IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 エポックケミカルの特許一覧

<>
  • 特許-二連マーカー 図1
  • 特許-二連マーカー 図2
  • 特許-二連マーカー 図3
  • 特許-二連マーカー 図4
  • 特許-二連マーカー 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】二連マーカー
(51)【国際特許分類】
   B43K 27/08 20060101AFI20240419BHJP
   B43K 8/02 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
B43K27/08
B43K8/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020177073
(22)【出願日】2020-10-22
(65)【公開番号】P2022068417
(43)【公開日】2022-05-10
【審査請求日】2023-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】500205840
【氏名又は名称】株式会社 エポックケミカル
(74)【代理人】
【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 晴男
(74)【代理人】
【識別番号】100154287
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 貴広
(72)【発明者】
【氏名】小高 晴男
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-104814(JP,A)
【文献】登録実用新案第3023072(JP,U)
【文献】実開平01-074193(JP,U)
【文献】特開2013-006317(JP,A)
【文献】特開2004-074704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/00-1/12
5/00-8/24
21/00-21/26
24/00-24/18
27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのマーカー挿入部を並設した2軸ケースの前記マーカー挿入部に、それぞれ単独使用可能なマーカーを装脱可能に備え、前記マーカーは前記マーカー挿入部に装填した際、その底部が前記マーカー挿入部の内底面において係脱可能に係止される二連マーカーであって、
前記マーカーの底面に一対の係止部材が適宜間隔を置いて突設され、前記一対の係止部材は、前記マーカー挿入部の内底面に形成された係止孔に押し込むことにより係止され、前記一対の係止部材は、側方から押し狭めることにより前記係止孔から離脱可能であり、
前記マーカーのペン先に被装するキャップの頭面に、前記一対の係止部材を嵌入することにより前記一対の係止部材を側方から押し狭めることができる円筒部が形成されていることを特徴とする二連マーカー。
【請求項2】
前記マーカー挿入部の底面に、前記係止孔に係止された前記一対の係止部材の露出部を包囲する嵌入筒が延設されている、請求項に記載の二連マーカー。
【請求項3】
前記2軸ケースは側面に平坦部を有している、請求項1又は2に記載の二連マーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二連マーカーに関するものであり、より詳細には、2本のマーカーを選択交換可能に備えた二連マーカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者がカスタマイズできる多色マーカーが種々提案されている。その多くは、短軸のマーカー同士を組み合わせて一軸に連結するものであるが、その構成の場合はデザインの多様性に欠ける。また、その構成の場合は、筆記中等にマーカーが外れるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3084849号公報
【文献】特開2008-120061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来提案されているカスタマイズ可能な多色マーカーの場合は、デザインの多様性に欠け、また、筆記中等にマーカーが外れるおそれがあって、あまり使い勝手がよくないという問題があった。
【0005】
本発明は、従来技術におけるこのような問題に鑑みてなされたもので、デザインに多様性を持たせることができ、色の異なる、あるいは、ペン先の種類の異なる2種のマーカーを選択採用してカスタマイズでき、また、マーカーを保持するケースに対するマーカーの装脱操作が容易で、マーカー着装時においてマーカーがケースに確固と保持されて不用意に脱落するおそれがない、二連マーカーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、2つのマーカー挿入部を並設した2軸ケースの前記マーカー挿入部に、それぞれ単独使用可能なマーカーを装脱可能に備え、前記マーカーは前記マーカー挿入部に装填した際、その底部が前記マーカー挿入部の内底面において係脱可能に係止される二連マーカーであって、
前記マーカーの底面に一対の係止部材が適宜間隔を置いて突設され、前記一対の係止部材は、前記マーカー挿入部の内底面に形成された係止孔に押し込むことにより係止され、前記一対の係止部材は、側方から押し狭めることにより前記係止孔から離脱可能であり、
前記マーカーのペン先に被装するキャップの頭面に、前記一対の係止部材を嵌入することにより前記一対の係止部材を側方から押し狭めることができる円筒部が形成されていることを特徴とする二連マーカーである。
【0009】
一実施形態においては、前記マーカー挿入部の底面に、前記係止孔に係止された前記一対の係止部材の露出部を包囲する嵌入筒が延設される。また、一実施形態においては、前記2軸ケースは側面に平坦部を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る二連マーカーは上記のとおりであり、デザインに多様性を持たせることができ、また、色の異なる、あるいは、ペン先の種類の異なる2種のマーカーを選択採用してカスタマイズでき、更に、2軸ケースに対するマーカーの脱着操作が容易で、マーカーは2軸ケースに確固と保持されて不用意に脱落するおそれがないといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る二連マーカーの一実施形態の構成を示す部分破断正面図及び側面図である。
図2図1に示す二連マーカーの構成を示す分解図である。
図3】本発明に係る二連マーカーにおけるマーカーのマーカー挿入部の内底面への係止手段(係止状態)を示す部分破断図である。
図4】本発明に係る二連マーカーにおけるマーカーのマーカー挿入部の内底面への係止手段(係止解除状態)を示す部分破断図である。
図5】本発明に係る二連マーカーにおけるキャップの構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1及び図2に示されるように、本発明に係る二連マーカーは、マーカー挿入部2を横二連に有する2軸ケース1の各マーカー挿入部2に、マーカー15を装填して成るものである。通例、2軸ケース1の側面は平坦面にし、そこに種々のデザインや模様等を容易に印刷できるようにする。また、マーカー15を2軸ケース1から外さないで使用する場合は、側面が平坦であると、2軸ケース1を持ちやすくなる。
【0013】
マーカー15は、一般のものと同様に、マーカー軸5内に中綿3を内装し、尾部が中綿3内に没入するようにペン先4を取り付けたものである。マーカー15は、中綿3のマーカー軸5からの露出部を嵌装する芯ホルダー7を備え、ペン先4は、芯ホルダー7によって支持される。ペン先4にはキャップ6が被せられる。
【0014】
芯ホルダー7は、一半部に中綿3を嵌装し、細径化された先端細径部7aにおいてペン先4を支持する。ペン先4は、先端細径部7aに支持された状態において、その後端部が中綿3内に没入することで、インクの吸収が可能になる。芯ホルダー7は、その中間部外周面に環状ストッパー7bを備えていて、それより下の部分をマーカー軸5内へ嵌合(螺合)する際、それがマーカー軸5の開口端面に当たることで、マーカー軸5内への嵌入位置が規制される。
【0015】
マーカー15は、マーカー挿入部2に装填した際、その底部がマーカー挿入部2の内底面に係脱可能に係止される。そのために、図示した例のように、マーカー軸5の底面に一対の係止部材8,9が適宜間隔を置いて対設される。この一対の係止部材8,9は横方向に弾性を有していて、側方から強い圧を受けることで、内方に湾曲可能である。
【0016】
係止部材8,9は、マーカー挿入部2の内底面に形成された係止孔10の縁辺に係止される。即ち、係止部材8,9の先端部は曲面にされ、外側面中間部にツメ11が形成されていて、係止部材8,9を係止孔10内に押し込むことで、係止部材8,9が内方に寄せられる。それにより、係止部材8,9のツメ11部分が係止孔10を通り抜け、係止孔10を過ぎたところで係止部材8,9が復元するに伴い、ツメ11が外方に移動して係止孔10の縁辺に引っ掛かって、係止孔10から抜けなくなり(図1,3参照)、以て、マーカー15がマーカー挿入部2に確固と係止され、筆記中の誤動作等によって、マーカー15が外れるおそれは皆無となる。
【0017】
一対の係止部材8,9は、同時に側方から押圧されると、間隔が狭まってツメ11が係止孔10の縁辺から外れ、係止孔10から離脱可能となる(図4参照)。
【0018】
本発明に係る二連マーカーの場合、ツメ11を係止孔10の縁辺から外す操作を、ペン先4に被着するキャップ6を用いて行うことができる。そのためにキャップ6の頭面に、一対の係止部材8,9を嵌入する円筒部12が設けられる。
【0019】
円筒部12は、その内径が係止部材8,9の外側面間隔よりも狭く設定される。従って、係止部材8,9を円筒部12に嵌入しようとして円筒部12(キャップ6)を係止部材8,9に向けて押し進めると、その開口端縁が係止部材8,9の先端曲面部に当たることになる。そこで円筒部12を係止部材8,9に向けて更に強く押し込むと、その開口端縁が係止部材8,9の先端曲面部に沿って滑動する結果、一対の係止部材8,9は側方から押し狭められることにより、ツメ11が係止孔10の縁辺から外れ、以て、マーカー5は係止孔10から抜き取り可能となる(図4参照)。
【0020】
なお、マーカー挿入部2の外底面に、係止孔10から露出する一対の係止部材8,9の端部を包囲する嵌入筒13が延設される。従って、上記マーカー5の抜き取り操作に際しては、キャップ6の円筒部12をこの嵌入筒13内に押し込むようにすることで、係止部材8,9の押し狭め操作を、容易且つ安定状態にて行うことが可能となる。
【0021】
各マーカー15のキャップ6は、一体のものとしてもよいし、単独のものとしてもよい。後者の場合は、紛失防止等の観点から、2つのキャップ6を連結分離可能に構成することが好ましい。そのためには、例えば各キャップ6に、互いに嵌合し合う凹凸部15,16を形成することが考えられる(図5参照)。
【0022】
上記構成の本発明に係る二連マーカーの場合、消費者が複数用意される色の異なる、あるいは、ペン先4の異なるマーカー15の中から任意の2本を選択してカスタマイズすることが可能である。もちろん、消費者が多数種のマーカー15を保持し、その中から適宜2本選択して使用することもできる。マーカー15は、2軸ケース1から取り外して使用することができ、また、2軸ケース1に取り付けたまま使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明に係る二連マーカーは上記のとおりのものであって、マーカーをマーカー挿入部内に押し込むことで、マーカーの底部がマーカー挿入部の内底面に確固と係止され、また、キャップの頭面を利用する等によりその係止状態を解除することができ、所望のマーカーを選択してカスタマイズすることができ、種々の組み合わせを楽しむことができる効果があり、その産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0024】
1 2軸ケース
2 マーカー挿入部
3 中綿
4 ペン先
5 マーカー軸
6 キャップ
7 芯ホルダー
8,9 係止部材
10 係止孔
11 ツメ
12 円筒部
13 嵌入筒
15 マーカー
図1
図2
図3
図4
図5