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特許7474991刺激発生システム、刺激発生方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】刺激発生システム、刺激発生方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61M 21/02 20060101AFI20240419BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20240419BHJP
   F24F 11/72 20180101ALI20240419BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20240419BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20240419BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20240419BHJP
【FI】
A61M21/02 H
F24F7/007 B
F24F11/72
F24F11/89
F24F11/65
F24F11/64
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021030834
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131732
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安食 香織
(72)【発明者】
【氏名】河村 亮
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-112635(JP,A)
【文献】特開2018-194292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 21/02
F24F 7/007
F24F 11/72
F24F 11/89
F24F 11/65
F24F 11/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間に存在し送風装置からの風が当たることによって動きを生じる対象物を、検知する検知部と、
前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間に存在する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記検知部で検知された前記対象物に応じて前記送風装置からの前記風の出力態様を決定する出力決定部と、
前記出力決定部で決定された前記出力態様に基づいて前記送風装置の動作を制御する制御部と、
前記対象者が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記生理的状態に応じて、前記送風装置からの前記風を前記対象者に直接当てて前記対象者に第1刺激を与える第1動作と前記送風装置からの前記風を前記対象物に当てて前記対象物の動きによる第2刺激を前記視覚刺激として前記対象者に与える第2動作とのうちの少なくとも一方を行うように、前記送風装置の制御パターンを決定するパターン決定部と、
を備える、
刺激発生システム。
【請求項2】
前記パターン決定部は、前記受付部が受け付けた前記生理的状態が覚醒状態の場合、前記第1動作を少なくとも行うように前記送風装置の制御パターンを決定する、
請求項1に記載の刺激発生システム。
【請求項3】
前記パターン決定部は、前記受付部が受け付けた前記生理的状態が鎮静状態の場合、前記第2動作を少なくとも行うように前記送風装置の制御パターンを決定する、
請求項1又は2に記載の刺激発生システム。
【請求項4】
前記受付部としての第1受付部に加えて、前記対象者が前記対象空間に滞在する予定の期間である滞在予定期間に関する情報の入力を受け付ける第2受付部を更に備える、
請求項1~3のいずれか1項に記載の刺激発生システム。
【請求項5】
前記パターン決定部は、前記滞在予定期間内において前記送風装置が前記第1動作と前記第2動作との両方を異なるタイミングで行うように、前記送風装置の制御パターンを決定する、
請求項4に記載の刺激発生システム。
【請求項6】
前記第1受付部が受け付けた前記生理的状態が鎮静状態の場合、前記パターン決定部は

前記滞在予定期間を区分してなる複数のサブ期間のうちの最後のサブ期間に前記第2動作を行い、
前記複数のサブ期間のうちで前記最後のサブ期間以外のいずれかのサブ期間に前記第1動作を行う
ように、前記送風装置の制御パターンを決定する、
請求項5に記載の刺激発生システム。
【請求項7】
前記対象空間には、前記対象物として、前記送風装置からの前記風による動きによって前記対象者に対して異なる視覚刺激を与える第1対象物と第2対象物とが存在し、
前記パターン決定部は、前記滞在予定期間内において、前記送風装置からの前記風を当てる対象が前記第1対象物から前記第2対象物へ変わるように、前記送風装置の制御パターンを決定する、
請求項4~6のいずれか1項に記載の刺激発生システム。
【請求項8】
対象空間に存在し送風装置からの風が当たることによって動きを生じる対象物を、検知する検知部と、
前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間に存在する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記検知部で検知された前記対象物に応じて前記送風装置からの前記風の出力態様を決定する出力決定部と、
前記出力決定部で決定された前記出力態様に基づいて前記送風装置の動作を制御する制御部と、
前記対象者が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付ける第1受付部と、
前記対象者が前記対象空間に滞在する予定の期間である滞在予定期間に関する情報の入力を受け付ける第2受付部と、
前記第1受付部で受け付けた前記生理的状態に応じて、前記送風装置の制御パターンを決定するパターン決定部と、
を備え、
前記対象空間には、前記対象物として、前記送風装置からの前記風による動きによって前記対象者に対して異なる視覚刺激を与える第1対象物と第2対象物とが存在し、
前記パターン決定部は、前記滞在予定期間内において、前記送風装置からの前記風を当てる対象が前記第1対象物から前記第2対象物へ変わるように、前記送風装置の制御パターンを決定する、
刺激発生システム。
【請求項9】
対象物発生装置を更に備え、
前記対象物発生装置は、前記対象空間に前記対象物が存在しないことを前記検知部が検知した場合に、前記対象物としての煙、ミスト、水蒸気又は泡を発生させる、
請求項1~8のいずれか1項に記載の刺激発生システム。
【請求項10】
対象空間に存在し送風装置からの風が当たることによって動きを生じる対象物を、検知する検知部と、
前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間に存在する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記検知部で検知された前記対象物に応じて前記送風装置からの前記風の出力態様を決定する出力決定部と、
前記出力決定部で決定された前記出力態様に基づいて前記送風装置の動作を制御する制御部と、
対象物発生装置と、
を備え、
前記対象物発生装置は、前記対象空間に前記対象物が存在しないことを前記検知部が検知した場合に、前記対象物としての煙、ミスト、水蒸気又は泡を発生させる、
刺激発生システム。
【請求項11】
前記検知部は、前記対象物の形状、前記対象物の大きさ、前記対象物の動きやすさ、及び前記対象物の位置のうちの少なくとも一つに基づいて前記対象物の種類を判別する判別部を備え、
前記出力決定部は、前記判別部で判別された前記対象物の種類に応じて前記出力態様を決定する、
請求項1~10のいずれか1項に記載の刺激発生システム。
【請求項12】
前記制御部としての第1制御部に加えて、前記対象空間の光環境を制御する光制御装置の動作を制御する第2制御部を更に備える、
請求項1~11のいずれか1項に記載の刺激発生システム。
【請求項13】
前記送風装置を更に備える、
請求項1~12のいずれか1項に記載の刺激発生システム。
【請求項14】
対象空間に存在し送風装置からの風が当たることによって動きを生じる対象物を、検知する検知ステップと、
前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間を利用する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記検知ステップで検知された前記対象物に応じて前記送風装置からの前記風の出力態様を決定する出力決定ステップと、
前記出力決定ステップで決定された前記出力態様に基づいて前記送風装置の動作を制御する制御ステップと、
前記対象者が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けた前記生理的状態に応じて、前記送風装置からの前記風を前記対象者に直接当てて前記対象者に第1刺激を与える第1動作と前記送風装置からの前記風を前記対象物に当てて前記対象物の動きによる第2刺激を前記視覚刺激として前記対象者に与える第2動作とのうちの少なくとも一方を行うように、前記送風装置の制御パターンを決定するパターン決定ステップと、
を含む、
刺激発生方法。
【請求項15】
対象空間に存在し送風装置からの風が当たることによって動きを生じる対象物を、検知する検知ステップと、
前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間を利用する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記検知ステップで検知された前記対象物に応じて前記送風装置からの前記風の出力態様を決定する出力決定ステップと、
前記出力決定ステップで決定された前記出力態様に基づいて前記送風装置の動作を制御する制御ステップと、
前記対象者が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付ける第1受付ステップと、
前記対象者が前記対象空間に滞在する予定の期間である滞在予定期間に関する情報の入力を受け付ける第2受付ステップと、
前記第1受付ステップで受け付けた前記生理的状態に応じて、前記送風装置の制御パターンを決定するパターン決定ステップと、
を含み、
前記対象空間には、前記対象物として、前記送風装置からの前記風による動きによって前記対象者に対して異なる視覚刺激を与える第1対象物と第2対象物とが存在し、
前記パターン決定ステップは、前記滞在予定期間内において、前記送風装置からの前記風を当てる対象が前記第1対象物から前記第2対象物へ変わるように、前記送風装置の制御パターンを決定することを含む、
刺激発生方法。
【請求項16】
対象空間に存在し送風装置からの風が当たることによって動きを生じる対象物を、検知する検知ステップと、
前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間を利用する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記検知ステップで検知された前記対象物に応じて前記送風装置からの前記風の出力態様を決定する出力決定ステップと、
前記出力決定ステップで決定された前記出力態様に基づいて前記送風装置の動作を制御する制御ステップと、
対象物発生ステップと、
を含み、
前記対象物発生ステップは、前記対象空間に前記対象物が存在しないことを前記検知ステップで検知した場合に、対象物発生装置から、前記対象物としての煙、ミスト、水蒸気又は泡を発生させることを含む、
刺激発生方法。
【請求項17】
1以上のプロセッサに、請求項14~16のいずれか1項に記載の刺激発生方法を実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、刺激発生システム、刺激発生方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、対象空間に存在する対象者に刺激を与えるための刺激発生システム、刺激発生方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、環境制御システムが開示されている。環境制御システムは、送風装置と、制御装置と、を備える。送風装置は、対象者に向けて風を送出する。制御装置は、送風装置を制御する。
【0003】
特許文献1の環境制御システムは、対象者の交感神経の働きを優位にする第一制御と、対象者の副交感神経の働きを優位にする第二制御と、を行うことができる。第一制御において、制御装置は、送風装置が送出する風の風速を所定の周期で変化させることにより対象者の交感神経の働きを副交感神経の働きよりも優位にする。第二制御において、制御装置は、送風装置が送出する風の風速を第一制御よりも小さくすることにより対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする。制御装置は、第一制御及び第二制御を所定のタイミングで切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2020/090642号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、対象者を鎮静状態に誘導しやすい刺激発生システム、刺激発生方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の刺激発生システムは、検知部と、出力決定部と、制御部と、受付部と、パターン決定部と、を備える。前記検知部は、対象物を検知する。前記対象物は、対象空間に存在し、送風装置からの風が当たることによって動きを生じる物体である。前記出力決定部は、前記検知部で検知された前記対象物に応じて、前記送風装置からの前記風の出力態様を決定する。前記出力決定部は、前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間に存在する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記出力態様を決定する。前記制御部は、前記出力決定部で決定された前記出力態様に基づいて、前記送風装置の動作を制御する。前記受付部は、前記対象者が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付ける。前記パターン決定部は、前記受付部で受け付けた前記生理的状態に応じて、前記送風装置からの前記風を前記対象者に直接当てて前記対象者に第1刺激を与える第1動作と前記送風装置からの前記風を前記対象物に当てて前記対象物の動きによる第2刺激を前記視覚刺激として前記対象者に与える第2動作とのうちの少なくとも一方を行うように、前記送風装置の制御パターンを決定する。
本開示の一態様の刺激発生システムは、検知部と、出力決定部と、制御部と、第1受付部と、第2受付部と、パターン決定部と、を備える。前記検知部は、対象物を検知する。前記対象物は、対象空間に存在し、送風装置からの風が当たることによって動きを生じる物体である。前記出力決定部は、前記検知部で検知された前記対象物に応じて、前記送風装置からの前記風の出力態様を決定する。前記出力決定部は、前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間に存在する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記出力態様を決定する。前記制御部は、前記出力決定部で決定された前記出力態様に基づいて、前記送風装置の動作を制御する。前記第1受付部は、前記対象者が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付ける。前記第2受付部は、前記対象者が前記対象空間に滞在する予定の期間である滞在予定期間に関する情報の入力を受け付ける。前記パターン決定部は、前記第1受付部で受け付けた前記生理的状態に応じて、前記送風装置の制御パターンを決定する。前記対象空間には、前記対象物として、前記送風装置からの前記風による動きによって前記対象者に対して異なる視覚刺激を与える第1対象物と第2対象物とが存在する。前記パターン決定部は、前記滞在予定期間内において、前記送風装置からの前記風を当てる対象が前記第1対象物から前記第2対象物へ変わるように、前記送風装置の制御パターンを決定する。
本開示の一態様の刺激発生システムは、検知部と、出力決定部と、制御部と、対象物発生装置と、を備える。前記検知部は、対象物を検知する。前記対象物は、対象空間に存在し、送風装置からの風が当たることによって動きを生じる物体である。前記出力決定部は、前記検知部で検知された前記対象物に応じて、前記送風装置からの前記風の出力態様を決定する。前記出力決定部は、前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間に存在する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記出力態様を決定する。前記制御部は、前記出力決定部で決定された前記出力態様に基づいて、前記送風装置の動作を制御する。前記対象物発生装置は、前記対象空間に前記対象物が存在しないことを前記検知部が検知した場合に、前記対象物としての煙、ミスト、水蒸気又は泡を発生させる。
【0007】
本開示の一態様の刺激発生方法は、検知ステップと、出力決定ステップと、制御ステップと、受付ステップと、パターン決定ステップと、を含む。前記検知ステップは、対象物を検知することを含む。前記対象物は、対象空間に存在し送風装置からの風が当たることによって動きを生じる物体である。前記出力決定ステップは、前記検知ステップで検知された前記対象物に応じて、前記送風装置からの前記風の出力態様を決定することを含む。前記出力決定ステップでは、前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間を利用する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記出力態様を決定する。前記制御ステップは、前記出力決定ステップで決定された前記出力態様に基づいて、前記送風装置の動作を制御することを含む。前記受付ステップは、前記対象者が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付けることを含む。前記パターン決定ステップは、前記受付ステップで受け付けた前記生理的状態に応じて、前記送風装置からの前記風を前記対象者に直接当てて前記対象者に第1刺激を与える第1動作と前記送風装置からの前記風を前記対象物に当てて前記対象物の動きによる第2刺激を前記視覚刺激として前記対象者に与える第2動作とのうちの少なくとも一方を行うように、前記送風装置の制御パターンを決定することを含む。
本開示の一態様の刺激発生方法は、検知ステップと、出力決定ステップと、制御ステップと、第1受付ステップと、第2受付ステップと、パターン決定ステップと、を含む。前記検知ステップは、対象物を検知することを含む。前記対象物は、対象空間に存在し送風装置からの風が当たることによって動きを生じる物体である。前記出力決定ステップは、前記検知ステップで検知された前記対象物に応じて、前記送風装置からの前記風の出力態様を決定することを含む。前記出力決定ステップでは、前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間を利用する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記出力態様を決定する。前記制御ステップは、前記出力決定ステップで決定された前記出力態様に基づいて、前記送風装置の動作を制御することを含む。前記第1受付ステップは、前記対象者が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付けることを含む。前記第2受付ステップは、前記対象者が前記対象空間に滞在する予定の期間である滞在予定期間に関する情報の入力を受け付けることを含む。前記パターン決定ステップは、前記第1受付ステップで受け付けた前記生理的状態に応じて、前記送風装置の制御パターンを決定することを含む。前記対象空間には、前記対象物として、前記送風装置からの前記風による動きによって前記対象者に対して異なる視覚刺激を与える第1対象物と第2対象物とが存在する。前記パターン決定ステップは、前記滞在予定期間内において、前記送風装置からの前記風を当てる対象が前記第1対象物から前記第2対象物へ変わるように、前記送風装置の制御パターンを決定することを含む。
本開示の一態様の刺激発生方法は、検知ステップと、出力決定ステップと、制御ステップと、対象物発生ステップと、を含む。前記検知ステップは、対象物を検知することを含む。前記対象物は、対象空間に存在し送風装置からの風が当たることによって動きを生じる物体である。前記出力決定ステップは、前記検知ステップで検知された前記対象物に応じて、前記送風装置からの前記風の出力態様を決定することを含む。前記出力決定ステップでは、前記送風装置からの前記風による前記対象物の動きによって前記対象空間を利用する対象者に対して視覚刺激を与えるように、前記出力態様を決定する。前記制御ステップは、前記出力決定ステップで決定された前記出力態様に基づいて、前記送風装置の動作を制御することを含む。前記対象物発生ステップは、前記対象空間に前記対象物が存在しないことを前記検知ステップで検知した場合に、対象物発生装置から、前記対象物としての煙、ミスト、水蒸気又は泡を発生させることを含む。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、一以上のプロセッサに、前記刺激発生方法を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、対象者を鎮静状態に誘導しやすい刺激発生システム、刺激発生方法、及びプログラムを提供することが可能となる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る刺激発生システムのブロック図である。
図2図2は、同上の刺激発生システムが適用される対象空間の一例を示す図である。
図3図3は、同上の刺激発生システムに含まれる送風装置の、第1制御パターンを説明するための図である。
図4図4は、同上の刺激発生システムに含まれる送風装置の、第2制御パターンを説明するための図である。
図5図5は、同上の刺激発生システムに含まれる送風装置の、第3制御パターンを説明するための図である。
図6図6は、同上の刺激発生システムに含まれる送風装置の、第4制御パターンを説明するための図である。
図7図7は、同上の刺激発生システムに含まれる送風装置の、第5制御パターンを説明するための図である。
図8図8は、同上の刺激発生システムに含まれる送風装置の、第6制御パターンを説明するための図である。
図9図9は、同上の刺激発生システムの一動作例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
(1)概要
刺激発生システム100(図1参照)は、対象空間9(図2参照)に存在する対象者10に刺激を与えるためのシステムである。
【0013】
図1に示すように、刺激発生システム100は、検知部11と、出力決定部12と、第1制御部(制御部)14と、を備えている。
【0014】
検知部11は、対象空間9に存在する対象物8を検知する。対象物8は、送風装置3からの風が当たることによって動きを生じる物体である。
【0015】
出力決定部12は、検知部11で検知された対象物8に応じて、送風装置3からの風の出力態様を決定する。ここでいう「送風装置3からの風の出力態様」は、送風装置3から出力される風の強さ、向き、及び、強度並びに向きの時間的な変化のうちの少なくとも一つを含み得る。出力決定部12は、送風装置3からの風による対象物8の動きによって、対象空間9に存在する人(対象者10)に対して視覚刺激を与えるように、送風装置3からの風の出力態様を決定する。ここでいう「視覚刺激」は、対象者10の視覚を介して対象者10に与えられる刺激を意味する。例えば、風による物体の揺れを人が見た場合、人の眼に与えられる光のエネルギーが変動して人に視覚刺激が与えられることになる。
【0016】
制御部14は、出力決定部12で決定された出力態様に基づいて、送風装置3の動作を制御する。
【0017】
物体の揺れによる視覚刺激を人に与えると、その人の生理的状態を鎮静状態に誘導可能である。本実施形態の刺激発生システム100は、上述のように、対象物8に風を当て、対象物8の動き(揺れ)によって対象者10に対して視覚刺激を与えるように、送風装置3の動作を制御する。そのため、本実施形態の刺激発生システム100によれば、対象者10を鎮静状態に誘導しやすいという利点がある。
【0018】
また、風による物体の揺れによる視覚刺激を人に与えた場合、その人に弱い風を当てて触覚刺激を与える場合よりも、その人の生理的状態をより鎮静側に誘導可能である。そのため、本実施形態の刺激発生システム100は、副交感神経の働きを優位にする場合に対象者に弱い風を当てる特許文献1のシステムと比べて、対象者10の生理的状態をより鎮静側に誘導することが可能となる。言い換えれば、本実施形態の刺激発生システム100によれば、特許文献1のシステムと比べて、誘導可能な対象者10の生理的状態の範囲を(鎮静側に)広げることが可能となる。
【0019】
さらに、本実施形態の刺激発生システム100では、検知部11によって対象物8を検知し、検知された対象物8に応じて送風装置3からの風の出力態様を決定している。そのため、本実施形態の刺激発生システム100によれば、対象物8に応じて適切な出力態様の風を送風装置3から出力させることが可能となり、対象者10をより鎮静状態に誘導しやすくなる、という利点がある。
【0020】
(2)詳細
以下、本実施形態の刺激発生システム100について、図面を参照してより詳細に説明する。刺激発生システム100は、図1に示すように、処理装置1と、検知装置2と、送風装置3と、光制御装置4と、入力装置5と、対象物発生装置6と、を備えている。
【0021】
刺激発生システム100は、対象者10に刺激を与えるためのシステムである。刺激発生システム100は、例えば、対象者10に刺激を与えることで、対象者10の生理的状態を所望の生理的状態に誘導するために用いられる。所望の生理的状態は、例えば、覚醒度を指標として区分けされる複数の生理的状態の群から選択される一の生理的状態であり得る。所望の生理的状態の一例は、対象者10の覚醒度が高い状態である覚醒状態であり得る。所望の生理的状態の別の一例は、対象者10の覚醒度が低い状態である鎮静状態であり得る。
【0022】
対象空間9は、対象者10に刺激を与えるために予め準備された空間である。対象空間9は、例えば建物内の一部屋である。対象空間9は、オフィスビルの一室、公共施設の一室、住居の一室等であり得る。対象空間9は、外界に解放された開空間であってもよいし、外界から遮断された閉空間であってもよい。
【0023】
対象者10は、対象空間9を利用可能な任意の人である。対象者10は、対象空間9に存在している一以上の人のうちの特定の一人であってもよい。例えば、対象空間9がオフィスビルの一室である場合、対象者10は、オフィスビルで勤務する従業員、オフィスビルを訪れた訪問者等であり得る。対象空間9が公共施設の一室である場合、対象者10は、公共施設で勤務する従業員、公共施設を訪れた訪問者等であり得る。対象空間9が住居の一室である場合、対象者10は、住居の住人、住居への来客等であり得る。対象者10は、使用料を支払って対象空間9を利用する人であってもよい。以下では、対象者10が対象空間9を規定する部屋に入ること及び部屋から出ることを、「入室」及び「退室」と言うことがある。
【0024】
(2.1)対象空間
図2に示すように、対象空間9には、検知装置2、送風装置3、光制御装置4、対象物8、及び対象物発生装置6(図2では図示省略)が配置される。
【0025】
送風装置3は、対象空間9内に風を発生させる装置である。送風装置3は、ここではサーキュレータである。
【0026】
送風装置3は、その送風方向が可変な装置であり得る。送風装置3は、その送風方向が、少なくとも、対象者10に向かう方向A1と対象物8に向かう方向A2(A3)とに切り替え可能である。すなわち、送風装置3は、第1動作と第2動作とを行うことができる。第1動作とは、送風装置3からの風を対象者10に直接当てて対象者10に触覚刺激(以下、「第1刺激」ともいう)を与える送風装置3の動作である。第2動作とは、送風装置3からの風を対象物8に当てて対象物8の動きによる視覚刺激(以下、「第2刺激」とも言う)を対象者10に与える送風装置3の動作である。送風装置3は、その送風方向が対象空間9内の任意の方向に変更可能であることが好ましい。送風方向を可変とする態様の例としては、送風装置3自身がファン等の向きを変えることで送風方向を変える態様、送風装置3からの風が通る通路(パイプ等)の向きを変えることで送風方向を変える態様、送風装置3が設置された土台の向きを変えることで送風方向を変える態様等が挙げられる。刺激発生システム100が送風装置3を複数備えている場合、複数の送風装置3のうちで風を出力する送風装置3を切り替える(複数の送風装置3のオン/オフを切り替える)ことで、送風方向を変更してもよい。送風装置3は、送風装置3から出力される風の指向性が高い装置であることが好ましい。
【0027】
送風装置3は、出力する風の強度が変更可能であることが好ましい。送風装置3は、少なくとも2段階、より好ましくは3段階以上、更に好ましくは連続的に、風の強度が変更可能であり得る。風の強度を可変とする態様の例としては、送風装置3自身がモータの速度等を変えることで強度を変える態様、送風装置3の前方に障害物等を配置したり取り去ったりすることで強度を変える態様等が挙げられる。刺激発生システム100が送風装置3を複数備えている場合、複数の送風装置3のうちで風を出力する送風装置3を切り替える(複数の送風装置3のオン/オフを切り替える)ことで、出力する風の強度を変更してもよい。
【0028】
送風装置3は、風の温度を変更可能であってもよい。例えば、送風装置3は、温風と冷風とを出力可能であってもよい。
【0029】
なお、送風装置3はサーキュレータに限られず、扇風機、空調装置等であってもよい。送風装置3は、サーキュレータ、扇風機等のように対象空間9内で持ち運び可能な装置であってもよいし、空調装置等の、対象空間9に固定された装置であってもよい。送風装置3は、対象空間9外に配置されており壁面に設けられた孔を通して対象空間9内に風を送る装置であってもよい。
【0030】
対象物8は、対象空間9に存在しており、送風装置3からの風が当たることによって動きを生じる任意の物体である。対象物8は、送風装置3からの風が当たって動くことで、その動きを見た対象者10に視覚刺激を与え得る。対象物8の動きは、一方向のみに動く直線的な動きであってもよいが、振動、揺れ、ゆらぎ等の多次元的な動きであることが好ましい。
【0031】
対象物8の例は、植物、布、液体、木材、紙、火、砂等を含む。対象物8としての植物は、例えば、鉢に植えられて対象空間9の床に置かれた観葉植物(鉢植え)、又は、対象空間9の壁に掛けられた観葉植物等を含み得る。対象物8としての布は、例えば、対象空間9を規定する壁面に掛けられたカーテン等を含み得る。対象物8としての液体は、例えば、水槽又は容器に張られた水等を含み得る。対象物8としての木材は、例えば、対象空間9の天井から紐で吊下げられた一以上の木片、又は、木製の風車等を含み得る。対象物8としての紙は、例えば、対象空間9の天井から紐で吊下げられた一以上の紙片、又は、対象空間9の床に置かれた書物等を含み得る。対象物8としての火は、例えば、対象空間9を規定する壁面又は床に設けられている暖炉又は囲炉裏の火等を含み得る。対象物8としての砂は、例えば、対象空間9の床に置かれた砂、容器に入れられた砂等を含み得る。
【0032】
対象物8の例は、対象物発生装置6によって発生させられる煙、ミスト、水蒸気、泡等を含み得る。対象物8としての煙(煙を構成する粒子)、ミスト、水蒸気、泡は、例えば対象物発生装置6によって発生させられ、対象空間9内に浮遊する。
【0033】
対象物8は、送風装置3からの風によって揺れる任意の物体であり得る。対象物8は、送風装置3からの風によってその一部又は全部が揺れ動くことで、対象者10に視覚刺激(ゆらぎ刺激)を与え得る。なお、対象物8としてのミスト及び水蒸気は、ミスト又は水蒸気に光が当たった状態で送風装置3からの風によって揺れ動くことで、対象者10に視覚刺激(ゆらぎ刺激)を与え得る。対象物8は、対象空間9に存在していても対象者10に違和感を与えにくい物体であることが好ましい。
【0034】
対象物発生装置6は、対象物8としての煙、ミスト、水蒸気、泡等を発生させる。煙は、任意の物体の燃焼により生じる気体である。ミストは、任意の液体が気化して対象空間9内で霧状に浮遊したものである。水蒸気は、液体としての水が気化して対象空間9内で霧状に浮遊したものである。泡は、液体が空気を含んで丸くふくれたものであり、例えば洗剤等の液体又は固体等から発生し得る。煙、泡は、対象者10が視認可能な状態であることが望ましい。
【0035】
対象空間9には、上述の対象物8の例のうちの少なくとも一つが存在し得る。対象空間9には、上述の対象物8の例のうちの全てが存在している必要はない。対象空間9には、上述の対象物8の例以外の適宜の対象物8(送風装置3からの風が当たることによって動きを生じる物体)が存在していてもよい。図2に示す対象空間9の例では、対象物8として、植物(観葉植物81)及び布(カーテン82)が存在している。対象空間9内には、対象物8以外の物体(送風装置3からの風が当たっても、対象者10に視覚刺激を与える程度には動かない物体)も適宜存在し得る。
【0036】
検知装置2は、対象空間9内に存在する対象物8を検知するための装置である。検知装置2は、ここでは、対象空間9を撮像する撮像装置21を備える。撮像装置21は、例えば対象空間9の天井に取り付けられる。検知装置2は、撮像装置21を複数備えていてもよい。撮像装置21は、可視光領域の周波数の光を用いて対象空間9を撮像してもよいし、赤外領域の周波数の光(赤外線)を用いて対象空間9を撮像してもよい。
【0037】
光制御装置4は、対象空間9の光環境を制御する装置である。光制御装置4は、ここでは照明装置41を備える。
【0038】
照明装置41は、その光の放射方向が可変な装置であり得る。照明装置41は、少なくとも、対象者10に向けて光を放射する直接照明の状態と、対象空間9を規定する壁面等に向けて光を放射する間接照明の状態とに切り替え可能であることが好ましい。照明装置41は、より好ましくは、その光の放射方向が対象空間9内の任意の方向に調整可能である。照明装置41の光の放射方向を可変とする態様の例としては、照明装置41自身が光の放射方向を変える態様、照明装置41から放射された光を反射することで光の放射方向を変える態様、照明装置41が設置された土台の向きを変えることで光の放射方向を変える態様等が挙げられる。刺激発生システム100が照明装置41を複数備えている場合、複数の照明装置41のうちで点灯させる照明装置41を切り替える(複数の照明装置41のオン/オフを切り替える)ことで、光の放射方向を変更してもよい。
【0039】
照明装置41は、放射する光の強度が変更可能な装置であることが好ましい。照明装置41は、少なくとも2段階、より好ましくは3段階以上、更に好ましくは連続的に、光の強度が変更可能であり得る。光の強度を可変とする態様の例としては、照明装置41自身が光の強度を変える態様、照明装置41の前方に障害物等を配置したり取り去ったりすることで強度を変える態様等が挙げられる。刺激発生システム100が照明装置41を複数備えている場合、複数の照明装置41のうちで点灯させる照明装置41を切り替える(複数の照明装置41のオン/オフを切り替える)ことで、放射する光の強度を変更してもよい。
【0040】
照明装置41から放射される光の色は、例えば白色である。照明装置41は、放射する光の色温度を変更可能であってもよい。例えば、照明装置41は、XYZ表色系のxy色度図における黒体軌跡上の色度点に相当する任意の色度の光を放射可能であってもよい。照明装置41は、放射する光の色を白色以外の色に変更可能であってもよい。
【0041】
照明装置41は、電気スタンド等の対象空間9内で持ち運び可能な装置であってもよいし、ダウンライト、シーリングライト、スポットライト等のように対象空間9を規定する壁面に固定されていてもよい。
【0042】
光制御装置4は、照明装置41に限られない。光制御装置4は、対象空間9を規定する壁面の窓に設けられており、その開閉に応じて外界から取り入れる光の量を変更可能な電動カーテン、電動のブラインド等であってもよい。
【0043】
(2.2)処理装置
処理装置1は、検知装置2、送風装置3、光制御装置4、入力装置5、及び対象物発生装置6と通信可能に接続されている。
【0044】
図1に示すように、処理装置1は、検知部11と、出力決定部12と、パターン決定部13と、第1制御部14と、第2制御部15と、第3制御部16と、第1受付部17と、第2受付部18と、を備えている。処理装置1は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが、検知部11、出力決定部12、パターン決定部13、第1制御部14、第2制御部15、第3制御部16、第1受付部17、及び第2受付部18として機能する。つまり、検知部11、出力決定部12、パターン決定部13、第1制御部14、第2制御部15、第3制御部16、第1受付部17、及び第2受付部18は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0045】
検知部11は、対象物8を検知する。上述のように、対象物8は、対象空間9に存在し、送風装置3からの風が当たることによって動き(揺れ)を生じる物体である。ここでは、「対象物8の検知」は、少なくとも対象空間9に対象物8が存在するか否かを検知することを含む。本実施形態では、「対象物8の検知」は、対象空間9内での対象物8の位置を検知することを更に含む。
【0046】
検知部11は、撮像装置21で撮像された対象空間9の画像に基づいて、対象物8の検知を行う。処理装置1は、例えば、対象空間9に人がいない無人の状態において送風装置3を動作させて、対象空間9の動画を撮像装置21に撮像させる。検知部11は、撮像された動画内に、所定の閾値以上の動き(揺れ)を生じている物体があれば、対象空間9に対象物8が存在していると判断する。例えば、対象空間9内に、風が当たることで動き得る物体(例えばカーテン82)があったとしても、その物体の動きが阻害されている場合(例えば、カーテンタッセル等でカーテン82が纏められている場合)には、その物体は動き得ない。そのため、処理装置1は、単に静止画に基づいて対象物8の検知を行うよりも、実際に対象空間9に送風装置3から風を出力させ、動画によって対象物8の動きを確認することが好ましい。
【0047】
検知部11は、判別部111を備える。判別部111は、対象物8の種類を判別する。判別部111は、撮像装置21で撮像された画像に基づいて、対象空間9に存在する対象物8の特性を判断する。対象物8の特性は、対象物8の形状、大きさ、動きやすさ、色、温度(撮像装置21としての赤外線カメラから検出され得る)等を含み得る。判別部111は、対象物8の特性に基づいて、対象物8の種類を判別する。一例において、判別部111は、対象物8の形状、対象物8の大きさ、対象物8の動きやすさ、及び対象物8の位置のうちの少なくとも一つに基づいて、対象物8の種類を判別する。判別部111は、例えば、画像内における対象物8の形状、大きさ、及び位置等に基づいて、対象物8の実際の形状及び大きさを判断する。判別部111は、例えば、種々の物体の特性と種類とを対応付けたデータテーブル等を用いて、対象物8の種類を判別する。
【0048】
出力決定部12は、検知部11で検知された対象物8に応じて、送風装置3からの風の出力態様を決定する。出力決定部12は、送風装置3に第2動作を行わせる場合に、検知部11で検知された対象物8に応じて、送風装置3からの風の出力態様を決定する。出力決定部12は、判別部111で判別された対象物8の種類に応じて、送風装置3からの風の出力態様を決定する。対象物8の種類が変われば、同じ強度の風が当たった場合であっても、対象物8の動き方(動くか否かを含む)は異なる。また、送風装置3と対象物8との間の位置関係(相対的な距離、相対的な向き)が変われば、送風装置3から同じ強度の風が出力されても、対象物8の動き方(動くか否かを含む)は異なる。そのため、出力決定部12は、検知部11の検知結果、より詳細には判別部111の判別結果に応じて、送風装置3からの風の出力態様を決定する。出力決定部12は、例えば、種々の物体の種類及び距離に対して、送風装置3から出力すべき風の出力態様(強度、強度の経時変化)が対応付けられたデータテーブル等を用いて、送風装置3からの風の出力態様を決定する。
【0049】
出力決定部12は、送風装置3が第2動作を行う場合に、送風装置3からの風によって対象物8が動くように、送風装置3からの風の出力態様を決定する。出力決定部12は、送風装置3が第2動作を行う場合、対象空間9に居る対象者10に対して視覚で感じるゆらぎ刺激を与えるように(対象物8が揺れるように)、送風装置3からの風の出力態様を決定する。視覚で感じるゆらぎ刺激は、触覚刺激に比べて、人に与える刺激は弱い。そのため、送風装置3からの風を対象物8に当てて対象物8の動き(揺れ)による視覚刺激(第2刺激)を対象者10に与えることで、送風装置3からの風を対象者10に直接当てて対象者10に触覚刺激(第1刺激)を与える場合に比べて、対象者10の生理的状態を、より鎮静側に誘導することができる。要するに、本実施形態の刺激発生システム100は、第1動作と第2動作の両方を行うことができるため、第1動作で誘導可能な生理的状態の範囲に加えて、第2動作で誘導可能な生理的状態の範囲まで、対象者10の生理的状態を誘導できる。そのため、本実施形態の刺激発生システム100によれば、第1動作だけを行い得るシステムと比較して、誘導可能な対象者10の生理的状態の範囲を(鎮静側に)広げることが可能となり、対象者10の生理的状態をより広い範囲(鎮静側に拡張された範囲)で誘導可能となる。
【0050】
第1受付部17及び第2受付部18は、外部装置から情報の入力を受け付ける。第1受付部17及び第2受付部18は、ここでは、入力装置5から情報の入力を受け付ける。
【0051】
入力装置5は、対象者10又はその関係者から種々の情報の入力を受け付けるためのインタフェースを備える。入力装置5は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが、入力装置5として機能する。入力装置5は、処理装置1と一体的に構成されていてもよい。
【0052】
入力装置5は、対象空間9に配置された操作インタフェース(第1操作インタフェース)を備えている。第1操作インタフェースは、対象空間9に存在する対象者10又はその関係者(同行者)からの操作入力を受け付ける。入力装置5は、対象空間9以外の空間に配置された操作インタフェース(第2操作インタフェース)を更に備えていてもよい。第2操作インタフェースは、対象空間9に赴く予定の者(対象者10となる予定の者)或いはその関係者からの操作入力を受け付ける。
【0053】
入力装置5に入力される情報は、希望の生理的状態に関する情報を含み得る。「希望の生理的状態」とは、刺激発生システム100を利用することで対象者10が到達を希望する生理的状態である。
【0054】
入力装置5に入力される情報は、対象者10が対象空間9に滞在する予定の期間(以下、「滞在予定期間」とも言う)の情報を含み得る。滞在予定期間は、対象者10が対象空間9に入室する予定の時刻と退室する予定の時刻とで規定される期間であってもよい。滞在予定期間は、対象者10が実際に対象空間9に入室した時刻を起点とする所定の長さの期間であってもよい。滞在予定期間は、対象者10が入力装置5(第1操作インタフェース)を用いて指定した刺激発生システム100の動作を開始する開始予定時刻と対象者10が入力装置5を用いて指定した終了予定時刻とで規定される期間であってもよい。
【0055】
処理装置1は、対象空間9に存在する対象物8の情報と、対象者10の希望の生理的状態と、に基づいて、送風装置3及び光制御装置4の動作、及びオプションとして対象物発生装置6の動作を制御する。
【0056】
第1受付部17は、入力装置5から、入力装置5に入力された「希望の生理的状態」の情報を受け付ける。このように、第1受付部17は、対象者10が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付ける。
【0057】
第2受付部18は、入力装置5から、入力装置5に入力された「滞在予定期間」の情報を受け付ける。このように、第2受付部18は、対象者10が対象空間9に滞在する予定の期間である滞在予定期間に関する情報の入力を受け付ける。
【0058】
パターン決定部13は、送風装置3の制御パターンを決定する。「制御パターン」とは、ここでは、所定の期間における送風装置3の動作の経時変化を規定する情報を意味する。パターン決定部13は、例えば、入力装置5を介して入力された「希望の生理的状態」に応じて、送風装置3が第1動作と第2動作とのうちの少なくとも一方を行うように、送風装置3の制御パターンを決定する。具体的には、パターン決定部13は、「希望の生理的状態」が覚醒状態の場合、第1動作を少なくとも行うように送風装置3の制御パターンを決定する。第1動作を行うことで、対象者10に触覚刺激(第1刺激)を与えることができ、対象者10を覚醒状態に誘導しやすくなる。また、パターン決定部13は、「希望の生理的状態」が鎮静状態の場合、第2動作を少なくとも行うように送風装置3の制御パターンを決定する。第2動作を行うことで、対象者10に視覚刺激(第2刺激)を与えることができ、対象者10を鎮静状態に誘導しやすくなる。
【0059】
パターン決定部13は、滞在予定期間内において送風装置3が第1動作と第2動作との両方を異なるタイミングで行うように、送風装置3の制御パターンを決定することが好ましい。例えば、滞在予定期間の前半において第1動作によって対象者10を覚醒状態に誘導した後に、滞在予定期間の後半において第2動作によって対象者10を鎮静状態に誘導することで、滞在期間の終了時点において対象者10を鎮静状態に誘導することが容易になる。また、滞在予定期間の前半において第2動作によって対象者10を鎮静状態に誘導した後に、滞在予定期間の後半において第1動作によって対象者10を覚醒状態に誘導することで、滞在期間の終了時点において対象者10を覚醒状態に誘導することが容易になる。制御パターンの具体例については、次の「(2.3)制御パターン」の欄で説明する。
【0060】
ここで、第1動作は、互いに異なる複数の動作モード(以下、「複数の第1モード」ともいう)のうちから選択され得る。複数の第1モードは、送風装置3から出力される風の出力態様が互いに異なる。複数の第1モードは、例えば、出力態様として、送風装置3から出力される風の強度が互いに異なる。ただし、複数の第1モードはいずれも、送風装置3からの風を対象者10に直接当てて対象者10に第1刺激(触覚刺激)を与える動作モードである。パターン決定部13は、第1動作を行うように制御パターンを決定する場合、複数の第1モードのうちのいずれを行うかもあわせて決定する。
【0061】
また、第2動作は、互いに異なる複数の動作モード(以下、「複数の第2モード」ともいう)のうちから選択され得る。複数の第2モードは、送風装置3から出力される風の出力態様が互いに異なる。複数の第2モードは、例えば、出力態様として、送風装置3から出力される風の向き、言い換えれば風が当てられる対象物8が、互いに異なる。ただし、複数の第2モードはいずれも、送風装置3からの風を何らかの対象物8に当てて、対象物8の動きによる第2刺激(視覚刺激)を対象者10に与える動作モードである。図2に示す例では、複数の第2モードは、送風装置3から方向A2に風を出力させて対象物8としての観葉植物81に風を当てる動作モードと、送風装置3から方向A3に風を出力させて対象物8としてのカーテン82に風を当てる動作モードと、を含み得る。パターン決定部13は、第2動作を行うように制御パターンを決定する場合、複数の第2モードのうちのいずれを行うかもあわせて決定する。パターン決定部13は、例えば、適宜の優先順位に従って、複数の対象物8のうちで送風装置3からの風を当てる対象を決定する。
【0062】
第1制御部14は、送風装置3の動作を制御する。第1制御部14は、パターン決定部13で決定された制御パターンに従って、所定の期間(滞在予定期間)における送風装置3の動作を制御する。
【0063】
第2制御部15は、光制御装置4の動作を制御する。光制御装置4は、対象空間9の光環境を制御する装置であって、本実施形態では上述のように照明装置41を備えている。
【0064】
第2制御部15は、例えば、第1受付部17で受け付けた「希望の生理的状態」に応じて、光制御装置4の動作を制御する。
【0065】
第2制御部15は、例えば、対象者10の生理的状態を覚醒状態に誘導する場合、照明装置41からの光を対象者10に直接当てる直接照明を行うように照明装置41を制御する。第2制御部15は、例えば、対象者10の生理的状態を鎮静状態に誘導する場合、照明装置41からの光を対象空間9内の物体に当ててその反射光によって対象空間9を照らす間接照明を行うように、照明装置41を制御する。ここでの間接照明は、照明装置41からの光を対象物8に当てることを含み得る。
【0066】
第2制御部15は、対象者10の生理的状態を鎮静状態に誘導する場合、対象者10の生理的状態を覚醒状態に誘導する場合よりも色温度の低い白色光を照明装置41から出力させてもよい。例えば、第2制御部15は、対象者10の生理的状態が覚醒状態に誘導する場合、照明装置41から昼白色の光を出力させ、対象者10の生理的状態を鎮静状態に誘導する場合、照明装置41から電球色の光を出力させる。
【0067】
第2制御部15は、パターン決定部13で決定された制御パターンにおける送風装置3の動作タイミングにあわせて、光制御装置4の動作を制御してもよい。例えば、第2制御部15は、第1制御部14が送風装置3に第1動作を行わせている期間では直接照明を行い、第1制御部14が送風装置3に第2動作を行わせている期間では間接照明を行うように、光制御装置4を動作させてもよい。
【0068】
刺激発生システム100が第2制御部15を備えていることで、対象者10を希望の生理的状態により誘導しやすくなる。
【0069】
第3制御部16は、対象物発生装置6の動作を制御する。第3制御部16は、対象空間9に対象物8が存在しないことを検知部11が検知した場合に、対象物8を発生させるように対象物発生装置6の動作を制御する。ここでは、対象物発生装置6が発生させる対象物8は、上述のように煙又は泡である。未設置、撤去等の種々の理由によって、対象空間9内に、対象物8(送風装置3からの風が当たることによって動きを生じる物体)が存在しない場合があり得る。そのような状態が検知部11によって検知された場合、第3制御部16は、対象物8としての煙又は泡を対象物発生装置6から発生させる。特に、第3制御部16は、少なくとも第1制御部14が送風装置3に第2動作を行わせる期間において、対象物発生装置6から対象物8を発生させる。これにより、対象空間9に対象物8が存在していない場合であっても、対象者10に第2刺激を与えることが可能となる。
【0070】
(2.3)制御パターン
以下に、パターン決定部13で決定される送風装置3の制御パターンの具体例について、図3図8を参照して説明する。以下では、図3図8に対応する6つの制御パターンを、それぞれ第1制御パターン~第6制御パターンとも言う。図3図8のグラフは、滞在予定期間P0において各制御パターン(第1制御パターン~第6制御パターン)を実行した場合の、対象者10の生理的状態の時間変化の予測の概略を示している。図3図8の横軸は時間軸に対応し、時点t0は滞在予定期間P0の開始時点、時点t1は滞在予定期間P0の終了時点にそれぞれ対応する。図3図8の縦軸は、上限値が「覚醒状態」、下限値が「鎮静状態」である、対象者10の覚醒度を示す。第1制御パターン~第3制御パターン(図3図5参照)は、対象者10を鎮静状態に誘導するための制御パターンに対応し、第4制御パターン~第6制御パターン(図6図8参照)は、対象者10を覚醒状態に誘導するための制御パターンに対応する。
【0071】
第1制御パターン~第6制御パターンの各々では、滞在予定期間P0を複数のサブ期間に区分し、複数のサブ期間の各々において送風装置3に第1動作又は第2動作のいずれか一方を行わせている。また、第1動作を行わせる場合には、送風装置3からの風の強度が相対的に大きい第1モード(以下、「強刺激モード」ともいう)と、送風装置3からの風の強度が相対的に小さい第1モード(以下、「弱刺激モード」ともいう)と、のうちのいずれかを行わせている。
【0072】
第1制御パターン(図3参照)は、例えば、入室時点t0での対象者10の生理的状態が覚醒状態の場合に、対象者10を鎮静状態に誘導するために用いられる制御パターンである。第1制御パターンでは、滞在予定期間P0を、時点t0~時点t11までの第1サブ期間P11と、時点t11~時点t12までの第2サブ期間P12と、時点t12~時点t1までの第3サブ期間P13と、の3つのサブ期間に区分している。そして、第1サブ期間P11では、第1動作のうちの強刺激モードを送風装置3に行わせ、第2サブ期間P12では、第1動作のうちの弱刺激モードを送風装置3に行わせ、第3サブ期間P13では、第2動作を送風装置3に行わせている。本制御パターンでは、対象者10の生理的状態が覚醒状態から徐々に鎮静状態に誘導されるように(図3の線L1参照)、対象者10の生理的状態の変化にあわせて対象者10に与える刺激を経時的に変化させている。そのため、本制御パターンによれば、対象者10の生理的状態を無理なく鎮静状態に誘導しやすい、という利点がある。
【0073】
第2制御パターン(図4参照)は、例えば、入室時点t0での対象者10の生理的状態が覚醒状態でも鎮静状態でもないニュートラルな状態の場合に、対象者10を鎮静状態に誘導するために用いられる制御パターンである。第2制御パターンでは、滞在予定期間P0を、時点t0~時点t21までの第1サブ期間P21と、時点t21~時点t0までの第2サブ期間P22の2つのサブ期間に区分している。そして、第1サブ期間P21では、第1動作のうちの弱刺激モードを送風装置3に行わせ、第2サブ期間P22では、第2動作を送風装置3に行わせている。本制御パターンでは、対象者10の生理的状態が徐々に鎮静状態に誘導されるように(図4の線L2参照)、対象者10の生理的状態の変化にあわせて対象者10に与える刺激を経時的に変化させている。そのため、本制御パターンによれば、対象者10の生理的状態を無理なく鎮静状態に誘導しやすい、という利点がある。
【0074】
第3制御パターン(図5参照)は、例えば、入室時点t0での対象者10の生理的状態が鎮静状態の場合に、対象者10を鎮静状態に誘導するために用いられる制御パターンである。第3制御パターンでは、滞在予定期間P0を、時点t0~時点t31までの第1サブ期間P31と、時点t31~時点t32までの第2サブ期間P32と、時点t32~時点t33までの第3サブ期間P33と、時点t33~時点t34までの第4サブ期間P34と、時点t34~時点t1までの第5サブ期間P35と、の5つのサブ期間に区分している。そして、第1サブ期間P31では、第2動作を送風装置3に行わせ、第2サブ期間P32では、第1動作のうちの弱刺激モードを送風装置3に行わせ、第3サブ期間P33では、第1動作のうちの強刺激モードを送風装置3に行わせ、第4サブ期間P34では、第1動作のうちの弱刺激モードを送風装置3に行わせ、第5サブ期間P35では、第2動作を送風装置3に行わせている。本制御パターンでは、鎮静状態で対象空間9に入室した対象者10の生理的状態を、一旦覚醒状態へと誘導した後、徐々に鎮静状態に誘導するように(図5の線L3参照)、対象者10に与える刺激を経時的に変化させている。滞在予定期間P0の期間中、常に送風装置3に第2動作を行わせた場合、対象者10に「飽き」等のストレスがかかる場合がある。本制御パターンによれば、対象者10の生理的状態を、一旦覚醒状態に誘導した後に鎮静状態に誘導することで、対象者10の生理的状態を無理なく鎮静状態に誘導しやすい、という利点がある。
【0075】
上述の第1制御パターン~第3制御パターンから分かるように、本実施形態の刺激発生システム100では、希望の生理的状態が鎮静状態の場合、パターン決定部13は、滞在予定期間P0を区分してなる複数のサブ期間のうちの最後のサブ期間(P13,P22,P35)に第2動作を行い、複数のサブ期間のうちで最後のサブ期間以外のいずれかのサブ期間に第1動作を行うように、送風装置3の制御パターンを決定する。
【0076】
第4制御パターン(図6参照)は、例えば、入室時点t0での対象者10の生理的状態が鎮静状態の場合に、対象者10を覚醒状態に誘導するために用いられる制御パターンである。第4制御パターンでは、滞在予定期間P0を、時点t0~時点t41までの第1サブ期間P41と、時点t41~時点t42までの第2サブ期間P42と、時点t42~時点t1までの第3サブ期間P43と、の3つのサブ期間に区分している。そして、第1サブ期間P41では、第2動作を送風装置3に行わせ、第2サブ期間P12では、第1動作のうちの弱刺激モードを送風装置3に行わせ、第3サブ期間P13では、第1動作のうちの強刺激モードを送風装置3に行わせている。本制御パターンでは、対象者10の生理的状態が鎮静状態から徐々に覚醒状態に誘導されるように(図6の線L4参照)、対象者10の生理的状態の変化にあわせて対象者10に与える刺激を経時的に変化させている。そのため、本制御パターンによれば、対象者10の生理的状態を無理なく覚醒状態に誘導しやすい、という利点がある。
【0077】
第5制御パターン(図7参照)は、例えば、入室時点t0での対象者10の生理的状態が覚醒状態でも鎮静状態でもないニュートラルな状態の場合に、対象者10を覚醒状態に誘導するために用いられる制御パターンである。第5制御パターンでは、滞在予定期間P0を、時点t0~時点t51までの第1サブ期間P51と、時点t51~時点t0までの第2サブ期間P52の2つのサブ期間に区分している。そして、第1サブ期間P51では、第1動作のうちの弱刺激モードを送風装置3に行わせ、第2サブ期間P52では、第1動作のうちの強刺激モードを送風装置3に行わせている。本制御パターンでは、対象者10の生理的状態が徐々に覚醒状態に誘導されるように(図7の線L5参照)、対象者10の生理的状態の変化にあわせて対象者10に与える刺激を経時的に変化させている。そのため、本制御パターンによれば、対象者10の生理的状態を無理なく覚醒状態に誘導しやすい、という利点がある。
【0078】
第6制御パターン(図8参照)は、例えば、入室時点t0での対象者10の生理的状態が覚醒状態の場合に、対象者10を覚醒状態に誘導するために用いられる制御パターンである。第6制御パターンでは、滞在予定期間P0を、時点t0~時点t61までの第1サブ期間P61と、時点t61~時点t62までの第2サブ期間P62と、時点t62~時点t63までの第3サブ期間P63と、時点t63~時点t64までの第4サブ期間P64と、時点t64~時点t1までの第5サブ期間P65と、の5つのサブ期間に区分している。そして、第1サブ期間P61では、第1動作のうちの強刺激モードを送風装置3に行わせ、第2サブ期間P62では、第1動作のうちの弱刺激モードを送風装置3に行わせ、第3サブ期間P63では、第2動作を送風装置3に行わせ、第4サブ期間P64では、第1動作のうちの弱刺激モードを送風装置3に行わせ、第5サブ期間P65では、第1動作のうちの強刺激モードを送風装置3に行わせている。本制御パターンでは、覚醒状態で対象空間9に入室した対象者10の生理的状態を、一旦鎮静状態へと誘導した後、徐々に覚醒状態に誘導するように(図8の線L6参照)、対象者10に与える刺激を経時的に変化させている。滞在予定期間P0の期間中、常に送風装置3に第1動作の強刺激モードを行わせた場合、対象者10にストレスがかかる場合がある。本制御パターンによれば、対象者10の生理的状態を、一旦鎮静状態に誘導した後に覚醒状態に誘導することで、対象者10の生理的状態を無理なく覚醒状態に誘導しやすい、という利点がある。
【0079】
制御パターンは、上記の第1制御パターン~第6制御パターンに限られない。
【0080】
例えば、滞在予定期間P0の全期間にわたって、送風装置3に第1動作のみ又は第2動作のみを行わせてもよい。
【0081】
滞在予定期間P0の複数のサブ期間のうちで第1動作を行うサブ期間、第2動作を行うサブ期間は、適宜設定され得る。
【0082】
処理装置1は、第1動作を行う場合、送風装置3から出力される風の出力態様(強度等)を連続的に変化させてもよい。送風装置3に強刺激モードを行わせる場合、処理装置1は、送風装置3からの風の強度を所定の第1強度範囲内で連続的に変化させてもよい。また、送風装置3に弱刺激モードを行わせる場合、処理装置1は、送風装置3からの風の強度を所定の第2強度範囲内で連続的に変化させてもよい。なお、第2強度範囲は、第1強度範囲よりも風の強度が弱い範囲である。また、送風装置3を強刺激モードから弱刺激モードに切り替える場合(例えば第1制御パターンの時点t11)、処理装置1は、送風装置3からの風の強度を連続的に(シームレスに)変更することが好ましい。弱刺激モードから強刺激モードに切り替える場合も同様である。要するに、処理装置1は、送風装置3に第1動作を行わせる場合、送風装置3からの風の強度が連続的に(シームレスに)変わるように送風装置3を制御することが好ましい。
【0083】
処理装置1は、第2動作を行う場合、送風装置3からの風が当てられる対象物8を、第1対象物(例えば観葉植物81とカーテン82とのうちの一方)から第2対象物(例えば観葉植物81とカーテン82とのうちの他方)へ途中で変更してもよい。すなわち、対象空間9に、対象物8として、送風装置3からの風による動きによって対象者10に対して異なる視覚刺激を与える第1対象物と第2対象物とが存在する場合、パターン決定部13は、滞在予定期間内において、送風装置3からの風を当てる対象が第1対象物から第2対象物へ変わるように、送風装置3の制御パターンを決定してもよい。第1対象物と第2対象物とは、異なる種類の物体に限られず、同じ種類の物体(例えば、異なる位置に置かれた2つの観葉植物81)であってもよい。
【0084】
処理装置1は、第1動作と第2動作とを切り替える場合(例えば第1制御パターンの時点t12)、対象者9に与えられる刺激の強さがシームレスに(連続的に)変わるように、送風装置3からの風の出力態様を制御することが好ましい。
【0085】
(2.4)動作例
刺激発生システム100の具体的な動作例について、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、刺激発生システム100の動作手順は以下の例に限られず、適宜変更可能である。
【0086】
処理装置1は、まず、対象空間9の利用が開始されたか否かを判断する(S1)。対象空間9の利用の開始は、例えば、入力装置5(第1操作インタフェース)を介して入力される対象空間9の利用開始の指示、入力装置5(第2操作インタフェース)を介して入力された滞在予定期間の開始時刻の到来、対象者10となるべき人の対象空間9への入室等をトリガとして、判断される。
【0087】
処理装置1は、滞在予定期間の入力を受け付ける(S2)。なお、滞在予定期間は、例えば第2操作インタフェースを介して、予め入力されている場合もある。
【0088】
処理装置1は、対象者10が希望する生理的状態の入力を受け付ける(S3)。なお、希望の生理的状態は、例えば滞在予定期間の入力とともに予め入力されている場合もある。
【0089】
処理装置1は、入力された滞在予定期間及び希望の生理的状態に基づき、これから行うべき送風装置3の制御パターンを決定する(S4)。例えば、希望の生理的状態が鎮静状態の場合、処理装置1は、第1制御パターン~第3制御パターンのいずれかを行うことを決定する。
【0090】
処理装置1は、決定した制御パターンが第2動作を含むか否かを判断する(S5)。第2動作を含まない場合(S5:No)、処理装置1は、決定した制御パターンに基づいて、送風装置3の制御を開始する(S9)。第2動作を含む場合(S5:Yes)、処理装置1は、検知装置2(撮像装置21)からの情報に基づいて、対象空間9内の対象物8の存否、並びにその種類及び位置を検知する(S6)。対象空間9内に対象物8が存在する場合(S7:Yes)、処理装置1は、決定した制御パターンに基づいて、送風装置3の制御を開始する(S9)。対象空間9内に対象物8が存在しない場合(S7:No)、処理装置1は、対象物発生装置6を制御して対象物8としての煙又は泡を発生させ(S8)、決定した制御パターンに基づいて、送風装置3の制御を開始する(S9)。処理装置1は、滞在予定期間の間、制御パターンに基づいて送風装置3の動作を制御する。滞在予定期間が終了すると、処理装置1は、送風装置3を停止させる。
【0091】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、刺激発生システム100の処理装置1と同様の機能は、刺激発生方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0092】
一態様に係る刺激発生方法は、検知ステップと、出力決定ステップと、制御ステップと、を含む。検知ステップは、対象物8を検知することを含む。対象物8は、対象空間9に存在し送風装置3からの風が当たることによって動きを生じる物体である。出力決定ステップは、検知ステップで検知された対象物8に応じて、送風装置3からの風の出力態様を決定することを含む。出力ステップは、送風装置3からの風による対象物8の動きによって対象空間9を利用する対象者10に対して視覚刺激を与えるように、送風装置3からの風の出力態様を決定することを含む。制御ステップは、出力決定ステップで決定された出力態様に基づいて送風装置3の動作を制御することを含む。
【0093】
一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の刺激発生方法を実行させるための、プログラムである。プログラムは、非一時的記録媒体に記録されてもよい。
【0094】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0095】
本開示における刺激発生システム100では、処理装置1、入力装置5等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における処理装置1、入力装置5等としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0096】
また、処理装置1、入力装置5等における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは刺激発生システム100に必須の構成ではなく、処理装置1、入力装置5等の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、刺激発生システム100の少なくとも一部の機能、例えば、処理装置1の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0097】
反対に、実施形態において、複数の装置に分散されている刺激発生システム100の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0098】
一変形例において、処理装置1は、対象者10のスケジュールを管理する管理装置、対象者10の体の状態(体調)等を診断する診断装置等、入力装置5以外の装置からの情報の入力を受け付けてもよい。
【0099】
一変形例において、検知部11及び判別部111は、対象空間9内の対象者10の存否にかかわらず、対象物8の検知及び識別を行ってもよい。
【0100】
一変形例において、滞在予定期間における送風装置3の動作は、送風装置3から風の出力を停止する動作(第3動作)を含んでもよい。
【0101】
一変形例において、第2動作において、送風装置3は複数の対象物8に向けて風を出力してもよい。
【0102】
一変形例において、刺激発生システム100は第2制御部15を備えてなくてもよい。
【0103】
一変形例において、刺激発生システム100は第3制御部16を備えてなくてもよい。
【0104】
検知部11は、判別部111を備えていなくてもよい。例えば、刺激発生システム100を管理する管理者が、撮像装置21で撮像された画像から対象物8の種類を判別し、判別結果を処理装置1に入力してもよい。
【0105】
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様の刺激発生システム(100)は、検知部(11)と、出力決定部(12)と、制御部(第1制御部14)と、を備える。検知部(11)は、対象物(8)を検知する。対象物(8)は、対象空間(9)に存在し、送風装置(3)からの風が当たることによって動きを生じる物体である。出力決定部(12)は、検知部(11)で検知された対象物(8)に応じて、送風装置(3)からの風の出力態様を決定する。出力決定部(12)は、送風装置(3)からの風による対象物(8)の動きによって対象空間(9)に存在する対象者(10)に対して視覚刺激を与えるように、送風装置(3)からの風の出力態様を決定する。制御部は、出力決定部(12)で決定された出力態様に基づいて、送風装置(3)の動作を制御する。
【0106】
この態様によれば、対象者(10)を鎮静状態に誘導しやすいという利点がある。
【0107】
第2の態様の刺激発生システム(100)では、第1の態様において、検知部(11)は、判別部(111)を備える。判別部(111)は、対象物(8)の形状、対象物(8)の大きさ、対象物(8)の動きやすさ、及び対象物(8)の位置のうちの少なくとも一つに基づいて、対象物(8)の種類を判別する。出力決定部(12)は、判別部(111)で判別された対象物(8)の種類に応じて、出力態様を決定する。
【0108】
この態様によれば、判別部(111)で判別された対象物(8)の種類に応じて、適切な出力態様の風を送風装置(3)から出力させることが可能となる。
【0109】
第3の態様の刺激発生システム(100)は、第1又は第2の態様において、制御部としての第1制御部(14)に加えて、第2制御部(15)を更に備える。第2制御部(15)は、対象空間(9)の光環境を制御する光制御装置(4)の動作を制御する。
【0110】
この態様によれば、対象空間(9)の光環境を制御することで、対象者(10)を鎮静状態に誘導しやすくなるという利点がある。
【0111】
第4の態様の刺激発生システム(100)は、第1~第3のいずれか1つの態様において、受付部(第1受付部17)と、パターン決定部(13)と、を更に備える。受付部は、対象者(10)が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付ける。パターン決定部(13)は、受付部で受け付けた生理的状態に応じて、第1動作と第2動作とのうちの少なくとも一方を行うように、送風装置(3)の制御パターンを決定する。第1動作は、送風装置(3)からの風を対象者(10)に直接当てて対象者(10)に第1刺激を与える送風装置(3)の動作である。第2動作は、送風装置(3)からの風を対象物(8)に当てて対象物(8)の動きによる第2刺激を視覚刺激として対象者(10)に与える送風装置(3)の動作である。
【0112】
この態様によれば、対象者(10)を希望の生理的状態に誘導しやすいという利点がある。
【0113】
第5の態様の刺激発生システム(100)では、第4の態様において、パターン決定部(13)は、受付部が受け付けた生理的状態が覚醒状態の場合、第1動作を少なくとも行うように送風装置(3)の制御パターンを決定する。
【0114】
この態様によれば、対象者(10)を覚醒状態に誘導しやすいという利点がある。
【0115】
第6の態様の刺激発生システム(100)では、第4又は第5の態様において、パターン決定部(13)は、受付部が受け付けた生理的状態が鎮静状態の場合、第2動作を少なくとも行うように送風装置(3)の制御パターンを決定する。
【0116】
この態様によれば、対象者(10)を鎮静状態に誘導しやすいという利点がある。
【0117】
第7の態様の刺激発生システム(100)は、第4~第6のいずれか1つの態様において、受付部としての第1受付部(17)に加えて、第2受付部(18)を更に備える。第2受付部(18)は、対象者(10)が対象空間(9)に滞在する予定の期間である滞在予定期間に関する情報の入力を受け付ける。
【0118】
この態様によれば、滞在予定期間において、対象者(10)を覚醒状態に誘導しやすいという利点がある。
【0119】
第8の態様の刺激発生システム(100)では、第7の態様において、パターン決定部(13)は、滞在予定期間内において送風装置(3)が第1動作と第2動作との両方を異なるタイミングで行うように、送風装置(3)の制御パターンを決定する。
【0120】
この態様によれば、対象者(10)を鎮静状態に誘導しやすいという利点がある。
【0121】
第9の態様の刺激発生システム(100)では、第8の態様において、第1受付部(17)が受け付けた生理的状態が鎮静状態の場合、パターン決定部(13)は、以下のように、送風装置(3)の制御パターンを決定する。すなわち、パターン決定部(13)は、滞在予定期間を区分してなる複数のサブ期間のうちの最後のサブ期間に第2動作を行い、複数のサブ期間のうちで最後のサブ期間以外のいずれかのサブ期間に第1動作を行うように、送風装置(3)の制御パターンを決定する。
【0122】
この態様によれば、対象者(10)を無理なく鎮静状態に誘導しやすいという利点がある。
【0123】
第10の態様の刺激発生システム(100)は、第1~第9のいずれか1つの態様において、第1受付部(17)と第2受付部(18)とパターン決定部(13)とを更に備える。第1受付部(17)は、対象者(10)が希望する生理的状態に関する情報の入力を受け付ける。第2受付部(18)は、対象者(10)が対象空間(9)に滞在する予定の期間である滞在予定期間に関する情報の入力を受け付ける。パターン決定部(13)は、第1受付部(17)で受け付けた生理的状態に応じて、送風装置(3)の制御パターンを決定する。対象空間(9)には、対象物(8)として、送風装置(3)からの風による動きによって対象者(10)に対して異なる視覚刺激を与える第1対象物と第2対象物とが存在する。パターン決定部(13)は、滞在予定期間内において、送風装置(3)からの風を当てる対象が第1対象物から前記第2対象物へ変わるように、送風装置(3)の制御パターンを決定する。
【0124】
この態様によれば、対象者(10)を希望の生理的状態に誘導しやすいという利点がある。
【0125】
第11の態様の刺激発生システム(100)は、第1~第10のいずれか1つの態様において、対象物発生装置(6)を更に備える。対象物発生装置(6)は、対象空間(9)に対象物(8)が存在しないことを検知部(11)が検知した場合に、対象物(8)としての煙、ミスト、水蒸気又は泡を発生させる。
【0126】
この態様によれば、対象空間(9)に対象物(8)が存在していない場合であっても、対象者(10)に視覚刺激を与えることが可能となる。
【0127】
第12の態様の刺激発生システム(100)は、第1~第11のいずれか1つの態様において、送風装置(3)を更に備える。
【0128】
この態様によれば、対象者(10)を鎮静状態に誘導しやすいという利点がある。
【0129】
第13の態様の刺激発生方法は、検知ステップと、出力決定ステップと、制御ステップと、を含む。検知ステップは、対象物(8)を検知することを含む。対象物(8)は、対象空間(9)に存在し送風装置(3)からの風が当たることによって動きを生じる物体である。出力決定ステップは、検知ステップで検知された対象物(8)に応じて、送風装置(3)からの風の出力態様を決定することを含む。出力ステップは、送風装置(3)からの風による対象物(8)の動きによって対象空間(9)を利用する対象者(10)に対して視覚刺激を与えるように、送風装置(3)からの風の出力態様を決定することを含む。制御ステップは、出力決定ステップで決定された出力態様に基づいて送風装置(3)の動作を制御することを含む。
【0130】
この態様によれば、対象者(10)を鎮静状態に誘導しやすいという利点がある。
【0131】
第14の態様のプログラムは、1以上のプロセッサに、第13の態様の刺激発生方法を実行させるための、プログラムである。
【0132】
この態様によれば、対象者(10)を鎮静状態に誘導しやすいという利点がある。
【符号の説明】
【0133】
11 検知部
111 判別部
12 出力決定部
13 パターン決定部
14 第1制御部(制御部)
15 第2制御部
17 第1受付部(受付部)
18 第2受付部
3 送風装置
4 光制御装置
6 対象物発生装置
8 対象物
9 対象空間
10 対象者
100 刺激発生システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9