(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】ロボット制御方法及びロボット制御装置
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
B25J19/06
(21)【出願番号】P 2022577254
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2022021498
(87)【国際公開番号】W WO2022259874
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2021097526
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 正義
(72)【発明者】
【氏名】橋本 敦実
(72)【発明者】
【氏名】中田 広之
(72)【発明者】
【氏名】本内 保義
(72)【発明者】
【氏名】山本 良祐
(72)【発明者】
【氏名】上田 紘義
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/005388(WO,A1)
【文献】特開2016-082850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクチュエータを有するロボットの動作を制御するロボット制御方法であって、
前記アクチュエータを駆動するための位置指令増分量(Δθd)と、該アクチュエータの駆動後にフィードバックされる位置増分量(Δθ)とに基づいて、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)を演算する第1工程と、
前記位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に基づいて、位置偏差(e)を演算する第2工程と、
前記位置偏差(e)と、ゲイン(K)とに基づいて、速度指令(ωd)を演算する第3工程と、
前記速度指令(ωd)に応じた電流(i)を前記アクチュエータに供給して前記アクチュエータを駆動する第4工程と、
前記第1工程から前記第4工程までを繰り返し実行する間に、非常停止指令が出力された場合、前記位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に対して、C>1.0となる所定の係数(C)を乗算する第5工程と、を備える
ロボット制御方法。
【請求項2】
複数のアクチュエータを有するロボットの動作を制御する制御部を備えたロボット制御装置であって、
前記制御部は、
前記アクチュエータを駆動するための位置指令増分量(Δθd)と、該アクチュエータの駆動後にフィードバックされる位置増分量(Δθ)とに基づいて、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)を演算する第1動作と、
前記位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に基づいて、位置偏差(e)を演算する第2動作と、
前記位置偏差(e)と、ゲイン(K)とに基づいて、速度指令(ωd)を演算する第3動作と、
前記速度指令(ωd)に応じた電流(i)を前記アクチュエータに供給して前記アクチュエータを駆動する第4動作と、
前記第1動作から前記第4動作までを繰り返し実行する間に、非常停止指令が出力された場合、前記位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に対して、C>1.0となる所定の係数(C)を乗算する第5動作と、を行う
ロボット制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット制御方法及びロボット制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、緊急停止時は通常のゲインから緊急停止用に算出しておいた高いゲインへと切り替え、位置制御のままで緊急停止を行うことで、モータ停止距離を短縮するようにした数値制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、特許文献1の数値制御装置は、非常停止時(緊急停止時)に位置制御のゲインを大きくすることで停止時間の短縮を図るように構成されている。
【0005】
しかしながら、ゲインを大きくすると、速度指令やアクチュエータの速度が不安定となり、ロボットの各軸のアクチュエータ又は減速機などにショックが生じるおそれがある。
【0006】
本開示は、ロボットの非常停止時にアクチュエータにショックが生じるのを抑えつつ停止時間を短縮することを目的とする。
【0007】
本開示の第1の態様は、複数のアクチュエータを有するロボットの動作を制御するロボット制御方法であって、前記アクチュエータを駆動するための位置指令増分量(Δθd)と、該アクチュエータの駆動後にフィードバックされる位置増分量(Δθ)とに基づいて、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)を演算する第1工程と、前記位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に基づいて、位置偏差(e)を演算する第2工程と、前記位置偏差(e)と、ゲイン(K)とに基づいて、速度指令(ωd)を演算する第3工程と、前記速度指令(ωd)に応じた電流(i)を前記アクチュエータに供給して前記アクチュエータを駆動する第4工程と、前記第1工程から前記第4工程までを繰り返し実行する間に、非常停止指令が出力された場合、前記位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に対して、C>1.0となる所定の係数(C)を乗算する第5工程と、を備える。
【0008】
本開示の第1の態様では、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)は、位置指令増分量(Δθd)と、位置増分量(Δθ)とに基づいて演算される。位置偏差(e)は、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に基づいて演算される。速度指令(ωd)は、位置偏差(e)と、ゲイン(K)とに基づいて演算される。アクチュエータは、速度指令(ωd)に応じた電流(i)が供給されることで駆動する。非常停止指令が出力された場合、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)には、C>1.0となる所定の係数(C)が乗算される。
【0009】
このように、非常停止指令が出力された場合、非常停止指令が出力された後の位置偏差増分量(Δθd-Δθ)にのみ、係数(C)を乗算して速度指令(ωd)を大きくするようにしている。これにより、アクチュエータにショックが生じるのを抑えつつ、アクチュエータが停止するまでの時間を短縮することができる。
【0010】
本開示の第2の態様は、複数のアクチュエータを有するロボットの動作を制御する制御部を備えたロボット制御装置であって、前記制御部は、前記アクチュエータを駆動するための位置指令増分量(Δθd)と、該アクチュエータの駆動後にフィードバックされる位置増分量(Δθ)とに基づいて、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)を演算する第1動作と、前記位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に基づいて、位置偏差(e)を演算する第2動作と、前記位置偏差(e)と、ゲイン(K)とに基づいて、速度指令(ωd)を演算する第3動作と、前記速度指令(ωd)に応じた電流(i)を前記アクチュエータに供給して前記アクチュエータを駆動する第4動作と、前記第1動作から前記第4動作までを繰り返し実行する間に、非常停止指令が出力された場合、前記位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に対して、C>1.0となる所定の係数(C)を乗算する第5動作と、を行う。
【0011】
本開示の第2の態様では、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)は、位置指令増分量(Δθd)と、位置増分量(Δθ)とに基づいて演算される。位置偏差(e)は、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に基づいて演算される。速度指令(ωd)は、位置偏差(e)と、ゲイン(K)とに基づいて演算される。アクチュエータは、速度指令(ωd)に応じた電流(i)が供給されることで駆動する。非常停止指令が出力された場合、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)には、C>1.0となる所定の係数(C)が乗算される。
【0012】
このように、非常停止指令が出力された場合、非常停止指令が出力された後の位置偏差増分量(Δθd-Δθ)にのみ、係数(C)を乗算して速度指令(ωd)を大きくするようにしている。これにより、アクチュエータにショックが生じるのを抑えつつ、アクチュエータが停止するまでの時間を短縮することができる。
【0013】
本開示によれば、ロボットの非常停止時に、アクチュエータにショックが生じるのを抑えつつ停止時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係るロボット制御装置の構成を示す側面図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係るロボット制御装置のブロック線図である。
【
図3】
図3は、比較例1において非常停止時にゲインを一定にした場合の速度変化を示すグラフである。
【
図4】
図4は、比較例2において非常停止時にゲインを大きくした場合の速度変化を示すグラフである。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態において非常停止時に係数を一定にした場合の速度変化を示すグラフである。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態において非常停止時に係数を大きくした場合の速度変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0016】
〈ロボットの構成〉
図1は、本開示の実施形態に係るロボット制御装置1の構成を示す側面図である。
図1に示すように、ロボット制御装置1は、ロボット5と、制御部20とを備える。ロボット5は、6軸の多関節型のロボットアーム10を有する。制御部20は、ロボットアーム10の動作を制御する。ロボット5は、例えば、作業台6に対してワークWを受け渡しする。
【0017】
ロボットアーム10は、台座部11と、肩部12と、下腕部13と、第1上腕部14と、第2上腕部15と、手首部16と、取付部17とを有する。
【0018】
肩部12は、台座部11に対して、第1関節部J1を中心に水平方向に旋回可能に支持される。下腕部13は、肩部12に対して、第2関節部J2を中心に上下方向に旋回可能に支持される。
【0019】
第1上腕部14は、下腕部13に対して、第3関節部J3を中心に上下方向に旋回可能に支持される。第2上腕部15は、第1上腕部14の先端部に対して、第4関節部J4を中心に捻り回転可能に支持される。
【0020】
手首部16は、第2上腕部15に対して、第5関節部J5を中心に上下方向に旋回可能に支持される。取付部17は、手首部16に対して、第6関節部J6を中心に捻り回転可能に支持される。取付部17には、ワークWを把持するハンド部18が取り付けられる。
【0021】
第1関節部J1から第6関節部J6には、アクチュエータ30(
図2参照)が内蔵される。制御部20は、ティーチング等によって予め入力された動作プログラムに基づいて、第1関節部J1から第6関節部J6がそれぞれ目標位置(指令角度)に達するように、第1関節部J1から第6関節部J6のアクチュエータ30の駆動を制御する。
【0022】
〈制御部〉
図2は、ロボット制御装置1のブロック線図である。
図2に示すように、制御部20は、係数ブロック21と、積分作用素ブロック22と、ゲインブロック23と、速度及び電流制御ブロック24とを有する。制御部20は、ロボット5のアクチュエータ30に接続される。アクチュエータ30には、各種センサ31が設けられる。
【0023】
制御部20には、アクチュエータ30を駆動するための位置指令増分量(Δθd)と、アクチュエータ30の駆動後にフィードバックされる位置増分量(Δθ)とが入力される。
【0024】
制御部20は、位置指令増分量(Δθd)と、位置増分量(Δθ)とに基づいて、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)を演算する第1動作を行う。
【0025】
係数ブロック21では、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に対して所定の係数(C)が乗算される。通常制御時には、係数(C)がC=1.0に設定される。つまり、通常制御時には、係数(C)が位置偏差増分量(Δθd-Δθ)の増減に影響を及ぼすことはない。
【0026】
積分作用素ブロック22では、現在時刻までの位置偏差増分量(Δθd-Δθ)が積分される。制御部20は、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に基づいて、位置偏差(e)を演算する第2動作を行う。
【0027】
ゲインブロック23では、位置偏差(e)に対してゲイン(K)が乗算される。ゲイン(K)は、位置制御に対する応答の係数であり、ゲイン(K)の値を高くすると位置制御の応答性が上がる。制御部20は、位置偏差(e)と、ゲイン(K)とに基づいて、速度指令(ωd)を演算する第3動作を行う。
【0028】
具体的に、速度指令(ωd)は、以下の式に基づいて演算される。
【0029】
【数1】
ここで、tは現在時刻、teは非常停止指令が出力された時刻である。なお、非常停止指令が出力された場合の制御部(20)の動作については後述する。
【0030】
速度及び電流制御ブロック24には、速度指令(ωd)と、電流フィードバック信号(FB)と、速度フィードバック信号(FBω)とが入力される。電流フィードバック信号(FB)及び速度フィードバック信号(FBω)は、アクチュエータ30の駆動後に各種センサ31からフィードバックされる。
【0031】
速度及び電流制御ブロック24では、速度指令(ωd)に応じた電流(i)が演算される。制御部20は、速度指令(ωd)に応じた電流(i)をアクチュエータ30に供給してアクチュエータ30を駆動する第4動作を行う。
【0032】
アクチュエータ30は、供給された電流(i)に応じて、所定の速度で駆動する。制御部20は、第1動作から第4動作までを繰り返し実行することで、ロボット5の動作を制御する。
【0033】
制御部(20)は、第1動作から第4動作までを繰り返し実行する間に、非常停止スイッチ8が押される等して非常停止指令が出力された場合、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)に対して所定の係数(C)を乗算する第5動作を行う。非常停止時には、係数(C)がC>1.0に設定される。例えば、係数(C)がC=3.0に設定される。
【0034】
ところで、非常停止指令が出力された場合には、アクチュエータ30の動作を非常停止させる必要がある。しかしながら、アクチュエータ30が停止するまでの時間を短縮しようとして、例えば、ゲイン(K)を大きくすると、速度指令やアクチュエータ30の速度が不安定となり、ロボット5の各軸のアクチュエータ30にショックが生じるおそれがある。
【0035】
以下、比較例1として、非常停止時にゲイン(K)を一定にした場合のアクチュエータ30の速度変化について説明する。
図3は、比較例1において非常停止時にゲインを一定にした場合の速度変化を示すグラフである。
【0036】
図3の比較例1に示すように、ゲイン(K)を一定にした状態で、非常停止指令が出力された場合、速度指令(ωd)、位置増分量(Δθ)、実際の速度(ω)が徐々に低下していく。
【0037】
図3に示す比較例1では、非常停止指令が出力された後も、ゲイン(K)の値が約600で一定となっている。通常制御時には、最高速度が4800rpmで動作していたアクチュエータ30が、非常停止時には速度が0rpmとなるように制御される。ここで、
図3に示す例では、非常停止指令が出力されてから速度が0rpmになるまでの時間は、360msである。
【0038】
次に、比較例2として、非常停止時にゲイン(K)を大きくした場合のアクチュエータ30の速度変化について説明する。
図4は、比較例2において非常停止時にゲインを大きくした場合の速度変化を示すグラフである。
【0039】
図4の比較例2では、非常停止指令が出力された後、ゲイン(K)を徐々に大きくするようにしている。非常停止指令が出力された場合、速度指令(ωd)、位置増分量(Δθ)、実際の速度(ω)が徐々に低下していく。
【0040】
図4に示す比較例2では、通常制御時には、ゲイン(K)の値が約600で一定となっている。非常停止時には、ゲイン(K)の値が徐々に大きくなっていき、約1100で一定となっている。比較例2では、速度指令(ωd)は、以下の式に基づいて演算される。
【0041】
【0042】
このように、
図4の比較例2では、速度指令(ωd)を演算するのにあたって、位置偏差増分量(Δθd-Δθ)の全体にゲイン増加量(ΔK)を乗算しているので、位置制御の応答性が上がる。そのため、比較例2では、非常停止指令が出力されてから速度が0rpmになるまでの時間は、277msとなり、ゲイン(K)を一定にした比較例1に比べて、アクチュエータ30が停止するまでの時間を短縮することができる。
【0043】
しかしながら、ゲイン(K)の値を高くしすぎると不安定な動作となる。具体的に、
図4の比較例2では、非常停止指令が出力された直後に、アクチュエータ30にショックが生じてしまい、アクチュエータ30の速度が最高速度よりも上昇する等、不安定な動作となってしまう。
【0044】
これに対し、本実施形態では、非常停止指令が出力された後の制御部(20)の動作を工夫することで、アクチュエータ30にショックが生じるのを抑えるようにしている。
【0045】
まず、
図5に示すように、係数(C)をC=1.0に設定した場合について説明する。
図5は、本開示の実施形態において非常停止時に係数を一定にした場合の速度変化を示すグラフである。
【0046】
図5に示す例では、非常停止指令が出力された場合、速度指令(ωd)、位置増分量(Δθ)、実際の速度(ω)が徐々に低下していく。
【0047】
図5に示す例では、非常停止指令が出力された後も、係数(C)がC=1.0で一定となっている。通常制御時には、最高速度が4800rpmで動作していたアクチュエータ30が、非常停止時には速度が0rpmとなるように制御される。ここで、
図5に示す例では、非常停止指令が出力されてから速度が0rpmになるまでの時間は、356msである。
【0048】
次に、非常停止時に係数(C)を大きくした場合のアクチュエータ30の速度変化について説明する。
図6は、本開示の実施形態において非常停止時に係数を大きくした場合の速度変化を示すグラフである。
【0049】
図6に示すように、非常停止指令が出力された後、係数(C)を1.0よりも大きく設定する(C>1.0)。
図6に示す例では、C=3.0に設定している。そして、上述した数1に示すように、非常停止指令が出力された後の位置偏差増分量(Δθd-Δθ)にのみ、係数(C)を乗算することで、速度指令(ωd)を大きくするようにしている。
【0050】
これにより、本実施形態では、非常停止指令が出力されてから速度が0rpmになるまでの時間は、258msとなり、係数(C)をC=1.0で一定にした場合に比べて、アクチュエータ30が停止するまでの時間を短縮することができる。
【0051】
また、
図6に示す例では、非常停止指令が出力されてから、アクチュエータ30にショックが生じることもなく、アクチュエータ30の速度がスムーズに低下していることが分かる。
【0052】
以上のように、本実施形態に係るロボット制御装置1では、非常停止指令が出力された場合、非常停止指令が出力された後の位置偏差増分量(Δθd-Δθ)にのみ、C>1.0となる係数(C)を乗算して速度指令(ωd)を大きくするようにしている。これにより、アクチュエータ30にショックが生じるのを抑えつつ、アクチュエータ30が停止するまでの時間を短縮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上説明したように、本開示は、非常停止時に、アクチュエータにショックが生じるのを抑えることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0054】
1 ロボット制御装置
5 ロボット
8 非常停止スイッチ
10 ロボットアーム
11 台座部
12 肩部
13 下腕部
14 第1上腕部
15 第2上腕部
16 手首部
17 取付部
18 ハンド部
20 制御部
21 係数ブロック
22 積分作用素ブロック
23 ゲインブロック
24 電流制御ブロック
30 アクチュエータ
31 各種センサ
J1 第1関節部
J2 第2関節部
J3 第3関節部
J4 第4関節部
J5 第5関節部
J6 第6関節部
W ワーク