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特許7474974電子部品搭載装置および生産データ作成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】電子部品搭載装置および生産データ作成システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240419BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H05K13/04 Z
H05K13/04 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020036697
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021141155
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】日下部 道規
(72)【発明者】
【氏名】浜平 大
(72)【発明者】
【氏名】園田 知幸
(72)【発明者】
【氏名】野田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】浦田 和広
(72)【発明者】
【氏名】江口 倫史
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-216589(JP,A)
【文献】特開2016-025130(JP,A)
【文献】特開平05-183297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/52
H01L 21/58
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産データに基づきワークに電子部品を搭載する電子部品搭載装置であって、
前記生産データを求めるための実験で使用する実験用生産データを構成する実験情報を少なくとも記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された情報に基づき、前記実験用生産データを作成する実験用生産データ作成部と、
作成された前記実験用生産データに基づき、前記ワークに前記電子部品を搭載する部品搭載部と、を備え
前記実験情報は、前記ワークに搭載された前記電子部品の評価結果に対して影響を及ぼす実験因子と、前記実験因子が取り得る値の範囲と、前記実験因子が前記範囲から選択できる水準数と、を含む、電子部品搭載装置。
【請求項2】
前記実験用生産データ作成部は、前記電子部品搭載装置の装置情報に応じた前記実験因子を選択して前記実験用生産データを作成する、請求項に記載の電子部品搭載装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記実験用生産データ作成部により作成された前記実験用生産データをさらに記憶する、請求項1または2に記載の電子部品搭載装置。
【請求項4】
前記実験用生産データに基づき、前記電子部品を前記ワークに搭載するのにかかる合計時間を少なくとも算出する実験シミュレーション部をさらに備えた、請求項1からのいずれかに記載の電子部品搭載装置。
【請求項5】
前記実験用生産データには、前記ワークに前記電子部品を搭載する複数の条件と、前記条件で前記ワークに前記電子部品を搭載する搭載位置とを関連付けた情報が含まれる、請求項1からのいずれかに記載の電子部品搭載装置。
【請求項6】
生産データに基づきワークに電子部品を搭載する電子部品搭載装置において使用される前記生産データを作成する生産データ作成システムであって、
前記生産データを求めるための実験で使用する実験用生産データを構成する実験情報を少なくとも記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された情報に基づき、前記実験用生産データを作成する実験用生産データ作成部と、
作成された前記実験用生産データを前記電子部品搭載装置に送信する送信部と、を備え
前記実験情報は、前記ワークに搭載された前記電子部品の評価結果に対して影響を及ぼす実験因子と、前記実験因子が取り得る値の範囲と、前記実験因子が前記範囲から選択できる水準数と、を含む、生産データ作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産データに基づきワークに電子部品を搭載する電子部品搭載装置および生産データを作成する生産データ作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品搭載装置は、基板などのワークに半導体チップ、チップ部品、パッケージングされたLSIなどの電子部品を搭載して、部品や実装基板を生産する。電子部品搭載装置は、基板に電子部品を搭載する際の荷重、温度などの因子のプロセス条件を含む生産データに基づき基板に電子部品を搭載する。基板と電子部品には、最適な搭載状態が得られる最適なプロセス条件があり、予め基板と電子部品を使用した実験やシミュレーションで求めたプロセス条件が生産で使用される。
【0003】
特許文献1では、所定の範囲内からランダムに因子の値を決定したプロセス条件を設定して、設定された複数のプロセス条件と予め取得されている部材の形状、材質等の部材条件からシミュレーションで搭載状態を予測している。そして、複数のシミュレーション結果から搭載状態を評価して、評価結果から最適なプロセス条件を探索する一連の処理をコンピュータで実行するシミュレーション方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-72576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、すでに部材条件が存在する基板や電子部品ではシミュレーションにより最適化したプロセス条件を決定することができるものの、部材条件が存在しない新しい基板や電子部品が納入されてから短時間で製品を出荷する必要がある生産現場では、プロセス条件を変えて現物の基板に電子部品を搭載して搭載状態を観察し、最適なプロセス条件を求める実験を実施する必要がある場合がある。
【0006】
その場合、オペレータが複数のプロセス条件を生産データ作成システムに入力して実験用の生産データを作成する必要があるが、生産データを作成するためには多くの情報を生産データ作成システムに入力する必要があり、複数のプロセス条件の生産データを作成するには多大な時間を要する。さらに、オペレータが作業ミスをするリスクもあり、効率的かつ確実に実験用の生産データを作成するためには更なる改善の余地があった。
【0007】
そこで本発明は、複数のプロセス条件に対応する実験用生産データを容易に作成することができる電子部品搭載装置および生産データ作成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子部品搭載装置は、生産データに基づきワークに電子部品を搭載する電子部品搭載装置であって、前記生産データを求めるための実験で使用する実験用生産データを構成する実験情報を少なくとも記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報に基づき、前記実験用生産データを作成する実験用生産データ作成部と、作成された前記実験用生産データに基づき、前記ワークに前記電子部品を搭載する部品搭載部と、を備え、前記実験情報は、前記ワークに搭載された前記電子部品の評価結果に対して影響を及ぼす実験因子と、前記実験因子が取り得る値の範囲と、前記実験因子が前記範囲から選択できる水準数と、を含む
【0009】
本発明の生産データ作成システムは、生産データに基づきワークに電子部品を搭載する電子部品搭載装置において使用される前記生産データを作成する生産データ作成システムであって、前記生産データを求めるための実験で使用する実験用生産データを構成する実験情報を少なくとも記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報に基づき、前記実験用生産データを作成する実験用生産データ作成部と、作成された前記実験用生産データを前記電子部品搭載装置に送信する送信部と、を備え、前記実験情報は、前記ワークに搭載された前記電子部品の評価結果に対して影響を及ぼす実験因子と、前記実験因子が取り得る値の範囲と、前記実験因子が前記範囲から選択できる水準数と、を含む
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、生産データを作成するための実験を効率的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態の電子部品搭載システムの構成説明図
図2】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の構成説明図
図3】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の制御系の構成を示すブロック図
図4】本発明の一実施の形態の管理コンピュータ(生産データ作成システム)の処理系の構成を示すブロック図
図5】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置のタッチパネルに表示された基本情報入力画面の一例の説明図
図6】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置のタッチパネルに表示された実験条件入力画面の一例の説明図
図7】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置のタッチパネルに表示された実験用生産データ確認画面の一例の説明図
図8】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置のタッチパネルに表示された評価結果入力画面の一例の説明図
図9】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置のタッチパネルに表示された計測結果表示画面の一例の説明図
図10】本発明の一実施の形態の電子品搭載方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、電子部品搭載装置、搭載評価装置、管理コンピュータの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図2における紙面垂直方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図2における左右方向)が示される。また、図2では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(図2における上下方向)が示される。Z方向は、電子部品搭載装置が水平面上に設置された場合の上下方向である。
【0013】
まず図1を参照して、電子部品搭載システム1の構成を説明する。電子部品搭載システム1は、電子部品搭載装置M1、搭載評価装置M2、管理コンピュータ3を、相互に通信ネットワーク2によって接続する構成となっている。電子部品搭載装置M1は、トレイ上に載置された状態、または粘着シート上に貼着された状態の半導体チップなどの電子部品Dを基板B(ワーク)に搭載する機能を有している。
【0014】
基板Bは、電子部品Dのバンプなどの端子が接続される電極が形成された複数の個別基板Baから構成されている。電子部品搭載装置M1は、搬入(矢印a)された基板Bの個別基板Baに電子部品Dをそれぞれ搭載する(矢印b)。量産時には、電子部品Dが搭載された個別基板Baは基板Bから切り出されて(矢印c)、それぞれが新たな部品や基板などとなる。電子部品搭載装置M1が基板Bに電子部品Dを搭載するプロセス条件を評価する時は、電子部品Dが搭載された基板Bは搭載評価装置M2に搬入され(矢印d)、電子部品Dと個別基板Ba(基板B)との接合状態などが評価される。
【0015】
図1において、搭載評価装置M2は、電子部品Dのバンプが基板Bの電極と接合されている強度であるシェア強度、接合されたバンプのバンプ高さ、電子部品Dのバンプが電極に接合した転写面積、接合したバンプの抵抗値、実装精度などを評価する。搭載評価装置M2は、これらの評価を実行するために機能の異なる複数の機構を有している。または、機能の異なる複数の搭載評価装置M2が、それぞれ評価を実行する場合もある。例えば、基板Bの上面を撮像するカメラを備えた搭載評価装置M2は、電子部品Dが剥離された基板Bの電極上のバンプの跡を撮像して、転写面積や実装精度を評価する。以下、機能の異なる複数の搭載評価装置M2を総称して搭載評価装置M2と称する。
【0016】
次に図2を参照して、電子部品搭載装置M1の全体構成と機能を説明する。電子部品搭載装置M1は、基板B(ワーク)に半導体チップなどの電子部品Dを搭載する機能を有している。基台4上には、部品供給ステージ5、および基板保持ステージ6がY方向に配置されている。また、電子部品搭載装置M1は、各部を制御する制御装置7を備えている。
【0017】
部品供給ステージ5は、部品供給部移動部8の上部に部品供給部9を設けて構成されている。部品供給部移動部8は制御装置7によって制御されており、部品供給部9をX方向、Y方向に移動させる。部品供給部9の上部には、複数の電子部品Dが保持されている。電子部品Dはトレイ上に載置された状態、または粘着シート上に貼着された状態で部品供給部9の上部に保持される。
【0018】
図2において、基板保持ステージ6は、基板保持部移動部10の上部に基板保持部11を設けて構成されている。基板保持部移動部10は制御装置7によって制御されており、基板保持部11をX方向、Y方向に移動させる。基板保持部11は、制御装置7によって制御される一対の搬送レール11aを備えている。基板保持部11は、搬送レール11aにより基板Bを搬入して電子部品Dが搭載される位置に位置決めして保持する。また、基板保持部11は、電子部品Dが搭載された基板Bを搬送レール11aにより搬出する。
【0019】
基板保持部11には、搬送レール11aによって保持された基板Bを加熱する基板加熱部12と、基板加熱部12によって加熱された基板保持部11のステージ温度を計測するステージ温度計12aが設置されている。基板加熱部12は、制御装置7によって制御されており、基板保持部11を指定されたステージ温度となるように加熱する。ステージ温度計12aが計測したステージ温度は、制御装置7に送信される。
【0020】
図2において、電子部品Dは、電子部品Dの裏面に形成されたバンプDaが上方となる向きで部品供給部9上に保持されている。部品供給ステージ5の上方には、ピックアップヘッド13が設置されている。ピックアップヘッド13は、部品供給部9上の電子部品Dを吸着して取り出す機能を有している。ピックアップヘッド13は、制御装置7により制御されるピックアップヘッド駆動部14によってX軸を回転軸として回転する(矢印e)。また、ピックアップヘッド13は、後述する受け渡し位置まで移動する(矢印f)。すなわち、ピックアップヘッド13は、受け渡し位置において、バンプDaが下方となる向きで電子部品Dを保持している。
【0021】
ピックアップヘッド13、および基板保持ステージ6の上方には、ボンディングヘッド15が設置されている。ボンディングヘッド15は、制御装置7により制御されるボンディングヘッド駆動部16により、Y方向に移動する(矢印g、矢印h)。ボンディングヘッド15の下端には、電子部品Dを吸着して保持するツール17が設けられている。ボンディングヘッド15、ボンディングヘッド駆動部16は、受け渡し位置においてピックアップヘッド13からツール17が電子部品Dを吸着して受け取り、基板保持部11が保持する基板Bの搭載位置まで電子部品Dを移動させ、電子部品Dを基板Bに搭載する機能を有している。
【0022】
ボンディングヘッド15には、ツール17によって吸着された電子部品Dを加熱する部品加熱部18と、部品加熱部18によって加熱されたツール17のツール温度を計測するツール温度計18aが設置されている。部品加熱部18は、制御装置7によって制御されており、ツール17を指定されたツール温度となるように加熱する。ツール温度計18aが計測したツール温度は、制御装置7に送信される。
【0023】
図2において、ボンディングヘッド15には、ツール17を昇降させるツール昇降機構19が設置されている。また、ボンディングヘッド15には、電子部品Dを保持するツール17をツール昇降機構19が基板Bに押し付ける荷重を計測する圧力センサ19aが設置されている。ツール昇降機構19は制御装置7によって制御されており、ツール17が指定された荷重で電子部品Dを基板Bに搭載するようにツール17を下降させる。圧力センサ19aが計測した荷重は、制御装置7に送信される。
【0024】
ボンディングヘッド15には、ツール17を超音波振動させる超音波発振器20が設置されている。超音波発振器20は制御装置7によって制御されており、電子部品Dを超音波圧着により基板Bに搭載する場合は、指定された超音波パワー、振幅、周波数でツール17を超音波振動させる。電子部品搭載装置M1は、制御装置7に接続されたタッチパネル21を備えている。タッチパネル21は、表示部に表示された操作ボタンで制御装置7へのデータ入力や電子部品搭載装置M1の操作を行うことができる。
【0025】
このように、基板保持ステージ6は、基板加熱部12、ステージ温度計12aを備えている。また、ボンディングヘッド15は、部品加熱部18、ツール温度計18a、ツール昇降機構19、圧力センサ19a、超音波発振器20を備えている。部品供給ステージ5、基板保持ステージ6、ピックアップヘッド13、ピックアップヘッド駆動部14、ボンディングヘッド15、ボンディングヘッド駆動部16は、基板Bに電子部品Dを搭載する部品搭載部22(図3参照)である。
【0026】
次に図3を参照して、電子部品搭載装置M1の制御系の構成について説明する。電子部品搭載装置M1が備える制御装置7には、部品搭載部22、タッチパネル21、搭載通信部23が接続されている。搭載通信部23は、通信ネットワーク2を介して搭載評価装置M2、管理コンピュータ3との間でデータの送受信を行う。制御装置7は、搭載記憶部24、搭載制御部25、実験用生産データ作成部26、実験シミュレーション部27、評価結果取得部28、評価結果入力シート作成部29、生産データ作成部30、計測結果表示処理部31を備えている。搭載記憶部24は記憶装置であり、生産データ24a、実験情報24b、装置情報24c、実験用生産データ24d、計測結果24e、評価結果24fなどが記憶されている。
【0027】
生産データ24aは、電子部品Dが搭載された基板Bを生産(量産)するために使用するデータであり、基板の種類(基板名)毎に、基板Bにおける電子部品Dの搭載位置(XY座標)、部品搭載部22により電子部品Dを基板Bに搭載する量産時のプロセス条件(ステージ温度、ツール温度、荷重、超音波パワーなどの値)が記憶されている。実験用生産データ24dは、生産データ24aを求めるための実験で使用するデータであり、部品搭載部22により電子部品Dを基板Bに搭載する複数の実験用のプロセス条件、各プロセス条件で電子部品Dを基板Bに搭載する搭載位置が記憶されている。すなわち、実験用生産データ24dには、基板Bに電子部品Dを搭載する複数の条件と、その条件で基板Bに電子部品Dを搭載する搭載位置とを関連付けた情報が含まれている。
【0028】
図3において、搭載制御部25は、内部処理部として第1モードで部品搭載部22を制御する第1モード処理部25aと、第2モードで部品搭載部22を制御する第2モード処理部25bとを備えている。第1モード処理部25aは、生産データ24aに基づいて部品搭載部22を制御して、所定のプロセス条件で基板Bの搭載位置に電子部品Dを搭載する。第2モード処理部25bは、実験用生産データに基づいて部品搭載部22を制御して、プロセス条件を変更しながら基板Bの搭載位置に電子部品Dを搭載する。
【0029】
このように、部品搭載部22は、生産データ24aに基づき所定の条件で基板Bに電子部品Dを搭載する第1モードと、実験用生産データ24dに基づき条件を変更しながら基板Bに電子部品Dを搭載する第2モードと、のいずれかで基板Bに電子部品Dを搭載する。また、第2モードにおいて部品搭載部22は、実験用生産データ24dで指定された基板Bの搭載位置に指定された条件で電子部品Dを搭載する。
【0030】
図3において、搭載制御部25は、部品搭載部22が基板Bに電子部品Dを搭載する際にステージ温度計12a、ツール温度計18a、圧力センサ19aが計測した結果を取得して、計測結果24eとして搭載記憶部24に記憶させる。すなわち、ステージ温度計12a、ツール温度計18a、圧力センサ19aは、生産データ24aに基づいて設定されたプロセス条件、または実験用生産データ24dに基づいて設定された実験用のプロセス条件の部品搭載部22における実測値を計測する計測部である。
【0031】
実験情報24bは、生産データ24aを求めるための実験で使用する実験用生産データ24dを構成する情報である。具体的には、実験情報24bには、基板Bに搭載された電子部品Dの評価結果24fに対して影響を及ぼす実験因子と、実験因子が取り得る値の範囲と、実験因子が範囲から選択できる水準数などが含まれる。装置情報24cは、電子部品搭載装置M1が備える部品搭載部22の構成に関する情報である。具体的には、装置情報24cには、部品搭載部22が熱圧着を可能な構成か、超音波圧着を可能な構成か、などの部品搭載部22の構成を特定する情報が含まれる。
【0032】
図3において、実験用生産データ作成部26は、実験情報24b、装置情報24cを含む搭載記憶部24(記憶部)に記憶された情報に基づき、実験用生産データ24dを作成する。実験用生産データ作成部26により作成された実験用生産データ24dは、搭載記憶部24に記憶される。部品搭載部22は、作成された実験用生産データ24dに基づき、基板Bに電子部品Dを搭載する。
【0033】
ここで図5図7を参照して、実験用生産データ作成部26による実験用生産データ24dの作成の詳細について説明する。図5において、まず実験用生産データ作成部26は、オペレータが実験用生産データ24dを作成するための基本情報を入力する基本情報入力画面50をタッチパネル21(表示部)に表示させる。基本情報入力画面50には、「基板名」入力枠51、「装置情報」入力枠52、「繰り返し回数」入力枠53、「搭載方法」入力枠54、「戻る」ボタン55、「次へ」ボタン56が表示されている。
【0034】
図5において、オペレータが「基板名」入力枠51のドロップダウンボタン51aを操作することで、実験対象の基板Bの種類(基板名)が選択される。ここでは、基板Bの種類として「Q1」が選択されている。オペレータが「装置情報」入力枠52のドロップダウンボタン52aを操作することで、装置情報24cに含まれる電子部品Dを基板Bに搭載する際の搭載方法(熱圧着、超音波圧着など)が選択される。ここでは、搭載方法として超音波圧着が選択されている。オペレータが「繰り返し回数」入力枠53のドロップダウンボタン53aを操作することで、実験用の各プロセス条件で電子部品Dを基板Bに搭載する繰り返し回数が選択される。ここでは、繰り返し回数として「3」が選択されている。
【0035】
オペレータが「搭載方法」入力枠54のドロップダウンボタン54aを操作することで、実験条件を搭載位置に割り付ける割り付け方法が選択される。割り付け方法としては、実験条件の番号順に連続的に割り付ける方法、基板B上の搭載位置に起因する影響をキャンセルするランダム(または所定のルール)で割り付ける方法などがある。ここでは、条件番号順に割り付ける方法が選択されている。「戻る」ボタン55が操作されると、前の画面に遷移する。「次へ」ボタン56が操作されると、次の実験条件入力画面に遷移する。
【0036】
図6において、基本情報入力画面50において「次へ」ボタン56が操作されると、実験用生産データ作成部26は、オペレータが実験用生産データ24dを作成するための実験条件を入力する実験条件入力画面57をタッチパネル21に表示させる。実験条件入力画面57には、「実験条件」入力枠58、「戻る」ボタン59、「次へ」ボタン60が表示されている。「実験条件」入力枠58には、実験情報24bに含まれる実験因子、水準数、実験因子が取り得る値の範囲の入力枠が表示されている。
【0037】
オペレータが「実験因子」入力枠のドロップダウンボタンを操作すると、基本情報入力画面50の「装置情報」入力枠52で選択された超音波圧着に対応する実験因子が表示される。ここでは、実験因子の選択肢としてステージ温度、荷重、荷重印加時間、ツール温度、超音波パワーが表示されている。オペレータは、表示された実験因子の中から実験に使用する実験因子を選択する。オペレータは、「水準数」入力枠のドロップダウンボタンを操作して水準数を入力する。また、オペレータは、「範囲」入力枠の下限値入力欄と上限値入力欄に実験因子の上限値と下限値を入力する。なお、オペレータが「実験因子」入力枠で実験因子を選択すると、「範囲」入力枠に下限値入力欄、上限値入力欄、実験因子の単位が表示される。
【0038】
図6において、「戻る」ボタン59が操作されると、前の基本情報入力画面50に遷移する。「次へ」ボタン60が操作されると、次の実験用生産データ確認画面に遷移する。実験条件入力画面57において「次へ」ボタン60が操作されると、実験用生産データ作成部26は、入力された実験因子、範囲、水準数に基づいて、実験計画法などを用いて実験用のプロセス条件を決定する。すなわち、実験用生産データ作成部26は、装置情報36cに応じた実験因子を選択して実験用生産データ24dを作成する。
【0039】
また、実験シミュレーション部27は、決定された実験用のプロセス条件で作成された実験用生産データ24dに基づく電子部品Dを基板Bに搭載するのにかかる合計時間を算出する。具体的には、実験シミュレーション部27は、各プロセス条件で指定された繰り返し回数だけ電子部品Dを基板Bに搭載する作業に要する時間、ステージ温度やツール温度の変更に要する時間などをそれぞれ予測して、合計時間を算出する。
【0040】
図7において、実験条件入力画面57において「次へ」ボタン60が操作されると、実験用生産データ作成部26は、オペレータが実験用生産データ24dを作成するための実験用のプロセス条件を確認する実験用生産データ確認画面61をタッチパネル21に表示させる。実験用生産データ確認画面61には、「予想実験時間」表示枠62、「実験条件」表示枠63、「搭載位置」表示枠64、「戻る」ボタン65、「次へ」ボタン66が表示されている。「予想実験時間」表示枠62には、実験シミュレーション部27によって算出された合計時間の予想値(予想実験時間)が表示されている。ここでは、「100min」と予想されている。
【0041】
「実験条件」表示枠63には、条件番号毎に、搭載位置、実験用生産データ作成部26が決定したプロセス条件(実験因子の値)が表示されている。「搭載位置」表示枠64には、基板名「Q1」の基板Bに形成されている、X方向に6列(1~6)、Y方向に8行(A~H)の合計48個の個別基板Baに割り当てたプロセス条件の条件番号が各格子内に表示されている。基本情報入力画面50の「搭載方法」入力枠54において「条件番号順」が選択されているため、個別基板Baには、搭載位置A1から搭載位置H6への順番で昇順に繰り返し回数だけプロセス条件が割り当てられている。
【0042】
図7において、「戻る」ボタン65が操作されると、前の実験条件入力画面57に遷移する。例えば、「予想実験時間」表示枠62に表示された予想実験時間が許容される時間を超過する場合は、実験条件入力画面57に戻って実験条件が見直される。「次へ」ボタン66が操作されると、実験用のプロセス条件が確定され、実験用生産データ作成部26は、確定したプロセス条件、搭載位置に基づいて、実験用生産データ24dを作成して搭載記憶部24に記憶させる。
【0043】
図3において、電子部品搭載装置M1が実験用生産データ24dに基づいて第2モードで電子部品Dを搭載した基板Bは、搭載評価装置M2によって電子部品Dの搭載状態が評価される。評価結果取得部28は、第2モードで基板Bに搭載された電子部品Dの評価結果24fを取得するための評価結果入力画面をタッチパネル21に表示させる。
【0044】
ここで図8を参照して、評価結果取得部28による評価結果24fの取得について説明する。評価結果入力画面67には、「評価結果」入力枠68、「書き出し」ボタン69、「読み込み」ボタン70、「戻る」ボタン71、「次へ」ボタン72が表示されている。「評価結果」入力枠68には、搭載位置毎に、条件番号と、評価結果を入力するための複数の入力欄が表示されている。搭載位置、条件番号は、実験用生産データ確認画面61の「搭載位置」表示枠64、「実験条件」表示枠63に対応している。評価結果には、搭載評価装置M2において評価されるシェア強度、バンプ高さ、転写面積、バンプの抵抗値などが入力される。
【0045】
「書き出し」ボタン69が操作されると、評価結果入力シート作成部29は、「評価結果」入力枠68に表示されている評価結果を入力するための評価結果入力シートを作成する。評価結果入力シートは、例えば、評価結果を入力するフィールドをカンマで区切ったcsv形式で作成される。評価を担当するオペレータは、ノートパソコンなどを使用して搭載評価装置M2などによる評価結果を評価結果入力シートに入力する。または、搭載評価装置M2が評価結果を評価結果入力シートに記録する。「読み込み」ボタン70が操作されると、評価結果が入力された評価結果入力シートを選択する画面が表示される。評価結果入力シートが選択されると、「評価結果」入力枠68の入力欄に評価結果が入力される。
【0046】
図8において、「評価結果」入力枠68への評価結果の入力は、「読み込み」ボタン70の操作による入力済みの評価結果入力シートの選択の他、オペレータが「評価結果」入力枠68の入力欄に直接数値を入力することもできる。また、搭載評価装置M2が評価結果を評価結果入力シートに記録する場合、評価結果取得部39は、通信ネットワーク2を介して、搭載評価装置M2から直接評価結果を取得する。
【0047】
また、搭載評価装置M2がカメラによる基板Bの電極上のバンプの跡の撮像結果を評価結果として記録している場合は、評価結果取得部39はカメラによる撮像結果を画像認識して転写面積や実装精度を算出し、算出結果を「評価結果」入力枠68の入力欄に入力する。「評価結果」入力枠68には、搭載位置の順番で評価結果を入力するため、搭載評価装置M2などによる評価結果を入力する際の作業ミスを防止することができる。
【0048】
図8において、「戻る」ボタン71が操作されると、前の画面に遷移する。「次へ」ボタン72が操作されると、評価結果24fが搭載記憶部24に記憶されると伴に、生産データ作成部41が評価結果24fに基づき、生産データ24aを作成する。生産データ作成部41は、取得された評価結果24fに基づき応答曲面法などの統計処理を実行して最適な量産用のプロセス条件を決定し、決定したプロセス条件に基づき生産データ24aを作成する。作成された生産データ24aは、搭載記憶部24に記憶される。
【0049】
このように、電子部品搭載装置M1は、搭載位置に則って、第2モードで基板Bに搭載された電子部品Dの評価結果24fを取得する評価結果取得部28と、取得された評価結果24fに基づき、生産データ24aを作成する生産データ作成部30とを備えている。これにより、評価結果24fの入力作業ミスを防止して、容易に生産データ24aを作成することができる。
【0050】
図3において、計測結果表示処理部31は、搭載記憶部24に記憶された実験用生産データ24dと計測結果24eとに基づいて、タッチパネル21(表示部)に実験用のプロセス条件と計測部によって計測された実測値を表示する計測結果表示画面73を表示させる。図9において、計測結果表示画面73には、「実験条件」選択ボタン74、「第1計測結果」表示枠75、「第2計測結果」表示枠76、「戻る」ボタン77、「次へ」ボタン78が表示されている。「実験条件」選択ボタン74が操作されると、「第1計測結果」表示枠75および「第2計測結果」表示枠76に表示される計測結果24eが変更される。
【0051】
「第1計測結果」表示枠75および「第2計測結果」表示枠76には、条件番号毎に、計測された項目、実験用生産データ24dに設定されている条件値、繰り返し毎の計測値が表示されている。ここでは、ステージ温度計12aによって計測されたステージ温度、圧力センサ19aによって計測された荷重の計測値が表示されている。このように、計測結果24eと条件値が一覧で表示されることで、オペレータは計測結果24eが正常か否かを容易に判断することができる。「戻る」ボタン77が操作されると前の画面に遷移し、「次へ」ボタン78が操作されると次の画面に遷移する。
【0052】
上記説明したように、本実施の形態の電子部品搭載装置M1は、生産データ24aを求めるための実験で使用する実験用生産データ24dを構成する実験情報24bを少なくとも記憶する記憶部(搭載記憶部24)と、記憶部に記憶された情報に基づき、実験用生産データ24dを作成する実験用生産データ作成部26と、作成された実験用生産データ24dに基づき、基板B(ワーク)に電子部品Dを搭載する部品搭載部22と、を備えている。これによって、オペレータが実験用生産データ24dを電子部品搭載装置M1に入力する際の人為ミスを防止することができ、複数のプロセス条件に対応する実験用生産データ24dを容易に作成することができる。
【0053】
また、本実施の形態の電子部品搭載装置M1は、電子部品Dが搭載された基板B(ワーク)を生産するために使用する生産データ24aと、生産データ24aを求めるための実験で使用する実験用生産データ24dと、を少なくとも記憶する記憶部(搭載記憶部24)と、生産データ24aに基づき所定のプロセス条件で基板Bに電子部品Dを搭載する第1モードと、実験用生産データ24dに基づきプロセス条件を変更しながら基板Bに電子部品Dを搭載する第2モードと、のいずれかで基板Bに電子部品Dを搭載する部品搭載部22と、を備えている。これによって、生産データ24aを作成するための実験を効率的に実施することができる。
【0054】
次に図4を参照して、管理コンピュータ3の情報処理系の構成について説明する。ここでは、管理コンピュータ3の有する機能のうち、実験用生産データと量産用の生産データを作成する機能について説明する。管理コンピュータ3が備える管理処理装置32には、入力部33、管理表示部34、管理通信部35が接続されている。
【0055】
入力部33は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。管理表示部34は液晶パネルなどの表示装置であり、各種データを表示する他、入力部33による操作のための操作画面、データ入力画面などを表示画面に表示する。管理通信部35は、通信ネットワーク2を介して電子部品搭載装置M1、搭載評価装置M2との間でデータの送受信を行う。
【0056】
図4において、管理処理装置32は、管理記憶部36、実験用生産データ作成部37、実験シミュレーション部38、評価結果取得部39、評価結果入力シート作成部40、生産データ作成部41、計測結果表示処理部42を備えている。管理記憶部36は記憶装置であり、生産データ36a、実験情報36b、装置情報36c、実験用生産データ36d、評価結果36eなどが記憶されている。生産データ36a、実験情報36b、装置情報36c、実験用生産データ36d、評価結果36eは、搭載記憶部24に記憶されている生産データ24a、実験情報24b、装置情報24c、実験用生産データ24d、評価結果24fと同様であり、詳細な説明は省略する。
【0057】
実験用生産データ作成部37、実験シミュレーション部38、評価結果取得部39、評価結果入力シート作成部40、生産データ作成部41、計測結果表示処理部42は、制御装置7が備える実験用生産データ作成部26、実験シミュレーション部27、評価結果取得部28、評価結果入力シート作成部29、生産データ作成部30、計測結果表示処理部31と同様であり、詳細な説明は省略する。実験用生産データ作成部37によって作成された実験用生産データ36dは、管理通信部35(送信部)を介して電子部品搭載装置M1に送信される。
【0058】
このように、管理コンピュータ3は、生産データ36aを求めるための実験で使用する実験用生産データ36dを構成する実験情報36bを少なくとも記憶する記憶部(管理記憶部36)と、記憶部に記憶された情報に基づき、実験用生産データ36dを作成する実験用生産データ作成部37と、作成された実験用生産データ36dを電子部品搭載装置M1に送信する送信部(管理通信部35)と、を備えた、生産データ作成システムである。これによって、複数のプロセス条件に対応する実験用生産データ36dを容易に作成することができる。
【0059】
また、管理コンピュータ3は、実験用生産データ36dを構成する実験情報36bを少なくとも記憶する記憶部(管理記憶部36)と、記憶部に記憶された情報に基づき、実験用生産データ36dを作成する実験用生産データ作成部37と、電子部品搭載装置M1が実験用生産データ36dに基づき条件を変更しながら電子部品Dを搭載した基板B(ワーク)に搭載された電子部品Dの評価結果36eに基づいて、電子部品搭載装置M1が所定の条件で基板Bに電子部品Dを搭載する生産データ36aを作成する生産データ作成部41と、を備えた、生産データ作成システムである。これによって、生産データ36aを作成するための実験を効率的に実施して、生産データ36aを容易に作成することができる。
【0060】
また、実験用生産データ36dには、基板B(ワーク)に電子部品Dを搭載する複数のプロセス条件と、その条件で基板Bに電子部品Dを搭載する搭載位置とを関連付けた情報が含まれている。そして、生産データ作成システム(管理コンピュータ3)は、プロセス条件と搭載位置とを関連付けた情報に基づいて、実験用生産データ36dに基づいて基板Bに搭載された電子部品Dの評価結果36eを記録するための評価結果入力用データ(評価結果入力シート)を作成する評価結果入力用データ作成部(評価結果入力シート作成部40)と、評価結果入力用データに則って作成された評価結果36eを取得する評価結果取得部39と、を備えている。これによって、評価結果36eの取得が容易となる。
【0061】
次に図10のフローに沿って、電子部品搭載装置M1における電子部品搭載方法について説明する。電子部品搭載装置M1において、新たな基板Bに新たな電子部品Dを搭載する場合、実験により算出された最適なプロセス条件に基づく生産データ24aが作成され、作成された生産データ24aに基づいて電子部品Dが基板Bに搭載される。
【0062】
まず、オペレータは、タッチパネル21に表示された基本情報入力画面50(図5参照)を使用して、基板Bの種類(基板名)、搭載方法(超音波圧着)、繰り返し回数、プロセス条件の搭載位置への割り付け方法(条件番号順)などの基本情報を入力する(ST1)。次いでオペレータは、タッチパネル21に表示された実験条件入力画面57(図6参照)を使用して、実験因子、水準数、実験因子が取り得る値の範囲(最大値、最小値)などの実験条件を入力する(ST2)。次いで実験用生産データ作成部26は、入力された実験条件などに基づいて、実験用生産データ24dを作成する。次いで第2モード処理部25bは、第2モードでプロセス条件を変更しながら基板Bに電子部品Dを搭載する(ST4)。
【0063】
図10において、次いでオペレータは、搭載評価装置M2により電子部品Dの搭載状態を評価する(ST5)。次いで評価結果取得部28は、搭載評価装置M2による評価結果24fを取得する(ST6)。次いで生産データ作成部30が、評価結果24fに基づいて生産データ24aを作成する(ST7)。生産データ24aが作成されると、第1モード処理部25aは、第1モードで量産用のプロセス条件により基板Bに電子部品Dを搭載する(ST8)。これによって、複数のプロセス条件に対応する実験用生産データ24dを容易に作成でき、また、生産データ24aを作成するための実験を効率的に実施することができる。
【0064】
なお、上記はワークである基板Bに半導体チップなどの電子部品Dを搭載する電子部品搭載装置M1の実験用生産データ、生産データの作成について説明したが、電子部品搭載装置M1が基板Bに搭載する電子部品Dは、パッケージングされていない半導体チップに限定されることはない。例えば、電子部品DはパッケージングされたLSIであってもよい。また、電子部品Dの搭載対象は、基板Bに限定されることはない。例えば、電子部品D(ワーク)の上面に他の電子部品Dを搭載する電子部品搭載であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の電子部品搭載装置および生産データ作成システムは、複数のプロセス条件に対応する実験用生産データを容易に作成することができるという効果を有し、電子部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0066】
3 管理コンピュータ(生産データ作成システム)
B 基板(ワーク)
D 電子部品
M1 電子部品搭載装置
図1
図2
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図4
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図8
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図10