(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】リリーフ弁を備えたベント
(51)【国際特許分類】
F16K 15/14 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
F16K15/14 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023043400
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2019552585の分割
【原出願日】2018-03-30
【審査請求日】2023-04-12
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンダース, ジャコブ
(72)【発明者】
【氏名】ヘバート, マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ドッツァラー, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ガッツ, コーエン
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-334537(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0316158(US,A1)
【文献】特開2015-169214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティ、第1の端部、第2の端部、ベント開口部、弁開口部、および前記第2の端部を向く結合構造を画定するハウジングと、
前記ベント開口部にまたがって前記ハウジングに配置された受動空気流のベントと、
前記ハウジングに配置され、かつ前記弁開口部を覆うシールを形成する一方向リリーフ弁と、を備え、
前記一方向リリーフ弁は、前記ハウジングを通る空気流に関して前記受動空気流のベントと並列に配置され、前記受動空気流のベントと前記一方向リリーフ弁は中心軸を共有する、ベントアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の端部を向く前記ハウジングに結合されたエンドキャップをさらに備え、前記エンドキャップは前記ハウジングの前記第1の端部を画定し、前記エンドキャップは前記一方向リリーフ弁と前記受動空気流のベントにまたがって延びる、請求項1に記載のベントアセンブリ。
【請求項3】
前記ハウジングは周囲環境と前記キャビティとの間にハウジングの開口部を画定し、前記周囲環境と前記受動空気流のベントとの間に第1の流体流路を画定し、前記結合構造は
前記結合構造の内側と前記受動空気流のベントとの間に第2の流体流路を画定し、前記第2の流体流路内の圧力が前記第1の流体流路内の圧力よりも閾値だけ大きい場合に、前記一方向リリーフ弁はシールを開放するよう構成される、請求項1に記載のベントアセンブリ。
【請求項4】
前記弁開口部は前記中心軸の回りの複数の開口部を含む、請求項1に記載のベントアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は一般にベントに関する。より詳細には、本技術は一体化リリーフ弁機能を備えたベントに関する。
【背景技術】
【0002】
保護ベントは、ケーシングとケーシング外の環境との間の圧力の均等化を可能にするために典型的に使用される。ベントは、液体及び固体の汚染物質が通過するのを防ぎながらガス圧が均等化することを可能にするために、水、ほこり、及び油に抵抗性のある膜を使用し得る。しかしながら、一部の技術分野では、ケーシング内部の圧力が急激に上昇する可能性があり、保護ベントは、ケーシング内の構成要素又はケーシング自体の損傷を防ぐのに十分なほど迅速に平衡を達成するには不十分である。例えば、複数のセルを有するバッテリーケーシングでは、単一のセルが爆発すると、その結果生じるバッテリーケーシング内の圧力は、ケーシング内の他のセルの損傷を引き起こし得る、又は高圧下にケーシングを破裂させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に開示される技術は、リリーフ弁を有するベントに関する。いくつかの例では、ベントは、通常の動作条件下でケーシングと外部環境との間でガスを受動的に通気できるように構成されている。しかしながら、ケーシング内の圧力スパイクが発生すると、リリーフ弁はガスがベントを迂回することを可能にする。いくつかの例示的な実装形態では、本明細書で開示される技術は、バッテリーのケーシングで使用される。
【0004】
本技術は、添付図面に関連する様々な実施形態の以下の詳細な記載を考慮することで、より完全に理解し認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に開示される技術の実装形態と一致するリリーフ弁を有する例示的なベントである。
【
図3】本明細書に開示される技術の実装形態と一致するリリーフ弁を有する別の例示的なベントである。
【
図5】本明細書に開示される技術の実装形態と一致するリリーフ弁を有する別の例示的なベントである。
【
図7】本明細書に開示される技術の実装形態と一致するリリーフ弁を有する別の例示的なベントである。
【
図10】本明細書に開示される技術のいくつかの実装形態と一致するリリーフ弁を有する例示的なベントの分解斜視図である。
【
図11】本明細書に開示される技術のいくつかの実装形態と一致するリリーフ弁を有する別の例示的なベントの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
様々な実施形態において、本技術は、保護ベントの機能を一方向リリーフ弁の機能と組み合わせる。本ベントは、通常の動作条件の間、エンクロージャの通気を可能にするが、ガスの爆発的な放出又は比較的短期間での比較的大きな温度上昇など、エンクロージャ内で高圧事象が発生した場合、本アセンブリは開放して、より高い制限されない空気の流れを可能にし、通常であればエンクロージャの内部構成要素の損傷を引き起こすであろうエンクロージャ内の過圧を回避することができる。
【0007】
図1は、本明細書に開示される技術の実装形態と一致するベント及びリリーフ弁を有する例示的なアセンブリ10である。
図2は、代替的な状態にある
図1のアセンブリ10である。アセンブリ10は一般に、ケーシング40に結合し、通常の動作下で周囲環境からケーシング40に出入りするガス流を収容するように構成される。ケーシング40内の高圧事象が発生すると、アセンブリ10は、アセンブリ10を迂回することによりガスがケーシング40から比較的迅速に逃げることを可能にするように構成される。
【0008】
アセンブリ10は、ベント20及び結合構造30を有する。ベント20は、一般に、ケーシング40の開口部42と流体連通するように配置される。ベント20は、ガスが、ベント20を通過して流れることによって、ケーシング40外の環境からケーシング40に出入りすることを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、ベント20は、粒子がケーシング40に入るのを防ぐように構成される。いくつかの実施形態では、ベント20は、液体がケーシング40に入るのを防ぐようにも構成される。ベント20は、様々な異なる材料及び材料の組み合わせから構築することができる。様々な実施形態において、ベント20は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの通気性膜又は他の種類の通気性膜を組み込む。ベント20は、織られた又は織られていない支持層に積層されたPTFEなどの通気性膜を含む積層体又は複合体とすることができる。いくつかの実施形態では、ベント20は織布又は不織布である。ベント20は、疎水性材料から構成することができる、又はベント20は疎水性特性を示すように処理することができる。一例では、ベント20は、疎水性の織布又は不織布である。いくつかの実施形態では、ベント20は、通気材料の周囲を支持する支持リングを有する。
【0009】
結合構造30は、通常の圧力条件下でベント20をケーシング40に結合するように構成される。ケーシング40内の圧力が閾値Tを超えて上昇すると、結合構造30は、
図2に示すように、ガスがベント20を迂回することによってケーシング40から逃げることを可能にするように解放する。結合構造30は一般に接着剤である。結合構造30は、感圧接着剤であり得る。いくつかの実施形態では、結合構造30は両面接着テープである。
【0010】
ケーシング40は、一般に、構成要素を収容するように構成される。一例では、ケーシング40はバッテリーセル用のハウジングであり、別の例では、ケーシング40は他のタイプのシステム用である。
【0011】
図3は、本明細書に開示される技術の実装形態と一致するリリーフ弁を有する別の例示的なベントである。
図4は、リリーフ弁が代替的な位置にある
図3の例示的なベントである。アセンブリ100は、一般に、ケーシング140に結合し、通常の動作下で周囲環境からケーシング140に出入りするガス流を収容するように構成される。ケーシング140内の高圧事象が発生すると、アセンブリ100は、ガスが、アセンブリ100を迂回することにより、ケーシング140から比較的迅速に逃げることを可能にするように構成される。アセンブリ100は、ベントハウジング110、ばね120、及びベント130を有する。
【0012】
ベント130及びケーシング140は、
図1の考察において上述したものと概ね一致している。ベントハウジング110は、一般に、ケーシング140に結合するように構成される。いくつかの実施形態では、ベントハウジング110は、ケーシング140に結合されるように構成された結合面114を有する。結合面114は、いくつかの実施形態では、接着剤によってケーシング140に結合することができる。他の実施形態では、結合面114は、ケーシング140によって画定される対応する構造と嵌合するように構成された嵌合構造を画定することができる。いくつかの実施形態において、ベントハウジング110の結合面114はケーシング140に溶接される。ベントハウジング110は様々な異なる材料及び材料の組み合わせから構成することができる。いくつかの実施形態では、ベントハウジング110は成形プラスチックである。別の実施形態では、ベントハウジング110は金属である。
【0013】
ベントハウジング110は、一般に、ケーシング140によって画定される開口部142上にベント130を配置するように構成される。ベントハウジング110はばね120の第1端部122に固定され、ベント130は、ばね120の第2端部124に固定される。ばね120は、ベントハウジング110とケーシング140との間で圧縮状態で付勢され、その結果、ばね120は通常の圧力条件下でベント130を開口部142の周りでケーシング140に結合する。ケーシング140内の圧力が閾値Tを超えて急上昇すると、圧力は、ばね120によってベントの第1の側面132に加えられる圧力に対抗してベント130の第2の側面134に加えられ、これによりベント130の少なくとも一部はケーシング140の表面から離れるように平行移動され、ばね120の少なくとも一部を圧縮することができる。ケーシング140内部からの加圧ガスは、ケーシング140から逃げてベント130を迂回することができる。いくつかの実施形態では、ケーシング140内の圧力が閾値T以下に戻ると、ばね120は、ベント130をケーシング140の開口部142上に位置するように戻す。
【0014】
ばね120は、いくつかの実施形態では、金属又はプラスチックから構成された螺旋コイルとすることができる。いくつかの実施形態では、ばね120は、発泡材料などのエラストマー材料とすることができる。いくつかの実施形態では、ばね120はまた、複数のコイルとすることができる。
【0015】
すべてではないがいくつかの実施形態では、ベントハウジング110は、ベント130を迂回するケーシング140からの放出ガスの通過を促進する気流経路112を画定することができる。
【0016】
図5は、本明細書に開示される技術の実装形態と一致するリリーフ弁を有する別の例示的なベントである。
図6は、ケーシング240内で高圧事象が発生した
図5の例示的なベントである。アセンブリ200は、前述のアセンブリと類似しており、ガスは通常の圧力条件下でケーシング240と環境との間でベント230を通って通過することができる。ケーシング240内が高圧になると、アセンブリ200は、ケーシング240内からのガスがベント230を迂回することを可能にする。
【0017】
アセンブリ200は、一般に、結合構造210、ばね220、ヒンジ222、及びベント230を有する。ベント230は、ケーシング240に画定された開口部242と流体連通するように配置される。ケーシング240及びベント230は、本明細書において上ですでに記載したものと一致する。
【0018】
結合構造210は、一般に、アセンブリ200をケーシング240に結合するように構成される。結合構造210は、例えば、ケーシング240に結合する接着剤を受容するように構成することができる。いくつかの実施形態では、結合構造210は、ケーシング240によって画定された対応する特徴部と嵌合するように構成された嵌合特徴部を画定する。いくつかの実施形態では、結合構造210は、溶接によってケーシング240に結合される。結合構造210をケーシング240に結合する他のアプローチも同様に確実に使用することができる。
【0019】
ヒンジ222は、ベント230を結合構造210に結合する。ばね220は、ベントの第1の側面232を押して、通常の圧力条件下で開口部242の周りでベント230をケーシング240に対して付勢する。ケーシング240内の圧力が閾値Tを超えると、ケーシング240内のガスがばね220に対抗してベント230の第2の側面234を押し、これによりベント230はケーシング240から離れるように平行移動され、ばね220は圧縮される。次に、ベント230とケーシング240との間に開口部が画定され(
図6)、これにより、ケーシング240内のガスがケーシング240から逃げてベント230を迂回することが可能になる。ヒンジは、ピボットであるベント230の平行移動経路を定める。様々な実施形態において、ケーシング240内の圧力が閾値T以下に戻ると、ばね220は、開口部242周りのケーシング240に対するその初期位置(
図5)までベント230をヒンジ222の周りで平行移動させるように構成される。
【0020】
ばね220は、
図3~4の考察で上述したばねと一致することができる。ヒンジ222は、様々な構成を有することができ、一般に、ケーシング240に対するベント230の枢軸を定める。
【0021】
図7は、本明細書に開示される技術の実装形態と一致するリリーフ弁を有する例示的なベントの斜視図である。
図8は、
図7のベント及びケーシング370の断面図であり、
図9は、
図8の断面の斜視図である。前述のアセンブリと同様に、このアセンブリ300は、通常、通常の圧力条件下でガスがケーシング370と環境との間でベント330を通って通過することを可能にするように構成されている。ケーシング370内で高圧事象が発生すると、アセンブリ300は、ガスがベント330を迂回することによりケーシング370から逃げることを可能にするように構成される。アセンブリ300は、一般に、ベントハウジング320、結合構造310、取付面350、ベント330、及びリリーフ弁340を有する。
【0022】
ベントハウジング320は、一般に、ベント330及びリリーフ弁340を収容するように構成される。ベントハウジング320は、キャビティ322、第1の端部302、第2の端部304、及び結合構造310を画定する。ベントハウジング320は、様々な材料及び材料の組み合わせから構成することができる。いくつかの実施形態では、ベントハウジング320は、プラスチック又は金属から構成される。一例では、ベントハウジング320の少なくとも一部は、射出成形プラスチックである。エンドキャップ324は、第1の端部302に向かってベントハウジング320に結合される。エンドキャップ324は、いくつかの他の実施形態ではベントハウジング320と一体の構成要素を形成することができる。キャビティ322はまた、エンドキャップ324によって画定される。
【0023】
取付面350は、一般に、キャビティ322内の第1の端部302と第2の端部304との間に配置される。取付面350は、一般に、ベント330及びリリーフ弁340を受け入れるように構成される。取付面350は単一の平坦表面とすることができ、いくつかの他の実施形態では、取付面は、必ずしも平坦ではない複数の表面によって画定することができる。取付面350は、ベント開口部352及び弁開口部354を画定する。ベント開口部352及び弁開口部354は、それぞれ、取付面350によって画定される1つ又は複数の開口部であり得る。様々な実施形態において、取付面350は、ベントハウジング320と一体の構造である。しかしながら、他のいくつかの実施形態では、取付面350は、摩擦嵌合を介して、又はスクリュなどの結合具の使用を介して、ベントハウジング320に結合された別個の構成要素によって画定される。
【0024】
ベント330は、ベント開口部352を横切って取付面350に結合される。ベント330は、一般に、液体及び粒子がケーシング370に入るのを防ぎながらケーシング370と周囲環境との間の受動空気流を可能にするように構成される。ベント330は、ケーシング370の開口部372と流体連通した状態で配置される。ベント330は接着剤で取付面350に結合することができる。ベント330は、本明細書中で上述したベントと同様の材料から構成することができる。この例では、ベント330は環を形成し、ベント330は、その外周332及びその内周334に隣接して配置された接着剤で取付面350に結合され、ベント330と取付面350との間にシールを形成することができる。
【0025】
弁340は、弁開口部354を横切って取付面350上に封止可能に配置される。様々な実施形態において、弁340は傘形弁である。弁340は、通常、弁開口部354の周囲にシールを形成して、通常の圧力条件下でガスがベント開口部352及びベント330を介して受動的に通気することを可能にするように構成され、及び閾値Tを超えるケーシング370内の圧力スパイクが発生すると、圧力が傘形弁340を変位させて、弁開口部354から解放し、ガスがベント330を迂回し、弁開口部354を通ってケーシング370から出ることを可能にする。弁340は、周囲環境とケーシング370との間で気流に関してベント330と並列に構成される。
【0026】
リリーフ弁340は、一般にエラストマー材料から形成される。リリーフ弁340は、他のタイプのリリーフ弁であることもできるが、一般的には一方向リリーフ弁である。リリーフ弁340は、ベルビル弁などの任意の種類の傘形弁であり得る。いくつかの実施形態では、リリーフ弁340は、ケーシング370内の圧力が圧力閾値T以下のレベルに戻ると、弁開口部354の周りに再びシールを形成するように構成される。
【0027】
結合構造310は、一般に、ケーシング370によって画定された開口部372の周りでアセンブリ300をケーシング370(
図8)に結合するように構成される。結合構造310は、ベントハウジング320の第2の端部304に向かって画定される。結合構造310は、一般に、ケーシング370と係合するように構成される。この例では、結合構造310は、ケーシング370とスナップ嵌め接続を形成する。いくつかの他の実施形態では、結合構造310は、ケーシング370によって画定された対応する構造と嵌合するように構成された嵌合構造を形成する。例えば、結合構造310は、開口部372の周りでケーシング370によって受容されるように構成されたねじ山を画定することができる。別の例として、結合構造310は、バヨネットコネクタなど、開口部372の周りでケーシング370と連動するコネクタを画定することができる。いくつかの実施形態では、結合構造310は、開口部372の周りでケーシング370に接着剤で結合することができる。
【0028】
この例と一致する実施形態では、シール312は一般に結合構造310に当接する。シール312は、アセンブリ300がケーシング370に結合されるとアセンブリ300とケーシング370との間にシールを形成するように構成される。シール312はエラストマー材料であることができる。いくつかの実施形態では、シール312はゴム又は別のガスケット材料若しくはシーリング材料である。
【0029】
この実施形態と一致する例では、ベントハウジング320は、周囲環境とキャビティ322との間に開口部326を画定し、ベントハウジング320の外側と取付面350及び/又はベント330との間に第1の流体流路を画定する。また、結合構造310は、ベントハウジング320の外側とベント330との間に第2の流体流路を画定する。そのような実施形態では、傘形弁340は、第2の流体流路内の圧力が第1の流体流路内の圧力よりも0.2psi~3psi、いくつかの実施形態では0.5psi~1psi大きい場合に、取付面350から解放されるように構成される。
【0030】
ベントハウジング320は、開口部326とベント330との間に位置する障害物358を有する。障害物358は、開口部326とベント330との間に蛇行した経路を形成し、これは開口部326に流れ込む流体がベント330に直接衝突できないことを意味する。同様に、障害物358は、開口部326と弁340との間に配置される。
【0031】
この実施形態と一致する例では、ベント330と弁340は同心である。弁340がベント330の中心にあるが、他のいくつかの実施形態では、ベントが弁の中心にあってもよい。この実施形態と一致する例では、ベントハウジング320は、第1の端部302から第2の端部304まで延びる中心軸Xを定める。取付面350は中心軸xの周りにある。この図では完全に見えていないが、弁開口部354は、中心軸Xの周りにセグメント化された環を画定する複数の開口部である。同様に、ベント開口部352は、中心軸Xの周りにセグメント化された環を画定する複数の開口部である。さらに、取付面は、中心軸Xの周りに中央開口部356を画定し、傘形弁340は、中央開口部356を通って延びる延長部分342を有する。ベントハウジング320によって画定される開口部326は、中心軸X周りの一連の半径方向開口部である。
【0032】
図10は、本明細書に開示された技術のいくつかの実装形態と一致する、ベント430及びリリーフ弁440を備えた別の例示的なアセンブリ400の分解図である。前述のアセンブリと同様に、このアセンブリ400は、一般に、通常の圧力条件下でガスがケーシング(ここでは図示せず)と外部環境との間でベント430を通過することを可能にするように構成される。ケーシング内の高圧事象が発生すると、アセンブリ400は、ガスがベント430を迂回することによりケーシングから逃げることを可能にするように構成される。アセンブリ400は、一般に、ベントハウジング420、取付面450、ベント430、及びリリーフ弁440を有する。
【0033】
ベントハウジング420は、一般に、ベント430及びリリーフ弁440を収容するように構成される。ベントハウジング420は、キャビティ422、第1の端部402、第2の端部404、及び結合構造410を画定する。ベントハウジング420は、上述のように、様々な材料及び材料の組み合わせから構成することができる。エンドキャップ424は、第1の端部402に向かってベントハウジング420に結合される。エンドキャップ424は、いくつかの他の実施形態ではベントハウジング420と一体の構成要素を形成することができる。キャビティ422はまた、エンドキャップ424によって画定される。
【0034】
取付面450は、一般に、キャビティ422内に第1の端部402と第2の端部404との間に配置される。取付面450は、一般に、ベント430及びリリーフ弁440を受け入れるように構成される。取付面450は、ベント開口部452及び弁開口部454を画定する。ベント開口部452及び弁開口部454はそれぞれ、取付面450によって画定された1つ又は複数の開口部であり得る。取付面450は、本明細書で上述したように構成され得る。この例では、ベント開口部452は単一の円形開口部であり、弁開口部454は、弁開口部の中心にある弁延長開口部456を囲む一連の円形開口部である。
【0035】
ベント430は、ベント開口部452を横切って取付面450に結合される。ベント430は、一般に、液体及び粒子がケーシングに入るのを防ぎながら、ケーシングと周囲環境との間の受動空気流を可能にするように構成される。ベント430は、ケーシングの開口部と流体連通した状態で配置される。ベント430は、接着剤で取付面450に結合することができる。ベント430は、本明細書で上述したベントと同様の材料から構成することができる。この例では、ベント430は円形であり、ベント430は、その外周432に隣接して配置された接着剤で取付面450に結合され、ベント430と取付面450との間にシールを形成することができる。
【0036】
弁440は、弁開口部454を横切って取付面450上に封止可能に配置される。様々な実施形態において、弁440は傘形弁である。弁440は、中央弁延長開口部456によって受け入れられる延長部分442を有する。弁440は、一般に、ガスが通常の圧力条件下にベント開口部452及びベント430を介して受動的に通気することを可能にするように弁開口部454の周囲にシールを形成するように構成され、及び閾値Tを超えるケーシング内の圧力スパイクが発生すると、圧力は傘形弁440を変位させて、弁開口部454から解放し、ガスがベント430を迂回し、弁開口部454を介してケーシングを出ることを可能にする。弁440は、周囲環境とケーシングとの間で空気流に関してベント430と並列に構成される。
【0037】
リリーフ弁440は、一般にエラストマー材料から形成される。リリーフ弁440は、他のタイプのリリーフ弁であってもよいが、一般的には一方向リリーフ弁である。リリーフ弁440は、ベルビル弁などの任意の種類の傘形弁であり得る。いくつかの実施形態では、リリーフ弁440は、ケーシング内部の圧力が圧力閾値T以下のレベルに戻ると、弁開口部454の周りに再びシールを形成するように構成される。
【0038】
結合構造410は、一般に、ケーシングによって画定される開口部の周りでアセンブリ400をケーシングに結合するように構成される。結合構造410は、ベントハウジング420の第2の端部404に向かって画定される。結合構造410は、一般に、ケーシングと係合するように構成される。この例では、結合構造410は、ケーシングに開口部の周りで接着剤によって結合することができる(図に関して)底側の面である。上述のように、代替タイプの結合構造410を使用することもできる。
【0039】
この実施形態と一致する例では、ベントハウジング420は、周囲環境とキャビティ422との間に開口部426を画定し、ベントハウジング420の外側と取付面450及び/又はベント430との間に第1の流体流路を画定する。また、結合構造410は、ベントハウジング420の外側とベント430との間に第2の流体流路を画定する。そのような実施形態では、傘形弁440は、第2の流体流路内の圧力が第1の流体流路内の圧力よりも0.2psi~2psi、いくつかの実施形態では0.5psi~1psi大きい場合に、取付面450から解放されるように構成される。
【0040】
ベントハウジング420は、開口部426とベント430との間に位置する障害物458を有する。第1の障害物458は、開口部426とベント430との間に蛇行した経路を形成し、これは開口部426に流れ込む流体がベント430に直接衝突できないことを意味する。同様に、1つ又は複数の第2の障害物459が、開口部426と弁440との間に配置される。第2の障害物459は、開口部426と弁との間に蛇行した経路を形成し、これは開口部426に流れ込む流体が弁440に直接衝突できないことを意味する。
【0041】
図11は、本明細書に開示された技術のいくつかの実装形態と一致するベント530及びリリーフ弁540を備えた別の例示的なアセンブリ500の分解図である。前述のアセンブリと同様に、このアセンブリ500は、一般に、通常の圧力条件下でガスがケーシング(ここでは図示せず)と外部環境との間でベント530を通過することを可能にするように構成される。ケーシング内の高圧事象が発生すると、アセンブリ500は、ガスがベント530を迂回することによってケーシングから逃げることを可能にするように構成される。アセンブリ500は、一般に、ベントハウジング520、取付面550、ベント530、及びリリーフ弁540を有する。
【0042】
ベントハウジング520は、一般に、ベント530及びリリーフ弁540を収容するように構成される。ベントハウジング520は、キャビティ522、第1の端部502、第2の端部504、及び結合構造510を画定する。上述のように、ベントハウジング520は、様々な材料及び材料の組み合わせから構成することができる。エンドキャップ524は、第1の端部502に向かってベントハウジング520に結合される。エンドキャップ524は、いくつかの他の実施形態においてベントハウジング520と一体の構成要素を形成することができる。キャビティ522はまた、エンドキャップ524によって画定される。
【0043】
取付面550は、一般に、キャビティ522内に第1の端部502と第2の端部504との間に配置される。取付面550は、一般に、ベント530及びリリーフ弁540を受け入れるように構成される。取付面550はベント開口部552及び弁開口部554を画定する。ベント開口部552及び弁開口部554はそれぞれ、取付面550によって画定された1つ又は複数の開口部とすることができる。取付面550は、本明細書で上述したように構成することができ、この例では、取付面550は2つの表面を有する。この例では、ベント開口部552は単一の円形開口部であり、弁開口部554は、弁開口部554の中心である弁延長開口部556を囲む一連の円形開口部である。
【0044】
ベント530は、ベント開口部552を横切って取付面550に結合される。ベント530は、一般に、液体及び粒子がケーシングに入るのを防ぎながら、ケーシングと周囲環境との間の受動空気流を可能にするように構成される。ベント530は、ケーシングの開口部と流体連通した状態で配置される。ベント530は、接着剤で取付面550に結合することができる。ベント530は、本明細書で上述したベントと同様の材料から構成することができる。この例では、ベント530は円形であり、ベント530は、その外周532に隣接して配置された接着剤で取付面550に結合され、ベント530と取付面550との間にシールを形成することができる。
【0045】
弁540は、弁開口部554を横切って取付面550に封止可能に配置される。様々な実施形態において、弁540は傘形弁である。弁540は、中央弁延長開口部556によって受け入れられる延長部542を有する。弁540は、一般に、通常の圧力条件下にガスがベント開口部552及びベント530を介して受動的に通気することを可能にするように弁開口部554の周囲にシールを形成するように構成され、閾値Tを超えるケーシング内の圧力スパイクが発生した場合、圧力が傘形弁540を変位させ、弁開口部554から解放し、ガスがベント530を迂回し、弁開口部554を介してケーシングを出ることを可能にする。弁540は、周囲環境とケーシングとの間の空気流に関してベント530と並列に構成される。
【0046】
リリーフ弁540は、一般にエラストマー材料から形成される。リリーフ弁540は、他のタイプのリリーフ弁であってもよいが、一般に一方向リリーフ弁である。リリーフ弁540は、ベルビル弁などの任意の種類の傘形弁であり得る。いくつかの実施形態では、リリーフ弁540は、ケーシング内部の圧力が圧力閾値T以下のレベルに戻ると、弁開口部554の周りに再びシールを形成するように構成される。
【0047】
結合構造510は、一般に、ケーシングによって画定された開口部の周りでアセンブリ500をケーシングに結合するように構成される。結合構造510は、ベントハウジング520の第2の端部504に向かって画定される。結合構造510は、一般に、ケーシングに係合するように構成される。この例では、結合構造510は、接着剤によって開口部の周りでケーシングに結合することができる(図に関して)底側の面である。上述のように、代替タイプの結合構造510を使用することもできる。
【0048】
この例と一致する実施形態において、キャビティ522は実際には2つの別個のキャビティであり、一方は弁540を収容し、他方はベント530を収容することに留意されたい。いくつかの実施形態では、単一のキャビティが存在する。この実施形態と一致する例では、ベントハウジング520は、周囲環境とキャビティ522との間に開口部526を画定し、ベントハウジング520の外側と取付面550及び/又はベント530との間に第1の流体流路を画定する。また、結合構造510は、ベントハウジング520の外側とベント530との間に第2の流体流路を画定する。そのような実施形態では、傘形弁540は、第2の流体流路内の圧力が第1の流体流路内の圧力よりも0.2psi~2psi、いくつかの実施形態では0.5psi~1psi大きい場合に、取付面550から解放されるように構成される。
【0049】
ベントハウジング520は、開口部526とベント530との間に位置する障害物558を有する。第1の障害物558は、開口部526とベント530との間に蛇行した経路を形成し、これは開口部526に流れ込む流体がベント530に直接衝突できないことを意味する。同様に、1つ又は複数の第2の障害物559が、開口部526と弁540との間に配置される。第2の障害物559は、開口部526と弁との間に蛇行した経路を形成し、これは開口部526に流入する流体が弁540に直接衝突できないことを意味する。
【0050】
また、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される際、「構成された」という言葉は、特定のタスクを実行するか特定の構成を採用するように構築又は構成されたシステム、装置、又は他の構造を説明していることにも留意されたい。「構成された」という言葉は、「配置された」、「配置されて構成された」、「構築されて配置された」、「構築された」、「製造されて配置された」等など、他の同様の言葉と交換可能に使用することができる。
【0051】
本明細書中の全ての出版物及び特許出願は、本技術が関係する技術分野における通常技術のレベルを示している。全ての出版物及び特許出願は、個々の出版物又は特許出願が参照により具体的且つ個別に示されているものとして、参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
本出願は、本主題の適応又は変形を網羅することを意図している。上の記載は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。