(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】玩具及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63H 5/00 20060101AFI20240418BHJP
A63H 3/33 20060101ALI20240418BHJP
A63H 3/52 20220101ALI20240418BHJP
A63H 33/26 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A63H5/00 A
A63H3/33 A
A63H3/52 B
A63H33/26 A
(21)【出願番号】P 2023089172
(22)【出願日】2023-05-30
【審査請求日】2023-07-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和5年4月11日、4月12日に 東京都台東区柳橋1-2-8浅草橋ベルモントホテルで開催した個別商談会において展示 (2)令和5年4月18日、4月19日に 東京都墨田区東駒形4丁目22-4 日本文化用品安全試験所で開催された一般社団法人日本玩具協会主催の日本おもちゃ大賞2023の第1次審査において出品 (3)令和5年4月19日に 大阪府大阪市淀川区西中島6-5-3 サムティフェイム新大阪で開催した個別商談会において展示 (4)令和5年4月26日に 東京都品川区西品川1丁目1番地1号 住友不動産大崎ガーデンタワー11階で開催した個別商談会において展示 (5)令和5年4月27日に 東京都墨田区東駒形3丁目6-4で開催した個別商談会において展示 (6)令和5年4月27日に 東京都江戸川区臨海町3丁目6-2 小松ウオール臨海町ビル4階で開催した個別商談会において展示 (7)令和5年5月18日、5月19日、5月25日に 大阪府大阪市北区本庄東一丁目1番10号 RISE88ビル3階で開催した個別商談会において展示 (8)令和5年5月25日に東京都墨田区本所1-25-7で開催した個別商談会において展示
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599064214
【氏名又は名称】株式会社セガトイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】金子 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】松本 乃彩
(72)【発明者】
【氏名】島貫 紀子
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-329770(JP,A)
【文献】特開2018-19994(JP,A)
【文献】特許第3930891(JP,B2)
【文献】特許第6649321(JP,B2)
【文献】特開平7-213751(JP,A)
【文献】特開2018-50807(JP,A)
【文献】実開平7-39894(JP,U)
【文献】特許第3929246(JP,B2)
【文献】特開2000-93664(JP,A)
【文献】特許第3673449(JP,B2)
【文献】特開2002-149394(JP,A)
【文献】特許第3285827(JP,B2)
【文献】特開2003-53048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
G06K 7/00 - 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形であり識別子を有する第一オブジェクトが一つ以上配置される
ことが可能であるとともに、人形以外であり識別子を有する第二オブジェクトが一つ以上配置されることが可能である配置部と、
前記配置部に配置された
各第一オブジェクトの
各識別子の情報を識別する
とともに、前記配置部に配置された各第二オブジェクトの各識別子の情報を識別する識別部と、
前記配置部に前記第一オブジェクトが複数配置された場合、前記識別部が識別した各第一オブジェクトの各識別子の情報の組み合わせに基づいて、各第一オブジェクト間の会話のデータを含む音データを決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記音データに基づいた音を出力する音出力部と、
を備え
、
前記決定部は、前記配置部に複数の前記第一オブジェクト、及び、前記第二オブジェクトが配置された場合、前記識別部が識別した各第一オブジェクト及び当該第二オブジェクトの各識別子の情報の組み合わせに基づいて音データを決定し、各第一オブジェクトの各識別子の情報の組み合わせが同じであっても、当該第二オブジェクトの前記識別子の情報が異なると、異なる当該音データを決定する、
玩具。
【請求項2】
前記決定部は、前記配置部に前記第一オブジェクトが一つ配置された場合、前記識別部が識別した当該第一オブジェクトの当該識別子の情報に基づいて、声のデータを含む音データを決定する、
請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記決定部は、前記配置部に前記第二オブジェクトが配置された場合、前記識別部が識別した当該第二オブジェクトの当該識別子の情報に基づいて、効果音データを含む音データを決定する、
請求項1に記載の玩具。
【請求項4】
各オブジェクトの各識別子の各情報又は当該情報の組み合わせの一つに対し、複数の前記音データが紐付けられて記憶される記憶部を更に備え、
前記決定部は、複数の前記音データの中から少なくとも一つの当該音データを決定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項5】
前記決定部は、前記音出力部が前記音を出力している状態において、前記識別部により識別する前記識別子が変更された場合、当該識別部が新たに識別した当該識別子の情報
又は当該情報の組み合わせに基づいて、新たな音データを決定し、
前記音出力部は、前記音を出力している状態において、前記決定部が前記新たな音データを決定した場合、現在出力している当該音を停止して当該新たな音データに基づいた音を出力する、
請求項1に記載の玩具。
【請求項6】
前記識別子は、前記第一オブジェクト毎に異なる位置にそれぞれ形成される一以上の突起部を有し、
前記配置部は、全ての前記第一オブジェクトの各突起部に対応する位置にそれぞれ配される複数のスイッチを有する、
請求項1に記載の玩具。
【請求項7】
前記配置部は、
前記識別子を読み取る読取部と、
前記読取部が前記識別子を読み取ることができる位置に、前記第一オブジェクトを固定する固定部と、
を備え、
前記識別部は、前記読取部が読み取った前記識別子の情報を識別する、
請求項1に記載の玩具。
【請求項8】
人形であり識別子を有する第一オブジェクトが一つ以上配置される
ことが可能であるとともに、人形以外であり識別子を有する第二オブジェクトが一つ以上配置されることが可能である配置部を有する玩具を制御するプログラムであって、
前記玩具を、
前記配置部に配置された各第一オブジェクトの各識別子の情報を識別する
とともに、前記配置部に配置された各第二オブジェクトの各識別子の情報を識別する識別部、
前記配置部に前記第一オブジェクトが複数配置された場合、前記識別部が識別した
各第一オブジェクトの各識別子の情報の組み合わせに基づいて、各第一オブジェクト間の会話のデータを含む音データを決定する決定部、
として機能させ
、
前記決定部は、前記配置部に複数の前記第一オブジェクト、及び、前記第二オブジェクトが配置された場合、前記識別部が識別した各第一オブジェクト及び当該第二オブジェクトの各識別子の情報の組み合わせに基づいて音データを決定し、各第一オブジェクトの各識別子の情報の組み合わせが同じであっても、当該第二オブジェクトの前記識別子の情報が異なると、異なる当該音データを決定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人形や小物などのオブジェクトから音が出力される玩具が広く知られている(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような玩具においては、各オブジェクトに一つずつ決まった音が設定されているだけであり、遊びのバリエーションが少なかった。
【0005】
上述の問題に鑑み、本発明は、遊びのバリエーションが多い玩具及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る玩具は、識別子を有するオブジェクトが一つ以上配置される配置部と、前記配置部に配置されたオブジェクトの識別子の情報を識別する識別部と、前記配置部に前記オブジェクトが複数配置された場合、前記識別部が識別した各識別子の情報の組み合わせに基づいて音データを決定する決定部と、前記決定部が決定した前記音データに基づいた音を出力する音出力部と、を備える。
【0007】
また、本発明の第二態様では、各識別子の情報の組み合わせの一つに対し、複数の前記音データが紐付けられて記憶される記憶部を更に備え、前記決定部は、複数の前記音データの中から少なくとも一つの当該音データを決定する。
【0008】
また、本発明の第三態様では、複数の前記オブジェクトには、人形である第一オブジェクトが含まれ、前記決定部は、前記識別部が前記第一オブジェクトの前記識別子の情報を識別した場合、声のデータを含む前記音データを決定する。
【0009】
また、本発明の第四態様では、複数の前記オブジェクトには、人形以外である第二オブジェクトが含まれ、前記決定部は、前記識別部が前記第二オブジェクトの前記識別子の情報を識別した場合、効果音データを含む前記音データを決定する。
【0010】
また、本発明の第五態様では、前記決定部は、前記音出力部が前記音を出力している状態において、前記識別部により識別する前記識別子が変更された場合、当該識別部が新たに識別した当該識別子の情報の組み合わせに基づいて、新たな音データを決定し、前記音出力部は、前記音を出力している状態において、前記決定部が前記新たな音データを決定した場合、現在出力している当該音を停止して当該新たな音データに基づいた音を出力する。
【0011】
また、本発明の第六態様では、前記識別子は、前記オブジェクト毎に異なる位置にそれぞれ形成される一以上の突起部を有し、前記配置部は、全ての前記オブジェクトの各突起部に対応する位置にそれぞれ配される複数のスイッチを有する。
【0012】
また、本発明の第七態様では、前記配置部は、前記識別子を読み取る読取部と、前記読取部が前記識別子を読み取ることができる位置に、前記オブジェクトを固定する固定部と、を備え、前記識別部は、前記読取部が読み取った前記識別子の情報を識別する。
【0013】
また、本発明の第八態様に係るプログラムは、識別子を有するオブジェクトが一つ以上配置される配置部を有する玩具を制御するプログラムであって、前記玩具を、前記配置部に配置された各オブジェクトの各識別子の情報を識別する識別部、前記識別部が識別した各識別子の情報の組み合わせに基づいて音データを決定する決定部、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る玩具及びプログラムによれば、遊びのバリエーションを増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る玩具の全体図である。
【
図2】
図1に示す一の人形オブジェクトの斜視図である。
【
図3】
図1に示す他の人形オブジェクトの斜視図である。
【
図4】
図1に示す配置部のうち椅子側読取部及び椅子側固定部の拡大斜視図である。
【
図5】
図1に示す配置部のうち机側読取部及び机側固定部の拡大斜視図である。
【
図6】
図1に示す音制御装置のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図7】
図1に示す音制御装置の機能的構成の一例を、
図1に示す他の一部の構成とともに概略的に示すブロック図である。
【
図8】
図7に示すデータベースの一部を示す表である。
【
図9】本発明の実施形態に係る玩具による処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては極力同一の符号を付して、重複する説明は適宜省略する。
【0017】
===実施形態===
≪全体構成≫
図1は、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と呼称する。)に係る玩具1の全体図である。
図1に示すように、玩具1は、ハウス部10と、オブジェクト群20と、を主要部として備えている。
【0018】
オブジェクト群20は複数のオブジェクトから成る。複数のオブジェクトとは、複数の人形オブジェクト21(人形オブジェクト21A,21B,21C,21D,21E,21F,21G)、及び、複数の小物オブジェクト22(小物オブジェクト22A,22B,22C,22D,22E,22F)である。これら複数のオブジェクトは、それぞれ互いに異なる識別子34(
図1では省略。)を有している。この識別子34については後述する。
【0019】
なお、人形オブジェクト21A,21B,21C,21D,21E,21F,21Gは、それぞれ人形のもの(例えばキャラクタなど)である。さらに、小物オブジェクト22A,22B,22C,22D,22E,22Fは、それぞれ人形以外のもの(例えば、食べ物、賞状、星、昆虫など)である。
【0020】
ハウス部10は、筐体11と、音制御装置12と、音出力部13と、配置部14と、を有している。また、筐体11は、第一筐体片11A、及び、第二筐体片11Bを有している。
【0021】
第一筐体片11Aは、例えば家の一部(壁面、一階の床、ドア、窓、及び、階段など)を模した形状であり、内部に空間を有する。第二筐体片11Bは、第一筐体片11Aに対して回転自在に取り付けられており、例えば家の他部(壁面、一階の床、二階の床、窓、及び、鏡など)を模した形状であり、内部に空間を有する。
【0022】
さらに、第一筐体片11Aに対して第二筐体片11Bを回転させることで、開状態と閉状態とを切り替えることができる。例えば、使用時には開状態とし、保管時には閉状態としてもよい。なお、音制御装置12、音出力部13、及び、配置部14は、第一筐体片11Aに設けられている。
【0023】
配置部14は、オブジェクト21,22が一つ以上配置されるものであり、具体的には、配置部14は、複数(
図1では三個)の椅子側固定部14A、机側固定部14B、複数(
図1では三個)の椅子側読取部15A、及び、机側読取部15Bを有している。
【0024】
複数の椅子側読取部15Aは、それぞれ人形オブジェクト21の識別子34を読み取るものであり、机側読取部15Bは、小物オブジェクト22の識別子34を読み取るものである。
【0025】
複数の椅子側固定部14Aは、それぞれ、椅子側読取部15Aが人形オブジェクト21の識別子34を読み取ることができる位置に、人形オブジェクト21を固定するものである。この固定は使用者によって行われる。なお、一つの椅子側固定部14Aには、一度に一つの人形オブジェクト21が固定される。
【0026】
机側固定部14Bは、机側読取部15Bが小物オブジェクト22の識別子34を読み取ることができる位置に、小物オブジェクト22を固定するものである。この固定は使用者によって行われる。なお、机側固定部14Bには、一度に一つの小物オブジェクト22が固定される。
【0027】
また、使用者が椅子側固定部14Aに人形オブジェクト21を固定すると、人形オブジェクト21が椅子に座っているように見える。さらに、使用者が机側固定部14Bに小物オブジェクト22を固定すると、小物オブジェクト22が机に置かれているように見える。
【0028】
さらに、
図1のように、複数の椅子側固定部14Aは机側固定部14Bの周囲に設けられており、各椅子側固定部14Aにそれぞれ固定された人形オブジェクト21は、机側固定部14Bを囲んで互いに向かい合うような角度となる。
【0029】
音制御装置12は、読取部15A,15Bがそれぞれ読み取った識別子34に基づいて、音出力部13を制御する。また、音出力部13は、音を出力するスピーカなどである。
【0030】
≪各オブジェクトの構成≫
図2は、
図1に示す一の人形オブジェクト21である人形オブジェクト21Aを底部側から見た斜視図である。また、
図3は、
図1に示す他の人形オブジェクト21である人形オブジェクト21Bを底部側から見た斜視図である。
【0031】
図2に示すように、人形オブジェクト21Aは、底部に凹部31が形成されている。また、凹部31の上面32には、複数の溝33、及び、識別子34が形成されている。溝33は、後述する椅子側リブ43が嵌合可能な形状である。そして、凹部31及び溝33については、
図3に示す人形オブジェクト21Bも同様である。
【0032】
また、識別子34は、オブジェクト毎に互いに異なる位置にそれぞれ形成される一以上の突起部を有している。以下、この点について詳述する。
【0033】
図2に示すように、人形オブジェクト21Aは、上面32における溝33と重複しない領域のうち第二領域D2に、溝33と平行方向に延伸するようにして突起部34Aが形成されている。また、
図3に示すように、人形オブジェクト21Bは、上面32における溝33と重複しない領域のうち第四領域D4に、溝33と平行方向に延伸するようにして突起部34Aが形成されている。
【0034】
さらに、図示していないが、人形オブジェクト21C,21D,21E,21F,21Gの中には、上面32における溝33と重複しない領域のうち第一領域D1又は第三領域D3(
図2及び
図3参照。)に突起部34Aが形成されているものがある。さらに、複数の突起部34Aが、互いに重複しない領域の組み合わせ(例えば第一領域D1と第二領域D2、第一領域D1と第三領域D3、第一領域D1と第二領域D2と第四領域D4など)にそれぞれ形成されているものもある。
【0035】
すなわち、人形オブジェクト21A,21B,21C,21D,21E,21F,21Gは、互いに突起部34Aが形成される領域又はその組み合わせが異なるものとなっている。
【0036】
また、図示していないが、小物オブジェクト22における識別子34においても同様の構成となっている。すなわち、小物オブジェクト22A,22B,22C,22D,22E,22Fは、互いに突起部34Aが形成される領域又はその組み合わせが異なるものとする(ただし、人形オブジェクト21と小物オブジェクト22とでは、互いに突起部34Aが形成される領域又はその組み合わせが重複してもよい)。
【0037】
≪配置部の構成≫
図4は、
図1に示す配置部14のうち、椅子側読取部15A及び椅子側固定部14Aの拡大斜視図である。
【0038】
図4に示すように、椅子側読取部15Aは、全ての人形オブジェクト21の各突起部34Aに対応する位置にそれぞれ配される、複数の椅子側スイッチ44A,44B,44C,44Dを有する。
【0039】
また、
図4に示すように、椅子側固定部14Aは、一部に切欠部42が形成される略円環状の円環部41、及び、複数(
図4では二個)の椅子側リブ43を有する。
【0040】
円環部41の内周面は、(一度に一つの)人形オブジェクト21の外面が嵌合される形状になっている。さらに、円環部41に切欠部42が形成されることで、使用者が円環部41に嵌合された人形オブジェクト21を取り外す際に、容易に取り外すことができる。また、人形オブジェクト21に例えば
図2及び
図3に示すような尻尾部分が形成されているものに対しては、切欠部42に当該尻尾部分を嵌めることで、人形オブジェクト21を円環部41に嵌合することができる。
【0041】
さらに、椅子側リブ43は、
図2及び
図3に示す人形オブジェクト21の溝33に嵌合する。これによって、人形オブジェクト21を、椅子側読取部15Aによって識別子34を読み取ることができる位置に確実に固定することができる。
【0042】
そして、複数の椅子側固定部14Aによってそれぞれ固定された人形オブジェクト21は、机側固定部14Bを囲んで互いに向かい合う角度で固定される。
【0043】
このようにして、人形オブジェクト21を椅子側固定部14Aに固定することで、人形オブジェクト21毎に異なる位置に形成された一以上の突起部34Aによって、複数の椅子側スイッチ44A,44B,44C,44Dのうちいずれか一以上が押される。これによって、椅子側読取部15Aは、人形オブジェクト21の突起部34Aの配置を読み取る。すなわち、人形オブジェクト21の識別子34を読み取る。
【0044】
図5は、
図1に示す配置部14のうち、机側読取部15B及び机側固定部14Bの拡大斜視図である。
【0045】
図5に示すように、机側読取部15Bは、全ての小物オブジェクト22の各突起部(図示略)に対応する位置にそれぞれ配される、複数の机側スイッチ48A,48B,48C,48Dを有する。
【0046】
また、
図5に示すように、机側固定部14Bは、中央に穴部46が形成される円盤部45、及び、複数(
図5では五個)の机側リブ47を有する。
【0047】
穴部46は、(一度に一つの)小物オブジェクト22が嵌合される形状になっている。
【0048】
また、机側リブ47は、小物オブジェクト22の溝(図示略)に嵌合する。これによって、人形オブジェクト21を、机側読取部15Bによって識別子34を読み取ることができる位置に確実に固定することができる。
【0049】
このようにして、小物オブジェクト22を机側固定部14Bに固定することで、小物オブジェクト22毎に異なる位置に形成された一以上の突起部(図示略)によって、複数の机側スイッチ48A,48B,48C,48Dのうちいずれか一以上が押される。これによって、机側読取部15Bは、小物オブジェクト22の突起部の配置を読み取る。すなわち、小物オブジェクト22の識別子34を読み取る。
【0050】
≪音制御装置のハードウェア構成≫
図6は、
図1に示す音制御装置12のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図6に示すように、音制御装置12は、記憶装置2と、制御装置3と、を主要部として備えている。
【0051】
記憶装置2は、音制御装置12の内部に配置されたハードディスク等によって構成される補助記憶装置である。この記憶装置2は、制御装置3における処理の実行に必要な各種プログラム、各種の情報、及び、処理結果の情報を記憶する。
【0052】
制御装置3は、CPU(Central Processing Unit)4、及び、メモリ(主記憶装置)5を主に備えて主要部が構成される。CPU4は、音制御装置12の各種構成を動作制御する。メモリ5は、例えば制御装置3における処理の実行に必要な各種プログラム等を記憶する。
【0053】
また、制御装置3は、CPU4が記憶装置2あるいはメモリ5等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能構成として機能する。この機能構成の詳細については後述する。当該プログラムは、記憶装置2に記憶されてもよく、音制御装置12の外部の記憶装置等に記憶されてもよい。
【0054】
なお、
図6は音制御装置12が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、音制御装置12は、コンピュータが一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0055】
≪音制御装置の機能的構成≫
図7は、
図1に示す音制御装置12の機能的構成の一例を、
図1に示す他の一部の構成とともに概略的に示すブロック図である。
【0056】
図7に示すように、音制御装置12は、記憶部16と、識別部17と、決定部18と、制御部19と、を機能的構成として備えている。
【0057】
記憶部16には、データベース16Aが記憶されている。データベース16Aは、一つの識別子34の情報毎に複数の音データが紐付けられると共に、識別子34の情報の組み合わせの一つに対し、複数の音データが紐付けられた識別子34のデータベースである。さらに、音データには、声のデータ、及び、効果音のデータが含まれている。
【0058】
図8は、
図7に示すデータベース16Aの一部を示す表である。
例えば、人形オブジェクト21Aの識別子34(
図8の表中では人形識別子Aと記載。)に対して、複数の音データA1,A2,A3,…が紐付けられており、人形オブジェクト21Bの識別子34(
図8の表中では人形識別子Bと記載。)に対して、複数の音データB1,B2,B3,…が紐付けられている。
【0059】
このように人形オブジェクト21の識別子34に対して紐付けられた複数の音データA1,A2,A3,…,B1,B2,B3,…は、それぞれ声のデータである。
【0060】
また、小物オブジェクト22Aの識別子34(表中では小物識別子Iと記載。)に対して、複数の音データI1,I2,I3,…が紐付けられており、小物オブジェクト22Bの識別子34(表中では小物識別子Jと記載。)に対して、複数の音データJ1,J2,J3,…が紐付けられている。
【0061】
このように小物オブジェクト22の識別子34に対して紐付けられた複数の音データI1,I2,I3,…,J1,J2,J3,…は、それぞれ効果音のデータである。
【0062】
さらに、人形識別子Aと人形識別子Bの組み合わせに対して、複数の音データAB1,AB2,AB3,…が紐付けられており、人形識別子Aと人形オブジェクト21Cの識別子34(表中では人形識別子Cと記載。)の組み合わせに対して、複数の音データAC1,AC2,AC3,…が紐付けられている。
【0063】
このように人形オブジェクト21の識別子34同士の組み合わせに対して紐付けられた複数の音データAB1,AB2,AB3,…,AC1,AC2,AC3,…は、それぞれ声(会話)のデータである。
【0064】
さらに、人形識別子Aと小物識別子Iの組み合わせに対して、複数の音データAI1,AI2,AI3,…が紐付けられており、人形識別子Aと小物識別子Jの組み合わせに対して、複数の音データAJ1,AJ2,AJ3,…が紐付けられている。
【0065】
このように人形オブジェクト21の識別子34と小物オブジェクト22の識別子34の組み合わせに対して紐付けられた複数の音データAI1,AI2,AI3,…,AJ1,AJ2,AJ3,…は、それぞれ、声及び効果音のデータである。
【0066】
さらに、人形識別子Aと人形識別子Bと人形識別子Cの組み合わせに対して、複数の音データABC1,ABC2,ABC3,…が紐付けられており、人形識別子Aと人形識別子Bと人形オブジェクト21Dの識別子34(表中では人形識別子Dと記載。)の組み合わせに対して、複数の音データABD1,ABD2,ABD3,…が紐付けられている。
【0067】
このように人形オブジェクト21の識別子34同士の組み合わせに対して紐付けられた複数の音データABC1,ABC2,ABC3,…,ABD1,ABD2,ABD3,…は、それぞれ声(会話)のデータである。
【0068】
さらに、人形識別子Aと人形識別子Bと小物識別子Iの組み合わせに対して、複数の音データABI1,ABI2,ABI3,…が紐付けられており、人形識別子Aと人形識別子Bと小物識別子Jの組み合わせに対して、複数の音データABJ1,ABJ2,ABJ3,…が紐付けられている。
【0069】
このように人形オブジェクト21の識別子34と小物オブジェクト22の識別子34の組み合わせに対して紐付けられた複数の音データABI1,ABI2,ABI3,…,ABJ1,ABJ2,ABJ3,…は、それぞれ、声及び効果音のデータである。
【0070】
なお、データベース16Aに含まれる識別子34の組み合わせについて、組み合わされる識別子34の最大個数については、設置された読取部15A,15Bの数と同じになる。すなわち、
図1のように、椅子側読取部15Aが三個、机側読取部15Bが一個であれば、上記最大個数は四個となる(ただし
図8では、表示を簡潔にするため、三個の組み合わせまでしか表していない)。
【0071】
図7に戻り、識別部17は、
図1に示す配置部14に配置されたオブジェクト21,22の識別子34の情報を識別するものである。具体的には、識別部17は、複数の椅子側読取部15A、及び、机側読取部15Bが読み取った各識別子34の情報を識別する。
【0072】
決定部18は、配置部14にオブジェクト21,22のうちいずれか一つが配置された場合、識別部17が識別した識別子34の情報に基づいて音データを決定し、配置部14にオブジェクト21,22が複数配置された場合、識別部17が識別した各識別子34の情報の組み合わせに基づいて音データを決定する。
【0073】
すなわち、決定部18は、まず、一つの椅子側読取部15A又は机側読取部15Bが一つの識別子34を読み取った場合、識別部17が識別した識別子34とデータベース16A上において紐付けられた複数の音データの中から、ランダムに少なくとも一つの音データを決定する。
【0074】
さらに、決定部18は、複数の椅子側読取部15A及び机側読取部15Bの中で二つ以上の読取部が、複数の人形オブジェクト21及び小物オブジェクト22の中で二つ以上のオブジェクトの識別子34を読み取った場合、識別部17が識別した識別子34の組み合わせ(例えば人形識別子A+人形識別子Bなど)とデータベース16A上において紐付けられた複数の音データの中から、ランダムに少なくとも一つの音データを決定する。
【0075】
ここで、上述のように、二つ以上のオブジェクトの識別子34を読み取る処理の一例について具体的に説明する。
【0076】
まず、第一の椅子側読取部15A(又は机側読取部15B)のスイッチが第一の人形オブジェクト21(又は小物オブジェクト22)の識別子34に押されてから所定時間以内に、第二の椅子側読取部15A(又は机側読取部15B)のスイッチが第二の人形オブジェクト21(又は小物オブジェクト22)の識別子34に押されると、合計二つのオブジェクトの識別子34を読み取る状態となる。
【0077】
ここで、第二の椅子側読取部15A(又は机側読取部15B)のスイッチが第二の人形オブジェクト21(又は小物オブジェクト22)に押されてから更に所定時間以内に、第三の椅子側読取部15A(又は机側読取部15B)のスイッチが第三の人形オブジェクト21(又は小物オブジェクト22)に押されると、合計三つのオブジェクトの識別子34を読み取る状態となる。
【0078】
以降も同様にして、設置された読取部15A,15Bの数と同数を上限とした複数のオブジェクトの識別子34を読み取ることができる。例えば、
図1のように、椅子側読取部15Aが三個、机側読取部15Bが一個であれば、最大四個の識別子34を読み取ることができる。
【0079】
なお、上記所定時間を経過したか否かについては、決定部18によって判断するものとする。
【0080】
また、決定部18は、椅子側読取部15Aが人形オブジェクト21の識別子34を読み取った場合、識別部17が識別した識別子34の情報に基づいて、声のデータを含む音データを決定する。
【0081】
さらに、決定部18は、机側読取部15Bが小物オブジェクト22の識別子34を読み取った場合、識別部17が識別した識別子34の情報に基づいて、効果音のデータを含む音データを決定する。
【0082】
さらに決定部18は、音出力部13が音を出力している状態において、一以上の読取部15A,15Bによる一以上の識別子34の読取状態が変化した場合、すなわち、識別部17により識別する識別子34が一以上変更された場合、識別部17が新たに識別した識別子34の情報又はその組み合わせに基づいて、新たな音データを決定する。
【0083】
制御部19は、決定部18が決定した音データに基づいて音を出力するように音出力部13を制御する。
【0084】
音出力部13は、制御部19の制御により、決定部18が決定した音データに基づいた音を出力する。
【0085】
また、音出力部13は、音を出力している状態において、決定部18が新たな音データを決定した場合、現在出力している音を停止して新たな音データに基づいた音を出力するように、制御部19に制御される。
【0086】
≪処理≫
図9のフローチャートを用いて、玩具1による処理の一例について詳述する。なお、下記ステップは一例であり、その順番及び内容は適宜変更することができる。
【0087】
(ステップSP1)
椅子側読取部15Aが、人形オブジェクト21Aの識別子34を読み取る。その後、処理はステップSP2へ移行する。
【0088】
(ステップSP2)
識別部17が、椅子側読取部15Aが読み取った人形オブジェクト21Aの識別子34(
図8の人形識別子A)を識別する。その後、処理はステップSP3へ移行する。
【0089】
(ステップSP3)
椅子側読取部15A又は机側読取部15Bが、所定時間以内にステップSP1とは別の識別子34を読み取ったか否かによって処理が分岐する。読み取っていれば処理はステップSP2へ移行する。読み取っていなければ処理はステップSP4へ移行する。
【0090】
(ステップSP4)
決定部18が、識別部17が識別した一以上の識別子34、及び、データベース16Aに基づいて、音データを決定する。
【0091】
例えば、識別部17が読み込んだ識別子34が人形識別子Aだけであれば、決定部18は、
図8における人形識別子Aに紐づいた音データA1,A2,A3,…の中から一つの音データを選択する。声のデータである音データA1(A2,A3)は、例えば「がんばるぞ!」などである。
【0092】
あるいは、識別部17が読み込んだ識別子34が、人形識別子A、及び、人形オブジェクト21Bの識別子34(
図8の人形識別子B)であれば、決定部18は、
図8において、人形識別子A+人形識別子Bに紐づいた音データAB1,AB2,AB3,…の中から一つの音データを選択する。声(会話)のデータである音データAB1は、例えば、「元気出た?」、「ウンッ!」などである。
ステップSP4の後、処理はステップSP5へ移行する。
【0093】
(ステップSP5)
音出力部13が、制御部19の制御によって、決定部18が決定した音データを音として出力する。その後、処理はステップSP6へ移行する。
【0094】
(ステップSP6)
音出力部13が音を出力している状態において、一以上の読取部15A,15Bによる一以上の識別子34の読取状態が変化したか否かによって処理が分岐する。変化した場合はステップSP2へ移行し、ステップSP4までの処理において新たな音データを決定し、ステップSP5において、音出力部13は、現在出力している音を停止してから新たな音データを音として出力する。読取状態が変化しない場合は、処理は終了する。
【0095】
≪作用効果≫
本実施形態に係る玩具1は、識別子34を有するオブジェクト21,22が一つ以上配置される配置部14と、配置部14に配置されたオブジェクト21,22の識別子34の情報を識別する識別部17と、配置部14にオブジェクト21,22が複数配置された場合、識別部17が識別した各識別子34の情報の組み合わせに基づいて音データを決定する決定部18と、決定部18が決定した音データに基づいた音を出力する音出力部13と、を備える。
このようにして本実施形態では、オブジェクト21,22の組み合わせに応じて出力する音が変わるので、従来よりも遊びのバリエーションが増える。
【0096】
また本実施形態では、各識別子34の情報の組み合わせの一つに対し、複数の音データが紐付けられて記憶される記憶部16を更に備え、決定部18は、複数の音データの中から少なくとも一つの音データを決定する。
このようにして本実施形態では、オブジェクト21,22の組み合わせが同じ場合であっても、出力される音が一つに固定されないので、更に遊びのバリエーションが増える。
【0097】
また本実施形態では、複数のオブジェクト21,22には、人形である第一オブジェクト(人形オブジェクト)21が含まれ、決定部18は、識別部17が第一オブジェクト21の識別子34の情報を識別した場合、声のデータを含む音データを決定する。
このようにして本実施形態では、人形である人形オブジェクト21の識別子34を読み取った場合に声が出力されるので、興趣性が向上する。
【0098】
また本実施形態では、複数のオブジェクト21,22には、人形以外である第二オブジェクト(小物オブジェクト)22が含まれ、決定部18は、識別部17が第二オブジェクト22の識別子34の情報を識別した場合、効果音データを含む音データを決定する。
このようにして本実施形態では、人形以外の小物オブジェクト22の識別子34を読み取った場合に効果音が出力されるので、興趣性が向上する。
【0099】
また本実施形態では、決定部18は、音出力部13が音を出力している状態において、識別部17により識別する識別子34が変更された場合、識別部17が新たに識別した識別子34の情報の組み合わせに基づいて、新たな音データを決定し、音出力部13は、音を出力している状態において、決定部18が新たな音データを決定した場合、現在出力している音を停止して新たな音データに基づいた音を出力する。
このようにして本実施形態では、使用者が、現在の音を変更したいと考えてオブジェクト21,22の配置を変えた場合に、出力される音がすぐに切り替わるために、音が変更されるまで使用者が待機することがないので、使用者はストレスなく遊ぶことができる。
【0100】
また本実施形態では、識別子34は、オブジェクト21,22毎に異なる位置にそれぞれ形成される一以上の突起部34Aを有し、配置部14は、全てのオブジェクト21,22の各突起部34Aに対応する位置にそれぞれ配される複数のスイッチ44A,44B,44C,44D,48A,48B,48C,48Dを有する。
このようにして本実施形態では、簡便な構成で識別子34を読み取ることができるので、製造コストを抑えることができる。
【0101】
また本実施形態では、配置部14は、識別子34を読み取る読取部15A,15Bと、読取部15A,15Bが識別子34を読み取ることができる位置に、オブジェクト21,22を固定する固定部14A,14Bと、を備え、識別部17は、読取部15A,15Bが読み取った識別子34の情報を識別する。
このようにして本実施形態では、読取部15A,15Bによる識別子34の読み取りの際に、オブジェクト21,22が動いてしまい正確に読み取ることができないといった事態を防ぐことができる。
【0102】
また本実施形態では、識別子34を有するオブジェクト21,22が一つ以上配置される配置部14を有する玩具1を制御するプログラムであって、玩具1を、配置部14に配置された各オブジェクト21,22の各識別子34の情報を識別する識別部17、識別部17が識別した各識別子34の情報の組み合わせに基づいて音データを決定する決定部18、として機能させる。
このようにして本実施形態では、オブジェクト21,22の組み合わせに応じて出力する音が変わるので、従来よりも遊びのバリエーションが増える。
【0103】
===変形例===
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、上述した具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び下記変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0104】
例えば、上記実施形態では、椅子側読取部15A、及び、椅子側固定部14Aが、それぞれ三個ずつ設けられているものとしたが、椅子側読取部15A、及び、椅子側固定部14Aは、それぞれ一以上であればいくつであってもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、机側読取部15B、及び、机側固定部14Bが、それぞれ一つずつ設けられているものとしたが、机側読取部15B、及び、机側固定部14Bは、それぞれ一以上であればいくつであってもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、識別子34が一以上の突起部を有し、椅子側読取部15A及び机側読取部15Bが、それぞれ複数のスイッチを有するものとした。しかしながら、これに代えて、識別子34を突起部ではなく一次元コード(バーコード)又は二次元コード(QRコード(登録商標))或いはRFIDタグとし、椅子側読取部15A、及び、机側読取部15Bは、これらのコード又はタグを読み取るリーダとしてもよい。
【0107】
また、
図1では、椅子側読取部15A、及び、机側読取部15Bともに、第一筐体片11Aの床に設置されているが、これに代えて、壁などに読取部を設置するものとしてもよい。また同様に、
図1では、椅子側固定部14A、及び、机側固定部14Bともに、第一筐体片11Aの床に設置されているが、これに代えて、壁などに固定部を設置するものとしてもよい。
【0108】
さらに、上記実施形態では、複数の椅子側読取部15Aのうちどの椅子側読取部15Aに、どの人形オブジェクト21の識別子34が読み取られるかによって、決定部18による音データの決定は変わらないものとした。換言すれば、決定部18は、データベース16A上において紐付けられた複数の音データの中から、ランダムに一つの音データを決定するものとした。しかしながら、これに代えて、どの椅子側読取部15Aに、どの人形オブジェクト21の識別子34が読み取られるかによって、決定部18が、データベース16A上において紐付けられた複数の音データの中から特定の音データを決定してもよい。この点について、机側読取部15Bにおいても、複数設けられる場合は同様である。
【0109】
また、上記実施形態では、椅子側読取部15A、及び、机側読取部15Bによって人形オブジェクト21の識別子34と小物オブジェクト22の識別子34を読み取った場合に、決定部18が決定する音データ(
図8の音データAI1や音データABI1など)は、声及び効果音のデータであるとした。しかしながら、このような場合には、効果音は含まず声のみのデータとしてもよい。
【0110】
さらに、上記実施形態では、椅子側読取部15Aが人形オブジェクト21の識別子34を識別せずに、机側読取部15Bが小物オブジェクト22の識別子34を識別した場合、決定部18は効果音のデータ(
図8の音データI1や音データJ1など)を音データとして決定するとした。しかしながら、このような場合(予め小物オブジェクト22の識別子34のみに紐付けられる音データはデータベース16Aに無いものとし)、音出力部13から音が出力されないものとしてもよい。
【0111】
また、上記実施形態の
図1では、椅子側読取部15Aや机側読取部15Bが設置される場所は第一筐体片11Aの1階のリビングの床であるものとしているが、これに加えてリビング以外の場所にも、識別子34を読み取る読取部を設置することができる。また、この場合、記憶部16にはデータベース16Aとは異なるデータベース(他のデータベース)が記憶され、リビング以外の場所に設置された読取部が各識別子34を読み取った場合に決定部18が決定する音データは、当該他のデータベースから選ばれるものとしてもよい。
【0112】
さらに、上記実施形態では、
図1に示すように、筐体11が家の形状であるものとしているが、本発明はこれに限らず、森、庭、海、山などの別の形状としてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1:玩具、13:音出力部、14:配置部、14A:椅子側固定部、14B:机側固定部、15A:椅子側読取部、15B:机側読取部、16:記憶部、17:識別部、18:決定部、21:人形オブジェクト、22:小物オブジェクト、34:識別子、34A:突起部、44A,44B,44C,44D:椅子側スイッチ、48A,48B,48C,48D:机側スイッチ
【要約】
【課題】遊びのバリエーションを増やすことができる玩具を提供する。
【解決手段】識別子34を有するオブジェクト21,22が一つ以上配置される配置部14と、配置部14に配置されたオブジェクト21,22の識別子34の情報を識別する識別部17と、配置部14にオブジェクト21,22が複数配置された場合、識別部17が識別した各識別子34の情報の組み合わせに基づいて音データを決定する決定部18と、決定部18が決定した音データに基づいた音を出力する音出力部13と、を備える。
【選択図】
図1