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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
   F25C 1/147 20180101AFI20240419BHJP
【FI】
F25C1/147 M
F25C1/147 L
F25C1/147 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020005136
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021113624
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 将嗣
(72)【発明者】
【氏名】河野 俊明
(72)【発明者】
【氏名】森沢 拓矢
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-133657(JP,A)
【文献】特開2016-211764(JP,A)
【文献】実開平06-058870(JP,U)
【文献】特開2014-009833(JP,A)
【文献】米国特許第06506428(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/147
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷に用いられる水を貯留する貯水タンクと、
前記貯水タンクに貯留された前記水を導出する導出管と、
上方を開放する箱状に形成され、容器が上面に置かれるように設けられている載置部の下部に配置され、前記載置部からの排水を受け止めて外部に排出するドレインパンと、を備え、
前記ドレインパンは、前記導出管から導出された前記水を貯留する貯留部と、前記貯留部と連続して形成される水受け部と、を備え、
前記導出管の一端が、前記貯留部の底面に対向するように配置され、
前記水受け部が受けた前記水を外部に排出する排出路が、前記貯留部と前記水受け部との境界線よりも下方に設けられ、
前記水受け部は、前記貯留部との境界線から前記排出路に向かうにしたがって、下方に向けて傾斜するように形成され
前記水受け部は、前記導出管から前記貯留部に前記水が供給され、前記貯留部から溢れ出た前記水によって洗浄される、
製氷機。
【請求項2】
前記ドレインパンは、上面視長方形状に形成され、前記貯留部は、前記ドレインパンの長手方向の一端側に配置され、前記排出は、前記ドレインパンの長手方向の多端側に配置され、
前記貯留部と前記水受け部との境界線は、同一の水平面上に配置されている、
請求項1に記載の製氷機。
【請求項3】
前記貯留部と前記水受け部との境界部分は、断面円弧状に面取りされている、請求項2に記載の製氷機。
【請求項4】
前記導出管の一端は、前記境界線よりも下方にて、前記貯留部の底面に対向するように配置されている、請求項1または請求項2に記載の製氷機。
【請求項5】
前記貯水タンクに貯留された前記水を用いて、オゾン水を生成するオゾン水生成部をさらに備え、
前記導出管は、前記オゾン水生成部によって生成された前記オゾン水を導出するように構成され、
前記ドレインパンは、前記導出管から導出された前記オゾン水によって洗浄される請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の製氷機。
【請求項6】
製氷に用いられる水を貯留する貯水タンクと、
前記貯水タンクに貯留された前記水を用いて、オゾン水を生成するオゾン水生成部と、
前記オゾン水生成部によって生成された前記オゾン水を導出する導出管と、
上方を開放する箱状に形成され、容器が上面に置かれるように設けられている載置部の下部に配置され、前記載置部からの排水を受け止めて外部に排出するドレインパンと、を備え、
前記ドレインパンは、前記導出管から導出された前記オゾン水を貯留する貯留部と、前記貯留部と連続して形成される水受け部と、を備え、
前記導出管の一端が、前記貯留部の底面に対向するように配置され、
前記水受け部が受けた前記オゾン水を外部に排出する排出路が、前記貯留部と前記水受け部との境界線よりも下方に設けられ、
前記水受け部は、前記貯留部との境界線から前記排出路に向かうにしたがって、下方に向けて傾斜するように形成され、
前記ドレインパンは、前記導出管から導出された前記オゾン水によって洗浄される、
製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、貯水タンクに貯留された水を用いてオゾンを生成し、このオゾンを用いて貯水タンク内を洗浄する製氷機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-9833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した製氷機においては、排水を受け止めて外部に排出するドレインパンを備えている。ドレインパンは、排水等によって汚れるため、定期的に清掃作業が作業者によって行われている。一方で、ドレインパンは、使用者が視認できる場合があるため、ドレインパンの清潔性を向上させたいとの要望がある。
【0005】
本開示は、製氷機において、ドレインパンの清潔性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示における製氷機は、製氷に用いられる水を貯留する貯水タンクと、前記貯水タンクに貯留された前記水を導出する導出管と、上方を開放する箱状に形成され、容器が上面に置かれるように設けられている載置部の下部に配置され、前記載置部からの排水を受け止めて外部に排出するドレインパンと、を備え、前記ドレインパンは、前記導出管から導出された前記水を貯留する貯留部と、前記貯留部と連続して形成される水受け部と、を備え、前記導出管の一端が、前記貯留部の底面に対向するように配置され、前記水受け部が受けた前記水を外部に排出する排出路が、前記貯留部と前記水受け部との境界線よりも下方に設けられ、前記水受け部は、前記貯留部との境界線から前記排出路に向かうにしたがって、下方に向けて傾斜するように形成され、前記水受け部は、前記導出管から前記貯留部に前記水が供給され、前記貯留部から溢れ出た前記水によって洗浄される
【発明の効果】
【0007】
本開示の製氷機によれば、ドレインパンの清潔性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る製氷機の外観斜視図である。
図2図1に示す製氷機の内部を示す斜視図である。
図3図1に示す製氷機の構成を示す概要図である。
図4図3に示すドレインパンの上面図である。
図5図4に示すA-Aの断面図である。
図6図5に示す断面図の部分拡大図である。
図7】変形例に係る製氷機のドレインパンの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の製氷機の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、製氷機1の外観斜視図である。なお、本明細書においては説明の便宜上、図1における上側および下側をそれぞれ製氷機1の上方および下方とし、同じく左側および右側をそれぞれ製氷機1の左方および右方とし、同じく紙面手前側および紙面奥側をそれぞれ製氷機1の前方および後方として説明する。
【0010】
製氷機1は、押ボタン式のアイスディスペンサである。製氷機1は、ハウジング1aが直方体状に形成されている。ハウジング1aの前側部には、載置部1b、氷放出部1c、および、押ボタン1dが設けられている。
【0011】
載置部1bは、製氷機1の底部に設けられている。載置部1bは、使用者が氷を入れるコップ等の容器C(図1の2点鎖線を参照)が上面に置かれるように設けられている。載置部1bの下部には、後述するドレインパン50が配置されている。載置部1bの上壁は、載置部1bの下部に向けて排水可能な、すのこ状に形成されている。載置部1bの上面から下部に排出された水は、ドレインパン50によって受け止められて外部に排出される。
【0012】
氷放出部1cは、製氷機1の内部で製造された氷を、載置部1bに向けて放出するものである。押ボタン1dは、使用者によって押圧可能に設けられている。押ボタン1dが押圧されることにより、氷が氷放出部1cから所定量だけ放出される。
【0013】
図2は、製氷機1の内部を示す斜視図である。図3は、製氷機1の構成を示す概要図である。製氷機1は、冷媒サイクル部10、製氷部20、水を貯留する貯水タンク30、導出管40、ドレインパン50および制御装置60を備えている。冷媒サイクル部10、製氷部20、貯水タンク30、導出管40、ドレインパン50および制御装置60は、ハウジング1aに収容されている。
【0014】
冷媒サイクル部10は、冷凍サイクルによって貯水タンク30から供給される水を冷却して、氷を製造するものである。冷媒サイクル部10は、コンプレッサ11(圧縮機)、コンデンサ12(凝縮器)、膨張弁13、および、冷却器14(蒸発器)、並びに、この順に冷媒が流れる配管15を備え、冷凍サイクルを構成するものである。
【0015】
コンデンサ12と膨張弁13とを接続する配管15には、冷媒中の水分を除去するドライコア15aが配置されている。また、コンデンサ12の近傍には、コンデンサ12に向けて送風する送風機12aが配置されている。冷却器14は、氷を製造する製氷部20の一部を構成する。
【0016】
製氷部20は、氷を製造するものである。製氷部20は、冷却円筒21、冷却器22(14)、オーガ23、駆動装置24、ホッパ25、シュータ26、シャッタ27、および、氷センサ28を備えている。
【0017】
冷却円筒21は、ステンレスによって円筒状に形成されている。冷却円筒21の外周には、冷媒が流れる管状の冷却器22が巻き付けられている。冷却円筒21の内側には、オーガ23(回転刃)が冷却円筒21と同軸に、かつ、冷却円筒21に対して相対的に回転可能に配置されている。
【0018】
オーガ23の下端部は、下部軸受23aによって回転可能に支持されている。一方、オーガ23の上端部は、上部軸受23bによって回転可能に支持されている。駆動装置24は、オーガ23を回転させるものである。
【0019】
ホッパ25は、氷を貯留するものである。ホッパ25は、中空の箱状に形成されている。ホッパ25の底部において、上部軸受23bが保持されている。この上部軸受23bには、冷却円筒21の内側とホッパ25の内側とを接続し、通過する氷を圧縮する通路(不図示)が設けられている。
【0020】
冷却円筒21の内側に貯水タンク30に貯留された水が供給されて、冷却器22によって冷却されることにより、冷却円筒21の内周面に氷が生成される。この氷が、回転駆動するオーガ23によって削り取られるとともに、下方から上方に向けて移送される。さらに、この氷が上部軸受23bの通路を通過するときに圧縮されることにより、氷片が生成される。この氷片がホッパ25内に導出されて貯留される。
【0021】
シュータ26は、筒状に形成され、ホッパ25に貯留された氷を放出するものである。シュータ26は、上述した氷放出部1cを構成する。
【0022】
シャッタ27は、シュータ26とホッパ25との間に設けられている。シャッタ27が開状態であるとき、シュータ26を介してホッパ25に貯留された氷が放出される。シャッタ27が閉状態であるとき、ホッパ25に貯留された氷の放出が規制される。シャッタ27は、ソレノイド27aによって駆動される。
【0023】
氷センサ28は、ホッパ25に貯留された氷の量を検出するものである。
【0024】
貯水タンク30は、水を貯留するものである。貯水タンク30は、大気開放型のタンクである。貯水タンク30は、タンク部31、フロートスイッチ32、および、一対の電極33を備えている。
【0025】
タンク部31は、大気開放可能な箱状に形成され、水を貯めるものである。タンク部31の内側には、堰部31aが設けられている。水は、堰部31aの高さより低い高さにて貯められる(詳細は後述する)。水は、水道水である。
【0026】
タンク部31の上壁には、給水管41の第1端が接続されている。給水管41の第2端は、給水栓41aを介して、水道管(不図示)が接続されている。給水管41には、ノーマルクローズ型の第1電磁弁41bが配置されている。
【0027】
第1電磁弁41bが通電されることにより開状態になった場合、水道管の水が給水管41を介してタンク部31に供給される。第1電磁弁41bの通電状態は、制御装置60によって制御される。タンク部31は、送水部31bおよび排水部31cを備えている。
【0028】
送水部31bは、タンク部31に貯められた水を製氷部20に供給するものである。送水部31bは、具体的には、タンク部31の底部に開口する開口部である。送水部31bには、第1接続管31b1の第1端が接続されている。第1接続管31b1の第2端は、貯水タンク30および冷却器22よりも下方にて冷却円筒21に接続されている。
【0029】
また、冷却円筒21には、第2接続管31b2の第1端が、第1接続管31b1の第2端と対向する位置に接続されている。第2接続管31b2の第2端は、ドレインパン50に向けて開口する。第2接続管31b2には、ノーマルクローズ型の第2電磁弁31b3が配置されている。
【0030】
第2電磁弁31b3が通電されることにより開状態になった場合、タンク部31に貯められた水が、送水部31b、第1接続管31b1、冷却円筒21および第2接続管31b2を介して、ドレインパン50に排出される。一方、第2電磁弁31b3が閉状態である場合、第1接続管31b1を介して、タンク部31側の水位と、冷却円筒21側の水位が同じとなる。第2電磁弁31b3の通電状態は、制御装置60によって制御される。
【0031】
排水部31cは、タンク部31の内側において、堰部31aの高さにて上方に向けて開口する開口部である。排水部31cには、導出管40の第1端40aが接続されている。導出管40の第2端40bは、ドレインパン50に向けて開口する。導出管40の第2端40bは、「導出管の一端」の一例である。
【0032】
タンク部31の水位が、堰部31aの高さよりも高くなった場合、タンク部31に貯められた水が堰部31aを乗り越えて排水部31cから流出する。排水部31cから流出した水は、導出管40を介して、ドレインパン50に導出される。このように、導出管40は、貯水タンク30に貯留された水を導出する。
【0033】
また、導出管40には、第3接続管42の第1端が接続されている。第3接続管42の第2端は、ホッパ25の底部に接続されている。ホッパ25に貯められた氷が溶けることにより生じた水は、第3接続管42ひいては導出管40からドレインパン50に導出される。
【0034】
フロートスイッチ32は、タンク部31の水位を検出するものである。フロートスイッチ32によって検出された水位(以下、検出水位と記載する。)は、制御装置60に出力される。検出水位が堰部31aの高さより低い第1水位以下である場合、制御装置60は、第1電磁弁41bに通電する。これにより、第1電磁弁41bが開状態になるため、タンク部31に水が供給される。
【0035】
タンク部31に水が供給されることによって、検出水位が第2水位以上となった場合、制御装置60は、第1電磁弁41bを非通電にする。これにより、第1電磁弁41bが閉状態となるため、タンク部31への給水が停止する。第2水位は、第1水位より高く、かつ堰部31aの高さより低い水位に設定されている。
【0036】
一対の電極33は、通電されることにより、タンク部31に貯められた水を用いてオゾン水を生成するものである。一対の電極33の一方は、アノードを構成する電極であり、例えばベースがチタン(Ti)で被膜層が白金、タンタル(Ta)によって設けられている。一対の電極33の他方は、カソードを構成する電極であり、不活性電極として、白金、カーボンまたはステンレス等によって構成される。
【0037】
一対の電極33が通電されることにより、タンク部31に貯留された水が電気分解されて、オゾンが発生する。このオゾンが、タンク部31に貯留された水に溶けることにより、オゾン水が生成される。一対の電極33は、「オゾン水生成部」の一例である。タンク部31にてオゾン水が生成された場合、導出管40はオゾン水を導出する(詳細は後述する)。
【0038】
ドレインパン50は、排水を受け止めて外部に排出するものである。ドレインパン50は、導出管40から導出された水によって洗浄される(詳細は後述する)。図4は、ドレインパン50の上面図である。図5は、図4に示すA-Aの断面図である。図6は、図5の部分拡大図である。
【0039】
ドレインパン50は、上方を開放する箱状に形成されている。ドレインパン50は、上面視長方形状に形成されている。ドレインパン50は、貯留部51および水受け部52を備えている。
【0040】
貯留部51は、導出管40から導出された水を貯留するものである。貯留部51は、上方を開放する箱状に形成されている。貯留部51は、具体的には、ドレインパン50の底壁の右側にて、凹状に形成されている。貯留部51は、上面視長方形状に形成されている。導出管40の第2端40bは、貯留部51の底面に対向するように配置されている。これにより、導出管40から導出された水は、貯留部51に貯められる。
【0041】
水受け部52は、貯留部51から連続して形成され、排水を受け止めるものである。水受け部52は、貯留部51の左側に形成されている。水受け部52は、具体的には、貯留部51の左端の全体から、左方に向けて左右方向に沿って延びるように形成されている。水受け部52は、上面視長方形状に形成されている。
【0042】
貯留部51と水受け部52との境界部分KBは、断面円弧状に面取りされている(図5及び図6)。境界部分KBは、貯留部51の左端部と水受け部52の右端部とを含む部分である。円弧の半径は、清掃作業者の作業性および後述する水の流れを考慮して、比較的小さい半径に設定されている。
【0043】
円弧の半径は、具体的には、半径0.5mm~2mmの間にて設定されていることが望ましい。さらに、円弧の半径は、半径0.8mm~1.2mmの間にて設定されていることがさらに望ましい。本実施形態において、円弧の半径は、1mmに設定されている。
【0044】
また、貯留部51と水受け部52との境界線KLは、同一の水平面上に配置されている。境界線KLは、具体的には、貯留部51の左端と水受け部52の右端との境目の線である。境界線KLが同一の水平面上において前後方向に沿った直線となるように、貯留部51と水受け部52の境界部分KBが形成されている。また、貯留部51は、境界線KLより下方に形成されている。これにより、この境界線KLを含む水平面の高さが、貯留部51の水位の上限(図6の破線参照)となる。
【0045】
なお、導出管40の第2端40bは、境界線KLよりも下方にて、貯留部51の底面に対向するように配置されている。これにより、貯留部51の水位が導出管40の第2端40bより高い場合、導出管40の第2端40bが貯留部51の水によって塞がれることにより、水封を構成する。
【0046】
また、水受け部52は、境界線KLより下方に形成されている。水受け部52は、具体的には、境界線KLから左方に左右方向に沿って向かうにしたがって、上方から下方に向けて傾斜するように形成されている。水受け部52の左端部には、排出路52aが設けられている。排出路52aは、水受け部52が受けた水を外部に排出するものである。
【0047】
制御装置60は、製氷機1を統括制御するものである。制御装置60は、ドレインパン50を洗浄する洗浄制御を定期的(例えば24時間毎)に実行する。洗浄制御は、貯水タンク30にてオゾン水が生成された後、オゾン水を導出管40から導出する制御である。
【0048】
洗浄制御は、はじめに、タンク部31の水位が第2水位である状態にて、一対の電極33が第1所定時間だけ通電される。
【0049】
次に、第1所定時間が経過した時点から第1電磁弁41bが第2所定時間だけ通電される。このとき、フロートスイッチ32から出力される検出水位に関係なく、第1電磁弁41bが通電される。第2所定時間は、堰部31aを乗り越えて排水部31cひいては導出管40から導出されるオゾン水が貯留部51に貯留可能な量以上となる時間であって、オゾン水が水受け部52を所定のオゾン濃度にて第3所定時間以上流れる時間に設定されている。洗浄制御におけるオゾン水の単位時間あたりの流量、上述した所定のオゾン濃度および各所定時間は、ドレインパン50が十分に洗浄されるように設定されている。
【0050】
次に、上述した洗浄制御が実行された場合における製氷機1の動作について、タンク部31の水位が第2水位であり、貯留部51が満水である状態から説明する。はじめに、一対の電極33が第1所定時間だけ通電されることにより、タンク部31にオゾン水が生成される。
【0051】
続けて、第1電磁弁41bが通電されることにより、第1電磁弁41bが開状態になる。これにより、給水管41からタンク部31に継続して給水されるため、タンク部31の水位が上昇して、オゾン水が堰部31aを乗り越えて排水部31cに流入する。排水部31cに流入したオゾン水は、導出管40を通って、貯留部51に導出される。
【0052】
貯留部51に導出されたオゾン水は、貯留部51が満水状態であるため、貯留部51から水受け部52に溢れ出る(図4及び図6の太矢印参照)。換言すれば、オゾン水は、貯留部51から水受け部52に向けて、境界線KLを乗り越える。このとき、境界線KLが同じ水平面内に配置されているため、オゾン水は、境界線KLの全体を、およそ同時に乗り越える。
【0053】
続けて、オゾン水は、境界線KLの全体から、水受け部52の幅方向(前後方向)に亘って左方向に左右方向に沿って流れる(図4の太矢印参照)。これにより、オゾン水が、水受け部52の全体に亘って均一に流れる。よって、水受け部52の全体がオゾン水によって洗浄される。水受け部52の左端部に到達したオゾン水は、排出路52aから外部に排出される。また、このとき、導出管40からオゾン水が継続して貯留部51に導出されているため、貯留部51がオゾン水によって洗浄される。
【0054】
第1電磁弁41bが通電された時点から第2所定時間が経過した時点で、第1電磁弁41bへの通電が停止される。これにより、導出管40からのオゾン水の導出が停止して、ドレインパン50の洗浄が終了する。
【0055】
上述した実施形態の製氷機1によれば、製氷に用いられる水を貯留する貯水タンク30と、貯水タンク30に貯留された水を導出する導出管40と、排水を受け止めて外部に排出するドレインパン50と、を備えている。ドレインパン50は、導出管40から導出された水によって洗浄される。
【0056】
これによれば、貯水タンク30に貯留された水が導出管40からドレインパン50に導出されるため、この水によってドレインパン50が洗浄される。よって、製氷機1において、ドレインパン50の清潔性を向上させることができる。
【0057】
また、ドレインパン50は、上方を開放する箱状に形成され、導出管40から導出された水を貯留する貯留部51と、貯留部51から連続して形成され、排水を受け止める水受け部52と、を備えている。水受け部52は、導出管40から貯留部51に水が供給され、貯留部51から溢れ出た水によって洗浄される。
【0058】
これによれば、ドレインパン50を構成する貯留部51および水受け部52を、タンク部31に貯留された水によって確実に洗浄できる。
【0059】
また、貯留部51と前記水受け部52との境界部分KBは、断面円弧状に面取りされている。
【0060】
これによれば、境界線KLが断面角状に形成されている場合に比べて、清掃作業者がドレインパン50を清掃するときにケガをすることを抑制できるため、清掃作業者の作業性を向上させることができる。
【0061】
また、貯留部51と水受け部52との境界線KLは、同一の水平面上に配置されている。さらに、水受け部52は、境界線KLより下方に形成されている。
【0062】
これによれば、水は、境界線KLの全体からおよそ同時に、貯留部51から水受け部52に向かって乗り越える。よって、水受け部52の全体に亘って均一に水を流すことができるため、水受け部52の全体を洗浄できる。
【0063】
また、導出管40の第2端40bは、境界線KLよりも下方にて、貯留部51の底面に対向するように配置されている。
【0064】
これによれば、導出管40の第2端40bが貯留部51に貯められた水によって塞がれることが可能となるため、導出管40の第2端40bからタンク部31内へ外気が流入することを抑制することができる。
【0065】
また、貯水タンク30に貯留された水を用いて、オゾン水を生成するオゾン水生成部をさらに備えている。導出管40は、オゾン水生成部によって生成されたオゾン水を導出するように構成されている。ドレインパン50は、導出管40から導出されたオゾン水によって洗浄される。
【0066】
これによれば、ドレインパン50は、オゾン水によって洗浄されるため、水道水によって洗浄される場合に比べて、洗浄力が向上する。
【0067】
以上、一つまたは複数の態様に係る製氷機について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0068】
上述した実施形態では、導出管40からオゾン水が導出されるが、これに代えて、導出管40からオゾンを含まない水(例えば水道水)を導出するようにしてもよい。この場合、一対の電極33に通電が行われずに、洗浄制御が実行される。この一対の電極33が通電されずに行われる洗浄制御を特に貯留部リフレッシュ制御という。この貯留部リフレッシュ制御は、定期的(例えば2時間毎)に実行される。貯留部リフレッシュ制御によって貯留部51に貯められた水が入れ替わる。
【0069】
貯留部リフレッシュ制御は、具体的には、タンク部31の水位が第2水位である状態から、第1電磁弁41bが第2所定時間だけ通電される。このとき、フロートスイッチ32から出力される検出水位に関係なく、第1電磁弁41bが通電される。第2所定時間は、上述したように、堰部31aを乗り越えて排水部31cひいては導出管40から導出される水が貯留部51に貯留可能な量以上となる時間に設定されている。よって、導出管40から導出された水によって貯留部51に貯められた水が入れ替わる。
【0070】
続けて、第2所定時間が経過した時点から第2電磁弁31b3が通電される。これにより、タンク部31に貯められた水が第1接続管31b1および第2接続管31b2を介してドレインパン50に導出され、タンク部31の水位が下がる。さらに、検出水位が第2水位となった時点にて第2電磁弁31b3が非通電にされる。これにより、タンク部31の水の導出が停止され、貯留部リフレッシュ制御が終了する。
【0071】
また、上述した実施形態においては、一対の電極33が通電されることによってオゾン水が生成されるが、これに代えて、図2に示すオゾン水生成器270によってオゾンを生成してもよい。オゾン水生成器270は、水が流れる配管に配置され、通電された場合に、配管を流れる水を電気分解してオゾン水を生成するものである。
【0072】
例えば、図3にて破線にて示すように、第1接続管31b1と導出管40を接続する第4接続管280に、オゾン水生成器270および第3電磁弁290を配置してもよい。第3電磁弁290は、ノーマルクローズ型の電磁弁である。この場合、洗浄制御において、第3電磁弁290およびオゾン水生成器270が通電される。これにより、第3電磁弁290が開状態になるため、タンク部31に貯留された水が第1接続管31b1、第4接続管280および導出管40を介して貯留部51に導出される。このとき、オゾン水生成器270によって生成されたオゾン水が第4接続管280から導出管40ひいてはドレインパン50に導出される。また、これに代えて、導出管40にオゾン水生成器を配置しても良い。
【0073】
また、上述した実施形態において、貯留部51と水受け部52との境界部分KBは、断面円弧状に形成されているが、これに代えて、断面角状に形成してもよい(図7)。
【0074】
また、上述した実施形態において、貯留部51は、ドレインパン50の右側に形成されているが、これに代えて、図7に示すドレインパン150のように、貯留部151の周囲に水受け部152を形成してもよい。
【0075】
また、上述した実施形態において、ドレインパン50は、貯留部51および水受け部52を備えているが、これに代えて、貯留部51を備えないようにしてもよい。この場合、導出管40の第2端40bが、水受け部52において高さが最も高い部位に対向するように配置されることが望ましい。
【0076】
また、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、貯留部51および水受け部52の形状、貯留部51の水受け部52に対する位置、大きさ及び範囲、境界部分KBの面取り形状、境界線KLの形状、並びに、導出管40の配置を変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、製氷機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 製氷機
10 冷媒サイクル部
20 製氷部
30 貯水タンク
40 導出管
50 ドレインパン
51 貯留部
52 水受け部
52a 排出路
60 制御装置
KB 境界部分
KL 境界線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7