IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】ハンドルバー用スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   B62K 23/04 20060101AFI20240419BHJP
   B62J 6/16 20200101ALI20240419BHJP
   B62J 50/22 20200101ALI20240419BHJP
【FI】
B62K23/04
B62J6/16
B62J50/22
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020068420
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021165069
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000213954
【氏名又は名称】朝日電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 通之
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2017/038644(JP,A1)
【文献】実開昭54-165961(JP,U)
【文献】特開2011-031819(JP,A)
【文献】特開平10-294035(JP,A)
【文献】特開2018-118639(JP,A)
【文献】特開2009-073208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 23/00-23/04
B62J 6/00- 6/26
B62J 50/22
H01H 9/00- 9/28、89/00-89/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持グリップが形成された車両のハンドルバーに固定されるスイッチケースと、
該スイッチケースに取り付けられ、車両に搭載された種々電装品を操作し得る操作部と、
を具備したハンドルバー用スイッチ装置において、
前記操作部は、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの何れか一方を選択的に点滅させ得るターンシグナルスイッチノブを含むとともに、前記スイッチケースは、前記ターンシグナルスイッチノブによる前記左側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として左側に向かって順次点灯し、前記ターンシグナルスイッチノブによる前記右側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として右側に向かって順次点灯するターンシグナル表示部を有し、且つ、
前記ターンシグナル表示部は、前記スイッチケースの幅方向に形成された3つ以上の点灯表示部を有するとともに、前記ターンシグナルスイッチノブによる前記左側ターンシグナルランプの点滅操作時、右側の前記点灯表示部から左側の前記点灯表示部に向かって順番に点灯し、前記ターンシグナルスイッチノブによる前記右側ターンシグナルランプの点滅操作時、左側の前記点灯表示部から右側の前記点灯表示部に向かって順番に点灯することを特徴とするハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項2】
前記点灯表示部は、前記スイッチケースの幅方向に形成された右側の点灯表示部、中央の点灯表示部及び右側の点灯表示部から成ることを特徴とする請求項1記載のハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項3】
前記操作部は、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの両方を点滅させ得るハザードスイッチノブを含むとともに、当該ハザードスイッチノブの操作を条件として全ての前記点灯表示部を同時に点灯又は点滅させることを特徴とする請求項記載のハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項4】
前記スイッチケースは、前記ターンシグナル表示部に加え、前記ハンドルバーを振動可能な振動手段を収容するとともに、当該振動手段は、前記ターンシグナルスイッチノブを操作したことを条件として振動し、前記ハンドルバーを介して前記把持グリップを振動可能とされたことを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置。
【請求項5】
前記操作部は、前記ターンシグナルスイッチノブの他に運転者が操作可能な複数のスイッチノブを有するとともに、当該スイッチノブの周縁部の形状に沿って形成された発光部位を発光可能な発光手段を具備し、当該発光手段は、前記ターンシグナルスイッチノブを操作したことを条件として前記発光部位を発光させ得ることを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、把持グリップが形成された車両のハンドルバーに固定されるスイッチケースと、該スイッチケースに取り付けられ、車両に搭載された種々電装品を操作し得る操作スイッチとを具備したハンドルバー用スイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、二輪車やATV等には操舵用のハンドルバーが備えられており、該ハンドルバーの両端には運転者が走行中把持可能な把持グリップがそれぞれ取り付けられている。これら把持グリップに隣接した位置には、二輪車が搭載する各種電装品を操作するための複数の操作スイッチが形成されたハンドルバー用スイッチ装置が固定されている。例えば、従来のハンドルバー用スイッチ装置として、エンジンの始動又は停止のためのスイッチやディマースイッチの他、ターンシグナルスイッチ及びホーンスイッチ等が取り付けられている。
【0003】
ところで、従来、例えば特許文献1にて開示されているように、スイッチケースに取り付けられたターンシグナルスイッチを操作したとき、ターンシグナルランプを点滅させるとともに、ターンシグナルスイッチノブの一部を点灯させるハンドルバー用スイッチ装置が提案されている。かかる従来のハンドルバー用スイッチ装置によれば、ターンシグナルスイッチノブの一部を点灯させて報知し得るので、ターンシグナルランプの消灯操作(キャンセル操作)忘れを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭59-132484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のハンドルバー用スイッチ装置は、ターンシグナルスイッチノブの一部を点灯させて報知し得るものの、当該ターンシグナルスイッチノブにランプ等の発光手段を形成する必要があり、専用のターンシグナルスイッチノブが必要になるという不具合がある。また、ターンシグナルスイッチノブの一部を点灯させても視認が不十分な場合があり、報知を確実に行うことができない虞があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、汎用のターンシグナルスイッチノブを用いてターンシグナルスイッチの点滅操作を確実に視認させることができるハンドルバー用スイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、把持グリップが形成された車両のハンドルバーに固定されるスイッチケースと、該スイッチケースに取り付けられ、車両に搭載された種々電装品を操作し得る操作部とを具備したハンドルバー用スイッチ装置において、前記操作部は、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの何れか一方を選択的に点滅させ得るターンシグナルスイッチノブを含むとともに、前記スイッチケースは、前記ターンシグナルスイッチノブによる前記左側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として左側に向かって順次点灯し、前記ターンシグナルスイッチノブによる前記右側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として右側に向かって順次点灯するターンシグナル表示部を有し、且つ、前記ターンシグナル表示部は、前記スイッチケースの幅方向に形成された3つ以上の点灯表示部を有するとともに、前記ターンシグナルスイッチノブによる前記左側ターンシグナルランプの点滅操作時、右側の前記点灯表示部から左側の前記点灯表示部に向かって順番に点灯し、前記ターンシグナルスイッチノブによる前記右側ターンシグナルランプの点滅操作時、左側の前記点灯表示部から右側の前記点灯表示部に向かって順番に点灯することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記点灯表示部は、前記スイッチケースの幅方向に形成された右側の点灯表示部、中央の点灯表示部及び右側の点灯表示部から成ることを特徴とする
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記操作部は、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの両方を点滅させ得るハザードスイッチノブを含むとともに、当該ハザードスイッチノブの操作を条件として全ての前記点灯表示部を同時に点灯又は点滅させることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1~3の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記スイッチケースは、前記ターンシグナル表示部に加え、前記ハンドルバーを振動可能な振動手段を収容するとともに、当該振動手段は、前記ターンシグナルスイッチノブを操作したことを条件として振動し、前記ハンドルバーを介して前記把持グリップを振動可能とされたことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1~4の何れか1つに記載のハンドルバー用スイッチ装置において、前記操作部は、前記ターンシグナルスイッチノブの他に運転者が操作可能な複数のスイッチノブを有するとともに、当該スイッチノブの周縁部の形状に沿って形成された発光部位を発光可能な発光手段を具備し、当該発光手段は、前記ターンシグナルスイッチノブを操作したことを条件として前記発光部位を発光させ得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、スイッチケースは、ターンシグナルスイッチノブによる左側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として左側に向かって順次点灯し、ターンシグナルスイッチノブによる右側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として右側に向かって順次点灯するターンシグナル表示部を有するので、汎用のターンシグナルスイッチノブを用いてターンシグナルランプの点滅操作を確実に視認させることができる。
【0013】
また、ターンシグナル表示部は、スイッチケースの幅方向に形成された3つ以上の点灯表示部を有するとともに、ターンシグナルスイッチノブによる左側ターンシグナルランプの点滅操作時、右側の点灯表示部から左側の点灯表示部に向かって順番に点灯し、ターンシグナルスイッチノブによる右側ターンシグナルランプの点滅操作時、左側の点灯表示部から右側の点灯表示部に向かって順番に点灯するので、点滅するターンシグナルランプに応じて点灯表示部を流れるように点灯させることができ、より確実に視認させることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、操作部は、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの両方を点滅させ得るハザードスイッチノブを含むとともに、当該ハザードスイッチノブの操作を条件として全ての点灯表示部を同時に点灯又は点滅させるので、ターンシグナルスイッチノブによるターンシグナルランプの点滅操作に加え、ハザードスイッチノブによる点滅操作を確実に視認させることができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、スイッチケースは、ターンシグナル表示部に加え、ハンドルバーを振動可能な振動手段を収容するとともに、当該振動手段は、ターンシグナルスイッチノブを操作したことを条件として振動し、ハンドルバーを介して把持グリップを振動可能とされたので、ターンシグナル表示部の点灯に加えて把持グリップを振動させることができ、ターンシグナルスイッチノブによるターンシグナルランプの点滅操作を光と振動により確実に報知することができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、操作部は、ターンシグナルスイッチノブの他に運転者が操作可能な複数のスイッチノブを有するとともに、当該スイッチノブの周縁部の形状に沿って形成された発光部位を発光可能な発光手段を具備し、当該発光手段は、ターンシグナルスイッチノブを操作したことを条件として発光部位を発光させ得るので、ターンシグナル表示部に加えてスイッチノブの周縁部の形状に沿って形成された発光部位を発光させることができ、ターンシグナルスイッチノブによるターンシグナルランプの点滅操作をより確実に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るハンドルバー用スイッチ装置(左側の把持グリップ近傍)の外観を示す正面図
図2】同ハンドルバー用スイッチ装置を示す底面図
図3】同ハンドルバー用スイッチ装置を示す上面図
図4図1におけるIV-IV線断面図
図5図2におけるV-V線断面図
図6】同ハンドルバー用スイッチ装置における上スイッチケースを取り外した状態を示す正面図及び側面図
図7】同ハンドルバー用スイッチ装置における上スイッチケースを取り外した状態を示す底面図
図8】同ハンドルバー用スイッチ装置における上スイッチケースを取り外した状態を示す上面図
図9】同ハンドルバー用スイッチ装置における上スイッチケースを取り外した状態を示す斜視図
図10】同ハンドルバー用スイッチ装置における振動手段を示す単品図
図11】ハンドルバー用スイッチ装置における固定部材がハンドルバーに固定された状態を示す斜視図
図12】同固定部材がハンドルバーに固定された状態を示す斜視図
図13】同固定部材に振動手段が取り付けられた状態を示す斜視図
図14】同固定部材(第1取付金具)を示す斜視図
図15】同固定部材(第2取付金具)を示す斜視図
図16】同ハンドルバー用スイッチ装置におけるスイッチノブとLEDとの位置関係を示す模式図
図17】同ハンドルバー用スイッチ装置におけるLEDが取り付けられた基板を示す模式図
図18】同ハンドルバー用スイッチ装置における導光体を示す斜視図
図19】同導光体を示す3面図
図20】同ハンドルバー用スイッチ装置における右側ターンシグナルランプを点灯表示させた場合のターンシグナル表示部の点灯形態を示す模式図
図21】同ハンドルバー用スイッチ装置における左側ターンシグナルランプを点灯表示させた場合のターンシグナル表示部の点灯形態を示す模式図
図22】同ハンドルバー用スイッチ装置における右側ターンシグナルランプを点灯表示させた場合のターンシグナル表示部の他の点灯形態を示す模式図
図23】同ハンドルバー用スイッチ装置における左側ターンシグナルランプを点灯表示させた場合のターンシグナル表示部の他の点灯形態を示す模式図
図24】本発明の実施形態に係るハンドルバー用スイッチ装置(右側の把持グリップ近傍)の外観を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るハンドルバー用スイッチ装置1は、二輪車等の車両に適用されたもので、図1~9に示すように、把持グリップ(左側の把持グリップGa)が形成された車両のハンドルバーHに固定されるスイッチケース2と、該スイッチケース2に取り付けられ、車両に搭載された種々電装品を操作し得る操作ノブ(N1~N13)(操作部)と、固定部材を構成する第1取付金具3及び第2取付金具4と、振動手段5と、ターンシグナル表示部6と、LED(L1~L9)とを具備して構成されている。
【0019】
スイッチケース2は、所定材料を成形して成るもので、半割れ形状の上スイッチケース2a及び下スイッチケース2bを合致して組み付けることにより構成されている。かかるスイッチケース2の所定位置には、開口が形成されており、各開口に操作部としての操作ノブ(N1~N13)(スイッチノブ)が取り付けられている。これら操作ノブ(N1~N13)は、前照灯やターンシグナルランプ等、車両に搭載された種々電装品を操作する操作スイッチを構成するもので、運転者が揺動操作又は押圧操作等が可能とされている。
【0020】
具体的には、操作ノブ(N1、N2)は、トラクションコントロールシステムを操作するノブ、操作ノブ(N3、N4)は、モードシステムを操作するノブ、操作ノブ(N5~N7)は、クルーズコントロールシステムを操作するノブ、操作ノブN8は、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの両方を点滅させ得るハザードスイッチノブ、操作ノブN9は、車両の常時点灯型のランプを操作するためのノブ、操作ノブN10は、車両の前照灯を前方照射又は下方照射に切り換え可能なディマー操作ノブを構成している。
【0021】
また、操作ノブN11は、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの何れか一方を選択的に点滅させ得るターンシグナルスイッチノブ、操作ノブN12は、車両のホーンを操作するホーンスイッチノブを構成している。さらに、操作ノブ13は、車両の表示部等による表示を操作するためのメーター操作スイッチノブを構成するとともに、操作ノブ13a(例えば決定スイッチ)を中心として上下左右に操作ノブN13b(例えば選択スイッチ)がそれぞれ形成されている。
【0022】
しかるに、スイッチケース2の内部には、図6~9に示すように、基板11を収容した収容ケースC1と、基板12を収容した収容ケースC2と、基板13を収容した収容ケースC3と、基板14を収容した収容ケースC4とが配設されており、各基板(11~14)には、操作ノブ(N1~N13)の操作に応じてオン又はオフするタクトスイッチ、及び操作ノブ(N1~N13)を発光させるLED(L1~L9)が取り付けられている。
【0023】
なお、本実施形態においては、基板(11~14)は、互いに電気的に接続されており、コネクタC(図9参照)を介して車両の制御手段10と電気的に接続されている。これにより、操作ノブ(N1~N13)の操作により特定のタクトスイッチがオンすると、その信号が制御手段10に伝達され、車両に搭載された所望の電装品を操作し得るようになっている。
【0024】
固定部材としての第1取付金具3及び第2取付金具4は、ハンドルバーHと連結してスイッチケース2を当該ハンドルバーHに固定可能なもので、図11~13に示すように、ハンドルバーHの外周面に沿って固定可能とされている。第1取付金具3は、図14に示すように、振動手段5と接触可能な接触面3aと、第2取付金具4と一体化させるためのボルトB1、B2を挿通可能な固定孔3b、3cと、固定ピンP(図4、11、13)を挿通して固定可能なピン挿通孔3dと、スイッチケース2に第1取付金具3を固定するための取付ネジを挿通可能な取付孔(3e~3g)と、ハンドルバーHの外周面に倣って弧状に形成された当接面3hとを有した金属製の部材から成る。
【0025】
第2取付金具4は、図15に示すように、第1取付金具3と一体化させるためのボルトB1、B2を挿通可能な固定孔4a、4bと、スイッチケース2に第2取付金具4を固定するための取付ネジを挿通可能な取付孔4c、4dと、ハンドルバーHの外周面に倣って弧状に形成された当接面4eとを有した金属製の部材から成る。そして、ピン挿通孔3dに固定ピンPを挿通した後、取付孔(3e~3g)に取付ネジを挿通してスイッチケース2に第1取付金具3を固定し、取付孔4c、4dに取付ネジを挿通してスイッチケース2に第2取付金具4を固定する。
【0026】
かかる状態において、ボルトB1、B2にて第1取付金具3及び第2取付金具4を一体化させ、図4に示すように、第1取付金具3の当接面3h及び第2取付金具4の当接面4eがハンドルバーHの外周面に沿って当接させるとともに、固定ピンPがハンドルバーHのピン孔Haに嵌入することにより、スイッチケース2が第1取付金具3及び台2取付金具4を介してハンドルバーHに固定されることとなる。これにより、スイッチケース2をハンドルバーHに取り付ける際に過負荷が付与されてもスイッチケース2に破損や変形等が生じてしまうのを回避することができる
【0027】
またさらに、本実施形態に係るスイッチケース2は、ハンドルバーHを振動可能な振動手段5を収容している。かかる振動手段5は、通電により作動して振動を発生させ得るもので、図10に示すように、一対の取付用突起5aと、取付孔5bとを有して構成されている。そして、取付孔5bに取付ネジを挿通して振動手段5をスイッチケース2内の所定位置(例えばコネクタCの所定部位)に固定するとともに、取付用突起5aの間に第1取付金具3aを挿通することにより位置決めしつつ接触させる。
【0028】
しかるに、振動手段5がスイッチケース2内に固定されると、図12、13に示すように、振動手段5が第1取付金具3の接触面3aに接触して取り付けられることとなる。したがって、振動手段5を作動することにより第1取付金具3及び第2取付金具4を介してハンドルバーHを振動させることができ、その振動が把持グリップGaに伝達して振動可能とされている。すなわち、本実施形態に係る振動手段5は、ハンドルバー2内に収容され、ハンドルバーHを介して把持グリップGaを振動可能とされているのである。
【0029】
さらに、本実施形態においては、ハンドルバー用スイッチ装置1を構成する操作部(操作ノブN1~N13)及び振動手段5が形成されたスイッチケース2がハンドルバーHの右側先端部に取り付けられるとともに、図24に示すように、ハンドルバー用スイッチ装置1’を構成する操作部(Na、Nb)及び振動手段5が形成されたスイッチケース2’がハンドルバーHの右側先端部に取り付けられている。
【0030】
そして、左側のハンドルバー用スイッチ装置1の振動手段5と右側のハンドルバー用スイッチ装置1’の振動手段5がそれぞれ制御手段10により制御されて振動し得るよう構成されている。これにより、振動手段5は、左側のハンドルバー用スイッチ装置1及び右側のハンドルバー用スイッチ装置1’のそれぞれに取り付けられ、制御手段10にて制御されることにより、ハンドルバーHを介して当該ハンドルバーHの右側の把持グリップGa及び左側の把持グリップGbを任意選択的に振動可能とされている。
【0031】
さらに、本実施形態に係るターンシグナルスイッチノブN11は、図5に示すように、軸αを中心として左右方向(同図中a方向)に揺動操作可能とされるとともに、左側に揺動操作することによりタクトスイッチT1をオンして車両に搭載された左側ターンシグナルを点滅させ、右側に揺動操作することによりタクトスイッチT2をオンして車両に搭載された右側ターンシグナルを点滅させ得るよう構成されている。
【0032】
さらに、本実施形態に係るターンシグナルスイッチノブN11は、同図中b方向に押圧操作可能とされており、当該押圧操作することによりタクトスイッチT3をオンしてターンシグナル操作をキャンセルし、ターンシグナルランプの点滅を停止し得るようになっている。なお、ハザードスイッチノブN8を操作することにより、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの両方を点滅させ得るよう構成されている。
【0033】
ここで、本実施形態に係る振動手段5は、ターンシグナルスイッチノブN11による左側ターンシグナルランプの点滅操作(左側への揺動操作)を条件として左側の把持グリップGaを振動させ、当該ターンシグナルスイッチノブN11による右側ターンシグナルランプの点滅操作(右側への揺動操作)を条件として右側の把持グリップGbを振動させるよう構成されている。
【0034】
すなわち、ターンシグナルスイッチノブN11による左側ターンシグナルランプの点滅操作(左側への揺動操作)が行われると、制御手段10にて左側のハンドルバー用スイッチ装置1が具備する振動手段5を作動させて左側の把持グリップGaを振動させるとともに、ターンシグナルスイッチノブN11による右側ターンシグナルランプの点滅操作(右側への揺動操作)が行われると、制御手段10にて右側のハンドルバー用スイッチ装置1’が具備する振動手段5を作動させて右側の把持グリップGaを振動させるのである。
【0035】
したがって、本実施形態に係る振動手段5によれば、ターンシグナルスイッチノブN11を左側に揺動操作すると左側の把持グリップGaを振動させ、ターンシグナルスイッチノブN11を右側に揺動操作すると右側の把持グリップGbを振動させることができるので、ターンシグナルスイッチノブN11によるターンシグナルランプの点滅を運転者の把持する手に伝達して感覚的に報知することができる。
【0036】
加えて、本実施形態に係る振動手段5は、ターンシグナルスイッチノブN11の操作を条件として作動する他、他の条件により作動して左側の把持グリップGa又は右側の把持グリップGbを振動するよう構成されている。例えば、車両がナビゲーションシステムを搭載している場合、案内方向が左方向の場合に左側の把持グリップGaを振動させるとともに、案内方向が右方向の場合に右側の把持グリップGbを振動させることができる。
【0037】
また、運転者が携帯するスマートフォン等の携帯品と無線接続可能とされた車両の場合、スマートフォンに着信があると左側の把持グリップGa及び右側の把持グリップGbの何れか一方若しくは両方を振動して報知することができる。さらに、レーザにより後方監視が可能な車両の場合、後方近傍に追尾する車両の存在が検出されると左側の把持グリップGa及び右側の把持グリップGbの何れか一方若しくは両方を振動して報知することができる。
【0038】
またさらに、トラクションコントロールシステムが作動して車輪の空転が検知されたとき、左側の把持グリップGa及び右側の把持グリップGbの何れか一方若しくは両方を振動して報知することができる。また、オートクルーズシステムを使用しているとき、レーン逸脱が検出されると、逸脱側の把持グリップ(Ga、Gb)を振動して報知することができる。しかるに、振動手段5は、運転者に報知する情報に応じて振動のタイミング、強弱又はパターンを異ならせるのが好ましい。
【0039】
一方、操作ノブ(N1~N13)のタクトスイッチが取り付けられた基板(11~14)には、当該操作ノブ(N1~N13)を発光するLED(L1~L9)が取り付けられている。すなわち、操作ノブ(N1~N13)の下方には、それぞれLED(L1~L9)が位置するとともに、操作ノブ(N1~N13)は、それぞれ操作内容を示す文字や図形などが表示されており、当該表示部分がLED(L1~L9)から照射された光を透過するよう透明又は半透明とされている。
【0040】
例えば、図16、17に示すように、操作ノブ(N1~N7)のタクトスイッチが取り付けられた基板12には、各操作ノブ(N1~N7)に対応するLED(L1~L7)が形成されており、これらLED(L1~L7)が点灯することにより、操作ノブ(N1~N7)の一部(表示部分)が所定の色で発光し得るようになっている。これにより、装飾効果を向上させることができるとともに、周囲が暗い環境下でも表示内容を視認させることができる。
【0041】
さらに、本実施形態に係る基板12には、発光手段としてのLED(L8、L9)が取り付けられている。かかるLED(L8、L9)は、通電によって光を照射可能な光源から成り、操作ノブ(N5~N7)の周縁部に沿って形成された複数の発光部位(本実施形態においては2つの発光部位(7、8))をそれぞれ独立して発光可能とされている。具体的には、操作ノブN5及び操作ノブN6に亘る周縁部に沿って発光部位7が形成されるとともに、操作ノブN5及び操作ノブN7に亘る周縁部に沿って発光部位8が形成されており、LED(L8)の点灯により発光部位7が発光し、且つ、LED(L9)の点灯により発光部位8が発光するようになっている。
【0042】
本実施形態に係る発光部位7、8は、LED(L8、L9)(発光手段)の光を操作ノブ(N5~N7)(操作部)の周縁部まで導いて発光させ得る単一の導光体9の所定部位から成る。すなわち、導光体9は、図18、19に示すように、LED(L8)と対峙してその光を受ける第1受け部9aと、LED(L9)と対峙してその光を受ける第2受け部9bと、操作ノブN5及び操作ノブN6に亘る周縁部に沿って位置する発光部位7と、操作ノブN5及び操作ノブN7に亘る周縁部に沿って位置する発光部位8とを有した単体のレンズ部材から成り、LED(L8)の光を第1受け部9aから発光部位7に導いて発光させるとともに、LED(L9)の光を第2受け部9bから発光部位8に導いて発光させ得るよう構成されている。
【0043】
ここで、本実施形態に係る発光手段としてのLED(L8、L9)は、運転者に報知する情報に応じて発光色又は発光形態を異ならせて発光するもので、例えばLED(L8、L9)が所定の色の光を照射して発光部位(7、8)を所定の色で発光させることにより、運転者が運転する車両である自車の状態(トラクションコントロールシステムやモードシステムの状態、エンジンやミッションの状態等)、当該自車周辺の車両である他車の状態(レーザによる後方監視により後方に追尾する他車の存在等)、又は運転者が携帯する携帯品の状態(無線接続されたスマートフォンの着信等)を報知することができる。
【0044】
ターンシグナル表示部6は、図2、7に示すように、スイッチケース2(下スイッチケース2b)におけるターンシグナルスイッチノブN11と隣接する位置に形成されたもので、スイッチケース1の幅方向(図2、7中左右方向)に形成された3つ以上の点灯表示部(本実施形態においては左側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6bと及び右側の点灯表示部6cの3つの点灯表示部)を有して構成されている。なお、基板11には、右側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6bと及び右側の点灯表示部6cのそれぞれに対応するLEDが取り付けられており、独立して点灯又は点滅可能とされている。
【0045】
本実施形態に係るターンシグナル表示部6は、ターンシグナルスイッチノブN11による左側ターンシグナルランプの点滅操作(左側への揺動操作)を条件として左側に向かって順次点灯し、ターンシグナルスイッチノブN11による右側ターンシグナルランプの点滅操作(右側への揺動操作)を条件として右側に向かって順次点灯するよう構成されている。すなわち、ターンシグナルスイッチノブN11による左側ターンシグナルランプの点滅操作時、右側の点灯表示部6cから左側の点灯表示部6aに向かって順番に点灯して光が左側に向かって流れる如き表示が行われ、ターンシグナルスイッチノブN11による右側ターンシグナルランプの点滅操作時、左側の点灯表示部6aから右側の点灯表示部6cに向かって順番に点灯して光が右側に向かって流れる如き表示が行われるようになっている。
【0046】
より具体的には、ターンシグナルスイッチノブN11を右側に揺動操作して右側ターンシグナルランプを点滅させると、時間経過に伴って、図20に示すように、左側の点灯表示部6aのみが点灯(同図(a))、左側の点灯表示部6a及び中央の点灯表示部6bが点灯(同図(b))、左側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6b及び右側の点灯表示部6cの全てが点灯(同図(c)、左側の点灯表示部6aのみが消灯(同図(d))、左側の点灯表示部6a及び中央の点灯表示部6bが消灯(同図(e))、左側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6b及び右側の点灯表示部6cの全てが消灯(同図(f))となるようLEDが制御され、左から右側に向かって光が流れる(順次移動する)ように表示が行われる。
【0047】
また、ターンシグナルスイッチノブN11を左側に揺動操作して左側ターンシグナルランプを点滅させると、時間経過に伴って、図21に示すように、右側の点灯表示部6cのみが点灯(同図(a))、右側の点灯表示部6c及び中央の点灯表示部6bが点灯(同図(b))、右側の点灯表示部6c、中央の点灯表示部6b及び左側の点灯表示部6aの全てが点灯(同図(c)、右側の点灯表示部6cのみが消灯(同図(d))、右側の点灯表示部6a及び中央の点灯表示部6bが消灯(同図(e))、右側の点灯表示部6c、中央の点灯表示部6b及び左側の点灯表示部6aの全てが消灯(同図(f))となるようLEDが制御され、右から左側に向かって光が流れる(順次移動する)ように表示が行われる。
【0048】
またさらに、ハザードスイッチノブN8の操作を条件として全てのターンシグナル表示部6(左側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6b及び右側の点灯表示部6c)を同時に点灯又は点滅させるようにするのが好ましい。なお、ターンシグナルスイッチノブN11を左右の何れか一方に揺動操作した後、当該ターンシグナルスイッチノブN11を押圧操作してターンシグナルランプの点滅を停止(ターンシグナルスイッチ操作のキャンセル)し、或いはハザードスイッチノブN8を押圧操作した後、更にハザードスイッチノブN8を押圧操作すると、全てのターンシグナル表示部6(左側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6b及び右側の点灯表示部6c)が消灯するようになっている。
【0049】
一方、ターンシグナルスイッチノブN11を揺動操作した場合のターンシグナル表示部6の表示形態は、上記のものに限らず、例えば図22、23に示すものであってもよい。すなわち、ターンシグナルスイッチノブN11を右側に揺動操作して右側ターンシグナルランプを点滅させると、時間経過に伴って、図22に示すように、左側の点灯表示部6aのみが点灯(同図(a))、中央の点灯表示部6bのみが点灯(同図(b))、右側の点灯表示部6cのみが点灯(同図(c)、左側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6b及び右側の点灯表示部6cの全てが消灯(同図(f))となるようLEDが制御され、左から右側に向かって光が流れる(順次移動する)ように表示が行われる。
【0050】
この場合、ターンシグナルスイッチノブN11を左側に揺動操作して左側ターンシグナルランプを点滅させると、時間経過に伴って、図23に示すように、右側の点灯表示部6cのみが点灯(同図(a))、中央の点灯表示部6bのみが点灯(同図(b))、左側の点灯表示部6aのみが点灯(同図(c)、左側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6b及び右側の点灯表示部6cの全てが消灯(同図(f))となるようLEDが制御され、右から左側に向かって光が流れる(順次移動する)ように表示が行われる。
【0051】
さらに、ターンシグナルスイッチノブN11を左側に揺動操作して左側ターンシグナルランプを点滅させると、図22(a)に示すように、左側の点灯表示部6aのみを点灯又は点滅させるとともに、ターンシグナルスイッチノブN11を右側に揺動操作して右側ターンシグナルランプを点滅させると、同図(c)に示すように、右側の点灯表示部6cのみを点灯又は点滅させるようにしてもよい。この場合、ハザードスイッチノブN8を押圧操作すると、図22(b)に示すように、中央の点灯表示部6bのみ点灯又は点滅させ、或いは図21(c)に示すように、全てのターンシグナル表示部6(左側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6b及び右側の点灯表示部6c)を同時に点灯又は点滅させることができる。
【0052】
しかるに、ターンシグナルスイッチノブN11を揺動操作したことを条件として、ターンシグナル表示部6の点灯又は点滅表示に加えて、操作ノブ(N5~N7)の周縁部に位置する発光部位7、8を所定の色で発光させるようにしてもよく、或いはターンシグナルスイッチノブN11を揺動操作したことを条件として、ターンシグナル表示部6の点灯又は点滅表示に加えて、振動手段5を振動させ、ハンドルバーHを介して把持グリップGaを振動させるようにしてもよい。
【0053】
このように、スイッチケース2は、ターンシグナル表示部6に加え、ハンドルバーHを振動可能な振動手段5を収容するとともに、当該振動手段5は、ターンシグナルスイッチノブN11を操作したことを条件として振動し、ハンドルバーHを介して把持グリップGaを振動可能とすれば、ターンシグナル表示部6の点灯に加えて把持グリップGaを振動させることができ、ターンシグナルスイッチノブN11によるターンシグナルランプの点滅操作を光と振動により確実に報知することができる。
【0054】
また、スイッチノブの周縁部に沿って形成された発光部位を発光可能な発光手段を具備し、当該発光手段は、ターンシグナルスイッチノブを操作したことを条件として発光部位を発光させ得るので、ターンシグナル表示部6に加えてスイッチノブ(操作ノブ(N5~N7))の周縁部に沿って形成された発光部位(7、8)を発光させることができ、ターンシグナルスイッチノブN11によるターンシグナルランプの点滅操作をより確実に報知することができる。
【0055】
上記実施形態によれば、スイッチケース2は、ハンドルバーHを振動可能な振動手段5を収容するとともに、当該ハンドルバーHを介して把持グリップ(Ga、Gb)を振動可能とされたので、把持グリップ(Ga、Gb)に振動手段5を配設する必要がなく、製造コストを抑制しつつ配線の取り回し及びメンテナンスを容易に行わせることができる。
【0056】
また、ハンドルバーHと連結してスイッチケース2を当該ハンドルバーHに固定可能な固定部材(第1取付金具3及び第2取付金具4)を有するとともに、振動手段5は、当該固定部材を振動可能とされたので、スイッチケース2が固定部材を介してハンドルバーHに固定されることとなり、スイッチケース2をハンドルバーHに取り付ける際に過負荷が付与されてもスイッチケース2に破損や変形等が生じてしまうのを回避することができるとともに、固定部材を介して振動手段5の振動をより確実に把持グリップ(Ga、Gb)に伝達させることができる。
【0057】
さらに、固定部材は、ハンドルバーHの外周面と当接可能な当接面(3h、4e)を有する取付金具(第1取付金具3及び第2取付金具4)から成るので、取付金具により減衰を抑制しつつ振動手段5の振動をハンドルバーH及び把持グリップ(Ga、Gb)に伝達させることができる。なお、本実施形態に係る固定部材は、2つの取付金具から成るものとされているが、単一の取付金具から成るもの、或いは3つ以上の取付金具で構成されるものとしてもよい。
【0058】
またさらに、振動手段5は、運転者に報知する情報に応じて振動のタイミング、強弱又はパターンを異ならせたので、情報に応じた報知を可能とすることができる。例えば、安全に関わる情報に関しては強い振動にて報知し、他の情報に関しては弱い振動とする、或いはスマートフォンの着信時には着信音に合致したパターンの振動とするなど、情報に対応した振動形態とするのが好ましい。
【0059】
また、操作部(操作ノブN1~N13、操作部Na、Nb)及び振動手段5が形成されたスイッチケース(2、2’)は、ハンドルバーHの左側先端部及び右側先端部のそれぞれに取り付けられるとともに、振動手段5は、ハンドルバーHを介して当該ハンドルバーHの右側の把持グリップGa及び左側の把持グリップGbを任意選択的に振動可能とされたので、右側の把持グリップGa及び左側の把持グリップGbを選択的に振動させることにより任意の情報を伝達させることができる。
【0060】
さらに、操作部は、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの何れか一方を選択的に点滅させ得るターンシグナルスイッチノブN11を含むとともに、振動手段5は、当該ターンシグナルスイッチノブN11による左側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として左側の把持グリップGaを振動させ、当該ターンシグナルスイッチノブN11による右側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として右側の把持グリップGbを振動させるので、ターンシグナルランプの点滅を運転者に報知することができ、ターンシグナルランプの消灯操作を忘れてしまうのを防止することができる。
【0061】
加えて、本実施形態によれば、運転者に報知する情報に応じて発光色又は発光形態を異ならせて発光する発光手段(LED(L8、L9))を具備したので、種々の情報を任意に報知することができるとともに、スイッチケース2の大型化を抑制しつつ操作スイッチのレイアウトの自由度を向上させることができる。特に、発光手段(LED(L8、L9))は、操作部(操作ノブ(N5~N7)の周縁部に沿って形成された発光部位(7、8)を発光可能とされたので、操作部の周縁部を利用して種々の情報を任意に報知することができるとともに、操作スイッチのレイアウトの自由度をより一層向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る発光部位(7、8)は、操作部(操作ノブ(N5~N7)の周縁部において複数形成されるとともに、発光手段(LED(L8、L9))は、各発光部位(7、8)に対応してそれぞれ配設された複数のLEDから成り、当該複数の発光部位(7、8)をそれぞれ独立して発光可能とされたので、操作部(操作ノブ)の周縁部を利用して複数の発光部位にて任意の情報を報知することができる。
【0063】
さらに、本実施形態に係る発光部位(7、8)は、発光手段(LED(L8、L9))の光を操作部の周縁部まで導いて発光させ得る単一の導光体9の所定部位から成るので、部品点数を増加させることなく複数の発光部位(7、8)を独立して発光させることができる。またさらに、発光手段(LED(L8、L9))が発光することにより、運転者が運転する車両である自車の状態、当該自車周辺の車両である他車の状態、又は運転者が携帯する携帯品の状態を報知するので、運転者に報知すべき種々の情報を報知することができる。
【0064】
さらに加えて、本実施形態に係るスイッチケース2は、ターンシグナルスイッチノブN11による左側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として左側に向かって順次点灯し、ターンシグナルスイッチノブN11による右側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として右側に向かって順次点灯するターンシグナル表示部6を有するので、汎用のターンシグナルスイッチノブN11を用いてターンシグナルランプの点滅操作を確実に視認させることができる。
【0065】
特に、ターンシグナル表示部6は、スイッチケース2の幅方向に形成された3つ以上の点灯表示部(本実施形態においては、左側の点灯表示部6a、中央の点灯表示部6b及び右側の点灯表示部6cの3つの点灯表示部)を有するとともに、ターンシグナルスイッチノブN11による左側ターンシグナルランプの点滅操作時、右側の点灯表示部6cから左側の点灯表示部6aに向かって順番に点灯し、ターンシグナルスイッチノブN11による右側ターンシグナルランプの点滅操作時、左側の点灯表示部6aから右側の点灯表示部6cに向かって順番に点灯するので、点滅するターンシグナルランプに応じて点灯表示部を流れるように点灯させることができ、より確実に視認させることができる。
【0066】
また、本実施形態に係る操作部は、車両の左側ターンシグナルランプ及び右側ターンシグナルランプの両方を点滅させ得るハザードスイッチノブN8を含むとともに、当該ハザードスイッチノブN8の操作を条件として全ての点灯表示部(6a~6c)を同時に点灯又は点滅させるので、ターンシグナルスイッチノブN11によるターンシグナルランプの点滅操作に加え、ハザードスイッチノブN8による点滅操作を確実に視認させることができる。
【0067】
さらに、本実施形態に係るスイッチケース2は、ターンシグナル表示部6に加え、ハンドルバーHを振動可能な振動手段5を収容するとともに、当該振動手段5は、ターンシグナルスイッチノブN11を操作したことを条件として振動し、ハンドルバーHを介して把持グリップ(Ga、Gb)を振動可能とされたので、ターンシグナル表示部6の点灯に加えて把持グリップ(Ga、Gb)を振動させることができ、ターンシグナルスイッチノブN11によるターンシグナルランプの点滅操作を光と振動により確実に報知することができる。
【0068】
またさらに、本実施形態に係る操作部は、ターンシグナルスイッチノブN11の他に運転者が操作可能な複数のスイッチノブ(本実施形態においては操作ノブN5~N7)を有するとともに、当該スイッチノブ(操作ノブN5~N7)の周縁部に沿って形成された発光部位(7、8)を発光可能な発光手段(LED(L8、L9))を具備し、当該発光手段(LED(L8、L9))は、ターンシグナルスイッチノブN11を操作したことを条件として発光部位(7、8)を発光させ得るので、ターンシグナル表示部6に加えてスイッチノブの周縁部に沿って形成された発光部位(7、8)を発光させることができ、ターンシグナルスイッチノブN11によるターンシグナルランプの点滅操作をより確実に報知することができる。
【0069】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ターンシグナル表示部は、ターンシグナルスイッチノブによる左側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として左側に向かって順次点灯し、ターンシグナルスイッチノブによる右側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として右側に向かって順次点灯するものであれば、3つ以上の点灯表示部(6a~6c)とは異なる表示部であってもよい。なお、本実施形態に係るハンドルバー用スイッチ装置は、二輪車に適用されているが、ハンドルバーHを有する他の車両に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
スイッチケースは、ターンシグナルスイッチノブによる左側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として左側に向かって順次点灯し、ターンシグナルスイッチノブによる右側ターンシグナルランプの点滅操作を条件として右側に向かって順次点灯するターンシグナル表示部を有するハンドルバー用スイッチ装置であれば、外観形状が異なるもの、或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1、1’ ハンドルバー用スイッチ装置
2、2’ スイッチケース
2a 上スイッチケース
2b 下スイッチケース
3 第1取付金具(固定部材)
3a 接触面
3b、3c 固定孔
3d ピン挿通孔
3e~3g 取付孔
3h 当接面
4 第2取付金具(固定部材)
4a、4b 固定孔
4c、4d 取付孔
4e 当接面
5 振動手段
5a 取付用突起
5b 取付孔
6 ターンシグナル表示部
6a 左側の点灯表示部
6b 中央の点灯表示部
6c 右側の点灯表示部
7 発光部位
8 発光部位
9 導光体
9a 第1受け部
9b 第2受け部
10 制御手段
11~14 基板
N1~N13 操作ノブ(操作部)
N11 ターンシグナルスイッチノブ
L1~L9 LED
L8、L9 発光手段
P 固定ピン
H ハンドルバー
Ha ピン孔
C コネクタ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24