又は複数の検出部を有する体動センサーが取り付けられることが考えられる。
これにより、カバー部を本体部に係止することで装着者の衣服の布地に留め具を装着した状態において、装着者の身体に体動センサーが接触する。
【0013】
上記した留め具において、前記検出部は、装着者の身体との接触状態を判定する光学式センサーを少なくとも有し、前記光学式センサーは、前記本体部に形成される孔から表出するように配置されることが考えられる。
これにより、留め具の装着状態を光学式センサーにより判定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、体動センサーに適用できる留め具の構造により、装着が容易で外れにくく、衣服の厚みにも適応できるものとすることができ、装着ずれを発生させにくくできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態における留め具の斜視図である。
図2】実施の形態における留め具の斜視図である。
図3】実施の形態における留め具の装着状態を示す図である。
図4】実施の形態における非係止状態の留め具の平面図である。
図5】実施の形態における非係止状態の留め具の底面図である。
図6】実施の形態における非係止状態の留め具の正面図である。
図7】実施の形態における非係止状態の留め具の背面図である。
図8】実施の形態における非係止状態の留め具の右側面図である。
図9】実施の形態における係止状態の留め具の平面図である。
図10】実施の形態における係止状態の留め具の底面図である。
図11】実施の形態における係止状態の留め具の正面図である。
図12】実施の形態における係止状態の留め具の背面図である。
図13】実施の形態における係止状態の留め具の右側面図である。
図14】実施の形態における係止状態の留め具のA-A断面図である。
図15】実施の形態における係止状態の留め具のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態を図1から図15を参照して説明する。
なお、本実施の形態の説明にあたり参照する図面に記載された構成は、本実施の形態を実現するにあたり必要な要部及びその周辺の構成を抽出して示している。また図面は模式的なものであり、図面に記載された各構造の厚みと平面寸法の関係、比率等は一例に過ぎない。従って、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲であれば設計などに応じて種々な変更が可能である。
【0017】
また本実施の形態における留め具は、一例として略楕円柱状に形成され、以下の説明にあっては、留め具を構成する本体部の外面をそれぞれ平面(上面)、底面(下面)、側面(左右両側面)、正面(前面)、背面(後面)とし、前後上下左右の方向を示すものとする。また平面(上面)と底面(下面)のある平面側(上面側)と底面側(下面側)を結ぶ方向を上下方向、左右両側面のある左側面側と右側面側を結ぶ方向を左右方向、正面(前面)と背面(後面)のある正面側(前面側)と背面側(後面側)を結ぶ方向を前後方向とする。
【0018】
<1.留め具の概要>
本実施の形態における留め具1の概要について、図1から図3を参照して説明する。
図1及び図2は留め具1の斜視図であり、図3は留め具1の装着状態を示す図である。
【0019】
本実施の形態における留め具1は、図1及び図2に示すように、体動センサー5を内蔵した本体部2と、本体部2から延伸するアジャスター部3と、アジャスター部3を介して本体部2と連結されているカバー部4とを有している。
【0020】
留め具1は、例えば図3に示すように、本体部2にカバー部4を乳幼児Hmの衣服の布地50を挟みこむように係止することで、乳幼児Hmの衣服に装着される。
乳幼児Hmの衣服に留め具1を装着することで、本体部2に収容された体動センサー5により乳幼児Hmの身体状況をセンシングすることができる。
【0021】
このような衣服に体動センサー5等のデバイスを留める他の手法には、例えば板バネを使用したクリップや樹脂の弾性を利用したボタン式などがある。ところがこれらは部品点数が多くなりがちであり、それに伴い製造コストも高くなる。また、ボタン式は部品が2個以上に分かれており、失くす可能性と厚手の衣服に取り付けられるキャパシティが低いなどの課題を持つ。
【0022】
そこでボタン式のカバーとケースとを一体とすることで製造コスト、部品点数を削減し、厚手の衣服にも取り付けが可能な図1及び図2に示すようなアジャスター部3付きの留め具1の構造を提案する。
【0023】
<2.留め具の構造>
続いて留め具1の構造について、図4から図14を参照して説明する。
図4から図8は、本体部2からの係止を解いてカバー部4を開いた状態(以下、非係止状態とも表記する。)の留め具1の平面図(図4)、底面図(図5)、正面図(図6)、背面図(図7)、右側面図(図8)をそれぞれ示している。なお、左側面図については、右側面図と略同様の構成であるため図示を省略する。
【0024】
また図9から図14は、本体部2にカバー部4が係止された状態(以下、係止状態とも表記する。)の留め具1の平面図(図9)、底面図(図10)、正面図(図11)、背面図(図12)、右側面図(図13)、図9のA-A断面図(図14)をそれぞれ示している。こちらも左側面図については、右側面図と略同様の構成であるため図示を省略する。
【0025】
上述の通り、図4から図14に示す留め具1は、本体部2、アジャスター部3、及びカバー部4を有している。これらは例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等の樹脂で成形されている。
【0026】
本体部2は、ケース蓋21と収容ケース22を有している。ケース蓋21と収容ケース22が上下で結合されることで本体部2が構成される。
ケース蓋21は下方に開口する略楕円柱状に形成されている。ケース蓋21の上面23には円柱状突起24が形成されている。円柱状突起24は、係止状態において後述するカバー部4に形成される円形孔45に挿通される。
【0027】
収容ケース22は上方に開口する略楕円柱状に形成されている。収容ケース22の底面25には、複数の所要数の底面孔26が形成されている。底面孔26には、後述する体動センサー5のセンシング面等が配置される。
【0028】
本体部2に形成される内部空間には、図5図10及び図14に示すように体動センサー5が取り付けられる。
体動センサー5は、1又は複数の検出部を有する。体動センサー5は、検出部として、例えば光学式センサー、3軸加速度センサー、温度センサー等のセンサーを搭載しており、裏面がセンシング面とされる。このセンシング面は、収容ケース22の底面孔26に配置されることで本体部2の外部に表出する。
【0029】
留め具1を図3のように乳幼児Hmの衣服に装着することで、本体部2の底面孔26から表出するセンシング面が乳幼児Hmの肌に接触し、脈拍、体動、体温をセンシングすることができる。体動センサー5は、各センシング情報から乳幼児の異常を検出する。
【0030】
また体動センサー5は、脈拍などを計測する光学式センサーの受光強度から、センシング面から乳幼児Hmの肌までの距離を判断することができる。例えば体動センサー5は、当該受光強度が弱い場合には、体動センサー5から乳幼児Hmまでの距離が離れている(留め具1が乳幼児Hmに衣服から外れている)と判断する。
【0031】
体動センサー5は、乳幼児Hmの異常を検出した際にはアラートを発し、留め具1が乳幼児Hmに衣服から外れていることを検出した際にはその旨を通知する。
【0032】
なお、底面孔26には、他にも体動センサー5の電源オン/オフを操作するためのプッシュスイッチや、体動センサー5を構成するフルカラーLEDや充電端子などが配置される。
【0033】
本体部2に続き、アジャスター部3について説明する。
アジャスター部3は弾性屈曲可能とされ、図5及び図8に示すように、収容ケース22の前端部27から前後方向に延伸する平板状に形成され、アジャスター部3の先端部31がカバー部4の後端部44に連結されている。
【0034】
カバー部4は、図11図13及び図14に示すように、平面部41、側面部42、及び係止部43を有している。
平面部41は、図9に示す本体部2の上面23の一部、例えば半分以下を覆うように略半楕円状に形成されている。平面部41には円形孔45が形成されている。係止状態において、円形孔45には本体部2の円柱状突起24が挿通される。
【0035】
側面部42は、平面部41の円周端縁部46から厚み方向に突出し、図13及び図14に示すように係止状態において本体部2の後端部を覆うように形成される。
係止部43は、側面部42の下端縁部47から径方向の内側に向かって突出して形成されている。
【0036】
カバー部4を本体部2に係止する(係止状態とする)際には、アジャスター部3を撓ませることで、本体部2の底面の円周端部28に、カバー部4の係止部43が接するように本体部2にカバー部4をかぶせる。これにより、平面部41、側面部42、及び係止部43により形成される収納空間に本体部2の後端部が収容される。
このとき、アジャスター部3の撓み反力により、本体部2に対してカバー部4の係止部43が加圧されることで、カバー部4が本体部2に係止される。
【0037】
このような係止状態において、本体部2の側面29と、側面29に対向するアジャスター部3の対向面32が乖離する状態となる。
即ち、カバー部4は、本体部2に被せられた状態で本体部2によって係止されるが、ネック状となったアジャスター部3により、係止方向のカバー部4の位置決めに若干の自由度が持たされている。
これにより、挟み込む衣服の布地50の厚みが異なっても、挟み込んだ状態で適度に係止力が得られるようにされている。
【0038】
また係止状態において、図9図13及び図14に示すように、本体部2の円柱状突起24は、カバー部4の円形孔45に挿通する状態になる。このとき円柱状突起24の上面とカバー部4の上面はほぼ面一となる。この状態で円柱状突起24が表出する。
【0039】
本体部2からカバー部4を外すときは、ユーザは、例えば円柱状突起24に親指等を当てながらカバー部4を剥がすように本体部2から持ち上げることで、容易に非係止状態とすることができる。
【0040】
以上の構成を有する留め具1を衣服へ留めた状態を図3及び図15に示す。
図15は、衣服の布地50を本体部2とカバー部4で挟み込んだ状態の図9のA-A断面図である。
【0041】
非係止状態において、留め具1は、例えば図3のように本体部2を乳幼児Hmの衣服の中に入れ、衣服の布地50を挟み込むようにカバー部4をかぶせることで衣服に装着される。
このような係止状態においては、図15に示すように、衣服の布地50が本体部2とカバー部4で挟み込まれることで、布地50に対して本体部2が装着される。
【0042】
<3.まとめ及び変形例>
以上の本実施の形態における留め具1は、本体部2と、当該本体部2から延伸する弾性屈曲が可能なアジャスター部3と、本体部2とアジャスター部3を介して連結されているカバー部4と、を備えている(図1及び図2等参照)。
そしてカバー部4は、アジャスター部3の弾性屈曲により、本体部2から乖離する状態と、本体部2を覆う状態で本体部2に係止される状態と、をとることができるように構成されている(図4及び図9等参照)。
ここで、カバー部4が本体部2に係止された状態(係止状態)において、本体部2の側面29と、その側面29に対向するアジャスター部3の対向面32が乖離する状態となる(図13等参照)。
【0043】
上記構成によれば、係止状態において、ネック状となったアジャスター部3により、係止方向のカバー部4の位置決めに若干の余裕が生じる。
従って、本体部2とカバー部4で挟み込む衣服の布地50の厚みが異なっていても、挟み込んだ状態で適度に係止力を得ることができるため、留め具1の装着ずれを発生させにくくできる。
【0044】
また、留め具1によって留める物品(例えば体動センサー5等)自体が小さい場合であっても本体部2とカバー部4を一体とすることで、容易に乳幼児Hmが誤飲しない大きさとすることができる。
【0045】
本実施の形態の留め具1において、カバー部4は、本体部2の一部を覆う状態で本体部2に係止される(図9及び図13等参照)。
従って、係止状態においても本体部2の半分以上が外部に表出した状態となる。これにより、本体部2に取り付けられた体動センサー5の放熱の効率を向上させることができる。
また本体部2の全部ではなく一部を覆うようにカバー部4を成形することで、留め具1の製造コストの削減が図られる。
【0046】
本実施の形態の留め具1において、本体部2は突出部(円柱状突起24)を有し、カバー部4は挿通孔(円形孔45)を有し、カバー部4が本体部2に係止された状態において、円柱状突起24が円形孔45に挿通される(図9及び図14等参照)。ここで本体部2からカバー部4を外すときに、例えば円柱状突起24を押しながらカバー部4を剥がすように本体部2から持ち上げることで、容易に非係止状態とすることができる。
【0047】
本実施の形態の留め具1において、本体部2には、装着者(乳幼児Hm)の身体状況を検知可能な1又は複数の検出部を有する体動センサー5が取り付けられている(図14等参照)。
これにより、カバー部4を本体部2に係止することで乳幼児Hmの衣服の布地50に留め具1を装着した状態において、乳幼児Hmの身体に体動センサーが接触する。従って、留め具1により乳幼児Hmの衣服に容易に体動センサー5を装着することができるとともに、保育士やベビーシッター、父母などのユーザは、容易に乳幼児Hmの身体状況をモニタリングすることができる。
【0048】
また当該検出部は、装着者(乳幼児Hm)の身体との接触状態を判定する光学式センサーを少なくとも有し、当該光学式センサーは、本体部2に形成される孔(底面孔26)から表出するように配置される(図5及び図10等参照)。
これにより、留め具1の装着状態を光学式センサーにより判定することができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、本体部2に取り付ける物品を体動センサー5としたが、当該物品は体動センサー5に限られず、様々な物品を本体部2に取り付けることが可能であり、留め具1を介して布地50に物品を装着することができる。
【0050】
また本実施の形態では、留め具1を装着する対象を乳幼児Hmの衣服として説明したが、留め具1は、乳幼児Hm以外にも成人、老人の衣服や動物の衣服、部屋のカーテンなど、布地50のような厚みを有するものであれば様々な対象に装着することができる。
【0051】
最後に、本開示に記載された効果は例示であって限定されるものではなく、他の効果を奏するものであってもよいし、本開示に記載された効果の一部を奏するものであってもよい。また本開示に記載された実施の形態はあくまでも一例であり、本発明が上述の実施の形態に限定されない。従って、上述した実施の形態以外であっても本発明の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能なことはもちろんである。なお、実施の形態で説明されている構成の組み合わせの全てが課題の解決に必須であるとは限らない。
【符号の説明】
【0052】
1 留め具
2 本体部
3 アジャスター部
4 カバー部
5 体動センサー
24 円柱状突起
26 底面孔
45 円形孔
50 布地
Hm 乳幼児
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15