(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】組成物及びその製造方法、並びに嘔吐物処理方法
(51)【国際特許分類】
B01J 20/26 20060101AFI20240419BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20240419BHJP
B01J 20/30 20060101ALI20240419BHJP
C02F 11/00 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
B01J20/26 D ZAB
B01J20/28 Z
B01J20/30
C02F11/00 F
C02F11/00 101Z
(21)【出願番号】P 2020094362
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-05-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社三和堂、SANWADO Medical Supplies Catalog、Vol.5、令和元年6月 令和元年7月22日、https://news.visiontrading.co.jp/2019/07/blog-post.html
(73)【特許権者】
【識別番号】520014280
【氏名又は名称】合同会社ビジョントレーディング
(74)【代理人】
【識別番号】100149032
【氏名又は名称】森本 敏明
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 裕美
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 琴美
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-205234(JP,A)
【文献】特開2014-226664(JP,A)
【文献】特開2018-43175(JP,A)
【文献】特開平4-185700(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/255478(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 20/26
B01J 20/28
B01J 20/30
C02F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ(メタ)アクリル酸カリウムと、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、亜塩素酸塩及びペルオキソ一硫酸水素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)と、
二酸化ケイ素及びケイ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)と
を含む、組成物。
【請求項2】
前記組成物は、嘔吐物を凝固して除去処理するための嘔吐物処理用組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリ(メタ)アクリル酸カリウムの含有量が、30質量%~98質量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記化合物(a)が、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びジクロロイソシアヌル酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記化合物(b)の含有量が、1質量%~24質量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリ(メタ)アクリル酸カリウムが、目開き80~100メッシュを通過する細粒状のものである、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物を混合する工程を有する、組成物の製造方法。
【請求項8】
請求項2~6のいずれか一項に記載の組成物を嘔吐物上に撒布し、前記嘔吐物を凝固する工程を有する、嘔吐物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嘔吐物を凝固して除去処理すること等に有用な組成物及びその製造方法、並びに嘔吐物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体調不良や泥酔等によって、胃の内容物を嘔吐した場合、感染防止、衛生管理、及び悪臭等の観点から、早急に嘔吐物を除去処理することが求められている。
【0003】
従来、嘔吐物を除去処理する方法としては、例えば、嘔吐物上に多量のおがくずを撒布して嘔吐物の水分を吸収させ、おがくずと共に嘔吐物を箒等で掃き集めて除去することが行われていた。
しかしながら、おがくずは風等で飛散しやすいため作業性に欠ける。その上、おがくずは吸水性が低いため嘔吐物の水分が十分に吸収されない。従って、おがくずによる嘔吐物の処理方法においては、多くの時間を要し、また、衛生上の問題も抱えていた。
【0004】
現在までに、吸水性ポリマー及び除菌剤等を含む嘔吐物処理剤が種々開発されている。
例えば、特許文献1には、ポリアクリル酸ナトリウム塩から構成される高吸水性高分子粉末と高吸油性鉱物とからなる嘔吐物処理剤が記載されている。
また例えば、特許文献2には、亜塩素酸塩を第一成分とし、ケイ酸塩を含む酸化剤及び炭酸塩の混合物を第二成分とし、ポリアクリル酸ナトリウム共重合体から構成される高吸水性ポリマーを第三成分とする嘔吐物処理剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-226664号公報
【文献】特開2015-205234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の嘔吐物処理剤は、嘔吐物の水分を十分に吸収しない、又は、嘔吐物の水分を吸収しても嘔吐物が一塊の状態とならず、分散するため、箒等で掃き集める必要がある。従って、従来の嘔吐物処理剤による処理方法においても、多くの時間を要すると共に、嘔吐物を容易に除去処理することができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情を鑑みて、水分を十分に吸収すると共に、水分を吸収した後に一塊の状態で凝固することができる組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。特に、当該組成物が嘔吐物処理用として用いられる場合においては、嘔吐物の水分を十分に吸収すると共に、当該嘔吐物を一塊の状態に凝固して固形化し、容易に除去処理することができる組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、従来の嘔吐物処理剤は、特に、酸成分や油分を含む嘔吐物に対して、吸収性能が低下することがわかった。本発明者らは、この理由として、嘔吐物の水分を吸収するためのポリマーとして、ポリアクリル酸ナトリウム化合物が使用されているためではないかと考えた。そこで、酸成分や油分を含む嘔吐物に対しても吸収性能を低下させずに、当該嘔吐物の水分を吸収しながら、当該嘔吐物を一塊の状態に凝固することができる組成物について鋭意検討した結果、高吸収性ポリマーとしてポリ(メタ)アクリル酸カリウムを採用すると共に、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、亜塩素酸塩及びペルオキソ一硫酸水素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)と、二酸化ケイ素及びケイ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)とを組み合わせて用いる組成物により、嘔吐物が酸成分や油分を含むものであっても十分に吸収することができると共に、当該嘔吐物を一塊の状態に凝固して固形化することができることを見出した。
【0009】
そして、遂に、上記の知見に基づいて、本発明の課題を解決し得るものとして、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムと、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、亜塩素酸塩及びペルオキソ一硫酸水素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)と、二酸化ケイ素及びケイ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)とを含む組成物を創作することに成功した。本発明は、本発明者らによって初めて見出された知見及び成功例に基づいて完成されたものである。
【0010】
従って、本発明によれば、以下の態様の組成物が提供される。
〔1〕ポリ(メタ)アクリル酸カリウムと、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、亜塩素酸塩及びペルオキソ一硫酸水素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)と、二酸化ケイ素及びケイ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)とを含む、組成物。
〔2〕前記組成物は、嘔吐物を凝固して除去処理するための嘔吐物処理用組成物である、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕前記ポリ(メタ)アクリル酸カリウムの含有量が、30質量%~98質量%である、〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕前記化合物(a)が、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びジクロロイソシアヌル酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔5〕前記化合物(b)の含有量が、1質量%~24質量%である、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔6〕前記ポリ(メタ)アクリル酸カリウムが、目開き80~100メッシュを通過する細粒状のものである、〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の組成物を混合する工程を有する、組成物の製造方法。
〔8〕〔2〕~〔6〕のいずれか一項に記載の組成物を嘔吐物上に撒布し、前記嘔吐物を凝固する工程を有する、嘔吐物処理方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、水分を十分に吸収すると共に、水分を吸収した後に一塊の状態で凝固することができる組成物を得ることができる。また、本発明によれば、当該組成物が嘔吐物処理用として用いられる場合においては、嘔吐物の水分を十分に吸収すると共に、当該嘔吐物を一塊の状態に凝固して固形化するため、当該嘔吐物が分散せず、容易に除去処理することができる組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】組成物〔1〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図2】組成物〔2〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図3】組成物〔3〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図4】組成物〔4〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図5】組成物〔5〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図6】組成物〔6〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図7】組成物〔7〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図8】組成物〔8〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図9】組成物〔9〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図10】嘔吐物処理剤〔I〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図11】嘔吐物処理剤〔II〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図12】嘔吐物処理剤〔III〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図13】嘔吐物処理剤〔IV〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図14】嘔吐物処理剤〔V〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図15】嘔吐物処理剤〔VI〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図16】組成物〔11〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図17】組成物〔12〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図18】組成物〔13〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図19】組成物〔14〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図20】組成物〔15〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図21】組成物〔16〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図22】組成物〔17〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図23】組成物〔18〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図24】組成物〔19〕の吸収性及び凝固性の評価結果を示す写真画像である。
【
図25】組成物〔1〕の弾力性の評価結果を示す写真画像である。
【
図26】組成物〔4〕の弾力性の評価結果を示す写真画像である。
【
図27】組成物〔10〕の弾力性の評価結果を示す写真画像である。
【
図28】嘔吐物処理剤〔I〕の弾力性の評価結果を示す写真画像である。
【
図29】嘔吐物処理剤〔II〕の弾力性の評価結果を示す写真画像である。
【
図30】嘔吐物処理剤〔III〕の弾力性の評価結果を示す写真画像である。
【
図31】嘔吐物処理剤〔IV〕の弾力性の評価結果を示す写真画像である。
【
図32】嘔吐物処理剤〔V〕の弾力性の評価結果を示す写真画像である。
【
図33】嘔吐物処理剤〔VI〕の弾力性の評価結果を示す写真画像である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一態様である組成物について詳細に説明するが、本発明はその目的を達成する限りにおいて種々の態様をとり得る。
【0014】
本明細書における各用語は、別段の定めがない限り、当業者により通常用いられている意味で使用され、不当に限定的な意味を有するものとして解釈されるべきではない。また、本明細書においてなされている推測及び理論は、本発明者らのこれまでの知見及び経験によってなされたものであることから、本発明はこのような推測及び理論のみによって拘泥されるものではない。
【0015】
「組成物」は、通常用いられている意味のものとして特に限定されないが、例えば、2種以上の成分が組み合わさってなる物である。「原料」は組成物を構成するための1種の成分又は2種以上の成分の組み合わせを意味する。
「及び/又は」との用語は、列記した複数の関連項目のいずれか1つ、又は2つ以上の任意の組み合わせ若しくは全ての組み合わせを意味する。
「含有量」は、濃度と同義であり、組成物の全体量に対する成分の量の割合を意味する。本明細書では、別段の定めがない限り、含有量の単位は「質量%(wt%)」を意味する。ただし、成分の含有量の総量は、100質量%を超えることはない。
数値範囲の「~」は、その前後の数値を含む範囲であり、例えば、「0質量%~100質量%」は、0質量%以上であり、かつ、100質量%以下である範囲を意味する。
「含む」は、含まれるものとして明示されている要素以外の要素を付加できることを意味する(「少なくとも含む」と同義である。)が、「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。すなわち、「含む」は、明示されている要素及び任意の1種若しくは2種以上の要素を含み、明示されている要素からなり、又は明示されている要素から本質的になることを意味し得る。要素としては、成分、工程、条件、パラメーターなどの制限事項などが挙げられる。
【0016】
整数値の桁数と有効数字の桁数は一致する。例えば、1の有効数字は1桁であり、10の有効数字は2桁である。また、小数値は小数点以降の桁数と有効数字の桁数は一致する。例えば、0.1の有効数字は1桁であり、0.10の有効数字は2桁である。
【0017】
〔組成物〕
本発明の一態様の組成物は、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムと、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、亜塩素酸塩及びペルオキソ一硫酸水素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(a)と、二酸化ケイ素及びケイ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)とを含む組成物である。
本発明の一態様の組成物は、例えば、嘔吐物を凝固して除去処理するための嘔吐物処理用組成物として好適である。
【0018】
〔ポリ(メタ)アクリル酸カリウム〕
本発明の一態様の組成物において、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムは、生分解性の高吸収性ポリマーであって、特に、当該組成物が嘔吐物処理用として用いられる場合において、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムは、嘔吐物の水分を吸収し、当該嘔吐物を凝固する機能を有する。なお、本発明において、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムは、ポリアクリル酸カリウム及びポリメタクリル酸カリウムを包括する総称名である。
ポリ(メタ)アクリル酸カリウムは、モル質量が、例えば90g/mol~130g/molのものが好ましく、より好ましくは100g/mol~120g/molのものであり、特に好ましくは110.15g/molのものである。なお、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムのモル質量は、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムの分子量から求めることができ、当該分子量は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)等によって測定することができる。
ポリ(メタ)アクリル酸カリウムは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。市販品の具体例としては、「ポリ(アクリル酸)カリウム塩」(シグマアルドリッチジャパン(メルク)社製)等が挙げられる。製造方法としては、特に限定されないが、例えば、特表2017-204281号公報に記載の方法が挙げられる。
【0019】
ポリ(メタ)アクリル酸カリウムの含有量は、水分に対する吸収性及び凝固性の観点から、組成物全体に対して、30質量%~98質量%であることが好ましく、より好ましくは50質量%~98質量%であり、さらに好ましくは75質量%~98質量%である。
【0020】
ポリ(メタ)アクリル酸カリウムの形状は、特に限定されないが、例えば、細粒状、粉末状、球状、不定形破砕状、顆粒状、鱗片状、短棒状等が挙げられる。これらの形状の中でも、作業性、取り扱い性及び水分に対する吸収速度の観点から、細粒状が好ましい。ポリ(メタ)アクリル酸カリウムの形状が細粒状である場合において、その粒度は、水分に対する吸収速度及び凝固性の観点から、目開き80~100メッシュの篩を通過することが好ましい。ただし、本発明の一態様の組成物において、使用するポリ(メタ)アクリル酸カリウムの全てが目開き80~100メッシュの篩を通過するものでなくてもよく、目開き80~100メッシュの篩を通過しないものが含まれていてもよい。
【0021】
本発明の一態様の組成物においては、高吸収性ポリマーとしてポリ(メタ)アクリル酸カリウムを単独で用いてもよいし、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムと共に他の高吸収性ポリマーを併用して用いてもよい。
【0022】
ポリ(メタ)アクリル酸カリウム以外の高吸収性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゲランガム、キチン、キトサン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの高吸収性ポリマーは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。また、これらの高吸収性ポリマーの形状は、特に限定されないが、例えば、細粒状、粉末状等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリル酸カリウムと共に、他の高吸収性ポリマーを組み合わせて用いる場合においては、ポリ(メタ)アクリル酸カリウムの含有量は、水分に対する吸収性、凝固性及び生分解性の観点から、高吸収性ポリマー全体に対して、30質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは75質量%以上である。
【0023】
〔化合物(a)〕
本発明の一態様の組成物において、化合物(a)は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、亜塩素酸塩及びペルオキソ一硫酸水素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、特に、当該組成物が嘔吐物処理用として用いられる場合においては、化合物(a)は、嘔吐物中の細菌及びウィルスを不活化する機能を有する。
本発明の一態様の嘔吐物処理用組成物においては、化合物(a)としては、嘔吐物の水分と反応して、炭酸ガスが発生し、当該炭酸ガスによる攪拌作用により、嘔吐物の水分に対する吸収速度が促進されることに加え、発生した炭酸ガスによって後述する二酸化ケイ素等の化合物(b)の拡散作用により嘔吐物が良好な凝固状態が得られる観点、さらには、酸成分が中性~アルカリ性に中和されることにより、嘔吐物中のたんぱく質や油分が分解され、高吸収性ポリマーに吸収されやすくなる観点から、炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムを用いることが好ましい。また、特にノロウィルスに対する不活化作用を付与する観点からは、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、ジクロロイソシアヌル酸塩(例えば、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)等の塩素系除菌剤を用いることが好ましい。さらに、化学品としての安定性の観点から、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び/又はジクロロイソシアヌル酸塩(例えば、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)を用いることが好ましい。
化合物(a)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。また、化合物(a)は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
【0024】
化合物(a)の含有量は、特に、当該組成物が嘔吐物処理用として用いられる場合においては、嘔吐物中の細菌及びウィルスを不活化しうる量であれば特に限定されない。
具体的には、炭酸ナトリウム(純度99.5%以上)を用いる場合においては、除菌作用及び生分解性の観点から、組成物全体に対して、6質量%~11質量%であることが好ましく、より好ましくは7質量%~11質量%であり、さらに好ましくは9質量%~11質量%である。
また、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(純度100%)を用いる場合においては、除菌作用の観点から、組成物全体に対して、0.5質量%~8質量%であることが好ましく、より好ましくは2質量%~8質量%であり、さらに好ましくは4質量%~8質量%である。
【0025】
化合物(a)の形状は、特に限定されないが、例えば、細粒状、粉末状等が挙げられる。
【0026】
〔化合物(b)〕
本発明の一態様の組成物において、化合物(b)は、二酸化ケイ素及びケイ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、特に、当該組成物が嘔吐物処理用として用いられる場合においては、化合物(b)は、嘔吐物の固形化を補助するためのバインダの機能及び組成物全体を流動化する機能を有する。
化合物(b)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。また、化合物(b)は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
【0027】
化合物(b)の含有量は、凝固性及び生分解性の観点から、組成物全体に対して、1質量%~24質量%であることが好ましい。より具体的には、二酸化ケイ素(純度100%)を用いる場合においては、平均粒径が3.7μm程度(約3000~4000メッシュ)の粉末状である場合に、1質量%~2質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%~1.5質量%であり、さらに好ましくは1.0質量%~1.3質量%である。また、二酸化ケイ素(純度100%)を10~20メッシュ程度の粒径に造粒した顆粒状のものを用いる場合においては、21質量%~24質量%であることが好ましい。
【0028】
化合物(b)の形状は、特に限定されないが、例えば、細粒状、粉末状、顆粒状等が挙げられる。
【0029】
本発明の一態様の組成物においては、必要に応じて各種添加剤が含有されていてもよく、特に、当該組成物が嘔吐物処理用として用いられる場合においては、例えば、乾燥剤、消臭剤、油吸収剤等の添加剤が含有されていてもよい。
【0030】
〔乾燥剤〕
乾燥剤としては、特に限定されないが、例えば、無水硫酸ナトリウム、シリカゲル等が挙げられる。特に、無水硫酸ナトリウムは、安全性(水によく溶け、常温で固体であり、潮解性がなく、人や環境に対して無害、無機化合物のため生分解性を有し、他の化学物質との反応性が低く、安定している。)を有するため好適に用いられる。乾燥剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。また、乾燥剤は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
乾燥剤の含有量は、例えば無水硫酸ナトリウム(純度99%以上)を用いる場合においては、組成物全体に対して、0.5質量%~5質量%であることが好ましく、より好ましくは1質量%~5質量%であり、さらに好ましくは1.5質量%~5質量%である。
乾燥剤の形状は、特に限定されないが、例えば、細粒状、粉末状、顆粒状等が挙げられる。
【0031】
〔消臭剤〕
消臭剤としては、特に限定されないが、例えば、活性炭、ゼオライト、柿タンニンエキス、タンニン酸、没食子酸、没食子酸プロピル、麦飯石、フルボ酸、フミン酸等が挙げられる。これらの中でも、消臭効果、生分解性及び凝固性を阻害しない観点から、活性炭が好ましい。消臭剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。また、消臭剤は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
消臭剤の含有量は、消臭作用の観点から、組成物全体に対して、3質量%~7質量%であることが好ましく、より好ましくは4質量%~7質量%であり、さらに好ましくは5質量%~7質量%である。
消臭剤の形状は、特に限定されないが、例えば、細粒状、粉末状、顆粒状等が挙げられる。
【0032】
〔油吸収剤〕
油吸収剤としては、例えば、おがくず(セルロース)、珪藻土、麦飯石等が挙げられる。これらの中でも、油分吸収性能及び生分解性の観点から、おがくず(セルロース)が好ましい。油吸収剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。また、油吸収剤は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
油吸収剤の含有量は、油分吸収性の観点から、組成物全体に対して、2質量%~8質量%であることが好ましく、より好ましくは3質量%~8質量%であり、さらに好ましくは3.5質量%~8質量%である。
油吸収剤の形状は、特に限定されないが、例えば、細粒状、粉末状、顆粒状等が挙げられる。
【0033】
〔組成物の製造方法〕
本発明の一態様の組成物の製造方法は、本発明の一態様の組成物、具体的にはポリ(メタ)アクリル酸カリウム、化合物(a)及び化合物(b)、さらに必要に応じて、添加剤について、適宜配合量を秤量し、混合機等を用いて混合することにより、製造することができる。混合機としては、例えばV型混合機、ロータリー式混合機等が挙げられる。
【0034】
〔嘔吐物処理方法〕
本発明の一態様の嘔吐物処理方法は、本発明の一態様の嘔吐物処理用組成物を嘔吐物上に撒布し、当該嘔吐物を凝固する工程を有する。
具体的には、(1)嘔吐物処理用組成物を嘔吐物上に撒布し、当該嘔吐物を凝固する工程と、(2)凝固されることにより一塊の状態となった嘔吐物を除去、廃棄する工程とを有する。
【0035】
本発明の一態様の嘔吐物処理方法においては、(1)の工程において、嘔吐物の成分及び性状によっても異なるが、通常、嘔吐物処理用組成物を嘔吐物上に撒布した後、数十秒間~5分間程度、最長でも10分間程度で凝固する。
嘔吐物処理用組成物の使用量としては、嘔吐物が吸収、凝固しうる量に適宜調整可能であるが、例えば、嘔吐物約500gに対して、嘔吐物処理用組成物80~100g程度が好ましい。
【実施例】
【0036】
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
<使用材料>
高吸収性ポリマーとして、ポリアクリル酸カリウムは、「NX-SAP-KS(輸入品)」(以下、「K-SAP」とも略す。)を用い、ポリアクリル酸ナトリウムは、「NX-121(輸入品)」(以下、「Na-SAP1」とも略す。)、「ポリアクリル酸ナトリウム」(松葉薬品社製)(以下、「Na-SAP2」とも略す。)、「高吸水性樹脂(ポリアクリル酸ナトリウム)」(ニューストーンインターナショナル社製)(以下、「Na-SAP3」とも略す。)を用いた。
【0038】
〔例1:水分の吸収性及び凝固性の評価〕
下記表1~3に示す成分及び配合量に従って混合し、組成物〔1〕~〔19〕を製造した。
【0039】
組成物〔1〕~〔9〕及び下記表4に示す既存製品の嘔吐物処理剤〔I〕~〔VI〕について、各種対象液体に対する吸収性及び凝固性の評価を行った。具体的には、対象液体として、下記表5に示す(a)黒酢溶液、(b)クエン酸液、(c)水道水、(d)生理食塩水、(e)中性リン酸液、(f)アルカリ溶液上に、組成物〔1〕~〔9〕及び嘔吐物処理剤〔I〕~〔VI〕をそれぞれ4g撒布し、対象液体に対する吸収性及び対象液体の1時間後の凝固状態を、下記評価基準に従って評価した。結果を表6及び7並びに
図1~15に示す。
<評価基準>
1:形状が保持され持ち上げることができる
2:持ち上げることができるが、形状が崩れる
3:形状が保持されているが、持ち上げることができない
4:形状が保持されていない
5:吸収できていない
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
表6及び
図1~9の結果より、高吸収性ポリマーとしてポリアクリル酸カリウムを用いる組成物〔1〕~〔6〕については、対象液体の種類によらずいずれの対象液体に対しても、水分を十分に吸収し、当該対象液体が一塊の状態となり、良好な凝固状態が得られることが確認された。また、化合物(a)として、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムを用いる組成物〔1〕、〔2〕、〔4〕及び〔5〕については、化合物(a)としてジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを用いる〔3〕及び〔6〕に比べ、より良好な凝固状態が得られることが確認された。一方、高吸収性ポリマーとしてポリアクリル酸ナトリウムを用いる組成物〔7〕~〔9〕については、いずれの対象液体に対しても、水分が吸収できていない、対象液体が凝固しても一塊の状態とならないため、持ち上げることができない、又は形状が保持されていない等の結果となった。
また、表7及び
図10~15の結果より、既存製品の嘔吐物処理剤〔I〕~〔VI〕については、本発明に係る組成物〔1〕~〔6〕に比べ、良好な凝固状態が得られないことが確認された。
【0048】
組成物〔11〕~〔16〕について、対象液体として表5に示す(a)黒酢溶液、(c)水道水に対する吸収性及び凝固性の評価を行った。結果を表8及び
図16~21に示す。
【0049】
【0050】
表8及び
図16~21の結果より、高吸収性ポリマーとしてポリアクリル酸カリウムの配合比率が大きくなるに従って、どちらの対象液体に対しても十分な吸収性及び良好な凝固状態が得られることが確認された。特に、高吸収性ポリマーとしてポリアクリル酸カリウムの配合比率が30質量%以上、より好ましくは50質量%以上である場合に、十分な吸収性及び良好な凝固状態が得られることが確認された。
【0051】
組成物〔17〕~〔19〕について、対象液体として表5に示す(a)黒酢溶液に対する吸収性及び凝固性の評価を行った。結果を表9及び
図22~24に示す。
【0052】
【0053】
表9及び
図22~24の結果より、ポリアクリル酸カリウム及び化合物(a)からなる組成物〔18〕、並びにポリアクリル酸カリウムのみからなる組成物〔19〕については、十分な吸収性は得られたが、良好な凝固状態が得られないことが確認された。一方、ポリアクリル酸カリウム及び化合物(b)からなる組成物〔17〕については、十分な吸収性及び良好な凝固状態が得られることが確認された。従って、十分な吸収性及び良好な凝固状態を得るためには、二酸化ケイ素等の化合物(b)が必須であることが確認された。なお、組成物〔17〕と、ポリアクリル酸カリウム、化合物(a)及び化合物(b)からなる組成物〔4〕(
図4参照)とを比較すると、一塊の凝固状態が保持されるためには、炭酸ナトリウム等の化合物(a)を含むことが好ましいことが確認された。
【0054】
〔例2:弾力性の評価〕
水道水40mlにクエン酸0.26gを添加し、pHを2.0に調整したクエン酸溶液を丸型容器に入れ、当該クエン酸溶液の上に組成物〔1〕、〔4〕及び〔10〕並びに嘔吐物処理剤〔I〕~〔VI〕をそれぞれ8g撒布した。クエン酸液が全て組成物に吸収された後、丸型容器から外し、平らなトレイに移し、被検体とした。ゆで卵(質量約60g)を高さ約30cmの位置から、被検体の中央を狙って落下させる落下試験を行った。この落下試験を5回繰り返した。各回の落下試験後の被検体の状態を観察し、弾力性の評価を行った。結果を表10及び11並びに
図25~33に示す。
【0055】
【0056】
【0057】
表10及び
図25~27の結果より、高吸収性ポリマーとしてポリアクリル酸カリウムを用いる組成物〔1〕、〔4〕及び〔10〕については、5回目の落下試験後においても、被検体は崩壊又は破壊されず一塊の凝固状態が保持され、弾力性を有することが確認された。このような弾力性を有する本発明に係る組成物においては、当該組成物が嘔吐物処理用として用いられる場合において、一塊の状態となった嘔吐物が分散せず、高い輸送性を有することが示され、従って、容易に除去処理が可能となることが示される。
表11及び
図28~33の結果より、既存製品の嘔吐物処理剤〔I〕~〔VI〕については、5回目までの落下試験において、被検体が崩壊又は破壊され、凝固状態が維持されるものはない結果となり、弾力性を有するものがないことが確認された。
【0058】
〔例3:吸収速度の評価〕
対象液体として、表5に示す(a)黒酢溶液、(b)クエン酸液、(c)水道水、(d)生理食塩水、(e)中性リン酸液、(f)アルカリ溶液上に、組成物〔1〕~〔6〕をそれぞれ4g撒布し、対象液体が全て吸収されるまでの時間を測定した。結果を表12に示す。
【0059】
【0060】
表12の結果より、本発明に係る組成物〔1〕~〔6〕については、対象液体の種類によらずいずれの対象液体に対しても、数十秒間~2分間程度で全ての水分が吸収されることが確認された。
【0061】
組成物〔11〕~〔16〕について、対象液体として表5に示す(a)黒酢溶液、(c)水道水の吸収速度の評価を行った。結果を表13に示す。
【0062】
【0063】
表13の結果より、高吸収性ポリマーとしてポリアクリル酸カリウムの配合比率が大きくなるに従って、どちらの対象液体に対しても吸収するまでの時間が長くなる傾向であることが示された。これは、カリウムとナトリウムの浸透圧の差によるものと考えられる。具体的には、ナトリウムの方がカリウムよりも浸透圧が高いからと考えらえる。
【0064】
本発明に係る組成物〔1〕、並びに、既存製品の嘔吐物処理剤〔II〕、〔III〕及び〔VI〕について、対象液体として表5に示す(a)黒酢溶液と、下記に示す(g)混合液体とに対する吸収速度の評価を行った。具体的には、対象液体上に、各社規定の使用量に対応した量の組成物又は処理剤を撒布し、対象液体が全て吸収されるまでの時間を測定した。結果を表14に示す。
(g):水道水10mlに、黒酢10ml及びサラダ油1mlを加えた混合液体
【0065】
【0066】
表14の結果より、既存製品の嘔吐物処理剤〔II〕、〔III〕及び〔VI〕は、本発明に係る組成物〔1〕に比べ、酸成分(黒酢)や油分を含む液体に対して、吸収しない又は水分を全て吸収するまでの時間が長いことが示された。一方、本発明に係る組成物〔1〕については、酸成分(黒酢)や油分を含む液体に対しても、約2分間程度で十分に吸収することができることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の嘔吐物処理用組成物は、短時間で、かつ、容易に嘔吐物を除去処理することができるので、航空機、鉄道列車、自動車、バス等の交通機関、ホテル、病院、介護施設、学校、公共施設等の屋内施設、駅、公園等の屋外施設、さらには家庭内等の種々の環境において、極めて有効に活用することができる。