(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】自由ビルトイン式冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20240418BHJP
E05D 7/085 20060101ALI20240418BHJP
E05D 11/06 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
F25D23/02 306G
E05D7/085
E05D11/06
(21)【出願番号】P 2022513883
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2020111596
(87)【国際公開番号】W WO2021037110
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】201910803454.5
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910803353.8
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010179525.1
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010179527.0
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(73)【特許権者】
【識別番号】520198579
【氏名又は名称】ハイアール・スマート・ホーム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】シァ エンピン
(72)【発明者】
【氏名】リー カン
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05158503(US,A)
【文献】特開2005-146625(JP,A)
【文献】特開2015-135228(JP,A)
【文献】特開2012-137221(JP,A)
【文献】特開平06-201254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
E05D 7/085
E05D 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
庫本体、庫本体を開閉するための扉、および庫本体と扉とを接続するためのヒンジ部品を含み、前記ヒンジ部品は、第1のヒンジ金具、第2のヒンジ金具、および前記第1のヒンジ金具と前記第2のヒンジ金具とを接続するための切替部品を含み、
前記扉が開く過程において、前記切替部品は前記第2のヒンジ金具をロックし、前記第1のヒンジ金具は前記切替部品に対して相対的に移動して前記扉を前記庫本体に対してその場で回転させるように駆動した後、前記切替部品は前記第1のヒンジ金具をロックし、前記第2のヒンジ金具を前記切替部品に対して相対的に移動させることにより前記扉を継続的にその場で回転させるように駆動
し、
前記第1のヒンジ金具は前記庫本体に固定され、前記第2のヒンジ金具は前記扉に固定され、前記切替部品は第1の嵌合金具および第2の嵌合金具を含み、
前記切替部品は、相互に嵌合された第1の切替金具および第2の切替金具を含み、
前記第1のヒンジ金具と前記第1の嵌合金具は、相互に嵌合された第1の軸本体および第1の溝本体を介して相対的に移動し、前記第2のヒンジ金具と前記第2の嵌合金具は、相互に嵌合された第2の軸本体群および第2の溝本体群を介して相対的に移動し、
前記第2の軸本体群は第3の軸本体および第4の軸本体を含み、前記第2の溝本体群は、前記第3の軸本体と嵌合された第3の溝本体および前記第4の軸本体と嵌合された第4の溝本体を含み、
前記第1のヒンジ金具は前記第1の軸本体を含み、前記第1の嵌合金具は前記第1の溝本体を含み、前記第2の嵌合金具は前記第3の軸本体および前記第4の軸本体を含み、前記第2のヒンジ金具は前記第3の溝本体および前記第4の溝本体を含み、
前記第1のヒンジ金具は第1の制限部を含み、前記第1の切替金具は第2の制限部を含み、前記第1の溝本体は、前記第1の切替金具に設けられた第1の上部溝本体および前記第2の切替金具に設けられた第1の下部溝本体を含み、前記第4の溝本体は第4の自由セクションおよび制限セクションを含み、
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具と前記第2の切替金具は相対的に静止しており、前記第1の上部溝本体と前記第1の下部溝本体間の重なり部分は第1の自由セクションであり、前記第1の軸本体は前記第1の自由セクション内をその場で回転し、前記第2の制限部が前記第1の制限部に当接することにより、前記切替部品は前記第1のヒンジ金具を制限し、前記第4の軸本体は前記制限セクションによって制限されて前記切替部品は前記第2のヒンジ金具を制限し、
前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具および前記第2の切替金具は相対的に移動して前記第4の軸本体が前記制限セクションから脱出し、
前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体は前記第3の溝本体内をその場で回転し、前記第4の軸本体は前記第3の軸本体を中心として前記第4の自由セクションを移動する、ことを特徴とする自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項2】
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1のヒンジ金具と前記第1の嵌合金具は相対的に移動して前記扉を前記庫本体に対してその場で回転させるように駆動し、かつ前記第2の嵌合金具は前記第2のヒンジ金具を制限し、
前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第2のヒンジ金具が前記第2の嵌合金具の制限から脱出し、かつ前記第1の嵌合金具は前記第1のヒンジ金具を制限し、
前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第2のヒンジ金具と前記第2の嵌合金具は相対的に移動して扉を継続的にその場で回転させるように駆動する、ことを特徴とする請求項1に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項3】
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、または第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具と前記第2の切替金具は相対的に静止しており、
前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具は前記第2の切替金具に対して移動して前記第2のヒンジ金具が前記第2の嵌合金具の制限から脱出し、かつ前記第1の嵌合金具は前記第1のヒンジ金具を制限する、ことを特徴とする請求項2に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項4】
前記第1の制限部および前記第2の制限部の一方は突出部であり、他方は凹部であり、前記突出部は第1の制限面を有し、前記凹部は第2の制限面を有し、
前記扉が閉状態である場合、前記第1の制限面は前記第2の制限面から離れ、
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の制限面と前記第2の制限面は、前記第1の制限面が前記第2の制限面に当接するまで徐々に近接する、ことを特徴とする請求項
1に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項5】
前記第1の切替金具は第1のストッパー部を含み、前記第2の切替金具は、前記第1のストッパー部に嵌合された第2のストッパー部を含み、
前記扉が第2の開角度から第1の開角度まで閉じる過程において、前記第2の切替金具は、前記第2のストッパー部と前記第1のストッパー部の嵌合により、前記第1の切替金具の移動を制限する、ことを特徴とする請求項
1に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項6】
庫本体は、収容チャンバー、および前記ヒンジ部品に隣接して前記扉の回転経路の延伸セクション上に設けられた外側面を含み、前記扉は、前記収容チャンバーから離れた前壁、および前記前壁と前記収容チャンバー間に常に挟み付けられた側壁を含み、前記前壁と前記側壁の間に側稜があり、前記第1の軸本体の中心と前記側稜の間に第1の間隔があり、前記第1の軸本体の中心と前記前壁の間に第2の間隔があり、前記第1の軸本体の中心と前記側壁の間に第3の間隔があり、前記第3の軸本体の中心と前記側稜の間に第4の間隔があり、前記第3の軸本体の中心と前記前壁の間に第5の間隔があり、前記第3の軸本体の中心と前記側壁の間に第6の間隔があり、
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の間隔、前記第2の間隔および前記第3の間隔は変化せず、
前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第4の間隔、前記第5の間隔および前記第6の間隔は変化しない、ことを特徴とする請求項
1に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項7】
前記第1の切替金具は前記第3の軸本体を含み、前記第2の切替金具は貫通穴を有し、前記第3の軸本体は前記貫通穴を通って前記第3の溝本体まで延伸し、前記第2の切替金具は前記第4の軸本体を含み、前記第4の軸本体は前記第4の溝本体まで延伸する、ことを特徴とする請求項
6に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項8】
前記庫本体は、開口および前記開口の周りに設けられた前端面を含み、前記第1の軸本体と前記前端面の間に第1の距離があり、前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体と前記前端面の間に第2の距離があり、前記第2の距離は前記第1の距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項
1に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項9】
前記自由ビルトイン式冷蔵庫は、ヒンジ部品に隣接して扉の回転経路の延伸セクションに設けられた外側面をさらに含み、前記第1の軸本体と前記外側面の間に第3の距離があり、
前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体と前記外側面の間に第4の距離があり、前記第4の距離は前記第3の距離よりも小さい、ことを特徴とする請求項
8に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項10】
庫本体、庫本体を開閉するための扉、および庫本体と扉とを接続するためのヒンジ部品を含み、前記ヒンジ部品は、前記庫本体に固定された第1のヒンジ金具、前記扉に固定された第2のヒンジ金具、および前記第1のヒンジ金具と前記第2のヒンジ金具とを接続するための切替部品を含み、
前記第1のヒンジ金具と前記切替部品は、相互に嵌合された第1の軸本体および第1の溝本体を介して相対的に移動し、
前記第1の溝本体は第1の自由セクションを含み、前記第2のヒンジ金具と前記切替部品は、相互に嵌合された第2の軸本体群および第2の溝本体群を介して相対的に移動し、
前記第2の軸本体群は第3の軸本体および第4の軸本体を含み、前記第2の溝本体群は第3の自由セクション、第4の自由セクションおよび制限セクションを含み、
前記扉が閉状態である場合、前記第1の軸本体は前記第1の自由セクションに配置され、前記第4の軸本体は前記制限セクションに配置され、前記切替部品は前記第2のヒンジ金具を制限し、
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体は前記第1の自由セクション内をその場で回転することにより、前記扉を前記庫本体に対してその場で回転させるように駆動し、
前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第4の軸本体が前記制限セクションから脱出し、前記切替部品は前記第1のヒンジ金具を制限し、
前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体は前記第3の自由セクションをその場で回転し、前記第4の軸本体は前記第3の軸本体を中心として前記第4の自由セクションを移動し、前記扉は前記庫本体に対して継続的にその場で回転
し、
前記第1のヒンジ金具は前記第1の軸本体を含み、前記切替部品は前記第1の溝本体、前記第3の軸本体および前記第4の軸本体を含み、前記第2のヒンジ金具は、前記第3の自由セクションを有する第3の溝本体、および前記第4の自由セクション、前記制限セクションを有する第4の溝本体を含み、
前記切替部品は、相互に嵌合された第1の切替金具および第2の切替金具を含み、
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、または第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具と前記第2の切替金具は相対的に静止しており、
前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具は前記第2の切替金具に対して移動して前記第4の軸本体が前記制限セクションから脱出し、
前記第1のヒンジ金具は第1の制限部を含み、前記第1の切替金具は第2の制限部を含み、前記第1の溝本体は、前記第1の切替金具に設けられた第1の上部溝本体および前記第2の切替金具に設けられた第1の下部溝本体を含み、
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の上部溝本体と前記第1の下部溝本体間の重なり部分は第1の自由セクションであり、前記第1の軸本体は前記第1の自由セクション内をその場で回転し、前記第2の制限部が前記第1の制限部に当接することにより、前記切替部品は前記第1のヒンジ金具を制限し、
前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具は前記第2の切替金具に対して移動して前記第4の軸本体が前記制限セクションから脱出する、ことを特徴とする自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項11】
前記扉に第1の嵌合部が設けられ、前記庫本体に第2の嵌合部が設けられ、前記扉が閉状態である場合、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部は、相互に係合され、
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記ヒンジ部品
が前記扉を前記庫本体に対してその場で回転させるように駆動することにより、前記第1の嵌合部が前記第2の嵌合部から脱出する、ことを特徴とする請求項
10に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項12】
前記庫本体は収容チャンバーを含み、前記扉は前記庫本体に枢軸接続されて水平方向に沿って並列して配置された第1の扉および第2の扉を含み、前記冷蔵庫は、前記第1の扉の前記第2の扉に近い側に可動に接続された垂直ビームをさらに含み、前記第1の嵌合部は前記垂直ビームに配置され、
前記扉が閉状態である場合、前記垂直ビームは前記第2の扉まで延伸し、
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記扉は前記庫本体に対してその場で回転することにより、前記垂直ビームは前記収容チャンバーに近い側に向かって回転し、前記第1の扉と前記垂直ビームとは第1の折畳角度になった後、前記垂直ビームと前記第1の扉は相対的に静止する、ことを特徴とする請求項1
1に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【請求項13】
前記庫本体は、収容チャンバー、および前記収容チャンバーを第1の収容室と第2の収容室に分割するための固定ビームをさらに含み、前記扉は、前記第1の収容室に対応して配置されて第1の扉、および前記第2の収容室に対応して配置された第2の扉を含み、
前記扉が閉状態である場合、前記第1の扉および前記第2の扉は両方とも前記固定ビームに接触し、
前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記ヒンジ部品は前記扉を前記庫本体に対してその場で回転させるように駆動することにより、前記扉が前記固定ビームから脱出する、ことを特徴とする請求項1
0に記載の自由ビルトイン式冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年08月28日に出願された、出願番号201910803454.5、発明名称「自由ビルトイン式冷蔵庫」、2019年08月28日に出願された、出願番号201910803353.8、発明名称「ヒンジ部品を備えた冷蔵庫」、2020年03月16日に出願された、出願番号202010179525.1、発明名称「自由ビルトイン式冷蔵庫」、2020年03月16日に出願された、出願番号202010179527.0、発明名称「ヒンジ部品を備えた冷蔵庫」という中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は家電の技術分野に関し、特に自由ビルトイン式冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0003】
通常の状況では、冷蔵庫と扉は固定されたヒンジ金具を介して相対的に移動しており、扉の開閉自由度は大幅に制限され、つまり、扉の移動軌跡を自由に制御して異なるアプリケーションシナリオに適用することができない。
【0004】
例えば、近年社会の発展と人々の生活水準の向上に伴い、冷蔵庫の配置位置や配置形態はますます重要になっており、現在の家の装飾スタイルを考えると、一部の家庭はスタイルの一体化を追求するには、ホームインテグレーションやスマートホームなどに適応できるように、冷蔵庫をキャビネットに配置していわゆる組込式冷蔵庫装置を設計する必要があり、前記冷蔵庫はビルトイン式冷蔵庫と呼ばれ、現在の冷蔵庫はこのようなビルトインアプリケーションシナリオに適用することが困難である。
【0005】
これを鑑み、上記の問題を解決するために、既存の冷蔵庫を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、扉の開閉自由度を効果的に高める自由ビルトイン式冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記の目的の1つを達成するために、本発明の一実施形態によって提供される自由ビルトイン式冷蔵庫は、庫本体、庫本体を開閉するための扉、および庫本体と扉とを接続するためのヒンジ部品を含み、前記ヒンジ部品は、第1のヒンジ金具、第2のヒンジ金具、および前記第1のヒンジ金具と前記第2のヒンジ金具とを接続するための切替部品を含み、前記扉が開く過程において、前記第1のヒンジ金具は前記切替部品に対して相対的に移動して前記扉を前記庫本体に対してその場で(「移動させずに」:以下本明細書において同じ)回転させるように駆動した後、前記切替部品は、前記第2のヒンジ金具を前記切替部品に対して相対的に移動させることにより前記扉を継続的にその場で回転させるように駆動する。
【0008】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1のヒンジ金具は前記庫本体に固定され、前記第2のヒンジ金具は前記扉に固定され、前記切替部品は第1の嵌合金具および第2の嵌合金具を含み、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1のヒンジ金具と前記第1の嵌合金具は相対的に移動して前記扉を前記庫本体に対してその場で回転させるように駆動し、かつ前記第2の嵌合金具は前記第2のヒンジ金具を制限し、前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第2のヒンジ金具が前記第2の嵌合金具の制限から脱出し、かつ前記第1の嵌合金具は前記第1のヒンジ金具を制限し、前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第2のヒンジ金具と前記第2の嵌合金具は相対的に移動して扉を継続的にその場で回転させるように駆動する。
【0009】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記切替部品は、相互に嵌合された第1の切替金具および第2の切替金具を含み、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、または第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具と前記第2の切替金具は相対的に静止しており、前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具は前記第2の切替金具に対して相対的に移動し、前記第2のヒンジ金具が前記第2の嵌合金具の制限から脱出し、前記第1の嵌合金具は前記第1のヒンジ金具を制限する。
【0010】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1のヒンジ金具と前記第1の嵌合金具は、相互に嵌合された第1の軸本体群および第1の溝本体群を介して相対的に移動し、前記第2のヒンジ金具と前記第2の嵌合金具は、相互に嵌合された第2の軸本体群および第2の溝本体群を介して相対的に移動し、前記第1の軸本体群は第1の軸本体および第2の軸本体を含み、前記第1の溝本体群は、前記第1の軸本体と嵌合された第1の溝本体および前記第2の軸本体と嵌合された第2の溝本体を含み、前記第2の軸本体群は第3の軸本体および第4の軸本体を含み、前記第2の溝本体群は、前記第3の軸本体と嵌合された第3の溝本体および前記第4の軸本体と嵌合された第4の溝本体を含む。
【0011】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1のヒンジ金具と前記第1の嵌合金具は、相互に嵌合された第1の軸本体および第1の溝本体を介して相対的に移動し、前記第2のヒンジ金具と前記第2の嵌合金具は、相互に嵌合された第2の軸本体群および第2の溝本体群を介して相対的に移動し、前記第2の軸本体群は第3の軸本体および第4の軸本体を含み、前記第2の溝本体群は、前記第3の軸本体と嵌合された第3の溝本体および前記第4の軸本体と嵌合された第4の溝本体を含む。
【0012】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1のヒンジ金具は前記第1の軸本体を含み、前記第1の嵌合金具は前記第1の溝本体を含み、前記第2の嵌合金具は前記第3の軸本体および前記第4の軸本体を含み、前記第2のヒンジ金具は前記第3の溝本体および前記第4の溝本体を含む。
【0013】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1のヒンジ金具は第1の制限部を含み、前記第1の切替金具は第2の制限部を含み、前記第1の溝本体は、前記第1の切替金具に設けられた第1の上部溝本体および前記第2の切替金具に設けられた第1の下部溝本体を含み、前記第4の溝本体は第4の自由セクションおよび制限セクションを含み、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具と前記第2の切替金具は相対的に静止しており、前記第1の上部溝本体と前記第1の下部溝本体間の重なり部分は第1の自由セクションであり、前記第1の軸本体は前記第1の自由セクション内をその場で回転し、前記第2の制限部が前記第1の制限部に当接することにより、前記切替部品は前記第1のヒンジ金具を制限し、前記第4の軸本体は前記制限セクションによって制限されて前記切替部品は前記第2のヒンジ金具を制限し、前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具および前記第2の切替金具は相対的に移動して前記第4の軸本体が前記制限セクションから脱出し、前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体は前記第3の溝本体内をその場で回転し、前記第4の軸本体は前記第3の軸本体を中心として前記第4の自由セクションを移動する。
【0014】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の制限部および前記第2の制限部の一方は突出部であり、他方は凹部であり、前記突出部は第1の制限面を有し、前記凹部は第2の制限面を有し、前記扉が閉状態である場合、前記第1の制限面は前記第2の制限面から離れ、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の制限面と前記第2の制限面は、前記第1の制限面が前記第2の制限面に当接するまで徐々に近接する。
【0015】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記凹部は前記第1の切替金具に設けられ、前記突出部は前記第1のヒンジ金具に設けられる。
【0016】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の上部溝本体の開口寸法は前記第1の軸本体に相互に嵌合され、前記第1の下部溝本体の開口寸法は前記第1の上部溝本体の開口寸法よりも大きい。
【0017】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の切替金具は第1のストッパー部を含み、前記第2の切替金具は、前記第1のストッパー部に嵌合された第2のストッパー部を含み、前記扉が第2の開角度から第1の開角度まで閉じる過程において、前記第2の切替金具は、前記第2のストッパー部と前記第1のストッパー部の嵌合により、前記第1の切替金具の移動を制限する。
【0018】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、庫本体は、収容チャンバー、および前記ヒンジ部品に隣接して前記扉の回転経路の延伸セクション上に設けられた外側面を含み、前記扉は、前記収容チャンバーから離れた前壁、および前記前壁と前記収容チャンバー間に常に挟み付けられた側壁を含み、前記前壁と前記側壁の間に側稜があり、前記第1の軸本体の中心と前記側稜の間に第1の間隔があり、前記第1の軸本体の中心と前記前壁の間に第2の間隔があり、前記第1の軸本体の中心と前記側壁の間に第3の間隔があり、前記第3の軸本体の中心と前記側稜の間に第4の間隔があり、前記第3の軸本体の中心と前記前壁の間に第5の間隔があり、前記第3の軸本体の中心と前記側壁の間に第6の間隔があり、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の間隔、前記第2の間隔および前記第3の間隔は変化せず、前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第4の間隔、前記第5の間隔および前記第6の間隔は変化しない。
【0019】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の切替金具および前記第2の切替金具は第5の軸本体を介して相互に嵌合される。
【0020】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の切替金具は前記第2の切替金具よりも前記第1のヒンジ金具に近い。
【0021】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の切替金具は前記第3の軸本体を含み、前記第2の切替金具は貫通穴を有し、前記第3の軸本体は前記貫通穴を通って前記第3の溝本体まで延伸し、前記第2の切替金具は前記第4の軸本体を含み、前記第4の軸本体は前記第4の溝本体まで延伸する。
【0022】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記庫本体は、開口および前記開口の周りに設けられた前端面を含み、前記第1の軸本体と前記前端面の間に第1の距離があり、前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体と前記前端面の間に第2の距離があり、前記第2の距離は前記第1の距離よりも大きい。
【0023】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記自由ビルトイン式冷蔵庫は、ヒンジ部品に隣接して扉の回転経路の延伸セクションに設けられた外側面をさらに含み、前記第1の軸本体と前記外側面の間に第3の距離があり、前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体と前記外側面の間に第4の距離があり、前記第4の距離は前記第3の距離よりも小さい。
【0024】
本発明の上記の目的の1つを達成するために、本発明の一実施形態によって提供される自由ビルトイン式冷蔵庫は、庫本体、庫本体を開閉するための扉、および庫本体と扉とを接続するためのヒンジ部品を含み、前記ヒンジ部品は、前記庫本体に固定された第1のヒンジ金具、前記扉に固定された第2のヒンジ金具、および前記第1のヒンジ金具と前記第2のヒンジ金具とを接続するための切替部品を含み、前記第1のヒンジ金具と前記切替部品は、相互に嵌合された第1の軸本体および第1の溝本体を介して相対的に移動し、前記第1の溝本体は第1の自由セクションを含み、前記第2のヒンジ金具と前記切替部品は、相互に嵌合された第2の軸本体群および第2の溝本体群を介して相対的に移動し、前記第2の軸本体群は第3の軸本体および第4の軸本体を含み、前記第2の溝本体群は第3の自由セクション、第4の自由セクションおよび制限セクションを含み、前記扉が閉状態である場合、前記第1の軸本体は前記第1の自由セクションに配置され、前記第4の軸本体は前記制限セクションに配置され、前記切替部品は前記第2のヒンジ金具を制限し、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の軸本体は前記第1の自由セクション内をその場で回転することにより、前記扉を前記庫本体に対してその場で回転させるように駆動し、前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第4の軸本体が前記制限セクションから脱出し、前記切替部品は前記第1のヒンジ金具を制限し、前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体は前記第3の自由セクションをその場で回転し、前記第4の軸本体は前記第3の軸本体を中心として前記第4の自由セクションを移動し、前記扉は前記庫本体に対して継続的にその場で回転する。
【0025】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第3の自由セクションと前記第3の軸本体とは相互に嵌合される。
【0026】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1のヒンジ金具は前記第1の軸本体を含み、前記切替部品は前記第1の溝本体、前記第3の軸本体および前記第4の軸本体を含み、前記第2のヒンジ金具は、前記第3の自由セクションを有する第3の溝本体、および前記第4の自由セクション、前記制限セクションを有する第4の溝本体を含む。
【0027】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記切替部品は、相互に嵌合された第1の切替金具および第2の切替金具を含み、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、または第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具と前記第2の切替金具は相対的に静止しており、前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具は前記第2の切替金具に対して移動して前記第4の軸本体が前記制限セクションから脱出する。
【0028】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1のヒンジ金具は第1の制限部を含み、前記第1の切替金具は第2の制限部を含み、前記第1の溝本体は、前記第1の切替金具に設けられた第1の上部溝本体および前記第2の切替金具に設けられた第1の下部溝本体を含み、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の上部溝本体と前記第1の下部溝本体間の重なり部分は第1の自由セクションであり、前記第1の軸本体は前記第1の自由セクション内をその場で回転し、前記第2の制限部が前記第1の制限部に当接することにより、前記切替部品は前記第1のヒンジ金具を制限し、前記扉が第1の開角度から第2の開角度まで開く過程において、前記第1の切替金具は前記第2の切替金具に対して移動して前記第4の軸本体が前記制限セクションから脱出する。
【0029】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の制限部および前記第2の制限部の一方は突出部であり、他方は凹部であり、前記突出部は第1の制限面を有し、前記凹部は第2の制限面を有し、前記扉が閉状態である場合、前記第1の制限面は前記第2の制限面から離れ、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記第1の制限面と前記第2の制限面は、前記第1の制限面が前記第2の制限面に当接するまで徐々に近接する。
【0030】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記凹部は前記第1の切替金具に設けられ、前記突出部は前記第1のヒンジ金具に設けられる。
【0031】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の上部溝本体の開口寸法は前記第1の軸本体に相互に嵌合され、前記第1の下部溝本体の開口寸法は前記第1の上部溝本体の開口寸法よりも大きい。
【0032】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の切替金具は第1のストッパー部を含み、前記第2の切替金具は、前記第1のストッパー部に嵌合された第2のストッパー部を含み、前記扉が第2の開角度から第1の開角度まで閉じる過程において、前記第2の切替金具は、前記第2のストッパー部と前記第1のストッパー部の嵌合により、前記第1の切替金具の移動を制限する。
【0033】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の切替金具および前記第2の切替金具は第5の軸本体を介して相互に嵌合される。
【0034】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の切替金具は前記第2の切替金具よりも前記第1のヒンジ金具に近い。
【0035】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の切替金具は前記第3の軸本体を含み、前記第2の切替金具は貫通穴を有し、前記第3の軸本体は前記貫通穴を通って前記第3の溝本体まで延伸し、前記第2の切替金具は前記第4の軸本体を含み、前記第4の軸本体は前記第4の溝本体まで延伸する。
【0036】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記庫本体は、開口および前記開口の周りに設けられた前端面を含み、前記第1の軸本体と前記前端面の間に第1の距離があり、前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体と前記前端面の間に第2の距離があり、前記第2の距離は前記第1の距離よりも大きい。
【0037】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記冷蔵庫は、ヒンジ部品に隣接して扉の回転経路の延伸セクションに設けられた外側面をさらに含み、前記第1の軸本体と前記外側面の間に第3の距離があり、前記扉が第2の開角度から継続的に最大開角度まで開く過程において、前記第3の軸本体と前記外側面の間に第4の距離があり、前記第4の距離は前記第3の距離よりも小さい。
【0038】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記扉に第1の嵌合部が設けられ、前記庫本体に第2の嵌合部が設けられ、前記扉が閉状態である場合、前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部は、相互に係合され、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記ヒンジ部品が前記扉を前記庫本体に対してその場で回転させるように駆動することにより、前記第1の嵌合部が前記第2の嵌合部から脱出する。
【0039】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記庫本体は収容チャンバーを含み、前記扉は前記庫本体に枢軸接続されて水平方向に沿って並列して配置された第1の扉および第2の扉を含み、前記冷蔵庫は、前記第1の扉の前記第2の扉に近い側に可動に接続された垂直ビームをさらに含み、前記第1の嵌合部は前記垂直ビームに配置され、前記扉が閉状態である場合、前記垂直ビームは前記第2の扉まで延伸し、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記扉は前記庫本体に対してその場で回転することにより、前記垂直ビームは前記収容チャンバーに近い側に向かって回転し、前記第1の扉と前記垂直ビームとは第1の折畳角度になった後、前記垂直ビームと前記第1の扉は相対的に静止する。
【0040】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記第1の嵌合部は前記垂直ビームから上方に突出する突出部であり、前記第2の嵌合部は切欠を有する凹溝であり、前記突出部は前記切欠を介して前記凹溝に対して進出可能である。
【0041】
本発明の一実施形態のさらなる改善として、前記庫本体は、収容チャンバー、および前記収容チャンバーを第1の収容室と第2の収容室に分割するための固定ビームをさらに含み、前記扉は、前記第1の収容室に対応して配置されて第1の扉、および前記第2の収容室に対応して配置された第2の扉を含み、前記扉が閉状態である場合、前記第1の扉および前記第2の扉は両方とも前記固定ビームに接触し、前記扉が閉状態から第1の開角度まで開く過程において、前記ヒンジ部品は前記扉を前記庫本体に対してその場で回転させるように駆動することにより、前記扉が前記固定ビームから脱出する。
【発明の効果】
【0042】
従来技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。本発明の一実施形態の冷蔵庫は、扉の開閉自由度を高め、様々な移動軌跡を生成して異なるアプリケーションシナリオに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図2】本発明の一実施形態のマルチドア冷蔵庫の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態のマルチドア冷蔵庫の閉状態の概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態のマルチドア冷蔵庫が第1の中間開角度まで開く場合の概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態のマルチドア冷蔵庫の背面図である(一部の構成要素を省略)。
【
図6】本発明の一実施形態の第1の嵌合部、第2の嵌合部の分解図である。
【
図7】本発明の一実施形態のサイドバイサイド冷蔵庫の概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態のサイドバイサイド冷蔵庫の第2の扉が省略された場合の概略図である。
【
図9】本発明の一実施形態のサイドバイサイド冷蔵庫の扉が省略された場合の概略図である。
【
図10】本発明の一実施形態のヒンジ部品の閉状態の斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態のヒンジ部品の異なる状態の分解図である。
【
図12】本発明の一実施形態のヒンジ部品の異なる状態の分解図である。
【
図13】本発明の一実施形態のヒンジ部品の異なる状態の分解図である。
【
図14】本発明の一実施形態の冷蔵庫の閉状態の上面図である。
【
図15】本発明の一実施形態のヒンジ部品の閉状態の斜視図である。
【
図16】本発明の一実施形態のヒンジ部品の閉状態の上面視断面図である。
【
図17】本発明の一実施形態のヒンジ部品の閉状態の底面視断面図である。
【
図18】本発明の一実施形態の冷蔵庫の第1の開角度の上面図である。
【
図19】本発明の一実施形態のヒンジ部品の第1の開角度の斜視図である。
【
図20】本発明の一実施形態のヒンジ部品の第1の開角度の上面視断面図である。
【
図21】本発明の一実施形態のヒンジ部品の第1の開角度の底面視断面図である。
【
図22】本発明の一実施形態の冷蔵庫の第2の開角度の上面図である。
【
図23】本発明の一実施形態のヒンジ部品の第2の開角度の斜視図である。
【
図24】本発明の一実施形態のヒンジ部品の第2の開角度の上面視断面図である。
【
図25】本発明の一実施形態のヒンジ部品の第2の開角度の底面視断面図である。
【
図26】本発明の一実施形態の冷蔵庫の最大開角度の上面図である。
【
図27】本発明の一実施形態のヒンジ部品の最大開角度の斜視図である。
【
図28】本発明の一実施形態のヒンジ部品の最大開角度の上面視断面図である。
【
図29】本発明の一実施形態のヒンジ部品の最大開角度の底面視断面図である。
【
図30】本発明の一実施形態の切替部品の異なる角度の分解図である。
【
図31】本発明の一実施形態の切替部品の異なる角度の分解図である。
【
図32】本発明の一実施形態の冷蔵庫の完全埋込状態の概略図である。
【
図33】本発明の一実施形態の扉の下のヒンジ部品の斜視図である。
【
図34】本発明の一実施形態の扉の下のヒンジ部品の分解図である。
【
図35】本発明の一実施形態の配線モジュールを備えた冷蔵庫の上面図である。
【
図36】本発明の一実施形態の配線モジュールを備えた冷蔵庫の斜視図状態での一部を拡大して示す拡大図である。
【
図37】本発明の一実施形態の配線モジュールを備えた冷蔵庫の上面視状態での一部を拡大して示す拡大図である(扉の閉状態に対応する)。
【
図38】本発明の一実施形態の配線モジュールを備えた冷蔵庫の上面視状態での一部を拡大して示す拡大図である(扉の開状態に対応する)。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面に示される具体的な実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。しかし、これらの実施形態は本発明を制限するものではなく、当業者はこれらの実施形態に基づいて加えられた構造、方法、または機能上の変更は、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0045】
本発明の各図面では、図示の便宜上、ある構造または部分の寸法が他の構造または部分に比べて誇張されるため、本発明の主題の基本的な構造を示すためにのみ使用される。
【0046】
さらに、本明細書で使用される「上」、「上方」などの相対的な空間位置を示す用語は、図面に示されるあるユニットまたは特徴と別のユニットまたは特徴の関係の説明を容易にするためにのみ使用される。相対的な空間位置の用語は、使用中または動作中のデバイスの図示方位以外の様々な方位を含むことを意図することができる。例えば、図中のデバイスを裏返すと、別のユニットまたは特徴の「上方」に配置されるあるユニットは、別のユニットまたは特徴の「下方」になる。したがって、「上方」という例示的な用語は、上方と下方の両方を包含することができる。デバイスは他の方向で方向付けられ得る(90度または他の方向で回転)、対応して本明細書で使用される空間に関する用語を説明する。
【0047】
本実施形態では、
図1~
図13に示すように、冷蔵庫100は、庫本体10、庫本体10を開閉するための扉20、および庫本体10と扉20とを接続するためのヒンジ部品30を含む。
【0048】
ヒンジ部品30は、第1のヒンジ金具31、第2のヒンジ金具32、および第1のヒンジ金具31と第2のヒンジ金具32とを接続するための切替部品40を含む。
【0049】
扉20が開く過程において、第1のヒンジ金具31は切替部品40に対して相対的に移動して扉20を庫本体10に対してその場で回転させるように駆動した後、切替部品40は第2のヒンジ金具32を切替部品40に対して相対的に移動させて、扉20を継続的にその場で回転させるように駆動する。
【0050】
本実施形態は、切替部品33により第1のヒンジ金具31と第2のヒンジ金具32間の切替動作を実現し、第1のヒンジ金具31および第2のヒンジ金具32は扉20を複数回その場で回転させることができ、複数回のその場での回転のための回転軸を自由に選択して様々なアプリケーションシナリオに適応させる。
【0051】
本実施形態では、第1のヒンジ金具31は庫本体10に固定され、第2のヒンジ金具32は扉20に固定され、切替部品40は、第1の嵌合金具41および第2の嵌合金具42を含む。
【0052】
扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第1のヒンジ金具31と第1の嵌合金具41は相対的に移動して扉20を庫本体10に対してその場で回転させるように駆動し、かつ第2の嵌合金具42は第2のヒンジ金具32を制限し、扉20が第1の開角度α1から継続的に第2の開角度α2まで開く過程において、第2のヒンジ金具32が第2の嵌合金具42の制限から脱出し、かつ第1の嵌合金具41は第1のヒンジ金具31を制限し、扉20が第2の開角度α2から継続的に最大開角度α3まで開く過程において、第2のヒンジ金具32と第2の嵌合金具42は相対的に移動して扉20を継続的にその場で回転させるように駆動する。
【0053】
すなわち、本例の第1のヒンジ金具31と第1の嵌合金具41は嵌合されて扉20をその場で回転させ、第2のヒンジ金具32と第2の嵌合金具42は嵌合されて扉20を継続的にその場で回転させる。このとき、切替部品40のロックアンロック機能により、第1のヒンジ金具31が最初に動作し、次に第2のヒンジ金具32が動作する。
【0054】
第1の組合せ方式では、第1のヒンジ金具31と第1の嵌合金具41は、相互に嵌合された第1の軸本体311および第1の溝本体411を介して相対的に移動し、第2のヒンジ金具32と第2の嵌合金具42は、相互に嵌合された第2の軸本体群321、322および第2の溝本体群421、422を介して相対的に移動し、第2の軸本体群は第3の軸本体321および第4の軸本体322を含み、第2の溝本体群421、422は、第3の軸本体321に嵌合された第3の溝本体421および第4の軸本体322に嵌合された第4の溝本体422を含む。
【0055】
すなわち、本例の第1のヒンジ金具31と第1の嵌合金具41は嵌合されて扉20をその場で回転させ、第2のヒンジ金具32と第2の嵌合金具42は嵌合されて扉20を継続的にその場で回転させる。このとき、切替部品40のロックアンロック機能により、第1のヒンジ金具31が最初に動作し、次に第2のヒンジ金具32が動作する。
【0056】
また、本例の第1のヒンジ金具31と第1の嵌合金具41の単軸単溝の嵌合形態によりその場での回転を実現し、構造を大幅に簡略化することができる。
【0057】
第2の組合せ方式では、第1のヒンジ金具31と第1の嵌合金具41は、相互に嵌合された第1の軸本体群および第1の溝本体群を介して相対的に移動し、第1の軸本体群は第1の軸本体および第2の軸本体を含み、第1の溝本体群は、第1の軸本体と嵌合された第1の溝本体および第2の軸本体と嵌合された第2の溝本体を含み、第2のヒンジ金具32と第2の嵌合金具42は、相互に嵌合された第2の軸本体群321、322および第2の溝本体群421、422を介して相対的に移動し、第2の軸本体群は第3の軸本体321および第4の軸本体322を含み、第2の溝本体群421、422は、第3の軸本体321に嵌合された第3の溝本体421および第4の軸本体322に嵌合された第4の溝本体422を含む。
【0058】
すなわち、本例の第1のヒンジ金具31と第1の嵌合金具41は嵌合されて扉20をその場で回転させ、第2のヒンジ金具32と第2の嵌合金具42は嵌合されて扉20を継続的にその場で回転させる。このとき、切替部品40のロックアンロック機能により、第1のヒンジ金具31が最初に動作し、次に第2のヒンジ金具32が動作する。
【0059】
また、本例の第1のヒンジ金具31と第1の嵌合金具41は2軸2溝単槽の嵌合形態によりその場での回転を実現し、例えば第1の軸本体は第1の溝本体をその場で回転し、第2の軸本体を第1の軸本体を中心として第2の溝本体内を移動する。
【0060】
以下、第1の組合せ方式を例に取って本実施形態の冷蔵庫100を具体的に説明する。
【0061】
図1を参照すると、本発明の一実施形態の冷蔵庫100の概略図である。
【0062】
冷蔵庫100は、庫本体10、庫本体10を開閉するための扉20、および庫本体10と扉20とを接続するためのヒンジ部品30を含む。
【0063】
本実施形態の構造は、ヒンジ部品30を備えた冷蔵庫100に適用可能であるだけでなく、他のシナリオ、例えばキャビネット、ワインキャビネット、ワードローブなどにも適用可能であることを強調すべきである。
【0064】
図2~
図13を参照すると、ヒンジ部品30は、庫本体10に固定された第1のヒンジ金具31、扉20に固定された第2のヒンジ金具32、および第1のヒンジ金具31と第2のヒンジ金具32とを接続するための切替部品40を含む。
【0065】
第1のヒンジ金具31と切替部品40は、相互に嵌合された第1の軸本体311および第1の溝本体411を介して相対的に移動し、第1の溝本体411は第1の自由セクションS1を含む。
【0066】
第2のヒンジ金具32と切替部品40は、相互に嵌合された第2の軸本体群321、322および第2の溝本体群421、422を介して相対的に移動し、第2の軸本体群321、322は第3の軸本体321および第4の軸本体322を含み、第2の溝本体群421、422は第3の自由セクション421、第4の自由セクション4221および制限セクション4222を含む。
【0067】
扉20が閉状態である場合(
図14~
図17を参照)、第1の軸本体311は第1の自由セクションS1に配置され、第4の軸本体322は制限セクション4222に配置され、切替部品40は第2のヒンジ金具32を制限する。
【0068】
扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において(
図18~
図21を参照)、第1の軸本体311は第1の自由セクションS1内をその場で回転して扉20を庫本体10に対してその場で回転させる。
【0069】
扉20が第1の開角度α1から継続的に第2の開角度α2まで開く過程において(
図22~
図25を参照)、第4の軸本体322が制限セクション4222から脱出し、かつ切替部品40は第1のヒンジ金具31を制限する。
【0070】
扉20が第2の開角度α2から継続的に最大開角度α3まで開く過程において(
図26~
図29を参照)、第3の軸本体321は第3の自由セクション421をその場で回転し、第4の軸本体322は第3の軸本体321を中心として第4の自由セクション422を移動し、扉20は庫本体10に対して継続的にその場で回転する。
【0071】
なお、一例では、
図2~
図6を参照すると、扉20に第1の嵌合部25が設けられ、庫本体10に第2の嵌合部12が設けられ、扉20が閉状態である場合、第1の嵌合部25と第2の嵌合部12は相互に係合され、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、ヒンジ部品30は、扉20を庫本体10に対してその場で回転させるように駆動することにより、第1の嵌合部25が第2の嵌合部12から脱出する。
【0072】
ここで、扉20が庫本体10に対してその場で回転する、つまり扉20が他の方向に変位せずに回転するため、ある方向の扉20の変位により第1の嵌合部25が第2の嵌合部12から脱出できない現象を回避することができる。
【0073】
なお、本実施形態中の冷蔵庫100は第1の嵌合部25および第2の嵌合部12を含むシングルドア冷蔵庫、または第1の嵌合部25および第2の嵌合部12を含むサイドバイサイド冷蔵庫や、マルチドア冷蔵庫などであり得る。
【0074】
扉20は、庫本体10に枢軸接続されて水平方向に沿って並列して配置された第1の扉206および第2の扉207を含む。
【0075】
冷蔵庫100は、第1の扉206の第2の扉207に近い側に可動に接続された垂直ビーム80を含み、第1の嵌合部25は垂直ビーム80に配置される。
【0076】
ここで、垂直ビーム80は、第1の扉206の右側に可動に接続され、垂直ビーム80と第1の扉206とは戻りばね81を介して接続され、垂直ビーム80は垂直方向の軸線を中心として第1の扉206に対して回転し、言い換えれば、垂直ビーム80は戻りばね81を介して第1の扉206に対して回転し、所定の位置に保持される。
【0077】
第1の嵌合部25は垂直ビーム80から上方に突出する突出部25である。
【0078】
第2の嵌合部12は庫本体10に固定され、例えば、第2の嵌合部12はベース104上の凹溝12であり、ベース104は収容チャンバーSの頂部に固定され、凹溝12の一端は切欠121を有し、切欠121の開口方向は前方に向かい、突出部25および凹溝12は両方とも円弧状であり、突出部25は切欠121を通って凹溝12に対して進出することにより、突出部25と凹溝12の相互制限および相互分離が実現される。
【0079】
もちろん、理解できるように、第1の嵌合部25、第2の嵌合部12の具体構造は上記の説明に限定されるものではなく、つまり第1の嵌合部25は垂直ビーム80の突出部25に限らず、第2の嵌合部12も突出部25に嵌合された凹溝12に限らず、第1の嵌合部25および第2の嵌合部12は冷蔵庫100の他の領域の相互嵌合された構造であってもよい。
【0080】
本例では、扉20は、庫本体10に枢軸接続されて水平方向に沿って並列して配置された第3の扉208および第4の扉209をさらに含み、第3の扉208は第1の扉206の下方に配置され、かつ第4の扉209は第2の扉207の下方に配置され、冷蔵庫100は、第3の扉208および第4の扉209下方に配置された引出し300をさらに含む。
【0081】
ここで、第1の扉206および第2の扉207に対応する収容チャンバーSは冷蔵室であり、つまり、冷蔵室はサイドバイサイド構造であり、第3の扉208および第4の扉209はそれぞれ独立した2つの温度変化収容室に対応し、引出し300は冷凍引出しである。
【0082】
なお、冷蔵庫100は、庫本体10の内部に固定され2つの温度変化収容室を分割するための固定ビームを含み、第3の扉208および第4の扉209は固定ビームに嵌合されて封止される。すなわち、このとき第3の扉208および第4の扉209に垂直ビームを配置する必要がなくなる。
【0083】
別の例では、
図7~
図9を参照すると、庫本体10'は、収容チャンバーSを第1の収容室S3および第2の収容室S4に分割するための固定ビーム70'を含み、扉20'は、第1の収容室S3'に対応して配置された第1の扉204'、および第2の収容室S4に対応して配置された第2の扉205'を含み、扉20'が閉状態である場合、第1の扉204'および第2の扉205'は両方とも固定ビーム70'に接触し、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、ヒンジ部品30'は、扉20'を庫本体10'に対してその場で回転させるように駆動することにより、扉20'が固定ビーム70'から脱出する。
【0084】
ここで、第1の扉204'および第2の扉205'の庫本体10'に近い側にドアシールが設けられ、扉20'が閉状態である場合、ドアシールは固定ビーム70'の接触面71'に接触して扉20'を完全に閉じ、庫本体10'からの冷気漏れを避ける。
【0085】
扉20'が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、扉20'は庫本体10'に対してその場で回転し、つまり、扉20'が他の方向に変位せずに回転し、ある方向の扉20'の変位により扉20'が通常に開けない状況を効果的に回避することができる。
【0086】
このとき、第1の扉204'が開く場合水平方向に変位すると、第1の扉204'と第2の扉205'は相互に干渉して第1の扉204'、第2の扉205'が通常に開けない場合があり、本実施形態の冷蔵庫100'は開く場合第1の扉204'、第2の扉205'がその場で回転するので、隣接する第1の扉204'および第2の扉205'の相互干渉を効果的に回避することができる。
【0087】
継続的に
図10~
図13を参照すると、第1のヒンジ金具31は第1の軸本体311を含み、切替部品40は第1の溝本体411、第3の軸本体321および第4の軸本体322を含み、第2のヒンジ金具32は、第3の自由セクション421を有する第3の溝本体421、および第4の自由セクション4221、制限セクション4222を有する第4の溝本体422を含む。
【0088】
本実施形態では、第1の嵌合金具41および第2の嵌合金具42は具体的に相互に嵌合された第1の切替金具401および第2の切替金具402であり、つまり切替部品40は相互に嵌合された第1の切替金具401および第2の切替金具402を含むが、これに限定されない。
【0089】
第1のヒンジ金具31は第1の制限部314を含み、第1の切替金具401は第2の制限部4016を含み、第1の制限部314および第2の制限部4016の一方は突出部314であり、他方は凹部4016であり、突出部314は第1の制限面3141を有し、凹部4016は第2の制限面4017を有する。
【0090】
本実施形態では、凹部4016は第1の切替金具401に設けられ、突出部314は第1のヒンジ金具314に設けられる。
【0091】
他の実施形態では、突出部314および凹部4016の位置は交換されてもよく、または他の制限構造であってもよい。
【0092】
第1の溝本体411は、第1の切替金具401に設けられた第1の上部溝本体413、および第2の切替金具402に設けられた第1の下部溝本体414を含み、第1の自由セクションS1は第1の上部溝本体413および第1の下部溝本体414を含む。
【0093】
第1の上部溝本体413の開口寸法は第1の軸本体311に相互に嵌合され、第1の下部溝本体414の開口寸法は第1の上部溝本体413の開口寸法よりも大きい。
【0094】
ここで、第1の上部溝本体413は円形であり、第1の下部溝本体414は楕円形であるが、これに限定されない。
【0095】
本実施形態では、第1の切替金具401は第2の切替金具402よりも第1のヒンジ金具31に近く、つまり第1のヒンジ金具31、第1の切替金具401、第2の切替金具402および第2のヒンジ金具32は順次に積み重ねられている。
【0096】
図13を参照すると、ヒンジ部品30は、第1のリベットシート4111および第2のリベットシート4121をさらに含み、第1の軸本体311が第1の溝本体411まで延伸すると、第1のリベットシート4111は第2の切替金具402の下方に配置されて第1の軸本体311に嵌設されるため、第1の軸本体311が第1の溝本体411から脱出するのが回避される。
【0097】
第1の切替金具401および第2の切替金具402は、第5の軸本体50を介して相互に嵌合される。
【0098】
ここで、第1の切替金具401および第2の切替金具402に第1の貫通穴4014および第2の貫通穴4024が設けられ、独立のリベットシートは第5の軸本体50として第1の貫通穴4014および第2の貫通穴4024を通過する。
【0099】
具体的には、第5の軸本体50はリベットポスト51およびリベットポストガスケット52を含み、リベットポスト51の大寸法端が第2の貫通穴4024の下にあり、リベットポスト51の小寸法端が順次第2の貫通穴4024および第1の貫通穴4014まで延伸し、リベットポストガスケット52は第1の貫通穴4014の上方に位置してリベットポスト51に嵌合されてリベットポスト51をロックする。
【0100】
このようにすれば、第1の切替金具401と第2の切替金具402の相互嵌合が実現され、つまり第1の切替金具401と第2の切替金具402が相対的に移動でき、第1の切替金具401と第2の切替金具402が相互に分離されることがない。
【0101】
なお、第1の貫通穴4014および第2の貫通穴4024は第5の軸本体50と相互に嵌合され、第1の切替金具401は第2の切替金具402に対してその場で回転する。
【0102】
他の実施形態では、第1の切替金具401および第2の切替金具402の一方に貫通穴が配置され、他方に第5の軸本体50が配置され、第5の軸本体50と貫通穴の嵌合によって、第1の切替金具401と第2の切替金具402の相互嵌合が実現されるが、これに限定されない。
【0103】
また、第1の切替金具401は第3の軸本体321を含み、第2の切替金具402は貫通穴4026を有し、第3の軸本体321は貫通穴4026を介して第3の溝本体421まで延伸し、第2の切替金具402は第4の軸本体322を含み、第4の軸本体322は第4の溝本体422まで延伸する。
【0104】
ここで、貫通穴4026の寸法は第3の軸本体321の寸法よりも大きく、このようにすれば、第3の軸本体321は貫通穴4026に可動に配置され、第1の切替金具401と第2の切替金具402が相対的に移動する場合、貫通穴4026と第3の軸本体321の相互干渉を回避することができる。
【0105】
すなわち、本実施形態の第3の軸本体321および第4の軸本体322は異なる切替金具に配置されるが、これに限定されない。
【0106】
本実施形態では、
図13を参照すると、第1の切替金具401は、順次積み重ねられた第1のライニング4011、第1のスライドベーン4012および第1のブッシュ4013を含み、第2の切替片402は、順次積み重ねられた第2のライニング4021、第2のスライドベーン4022および第2のブッシュ4023を含む。
【0107】
ここで、第1のヒンジ金具31、第1のライニング4011、第1のスライドベーン4012、第1のブッシュ4013、第2のライニング4021、第2のスライドベーン4022、第2のブッシュ4023および第2のヒンジ金具32は上から下へ順次積み重ねられる。
【0108】
第1のライニング4011、第1のブッシュ4013、第2のライニング4021および第2のブッシュ4023はプラスチック材質、例えばポリオキシメチレン(polyformaldehyde、POM)などである。
【0109】
第1のスライドベーン4012および第2のスライドベーン4022は金属材質、例えばステンレススチールまたはQ235鋼などである。
【0110】
第1のライニング4011、第1のスライドベーン4012および第1のブッシュ4013の外形は相互に嵌合され、第1のライニング4011と第1のブッシュ4013は相互に嵌合されて第1のスライドベーン4012が両者間に挟み付けられ、第1のライニング4011、第1のスライドベーン4012および第1のブッシュ4013上に溝穴を配置して、第1の上部溝本体413、第2の上部溝本体415および第1の貫通穴4014が嵌合する必要がある。
【0111】
ここで、第1のスライドベーン4012および第1のブッシュ4013だけに溝穴を配置して第1の貫通穴4014を形成してもよく、つまり第1の貫通穴4014が第1のライニング4011を完全に貫通しない。このとき、第5の軸本体50は第1の切替金具401の下方から第1の貫通穴4011まで延伸し、第1のライニング4011により第1の貫通穴4014および第5の軸本体50が遮蔽され、外観が向上する。
【0112】
第2のライニング4021、第2のスライドベーン4022および第2のブッシュ4023の外形は相互に嵌合され、第2のライニング4021と第2のブッシュ4023は相互に嵌合されて第2のスライドベーン4022が両者間に挟み付けられ、第2のライニング4021、第2のスライドベーン4022および第2のブッシュ4023に溝穴を配置して第1の下部溝本体414、第2の下部溝本体416および第2の貫通穴4024が嵌合する必要がある。
【0113】
ここで、第2のライニング4021および第2のスライドベーン4022だけに溝穴を配置して第2の貫通穴4024を形成してもよく、つまり第2の貫通穴4024は第2のブッシュ4023を完全に貫通しない。このとき、第5の軸本体50は第2のブッシュ4023の下方から第2の貫通穴4024および第1の貫通穴4011まで延伸し、第2のブッシュ4023により第2の貫通穴4024および第5の軸本体50が遮蔽され、外観が向上する。
【0114】
このとき、第5の軸本体50のリベットポスト51の一端は第2のブッシュ4023によって制限され、第2のライニング4021、第2のスライドベーン4022および第2のブッシュ4023の嵌合効果をさらに向上させる。
【0115】
本実施形態では、第1の切替金具401は、第1のライニング4011、第1のスライドベーン4012および第1のブッシュ4013の周縁を被覆する第1の装飾シート4015をさらに含み、第2の切替金具402は、第2のライニング4021、第2のスライドベーン4022および第2のブッシュ4023の周縁を被覆する第2の装飾シート4025をさらに含み、第1の装飾シート4015と第2の装飾シート4025は相互に分離されている。
【0116】
ここで、「第1の装飾シート4015と第2の装飾シート4025は相互に分離されている」とは、第1の装飾シート4015と第2の装飾シート4025は相互に独立した構造であることを指し、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に移動すると、第1の装飾シート4015と第2の装飾シート4025も相対的に移動する。
【0117】
また、本実施形態の第1の装飾シート4015は「∩」字形であり、つまり第1の装飾シート4015は第1の切替金具401の3つの側面だけを被覆して、第1の装飾シート4015の組立に便利であり、これらの3つの側面に係合構造を配置して第1の装飾シート4015との嵌合を実現し、第1の切替金具401と第2の切替金具402の重なり合い方向上に、第1の装飾シート4015の幅は、第1のライニング4011、第1のスライドベーン4012および第1のブッシュ4013の総厚さとほぼ同じである。
【0118】
同様に、第2の装飾シート4025は「∩」字形であり、つまり第2の装飾シート4025は第2の切替金具402の3つの側面だけを被覆して、第2の装飾シート4025の組立に便利であり、これらの3つの側面に係合構造を配置して第2の装飾シート4025との嵌合を実現し、第1の切替金具401と第2の切替金具402の重なり合い方向に、第2の装飾シート4025の幅は、第2のライニング4021、第2のスライドベーン4022および第2のブッシュ4023の総厚さとほぼ同じである。
【0119】
第1の装飾シート4015および第2の装飾シート4025はABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)プラスチックから形成される。
【0120】
以下、ヒンジ部品30の具体的な動作手順を説明する。
【0121】
本実施形態では、庫本体10はヒンジ部品30に隣接して扉20の回転経路の延伸セクション上に延伸する外側面13をさらに含み、扉20は収容チャンバーSから離れた前壁21、および前壁21と収容チャンバーS間に常に挟み付けられた側壁22を含み、前壁21と側壁22の間に側稜23がある。
【0122】
図14~
図17を参照すると、扉20が閉状態である場合、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に静止しており、第1の軸本体311は第1の自由セクションS1に配置され、第4の軸本体322は制限セクション4222に配置され、切替部品40は第2のヒンジ金具32を制限する。
【0123】
具体的には、外側面13と側壁22は面一であるため、外観の滑らかさを確保し、外観を向上させ、かつ扉20の取付にも便利であるが、これに限定されない。
【0124】
ここで、なお、扉20が閉状態である場合、第3の軸本体321は第3の自由セクション421に配置され、第4の軸本体322は制限セクション4222内に制限され、第3の軸本体321と第4の軸本体322間の間隔が変更せず、かつ第3の軸本体321は第1の切替金具401に配置され、第4の軸本体322は第2の切替金具402に配置され、第3の軸本体321および第4の軸本体322の連携制限によって、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に静止している。
【0125】
図18~
図21を参照すると、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に静止しており、第1の上部溝本体413と第1の下部溝本体414の重なり部分は第1の自由セクションS1を形成し、第1の軸本体311は第1の自由セクションS1内をその場で回転し、凹部4016は突出部314に当接されて、切替部品40は前記第1のヒンジ金具31を制限し、扉20が庫本体10に対してその場で回転する。
【0126】
ここで、扉20が閉状態である場合、突出部314は凹部4016に位置し、第1の制限面3141は第2の制限面4017から離れ、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第1のヒンジ金具31は庫本体10に固定され、扉20は切替部品40とともに第1のヒンジ金具31に対して移動し、突出部314は凹部4016内を移動し、第1の制限面3141と第2の制限面4017は、第1の制限面3141が第2の制限面4017に当接するまで、徐々に近接する。このとき、第1の切替金具401は第1のヒンジ金具31に対して回転できなくなり、つまり、切替部品40は第1のヒンジ金具31をロックし、突出部314および凹部4016の寸法、形状などを制御することで、第1の制限面3141が第2の制限面4017に当接する場合の扉20の回転角度を制御することができる。
【0127】
本実施形態は、扉20が第1の開角度α1まで開く過程において、扉20が庫本体10に対してその場で回転し、この過程において、扉20が変位しないのを確保する。
【0128】
なお、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第4の軸本体322は常に制限セクション4222によって制限されて、切替部品40は第2のヒンジ金具32を制限する。
【0129】
図22~
図25を参照すると、扉20が第1の開角度α1から継続的に第2の開角度α2まで開く過程において、第1の切替金具401および第2の切替金具402は相対的に移動して、第4の軸本体322は制限セクション4222から脱出する。
【0130】
具体的には、第1の切替金具401および第2の切替金具402は相対的に移動すると、第1の切替金具401上の第3の軸本体321と第2の切替金具402上の第4の軸本体322間の間隔が変化しているが、第3の軸本体321が常に第3の自由セクション421内にあり、第4の軸本体322が制限セクション4222から第4の自由セクション4221まで移動し、つまり第4の軸本体322が制限セクション4222から脱出する。
【0131】
なお、第1のヒンジ金具31のロックは上記突出部314および凹部4016の嵌合に限らず、他の実施形態では、他の構造によって第1のヒンジ金具31のロックを達成してもよく、例えば第1の軸本体311をロックすることで第1のヒンジ金具31をロックしてもよく、具体的には、第1の溝本体411にロックセクションを配置し、第1の軸本体311がロックセクションまで回転すると、第1の軸本体311をロックし、または、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に移動して、第1の上部溝本体413と第1の下部溝本体414の間にロックセクションを形成し、このロックセクションによって第1の軸本体311をロックする。
【0132】
図26~
図29を参照すると、扉20が第2の開角度α2から継続的に最大開角度α3まで開く過程において、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に静止しており、第3の軸本体321は第3の自由セクション421をその場で回転し、第4の軸本体322は第3の軸本体321を中心として第4の自由セクション422を移動し、扉20は庫本体10に対して継続的にその場で回転する。
【0133】
上記から分かるように、本実施形態は、切替部品40により第1のヒンジ金具31、第2のヒンジ金具32をロックおよびアンロックする作用を果たし、第1のヒンジ金具31および第2のヒンジ金具32の順序切替を効果的に制御でき、扉20がスムーズに開かれる。
【0134】
本実施形態では、
図30および
図31を参照すると、第1の切替金具401は第1のストッパー部4018を含み、第2の切替金具402は、第1のストッパー部4018に嵌合された第2のストッパー部4027を含み、扉20が第2の開角度α2から第1の開角度α1まで閉じる過程において、第2の切替金具402は第2のストッパー部4027と第1のストッパー部4018の嵌合によって第1の切替金具401の移動を制限する。
【0135】
具体的には、第1のストッパー部4018は第1の切替金具401上の溝本体部4018であり、第2のストッパー部4027は第2の切替金具402上の突起部4027であり、溝本体部4018の一端はストッパー端4019であり、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に静止しており、突起部4027が溝本体部4018のストッパー端4019から離れた側に配置され、扉20が第1の開角度α1から第2の開角度α2まで開く過程において、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に移動し、突起部402は溝本体部4018内で、突起部402がストッパー端4019に当接するまでストッパー端4019に近い側に向かって移動し、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に静止している。
【0136】
理解できるように、扉20の開く過程において、他の構造によって第1の切替金具401と第2の切替金具402間の相対的な移動を制御してもよく、例えば、第1の切替金具401および第2の切替金具402上の溝本体と第1の軸本体311、第3の軸本体321の当接によって、第1の切替金具401と第2の切替金具402の相対的な移動を中止してもよい。このとき、第1の切替金具401と第2の切替金具402は相対的に静止で相互にずらされた状態であり、第1の切替金具401と第2の切替金具402が相対的に移動しなくなると、突起部402がちょうどストッパー端4019に当接することが好ましいが、これに限定されない。
【0137】
突起部402と溝本体部4018は、主に扉20の閉じ過程において、相互作用を果たし、実際の操作では、扉20が第2の開角度α2から第1の開角度α1まで閉じる過程において、突起部402がストッパー端4019に当接されているため、第2の切替金具402が回転しない場合、第1の切替金具401は回転できなく、すなわち、この過程において、第1の切替金具401の回転が必ず第2の切替金具402の回転よりも遅く、かつ第1の切替金具401と第2の切替金具402が重なると両者は相対的に静止しており、その後第1の切替金具401と第2の切替金具402は、扉20が閉じられるまで、一緒に第1の軸本体311に対して移動する。
【0138】
言い換えれば、扉20の閉じ過程と扉20の開き過程の順序が反対であり、切替部品40による第1のヒンジ金具31、第2のヒンジ金具32に対するロックおよびアンロック作用により、扉20の開閉過程において、第1のヒンジ金具31、第2のヒンジ金具32の切替順序を効果的に制御することができる。
【0139】
また、本実施形態では、第1の軸本体311と第3の軸本体321は相互にずらされているため、ビルトインキャビネットや冷蔵庫100の配置空間が小さいシナリオに適している。
【0140】
図32を参照すると、冷蔵庫100がキャビネット200に埋め込まれた場合の概略図を例にして説明する。
【0141】
本実施形態では、庫本体10は、開口102、および開口102の周りに配置された前端面103を含み、庫本体10は、収容チャンバーS、およびヒンジ部品30に隣接して扉20の回転経路の延伸セクション上に延伸する外側面13をさらに含み、扉20は収容チャンバーSから離れた前壁21、および前壁21と収容チャンバーS間に常に挟み付けられた側壁22を含み、前壁21と側壁22の間に側稜23が設けられる。
【0142】
ここで、扉20が閉状態から第1の開角度α1まで開く過程において、扉20が第1の軸本体311を中心として回転し、第1の軸本体311と前端面103の間に第1の距離があり、扉20が第2の開角度α2から継続的に最大開角度α3まで開く過程において、扉20が第3の軸本体321を中心として回転し、第3の軸本体321と前端面103の間に第2の距離があり、第2の距離が第1の距離よりも大きく、このようにすれば、完全埋込式冷蔵庫100の最大開角度を大幅に増加することができる。
【0143】
また、第1の軸本体311と外側面13の間に第3の距離があり、扉20が第2の開角度α2から継続的に最大開角度α3まで開く過程において、第3の軸本体321と外側面13の間に第4の距離があり、第4の距離が第3の距離よりも小さく、庫本体10の開放度をさらに増加することができる。
【0144】
具体的な説明は以下の通りである。
【0145】
冷蔵庫100のある移動軌跡については、扉20が第1の軸本体311および第3の軸本体321を相対的に移動させることと見なされる。
【0146】
本実施形態では、扉20がまず第1の軸本体311を中心として回転し、次に切替部品40によって切り替えられて第3の軸本体321を中心として回転することと見なされる。
【0147】
実際の操作では、嵌入効果を高めるために、冷蔵庫100を完全にキャビネット200に埋め込むことが好ましく、冷蔵庫100は自由ビルトイン式式冷蔵庫であり、つまり、キャビネット200の前端201と扉20の庫本体10から離れた側の前壁21と面一であるか、または扉20の前壁21がキャビネット200の前端201から完全に突出しない。
【0148】
従来技術では、冷蔵庫はすべて単軸冷蔵庫であり、冷蔵庫の回転軸と冷蔵庫の側壁および前壁の間に一定の距離を空ける必要があり、このようにすれば、発泡や他のプロセスに十分な空間を提供することができ、つまり、既存の冷蔵庫の回転軸の位置はほぼ
図32の第1の軸本体311の位置にあり、この場合、単軸冷蔵庫をキャビネット200に埋め込んだ後、キャビネット200の前端201と内壁202間に挟み付けられた稜角203が扉20の側稜23に対応して配置されるため、扉20が開くと、側稜23が扉20と干渉して扉20の最大開角度を制限し、扉20の正常開きを保証するために、従来技術では一般にキャビネット200の内壁202と冷蔵庫100間の間隙を増加する方法を採用しているが、この間隙は約10cmであるため、埋込効果に悪影響を与え、有限空間の合理的な利用に役立たない。
【0149】
図32を参照すると、影付きの領域は、閉状態の扉20を示し、扉20が開く過程において、扉20が常に第1の軸本体311を中心として回転し(つまり従来技術)、
図32の点線の扉20'を参照すると、第1の軸本体311が前端面103に近い。つまりこのとき第1の軸本体311がキャビネット200の前端201から離れ、扉20'が一定角度まで開くと、キャビネット200の稜角203が扉20'と相互に干渉して扉20'の最大開角度を制限する。
【0150】
本実施形態では、第3の軸本体321は第1の切替金具401上にあり、扉20の開く過程において、切替部品40は第1のヒンジ金具31、第2のヒンジ金具32に対して移動して第3の軸本体321は前端面103から徐々に離れ、つまり第3の軸本体321はキャビネット200の前端201に徐々に近接する方向に向かって移動する。すなわち、このとき扉20全体が庫本体10から離れた方向に向かって移動し、
図32の実線の扉20を参照すると、キャビネット200の稜角203の扉20への干渉作用が大幅に減少し、扉20が比較的大きな角度まで開くと、キャビネット200の稜角203との干渉が発生し、扉20の最大開角度を大幅に増加させる。
【0151】
すなわち、本実施形態は、切替部品40の作用により後階段で扉20が第3の軸本体321を中心として回転し、冷蔵庫100がキャビネット200に自由に埋め込まれるのを保証する前提下で、扉20の最大開角度、ユーザが冷蔵庫100を容易に操作することができ、ユーザの体験を大幅に向上させることができる。
【0152】
そして、本実施形態では、キャビネット200の内壁202と冷蔵庫100間の間隙を増大する必要がなく、冷蔵庫100とキャビネット200を隙間なく接続して、埋込効果を大幅に向上させることができる。
【0153】
また、本実施形態の切替部品40は、第3の軸本体321をキャビネット200の前端201に近接する方向に向かって徐々に移動させるように駆動すると同時に、第3の軸本体321をキャビネット200の内壁202に徐々に近接させるように駆動し、すなわち、扉20が第3の軸本体321を中心として回転する。このときの第3の軸本体321は第1の軸本体311よりもキャビネット200の前端201および内壁202に近接し、このようにすれば、扉20の最大開角度を増加させるだけでなく、扉20を庫本体10から離間させて庫本体10の開放度を増加し、庫本体10内の棚や引出しなどの開閉を容易にして、つまり物品のアクセスを容易にする。
【0154】
もちろん、最終的に回転軸としての第3の軸本体321は他の位置に配置されてもよく、例えば、扉20が第3の軸本体321を中心として回転する。このときの第3の軸本体321は第1の軸本体311よりもキャビネット200の前端201に近接し、かつ第3の軸本体321は第1の軸本体311よりもキャビネット200の内壁202などから離れる。
【0155】
理解できるように、切替部品40は、扉20の開閉過程において、第1のヒンジ金具31、第2のヒンジ金具32の切替順序を制御することで、扉20の開閉過程において、キャビネット200との相互干渉を効果的に回避することができる。
【0156】
本実施形態では、扉20の異なる領域にあるヒンジ部品30は構造が異なり、上記ヒンジ部品30は扉20の上方と庫本体10間にあるヒンジ部品30であり、以下、
図33および
図34を参照すると、扉20の下方と庫本体10間にあるヒンジ部品30'を簡単に説明する。
【0157】
下方のヒンジ部品30'と上方のヒンジ部品30の相違点は以下の通りである。下方ヒンジ部品30'の第1のヒンジ金具31'上に突出部313'が設けられ、第2のヒンジ金具32'上に対応の係合フック323'が設けられ、係合フック323'は弾性部品であり、扉20が閉状態である場合、突出部313'は係合フック323'を押して変形させ、扉20と庫本体10が密接に嵌合され、扉20が開く過程において、扉20は係合フック323'を移動させるように駆動し、係合フック323'は変形して突出部313'から脱出する。
【0158】
すなわち、扉20が閉状態である場合、突出部313'と係合フック323'の間に締りばめがあり、扉20の閉じ効果を向上させる。
【0159】
なお、第1のヒンジ金具31'と第2のヒンジ金具32'の間に切替部品40'が接続され、第2のヒンジ金具32'は、厚さ方向に沿って切替部品40'を通過する延伸セクション324'をさらに含み、延伸セクション324'が係合フック323'に接続され、このようにすれば、係合フック323'は水平に配置され突出部313'と相互に嵌合される。
【0160】
本実施形態では、
図35~
図38を参照すると、冷蔵庫100は配線モジュール60を備えた冷蔵庫100である。
【0161】
配線モジュール60は、対向して配置された固定端61および自由端62を含み、固定端61が扉20に接続され、自由端62が庫本体10に可動に配置され、庫本体10の配線Eが自由端62および固定端61を順次通過して扉20まで延伸する。
【0162】
ここで、「自由端62が庫本体10に可動に配置される」とは、自由端62が庫本体10に固定されていなく、扉20の開きに従い、自由端62が庫本体10に対して移動し、配線モジュール60の配線Eも扉20の開きに従って自由に移動することができる。
【0163】
なお、冷蔵庫100がよりインテリジェントで多機能化になるにつれて、冷蔵庫100の扉20に通常、例えば製氷モジュール、表示モジュールなどの機能モジュールが装備され、これらのモジュールは通常、配線Eを介して庫本体10の制御モジュールに接続される必要があり、本実施形態の配線Eは配線モジュール60を通過して扉20まで延伸し、扉20の開閉過程において、配線Eが引っ張られる現象を効果的に防ぎ、様々な移動軌跡の扉20に適用可能であり、例えばヒンジ部品30は、扉20を枢動側Pから収容チャンバーSに向かって移動させるように駆動する場合、配線Eの延伸軌跡も変化し、本実施形態は、配線モジュール60の設計により、そのような扉20の移動に適用可能であり、つまり配線モジュール60により配線Eの延伸軌跡を柔軟に調整してワイヤージャミングを防止することができる。
【0164】
本実施形態では、冷蔵庫100は制限空間101をさらに含み、制限空間101は扉20に向かって配置されたスロット1011を含み、配線モジュール60の固定端61がスロット1011を通過して扉20に接続され、扉20が開く過程において、扉20が配線モジュール60を制限空間101内を移動させるように駆動し、自由端62が常に制限空間101内に保持される。
【0165】
ここで、制限空間101は庫本体10の頂部11に位置し、配線モジュール60は庫本体10の頂部11に平行して配置され、且つ固定端61は扉20に可動に接続され、もちろん、制限空間101は他の領域に配置されてもよい。
【0166】
具体的には、本実施形態では、配線モジュール60は、第1のケーシング601および第2のケーシング602を含み、第2のケーシング602は庫本体10の頂部11に隣接して配置され、第1のケーシング601は第2のケーシング602よりも庫本体10の頂部11から離れ、第1のケーシング601および第2のケーシング602は相互に嵌合されて配線Eを収容するための収容チャンバー603を形成し、収容チャンバー603は両端が開口されて固定端61および自由端62を形成する。
【0167】
扉20は上方に庫本体10の頂部11から突出し、頂部11の扉20に近いエッジに頂部11から突出するストッパー111が設けられ、ストッパー111にスロット1011が開設され、冷蔵庫100は、頂部11から突出する複数の突出部112を含み、複数の突出部112は取り囲んで配置されて制限空間101を形成する。
【0168】
ここで、第1のヒンジ金具31は頂部11のエッジ位置に固定され、扉20の頂部11の突出設計に適用させるために、ヒンジ部品30の第1のヒンジ金具31はほぼ「Z」字形であり、このようにすれば、第1のヒンジ金具31は庫本体10の頂部11から扉20の頂部まで延伸して扉20の頂部の切替部品40と相互に嵌合され得、複数の突出部112は、第1のヒンジ金具31と配線モジュール60間に設けられた第1の突出部1121、および第1の突出部1121と間隔を空けて配置された第2の突出部1122を含み、第1の突出部1121は、配線モジュール60と第1のヒンジ金具31の相互干渉を回避させ、第1の突出部1121の輪郭は配線モジュール60の移動軌跡に適合され、第2の突出部1122は、配線モジュール60と第2の突出部1122の衝撃を低減するために複数の突起であり得る。
【0169】
冷蔵庫100は、カバー本体103をさらに含み、カバー本体103は頂部11に配置されて制限空間101、第1のヒンジ金具31などを被覆し、カバー本体103はストッパー111と相互に嵌合され、かつカバー本体103の形状は具体的なニーズに応じて決定され得る。
【0170】
また、配線モジュール60の固定端61およびスロット1011は両方ともヒンジ部品30に隣接して配置され、理解できるように、扉20の開く過程において、配線モジュール60は扉20の開口ギャップから露出しているため、固定端61およびスロット1011をヒンジ部品30に隣接して配置することで、配線モジュール60の移動軌跡を合理的に制御できる一方、配線モジュール60が外観や冷蔵庫100の通常使用に悪影響を与えるのを回避することができる。
【0171】
配線モジュール60は水平に配置され、スロット1011を通って扉20まで延伸し、扉20内に配線穴Hが設けられ、配線Eは固定端61から伸びて配線穴Hを介して扉20内部まで延伸し、配線穴Hの領域Cに隣接して固定端61の領域に枢軸接続され、扉20は固定端61、配線穴Hおよび領域Cを被覆する蓋本体24を含み、このようにすれば、配線モジュール60と扉20が可動に接続され、扉20が開く過程において、扉20は配線モジュール60を移動させ、配線モジュール60は制限空間101内で異なる軌跡に従って自由に移動し、すなわち、配線モジュール60の移動軌跡は扉20の移動軌跡に完全に適用されるため、ワイヤージャミングを回避することができる。
【0172】
また、配線モジュール60は、円弧セクションDを含み、配線Eが収容チャンバー603内部で干渉されるのをさらに回避することができる。
【0173】
なお、配線モジュール60の摩耗および摺動ノイズを回避するために、配線モジュール60の第2のケーシング602と庫本体10の頂部11の間に緩和部材または摺動部材などを配置してもよいが、具体的に実際の状況に応じて決定すればよい。
【0174】
本実施形態では、制限空間101のスロット1011は第1のスロット幅を有し、配線モジュール60は固定端61と自由端62間に配置された移動部63を含み、第1のスロット幅は移動部63の最大幅よりも大きい。
【0175】
すなわち、扉20の開きに従い、移動部63が制限空間101から徐々に突出し、第1のスロット幅が移動部63の最大幅よりも大きいため、スロット1011に起因して移動部63の制限空間101からの突出が制限されるのが回避され、かつスロット1011は配線モジュール60の移動軌跡をある程度制限でき、配線モジュール60が過度に移動して制限空間101から外れるのが回避される。
【0176】
ここで、配線モジュール60が制限空間101から外れるのをさらに回避するために、自由端62を曲げ状に配置し、つまり自由端62と移動部63の間に夾角を形成してもよい。
【0177】
以上の実施例は、本発明の技術的解決策を説明するためにのみ使用され、制限するものではなく、好ましい実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、例えば異なる実施例の技術を組み合わせて同様の効果を達成できれば、その解決策も本発明の保護範囲に含まれる。当業者にとって、本発明の技術的解決策の精神および範囲を逸脱しない限り、本発明の技術的解決策に修正や同等置換を加えることができる。