(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】放熱装置及びこれを用いたアンテナアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240418BHJP
H01L 23/467 20060101ALI20240418BHJP
H01Q 23/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
H05K7/20 G
H05K7/20 H
H05K7/20 D
H01L23/46 C
H01Q23/00
(21)【出願番号】P 2022566184
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(86)【国際出願番号】 KR2021005245
(87)【国際公開番号】W WO2021221407
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0052808
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】キュ チュル チェ
(72)【発明者】
【氏名】イン ファ チェ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ジュン チョ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ ヒュン パク
(72)【発明者】
【氏名】キョ スン ジ
(72)【発明者】
【氏名】へー ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】チ バク リュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヒュン チェ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ホ チャン
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-104586(JP,A)
【文献】特開2019-036694(JP,A)
【文献】特開平11-135970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01L 23/467
H01Q 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発熱素子を含む回路基板を冷却するように構成された放熱装置において、
前記回路基板と対面するように配置されたプレートと、
前記回路基板と離間した前記プレートの一面上に第1の方向に沿って配置される複数の第1の放熱フィン
と、
前記プレートの一面に対面するように配置される送風部であって、前記プレートの一面に向かって空気を吐出するように構成される少なくとも1つのファンを含む送風部と、を含み、
互いに隣接する2つの第1の放熱フィンの間の空間は、前記少なくとも1つのファンから吐出された空気をガイドするように構成されたサイド流路を画定
し、
前記送風部は、第1の方向に沿って配置された複数のファンを含み、
前記複数のファンは、第1の回転方向に回転する複数の第1のファン及び、前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転する第2のファンを含み、
前記第1のファン及び前記第2のファンは、前記第1の方向に沿って交互に配置されることを特徴とする、放熱装置。
【請求項2】
前記複数の第1の放熱フィンの各第1の放熱フィンは、前記プレートの一面上で前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って延び、
前記サイド流路は、前記少なくとも1つのファンから吐出された空気を前記第2の方向にガイドするように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の放熱装置。
【請求項3】
さらに、前記複数の第1の放熱フィンの少なくとも一部を覆うように配置されるダクト部を含み、
前記ダクト部は、前記サイド流路の少なくとも一面を閉鎖するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の放熱装置。
【請求項4】
前記ダクト部は、第1のダクト及び、前記第1のダクトと第2の方向に離間された第2のダクトを含み、
前記送風部は、前記第1のダクト及び前記第2のダクトの間に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の放熱装置。
【請求項5】
前記複数の第1の放熱フィンは、
前記第1の方向に沿って配置される複数の第1のサイド放熱フィン及び、前記第1の方向に沿って配置され、前記第1のサイド放熱フィンと第2の方向に離間される複数の第2のサイド放熱フィンを含み、
互いに隣接する2つの第1のサイド放熱フィンの間の空間は、前記少なくとも1つのファンから吐出された空気をガイドするように構成された第1のサイド流路を画定し、
互いに隣接する2つの第2のサイド放熱フィンの間の空間は、前記少なくとも1つのファンから吐出された空気をガイドするように構成された第2のサイド流路を画定することを特徴とする、請求項1に記載の放熱装置。
【請求項6】
前記複数の第1のサイド放熱フィン及び前記複数の第2のサイド放熱フィンの間の空間は、前記第1のサイド流路及び前記第2のサイド流路と連通する中間流路を画定し、
前記中間流路は、前記少なくとも1つのファンから吐出された空気を前記第1の方向にガイドするように構成されることを特徴とする、請求項5に記載の放熱装置。
【請求項7】
さらに、前記複数の第1のサイド放熱フィン及び前記複数の第2のサイド放熱フィンの間に前記第2の方向に沿って配置される複数の第2の放熱フィンを含み、
前記複数の第2の放熱フィンの各第2の放熱フィンは、前記第1の方向に沿って延びることを特徴とする、請求項6に記載の放熱装置。
【請求項8】
前記複数の第1のサイド放熱フィン及び前記複数の第2のサイド放熱フィンは、第1の高さを有し、
前記複数の第2の放熱フィンは、前記第1の高さよりも小さい第2の高さを有することを特徴とする、請求項7に記載の放熱装置。
【請求項9】
前記中間流路は、
互いに隣接する2つの第2の放熱フィンの間の空間として画定される複数のサブ流路及び、前記複数のサブ流路と連通するメイン流路とを含むことを特徴とする、請求項8に記載の放熱装置。
【請求項10】
さらに、前記複数の第1のサイド放熱フィン及び前記複数の第2のサイド放熱フィンの間で前記プレートの一面から突出された複数の突起を含むことを特徴とする、請求項5に記載の放熱装置。
【請求項11】
前記送風部は、前記第1の方向に沿って配置される複数の第3のファン及び、前記第1の方向に沿って配置される複数の第4のファンを含み、
前記複数の第3のファン及び前記複数の第4のファンは、前記第1の方向に垂直な第2の方向に互いに隣接して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の放熱装置。
【請求項12】
請求項1に記載の放熱装置、及び、
前記少なくとも1つの発熱素子を含む前記回路基板を含むことを特徴とするアンテナアセンブリ。
【請求項13】
前記発熱素子はRF素子を含むことを特徴とする、
請求項12に記載のアンテナアセンブリ。
【請求項14】
少なくとも1つの発熱素子を含む回路基板を冷却するように構成された放熱装置において、
前記回路基板と対面するように配置されたプレートと、
前記回路基板と離間した前記プレートの一面上に第1の方向に沿って配置される複数の第1の放熱フィンと、
前記複数の第1の放熱フィンの少なくとも一部を覆うように配置されるダクト部と、
前記プレートの一面に対面するように配置される送風部であって、前記プレートの一面に向かって空気を吐出するように構成される少なくとも1つのファンを含む送風部と、を含み、
互いに隣接する2つの第1の放熱フィンの間の空間は、前記少なくとも1つのファンから吐出された空気をガイドするように構成されたサイド流路を画定し、
前記複数の第1の放熱フィンの各第1の放熱フィンは、前記プレートの一面上で前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って延び、
前記サイド流路は、前記少なくとも1つのファンから吐出された空気を前記第2の方向にガイドするように構成されており、
前記ダクト部は、前記サイド流路の少なくとも一面を閉鎖するように構成され、
前記ダクト部は、第1のダクト及び、前記第1のダクトと第2の方向に離間された第2のダクトを含み、
前記送風部は、前記第1のダクト及び前記第2のダクトの間に配置され、
前記ダクト部は、前記第1のダクト及び前記第2のダクト上で、第2の方向に配置され、第1の方向に延びる複数のダクトフィンを含むことを特徴とする、放熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放熱装置及びこれを用いたアンテナアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記載された内容は、単に本開示に関する背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
従来のアンテナ装置は、RF素子のような発熱素子を冷却するために、放熱フィンとファンを利用した対流冷却方式を用いた。具体的には、従来の対流冷却方式は、放熱フィンが縦方向に延び、ファンが放熱フィンの上部または放熱フィンの下部に配置されて放熱フィンを冷却する方式であった。
【0004】
しかしながら、このような従来の対流冷却方式は、放熱フィン間を流動する空気の進行距離が必然的に長くなるしかなく、従って冷却効率が低下するという問題があった。
【0005】
例えば、放熱フィンの下部にファンが配置されていると仮定する場合、ファンから吐出された空気は、放熱フィンの下部領域を冷却した以降に放熱フィンの上部領域を冷却する。この場合、流動する空気のうちの一部は外部に漏れ出て、それによって放熱フィンの上部領域に伝達される空気の量が放熱フィンの下部領域に比べて少なくなる。
【0006】
また、放熱フィンの上部領域に伝達される空気は、既に放熱フィンの他の領域によって加熱された状態であるため、既に高温の状態である。したがって、従来の対流冷却方式は全体的な冷却効率が低下するだけでなく、放熱フィンの各領域で冷却性能のばらつきが酷いという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本開示は、対流方式を通じて発熱素子を効果的に冷却することができる放熱装置及びこれを用いたアンテナアセンブリを提供することに主な目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施例によると、少なくとも1つの発熱素子を含む回路基板を冷却するように構成された放熱装置において、回路基板と対面するように配置されたプレートと、回路基板と離間されたプレートの一面上で第1の方向に沿って配置される複数の第1の放熱フィン、及び、プレートの一面と対面するように配置される送風部として、プレートの一面に向かって空気を吐出するように構成される少なくとも1つのファンを含む送風部を含み、互いに隣接する2つの第1の放熱フィン間の空間は少なくとも1つのファンから吐出された空気をガイドするように構成されたサイド流路を画定することを特徴とする放熱装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
以上で説明したように、本実施例によると、放熱装置及びこれを用いたアンテナアセンブリは、発熱素子を効果的に冷却することにより、発熱素子の高温状態で発生しうる問題、例えば、発熱素子の性能低下や発熱素子の損傷などを最小化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリの斜視図である。
【
図2】本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリの背面斜視図である。
【
図3】本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリの分解斜視図である。
【
図4】本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリの背面分解斜視図である。
【
図5】本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリにおける空気がサイド流路に沿って流れることを示す背面斜視図である。
【
図6】本開示の第2の実施例に係るアンテナアセンブリの背面分解斜視図である。
【
図7】本開示の一実施例による第2の実施例に係るアンテナアセンブリの背面図である。
【
図8】本開示の第3の実施例に係るアンテナアセンブリの背面図である。
【
図9】本開示の第3の実施例に係るアンテナアセンブリの底面図である。
【
図10】本開示の第4の実施例に係るアンテナアセンブリの背面斜視図である。
【
図11】本開示の第5の実施例に係るアンテナアセンブリの背面図である。
【
図12】本開示の第6の実施例に係るアンテナアセンブリの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一部の実施例を例示的な図面を通して詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面に表示されても、可能な限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。なお、本開示を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能についての具体的な説明が本開示の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳しい説明は省く。
【0012】
本開示による実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、i)、ii)、a)、b)などの符号を用いる場合がある。このような符号は、その構成要素を他の構成要素と区別するためだけであり、その符号によって当該構成要素の本質又は順番や順序等が限定されない。明細書にてある部分が、ある構成要素を「含む」または「備える」とするとき、これは、明示的に逆となる記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0013】
図1は、本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリ10の斜視図である。
【0014】
図2は、本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリ10の背面斜視図である。
【0015】
図3は、本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリ10の分解斜視図である。
【0016】
図4は、本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリ10の背面分解斜視図である。
【0017】
図5は、本開示の一実施例に係るアンテナアセンブリ10にて空気がサイド流路Sに沿って流動することを示す背面斜視図である。
【0018】
図1ないし
図4を参照すると、アンテナアセンブリ10は、レドーム11、回路基板12、及び放熱装置100を含む。
【0019】
レドーム11はアンテナアセンブリ10の前面に配置される。これにより、レドーム11は、外部の衝撃及び外部の異物流入からアンテナアセンブリ10の内部の電装素子を保護することができる。
【0020】
回路基板12は、少なくとも1つの発熱素子13を含む。少なくとも1つの発熱素子13は、アンテナアセンブリ10の動作のためのRF素子、例えばアンプ、フィルタ、FPGAなどの全部または一部を含み、本開示はこれに限定されない。
【0021】
放熱装置100は、回路基板12に隣接して配置されることにより、回路基板12の発熱素子13から発生された熱を冷却させることができる。これにより、発熱素子13の温度は適正な範囲内に維持され、これにより、高温による発熱素子13の機能低下や発熱素子13の損傷等を防止することができる。
【0022】
放熱装置100は、回路基板12に隣接して配置される。例えば、放熱装置100は、回路基板12の後部に配置されてもよく、回路基板12の少なくとも一部を囲むように配置されてもよい。
【0023】
放熱装置100は、プレート110、複数の第1の放熱フィン120、及び送風部130を全部又は一部含む。
【0024】
プレート110は、回路基板12と対面するように配置される。発熱素子13から発生された熱はプレート110に伝達される。
【0025】
プレート110は回路基板12と直接接触してよい。この場合、発熱素子13から発生された熱は、熱伝導を介してプレート110に伝達される。
【0026】
しかしながら、本開示はこれに限定されず、プレート110は回路基板12から幾分離間されてもよい。この場合、発熱素子13から発生した熱は、対流方式を通じて、プレート110に伝達される。
【0027】
一方、プレート110と回路基板12との間には熱伝導部(図示せず)が備えられてもよい。熱伝導部は、熱伝導率の高い金属、例えばアルミニウム材質からなる。
【0028】
発熱素子13から発生された熱は、その発熱素子13の周囲の領域に限って局所的に発生し得る。熱伝導部は、発熱素子13から局所的に発生した熱を、熱伝導方式を介して、熱伝導部の全体領域に均等に広げることができる。
【0029】
この場合、1つの発熱素子13から発生された熱は、熱伝導部を媒介にし、プレート110のより広い領域に伝達される。これにより、発熱素子13から発生された熱はより効果的に冷却される。
【0030】
プレート110は、プレート形状を有するか、またはアンテナアセンブリ10の外形を少なくとも一部形成するケース形状を有する。しかしながら、本開示はこれに限定されず、プレート110は発熱素子13から発生された熱を除去するために必要なあらゆる形状を有してもよい。
【0031】
複数の第1の放熱フィン120は、回路基板12と離間されたプレート110の一面、例えばプレート110の背面上に配置される。複数の第1の放熱フィン120は、プレート110から熱伝導の方式で熱の伝達がなされる。
【0032】
したがって、発熱素子13から発生された熱は、プレート110を通って第1の放熱フィン120に伝達される。第1の放熱フィン120に伝達された熱は、強制対流または自然対流の方式で冷却される。
【0033】
一方、複数の第1の放熱フィン120は、回路基板12と離間されたプレート110の一面上で第1の方向に沿って配置される。ここで、第1の方向はそれぞれプレート110の高さ方向を指すものであり、
図1ないし
図4を基準にZ軸方向である。
【0034】
複数の第1の放熱フィン120の各第1の放熱フィン120は、プレート110の一面上で第1の方向と垂直な第2の方向に沿って延びる。ここで、第2の方向はプレート110の幅方向を指すものであり、
図1ないし
図4を基準にY軸方向である。
【0035】
第1の放熱フィン120が第2の方向に延びる場合、第1の放熱フィン120間を流動する空気の進行経路は、第1の放熱フィン120が第1の方向に延びる場合と比較してより短くなる。これにより、第1の放熱フィン120は、第1の放熱フィン120の全体領域にわたって相対的に低温の空気で冷却される。これにより、第1の放熱フィン120を通じた冷却効果は向上される。
【0036】
ただし、本開示の第1の放熱フィン120の形状がこれに限定されるものではない。例えば、第1の放熱フィン120は、第1の放熱フィン120の第2の方向中心から上向きに傾斜した形状、すなわち「V字」状を有してもよく、全体として傾斜した形状を有してもよい。
【0037】
図5を参照すると、互いに隣接する2つの第1の放熱フィン120間の空間はサイド流路Sを画定することができる。サイド流路Sは、第1の方向に沿って複数の第1の放熱フィン120の間にそれぞれ形成される。
【0038】
サイド流路Sの形状は、第1の放熱フィン120の形状によって変わる。例えば、第1の放熱フィン120が第2の方向に沿って延びる場合、サイド流路Sも第2の方向に沿って延びる。この場合、サイド流路Sは、少なくとも1つのファン136から吐出された空気を第2の方向にガイドする。
【0039】
第1の放熱フィン120が傾斜した形状を有する場合、サイド流路Sも傾斜した形状を有する。この場合、サイド流路Sは、少なくとも1つのファン136から吐出された空気を傾斜した方向に沿ってガイドする。
【0040】
再び
図1ないし
図4を参照すると、複数の第1の放熱フィン120は、互いに同じ高さを有し、同じ間隔で配置される。しかしながら、本開示はこれに限定されず、放熱効率を高めるために、第1の放熱フィン120の高さまたは間隔は異なるように設定される。
【0041】
例えば、相対的に多くの熱を発生させる発熱素子と隣接して配置された第1の放熱フィン120と相対的に少ない熱を発生させる発熱素子と隣接して配置された第1の放熱フィン120は、その高さやその間隔が互いに異なるように設定される。
【0042】
送風部130は、プレート110の一面と対面するように配置される。より具体的に、送風部130は、複数の第1の放熱フィン120の後方に配置される。
【0043】
送風部130は、少なくとも1つのファン136を含む。少なくとも1つのファン136は、プレート110の一面に向かって空気を吐出する。ファン136から吐出された空気は、第1の放熱フィン120の周りの領域、例えばサイド流路Sを流動した以後にアンテナアセンブリ10の外部に排出される。これにより、複数の第1の放熱フィン120に伝達された熱は強制対流方式で冷却される。
【0044】
ファン136から吐出された空気の進行方向は、第1の方向及び第2の方向に垂直な第3の方向と平行であるが、本開示はこれに限定されない。ここで、第3の方向はプレート110の厚さ方向を指し、
図1ないし
図4を基準にX軸方向である。
【0045】
送風部130は、第1の方向に沿って配置される複数の第1の放熱フィン120を均等に冷却するように、第1の方向に沿って配置された複数のファン136を含む。
【0046】
送風部130は、プレート110の第2の方向の中間領域に対面するように配置される。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、送風部130はいずれか一方に偏向されて配置されてもよい。
【0047】
ファン136の動作やファン136の回転速度などは、アンテナアセンブリ10の内部に備えられたファン制御部(図示せず)を介して調節される。ファン制御部は、周囲の環境に関する情報、アンテナアセンブリ10の動作状態、または発熱素子13の温度情報などに基づいて少なくとも1つのファン136を制御する。
【0048】
ただし、ファン136の動作やファン136の回転速度などは、ファン制御部を介して自動的に調節されてもよいが、ユーザの手動操作を介して調節されてもよい。
【0049】
送風部130は、追加で、ファンハウジング132及びファンカバー134を含む。
【0050】
ファン136はファンハウジング132の内部に収容され、外部からの衝撃や外部の異物流入からファン136を保護する。
【0051】
ファンカバー134は、ファンハウジング132の開放された背面を覆う。ファンカバー134は、少なくとも1つのファン136を保護するための複数のグリル1342を含む。
【0052】
アンテナアセンブリ10は追加でダクト部140を含む。
【0053】
ダクト部140は、複数の第1の放熱フィン120の少なくとも一部を覆うように配置され、サイド流路Sの少なくとも一面を閉鎖することができる。これにより、ダクト部140は、少なくとも1つのファン136から吐出された空気が意図しない方向、例えばアンテナアセンブリ10の後方に流出されるのを防止することができる。
【0054】
ダクト部140は、第1のダクト142及び、第1のダクト142と第2の方向に離間された第2のダクト144を含む。
【0055】
送風部130は、第1のダクト142及び第2のダクト144の間に配置される。言い換えれば、第1のダクト142及び第2のダクト144は、送風部130を基準にして第2の方向の両側にそれぞれ配置される。
【0056】
ダクト部140は、追加で、第1のダクト142及び第2のダクト144上で第2の方向に沿って配置された複数のダクトフィン146を含む。各ダクトフィン146は、第1のダクト142及び第2のダクト144上で第1の方向に沿って延びる。
【0057】
複数のダクトフィン146は、アンテナアセンブリ10の外部に露出され、自然対流の方式で冷却される。したがって、複数の第1の放熱フィン120に伝達された熱の少なくとも一部は、複数のダクトフィン146を介して冷却される。
【0058】
一方、
図1ないし
図4では、本開示の一実施例に係る放熱装置100がアンテナアセンブリ10に適用されることを示しているが、これは単に説明の便宜のためであり、本開示はこれに限定されるわけではない。したがって、本開示の一実施例に係る放熱装置100は、アンテナアセンブリ10以外の、発熱素子を含む他の装置にも適用され得る。
【0059】
後述する
図6及び
図10に示された本開示の第2の実施例ないし第4の実施例は、第1の放熱フィンが一対のサイド放熱フィンからなり、一対の放熱フィン間に中間流路が形成される点で、
図1ないし
図5に示された本開示の一実施例とは差異点を有する。以下では、本開示の各実施例との差別的な特徴を中心に説明し、本開示の一実施例と実質的に同一の構成についての繰り返しの説明は省かれる。
【0060】
図6は、本開示の第2の実施例に係るアンテナアセンブリ20の背面分解斜視図である。
【0061】
図7は、本開示の一実施例による第2の実施例に係るアンテナアセンブリ20の背面図である。説明の便宜のため、
図7で送風部及びダクト部は省略された。
【0062】
図6及び
図7を参照すると、複数の第1の放熱フィン220は、複数の第1のサイド放熱フィン222及び複数の第2のサイド放熱フィン224を含む。
【0063】
複数の第1のサイド放熱フィン222及び複数の第2のサイド放熱フィン224は、第1の方向に沿って配置される。複数の第1のサイド放熱フィン222と複数の第2のサイド放熱フィン224は、第2の方向に離間される。
【0064】
第1のサイド放熱フィン222及び第2のサイド放熱フィン224は第2の方向に延びる。しかしながら、本開示はこれに限定されず、第1のサイド放熱フィン222と第2のサイド放熱フィン224は傾斜した形状を有してもよい。
【0065】
互いに隣接する2つの第1のサイド放熱フィン222間の空間は、第1のサイド流路S1を画定する。第1のサイド流路S1は、第1の方向に沿って複数の第1のサイド放熱フィン222の間にそれぞれ形成される。
【0066】
互いに隣接する2つの第2のサイド放熱フィン224間の空間は、第2のサイド流路S2を画定する。第2のサイド流路S2は、第1の方向に沿って複数の第2のサイド放熱フィン224の間にそれぞれ形成される。
【0067】
第1のサイド流路S1及び第2のサイド流路S2は、少なくとも1つのファン236から吐出された空気をガイドする。
【0068】
サイド流路S1、S2の形状は、サイド放熱フィン222、224の形状によって変わり得る。例えば、サイド放熱フィン222、224が第2の方向に沿って延びる場合、サイド流路S1、S2も第2の方向に沿って延びる。この場合、サイド流路S1、S2は、少なくとも1つのファン236から吐出された空気を第2の方向にガイドする。
【0069】
サイド放熱フィン222、224が傾斜した形状を有する場合、サイド流路S1、S2も傾斜した形状を有する。この場合、サイド流路S1、S2は、少なくとも1つのファン236から吐出された空気を傾斜した方向に沿ってガイドする。
【0070】
複数の第1のサイド放熱フィン222及び複数の第2のサイド放熱フィン224の間の空間は中間流路Cを画定する。
【0071】
中間流路Cは、少なくとも1つのファン236から吐出された空気を第1の方向にガイドする。ファン236から吐出された空気は、中間流路Cに沿って第1の方向に流動しながらプレート210の一面を冷却することができる。
【0072】
中間流路Cは、第1のサイド流路S1及び第2のサイド流路S2と連通する。したがって、ファン236から吐出された空気は、中間流路Cを通って第1のサイド流路S1及び第2のサイド流路S2に伝達される。
【0073】
1つのファン236から吐出された空気は、中間流路Cを通して、そのファン236と対応される位置のサイド放熱フィン222、224だけでなく、ファン236とはやや離間された位置のサイド放熱フィン222、224にも伝達される。
【0074】
これを通じて、複数のファン236のいずれかに故障が発生した場合でも、そのファン236に対応されるサイド放熱フィン222、224は他のファン236によって冷却されることができる。
【0075】
したがって、本開示の第2の実施例に係る放熱装置200は、複数のファン236のうちの一部に故障が発生された場合でも、他のファン236を通してサイド放熱フィン222、224を冷却できる冗長性(redundancy)機能を有する。
【0076】
図8は、本開示の第3の実施例に係るアンテナアセンブリ30の背面図である。
【0077】
図9は、本開示の第3の実施例に係るアンテナアセンブリ30の底面図である。
【0078】
説明の便宜のため、
図8及び
図9で、送風部及びダクト部は省かれた。
【0079】
図8及び
図9を参照すると、複数の第1の放熱フィン320は、複数の第1のサイド放熱フィン322及び複数の第2のサイド放熱フィン324を含む。
【0080】
複数の第1のサイド放熱フィン322及び複数の第2のサイド放熱フィン324は、第1の方向に沿って配置される。複数の第1のサイド放熱フィン322と複数の第2のサイド放熱フィン324は、第2の方向に離間される。
【0081】
第1のサイド放熱フィン322及び第2のサイド放熱フィン324は第2の方向に延びる。しかしながら、本開示はこれに限定されず、第1のサイド放熱フィン322と第2のサイド放熱フィン324は傾斜した形状を有してもよい。
【0082】
互いに隣接する2つの第1のサイド放熱フィン322間の空間は、第1のサイド流路S1を画定する。第1のサイド流路S1は、第1の方向に沿って複数の第1のサイド放熱フィン322の間にそれぞれ形成される。
【0083】
互いに隣接する2つの第2のサイド放熱フィン324間の空間は、第2のサイド流路S2を画定する。第2のサイド流路S2は、第1の方向に沿って複数の第2のサイド放熱フィン324の間にそれぞれ形成される。
【0084】
第1のサイド流路S1及び第2のサイド流路S2は、少なくとも1つのファン336から吐出された空気をガイドする。
【0085】
複数の第1のサイド放熱フィン322及び複数の第2のサイド放熱フィン324の間の空間は中間流路Cを画定する。
【0086】
中間流路Cは、少なくとも1つのファン336から吐出された空気を第1の方向にガイドする。ファン336から吐出された空気は、中間流路Cに沿って第1の方向に流動しながらプレート310の一面を冷却する。
【0087】
中間流路Cは、第1のサイド流路S1及び第2のサイド流路S2と連通する。したがって、ファン336から吐出された空気は、中間流路Cを通って第1のサイド流路S1及び第2のサイド流路S2に伝達される。
【0088】
放熱装置300は、複数の第1のサイド放熱フィン322と複数の第2のサイド放熱フィン324との間に配置された複数の第2の放熱フィン350を含む。
【0089】
複数の第2の放熱フィン350は第2の方向に沿って配置され、各第2の放熱フィン350は第1の方向に沿って延びる。発熱素子から発生された熱は、プレート310を通って第2の放熱フィン350に伝達される。第2の放熱フィン350に伝達された熱は、強制対流または自然対流の方式で冷却される。
【0090】
複数の第1のサイド放熱フィン322及び複数の第2のサイド放熱フィン324は第1の高さH1を有し、複数の第2の放熱フィン350は第1の高さより小さい第2の高さH2を有する。ここで、第1の高さH1及び第2の高さH2は、プレート310の一面を基準として定義される。
【0091】
第2の放熱フィン350の高さH2をサイド放熱フィン322、324の高さH1より低くすることで、中間流路Cからサイド流路S1、S2への空気流動が第2の放熱フィン350によって妨げられることを防止することができる。
【0092】
中間流路Cは、複数のサブ流路C1及びメイン流路C2を含む。
【0093】
複数のサブ流路C1は、互いに隣接する2つの第2の放熱フィン350の間の空間として画定され、メイン流路C2は、第2の放熱フィン350の上部でサイド放熱フィン322、324間の空間として画定される。
【0094】
メイン流路C2は、複数のサブ流路C1と連通する。ファンから吐出された空気はメイン流路C2に沿ってガイドされ、メイン流路C2によってガイドされた空気はサイド流路S1、S2に伝達される。これにより、冗長性(redundancy)機能を具現される。
【0095】
一方、中間流路Cを流動する空気のうちの少なくとも一部は、複数のサブ流路C1に沿ってガイドされ、複数のサブ流路C1によってガイドされた空気は、第2の放熱フィン350を冷却させる。
【0096】
したがって、本開示の第3の実施例に係る放熱装置300は、サブ流路C1とメイン流路C2を介して冗長性機能を具現すると同時に、第2の放熱フィン350を介した追加の放熱効果を奏する利点がある。
【0097】
図10は、本開示の第4の実施例に係るアンテナアセンブリ40の背面斜視図である。説明の便宜のため、
図10では、送風部及びダクト部を省かれた。
【0098】
図10を参照すると、放熱装置400は、プレート410の一面から突出された複数の突起460を含む。複数の突起460は、複数の第1のサイド放熱フィン422と複数の第2のサイド放熱フィン424の間に配置される。
【0099】
少なくとも1つのファンから吐出された空気は、中間流路Cを流動しながら複数の突起460と衝突する。この場合、中間流路Cを流動する空気の内部で乱流が発生する。このような乱流は対流による冷却を促進させる。したがって、中間流路Cを流動する空気はプレート410をより効果的に冷却することができる。
【0100】
また、複数の突起460は、プレート410から熱伝導の方式で熱の伝達がなされる。したがって、複数の突起460に伝達された熱は、中間流路Cを流動する空気によって冷却される。
【0101】
後述される
図11に示された本開示の第5の実施例は、送風部が互いに回転方向が逆で交互に配置された2種類のファンを含むという点で、
図1ないし
図5に示された本開示の一実施例と相違点を有する。以下では、本開示の第5の実施例との差別的な特徴を中心に説明し、本開示の一実施例と実質的に同一の構成についての繰り返しの説明は省かれる。
【0102】
図11は、本開示の第5の実施例に係るアンテナアセンブリ50の背面図である。説明の便宜のため、
図11ではダクト部を省略された。
【0103】
図11を参照すると、送風部530は、第1の回転方向に回転する複数の第1のファン5362及び、第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転する複数の第2のファン5364を含む。
【0104】
例えば、第1のファン5362が時計回りに回転する場合、第2のファン5364は反時計回りに回転する。逆に、第1のファン5362が反時計回りに回転する場合、第2のファン5364は時計方向に回転する。
【0105】
第1のファン5362及び第2のファン5364は、第1の方向に沿って交互に配置される。この場合、互いに隣接する2つのファンの間の領域で空気が相殺される程度を最小化することができる。
【0106】
例えば、時計回りに回転する第1のファン5362の下部領域は左側に流動する空気を発生させ、反時計回りに回転する第2のファン5364の上部領域は左側に流動する空気を発生させる。
【0107】
言い換えれば、第1のファン5362とそれに隣接する第2のファン5364との間の領域で、空気の流動方向は一致する。この場合、互いに隣接する2つのファンが互いに同じ方向に回転する場合と比べ、2つのファン5362、5364の間の領域で発生される空気の相殺の程度は減少する。
【0108】
さらに、空気の相殺程度が減少するにつれ、2つのファン5362、5364の間の領域で吐出される空気の流量はより大きくなる。これにより、複数のファン536の強制対流による第1の放熱フィン520の冷却効果は向上される。
【0109】
後述される
図12に示された本開示の第6の実施例は、送風部が複数のファン列(column)を含む点で、
図1ないし
図5に示された本開示の一実施例と相違点を有する。以下では、本開示の第6の実施例との差別的な特徴を中心に説明し、本開示の一実施例と実質的に同一の構成についての繰り返しの説明は省かれる。
【0110】
図12は、本開示の第6の実施例に係るアンテナアセンブリ60の背面図である。説明の便宜のため、
図12ではダクト部は省略された。
【0111】
図12を参照すると、送風部630は、第1の方向に沿って配置される複数の第3のファン6366及び、第1の方向に沿って配置される複数の第4のファン6368を含む。
【0112】
複数の第3のファン6366及び複数の第4のファン6368は、第2の方向に互いに隣接して配置される。言い換えれば、送風部630は複数のファン列を含む。この場合、いずれかのファンに故障が発生しても、ファンに対応する第1の放熱フィン620は、そのファンと第2の方向に隣接する他のファンを介して冷却される。すなわち、冗長性機能が具現される。
【0113】
一方、送風部630のファン6366、6368は、限られた空間に複数のファンが配置されるように、やや小さいサイズを有する。この場合、1つのファン列に配置されるファンの個数も増やすことができ、これにより冗長性機能をさらに向上させることができる。しかしながら、本開示はこれに限定されず、送風部630は中型または大型のファンを備えてもよい。
【0114】
以上の説明は、本実施例の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本実施例の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施例の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0115】
10:アンテナアセンブリ 12:回路基板
13:発熱素子 100:放熱装置
110:プレート 120:第1の放熱フィン
130:送風部 140:ダクト部
222:第1のサイド放熱フィン 224:第2のサイド放熱フィン
350:第2の放熱フィン 460:突起
5362:第1のファン 5364:第2のファン
6466:第3のファン 6368:第4のファン
S:サイド流路 C:中間流路
C1:サブ流路 C2:メイン流路
【0116】
CROSS-REFERENCE TO RELATED APPLICATION
本特許出願は、本明細書にその全体が参考として含まれる、2020年4月29日付で韓国に出願した特許出願番号第10-2020-0052808号に対して優先権を主張する。