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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】低レイテンシコマンド伝搬プロトコル
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/44 20060101AFI20240418BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
H04L12/44 Z
H04L12/28 100A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022580455
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 IB2021058874
(87)【国際公開番号】W WO2022195344
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】21020156.2
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506038073
【氏名又は名称】イノヴァ セミコンダクトルズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン、ローラント
(72)【発明者】
【氏名】リーデル、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤンチン、リー
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102019002119(DE,A1)
【文献】国際公開第2020/025052(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/44
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムで複数のクライアントデバイス(CD)の各々の対象とする作動を可能にする低レイテンシおよびフェイルセーフのコマンド伝搬のために自動車において使用するシステム構成であって、
複数のコマンドを生成して開始するように構成されたイニシエータデバイス(I)と、
イニシエータ側ポート(ISP)を介して前記イニシエータデバイス(I)に通信可能に接続された直列の複数の分岐デバイス(BD)であって、伝送媒体を用いて通信可能に接続されている前記直列の複数の分岐デバイス(BD)と、
直列の複数の分岐にセグメント化されている複数のクライアントデバイス(CD)であって、各分岐は、分岐型データラインに沿った少なくとも2つのクライアントデバイス(CD)についてのものであり、各分岐は、単一の分岐デバイス(BD)に接続されている、前記複数のクライアントデバイス(CD)と、を備え、
各分岐デバイス(BD)は、設定されたモード(M0、M1、M2、....、M6)に従って、当該分岐デバイス(BD)に接続されている分岐のクライアント側ポート(CSP)を用いて、前記イニシエータデバイス(I)によって生成および開始された複数のコマンドを最初のクライアントデバイス(CD)に直接的に供給し、前記コマンドは、それぞれの分岐デバイス(BD)のクライアント側ポート(CSP)を介して少なくとも1つのさらなるクライアントデバイス(CD)にさらに伝搬され、前記モードは、生成されたコマンドに応じて、および受信されたリンクアテンションイベントの数によって設定され、前記コマンドは、前記モードがその前のモードに戻る前に前記モードの終了条件を提供し、前記モードは、第1の対のポートがスイッチモードを用いてアドレス指定され、別の対のポートの経路上の複数のパッケージがルーティングされることを規則化
少なくとも1つの分岐デバイス(BD)は、前記分岐デバイス(BD)が複数のネットワーク関連動作を実行し、複数のデバイス固有機能を実行する状態で作動され、前記分岐デバイス(BD)は、設定されたモードに従ってペアワイズのポート(IS、CSP、ESP)についてスイッチング動作またはルーティング動作を実行し、前記モードは、すべての着信パッケージが転送されるモード、前記コマンドが少なくとも1つの分岐デバイス(BD)のアドレスを提供するアドレス一致の場合にのみ複数のパッケージが転送されるモード、接続された複数のクライアントデバイス(CD)が読み出されるモード、接続された複数のクライアントデバイス(CD)が命令されるモード、複数の着信コマンドが最初に解析されるモード、着信コマンドが直接的に渡されるモード、および着信コマンドが分岐デバイス(BD)のアドレスに応じて適合されるモードのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするシステム構成。
【請求項2】
前記モードは、少なくとも各分岐デバイス(BD)のペアワイズの通信ポート間で設定され、前記通信ポートは、イニシエータ側ポート(ISP)、クライアント側ポート(CSP)、および拡張側ポート(ESP)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム構成。
【請求項3】
受信されたリンクアテンションイベントは、少なくとも1つの復号化されたフレーム同期イベント、少なくとも1つのコマンド、少なくとも1つのダウンストリームフレーム、少なくとも1つのアップストリームフレーム、少なくとも1つの受信されたメッセージ、少なくとも1つの実行されたコマンド、および少なくとも1つの命令のうちの少なくとも1つによって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のシステム構成。
【請求項4】
受信されたリンクアテンションイベントの数が、生成されたコマンドまたは所定の閾値によって指定されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム構成。
【請求項5】
生成された各コマンドは、フレーム開始を示すように構成されたフレーム同期データを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム構成。
【請求項6】
前記モードは、ペアワイズのポート(ISP、CSP、ESP)間のパッケージのスイッチング、ルーティング、解析、および送信のうちの少なくとも1つを指定することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム構成。
【請求項7】
各分岐デバイス(BD)は、規則を指定する前記イニシエータデバイス(I)によって実装されるプロトコルに従って作動され、前記規則に従って、各分岐デバイス(BD)は、複数の状態のうちの1つの状態で動作し、前記複数の状態は、電源投入直後の状態であって、前記分岐デバイス(BD)にアドレスが割り当てられていない状態と、初期化コマンドのみが受け付けられる状態と、前記分岐デバイス(BD)に固有ネットワークアドレスが割り当てられている状態と、前記分岐デバイス(BD)の全てのネットワーク関連動作が実行可能である状態と、前記分岐デバイス(BD)が複数のネットワーク関連動作を実行し、複数のデバイス固有機能を実行する状態と、前記分岐デバイス(BD)が、割り当てられたネットワークアドレスを有さず、イニシエータ側ポート(ISP)に到着し、拡張側ポート(ESP)およびクライアント側ポート(CSP)に転送されるフレーム、または拡張側ポート(ESP)に到着し、イニシエータ側ポート(ISP)およびクライアント側ポート(CSP)に転送されるフレームについて双方向にトランスペアレントである状態と、を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム構成。
【請求項8】
前記複数のクライアントデバイスは、発光ダイオードおよびセンサーのうちの少なくとも1つによって実装され、前記イニシエータデバイス(I)からの複数のコマンドを転送する前記それぞれの分岐デバイス(BD)によって分岐ごとにアドレス指定されることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のシステム構成。
【請求項9】
前記分岐デバイス(BD)の電圧の損失、電流の損失、及び未定義の挙動の場合、着信したポート(ISP、ESP)は、さらなる処理、解析、ルーティング、またはスイッチングのステップ無しで、複数の着信パッケージを出力ポート(ESP、ISP)に渡すことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のシステム構成。
【請求項10】
前記分岐型データラインがプリント回路基板上に配置されること、および前記分岐型データラインが複数のプリント回路基板を接続することのうちの少なくとも一方を特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のシステム構成。
【請求項11】
前記伝送媒体は、ペアワイズの分岐デバイス間の単一の非シールドツイストペアケーブル、またはすべての分岐デバイスがそれに沿って配置される単一の非シールドツイストペアケーブルを含むことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム構成。
【請求項12】
リアルタイムで複数のクライアントデバイスの各々の対象とする作動を可能にする低レイテンシおよびフェイルセーフのコマンド伝搬のために自動車において使用するための方法であって、
複数のコマンドを生成して開始するように構成されたイニシエータデバイス(I)を動作させること(100)、
イニシエータ側ポート(ISP)を介して前記イニシエータデバイス(I)に通信可能に接続された直列の複数の分岐デバイス(BD)であって、伝送媒体を用いて通信可能に接続されている前記直列の複数の分岐デバイス(BD)を動作させること(101)、
直列の複数の分岐にセグメント化されている複数のクライアントデバイス(CD)であって、各分岐は、分岐型データラインに沿った少なくとも2つのクライアントデバイス(CD)についてのものであり、各分岐は、単一の分岐デバイス(BD)に接続されている、前記複数のクライアントデバイス(CD)を動作させること(102)、を備え、
各分岐デバイス(BD)は、設定されたモード(M0、M1、M2、....、M6)に従って、当該分岐デバイス(BD)に接続されている分岐のクライアント側ポート(CSP)を用いて、前記イニシエータデバイス(I)によって生成および開始された複数のコマンドを最初のクライアントデバイス(CD)に直接的に供給し(103)、前記コマンドは、それぞれの分岐デバイス(BD)のクライアント側ポート(CSP)を介して少なくとも1つのさらなるクライアントデバイス(CD)にさらに伝搬され(104)、前記モードは、生成されたコマンドに応じて、および受信されたリンクアテンションイベントの数によって設定され(105)、前記コマンドは、前記モードがその前のモードに戻る前に前記モードの終了条件を提供し、前記モードは、第1の対のポートがスイッチモードを用いてアドレス指定され、別の対のポートの経路上の複数のパッケージがルーティングされることを規則化し、
少なくとも1つの分岐デバイス(BD)は、前記分岐デバイス(BD)が複数のネットワーク関連動作を実行し、複数のデバイス固有機能を実行する状態で作動され、前記分岐デバイス(BD)は、設定されたモードに従ってペアワイズのポート(IS、CSP、ESP)についてスイッチング動作またはルーティング動作を実行し、前記モードは、すべての着信パッケージが転送されるモード、前記コマンドが少なくとも1つの分岐デバイス(BD)のアドレスを提供するアドレス一致の場合にのみ複数のパッケージが転送されるモード、接続された複数のクライアントデバイス(CD)が読み出されるモード、接続された複数のクライアントデバイス(CD)が命令されるモード、複数の着信コマンドが最初に解析されるモード、着信コマンドが直接的に渡されるモード、および着信コマンドが分岐デバイス(BD)のアドレスに応じて適合されるモードのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム構成に請求項12に記載の方法の複数のステップを実行させる複数の命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェイルセーフな態様でかつ低レイテンシ挙動で複数のユニットの動作を可能にするシステム構成および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献4は、動作モードを参照しない実行ユニットの作動を示す。
特許文献1は、複数の実行ユニットのフォールトトレラント(fault-tolerant)で電磁的に互換性のある制御のためのシステム構成を示している。
特許文献2は、例えば、複数の実行ユニットを制御するためのシステム構成において、第1または第2の通信経路が、さらなるデータフローのためにわずかな技術的労力で選択されることを可能にするラインドライバーデバイス(line driver device)を示す。さらに、この発明によるラインドライバーデバイスは、特にフォールトトレラントであり、とりわけ自動車での使用に適している。
【0003】
特許文献3は、例えば、複数の実行ユニットを制御するためのシステム構成において、第1または第2の通信経路が、技術的な複雑さをほとんど伴わずにさらなるデータフローのために選択されることを可能にするラインドライバーデバイスを示している。さらに、提案されたラインドライバーデバイスは、特にフォールトトレラントであり、とりわけ自動車での使用に適している。
【0004】
I2CまたはSPIなどのCANまたはLINバス通信規格などの現在のフィールドバスソリューション(fieldbus solutions)は、複数のセンサーおよび複数のプローブ(probes)と組み合わせた(多くの)動的に制御されるLEDのための通信ネットワークの複数の要件を満たしていない。20kBit/sのLINは、複数のLEDでの複数の動的照明効果(dynamic lighting effects)を生じさせるには遅すぎる。また、16個のクライアントの最大数は、屋内通信システムに対する今日の複数の要件を満たすには少なすぎる。CANは、2~4Mビットではるかに高い帯域幅を提供するが、データの決定論的分配(deterministic distribution)のために必要なアービトレーション(arbitration)を行うことができるマルチマスター(multi-master)であり、したがって複数の動的効果、特に複数の動的照明効果の同期化を実施することができない。ここでも、サポートされるクライアントの最大数は64個と非常に少ない。さらに、複数の個別CANノードの複雑さが極めて高く、許容できないコストにつながる。
【0005】
I2Cは、PCB上の複数の半導体コンポーネントの直列接続(シリアル接続 : serial connection)のために設計された通信技術である。ここでも、400kビットの典型的なデータレートは、複数の動的照明効果には低すぎる。シングルエンドシグナリング(single-ended signaling)のために、このバスは、複数のワイヤー(wires)を介して送信するときに干渉を非常に受けやすい。
【0006】
SPIはまた、PCBレベルでの複数の半導体コンポーネントの直列接続のために設計された通信技術である。しかしながら、シフトレジスタアーキテクチャに起因して、クライアントの数が増加し、完全に許容できないレイテンシ(待ち時間:latencies)をもたらす。
【0007】
イーサネット(登録商標)は、帯域幅およびサポートされるクライアントの数に関して完全に適しているが、任意のLED、センサー、またはプッシュボタンデバイス(push-button device)において実装されるにはあまりに複雑すぎる。加えて、イーサネットは、ケーブルインタフェース上に追加のコモンモードチョーク(common-mode choke)がなければ、必要とされる高い耐干渉性を達成することができない。
【0008】
車両の内部は、全体として、車両へのヒューマンマシンインタフェース(human machine interface : HMI)を示す。車両を制御するためのステアリングホイール、ブレーキおよびアクセルなどの周知の複数の制御要素に加えて、ディスプレイ、スイッチ、ボタンおよび信号灯(signal lights)ならびに発光ダイオード(light emitting diode : LED)は、車両を構成およびパーソナライズするためだけでなく、運転者支援システムと通信するため、または運転者支援システムによって警告されるための複雑なHMIを実現する。
【0009】
初期の車両以来、このHMIは、その全体として、複数のHMI要素の実現に関して機能性および多様性において絶えず成長してきた。
技術の利用可能性が様々であることに起因して、また、絶えず新しく開発される機能に起因して、ボタン、スイッチ、および「タッチソリューション」などの複数の触覚要素(haptic elements)と、信号灯および警告灯またはディスプレイなどの複数の視覚要素と、複数の動的照明要素との組み合わせが作り出されている。
【0010】
これらの要素の多くは、単一の機能ユニットに限定されることが多い多種多様なプロトコルでの複数の個別制御を有する。このことは、単に製造時に利用可能な技術のためである。したがって、今日の車両HMIは、実際には互いにインタラクション(相互作用:interact)することができない異なる複数の要素の寄せ集めである。
【0011】
今日、車両の内部は非常に複雑なHMIであり、HMIは運転者にその全体で影響を与え、車両を制御する本来のタスクに加えて運転者によって操作されなければならない。運転者は、多くの場合、運転の安全性を犠牲にして過度に緊張させられている。
【0012】
情報を表示するためのディスプレイおよびLED、ならびに動作を制御するための非接触ジェスチャ通信(contactless gesture communication)または音声認識などのすべての技術的可能性を完全なシステムに組み合わせて、状況に応じて情報を評価し、提示するか、または場合によっては非常に高い浸透性の方法(penetrating way)で情報を運転者に伝達する機能横断型(cross-functional)HMIは、運転の安全性のためだけでなく、一般的に運転者および乗客の健康のための基本的なコンセプトを有する。
【0013】
このことは、通信ネットワークにおいて表示要素、センサー、および触覚要素を組み合わせ、したがって、これらの協調制御を可能にするカスタマイズされた通信システムを必要とする。
【0014】
ネットワークは、多数(多くは100個から1000個まで)のLEDを、最小のレイテンシで同期して動的に駆動することができるべきである。これらLEDは、カラー又は白色LEDであり得る。さらに、制限された数(50個未満)のセンサー素子が制御され、読み取られるべきである。さらに、ボタンおよびスイッチなどの制限された数(<50)の触覚要素が、最も短いレイテンシ(応答時間<100ms)で認識されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】国際公開第2020/052801号
【文献】国際公開第2020/052802号
【文献】国際公開第2020/052806号
【文献】加国特許出願公開第3125682号明細書
【発明の概要】
【0016】
従って、本発明の目的は、専用ハードウェアアーキテクチャ全体にわたって複数のコマンドをリアルタイムでフェイルセーフ(fail-safe)に伝搬させることができる改善されたシステム構成を提供することである。さらに、本発明の目的は、提案されたシステム構成において使用するためのラインドライバーユニット、および提案されたシステム構成を提供または動作させるための方法を提案することである。さらに、方法を実行するかまたはシステム構成を動作させる複数の制御コマンドを含むコンピュータプログラム製品が提案される。
【0017】
この目的は、独立請求項の複数の特徴によって達成される。別の有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
従って、リアルタイムで複数のクライアントデバイスの各々の対象とする作動を可能にする低レイテンシでフェイルセーフのコマンド伝搬のために自動車において使用するシステム構成が提案されている。該システム構成は、複数のコマンドを生成して開始するように構成されたイニシエータデバイス(initiator device)と、イニシエータ側ポートを介してイニシエータデバイスに通信可能に接続された直列の複数の分岐デバイス(a series of branch devices)であって、伝送媒体を用いて通信可能に接続されている直列の複数の分岐デバイスと、直列の複数の分岐にセグメント化されている複数のクライアントデバイスであって、各分岐は、分岐型データラインに沿った少なくとも2つのクライアントデバイスについてのものであり、各分岐は、単一の分岐デバイスに接続されている、複数のクライアントデバイスと、を備え、各分岐デバイスは、設定されたモードに従って、当該分岐デバイスに接続されている分岐のクライアント側ポートを使用して、イニシエータデバイスによって生成および開始された複数のコマンドをそれぞれ最初のクライアントデバイスに直接的に供給し、コマンドは、それぞれの分岐デバイスのクライアント側ポートを介して少なくとも1つのさらなるクライアントデバイスにさらに伝搬され、前記モードは、生成されたコマンドに応じて、および受信されたリンクアテンションイベント(received link attention events)の数によって設定され、コマンドは、モードがその前のモードに戻る前にモードの終了条件を提供し、モードは、第1の対のポートがスイッチモードを用いてアドレス指定され、別の対のポートの経路上の複数のパッケージがルーティングされることを規則化し、少なくとも1つの分岐デバイスは、分岐デバイスが複数のネットワーク関連動作を実行し、複数のデバイス固有機能を実行する状態で作動され、分岐デバイスは、設定されたモードに従ってペアワイズのポートについてスイッチング動作またはルーティング動作を実行し、モードは、すべての着信パッケージが転送されるモード、コマンドが少なくとも1つの分岐デバイスのアドレスを提供するアドレス一致の場合にのみ複数のパッケージが転送されるモード、接続された複数のクライアントデバイスが読み出されるモード、接続された複数のクライアントデバイスが命令されるモード、複数の着信コマンドが最初に解析されるモード、着信コマンドが直接的に渡されるモード、および着信コマンドが分岐デバイスのアドレスに応じて適合されるモードのうちの少なくとも1つを含む。少なくとも2つのクライアントデバイスは、必ずしもいずれかの分岐に存在する必要はない。何もない空の分岐も存在し得る。
【0018】
ここでは、伝搬モードがコマンドによって、および/またはその後に受信されたリンクアテンションイベントの数によって設定されるという利点を提供する低レイテンシでフェイルセーフのコマンド伝搬のための自動車において使用するシステム構成が提案される。すなわち、コマンドを用いて直接的にモードを設定するか、またはモードもしくは状態が前のモードまたは別の指定されたモードに切り替わるフォールバック基準(fallback criteria)を指定する可能性がある。したがって、さらなるスイッチ命令は送信されない。このことは、接続が切断された場合に特に有利であり、さらに迅速に実施される。
【0019】
リアルタイムで複数のクライアントデバイスの各々の対象とする作動を可能にするために、分岐デバイス、特にクライアントデバイスをアドレス指定する。コマンドは、分岐デバイス介してクライアントデバイスに送信され、クライアントデバイスにおいて動作がトリガーされる。動作は、センサーから読み出すこと、またはRGB色を設定することを含み得る。さらに、アドレス割り当てを有する接続された複数のエンティティのスキャンを実行することができる。
【0020】
イニシエータデバイスは、マイクロコントローラを動作させることができるコマンドを生成および開始するように構成されており、したがって、分岐デバイス、および、ここでは複数のクライアントデバイスをアドレス指定する(addresses)アーキテクチャ内のアクティブエンティティ(active entity)を提供する。イニシエータデバイスは、最初の分岐デバイスと接続され、この分岐デバイスを使用してさらなるエンティティと間接的に通信する。
【0021】
直列の複数の分岐デバイスは、最初の分岐デバイスのイニシエータ側ポートを介してイニシエータデバイスに通信可能に接続され、直列の複数の分岐デバイスは、伝送媒体を用いて通信可能に接続されている。複数の分岐デバイスは、それらのイニシエータ側ポートおよびそれらの拡張側ポートを用いて接続されている。これらは直列に接続されている。複数のクライアントデバイスは、直列の複数の分岐にセグメント化され、各分岐は、分岐型データラインに沿った少なくとも2つのクライアントデバイスについてのものであり、各分岐は、それぞれ単一の分岐デバイスに接続されている。分岐は、サブチェーンと呼称され得る。クライアントデバイスの数は、最大で数千とすることができ、これらはすべて、それぞれの分岐において編成される。
【0022】
各分岐デバイスは、設定されたモードに従って、該分岐デバイスと接続されている対応する1つの分岐のクライアント側ポートを用いて、イニシエータデバイスによって生成および開始された複数のコマンドを対応する最初のクライアントデバイスに直接的に供給する。設定されたモードは、パッケージがどのように送信されるかを示す。それらパッケージは、スイッチモード(switch mode)またはルーティングモード(routing mode)で送信され得る。スイッチモードは、ペアワイズのポート(pairwise ports)間で、パッケージを解析(parsing)または処理なしに通過させることを意味する。ルーティングとは、これらのパッケージが少なくとも解析されることを意味し、アドレス(存在する場合)がチェックされ、パラメータと共に命令がチェックされ、潜在的に処理が実行されることを意味する。要約すると、ルーティングが、データグラム、フレーム、コマンドを渡す前に複数の処理ステップを実行するのに対して、スイッチング(switching)は、処理ステップなしで渡す、または渡した後にのみ複数の処理ステップを実行すると言うことができる。
【0023】
一般に、パッケージは同様にデータグラムと呼ばれることができ、これらの概念は交換可能に使用されることができる。
コマンドまたはパッケージは、それぞれの分岐デバイスのクライアント側ポートを介して少なくとも1つのさらなるクライアントデバイスにさらに伝搬され、したがって分岐に沿って分散される。モードは、生成されたコマンドの関数として、および/または受信されたリンクアテンションイベントの数によって、どのモードまたは状態が実施されるかを規定するように設定されている。これは、スイッチングおよび/またはルーティング機能(switching and/ or routing function)に作用する。モードは、第1の対のートがスイッチモードを使用してアドレス指定される(addressed)一方で、別の対のートの経路上の複数のパッケージがルーティングされ得ることを規則化し(rule)得る。したがって、2つのモードが、異なる複数の対のポート間で同時に動作することができる。一般に、ポートはインタフェースと呼称され得る。
【0024】
本発明によるネットワークの基本機能は、多数(多くは100から1000まで)のLEDを、最小のレイテンシ(待ち時間)で、同期して動的に制御することである。これらLEDは、カラー又は白色LEDであり得る。さらに、制限された数(50個未満)のセンサー素子が制御され、読み取られるべきである。さらに、ボタンおよびスイッチなどの制限された数(<50)の触覚要素が、最も短いレイテンシ(応答時間<100ms)で認識されるべきである。
【0025】
この全体的な文脈において、リアルタイムとは、人間の目(human eye)がいかなる遅延も検出または知覚しないという事項を指す。したがって、何も備えない目(unarmed eye)によって、リアルタイムのアクションが即座に起こっていると認識される。このことは、人間の知覚ではコマンド伝搬および/または実行に遅延がないが、技術的な観点からはレイテンシ時間(待ち時間)によって望ましくない遅延が生じることを意味する。要約すると、ボタンおよびスイッチなどの制限された数(<50)の触覚要素が、最も短いレイテンシ(応答時間<500ms、応答時間<100msが好ましい)で認識されるべきである。本発明の一態様による提案されたトポロジ及びアーキテクチャによれば、任意のLEDについて、<100msの応答時間が好ましいが、<500msの応答時間が達成される。応答時間は、イニシエータユニット(略してイニシエータ)からターゲットユニット、すなわちLED、センサー、クライアントユニット、分岐デバイスなどへのコマンドの送信に関する。
【0026】
本発明によるネットワークは、ポイントツーポイントトポロジー(point-to-point topology)で配置された複数の個別ノードから構成されてもよい。ノードは、3つのノードタイプのうちの正確に1つに属する:
・イニシエータデバイス、
・分岐デバイス、
・クライアントデバイス。
【0027】
本発明による各ネットワークは、厳密に単一のイニシエータデバイス、典型的にはマイクロコントローラまたはFPGAを有する。イニシエータデバイスは、分岐デバイスのデイジーチェーンに接続される。分岐デバイス間の伝送媒体は、UTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブルである。各分岐デバイスに、クライアントデバイスの異なるデイジーチェーンを取り付けることが可能である。分岐デバイスおよびその複数のクライアントデバイスの構造は、分岐を形成する。クライアントデバイスの代表的なものは、典型的には、ISELEDベアダイチップ(bare die chip)INLC100Dに基づくものである。複数のLEDと共にこのチップのアセンブリは、統合照明ソリューションのためのシステムインパッケージを形成する。統合された複数のLEDを有さないスタンドアロンデバイスは、INLC10AQと呼称され、送受信機デバイスとしてのみ機能する。
【0028】
将来のアプリケーションのために、統合されたISELEDインタフェースを有するセンサー又は触覚要素もクライアントデバイスとして可能である。ネットワークのイニシエータは、APIで提供されるトランザクション(transactions)を開始する。
【0029】
本発明の一態様によれば、モードは、少なくとも各分岐デバイスのペアワイズの通信ポート間で設定され、これら通信ポートは、イニシエータ側ポート、クライアント側ポート、および/または拡張側ポート(Extension Side Port)を含む。このことは、ペアワイズのポートを独立して動作させることができ、したがって、スイッチングおよびルーティングを同時に、異なる伝搬モードの動作を可能にする異なる複数の対のポートを用いて行うことができるという利点を提供する。
【0030】
本発明のさらなる態様によれば、受信されたリンクアテンションイベントは、少なくとも1つの復号化されたフレーム同期イベント、少なくとも1つのコマンド、少なくとも1つのダウンストリームフレーム(downstream frame)、少なくとも1つのアップストリームフレーム(upstream frame)、少なくとも1つの受信されたメッセージ、少なくとも1つの実行されたコマンド、および/または少なくとも1つの命令によって形成される。このことは、いくつかのタイプの通信パッケージを使用して切り替え基準(switch criteria)を定義することができるという利点を提供する。したがって、ネットワークトラフィックを観察することができ、ある基準を満たすと、モードが変更される。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、受信されたリンクアテンションイベントの数は、生成されるコマンドまたは所定の閾値によって指定される。このことは、到達するイベントの限度がイニシエータデバイスによって送信され得、モードが切り替えられるように、受信されるイベントの上限を指定するプロトコルによって定義され得るという利点を提供する。閾値は、コマンドにおいて定義されることができる。
【0032】
本発明の一態様によれば、生成された各コマンドは、フレーム開始を示すように構成されたフレーム同期データを含む。このことは、受信されたリンクアテンションイベントが、受信されたフレーム同期データをカウントすることによって容易に検出され得るという利点を提供する。各コマンドはフレーム同期データを含むので、コマンドの数は、フレーム同期データフレームの数に等しい。
【0033】
本発明のさらなる態様によれば、モードは、ペアワイズのポート間のパッケージのスイッチング、ルーティング、解析、および/または送信を指定する。このことは、それぞれ1つのモードにおいていくつかの動作を組み合わせるプロトコルが実装され得るという利点を提供する。
【0034】
本発明のさらなる態様によれば、各分岐デバイスは、規則を指定するイニシエータデバイスによって実装されるプロトコルに従って作動され、規則に従って、各分岐デバイスが、複数の状態のうちの1つの状態で作動される。このことは、経験的に得られたデータを使用して設計することができる所定の規則に従って状態を提供することができるという利点を提供する。本発明は、基礎となるハードウェアアーキテクチャに合わせて調整され、効率的な制御フローを可能にする。
【0035】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの分岐デバイスは、分岐デバイスが複数のネットワーク関連動作を実行し、複数のデバイス固有機能を実行する状態で作動され、分岐デバイスは、設定されたモードに従ってペアワイズのポートについてスイッチング動作またはルーティング動作を実行する。このことは、ルーティングとスイッチングを組み合わせることができるという利点を提供する。上記で示した複数のモードおよび複数の状態は、経験的に識別され、現在の自動車シナリオにおいて必要とされるネットワーク管理のすべての態様をカバーする。
【0036】
本発明のさらなる態様によれば、複数のクライアントデバイスは、発光ダイオードおよび/またはセンサーによって具体化され、イニシエータデバイスからの複数のコマンドを転送するそれぞれの分岐デバイスによって分岐ごとにアドレス指定される。このことは、複数のコンポーネントを動作させるための特化された複数のインフラストラクチャが提供され得るという利点を提供する。本発明は、提案されたプロトコルが、典型的には多数適用され、直列に接続される複数の構成要素に非常に適していることを認識する。
【0037】
本発明のさらなる態様によれば、電圧の損失、電流の損失、分岐デバイスの未定義の挙動の場合、着信したポート(incoming port)は、さらなる処理、解析、ルーティング、またはスイッチングなしに、着信パッケージ(incoming packages)を出力ポートに渡す。このことは、分岐デバイスがトランスペアレント(transparent)にされるか、またはさらなる分岐デバイスに対して技術的に見えないようにされ、パッケージが処理なしで単に渡されるという利点を提供する。このようにして、故障した分岐デバイスに直接的に接続されているクライアントデバイスのみをアドレス指定する(処理する)ことができない。さらなる分岐デバイスのクライアントデバイスは、依然として動作可能である。
【0038】
本発明の一態様によれば、分岐型データラインは、プリント回路基板上に配置され、および/または複数のプリント回路基板を接続する。このことは、組み合わせることさえできる異なる実装技術が提供されるという利点を提供する。
【0039】
本発明のさらなる態様によれば、伝送媒体は、ペアワイズの分岐デバイス間の単一の非シールドツイストペアケーブル(Unshielded Twisted Pair Cable)、またはすべての分岐デバイスがそれに沿って配置される単一の非シールドツイストペアケーブルを備える。このことは、組み合わせることさえできる異なる実装技術が提供されるという利点を提供する。それらは、特定の伝送特性を有しており、実装が容易である。
【0040】
また本発明の目的は、リアルタイムで複数のクライアントデバイスの各々の対象とする作動を可能にする低レイテンシでフェイルセーフのコマンド伝搬のために自動車において使用するための方法によって解決される。該方法は、複数のコマンドを生成して開始するように構成されたイニシエータデバイスを動作させること、イニシエータ側ポートを介してイニシエータデバイスに通信可能に接続された直列の複数の分岐デバイスであって、伝送媒体を用いて通信可能に接続されている直列の複数の分岐デバイスを動作させること、直列の複数の分岐にセグメント化されている複数のクライアントデバイスであって、各分岐は、分岐型データラインに沿った少なくとも2つのクライアントデバイスについてのものであり、各分岐は、単一の分岐デバイスに接続されている、複数のクライアントデバイスを動作させること、を備え、各分岐デバイスは、設定されたモードに従って、当該分岐デバイスに接続されている分岐のクライアント側ポートを使用して、イニシエータデバイスによって生成および開始された複数のコマンドをそれぞれ最初のクライアントデバイスに直接的に供給し、コマンドは、それぞれの分岐デバイスのクライアント側ポートを介して少なくとも1つのさらなるクライアントデバイスにさらに伝搬され、前記モードは、生成されたコマンドに応じて、および受信されたリンクアテンションイベントの数によって設定され、コマンドは、モードがその前のモードに戻る前にモードの終了条件を提供し、モードは、第1の対のポートがスイッチモードを用いてアドレス指定され、別の対のポートの経路上の複数のパッケージがルーティングされることを規則化し、少なくとも1つの分岐デバイスは、分岐デバイスが複数のネットワーク関連動作を実行し、複数のデバイス固有機能を実行する状態で作動され、分岐デバイスは、設定されたモードに従ってペアワイズのポートについてスイッチング動作またはルーティング動作を実行し、モードは、すべての着信パッケージが転送されるモード、コマンドが少なくとも1つの分岐デバイスのアドレスを提供するアドレス一致の場合にのみ複数のパッケージが転送されるモード、接続された複数のクライアントデバイスが読み出されるモード、接続された複数のクライアントデバイスが命令されるモード、複数の着信コマンドが最初に解析されるモード、着信コマンドが直接的に渡されるモード、および着信コマンドが分岐デバイスのアドレスに応じて適合されるモードのうちの少なくとも1つを含む
【0041】
この目的はまた、デバイスに方法の複数のステップを実行させる複数の命令を含むコンピュータプログラム製品によって、ならびにコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体によって解決される。
【0042】
特に有利には、上述した方法は、提案されたデバイスおよび制御ユニットの複数の構造的特徴を用いて実行されることができる。したがって、本方法は、提案されたデバイスを動作させるように構成された複数のステップを教示する。さらに、デバイスは、提案された方法の達成を可能にする複数の構造的特徴を含む。さらに、本発明によるコンピュータまたはデバイス上で実行されたときに提案された方法を実行する複数の命令を含むコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品がそれぞれ提案される。さらに、複数の命令は、特許請求の範囲のデバイスの複数の構造的特徴を実装するための手段を提供する。したがって、デバイスの複数の構造的特徴の動作可能なイメージを作成することができる。同様に、複数の構造的デバイス特徴を含む構成が提供される。
【0043】
複数の構造的特徴が提供される場所はどこでも、それらは同様に仮想的に確立され、それによって複数の物理的構造の仮想インスタンスを作成することができる。例えば、デバイスを同様にエミュレートすることができる。複数のサブステップが当技術分野で知られているが、全体的な手順が依然としてその全体において寄与をもたらす場合があり得る。
【0044】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、本発明の態様が図面を参照して詳細に説明される以下の説明から明らかになる。特許請求の範囲および明細書に記載された複数の特徴は、それぞれ個々にまたは任意の組み合わせで本発明にとって重要であり得る。上述した特徴およびここで詳述した特徴は、個々にまたは任意の組み合わせで集合的に使用されることもできる。機能的に類似または同一の複数の部品または複数の構成要素には、場合によっては同じ参照符号が付されている。例示的な態様の説明において使用される「左」、「右」、「上」、および「下」という用語は、通常読み取れる数字の指定または通常読み取れる参照記号を有する向きの図面に関連する。図示および説明された態様は、決定的なものとして理解されるべきではなく、本発明を説明するための例示である。詳細な説明は、当業者の情報のために提供され、したがって、説明において、既知の回路、構造、および方法は、本説明の理解を複雑にしないために、詳細に示されず、または説明されない。以下、添付の図面を参照して、本発明を単に例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、従来技術による、マイクロコントローラと、直列に接続された複数のLEDユニットとを備えるサブチェーンを示す図である。
図2図2は、本発明の一態様による、リアルタイムで複数のクライアントデバイスの各々の対象とする作動を可能にする低レイテンシでフェイルセーフのコマンド伝搬のための自動車において使用するシステム構成のブロック図である。
図3図3は、本発明の一態様による、リアルタイムで複数のクライアントデバイスの各々の対象とする作動を可能にする低レイテンシでフェイルセーフのコマンド伝搬のための自動車において使用するための方法のフローチャートである。
図4図4は、本発明の一態様による同期フィールドを有するフレーム構造を示す図である。
図5図5は、本発明の一態様による分岐デバイスの複数の状態および複数の遷移を示す状態図である。
図6図6は、本発明の一態様による分岐デバイスの複数の状態および複数の遷移を示すさらなる状態図である。
図7図7は、本発明の一態様による分岐デバイスの複数のモードおよび複数の遷移を示すモード図である。
図8図8は、本発明の一態様によるモードM0によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図である。
図9図9は、本発明の一態様によるモードM1によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図である。
図10図10は、本発明の一態様によるモードM2によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図である。
図11図11は、本発明の一態様によるモードM2によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図である。
図12図12は、本発明の一態様によるモードM3によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図である。
図13図13は、本発明の一態様によるモードM4によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図である。
図14図14は、本発明の一態様によるモードM5によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図である。
図15図15は、本発明の一態様によるモードM6によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本教示は、複数の発光ダイオードを制御し、複数のセンサーを読み取るための複数のデータグラムおよび/または複数のフレームのスイッチングおよびルーティングを可能にする特定のプロトコルを提案する。情報は、基礎となるトポロジ及びアプリケーションドメインの極めて特定の複数の要件に従って配信される。自動車部門は、極めて制限的な複数の要件を提起し、特に複数のセキュリティ関連デバイスが含まれる。複数の発光ダイオード及び複数のセンサーは、リアルタイム要件及び信頼性の両方を考慮して提供されなければならない車両専用アプローチにおいて複数のセキュリティ機能の信頼性に影響を及ぼす可能性がある。提供される複数の利点の1つは、例えば、分岐デバイスは明示的なコマンド(explicit command)なしにその動作モードを変更することができるが、概して、コマンドが、モードの終了条件(expiry condition)を提供し、その後に、モードがその前のモードに戻ることができる。このような終了条件は、所定数の特定のネットワークイベントの受信であってもよい。さらに、方法を実行するかまたはデバイスを動作させる複数の制御コマンドを含むコンピュータプログラム製品が提案される。
【0047】
図1は、従来技術によるシステムまたは通信装置の可能な構成を示す。つまり、この場合、3つの制御ユニットに接続されているコマンドユニットBEを左側に見ることができる。3つの制御ユニットが直列に接続されているので、コマンドユニットは、1つの制御ユニットに直接的に接続され、さらなる複数の制御ユニットに間接的に接続される。複数の制御ユニットは、複数のマルチLEDコントローラ(multi-LED controller)であってもよい。このことは、図1においてMLED CTRLとして示されている。単一の参照符号は、特に、複数の制御ユニットが典型的には同一に構成されていることを示すことを意図している。ここで分かるように、複数のLEDは、複数のRGB(赤、緑、青)LEDである。これらは、複数の個別LEDユニットの混合比によって特定の色値を設定するようにセットアップ(set up)されている。さらに、この図では、必要に応じてさらなる構成要素が提供されることが分かる。例えば、電源を提供することが必要な場合がある。しかしながら、これに関連して、これらの構成要素、例えば電源を外部に設け、単にそれらを接続することも可能である。
【0048】
図1の左側は、例えばコマンドユニットとして動作するマイクロコントローラを示している。さらに、(この場合、LEDコントローラとして実装される)複数の実行ユニットは、双方向通信を有するように配置されている。このことは、参照符号MLED CTRLによって示されている。いくつかのアプリケーションシナリオでは、従来技術は、コントローラが故障した場合、通信が制限されるので、直列に接続されたすべてのさらなるコントローラも故障するという欠点を有する。
【0049】
データラインは、この場合、双方向矢印SIO1,SIO2として示されている複数のデータラインセグメントの形態である。制御ユニットは、実行ユニットと呼称されることもある。MLEDコントローラは、本発明に従って実行ユニットとして使用され得るように、ISELEDコントローラとも呼称され得る。
【0050】
図2は、システム構成の提案された構造を示し、コマンドユニットBEはマイクロコントローラの形態をとっている。この分岐デバイス(branch device)BDは、複数の分岐デバイスBDと通信可能に接続されている。イニシエータデバイスIは、第2のデータラインを介して、直列に接続された分岐デバイスBDに接続されている。この目的のために、各分岐デバイスBDは、3つのインタフェース、すなわちインタフェースISP、CSPおよびESPを有する。ここに示されるように、分岐デバイスBDは、クライアントデバイスCDのサブチェーンと通信する。これらのクライアントデバイスCDは、同様に直列に接続され、第1のデータラインによって通信される。
【0051】
また示されるように、複数の分岐とも呼称される複数のサブチェーンが存在し、各サブチェーンは、分岐デバイスBDおよび少なくとも1つのクライアントデバイスCDを備える。したがって、第1のタイプの複数のデータラインも存在し、ここでは、単に3つのサブチェーン、言い換えれば3つの第1のデータラインが示されている。
【0052】
提案されたシステムは縮尺を変更しており、このことは、第2のサブチェーンと第3のサブチェーンとの間に複数の点で描画することによってマークされている。これらの点は、複数の不定数のサブチェーンが存在し得ることを明らかにするものである。この数は、単にアドレス空間によって制限される。図2の右下は、異なる数のクライアントデバイスCDが設けられ得ることを示しており、これも同様に複数の点によって示されている。この場合も、アドレス空間によって、クライアントデバイスCDの数について決定される。
【0053】
図2では、いずれの場合も、第1のデータラインが水平に示されており、第2のデータラインが垂直に示されている。第2のデータラインはまた、コマンドユニットBEと複数の分岐デバイスBDとの間の接続を指す。全体として、複数の水平サブチェーンは、いずれの場合も回路基板上に配置されることができ、一方、垂直の接続間に有線接続を実装することができる。したがって、垂直方向に、数メートルの大きな複数の距離を依然として克服することができる。本明細書では、実際の実装が複数の要件に従うことを当業者が理解するように、垂直および水平は単に図面を参照する。
【0054】
分岐デバイスBDは、4つのポートを備える通信ユニットである:
・ISP(イニシエータ側ポート:Initiator Side Port)、
・ESP(拡張側ポート:Extension Side Port)、
・CSP(クライアント側ポート:Client Side Port)、
・GPIO。
【0055】
分岐デバイスがネットワーク内の最初の位置である場合、GPIOインタフェースは、分岐デバイスおよびイニシエータデバイスの相互接続のために使用される。最初の位置を定義するために、ISP_PピンおよびESP_Nピンは短絡される。
【0056】
分岐デバイスがネットワーク内の最初の位置でない場合、ISPは、非シールドツイストペア(Unshielded Twisted Pair : UTP)ケーブルを介して前の分岐デバイスのESPに接続される。その場合、GPIOインタフェースは、ILaSプロトコルトランザクションのために使用されず、複数のセンサー信号を検出するために、または複数のアクチュエータを制御するために利用可能である。後続の複数の分岐デバイスは、RSPを介して接続されることができる。CSPの使用は任意である。ILaSは登録商標であり、本発明に係る複数のコンセプトについて言及する。
【0057】
分岐デバイスエラー(電力供給されていないデバイス、EOS、通信の誤動作など)の場合、ILaSネットワークの残りを動作させるために、受動的緊急経路(passive emergency path)が提供されるものとする。この経路は、直列の2つの50Ω抵抗器から構成されて、100Ωの経路を提供する。エラーフリーモード(error-free mode)では、送受信ブロックの50Ω終端を提供するために、これらの抵抗器間のGND接続が提供される。
【0058】
とりわけ、複数のクライアントデバイスがセグメント化されて複数のサブチェーンに配置されているので、提案されたシステム構成は、誤り耐性(error-tolerant)がある。これにより、直列の複数のサブチェーン(series sub-chains)が得られ、複数の個別クライアントデバイスは連続して接続される。したがって、複数のクライアントデバイスのうちの1つが故障した場合、悪影響は、故障したクライアントデバイスが配置されているサブチェーン内でのみ生じる。このことは、直列に接続された複数のさらなるクライアントデバイスが故障する代わりに、同じセグメント内のクライアントデバイスのみが故障するという従来技術に対する利点を有する。このことは、故障の場合には複数のクライアントデバイスが単に接続されるという点で対処することもできる。
【0059】
複数のクライアントデバイスは直列に、好ましくは双方向に接続されている。したがって、複数のクライアントデバイスが分岐デバイスから伝達された複数のコマンドを受信し、続いてそれらを実行することが可能である。コマンドは、命令、あるいはパラメータの読み出しまたは設定を含み得る。したがって、クライアントデバイスは、複数の個別LEDを作動させるLEDユニットとして設けられてもよい。複数のLEDは、典型的には、赤色LED、緑色LED及び青色LEDの形態をとり、白色LEDを設けることも可能である。したがって、複数のクライアントデバイスは、分岐デバイスの複数のコマンドを実行し、さらに戻り値を供給することができる。したがって、分岐デバイスがクライアントデバイスにセンサーを読み出すように命令することが可能であり、双方向通信によって、クライアントデバイスは、センサーの読み出した温度値を返すことができる。
【0060】
本発明によれば、複数のサブチェーンまたは複数のセグメントが存在するので、従来技術で開示されているようにエラーがサブチェーン全体に悪影響を及ぼすことはなく、本発明によれば、すべてのサブチェーンではなく、1つの(関連する)サブチェーンのみであり、個々に作動される複数の個別サブチェーンが形成されるので、故障安全性が向上する。非排他的に、サブチェーンは、少なくとも1つのクライアントデバイスを含み、分岐デバイスは、各サブチェーンの上流に接続される。エラー耐性は、非アクティブ状態の場合に分岐デバイスが信号を通過させることによっても保証される。通過は、典型的には、信号を処理せずに通過させることをいう。その結果、論理(ロジック)は実行されず、故障した要素内で処理ステップは実行されない。むしろ、入力に存在する信号は、処理されることなく出力に出力される。
【0061】
複数のクライアントデバイスが作動されるときの電磁許容性(Electromagnetic acceptability)は、とりわけ、差動変調が常に提供されることによって、言い換えれば、命令が送信されていないときであってもラインが能動的に駆動されるという点でもたらされ得る。その結果、ラインドライバーがスイッチオン及びスイッチオフされるときに発生する急峻な立ち上がりまたは立ち下がり(flank)が除去される。本発明によれば、少なくとも分岐デバイス間に(光学的または電気的差動の)有線接続が提供されるように、提案されたトポロジを実装することが可能である。結果として、データラインは、従来の方法で回路基板上に実装されず、むしろ、個々のサブチェーンは、単に回路基板上に配置され、結果として得られる複数の回路基板は、(光学的または電気的差動の)有線接続によって、関連付けられた分岐デバイスを介して通信可能に結合されることができる。したがって、任意の所望の数の分岐デバイスを直列に接続することができ、クライアントデバイスのサブチェーンが各分岐デバイスにおいて通信可能に配置または結合されるので、サブチェーンの数を増減させることは特に有利である。
【0062】
一般に、作動されるクライアントデバイスまたは分岐デバイスの数は、アドレス空間、言い換えればアドレス指定され(addressed)得るユニットの数によって制限される。アドレス空間を所望のように選択することができるので、設けられるユニットの数も増減する。
【0063】
提案されたシステム構成はまた、とりわけ、複数の個別クライアントデバイスを最終的に制御するイニシエータデバイスを提供する。このことは典型的には直接的には行われず、複数の分岐デバイスを介して行われる。したがって、イニシエータデバイスは、複数のコマンドを生成し、関連付けられた複数の分岐デバイスを介してそれらを複数のクライアントデバイスに伝達し、または複数の分岐デバイスを介して複数のクライアントデバイスから複数のパラメータおよび複数の値を受信する。したがって、イニシエータデバイスは、複数の分岐デバイスに対して上位インスタンスを表し、したがって、マスターユニットと呼称され得る。この場合、複数の分岐デバイスは、複数のスレーブユニットまたは複数のクライアントユニットとして動作する。分岐デバイスはサブチェーン、言い換えれば複数のクライアントデバイスの上流に接続され、分岐デバイスは複数のコマンドを、関連付けられた複数のサブチェーンに伝達するので、この点で、分岐デバイスは複数のクライアントデバイスに対してマスターユニットのように動作する。したがって、複数のクライアントデバイスは、スレーブユニットまたはクライアントユニットの役割を担う。
【0064】
例えば、提案されたシステム構成は、LEDチェーンの形態をとっている。この目的のために、イニシエータデバイスは、複数の個別LEDによって実行される特定のパターンを出力する。この目的のために、イニシエータデバイスは、複数の個別分岐デバイスを作動させ、複数の分岐デバイスはその後、コマンドを、関連付けられたサブチェーンに渡す。分岐デバイスは、コマンドを渡すだけでなく、独立してコマンドを適合させる(adapt)こともできる。個々のクライアントデバイスは、コマンドを実行し、例えば複数の個別LEDを作動させる。ここでも、これらは赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDであってもよく、任意選択的に白色LEDを設けることも可能である。複数のクライアントデバイスはまた、モーター、マトリクスLED、センサー、温度センサー、光センサー、またはスキャナー等の他のアクチュエータの形態をとってもよい。
【0065】
第1のデータラインは、複数のサブチェーンによって形成されるデータラインである。したがって、第1のデータラインは、複数の個別クライアントデバイスを接続し、複数のクライアントデバイスのこのチェーンを正確に1つの分岐デバイスに接続する。したがって、このデータラインは、最初に、クライアントデバイスが接続される分岐デバイスを備える。任意選択的には、さらなるクライアントデバイスが、このクライアントデバイスに直列に接続される。ここでも、クライアントデバイスの数に制限はなく、基礎となるアドレス空間がそれに応じて選択されるだけである。これに関連して、アドレス空間は完全に消費される必要はなく、むしろアドレス空間は単に設けられるクライアントデバイスの数の上限を表す。
【0066】
第2のデータラインは、複数の分岐デバイスを直列に、好ましくは双方向に相互接続する。最初のユニットとして、イニシエータデバイスが第2のデータラインに接続され、続いて少なくとも1つの分岐デバイスが続いている。
【0067】
個々のサブチェーンはそれぞれ専用のデータラインを有するので、第1のデータラインは第1のタイプのデータラインと呼称され得る。概して、サブチェーンと同数のデータラインが存在する。例えば、3つのサブチェーンが存在する場合、正確に3つの分岐デバイスが設けられ、3つのサブチェーンが形成され、第1のタイプのデータラインが各サブチェーン内に存在する。結果として、この場合、正確に3つの第1のデータラインが存在する。第1のデータラインと第2のデータラインとの間の違いは、各第1のデータラインが、典型的には一度だけ設けられる第2のデータラインとは異なるように構成されることを可能にする。したがって、第1のデータラインは、いずれの場合にも回路基板上に配置されることができ、第2のデータラインは、例えばケーブルの形態をとることができる。これにより、特に有利な方法で、特に自動車における適用シナリオに基づく柔軟な構造が得られる。
【0068】
本発明の一態様では、サブチェーンの上流の分岐デバイスは、このサブチェーンの少なくとも1つのクライアントデバイスのためのマスターユニットとして動作し、少なくとも1つのクライアントデバイスは、この分岐デバイスに対してスレーブユニットとして動作する。このことは、複数のクライアントデバイスが分岐デバイスからコマンドを受信することができ、その後、コマンドがクライアントデバイスを通過するか、またはクライアントデバイスによって実行されるという利点を有する。したがって、分岐デバイスは、サブチェーンを介して渡され且つ各クライアントデバイスによって実行および渡されるコマンドを供給する。さらに、アドレスを使用して個別クライアントデバイスをアドレス指定することも可能であり、分岐デバイスからの対応するコマンドが、このチェーンを介してこの1つの特定のクライアントデバイスにアドレス指定される。コマンドが実行された場合、関連付けられたクライアントデバイスからの結果を前のクライアントデバイスに返送し、その後、最終結果を分岐デバイスに供給することも可能である。サブチェーン内の双方向通信は、このシナリオにとって有利である。コマンドは、イニシエータデバイスによって有利に出力され、典型的には変更されずに、分岐デバイスを介して関連付けられたクライアントデバイスに渡される。
【0069】
本発明のさらに別の態様では、イニシエータデバイスは複数の分岐デバイスのマスターユニットとして動作し、複数の分岐デバイスはイニシエータデバイスに対してスレーブユニットとして動作する。このことは、個々のコマンドまたはコマンドのシーケンスがイニシエータデバイスによって作成され、分岐デバイスに伝達され得るという利点を有する。したがって、分岐デバイスは、このコマンドまたは複数のコマンドを受信し、それらを変更せずに、または適合させて複数のクライアントデバイスに渡す。この場合も、複数の分岐デバイスがアドレスを使用して個々にアドレス指定され、任意選択的には、戻り値をイニシエータデバイスに出力することも可能である。
【0070】
本発明のさらなる態様では、第1のデータラインおよび/または第2のデータラインは双方向に構成される。このことは、コマンドまたは信号が両方向に伝達され、その結果、クライアントデバイスが戻り値を分岐デバイスに送信すること、および分岐デバイスが信号をイニシエータデバイスに送信することの両方が可能であるという利点を有する。特に、複数の個別ユニットは互いに通信することができる。好ましくは、両方のデータラインは双方向に構成されており、第1のデータラインまたは第2のデータラインのみが双方向であることも可能である。第1のタイプの複数のデータラインが存在するので、複数の第1の個別データラインが異なるように構成することも可能である。しかしながら、典型的には、全ての第1のデータラインは同一に構成される。
【0071】
本発明のさらなる態様では、第2のデータライン上の信号は、第1のデータライン上の信号よりも大きい振幅で変調される。このことは、第2のデータラインによって、大きな距離を誤りなく克服することができるという利点を有する。高い振幅は、0と1との間の差が大きいことに基づいており、したがって、信号変調は、誤りが生じにくい。したがって、第1のデータラインを回路基板上に実装し、第2のデータラインを有線ラインを使用して実装することが可能であり、有線ラインは、その後、大きな距離の結果として、大きな振幅で変調される。
【0072】
本発明のさらなる態様では、第2のデータライン上の信号は、第1のデータライン上の信号よりも10倍大きい振幅で変調される。このことは、驚くべきことに、この値が特に有利であり、信号は第1のデータライン上で特に効率的に変調されることができ、第2のデータライン上の信号はあまり効率的に変調されないが、誤りに対して極めてロバストであるという利点を有する。驚くべきことに、本発明によれば、提案された値は、第1のデータラインの振幅に対する第2のデータラインの振幅の比を設定するのに特に適していることが分かった。
【0073】
本発明のさらなる態様において、第1のデータラインおよび/または第2のデータラインは、光学的または電気的なデータラインである。このことは、複数のオプションを提供することができ、これらのオプションを用途シナリオに応じて選択することができるという利点を有する。本発明によれば、電気データラインが実装されることが好ましい。
【0074】
本発明のさらなる態様では、第1のデータラインおよび/または第2のデータラインは、常に電流を流す電気データラインである。このことは、差動伝送が常に可能であるという利点を有し、結果として、電流が印加されている間に特に急勾配の立ち上がりまたは立ち下がりの欠点もない。むしろ、常に電流が存在し、過渡振動が防止される。従って、提案された方法は、電磁妨害に対しても不感である。さらに、このタイプの構成を選択することは、数メートルの距離をカバーすることができる有線接続が実装されるために有利である。
【0075】
本発明のさらなる態様では、各分岐デバイスは、サブチェーンと共に専用回路基板上に配置されている。このことは、分岐デバイスが、複数のクライアントデバイスおよび関連付けられた第1のデータラインとともに、短い距離に対して最適化されることができ、結果として、個別回路基板上に簡単に配置されることもできるという利点を有する。このことはまた、複数のクライアントデバイスがセグメント化され、複数の個別サブチェーンが複数の回路基板によって分離されるので、誤りが生じにくい。
【0076】
本発明のさらなる態様では、複数の分岐デバイスはそれぞれ、第2のデータライン上の信号が、関連付けられた分岐デバイスをこの分岐デバイスが非アクティブ状態にあるときに通過するように構成されている。このことは、1つの分岐デバイスが故障しても、直列に接続されたさらなる分岐デバイスが依然としてコマンドを受信し、信号を送り返すこともできるという利点を有する。従って、故障した分岐デバイスは単にマスクされ(masked out)、対応する信号が受動的に(passively)通過される。その結果、故障した分岐デバイスでは信号の処理は行われないが、この分岐デバイスもチェーンの残りの部分を中断しない。したがって、故障した分岐デバイスの場合に、複数のサブチェーンのうちの1つのサブチェーンのみが故障することが有利である。
【0077】
本発明のさらなる態様では、複数のクライアントデバイスはそれぞれ、LED、モーター、センサー、温度センサー、光センサー、スキャナー、またはスイッチとして構成される。このことは、異なる複数のクライアントデバイスを提供することができるという利点を有し、本発明によればLEDが特に好ましい。LEDは、赤色、緑色または青色を放射する複数の個別ユニットを有することができる。しかしながら、概して、例えばLED及びセンサーが同じチェーン内に存在するように、複数の個別クライアントデバイスを混合することも可能である。加えて、1つのサブチェーンを複数のLEDから形成し、別のサブチェーンを複数のセンサーから形成してもよい。しかしながら、全てのクライアントデバイスが同一に構成されることが好ましい。
【0078】
本発明のさらなる態様では、クライアントデバイスは、少なくとも1つの状態情報を分岐デバイスに供給するように設定されている。このことは、分岐デバイスが特定の値が読み出されるべきであることを命令することができ、その後、このコマンドがサブチェーンを介してアドレス指定されたクライアントデバイスに渡され、このクライアントデバイスが他のクライアントデバイスを介して要求された値を返すという利点を有する。この場合、双方向通信が特に有利である。
【0079】
図3は、リアルタイムで複数のクライアントデバイスの各々の対象とする作動を可能にする低レイテンシでフェイルセーフのコマンド伝搬のために自動車において使用するための方法のフロー図を示す。該方法は、複数のコマンドを生成して開始するように構成されたイニシエータデバイスIを動作させること(100)、イニシエータ側ポートISPを介してイニシエータデバイスIに通信可能に接続された直列の複数の分岐デバイスBDであって、伝送媒体を用いて通信可能に接続されている直列の複数の分岐デバイスを動作させること(101)、直列の複数の分岐にセグメント化されている複数のクライアントデバイスCDであって、各分岐は、分岐型データラインに沿った少なくとも2つのクライアントデバイスCDについてのものであり、各分岐は、単一の分岐デバイスBDに接続されている、複数のクライアントデバイスを動作させること(102)、を備え、各分岐デバイスBDは、設定されたモード(M0,M1,M2,…,M6)に従って、当該分岐デバイスBDに接続されている分岐のクライアント側ポートCSPを使用して、イニシエータデバイスIによって生成および開始された複数のコマンドをそれぞれ最初のクライアントデバイスCDに直接的に供給し(103)、コマンドは、それぞれの分岐デバイスBDのクライアント側ポートCSPを介して少なくとも1つのさらなるクライアントデバイスCDにさらに伝搬され(104)、前記モードは、生成されたコマンドに応じて、および/または受信されたリンクアテンションイベントの数によって設定され(105)、コマンドは、モードがその前のモードに戻る前にモードの終了条件を提供し、モードは、第1の対のポートがスイッチモードを用いてアドレス指定され、別の対のポートの経路上の複数のパッケージがルーティングされることを規則化する
【0080】
これに関連して、当業者は、説明された複数の方法ステップが反復的におよび/または異なる順序で実行され得ることを理解するであろう。さらに、個々の方法ステップは、複数のサブステップを含むことができる。
【0081】
図4は、任意選択の巡回冗長検査部分(cyclic redundancy check portion)を有するフレームを示し、CRCを有する上の図、CRCを有さない下の図を参照されたい。概して、提案されたシステム構成を用いて送信されるデータは、データ、パッケージ、フレーム、情報またはメッセージとして示される。復号化されたフレーム同期イベント(decoded Frame Synchronization event)は、リンクアテンション(Link attention)として定義される。フレーム同期が受信されると、受信されたリンクアテンションイベントの数がインクリメントされる。このようにして、そのような終了基準を受信すると、モードは、前のモードに戻るように切り替えられ得る。分岐デバイスは、特定のモードに切り替えるための情報を提供するコマンドを受信し得る。このモードは、ある数のイベント、例えばコマンドについて維持される。各コマンドは、同期フレームを保持する。指定された数のコマンド、したがって指定された数の同期フレームが受信されると、分岐のモードは前のモードに切り替わる。
【0082】
このことは、明示的な元に切り替える命令が送信される必要はないが、切り替えコマンドにおいて元に切り替える条件が既に提供されているという技術的利点を提供する。
このことは、さらなるコマンドが送信される必要がないという技術的利点を提供する。
【0083】
さらに、このことは、提案されたアプローチがメッセージ損失に対してフェイルセーフであり、さらにリアルタイムで動作することができるという技術的利点を提供する。
図5は、分岐デバイスのステートマシン(機械状態:state machine)における遷移の一例を示す。この図は、状態をある状態から前の状態に変更する可能性があるリンクアテンションイベントの機能を再度示している。リンクアテンションイベントは、現在保持されている状態が維持されることを達成することもできる。
【0084】
図6は、本発明の一態様による分岐デバイスの複数の状態および複数の遷移を示すさらなる状態図を示す。ネットワークの一部として、各分岐デバイスは、いつでも6つの異なる状態のうちの1つにある。各状態を以下に説明する:
BLANK(ブランク):電源投入またはリセット後、分岐デバイスはBLANK(ブランク)状態にあるものとする。その状態では、ネットワークアドレスは割り当てられず、すべての着信データグラムは破棄される、
ALERT(アラート):INITコマンドのみを受け付けている状態、
SETUP(セットアップ):固有ネットワークアドレスが分岐デバイスに割り当てられ、したがってノードがネットワークの一部になり、分岐を探索し始める状態、
ALIVE(アライブ):分岐デバイスのすべてのネットワーク関連動作が、現在有効な転送モード(Forwarding Mode)に従って動作可能である状態、
ACTIVE(アクティブ):分岐デバイスが、
・現在有効な転送モードに従って複数のネットワーク関連動作を実行し、
・ILaSプロトコルの複数の要素を実行し、
・複数のデバイス固有機能を実行する状態、
SNIFF:分岐デバイスが割り当てられたネットワークアドレスを有さず、ISP(ESPおよびCSPに転送される)またはESP(ISPおよびCSPに転送される)に到着するフレームに対して双方向にトランスペアレント(transparent)である状態。
【0085】
状態ALERTにある分岐デバイスは、着信コマンドを解析して、ネットワークノードアドレスを取得するINITコマンドを検出する。そのようなINITコマンドを受信すると、分岐デバイスは、BLANK状態に戻らないが、その分岐を初期化するために、すなわち、そのCSPに接続されたクライアントデバイスのチェーンを初期化するために、プロトコルを実行する。そうでなければ、状態BLANKに戻る。
【0086】
状態SETUPの分岐デバイスは、その分岐を初期化するためにプロトコルを実行する。フェイルセーフのネットワーク動作のため、およびイニシエータデバイスによって管理可能なままであるために、(状態INITにある間に予期されない)そのISPにおけるリンクアテンションイベントの場合に状態SETUPに戻る。
【0087】
状態ALIVEにある分岐デバイスは、アクティブ転送モードの規則に従って、ISPとESPおよび/またはCSPとの間でフレームのルーティング(routing)を実行する。ISPにおけるリンクアテンションイベントは、状態ACTIVEへの遷移をトリガーする。
【0088】
状態ACTIVEの分岐デバイスは、アクティブ転送モードの規則に従って、そのISPからESPおよび/またはCSPへのフレームのルーティングを実行する。イニシエータデバイスによって発信されたコマンドがローカル動作を要求する場合、例えば、ローカルレジスタからデータを読み出す、またはローカルレジスタにデータを書き込む、または転送動作のモードを変更する場合、それが実行される。デバイスがリセットコマンドによってACTIVE状態からBLANK状態に設定されるとき、それは、前のアクティブなルーティングモードにかかわらずネットワーク全体がリセットコマンドを受信することを保証するために、CSPおよびESPにおいてリセットコマンドを自動的に生成するものとする。
【0089】
図7は、本発明の一態様による分岐デバイスの複数のモードおよび複数の遷移を用いてモード図を示す。ISP、CSP、ESPで受信されたフレームがどのようにESP、CSP、ISPに転送されるか、およびILaSプロトコル層によって定義されるようなコマンドの受信または応答の時にメッセージが生成されるべきかどうかの規則を定義する7つの転送モードが存在し得る。ILaSは登録商標であり、本発明に係る複数のコンセプトについて言及する。
【0090】
状態ALIVEへの遷移の後、イニシエータデバイスによって生成されたコマンドによって明示的に、またはISPにおいて特定の数のリンクアテンションイベントが検出されたときに暗黙的に、所与の分岐デバイスの有効転送モードが選択される。
【0091】
この数は、有効転送モードの変更を要求するコマンドと共にイニシエータデバイスによって事前に指定されることができる。転送モードの複数の遷移およびそれらのトリガーがこの図に示されている。
【0092】
図8図15は、分岐デバイスの具体的な複数のモードを示している。少なくとも1つの分岐デバイスBDは、分岐デバイスBDが複数のネットワーク関連動作を実行し、複数のデバイス固有機能を実行する状態で作動され、分岐デバイスBDは、設定されたモードに従ってペアワイズのポート(pairwise ports)IS、CSP、ESPについてスイッチング動作またはルーティング動作を実行し、モードは、すべての着信パッケージが転送されるモード、コマンドが少なくとも1つの分岐デバイスBDのアドレスを提供するアドレス一致(address match)の場合にのみパッケージが転送されるモード、接続されたクライアントデバイスCDが読み出されるモード、接続されたクライアントデバイスCDが命令されるモード、着信コマンドが最初に解析されるモード、着信コマンドが直接的に渡されるモード、および/または着信コマンドが分岐デバイスBDのアドレスに応じて適合されるモードを含む。これらのモードについて、これら図面を参照して以下に説明する。左側にはシステム構成が示されており、右側にはポートISP、CSPおよびESPにおける信号挙動が示されている。
【0093】
図8は、本発明の一態様によるモードM0によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図を示す。このモードでは、すべての着信コマンドがCSPおよびESPに直接転送される。コマンド解釈は、最低時間伝搬遅延を可能にするために後で実行される。ESPまたはCSPからの応答は、ISPに直接転送される。コマンドは、アドレス指定されたデバイス(この例ではaddr=4)においてのみ実行される。残りのネットワークノードは、コマンドを無視する。初期化された後(M4モード)、分岐デバイスはデフォルトでM0モードにある。
【0094】
図9は、本発明の一態様によるモードM1によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図を示す。このモードでは、複数の着信コマンドがESPに直接転送されて、伝搬遅延を最小にすることができる。CSPへの転送は、アドレス一致(この例ではaddr=5)の場合にのみ実行され、その結果、ISP/ESP経路と比較して伝搬遅延が長くなる。ESPまたはCSPからの応答は、ISPに直接転送される。M1モードは、read_branchルーチンを実行するために必要とされる。M1モードは、M0モードになった後に専用コマンドによって有効にされることができる。このコマンドを、いくつの後続のコマンドの後にデバイスがM0モードに戻るかを定義するための数だけ搬送する。これは、列におけるいくつかの読み出しを可能にする。
【0095】
図10は、本発明の一態様によるモードM2によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図を示す。このモードでは、複数の着信コマンドがESPに直接転送されて、伝搬遅延を最小にすることができる。CSPへの転送は、アドレス一致(この例ではaddr=5)の場合にのみ実行され、その結果、ISP/ESP経路と比較して伝搬遅延が長くなる。コマンドは転送されるだけでなく、アドレスがブロードキャストに変換されて、1つのコマンドで分岐のすべてのクライアントを制御する。ESPまたはCSPからの応答は、ISPに直接転送される。M2モードは、M0モードになった後に専用コマンドによって有効にされることができる。このコマンドを、いくつの後続のコマンドの後にデバイスがM0モードに戻るかを定義するための数だけ搬送する。このことは、列におけるいくつかのマルチキャストコマンドを可能にする。
【0096】
図11は、本発明の一態様によるモードM2によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図を示す。マルチキャストグループの設定と組み合わせて、いくつかの分岐を1つのコマンドでアドレス指定することもできる。ここでは示されていないが、addr=5およびaddr=9がDefine_MCastコマンドによってグループ0に割り当てられたシーケンスである。図10とは対照的に、この図11は、2つ以上の分岐がアドレス指定され得ることを示している。モードM1とモードM2との間の差異は、特定のモードがクライアント上の命令を読み取るために実装されてもよく、命令を書き込むために実装されてもよいことである。M2の書き込み命令に見られるように、アドレスは変更され、ブロードキャストアドレス0が挿入される。
【0097】
図12は、本発明の一態様によるモードM3によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図を示す。このモードでは、複数の着信コマンドはCSPに直接転送されて伝搬遅延を最小にするが、ESPへのコマンド転送は無効にされる。ESPまたはCSPからの応答は、ISPに直接転送される。M3モードは、ping_networkルーチンを実行するために必要とされる。このモードは、専用コマンドによって有効にされることができる。1つのping_networkルーチンの後、分岐デバイスはM0モードに戻る。
【0098】
図13は、本発明の一態様によるモードM4によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図を示す。このモードでは、複数の着信コマンドが最初に解析される。このことは、特定のコマンドのみに応答することを可能にし、伝搬遅延の増加をもたらす。初期化コマンドのみがISPからCSPに転送され、同時に修正される(アドレス)。ISPからESPへの転送は無効にされる。ESPまたはCSPからの応答は、ISPに直接転送される。このモードは、M5モードになった後にのみ有効にされることができ、初期化ルーチンのために必要とされる。
【0099】
図14は、本発明の一態様によるモードM5によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図を示す。このモードは、分岐デバイスがBLANK状態にあるときにアクティブである。このモードでは、複数の着信コマンドが最初に解析される。このことは、特定のコマンドのみに応答することを可能にし、伝搬遅延の増加をもたらす。ISPからCSPへのリセットコマンドのみが転送される。ISPからESPへの転送は無効にされる。
【0100】
図15は、本発明の一態様によるモードM6によるシステム構成およびそれぞれのメッセージフローのブロック図を示す。このモードでは、分岐デバイスはプロトコル試験装置のためのインタフェースとして機能する。調査されるネットワークが影響を受けないことを保証するために、デバイスは自身のアドレスを有さないものとする。すべての着信コマンドおよび応答は、CSPに直接転送される。M6モードは、OTPビットをプログラムすることによって有効にされ得る。CSP出力信号は、プロトコル試験装置のための容易な相互運用性を可能にするために、シングルエンド(SIO2_P/Nにおける5Vppデータおよびclk)であるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15