(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】アッパープレヒートブロックエクステンション及びスカーフユニット並びにそれらの組立方法
(51)【国際特許分類】
B23K 7/06 20060101AFI20240419BHJP
F23D 14/56 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
B23K7/06 M
F23D14/56 C
(21)【出願番号】P 2021125689
(22)【出願日】2021-07-30
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000229036
【氏名又は名称】日本スピング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 敏行
【審査官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-217540(JP,A)
【文献】特開平9-168862(JP,A)
【文献】特開平6-198433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 7/06
F23D 14/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被溶削物を溶削するスカーフユニット用のアッパープレヒートブロックエクステンションであって、
前記アッパープレヒートブロックエクステンションは、シールド用酸素ガスを噴出するためのシールド用酸素ガス噴出流路と、予熱用酸素ガスを噴出するための中央予熱用酸素ガス噴出流路とを有しており、
前記シールド用酸素ガス噴出流路の内部に、前記シールド用酸素ガスの流量を調整するためのオリフィスプラグが挿入されていて脱着可能に固定されており、
該オリフィスプラグはプラグ固定用弾性体を介して固定されているものであることを特徴とするアッパープレヒートブロックエクステンション。
【請求項2】
前記オリフィスプラグは、前記シールド用酸素ガス噴出流路の内壁と対向する上面に、前記プラグ固定用弾性体の厚さよりも浅い凹部を有しており、
該凹部に前記プラグ固定用弾性体が嵌め込まれた状態で前記オリフィスプラグが挿入されていて固定されているものであることを特徴とする請求項1に記載のアッパープレヒートブロックエクステンション。
【請求項3】
前記プラグ固定用弾性体は、Oリングであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアッパープレヒートブロックエクステンション。
【請求項4】
前記プラグ固定用弾性体は、材質がニトリルゴムであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアッパープレヒートブロックエクステンション。
【請求項5】
ヘッドブロックと、燃料ガス第1噴出流路とシールド用酸素ガス噴出流路と中央予熱用酸素ガス噴出流路を備えたアッパーブロックと、燃料ガス第2噴出流路を備えたロアーブロックと、被溶削物と接触するシューブロックを有する、前記被溶削物を溶削するスカーフユニットであって、
前記ヘッドブロックの前面側に、前記アッパーブロックと前記ロアーブロックとが間を開けて溶削用酸素ガス噴出スロットを構成するように配設されているとともに、前記ヘッドブロックの下面側に前記シューブロックが配設されており、
前記アッパーブロックは、前記ヘッドブロックに配設されたアッパープレヒートブロックベースと、該アッパープレヒートブロックベースに配設された請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のアッパープレヒートブロックエクステンションとを有するものであることを特徴とするスカーフユニット。
【請求項6】
被溶削物を溶削するスカーフユニット用のアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法であって、
前記アッパープレヒートブロックエクステンションにおける、シールド用酸素ガスを噴出するためのシールド用酸素ガス噴出流路の内部に、前記シールド用酸素ガスの流量を調整するためのオリフィスプラグを挿入して脱着可能に固定するとき、プラグ固定用弾性体を介して固定することを特徴とするアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法。
【請求項7】
前記オリフィスプラグを固定するとき、
該オリフィスプラグにおいて、前記シールド用酸素ガス噴出流路の内壁と対向する上面に、前記プラグ固定用弾性体の厚さよりも浅い凹部を形成し、
該凹部に前記プラグ固定用弾性体を嵌め込んだ状態で、前記オリフィスプラグを前記シールド用酸素ガス噴出流路の内部に挿入することにより固定することを特徴とする請求項6に記載のアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法。
【請求項8】
前記プラグ固定用弾性体を、Oリングとすることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法。
【請求項9】
前記プラグ固定用弾性体として、ニトリルゴム製のものを用いることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法。
【請求項10】
ヘッドブロックと、燃料ガス第1噴出流路とシールド用酸素ガス噴出流路と中央予熱用酸素ガス噴出流路を備えたアッパーブロックと、燃料ガス第2噴出流路を備えたロアーブロックと、被溶削物と接触するシューブロックを有する、前記被溶削物を溶削するスカーフユニットの組立方法であって、
前記ヘッドブロックの前面側に、前記アッパーブロックと前記ロアーブロックとを間を開けて溶削用酸素ガス噴出スロットを構成するように配設し、前記ヘッドブロックの下面側に前記シューブロックを配設するとき、
前記アッパーブロックを、前記ヘッドブロックに配設するアッパープレヒートブロックベースと、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法により組み立てたアッパープレヒートブロックエクステンションとを用いて配設することを特徴とするスカーフユニットの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アッパープレヒートブロックエクステンション及びスカーフユニット並びにそれらの組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶削(スカーフィング)とは、通常、被溶削物(例えば鋼片)の脱炭層及び表面の疵(キズ)を酸素ガスと燃料ガスの熱化学的酸化反応により除去する工程である(特許文献1)。製鉄所では鋼片の圧延前に行う表面処理である。この溶削を行う装置はスカーフ装置(またはスカーフィング装置)と呼ばれ、世界各地の製鉄所に設けられている。
【0003】
スカーフ装置は、主には、鋼片等の被溶削物を載せて搬送するローラーテーブルと、該ローラーテーブルにより搬送される被溶削物を溶削するためのスカーフユニットから構成されている。このスカーフユニットから予熱のための炎(予熱炎)を被溶削物の表面に当てて予熱を行い、溶融ノロを発生させる。その後、溶削のための炎(溶削炎)に切り替えて、溶融ノロに大量の酸素ガスを吹付けると同時に、ローラーテーブルを用いて被溶削物をスカーフユニットに向かって前進させて、酸化反応による溶融ノロを発生させながら溶削を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スカーフユニットは、ヘッドブロック、アッパーブロック、ロアーブロック、シューブロックで構成されている。このうち、アッパーブロックの役目は酸素ガスと燃料ガスの混合ガスを燃焼させて予熱炎を形成して、その炎で被溶削物の表面の予熱を行い、溶削をするための湯溜まり(上記溶融ノロ)を形成するためのものである。
【0006】
その予熱炎を形成するための酸素ガス孔(噴出流路)と燃料ガス孔の構造にはチップタイプとインサートノズルタイプがある。チップタイプの方が歴史は長いが、約30年前にインサートノズルタイプが開発されてからは、製鉄所等においてインサートノズルタイプの採用が徐々に増えている。
ただし、インサートノズルタイプはチップタイプに比べて、組込部品点数も多く、組立・分解整備に時間がかかるようになった。
【0007】
なかでも、アッパーブロックの組立整備を行う際に、その一部であるアッパープレヒートブロックエクステンションにおいて、酸素ガス孔の内部に、酸素ガスの流量を調整するためのオリフィスプラグを挿入して固定する必要がある。その固定手順として、オリフィスプラグの上面に液体ガスケット(液体パッキン)を塗布して挿入し、液体ガスケットの乾燥を待ってオリフィスプラグが酸素ガス孔の内壁との間で固定となるため、作業時間がかかるようになった。液体ガスケットが乾燥する前にアッパープレヒートブロックエクステンションを動かすとオリフィスプラグがズレる恐れがあるためである。
【0008】
また、アッパーブロックの分解整備を行う際に、アッパープレヒートブロックエクステンションからオリフィスプラグを抜去後、アッパープレヒートブロックエクステンションの内部とオリフィスプラグに付着している、乾燥した液体ガスケットの除去が必要なため、作業時間がかかるようになった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、オリフィスプラグの脱着が簡便なスカーフユニット用のアッパープレヒートブロックエクステンション及びスカーフユニット並びにそれらの組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、被溶削物を溶削するスカーフユニット用のアッパープレヒートブロックエクステンションであって、
前記アッパープレヒートブロックエクステンションは、シールド用酸素ガスを噴出するためのシールド用酸素ガス噴出流路と、予熱用酸素ガスを噴出するための中央予熱用酸素ガス噴出流路とを有しており、
前記シールド用酸素ガス噴出流路の内部に、前記シールド用酸素ガスの流量を調整するためのオリフィスプラグが挿入されていて脱着可能に固定されており、
該オリフィスプラグはプラグ固定用弾性体を介して固定されているものであることを特徴とするアッパープレヒートブロックエクステンションを提供する。
【0011】
このような本発明のアッパープレヒートブロックエクステンションであれば、プラグ固定用弾性体の弾性力によってシールド用酸素ガス噴出流路の内部へオリフィスプラグをしっかりと固定できるとともに、取り外しも容易である。このようにオリフィスプラグの脱着が簡便なものとなり、液体ガスケットを使用する従来品に比べ、アッパープレヒートブロックエクステンションの組立や分解に要する作業時間を大幅に短縮することができる。
また、従来品では、オリフィスプラグにおける酸素ガスを通すオリフィス孔が、誤って液体ガスケットが塗布されたことにより塞がれてしまい、予熱不良や溶削不良を引き起こす場合があったが、本発明ではそのようなオリフィス孔の閉塞の懸念を無くすことができる。
【0012】
また、前記オリフィスプラグは、前記シールド用酸素ガス噴出流路の内壁と対向する上面に、前記プラグ固定用弾性体の厚さよりも浅い凹部を有しており、
該凹部に前記プラグ固定用弾性体が嵌め込まれた状態で前記オリフィスプラグが挿入されていて固定されているものとすることができる。
【0013】
このようなものであれば、比較的単純な仕組みでプラグ固定用弾性体によりオリフィスプラグの固定が可能である。
【0014】
また、前記プラグ固定用弾性体は、Oリングとすることができる。
【0015】
Oリング自体は部品としてよく用いられているものであり、調達し易く好適である。
【0016】
また、前記プラグ固定用弾性体は、材質がニトリルゴムであるものとすることができる。
【0017】
このような材質のものであれば、安価で耐摩耗性に優れているため好ましい。
【0018】
また本発明は、ヘッドブロックと、燃料ガス第1噴出流路とシールド用酸素ガス噴出流路と中央予熱用酸素ガス噴出流路を備えたアッパーブロックと、燃料ガス第2噴出流路を備えたロアーブロックと、被溶削物と接触するシューブロックを有する、前記被溶削物を溶削するスカーフユニットであって、
前記ヘッドブロックの前面側に、前記アッパーブロックと前記ロアーブロックとが間を開けて溶削用酸素ガス噴出スロットを構成するように配設されているとともに、前記ヘッドブロックの下面側に前記シューブロックが配設されており、
前記アッパーブロックは、前記ヘッドブロックに配設されたアッパープレヒートブロックベースと、該アッパープレヒートブロックベースに配設された上記本発明のアッパープレヒートブロックエクステンションとを有するものであることを特徴とするスカーフユニットを提供する。
【0019】
上記のように従来品に比べてアッパープレヒートブロックエクステンションの組立や分解の簡便性、作業時間を改善できるため、スカーフユニット全体としても組立や分解をし易く、また、必要な作業時間を短縮できるものとなる。
また、液体ガスケットによるオリフィスプラグのオリフィス孔の閉塞を起因とする予熱不良や溶削不良の発生の無いスカーフユニットとなる。
【0020】
また本発明は、被溶削物を溶削するスカーフユニット用のアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法であって、
前記アッパープレヒートブロックエクステンションにおける、シールド用酸素ガスを噴出するためのシールド用酸素ガス噴出流路の内部に、前記シールド用酸素ガスの流量を調整するためのオリフィスプラグを挿入して脱着可能に固定するとき、プラグ固定用弾性体を介して固定することを特徴とするアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法を提供する。
【0021】
このような本発明のアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法であれば、プラグ固定用弾性体の弾性力によってオリフィスプラグをしっかりと固定できる。簡便に組み立てることができ、組立の作業時間を従来に比べて大幅に短縮化できる。しかもこの方法で組み立てた場合、逆に分解するとき、オリフィスプラグを容易に取り外すことができる。すなわち、組立のみならず、分解の簡便性や作業時間も改善できる。
また、液体ガスケットによるオリフィスプラグのオリフィス孔の閉塞の懸念を無くすことができる。
【0022】
また、前記オリフィスプラグを固定するとき、
該オリフィスプラグにおいて、前記シールド用酸素ガス噴出流路の内壁と対向する上面に、前記プラグ固定用弾性体の厚さよりも浅い凹部を形成し、
該凹部に前記プラグ固定用弾性体を嵌め込んだ状態で、前記オリフィスプラグを前記シールド用酸素ガス噴出流路の内部に挿入することにより固定することができる。
【0023】
このようにすれば、比較的単純な仕組みでプラグ固定用弾性体によりオリフィスプラグを固定できる。
【0024】
また、前記プラグ固定用弾性体を、Oリングとすることができる。
【0025】
このように、調達し易いOリングをプラグ固定用弾性体として用いることができ、簡便である。
【0026】
また、前記プラグ固定用弾性体として、ニトリルゴム製のものを用いることができる。
【0027】
このようにニトリルゴム製のものを用いれば、安価で耐摩耗性に優れているため好ましい。
【0028】
また本発明は、ヘッドブロックと、燃料ガス第1噴出流路とシールド用酸素ガス噴出流路と中央予熱用酸素ガス噴出流路を備えたアッパーブロックと、燃料ガス第2噴出流路を備えたロアーブロックと、被溶削物と接触するシューブロックを有する、前記被溶削物を溶削するスカーフユニットの組立方法であって、
前記ヘッドブロックの前面側に、前記アッパーブロックと前記ロアーブロックとを間を開けて溶削用酸素ガス噴出スロットを構成するように配設し、前記ヘッドブロックの下面側に前記シューブロックを配設するとき、
前記アッパーブロックを、前記ヘッドブロックに配設するアッパープレヒートブロックベースと、上記本発明のアッパープレヒートブロックエクステンションの組立方法により組み立てたアッパープレヒートブロックエクステンションとを用いて配設することを特徴とするスカーフユニットの組立方法を提供する。
【0029】
上記のように従来に比べてアッパープレヒートブロックエクステンションの組立の簡便性、作業時間を改善できるため、スカーフユニット全体としても組立をし易く、また、必要な作業時間を短縮できる。また、この方法で組み立てた場合、逆に分解するときも簡便かつ短時間で分解可能である。
また、液体ガスケットによるオリフィスプラグのオリフィス孔の閉塞を起因とする予熱不良や溶削不良の発生の無いスカーフユニットを組み立てることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明のアッパープレヒートブロックエクステンション及びスカーフユニット並びにそれらの組立方法であれば、オリフィスプラグの脱着が簡便であり、組立や分解に要する作業時間を大幅に短縮できるし、従来のような液体ガスケットによるオリフィス孔の閉塞、更にはそれを起因とする予熱不良や溶削不良が発生するのを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明のスカーフユニットの一例を示す説明図である。
【
図2】本発明のスカーフユニットを分解した場合の一例を示す分解図である。
【
図3】本発明のアッパープレヒートブロックエクステンションの斜視図である。
【
図4】本発明のアッパープレヒートブロックエクステンションの背面図である。
【
図5】両端専用のオリフィスプラグの一例を示す側面図および内部構造図である。
【
図6】内側専用のオリフィスプラグの一例を示す側面図および内部構造図である。
【
図7】オリフィスプラグの凹部およびプラグ固定用弾性体を嵌合した状態の一例を示す説明図である。
【
図8】オリフィスプラグを挿入固定した状態のアッパープレヒートブロックエクステンション付近の内部構造の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明について図面を参照して実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、本発明に至った経緯について簡単に説明する。
アッパープレヒートブロックエクステンションのシールド用酸素ガス噴出流路内へ配置するオリフィスプラグに関して、従来はシールド用酸素ガス噴出流路のサイズに合ったものをそのまま挿入しているだけであった。
しかしながら、組み立てて鋼片等の溶削処理を行い、分解してオリフィスプラグの洗浄等を繰り返しているうちに、オリフィスプラグが摩耗してサイズが小さくなり、シールド用酸素ガス噴出流路に挿入した際にその内壁との間に隙間が生じて安定性がなくなってくる。そこで、オリフィスプラグをしっかりと固定するため、液体ガスケット(例えばシリコーン系)を接着剤代わりに用いてシールド用酸素ガス噴出流路の内壁に対して固定するようになった。
【0033】
液体ガスケットによる固定は、酸素ガスに触れても化学反応を起こさないこと、熱環境に強いこと、スカーフユニットのメンテナンスで元々使用しているという実績があったことなども考慮して採用されたわけであるが、前述したように組立や分解に手間や時間がかかったり、液体ガスケットの誤った箇所への塗布により、オリフィス孔の閉塞等の問題も生じることがあった。
そこで本発明者が鋭意研究を行ったところ、オリフィスプラグを固定するための弾性体を用いれば、組立や分解が手間も時間もかからず簡便であること、液体ガスケットを用いていた場合のオリフィス孔の閉塞の問題の発生を防ぐことができることを見出し、本発明を完成させた。
【0034】
図1に本発明のスカーフユニットの一例を示す。また、スカーフユニットの分解図を
図2に示す。このスカーフユニット1は、被溶削物(例えば鋼片)に対して酸素ガスと燃料ガスを供給して熱化学的反応によって鋼片の表面に存在する脱炭層や疵を除去するための機構を備えたものである。
まず本発明のスカーフユニット1は大きく分けて、ヘッドブロック2と、アッパーブロック3と、ロアーブロック4と、シューブロック5とからなっている。
なお、ヘッドブロック2としては例えば真鍮製のものが挙げられる。またアッパーブロック3、ロアーブロック4、シューブロック5としては、例えば銅製のものとすることができる。銅製であれば、熱伝導率が優れており、高い冷却効果を発揮することができるので好ましい。ただし、これらの材質は特に限定されるものではない。
【0035】
ヘッドブロック2は、酸素ガスや燃料ガスを、後述する各ブロックの噴出流路や溶削用酸素ガス噴出スロットに送るための集合配管を備えた構造となっている(マニホールド構造)。なお、この他、各ブロックの水冷用の水も送れるようになっている。
このヘッドブロック2の前面側には、アッパーブロック3が配設されていると共にロアーブロック4が配設されている。なお、これらの2つのブロックは間を開けるようにして配設されている。この2つのブロックの間が溶削用酸素ガス噴出スロット6を構成しており、溶削用酸素ガスを噴出可能になっている。
【0036】
またアッパーブロック3は、ヘッドブロック2に配設されたアッパープレヒートブロックベース(以下、UPBBとも言う)7と、該アッパープレヒートブロックベース7に配設された本発明のアッパープレヒートブロックエクステンション(以下、UPBEとも言う)8とを有する。
このアッパーブロック3(UPBB7とUPBE8)には、燃料ガス第1噴出流路9とシールド用酸素ガス噴出流路11と中央予熱用酸素ガス噴出流路12が備えられている。またロアーブロック4には燃料ガス第2噴出流路10が備えられている。各々、酸素ガスまたは燃料ガスが通って噴出可能になっている。
なお、より具体的には、シールド用酸素ガス噴出流路11はシールド用酸素ガス、中央予熱用酸素ガス噴出流路12は予熱用酸素ガスの通り道である。
燃料ガスの例としては、LPGやLNG、コークスガスが挙げられる。
【0037】
また、ヘッドブロック2の下面側にはシューブロック5が配設されている。このシューブロック5は下面にスキッド13が取り付けられている。スキッド13は溶削時などにおいて鋼片と接触する箇所である。
【0038】
ここで、本発明のUPBEについて詳述する。
図3はUPBE8の斜視図である。UPBB7との接合面側から見た図面である。なお、シールド用酸素ガス噴出流路11に挿入前のオリフィスプラグ(以下、プラグとも言う)14も併せて図示しているが、プラグ固定用弾性体は省略してある。
また
図4はプラグ14を挿入済みのUPBE8の背面図である。
図3、4に示すように、UPBE8には1つ以上(特には複数)のシールド用酸素ガス噴出流路11が形成されており、そのそれぞれに、シールド用酸素ガスの流量を調整するためのプラグ14が挿入可能になっている。
【0039】
ここでは、両端の2つのシールド用酸素ガス噴出流路に対する2つのプラグは、内側の7つのシールド用酸素ガス噴出流路に対する7つのプラグよりもやや小さくなっている。
図5に両端専用のプラグを示す(上段が側面図、下段が上面側から見た内部構造図)。また、
図6に内側専用のプラグを示す(上段が側面図、下段が上面側から見た内部構造図)。
各プラグ14において、中央に1つの取付治具用孔15があり、その両脇に2つのオリフィス孔16が設けられている。取付治具用孔15はネジ穴となっており、別に用意したT字型の取付治具の先端(ネジ状)を差し込むことができるようになっており、取付治具の先端を差し込んだ状態でUPBE8のシールド用酸素ガス噴出流路11内に挿入される。なお、両端専用のプラグでは取付治具用孔15は貫通しておらず、内側専用のプラグでは取付治具用孔15は貫通孔となっている(丸で囲んだ箇所)。しかしながら、特に限定されず、貫通していてもしていなくとも良く、適宜決定することができる。
また、オリフィス孔16の数や形成位置も特に限定されない。予熱や溶削の際には、このオリフィス孔16により酸素ガスが流量調整されて噴出されることになる。
【0040】
また、プラグ14のシールド用酸素ガス噴出流路11内への脱着可能な固定はプラグ用固定弾性体を介していればよく、具体的な形態は特に限定されない。以下にその一例を説明する。
図7にプラグの上面に形成された凹部および該凹部にプラグ固定用弾性体を嵌合した状態の一例を示す(上段が上面図、中段がプラグ固定用弾性体の嵌合状態の上面図、下段が嵌合状態の側面図)。
プラグ14には、例えば、その上面(シールド用酸素ガス噴出流路11に挿入された状態ではその内壁と対向することになる)に円形の凹部17が形成されている。この凹部17には、プラグ固定用弾性体(以下、弾性体とも言う)18(例えばOリング)を嵌め込み可能であり、かつ、弾性体18の厚さよりも浅い深さを有している。このため、凹部17への嵌合状態では弾性体18の一部が上方に突き出た状態になる。このようなものであれば、シールド用酸素ガス噴出流路11内に挿入時に凹部17に嵌合された弾性体18が凹部17から外れにくく、かつ、挿入された状態では凹部17に嵌合している弾性体18の突き出ている部分がシールド用酸素ガス噴出流路11の内壁を押圧することになる。すなわち、弾性体18の弾性力により、プラグ14はシールド用酸素ガス噴出流路11の内部でしっかりと固定されることになる。凹部17と、そこへの弾性体18の嵌め込みいう比較的単純な仕組みで固定可能であり、また液体ガスケットのように接着しているわけではないので取り外しも容易であり、実に簡便である。
【0041】
なお、プラグ14の厚さ、凹部17の深さ、弾性体18の厚さは特に限定されない。例えばシールド用酸素ガス噴出流路11のサイズ等に応じて適宜決定することができる。
【0042】
液体ガスケットを使用せずとも弾性体18を介して固定できるので、誤って液体ガスケットをプラグ14の側面に塗ってしまい、その液体ガスケットによりオリフィス孔16が閉塞してしまうという従来品で生じていた問題を防ぐことができる。このため、その閉塞を起因とする予熱不良や溶削不良の発生を未然に防止できる。
【0043】
なお、ここではプラグ14の上面に円形の凹部17を設ける例を示したが、これに限定されず、代わりにその下面、またはオリフィス孔16が形成されていない側の側面、さらには複数面に設けることも可能である。また平面視において円形、四角形、三角形など、凹部17の形状も特に限定されない。ただし、そのような凹部の作製やメンテナンスの関係上、すべてのプラグ14において凹部の形成箇所や形状は統一しておくのが好ましい。
【0044】
また、弾性体18としてここではOリングを例に挙げたが、特に限定されるものではなく、凹部17の平面視での形状等に応じて適時決定することができる。Oリングであれば、調達し易く好適である。
また弾性体18の材質としては、例えば、比較的安価で耐摩耗性に優れているニトリルゴムとすることができるが、特に限定されない。酸素ガスや熱に耐性があり、プラグ14を固定できる程度の弾性力を有するものであれば良い。
この弾性体18は、本発明のスカーフユニット1の他の部位でシール等のために使用されているもの(例えば、後述するシール用Oリング21)と同等のものを流用・共通化することもできる。このような流用品であれば、スカーフユニット1全体において、部品の種類を余計に増やすことを防ぐこともでき、管理・メンテナンスの面で好ましい。
【0045】
図8にプラグ14を挿入固定した状態のUPBE8付近の内部構造を示す。以下、各噴出流路に沿って説明する。
アッパーブロック3において、酸素ガスの噴出流路はUPBE8でシールド用酸素ガス噴出流路11と中央予熱用酸素ガス噴出流路12の2つに分岐している。
シールド用酸素ガス噴出流路11の内部には前述したプラグ14が挿入されて弾性体18を介して固定されており、基本的には、そのオリフィス孔16を通してシールド用酸素ガスが噴出される。
なお、シールド用酸素ガス噴出流路11は先細りになっており段差19を有している。この段差19により、プラグ14がそれ以上奥に進むのが阻まれていると共に、簡易的ではあるがシール性が確保されている。
ところで、オリフィス孔16からだけでなく、弾性体18の存在による、シールド用酸素ガス噴出流路11の内壁とプラグ14との隙間、更にはその先の段差19とプラグ14との隙間から酸素ガスが漏れていたとしても特に問題はない。大本の酸素ガスの供給量を適切に調整して、適切な流量のシールド用酸素ガスを噴出できるようにすれば良い。
【0046】
またUPBE8にはインサート20という、中心軸に沿って貫通孔が形成された筒状部材が挿入されており、該貫通孔が中央予熱用酸素ガス噴出流路12となり、これを通して予熱用酸素ガスを噴出できるようになっている。そしてこの筒状のインサート20の外周部には、軸方向に沿った溝が複数形成されている。そしてインサート20の周りを囲うように燃料ガス第1噴出流路9が形成されており、この燃料ガス第1噴出流路9の内壁とインサート20の外周部の溝との隙間を通して燃料ガスが噴出できるようになっている。なお、酸素ガスと燃料ガスとがUPBE8の内部で混合しないように、シール用Oリング21が設けられている。
このようなインサート20を含む機構により、中心部からは予熱用酸素ガス、そして外周部からは同心円状に燃料ガスが噴出されるようになっており、強力(高温)で長距離の予熱炎を発生させることが可能になっている。
【0047】
また、前述したように、ロアーブロック4においては燃料ガス第2噴出流路10が設けられていて燃料ガスを噴出できるようになっているし、アッパーブロック3とロアーブロック4との間には溶削用酸素ガス噴出スロット6が設けられていて溶削用酸素ガスを噴出できるようになっている。
【0048】
次に、本発明のUPBEおよびスカーフユニットの組立方法について説明する。
なお、ここでは、弾性体18としてOリングを用い、
図3、7のような上面に凹部17を有するプラグ14を挿入固定するUPBE8の場合について説明するが、これに限定されない。シールド用酸素ガス噴出流路内に、プラグ固定用弾性体を介してオリフィスプラグを脱着可能に固定する方法であれば良い。
【0049】
まず、プラグ14の凹部17にOリングである弾性体18を嵌め込む。このように弾性体18を凹部17に嵌合した状態のまま、取付治具を用いてプラグ14をUPBE8のシールド用酸素ガス噴出流路11の内部の段差19まで挿入する。弾性体18の弾性力によってシールド用酸素ガス噴出流路11の内壁が押圧されることで、プラグ14が内部にしっかりと固定されることになる。このようにしてUPBE8を組み立てる。
【0050】
次に、ヘッドブロック2に対して前面側にアッパーブロック3とロアーブロック4を配設する。このとき互いに間をあけて配設することで溶削用酸素ガス噴出スロット6を構成する。
また、アッパーブロック3の配設の際には、例えば、まずアッパーブロック3のうちUPBB7をヘッドブロック2に対して配設し、その後にUPBB7に対してUPBE8を配設することができる。あるいは、UPBB7とUPBE8を接合してアッパーブロック3を組み立ててからヘッドブロック2に対して配設しても良い。
また、ヘッドブロック2に対して下面側にシューブロック5を配設する。
このようにしてスカーフユニット1を組み立てる。
【0051】
以上のような本発明の組立方法であれば、簡便かつ短時間で組立可能であるし、分解するときも実に簡単である。
【0052】
以下、本発明のスカーフユニット1を用いて溶削する方法について説明する。ここでは簡単のため、スカーフユニット1を鋼片の表面側(上面側)にのみ配設する場合を例に挙げて説明する。なお、これに限定されず、当然、鋼片の二面または四面に対して配設し、鋼片の二面または四面を同時溶削することも可能である。
まず、鋼片を送るためのローラーテーブル上に鋼片を載置し、スカーフユニット1側に向かって搬送する。このとき、スカーフユニット1はローラーテーブルや鋼片に対して十分に上方の位置に配設されている。
鋼片の端部がスカーフユニット1の下にまで搬送された後、スカーフユニット1を鋼片へ向かって動かし(この場合、下降させて)、スキッド13を鋼片の表面(上面)に接触させる(クロージング工程)。
【0053】
接触後、スカーフユニット1を鋼片の表面から離す。この離す間隔はおよそ1/2インチ(約12.5mm)とすることができる。そしてローラーテーブルにより鋼片を少し引き(すなわち、スカーフユニット1から離れる方向に搬送する)、次の予熱工程においてスカーフユニット1からの予熱炎が鋼片の表面の端部にあたるように位置決めをする。
【0054】
次に、スキッド13が鋼片の表面に対して非接触の状態のまま、燃料ガス第1噴出流路9から燃料ガスを低速で噴出し、燃料ガス第2噴出流路10から燃料ガスを高圧で噴出するとともに、シールド用酸素ガス噴出流路11から低圧の酸素ガス、中央予熱用酸素ガス噴出流路12から酸素ガスを高速で噴出し、溶削用酸素ガス噴出スロット6から酸素ガスを低速で噴出しつつ、イグナイターにより点火し、予熱炎を発生させ、鋼片の表面に溶融ノロを発生させる(予熱工程)。このときの予熱炎は、鋼片の幅方向に線状の集中炎となる。
予熱時間としては、例えば、鋼片が熱片の場合は5秒ほど、冷片の場合は60秒ほどとすることができる。
【0055】
溶融ノロが発生後、ガスの流量切り替えを行い、予熱炎から溶削炎へと切り替える。すなわち、溶削用酸素ガス噴出スロット6からは大流量(例えば200kPa程度)の酸素ガスを噴出する一方で、シールド用酸素ガス噴出流路11と中央予熱用酸素ガス噴出流路12からは噴出口保護のみのため小流量の酸素ガス、また、燃料ガス第1噴出流路9と燃料ガス第2噴出流路10からは小流量の燃料ガスを噴出するに留める。同時に、スカーフユニット1を鋼片へ向かって動かし(下降させて)、スキッド13を鋼片の表面に接触させつつ、ローラーテーブルによって、鋼片をスカーフユニット1側へと搬送させる。このように溶融ノロに大量の酸素を吹き付けるとともに鋼片をスカーフユニット1に向かって前進させることで、酸化反応による溶融ノロを発生させながら次々と鋼片の表面を溶削していくことができる(溶削工程)。
【0056】
なお、鋼片には反りや曲りがあるが、上記のようにスカーフユニット1のスキッド13を鋼片の表面に接触させて密着させつつ溶削を行うことで(すなわち、スカーフユニット1と鋼片の距離を一定にしながら溶削を行うことで)、溶削代を鋼片の溶削面の全体において均一とすることができる。この溶削代としては、例えば1.5~4mm程度とすることができる。
また、溶削時には、高圧水ノズルからの高圧水により、不要な溶融ノロを鋼片の周囲を囲うスモークフードの内壁へ向かって吹き飛ばしつつ溶削することができる。
以上のような溶削工程によって溶削物を得ることができる。
【実施例】
【0057】
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
本発明のUPBEの組立方法を用いて、スカーフユニット用のUPBEのシールド用酸素ガス噴出流路の内部にオリフィスプラグを挿入して固定し、UPBEの組立を行った。また組立後、そのUPBEを分解してその内部からオリフィスプラグを取り出した。この組立および分解に要する時間を測った。
なお、オリフィスプラグとしては
図7のように上面に凹部を有するものを用いた。組立時には、ニトリルゴム製のOリングをその凹部に嵌合した状態で取付冶具によりシールド用酸素ガス噴出流路の内部に差し込み、Oリングの弾性力によって固定した。
また逆に、取付冶具によりシールド用酸素ガス噴出流路の内部のオリフィスプラグを引き出すことで分解した。引き出したオリフィスプラグの凹部からはOリングを容易に外すことができた。
【0058】
(比較例)
従来のUPBEの組立方法を用いて、スカーフユニット用のUPBEのシールド用酸素ガス噴出流路の内部にオリフィスプラグを挿入して固定し、UPBEの組立を行った。また組立後、そのUPBEを分解してその内部からオリフィスプラグを取り出した。この組立および分解に要する時間を測った。
なお、オリフィスプラグとしては、実施例とは異なって上面に凹部のない従来と同様のものを用いた。組立時には、上面に液体ガスケット(シリコーン系)を塗布し、取付冶具によりシールド用酸素ガス噴出流路の内部に差し込み、そのままの状態で放置して液体ガスケットを乾燥させることにより固定した。
また逆に、取付冶具によりシールド用酸素ガス噴出流路の内部のオリフィスプラグを引き出すことで分解した。引き出したオリフィスプラグの上面とシールド用酸素ガス噴出流路の内壁の両方に液体ガスケットの乾燥物が付着していたため、その除去作業を行った。具体的には、まずこれらに付着した液体ガスケットの付着物の大部分をナイフを使用して削り取り、取り切れなかった箇所は真鍮製のスパイラルブラシを使用して除去した。オリフィスプラグについては、さらにピンバイスを使用してオリフィス孔の目詰まりの除去を行った。
【0059】
組立および分解に要する時間の比較を行ったところ、組立では、比較例が180分間かかったのに対して実施例では5分間で済ますことができた。これは、比較例では液体ガスケットの乾燥に特に時間を要したことによる。一方で実施例ではそのような乾燥は不要であり、その結果、比較例の場合と比べて175分間も短縮化できた。
また、分解では、比較例が20分間かかったのに対して実施例では5分間で済ますことができた。比較例では液体ガスケットの除去作業に時間を要したことによる。一方で実施例ではそのような除去作業は不要であり、その結果、比較例の場合と比べて15分間も短縮化できた。
【0060】
実施例のような本発明ではUPBEの組立や分解の必要時間を短縮化できたため、スカーフユニットを組み立てたり分解した際にも、全体として同様に時間を大幅に短縮することができた。
【0061】
なお、比較例と同様の手順で複数のUPBEの組立を行ったところ、上面以外にオリフィス孔にまで液体ガスケットを誤って塗布してしまう場合があった。実施例のような本発明ではこのようなミスも起きないため、安全面でも優れている。
【0062】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0063】
1…本発明のスカーフユニット、 2…ヘッドブロック、 3…アッパーブロック、
4…ロアーブロック、 5…シューブロック、 6…溶削用酸素ガス噴出スロット、
7…アッパープレヒートブロックベース、
8…本発明のアッパープレヒートブロックエクステンション、
9…燃料ガス第1噴出流路、 10…燃料ガス第2噴出流路、
11…シールド用酸素ガス噴出流路、 12…中央予熱用酸素ガス噴出流路、
13…スキッド、 14…オリフィスプラグ、 15…取付治具用孔、
16…オリフィス孔、 17…凹部、 18…プラグ固定用弾性体、
19…段差、 20…インサート、 21…シール用Oリング。