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特許7475010立体組み立て回路部品、立体組み立て回路構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】立体組み立て回路部品、立体組み立て回路構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20240419BHJP
   F21S 6/00 20060101ALI20240419BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240419BHJP
   F21Y 107/60 20160101ALN20240419BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240419BHJP
【FI】
H05K1/14 B
F21S6/00 501
F21V19/00 150
F21V19/00 170
H05K1/14 D
F21Y107:60
F21Y115:10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022007838
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2023106863
(43)【公開日】2023-08-02
【審査請求日】2023-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトの掲載日:令和3年1月26日 https://www.youtube.com/watch?v=xb8xAx7t25Q
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】310024066
【氏名又は名称】太陽インキ製造株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592013174
【氏名又は名称】大英エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】米田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】飯島 達也
(72)【発明者】
【氏名】杉田 直也
(72)【発明者】
【氏名】下川 あい
(72)【発明者】
【氏名】山本 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】北郷 和英
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-346041(JP,A)
【文献】実開平06-066063(JP,U)
【文献】特開2010-010600(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0071259(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
F21S 6/00
F21V 19/00
F21Y 107/60
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導体パターンが形成された第1の表面と第1の嵌合部とを有する第1の基板と、
第2の導体パターンが形成された第2の表面と第2の嵌合部とを有する第2の基板であって、前記第1の基板の少なくとも一部が前記第2の嵌合部に嵌合され、少なくとも一部が前記第1の嵌合部に嵌合されることで、前記第1の基板と立体構造を形成し、かつ前記第1の基板と電気的に接続される第2の基板と、
を備え、
前記第1の嵌合部は、第1の開放端部及び前記第1の開放端部から離隔した第1の閉塞部を有する第1の切欠き部を有し、
前記第2の嵌合部は、第2の開放端部及び前記第2の開放端部から離隔した第2の閉塞部を有する第2の切欠き部を有し、
前記第1の嵌合部は、前記第1の切欠き部から離隔する向きに前記第1の切欠き部の前記第1の閉塞部から延在する溝部を有し、
前記第2の切欠き部は、前記溝部と係合可能な係合部を有し、
第1の導体パターンが、前記第1の表面と前記溝部とに連続して形成され、
第2の導体パターンが、前記第2の表面と前記係合部とに連続して形成され、
前記溝部が前記第2の切欠き部に挟さまれた状態において、前記溝部と前記係合部とが係合することで、前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間に電気的接続が形成される、立体組み立て回路部品。
【請求項2】
前記溝部は、溝底部と前記溝底部を挟む溝テーパー部とを有し、
前記第2の切欠き部は、対向部を有し、
前記対向部は、天部と前記天部を挟む天テーパー部とを有し、
前記第1の導体パターンが、前記第1の表面と前記溝底部と前記溝テーパー部とに連続して形成され、
第2の導体パターンが、前記第2の表面と前記天部と前記天テーパー部とに連続して形成され、
前記溝部が前記第2の切欠き部に挟さまれた状態において、前記溝底部と前記天部とが係合し、前記溝テーパー部と前記天テーパー部とが係合することで、前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間に電気的接続が形成される、請求項1に記載の立体組み立て回路部品。
【請求項3】
前記立体構造が形成された状態において、前記第1の基板の法線の方向が、前記第2の基板の法線の方向と異なる、請求項2に記載の立体組み立て回路部品。
【請求項4】
前記第2の基板の少なくとも一部は、前記第1の切欠き部によって挟まれ、
前記第1の基板の少なくとも一部は、前記第2の切欠き部によって挟まれることで、前記立体構造が形成される、請求項3に記載の立体組み立て回路部品。
【請求項5】
前記第2の切欠き部が前記溝部によって案内されて、前記溝部は、前記第2の切欠き部によって挟まれる、請求項4に記載の立体組み立て回路部品。
【請求項6】
前記溝テーパー部は、前記第1の閉塞部に向かって前記溝部の溝幅が広がる導入テーパー部を有する、請求項2に記載の立体組み立て回路部品。
【請求項7】
第1の導体パターンが形成された第1の表面と第1の嵌合部とを有する第1の基板と、第2の導体パターンが形成された第2の表面と第2の嵌合部とを有する第2の基板であって、前記第1の基板の少なくとも一部が前記第2の嵌合部に嵌合され、少なくとも一部が前記第1の嵌合部に嵌合されることで、前記第1の基板と立体構造を形成可能で、かつ前記第1の基板と電気的に接続可能な第2の基板と、を含む立体組み立て回路キットであって、
前記第1の嵌合部は、第1の開放端部及び前記第1の開放端部から離隔した第1の閉塞部を有する第1の切欠き部を有し、
前記第2の嵌合部は、第2の開放端部及び前記第2の開放端部から離隔した第2の閉塞部を有する第2の切欠き部を有し、
前記第1の嵌合部は、前記第1の切欠き部から離隔する向きに前記第1の切欠き部の前記第1の閉塞部から延在する溝部を有し、
前記第2の切欠き部は、前記溝部と係合可能な係合部を有し、
第1の導体パターンが、前記第1の表面と前記溝部とに連続して形成され、
第2の導体パターンが、前記第2の表面と前記係合部とに連続して形成され、
前記溝部が前記第2の切欠き部に挟さまれた状態において、前記溝部と前記係合部とが係合することで、前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間に電気的接続が形成可能な、立体組み立て回路キット
【請求項8】
第1の導体パターンが形成された第1の表面と第1の嵌合部とを有する第1の基板と、第2の導体パターンが形成された第2の表面と第2の嵌合部とを有する第2の基板であって、前記第1の基板の少なくとも一部が前記第2の嵌合部に嵌合され、少なくとも一部が前記第1の嵌合部に嵌合されることで、前記第1の基板と立体構造を形成し、かつ前記第1の基板と電気的に接続される第2の基板と、を用いた立体組み立て構造であって、
前記第1の嵌合部は、第1の開放端部及び前記第1の開放端部から離隔した第1の閉塞部を有する第1の切欠き部を有し、
前記第2の嵌合部は、第2の開放端部及び前記第2の開放端部から離隔した第2の閉塞部を有する第2の切欠き部を有し、
前記第1の嵌合部は、前記第1の切欠き部から離隔する向きに前記第1の切欠き部の前記第1の閉塞部から延在する溝部を有し、
前記第2の切欠き部は、前記溝部と係合可能な係合部を有し、
第1の導体パターンが、前記第1の表面と前記溝部とに連続して形成され、
第2の導体パターンが、前記第2の表面と前記係合部とに連続して形成され、
前記溝部が前記第2の切欠き部に挟さまれた状態において、前記溝部と前記係合部とが係合することで、前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間に電気的接続が形成される、立体組み立て構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体組み立て回路部品及び立体組み立て回路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状のケースの外側面に、プリント基板とコンタクトピンとからなるコネクション部分を周方向に設け、複数の周方向からの電気的接続ができるようにした立体回路構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
折り曲げ可能な接続部を介して複数の回路基板が連結され、接続部を折り曲げることで複数の回路基板を多層にする構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-294316号公報
【文献】特開2001-7471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に挙げた立体回路構造は、コネクション部分のコンタクトピンに導線などを配線することで、プリント基板との回路を形成できるものであった。このため、配線用の導線などを準備したり結線したりする必要が生じた。
【0006】
また、特許文献2に挙げた構造は、複数の回路基板を接続部に事前に連結する必要があった。このため、回路基板の組み合わせの自由度が小さくならざるを得なかった。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものである。その目的は、簡便に回路を組み立てることができ、かつ、回路の組み合わせの自由度の高い回路構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による立体組み立て回路部品の特徴は、
第1の導体パターンが形成された第1の表面と第1の嵌合部を有する第1の基板と、
第2の導体パターンが形成された第2の表面と第2の嵌合部を有する第2の基板であって、前記第1の基板の少なくとも一部が前記第2の嵌合部に嵌合され、少なくとも一部が前記第1の嵌合部に嵌合されることで、前記第1の基板と立体構造を形成し、かつ前記第1の基板と電気的に接続される第2の基板と、
を備え、
前記第1の嵌合部は、第1の開放端部及び前記第1の開放端部から離隔した第1の閉塞部を有する第1の切欠き部を有し、
前記第2の嵌合部は、第2の開放端部及び前記第2の開放端部から離隔した第2の閉塞部を有する第2の切欠き部を有し、
前記第1の嵌合部は、前記第1の切欠き部から離隔する向きに前記第1の切欠き部の前記第1の閉塞部から延在する溝部を有し、
前記第2の切欠き部は、前記溝部と係合可能な係合部を有し、
第1の導体パターンが、前記第1の表面と前記溝部とに連続して形成され、
第2の導体パターンが、前記第2の表面と前記係合部とに連続して形成され、
前記溝部が前記第2の切欠き部に挟さまれた状態において、前記溝部と前記係合部とが係合することで、前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間に電気的接続が形成される、
ことである。
【発明の効果】
【0009】
簡便に回路を組み立てることができ、かつ、回路の組み合わせの自由度を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】立体組み立て回路部品10を組み立てた状態を示す斜視図である。
図2】電源部300から分離した状態を示す斜視図である。
図3】主基板100の全体を示す斜視図である。
図4】副基板200-1及び副基板200-2の全体を示す斜視図である。
図5】主基板100の全体を示す正面図である。
図6】主切欠き部120及び主溝部140を示す拡大図(A)と、図6(A)におけるA-A断面を示す断面図(B)と、図6(A)におけるB-B断面を示す断面図(C)とである。
図7】副基板200-1の全体を示す正面図である。
図8】主切欠き部220を示す拡大図(A)と、主切欠き部220を示す側面図と、図8(A)におけるC-C断面を示す断面図(C)とである。
図9】立体組み立て回路部品10用のキットの構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
<<第1の態様>>
第1の態様によれば、
導体パターン(例えば、後述する導体パターン170など)が形成されかつ第1の嵌合部(例えば、後述する主切欠き部120及び主溝部140など)を有する第1の基板(例えば、後述する主基板100など)と、
導体パターン(例えば、後述する導体パターン270など)が形成されかつ第2の嵌合部(例えば、後述する副切欠き部220など)を有する第2の基板(例えば、後述する副基板200など)であって、前記第1の基板の少なくとも一部が前記第2の嵌合部に嵌合され、少なくとも一部が前記第1の嵌合部に嵌合されることで、前記第1の基板と立体構造を形成し、かつ前記第1の基板と電気的に接続される第2の基板と、
を備える立体組み立て回路部品が提供される。
【0012】
第1の態様は、
導体パターンが形成されかつ第1の嵌合部を有する第1の基板と、
導体パターンが形成されかつ第2の嵌合部を有する第2の基板と、を備え、
前記第1の基板の少なくとも一部が前記第2の嵌合部に嵌合され、
前記第2の基板の少なくとも一部が前記第1の嵌合部に嵌合されることで、前記第1の基板と立体構造を形成し、かつ前記第1の基板と電気的に接続する、立体組み立て回路部品、と言い換えることもできる。
【0013】
第1の態様による立体組み立て回路部品は、第1の基板と第2の基板とを備える。
【0014】
第1の基板には、導体パターンが形成される。第1の基板は、第1の嵌合部を有する。
【0015】
第2の基板には、導体パターンが形成される。第2の基板は、第2の嵌合部を有する。
【0016】
第1の基板の少なくとも一部が第2の嵌合部に嵌合され、第2の基板の少なくとも一部が第1の嵌合部に嵌合されることによって、第1の基板と第2の基板とによる立体構造を形成する。この立体構造の形成により、第1の基板と第2の基板とが電気的に接続される。
【0017】
第1の基板と第2の基板との嵌合によって、第1の基板と第2の基板とを電気的に接続でき、簡便に回路を組み立てることができる。また、予め、回路の内容が互いに異なる複数種類の第1の基板と第2の基板とを準備することで、回路の組み合わせの自由度を高くすることができる。
【0018】
ここで、嵌合とは、第1の基板と第2の基板とが、嵌り合う関係をいう。固く嵌り合っても、緩く嵌り合ってもよい。嵌合状態を解除できるようにして、第1の基板と第2の基板とを着脱可能に嵌り合うのが好ましい。
【0019】
前記第1の嵌合部は、前記第2の基板を跨ぐのが好ましい。第1の嵌合部が、第2の基板を跨ぐことによって、第2の基板の少なくとも一部を第1の嵌合部に嵌合させることができる。
【0020】
前記第2の嵌合部は、前記第1の基板を跨ぐのが好ましい。第2の嵌合部が、第1の基板を跨ぐことによって、第1の基板の少なくとも一部を第2の嵌合部に嵌合させることができる。
【0021】
跨ぐとは、一方の部材が、他方の部材をわたる状態となることをいう。
【0022】
<<第2の態様>>
第2の態様は、第1の態様において、
前記立体構造が形成された状態において、前記第1の基板の法線(例えば、後述する+N1や-N1など)の方向が、前記第2の基板の法線(例えば、後述する+N2や-N2など)の方向と異なる。
【0023】
法線とは、ある面上の一点を通り、この点における接平面に対して垂直な直線(直交する直線)をいう。
【0024】
第1の基板の法線の方向が、第2の基板の法線の方向と異なればよい。第1の基板の法線の方向と第2の基板の法線の方向とのなす角は、0度を含まない角度であればよい。第1の基板の法線の方向と第2の基板の法線の方向とのなす角は、0度を含まない鋭角、直角、鈍角にすることができる。なす角に0度を含めないことで、第1の基板及び第2の基板によって立体構造を形成することができる。
【0025】
第1の基板をなす平面と、第2の基板をなす平面とが交わればよい。第1の基板と第2の基板との交線上に、第1の嵌合部及び第2の嵌合部が位置する。
【0026】
<<第3の態様>>
第3の態様は、第1の態様において、
前記第1の嵌合部は、第1の開放端部(例えば、後述する開放端部122など)及び前記第1の開放端部から離隔した第1の閉塞部(例えば、後述する閉塞端部124など)を有する第1の切欠き部(例えば、後述する主切欠き部120など)を有し、
前記第2の嵌合部は、第2の開放端部(例えば、後述する開放端部222など)及び前記第2の開放端部から離隔した第2の閉塞部(例えば、後述する閉塞端部224など)を有する第2の切欠き部(例えば、後述する副切欠き部220など)を有し、
前記第2の基板の少なくとも一部は、前記第1の切欠き部によって挟まれ、
前記第1の基板の少なくとも一部は、前記第2の切欠き部によって挟まれることで、前記立体構造が形成される。
【0027】
第2の基板の少なくとも一部を、第1の切欠き部によって挟み、第1の基板の少なくとも一部を、第2の切欠き部によって挟むことで、安定して立体構造を形成することができる。
【0028】
切欠きとは、第1の基板と第2の基板とを組み合わせる(接合)ために部材を切り取ったスリット状や溝状の部分をいう。切欠きは、細長く切り取ったスリット状の形状や溝状の形状などを有するものが好ましい。なお、細長くないスリットや溝などあっても、組み合わせる(接合)できる形状であればよい。さらに、切欠きは、細長い切り口や、裂け目やすき間や切り込みなどが好ましい。第1の切欠き部及び第2の切欠き部は、U字状のスリットや溝やV字状のスリットや溝などにすることができる。第1の基板及び第2の基板を安定して嵌合できる形状であればよい。
【0029】
また、前記立体構造が形成された状態において、前記第1の閉塞部が前記第2の閉塞部と向かい合う。前記第1の閉塞部と前記第2の閉塞部とが接触するのが好ましい。第1の基板と第2の基板とを一定の位置に嵌合することができる。
【0030】
<<第4の態様>>
第4の態様は、第3の態様において、
前記第1の嵌合部は、前記第1の切欠き部から離隔する向きに前記第1の切欠き部の前記第1の閉塞部から延在する溝部(例えば、後述する主溝部140など)を有し、
前記第2の切欠き部が前記溝部によって案内されて、前記溝部は、前記第2の切欠き部によって挟まれる。
【0031】
前記第1の嵌合部は、溝部を有する。溝部は、第1の切欠き部の第1の閉塞部から延在する。溝部は、第1の切欠き部から離隔する向きに延在する。
【0032】
第2の切欠き部は、溝部によって案内される。溝部は、案内されて、第2の切欠き部によって挟まれる。案内によって、第2の切欠き部を再現よく移動させて、溝部を挟むことができる。
【0033】
<<第5の態様>>
第5の態様は、第4の態様において、
前記溝部は、少なくとも一部に導体パターンによって形成された少なくとも1つの第1の導体部(例えば、後述する導体パターン170など)を有し、
前記第2の切欠き部は、少なくとも一部に導体パターンによって形成された少なくとも1つの第2の導体部(例えば、後述する導体パターン270など)を有し、
前記溝部が前記第2の切欠き部に挟さまれた状態において、前記第1の導体部と前記第2の導体部との間に電気的接続が形成される。
【0034】
前記溝部は、少なくとも1つの第1の導体部を有する。第2の切欠き部は、少なくとも1つの第2の導体部を有する。溝部が第2の切欠き部に挟さまれたときには、第1の導体部と第2の導体部とは、電気的に接続される。第1の基板と第2の基板とを組み立てることによって、第1の基板及び第2の基板の全体で、所望する電子回路を形成できる。
【0035】
<<第6の態様>>
第6の態様は、第5の態様において、
前記溝部は、溝底部(例えば、後述する溝底部144など)と前記溝底部を挟む溝テーパー部(例えば、後述する主係合テーパー部142aや142bなど)とを有し、
前記溝テーパー部は、前記少なくとも1つの第1の導体部を有し、
前記第2の切欠き部は、前記溝部に向かい合う対向部(例えば、後述する第1の切欠き壁部226aなど)を有し、
前記対向部は、天部(例えば、後述する切欠き天部244など)と前記天部を挟む天テーパー部(例えば、後述する副係合テーパー部242a及び242bなど)とを有し、
前記天テーパー部は、前記少なくとも1つの第2の導体部を有する。
【0036】
溝テーパー部の第1の導体部と、天テーパー部の第2の導体部とは、向かい合って接触する。
【0037】
溝テーパー部は、溝底部に対して斜めに形成されている。天テーパー部は、天部に対して斜めに形成されている。
【0038】
<<第7の態様>>
第7の態様は、第6の態様において、
前記溝テーパー部は、前記第1の閉塞部に向かって前記溝部の溝幅が広がる溝幅テーパー部(例えば、後述する導入テーパー部132a及び132bなど)を有する。
【0039】
溝テーパー部は、溝幅テーパー部を有する。第2の切欠き部は、溝幅テーパー部によって案内される。第2の切欠き部を安定して溝部に導くことができる。
【0040】
<<第8の態様>>
第8の態様によれば、
導体パターンが形成されかつ第1の嵌合部を有する第1の基板と、
導体パターンが形成されかつ第2の嵌合部を有する第2の基板であって、前記第1の基板の少なくとも一部が前記第2の嵌合部に嵌合され、少なくとも一部が前記第1の嵌合部に嵌合されることで、前記第1の基板と立体構造が形成可能で、かつ前記第1の基板と電気的に接続可能な第2の基板と、を含む立体組み立て回路キットが提供される。
【0041】
<<第9の態様>>
第9の態様によれば、
導体パターンが形成されかつ第1の嵌合部を有する第1の基板と、導体パターンが形成されかつ第2の嵌合部を有する第2の基板と、を用いた立体組み立て構造であって、
前記第1の基板の少なくとも一部が前記第2の嵌合部に嵌合される第1の嵌合と、
前記第2の基板の少なくとも一部が前記第1の嵌合部に嵌合される第2の嵌合と、
前記第1の嵌合と前記第2の嵌合とによって形成される立体構造により前記第1の基板と前記第2の基板とが電気的に接続される電気的接続と、を含む立体組み立て構造が提供される。
【0042】
<<<<<本実施の形態の詳細>>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0043】
<<<<立体組み立て回路部品10>>>>
本実施の形態による立体組み立て回路部品10は、主基板100と副基板200と電源部300とを有する。立体組み立て回路部品10は、少なくとも1つの主基板100と副基板200と電源部300とを有する。以下では、一例として、1つの主基板100と、2つの副基板200-1及び200-2と、1つの電源部300とによって、立体組み立て回路部品10を組み立てる場合について説明する。なお、2つの副基板200-1及び200-2を区別する必要がない場合には、単に副基板200と称する。
【0044】
立体組み立て回路部品10は、主基板100と副基板200と電源部300とを組み立てることで、接触部分で電気的に接続させて、全体として電子回路や電気回路を形成し、発光による装飾品として機能する。なお、立体組み立て回路部品10は、発光による装飾品だけでなく、組み立てによって電気的に接続させて、全体として電子回路や電気回路を形成するものであればよい。
【0045】
<<<方向等>>>
<面内方向SD>
面内方向SDとは、表面に沿った方向で、2次元平面に沿った方向である。例えば、主基板100の第1の主基板表面112aや第2の主基板表面112bに沿った方向や、副基板200の第1の副基板表面212aや第2の副基板表面212bに沿った方向などをいう。
【0046】
<厚み方向TD又は板厚方向TD>
厚み方向TD又は板厚方向TDは、表面方向に対して垂直な方向をいう。例えば、主基板100の主基板側面116に沿った方向や、副基板200の副基板側面216に沿った方向などをいう。
【0047】
<溝幅方向WD>
溝幅方向WDは、溝の幅に平行な方向をいう。例えば、主基板100の主溝部140の幅の方向などをいう。
【0048】
<外側OW>
外側OWは、対象物内の領域でありかつ対象物の外部と接する領域や対象物の外部に近い領域をいう。外側OWは、あくまでも、対象物に含まれる領域であり、対象物に含まれない領域ではない。なお、対象物の外側OWの一部に開口や溝や貫通孔などの空の領域を含んでも、全体として対象物が存在する領域であれば、外側OWに含まれる。具体的には、対象物の中心から最外周までの直線距離で1/2や2/3や3/4を超えた領域を外側OWとすることができる。
【0049】
例えば、外側OWは、主基板100に含まれる領域であり、かつ、主基板100の外部と接する領域や主基板100の外部に近い領域をいう。また、外側OWは、副基板200に含まれる領域であり、かつ、副基板200の外部と接する領域や副基板200の外部に近い領域をいう。
【0050】
<内側IW>
内側IWは、対象物内の領域でありかつ外側OWを含まない領域をいう。なお、対象物の内側IWの一部に開口や溝や貫通孔などの空の領域を含んでも、全体として対象物が存在する領域であれば、内側IWに含まれる。具体的には、対象物の中心から最外周までの直線距離で1/2や2/3や3/4までの領域を内側IWとすることができる。
【0051】
例えば、内側IWは、主基板100に含まれる領域であり、かつ主基板100の外側OWを含まない領域をいう。また、内側IWは、副基板200に含まれる領域であり、かつ副基板200の外側OWを含まない領域をいう。
【0052】
<切欠き方向ND(副基板200の移動方向)>
切欠き方向NDは、切欠きが延在する方向である。切欠きは、例えば、細長く切り取ったスリット状の形状や溝状の形状などをいう。細長くなくてもよい。切欠きが延在する方向は、切欠きを画定する切欠き壁などが延在する方向である。
【0053】
切欠き方向NDは、主基板100の主切欠き部120が延在する方向や、主切欠き部120を画定する第1の切欠き壁部126aや第2の切欠き壁部126bが延在する方向をいう。また、副基板200の副切欠き部220が延在する方向や、副切欠き部220を画定する第1の切欠き壁部226aや第2の切欠き壁部226bが延在する方向をいう。
【0054】
なお、本実施の形態において、主基板100の主切欠き部120の切欠き方向NDは、副基板200が、主切欠き部120や主溝部140によって案内される方向と同じ方向である。切欠き方向NDは、副基板200が移動可能な方向となる。
【0055】
<<<主基板100(第1の基板)>>>
<<主基板100の全体的な形状、材質、機能・役割等>>
主基板100は、板状の形状を有する。主基板100は、おおよそ一定の厚さを有する。主基板100は、一定の薄い直方体状の形状を有する。主基板100は、一定の輪郭を有する。
【0056】
主基板100は、LED発光素子などの光源体172を有する。主基板100は、光源体から光を発する。主基板100は、電飾部材として機能する。
【0057】
なお、主基板100は、所望する任意の形状にすることができる。例えば、主基板100は、動植物を模した形状や、乗り物、その他の形状を有することができる。
【0058】
<<第1の主基板表面112a、第2の主基板表面112b、主基板側面116>>
図1図2図3に示すように、主基板100は、第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112b並びに主基板側面116を有する。
【0059】
<第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112b>
第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bは、互いに平行に配置される。第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bは、主に主基板100の全体に亘って延在する。第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bは、主に、主面として機能する。第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bによって、主基板100の板面をなす。
【0060】
<第1の主基板表面112aの法線+N1及び第2の主基板表面112bの法線-N1>
第1の主基板表面112aの法線+N1は、第1の主基板表面112a上の一点を通り、この点における接平面(第1の主基板表面112aなど)に対して垂直な直線(直交する直線)である。
【0061】
第2の主基板表面112bの法線-N1は、第2の主基板表面112b上の一点を通り、この点における接平面(第2の主基板表面112bなど)に対して垂直な直線(直交する直線)である。
【0062】
<主基板側面116>
主基板側面116は、主基板100の側面であり、主基板100の最外周を一周に亘って延在する面である。主基板側面116は、第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bの双方に対して垂直に配置される。主基板側面116は、第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bによって挟まれる。
【0063】
主基板側面116の幅(第1の主基板表面112aと第2の主基板表面112bとを結ぶ最も短い長さ)によって、主基板100の外周部分の厚みが画定される。主基板側面116は、主基板100の最外周部を画定する。主基板側面116は、主基板100の輪郭の形状を画定する。
【0064】
<<主基板100の材料等>>
主基板100は、プラスチックなどの樹脂によって形成される。主基板100は、他の材料でもよい。主基板100は、全体に亘って同一の材料で形成されても、互いに異なる材料を組み合わせ形成されてもよい。
【0065】
主基板100の材料は、所望する形状に加工しやすく、表面に導電パターンを形成でき、一定の形状を安定して維持できるものであればよい。例えば、レーザー加工などによって、所望する形状にすることができる。
【0066】
<<主切欠き部120-1及び主溝部140-1、主切欠き部120-2及び主溝部140-2>>
主基板100は、主切欠き部120-1及び主溝部140-1、並びに主切欠き部120-2及び主溝部140-2を有する。なお、本実施の形態では、主基板100が2つの主切欠き部及び主溝部を有する例を示したが、主切欠き部及び主溝部の数は、これに限られない。主切欠き部及び主溝部の数は、1つでも複数でもよい。
【0067】
主切欠き部120-1及び主溝部140-1は、副基板200-1を主基板100に取り付けるときに案内する案内部として機能する。主切欠き部120-2及び主溝部140-2は、副基板200-2を主基板100に取り付けるときに案内する案内部として機能する。主切欠き部120-2は、主切欠き部120-1と同様の構成及び機能を有する。主溝部140-2は、主溝部140-1と同様の構成及び機能を有する。
【0068】
以下では、説明の簡便のため、主切欠き部120-1及び主溝部140-1について説明する。単に、主切欠き部120及び主溝部140と称する。
【0069】
<第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112b>
主切欠き部120は、第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bにおいて略U状の輪郭を有する。主切欠き部120は、長尺な形状を有する。主切欠き部120は、主基板側面116から切欠き方向NDに沿って内側に向かって形成される。主切欠き部120は、主基板側面116から内側に向かって形成される凹部である。主切欠き部120は、板厚方向TDに沿って貫通する。切欠き方向NDに沿って延在する主切欠き部120の長さ(主基板側面116からの深さ)は問わない。
【0070】
図5に示すように、主切欠き部120は、開放端部122と閉塞端部124とを有する。開放端部122は、主基板100の最外周部に位置する。閉塞端部124は、主基板100の内側の一定の位置に位置する。開放端部122と閉塞端部124とは離隔している。主切欠き部120は、長尺な形状を有する。主切欠き部120は、正面視で略U字状の形状を有する。主切欠き部120は、副基板200を挟んで取り付けることができればよく、長尺でなくてもよい。
【0071】
主切欠き部120は、互いに離隔して向かい合う第1の切欠き壁部126a及び第2の切欠き壁部126bを有する。第1の切欠き壁部126aと第2の切欠き壁部126bとは、互いに離隔し平行に配置される。第1の切欠き壁部126aと第2の切欠き壁部126bとの間隔は、おおよそ副基板200の厚さを有する。後述するように、第1の切欠き壁部126aと第2の切欠き壁部126bとの間に副基板200の一部が挟まれる。第1の切欠き壁部126aと第2の切欠き壁部126bとは、長尺な形状を有する。第1の切欠き壁部126a及び第2の切欠き壁部126bに挟まれた空間によって、主切欠き部120のおおよその輪郭が画定される。
【0072】
第1の切欠き壁部126a及び第2の切欠き壁部126bは、閉塞端部124を介して連結する。第1の切欠き壁部126a及び第2の切欠き壁部126bの主基板側面116における端部が、開放端部122となる。
【0073】
<主溝部140>
図3及び図5に示すように、主溝部140は、第1の主基板表面112a側に形成される。主溝部140は、主切欠き部120と異なり、板厚方向TDに沿って貫通せず、板厚方向TDに所定の深さを有する。主溝部140は、切欠き方向NDに沿って第1の主基板表面112a上に延在する。
【0074】
主溝部140は、長尺な形状を有する。主溝部140は、副基板200を案内することができればよく、長尺でなくてもよい。
【0075】
主溝部140は、切欠き方向ND上に主切欠き部120と直列に位置する。主溝部140と主切欠き部120とは、一の直線状に位置付けられる。主溝部140及び主切欠き部120は、副基板200を一の直線状(切欠き方向ND)に沿って案内する案内部(嵌合部)として機能する。
【0076】
主溝部140は、切欠き方向NDに内側端部146と外側端部148とを有する。なお、本実施の形態では、内側端部146は、閉塞端部124と一致する。外側端部148は、主基板側面116に位置する(図5参照)。
【0077】
図6(A)及び(B)に示すように、主溝部140は、2つの主係合テーパー部142a及び142b並びに溝底部144を有する。副基板200の第1の切欠き壁部226aは、2つの主係合テーパー部142a及び142b並びに溝底部144によって主溝部140を切欠き方向NDに沿って案内される。
【0078】
<主係合テーパー部142a及び142b>
図6(A)及び(C)に示すように、2つの主係合テーパー部142a及び142bは、内側端部146から外側端部148まで形成されている。2つの主係合テーパー部142a及び142bは、溝底部144に対して傾斜する(図6(B)参照)。2つの主係合テーパー部142a及び142bは、溝底部144から溝幅方向に沿って離れるに従って、厚み方向TDに沿って溝底部144よりも高くなる。言い換えれば、2つの主係合テーパー部142a及び142bは、溝底部144から溝幅方向に沿って離れるに従って、第1の切欠き壁部126a及び126bに近づく。
【0079】
例えば、2つの主係合テーパー部142a及び142bの法線方向は、溝底部144の法線方向に対して45度をなす(図6(B)参照)。2つの主係合テーパー部142a及び142bは、溝底部144を挟んで向かい合う。主係合テーパー部142a及び142bの方向は、溝底部144に対して傾いていればよく、他の方向でもよい。
【0080】
図6(A)及び(C)に示すように、主係合テーパー部142a及び142bは、切欠き方向NDに沿って、内側端部146から外側端部148に至るまで形成されている。主係合テーパー部142a及び142bは、副基板200の第1の切欠き壁部226aを内側端部146から外側端部148まで円滑に案内することができる。
【0081】
<溝底部144>
図6(A)に示すように、溝底部144は、主係合テーパー部142a及び142bの間に位置する。溝底部144は、内側端部146から外側端部148まで形成されている。溝底部144は、切欠き方向NDに沿って、溝平行部152と溝傾斜部154とを有する。図6(C)に示すように、溝平行部152は、第1の主基板表面112aや第2の主基板表面112bに対して平行に切欠き方向NDに沿って延在する。
【0082】
溝傾斜部154は、溝平行部152に対して傾斜する。溝傾斜部154は、第1の主基板表面112aや第2の主基板表面112bに対して傾斜する。溝傾斜部154によって、副基板200を溝平行部152に向かって円滑に案内することができる。溝底部144は、溝平行部152と溝傾斜部154とによって、屈曲部153で屈曲する形状を有する。溝平行部152の法線N3と、溝傾斜部154の法線N4とのなす角は鋭角である。副基板200を溝平行部152に向かって円滑に案内できれば、溝平行部152の法線N3と、溝傾斜部154の法線N4とのなす角は任意の角度にすることができる。
【0083】
溝傾斜部154は、屈曲部153から内側端部146に向かうに従って、板厚方向TDに沿って低くなる。言い換えれば溝傾斜部154は、屈曲部153から内側端部146に向かうに従って、第2の主基板表面112bに近づく。
【0084】
前述したように、外側端部148は、主基板側面116に位置する。図1及び図2に示すように、外側端部148を超えた主溝部140の外部に達するまで副基板200を取り付けることができる。
【0085】
<導入テーパー部132a及び132b>
図6(A)及び(C)に示すように、主溝部140は、溝傾斜部154に導入テーパー部132a及び132bを有する。図6(A)に示すように、導入テーパー部132a及び132bは、溝傾斜部154において、屈曲部153から内側端部146に向かうに従って溝幅方向WDに沿って互いに離隔する。主溝部140の溝幅は、内側端部146から屈曲部153に向かうに従って溝幅方向WDに沿って狭まる。主溝部140の溝幅は、屈曲部153から内側端部146に向かうに従って溝幅方向WDに沿って拡がる。導入テーパー部132a及び132bによって、切欠き方向NDに対して垂直な主溝部140の溝幅方向WD(図6(A)参照)について、副基板200を主溝部140に円滑に案内することができる。
【0086】
<<導入案内部150>
前述した導入テーパー部132a及び132b、溝傾斜部154、並びに主係合テーパー部142a及び142bによって導入案内部150が構成される。導入案内部150は、副切欠き部220の第1の切欠き壁部226aを主溝部140に円滑に案内する。
【0087】
<導入テーパー部132a及び132b並びに主係合テーパー部142a及び142bの機能>
導入テーパー部132a及び132b並びに主係合テーパー部142a及び142bは、副切欠き部220の第1の切欠き壁部226aの姿勢を溝幅方向WDについて調整する。
【0088】
<溝傾斜部154の機能>
溝傾斜部154は、副切欠き部220の第1の切欠き壁部226aの姿勢を厚み方向TDについて調整する。
【0089】
このように、導入案内部150は、副切欠き部220の第1の切欠き壁部226aの姿勢を調整して、溝平行部152に向かって円滑に案内する。
【0090】
<<導体パターン170a及び170b>>
主基板100は、導体パターン170a及び170bを有する。導体パターン170a及び170bは、主に、主基板100の第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bに沿って形成される。導体パターン170a及び170bは、導電材料によって形成される。導体パターン170a及び170bは、電気回路や電子回路の配線(配線パターン)として機能する。導体パターンは、電源電力を供給したり、各種の制御信号を電気部品や電子部品に伝えたりする。なお、電気回路は、受動素子のみで構成された回路をいう。電子回路は、受動素子と能動素子で構成された回路をいう。主基板100に形成される導体パターンで構成される回路は、電気回路でも電子回路でもよい。
【0091】
<<電子部品など>>
導体パターンに受動素子や能動素子を設けることができる。導体パターンと受動素子や能動素子との間に電気的接続を形成することができる。受動素子や能動素子の電気的接続により、所望する電気回路や電子回路を主基板100に構成することができる。
【0092】
例えば、能動素子として、LED発光素子などの光源体172がある。そのほか、受動素子や能動素子は、抵抗、コンデンサー、集積回路など各種の素子にすることができる。搭載した素子によって制御回路180を構成することができる。制御回路180によって、光源体172の発光を制御できる。
【0093】
<ソルダーレジスト>
ソルダーレジストは、導電パターンの一部を被覆する。ソルダーレジストは、導体パターンの保護膜として、ほこりや熱、湿気などから保護し、絶縁性を維持する。ソルダーレジストの膜厚は、ソルダーレジストを導電パターンの保護膜として機能させることができる程度であればよい。なお、ソルダーレジストは、導電パターンのうちの電気的接続部(接点)となる部分には被覆されない。電気的接続部は、主基板100と副基板200とが電気的に接続される部分である。
【0094】
<ソルダーレジストの種類>
ソルダーレジストには、アルカリ現像型ソルダーレジストや、UV硬化型ソルダーレジストや、熱硬化型ソルダーレジストなどがある。適宜に選択して用いればよい。
【0095】
<ソルダーレジストの塗布方法>
ソルダーレジストの塗布には、スクリーン印刷法や、スプレーコート法や、カーテンコート法などがある。適宜に選択して用いればよい。
【0096】
<<<副基板200(副基板200-1及び200-2)(第2の基板)>>>
<<副基板200の全体的な形状、材質、機能・役割等>>
副基板200-1及び200-2は、板状の形状を有する。副基板200-1及び-2は、おおよそ一定の厚さを有する。副基板200-1は、一定の薄い略U字状の形状を有する。副基板200-2は、一定の薄い略V字状の形状を有する。副基板200-1及び200-2は、一定の輪郭を有する。副基板200-1及び副基板200-2は、同様の構成及び機能を有する。以下では、副基板200-1を中心に説明する。単に、副基板200と称する。
【0097】
副基板200は、LED発光素子などの光源体272を有する。副基板200は、光源体から光を発する。副基板200は、電飾部材として機能する。
【0098】
なお、副基板200も、主基板100と同様に、所望する任意の形状にすることができる。副基板200は、動植物を模した形状や、乗り物、その他の形状を有することができる。
【0099】
<<第1の副基板表面212a、第2の副基板表面212b、副基板側面216>>
副基板200は、第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212b並びに副基板側面216を有する。
【0100】
<第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212b>
第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212bは、互いに平行に配置される。第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212bは、主に副基板200の全体に亘って延在する。第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212bは、主に、主面として機能する。第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212bによって、副基板200の板面をなす。
【0101】
<第1の副基板表面212aの法線+N2及び第2の副基板表面212bの法線-N2>
図1図2及び図4に示すように、第1の副基板表面212aの法線+N2は、第1の副板表面212a上の一点を通り、この点における接平面(第1の副基板表面212aなど)に対して垂直な直線(直交する直線)である。
【0102】
第2の副基板表面212bの法線-N2は、第2の副基板表面212b上の一点を通り、この点における接平面(第2の副基板表面212bなど)に対して垂直な直線(直交する直線)である。
【0103】
<副基板側面216>
副基板側面216は、副基板200の側面であり、副基板200の最外周を一周に亘って延在する面である。副基板側面216は、第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212bの双方に対して垂直に配置される。副基板側面216は、第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212bによって挟まれる。
【0104】
副基板側面216の幅(第1の副基板表面212aと第2の副基板表面212bとを結ぶ最も短い長さ)によって、副基板200の外周部分の厚みが画定される。副基板側面216は、副基板200の最外周部を画定する。副基板側面216は、副基板200の輪郭の形状を画定する。
【0105】
<<副基板200の材料等>>
副基板200は、プラスチックなどの樹脂によって形成される。副基板200は、他の材料でもよい。副基板200は、全体に亘って同一の材料で形成されても、互いに異なる材料を組み合わせ形成されてもよい。
【0106】
副基板200は、所望する形状に加工しやすく、表面に導電パターンを形成でき、一定の形状を安定して維持できるものであればよい。副基板200は、主基板100と異なる材料で形成されてもよい。
【0107】
<<副切欠き部220>>
副基板200は、副切欠き部220を有する。副切欠き部220は、副基板200を主基板100に取り付けるときに、主基板100の主溝部140によって案内される被案内部として機能する。なお、本実施の形態では、副基板200が1つの副切欠き部220を有する例を示したが、副切欠き部220の数は、これに限られない。副切欠き部220の数は、複数でもよい。
【0108】
<第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212b>
図4及び図7に示すように、副切欠き部220は、第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212bにおいて略U状の輪郭を有する。副切欠き部220は、長尺な形状を有する。副切欠き部220は、副基板側面216から切欠き方向NDに沿って内側に向かって形成される。副切欠き部220は、副基板側面216から内側に向かって形成される凹部である。副切欠き部220は、板厚方向TDに沿って貫通する。切欠き方向NDに沿って延在する副切欠き部220の長さ(副基板側面216からの深さ)は問わない。
【0109】
図4図7及び図8に示すように、副切欠き部220は、開放端部222と閉塞端部224とを有する。開放端部222は、副基板200の最外周部(副基板側面216)に位置する。閉塞端部224は、副基板200の内側の一定の位置に位置する。開放端部222と閉塞端部224とは離隔している。副切欠き部220は、長尺な形状を有する。副切欠き部220は、正面視で略U字状の形状を有する。副切欠き部220は、主基板100を挟んで取り付けることができればよく、長尺でなくてもよい。
【0110】
図7及び図8に示すように、副切欠き部220は、互いに離隔して向かい合う第1の切欠き壁部226a及び第2の切欠き壁部226bを有する。第1の切欠き壁部226aと第2の切欠き壁部226bとは、互いに離隔し平行に配置される。第1の切欠き壁部226aと第2の切欠き壁部226bとの間隔は、おおよそ主基板100の厚さを有する。第1の切欠き壁部226aと第2の切欠き壁部226bとの間に主基板100の一部が挟まれる。第1の切欠き壁部226aと第2の切欠き壁部226bとは、長尺な形状を有する。第1の切欠き壁部226a及び第2の切欠き壁部226bに挟まれた空間によって、副切欠き部220のおおよその輪郭が画定される。
【0111】
第1の切欠き壁部226a及び第2の切欠き壁部226bは、閉塞端部224を介して連結する。第1の切欠き壁部226a及び第2の切欠き壁部226bの副基板側面216における端部が、開放端部222となる。
【0112】
<切欠き平行部252及び切欠き傾斜部254>
図7及び図8に示すように、第1の切欠き壁部226aは、切欠き方向NDに沿って、切欠き平行部252と切欠き傾斜部254とを有する。切欠き平行部252は、第2の切欠き壁部226bに対して平行に切欠き方向NDに沿って延在する。切欠き傾斜部254は、切欠き平行部252に対して傾斜する。切欠き傾斜部254は、第2の切欠き壁部226bに対して傾斜する。第1の切欠き壁部226aは、切欠き平行部252と切欠き傾斜部254とによって、屈曲部253で屈曲する形状を有する。切欠き平行部252の法線N5と、切欠き傾斜部254の法線N6とのなす角は鋭角である。切欠き平行部252の法線N5と、切欠き傾斜部254の法線N6とのなす角は、第1の切欠き壁部226aが主溝部140を円滑に移動できれば、任意の角度にすることができる。
【0113】
切欠き平行部252と第2の切欠き壁部226bとの間隔は一定である。切欠き傾斜部254は、屈曲部253から閉塞端部224に向かうに従って、切欠き壁部226bに近づく。切欠き傾斜部254と第2の切欠き壁部226bとの間隔は、閉塞端部224に向かうに従って短くなる。すなわち、切欠き傾斜部254によって、第1の切欠き壁部226a及び第2の切欠き壁部226bの間隔は、開放端部222から閉塞端部224に向かうに従って狭まる。
【0114】
<副係合テーパー部242a及び242b並びに切欠き天部244>
図8(B)及び(C)に示すように、第1の切欠き壁部226aは、2つの副係合テーパー部242a及び242b並びに切欠き天部244を有する。
【0115】
図8(C)に示すように、2つの副係合テーパー部242a及び242bは、開放端部222から閉塞端部224まで形成されている。2つの副係合テーパー部242a及び242bは、切欠き天部244に対して傾斜する。2つの副係合テーパー部242a及び242bは、厚み方向TDに沿って切欠き天部244から互いに離隔するに従って、第2の切欠き壁部226bから離れる。
【0116】
例えば、図8(B)に示すように、2つの副係合テーパー部242a及び242bの法線方向は、切欠き天部244の法線方向に対して45度をなす。2つの副係合テーパー部242a及び242bは、切欠き天部244を挟んで向かい合う。2つの副係合テーパー部242a及び242bの方向は、切欠き天部244に対して傾いていればよく、他の方向でもよい。
【0117】
前述したように、第1の切欠き壁部226aは、切欠き方向NDに沿って、切欠き平行部252と切欠き傾斜部254とを有する。副係合テーパー部242a及び242b並びに切欠き天部244は、切欠き平行部252と切欠き傾斜部254とに沿って形成される。副係合テーパー部242a及び242bは、屈曲部253で屈曲する。切欠き天部244も、屈曲部253で屈曲する。
【0118】
<<導体パターン270a及び270b、電子部品、ソルダーレジストなど>>
副基板200も、主基板100と同様に、導体パターン270a及び270b、電子部品など、ソルダーレジストを有する。これらは、主基板100と同様の構成及び機能を有する。導体パターン270a及び270bは、主に、副基板200の第1の副基板表面212a及び第2の副基板表面212bに沿って形成される。
【0119】
例えば、副基板200は、電子部品として、LED発光素子などの光源体272を有する。電子部品は、LED発光素子などに限られず、各種の所望の能動素子や受動素子にすることができる。
【0120】
<<<電源部300>>>
本実施の形態では、電源部300は、主基板100及び副基板200に対して着脱可能に別体に形成される。さらに、電源部300は、主基板100を所定の姿勢に保つスタンドとして機能する。
【0121】
電源部300は、複数の板状の部材を組み立てられる。板状の部材は、主基板100及び副基板200と同様である。電源部300は、ボタン型電池などの電池(図示せず)を収納する収納部を有する。電源部300は、電池から給電するための導体パターンが表面に形成されている。電源部300は、主基板100に取り付けられることで、主基板100に給電できる。
【0122】
電源部300は、商用電源の電圧を所定の電圧に変換するアダプターを有してもよい。
【0123】
<突条部310>
電源部300は、上端部に互いに向かい合う突条部310を有する。突条部310は、長尺な形状を有する。突条部310の長手方向は、主基板100の着脱方向に沿った方向である。突条部310は、主基板100の下部に設けられた凹部160と係合して、主基板100を案内する。主基板100は、突条部310によって案内されることで、電源部300の所定の位置に位置付けられる。主基板100の導体パターンと電源部300の導体パターンとの間で、的確に電気的接続が形成される。電源部300は、電気的接続により、主基板100に給電する。
【0124】
<突起320>
電源部300は、互いに向かい合う突起320を有する。向かい合う突起320は、主基板100を押圧して、主基板100を安定して保持する。主基板100の導体パターンと電源部300の導体パターンとの間の電気的接続を安定させる。
【0125】
<<<立体組み立て回路部品10を組み立て>>>
以下に示す使用者の組み立て作業によって、立体組み立て回路部品10を組み立てることができる。なお、ここでは、副基板200-1を主切欠き部120-1に取り付ける例を示す。同様の作業によって、副基板200-2を主切欠き部120-2に取り付けることができる。
【0126】
<<組み立ての手順1(主基板100及び副基板200-1の向きの調整など)>>
まず、副基板200-1の副切欠き部220の第1の切欠き壁部226aが、主基板100の第1の主基板表面112aに対応し、副基板200-1の副切欠き部220の第1の切欠き壁部226bが、主基板100の第2の主基板表面112bに対応するように、主基板100の向きと副基板200-1の向きとを整合させる。
【0127】
次に、主基板100の主切欠き部120-1に、副基板200-1の副切欠き部220に向かい合うように位置づける。具体的には、主切欠き部120-1の開放端部122と副切欠き部220の開放端部222とが向かい合うようにする。
【0128】
さらに、主基板100の法線の方向+N1(-N1)と、副基板200の法線の方向+N2(-N2)とが直角になるように、主基板100及び副基板200-1を配置する。
【0129】
<<組み立ての手順2(主基板100及び副基板200-1の位置の調整など)>>
次に、副基板200-1を主基板100に近づける。具体的には、主基板100の主切欠き部120の閉塞端部124と、副基板200-1の副切欠き部220の閉塞端部224とが、互いに向かい合い、かつ、主切欠き部120と副切欠き部220とが互いに跨り合うようにして、主基板100と副基板200-1とを近づける。
【0130】
主基板100と副基板200-1とを近づけることで、副基板200-1の副切欠き部220の開放端部222が、主基板100の主切欠き部120の開放端部122に近づく。
【0131】
<<組み立ての手順3(主基板100及び副基板200-1の位置の調整など)>>
次に、副基板200-1の副切欠き部220の第1の切欠き壁部226aが、主基板100の主溝部140の溝傾斜部154に近づき、副基板200-1の副切欠き部220の第1の切欠き壁部226bが、主基板100の第2の主基板表面112bに近づくように、主基板100と副基板200-1とを位置づける。
【0132】
なお、この時点では、主基板100及び副基板200-1は、未だ、互いに離隔している状態となっている。
【0133】
<<組み立ての手順4(副基板200-1の主基板100への案内など)>>
副基板200-1を主基板100に押し込むことで、副切欠き部220の第1の切欠き壁部226aは、導入案内部150によって案内される。具体的には、以下のように案内される。
【0134】
導入テーパー部132aが、切欠き平行部252の副係合テーパー部242aを案内し、導入テーパー部132bが、切欠き平行部252の副係合テーパー部242bを案内する。これにより、副基板200-1の第1の切欠き壁部226aは、溝傾斜部154から溝平行部152に円滑に向かうことができる。
【0135】
また、溝傾斜部154が、切欠き平行部252の切欠き天部244を案内する。これにより、副基板200-1の厚み方向TDの姿勢が調整される。具体的には、副切欠き部220の第1の切欠き壁部226aが、第1の主基板表面112aと平行になり、副切欠き部220の第1の切欠き壁部226bが、第2の主基板表面112bと平行になるように調整される。
【0136】
さらに、主係合テーパー部142aが、切欠き平行部252の副係合テーパー部242aを案内し、主係合テーパー部142bが、切欠き平行部252の副係合テーパー部242bを案内する。これにより、副基板200-1の溝幅方向WDの姿勢が調整される。言い換えれば、主係合テーパー部142a及び142bの案内によって、副切欠き部220が主溝部140と直線上に並ぶように、副基板200-1の向きが調整される。この調整によって、副基板200-1の向きは、切欠き方向NDと一致する。
【0137】
このように副基板200-1の姿勢を調整することで、切欠き平行部252の切欠き天部244は、溝傾斜部154上を円滑に摺動し、副係合テーパー部242aは、主係合テーパー部142a上を円滑に摺動し、副係合テーパー部242bは、主係合テーパー部142b上を円滑に摺動する。また、副切欠き部220の第1の切欠き壁部226bも、第2の主基板表面112b上を円滑に摺動することができる。
【0138】
<<組み立ての手順5(副基板200-1の主基板100への押入など)>>
さらに、副基板200-1を主基板100に徐々に押し込むと、副切欠き部220の開放端部222が溝傾斜部154を超え、副切欠き部220の切欠き平行部252は、溝傾斜部154を超えて、溝平行部152に達する。
【0139】
副基板200-1を主基板100に押し込むと、切欠き平行部252の切欠き天部244は、溝平行部152上を円滑に摺動し、副係合テーパー部242aは、主係合テーパー部142a上を円滑に摺動し、副係合テーパー部242bは、主係合テーパー部142b上を円滑に摺動する。副切欠き部220の第1の切欠き壁部226bも、第2の主基板表面112b上を円滑に摺動することができる。
【0140】
<<組み立ての手順6(主基板100と副基板200-1との嵌合など)>>
さらに、主切欠き部120の閉塞端部124と副切欠き部220の閉塞端部224とが最も近づく位置まで、主基板100と副基板200-1とを近づける。例えば、主切欠き部120の閉塞端部124と副切欠き部220の閉塞端部224とが接触(当接)する位置まで、副基板200-1を主基板100に押し込む。主切欠き部120の閉塞端部124と副切欠き部220の閉塞端部224とが接触する位置は、互いを係止し合う位置である。なお、主切欠き部120の閉塞端部124と副切欠き部220の閉塞端部224とが最も近づく位置は、一定の位置であればよく、後述する電気的接触が再現的に形成できる位置であればよい。
【0141】
これにより、主基板100の主切欠き部120と、副基板200-1の副切欠き部220とが互いに跨嵌(跨ぐように嵌まる)し合い、副基板200-1が、主基板100に嵌合される。
【0142】
<<主基板100と副基板200-1との嵌合状態における係合箇所>>
前述したように、主切欠き部120の閉塞端部124と副切欠き部220の閉塞端部224とが最も近づいたときに、副基板200-1は、主基板100に嵌合される。副基板200-1が、主基板100に嵌合された状態では、以下のような箇所で接触状態や係合状態が形成される。
【0143】
主基板100の主切欠き部120の溝平行部152の溝底部144と、副基板200-1の副切欠き部220の切欠き平行部252の切欠き天部244とは、互いに向かい合い、少なくとも一部が接触して係合する。
【0144】
主基板100の主切欠き部120の溝傾斜部154の溝底部144と、副基板200-1の副切欠き部220の切欠き傾斜部254の切欠き天部244とは、互いに向かい合い、少なくとも一部が接触して係合する。
【0145】
主基板100の主切欠き部120の溝平行部152の主係合テーパー部142aと、副基板200-1の副切欠き部220の切欠き平行部252の副係合テーパー部242aとは、互いに向かい合い、少なくとも一部が接触して係合する。
【0146】
主基板100の主切欠き部120の溝傾斜部154の主係合テーパー部142aと、副基板200-1の副切欠き部220の切欠き傾斜部254の副係合テーパー部242aとは、互いに向かい合い、少なくとも一部が接触して係合する。
【0147】
主基板100の主切欠き部120の溝平行部152の主係合テーパー部142bと、副基板200-1の副切欠き部220の切欠き平行部252の副係合テーパー部242bとは、互いに向かい合い、少なくとも一部が接触して係合する。
【0148】
主基板100の主切欠き部120の溝傾斜部154の主係合テーパー部142bと、副基板200-1の副切欠き部220の切欠き傾斜部254の副係合テーパー部242bとは、互いに向かい合い、少なくとも一部が接触して係合する。
【0149】
このように、溝底部144と切欠き天部244とが係合するだけでなく、主係合テーパー部142aと副係合テーパー部242aとが係合し、主係合テーパー部142bと副係合テーパー部242bとが係合する。このようにすることで、接触面積を増やすことができ、副基板200-1を主基板100に的確に嵌合させることができる。
【0150】
また、副基板200-1が、主基板100に嵌合されたときには、屈曲部253は、屈曲部153と一致する。
【0151】
溝平行部152に対する溝傾斜部154の角度と、切欠き平行部252に対する切欠き傾斜部254の角度とが等しいのが好ましい。屈曲部253を屈曲部153と一致させ、溝平行部152と切欠き平行部252とを係合させるとともに、溝傾斜部154と切欠き傾斜部254とを係合させることで、接触面積を増やし、副基板200-1を主基板100により嵌合させることができる。
【0152】
<<電気的接続の形成>>>
<導体パターン170a及び170b>
前述したように、主基板100は、導体パターン170a及び170bを有する。主基板100の表面に沿って導体パターン170a及び170bが形成されている。具体的には、図6に示すように、導体パターン170a及び170bは、第1の主基板表面112a、主係合テーパー部142a、溝傾斜部154、主係合テーパー部142b、第1の主基板表面112aに亘って、これらの表面に連続して形成されている。なお、図6では、明確のために、導体パターン170a及び170bを複数の水平線を付した領域で示した。
【0153】
<導体パターン270a及び270b>
同様に、副基板200は、導体パターン270a及び270bを有する。副基板200の表面に沿って導体パターン270a及び270bが形成されている。具体的には、図8に示すように、導体パターン270a及び270bは、副係合テーパー部242a、第1の副基板表面212aに亘って、これらの表面に連続して形成されている。なお、図8では、明確のために、導体パターン270a及び270bを複数の水平線を付した領域で示した。
【0154】
前述したように、主基板100の主溝部140の溝傾斜部154と、副基板200-1の副切欠き部220の切欠き傾斜部254とは、互いに向かい合い、少なくとも一部が接触して係合する。また、主基板100の主溝部140の主係合テーパー部142aと、副基板200-1の副切欠き部220の副係合テーパー部242aとは、互いに向かい合い、少なくとも一部が接触して係合する。
【0155】
このようにしたことにより、副基板200-1が、主基板100に嵌合された状態では、図1及び図2に示すように、主基板100の主溝部140の主係合テーパー部142aに形成された導体パターン170aと、副基板200-1の副切欠き部220の副係合テーパー部242aに形成された導体パターン270aとは、互いに向かい合って機械的に接触する。この機械的な接触により、導体パターン170aと導体パターン270aとは、電気的に接続される。同様に、主基板100の主溝部140の主係合テーパー部142aに形成された導体パターン170bと、副基板200-1の副切欠き部220の副係合テーパー部242aに形成された導体パターン270bとは、互いに向かい合って機械的に接触する。この機械的な接触により、導体パターン170bと導体パターン270bとは、電気的に接続される。
【0156】
主係合テーパー部142aに形成された導体パターン170a及び170bと、副係合テーパー部242aに形成された導体パターン270a及び270bとを接触させることにすることで、主基板100と副基板200-1との全体で導通可能な回路を形成することができる。
【0157】
主切欠き部120の閉塞端部124と副切欠き部220の閉塞端部224とが最も近づく位置となったときには、主基板100の導体パターン170a及び170bと、副基板200-1の導体パターン270a及び270bとの間に電気的接続が形成される。電気的接続により、主基板100及び副基板200-1の全体で、所望する電子回路や電気回路が形成される。図1に示すように、電源部300が主基板100と電気的に接続されることで、形成された電子回路や電気回路を駆動することができる。
【0158】
<<<立体組み立て回路部品10用のキット>>>
図9は、立体組み立て回路部品10用のキット400の構成を示す正面図である。
【0159】
キット400は、主基板100と、副基板200-1及び200-2とを含む。主基板100と、副基板200-1及び200-2とは、ゲート410を介してランナー420に接続されている。
【0160】
キット400の状態で、主基板100と、副基板200-1及び200-2とには、予め、受動素子や能動素子などが設けられ、導体パターンが形成され、ソルダーレジストが被覆されている。
【0161】
使用者がゲート410を切断することで、主基板100と、副基板200-1及び200-2とをランナー420から分離することができる。使用者は、分離した主基板100と、副基板200-1及び200-2とから立体組み立て回路部品10を組み立てることができる。
【0162】
図9には、電源部300を省略したが、電源部300を構成する板材も、ゲート410を介してランナー420に接続したキットにすることができる。
【0163】
キット400とすることにより、立体組み立て回路部品10に必要な部材を平坦な状態で提供することができ、省スペース化を図ることができる。さらに、キット400とすることにより、使用者に組み立てる楽しみを提供できる。
【0164】
<<<<変形例など>>>>
<<主基板100及び副基板200の機能>>
前述した例では、主基板100及び副基板200は、発光素子を有する電飾部材として機能する構成を示した。主基板100及び副基板200の機能は、これに限られない。主基板100及び副基板200は、例えば、アンテナやセンサやカメラやスピーカ等の各種の電子部品や受動素子や能動素子を実装することができる。主基板100及び副基板200に実装する電子部品や受動素子や能動素子の種類は問わない。例えば、主基板100及び副基板200は、増幅素子、集積回路、論理素子、液晶パネルなどの表示素子、通信用部品、記憶用部品、制御用部品など、所望する各種の部品などを実装できる。主基板100及び副基板200は、実装された部品などに応じた機能を有する。
【0165】
<<主基板側面116及び副基板側面216>>
前述した例では、主基板側面116は、第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bの双方に対して垂直に配置される構成を示したが、主基板側面116と、第1の主基板表面112a及び第2の主基板表面112bとのなす角が、垂直とは異なる鋭角や鈍角などの角でもよい。なす角は、主基板側面116の加工のし易さや、主基板100の機能などに応じて、適宜に定めることができる。
【0166】
副基板側面216についても、副基板側面216の加工のし易さや、副基板200の機能などに応じて、適宜に定めることができる。
【0167】
<<<導体パターン170a及び170b並びに270a及び270bの厚み>>>
前述したように、副基板200-1が、主基板100に嵌合された状態では、主係合テーパー部142aに形成された導体パターン170a及び170bと、副係合テーパー部242aに形成された導体パターン270a及び270bとが、機械的に接触することによって、電気的接続が形成される。
【0168】
導体パターン170a及び170b並びに270a及び270bの厚みは、機械的な接触によって電気的接続を的確に形成できる厚みであればよい。導体パターン170a及び170b並びに270a及び270bの厚みは、安定した電気的接続のために、ある程度厚く、また、副基板200-1の主基板100への取り付けを円滑にするために、ある程度薄いのが好ましい。
【0169】
導体パターン170a及び170b並びに270a及び270bの厚みは、主基板100及び副基板200-1の弾性特性や、導体パターン170a及び170b並びに270a及び270bの材質などによって適宜に定めればよい。
【0170】
<<導体パターン170a及び170b並びに270a及び270b>>
前述した例では、主基板100は、2本の導体パターン170a及び170bを有し、副基板200は、2本の導体パターン270a及び270bを有する場合を示したが、導体パターンの数は、2本に限られない。導体パターンの数は、1本でも、3本以上でもよい。例えば、8ビットのデジタル信号などをパラレルに送受信できるように構成することができる。
【0171】
また、前述した例では、主基板100の第1の主基板表面112aのみに導体パターン170を形成し、副基板200の第1の副基板表面212aのみに導体パターン270を形成した。第2の主基板表面112bに導体パターン170を形成したり、第2の副基板表面212bに導体パターン270を形成したりしてもよい。所望する回路の内容に応じて適宜に導体パターン170及び270を形成すればよい。
【0172】
<<主溝部>>
前述した例では、第1の主基板表面112aのみに主溝部140-1及び140-2を有する主基板100を示した。第2の主基板表面112bにも主溝部を形成してもよい。主溝部140-1と対応する主溝部を第2の主基板表面112bに形成し、主溝部140-2と対応する主溝部を第2の主基板表面112bに形成することができる。第2の主基板表面112bに主溝部を形成することで、第1の主基板表面112a及び112bの双方で副基板200を案内して嵌合することができる。
【0173】
<<主基板100と副基板200とのなす角>>
前述した例では、主基板100の法線の方向と副基板200の法線の方向とのなす角が直角である場合を示したが、直角である場合に限られない。主基板100の法線の方向と副基板200の法線の方向とのなす角は、0度以外の鋭角でも、鈍角でもよい。なお、鋭角は、直角より小さい角度であり、鈍角は、直角より大きく二直角より小さい角をいう。
【0174】
<<<<実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本実施の形態を記載した。しかし、この開示の一部をなす記載及び図面は、限定するものと理解すべきでない。ここで記載していない様々な実施の形態等が含まれる。
【符号の説明】
【0175】
10 立体組み立て回路部品
100 主基板
120 主切欠き部
140 主溝部
200 副基板
300 電源部
400 キット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9